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卵の黄身

我が驍勇にふるえよ天地 11 ~アレクシス帝国興隆記 ★★★★   



【我が驍勇にふるえよ天地 11 ~アレクシス帝国興隆記】  あわむら赤光/ニリツ GA文庫

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吸血皇子と冷血皇子。
ともにクロードの皇子として生をうけながら、母親の身分の低さゆえに侮られ続けた二人の怪物が激突す。

「――俺の覇業に立ちはだかるのは、レオナートかもしれん」

かつての予測を見事に的中させたキルクスは万全の軍備を整え、一切の容赦も斟酌もなく、途上にある尽くを蹂躙しながら迫り来る!
その進軍を遅らせんと寡兵で挑むアランの命運や如何に? 半分血を分けた兄との決戦に臨むレオナートの命運や如何に?
そして暗闇より放たれた刃にシェーラの命運は――

痛快にして本格なるファンタジー戦記、堂々完結の第11弾!!
これ、一旦シェーラは完全に戦略的に負けちゃってるんですよね。アレクシス軍が敗北を避けられたのは、個々の将帥が献身的にその全身全霊を傾けて各々の戦場で粘ってくれたからであって、一箇所でも敗走していたら全軍が瓦解していたと思うと、ゾッとしないですわ。
恐るべきは、アレクシス軍にはシェーラに匹敵する人類史最高峰の戦略家が在籍していたということで、レイヴァーンが味方にいるってなんかバグってないですかね、戦力比。
重ね重ね、アドモフ帝国になんで勝てたんですかね!? あの国の人材と戦力をそのまま吸収できたことで、実質倍どころか3倍5倍とアレクシス軍って強化されてたんじゃないだろうか。内部分裂してなかったら、どう考えても勝てなかったでしょう、あれ。
そんでもあって、アレクシス軍に吸収された結果、アドモフ帝国の分裂していた政軍がほぼ統一された形で全力発揮できるようになった、というのはもうなんというか敵対国からすると反則としか思えなかったんじゃないだろうか、これ。
にしても、まさかよりにもよってトラーメさんが退場することになるとは思わなかった。キャラクターとして一番しぶとく生き汚い人でありポディション的にも一番死ににくい人であり、戦力的にもアレクシス軍の中で替えの居ない唯一無二の人材であってこの人が居なくなった場合のアレクシス軍が受けるダメージ、機能不全起こしかねないレベルのものだっただけによりにも寄ってこの人が死戦に身を投じることになるとは本当に想像していなかったです。
こんなトラーメさんですら、自らを省みずに自分の死と引き換えにしてでも、と思わせてしまうほどの魔性が、レオナートのカリスマだったのやもしれません。
これ、結果的に見ると無茶振りされまくり限界ギリギリのきつい仕事ばかり押し付けられた挙げ句に、使い潰されてしまったとも言えなくもないんですよね、トラーメさん。本人としては命の賭けどころを見つけてしまって、それで良かったのかも知れませんが。
この人はもっといいとこ取りの美味しい思いをして戦後を暮らして欲しいとも思ったんだよなあ。
実際、トラーメさんを喪ったことで以後のアレクシス軍は相当不具合が出てしまったらしいことは、巻末の評伝でも触れられていて、頷くばかりでありました。

しかし、これで完結巻と謳いながらも、今回の包囲網こそ食い破りながらも戦争自体は全然終わりそうにないのに、これどうやって完結まで持っていくんだろう。打ち切り!?それとも、もしかしてシェーラまで逝ってしまうことで描くべきものがなくなってしまうの!? とか、混乱していたのですが……天下統一までの道のりで一番山場というか危地というか、戦力的にも敵と釣り合いが取れていたのがここまでで、以降は圧倒的にアレクシス軍が優位になって、ほぼほぼ消化試合になっていたんですね。
なので、戦記としては以降は思い切ってバッサリと切って落とす形で終わらすことにしたんですなあ。
これは戦記物としては納得ではあるんですけれど、素直になれないジュカと余裕なアランとの恋模様とか、個々のキャラクターそれぞれにスポットを当てた物語を見ていたかった身としては、そのあたりもバッサリと片付けられてしまったのはちょっと肩透かしではあったんですよね。
巻末の列伝でそれぞれ個人の後日談についてちゃんと書いてくれていたのはありがたい限りなのですけれど、やっぱりその辺のラブコメ的な展開については直接話として見たかったなあ。特にジュカ関連は。
しかし、シェーラはなんで表舞台から消えなくちゃいけなかったんだろう。ジュカが大いに活躍して列伝残しているように、他にも侍女出身者でも名臣伝に名を残し重臣として遇された人は何人もいるのに。
まあ戦略結婚的に、絶対に子供が出来ないレオナートとメリジェーヌを差し置いて他の側室が子供作ったら、クロードとアドモフの国家統一事業に罅が生じるから、というのもあるだろうし、実質シェーラが表舞台に立つなら宰相以外の何物でもなく、シェーラひとりに権力が集中しすぎる、しかもレオナートがシェーラの言う事全部受け入れてたら傀儡に見えてしまう、と確かにまあ逆にシェーラの立場が危うくなってしまいかねないのも確かな話。
その上でシェーラ個人の幸せのため、そんでもって彼女の叡智をレオナートが全面的に受け入れて活かすためには、表舞台から消えて裏の女主人にして影の王妃になるのが最適だったんだろうなあ。
でも、確かにシェーラの件のみならず、他の人の列伝にしても真実から程遠い記述や情報隠蔽がこれほど沢山あると、ウイリアム・レイバッヘが歴史家としてはド三流と言われるのも仕方ないよなあ。記述者の恣意が入りすぎだよw
でも、ウィラン帝、表舞台から完全に去って隠遁生活送り続けるのかと思ったら、史書官でありながら安楽椅子探偵さながらに、助言を求めて訪ねてくる人にアドバイスを与え続けてズバズバとあらゆる問題解決に活躍しまくっていた、ってめちゃくちゃ表舞台で活躍してるじゃないですか、この隠遁者w
なんでこの人が皇帝やってる国に勝てたんだろう。振り返ってもちょっと信じられないんだが。

にしても、こうして見ると本作って信長の野望とか三國志といったコーエーの歴史シミュレーションゲーム的な側面がありますよねえ。内政とか戦争パートじゃなくて、人材方面で。
本来の史実だと、敵対した相手の家の武将どころか大名とかをまるごと吸収、登用するとか出来るもんじゃないのですけれど、信長の野望とかだと武田信玄とか上杉謙信とか大英雄たる戦国大名も自分の勢力の武将として登用できるじゃないですか。
そんな感じで、本作ではアドモフ帝国のレイヴァーンはじめとした諸将どころか皇帝陛下もこっそり登用していたわけですけれど……まさか、後日、この巻で決戦していたキルクス王子や、ガビロンの四兄弟まで降伏させたあとに首切らないで全員臣下にして、以降の大陸統一事業に投じていた、ってちょっと反則もいいところじゃないですか、これ!?
どんだけ世界最強の軍にしたかったんだよ、というくらいの人材の確保っぷりである。
これ、最後まで残ったヂェン帝国が一番割り食ってるんですよね。レオニート率いるアレクシス軍に、キルクス、ガビロン四兄弟、レイヴァーンにアレン。これに各国の名将勇将知将が揃って襲いかかってくるんですから、どんなフルボッコだよ、と。
さながら、織田信長に率いられた武田信玄、上杉謙信、北条氏康、毛利元就、島津四兄弟、徳川家康、三好長慶、今川義元、大友宗麟、などなどといったオールスターキャストに攻められる伊達政宗といった様相である。
もうやめてあげて、と言いたくなる人材力差なんだよなあ。
まあノブヤボなんかも、勢力がある一定のラインを超えるとあとはもう消化試合になるわけで、だらだらと続けずにすっぱりと物語を〆たのはやはり最善だったのかもしれません。
でもまあ、やっぱりもうちょっと後日談的な形での短編集みたいなものは欲しいですよねえ。特にジュカに関しては!

