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天之有

リーングラードの学び舎より 3  ★★★  

リーングラードの学び舎より 3 (オーバーラップ文庫)

【リーングラードの学び舎より 3】 いえこけい/天之有 オーバーラップ文庫

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Kindle B☆W
「教師らしく帝国相手に教鞭を振るってきます。全力で物理的な方向に」
前代未聞の計画「義務教育」を進めるリーングラード学園では今日もトラブルが続いていた。
資金不足、外部からの妨害、生徒たちの思わぬ行動などに振り回される教師ヨシュアンだったが、忍び込んでいた密偵の殺害という事件が起こり、学園を不穏な空気が包んでいた。
元凶の排除に動いていたヨシュアンだったが、解決の前に生徒の一人、マッフルが、学園外部からの策略に巻き込まれてしまう。
マッフルを救うため、王国最強の術式師【輝く青銅】がその真価を発揮する!
新米教師と生徒たちが紡ぐ異世界の学園物語、三時間目は隣国に殴りこみ! ?
ああ、これ表紙の女剣士はオルナで良かったのか。わりと真面目に誰だろうなあ、と悩んでしまった。なにしろ、表紙に該当するキャラがなかなか出てこないものですから。2巻では外伝の主人公も担ってましたし、わざわざ表紙を飾るくらいだから重要人物というかヒロイン枠? なのかもしれませんけれど、話に絡んできませんねえ。
帝国に乗り込むことでようやく接点が生まれた、というところですし。
しかし、ヨシュアンも大見得きって帝国に単身乗り込んだわりに、えらい苦戦してるじゃないですか。タクティクスブロンドの恐ろしさを思い出させてあげましょう、みたいな事を言ってたわりにあれだけ絶体絶命に陥ってしまうのは、あんまり格好良くないですよ、先生!?
自信があるから単騎独行なんて無茶をしたのかと思ったのに、あれだけギリギリだと無謀もイイトコロだったじゃないですか。よっぽど頭に血が上っていたんでしょうか。結構、短気だしなあ、この先生。
目論見が甘い、という側面は教育の方でも今回目についたところで。教育を与える、ということは力を与えることそのものだということを、この人はちゃんと認識できていなかったのか、覚悟出来ていなかったのか。頭ではわかっていても、それが実際ナニをもたらすのかを実感できていなかったのか。
戦時の経験から凄まじい人間不信と戦いに関連するもの全てに嫌悪を通り越した憎悪を抱いている先生ですけれど、危険なもの戦いに通じるものすべてから遠ざけようとするなら、それこそ無知でなにも出来ない状態に閉じ込めるしかないんですよね。それは、すべての人に平等に教育を与えようという義務教育計画とは真反対の考えであり、人間をなにも出来ない家畜に陥れる所業なんですよね。
もちろん、それを理解できるからこそ、先生は自分の抱いていた傲慢さにダメージを食らってしまうのですが。
過激さは、中庸を遠ざける。教師として、生徒が間違った道に進むのは止めなければならないけれど、自分が正しいと思って進めてきた道が、思わぬところで自分が憎んですら居た道と交わっていることに気づいた時の混乱、動揺の果てに、自分がひどく一面的に物事を見ていたことを自覚する。
自分の生き様を見つめなおす機会をこんな風に与えられる、というのも人に教える側の特権なのかもしれません。まあ、自分の価値観を押し付けるだけで疑いもしない人の方が大半なのですけれど。
当事者の生徒からすると、先生から教えられたことを忠実に考え方の中枢に置いて頑張っただけなんですよね。でも、見えた景色は先生と生徒の間では全然違う。それは、これまで経験してきた時間の違いとも言えるんだけれど、この教育の現場は苦労しながらその差異のすり合わせをやろうとしているところが、健全で好ましいと思うんですよね。
それこそが、一番の革新なのかもしれないけれど。
教育の内容ではなく、教育のやり方こそが要である義務教育計画。それを、わんさかと集まってきている密偵たちが、どこまで理解できるのか。これ、傍から探っているだけじゃあなかなか実感の伴わないものでしょうし。
だからこそ、考えなしに藪をつついて蛇を出すバカも出てきてしまうのでしょうけれど。
でも、突かれてヤブから出てきた蛇の方も、わりと考えなしだった気もするので、トントンなのかしら、これ。

シリーズ感想

リーングラードの学び舎より 2 4   

リーングラードの学び舎より 2 (オーバーラップ文庫)

【リーングラードの学び舎より 2】 いえこけい/天之有 オーバーラップ文庫

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「節制?」「はい。掲示板に節制の協力を求める告知がありました」
前代未聞の計画「義務教育」を進めるリーングラード学園で、意外な問題が浮上した。
それはまさかの『予算不足』。
外部との取引に何者かの妨害工作が行われ、このままでは学園の経営も危ぶまれる事態に。
ヨシュアンは自分の生徒たちが独自に金儲けを企み始めるのを的確にオシオキしつつ、学園全体を巻き込んで対策を検討し始める。
それは「生徒たちの自主性も活かしつつ、学園の経済活動を活発化させる」という秘策で――!?
破天荒な教師と生徒たちがファンタジー学園物語、二時間目の授業スタート!

うむむ、思わず唸ってしまった。思っていたよりも遥かに真剣に「教育」という主題に向き合ってる作品だったんですねえ、これ。資金不足とか貴族勢力の横槍とか主人公の過去、という普通は本題になりそうなものこそお囃子であって、あくまで「義務教育」という未知の概念を叩き上げていくと同時に、主人公も教師とは何なのか、生徒にものを教えるということはどういうことなのか、というのを実地で学んでいく話でもあるわけか。一巻よりもさらに「教育」がテーマとなるエピソードが掘り下げられていっているような感がある。これは、ヨシュアンが本気で教師という生業に取り組みだしたからか。一巻では自分なりのやり方でグイグイと突き進んでいたものの、本気で教師として教育に取り組みだすと所々でつまづきが生じだしてしまうわけである。
これ、わかりやすい失敗、とかではないんですね。どれも、気にせずに無視すれば、そのまま進めてしまうような事なんでしょう。でも、生徒たちをどう成長させていくか、に真剣に向き合った時に蔑ろにしてはいけない大事な部分でもあったわけです。同僚の先生とのディスカッションで送られたアドバイスは、なかなか耳に痛いものが多く、読んでいるこっちもなるほどなあ、と頷いたり首を傾げたり。
でも、生徒ひとりひとりどう考え、どう受け止めて、どんな事を思い描いているのかを、きちんと観察し解釈しどう導いてあげるのか。果たして、本職の教師のどれほどがこれほど生徒個人個人に取り組めているのか。先生の生徒の受け持ち人数、少人数が良いというのはこういうのを見る限り、大いに納得できるんですけどね。
自分の知っている何かを教えるのは、簡単……とはイカないか。それはそれでスキルや何やが必要で難しいことなんだろうけれど、まっさらな白紙の状態である子供たちに施す「義務教育」で求められているものは、きっともっと違うものなんだろうね。教えるだけじゃなくて、一緒に考える、一緒に探す。決められた答えなんかなくて、一人ひとり違う過程をたどり、違う答えへと続いている。それをいちいち見つけ出すのは、どれほど大変なことか想像もつかないけれど、彼らがやろうとしていることはそういうことだ。
教師たちが迷い、頭を悩ませ、失敗を反省し、手探りでより良き在り方を探り出そうとしている。この二巻は生徒じゃなくて、先生たちのお話で、それが何ともむしゃぶりつきたくなるくらい面白かった。なかなか、先生サイドのこういうアプローチはないですからねえ。年齢的にも先生たちに共感しちゃうなあ。

1巻感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です!4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です! (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です!】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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“人類最終試練”の魔王アジ=ダカーハとの死闘から三か月―。ようやく落ち着きをみせた箱庭で、十六夜たちは新たなギフトゲームに挑む。でも順調に勝ち進んでいく十六夜に異変が起きて!?一方、その裏では、箱庭全土を巻き込む一大プロジェクトが進んでいた。仲間たちにも転機が訪れるなか、十六夜、飛鳥、耀の下す決断とは!?そして、ついに地上へと降臨した“ある人物”の正体とは!?―いま、究極の進路相談が始まります!!異世界バトル第1部完結。

