南井大介

楠木統十郎の災難な日々 2.史上最悪のバカンス4   

楠木統十郎の災難な日々 2 史上最悪のバカンス (電撃文庫 み)

【楠木統十郎の災難な日々 2.史上最悪のバカンス】  南井大介/イチゼン 電撃文庫

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「こまけぇことはいいんですよ」 痛快スラップスティック・コメディ、第2弾!!

 ひょんなことから『世界を管理する』“機関”のエージェントになってしまった楠木統十郎。世界を滅ぼそうとする魔王と戦ったり、銀行強盗の手伝いをさせられたりと、日夜“並行世界”で起こるトラブル解決に駆り出されてオツカレ気味の統十郎を労って、優しい上司(猫耳ロリ娘)が慰安旅行をプレゼント!?
 青い海、白い砂浜。夜は浴衣姿の相馬姉妹(?)と祭りを楽しんで、心身ともにリラックス――なんてウマい話があるわけもなく、突如街中に現れたモンスターを相手に生き残りをかけたサバイバルが幕を開ける!
これは酷い、悪趣味にも程がある。このサブタイトル、本当は「史上最悪のバカンス」じゃなくて「くそったれのバカンス」にしたかったんじゃないのか? と思ってしまいほど、これは酷い。
なまじこれ、やり直しが聞くからこそより悪趣味で陰険極まる展開になっていると言える。この下劣極まる悪趣味さが作品自体への嫌悪に繋がらないのは、読者に成り代わって、主人公である統十郎が一身にこのひでえ内容を引き受けてくれているからなのでしょう。この悪意に満ちた嘲弄を彼は頭から浴びせられながらも、臆すること無く、心折れる事無く、まっすぐに憤怒をあらわにし、拳を振り上げ、罵声をあげながら、馬鹿野郎となじってくれるのです。ふざけるな、と怒ってくれるのです。舐めんじゃねえ好き勝手されてたまるか、と抗ってくれるのです。読者が感じるであろうあらゆる負の感情を、彼は代わりにさらけ出して、弾けさせ、気持ちいいくらいに内に秘めずに表に吐き出してくれるのです。
そりゃあ、よしやったらんかいや! と激情も同調しようというものです。
楠木統十郎という人物、主人公とするには本来あまりにも危うく尖っていて、タフで性格も悪く酷薄でダーティーで激情家です。まず読み手は、なんじゃこいつは、とドン引きしてしまうようなタイプの頭のよい荒くれ者。主人公としては異端もいいところでしょう。しかし、この悪趣味の塊のような話の展開の中では、彼の異端性はまさに読み手の感情の代行者として機能しているのです。さらに、機会主義者で現実主義者、さらには身内に対しては絶対的に味方で在り続けるというそのスタンスは、この状況下ではすこぶる頼もしく頼り甲斐のあるタフガイとして楠木統十郎を浮き立たせます。間違いなく、この場においては彼はヒーローでした。その人となりは一巻から殆ど変わっていないにも関わらず、一巻ではこの主人公にドン引きした人でも、今回は大いに彼に共感と燃えを得た人も多かったんじゃないでしょうか。
相馬姉妹も、今回は反発することもかく、統十郎の言うことをきっちり聞いて動いていましたしね。こういう危機的非常時においては、彼の判断は現実的にも信義の問題としても絶対的に信用できる、という信頼が兄妹にはあったんでしょうな。

一方で、全くの一般市民としてこの悪趣味の悪夢に巻き込まれ、さながらパニックムービーの主人公のように輝いていたのが、涼と静江サイドでした。此方はエージェントたちの事情など露知らず、怪物たちがうごめく地獄と化した街の中で家族や友人たちが次々に惨たらしく殺されていく中で、必死に生き残るために抗い続ける、という窮地においてさらけ出される悲壮感絶望感に彩られた愛と友情の劇場が迫真の勢いで描かれており、統十郎たち関係なく、純粋にモンスター・ホラーものとしてこれ単体で描いても、十分傑作になったんじゃないだろうか、と思ってしまうほどの代物でした。面白かったなあ、こっちサイドも。

唯一にして最大の不満点は、悪意の発生点にして、おそらく黒幕的立場にいるだろう猫耳ロリをギャフンと言わせるようなカタルシスがないことなんですね。一発でもぶん殴らないとスカっとせんよー。こればっかりは、統十郎が不憫でなりません。いっぺんこの男には、復讐を果たして欲しい。このまま、良いように弄ばれるだけなら男がすたるぜ、統十郎さんよ。
別の任務で馴染みとなって、自分でフラグへし折って気づかずに居るエルフのファトマと、また新たな任務に送り出されてしまった統十郎。その任務の難度条件がインフェルノなんですが、猫耳ロリのやつ、何気に殺す気満々じゃね?

