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四季童子

セブンスターズの印刻使い 3 ★★★★   

セブンスターズの印刻使い3 (HJ文庫)

【セブンスターズの印刻使い 3】 涼暮皐/四季童子 HJ文庫

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バイトの為に訪れた迷宮で襲い掛かってきた《七曜教団》の《木星》アルベルを退けたアスタは、離れていた仲間と合流して事態を把握すべく、迷宮のさらに奥へと進む。
そして、そんな彼の前に立ちはだかったのは、先ほどまで一緒に冒険していた同級生・ピトス=ウォーターハウスだった――。

本格異世界ダンジョンファンタジー、激動の第3巻! !
このジャケットデザインは好きだなあ。ピトスの初登場時は、治癒術師でサポート役という役回りもあり、自己主張も少なく穏やかに笑ってるような大人しめのキャラクターに見えたのが、バリバリの武闘派だったのがよく分かる勇ましいイラストじゃないですか。
未だメンバーの大半が登場していないアスタの元仲間たちである【七星旅団】のメンバーも世間的にも知られている事は少なく謎多き存在なのですけれど、学園組に当たるピトスたちも何気に大概謎なんですよね。ピトスからして、学園生としては埒外なほどの戦闘経験の持ち主で明らかに修羅場慣れしているという。シャルに関しては、むしろ当人のほうが自分の出自についてわかっていないのですが。魔法使いアーサー=クリスファウストの娘、を自称しながらその詳細を全く知らない、という。
ともあれ学園第二学年四傑のレヴィ、ピトス、シャル、ウェリウスの四人は、こうしてみるとアスタと同世代というだけあって、物語の主役格でありヒロインなんですよね。むしろ、七星旅団のメンバーはRPGで言うところの前作の主人公たち、みたいな役回りなのかもしれない。まあ、メロは年少組ということもあってバリバリに絡んで来てますけれど。彼女もまた成長枠だしなあ。あとは、フェオもこれ今後も深く関わってくるので……主要メンバーこうしてみると多いなあ。最後に現れた彼女もそうですしねえ。逆に、最初まるでメインヒロインのように登場したレヴィが一番出番少ない、という。ウェリウスなんて、最初のダンジョンで痛い目見てフェイドアウトするいけ好かない増長した貴族キャラ、と見せかけて、レヴィなんかよりもよっぽど出番ありますもんねえ。

さて、ウェブ版を先に読んでいるとピトスの事情や過去についてはだいたい明らかになっているので、この時のアスタとのやり取りを見ていると色々と気づくこともあって、面白い。彼女の正体を知ったあとだと、会話の内容や反応でけっこう「おっ!?」と思う部分があるんですよね。こういう所なんぞは、再読の楽しみである。
優しげに見えて、情の深いというか怖い女性だからなあ、ピトスって。こういう穏やかな言動を装いつつ、急所をグリグリと捻ってくる押しの強いキャラは好みなのでいいんですけれど。それに、アスタっていつ如何なる時も血を吐いて怪我しまくる主人公なんで、どう考えても治癒術使う人が傍に居ないとすぐ使い物にならなくなるんですよねえ。となると、ピトスがメインヒロイン枠というのもある意味当然なのか。前日譚においても、主にコンビ組んでたの、治癒術師の娘でしたし。
相変わらず、訳がわからないけどすげえ! という描写は面白い。メロにしても、アスタにしても、先生にしても、それぞれ訳の分からなさの質、タイプがそれぞれ違うのも楽しさの理由なんですよね。通り一遍の強い描写だと飽きがくる。でも、手を変え品を変えの訳の分からなさ、というのはワクワクさせてくれるものです。
それに、七星旅団メンバーのような天井突き抜けた理解の埒外みたいなのだけではなく、例えばピトスのサポート役と見せかけて、フェオの前衛シャルの後衛というバランス取れたコンビ相手に、その肉体一つでぶん殴り蹴っ飛ばしねじ伏せるという肉体言語バリバリな戦闘スタイルで圧倒する、という意外性もまた、シャルやフェオからすると「なにこれ分けわかんないんだけど!?」という意味不明さなんですよね。
いろんな場面、様々なスケールで「想像を超える」シチュエーションが用意されている。こういうのって、楽しめるなら実に面白いんですよね。そして、こういうケースは能力面のみならず、感情的なもの人間関係のぶつかり合いとしても、時としてそれぞれのキャラが抱いている「予想」を越えるシチュエーションも入ってくるわけですよ。そうなると、恋愛パートでも友情パートでも、実に楽しいことになってくる。
波長が合ってるんでしょうね、この作品だから凄い好きなんだよなあ。
なあ、ちょっと七曜教団絡みの展開には、その分じれったさを感じてしまうところですけれど。他が基本、痛快感を感じさせるところが多いだけに、余計にこっちのターンがほとんどない教団相手の展開は焦らされるんでしょうけれど。

1巻 2巻感想

フルメタル・パニック! アナザー 12 ★★★☆  

フルメタル・パニック! アナザー (12) (ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック! アナザー 12】 大黒尚人/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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“カエサル”覚醒―魂なき戦闘機械の振るう強大かつ未知なる『力』を前に、達哉たちD.O.M.S.はかつてない窮地に追いこまれる。さらに冷たく無機質なその視線は、戦場である中央アジアのみならず、遠く離れた東京を見ていた。思いがけぬ破局、拡大する戦火、傷つき消えゆく人々。故郷の危機を前に、若者たちはそれぞれの決断を迫られる。そして己の命を燃やし尽くした苦闘の果て、達哉とアデリーナが見出した答えとは―?空前絶後のSFミリタリーアクション、最終決戦!!
終わった。終わったなあ。達哉の銃を手にした戦いは、ASに乗った戦いはここに終わりを見出したわけだ。
思えば、この達哉という主人公、なんで戦っていたのかわからないままだったんですよねえ。その操縦技術を見出されてスカウトされて、何となく成り行きでASに乗るようになり、あれよあれとという間に本物の戦場に立つようになり、人の生き死にを目の当たりにして硝煙の匂いを纏うようになってしまった。
元の平和な世界に戻るに戻れず、戻ってもどこか馴染めず、居場所をなくしてしまっているうちに、薄汚い謀略によって存亡の危機に立たされたD.O.M.S.の仲間たちを守るために戦うようになり、ついには自分のパーソナルデータを利用した新兵器の拡散に対して、オリジナルとしてケリをつけるために戦うようになり、とそれなりに戦う理由を抱えつつも……彼にとってそれはどれも受け身な姿勢でいるところに降って湧いた理由だったんですよね。もちろん、彼は選択し続けたし、ぜんぶ彼自身が戦いと決めたことであるし、意地と決意がそこにはあった。
でも、不思議と……ずっと彼の足は地についていなかったような気がする。どうしても、ふわふわしたままだったのだ。別に、理由もなく兵士として生計を立てている人も多いだろう。性にあうからとか何となくで、血なまぐさい仕事を続けている人もいるはずだ。彼らがそうしているのは、戦うための信念があるわけでもないし、流された結果とか、受け身でいつづけた結果としてでしかない。どっぷりと戦争に肩まで浸って抜け出せなくなっている、という人だけでもないはずだ。その気になれば、簡単に足を洗える程度の軽やかさで携わっている人も、珍しくはないだろう。
でも、そんな人達ですら達哉に比べると、地に足がついてたんですよね。単なる仕事、という割り切りですらどっしりと腰を据えているようにみえるほどに、達哉という少年の戦う理由には定まったものがなかったように見えたのだ。
だから、ずっと不思議だったし、彼の戦いを見ているのは随分と奇妙な感触だった。なぜ、あんな思いをしてまで、実際に人を自らの手で殺すような経験をするに至るまで、彼は戦う必要があったのだろうか、と。
多分、彼にも最後まで本当のところはわからなかったのかもしれない。それでも、彼の戦いとASを降りる決断をするに至るまでの姿を追ってみると、何となく納得できるものは見いだせた気がするんですよね。
落とし前をつけるだの、振りかかる火の粉を払いのけるだの、色んな決着をつける必要はあったにせよ、だ。達哉にとって、最初から最後まで一貫してブレなかったのは。最初から最後まで、彼にとっての戦う理由、戦場に身を置かなければならなかった理由の最大のモノは、アデリーナ以外のナニモノでもなかったんだろうなあ。
結局のところ、最初から彼女に魅入られた達哉にとって、彼女に手を届かせるには彼女のいる場所に行くしかなかったわけだ。戦場だの何だの、というのは達哉にとってはどうでもよい、というと語弊があるかもしれないけれど、周りや自分が思っているほどには、戦場と平和な日常の差異に戸惑うとかは関係なかったのかもしれない。彼女がいる場所が、彼にとって自分が居るべき場所になってしまっていたのだ。
同時に、自分が座り込んでいた絶壁の上に這い上がってきた達哉の存在に、リーナ自身も大きく揺り動かされることになる。様々な事件や出来事を共有し、感情を交換し、経験を繋ぎ合うことで、二人は価値観を同じくしている。それは、リーナにとっては戦場やそれに近しい場所にしか居場所がなかった、そこから動くことが出来なかった彼女に、達哉のいる場所が自分の居場所、という座りの良さを得るのに必要な過程だったんでしょうね。
二人にとって、何よりも大事なのがお互いが一緒にいるところ、となった時、別段それが戦場だろうと平和な工事現場だろうと、関係なくなっていたのでしょう。
その上で、達哉もリーナも、戦場においてやっておかなければならないケリは、カエサルの一件を通じて全部やり終えてしまったわけだ。別に、好んで戦っていたわけでもない彼らにとって、もうそこは何の未練もない場所になっていた。一方で、達哉には自分の生家とその生業である工務店の仕事や生活には、まだまだ思い馳せるものがある。
一度は帰るに帰れず、帰っても落ち着かずにD.O.M.S.に戻った達哉が今回すんなりと、ASから降りることを選んだのも、リーナが未練もなく達哉が誘った手を取って彼の世界に降りてきたのも、こうしてみると何の不思議もないんですよね。
これは、巡り巡っては達哉とリーナの二人のスモールワールドに集約される物語だったんだろうなあ。
だからこそ、菊乃は彼らにはついていけなかったし、同じ世界を股にかけたASアクションものだったにも関わらず、本家フルメタとはちょっと毛色の違う、あまりスケール感を感じさせないこじんまりとした作品になったんんだろうかなあ、なんて思うわけだ。

残念だなあ、と思うのは本家フルメタとのコラボレーションみたいなものがかなり少なかったことでしょうか。クルツとマオ姐が出てるくらいで、キャラにしても組織にしてもフルメタ本家から絡んでくるようなネタはかなり少なかったですし、あの人達は今、みたいな話も殆どなかったですしねえ。そっち方面で楽しませてくれるネタがあんまりなかったのは、勿体無かった。
なんにせよ、結局12巻に及ぶ大長編を仕立てあげ、それにこうして決着をつけてみせたのですから、大したものです。お疲れ様でした。

シリーズ感想

セブンスターズの印刻使い 2 ★★★★  

セブンスターズの印刻使い2 (HJ文庫)

【セブンスターズの印刻使い 2】 涼暮皐/四季童子 HJ文庫

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学園迷宮の攻略後、アスタの下に、かつての仲間である《七星旅団》の七番目《天災》メロ=メテオヴェルヌが来訪する。
一流の冒険者として未だ活躍している彼女だが、家に転がり込んできた時には無一文。
彼女がいることでお金が心もとなくなったアスタは、高額のバイト料につられて郊外のダンジョンへ、メロと共に赴くことになったのだった――。