なにはともあれ、11巻にも及ぶ痛快なる英雄戦記、完結お疲れさまでした。


我が驍勇にふるえよ天地 10 ~アレクシス帝国興隆記 ★★★☆   



【我が驍勇にふるえよ天地 10 ~アレクシス帝国興隆記】  あわむら赤光/ニリツ GA文庫

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世に常勝不敗の将軍、二人あり。
一人はアレクシス侯レオナート。
いま一人はガビロン三太子マルドゥカンドラ。
ともに百戦して百勝という稀代の名将が、多士済々の勇者賢者英雄女傑を幕下に従え、万の軍を率い、遂にいくさ場にて相見える!
これ矛盾の故事なりや――激戦死闘の果てになお不敗の旗を掲げられるのは一方のみ!
真の常勝将軍は、果たしてレオか? マルドゥカンドラか?
武勇、知略、用兵、戦略、策略、情報、人材、国力――全てを駆使し激突する、シリーズ最大の総力戦に刮目せよ!
魔法がないから面白い、痛快にして本格なるファンタジー戦記の大本命、待望の第10弾!!

古来より戦記小説多々あれど、片方が将星の抱負さ……人材の質と量の両方の高さ多さを強味とする軍勢に対して、同じ多士済々の人材の質量で真っ向から勝負してかかってきた展開は、ちょっとはじめて見たかも知れない。
ただでさえレオナートのアレクシス軍って並の戦記物よりも多種多様なキャラクターの将星が揃っているんですよね。アドモス軍を吸収したものだから、さらに拍車がかかっていますし。
光武帝の雲台二十八将かってなもんで。いや、文字通り雲台二十八将がモデルになってるんですかね。同じ二十八神将なんて名前が後世につけられるみたいですし。
そんなレオナート軍と真っ向から此度かち合うことになったガビロンの常勝将軍マルドゥカンドラ。その不敗の軍団こそ、レオナート軍と同じく様々な得意分野に秀でた人材の宝物庫。オールスターキャストに対して、オールスターキャストで戦いを挑んできたようなもので、レオナート軍の将星たちのお株を奪うような逸材たちが、将棋やチェスで同じ駒が両陣営に揃っているように相互に対応するように、レオナート軍と真っ向からぶつかり合うことになるのである。
まさに、人材と人材の勝負、てなもんでした。そりゃ、これだけ敵方の一軍団にこれだけキャラの個性を考え、戦い方考え、レオナート軍との千差万別の戦闘を考えてたら時間かかりますよ。惜しげもなくネタを掘り起こして投じていくようなものですし。

でもこれ、人材と人材の勝負、と言いはしたものの、終わってみると何気にシェーラとジュカのレオナート軍の二大軍師によって、決戦がはじまったときにはだいたい決着はついていた、という様相になるんじゃないですか、これ。
残念ながら、マルドゥカンドラには盤上を自在に操る智将のたぐいは幾人も居たようですけれど、盤面そのものを用意する軍師は見当たらなかったみたいなんですよね。かといってマルドゥカンドラが自身でそれを成すかというと過去の戦歴を見ても、マルドゥカンドラは提供された戦場で戦うタイプの将軍であって、自分で戦場を用意したり作り上げるタイプじゃないみたいですし。これもアドモスの妖怪爺さんが語っていた、あの兄弟は優秀で仲が良すぎるが故に相手の職分を侵さない、という弱点にあたるのかもしれません。マルドゥカンドラもあくまで軍人に徹していて、言われたところに向かいそこで本分を尽くす、というような行動が伺えますし。
かといって、長兄は政治家としても軍政家としても化け物級みたいですけれど、大戦略家として国家戦略を先々に至るまで見通して操っている、というタイプでもなさそうですし、次兄は謀略家にして情報屋ですけれど、だからこそ裏方に徹しています。天才と言ってもいいんだろうけれど、三人とも限定された局面にしか手を伸ばそうとしないようで。だからこそ、彼ら兄弟は末弟に期待しているのかもしれないなあ。

ともあれ、終わってみれば「役者が違った」と言ってしまっていいくらいに、差が浮き出てしまった感があります。結局、レオナートの側の将星に勝てるような、決定的に上回るような逸材はあれだけ人材が豊富に居たにも関わらず、誰も現れなかったわけですしね。それに、あまりにも多種多様にキャラを出してしまったために、個々に当たるスポットが小さくなって結果として一人ひとりの印象も薄くなってしまった気がします。一番印象に残っているのが、性格最悪のクティルというのがなんともやは。
肝心のマルドゥカンドラも、人の扱いのうまさ、カリスマ性こそが常勝を担ってきた要因なのでしょうけれど、レオナートがトラーメという曲者を意外にもうまいこと使っているのに対して、マルドゥカンドラの方はクティルをはたして上手く使えていたかというと、もろに軍団の弱点になってしまった点を鑑みても、これを重用していた時点でどうなんだろう、と思ってしまった部分もありますし。
部下たちの意見を良く聞く、という点は彼の強みでもあったのでしょうけれど、物語としてはマルドゥカンドラの存在感そのものが薄まっていたような感じがありました。なんとなく軍団全体に主体性というか、主導する強烈な牽引力が見当たらなかったというのもありますし。
レオナート軍の方はシェーラとジュカ、特にジュカがガッツリ手綱握って主導権握って全体を動かしてくれてますしね。既に戦争全体の行程を整えた上で、戦場現場での対応をガンガンとジュカが指揮していってくれるこの安心感安定感。
おまけに、今回の戦いはオスカーとクルスという自ら先頭に立って切り込む個の武勇で活躍していた二人が、後方から一勢を指揮する将帥として一皮むけるステップアップに至った話にもなりましたしね。
こういうところに「役者が違った」という感があったんですよねえ。

やはり、拮抗し得るのは同じステージで戦う相手。この場合はシェーラと同じ目線で戦争を動かせる相手、となるのか。シェヘラザード、そしてキルクス皇子がやはり一番の強敵、ということになるんでしょうな。
作者としての難所を越えたことで、これからはガンガンと続きだしてくれると嬉しいんですけどね。勢い付けて頑張ってほしいな。


我が驍勇にふるえよ天地 9 ~アレクシス帝国興隆記~ ★★★★   



【我が驍勇にふるえよ天地 9 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら 赤光/卵の黄身  GA文庫

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キルクス、カトルシヴァ両皇子との緒戦、勝ち負けつかず。
その結末は引き分けというにはあまりにも重い代償をレオナートに突きつけた。

一方、中央帝国パリディーダでは、ツァーラント帝国、ガビロン帝国を一つに束ね、三国同盟でレオナートを滅ぼす邪悪な秘策が蠢動していた。
恐るべき絵図を描くは、千里をも見通すとされる《魔女》シェヘラザード。
混乱の情勢を不敵に操る魔術のごとき企みが、レオたちを新たな戦いへと誘う――。