ヤバいなあ、やっぱり自分、この多積層次元構造な世界観、大好物なんですよね。スケールが大きい、という表現だとどうしても三次元レベルにとどまってしまう。この他に類を見ない時間と空間が見事に偏在している世界観をなんと言ったらいいものか。神話から科学的概念に至るまで、独自解釈によって再構成して、フォーマットこそ既存のものを踏襲しながら、それを読み解く読解ルールをほぼ刷新して新しい世界にしてしまってるんですよね。そのあたりをこれでもかと語り尽くしたのが、この第一部のエピローグであり第二部のプロローグなわけだ。
箱庭の階層、三桁とか四桁とかの本当の意味合いや、人類最終試練と呼ばれるモノの存在意義、外界との関係、これに限らず各種設定や登場人物の行動原理なんか、この巻を読み込むとある程度一貫したルールみたいなものが見えてくると思うんですよね。これまでよく意味がわからなかった発言や行動、設定なんか、改めて読みなおしてみると見えてくるものがあるかもしれない。こうしてみると、決して無軌道じゃなくてちゃんと一貫した解釈とルールがあったんだなあ、というのがわかる……気がする。いや、実際これ難しいと思うんですけどね。
この世界観そのものが、ギフトゲームのようなものであり、その根底に明確な真意があってちゃんと紐解ける謎である、と解釈すればわかりやすいかも。それを読み解く材料は潤沢に供給されていて、この第一部完結編は、最初の答え合わせみたいなもの、と思えばいいか。
そして、登場人物たちにもはっきりと次のステージにあがるべく、次の段階に向かう為のステップが必要となったわけで、十六夜の場合は彼自身も知らぬ彼の正体に、その因果に足を取られていたところを寄ってたかって背中押されたことになるのかな、これは。半ば、自力だったような気もするけれど。
いずれにしろ、問題児たちは今までの自分に一つのケリをつけて、次の段階に向かいに至ったわけだ。あの三人組だけじゃなく、殿下たち魔王組もそうだし、ジン・ラッセルもそれっぽいけれど。ジンは、マジでペストとこれ、心中…というと言葉が過激になるけれど、彼女の為に太陽を落とす気マンマンになっているのが、ゾクゾクするねえ。個人的には、今回一番熱かったのは混世魔王その人でしたけれど。原典では雑魚魔王にすぎないというのに、こんなに熱い男になってるとはなあ。なんだかんだと、シスコンな気もするけれど。そして、この作品の斉天大聖って、斉天大聖史上最高のイケメンなんじゃないだろうか。暴走しかけた白夜叉を制止した時の侠気あふれたあのセリフといい、かっこ良すぎますよ、気持ちよすぎですよ。でも、こっちの悟空は女なのよねえw

虚を突かれたのは、フェイスレスの正体ですか。まさか、ここで正体が明らかになるとは思っていなかったので、不意打ちですよ。しかも、シンプルに神話体系の著名な英霊のたぐいかと思ってたら、完全に予想外の人品で。ってか、飛鳥の家って冗談抜きで皇室関係だったの!? 
十六夜が去ったあとの外界の彼の家族たちも、ここに至って深く関わってきているみたいだし。金糸雀があのホームに居たのも、全然偶然なんかじゃなかったわけか。重要なのは、十六夜だけじゃなかったのね。リンが殿下とつるんでいたのも、どうも平易な理由じゃなさそうだし、第二部スタートに対して全体に張り巡らされた謎もさらに一段深みを増してきた感がある。面白い。
第二部スタート、ガチで楽しみです、これは本当に楽しみ。どうはっちゃけるのか、うひゃひゃ。

シリーズ感想

リーングラードの学び舎より 1 3   

リーングラードの学び舎より 1 (オーバーラップ文庫)

【リーングラードの学び舎より 1】 いえこけい/天之有 オーバーラップ文庫

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「お前、教師になれ」
内乱から立ち直りつつあるリスリア王国で、ある1つのプロジェクトが始まった。
「義務教育推進計画」と名付けられたこの計画は、貴族も平民も同じ学び舎で教育を行うという、それまでの常識を覆すものだった。
かつて内乱に王国屈指の術式師として参戦していたヨシュアン・グラムは、王の勅命によって学園の教師に任命されてしまう。
しかも担当するクラスには貴族の娘から不思議系エルフ娘まで、個性的な5人の生徒が集まっていて――
WEB小説大賞「大賞」受賞の異世界ファンタジー教師物語、授業スタート!
あれ? けっこうこの本の書き方、主人公の丁寧語一人称って読みにくいって人多いのか。自分の場合、全然気にならなくて一般的に見て独特な書き方らしい、という事にすら気がついてもいなかったので、意外の念に打たれた。こういうケースは流石に珍しいけれど、人の感想というのは自分にはない視点というものを垣間見ることがあるので面白い。
なんて前振りをわざわざ意図して置いたわけじゃないんだけれど、この作品の基点となるのも自分の見ている世界以外の世界との接触、なのだろう。なにしろ、「義務教育推進計画」というプロジェクトからして手探り段階。まずは試行してみて不具合不都合なものを洗い出していく、という完全に試験目的のプロジェクトなわけだ。だから、選抜された生徒たちも身分から種族境遇まで多種多様、それを教える教師たちも様々な分野、組織から呼び出され、一応教育要項のようなものは準備されているものの、実地の教育現場で起こる出来事から手探りでより良き方法を見出していくために、教師同士のディスカッションも欠かさず、確立していない教育現場は教える側と教わる側のあるべき姿も確定していない為に、先生と生徒、生徒同士でも幾度も衝突が起こることになる。
自分の世界と自分以外の人間の世界との接触、違う価値観との触れ合いというものは、穏便ではじまるものである方が少ない。自分の世界に及んでくる影響は侵食であり、それに対して恐怖や違和感を感じて身構え警戒してしまう傾向があるのは自然なことなのだろう。
教育とは、ある意味共通の価値観や認識を共有させ、染め上げるものだと言っていい。しかし、ここに出てくる子供たちは、まっさらな無垢な状態ではなく、既にそれぞれの身の上から確固とした価値観を確立していると言っていい子たちだ。そして、彼らは学ぶ意欲は高くとも、教育を受けるという概念をまだ持ちえていない。そりゃあ揉める、簡単にはいかないはずだ。起こるのは、戦いである。
しかし、この主人公であるヨシュアン先生という青年は、暴威である。過去の内乱で振るったその力、というよりも確固とした意思は、そのまま教育の現場でも暴威として振るわれることになる。暴威というのは乱暴な言い方かもしれないけれど、この人は本当にブレがないというか恐れ知らずというか、手探りで進めているはずの現場を躊躇いもせずズンズンと突き進んでいく感じなんですよね。慇懃無礼が我が物顔で驀進していく。
しかし、同時に誰かにものを教えるということは教わるという事でもある、という金言を彼は身を持って体験していくものでもあるんですね。教育とは価値観を共有するようになるものであって、押し付けるものではない。彼もまた、生徒たちに教え、同僚の教師たちとディスカッションすることで、彼の中に確固として成立していた価値観や認識を徐々に変化させていくのである。元々の彼の世界を、学校の同僚や生徒たちは知らないし、読者もやっぱりわからないんだけれど、元からの知り合いであり外からの来訪者である人たちの驚きを抱いた台詞が、彼の変化を顕著に語っているのだから、教育の現場は彼にも大きな影響を与えていたのだろう。
それは試行錯誤と混乱の現場であり、曲折の坩堝であり、新しいものが次々と生み出されていく最先端なのだ。これが面白く無いわけがないだろう。
学校モノ、それも教育ものとして非常にアグレッシブで大胆で丁寧な、面白い物語だったように思う。
どうも、真ヒロインの登場は次回以降になるようだけれど、白衣萌えとしてはシャルティア先生が既に好し。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 撃て、星の光より速く!5   

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 撃て、星の光より速く! (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 撃て、星の光より速く!】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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「―さあ、最終考察を始めよう」
打倒魔王アジ=ダカーハに向けて最後の作戦を立てる“ノーネーム”。その戦いで一人、また一人と散っていく同士たち。激しさを増す戦いの中で暗躍を開始する“ウロボロス”。主催者たちは徐々に追い詰められながらも決死の作戦に出る。“ノーネーム”は、逆廻十六夜は果たして“人類最終試練”を打ち倒すことが出来るのか!?連盟旗編&アジ=ダカーハ編の最終戦、開幕!
まさに試練! それは災厄などではなく、人類に課せられた試練だった。その「人類最終試練(ラスト・エンブリオ)」の名は魔王「アジ=ダカーハ」。
おのが絶対悪と定義することで、逆説的に正義を証明する者。
――“我、絶対悪なり。故に、正義は汝に在り”――
踏み越えよ、我が屍の上こそ絶対正義である。

