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境域のアルスマグナ

境域のアルスマグナ 3.紅蓮の王と幽明境の君 ★★★★   

境域のアルスマグナ3 紅蓮の王と幽明境の君 (MF文庫J)

【境域のアルスマグナ 3.紅蓮の王と幽明境の君】 絵戸太郎/パルプピロシ MF文庫J

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混沌と騒乱を愛する、無貌の影――《幽明境の君》ダビド・パピヤス。

《継ぎ接ぎ公爵》レオ・フランケンシュタインを退けた怜生。それを期に連盟は、妖精人の国を建立する計画を本格始動させる。一方〈青の医術師団〉が世界的な糾弾の対象となり、その騒動を衝いて人造人間(ホムンクルス)の少女たちが脱走を果たす。彼女たち、イロハ、ニイナ、サクヤは自分たちの夢を叶えるため〈緋の龍王〉に戦いを挑むのだが――。さらに、既にこの世に存在しないはずの人物までもが、怜生の前に姿を現す。誰もが夢を憧れを願いを抱き相対する黄金巨樹の上、怜生と花蓮は理想郷に至るのか!? 超絶過激な魔王の狂宴、再び誓いの言葉を交わす第三幕!
ああ、3巻で終了かー。近年の新人さんの中では屈指の歯応えのある作品だったんだけれどなあ。自分的にはドストライクだったのですが。登場人物を大量に投入しすぎた、というのをあとがきでも書いてらっしゃいましたけれど、正直持て余している風でもありませんでしたし、今回話しを畳まないといけないということで出番が齧られた人たちもいましたけれど、長期シリーズへの流れに乗れていたならこの登場人物の多さがむしろ強力な武器として機能したんじゃないだろうか、と思えるほどにはキャラ立ち良く出来てましたもんねえ。特に、男の親友二人は白眉でした。このラストでも縦横無尽に活躍してくれましたし、特にここから伸びるキャラだったんだけれどなあ、と惜しむ気持ちが滾々と湧き上がるばかりです。
ただ、物語をたたむにおいても急展開だったり性急にバタバタと話を前倒ししていくような感じでもなく、しっかりこの「境域のアルスマグナ」という物語のクライマックスを立ち上げてるんですよね。しかも、キレイに小さくまとめているわけでもありませんし、途中でばっさり戦いはこれからだ、とやっちゃっているわけでもなく、もしこのシリーズが長く続いても大まかなラストの流れはこれだったんだろうなあ、という貫禄含みの完結編だったのは結構脱帽ものだったんですよね。これなら完結であっても打ち切りとは感じないんじゃないだろうか、と思うくらいに。
境域のアルスマグナというタイトルを大いに意義に感じる展開でもありましたし、最初からラストはこんな感じ、というビジョンがあったんだろうなあ。怜生も、王として見事に立志してみせましたい、一介の主人公としても多くの配下を従える王としても、痛快極まる威風でしたし。王として何を成し遂げるのか、世界に何を刻みつけるのか、という答えもこれ以上無い形で具体的に示してくれましたし、主人公としてやるべきことは全部やり遂げてるんですよね。
もっとやりたいこと描きたい話、キャラたちのあれこれはあったんでしょうけれど、やるべきことはちゃんと全部やってみせた、という意味ではよくぞ3巻だけで、と感嘆するばかりでしたし、意地と構成力展開力というのを見せられた感じです。
いやあ、あの怜生の狂気を内包したキャラといい、周りの人たち、あの姪っ子ちゃんたち含めていい具合にキレているのといい、凄い好みだっただけに、やっぱりもっともっと読みたかったシリーズでした。
次にはぜひ二桁巻数目指して欲しいです。ほんとに。