いざ示さん、王者の戦い!
強大なる三帝国を堂々迎え撃て!!
痛快にして本格なるファンタジー戦記の大本命、激動の第9弾!!
キルクス皇子、有能さではレオナートのライバルにふさわしいのだけれど、それに比して地盤と人材がレオナートと比べると著しく弱いのがネックだと思っていたのですが、なるほどこういう展開か。
まずはレオナート包囲網。出る杭は打たれる、というのは戦国乱世となった国際情勢なら当然で、放って置いたらまず間違いなく近隣の最大勢力へとのし上がるに違いなく、それでいて平和的にやりましょうなんて連中ではないのだから、まだどうにか出来るうちに寄ってたかって叩き潰そうとするのは当たり前の流れなのでしょう。
でも、むしろ合従軍やら包囲網なんてのを起こさないといけない時点で手遅れ、というケースも珍しくはないのですが、さて今回の場合はどうなのか。
少なくとも、シェーラやジュカが想定していなかった以上は相当に早巻きされた展開ではあるんでしょうね。それだけ、各国のアレクシス軍の勃興に対する危機感は高く、それらをまとめ上げたシェヘラザードの手腕は並々ならぬもの、となるのでしょう。
しかしこのシェヘラザード、かなりいきなりポッと出てきましたけれど、一体何者なのか。バックグラウンドがかなり不明であることはともかく、シェーラと瓜二つというのは何かしらの意味があるんだろうなあ。シェヘラザード自身はシェーラの事は全く知らなかったようなのだけれど。
何気にやりかたも結構似てるんですよね。シェーラの『伝説伝承』構想。あのフォークロアと、シェヘラザードの語る『魔王』という世界の敵を仕立て上げる構想は、ベクトルこそ異なっているものの構造としてはほぼ一緒のものですし。
それでも、シェヘラザードが一番の黒幕でラスボス、というにはもう一つなにか違う気がするんですよね。これだと、あくまでシェーラの対抗馬という構図が一番当てはまりそうですし。
となると、やはりキルクス皇子がレイナートの最大の好敵手になっていくのか。今の段階では包囲網の中でも弱小勢力ですけれど、この件をきっかけに彼に元に色々と糾合していきそうな流れが生まれていましたし。その中でも一番の要になりそうだったのが、ツァーラント帝国の騎士の中の騎士アルフレッドだったのですが……。
いや、こいつ実際どうなの?
自分ルールすぎて、周りついていけてないんじゃない? 怖いは怖いしそのメチャクチャなまでの強さは脅威なんだけれど、こいつだけ在り方が突出しすぎていて過程や他人の心を蔑ろにしすぎている分、質的にも量的にも消耗が激しすぎるんですよね。自分の正義は正しい、という信仰は勝っているうちは渋々周りもついていくかもしれないけれど……。
だいたいこれ、考え方がパターン決まっちゃってる節があるので、レイヴァーンが相手って一番あかん組み合わせだったんじゃないだろうか、アルフレッドにとって。
つーかこれ、相変わらずレイヴァーンが凄すぎる。軍略家として未だに登場人物中で頭一つ抜けてるんじゃないだろうか。よくまあ、この男に勝てたよなあ。いや、実際ちゃんと勝っていなくて、アドモスの政変のおかげで向こうから降ってきた当時を振り返ってみたら、果たしてあのままレイヴァーンと戦っててレイナートですらちゃんと勝てたのかどうか。
そのシリーズ最大の強敵がまったく衰えないまま味方になっている、という現状が頼もしすぎます。彼のみならず、アドモス帝国の強敵たちがほぼまるごと反転してこっちの味方になっているわけですからね。
これでもまだ人材が足りない! と嘆くレイナートが贅沢すぎるのですけれど、これをして贅沢などと言えないくらいやはり包囲網という状況は過酷なのか。
……アランくんがすっげーフラグ立ててったのですけれど、さすがにこれ逆にフラグ潰しですよね? ね?

シリーズ感想

我が驍勇にふるえよ天地 8 ~アレクシス帝国興隆記~ ★★★★   



【我が驍勇にふるえよ天地 8 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫

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アドモフ帝国、陥落! 遂にレオナートは一国を担う為政者となった。
その驚くべき報せは諸国へと轟き、パリディーダ帝国へと出征中だった"冷血皇子"キルクスの耳にも届く。
「今だ。俺の帝国を獲りにいく」

一方、レオ台頭の報せに揺れる首都クラーケンの混乱は、ありえざる客――南方帝国ガビロンの侵略軍を招き入れてしまう。
その四太子にして武の麒麟児、兵にも慕われるカトルシヴァが陽気に親征を開始する!

レオ、キルクス、カトルシヴァ、それぞれの想いを胸にした、三つ巴の戦いの行方や如何に――!?
魔法がなくても熱く燃え上がる痛快戦記ファンタジー、第8弾!!
仇敵アドモフ帝国を獲って、ひとまず次の戦い、本国クロード帝国の旧弊たる貴族たちとの決戦、国取りに向けた前哨戦か準備回かと思いきや、いや実際にほぼその通りだったんだけれど準備回というには激動すぎる巻でした。ここまで動くとはなあ。
アドモフ帝国の方はほぼそのままの形で併呑、という感じで。これほどの規模の軍組織、統治機構をほぼ損壊なく丸呑み出来た、というのは望外のことなのでしょう。普通、敵国に進行して降伏占領というプロセスをたどったなら、国土は荒廃して軍や統治機構はボロボロになってるもので、その復興にどれだけの時間と資金が必要になるか。王子とは言え、一地方領主に過ぎなかったレオナートにとって、滅びた一国そのものを丸抱えして復興させるには体力がいくら何でも足りなさすぎたでしょうし。
それを思うと、ウィラン皇帝との決戦へと至る電撃侵攻短期決戦は理想的な形で終わりましたし、非常に協力的な味方としてアドモフの大半が手に入った、というか麾下にはいったというのは凄い戦果だなあ、と。足引っ張りそうな要素は何気にウィラン皇帝が上手いこと事前に排除してくれてたわけですしねえ。
それにしても、メリジェーヌとレオナートの相性がこれほどよいとは思わなかった。ってか、レオくん、かなり満更じゃないのかこれ!? 実は熟女趣味だったのか! 亡き叔母上を敬愛し慕っていた影響が変なところで出まくっている。男嫌いでならしていたメリジェーヌも、レオナート相手だと打てば響くような噛み合う感じになってるんですよね。元々彼女の男嫌いって、生理的に男性がダメ、というよりも男尊女卑の概念に基づく男の傲慢さに対するもののようで、実直で勤勉な軍人たち相手には毛嫌いの様子は一切見せませんでしたし、政敵となった弟のウィランに対しても愛情は確かなものでしたし、ある意味堅物の塊みたいなレオナートは男らしくも変な男臭さは一切ない男なので相性いいのかもなあ。前巻のアランの企みを見た時はこれ空回りになるんじゃないか、とも思ったのですが意外とこれ行ってしまうのかしら。
いわゆる正ヒロインであるところのシェーラの反応が怖いところだったのですけれど、彼女も意外と言えば意外にも、でも考えてみれば当然なのか個人としての愛情と公人としての立場はくっきり分けているようで、むしろメリジェーヌとの婚姻に賛成にまわるとは。いや、賛成はすると思ったのですけれど、こんなサッパリ気負いも嫉妬もなくいいんじゃないですかー、的な軽い感じで受け入れるとは思わなかったんで。
ある意味強かですよねえ。この方面に関してはジュカの方がすごく不器用に乙女してるようなw
ただ、アリスティアはこの場合どうなるんだろう。ちょっとポディションというかどういう立ち位置になるのかわからなさすぎて、興味深い。

しかし、本国クロード帝国。腐敗しているとはわかっていたけれど、いくら何でもグダグダすぎやしないだろうか。ここまで酷いレベルの貴族の集まりだったとは。これ、普通にレオナートが反旗翻して戦っても、グズグズの豆腐を貫くくらいあっさりと倒せたような気がします。後が混沌として大変かもしれませんが。
現皇帝、レオの父親である傀儡帝についてはまさかこういう形の結末になってしまうとは。彼のレオナートには伝わらない本心については、色々と垣間見えるシーンがあったので驚きはなかったのですが、どういう形にしろレオナートに直接突きつける形で明らかになると思ってたので、まさかレオナートのまったくかかわらないところでこうなってしまうというのは……。
皇帝であった父の想いを、果たして息子が知ることがあるのでしょうか。国璽とも言える宝刀を託していることで伝わればいいのですが、知られることがなかったらそれはそれで悲しい。