倒される役割として用意された魔王という存在、それを自ら背負ったアジ=ダカーハ魔王閣下については「暴虐の三頭龍」でも熱く語りましたけれど、この最終決戦での閣下の気高く誇り高い絶対悪としての御姿は熱いなんてもんじゃなかった。まさに無敵、木っ端を蹴散らすように蹂躙する存在だった登場時よりも、むしろ主人公サイドが万全に態勢を敷き、戦術を練り、考察を深め、必勝を以って撃って出てきたのを迎え撃ったこの時こそ、さらにその雄々しさを、圧倒的なまでの存在感を感じさせられたように思う。まさに、格が違う。その力を以って、智を以って、理性を以って、主催者たちの必勝の策を文字通り上から叩き潰し、捻り潰し、真っ向から受けて立った上で蹴散らしていく。
それは元から備わったスペックの差によって無機質に叩き潰していくのとは違うのです。主催者側も限界を突破し、閣下の想像を超える形で力を発揮していくのですが、それをねじ伏せるのはまさにアジ=ダカーハの力ではなく、意思の力、絶対悪の旗を背負った者の気概であり、誇りであり、悪神としての自負であり、滅び行く人類の為に涙した大切な人への想いそのもの。だからこそ、主催者たちの限界を突破した力を、さらに限界を突破し、進化し、上回ることで彼らに更なる試練を課していく。これほど、人類を苛烈に愛した魔王が居るだろうか。
クライマックスに至ってから、そうジャックとの戦いで神の許しを見せた瞬間から、彼が体現しようとしていたモノの真の姿を目の当たりにした瞬間から、こみ上げてくるものに耐え切れず、泣きっぱなしでした。
彼こそ真の神であり、魔王であり、漢でありました。読み終えたあとの、カラー口絵で描かれたその異貌の後ろ姿、その背に浮かんだ絶対悪の旗印に、芯から震えるばかりです。
魔王も、それに立ち向かう者たちも、残らず全力を出し尽くし、命を燃やし尽くした史上に燦然と輝く熱戦でした。飛鳥も、耀も、もう十六夜に頼りきらず、己の血と涙を振り絞って戦いました。ジャックは……今回のサブタイトルである「撃て、星の光よりも速く!」、これはジャックを指したタイトルだったんですね。
マンドラも、誰も彼も、命、燃やしすぎだよ。魂からの咆哮が轟き渡る、物凄い決戦でした。
だからこそ、ラストシーン。そのままアジ=ダカーハが思ったように、十六夜に与える展開でも良かったのに。無敵であるからこそ、恐怖と、それを乗り越える勇気を知らなかった十六夜が、ついにそれを手に入れる展開でも良かったのに……どうやら、物語は彼にそんな報奨も与えてくれない、過酷な展開を要求しているようだ。何が起こったのか、まだわからない。想像もつかない。だけれど、これだけはわかる。ここから十六夜の本当の試練がはじまるのだ。

今回読んでいて、思わず「うぇ!?」と声が漏れたのが、「殿下」の仲間であり頭脳担当とも言うべき役割を担っていた少女りんの、その本名が明らかにされたシーンである。
なぜその名を持っている娘が、ここに居る!?
厳密にはまだ彼女当人かは定かではないんだけれど。それに、殿下の仲間たちと十六夜って、まだ対面してなかったんだっけ。なんか、耀と飛鳥と十六夜の関連性も含めて、悪辣な何かが横たわってる気がする。
最大の試練だった魔王アジ=ダカーハ閣下こそ退けたものの、ジンとペストは未だ殿下たちに囚われたまま。サンドラも、混世魔王の支配下に。遊興屋という怪しい存在が暗躍し、自体は混迷を深めていく。次で第一部完となるそうだけれど、果たしてどういう展開が待っているのか。想像も付かないや。

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? そして、兎は煉獄へ4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?そして、兎は煉獄へ (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? そして、兎は煉獄へ】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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「お前が魔王か、アジ=ダカーハ―!!!」
最後の力を振り絞り“人類最終試練”の魔王アジ=ダカーハに挑む十六夜。しかし死力を尽くして放った拳は、思わぬ出来事に阻まれてしまい!?一方、耀とウィラは魔王マクスウェルの卑劣な手段によって追いつめられ、助けに駆けつけた飛鳥までもが戦い力を失ってしまう。ノーネームの仲間たちが絶体絶命の状況に陥る中、残された黒ウサギは仲間を庇うため煉獄にその身を投じて―!?
ふおーーっ、本編再開までだいぶ感覚があいたので、その間に熱も冷めてしまったんじゃないかと若干不安だったのですが、そんな懸念を吹き飛ばす、引き続きの爆盛り上がり!! クライマックス継続中!!
いやさ、この大ピンチに上層に行ってしまったとはいえ、白夜叉は何シてんだー!? とやきもきしてたら、ちゃんと白夜叉も上の方で帰ってこようとしてくれてたことが嬉しかった。ところが、救援にやってくるどころか、箱庭の上層では今回の危機を踏まえてえらいことになりかけてて、ただでさえお怒りの白夜叉様が大噴火。いや、ちょっと舐めてたわ、白夜王。その正体が「天動説」ということで時代遅れの存在かと思っていたけれど、ここでの説明が確かなら同じ太陽神格の中でも桁違いじゃないか。ってか、太陽主権の過半数を握ってるってだけで、その格も知れようってなもんだけれど。よくもこんなのが下層に、フロアマスターとはいえ存在してたもんだわ。
しかし、ほんとに話しのスケール感がパない、パないよ。時間軸が偏在しているせいか、もう過去も未来もある意味一括りで「人類史」として扱われているんだ。思ってた、箱庭と外界と天界の関係よりももっと複雑高次なんですよね、この作品の世界観……というか宇宙観。
そして満を持してか、まさかこっちにか、という斉天大聖孫悟空の登場である。あかん、惚れるわ。この姐さん、かっこ良すぎるわ。そりゃ、兄弟たちが仏門にとられたと今なお根に持ってるのがよく分かる。なんちゅう人誑し。ああいうセリフ、さらっと言えるとか、どんだけ格好いいんだよ。これは期待していた以上に良いキャラだわ。あまりに良すぎて、だからこそ下層じゃなくて白夜叉のサイドに出てきたんだろうけれど。

ラストエンブリオ。真悪アジ・ダカーハの強攻に十六夜はついに敗退。黒ウサギは耳を失い眷属としての力を失い、明日香や耀もまたマクスウェルの悪魔たちによって次々と倒されてしまう。ノーネーム壊滅!!
でも、それでも、膝屈するな、心を折るな、それでもなお、立ち上がれ。
逆襲編、である。
ちゃんとこのタイミングで助けが来るのは、やっぱり燃えるよ。もうね、なんでこの圧倒的なビジュアルをアニメで描けなかったのか。映像で魅せられなかったのか。この作品のどこまで目を凝らしても果てが見えそうにない、広くでかく大きく壮大で荘厳なビジュアル感を、どうしてアニメでは出せなかったのか今なお悔しい。
この第二章のスタートの光景は、ぜひ映像で見たかったよ。
そして、救援に訪れた人たちがまたほぼ現状におけるオールキャスト。混天大聖まで連れてくるとは、蛟の兄貴、ナイスナイス。
それでもなお、現状かき集められるだけの最強パーティーを集めてなお、アジ=ダカーハの強さたるは圧倒的で、さすがは魔王の中の魔王というべきか。やっぱり格が違いすぎる。この相手から一時でも逃れることが出来ただけでも御の字なのか。

さて、このタイミングで、と思う所なんだけれど、いやこのタイミングだからこそ、か。外界からクロアが戻るのに合わせて、かつてノーネームから旗と名前を奪った魔王、そしてかつてノーネームが名乗っていた名前が明らかになる。その誕生の由来も。
凄いわ。もうね、シリーズ始まった当初に思い描いた「魔王」とは、まったく発想が違っていて、同時にノーネームの原型も発足の端緒から目的の置き場所が普通のコミュニティと違っていたのね。ある意味、この魔王は絶対悪であり、倒されるべき悪であり、力によって君臨し対向するべき魔王アジ=ダカーハとは、根底から在り方が違うんですよね。ある意味、アジ=ダカーハは魔王と聴いて思い描く存在の在リようの極点そのものであり、こういう存在が黒うさのコミュニティをノーネームにしたんだと思っていたんだけれど、これって力でどうこう出来る相手じゃないですよね。凄いなあ、人類最終試練とか、白夜叉の正体である天動説なんかもそうだけれど、発想の立脚点が、どうしても物理で殴る系のそっちに流れてしまう一般的なそれと違っていて、ものすごいワクワクさせられる。
旧・ノーネームメンバーの幾人かの帰還に合わせて、これまで謎だった事実が明らかにされてきたのだけれど、今いるメンバーもまた本人たちのいざ知らぬところで謎だらけなんですよね。その中で、耀の素性についてはやや確信に迫ってきた感がある。
いずれにしても、仕切り直しで最難関の最終試練に再び挑む、箱庭の住人たち。フルメンバーのフルスロットルで送り届けられるであろう第一部の最終局面。今度は待たないでいいんですよね、今から滾って仕方ないんですけど!?