1巻 2巻感想

2017年8月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:68冊 うち漫画:37冊


今月はすげえ読んだぜー、という実感に浸っていたのだけれど、こうしてみると内実は漫画が半数を超えていたようで、そうかー、そうかー……。
ただ、久々に一日一冊ペースは保てたようで、8月は仕事も忙しくて結構クタクタだったわりには読めたなー、と小さな満足感はあったり。でもその分、9月は初動に失敗してるのですけれど。
8月はなにはともあれ、オール・ユー・ニード・イズ・吉良である。ウェブ版もあるので、そちらを読んでもらえると加筆修正版も自然と読みたくなるという寸法。



★★★★★(五ツ星) 1冊

オール・ユー・ニード・イズ・吉良〜死に戻りの忠臣蔵〜】 左高例 

【オール・ユー・ニード・イズ・吉良〜死に戻りの忠臣蔵〜】 左高例 

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これ、何度読んでも面白いんだよなあ。【異世界から帰ったら江戸なのである】シリーズの左高例氏が小説家になろうで発表した短編小説を、十万字という膨大な加筆とともに自主出版でKindleから出された奇譚・忠臣蔵。日本人にとって最も著名な敵役であろう吉良上野介を、恐らくもっとも魅力的に、ずっぽり感情移入してしまうほど人らしく描いた、稀代のコメディにしてパロディにして手に汗握る生存の、闘争の物語である。
吉良お爺ちゃんが征く!!


★★★★☆彡(四ツ星Dash) 2冊

境域のアルスマグナ 2.盾の死神と博士の絡新婦】 絵戸太郎/パルプピロシ MF文庫J
幻獣調査員 2】 綾里けいし/lack ファミ通文庫

【境域のアルスマグナ 2.盾の死神と博士の絡新婦】 絵戸太郎/パルプピロシ MF文庫J

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これはとびっきりの新人作品だ、と驚愕させられた一巻から、さらにスケールアップして度肝を抜かれ第二巻。
主人公とヒロインの、たった二人の物語だったものが、この一作で一気に王とその下に集う同志であり仲間であり友であり家族であるモノたちとの物語になって、ガガガガン!とでっかくなったですよね。ここからさらにトビッキリの、レーベルを代表する作品になるに違いない、と思ったですが……。

【幻獣調査員 2】 綾里けいし/lack ファミ通文庫

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美しくも残酷な、夢のようで居て現実的な幻想譚。しかし、聖女のようなフェリとその愛する闇の王と小さな騎士が紡ごうとするそれは、理想を諦めない手繰り寄せる物語群なのである。
元々幻想的な物語を描く作家さんではありましたけれど、本作はその中でも一際清廉で愛しく感じ入る作品になってるなあ。


★★★★(四ツ星) 11冊

桜色のレプリカ 2】 翅田大介/町村こもり HJ文庫
この素晴らしい世界に祝福を! 12.女騎士のララバイ】 暁なつめ/三嶋くろね 角川スニーカー文庫
キラプリおじさんと幼女先輩】 岩沢藍/ MikaPikazo  電撃文庫
妹さえいればいい。5】 平坂読/カントク ガガガ文庫
クロニクル・レギオン 6.覇権のゆくえ】  丈月城/BUNBUN  ダッシュエックス文庫
世界最強の人見知りと魔物が消えそうな黄昏迷宮 2.冒険者のお仕事も色々です】 葉村哲/鳴瀬ひろふみ MF文庫J
友人キャラは大変ですか? 3】 伊達康/紅緒 ガガガ文庫
異世界修学旅行 6】 岡本タクヤ/しらび ガガガ文庫
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.14】 聴猫芝居/Hisasi 電撃文庫
始まりの魔法使い 1.名前の時代】 石之宮カント/ファルまろ 富士見ファンタジア文庫
なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 旦那様の専属お菓子係、はじめました。】 汐邑雛/武村ゆみこ ビーズログ文庫

【桜色のレプリカ 2】 翅田大介/町村こもり HJ文庫

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【この素晴らしい世界に祝福を! 12.女騎士のララバイ】 暁なつめ/三嶋くろね 角川スニーカー文庫

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【キラプリおじさんと幼女先輩】 岩沢藍/ MikaPikazo  電撃文庫

