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土屋つかさ

それがるうるの支配魔術 Game6:リライト・ニュー・ワールド3   

それがるうるの支配魔術    Game6:リライト・ニュー・ワールド (角川スニーカー文庫)

【それがるうるの支配魔術 Game6:リライト・ニュー・ワールド】 土屋つかさ/さくらねこ 角川スニーカー文庫

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水那斗繋のメッセージに導かれたるうるたちは、レビクシの光教団の聖域に踏み込んでいた。そこは10年前の集団失踪事件の現場であり、欧文研メンバーは口封じのため教団員に追われることに。そんな中、タマキは事件当時の記憶を追体験する。そこで目にしたのは、るうると初めて出会った瞬間であり、隠され続けてきた事件の真実だった!その真実はふたりにどんな結末をもたらすのか!?常識と魔術を巡る物語、クライマックス!―。
前回タマキがたどり着いた真相を真実だと思い込んでいたために、そのラストにはだいぶ衝撃を受けたものですけれど、冷静になって考えてみたらそんなはずはないんですよね。
ただ、魔術破りは発動した。と言うことは、彼が発した魔術破りの「言葉」は彼の意図とは違っていても間違いではなかったわけだ。そう教授されてから改めてタマキの発言を見なおしてみると、わりとなんて事のない謎だったことに気づく。
ただ、その気づいた事が真実だったとすると、これまで事実として扱われていた過去が、まず前提からおかしいことになってしまうんですね。
これは、そんな錯誤に満ちたあの光教団での出来事の本当がなんだったのか、あの日何が起こったのかを明らかにしていく解明編。
と言っても、まず情報があまりにも皆無すぎるので、タマキの失われた記憶が順次解放されていく、という形で過去が明らかになっていくのだけれど、これが記憶が回復することで殆どこれまで不明とされていた事も明らかになっていくんで、全体としてシリーズ前半のようなエッジの効いた、謎解き、間違い探しという要素はだいぶ薄れていたような気がする。だいたい、ここでさらに第三者が居た、という情報が出てくるのは辛いですよ。そういうヤツが居たって話これまでにありましたっけ? 自分は過分にして気づかなかったなあ。
あるとすれば、マスターのおじさんが何らかのヒントをくれていた場合だけれど、それにしても正体が不明すぎる。ただ、この第三者の存在が明らかにならないと、月城さんにずっと感じていた違和感の説明がつかなかったんですよね。あれはわからんよー。
まあ彼女の不気味さの理由がわかってよかったとも言える。
あの人がもう一回出てきてくれたのは素直に嬉しかったけれど、でも予想外の援軍とも言えるんですよね(ってか、最後どうなったんだこの人? 肝心のその後が描写されてなくて、あのまま消えてしまったのかともやもやが消えないんだが)。かなり行き当たりばったりで運が良かった、という気もしますし、ツナグさんの手のひらの上だったとも言えますし、マルとしては乗せられて別段何も悪いことはなかったんだけれど、主人公として活躍できたかというといささか消化不良だったかなあ。ラブコメとしても、しゃんとした決着じゃなかったですしね。言乃はもっと自己主張してほしかった。自分からアピールしなかったわりに、事故主張はしまくってた感はありますけれどw
何気にるうるよりも圧倒的に目立ってた気がするぞ。
シリーズ当初からの面白さからすると、逆にシリアス寄りにストーリーが進むに連れて減速していった感があるのは残念でした。この頭をひねる面白さは目新しさもあり、随分と惹かれたんですが。
次回のシリーズは期待したいなあ。

土屋つかさ作品感想

それがるうるの支配魔術 Game5:キングメーカー・トラップ3   

それがるうるの支配魔術  Game5:キングメーカー・トラップ (角川スニーカー文庫)

【それがるうるの支配魔術 Game5:キングメーカー・トラップ】 土屋つかさ/さくらねこ 角川スニーカー文庫

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二学期が始まったばかりの欧文研のもとを、OGの月城舞花が訪れる。るうるの兄・繋と同級生であり、欧文研の創立メンバーでもある舞花の昔話に喜ぶるうるたち。しかし、話の中の違和感に気づいたタマキは、部室に仕掛けられた魔術を見破り、隠されていた数列を発見する。それは繋がるうるへ宛てたメッセージだった!数列はとあるテーマパークを示しており、欧文研メンバーと舞花はそこに向かうのだが!?シリーズ驚愕の展開へ。
マジで驚愕だよ!! これはとんでもない超展開じゃないか。いや、衝撃的すぎて読み終えたあとしばし呆然自失。まさか、四巻でのインナミさんの物語と彼女との約束が、こういう形でタマキに返ってくるなんて、想像できるはずないじゃないですか。インナミさんと約束した、すべてを明らかにするまで進む、という決意がまさかこんな結果を産むなんて。誰かの為につかれた「優しい嘘」の正体が、その真実が、まさかこんな事だったなんて。
何か空恐ろしい真実が、十年前の事件には秘められている、というのは頭では理解してたし、それが明らかにされることに心構えみたいなものもできていたはずなんだけれど、こうなってみると所詮他人事として捉えていたんだと今更ながらに認めざるをえない。目の前に現れるのがどんな嘘でも真実でも、この欧文研メンバーが揃っていれば、インナミさんがタマキに残してくれた、仲間との絆、というものがあれば、ちゃんと真っ向から立ち向かえるものなのだと思っていた。ところがこれ、相対する類のものじゃなかったんですよね。まさに盲点、死角の内側。
これが本物の「世界災厄の魔女」の魔術だったというわけか。筆舌しがたい、禁呪じゃないか。
それでも、インナミさんとの約束がなければ、タマキもあそこまで性急に動きはしなかったはず。あそこまで衝動的になってしまったのは、大切な約束の結論がまさに間近も間近にあってしまったからなんだろうなあ。他人事なら、迷いも出来たかもしれない。意思を疎通し意見を交わし、仲間同士で話し合って立ち向かう手段を、どう対処するべきかを導き出せたかもしれない。でも、その答えが「アレ」だった以上、約束を果たすためには迷うわけにはいかなかった。嘘を暴くことを止められると分かって相談など出来なかった。
真実を明らかにしなければならない以上、まずその真実を露わとしなければならなかったのだ。たとえ、それが=終わりだったとしても。否さ、終わりだったからこそ、だ。
これは、キツいよなあ。インナミさんも、まさかこんな結果が待ち受けてるとは思ってもいなかっただろう。あの人は純粋に、タマキを愛して幸福を願っていただけだったのに。

それでも、その真実が「本当」かどうかはまだわからないんだけれどね。嘘を見ぬいた、と思ったタマキが先走って幾つか見落としをしているかもしれない。何れにしても、結論は次の巻だ。

土屋つかさ作品感想

それがるうるの支配魔術 Game4:ロックドルーム・ゴッデス4   

それがるうるの支配魔術  Game4:ロックドルーム・ゴッデス (角川スニーカー文庫)