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! 箱庭の日常ですっ!4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  YES!  箱庭の日常ですっ!  (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! 箱庭の日常ですっ!】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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「逆廻十六夜、久遠飛鳥、春日部耀の三人が箱庭の世界に召喚されて数か月。魔王との戦いの裏で行われていたゲーム“黄金盤の謎を追え”“スティムパリデスの硬貨”“箱庭のとある日常”など書下ろしを含む、他二本の短編。さらに箱庭世界を紹介する舞台裏番外編“教えて!白夜叉先生!”の計六本を収録した豪華蔵出し本です!」って黒ウサギが説明している間に、問題児様方がまたいなくなりました…お馬鹿様方ああああッ!
十六夜がスヤスヤと眠る飛鳥と耀を膝枕して読書しているシーン、なんだかほんわかを通り越して感動に近い心のゆらぎを感じてしまいました。この三人、恋愛臭は全くと言っていいほどしないのに、本当に仲がいいんですよね。十六夜に対する飛鳥と耀の、寄りかかり切らないけれど絶大な信頼と、十六夜側からの飛鳥と耀への触れ合い方。この関係って、本当に素敵だなあと思うわけです。まだこの三人の間には、壁でも溝でもないけれど確実な隔たりというものがあり、飛鳥と耀はそれを埋めようと躍起になり、十六夜にとって二人はまだ守るべき対象から外れない、という事情はあるものの、今のところこの関係は歪みを得ているほどではないんですよね。特に、飛鳥と耀は負の感情なく非常に前向きにムキになってますし。

さて、アジ=ダカーハとの決戦真っ最中である本編は未だあがらず、どうやら若干スランプにかかっているようで心配なのですが、なんとか乗り越えて欲しいものです。若干の不満と心配を抱えて、短篇集かと思って読み始めた本作ですけれど、いやあ面白いですわ。この作品、長編短編激闘日常関係なく、素晴らしく面白いですわ。
玉に瑕なのは、わりと重要なキャラがいつの間にか登場していたりいなくなっていたりして、あれいつの間に、と驚かされる所なんですが、フェイスレスって本編の前に十六夜とこんなところで初接触、というかガチンコバトルを繰り広げてたのか。彼女については強者にも関わらず、あまりはっきりした戦闘シーンがなかったのでキャラクターや特徴が掴みづらいところがあったのですが、今回十六夜と本気でカチ合っていたのを通じて、ようやくだいたい把握が叶いました。思っていた以上に玄人筋の研鑽を積んだタイプの武人だったのか。この人も、十六夜と伍せる時点で凄まじい強キャラだわなあ。
そして、彼女の属するクイーン・ハロウィンの設定がまた面白いなあ。ケルト系でありながら太陽神としての設定をそう持ってきたのか。普通、あの有名なルーをこういう形で整えるケースはないですよ。箱庭ではそういう事になるんだ。白夜叉みたいな概念すらも一個の人格として活動している世界だと、神話の扱い方もこうも縦横に出来るんだなあ。巻末に書かれている解説もまた興味深い内容で、単なる単語辞典とは一線を画しているので、これは一読の価値あり。箱庭世界の縦深をひたと感じられるんじゃないだろうか。

次は本編、じっくり待ってますよ。

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  暴虐の三頭龍4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  暴虐の三頭龍 (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ?  暴虐の三頭龍】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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地獄の窯より現れた魔王アジ=ダカーハの攻撃から黒ウサギを庇い、致命傷を負った十六夜。ノーネームの仲間を逃がすため、命を賭け対峙したはずが、その圧倒的な力の差に距離を取ることさえ出来ない。さらには「ならば、こういう絶望はどうだ?」と、魔王は己を抉り、その血液で分身体を生み出し、飛鳥たちがいる“煌焔の都”へ追わせたのだ!アジ=ダカーハの攻撃で阿鼻叫喚の渦に巻かれた都で、耀と飛鳥の戦いの行方は―!?
か……かっくぇぇ。ちょっ、マジで痺れたんですけれど、アジ=ダカーハ先生の悪一文字宣言。いやあ、魔王アジ=ダカーハ、思っていたのと全然違った。この魔王、理不尽の体現者でありながら鮮烈なまでの秩序の導き手だ。その悪は暴であっても邪ではなく、いっそ清廉と呼んでもいいくらいの純粋な悪。

魔王とは、倒されるために用意された役割に過ぎない、という概念は昨今よく見かけるようになったもので、実際自分を倒されるべき魔王として規程して活動している魔王の人もチラホラと見受けられるのだけれど、そういう仕方なく魔王の役を引き受けているような輩とは、アジ=ダカーハ先生は格が違う、誇りが違う、存在が違う。
それを憐れむのは俗人の思考だ。それを嘆くのは的外れである。強いられたもの? 押し付けられたもの? 運命によって定められた逃れられない楔? 自己犠牲? 違う。それは絶対に違う。そんな甘やかな考え方に括られるような、貧相な存在とは格が違う。そんな戯けた物言い、軟弱な考えなど鼻で笑って踏みにじられるだろう。
見よ、振り仰げ、悪の一文字によって染め上げられたあの旗を。あれこそが、倒すべき悪である。
それこそが、絶対なる悪を以ってして正義を証明する者である。
震えたね、その在りように痺れたね。人間の甘い感情など入る余地のない、覚悟や決意だのといった意志を奮い起こす必要もないくらい、信念や思想などといった概念の介在しない完全無欠の在り方だ。思考停止とは程遠い、高みにあって全てを俯瞰する在り方だ。これほど完膚なきまでに悪でありながら、これほど純粋な正義という概念に近しい存在は見たことがない。
これが、本物の「魔王」かっ!!
これこそが、人類最終試練の真の姿か!! まさに「魔王」で、「試練」の名に相応しい存在だ。
もうたまらんかった。十六夜が、力だけではなくその舌戦を以ってして完膚なきまでに敗北するさまを目の当たりにするとは。
ギフトゲームと「魔王」という呼び名の本来の意味もようやく明らかになって、ますますこの箱庭世界のスケールの大きさを思い知らされる思いでした。

一方で、十六夜に大きく遅れを取っていた飛鳥と耀の成長がまた著しい。なんか、これまでの停滞が溜めだったんじゃないか、というくらいの飛躍ですよね、これ。これまで藻掻いて掴み損ねていたものを、ようやく掴んだというか、きっかけを手に入れた、というか。特に飛鳥は、ついにその真価が開花しはじめた、って感じだよなあ。すげえわ。
でも、それ以上に心震わされたのは、耀の十六夜と対等になって彼の横に並び立って戦いたい、という振り絞るような心の叫び。
これは、後半の短篇集でもかいま見えるんだけれど、この十六夜と飛鳥と耀の問題児三人組の関係って、ほんとに男女の性差というものを感じさせない、仲間であり友達同士なんですよね。短編のお話見てつくづく思ったんだけれど、この三人の仲の良さはちょっと類を見ない特別なものです。男友達、女友達、というのとも違うし、同性の親友関係とも違う。兄弟とも勿論違うし、家族的なものでもない。戦友とはまた異なる。一番近いのは「ライバル」なのかな。それも、直接干戈を交えて優劣を競い合うようなライバルじゃなくて、張り合うわけでもなく、一緒の方向を向いて一緒に歩いて行く、けれど慣れ合わずに、でも誰よりもお互いに自分を認めて欲しい間柄。そう言うと、十六夜だけちょっと立ち位置は違うのだけれど、彼は彼で飛鳥や耀をちゃんと自分と「おんなじもの」と捉えているようですし。
なんにせよ、どう言い表していいかわからないこの問題児三人組の関係って、見ててほんとに好きなんですよ。自分、ラブコメ好きでなんやかんやと恋愛要素がないとがっくりしてしまうたちなのですが、この問題児シリーズだけに関しては、というよりも問題児三人組の間柄に関してだけは、恋愛要素が絡まない方がワクワクドキドキさせてくれるものだと思ってます。この三人の間に恋愛感情が芽生えるとしたら、よっぽどのエピソードを入れて貰わないと。無いと思いますけどねえ。