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【妹さえいればいい。5】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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【クロニクル・レギオン 6.覇権のゆくえ】  丈月城/BUNBUN  ダッシュエックス文庫

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【世界最強の人見知りと魔物が消えそうな黄昏迷宮 2.冒険者のお仕事も色々です】 葉村哲/鳴瀬ひろふみ MF文庫J

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【友人キャラは大変ですか? 3】 伊達康/紅緒 ガガガ文庫

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【異世界修学旅行 6】 岡本タクヤ/しらび ガガガ文庫

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【ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.14】 聴猫芝居/Hisasi 電撃文庫

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【始まりの魔法使い 1.名前の時代】 石之宮カント/ファルまろ 富士見ファンタジア文庫

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【なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 旦那様の専属お菓子係、はじめました。】 汐邑雛/武村ゆみこ ビーズログ文庫

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今月のピックアップ・キャラクター

百合原ハルカ (桜色のレプリカ)
ララティーナ (この素晴らしい世界に祝福を!)
吉良上野介義央 (オール・ユー・ニード・イズ・吉良)
フェリ (幻獣調査員)
衛青 (クロニクル・レギオン)
ティムル (世界最強の人見知りと魔物が消えそうな黄昏迷宮)
ドール (世界最強の人見知りと魔物が消えそうな黄昏迷宮)
アルリアナ (世界最強の人見知りと魔物が消えそうな黄昏迷宮)
魅怨 (友人キャラは大変ですか?)
プリシラ (異世界修学旅行)
秋山奈々子 (ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?)
アルティリエ (なんちゃってシンデレラ)




以下に、読書メーター読録と一言感想。
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境域のアルスマグナ 2.盾の死神と博士の絡新婦 ★★★★☆  

境域のアルスマグナ2 盾の死神と博士の絡新婦 (MF文庫J)