【それがるうるの支配魔術 Game4:ロックドルーム・ゴッデス】 土屋つかさ/さくらねこ 角川スニーカー文庫

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夏休みに入り、欧文研のメンバーは合宿と称してタマキの田舎に遊びに行くことに。そこで彼らを出迎えたのは、妙な色気と雰囲気を持つインナミさん。なんと彼女は天候を操る“神様”として村で崇められていたのだ。しかも村祭りの儀式で、タマキさんはインナミさんと二人きりで一晩を共にすることになってしまう。さらに、激怒するるうるたちを尻目に始まった儀式で不可思議な盗難事件まで発生し―!?欧文研は夏合宿も非常識だらけ。
あれ? これって「るうる」? と困惑してしまったほどガラッと雰囲気を変えての第四弾。というのも、舞台がいつもの学校からタマキの田舎に移り、そこには当然のような顔をして「神様」であるインナミさんがふわふわと存在していたのでした。
田舎で「神様」というとすぐに「ゆのはな」とかを思い出してしまうのだが、わりとエロゲーでは定番ネタですよね。意外とライトノベルの方だと少ない気もするが。一迅社から出ていた【ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。】なんかがそれに該当するんでしょうけど、あの作者もシナリオライターでしたし。
とは言え、この「るうる」の世界観には「魔術」は存在しても「神様」なんて存在はいないはず。明らかにインナミさんの存在はイレギュラーなんですよね。でも、彼女の天真爛漫であでやかで、無垢と狡猾が合わさったような人の心の奥底まで見通すような佇まいは、どこか人智を超えた存在で、それ以上に神として奉られ、親しまれ、愛されている彼女の人柄は、そんな違和感を吹き飛ばすような明るい存在感を示しているのでした。
とても、自然なのです。インナミさんがニコニコと笑いながら村の人達と笑顔をかわして闊歩している姿が。その交流にまやかしや裏の思惑など存在していない事は明らかで、決して村人たちが騙され悪いことが起こっているようなことはありません。インナミさまは、ただ村を見守り、穏やかに村人たちを安んじているだけなのでした。
そんな彼女に疑念や粗探しを迫るというのはどうにも無粋な話でしかありません。

そこに嘘があるとして、誰が困っているのでしょう。誰が苦しむことがあるのでしょう。

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それがるうるの支配魔術 Game3:ファミリアル・リドル4   

それがるうるの支配魔術  Game3:ファミリアル・リドル (角川スニーカー文庫)

【それがるうるの支配魔術 Game3:ファミリアル・リドル】 土屋つかさ/さくらねこ 角川スニーカー文庫

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学園内で最近語られる“三不思議”。中途半端な数字だが、実際に被害者も出ていて、ネット上の『噂屋』でも色々情報が出回っているらしい。「不思議=特別な魔術=兄への手がかり」という方程式を確立したるうるがその話を聞いたら、また面倒なことに「タマキ、調べにいくの!」…なっちまったようだ。しかし調査しているのが、欧文研を目の敵にしはじめたアイツのバレるとマズイのだが?不思議の中に巧妙に隠された真実とは!?―。
やっぱり面白いなあこれ。このお話では、相手との対決はゲームのルールを確認しあい、号令に寄って始まるものではなく、相手によって規定されたルールの中に取り込まれる事で既に始まっていて、主人公たちはまず自分たちが知らないルールを押し付けられている事に気づかなくてはならず、気づいても相手が規定したルールの内側から、一体何が現実を歪めた間違いなのか、を探り出し見つけ出さなければならない。この間違い探しが抜群に面白いんですよね。普通のまちがい探しと違うのは、範囲指定をしてくれないところ。一体どの段階から誤認が仕込まれているか、まるでわからない。場合によっては前提から既にひっくり返されていた、なんてことすらあるのだから油断も隙もあったものじゃない。
虚々実々入り混じる、何が嘘で何が本当かわからない日常の中で、タマキたちがこれだけは揺るぎない正答だと信じて拠り所にしているものが、欧文研の仲間同士の絆だ。もっとも、それとて幾つモノ上書きされたルールに寄って真実は覆い隠され、想いはすれ違い、正しいものであるからこそ背を向けなければという脅迫観念に突き動かされることもある。言わば、これが想いの間違いなのだろう。それを一つ一つ、それは違う、誤認である、と指摘して歪められたルールを打ち破り、真実を取り戻しているのがタマキであり、この作品の一巻一巻の物語の根幹なんだろうと思う。一巻のるうる。二巻の碓氷。そしてこの三巻の言乃といった風情に。実のところ、その想いの誤認を破ることについては、タマキの魔術の理を破る能力によるものじゃないんですよね。勿論、彼の能力は事態を打開するのに必要不可欠なものであり、切り札として作用しているものですが、言乃たちの想いの誤認を破ったのは決して能力による作用でもなんでもない事は、犬海丸という少年の魅力の理の一柱として覚えておいていいものだと思います。
特に、らしくない言乃の様子に苛立ちをあらわにしていたところは良かったなあ。もうね、彼の中には言乃という少女はこうあるべきだ、という理想像があるんですよ。それはある意味勝手なイメージの押し付けではあるんだけれど、時のその押し付けって大事だったりするんですよね。その人が、自分を見失っている時などは特に。
タマキは決して押し付けがましい人間じゃないんだけれど、ここぞという時に強引になれる、というのはなかなかカッコいい男だと思ったのでした。
そりゃ、深い付き合いの相手には、男女を問わず慕われるわ。盲信ではなく、全幅の信頼を寄せられる相手って、掛け替えのないものですもんね。

注意深く読んでいると、作中のあらゆるところに伏線やキーワードが仕込まれていて、ピースがハマると途端に大きな景色が広がるような……なんというか「ぶわっ!」と視界が広がる感覚が凄まじい解放感を得られて、気持ちいい作品なんですよね、これ。真相が明らかになった時の、すとんと腑に落ちるロジカルな充足感。まさに謎解きの醍醐味です。
あとは、もうちょっとラブコメ濃度が増えてくれるとなおよし。今回は言乃がメインだったことで逆に言乃さんがそれどころじゃなくいっぱいいっぱいだったので、いつもの言乃のエロ可愛さが堪能出来なかったからなあ。
ただ、今回で言乃のくびきがなくなったことで、より積極性が高まったのではないかと思われるフシがあるので、今後の攻勢が楽しみすぎるのですよ、はい。

1巻 2巻感想


ザ・スニーカーウェブにて、るうるの短編が掲載されている模様。今回は本編になかったルールザ・ルールのお話だそうですので、まずは一舐めしてみますか。

それがるうるの支配魔術 Game2:リメンバランス・パズル4   

それがるうるの支配魔術    Game2:リメンバランス・パズル (角川スニーカー文庫)

【それがるうるの支配魔術(イレギュラー) Game2:リメンバランス・パズル】 土屋つかさ/さくらねこ 角川スニーカー文庫

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水那斗るうる率いる我らが欧文研に、奇妙なオブジェが届いた。「私を捜して」というメッセージと"浮き世のオルカ”というヒントが添えられており、どうやら碓氷の初恋に関わるものらしい。碓氷よ、感傷に浸っているところ悪いが、こいつには妙な魔術がかかっているぞ?
「それなら、お兄ちゃんが作ったゲームかも!」
るうる、それは飛躍しすぎだろっ!? 魔術が仕掛けられた初恋パズルが導くのは、失踪中のるうるの兄へか、それとも!?