TVシリーズ終了に合わせたDVD付録付きの発売関連もあってか、どうも無理やり新刊を出すことになったようで、ここで短篇集だけって事もなくアジ=ダカーハとの最終決戦を途中までだけ持ってくる、というこれは暴挙なのか強烈すぎる掴みなのか。いや、こんな中途半端な形でアジ=ダカーハ戦の途中まで持って来ちゃって、次の巻ちゃんと盛り上がるの? と、聞くだけ野暮な話か。これだけ激燃えの展開をただの前降りにしてしまえるくらいの凄まじい展開がこの後待っているのだと、思っちゃいますからね? 信じちゃいますからね?
とりあえず、なんでこの盛り上がりの中でリリが表紙? という疑問は解消できました。さすがに切った張ったになると出番がなくなってしまうリリですけれど、このしっかり者の健気なケモナーは可愛いよなあ。十六夜もまあ随分と目をかけて可愛がってますし。十六夜は、態度が大きいからついつい印象が違ってしまうのですけれど、割合誰にでも優しいんですけどね。

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 落陽、そして墜月4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?    落陽、そして墜月 (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 落陽、そして墜月】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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魔王連盟ウロボロスと対抗することになった“ノーネーム”。黒ウサギの素敵ウサ耳がなくなるという緊急事態のなか、十六夜VS殿下のギフトゲームが始まった!一千体を超える巨人族の攻撃で大混乱に陥る煌焔の都で、耀はウィラと共にマクスウェルの魔王に、飛鳥とジャックは混世魔王に戦いを挑む。そして“魔王”を名乗る者たちと正面対決する激しい戦乱の下―地下深く光も音も届かない地で、真の魔王の封印が解かれる―。
200ページ超と、随分薄いんでちょっと心配したんだけれど、中身の方は驚くほど密度が濃くてあれこれと伏線や情報、新展開が詰め込まれていて、薄い気は全然しなかったなあ。展開の進捗は遅いといえば遅いんだけれど、ラストのインパクトが凄すぎてそんな印象全部吹き飛んでしまいましたし。
黒ウサギのウサ耳は着脱式だったんだよ! と、黒ウサギ本人も知らなかった新事実が明らかになり、って着脱式では無いとは思うんだが、情報の受信端末として機能している事は以前から黒ウサギ当人が言及していたことだったので、なんか不思議器官ではあったんだよな。そもそも、箱庭の貴族であり帝釈天の眷属だという月の兎、という種族自体、あんまりよくわかんない謎のところがありましたし、黒ウサギってそれがそのまま名前なのか? と黒ウサギについては別に彼女自身が隠しているわけじゃないんですが、意外と情報不足で正体がわからんところがあったんですよね。それが、今回彼女の過去も含めて、いろいろ明らかになって多少スッキリした……って、月の兎、これ壊滅してるじゃないですか!w
やっぱり、黒ウサギってそれがそのまま名前ではなかったんだ、といろいろと納得するところはあったんですが、あの生皮剥いで、のインド叙事詩の英雄のエピソードを月の兎のエピソードにからめてきたのには驚いた。なるほどなあ、それで月の兎は帝釈天の眷属であり、同時にあれだけのギフトを扱えたわけか。インドラの槍と黄金の鎧が一緒に使ってはいけない、とされているのも納得。伝承を鑑みるならば、そりゃ使えんわなあ。

そして、在りし日の「ノーネーム」が名前と旗を失う前の全盛期の姿も垣間見ることになる。ノーネームの前身って、前はこの階層でも尤も繁栄していた大きなコミュニティだった、というくらいの認識だったのですが、そんなレベルじゃなかったぜ。いやでも、冒頭の黒ウサが助けられてコミュニティに加わったエピソードを見たときは、凄いところだったんだな、とは思ったんですが、それでもまだ理解の範疇では在ったんですよ。
ラストのあれの復活見て、呆気にとられましたがな。
あれのあまりの凄まじさに、逆にこれを仮にも封じたという旧ノーネームってのはどれだけ凄かったんだ、という話です。さらに言うなれば、アレをすら倒してしまった旧ノーネームを、完膚なきまでに滅ぼしてしまったという「魔王」って、いったいなんなの!?
ちょっと魔王、舐めてた。箱庭の内部における称号である魔王とは全く違う、神話伝承において名実共に魔王と号された「本物の魔王」は、パないわー。階層が四桁から三桁にあがったら、あれだけ桁違いになるのか。いや、まさに文字通りのケタ違いじゃないか。更にいうと、白夜叉こと白夜王も本来三桁以上の存在なんですよね。そろそろ話のステージが一桁上がり始めた模様。それは同時に、これまで無敵無双だった十六夜の能力に、敵の格や強さが追いつき追い越し始めたという事でも在る。
あんな弱音吐いた十六夜、初めて見た。
これって、彼に絶対の信頼を抱いている飛鳥たちが見たら衝撃以外の何物でもなかったろうなあ。無論、黒ウサだって、自身の家族を失い、またかつてノーネームが生まれてしまった惨劇の時を彷彿とさせる出来事でショックも大きいだろう。彼女には、さらに金糸雀の末路、ひいては奪われた仲間たちの行方という件の絶望も待ち受けているわけで、月の兎の御子の権限が失われてしまっているのと相まって、今黒ウサ一番厳しい時期なんじゃないだろうか。
ここで、出来るならば飛鳥や耀には巻き返して、十六夜の立っている場所まで追いついてきてほしいところなんですよね。特に耀は、春日部孝明の娘として父親が目指した場所に辿り着くポテンシャルは絶対に秘めているはずなので。

旧ノーネームの奪われてしまった仲間、の情報という観点からすると、今回ジンが何か掴んだと思しき「殿下」たちに対する情報は、えらく不穏なネタではあるんですよね。「殿下」がまだ生まれて三年しか経っておらず、彼の立場や存在が、旧ノーネームと深く関わりがありそう、というのがまた……。三年前って、もろに時期的にも合致しますしね。そもそも「殿下」なんて言われている以上、ちゃんとした正体もあるでしょうし。この辺りの情報はどこまで引っ張るんだろう。

正体というと、今回盛大に驚かされたのが、ジャックさん。ジャック・オー・ランタンの正体である。いやあ、ジャックさん、マジになるとかっけえなあ。年長者の余裕たっぷりなダンディなジャックさんもいいけれど、あんなふうに本気になったジャックさんもパないですわー。ここでの飛鳥のジャックへの気遣い方がまた粋で、この娘ってホントいいオンナだよなあ。ジャックさんの正体、あれは驚きでは在りましたけれど、あれが全部の正体ってわけでもないんですよね。彼が主催するギフトゲームの内容からすると、もっと複雑に真実は入り組んでいるみたいですし。
とりあえず、マックスウェルの悪魔はキモいのは確認したw
ウィル・オ・ウィスプがマクスウェルの悪魔に付け狙われてるって、ガチでそういう意味だったんかい!! これはあかんわーw でもお陰で、表紙にもなってる大悪魔、ウィル・オ・ウィスプのリーダーであるウィラ=ザ=イグニファトゥスにえらい親近感が湧くようになってしまったわけですけれど。本来かなり格上で実力も突き抜けてる大人物なのに、耀が保護者みたいになってしまった感もありますし。かわええなあ、おい(笑