おお、フェオってこういうデザインになったのか。黒髪ストレートというのは、ちょっと意外だったかも。もっと活発系のイメージでしたからね。まあ、今回同時に活発系の最たるキャラであるメオが登場することですし、ビジュアルイメージが被るのもなんですしね。それに、フェオは今後もメインヒロインの一角として頑張っていくキャラなので、レヴィやピトス、シャルとの対比からしても黒髪ストレートというのはなかなかツボをついたチョイスなのかもしれない。
いわゆるチュートリアルだった一巻(にしてはいきなりハードモードでしたが)から、この2巻はそれぞれキャラクターが主体的に動き出します。尤も、それは積極的に動く理由のあるキャラから、ということでアスタやシャルなんかはまだ受け身の段階なんですけどね。まず一番最初に主体的に動き出しているのが「ピトス」というのは相応の注目点なのかもしれません。
いずれにしても、主体的にせよ受動的にせよ、動くからにはそれぞれ手持ちのカードを段階的に開いていくことになります。この作品、主要人物がとにかく山程ジョーカーを抱え込んでいて、手の内を隠してるんですよね。一巻でパーティー組んだ、学院のエリートたち。彼らも、学院史上歴代屈指の天才たち、という謳い文句で散々持ち上げられてましたけれど、実のところその段階ですら手の内はまだ殆どと言っていいくらい見せてませんからね。
この作品の一貫した主軸として「魔術は理解不能であればあるほどつおい」というのがあるんですけれど、これを主要キャラはみんな忠実に堅持してるのがまた読んでて面白いんですよねえ。
「わけわかんないけどすげえ!」というのを、手を変え品を変え魅せてくれるのです。その最たるものが、アスタその人であり、セブンスターズの面々なのですけれど、その「訳の分からなさ」も登場人物の特色に合わせてまた全然違うのが面白いんですよねえ。アスタにしても、メロにしてもその魔術の「意味不明」さ加減については極まっているのですけれど、その方向性は全然違うわけです。いや、ほんとにねえ、この何をやってるのかも何をされてるのかも、何が起こっているのかもわからない意味不明さ、理解不能さ、未知に未知を重ねたような有様を、白熱と緊迫のシチュエーションでみせてくれる演出力は希少価値高いと思うんですよねえ。
メロの反則っぷりに呆れ返っているアスタですけれど、自分の戦い方の意味不明さの方もどっちもどっちですよ、これは。対木星戦の手管と来たら、もうねえ。
余裕ぶっこていた敵が「!????」と度肝を抜かれて翻弄される、というのはやっぱり痛快なんですよねえ。

さて、メインヒロインと見せかけて今回は殆ど出番のないレヴィに代わり、アスタとダンジョン探索のパーティーを組むのは義妹のシャルとアスタたちに反発をみせるフェオ。まあでこぼこトリオとなるのですけれど、シャルが地味にボッチということが発覚してしまって、ツライ(笑
まあこれはシャルが面倒くさい自己認識を抉らせてしまっているのが大きくて、さらにそこからコンプレックスだのを抱え込んでいってさらに面倒くさくなっていってしまうのだけれど、アスタも一応義理の妹なんだからこの段階でもう少し踏み込んで構ってあげればよかったんだろうけれど、アスタはアスタで色々と忙しかったから仕方ないのか。
メロの襲来に参ってた、というのもあるでしょうし。メロとの再会は、彼女の大迷惑具合に疲弊してしまうというのもあるんでしょうけれど、遠慮呵責のない分容赦のないメロの指摘が、アスタ自身の逃避を突きつけてくる、という件もありましたからね。メロがグリグリとアスタの生乾きの傷を抉ったからこそ、アスタも燻っていられなくなった、というのもありますし、メロの襲来こそがトリガーになったのか。

今のところ、クラン「シルバーラット」に何が起こっているのかもわからない、かなり靄の掛かった段階でラストのピトスの不穏な再登場で次に続いてしまいましたからね、早いところこれは続きを出してもらわないと。
フェオにももっと可愛い所見せてもらわないといけませんし。

1巻感想

フルメタル・パニック!アナザー 11 3   

フルメタル・パニック! アナザー (11) (ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック!アナザー 11】 大黒尚人/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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オルカンの悪意を紙一重ではね除け、奇跡的な再会を果たした達哉とアデリーナ。しかし、それを喜ぶ間もなく、国境を越えたガルナスタン軍によるアフガニスタンへの侵攻が始まる。アフガン軍とともに避難民を守りながら、援軍も補給もない逃避行を続ける達哉たちだったが、そんな満身創痍の彼らにミハイロフ・ナタリア率いる“ケントゥリア”隊の奇襲が迫り―生き残るため、民間人を救うため、そしてリーナを守るため、達哉は崖っぷちの戦場に立ち向かう!“レイヴン”不在、絶望的な戦力差を前に活路を開くことはできるのか!?起死回生のSFミリタリーアクション、背水之陣!!
あそこで謝られちゃうと立つ瀬がないわなあ。言ってみれば、生涯最大の決断であり取捨選択だったわけで。こういうのは、アデリーナの方に自分のしたことの意味にちゃんとした理解が追いついてなかった時の方が、感覚的に正直になるものだから、まあ怒るわね。
逆に理解が追いついたあとの、達也への対応の方が面白かったですけどね。あそこで逃げちゃうのは、謝っちゃう達也と同じことになっちゃいますもんね。でも、あそこまでハッキリと女としての主張をするとは思わなかっただけに、リーナのことを見直した……というよりも、それだけ菊乃が危機感煽りまくってたせいなんだろうけど。
むしろ、察しよく達也がリーナの意図を汲んだ方が驚きましたけれどね。そこで察せられるなら、謝っちゃうなよー、と言いたいですけれど、この場合はよくやった、と褒めておこう。
もうちょっとイケイケで押せよ、と思わないでもなかったですが。それで終わりかよ、という二人の奥手っぷりである。まあ、意思表示と気持ちが通じあった、というのが二人にとっては重要で大事だったんでしょうけどね。
ここは、ふたりとも大好き、を公言している菊乃の手腕に期待しましょう。彼女なら、ふたりとも喰ってくれるに違いない。
兵士としては完全に一端の精兵となってしまった達也ですが、男としては可愛い盛りですからねえ。
男女関係では、サミーラの動向の方が気になるところですけどね。彼女も、完全に菊乃に煽られちゃったからなあ。
しかし、ここであのシステム、ラムダドライバが稼働しますかー。あれは完全に世界観違う反則兵器なだけに、それを破滅にまっしぐらなオルカンに持たせるというのは棘が効いてる。自ら望んで破滅しようとしている相手に、金棒どころじゃない超兵器を持たせるのか。いったい、どこまで。どこまで行かせるつもりなんだろう。

シリーズ感想

セブンスターズの印刻使い 1 3   

セブンスターズの印刻使い 1 (HJ文庫)

【セブンスターズの印刻使い 1】 涼暮皐/四季童子 HJ文庫

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伝説の冒険者集団《七星旅団》の六番目にして、魔力を制限する呪いにより絶賛開店休業中の魔術師アスタ=セイエル。
彼は解呪手段を求め入学した魔術学院で選抜者試験に巻き込まれたのを切っ掛けに、再び戦いの表舞台に立つことを決意する。
――最強の一角と謳われた印刻使い《紫煙の記述師》が紡ぐダンジョン系王道ファンタジー、ここに開幕!
ウェブ版は既読。文庫になると、一巻ではここで終わってしまうのか。ぶっちゃけ、この巻で進行した分ってほぼ序章くらいのものなんですよね。実はキャラ紹介にも至ってないんじゃないだろうか。何しろ、主人公のアスタを含めて全員、「何も見せてない」に等しいわけで。いやでも、先々を知らない人にとってはこれでいいのか。現時点で彼ら彼女らの見せ札は、「このくらい」で適当なのでしょう。考えてみれば、適時適量見せるべき時に伏せていた事自体伏せていた札を開いてみせるタイミングの良さこそが、演出のハッタリを映えさせるものですしねえ。
私がこの作品で好きなのは、まさにそのハッタリの効かせ方なわけでありまして、最初から無造作に垂れ流ししてしまっていたら、そりゃあイカンわなあ。だから、最初はアスタにしても、他の四人の学生たち、シャルにしても、レヴィにしても、ピトスやウェリウスにしても、この段階ではこの認識で良いわけだ。このくらい、と思っていたそのキャラの目分量を、どんどんひっくり返されていくからこそ、痛快感がもたらされるものなんですよね。実際、この学生四人のうちの二人に関しては、最初の印象を二度三度と盛大にひっくり返されて、まんまと絡め取られましたし。

さて、肝心のアスタはというと、最盛期の力を失っているわけですけれど、彼の強さの面白いところはステータス的な強さとは全然違う、一般的なルールの範疇外のところにあるんですよね。上ではなく、外、というべきか。これは盤上で戦っている人にはまったく認識できないというか意味がわからない土俵上のことで、それこそ「何をやってるかわけがわからない」のである。これは恐ろしい。何しろ、意味がわからなかったらどう対処したらいいかわからないし、そもそも何をされているかわからなければ、対応しようと思うことから出来ない可能性すらある。
この作品の面白いところは、凄ければ凄くなるほど、理解できない意味不明さ、になっていくところか。起こる現象は理解できても、何をどうやってどうすればそうなるのか、さっぱりわからない、という風になっていく。わからない、理解できない、意味不明、ということはすなわち、「底が知れない」という事に繋がるわけで、やはり底知れ無さというのはシンプルにキャラクターの格に対するハッタリに効果的なんですよね。こういうハッタリを、主人公だけではなく、わりと満遍なく色んなキャラクターに散りばめているので、目線を引っ張られるキャラがそれこそ多様にいるのである。
一方で、能力的には底知れなくても、内面的には過去に苦しみ、現状に悩み、先を見て迷い、一歩一歩進んでいたり、実は立ち止まったままだったり、がむしゃらに足掻くばかりだったり、と地に足をつけて、というのはまた違うんだけれど、色々と思い悩む若者たちでもある。勿論、何を考えているかわからない得体のしれない部分をそれぞれ持っているんだけれども、そんな余人にはうかがい知れないモノを抱え持っている、という不透明さもまたキャラの魅力というもの。
魅力的なキャラがたくさんいる、というのはそれだけで作品そのものの武器になり、アドバンテージになりますしね。

とりあえず、今回は盤上に幾つかの駒を箱から出して転がした、くらいの段階で駒の配置すら済んでいない状態なので、話が話として動き出すのは次回以降となるでしょう。とりあえずは、ピトスの本領発揮待ちかなあ。

フルメタル・パニック! アナザー 93   

フルメタル・パニック! アナザー (9) (富士見ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック! アナザー 9】 大黒尚人/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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南カフカスの小国、コルキス共和国。ソ連崩壊と共に独立したこの国は当時、ロシアを後ろ楯とした少数民族との内戦に揺れており、その混乱の中に彼女―アデリーナ・アレクサンドロヴナ・ケレンスカヤは民兵として参加していた。そんな混沌とした政府軍への教導のため、コルキスに派遣された民間軍事会社D.O.M.S.の社長メリッサ・マオは戦場で反政府軍兵士の少女と、数奇な出会いを果たす。「わたしは勝てない相手だろうと、負けるわけにはいかない」今こそ語られる、彼女の知られざる根源とは―!?千変万化のSFミリタリーアクション、追憶挿話!
リーナの過去話はミハイロフに捕まったところで回想として行われると思っていたのだけれど、これを見ると挿入話として描くには密度が濃すぎるし、それ以上にミハイロフ自身の人生の転機もリーナのそれが関わっていて、回想だけで済ますわけには行かなかったというのがよく分かる。
しかし、この話を見ているとミハイロフって、リーナにとって思っていた以上に複雑な存在なのですよね。少女兵、民兵として民族紛争の渦中にあった彼女にとって、ミハイロフは裏切り者ではあるのだけれど、彼女自身自分が所属していた一派に必要以上に思い入れがあったわけではなく、またミハイロフの行為も国の命令によるもので彼の責任とはいえない部分もあり、その上で作戦上の機密を知ってしまって処分されかかった彼女を、軍を欺いて助けてくれたのはミハイロフ当人だったわけですしね。
勿論、ミハイロフにとってリーナを助けたのは矜持の問題の方が大きく、彼女への情だけが理由ではなかったはずなのですけれど、助けてもらった恩は恩ですし、また菊乃たち姉弟たちへの接し方を見るにミハイロフの人間性は子供に優しい部分もあるみたいだし、D.O.M.S.の件があったにせよリーナにとって憎みきれない複雑な相手であるのは間違いない様子。
なんでリーナをミハイロフたちに捕まる形にしたのか、ちょっとわからなかったのですけれど、敵意だけじゃない感情があるなら、一度ミハイロフやナタリアの側に置くというのも話の進展に必要だったのかなあ。
尤も、この民兵時代でのエピソードでマオがリーナに与えた多大な影響は、彼女のマオへの尊敬と忠誠心、親愛の根源となっているので、そのマオ社長を傷つけたジオトロン社サイドには絶対につかないはずなので、むしろこれ、ミハイロフたちへの揺さぶりになってしまうんじゃなかろうか。