最初のルールズ・ルールはかなり早い段階で答え解かった!!
まああの挿絵はキャラを抑えてさえいたら違和感感じるだろうし、一度違和感の方向性さえ掴めば、描写をお浚いさえすればきっちり答えにたどり着けるようになっている。
今回の魔術発動による間違い探しは、明らかにおかしい状況が多発している為に、一巻の時のような一体何が間違っているのかを注意深く見極めて、それにたどり着いた時の痛快なカタルシスという意味ではやや乏しくなっているのだけれど、それでも細かい謎解きなど、実に理路整然としていて答えが明かされた時の「あっ、なるほど!!」という納得感が、やはり素晴らしく気持ちがいい。
答えを聞いてみると、確かにそれ以前にヒントとなる情報が描写されているんですよね。それも、よく探さないと見つからない、みたいな隠され方はされておらず、割と堂々と書かれている。ただそう思うのは後になって振り返ってみたからで、その時は普通の情景描写や何気ない会話の中の一言といった物語における自然の流れの中に紛れているのです。でも、完全に迷彩は掛かっていなくて、読み直していると結構「これはヒントですよっ」みたいな自己主張がさらっと為されてたりするんですよね。
その意味では、伏線・ヒントの仕込み方は巧妙でありながら読み手に対して優しい、あるいはサービスに富んでいると言えます。それがまた小気味良いんですわ。純粋に話の作り方、語り方が上手いとも言えるんじゃないでしょうか。
これは、今回の今回の依頼「オルカ・ゲーム」にまつわるものだけではなく、るうるの兄の失踪や、るうるを取り巻く状況といったこの作品の根幹を担う謎についても同様で、今は何を指しているか判断する情報が足りないものの、どうやら伏線・ヒントらしい情報があちらこちらに散りばめられていて、自然とこの物語そのものにグイグイと引き込まれていくのです。
うん、面白いっ!!

短篇集でも予定されているのか、どうやら一巻とこの二巻との間の時間軸に色々と事件やイベントがあったようで、結構人間関係も変わってますね。幼なじみとるうるがやたらと仲良くなっているのもそうですけど、小春さんもあんなに距離感近くなかったよなあ。
それから言乃ですよ、御剣言乃。この子、めちゃくちゃエロいんですけどっ! 別に色気タップリとか艶っぽいというキャラでもないし、性格もむしろ堅くて潔癖っぽい方で下ネタ好きという訳でもない。わざとエロい言動で主人公をからかおうというタイプでもない。
なんだけど……この子、凄い無防備なんですよ。男の視線というものに無頓着すぎる! いや、視線自体に気づいていないというわけでもなさそうなんだが、平気でブラチラしたりいきなり着替えだしたり。見られても気にしない、主人公を男とも思ってない、というのとも違うのだ。下着見られたら普通に怒るし、恥ずかしがる。恥辱心は人並み程度に持ってるようなんですよね。
なのにガードがゆるゆる。そういうのに頓着なさそうなるうるなんかと比べても、無防備にエロい言動を発してるんですよね。普通に「今、生理だから」とか言われたら、さすがに驚くわ! いや、過剰に反応するのもアホらしい話で、別に主人公も多少慌てたくらいで大して気にもしてなかったけれど、平然と男に対してそういう発言するキャラというのはなかなか見たことがなかったので、新鮮というかなんというか。そう言えば、一巻でもタマキに対して無防備な発言してたなあ。
……考えてみるとこの無防備さって、性格というよりも自分の価値を低く見ているから、のような気がしてきた。なんか、一巻で丸のことを真面目に誘っていた時もそう考えると当てはまるんだが、自分を大事にしてない感じなんですよね。とは言え、言乃が自分のどうも何らかの制約を受けているらしい立場について丸に言及したからこそ感じるに至った感想なのですが。
小春さんに仕込まれているネタといい、碓氷が気づいたうっすらとはびこる悪意といい、どうにも思ってた以上に【世界災厄の魔女】るうるにまとわりつくモノは粘っこく気持ちの悪いものらしい。
丸の主人公としての明晰さと頼もしさもさる事ながら、碓氷が主人公の友人キャラ、というパターン的に存在感薄い立ち位置のくせに、この作品ではハード面でもソフト面でもとてつもなく頼りになりそうで、さらに色々なところに仕込みやトラップが設置されている中では、唯一と言っていいくらいしがらみも何もなく友情と恩義でもって全幅の信頼をおける相手となってますからね、ひとりでもこういう味方が身近にいるというのは安心感が違いますわ。
本来頼りになりそうな言乃は、どうやらしばらくは味方や相棒というよりも「ヒロイン」として機能しそうですしね。

何にせよ、背後にうごめく影も動き出し、盛り上がってまいりました。実はマスターが○○なんじゃないの? と正解を見つけた気になっていい気になってたら、速攻でダメだしくらいました。うきゅー。

1巻感想

それがるうるの支配魔術 Game1:ルールズ・ルール4   

それがるうるの支配魔術Game1:ルールズ・ルール (角川スニーカー文庫)

【それがるうるの支配魔術(イレギュラー) Game1:ルールズ・ルール】 土屋つかさ/さくらねこ 角川スニーカー文庫

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俺の前に突然現れた“世界災厄の魔女”こと不思議少女るうる。しかも俺のことを監視するから常に一緒にいるだと? 「その嫌そうな顔、3ptダウン」なんだそのポイント制は!? 新感覚魔術学園ストーリー開幕!
やっべえ、これは好きだわ。面白かったという以上に、好みを直撃している。元々、この作者のデビュー作シリーズである【放課後の魔術師】シリーズもあの知的で理性的なところが相当好きだったのですが、なんというかより自分の作風やスタイルというのを自覚した上で確信的にそうした部分をより強調して仕上げてきた、って感じなんですよね。
まあ、作者の作中でもあとがきでも公言して憚らなかったゲーム好き、という所をこうも作品そのものにのっけてくるのは予想外だった。何らかの形で絡めてくるとは思ってましたけど、作品の主題にしてくるとはなあ(笑
しかし、好きで好きでたまらない要素を基盤に持ってきたお蔭でか、作品全体にノリに乗ってるような漲る躍動感がひしめいてるんですよね。これは読んでて楽しくなりますよ。
なにより、これは発想がおもしろ素敵すぎます。いわゆるこれって、大規模かつリアルな間違い探し、という事になるんですよね。最初のるうるとのゲーム【ルールズ・ルール】というあの遊びが基本であり、魔術による改変の発見はそれの実地応用編。これが読んでて楽しいんだ。【放課後の魔術師】でも、日常パートでみんなで海外産のボードゲームをやってるシーンは毎回面白そうで読んでるこっちも楽しかったのですが、それを全編に押し並べてみた、という感じだろうか。勿論、純粋に遊びでみんなでワイワイやっているパターンと違って、魔術が絡む展開は、るうるに課せられた負債や事件そのものの深刻性も相まって決して軽い展開ではないのだけれど、小春に纏わる事件での二段重ねの間違い探しなんかは読み応えありましたしね。「なんとー!?」と唸らされた、あれは。いや、主人公の観察眼はたいしたもんだわ、あれは。ここで現れてる「間違い」って、決して非現実的なものじゃないんですよね。普通に前知識がなければ何ら気づかない違和感。それこそ、探偵的な観察眼が必要とされるところ。面白いのは、探偵による推理ものの場合と違って、こちらは間違いが指摘されると同時に誤魔化されてた認識が正常化し、その場に居る全員が「あっ!!」と驚きと共にあからさまにおかしかった所が皆の共通認識になるところ。これが、さり気無く痛快なんですよね。思わず、パンと手を打ちたくなるくらい。
うん、面白い。実に面白い。