結局、表紙にもあるように兄皇子キルクスと南方帝国との三つ巴の戦いになってきましたが、ラスボスって一体誰なんだろう。キルクス皇子は今の所勢力としてレオナートよりも小さいだけに対抗馬としてどうなんでしょうねえ。北方の遊牧騎馬民族を従えるような形になってますし、彼自身そういう気質でクロード帝国内を蹂躙してってますけれど、人材の質量ともにアドモフ取り込んだレオナートが圧倒的すぎて、むしろキルクスの方が挑戦者的な立ち位置に見えるんですよねえ。
ガビロンの方はさすがに手強そう。攻めてきた軍勢の指揮官であるカトルシヴァはレオナートやキルクスに比肩する形で歴史に残る、みたいな書き方をされているのだけれど、本国での立場を見ても彼自身の資質を見ても、先手大将であり個人的武勇の持ち主であってそれ以上ではないんですよね。
スケール的には後に控えている第三王子の方が凄そうなんだけれど。
でも、なんか島津四兄弟的な雰囲気ありますよね、ガビロンの四王子って。つおそう。
ラストの展開については、なんか妙にスポットあたってるから微妙に違和感はあったんですよね。ただ、そうと確信させるようなあからさまはなく、あくまで自然な様子を描いていたんで嫌な予感とまでは行ってなかったんで、なんかこうやられた感あります。バランスというか、埋め込み方が上手いというか。

シリーズ感想

我が驍勇にふるえよ天地 7 ~アレクシス帝国興隆記~ ★★★★☆  

我が驍勇にふるえよ天地7 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

【我が驍勇にふるえよ天地 7 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫

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アドモフ帝都を目指し進軍を続けるレオナート。
しかし東より迫る新たなる脅威――草原最強の騎馬軍団クンタイト・ダラウチ氏族襲来!

さらに若き皇帝ウィランがただひとり友と呼ぶ男、眠れる獅子ダノールが国家防衛のために目を覚ます。

だがレオナートは自覚していた。強敵との出会いに武者震いをする己を。
そしてこの一戦が歴史に深く刻みこまれるであろうことを――

「我ら、これより神話に入る!!」

あまねく神々よ照覧あれ、我が驍勇にふるえよ天地!
宿敵アドモフ帝国征服に挑むアレクシス軍飛躍の戦い、成るか?
魔法がないから熱く燃える痛快戦記、激闘の第7巻!
アドモス帝国とレオナート軍との最終決戦が繰り広げられるこの第七巻ですが、これって実質皇帝ウィラン三世の物語だったのではないでしょうか。
元帥皇女メリジェーヌの叛意が明らかになるまで、弟帝であるウィランは超保守派であり始祖であるレゴ帝に憧れ自らをそれになぞらえたいと思っているだけの特に特徴を感じさせない平凡な若い皇帝、という風情でした。おそらく、作中のキャラクターたちから見てもそれほど変わらない評価だったのでしょう。
しかし、実際の彼はそんな平凡とも力ない皇帝とも程遠い、大国の皇帝に相応しい器を持つ人物だったのです。その冴えは、メリジェーヌのクーデターを未然に防いだところから顕著に表に出るようになってきます。
別段、爪を隠していた、というわけでものでしょう。でもこの事件で覚醒した、というわけでもなさそうなんですよね。それまでにも片鱗はきちんと見せていたし、メリジェーヌの反乱が発覚したのは妹姫の密告という偶然の要素もあったわけですけれど、内向きの影働きにしっかりとした人材を雇っていたり、ダノールとの出会いから交流を得ていく段階で見識を高めていったりと、下地はきっちり整えられていたのです。
それでも、まさに彼が皇帝として見事な成長を見せ始めたのは、このレオナート軍の侵攻が始まってからの事ではないでしょうか。未曾有の国の危機が、彼に加速度的に皇帝としての自覚を……、そして多くの挫折が盲目的にレゴ帝の再現を目指していた硬直的な思考にひび割れを促し、誰かのモノマネではない唯一無二の、ヴィラン三世という皇帝像を自ら覚醒させていくのである。
その中で、若く経験も乏しいが故に重臣たちから軽く見られ、思う通りに国を動かせないもどかしさにのたうち回り、また自分の浅はかな考え方が国の行く末に動脈硬化を起こしつつあったことを理解して苦しみ、いわゆる王の孤独と呼ばれる孤立に苛まれながら、しかし目指すべき皇帝としての境地を自ら見出し、忠誠を通り越した真の友情を交わす友であるダノールと本当の意味で心通じ合わせ、意思と願いを通わせあい、王の孤独を癒やしてくれるその存在に救われ、皇帝として最良の幸せを感じ得る。
レオナート軍の国境越えからこっち、帝都への侵攻までの決して長くない期間に、この若き皇帝は王としての、皇帝としての様々な絶望と失望と希望と至高を味わうことになるのである。その中で、彼は歴代の皇帝の中でも類稀なる名君としての資質を、開花させていくこととなる。
いやもうほんとに、途中からどっちを応援して良いのか、と思い悩んでしまうほどに、このウィラン三世というキャラクターが輝きだしていくんですよね。さらに、ダノールとの友情もアドモフ帝国が追い詰められていくにつれて、どんどん盛り上がっていくし。お互いがお互いに殻を破り合い、皇帝として将帥として、そして友として覚醒していく様子はもうどっちが主人公なんだか、と。
ここまで来ると、メリジェーヌいらん事せんかったらアドモフ安泰もいいところだったのに、と思ってしまうんだけれど、何気にメリジェーヌもウィランの覚醒を目の当たりにして同じことを思ってしまったんじゃないのか、という反応を示してましたしね。
ただ、人種や嗜好におけるマイノリティの保護を打ち出しているメリジェーヌとしては、保守派なウィランの政治方針とはどうしても対立せざるを得なかった以上、こうなることは仕方なかったのか。
ウィランも姉の反乱とレオナートの逆侵攻がなければ、保守的な志向を変えてレゴ帝の真似事ではない自分の皇帝像を手に入れることは難しかっただろうし、このような覚醒も権力の掌握も長い長い時間をかけないと難しかっただろうから、どうしても収まるところには収まらなかったのだろう。
それでも、ここまで覚醒したウィラン皇帝、ダノールとのコンビという意味でもこのまま退場というのはもったいなさすぎるなあ、決してレオナートと相いれぬどころかむしろメリジェーヌよりも性格的には相性良さそうなんじゃないのか、このまま皇帝としてレオナートの盟友になってくれたほうがアドモフ軍が味方としてよく動いてくれるんじゃないか、とか思っちゃうところなのだけれど……。
長年の仇敵でもあり、首都を落とすまでの決着を得てしまった以上、指導者たるウィランをそのままというのは禍根が残るのは致し方ないところなのか。
でもだからこそ、このウィラン三世の降伏後の顛末というのは、意外であって痛快だったんですよ。
うわぁっ、そう来たかー! と。
頼りになる味方として残ってはくれなかったとしても、こういう終わり方をされてしまうと文句のつけようも不満もなんもないですわ。これもまた、在るべきところ、在るべき姿へと収まった、というものなのかもしれません。あまりにもしっくりと収まりすぎて、微笑が浮かんでしまったほどに。
ウィラン三世の歴史的評価も、なるほどあの人なら、他の人がいうのならともかくあの人の視点からするとまさにその通り、だったのでしょうし、ダノールの評価に関してもあの裏切り者の末裔という血筋、立場にずっと苛まれ続けてきた彼のことを思えば、もうこれ以上無い支援じゃないですか。
なにより、このウィラン三世はその友情の厚さこそが魅力でした。イイ男だったんじゃよ。

クンタイト騎兵、物凄いイキった登場してきたわりに、恐ろしくあっさりと降されてしまって、若干オイオイ、となってしまいましたけれど、あの弓騎兵、一兵科として捉えるとレイヴァーンが対処のしようがない、というように絶大な威力を発揮するんですよね。
それまで吸収して、となるとレオナート軍って凄まじい諸兵科連合と化しつつある。しかも、今回の顛末でレゴ戦術を扱うアドモフ軍まで取り込むことになったわけだし。アランくんなんか、レイヴァーン軍を率いることで、その動かし方学んじゃってますしね。