【夕陽のサンクチュアリ】は、典型的な原作付き映画がダメになっていく変遷譚w
この徹底した原作者置き去りの改変改変の嵐の様子は、よく映画化のあとで原作者が発狂しているケースの典型なんだろうなあ、これ。表に発言が飛び出しているケースだけで度々あることを思うと、この話のようにグッと飲み込んでしまうケースを含めたら、さてどれだけの頻度になってしまうのかw
若手のアイドルだの大手事務所推しの女優俳優を使うなら覚悟せよ、ということで。それでも、実際のAS使ってるだけじゃなく、PMCまで動員して戦闘シーン撮ってるというだけで、邦画としては充分見所たっぷりなんじゃないでしょうか。

【砂塵の国】は、ユースフの里帰りと国内での意外と難しい立場のお話。ユースフは王位継承権やら、複雑な女性問題など、実は達哉よりも抱えている問題がはっきりしている上に性格がキッパリしているせいか、もう一人の主人公格として存在感を伸ばしてきているんですよね。本編でも彼にまつわる話が多い上に、短篇集でこんな風に彼の家の事情にまつわる深い話までつぎ込んできているのは、それだけユースフの価値があがっているのではないでしょうか。
達哉って、ちょっと主人公としては立ち位置がふわふわしすぎてるんですよね。未だ寄って立つものが見いだせていないまま、ここまで来てしまっている感がある。その定まらなさが物語の主軸だというのなら何の問題もないのかもしれませんけれど、あんまりそういう感じでもないからなあ。

シリーズ感想

フルメタル・パニック!アナザー 8 3   

フルメタル・パニック!アナザー8 (富士見ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック!アナザー 8】  大黒尚人/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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舞台は決戦の地へ―『カエサル・プロジェクト』を追って新生D.O.M.S.は、旧ソ連のガルナスタン共和国にたどり着いた。そこで達也とアデリーナは、この国の若者たちと思わぬ邂逅をとげる。ガルナスタン大統領の息子オルカンと、その友人ソラヤ―祖国の明日に惑う青年たちとの束の間の交流をよそに、世界は激しく揺れ動いていた。中央アジアの荒涼たる大地に交差する、理想、野心、そして愛。錯綜する謀略は、戦火を加速させていく。愛別離苦のSFミリタリーアクション、終演序曲!!
菊乃の新生D.O.M.S.の制服姿が思いの外よく似合う! ってか、年齢のわりに色気がありすぎだよ。一瞬、マオ姐さんが復帰したのかと思っちゃったじゃないか。というわけで正式に菊乃がチームに加わり、達也とアデリーナの間に一石を投じる事になるのかと期待したのだけれど、菊乃本人はやる気満々な一方で達也とアデリーナに余裕が全然なかったもんだから、色っぽい雰囲気にはさっぱりならず。達也は、ついに人間を自分の手で殺してしまった事に、自分の戦闘データが兵器に転用されて戦争で惨禍を広げていることについて完全に前のめりになってしまっていて、他の事に目を向ける余裕はさっぱりないようだし、アデリーナはアデリーナで達也から平和で穏やかな帰るべき場所を奪ってしまったんじゃないかという罪悪感、怯えに苛まれていて、菊乃のちょっかいに対してもまともに反応出来てないんですよね。達也に対して腰が引けてしまっている。
このすれ違いは主人公たちだけじゃなくて、ガルナスタン共和国のオルカンとソラヤの方でも起こっていて、こちらはさらに深刻な事態にハマり込んでしまっている。このゲストキャラクターたちについては、以前西アフリカのマランパ共和国の件で、悲惨な結末に陥ってしまっているだけに、あれの二の舞いだけは避けて欲しいのだけれど、すでに今回の段階で瀬戸際まで突っ込んじゃってるんだよなあ。
兎にも角にも、アデリーナにしてもソラヤにしても、こうまでこじれてしまったのは彼女たちが男心をわかってないからだよ、うんw 少なくとも貴女たち自身が思っているよりも、彼ら男の子たちにとって貴女たちの価値は絶大で、だからこそ自分を軽く見てそこから男の子たちの決意やら判断基準を蔑ろにされてしまうと、びっくりするくらい男の子たちは傷ついてしまうわけだ。繊細なのよ。
アデリーナもねえ、帰るべき場所を奪ってしまった、彼を殺し合いの場に引き入れてしまった、なんてうじうじ今更悩んでても仕方ないのですよ、今更どうにもならないんだし、それを選んだのは達也なんだから。なんで達也が日本での生活に背を向けて、こっちに来てしまったのかをちゃんと考えてない。
彼女は自信を持ってこう思うべきなのだ。達也の帰るべき場所は「私」なんだ、と。
その意味では、彼女に達也にとっての自分自身の価値をこれでもかと思い知らせるには、今回のラストの展開はむしろ幸いなのかもしれない。この娘は、言ってもわからないタイプなので、嫌というほどシチュエーションで叩き込んで無理やりにでも理解させないと、入力できなさそうだし。
なので、菊乃は不憫といえば不憫なんだよなあ。まあ当人は概ね了解した上で食いついているようなのですが。言動の割には見返りをあんまり求めていないっぽいところは、肉食系っぽさとは裏腹に献身的なんだよなあ。

図らずも、この時期ウクライナ情勢の大暗転という、旧ソ連地域での紛争が勃発して現実と小説が被ってしまうという顛末になってしまったわけですが、色んな意味で現実に引っ張られずに踏ん張ってやって欲しいですね。

シリーズ感想

フルメタル・パニック! アナザー 7 3   

フルメタル・パニック!  アナザー7 (富士見ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック! アナザー 7】 大黒尚人/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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カルパチアの戦闘で旭を撃ち、その引き金の重さに苦悩する達哉。アデリーナやクララ、ユースフたちD.O.M.S.の仲間も、今はそんな彼を見守ることしかできない。そして最愛の弟を失った菊乃もまた、孤独の中で自身の弱さや脆さと向き合っていた。だがそんな少年たちをよそに、世界は危険な方向へと動き始めていた。中央アジアの紛争で投入された無人AS“ケントゥリア”の存在は、米ロ両大国の均衡すら揺るがそうとする。激動への予兆の中、D.O.M.S.が得た新たな力とは?不撓不屈のSFミリタリーアクション、一意専心!!
折れず歪まず撓まず砕けず、強靭に鍛えられたか。初めて人を殺したことは、達哉にもっとダメージを与えると思ったけれど……いや、違うか。ダメージが少なかったわけじゃない。大きなダメージをちゃんと受け、痛みにのたうちまわりながらも、彼はそれを表に吐き出さず、きちんと自分の中で抱えて処理して、前に進む糧にしたのか。
偉いよ。
もっと女々しくじたばたするかと思ってた。そうだよなあ、覚悟はきちんと既に済ませてたもんな。その覚悟は口先だけのものではなく、ちゃんと彼の性根に据わったものだった、というわけだ。そして、達哉は逃避せず、機械のようになるなんて真似もせず、正しく戦士に成ることを選んだのだろう。
彼のこの姿は、少なからず彼をこんな道に引き込んでしまったことに罪悪感を感じていたアデリーナにとっては一抹の救いになるかもしれないし、女の子としてはグッと堪えて雄々しく立つ男の姿は胸にビビッとくるものがあるんじゃないだろうか。
その意味では、菊乃の存在はベストタイミングだったかもしれない。
うん、菊乃は正直どうなるか危惧していたところがあるんだけれど、バッドエンドを回避してくれたのは素直に良かった。ぶっちゃけ、クララは甘すぎると思うけれど、子供ながらに見る目はちゃんとしてるよなあ、この子も。いや、実際テロリストの捕虜に対してあれやらせちゃうのは、幾らなんでも暴挙の類だと見做されて仕方ないんだろうけどさ。いや、これに関しては彼女なりの判断というか信頼があったから決断自体は出来ただろうけれど、むしろ溝呂木さんの方が大胆だよ。クララみたいな根拠があったわけじゃないんだから。つまるところ、それだけクララって部下から信頼されてるって事なのかね。菊乃が最後まで一線を越えなかった、というのも大きいだろうけど。
いずれにしても、菊乃がヤンデレを卒業して純愛系にクラスチェンジしてしまった今、リーナとしても今までみたいな曖昧な態度でいつづけることは許されなくなってきたわけだ。何しろ、菊乃ってば完全に真っ向から宣戦布告してきた上に、アプローチためらうウブな性格とは遥か彼方に遠いもんなあ。今回の一連の出来事でもう完落ちしちゃってて、曖昧な恋心じゃなくなってますし。まあ、リーナもグジグジするタイプじゃないので、決断したら早そうですけれど。冥利に尽きるな、達哉は。ちゃんとそれに足る良い男になってきているのがまた彼の素晴らしいところですけれど。技量の超抜進化もそうだけれど、何よりイイ男になってってるよ。
まあ、わりと真っ当な恋の鞘当てがはじまりそうなメイン組からさておいて、実はユースフサイドの方が結構気になるんだよなあ。もちろん、幼妻は鉄板だろうけれど、幼馴染のメイドさんの態度がまた微妙なんですよね。部下に徹しているはずだったのに、菊乃に突かれた時の反応は意外なほど大きかったですしね。表に出していない感情がどれほどあるのか。

あと、チラッと登場したロシアに喧嘩売った小国の大統領の息子近辺も、なんか面白そう。あそこ、完全に詰んでいるだけに、むしろそっからあの幼馴染組がどうするかが意外なほど興味出てきた。あれはあれで、なかなか良いカップルかと思うんだが。

シリーズ感想

フルメタル・パニック! アナザー6 3   

フルメタル・パニック!  アナザー6 (富士見ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック! アナザー6】 大黒尚人/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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今明かされる、過去と現在を結ぶミッシングリンク―“レイヴン”に隠されていた一三年前の秘密が、達哉やアデリーナをさらなる戦いへと誘う。一方、無人ASを巡るジオトロンの野心は、水面下で世界に様々な波紋を引き起こしていった。その尖兵として暗躍する、菊乃や旭たち。インドシナの密林、そしてカルパチアの雪山―うち続く新旧D.O.M.S.の対決の中で、達哉はとある決断を下す。それは『戦士の回廊』へと至る、決定的な一歩となるのだった。疾風怒涛のSFミリタリーアクション、新章開始!!