登場人物たちも、土屋さんらしい情緒豊かであると同時に非常に理知的である所が好ましい限り。みんな個性的ではあるものの、無神経とは程遠いんですよね。これは、ある種傍若無人キャラである「るうる」も同様で、最初は人付き合いが乏しいせいか結構無軌道な言動に終始してるんですけど、付き合いを重ねるうちにその辺はすぐに修正されてきて、本来のものらしい良く相手の気持ちを考え、慮った言動を取るようになりますし。
そもそも、この娘は小動物系ですよね、これ。基本ベースは無表情系ですけど、見てると意外なほど表情がクルクル変わりますし、此処ぞというときには大きく破顔した顔なんか見せてくれる。まだまだ距離感の掴み方がわからなくて戸惑っている節もありますけど、人見知りもしませんし、主人公だけに心をひらいているというふうでもなく案外人当たりも良いですし。周りから避けられて、自分も事情から人を寄せ付けないようにしていただけで、ゲーム好き遊び好きというのも相まって、実のところ大勢でワイワイと賑やかにするの、好きなんじゃないのかな、この娘。
兎にも角にも、無表情系のくせに人懐っこく、それでいて儚げなところもあって、これは庇護欲を掻き立てられるタイプだわ。
んでもって、もう一人のヒロインが御剣事乃。この娘も、登場時からその途中でキャラの印象がガラっと変わったヒロインである。いや、この娘、マジで普通ならメインヒロインやるようなキャラじゃないですか? 最初の印象だとだいぶ感情的で堅苦しいというか偏屈な所のあるお嬢様タイプなのかと思ってましたけど、付き合ってるとサッパリとして屈託の無い性格が見えてきて、気軽に軽口をたたきあえ親しみやすく情に厚く、しかし強かで計算高い部分もあるという、なかなかに熱くて冷たいパーフェクト加減、結構前作の遥を彷彿とさせるところがあって、これはヒロイン力相当高そうなんですけど。

何れにしても、土屋さんの新作ということで期待していたものをさらに上回るものを送り出してきてくれた感じで、実に嬉しい限り。こりゃ、楽しみなシリーズがはじまりました。

サマーウォーズ クライシス・オブ・OZ4   

サマーウォーズ  クライシス・オブ・OZ (角川スニーカー文庫)

【サマーウォーズ クライシス・オブ・OZ】 土屋つかさ/杉基イクラ 角川スニーカー文庫

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 bk1

カズマは電子空間OZで、正体不明のデータを持つマキに出会う。なんの偶然か、マキの本体である真紀もネットカフェの隣席にいて、しかも怪しげな男に襲われていた――OZと現実世界で、2人の逃避行が始まる!
あの映画の舞台である夏休みの出来事の三ヶ月前。ゴールデンウィークの最中に起こったOZを見舞った崩壊の危機。カズマを主人公に描かれるオリジナルストーリーの前日譚。

いやあ、前日譚ということでてっきりカズマしかメインキャラが出ないものだと思い込んでて油断していた。まさにこれ、サマーウォーズの前哨戦だ。そしてこれ、人の縁というものだなあ。あの、最初はワンシーンにしか登場しないモブキャラクターとしか思ってなかったあのキャラクターの正体に気づいたときには、思わず喝采をあげてしまった。そういえば映画の冒頭でもアルバイトしてるって言ってたもんなあ。言われてみると、どころどころにしっかりと答えにたどり着くべき情報は示唆されてるんですよね。せめて宝石店の時点で気づいておくべきだったのに、察するのがかなり遅れてしまったのがちょっと悔しい。

というわけで、兄から怪しげなデータを預けられ、怪しい集団に付け狙われる高校三年生の真紀を、中学一年生のカズマ少年が手を引っ張り、名古屋から東京まで追いつ追われつの逃避行を繰り広げる、何気にけっこうなスケールのサスペンスアクションである。13歳のカズマと、18歳の真紀という、五歳の年齢差のある二人なんだけれど、カズマはあの通りクールで気概のある、背伸びするのではない決然と大人たらんとしようとしている子供なので、大人と子供のデコボコカップル、という風情じゃないんですよね。真紀も、カズマのことを子供扱いせず、年下ではあるけれど頼もしい男の子として頼ってるので、けっこういい雰囲気なんですよね。女性慣れしていないのもあるんだろうけれど、美人の女性からこんな風に頼られる事がなかったからか、終始どぎまぎしているカズマが可愛いのなんの。もう、すっごい意識しちゃってるんですよね。彼女の何気ない仕草や、身体の触れ合いに真っ赤になったり、照れたり、慌てたり。真紀の方も変にお姉さんぶらずに、カズマの反応を伺ってるところがあるんですよね。
なんか、思ってた以上にこの二人、いい雰囲気でしたよ。ニヤニヤがとまらんかったー(笑
いじめられっ子という境遇から脱するために、万助お爺さんに拳法を習い、強くなったカズマ。でも、キングカズマという世界チャンピオンになりながらも、独りで戦い続ける今の自分の強さに方向性を見失いつつあった彼に訪れた大きな転機が、ここだったわけだ。彼が真紀との逃避行の末に見つけた自分の強さを向ける方向、それがひいては映画【サマーウォーズ】の方で大いに発揮されるわけである。あの、強く「守りたい」と誓う彼の原点はここにあったわけだ。
そして、彼の弱さもここでは描かれている。勝負に負け、屈してしまったときに再び立ち上がって立ち向かう気概を取り戻せず、全部投げ出してしまいそうになる弱さ。
彼は真紀によって、自分の弱さを知り、それを克服するのですが、やはりそう簡単にはぬぐい去れないのが自分の弱さというもの。その一抹は映画の方でも一瞬露呈してしまうんですが、なるほどなあ、ケンジくんがあの場面で揺ぎ無くあきらめなかったことへの、カズマのあの畏敬めいた視線は、そこに起因するわけか。ケンジに、自分が目指すべき強さを見出したんだろうなあ、きっと。
まあ、カズマがケンジを尊敬することになるのは、この前日譚を読んでたら既定路線だったんだろうと分かるんだが。

サマーウォーズの前哨戦らしく、さすがに親戚一同総動員とは行かないものの、栄大おばあちゃんをはじめとして、何人かの親戚衆も勇躍登場。この人達は、親戚のためならまったく労苦を厭わんよなあ。果たして、真紀さんが栄おばあちゃんに何を言われたのかは謎だが。二人で話し込んでたあとの、真紀のカズマへの表情がまたなんとも意味深で。もしかして、ケンジくんが言われたみたいなこと言われたのか? なんか、満更でもなさそうだったし(笑
カズマが真紀を連れて上田の栄の屋敷に転がり込んだのって、ある意味これ、陣内一族の定例イベントである連れ合いの顔見せ、に当たるもんなあ(笑
このお屋敷での一連のシーンは、サマーウォーズらしくてよかったです。家族が集まり、一緒に御飯を食べる。一瞬ですけど、ここで真紀も家族の一員っぽい雰囲気になってるんですよね。
家族の絆が与えてくれたものが、最後の勝負の分水嶺になるというのも、実に素晴らしい。

にしても、自衛隊の理一おじさんの所属はほんと、どこなんだろう。謎すぎる(笑

そんでもって、この作品が実に土屋つかささんらしかったのが、お決まりの定番ネタであるボードゲームの話題がしっかりと仕込まれていたというところ。オリジナルとはいえ、ノベライズでもボードゲーム持ってくるかーー(笑
しかも、かなり話の中で重要な役どころを担っているしww ボードゲームネタが出てきた途端、ああ土屋作品読んでるなー、という実感が湧いてきましたよ。
それでいて、しっかりと【サマーウォーズ】の世界観が雄大に広がっていて、うん、これは素晴らしいスピンオフ作品でした。