とまあ、めまぐるしく変わる展開に次々と明らかになる情報、また敷き詰められていく伏線、と行き着く暇もない中で、最後の最後にシリーズ最大の脅威にして危機が到来。凄まじいスケールにして圧倒的なまでの今までにない絶望感。これまでなら、十六夜くんならなんとかしてくれる、という安心感があったのに、それをも根こそぎ吹き飛ばしてしまう最悪の展開。
激動の始まりである。

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? ウロボロスの連盟旗 4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?    ウロボロスの連盟旗 (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? ウロボロスの連盟旗】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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箱庭の下層が“魔王連盟”に襲われたことで、煌焔の都に“階層支配者”が集結することに。魔王を倒すコミュニティ“ノーネーム”も抜擢されるが、黒ウサギが休暇のため、問題児3人はフリーダムに遊び始める!そんななか主従関係を結んだジンとペストは、旧知の仲である北の“階層支配者”サンドラに出会う。だが彼女は顔をフードで隠し、黒ウサギもかつて負けたギフトを持つ、“魔王連盟”のリンと殿下と行動を共にしており!?
この作品のド凄いところは、とにかく誰も彼もが未だに「底」を見せてない所なんである。本来ならラスボスクラスであろう蛟龍に白夜叉といったその実力や一端を垣間見ただけで気が遠くなるようなレベルのメンツが味方側につき、レティシアや黒ウサギといった慮外のちからの持ち主が同じコミュニティの居り、さらには耀や飛鳥といった子らは現状こそ未熟なものの、信じられない並外れたスピードで成長を続けている。ネックと思われたノーネームのボスであるジンなど、その成長の筆頭かもしれない。彼の頭脳の切れ味は、今や十六夜のお墨付きだ。ジャック・オ・ランタンやウィラ、フェイスレスと言った同盟枠の連中だって、底知れない途方も無い力の持ち主ばかりである。今は力を失っているとはいえ、ペストだってあの8000万の怨霊を率いる黒死病の魔王。他にも未だ名前ほどしか出番のない斉天大聖や牛魔王をハジメとする面々や、まだ名も出てきてないだろう実力者が山ほど存在しているわけだ。
で、対する魔王連盟ときたら、それに増し増すラスボス揃いと来ただらーー!!

なんちゅうかもう、こんなんワクワクしっぱなしでどうにかなりそうに決まってるじゃん!!

そして、それらを置いて未だ「底」を見せていない筆頭こそが、我ら逆廻十六夜その人なのである。一気に燎原を焼きつくすように燃え上がった圧倒的なまでの絶望感を、その登場だけで一瞬だけで吹き飛ばすその頼もしさ。
いやあ、あの登場シーンの燃え滾りようは、飛鳥や耀が、彼が来たもう大丈夫だ、と安心する場面で最高潮に達しましたよ。そんじょそこらのヒロインじゃないんですよ、飛鳥も耀も。二人共負けず嫌いの塊で自分が絶対になんとかしてやるというプライドの塊みたいな誇り高い少女たちなのです。誰かに頼ったり任せきりにするのを良しとしない自立し、貪欲で在り続ける少女たち。その彼女たちをしてこれだけの信頼を寄せる逆廻十六夜という少年の絶大な存在感。
彼の自制心、自分を律し切る心の強さと賢者の如き聡明さの持ち主でありながら、此処ぞという場面、なんて言うんだろう、読者がこうして欲しいと思う場面で期待を裏切らずに、その感情を素直に爆発させてくれるところは本当に格好良いんですよ。彼の存在は鬱憤というものを見事なくらいになぎ払ってくれる。カッコいいったらありゃしない。それでまだまだ底の知れない限界が見通せない実力はワクワク感を否応なく高鳴らせてくれるわけです。
次回はついに魔王連盟を向こうに回した大決戦。際限知らずの大盤振る舞いが待っていそうで、もう今からたまらんですよ。

一方で問題児三人組の裏側ではジンたち年少組も精力的に動き回っていて、特にかつて最凶最悪の敵として立ちはだかったペストが、ここにきていい味出してきたんですよね。その胸に秘めた世界を敵に回しても叶えたい野望……いや、優しい夢。それを、臣従を誓った今なおジンたちに明かせず、野望を叶える方策に控えめな胸を悩ます日々。そんな彼女に再び魔王連盟の誘いが訪れ、野望とジンたちへの親愛に揺れ動く心。
そんなペストにジンが見せる、自身の可能性……そして、ペストの野望を飲み込む大きな器。
冷ややかな暗室で交わされた幼い少年と元魔王の少女の掛け替えのない誓いは、仄かで胸温まる温度ながら、それでもこれもまた熱い炎そのものでした。
十六夜という大きな渦巻きが在るとはいえ、本作って登場人物の一人ひとりが主人公を担っている物語でもあるんですよね。箱庭という言葉とは裏腹の世界観のスケールの半端無さとともに、その莫大なスケールを縦横に活用するだけの登場人物たちの活発で意欲的な動向、群像劇と呼んでもいいような拡充こそが、私がこのシリーズを特別大好きな要因なんだわなあ。
ある意味前哨戦もいいところだったにも関わらず、まったくもって盛り上がりっぱなしのこのシリーズ。ほんと、永遠にテンション斜め上に突っ走り続けてて、色んな意味でたまらんわー! 次回はさらに天元突破しそうで、今から鼻血でそうです、興奮し過ぎ!

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 降臨、蒼海の覇者4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  降臨、蒼海の覇者 (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 降臨、蒼海の覇者】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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いよいよ始まったアンダーウッドの収穫祭!飛鳥と耀は狩猟祭に参加し、十六夜は縁日荒らしを、ジンは“ノーネーム”の連盟旗を作るために動き出す。そんななか黒ウサギは、神格を返上したことで最強の“階層支配者”を退くことになった白夜叉に連れられ、魔王“平天大聖”の元に向かうが…!そしてお待たせしました!「水着着用が義務!!」(by白夜叉)の“ヒッポカンプの騎手”のメインゲームが始まりますっ。
ああーー、やっぱりこの作品の世界観って、大好きだわ。十六夜たちが召喚された時に感じた感動、あの四方全周すべてが地平線の彼方まで広がっているような開放感を、未だに感じ続けてるんですよね。もう刊行数は5巻に至ったというのに、全然行き止まりを感じないこの世界観の広大さは、まったく留まる所を知らない。
今回なんて、西遊記ですよ。元々、中華の天界・仙人界、そこに仏門が習合された世界観って、馬鹿みたいに野放図な許容力を備え持ってて、何でもありであると同時に厨二的なクラス分けがコマ目に成されていると同時に、それぞれの神様や妖仙には民俗学的な由来の積み重ねが重厚に織り成されているという、そりゃあもう実に遊び甲斐のある世界観なんですよ。
そして、この物語の世界「箱庭の世界」は、そんな中華の世界観を仏門寄り、道教寄りという括りなくフラットなスタンスで、丸ごと飲み込んじゃって、修羅神仏が闊歩する世界観の一翼をして機能させてしまってる。
ほんと、凄いよこの世界は。世界各国の神話や伝説の神々や妖魔の類が並列に存在し、それだけじゃなくペストやハーメルン、マクスウェルといった現象や伝承、概念的な存在をも、神や魔王として同等に扱い、それらが十六夜たち人間も含めて、すべてが対等の「箱庭世界」という舞台で遊ぶゲームプレイヤーとして扱われてるんですよね。
勿論、その力に応じて立場も視点も権力も名声も何もかも変わってくるけれど、逆に言うと力量さえ示せば、誰でも神にも魔王にもなれる。そう、何にだってなれるし、何処にだって行けるという心湧き立つ世界なんですよ。
それでいて、力さえあれば何をやってもいい、というわけでもなく、その世界にいる住人のほとんどが、共通の信義と誇りを旗として掲げ、非常にルールというものを大事にしている。遊びってのは、ちゃんとルールを守らないと楽しくもなんとも無いですもんね。
でも、遊びだからと言って、真剣じゃないわけじゃない。命を担保に、人生を捧げ、生涯を賭し、信念を貫く遊びがあって、何がおかしいだろう。
十六夜たちが全力で遊ぶゲームとは、そんな本気すぎるほど真剣なゲームなんですよね。だからこそ、彼らの活躍は痛快で、その破天荒で思い切りの良すぎる暴れっぷりは雄叫びを上げたくなるほどスカッとさせてくれるのだ。
これまで、十六夜たちにおんぶに抱っこのところがあった「ノーネーム」のリーダーである少年ジンも、コミュニティの頭首として、六本傷の若きリーダー相手に同盟締結交渉で見事な手腕を見せてくれたし、明日香や耀の飛躍的な成長、帰ってきたレティシアに新たに加わったペストたち。そこに、六本傷やウィル・オ・ウィスプとの同盟に、サウザンドアイズとの協力関係など、三人の問題児頼り、特に十六夜頼りだった「ノーネーム」が、グッと充実してきた感があって、高揚感もいや増すばかり。
さらに仲間もどんどん増えてきて、賑やかになってきた。賑やかさが、そく楽しさに繋がっていく。面白いなあ、面白いなあ。