13年前の事件云々というと、当然フルメタ本編の方のアレなんだろうけれど、アナザーって結局ここまで殆どミスリルとかウィスパードなどというセカイの裏事情とは関わりがないまま此処まで来ているので、13年前の事件云々言われても、あんまりピンと来なくて、リンク具合にワクワクしたりできてないんですよね。せめてもうちょっと旧作の面々が顔出してくれたらいいんだけれど、マオもクルツも殆ど過去の件については触れないし、匂わさないからなあ。
その意味では、最後に出てきた特殊部隊の彼は、そっち方面関連の関係者なんだろうか。単に、クララがモテモテという可能性もあるけれど。あのちびっ子、男ウケが何気に良さそうで無自覚に結構あっちこっちで引っ掛けてそうだしw その割に歳相応にエロスに対しては初心というか潔癖なところがあるようだけれど。達哉とアデリーナがちょっとイチャイチャしかけてただけで取り乱してたもんなあ。あれは微妙に興味津々の反動、という向きもありそうだけれど。
んで、アデリーナと達哉の関係だけれど、強烈なインパクトのあるイベントがあるなどと言った事は相変わらずなくって関係はぼやけたままなのだけれど、菊乃と達哉がキスしてたことを知って機嫌損ねたり、そのネタを利用して達哉をからかったり、と距離感自体は特にイベントなくても順調に進展はしているようではあるんですよね。
別に何か大きな事件がなくったって、自然と雰囲気良くなっていくのは、それはそれで悪く無いです。これまでの微妙な距離感とアデリーナの消極性がラブコメ方面でかなりの停滞を生んでいたことから鑑みると、だいぶ彼女の方から甘やかな雰囲気を醸し出すようになってきたのは、変化といえば良い変化ですし。
強烈な体験の共有性というと、どうしても今回の一件も含めて菊乃が色々持ってっちゃってるからなあ。基本的にアデリーナの優位性は揺るがないとは思うんですけれど、それにしても今まで何にも無さ過ぎでしたし。ただ、最後にキチンと受け止める役を担っていたのを見る分には、安心なんですけど。
その意味でも、今回の菊乃との一件は今後の展開も含めてかなり大きな転換点になりそう。達哉もいつか経験することではありましたけれど、まさかASでの戦闘によるものではなく、生身で手を下すことになるとは想像していませんでしたし。それを、アデリーナとではなく菊乃と共有することになるとは。
菊乃にとっても、これは右へ行くか左へ行くかのターニングポイントになりそうなのは確かなんだけれど……うーん、すんなりとこっち側に転びそうでもあるし、一方で地に足をつけた形であちらに帰りそうでもあり、どっちもありそうなんだよなあ。

シリーズ感想

フルメタル・パニック! アナザー 53   

フルメタル・パニック!  アナザー5 (角川ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック! アナザー 5】 大黒尚人/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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社長のマオがテロで倒れ、民間軍事会社D.O.M.S.は激しく揺れ動く。姿を見せぬ新首脳陣、経営方針の大転換に残されたアデリーナたちは戸惑いと苛立ちを隠せない。会社を離れた市之瀬達哉もまた、陣代高校の卒業を間近に控え、自分自身の道に迷っていた。やっと戻ってきた日常にもかかわらず、彼の心を支配するのは拭いきれぬ違和感ばかり。周囲とズレていく思考、埋められない家族や友人との差異。そして、仲間から突きつけられた厳しい選択―。苦悩と逡巡の末、達哉が下した大きな決断とは!?―。
わりと劇的な展開が続くわりに、案外盛り上がってこないような気がするんだなあ、なんでだろう。何だかんだと事態が一民間軍事会社の興亡に過ぎずスケール感が広がって来ないからか、演出が地味だからなのか。危急の時だからこそ、切羽詰まって追い込まれたような切迫感があんまり感じられず、達哉の選択にもカタルシスを感じさせられないのがちょっと此処ぞという時にぽんとテンションが跳躍する幅が広がって来ないんですね、うむむ。
達哉の懊悩、戦場という非日常の方に馴染んでしまったが為に日常生活に現実感を喪失してしまい、自分の立ち位置に迷ってしまう、というものはよく分かるんですが、彼が戦場の方に惹かれてしまう要因となる強烈なアンカーが存在しないために、なんかしっかりと決断してのことではなく、フラフラと誘蛾灯に引かれるみたいにして平和な世界、他人を脅かすことも脅かされることもない世界に背を向けてしまったみたいで、えらく不安なんですよ。本来なら、彼の非日常側の唯一無二のアンカーにして理由となるはずのアデリーナなんですが、残念ながら達哉と精神的交感が結ばれるような、つまり仲良くなったり想いが深く繋がるという展開も殆どないために、キャラはいいのに存在感がどうしても薄くなってしまってる。もっと、達哉の中で重きをなす存在になってもいいと思うんだけれど。まあ、確かにこの展開で必要以上にリーナの存在が大きくなってしまうと、彼女の存在が拠り所となりすぎて依存という形で丸投げになりかねない危険な要素になってしまうんですけれどね。ただ、フルメタのカナメやテッサが強烈なアンカーとして機能しまくっていたのを思うと、リーナの存在感の薄さがやはりもどかしい。
結局、既に本格的な戦場に舞台を移しつつあり、対テロ戦に入りだしているさなかで未だに殺す殺さないで達哉のみならず、複数人のキャラが引っかかってしまっているのが、はっちゃけられてない理由なんじゃないかなあ。だからと言って、どんどん殺れ、というのは全然違うと思うんだけれど、そこに拘り焦点を当てている限り、カタルシスという点ではなかなか盛り上がって行かないだろうし、内面の内々に潜り込んで行くことになってしまうでしょう。そこから、どうやってエンタメ作品として面白く出来るかは、筆者の腕の見せどころではないかと。
それから、復讐の正当性もアレなんだよなあ。冒頭すぐの場面で、達哉が普通は警察に任せる云々と言っちゃってるのはこの場合、完全に正論なんですよね。法に基づかない、権力に則らない私的な殺人行為はどうやったって犯罪行為なわけですから。あそこで、達哉が戸惑ってしまうのも彼が普通に生きてきた一般人の常識・感性からすると当然の事なんですよね。となると、クルツの行動も相当ヤバいんですが、彼の場合は人脈からして「権力」に守られる可能性が高いので、その意味では相手の黒幕と対等であり、ボーダーとしては真っ黒でありながらセーフ判定貰えそうなんですが。
ってか、法規を鑑みるならばそもそも民間軍事会社の社員がどこまで戦争行為を下請け出来るのか、というところから触れると感電して黒焦げになりそうな領域なんですけどね。
クララについては、まだ11歳の子供をいったいどういうポディションに据え置くのか。今後荒っぽい展開が増えていくだろう中で、この子の存在は宙ぶらりんになって扱いにくそうだなあ、と思っていたので、あのアイデアはグッドジョブ。あれなら、見事にクララもD.O.M.S.の一員になれますからね。
ボーダーラインをついに踏み越え、戦場側の世界に身を投じる事になった達哉。とは言え、それが覚悟を持って選んだ選択とはとても思えず、かと言って中途半端に浮ついた気持ちで流されてしまった形でもなく、どっぷりと深みにハマるようにして来てしまった達哉はどうにも不安定で危なっかしい。迷いながらも彼を迎えに行き、自分たちの世界にもう一度達哉を誘ったリーナには、相応の責任をとってヒロインとしての活躍を期待したいところである。これ以上達哉一人に任せっぱなしというのも如何でしょう。そろそろ、二人一緒に向き合って、支えあって、進みはじめる頃合いなんじゃないかな。

シリーズ感想

フルメタル・パニック! アナザー43   

フルメタル・パニック!  アナザー4 (富士見ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック! アナザー4】 大黒尚人/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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西アフリカの小国・マランパ共和国。今回、市之瀬達哉たちD.O.M.S.第三班がAS訓練に赴いたのは、内戦中の軍事独裁国家だった。戦乱で疲弊した国民と、それを顧みない政府や軍部。何が正義で、何が悪なのか。初めて目の当たりにした戦争に、達哉の心は大きく揺さぶられる。だが、思い惑うのは達哉一人だけではなかった。アデリーナ、ユースフ、そしてベルトラン。彼らもまた、図らずもこの国で自分自身の過去、現在と対峙することになる―そして、ついに姿を現す『あの男』とは…!?東奔西走のSFミリタリーアクション、全力吶喊。
なんか、ビックリするくらいに予想していたとおりに、4巻は達也が敵ではなく、見知った味方側の兵士の死を目のあたりにすることで、実際の戦場、実際の戦争に直面する、という展開になったなあ。別に予想通りというのが悪いわけじゃなく。話の順序的にこの流れは必然とも言うべきものだったので、むしろ堅実だなあ、と感心したくらい。ちょっとした驚きだったのは、達哉が思いの外、それこそ彼自身が慄くほどに彼のメンタリティが実戦に、殺し合いの場に馴染み始めていたことでしょうか。
むしろここでは、軽度の拒絶反応みたいなものが出てしまうんじゃないだろうか、と思っていただけに、逆に「慣れ」を感じてしまったことで「あれ? これってヤバい方にハマりこんでるんじゃ」というズブズブと泥沼にハマっていくような忌避感と恐ろしさを、達哉自身に危機感として感じさせ読者にも共感させるように表現していたのは巧いなあと感心した次第。
そもそも、達哉がこういう業界に身を置く事自体に、それほど大した理由や根拠があるわけじゃないんですよね。将来への野望とか大きな展望があるわけでもない。ほんとうにもう、アデリーナが居るから、というだけなんですよね。そして、そのアデリーナとの関係自体もハッキリしていない。
土産物屋でのあのリーナの物欲しげな視線を完全にスルーしてしまえる達哉は、相当の達人ですよw
ああいうアピールをりーながしてくるというのは、絶対に脈ありだと思うんだけれど、こいつの台無しの仕方は芸術的だよなあ。

自分が思いの外実戦に順応し始めていることに、このままで自分は大丈夫なんだろうか、このままでいいんだろうか、と疑問や違和感を感じだしてしまった達哉。むしろ実家の土建屋業のように、何かを壊すのではなく汗かいて何かを作り出す方が性に合っていると自分で思っている以上、達哉ってこの業界想像以上に合ってないんじゃないだろうか、と思えてくる。ASを動かす才能や戦場で生き残る才能が、兵士としての適性がある、ということがそのままイコールでその人に相応しい職業に繋がっているというワケじゃないと思うんですよね。
とはいえ、本来D.O.M.S.はあくまで教導任務が主体の民間軍事会社であって、戦場で実際に戦う部隊とは違うはずなんですよね。だから、達哉みたいな生死に関わるのが似合わない少年でも身をおいておかしくないところのはずだったんだけれど……今回みたいな仕事を断れないのを見ると、実戦に投入されないというのはあくまで建前なんだよなあ。まあ、マオからしても、今回の仕事はあやうい橋をわたるとはいえあくまで教導だけのつもりだったんだろうけど、明らかにD.O.M.S.が来訪してるタイミングを狙って事が起こされた節もあるし、どうあっても利用されるんだろうな、これ。

さて、むしろクルツが出てきた方がふもっふ感が出るのはなんで何でしょうw
というわけで、アナザーになってからは初登場のクルツ・ウェーバーである……完全にアル中患者じゃないかw
これはアデリーナに毛嫌いされるのも仕方ないくらいのグデグデっぷり。仕事しろよ、仕事!!
でも、クルツのぐーたらっぷりが離婚の原因じゃないあたり、マオらしい。この女の性格からして、旦那が働かないからキーーーッ!となって爆発する、というのはいまいち想像出来なかったんですよね。元々、クルツと言えば募兵の段階からして不真面目で言うこと聞かず舐めた態度でフラフラしてるような男でしたけれど、マオはそういうクルツを上手いこと使って、ちゃんとやるべきことをやらせてその力を引き出してたんですから、クルツが働かないのを嘆いてたんでは、マオが自身の力量の無さを棚に上げて、みたいな形になっちゃいますもんねえ。マオの性格からして、それは絶対に認められんだろう、と思うところだったんですが……ある意味、この二人らしい喧嘩の理由でしたw

と、後半のふもっふなノリに緊張感を解いてヘラヘラ笑ってたら……ラストで冗談では済まない怒涛の展開に!
これまで何だかんだと大きな事件もなく平常運転だったストーリーが、ここで大きく動くのか。