放課後の魔術師(メイガス) 7.スマイル・ウィズ・ユー4   

放課後の魔術師  (7)スマイル・ウィズ・ユー (角川スニーカー文庫)

【放課後の魔術師(メイガス) 7.スマイル・ウィズ・ユー】 土屋つかさ/ふゆの春秋 角川スニーカー文庫

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 bk1

なるほどなあ。後書きでも触れているように、この作品は魔術師たちの年代記の中でも徹頭徹尾、遥と安芸の二人のラブストーリーだったんだな。
逆に言うと、二人の人間関係が決着を見た以外は実のところ、円環との関係を含めて非常にすっきりしない終わり方になってしまってるんですよね。
最悪の展開、つまり円環による蒼の氏族の粛清と遥の抹殺は免れたものの、蒼の氏族が企てていた円環に対する優位性を確保するための切り札は放棄させられ、氏族と円環とのパワーバランスは円環側に極端に傾いたままで終わってしまってるのです。
なかなか衝撃的だったのは、円環は遥の抹殺指令を出したように、以前に既に伊予に対しても抜きん出た力を有していると言うだけで抹殺指令を出していたというところ。別に円環に対して反逆を企てている訳でもないにも関わらず、驚異になりかねない力を持つものが現れたらその存在を抹殺しに懸るなどと言うとんでもない行為が円環では常態化してしまっているという事になる。
これは、今後も同じことが行われてもおかしくないワケで、その際にジェシカシステムも遥も失っている蒼は、これに抵抗出来ない事になってしまうわけです。
ジェシカシステムから伊予が救出され、遥は力を封印されたものの安芸と想いが通じ合い、津欧氏は愛する奥さんの元に戻り、斎条先生もあと何年かすれば婚約者が戻ってくる。と、人間関係については万事大団円みたいにはなっているんですが、残念ながら蒼の氏族は円環に対して政治的にはかなり分の悪い降伏を強いられてしまってるんですよね。
確かに、横暴な振る舞いをしていた円環の幹部の一人は失墜したけれども、さらに強かで危険な幹部の思惑通りに状況は進行してしまい、蒼は研いでいた牙を抜かれてしまい首根っこを抑えられたという事になり、それがどうもすっきりしない気分に繋がってしまっているんじゃないかなあ、と考える次第。(とはいえ、密かに遥はアレだし、ジェシカシステムだってこれまでの技術蓄積を考えると、伊予が解放されたからと言って完全に無効化されたかというと、あのお姉さんが早々甘くない気もするので、政治的にはともかく実質的には切り札は失っていないと見ることも出来るかも)
それでも、安芸たち個人の立場から見たら、未来はともかくとして少なくとも現在においては守るべきものを守ることが出来、取り戻したかったものは取り戻し、ねじれて絡みきってしまっていた人間関係の幾つかはうまくほどけて元通りになったわけで、その意味では良かったよかった、という終わり方なんですけどね。
特に、ナツメさんがもう一度登場してくれたのは良かった。斎条先生とナツメさんについては、ふたりとも素直じゃなかっただけに、ナツメが島送りにされて今後離れ離れになった二人の関係がどうなるのか、とても心配だっただけに、ナツメがあの極度の天邪鬼を解消して、素直に斎条への想いを打ち明けてくれたのは、安心させられた。二人が直接顔をあわせて再会することはなかったんだけれど、これならナツメが戻ってきた時、二人は大丈夫だと思えましたしね。
しかし、精神的な余裕を取り戻したナツメ姉さんは、大人の女性らしく……エロいなあw
わりと積極的な方の遥が、かなりタジタジになってたのには笑わされた。
まあ、今回の主演女優は明らかに、ヒキコモリからついに外に出た仄香でしたけどね。いろいろな意味で大暴れだ!(爆笑
あのイドが徹底的にやり込められまくってたのには、笑った笑った。なに、このお笑いコンビw
イドがボクっ子扱いされてるしww さすがにこりゃあ、フラグは立たないわなあ。仄香のあの強烈な個性は、イドくんには刺激が強すぎる。比べて、伊予は悪戯っぽいけど仄香に比べたら優しいよねえ、うんうん、優しいよねえw

次回作は、円環VS鴉のクロニクルの別話になるのか、それともまったく違うシリーズになるのかはわかりませんけど、恋愛模様のドキドキ感や丁寧な内面描写など非常に上質な物語をこのシリーズでは堪能させてもらいましたので、やはり同じかそれ以上のクオリティのものを期待しています。面白かったです、はい。

シリーズ感想

放課後の魔術師(メイガス) 6.ミスティック・トリップ4   

放課後の魔術師    (6)ミスティック・トリップ (角川スニーカー文庫)

【放課後の魔術師(メイガス) 6.ミスティック・トリップ】 土屋つかさ/ふゆの春秋 角川スニーカー文庫

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前回の感想でも相当に円環への怒りをぶちまけていたけれど、もういい加減怒髪天が有頂天ですよ!(意味不明
ジェシカシステムへの介入や、遥へのちょっかいなど、それ相応の遠大な理由があるのかと思ったら、結局は組織の権益の維持、保身のためかよ。それも、予防的な措置により人の尊厳を簡単に踏みにじり、簡単に生命すら奪おうとするなんて。そのためには、円環自身が定めた法すらねじ曲げ、非合法な手段に走る。しかも、表向きには正式な拘束力を発揮してコチラの動きを制しつつ、だ。悪質極まりない。
派閥による態度の差異はあるとはいえ、いくらなんでもこれは腐りきっている。ここまで暴虐的かつ恣意的に権力の乱用をされたら、各氏族たちも円環から受ける利益よりも、自分たちの身の安全に対する深刻な危惧を抱き始めるんじゃないだろうか。円環の指先一つで氏族の指導者格まで簡単に処分されるようじゃ、他の氏族たちもおちおち安心していられないだろうし。ナニカ明確な理由があるのならともかく、円環による統治の維持が目的で、遥の暗殺まで行うようじゃ、ねえ。
実際、蒼はどうやらこれを機会に完全に討ってでる態勢を整えてるし、ベルも紫をまとめてナニカ動きを見せる様子を見せているし、他の氏族だって黙って円環の跳梁を座して見逃すかどうか。
どちらにせよ、遥の立場からしたら、自分を殺そうとした組織に対して反抗するのは正当防衛だし、場合によっちゃ鴉に身を寄せてもいいんじゃないかと思うくらい。今のところ、どう考えても円環の方が無茶苦茶やってるもんなあ。遥の力をそれだけ恐れているのなら、もし遥が覚醒したとき自分たちが虎の尾を踏み躙っている状態にあるというのをちゃんと把握してるんだろうか。遥が非常に理知的で攻撃性からは程遠い性格なのが幸いしてるけど、もし遥が振りかかる火の粉を徹底的に振り払う性格だった場合、こいつら遥が覚醒したあと円環まるごと殲滅対象にされて皆殺しにされる危険性とか考えないんだろうか。現状の遥だって、安芸や仄香がもし巻き添え食って死んじゃったケースなんか、容易に堕ちる可能性もあるだろうに。
どうもそんな覚悟もなく、安易に手を出している気がするんだよなあ。それがまた、腹が立つ。