1巻感想

楠木統十郎の災難な日々 ネギは世界を救う3   

楠木統十郎の災難な日々―ネギは世界を救う (電撃文庫)

【楠木統十郎の災難な日々 ネギは世界を救う】 南井大介/イチゼン 電撃文庫

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ネギを片手に世界を救え!? 痛快スラップスティック・コメディ登場!!

 県立星ヶ峰中央高校三年C組、穴があったら突っ込みたい年頃の楠木統十郎は、気がついたら──死んでいた。
 何を言っているのか分からないだろう。被害にあった統十郎も何が何だか分からない。だが、目の前にいる猫耳ロリ(自称・高次元生命体)は言うのだ。今、統十郎は彼女のミス(お前のせいか!)で自身の存在をアノマリーとかいう“バグ”に世界ごと飲み込まれてしまい、アノマリーを倒さないと死んだままですよ、と。そして統十郎の手には、何故か新鮮なネギが……。
 かくして楠木統十郎の災難な日々が幕を開ける!? ハイテンション&ハイスピードで贈る痛快スラップスティック・コメディ!!
【ピクシー・ワークス】、【小さな魔女と空飛ぶ狐】に続く南井大介第三作目。またぞろ、とんでもないキャラクターの主人公を放り込んできたな。ここまで性格が狷介凶悪傲岸不遜な主人公は特異だろう。いくら何でもエッジが尖すぎる。しかし、その尖り猛った性格こそが、グイグイとこの物語を牽引する原動力になっているのだから油断できない。多分、彼の性格が当たり障りのない温厚なものだったら、この作品ここまで面白くはなかっただろう。まあ、南井さんの出すキャラクターが温厚で穏当だった試しはないような気もするけれど。
ともかく、その頭の回転の速さと容赦ない冷酷さ、一方で身内を大事にする熱量と敵は容赦しないという攻撃性が、デブで運動が苦手という大概惰弱なデブオタにされがちな小太り型主人公を恐ろしいまでのアクティブな牽引役として機能させていることは注目に値する。状況だけ見ると、典型的な巻き込まれ状況で受身な展開なんですよね。なのに、印象としては主人公サイドが率先して障害を噛み千切り踏みにじり喰い破っていくかのように見える。実質の案内役であるネコ耳ロリがまた、原因にして発端にして責任者にも関わらず協調性が欠片もなく、完全に上から目線で状況を面白がって主人公たちを見下し嘲り弄んでいるだけだもんなあ。申し訳なさそうな顔の一つもしないものだから、果たしてこいつら本当に協力関係、支援関係にあるのかと疑いたくなるくらいに仲が悪い。顔を突き合わせれば罵詈雑言の応酬で、さすがにこれでケンカするほど仲が良いとは思えないレベルでやりあっているものだから、むしろラスボスはアノマリーじゃなくて猫耳ロリなんじゃないかと疑いたくなるほどだった。まあ、こいつがラスボスになってしまうともはや無理ゲーなのですが。本質的にGMみたいなもんだもんな。
和希には思いっきり騙された。勿体ぶらずに速攻で正体明かされてしまったのだけれど、これはこれで開幕冒頭に一発KO食らったような威力だったよなあ。出会い頭の一発ほどキツいものはない。
男の娘だったとは。
まあキャラの好みは妹でちゃんと女の子な優希の方だったから良かったんだけれど。その優希だけれど、彼女と主人公の関係は面白いなあ。統十郎はあの性格で、さらに幼馴染にも女にも容赦しない奴だから、和希が懐いている分も反作用に働いて、二人の関係は険悪に見えるのだけれど、これで優希は統十郎を嫌ってはいないんですよね。むしろあれだけ喧嘩していながら、一緒にいることを好んでいるしそれを自覚すらしている。
これがただの幼馴染補正なら言及するところはないのだけれど、彼女が統十郎を好んでいるのは身近さではなく、彼の知性というところが実に面白い。優希自身、知性と理性に重きを置き学と識に楽を覚えるたちだから、統十郎と面合わせると自然と起こってしまうアカデミックな会話に快感と満足感を感じているのだ。彼女にとってその辺の同世代と接するよりも、性格こそ悪かろうが、統十郎と喋っているのが純粋に楽しいんですね。
とはいえ、統十郎と優希の関係が普通の他人、知り合い同士なら優希も幾ら楽しいからといってあんな狷介な性格の男との付き合いは続けないでしょうけれど、統十郎ってあの性格で幼馴染も女の子も平気で自分のいいように利用する人間でありながら、実は本当にいざとなると身内はすごく大事にするタイプであったりするわけで、和希と優希は彼にとっての数少ない身内に含まれているわけです。
普段の態度には頭に来て仕方ないけれど、一緒にいると楽しいし他の人では得られない充実感を感じる上に、いざという時頼もしいことこの上ないし、本当のところは大事にされているのはわかっている。となると、そりゃまあ離れがたいわなあ。見た目冴えないどころか、とてもモテそうにない外見の小デブキャラの主人公に彼女みたいな娘がくっついている理由としては、ただの幼馴染関係だけというよりよほど納得できる関係性だ。
ラストでちょっぴりデレた優希はなかなかキュートで可愛かった、うん。