まさかこの段階でアドモフ帝国を下す、なんて急転直下なところまで転がるとは思ってなかっただけに、レオナート軍これからどうなるのか、どうするのか。そもそも、母国であるクロード帝国との関係置き去りにされたままなだけに、一地方軍にも関わらず敵国を倒しちゃって吸収しちゃうことになりそうなレイナート軍が、母国からどう扱われるのか。アドモフと比べても盛大に腐りまくってる地元なだけに、一波乱じゃ済まなさそう。アドモフ帝国をどうするのかの問題もありますし、なんかアランがえらいこと企んでましたしね。チョット待って、それシェーラさんが激おこになりません!? いや、軍師としては怒るどころか政略としてむしろ推奨して然るべきなんでしょうけれど、軍師としては埒外な陽キャラで軍全体のマスコットでもあるシェーラさんの場合、そんな自分を殺して主を立てるような陰な反応を素直にするのかしら。あと、レオナート自身がどう反応するかわからない!
ええい、いったいどうなるんだ!(ワクワク

シリーズ感想

我が驍勇にふるえよ天地 6 ~アレクシス帝国興隆記~ ★★★★   

我が驍勇にふるえよ天地6 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

【我が驍勇にふるえよ天地 6 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら 赤光/卵の黄身 GA文庫

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宿敵レイヴァーンとまさかの共同作戦を決断するレオナート。
いざ、アドモフ本土攻略へ進み出す!!

「貴軍に共闘を要請したい。謝礼はアドモフ一国、御身に差し上げる」
悲願のリント奪還を成したレオナートの下に怨敵レイヴァーンがもたらした衝撃の共同作戦。元帥皇女軍と名を改めたレイヴァーンは祖国を裏切りレオに助けを乞う。信念を貫こうとする彼の覚悟を知り、レオはこの最も憎むべき敵を迎え入れた。
行く手にはアドモフ帝国の大軍団。新皇帝ウィランが待ち受ける首都を目指し、レオは敵地を突き進む――。

いざ、アドモフ本土攻略へ!
因縁を超えて手を取った宿敵同士の同盟が歴史的戦術を凌駕する!!
痛快にして本格なるファンタジー戦記、激震の第6弾!!
皇帝ウィラン、なんか才気煥発って感じではないけれど、清廉な若さとやる気に満ちた熱血な好青年じゃないですか。そう、好青年なんですよね。姉に裏切られながらもまだ情を残していたり、その抜群の能力を活かす機会を与えられないし受け取ってもらえない親友に地団駄を踏んで悔しがったり。自分のために働け、って事じゃなくて、その親友が才能を発揮しない、世間に知らしめられないことそのものをもどかしく思い、悔しがってるってのは徹頭徹尾相手のことを思っての事なんですよね。
これで超保守派という政治スタンスでなければ、と思わないでもないのだけれど、始祖のレゴ帝と同じ偉業を残すのだ、と意気込んでいるウィランに立ち塞がっているのが、そのレゴの遺した体制であり、皇帝としての権力を満足に振るえない立場に立たされている、というのはずいぶんな皮肉なのではないだろうか。レゴに成るためにはレゴの遺したものを破壊しなければならない、という事実にいまだ彼は気づいていないように思える。あくまで現体制の延長線上に理想を体現しようとしているのがなあ。その食い違いさえなければ、元帥皇女が形成しようとしていた改革派と決して相容れないことはなかったようにも思えるのだけれど。
ぶっちゃけ、あのかなり趣味悪い姉さんよりも人間的には好ましいだけに……。
というか……ふーむ。
今回、元帥皇女派であるレイヴァーンが、皇姉の大逆罪による捕縛によってまさかの叛逆、レオナート軍と共同歩調を取る、というか実質従属するという体を取ってアドモフ本土決戦に一気に突入してしまったのに合わせて、一気にアドモフ側のキャラクターもたくさん登場してきたわけですけれど、みんなこうなんというか……一癖も二癖もある面々ばかりではあっても軍人としては気骨あるいっそ気持ちよいと言っていいくらいの面々なんですよね。
人間としてクズの割合がかなり多いレオナートの本国の貴族たちと比べると、それは顕著な値を示していて……むしろ、レオナートの性格からするとアドモフ人の民族性とか気質とかって相性ピッタリなんかじゃないか、と思うくらいで。それにレオナートもアドモフは敬愛するロザリアを喪い長年領土を占領されていた仇敵なんだけれど、その原因となったのは本国の貴族たちの後背からの卑劣な一刺しであって、アドモフとは正々堂々相争った相手という認識だし、占領されていたリントも取り戻してみれば荒れることもなく穏当に統治されていて、本拠の城なども以前と同じに保たれていたり、と敵国の文化を踏みにじったい蔑ろにしたりしない在り方が、アドモフの国風として根付いていることに大きな敬意を抱いてるんですよね。
本国に憎しみに近い感情を抱いているのと比べると、えらい違いなんですよね。
これは、話の展開次第では前巻のラスト並の大どんでん返しがあるんじゃないか、と期待してしまう。というか、あれこそがお膳立てというか前振りというか前例の構築なんじゃないだろうか。
元のレイヴァーンの軍勢を仮にとはいえアランが別働隊として率いることになって、お互いがお互いの戦い方に感化される、両者の戦い方がまだお互いに困惑しながらだけれどハイブリッドされていく萌芽みたいな展開になってるところなんぞ、まさにまさに。
あと、レイヴァーンってこうなってみると参謀長ポディションがえらいしっくり来るんだよなあ。元々レイヴァーン軍の幹部連中がレイヴァーン当人も含めて参謀集団って感じではあったんだけれど。意外と軍師であるシェーラたちとの住み分けもついてる雰囲気ですし。
いやこれ、アドモフ本土戦、ただ敵を倒していて首都を急襲する、というだけに収まらないナニカが待っていそうで、楽しみじゃあないですか。

シリーズ感想

我が驍勇にふるえよ天地 5 ~アレクシス帝国興隆記~ ★★★★   

我が驍勇にふるえよ天地5 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

【我が驍勇にふるえよ天地 5 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫

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リント攻防戦、最佳境へ!!

レイヴァーンの策により壊滅間際まで追い詰められたアレクシス軍。
だがレオナートは奪還した故郷リントを早くも発ち、戦況を打破する豪胆な一手へ向けて走りだしていた。
それは知謀シェーラが示す電撃作戦。不利が有利へ塗りかわり、敗走が大戦果への活路となる!
興奮必至のリント攻防戦、最佳境へ――!!