とはいえ、それだけ遥が切羽詰った状況に追い込まれて行くなかで、安芸の遥への距離感が猛烈な勢いで変化して行くのには驚いた。斎条先生はじめとして、周りの後押しや自覚を促す示唆があったとはいえ、安芸が義務感ではなく、自分の感情として遥を傍に置いておきたい、守ってあげたいと思っていると気づきはじめ、その感情が具体的に何なのかすら見つけるに到るまで進展するとは。この野郎の鈍感さは、ちょっとした凶器クラスだっただけに、いやはやこれは良い驚きだった。
まー、あの師匠に可愛がられてたのなら、防衛本能として女性の思わせぶりな態度とか心情に対して鈍くなるのも仕方ないところがあるよなあ。心を鈍くしておかないと、可愛がられすぎてストレスで死んじゃうネコみたいに、頭おかしくなりそうだし。
あの師匠は性格ももとより、コスプレ(?)こそどうかと思うけど。あれ、ベルの魔法少女バージョン並にアレだぞw

二人の仲の進展と同時に、これまで伏せらえてきた紅の能力に、紅の氏族がこれまでどうして行方不明とされてきたのか、仄香が人前に姿を表さない理由。ジェシカシステムに伊代が組み込まれた理由など、様々な真相が明らかになり、事態は急展開。
ラストには衝撃的な顛末もあり、日本でもアッと驚きの漏れてしまうような、予想外の動きあり、と大きなうねりがクライマックスに向けて盛り上がってきた感あり、である。
さあ、次回は総力戦の一大決戦か!!

放課後の魔術師 5.スパイラル・メッセージ4   

放課後の魔術師  (5)スパイラル・メッセージ (角川スニーカー文庫 208-5)

【放課後の魔術師 5.スパイラル・メッセージ】 土屋つかさ/ふゆの春秋 角川スニーカー文庫

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そろそろ<完結した円環>の権限を嵩に着た高圧的な態度が我慢ならなくなってきた。これじゃあ、<円環>は魔術師たちを支配する組織で、【蒼】などの氏族はそこに従属させられているようなものじゃないか。
最近の円環のやり口は陰険かつ魔術師一人一人の尊厳を無視して道具のように扱うような感じで、非常に不愉快極まりない。敵対関係にある<鴉>などより余程苛立ちを募らせられる。その挙句に伊代へのあの仕打ち。さらに、彼女がジェシカシステムに組み込まれる原因となった事件には円環の関与すら疑われる始末。ここまでくると、安芸たちにとって円環の存在は害にこそなれ、益になるものは何もないんじゃないかとすら思えてくる。さすがに円環に対して【蒼】は距離を置いているみたいだけれど、今回の査察の件といいジェシカシステムへの介入といい、その影響力は結局無視できないみたいだし、明快な敵相手だと正面から実力行使だろうと権謀術数だろうと戦えるんだろうけど、なまじ味方な分、性質が悪いんだよなあ。
もうここまで蔑ろにされたんなら、円環から離脱しても無理からんところだと思うんだが、実社会との関わり合いを考えるとそれも出来ないんだろうなあ。安芸たちがしているように距離を置くのがギリギリなのかもしれない。それでも、ストレスはたまる一方なんだが。
こうも円環の性質の悪さが明らかになってくると、仄香が必死に自分たちが魔術師であるという事実をひた隠しにしてきた理由も段々と見えてくる。どうやら、両親と仄香は前々から自分たちが【紅】の血族である事は知っていたみたいだし、その上で身の上を隠してたとなると、ねえ。

今回、さらに周藤絵里子の前夫も登場。なんで別れたのかと前々から気にはなってたんだが、単なる愛情の喪失によるものではなく、政治的組織的な複雑な背景があったっぽいなあ。お互い、不仲になっているように見えて、妙に未練が残ってるっぽい描写もあるし。特にお姉ちゃん、ブラコンのくせに元旦那のこと随分と気にしてるじゃないか。名刺の一件を見ると、もしかしたら敵意むき出しの不仲も、そもそも離婚すらもある程度お互いの合意があったんじゃないかという疑いも湧き出てくる所。もっとも、お互いよく話し合った結果とかちゃんと以心伝心している、という風ではないけれど。

今回の再査察を通じて、一番テンパってたのは対象者である遥よりもむしろ安芸の方な感じだったなあ。安芸との関係に悩んで落ち込んだりもしていたけど、何だかんだと遥は根底の所で揺るがず、ピンチに陥ったら逆に安芸をどっしりと信頼して落ち着いてすらいたし。それに対して、円環の圧力にピリピリしていた安芸の方は、過剰なくらいに遥の事を心配していて……いや、そこまで気にしてるなら遥の気持ちにも気付くぐらいしてやれよ、と思うんだがこの鈍感マイスターは無視なんだろうな、そういう察するのは(苦笑
ただ、相手の気持ちに気づくのは無理でも、安芸から遥に向かう矢印の方は着実に濃度が増している感もあるし、関係は進んでるんだろうなあ。とりあえず斎条先生グッドジョブ♪

斎条先生と言えば、この人も立ち位置がかなり不鮮明なんだよなあ。
円環からの監視者のように見えて、鴉からの工作員という線も捨てがたく、もしかしたらまったくの第三勢力の手の者という想像もできなくもない。ただこれだけ露骨に怪しい人物にも関わらず、彼が安芸や遥に対して喋る事柄はだいたい嘘はなさそうなんですよね。特に自分の感情や友人たちに対する想いとか。
前巻での恋人への想いは本当に嘘もないみたいだし、弟弟子である安芸に対する気遣いや本当の弟を見るような優しい視線に偽りはなさそうだし。
この明確な身分の怪しさと、内面の明快な真摯さが捩れに捩れてて、この斎条という人、何かと気になる面白い人になってるんですよね。
今後も動向が気になる処。
さて、次回は英国への修学旅行とな!? 仄香が付いていけないじゃん……って、この娘はいつも電話越しだから、舞台がイギリスだろうと関係ないのか。


追記:ボードゲーム喫茶、滅茶苦茶面白そうではあるんだが、客の回転率は最悪だろうな、これw

放課後の魔術師(メイガス) 4.ワンサイド・サマーゲーム4   

放課後の魔術師  (4)ワンサイド・サマーゲーム (角川スニーカー文庫)

【放課後の魔術師(メイガス) 4.ワンサイド・サマーゲーム】 土屋つかさ/ふゆの春秋 スニーカー文庫

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こ、ここまでくると安芸の朴念仁ぶりというのは、ある種の凶器だな。男女の機微に鈍感な主人公というのはテンプレートとして機能するほど数多存在するわけですけれど、それは大概男女関係の進展を阻害するためのモノであって、それ以上の意味合いを持つモノというのは案外少なかったりする。
ところが、この安芸のそれときたら、女性陣のアプローチをことごとく粉砕し、迎撃し、ぐうの音も出ないほど完膚無きまでに叩き潰す、最強の兵器として機能しているのだから、恐ろしいやら戦慄するやら。
その鈍感力たるや、まさに一撃一撃が必殺の威力を秘めており、的確にヒロインたちにダメージを与えていく。そのクリーンヒットぶりは、蝶のように舞い、蜂のように刺す、技巧を極めたボクサーをすら連想させる代物である。
もうやめて、彼女たちのHPはもうとっくにゼロよ!?
と、思わず制止したくなるほど、容赦呵責なく安芸の鈍感はヒロインたちを乙女心をギッタンギッタンに蹂躙していくのだ。
悪魔の所業である(苦笑
これで彼当人には一切悪気もなく、自分の言動がどれほど彼女らを滅多打ちにしているのか理解していないのだから始末が悪い。ここまで徹底していられると、彼女らも怒れないんですよね。いや、怒ってるけど、安芸という人はもうこういう人だから、と端から受容していなければやってられないんでしょう。
まー、わりと遥にしても、今回登場した紫のベルにしても、惚れてしまった弱みか、当人たちのあふれんばかりのバイタリティのおかげか、仕方ねーなー、と割り切ってる向きもあるので、むしろ一番苦労しているのは傍から見守っている香音嬢なのかもしれない。
積極的に安芸と遥の仲を応援している彼女としては、気苦労が絶えないに違いない。今回の短編集にしても、なんとか二人の仲を応援しようと気をまわしているにも関わらず、その一切を亡きものとする安芸の鈍感さに、時に挫折し、時に戦慄に打ち震え、溜息をつくばかり。今回、彼女なんかい溜息ついてたんだろうw