主に主要人物のキャラでもってとてつもない勢いで突き進んでいくドタバタ劇、これまでの作者の作風と全く違うようで所々でやっぱり南井大介だと思わせてくれる空気感。うん、楽しかったです。
とは言え、作者の物語はやっぱりもっと硬派な方向で暴走している方が好きなので、デビュー作みたいな方に戻るか、或いは続編出すにしても作品の組み立てをあんな感じで描いてくれると嬉しいな。統十郎なら主人公交代しなくても舞台変わっても十分やってけそうだし。

小さな魔女と空飛ぶ狐4   

小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)

【小さな魔女と空飛ぶ狐】 南井大介/大槍葦人 電撃文庫

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 bk1

“ワガママ魔女”と“ヤサグレ狐”が織り成す、現代の御伽話(ウイッチ・テイル)!

 レヴェトリア空軍のエースパイロット・クラウゼは、ある日突然、“内戦解決の切り札”とされる重要人物の補佐を命じられる。待っていたのは、わずか16歳の少女で……。ワガママ放題の“小さな魔女”アンナリーサが巻き起こす様々なトラブルを前に、クラウゼは無事に彼女の騎士(ナイト)を務め上げることができるのか? そして本当に戦争は終結するのか? 期待の新作ファンタジー!


ちょっ、なんだよこれ。アンナリーサとアジャンクールの二人だけで、何十年分の技術的ブレイクスルーをやっちゃってるんだ!?
近現代の兵器システムのほとんどをこの二人だけで構築しちゃっている上に、未だ確立していない次世代技術まで、数カ月単位で実現してるって、天才過ぎるにも程がありすぎて、笑ってしまった。というより笑うしか無い。
二人の創造したシステムを、実現させてしまう技術者たちもおかしいんですけどね。というか、技術者陣の方がおかしいと言った方がいいかもしれない。
そうかー、核反応兵器抜きで前線で使用される兵器群を発展させていくと、こんなカタチになってしまうのか。戦略的破壊力を持つ兵器が開発されていないと、ICBMなどコスト的に無駄以外の何ものでもない、というのは言われてみるとそういう考え方も出来るのか。ただ、トマホークなどに代表される巡航ミサイルは有用である以上開発されないわけはないんだろうけど……そうか、これはかなり巨大な運用システムがハード的にもソフト的にも、もっというと軍組織の大規模な改変から必要となるから、これほどの急激なブレイクスルーの中では保守的な軍組織の中からはむしろ忌避される兵器なのかもしれないなあ。完全に新しい分野になってしまうし。
しかし、アジャンクール博士の狂気の産物は、てっきり普通に核反応兵器だと初見では見えただけに、その正体が明らかになったときはひっくり返ったよ。そりゃ、確かに戦術核に匹敵する威力は出るだろうけどさ、それ現代でもまだ実用化とは程遠いところにある爆薬じゃないかよ!!
いや、そもそも、レールガンをガンシップで運用出来るようにしてしまう時点であれなんだが。艦船通り越してガンシップって。まだ発動機が原子力エンジンだったらわからなくはないけど、核分裂反応の概念が未だに証明されていない状態において、ガンシップに搭載できるサイズのレールガンを発射できる発電装置を開発するって、どんなだよ!
もう、技術的側面についてはおもいっきり遊びまくってて、もう笑った笑った。そこまでやるか、と。この辺の実に恣意的なはっちゃけっぷりは、楽しくて仕方なかった。戦争とは、その一面においては確かに楽しくて仕方ないものなのだ。倫理的には言語道断の話だけれど、それでも一面の事実だ。