1巻 2巻 3巻感想

フルメタル・パニック! アナザー 33   

フルメタル・パニック! アナザー3 (富士見ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック! アナザー 3】 大黒尚人/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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蒼い第三世代型AS“ブレイズ・レイヴン”を操り、素人同然にもかかわらず、テロリストを撃退した市之瀬達哉。そんな彼のASオペレータとしての才能を目の当たりにし、アデリーナは様々な思いが交錯する。それは全てを失い、ASオペレータに人生を賭けてきた彼女の根幹を揺るがすほどのものであった。そんな不穏な空気の二人を余所に、以前仕事で達哉に一泡吹かされたアラブの王子様・ユースフがまさかの襲来。決闘を申し込んできた。さらに、AS‐1“ブレイズ・レイヴン”のパイロットを巡り、試験をすることになるのだが、果たして―!?電光石火のSFミリタリーアクション、全力加速。
ユースフ王子、レギュラー化かよ!! しかも、三巻の表紙をクララから強奪しやがった。これ、ちびっ子怒るぞw
このアナザー、特にフルメタ本編みたいな大事件が起こるわけでもなく、どちらかというと短編の時みたいなノリなので、そっちの軽い路線なのかと思ったら、アデリーナが根深く煩悶していたようにわりと話の焦点自体はシリアス路線なんですよね。意外と派手な展開がなく、大人しい話なんだよなあ。地味とも言う。
ともあれ、面白いのがこのアナザーって「あちら側」と「こちら側」、つまり敵を殺してなんぼの戦場と平和な日常という断絶した世界の、ちょうど狭間に立っている人たちの話なんですよね。これがかつてのフルメタ本編だと、宗介とかなめはあちらとこちらを完全に入り込んでの行ったり来たりを繰り返していた。ところが、こちらのアナザーは達哉にしてもアデリーナにしても、どっちつかずの両側が混ざり合った緩衝地帯に身を置いて、そのどちらにも入りきらないまま片足を突っ込んでいるわけです。これはクララにしても、ユースフにしても、そしてテロリストである菊乃にしてもおんなじで、ヘルシング風に言うならば中途半端な黄昏時をおっかなびっくり歩いているのが現状です。
それで、この物語が彼ら登場人物たちがあちらかこちらか、どちらかの世界に属することをいずれ選ばなければならない事を迫られるお話なのか、というと読んでてそんな感じはしないんですよね。
マオは面白い居場所を作ったよなあ、としみじみ思う。この巻で彼女は何故こんな民間軍事会社を作ったのかという理由を語ってくれるのだけれど、彼女の意図がそうならば、この物語はかつての宗介やかなめのようにどちらかの世界を捨て去る事を迫られるような状況を否定し、戦場の近くに身を置きながらも日常に属することが許される居場所を見出すためのお話なのかなあ、と思ったり。
これが、本当の軍隊のお話なら、多分アデリーナは感情的にも達哉の事は受け入れられなかったと思うんですよね。でも、今のアデリーナはもうかつてのような兵士ではなく、軍事に関わるとはいえ民間人であり、あくまでASのインストラクターであり、敵を殺す必要のない立場であり、カタギの人間なんですよね。勿論、戦争を知らない達哉の友達みたいな普通の日本人からしたら、完全にあちら側の人に見えるし、達哉も漠然とそんな意識を抱いている。アデリーナ自身もそういう意識あったんでしょうね。だからこそ、達哉に対して複雑で否定的な念を抱いてしまっていた。それが解消できたのは、マオ社長や達哉の率直な告白のお陰で自分の立ち位置をちゃんと把握できたからなんじゃないかなあ、と思うのです。自分が今いる場所が、半分一般人のままの達哉をそのままに受け入られる所なのだ、という認識が得られたからこそ、兵士ではなく一人の女の子として達哉の存在を見るはめになってしまった結果が、あのいい雰囲気だったんじゃないかと。
……となると、次は達哉の話になるのかなあ。彼はまだ、アデリーナが悩むほどには自分が片足を突っ込む戦場の世界についてちゃんと認識していませんし。怖い、という意識は既に芽生えているにしろ。いや、ちょっと違うか。むしろ逆なのか。自分が今いる場所が、あちら側に片足を突っ込んでいる場所にせよ、決して敵を殺し人を殺し破壊を撒き散らす必要が迫られる兵士の立場にあるんじゃない、と理解する展開が待っていると予想すべきか。
しかし、この流れだと本当の殺し合いを含めた大規模な戦闘シーンはこのアナザーじゃなさそうなんだよなあ。別にそれは悪くはないと思うんだけれど、やっぱり不殺展開となるとどうしても見栄えの派手な展開は難しくなっていくと思われるわけで、そこからどう面白くしていくかはダイレクトに筆者の力量が反映されそうで、色々と問われる事になりそうです。ガンバガンバ。応援してますよー。

1巻 2巻感想

フルメタル・パニック! アナザー 24   

フルメタル・パニック! アナザー2 (富士見ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック! アナザー 2】 大黒尚人/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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家の借金返済のため、民間軍事会社D.O.M.S.へ所属することになった陣代高校3年生の市之瀬達哉。厳しい訓練を終え、日本へと戻り、いつもの高校生活が始まるはず、だったのだが―『仕事だ、タツヤ』ざわめく級友たちを尻目に教室へ乗り込んできたのは、金髪美少女で優秀なASオペレータでもあるアデリーナと、10歳の天才スナイパー・クララだった!またしても変質する達哉の日常。彼女たちが持ち込んできた新たな仕事とは、“蒼いASを運ぶこと”だけのはずが、輸送中のヘリにミサイルが撃ち込まれ―!?疾風怒涛のSFミリタリーアクション、垂直離陸。
原作者の賀東さんから、新人の大黒さんに執筆が移ってのフルメタ・アナザー第二弾。二作目もこの出来栄えなら偶然でもフロックでもない、こりゃあ本物だ。
面白い!!
こうしてみると、新シリーズと前作との違いの肝は、プロであるかそうでないかの立ち位置の違いなんでしょうな。プロの兵士か、インストラクターか。すなわち、人の血で自分の手を濡らしているか、否か。
物心ついた頃から兵士として戦場で生きることを余儀なくされてきた前作の主人公の宗介と違って、タツヤは帰る家もあるただの一般人。まだ後戻りできる余地のある場所に立っていて、そも人を殺す覚悟を持っているわけでもない。それでも、民間軍事会社という場所は戦場に片足を突っ込んでいるような職場でもあり、今のタツヤは境界線上に佇んでいると言ってもいい。本来、アグレッサーを務めるのが主だった任務であるD.O.M.S.では、一応その境界線上から外れる事無く努められる職場なはずであり、リーナやマオはだからこそタツヤをスカウトするのに躊躇いを抱かなかったのだし、マオが娘のクララがD.O.M.S.に出入りするのを黙認していたのであるが、どうもきな臭い陰謀がD.O.M.S.に絡んできた事でそうヌルいことも言っていられなくなってきた。
何だかんだ言っても民間軍事会社というのは戦場を商売のネタにしている仕事だ。建前はともかく、いざとなれば銃を手に取り人を殺すことを是とする兵士としての機能を求められる場面はどうしても出てくる。
タツヤの才能は、まさにそんな場面でこそ活かされるものだ。中東の王子との模擬戦を見ても、むしろインストラクターとしての業務よりも、実戦の方が向いている泥臭い才能なのだろう。だからこそ、もし敵兵を殺さなければ生き残れない場面に遭遇した時、タツヤは選択する暇も覚悟を決める余裕もなく、その才能を発揮して必要な犠牲を強る事になる。
二度、いや中東での模擬戦も含めれば三度か。タツヤの才能を目の当たりにして、リーナが今更のように抱いた恐れは、つまりかつて宗介がかなめに抱いたそれと同質のものだったりするんだろうなあ。違うのは、かなめはウィスパードとしての生まれから必然的に砲火の下をくぐらなければならない境遇だったのに対して、タツヤの場合は本来武器を取る必要など何処にもなかったのに、マオやリーナが引き込んでしまったところだろう。宗介はかなめを守るという使命感を持って、その任務とともに恐れを昇華出来たけれど、はたしてリーナはどうなのか。まだ決定的な場面に行きあっていないが故に、まだ迷走する余裕はあるけれども、それでも今回のような命のやり取りをする場面に遭遇している以上は、選択を迫る時がまだ早いわけでもない。さて、リーナの意思はどこに向かう? 厄介なのは、タツヤが自分の置かれている状況について、まるで無頓着で危機感がない所ではあるが。これはクララも同様のようだし、むしろ当事者たちの方が何も知らない無知な分、危機感を持ち認識を改めろ、と言う方が難しいのかもしれない。
それでも、タツヤは無意識なりに自分の立ち位置が平穏な日常から外れつつあることを認識しているようだけれど。夏休み明けて、普段通りの、しかしどこか関係に変化が見受けられる幼馴染みと親友の様子に動揺し、見慣れたはずの日常風景や学校での生活に現実感を欠いてしまう描写など、前作のフルメタの対比として捉えても面白いし、単体の心情描写としてみても丁寧に積み上げられていく物語においての大事な部分としてかなり強く意識して描かれていて、いいですねえ。

さて、メイン(?)とも言うべき、新世代のASたちの活躍。熱いなあ、これは熱い。特にサベージの後継機とか、胸熱じゃないですか。何気に前作でもサベージ、わりと厚遇されてましたもんね。あの武骨だけれど使い勝手のよい旧型量産機というのがまたいいんだわ。頑丈で壊れにくく平易で動かしやすい。スペック云々を抜きにして、ある意味兵器としての一つの到達点みたいなもんだもんなあ。
それはそれで良いものとしておいて、新型機いいなあ!! 燃えるなあ! 特に、日本独自の開発による新型機。それも、様々な思惑が転がった結果主人公の搭乗機となる最新鋭機。これまでのASとは明らかに開発コンセプトからひっくり返している特殊機能とか、なるほどこれ面白ぇ。しかも、サベージ系列とは真逆の、日本らしい異様な凝り性の国民性が出てますよ、うん。これは売れない(笑
しかしまあ、こんなASはなるほどイメージしたことなかったなあ。ただ、ゲームのロボットものだとむしろこっちのタイプの方がよく見かける気もするし、発想の死角をついた設計とも言えるのか。でもこれ、宗介とか嫌いそうだ。アーバレストでも文句言いまくってたし。

余談だが、クララの日本への馴染みっぷりには吹いた。魂の故郷呼ばわりしながらある意味エセっぽかった親父さんよりも、よほど下町江戸っ子として馴染んでた気がするぞ(笑

1巻感想

フルメタル・パニック! アナザー 14   

フルメタル・パニック! アナザー1 (富士見ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック! アナザー 1】 大黒尚人/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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あの戦いから十数年……。
市ノ瀬達哉は都立陣代高校に通う、機械いじりが大好きな普通の高校生。無難な人生を楽しんでいた達哉だったが、ある日暴走した正体不明のASに突如襲われてしまう。殺される! そう思った瞬間、目の前に現れたのは、謎の美少女アデリーナだった。
しかし、大怪我を負っていた彼女は、善戦虚しく倒れてしまう。達哉はアデリーナと妹を守るため、触れたこともないASに乗り込むことに。その決断が、彼の運命を大きく変質させていく――。
SFアクションの金字塔「フルメタル・パニック!」の新たなストーリーが、ついに作戦開始!
これ、あらすじだけ見てると、まんまガンダムだよな。ある意味王道を踏んでいるとも言えるのだけれど……でも、このあらすじ間違ってはないけれど、実際に読んでみるとかなり印象変わってくるぞ。意外と地に足がついている話というか、熱血ロボットものではなくちゃんとフルメタらしいというか。
うん、そう。これ、ちゃんとフルメタなんですよ。無名の別の人が書くという話を聞いてからこっち、情報が幾ら出てきても、どうせフルメタとは似ても似つかない別物になって出てくるんだろう、という期待薄な感じしか見て取れなかったんですけどねえ……これがどうしてどうして。

面白い!!

いや、マジで面白い!!