さすがに、これだけのバカ野郎を相手にしていたら、女性側としたらイライラしっぱなしになろうかというところだけれど、この物語におけるメインヒロインの遥さんの心の広い事、大海原のごとし。心が広いっつーか、彼のそういう部分も含めて、彼への恋を大いに楽しみ、興じているというのが、彼女の面白い部分なんだよなあ。恋に溺れているとか、夢見ているというのではなく、ものすごく理性的な部分で全力で楽しんでいるというか。暗い部分や切羽詰まった部分があまりないのが、印象的でもある。
今回だって、ベルというライバルの出現にも関わらず、彼女と敵対することもなく、むしろ同じ安芸の鈍感に対する被害者同士として、もう可哀想になるほどボコボコにされてしまった彼女をフォローし、支え、応援し、一緒になって安芸を糾弾し、と積極的に世話して回っているくらいで。
この明朗快活な少女の言動は、毎度ながら実にすがすがしく爽快で、同時に女の子らしく可憐で可愛らしい。まったく、魅力的すぎてめまいがしそうなヒロインじゃまいか。
恋を楽しむと同時に、同じ女の子を愛でることにも忙しない彼女は、無機質な<人形>である香音の可愛らしい部分をこれでもかと発掘し、新たに来日してきたベルをネコ可愛がりし、引きこもりの妹様にひっかきまわされながらも逆に振り回す、実に楽しそうな日々を送っている。ほんと、謳歌してるよなあ、この娘。
こうして見ると、遥って何気に周囲の女の子、みんなメロメロにして侍らせてるガールズキラーだったりするんですよね。
妹様は、もう完璧にシスコンだし、香音はいつの間にか主人の安芸をほっぽらかして全面的に遥の味方だし、本来恋のライバルのはずのベルだって知りあった途端、籠絡されて思いっきり懐かれ慕われちゃってるし。
この娘、女子高とか通ってたら<お姉さま>になってたんだろうな、絶対w


と、今回は短編集という事もあって、ボードゲームネタもふんだんに盛り込まれているわけで、これ好きな人が見たらめちゃくちゃテンションあがるんだろうなあ。

放課後の魔術師 3.マスカレード・ラヴァーズ4   

放課後の魔術師  (3)マスカレード・ラヴァーズ (角川スニーカー文庫)

【放課後の魔術師 3.マスカレード・ラヴァーズ】 土屋つかさ/ふゆの春秋 角川スニーカー文庫

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なるほどね。安芸は自分に向けられる恋愛感情に対して鈍感というわけではなく、恋愛という事象そのものに対しての知覚力そのものが鈍いのか。
確かに彼視点で見てると、あの二人のコミュニケーションは恋人同士のいちゃつきには全然見えんかったからなあ。遥が指摘するまで、こっちもまるで気がつかなかった。いやでも、遥は一目瞭然と言ってたけど、ナツメさんのあれはツンデレはツンデレでも飛びっきりのレベルだと思うぞ。それとも、あれはあくまで安芸視点ではそう見えていたというだけで、実際は顔を赤らめたり、声は上ずったりと、分かりやすい反応は示していたんだろうか。そうだとすると、安芸の目は腐ってるとしか言いようがないな、うん。
こりゃあ、遥がどんなにアプローチしても華麗にスルーされるわけだ。苦労するわ……いや、苦労はしてないんかな。もし、本気で好意を伝えるつもりがあるなら、誤解の仕様のないように直截的に告白してしまえばいいだけの話なんだから。
今のところは、遥にもそのつもりはないようだし。あれか。作中でも言ってるけど、惚れたら負け、あくまで安芸の方から惚れさせるつもり、ということなのか。
だとすると、彼女は彼女で鈍さに関しては安芸のことは文句言えないよなあ。場面場面で、明らかに安芸は遥のことを意識している挙動を示しているのに、気が付いてないんだから。
お互い、相手から投げかけてくる信号には、見事に気がついてないんだよなあ、やれやれ。
まあ、このポジティブ娘の場合、今の環境を楽しんでる様子もあるしなあ。珍しいくらいに理知的で聡明なヒロインである遥としては、自分の置かれている危うい現状を、もちろん正確に認識しているはずなんだけど、変に不安を感じていないのは彼女自身の精神のタフネスゆえか、安芸をはじめとした周りの人間を信頼しているからか。
……冒頭の行動を見ると、無鉄砲という面も無視できないけど。

と、ジリジリと進んでいるのかいないのか、微妙なところな主人公とヒロインの関係性だけど、それとは裏腹に彼らの周りの環境については徐々に加速をはじめているのかな。
<円環>の存在というのは、組織としてこれだけ絶対性を示されると反発が生まれるのも当然なわけで。どうにもこの組織の行動って、各魔術師一族の相互互助には機能していなくて、むしろ<円環>という組織の優位性・絶対性を保つために、各魔術師一族の力を削ぐ方向にしか向いていないような気がするんだけどなあ。これって組織が目的達成よりも組織そのものの保全、利益追求のために動く、つまるところ組織劣化してきているとしか……。
こうなってくると、それぞれに魔術師一族に<円環>への敵意や反感が醸成されていくのは無理がない。実際、安芸や理事長姉ちゃんら<蒼>の首脳部も、敵対ではないものの<円環>とは明確に距離を置きたがってるし、<円環>の利益にはならない方向性にあると思われる計画を密かに進行させているみたいだし。

だからといって<鴉>の行動理念は、健全な魔術師からすると認めるわけにいかない代物であるわけだ。
<円環>への隔意と、魔術師としての理念。このバランスの差異が、結局のところ、この第三巻での二組の男女の関係の錯誤に繋がってしまったのか。
【マスカレード・ラヴァーズ】というサブタイトル。読み終わった後に見ると、なかなか辛辣なサブタイですわ、これは。

となると、今後の斎条さんの立ち位置が興味深い。胡散臭さは相変わらずとびっきりで、確かになにか企んでいそうなんですけど、ナツメへの真摯な立ち振る舞いを見ていると、腹に一物抱えていても、裏表は案外なさそうではあるんですよねえ。しっかりと温度の在る優しさを持ち、でも情に流されず、誰にも依存せず、どこにも帰属せず、狂気などかけらもない理性を以って、自身の目的を遂行する。この人は、きっと強敵ですよ。
この人の目的は未だ不明だけど、それはたとえ安芸や遥たちと相容れぬものだったとしても、きっと納得はさせられるんだろうな、と思ったり。