然して、この物語の骨格へと連結される話である。
つまるところ、そこまで規格外の、それこそ科学技術については時代を百年すすめるような、埒外の天才だからこそ、戦争の姿をたった二人で変貌させてしまうような二人だからこそ、モラルなどあったもんじゃなしに、戦場を遊び場として、自分たちの生み出す技術の実験場として宴を催す二人だからこそ、それこそ原子力爆弾の開発に携わった科学者たちに匹敵するような、或いはそれを遥かに上回るような、人の殺し方で世界を変えてしまう、そんな業や責任、狂気や悪夢が、アンナリーサとアジャンクール、このたった二人に、二人だけにのしかかって来るわけです。

人が人並みに持ち得る倫理観、それを明らかに逸脱した領域を描いた物語。なるほど、【ピクシーワークス】を書いた人が書くにふさわしい物語だ。
【ピクシーワークス】で登場した女子高生たちも、相当に倫理の欠片もないマッドサイエンティストだったけれど、コチラでは二人の科学者の業によって、実際に毎日数えきれない人間たちが死んでいくという、生々しいまでの現実の戦争下にあるので、二人の科学者の下には血生臭い風が諸共に吹き寄せてくることになる。
自分たちが創りだした兵器によって、その兵器によって激化する戦争によって、その戦争によって生み出された因果によって、人間がとても人間の死に様とは言えない、悲惨なむごたらしい、ぐちゃぐちゃの、マトモな人間のカタチも残らない、尊厳も何もあったもんじゃない、そんな筆舌に尽くし難い有り様の死が、血が、肉塊が、臓物が、二人の頭上から降り注いでくることになる。
実際に人が死んでいく現実に直面し、血塗れになりながら、腐臭に塗れながら、精神を病み、心折れながら、それでも二人の科学者は自らの全存在を、自らの智に擲っていくのです。

理屈じゃないんですよね。科学者たちも軍人たちも理屈の塊みたいな存在なのに、彼らを突き動かすものは理屈じゃないのですよ。それは鎖を引きちぎるような知的な欲求であり、無意味と分かっていても緩めることの出来ない憎悪であり、一部の所業に対してそれが属する集団すべてに抱いてしまう憤怒であり……。
人はどうしようもなく感情の生き物であり、人はそれに引きずられるようにして社会を動かしている。理屈と感情は表裏のもの。時に感情に理屈を無理やり照らし合わせ、時に感情を理屈のために無理やり押し殺す。機械のように冷徹な意思だって、その大元を辿っていけば無数の人間たちが巻き起こす感情の渦が原点となっているのかもしれない。
社会のありようというのは、必要以上にシンプルで、異様なまでに複雑なものなのかもしれないなあ。そして、人はそれぞれの役割を持って、責任を果たさなければならないのだろう。それが、どういうカタチにしても、当人が納得出来るやり方で。
つまるところ、これはそれぞれがそんな境地に到るまでの話、とでも言ってしまうと身も蓋もないのか。
問題は、女性に対しての責任のとり方に関しては、クラウゼはアジャンクールと比べて完全に失敗しているところだな。曰く、果たして彼の立場の場合、はっきりと責任を取るのか、なあなあで済ますのか、どちらが正しいかが解明されていないところだ。まあ、これに関しては、それこそ理屈じゃないから、どうしようもないのだけれどw
そもそも、最初から最後まで彼は自分が責任を果たさなければならない立ち位置に立たされていることに気付かなかった、という点から本当にどうしようもないのだけれど(笑

ところでこの作品、作者の前作である【ピクシーワークス】と同じ世界観と考えてもいいんですよね? 冒頭付近で出てくる極東の黒い魔女と呼ばれ、アンナリーサが尊敬するという天城蓉子博士。彼女の苗字を冠した天城重工という企業が、前作で重要な役割を果たしている以上は、何らかの形で関わりがある、と考えたほうが易いわけだし。
時代的にはさすがにこっちの方が前っぽいけど。

個人的にはアンナリーサも良かったけど、それよりも何よりもリード姉様だよなあ、という点はわれながら病んでいる気もするが、あの怖いどころじゃないドSっぷりは最高でしょう? クラウゼ、完全に下僕じゃないですか(笑
まあ、お陰でリード姉様、調教には成功しても異性としてはおもいっきりしくじってる気がしないでもないけど。旦那様候補に絶対服従を躾てしまうというのは、問題以前の問題じゃないですか?(笑
それって、もはや自分から結婚しろ、と「命令」しない限りどうにもならない関係になってしまってるような……w
アンナリーサはアンナリーサで、相当に「アレ」だしなあ。もう一人のモテてる相手であるエマさんは、むしろ本気で殺しにきてるしなあ……。
あー……先程、クラウゼくんは女性相手にちゃんとしてなくて困った奴だなあ、という節の事を書いてしまったが、よくよく相手の女性陣の有り様を考えてみると、彼には何の問題もないような気がしてきたぞ? 鈍感云々じゃなく、歴戦にして名うての戦闘巧者としての、本能から来る消極的回避行動なのか?w