今まで階層支配者という最強の実力者の一人という肩書きは知っていたものの、ちとその実力に実感のなかった白夜叉様も、神格返上して自由を得て身近になったせいか、その空恐ろしい実力のほどがようやく伝わってきた感がある。この人、本当にべらぼうに凄かったんだ。
そんな彼女と対等以上と白夜叉さま自らが認める【平天大聖】牛魔王。この人も結局登場はしなかったんだけれど、登場してないくせに伝言一つで物凄い存在感残していったんだよなあ。普通の牛魔王のイメージと全然違うよ。いや、むしろこの方が原点には近いのかもしれない。
そんな孫悟空や牛魔王と同格の七妖王の一人、蛟魔王……この人も実に面白いキャラクターをしていると同時に、敵じゃないってのがまた素晴らしい! 十六夜との真っ向からのガチンコ対決は、どちらも桁違いなだけに読んでるこっちまで煽られる煽られる。なにより、当人たちがあんなに楽しそうなんだもの。そりゃ伝染っちゃうって。
これほどの人を味方に迎えて対抗しなきゃならない、襲来予定の魔王ってどれだけとんでもないんだよ、と震え上がると同時に期待も増すばかり。

しかし、この世界では【斉天大聖】孫悟空は姐御だったのか! 三蔵法師が女性というのは古来からよくある発想でしたけれど、こっちが女性というのは新鮮だ!! すっごく新鮮だ!!

一巻 二巻 三巻 四巻感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 十三番目の太陽を撃て5   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  十三番目の太陽を撃て (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 十三番目の太陽を撃て】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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レティシアが連れ去られたことで始まったギフトゲーム“SUN SYNCHRONOUS ORBIT in VAMPIRE KING”。勝利条件がない最悪のゲームの開始とともに、地上では巨人族がアンダーウッドを襲い、天には最強種である龍の純血が雄叫びをあげる。絶対絶命のなか春日部耀は、レティシアがいる吸血鬼の古城に1人乗り込んでいった。十六夜も黒ウサギも手が届かない天上の城で、十三番目の太陽を撃ち、ゲームクリアは出来るのか―。
ちょっ、ちょっとちょっと、ちょっと待ってーーー!! え? なにこれ? いいの? この段階でこんなに面白くていいの!?

どうしよう、どうしよう、もう筆舌しがたいくらい面白いんですけど!?

明らかに物語の展開においてはヤマに至る前。精々、起承転結の起から承に足を踏み入れたくらいなんですよ。アンダーウッド編が始まってから入ってきた情報を鑑みる限り、この物語のスケールからすると明らかにまだ序盤を脱しきっていないんです。
にも拘らず、この段階でここまで盛り上がってここまで面白いって、どういう事なの?! や、ばい。これマジでヤバい。作品のポテンシャル、まじぱねえ。いやいや、はじまった当初からこれは凄い作品になる、スニーカー文庫の看板作品になる、と確信を抱いてはいたけれど、それどころじゃないかもしれない。
まだ過程に過ぎず、途中に過ぎず、場合によっては始まってすらいないのにここまで面白かったら、じゃあこれ以降本格的に話が山場に入ってきたら、どれだけ面白くなるって言うんだ!? 偶々今回が面白かったってんじゃないんですよ。確固とした上へと続いている階段が目の前にそそり立っている。絶対に話が進むにつれてさらに盛り上がっていくのが、もう目の前に道筋として完成している。確信どころじゃない、決定事項として成立している。不安を抱く余地もない、疑念を挟む隙間もない。期待すら抱く必要がない。規定の事実だ。ただただ、次が出てくるのを頭を真っ白にして受け入れるしかないよ、こりゃ。
こんな感覚、初めてだ。

「十三番目の太陽を撃て」
まず、このサブタイトルに引きこまれ、そして本文に入り、開示されたギフトゲーム「SUN SYNCHRONOUS ORBIT in VAMPIRE KING」の契約書類の文面を見て全身に電流走る。
まさにここから。あのギアスロールの文面が記載された2ページを開いた瞬間から、読んでるこっちまで「カチリ」とスイッチが入ったのがわかった。ゲームスタート。ここから、際限なく感覚の疾走が始まる。
あとは、奔流に流されるままに!!
ああ、読み終わった今もなお、まだ心臓がドキドキ言ってるよ。一区切りついたとはいえ、まだアンダーウッド編は終わってないっていうのに。

何が起こったのか。誰が何を感じ、何を見つけ、何を成したのかは、是非にこれを読んで直接目撃して欲しい。
この悪辣無劫なギアスゲームの謎解きを。囚われのレティシアに秘められた過去と吸血鬼種族の歴史を、十六夜の活躍を、飛鳥の決意を、耀の見出だす結論を、黒兎の、ペストの、ジンの、グリーやジャック、サラたちの戦いを、殿下と呼ばれる少年とリンたち敵側の暗躍を、余すことなく目撃してほしい。
これほど独り占めにしておきたくて、一人にでも多く見て欲しい面白すぎる物語は久々だ。可能性が、ポテンシャルが、スケールが、間欠泉みたいに噴き出していやがる!!

箱庭世界。十六夜じゃないけれど、なんて素敵で楽しく広々として留まるところも壁もない、最高の世界なんだろう。広い、広い、とてつもなく大きくて高くて深くて天井も底も時間ですらも届かない、自由で揺るぎのない世界観。箱庭世界という名称に、最初に抱いた狭くて窮屈そうなイメージは、今や胡散霧消して何処にもない。
これはどこまでもいける、どこにでもいける、何にでもなれる、解き放たれた最高のフロンティアでの、最高の問題児たちの物語だ。
ああ、ホントに最高に、面白いぞーーーっ!!!!

1巻 2巻 3巻感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? そう……巨龍召喚4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  そう……巨龍召喚 (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? そう……巨龍召喚】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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幻獣が多く住むという南の“龍角を持つ鷲獅子”連盟から届いた収穫祭への誘い。問題児たち3人は南へ何日行けるかの権利をかけ、ゲームで争うことに!ゲームの結果、南へ向かった黒ウサギ一行は、新種の植物ブラック★ラビットイーターに遭遇した。黒ウサギが触手に襲われる!?なんて遊んでいたら、南を一度滅ぼしかけた魔王の残党である巨人が襲ってきて!そしてノーネームに残った問題児(誰だ!?)の秘密が明かされる。

これは、参った。十六夜のこと、この時点でもとんでもない奴だと感嘆していたつもりだったんだが、まだまだ見縊ってた。
規格外の力を持ちながら、そのパワーに振り回されない理性と知性。ただ暴れたいだけの野卑たる暴君ではなく、相手を立てるような心配りまで出来る処世と甘やかさない優しさを持った隙の見当たらない大気者としての十六夜は、既に二巻までで理解していたつもりだったんですけどね。
彼の凄さは、その才そのものじゃなかったんですね。むしろ、その心栄えにあったことをこの間で目の当たりにしてしまった。
彼の過去語り、箱庭世界に来る前のエピソードで彼が語った言葉は衝撃的ですらあった。十六夜は、彼の存在を受け止めきれなかった世界を拒絶せず、厭わず、忌まず、憎まず、呪わず、倦まず、嫌わずに、愛していたのだ。美しいものとして愛しみ慈しんでいたのだ。それどころか、その途方も無い力を、笑って胸を張って埋もれさすつもりだったのだ。退屈に欠伸を漏らしながら、彼を受け止め切れない世界の中で静かに埋没していくつもりだったのだ。愛する世界を壊さないために。