対して、イドの方は底が知れた、というか非常に分かりやすくなってきた。ある意味、子供らしくて好感めいたものすら抱いてしまったり。彼はきっと感情の塊なんですよね。彼の安芸への敵意や反発は、どこか以前に合った膨大な好意の裏返し、裏切られたという想いからくるもののようにも見えて、気持ちはわからないでもないんですよね。安芸ももう少しうまいこと対応できたらいいんでしょうけど、イドや伊代の件に関しては安芸も普段のような大人の態度をとれないからなあ。イドから見たら、安芸は大人の対応しかしてないように見えて、それが余計に腹立たしいんだろうけど。この噛み合わなさが、逆に以前はよく歯車の噛み合った、仲の良い兄弟だったんだろうなあ、という想像を掻き立てられて、なかなか興味深い。こうなってくると、伊代の、二人を助けて、という遥へのお願いも共感できるんですよね。前の二人を知ってたら、そりゃつらいよ。しかも、原因が自分だったりしたらねえ。
出来れば、なんとかならんかねえ、と思いますよ、うん。


放課後の魔術師 2.シャットダウン・クライシス4   

放課後の魔術師  (2)シャットダウン・クライシス (角川スニーカー文庫)

【放課後の魔術師 2.シャットダウン・クライシス】 土屋つかさ/ふゆの春秋 スニーカー文庫

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手に取った時は、えらい本の厚さが薄っぺらく感じで、おいおいと思ったんだけど、読み終えたときには薄いという印象はさっぱりなくって、けっこう驚いた。思っていた以上に、中身に没頭していたみたい。第一巻でもかなり絶賛したつもりだけど、これは思いのほかこの作品に嵌まりつつあるということだろうか。
同い年なのに、教師生徒の関係、というのは今までにない絶妙な距離感が合って、好きだなあ、これ。プライベートでも魔術の教師と生徒なわけだし、精神的にも安芸は大人だから、アグレッシブな遥もきちんと目上の人に対する丁寧な接し方をしてるんだけど、相手が同い年だからという点は気安さや積極的な押しの強さを自身に容認することにもつながってるので、これが絶妙なんですよね。
奔放に見えてこれで遥って結構きっちりとした性格だから、安芸が本当に年上の教師だったら、もっとちゃんと生徒と教師という線引きをしてるように思えるんですよね。妹と二人で生きてきたことから、大人に対して変に甘えない自律した面もあることだし。立場としては目上で、でも年齢は同じ、という他なら多少接し方に違和感や歪みが生じるような関係なんだろうけど、この二人には逆にしっくりと行くものだったのかもしれない。

それにしても、相変わらず安芸の授業は凄いなあ。テストなんかしなくても先生は生徒の実力はわかってる、というのはそんな優秀な教師はそんなにいないよ、とも思うんだけど、彼の授業法にしてもテストのやり方にしても、変に突飛ではなくなまじ本当に効果的そうで面白そうで、その、困る。
英語の授業なんか特に苦手だった自分なんかからすると、あのテストは心理的に厳しいんだよなあ。変に誤魔化すこともできないだろうし、クラスメイトの前で喋ることになるんだから、実際やらされるとなると参るだろうなあ。対策も立てようがないし、自分の実力で頑張るしかない。
大変だし、多分受験なんかに即効性のある効果があるかはわからんけど、英語をしゃべれるようになる、という意味ではこの人の授業は本当に効果ありそう。

今回は、本格的にシリーズ化、ということで大量に伏線をばらまくことに終始していたのかも、と読後に振り返って思い至る。
でも、予想以上にてきぱきと伏せていた秘密を開示してこられたのには、少々驚いたかも。特に、ジェシカのモデルになった伊予なんかは引っ張ろうと思ったら、安芸の過去の影としてもっと引っ張れただろうに。それを、こうも明快に登場させるというところに、作者のこの作品に込めた方向性を明確に感じさせられて、なかなか好印象。なるほど、安芸と遥の関係こそが、この作品の最大の見せ場であり重要な根幹であるということですね。それも、陰湿に重たくするでなく、快濶にぐいぐいとパワフルにまい進する類いの。
それでいて、<鴉>だけではなく論理魔術師一党の中でも勢力争いはあるという展開を提示することで、単純な敵味方の対立構図ではない、様々な意図が絡まりあった暗闘の要素も垣間見えてきて、先の顛末が実に楽しみ。
これは、これからどんどんおもしろさの上昇カーブを描いていきそう。最初に感じた期待感は、どうやら間違っていなかった様子。
2009の注目作品。

放課後の魔術師(メイガス) 1.オーバーライト・ラヴ4   

放課後の魔術師  (1)オーバーライト・ラヴ (角川スニーカー文庫 208-1)

【放課後の魔術師 1.オーバーライト・ラヴ】 土屋つかさ/ふゆの春秋 角川スニーカー文庫

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ビビッときた、ビビっときましたよ。これは面白かった。さらに言うなら、この作者は書けば書くほど面白くなると感じましたね。作品としての完成度の高さも去ることながら、まだまだ広さと奥行きを感じさせるモノカキとしての基礎部分の大きさ、ポンテンシャルを秘めてる感じ。
スニーカー大賞の奨励賞か。これは投稿作品を手直ししたのかな。文章の雰囲気も、良きスニーカーの系譜のイメージ。これは後々、スニーカーの中核を担う存在になってくれればいいのだけれど。

特に好きなのはやはりヒロインか。知性的で冷静沈着、論理的に物事を進めるタイプの主人公を引っかき回す存在なのだけれど、人格的にはむしろまともで優等生。律儀で一本芯の通ったきっちりものであり、自分が動転してたり感情が乱れているのを、客観的に認識できるタイプ。
破綻した人格で主人公を振り回すタイプではなく、その躍動感漲る行動力で、主人公の思惑を突きぬけて、引っ張るスタイルか。その行動も決して強引だったり強制的なものではなく、ある種の正統性に基づいてのものであり、また虚を突くようなユーモアというべきかなんというべきか、いい意味で意に添わずとも思わず苦笑を浮かべて許してしまうような洒落た行動で主人公を促すので、引っかき回すといっても決して不快でないどころか、気持ちがいい。
どこか論理(ロジック)と前提条件にとらわれがちな主人公を、ドンと押す形になり、快である。

主人公は主人公で理に基づいて動く人ではあるけれど、決して頭が固かったり融通のきかない人ではない。むしろ、柔軟で多少思惑を外れても受け入れる余裕のある人でもある。年齢は17歳だけど、ヒロインたちが感じているように精神的には大変大人な人物。姉がえらく公的にも私的にも迷惑な人なので、その辺からの達観か。
ただ微妙な女心には完全に疎いタイプ。普通、まったくの他人とはいえ年頃の女の子の前で平然とああいう事をしてしまうというのは、いささか問題であろうw
恋愛ごとや女心など眼中にない、と言ってもいいのかも。敵として登場するイドとの因縁からして、どうやら過去に何らかの人間関係での破綻、もしくは悲劇があったようだし、女性に対しては一途な人物なのかもしれない。ヒロインが主人公に徐々に抱きだす恋愛感情のふつふつと生まれていく過程は、なかなか繊細かつ大胆で物凄い好みなんだけど、けっこう前途多難なのかも。

妹の存在は、あれは今後は鬼札となっていくのか。人前に出られない、というのは気軽に前線に出られないファクターとして有効に機能する設定だし、もしかしたら能力的には飛びぬけて優秀なのかも。
ここぞという時に、出番がありそうで、なかなか楽しみ。かなりのシスコンだしw

ともあれ、非常に面白かった。さらなる飛躍も期待できそうで、今後が楽しみな新人さんの登場でした。
 
12月6日

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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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