「急げ。次へ行く」
闇を往く百騎の死神。今宵、我らの英雄譚は終わらない――
終局まで読み切り、正着手を打ち続けるレイヴァーンの作り上げた、盤面全てを覆せ!
魔法がないから盛り上がる、痛快・本格ファンタジー戦記。両軍雌雄を決する第5弾!!
戦記モノって一種の群像劇だと思っているんだけれど、本作のアレクシス軍のキャラクターの多様性はなかなか類を見ない広さだわなあ。これだけ多士済々いるのも珍しいんじゃないだろうか。好漢が粒ぞろいに揃っているというタイプはよくあるんですけどね。お陰で味方陣営の人間模様を眺めているだけでも十分に面白いのだけれど、これが戦場での様子を描くとまた違った側面が出てきて、その上本作って味方が圧倒的に強いばかりではなく、敵側も常に強敵ばかりで一敗地に塗れるときもある。今回なんぞその極地であり、全軍崩壊敗走という憂き目にあうのだけれど、そういった局面だからこそ普段では見えてこない側面なんぞも見えてくるんですよね。
心弱ったジュカの捻くれまくったデレっぷりも、この一敗あってのことでしょう。ってかこの娘、予想以上にアランのこと大好きなんじゃないのこれ? 刺々しい語り口に誤魔化されそうになりますけれど、言ってること客観的に見てみると、めちゃめちゃ恥ずかしいことばっかり言ってないですか?
キスの約束反故にされたときのものすげえガッカリっぷりには笑ってしまいましたがな。シェーラに負けず劣らずの可愛らしさなんですけど。
一方でこの敗走で目立ったのがやはりアランのしぶとさでしょう。士気が崩壊して規律も何もかもがボロボロになった中でさえ、きっちりと軍をまとめて抵抗を続けられた、というだけで名将の器でしょう。このあたりは、同じく軍人としても騎士としても極めて有能であること疑いなしであるフェルナント卿が、戦う集団として指揮下の勢をまとめられなかったことでより引き立っている。いや、フェルナント卿もあの状況で部隊を四散させてないだけで大したもののはずなんですけどね。
最初は将としては特に特徴のない可もなく不可もなく、という塩梅に見えたアランだけれど、巻を重ねるごとにレオナート以外では唯一大軍を任せられる総司令官タイプ、というのが見事に浮き彫りになってきたんじゃないだろうか。
そんでもって、やっぱり一番派手なのがトラーメですよねえ。この忠義心の一切の無さは見事なくらいで、レオナートの方も彼のことはまず間違いなく嫌いなのに、この主従としては面白いほどの噛合いっぷりときたら。見てて一番面白いですわ、この人は。
今回の潰走は、機を見るに敏であり裏切るタイミングとしては最適であり、トラーメみたいなタイプがどう転ぶにしても一番暗躍して好き勝手する機会であったにも関わらず、ある意味一番彼が使い尽くされ働かされ倒す結果になってるわけですしねえ。
それで褒められて喜んでしまっていながら、自分で気づいていない姿ときたら。いやはや。
トラーメを要とした、全面潰走という絶体絶命のピンチからの起死回生の一手。これは、そりゃ後世に渡って軍記物なんかの語り草になるわなあ。なんというか、絵面がもう伝説的じゃないですか。
逆に、あそこまで全面的に勝っていながら、ヤバいとみるやそれまで多くを費やし積み重ねてついに切り出した一手を、まったく拘らずに放り出して致死になりかねない一撃をあっさりかわしてみせたレイヴァーンの徹底した合理性は、空恐ろしさしか感じませんでした。戦場の帥としては極みに至る一人なんじゃないだろうか。
だからこそ、その無謬の合理性をついてみせたシェーラの見ている景色の高さに背筋を震わされるのですが。
ジュカのそれが戦争芸術とすれば、レイヴァーンのそれは鉄血の合理性。そしてシェーラのそれは、血も涙も夢も何もない非情な戦争の現実に、【フォークロア】という浪漫と未来と希望で彩ってみせる演出家。煽動者であり語り部でありコンダクターというわけだ。レイヴァーンも、自ら状況を作り出せる戦略家だけれど、彼の場合それは自分の手が及ぶ範囲なんですよね。シェーラのそれは、ステージが一つ上側に違うと言っていい。そりゃ、前線の将帥の一人にすぎないレイヴァーンからすると想像つかんかもしれんなあ。
彼の手の長さの限界というのは、ラストシーンにも及んでいて、だからこそのあの度肝を抜かれるような仰天の展開に繋がっているのでしょうけれど、あれはまさかまさかだわなあ。
予想外過ぎて、もうどう転ぶにせよワクワクするしか無い展開ですがな。どうすんだこれ!

シリーズ感想

とっとと

我が驍勇にふるえよ天地 4 ~アレクシス帝国興隆記~ ★★★☆  

我が驍勇にふるえよ天地4 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

【我が驍勇にふるえよ天地 4 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫

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ベルエンス平原にて宿敵アドモフ帝国の軍勢を退けたレオナート達。だが、恐るべき智将レイヴァーンの悪魔的な計略は、彼らに少なからぬ代償を支払わせた。時はクロード暦二一二年。新年の風はレオナートの城下へと新たなる傑物を運ぶ。吸血皇子の“伝説伝承”に魅せられた頼もしき仲間を得て、機は遂に熟す―約束の故郷・アレクシス州リント奪還作戦、始動!「―征くぞ」言葉は要らない。恐れよ、我らは取り戻す―。魔法がなくても胸が躍る!痛快にして本格なるファンタジー戦記、権謀術数飛び交う怒濤の第4弾!!
綺羅星の如く集まる将星たち。戦記ものかくあれど、ここまで自陣のメンツを豪華絢爛に揃えるケースは珍しいなあ。銀英伝の帝国陣営とか、アルスラーン戦記の十二翼将かという勢いである。
レオナート軍の中でも将帥としては最上級だったエイナム卿があんな形で脱落してしまったのでどうなるかと思ってたけれど、アランが本隊を預けられるほどの良将に成長しましたからねえ。レオナートを除くと大軍を率いる統率力の持ち主は今のところ彼だけだからなあ。いやでも、その割に敗戦率や損害率けっこう高い気がしますけれど、アラ公。
直接戦う人材もさることながら、後方支援体制の方もしっかりしてるんですよね。このあたりは、ロザリアに薫陶を受けたメイドさんたちが、内閣官房よろしく官僚組織として非常に強固に組織と人材を形成してるんですよね。それが、レオナートの領地の政経を安定、以上のメキメキ経済成長する発展地域に仕立ててる。レオナート自身は武辺寄りで決して内政に関して得手ではないんだろうけれど、彼自身勉強を欠かさないし彼の考えや手が及ばないところも、官僚組織が機能し、レオナートがそれに積極的に承認を与えているために、レオナート個人の能力を上回ったところで、領地が回ってるんだろうなあ、これ。
もうロザリアの人材育成の賜物なんだけれど、メイドさんたちのみならずレオナートはこのロザリアの遺産を、リント奪還作戦含めてとても良く運用してるのが見て取れる。
にしても、ここからさらに軍師枠を増やすとは思わなかったけれど。しかも、またロザリア塾の門弟である。シェーラがロザリア門下の中で「一・二位を争う」軍略家、と唯一無二扱いでなかったのはこのためだったんか。いや、キャラ紹介を見た時咄嗟に新たな敵キャラか、と思ってしまったほどにドギツい彼女。なるほどなるほど、シェーラが諸葛亮だとすると、彼女ジュカは龐統ってところなのか。キャラの極悪っぷりからして法正っぽくもあるけれど。
たった一人の神算鬼謀で、アドモス帝国はレイヴァーン自慢の若手幕僚たちの作戦を尽く潰してみせるジュカ。いや、潰すというよりも彼女の場合、対処療法じゃなくて完全に自分の思惑通りに相手を誘導する、選択肢を対策を打っている範疇でしか与えない、というすべては手のひらの上というやり口なので、これは敵からしたら敵わんよなあ。だからこそ、予想外の一手には脆かったわけなんだけれど、個人的にはレイヴァーンのあの逆転劇にはあんまり納得できなかったり。そんな都合よく毒なんか仕込めないよー。全軍に行き渡るような量の、しかも川に流して薄まらない濃度のものを軍勢が向かい合うタイミングで効果を発揮するように調薬して、しかも相手に気づかれないように無色透明無臭無味のものを準備して、相手が飲料水として汲むタイミングで流す、って言うほど簡単じゃないよ。
歴史上において、経口摂取した毒によって軍勢が戦闘不能に陥って敗走した、なんて合戦の例あるんですかね。病が流行って、というのはよく聞くけれど、往々にしてそういうのは長期の対陣による環境の悪化に寄って蔓延るものだし、こんな毒の一撃によって、というケースは寡聞にして知らないなあ。
レイヴァーンやロザリアの言い分は凄くよく分かるんだけれど、盤上をひっくり返す一手というのはもっと政治的・戦略的な一撃であってほしかった。これだと、軍略においてジュカがシェーラに総合的に敵わない、というロザリアの評価が妥当なのかよーわからんし。シェーラなら、戦争芸術とはかけ離れた汚い手もちゃんと考慮する、ということなんだろうけれど。
結果として凄まじい大敗になってしまったんだけれど、これで幹部クラスの人的被害が出てしまうんだろうか。ほとんど潰走に近い形になってしまったようなので、かなりヤバイっちゃヤバイのだけれどこんな戦いで人材を失うのもちょっと納得行き難いなあ。まあそういう理不尽も戦記の妙味としてありっちゃありなのですけれど。
ところで、女っ気のないアランくんですけれど、何気に今回登場したジュカがそのお相手候補なのか、と穿っていたのですが、あんまりそんな雰囲気なかったですなあ。違うのかなあ。アランくんなら、わりとあの手の悪口雑言系女子にも適正ありそうなんだが。
一方でレオナートは長駆、リントをダイレクトアタックすることに。本来なら兵站の問題とかもあるのでしょうけれどそう言えばレオナートって、リント近郊に既に多くの開拓兵を仕込んで隠し村みたいなのを多数作ってたんだっけ。ある意味それが兵站基地としても機能するから、補給は問題ないのか。
今までかち合わなかったレイヴァーンとイグナートが、お互いの戦場で勝利したことでついに直接相まみえる。今後も、レイヴァーンが好敵手として立ちふさがり続けるかの試金石、でもあるんだろうなあ、次巻。
しかしシェーラさん、そろそろいい加減陥落させないと、横から王子様掻っ攫われますよ。今回けっこう危なかったですし。わりと現状のイチャイチャで満足しちゃってるっぽいけれど、もうちょっと危機感持たないとw