ストーリー自体は、トラブルに見舞われASを動かすハメになった主人公がそのセンスを見込まれて、民間軍事会社にスカウトされ、そこでの生活に四苦八苦しながらもアデリーナに助けられながら周りに認められ、その才能を開花させていく、というわりとシンプルなものなのですが、逆に変にひねらずにシンプルなストーリーを丁寧に仕上げたのが良かったのかな。お陰で舞台となる既存のフルメタル・パニック!の世界観が引き立って、自然とあの宗介とかなめたちが駆け抜けたフルメタの世界と同じ地平の物語という感覚が、読んでいるうちに沸き立ってきて、ワクワクしてきてしまいましたよ。
勿体ぶらずに、フルメタのメインキャラの一人を登場させたのも影響大きかったのでしょう。そもそも、アデリーナが所属する民間軍事会社が、そのまま先のフルメタと直接つながった組織というのは大きな馴染める要素ですよ。あの人が今、こういう立場にいるなら、他の連中は今何してるんだろう、と気になって仕方なくなりますしねえ。
しかし、フルメタ最後の戦いから十一年って、何か理由があってこの歳月なのかしら? と疑問に思っていたのですが……これもシンプルに、フルメタの作中時間から、現実の2011年にタイムテーブルを合わせただけだったのか。いやあ、リアルタイムにもう11年経ってたんだと気づくと、えらくショックでしたよ。フルメタに第一巻出たのって、もう1998年なのか。そりゃあ、16歳の女子高生も三十路目前のイイオンナになってるわなあ。
マオ姐さんとクルツがこんな事になってるとは思いませんでしたが。何をやってるんだか、あの優男は。別に、クルツって女癖が悪いとかはなかったはずなので、浮気が原因ではないはずなんですが。というか、浮気が原因だったらヨリ戻さないよね。ほんとになにをやってんだか。
お陰で、娘さんの性格がエラいことに。あの子、両親がおしどり夫婦だったらもっとまともな性格になってたんじゃないだろうか。どう考えても、マオ姐さんの怒り混じりの海兵隊魂が仕込まれちゃってますもんねえ。マオ姐さんが心平穏に幸せを享受してたら、ああはならなかったんじゃないだろうか(苦笑

とまあ、フルメタ短編のアフターの書き下ろしで色々と仕込まれていた伏線が、ここで明かされている、というかどちらが先に設定されたのかは分からないけれど、繋がりも多いようなので、あちらも読み返してみるとなかなか楽しかったです、はい。

さて、新しい主人公の達哉は、宗介と比べると全く普通の男の子だけれど、アレと比べると普通じゃない同世代はいないよなあ、と比較対象が特別すぎるのでそれを度外視すると、なかなか江戸っ子で意気軒昂な生意気さかりの青少年である。気風が良く、根性があり、冒険心もある、とこうしてみると陽性の溌剌としたいい主人公だ。熟女趣味が玉にキズだが、幼女趣味に比べれば大いにマシである。
翻ってメインヒロインのアデリーナはというと、表面上は鉄面皮のマシーンみたいな堅物だけれど、なかなか繊細な所がありそうで掘り下げ甲斐はかなり高そう。酒に弱く、軍事情報を語り始めると異様に饒舌になるなどミリオタ要素たっぷりで、しかも騙されやすい、と堅物というわりに脇が甘いというか、隙が多く、とっつきやすそう。
まだ彼女の身辺情報は無いに等しく、なんで彼女みたいな若い娘が民間軍事会社でASオペレーターなんぞやっているのかという事情もまるでわからないので、次からは彼女の事を中心に絡めつつ話を展開していくのかな。
なんにせよ、これは期待を大きく上回る形で良い作品に仕上がってますよ。この調子なら、充分続編として引き続きフルメタワールドを堪能させてくれるはず。
未だ未登場のキャラの動向も気になりますし、続きがとても楽しみです。

フルメタル・パニック! マジで危ない九死に一生?3   

フルメタル・パニック!  マジで危ない九死に一生?

【フルメタル・パニック! マジで危ない九死に一生?】 賀東招二/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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書き下ろしと10年のドラマガ300号企画であるボン太くんネタの一作を除くと、残る短編は2003年末から2004年初頭に書かれているという……もう7、8年前だぞ!? よくぞまあ……今までほったらかしにしていたものである(苦笑
しかし、本編との作中時間との兼ね合いなどもろもろあってギブアップした短編ですけど、これで例えば【魔術士オーフェン】みたいに短篇集は短篇集できっちり区切りつけた作品と比べても、こちらは特に最終回という話もなく突然ぶった切ってるんですねえ。【ご近所のサーペイヤー】なんてとても最終回って話じゃないですし。

【与太者のルール】
何気にこの話、宗介の我侭というか、大事にするが故にかなめに自分の感情を押し付ける、というところがあって「好き」なんですよね。押し付けるとは言っても押し付けがましいような鬱陶しさはなく、むしろささやかな話なんですが、宗介みたいな人間がそういう事するっていうのがそもそも珍しい、というか殆どありえない事なんですよね。それも「君にはそういう立ち位置に立ってほしくない」というよりも「君がそういう立ち位置に立つのがヤダ」という感じの、倫理よりもごく個人的な感情の側面によったものが感じられて、それをかなめにだけ求める、というところがまた宗介の可愛らしさというか健気さみたいなものが感じられて、なかなか萌える話だったんじゃないでしょうか。
これ、宗介の感情をかなめが察した後の、以心伝心な雰囲気がまた良いんですよね。ちょっと独占欲入ったような大事に護ろうとする意図を、ストンと受け入れるって、すごく愛情が通い合ってるって感じしません?
なんかこの話のラストはキュンと来てしまいました、うん。

んで注目は書き下ろしですよ、書き下ろし。
【テッサの墓参り】
誰の墓参りかと思ったら、兄貴じゃなくて作中時間ではだいぶ前に自殺していたテッサの初恋の人であり、アルの生みの親であるバニの墓参り。時系列的には本編終了後。アフターは最新作を除けばこれだけなんじゃないかな。
これ、「アナザー」を読んだ後だと「!?」となるネタ、けっこうな勢いで仕込んであるんですね。あっちを読んだ後、確認のためにちょこちょこ読み直してしまいました。
しかし、マオ姉さんが妊娠していなさったとは。いつできたのか計算すると、クルツがMIAになる前か、戻ってきた後か微妙なところにしてあるんだな。もし子供は出来てたけれどクルツが死んでたとしたら……マオ姐さんも性格ちょっと儚げになって、子供も性格変わってたのかもしれないなあ、なんて妄想してみたり。おいクルツ、お前責任とレよな(w
テッサは作戦以降、もう宗介とは直接会っていないそうで。そりゃそうだよなあ。振られた相手とこれからも仲良く友達でいましょうね、なんて普通はなかなか出来ないですよ。しかも、あれから三ヶ月って一番二人が盛り上がってる時期でしょうし。近づかないのが無難です。
テッサのメンタルってその辺、非常に女性的でこういう冒険活劇のメインヒロインとしてはやっぱり辛いんですが、一人のキャラクターとしてはやっぱり好きなんだよなあ。そもそも、宗介とは合いませんよ、テッサは。その点、今回登場した相方候補の男の子はフィット感がありますよ。テッサはこういう生意気で愛嬌のある年下の子相手にお姉さん風吹かせた方が絶対映えますって。テッサって周りが年上ばかりで、さらに敬われる立場もあってなかなか表面化しませんでしたけど、かなり小悪魔属性なところありますしねえ。結構弄るの好きなタイプだと思うんだよなあ。それも、宗介みたいに反応が固まってしまうタイプよりも、ムキになって突っかかってくるタイプに活き活きする子なんじゃないかなあ。まあなんにせよ、私生活の方もマオのファミリーと一緒に過ごすことによって寂しい想いをすることもなさそうですし、将来どうなっているかは非常に興味深いところではありますが、一先ずは安心しました。一番割食ったのがテッサでしたしねえ。
これでフルメタも終わりと思うと寂しい気になるかとも思いましたが、別作者ではじまった【アナザー】が思ってたよりも遥かにデキが良くて、ちゃんとフルメタの世界を引き継いでいるので、全然終わった気しないや。これは嬉しい悲鳴。さらにサイドアームズで書く事ももしかしてあるかも、とのことなのでそちらも素直に期待しておきたいと思います。ともあれ、一先ずは長きに渡ったシリーズ完結、お疲れ様でした。
おおっ、賀東さんの新シリーズもちゃんとあるんだ! これは楽しみ。

賀東招二作品感想

グロリアスドーン 12.出逢いの詩は静かに広がる4   

グロリアスドーン12 出逢いの詩は静かに広がる (HJ文庫)

【グロリアスドーン 12.出逢いの詩は静かに広がる】 庄司卓/四季童子 HJ文庫

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見上げてください。そこにあるものが真実です。
自らの過去と太陽系の正体。その全てを受け入れた広大は、人類を代表する者の一人としてbioクラフトと共に歩む未来を選ぶ。その頃、宇宙の調整者サウザンドメイズィスによる最大最後の秘策『プロモーション』が発動。決戦の地へと飛び立つ広大とティセの前に、追い求めた父・大地が立ち塞がる。黎明の唄が囁きかける至高のスペースラブファンタジー、ここに完結!!

思えば本作はこのHJ文庫の創刊から三ヶ月目から始まった、言わば最初期のメンバーでした。それがついに完結ともなると、なんとも感慨深いです。
ティセ子さんは、それこそはじまった当初からその可愛らしさは些かも衰えず、ティルにティオという姉妹が加わることで破壊力も倍増し、最後まで愛でさせていただきました、ええ、いただきましたとも。あの、パタパタという両手を上下に動かす仕草はもはや至高のものでした。あれこそ、映像で見たかったなあ。
そんな愛らしい、愛玩動物のような少女であったティセですが、大空広大のパートナーとして寄り添う一人の小さな女の子であると同時に、彼女は最後まで広大な宇宙を体現するような存在であり、人類の行く末を、その文明を悠久の先まで見守り続ける遠大なるbioクラフトという生命であることを辞めませんでした。
それこそが、この【グロリアスドーン】という作品がまず生粋のSF作品であったということの証左なのだと思うのです。
彼女たちbioクラフトは、きっとパートナーである広大たちの人生をその傍らで見守り続けるのでしょう。ですが同時に、彼らがいつか老いて亡くなり、居なくなってしまうという事実を蕭々と受け入れているようでした。
それはいつか語られたように、人類という種の紡いだ文明を、いつか人類が滅び去ってこの宇宙から消え去ってしまうような未来まで、語り継ぐために。楽しかった思い出を、何時までも何時までも伝えるために。
そんな他愛もない日常の風景と、悠久の空間と時間を体現した在り方の両方を無理なく両立しているティセたちの存在は、この作品の身近な日常と遥かな宇宙とは決して断絶したものではなく、当たり前のように繋がっているものだというコンセプトの成功を、まさに体現していたのではないでしょうか。

彼女との出会いが広大たち普通の高校生に宇宙の広さを実感させたように、この巻でワンダフルプレイスが地球上の全人類に見せた光景は、否応なく自分たちの住む地球が宇宙の一部であり、自分たちがこの広大な宇宙の中に確かに存在していることを強く感じさせることになりました。
意識してか無意識にか、それは人それぞれなのでしょうが、見上げた空に映し出された光景は、きっと地上にへばりつく人類の価値観を、根こそぎ揺るがすものだったのではないでしょうか。それこそ、bioクラフトという地球外知的生命体との邂逅以上に、身近な体感として。
それは、すなわち閉塞を打ち破る無限の可能性。
人類が、いつかたどり着けるかも知れない世界。
まだ見ぬフロンティアへの夢こそが、SFの源泉なのだとしたら、それを叶えんとするこれこそ正しいSF作品の形の一つだったのではないでしょうか。
そしてもう一つ、10巻の感想でも書いたこと。いつかの遠い未来、人類が一人も残さず滅び去ったとき、人が連綿と繋いできた歴史は誰にも知られる事なく消え失せる。何万年と言う人が築いてきた想いが、何も残らない、無と化してしまう事への虚しさ、恐怖。でも、bioクラフトという存在は、そんな絶望を消し去ってくれる。いつまでも、私たちのことを覚えてくれている。忘れずに、思い出の中で大切に守り続けてくれる。それを、ティセたちは改めて約束してくれた。それは、遠くない未来に彼女らを時間の向こう側に置き去りにしてしまうということなのだろうけれど、彼女たちは今という同じ時間の中で共に過ごす事を選んでくれた。自分たちと思い出を作る事を選んでくれた。いつか、もう一度出会うその時を信じて。
それが、何故かとてつもなく、嬉しい。
だからだろうか、最後のティセが見た遠い未来の夢。そして、広大に見せた彼女の笑顔、最後のティセのイラストはとても眩しく、心浮き立つものだった。
素晴らしいエンディングだったと、そう思う。最後まで好きだと言えた、良い作品だった。