ピクシー・ワークス4   

ピクシー・ワークス (電撃文庫)

【ピクシー・ワークス】 南井大介/バーニア600 電撃文庫

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 bk1

すっげええ。もう、これは凄いとしか言いようがない。この作者、何を考えてこんなとんでもない常軌を逸したキャラクターどもを造形したんだ!?
もう、メチャクチャ面白かった。何が面白かったって、コイツラのイカレっぷりですよ。
女子高生女子高生って、こいつらそんな【女子高生】なんて肩書きで語っていい存在じゃないでしょう!? 女子高生なんて甘酸っぱい響きによって結ばれるような人間じゃないよ、こいつらは。こいつらは偶々今高校生というだけで女子高校生という枠組みの範疇に入ってしまっているだけの、化け物どもですよ。こんなのを女子高生なんていったら、普通の女子高生に失礼だ。
女子高生が戦闘機を直して飛ばす青春モノ、なんて風に要約したらこの作品の姿形がまるで違うものになってしまう。
彼女らが優秀だから、尋常ならざる能力を持ってるからそう言ってるんじゃないですよ。能力の問題ではなく、彼女らの人間性とか内面の問題。
青春!? 青春!? 冗談じゃない。これがそんなお話か。
ハッキリ言って、これは頭のネジが二、三本抜けた狂人にして人格破綻者、社会不適合者にして紛うことなきマジもんの悪党、すなわちマッドサイエンティストどもが、己が趣味と好奇心と冒険心と享楽、欲望のままに踊り狂う、魔女の宴、ワルプルギスの夜の物語。

あまりに優秀でありすぎるが故に、彼女たちの視野は自分たちの見える範囲で完結してしまっている。そこには思想も俗欲も公共心も社会に対するモラルもなく、自分と手の届く範囲の仲間たちのためだけに、そのウルトラハイスペックな能力は発揮されるのだ。
彼女らのやってることは、否定しようのないテロルであり、犯罪そのものにも関わらず、彼女らの中に罪悪感というのは欠片もない。
信念や郷愁めいたものも皆無なんですよね。芹香がヴァルティに空に行こうとするのは、死んだ父を身近に感じたいためか、と問われて、一切そんな事を考えていなかった事に気がついて衝撃を受けるシーンがあるんですけど、それが特に象徴的かな。こういうシーンを挟んでくるあたり、彼女らの破綻した部分と言うのはかなり意図的に組まれている気配がうかがえる。
空恐ろしい事に、自らの身体的・社会的危険性をまったく考慮に入れないこの試みを、彼女らはまったくあっさりと娯楽のため、と明言してるですよね。
それがいっそ、痛快であるのが、この物語の面白い所。人によっては、耐えがたい嫌悪を覚えるかもしれないけど。
個人的には、決して無邪気に無思慮無自覚にこういう連中を書いているのではなく、自覚的にイカレ壊れた悪党として描いているようなので、気にはならないけど。
まあ、色々と舐めて生きてる連中であるのは確か。そのうち、痛烈に痛い目を見そうではある。実際、この作中でも痛い目見かけてるし。そうそう甘いもんじゃねえぞゴラァ、というのが怖ぁい大人の人たちによって爪先で鳩尾蹴りあげられるみたいに、一発食らってるし。
その程度で凝りそうにないのも、また確かなんだけど。悪い連中だねえ。悪党だねえ。

環太平洋戦争と呼ばれた戦争から15年。どうやら総力戦ではなかったものの、それに近い大戦争であったようで、インフラその他はほぼ回復しているようではあっても、まだ<戦後>がリアルタイムで進行しているような時代であるが故に、寄って立つべき国家という柱が威信をなくし、社会そのものが撹拌され希薄となり、枠組みとしての意義を取り戻すことがまだ出来ていないような時代だからこそ、このような子供たちが生まれてきたのかもしれないなあ。
なんにせよ、この子らがとてもじゃないけど平和な世界で平和に暮らしていけるような連中でない事は確かだ。この子らはあまりにナチュラルに社会の規範を踏み越えすぎている。秩序が崩壊した世界、それこそ乱世だとか世紀末だとか、そういう世界でこそ勇躍しそうなイカレた連中だもんな。

なんにせよ、面白かった。一言で言うなれば、痛快である。オーヴァー?
 

9月29日


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9月1日

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