【境域のアルスマグナ 2.盾の死神と博士の絡新婦】 絵戸太郎/パルプピロシ MF文庫J

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それは一つの可能性。道を踏み外したもう一人の「レオ」。

<水葬の王>鳴海滝徳と乙姫に勝利し、<王>としての第一歩を踏み出した怜生。
多忙な日々を送る彼の元に、一文字卿から送り込まれた護衛は、この世で最も嫌いな女性――武芸の師、切花白羽だった。
彼女に常時護衛されながら、編入した神霊学部で<王>としての基礎を学び、学友達と過ごし、束の間の安息を満喫する怜生。
しかし、敵は既に背後に迫っていた。偶然か運命か、敵も医療魔術師。そして……
「私の名はレオ――レオ・フランケンシュタインだ」
最強・最速・極悪の三拍子揃った凄絶過激な魔王の狂宴、恐怖と悲哀が綴る第二幕。
輝く覇道を歩む者と、悪辣な外道を強いられた者。二人の「レオ」が激突する――!
ふっ、ふははは、これはすげえ。これはヤベえ。これは本物だわ。デビュー作である第一巻もわりと絶賛しつつもまだ荒削りな部分が見え隠れしてただけに、二巻の出来栄えには大きな関心を寄せていたのだけれど、いやビックリした。あそこから完全にパワーアップしてる。スケールアップしている。バージョンアップしている。基礎工事の上からさらに巨大な基礎工事やった上でタワーマンションが建設され始めたのを目の当たりにしているかのようである。
これ、間違いなくレーベルの一線級。昨今の新人の中でも図抜けて一押しできますわ、これ。
第一巻が怜生がこれまでの人生を覆して、王としてこの世に事を成すことを覚悟を決する彼と伴侶である花蓮の物語だとするならば、この二巻は怜生を王として担ぐ、臣下であり仲間であり親友であり家族となる、その生涯をともに駆け抜けるであろう同胞が集う物語でありました。王は一人で王足り得ず。それを怜生も花蓮も痛感するエピソードであり、そんな彼らを勇んで支えることを選ぶことになる友との出会いの、家族との再会の物語であり、彼らの王であることを選択した、彼の王の臣下たるを選んだ、身命を賭して共に征くことを臨んだ選択の物語でありました。
場合によっちゃあもっとスケールの小さい、怜生と花蓮の小さな輪っかに多少のヒロインが加わって、話のたびにゲストが現れるみたいなこじんまりとした物語になるのかとも思ってたですが、どうしてどうして。こうも一気に怜生を王として頂点とした「緋の龍王」の結社が誕生するとは思わなかった。組織的にも少数の小さなグループじゃなく、実家の傭兵結社である鬼神会を中心に切花の一部にエドァルドの一族も加わるわけで、新興結社としても決して非力ではない組織力となってるんですよね。
それ以上に、幹部級の結束が素晴らしい。元々養子とはいえ家族だった鬼柳家にも冒頭できっちりケジメつけて傘下に加えたのは元より、旧知であった白羽と学友として知り合うことになるエドァルドと武藤くん。今回初登場にも関わらず、ここまでしっかりと熱い関係を育んでくれるとは。彼らの性格と背景がしっかり描かれていたせいか、出会って間もないにも関わらず友達としての関係は元より、ここぞという時に手助けなんて軽い決断ではなく、自分たちがこれまで背負ってきたものも含めて全賭けして、怜生の理想に、彼の王道に付き従う、いや花蓮と二人だけで行こうとする怜生の首根っこ捕まえて、水臭えぞこの野郎とばかりに臣下の盟に加わるその心意気。いやあもう、燃えた萌えた。
白羽先輩にしても、彼女が抱えていた致命的な欠点であり弱点をこの一連の戦いの中で浮き彫りにされ突きつけられ痛感して壊れかけたさなかで、それでも這い上がり自らを叩き直して生まれ変わったような革新を持ってしてまで、随身してくるこの守り刀の面目躍如のような活躍。
当番回みたいな概念なく、前回からの登場人物、今回初登場のキャラ関係なく、全押しでどのキャラクターにも厚みと魅力を添えてくれた上で大いに躍動させてくれたわけで、そりゃあ面白いし盛り上がるよ。もうどこを見ても、どの場面でも魅力的なキャラがわらわらと盛大に自律して動き回り、魂からの発露を叫びまわってるんだから、お祭り騒ぎもいいところだ。
その中にはちゃんと今回の敵キャラも含まれていて、レオとフロレンスのコンビもまた実に魅力的な敵役として振る舞ってくれているんですよね。図らずも怜生と似た理想のもとに世界を飛び回った挙句に悲劇を経て大いに道を踏み外した怜生の零落版であると同時に、お互いへの愛の証明のためにわかっていながら外道を歩む悲恋譚の主役カップルでもあるわけで。
やっぱり自分は敵役が小物とか小悪党とかよりも、こうした魅力的な人物の方がぴょんぴょん盛り上がるんですわ。
愛情というと、花蓮のわりとぶっ壊れたそれもインパクトあるんですけれど、それ以上に姪っ子コンビの燐と燦の形にこだわらない、家族愛でも異性愛でも支配する愛でも支配される愛でも形式なんてどうでもいい、家族でも恋人でも主従でも構わない、関係性などにとらわれない獣のような無軌道で奔放で自由で、しかし寵愛……愛してくれるなら、恩寵……見返りがあるのなら、それで構わない、ある種一途な愛の形もまた、盛大にぶっ壊れていて、これもいいんだよなあ。
白羽先輩も、あれ結構あからさまに下心見せてたりしますしねえ。警護役として職務に忠実であり忠誠の塊みたいな堅物と見せかけておいて、中身はしたたかに女してるの、かなり好みです。
いやもう面白かった、素晴らしかった。一巻読んでの期待値を遥かに上回る一品を仕上げてきてくれました。
Marvelousです!!