シリーズ感想

我が驍勇にふるえよ天地 3 〜アレクシス帝国興隆記〜 ★★★★  

我が驍勇にふるえよ天地3 〜アレクシス帝国興隆記〜 (GA文庫)

【我が驍勇にふるえよ天地3 〜アレクシス帝国興隆記〜】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫

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クロード帝国各地で勃発した、未曽有の大叛乱を征伐したレオナート。その武功により、広大なるディンクウッド州を下賜され、彼の常勝軍とともに州都レームへ入城を果たす。季節は冬。レオナートは在りし日の伯母の姿を思い浮かべ、最良の領主たらんとする。大州を完全に掌握し、憎きアドモフ帝国に対抗すべく着実に力を蓄える日々。しかし、春を待たずして、軍靴の音が北より押し寄せる。アドモフ、来襲―!
「天におわすロザリア様よ、ご照覧あれ―全軍突撃!!」
魔法なし!痛快にして本格なるファンタジー戦記、これぞ“吸血皇子”の伝説伝承たる激震の第3弾!!

うわぁ、第三王子のやり口がえげつないなんてもんじゃないなあ。攻略したディンクウッド州がレオナートに下賜されるのを見越して、仕える人材は根絶やしにした挙句にわざと奸臣の類が残るような降伏条件を出したり、とある意味人材の焦土戦術というべき嫌がらせなんですよね。同じ国内でそこまでするかー、と思うんだけれど、アドモフ帝国という外敵が居ても、クロード帝国内ももはや実態は群雄割拠状態という認識なのか。
本来ならここまで広大な領地から人材を消し去られるとどうしようもなくなるものだけれど、同時にしがらみもなくなっているということでもあり、大胆な政策を打ち出せるということでもある。いや、既得権益だけは見事に残してくれているので、本来ならもっと政務に滞りが出てもおかしくはないはずなんだけれど、レオナートの場合出自が根無し草ではなく仮にも皇族であると同時に文武に多くの人材を抱えていたロザリアの財産をそのまま受け継いでいたからこそ、対処ができたんだろうけれど……ここまで文官側にも綺羅星を抱えていたとはなあ。辣腕の法曹関係者と裏社会のドンという秩序の裏表を担える柱を抱えているとか、領地のない根無し草だった人物に揃えられるもんじゃないですしねえ。
その意味では、何も持たないゼロからの出発ではなく、レオナート一人の物語というよりもレオナートを代表にして後継者とするロザリアの薫陶を受けた遺児たちの復仇戦とも言えるのか。
今回の新たな「吸血皇子」のフォークロアの誕生となるエピソードもまた、遺されていく者の想いを一緒に連れていく、というものでありましたし。過去に強くこだわりながら、その過去に引きずられずに先へ先へと血風切り拓いて進んでいく、これはそういう物語なのだ。
あの人が何もなし遂げられないまま無念のうちに死んでいく展開は正直かなりショックだったんですよね。彼こそは、正負どちらの面に転んでももっと劇的な展開の末の結末だと思っていただけに、こんな中途半端な形で無情に、無慈悲に終わってしまうとは予想だにしていなかっただけに。
でも、だからこそレオナートがその無念を背負っていく、その想いを連れて行くという姿が、吸血皇子レオナートという人物の特別な伝承として成立することになったのですね。これ以降、吸血王子の名の意味は変わってくるはずですし、レオナートが率いる軍勢の持つ空気もまたちょっと変わってきかねないのですけれど、際限なく
重荷を背負い続ける宿命を得たレオナートが果たして潰されずに行けるものか。潰れたら、闇落ちしそうな属性なんだよね、吸血皇子って。シェーラのメンタルケアがこれまで以上に重要になってくるんじゃないだろうか。ある意味、新たなレオナートのフォークロアに呑まれないのって、シェーラくらいだろうし。親友のアランですら、これに関しては掣肘を加える側にはならないだろうし。
しかし、アドモフ帝国側の軍制は凄まじいなあ。この時代としてはあり得ないレベルなんですよね。精鋭のみならず、万単位の軍勢の一兵卒までここまで訓練が行き届いてるって。
コストどれだけ掛かってるんだろう。
本来ならこれほどの集団連携戦術……集の力に、個の力は抗しきれずに敗退するというのが歴史の流れなのだけれど、本作は敢えてその逆を行くのだから堪らない。アドモフ帝国側の司令官ナイヘバッハは自己評価の低さとは裏腹に、名将と呼んで過言ではない相手だっただけに、出来れば陰謀の絡まない真っ向勝負で戦えればと思える人だっただけに、あの参謀若造五人衆には怒りがたまるじゃないですか。
アドモフ帝国側の宿敵となるだろうレイヴァーン、これは好敵手というよりも仇敵として立ち塞がってきそうだ。