庄司卓作品感想

フルメタル・パニック! 12.ずっと、スタンド・バイ・ミー(下)4   

フルメタル・パニック!12  ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) (富士見ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック! 12.ずっと、スタンド・バイ・ミー(下)】 賀東招二/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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うわぁ、お見事。宗介とカナメの物語としては、期待値を上回る見事な締めでした。
正直、ここまで人死が出てしまっている以上、宗介がカナメを取り戻したとしても二人が幾多の血塗れの犠牲の上に幸せを築けるのか、二人がそれを受け入れられるのか、読者である自分が納得してハッピーエンドを受け入れられるのか、少なくとも11巻を読んだ時点では非常に不安でした。
まず、このモヤモヤとした感じは払拭できないだろうと思っていた。
それを、見事に吹き飛ばしてくれたんだから、これはもうお見事としか言いようがない。

そもそも、このモヤモヤの発生源というのは、このままハッピーエンドになったとしても、千鳥かなめは、自分だけが傷を負わず、痛みを背負わず、この戦いで愛する人に先立たれた者たちの哀しみを贄にして、この戦いで死んだ者たちの骸の山の上に立った上でのハッピーエンドになってしまうということ。そんなの、ハッピーエンドでもなんでもないですよね。もし、犠牲者たちのことを一切顧みないような主人公とヒロインだったら、彼らの幸せにひとつも共感出来ないし、そうでないとしたら、かなめたちは一生涯負い目を負い続けることになる。
どう転んだとしても、かなめは無傷のヒロインとして一生モノの傷を負うことになってしまう。ですから、この最終巻を読むまではいったいこれをどう片付けるか不安だったわけです。
そう、重要だったのは、カナメだけが事件の中心にいながら蚊帳の外だったこと。
それを、作者はカナメもこの戦いの犠牲者として、大切な人を喪った者の一人に加えることで、彼女を血塗られた幸せを無償で与えられた者、ではなく、犠牲となりながら未来を掴もうとする者、にすることで、彼女を他者と同列に引き落としたのです。いや、これは正確ではないな。彼女は、オムニスフィアでのソフィアとの対決で、自ら幸せを拒絶し、自らを大切な人を喪った人々の葬送の列を加わる事を選んだ。宗介の死を、宗介のいない未来を、自ら選んだのです。他の人達が、たとえその行動が自分の選択だったとしても、自らの死、愛する人の死が無理矢理の強制的な出来事だったのに対して、彼女だけは自ら自主的に選択した。
この覚悟は大きかった。この覚悟があったからこそ、モヤモヤは吹き飛んだ。
結果的に、宗介は死んでおらず、かなめは宗介を喪う事を回避したのだけれど、これはあくまで結果に過ぎず、彼女の選択と覚悟には何らの劣化もない、彼女は幸せを誰かに与えられるのではなく、自ら勝ちとる資格を得たのです。
彼女は、幸せになっていい。

これは、マオとクルツにもかなり共通した話で、こちらはカナメと違って事態の中核を担う立場ではなく、自主参加とは言えあくまで一兵士だから、カナメのような覚悟までは必要とされないけれど、それでも悲恋と別れが飛び交う中で彼女たちだけが何事も無く上手く行ってたら、ちょっとなんだかなあ、という空気が流れていたかもしれません。それを、クルツが死んだことでマオは傷つき哀しみ絶望し、彼がいない世界で生きていく事になります。
たとえ、クルツが生きていたとしても、彼女が体験した哀しみや絶望はなくなるわけじゃありません。だから、彼女もまた、他の傷付いた人々とは無関係ではなく、彼らの痛みを自らの事のように理解できる立場の人間となっているわけです。
だから、素直に良かったね、と思える。

残念だったのは、カリーニン少佐が裏切り、世界の変容を望んだ心境を語りきれ無かったところか。宗介との最後の会話を聞いていると、彼の行動原理は理不尽な理由で失われた妻と子供との平穏な生活、という以外に、というかそれ以上に、宗介のことを思っていたようなんですよね。
飛行機事故の生存者として幼い宗介を救助するという縁に見舞われ、アフガンゲリラとして再会し、ミスリルで部下と上司になり、相良宗介という少年を息子のように見守ってきたカリーニン。狼の群れの中で生き残るために狼の皮を被った子羊、とは宗介のことを少佐が表現した言葉ですが、彼はずっと、息子のような彼が似合わない兵士という血塗れの生き方をしている事が痛ましくて仕方なかったのでしょう。宗介を陣代高校に高校生として送り込んだ理由の一端には、彼に年相応の当たり前の生活を送らせてやりたかった、というものがあったのはどこかで語られていたように思うのですが、その作戦の中で宗介は人間性を取り戻していきながらも、同時に図らずも彼には戦場でしか生きられない兵士の魂がこびりつき、一般人には戻れないまでに至ってしまっている事が露呈してしまうわけです。
カリーニンが裏切った理由は、此処にこそあるのではないのでしょうかね。戦場など似合わないはずの優しい少年は、愛する息子のような少年は、もうまともな生き方が出来ない、似合わない世界の中で、悶え苦しみながら生き続けていかなければならない。その事実に、彼は耐えられなかったのではないでしょうか。故に、全部まっさらに消してしまい、最初からやり直すしかないと思った。ある意味、レナードよりも世界の新生にこだわり執着していたカリーニンの理由。宗介とのやりとりから、そう想像する。
惜しむらくは、最後の場面に到るまでカリーニンの想いについて、ちゃんと描ききれ無かったところだよなあ。ほんとに最後の最後まで、彼がなんで裏切ったのかについてはわからないままでたどり着いてしまったし、彼の本当の想いもやりとりの中から想像するしかなかった。
前フリがもっとあったら、カリーニンと宗介が父と子であるともっと意識させる場面が数あったら、最後の場面はもっともっと心震えたかもしれない。

レナードは、最後まで哀しい男だった。彼は結局、絶望し続けて、そこからはいあがれなかったんだな。彼を救えたのはきっとテッサだけだったんだろうけれど、でもこの作品が始まった時点での時期では、既に手遅れだったんだろうし。せめて、もっと小さい時に、彼が本当に気力を失ってしまう前に、妹が強い娘である事を知ったとしたら、テッサが自分も知っていると、伝えていたら、何かが変わっていたんだろうか。
彼が、テッサの言葉にあれだけ動揺したのは、多分、妹が何も知らないまま、この世界で起こった彼の家族の真実を消してしまったからなんだろうし。ある意味、テッサの為でもあったんだろうなあ。

モヤモヤと言えば、陣代高校の面々と宗介が相いれぬ形で別れてしまったことも、終わりに向けてモヤモヤが残ってたところだったんですよね。前巻でオノDが悔やんでいたことからも。
まあ、そのへんは最後に再会して和解するんだろうなー、と思ってたんですが、あの映像にはやられた。
あれで、時間も隔てられ、もう宗介には戻って来る場所、帰る場所がない、と言ってた寂寥感も全部吹き飛んだもんなあ。あれは泣く。
ある意味このシーン、順調に最終巻まで刊行されてたらなかったんだよなあ。ユーチューブとか、終わるデイバイデイとか続くオン・マイ・オウンのころにはなかったんだし。

まあ、最終巻も見せ場持ってったのは、マデューカスさんだったけどな!!(笑
この人、最後まで侮れなかった、というかもうかっけえ。てっきりあのシーン、テッサの代わりに覆いかぶさるのかと一瞬思ったら、あれだもんなあ。

アルは最初の頃からするとパーソナリティが確立しすぎ。最終巻はさすがに味方側の死亡率はほとんどゼロに近くなるとは思っていたけれど、アルだけはAS搭載のAIってだけで最終回死亡フラグが立ってるようなものだったから、まず残ることはないだろうなあ、って思ってたのに(笑
余裕だ、ある意味登場人物の中で一番余裕だ。おまえ、ナイトライダーになって誰を乗せる気だよ(爆笑

後日談はぜひやって欲しい。終わったという余韻は、うっすらと消えて行くよりも最後までしゃぶりつくしたいものですもんね。
だいたい、ラブコメのお約束である、娘さんの父親とのご対面をまだやってないじゃないですか!(笑

筆者作品感想

フルメタル・パニック! 11.ずっと、スタンド・バイ・ミー(上)4   

フルメタル・パニック!11  ずっと、スタンド・バイ・ミー(上) (富士見ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック! 11.ずっと、スタンド・バイ・ミー(上)】 賀東招二/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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登場人物の誰しもが吹っ切ることの出来ない鬱々としたものを抱えながら、目の前の為すべきことに縋りつくようにしがみつき、戦いは最終局面へとなだれ込んでいく。
最終回も間際だというのに、誰も彼もが陰鬱に篭ってしまっているので、えらくスッキリとしない展開にハマってしまっているなあ。このシリーズ、なんだかんだとここぞという局面ではスパァッと快刀乱麻を断つように暗い雰囲気を絶ち切って、痛快な結末を迎えていただけに、最後の最後に来てこの雰囲気はけっこう辛い。かと言って、次の最終巻でこそそれを期待できるか、というとちょっと無理っぽいんですよね。もうこの作品、大団円のハッピーエンドで終えられる最終ラインを踏み越えてしまっていますから。
その象徴が冒頭の、もうかなめたちが帰る場所のない陣代高校であり、サー・マロリーとロード・マロリーの親子の救いようのない結末である。陣代高校の方は、なんとか終わり方として形を整えることは出来るかもしれないけれど、かなめと宗介が再び友人たちと高校生活を送る事はもう絶対に無く、自身の意思ではないとしても一線を越えてしまったかなめは、良心の呵責からも責任感からも臆病さからも、もう元の生活に戻ることは出来ないでしょう。作中で宗介も述懐していますが、彼女のこれからの生き方というのはひどく厳しいものになっていくはずです。
かなめはすこぶる強靭な意志力と行動力の持ち主ですが、かなり脆いところもあり、彼女の精神的なケアを果たして宗介がつとめることが出来るかどうか。十年は大丈夫かもしれません、でも二十年三十年というスパンで見たら?
テスタロッサ家の両親の仲などを鑑みるに、あの家に限らずこの作品に出てくる登場人物の様々な家庭の事情を見ると、けっこう人間関係に対してシビアな書き方をしてるんですよね。まして、かなめって等身大に「嫌な女」な部分が結構色濃くあるので、なんか生々しい人生辿りそうなんですよね(苦笑

なんにせよ、あまりにも人が多く死にすぎ、修復できないまでに壊れてしまったものがたくさん生じすぎている。果たして、彼らの死や破壊が望むべき未来に繋げるための死かというと、それもモヤモヤとしてはっきりとしない。宗介がこの期に及んで悩んでいるのも、現状があまりにも救いがなさすぎるせいもあるのでしょう。
なんか、あの人に生存フラグがおもいっきり立ちましたけど、それも素直に喜べないんですよね。いや、あの人が生きてたのは素直に嬉しいんですよ。それにケチをつけたいんじゃなくて、彼が生きていたということは、メタな視点でいうと彼以外の死んでしまった人は戻ってこない、壊れてしまったものはなおらない、って事を示唆してると思うんですよね。
リセットは無い、ってことなんでしょう。その上での、最低限の救いがこれなんではないかと。喜べるけど、喜べないよ(汗
ましてや世界情勢は滑落の一途を辿っていて、時間災害における揺り返しが一気にきているかのような悪化っぷり。
個々人の決着のつけ方にしても、世界の行く末にしても、どう決着させるのか、そもそも着地できるのか、最終巻の一歩前まで来たにも関わらず、まったく見通しが立たないのは不安です。
宗介は、どういう結末になっても銃は置けなさそうだなあ。テッサは、なんかこのまま行くと某大尉(カピターン)みたいになりそうで怖いよ!! その前に生き残れれば、だけれど。
全滅エンドとかだったら伝説になりそうだ。それすらも、無いと言い切れ無いのがまた怖いよ!