1巻感想

境域のアルスマグナ 緋の龍王と恋する蛇女神 ★★★★   

境域のアルスマグナ 緋の龍王と恋する蛇女神 (MF文庫J)

【境域のアルスマグナ 緋の龍王と恋する蛇女神】 絵戸太郎/パルプピロシ MF文庫J

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鬼柳怜生・享年17歳。彼の生涯は双子の姪をかばって儚く幕を閉じた…はずだった。何故か生き返った怜生の前には、長い紅髪に豊かな胸の、見目麗しい蛇女…蛇女!?さらに、彼女は怜生の「妻」を名乗り、彼は「神霊と結ばれ、世に新たな魔法技術を生み出す“王”になったのだ」と告げられる。司るは―無から有を生み出し、死者蘇生すら可能な「命」の魔法則。かくして、世界を一変させる力を手に入れた少年の、全世界と数多の“王”を相手にした覇道が幕を開ける!第12回MF文庫Jライトノベル新人賞・最優秀賞受賞作。最強・最速・極悪の三拍子揃った凄絶過激な魔王の狂宴、堂々開幕!
いいねぇ、いいねえ、実に頭がおかしい。普段の平凡さの中に埋没していた精神の怪物性。それは眠っていたわけでも封印されていたわけでもなく、単に表に出る機会がなかった、というべきか。覚醒という形ではなく、場の状況に応じて自然と浮き彫りになる形で彼の異常さ、怪物的な精神回路は表へと露呈していく。
ただ、彼がそのまま平凡な魔術師としての人生を送っていたら、彼の異常性が発露しなかったか、というとどうなんだろう。怜生がこの事件を通じて怪物になってしまった、というのならともかく、実際は元々それを内在させていた以上、どこかでそれは露呈していたんだろう。あの姪っ子ちゃんたちのことを鑑みても、既に影響は出ていたわけですしね。それに、花蓮に関してだって初めて出会ったわけじゃなく、生まれてこの方ずっと側にいたわけですから、いずれはどうにかこうにかなっていたはず。
それでも、この事態が急転し続けていく中で、ぞわりぞわりと普通に見えた主人公の中から鎌首をもたげてくる異常性、怪物性の薄ら寒さにはゾクゾクさせられました。本作って、改めて振り返ってみると誰ひとりとしてマトモというか、平凡なメンタリティを持つ人間っていないんですよね。どこかしら、何かを踏み外し、或いは踏みにじり、盛大に破綻している。まさに正しく、人の道から外れた魔術師たちの饗宴たるを体現しているのですが、それ故にその中ですら際立つ主人公のイカレ具合というものは、火花飛び散らせながらのたうち回る切れた電線みたいなもので、目が離せないし目を離すとどうなるかわからない危うさの塊で固唾を呑んでしまうのである。
その上で、近寄りがたい危うさではなく、思わず引き込まれそうな「それ」なんですよね。その夢に、その野心に、その在り方に多士済済を引き寄せ引き連れ引きずり回す、王足るの存在感。
この手の王様タイプの主人公って、単に仲間が一杯味方してくれる云々とは少し違うんですよね。その在り方に、ついていく人たちが己の人生を掛けて寄り添い、王はそれをすべて背負った上で描いた夢に皆を連れて行かなくてはならない。世界に強いなければならない。
なるほど、だから敵は悪ではなく、同じ王なのか。だったら、行われるのは戦争だ。王として譲れぬもの同士を賭けた、正義も悪も関係ない、己の夢と野望を世界に顕現させるための戦いだ。
その為に王同士は絶対に相容れないし、その為なら幾らでも妥協し合える。実にグロテスクで健全だ。そして、面白い。面白い。
なるほど、これは大賞だわ。ストーリーも世界観もキャラクターも、文章のテンポも豪壮と言っていい大きな作品らしい雰囲気があるのよね。勢いだけじゃあないよこれ。
この調子で書き続けられるのなら、本作が続くにしても別の作品を書くにしても間違いなくレーベルの最前線で戦い続けられる実力のある作家さんだわ。だからこそ、二巻の出来栄えには是非に期待させていただきたいところである。

 
12月3日

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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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