1巻 2巻感想

我が驍勇にふるえよ天地 2 ~アレクシス帝国興隆記~ ★★★★   

我が驍勇にふるえよ天地2 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

【我が驍勇にふるえよ天地 2 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫

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ボロロロスでの激戦を制し、吸血皇子の呼び名を名誉あるものへと変えつつあるアレクシス候レオナート。時を同じくして、大陸南部より憎き四公家の一角・グレンキースが挙兵したとの報せが届く。その大軍は名だたるブレアデト“教導”傭兵団に鍛え抜かれ、まさしく精強無比。レオ達はこの強敵を迎え討つべく南征を決意するが、その先で出会ったのは、四公家の手から逃れてきた幼い姫と白銀の騎士。二人がレオに求めた、唯一つの願いとは―?集えよ!誇れよ!レオナートの御旗と共にある栄光を!痛快にして本格なるファンタジー戦記、英雄女傑入り乱れる第2弾!!
やっぱり軍師がムードメーカーというのは新鮮だなあ。陰気とは言わずともその堅苦しさから決して陽気とは言えないレオナート。彼って生真面目である分、結構内向きに考え込む傾向があると思うんですよね。そんなレオナートに常に寄り添うシェーラはフォークロアという合言葉を用いながら、レオナーとの思考を外側に引っ張り続けてる。加えて、首脳陣の雰囲気が重苦しくなったら率先して場を盛り上げて空気を軽くするんですよね。そうして場が和んだのを見計らって、決定打となる策を食後のデザートみたいにポンと提示して見せるのだから堪らない。これだけ場を掌握し続けているにも関わらず、シェーラは常に主導権そのものはレオナートに任せ続けて、彼女の存在感というのは見事にレオナート軍のマスコットみたいなポディションに収まっているのである。レオナート軍の幹部連中も、シェーラに対しては一目置きながらもどうしてもマスコット的振る舞いやムードメーカー的な言動が強く印象に残っているのか、彼女に対する接し方に自分よりも遥かに頭の良い人間に対する気後れや敬意の類が殆ど見当たらないんですよね。それでいて、ある意味ただの軍師などより言葉が届きやすい心の距離感にとどまっている。
軍師シェーラのこれはレオナート軍の外部の方が徹底しているかもしれない。レオナート軍以外の人間にはシェーラという軍師の存在はほぼ知られてないんですよね。レオナートという恒星が眩すぎて、敵対した相手はついついレオナートにばかり目を奪われて、それ以外に意識が行ってないところが見受けられる。
これに関しては、レオナート以外の諸将に関しても同じかもしれない。ちょっと二巻の段階でこんなにたくさん居ていいの!? というくらい、綺羅星のごとく色んなタイプの将星が集まってるんですよね、レオナート軍。攻勢に強いタイプばかりじゃなく、アレン君なんか今回ちょっと渋すぎないかい!? と思うくらい通好みの用兵見せていましたし、あれアレンくんみたいな若造がやるような指揮じゃないでしょう、地味なのが逆にめっちゃカッコいいんですが。また、前回降伏した中から売り込んできて新しく軍に加わったトラーメ。これがまた、食わせものである分、いい仕事するんですよね。まともに戦っても実に粘り強い戦い方をするし。レオナートとその直属部隊が呂布みたいな無茶苦茶な攻撃力と機動力を持っている分、見た目の派手さは全部レオナートが持っていくんだけれど、他にレオナートに伍する将であるエイナムもどんと構えているわけで、これだけ土台のしっかりした指揮官と部隊が数揃ってたら、そりゃ強いしレオナートを自由自在に遊軍みたいに動かせるわ。シェーラも、これだけレオナート好き勝手動かせたら楽しいだろうなあ。
神出鬼没、いつでもどこにでも現れるレオナート作戦、あれは敵からしたらひでえ悪夢だわ。いやでも、直属部隊は最初から分散して配置しておいて、レオナートだけあっちこっち派遣して、という作戦は各個撃破の一番難点である最適な場面での戦力の集中というのをレオナートと騎馬のザンザスだけに頼れるわけだから、そりゃバンバン決まるってなもんである。トドメに、獣使いティキの鷹によってリアルタイムで敵の動きを把握できてるんだから、シェーラやりたい放題である。
やっぱり戦記モノというのは個人の無双ではなく、群像劇として主人公以外にも推すことの出来るキャラが居たほうが、それもたくさんいた方が盛り上がるんですよね。
グレンキースの係累となるレオナートの妹姫や、彼女の脱出行を助けることになり彼女の騎士となるクルスという、実にこう堪能しがいのある味方勢力も出てきましたし。ってか、姫様可愛いなあ。あの公爵からどうしてこんな孫娘が、という聡明さと行動力を備えた賢姫なんだけれど、クルス相手にだけ恋するポンコツ姫になっちゃって、もう可愛い可愛い。

1巻感想

我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ ★★★★   

我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

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天下無双―アレクシス大帝、レオナート一世の驍勇は真実そう評される。しかし、後に大陸統一を果たす彼も、若き日には“吸血皇子”の汚名を着せられ、故郷を奪われた、武骨で不器用な青年でしかなかった。これは、大反撃の物語である。再起を誓ったレオナートはまさに一騎当千!そして一本気な彼に惹かれて集うは、神とも魔物とも例えられる数多の名将、賢者、才媛、奇才。やがて彼らは腐敗した祖国を呑みこむ一大勢力となり、群雄する大国全てと渡り合っていく!痛快にして本格―多士済々の英雄女傑、武勇と軍略が熱く胸を焦がすファンタジー戦記、堂々開幕!!
真っ向勝負な戦記だなあ。主人公からして実に男臭い。無骨で寡黙で硬派な青年というと戦記物の主人公としてはどうしても愛嬌に欠けてしまうのだけれど、それを補うのが軍師にしてヒロインであるシェーラなのでしょう。作中でも触れられていますけれど、シェーラって軍師としてはかなり異質なんですよね。軍略謀略を司り、物事の裏の裏まで勘ぐり操ってみせる軍師という役割の人間は、どうしたって人間というものの裏側や心の闇を覗くせいか、ある種の陰を帯びているキャラが殆どなんですよね。頭が良すぎるが故に、物事に対しても人間に対しても達観し、或いは苦悩している。厭世家であったりキレキレすぎるカミソリのような人だったり、皮肉屋だったり必要以上にクールだったり。
ところがところが、このシャーラという少女は軍師でありながら、ひたすらに陽の人間なのである。わりと悪辣な手段を取ったり、危ない橋を渡る作戦を導き出したり、と戦場の軍師として戦国乱世の謀臣としてやることはやっているのですが、そこに闇を感じさせないのである。むしろ、その明るく天真爛漫なキャラクターでレオナーととその一派のムードメーカー的な役割を担っていて、その愛嬌たっぷりの在り方はマスコット的でもあり、周りの人たちの不安や絶望を才知と雰囲気の両方で振り払うキャラなのである。
そんな彼女に懐かれ、ひっつかれることで……そんなシェーラにいちいちちゃんと真面目に相手をして、構って、応じることで、本来寡黙なレオナートにも、その掛け合いで妙な愛嬌が生じて、暑苦しいだけじゃない微笑ましさ、ちょっとした隙のような真面目故の可愛らしさ、みたいなものが垣間見えてくるのである。
シェーラって娘が、レオナートという主人公の魅力を引き立ててるんですよねえ。これは、よいコンビなのです。
そして、戦記物といえば群像劇。主人公の傍らには、綺羅星のごとく将星が集まってくるのですが、意外なことに男率結構高め!! ライトノベルの戦記物だとどうしても女性キャラが群がってくるし、そういうのも好きなのですけれど、今作は男臭さと暑苦しさを雄叫びを浴びるように堪能するのがもっぱらの楽しみ方じゃあないですか。やっぱり、男同士の揺るぎない友情というのはいいものなんですよ。親友の危機に、助けに来たぞ、なんて野暮なことは言わず当たり前のように、叛逆の疑いを欠けられた友のもとに馳せ参じる。この情熱的な自然体の素晴らしきかな。
やっぱり、戦記物の主人公は情の厚い人の方が読んでいて痛快なんですよね。強さや能力で人を引っ張る以上に、その情の厚さ、熱さ、篤さに周りの人たちが惹かれ、集っていく話が好きなんだよなあ。

ちょっと残念だったのは第二王子の体たらくよりも、その黒幕だった公爵の方ですか。凄い大物感があったにも関わらず、のあの結末でしたからね。この手の黒幕は非常にしぶとく、前になかなか出てこないことで逆に手の出しづらいところから政治的戦略的デバフをかけ続けてくるからこそ、恐ろしいキャラになるだけに描かれていたポテンシャルの割に不用意だったんじゃないかな、と。いささか、倒した時のカタルシスがその分弱くなってしまった気がします。
とはいえ、この程度はただの前座か。どうも後ろにはもっとえげつない相手が控えているようですし、物語としてはレオナートの旗揚げがはじまったばかりですし、本格的に物語が動き出すであろうこれからが非常に楽しみな期待の新シリーズであります。

あわむら赤光作品感想
 
12月2日

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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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11月25日

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(ガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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(エンターブレイン)
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(ドラゴンノベルス)
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(PASH!コミックス)
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(フロース コミック)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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