著者作品感想

グロリアスドーン 11.幾億の時を越え星を越え、4   

グロリアスドーン11 幾億の時を超え星を超え、 (HJ文庫)

【グロリアスドーン 11.幾億の時を越え星を越え、】 庄司卓/四季童子 HJ文庫

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恵子が日本を去る――唐突に訪れた別れの予感に動揺を隠せない広大たち。一方、宇宙の調整者を自認するサウザンドメイズィスは、ティセたちに対抗すべく最悪の切り札を持ち出した。事態の解決をはかるため、ついに審判の四姉妹が力をひとつにする!発動「オペレーションビッグバード」!! 宇宙と足立区を揺るがすスペースラブファンタジー、驚天動地の第11弾!!

【妖星ゴラス】という往年の特撮の傑作をご存知だろうか。小惑星衝突による地球滅亡の危機、というテーマの映画は1998年のアルマゲドンを筆頭に著名なものが沢山ある。が、アルマゲドンが小惑星の爆破による衝突回避を試みたのに対し、【妖星ゴラス】は今なお伝説として語られる特撮史上最大のスケールの作戦を持って、地球滅亡の回避を試みた。
それこそ、地球そのものを衝突軌道から移動させる、という<南極作戦>である。

いや、実際に見たことはないんですけどね。公開が1962年ですし。さすがにまだ生まれてすらいない。とはいえ、あの地球そのものを動かすというとてつもないスケールの設定のインパクトは相当なもので、小さい頃からあの地球が移動して行くシーンだけは何故かかすかに覚えがあるのです。多分、映画そのものは見たことないと思うんだけどなあ。
「オペレーションビッグバード」、作中で決行される、地球と月そのものを移動して、目りグラントクラフトの襲来から回避させるという作戦に、ついつい妖星ゴラスを思い出してしまった次第。
とはいえ、こちらはあの特撮よりもより飛び抜けたスケールで、行われるわけですけれど。でもね、そのスケールこそが背筋が寒くなるような、得体の知れない感情を湧き立たせるんですよね。宇宙規模のスケール、SF作品で描かれる壮大な時間と空間の広がり。それは人間という小さな生命体からすると、とてもじゃないけれど理解し難い断絶がある。ここで描かれる幻想的とすら言える光景もまた、美しいと言う以上に心に虚が生じてくる光景でもある。このグロリアスドーンという作品は、アニメ、漫画、ライトノベルといったジャンルにおけるSFの通例通り、宇宙という存在をすごく身近に感じさせる作品でも在るのだけれど、それと同時に宇宙に簡単に飛び出せることで逆にその深遠さ、広大さ、地球という星が宇宙という空間の中でどれほど芥子粒、塵芥のような存在かがより直裁的に伝わってくる、伝えようとしているという意味でひとつの特異なシリーズでもあるんですよね。
そんな宇宙の広大さと自分の存在の卑小さを比べた時に感じる感情を、なんというのか。それを、普通の人間が体験し得ない光景を目の当たりにした主人公の広大はこんな風に語っています。
「うまく言えないけれど……。恐ろしいという感情とは少し違う。ただなんていうのかな、やるせないというか、どうにもならない絶望感というものなのかも知れない」
地球人類とbioクラフトの間に横たわるどうしようもない断絶を、彼の語った言葉はある意味的確に、率直に物語っているのかも知れない。
広大の父・大地や一部の地球人、bioクラフトが抱く両生命体の接触が両者に拭いがたい禍根を残すという危惧は、決して根拠がないものではないのだ。
クライマックスまで残り僅かとなったこの時期、様々な思惑が、情愛が絡み合い、地球人とbioクラフトとの関係の歪さが、広大たちの身近なところまで及んでくる。何時までも続くかのような日常が次々と破綻していき、立場が、千々に乱れる想いが、切れるはずの無い繋がりを断ち切っていく。
地球人とbioクラフトはこの先もずっと共存していけるのか。その答えは決して雄大なスケールで、全人類規模の視点で導き出すものではなく、ティセたちbioクラフトの姉妹たちが実際に人の生活の中に入り込み、築き上げた関係の中から導き出されるものなのだろう。ティセたちと、彼女たちと友達になった地球人の少年少女たち。彼らが一緒になって作り上げた日常は、こうしてより上位の意志、親であり一族であり国家であり種族である存在の事情や思惑によって引き裂かれて行こうとしている。でもだからこそ、逆にこの壊れて行く日常を立て直すことで、より上位へと両種族の断絶を乗り越えるナニカを波及させていくことも叶うのではないだろうか。

まあ、今の段階ではみんな、上手くやれてないんですけどねえ。特に、広大の恵子への対応は完全に失敗だったと思われ。幼馴染は空気のように身近な存在、というけれど、空気のように気にしないままやり過ごしてしまう、という側面もあるわけで、広大は恵子のサインを見落としてしまったわけだ。
恵子の事情もあって、全般に重苦しい雰囲気で進む本編だけれど、体育祭の前後あたりは普段の明るさがあって良かったんだけどなあ。特に、ティセ、ティル、ティオの姉妹三人だけによる謎の会話シーン。あの不思議時空はラヴィーじゃなくても笑うわなあ。

感想書くたびに言ってる気がするけど、このシリーズは宇宙での戦闘シーンにしてもキャラクターにしても絶対映像映えするのでアニメ化しないかなあ。

グロリアスドーン 10.桜舞い散る空の上、4   

グロリアスドーン10 桜舞い散る空の上、 (HJ文庫)

【グロリアスドーン 10.桜舞い散る空の上、】 庄司卓/四季童子 HJ文庫

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ああ、これは。HELLOの総帥が広大に語った想いは、物凄く共感できる。いつかの遠い未来、人類が一人も残さず滅び去ったとき、人が連綿と繋いできた歴史は誰にも知られる事なく消え失せる。何万年と言う人が築いてきた想いが、何も残らない、無と化してしまう。
その虚しさ、寂しさは想像するだけで途方もなく胸をかきむしる。
でも、そんな歴史を、人々の記憶を、かつてここに人類と言う生命がいて、文明を築き、確かに生きていたのだと、それを覚えていてくれるモノが居たとしたら。それはどれほど救われることなのだろう。
しかも、それらを覚えていてくれるモノたちは、単なる機械のように記録として歴史を記述するのではなく、その歴史にちゃんと人が生きていた事を理解し、実感し、理解してくれるメンタリティを有した知的生命体なのだ。人間と同じ言葉を介し、同じ想いを共有し、同じ視点で同じ景色を見てくれた存在なのだ。
それが、ずっとずっと永遠に、人のことを覚えていてくれる。たとえ、人類がこの宇宙から消えてしまったその先であろうと。
人を見下ろす神ではなく、その時隣に居てくれた隣人として、同じ喜怒哀楽を共にした友人として、自分たちのことをずっとずっと覚えていてくれる。これほど安らぎと嬉しさを抱くことはないだろう。
HELLOの総帥が変節と言われようと、bioクラフトとの友好を受け入れ、それを広大とティセに語った想いは、とてもよくわかる。言わずには居られなかったんだろうなあ。

それと同時に、大地が抱く危惧もまた理解できなくはないのだ。そんな遠大な未来を臨む視点ではなくもっと近似的な未来を観た場合、膨大な時を、殆ど永遠に近い時間の流れを揺蕩うbioクラフトと、およそ百年しか生きない人間とでは生きる時間が違いすぎる。それは、友人として繋がるにはあまりにも大きすぎる違いであり、それは双方に取って禍根を残し、未来を歪める形になりかねない。その危惧は決して間違ってはいないはず。実際、bioクラフトの中にもそれを危険視しているものもいるし、オストネホワールウィンドがそういう考え方に至ったのは実際の経験に基づくもの、それもアイシャに関わるもののようだし。
大地がその思想に至った、というか想い定めた発端となる事件については未だ明かされておらず、広大の母親である広海の正体と合わせても、それ相応の思想が固まるだけの何かがあったのだろう。
それでも、広大に対する一方的な思想の押し付けは、息子を放ったらかしにしておきながら、広大が日々どんな風に過ごしているのかも知らないくせに、勝手な言い草だとムカッと来たけれど。どうも大地の中ではbioクラフトが殆ど人間と変わらないメンタリティを有した、人と変わらない存在である、という考えがないようにも見える。まあ、過去の一件でそう思ってしまうようなことがあったのだろうけれど。

そもそも、bioクラフトと人間の関係と言うのは、他の星の文明とbioクラフトとの関係とは根本から異なっている可能性が、一連の事件を通じて非常に高まってきたようにも思える。ワンダフルプレイスとはなんなのか。本来まったく別の存在であるはずのbioクラフトと人間との近似性の意味は。
そもそも、地球という惑星は、本当に自然発生的に生まれた星なのか。

クライマックスに向けて、情勢は激しく動き、ついに真相へと至る道筋が見えてきた。


と、同時に人間関係の方も進捗を見せてきたんだか、ないんだか。ぶっちゃけ、広大は恵子の異変について幼馴染として気づかなさすぎだ。この手のパターンだと、恋愛方面には鈍感だとしても普段とは違う様子をちょっとでも見せたらすぐにでも気づくのが幼馴染の面目躍如だろうに。
恵子が気づいて欲しそうな素振りを見せていただけに、これは非常に残念な振る舞いだった。あの恵子が、恋愛臭を全く見せないある意味余裕とも言うべき不貞不貞しさを見せつけていた恵子が、殆ど初めて見せた隙であり、誘いであったのに。
ラストの展開からの対応次第では、まだまだ巻き返しの余地はあるとおもうのだけれど。まあ、恋愛方面についてはこのシリーズ、これだけ女の子が一杯いるにも関わらず、その手の浮いた話は広大には全くと云って言いほど浮き上がってないんですけどね。みんなそれなりに好意を見せつつも、それが男性に対する意識の高まり、という程には盛り上がっていってないですし。
ティセたち三姉妹は完全にマスコットだしなあ。やたら愛らしくて可愛いんですが。この姉妹、ティオが普通に一緒に過ごすようになってからの三人セットになってからやたら愛玩動物めいた可愛らしさを獲得しやがったし。ティセ単体でも面白可愛かったけど、三人一緒だとさらに破壊力ましたもんなあ。大人びた風貌のティオがちゃんとティセやティオとそっくりの仕草を魅せてくれるのもギャップ萌えだし。なんだかんだと末妹らしいもんなあ。
やたらととんがっていたのも今は昔。ティオはティセたちと元のように付き合うようになってから、張り詰めていたものが随分と取れたっぽい。桜子が例の一件で暴走状態に陥ったときもその激情に飲まれず、心配そうに引き止めたところなんて以前の彼女じゃ考えられなかったところだし。前だったら、一緒になって煽ってたよなあ。ティオと桜子は一時期からホントにいいパートナーになりましたわ。お互いをちゃんと想いあい助け合えているし、ティセたちとは違う意味で姉妹らしく見えてる。

しかし、相変わらず戦闘シーンのスケール感がハンパないなあ。しかも、今回は地球上から観測出来るものだっただけに、空一面を覆い尽くすようなイメージでのビジュアルは、文字の上からですら度肝を抜かれる。
一度、映像として見てみたい気もするんですよね。ティセのパタパタも含めて。
 
12月2日

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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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(ドラゴンノベルス)
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(PASH!コミックス)
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(フロース コミック)
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(アフタヌーンKC)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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