シリーズ冒頭の、箱庭世界に来る引鉄になった手紙の内容と十六夜の反応から、てっきり十六夜は自分の器に収まらない世界に見切りをつけて、見捨てて、振り返るものもなく嬉々として飛び出してきたと思ってたんですよね。そこには、元いた世界に対する不満、倦怠、嫌悪を抱き、窮屈に自分を押し込めていた事に対する仄かな憎しみすら持っているものだと思っていた。元いた世界には、未練も後ろ髪惹かれるような相手も居らず、そこに残してきた過去は彼にとって膿んだ記憶でしかなかったのだと思っていた。
それなのに、この子は、一生涯を腐って過ごしてイイと言ってのけるほどにこの世界を好きだと言ったのだ。
参った。正直、痺れた。
この少年の心を、ここまでに育て上げた金糸雀という人は、本当にとんでもない人だったんだな。黒ウサギが尊崇し、十六夜が今なお敬愛し続けているのもよくわかる。
そして、この人は結局、十六夜とノーネーム両方に贈り物を与えた事になるのだろう。十六夜には、自分の限界を底の底まで楽しめる次の世界を。そしてノーネームには自分の代わりに新たな希望を。まさにギフト――贈り物であり、祝福だ。
大好きな世界と大切な人たちを残し、箱庭世界へと旅立った十六夜――そう、この少年は元居た世界を捨ててきたわけでも逃げ出してきたわけでもなく、ちゃんと別れを告げて旅立ってきたんだな。だからこそ、彼は強い。置いてきたものは良い思い出ばかりだから、彼の足取りに重石となるものは何も無いのだろう。
無敵だよ、この子は。

そんなある意味、もう金糸雀によって完成されている十六夜と比べて、飛鳥と耀はむしろこの箱庭世界に来てからこそがスタートラインだったのだろう。同じ位置からスタートしたんじゃなくて、きっと最初から差があったんだな。力の差ではなく、きっと心の置き方で。だから、彼女たちの成長はこれからであり、ずっと先をゆく十六夜を悔しさに歯を食いしばり、追いかけていくしかないのだ。負けたくないなら、追いかけるしかない。そして、この娘さんたちは、とっても負けず嫌いなのである。
耀に最後に示された彼女のギフトの可能性。それは多分、単純なパワーアップの要素じゃなくて、彼女の心のあり方が定まったときにこそ、その力の使い方がわかるような、そんな感じの代物のような気がする。
負けるな、女の子たち。

結局、サブタイトルの話は最後の最後に開陳。これって、ある意味前後編ってことじゃないのかしら?
いずれにしても、盛り上がってまいりましたーー!!

1巻 2巻感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? あら、魔王襲来のお知らせ?4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  あら、魔王襲来のお知らせ? (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? あら、魔王襲来のお知らせ?】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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【打倒!魔王!】を掲げた弱小チーム“ノーネーム”に届いたのは、北の“火龍誕生祭”への招待状。魔王襲来の予言があり、東のフロアマスターである白夜叉から参加を要請されたのだ。「それ、面白そう!」と黒ウサギを置いて北へ向かった問題児たちから「今日中に私達を捕まえられなかったら、3人ともノーネーム脱退するから!」という手紙が!?な、何を言っちゃってるんですかお馬鹿あああ――!!! どうする黒ウサギ!?
あれ!? あれれれ!? なにこれ、めちゃくちゃ面白いんですけど!? いえ、第一巻の段階から新人作品としては稀に見る、いや新人作だからこそか、パワフルにドライブをきかせまくった凄まじい勢いの面白い作品だったのですが、逆に言うと勢い重視すぎて物語をすすめる上での前提となる舞台装置の構造部分が果たしてこの勢いについてこれるのか、ややも不安な部分があったんですよね。どれだけスピードの出る車を用意しても、道路を整備していなかったらまともに走れないのと同じような意味で。
魅力的でエネルギッシュなキャラクターたちと、彼らが大暴れする舞台となる箱庭世界。これを如何に空転させずに走らせる事が出来るのか。滅多と見ないくらい突っ走りそうなキャラ揃いだけにどうなるかと思ってたんですが、まさかこれほど一瞬にしてインフラを整備してしまうとは、呆気に取られてしまうくらいでしたよ。
そういえば、一巻の感想を見返してみると、意外とこれ舞台設定は頑丈に出来ているのかも、という風に見てたんだな。どうやらその感触は間違いなかったらしい。それも、何となくの感覚で整えるのではなくちゃんと計画性に基づいたシステムとして整えていっているのが好感触。

そもそも、あれだけ十六夜たちにチートすぎる能力を持たせたにも関わらず、それに頼り切って力任せのパワーゲームで障害をぶち破っていく形式にせず、かと言ってせっかくの能力を活かすこと無く封印したり制限するでもなく、まずそのチートな能力を武器として実際に振るえる状況を作り出すところからはじめなければならないように話が進んでいくのです。そもそも、ゲームのルールを決めるところから、いやそれよりも前、ゲームが実際に行われると決められる前の段階から謀り事と駆け引きが始まっているのですから、相当に深度のある知略戦ですよ、これ。
一巻ではルールを問題にしない強力な力を持つ三人の大暴れが痛快感を醸しだしてた以上、ルール縛りを強化するのは窮屈さを感じさせるかと思ったら、全然そんな事ありませんでしたしね。これは、一方的にルールを押し付けられてそれに縛られるような展開じゃなく、相手との駆け引きでルールの内容を決めていく、という形が大きかったんだろうなあ。いや面白い面白い。実に面白い。

そして、相手に対する勝利条件を見つけるためには、まず相手の正体を見極めなければならない、と来た。一巻で敵陣営がペルセウスに連なるものだったり、他にも黒ウサギの神話や白夜叉の正体など、傾向はあったけれど、ここまではっきりとまず神話や伝承を手掛かりとして相手の正体を分析解体し、その氏素性を暴いていくスタイルのバトルになっていくのは予想外だった。こういうウンチク話が好きな身としては、【カンピオーネ!】もそうなんだけどハマるんですよね。
今回の相手はハーメルンの笛吹き男がキーワードとなるチームだったのですが、ハーメルンの伝説にそういった解釈の数々があるとは全然知らなかっただけに、大変面白かったです。
それにしても、十六夜の博識さには驚かされる。こいつの最大の強みって、野放図な力でもギフトブレイカーという特殊能力でもなく、この知識と知能と洞察力じゃないか。バトルジャンキーの野生児みたいなノリしてからに、ココぞという肝心な時にはこの子完全に理性派なんですよね。自分の欲求に忠実なのかと思ったら、状況を鑑みてちゃんと自分を抑えるところは抑えて立てる相手は立てるし。無邪気なヤンチャさと義理人情に厚いところが同居しているし、三人の異邦人の中では確かに頭ひとつ抜けている。

一方で、飛鳥や耀は能力的には一歩も二歩も十六夜には劣るんだけど、人間的には若いなりに非常に出来ているし、稚気や余裕もある。その上で、非常に貪欲な向上心もあり、心を正方向に保つ矜持と義侠心も持っている。今はまだ中途半端な強者だったとしても、この二人ってそりゃもうガシガシ伸びまくるタイプですよ。ある意味完成している十六夜よりも、その伸びっぷりは見てて楽しいと思うくらいになるかも。この巻でも、既に飛鳥は一つ大きな武器を手に入れますしね。

そして、今回の敵となるチームの連中も、このままドロップアウトしてしまうには惜しいと思うくらいにキャラ立ってましたよ。
惜しむらくは、まだ味方側のキャラを立てきれてないところか。特にサンドラあたりなんかかなり美味しい立ち位置だったのに、何か目立たないまま終わっちゃいましたしね。坊ちゃんも、彼の知識が打開策となる場面は幾つかあったのだけれど、いまいち目立てず。彼とサンドラの関係なんか扱い用によったらだいぶ華やかに出来ただろうに。ちょっち詰め込みすぎの弊害がこの辺に出てるのかなあ。元魔王の吸血姫も、その正体から伸縮自在の特性やら、見せ所は多かったはずなんだが、もうちょいインパクトに欠けた感もあったもんなあ。カノジョのキャラのキャパからしてもっと出来るはずという期待も大きいですから。

ともかく、期待していたものよりさらに発展した形の特上の品を二巻で見せてくれた以上、こりゃさらなる期待を膨らまさずには居られないですよ。でっかいの来ましたよ、これ。

1巻感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! ウサギが呼びました!3   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?YES! ウサギが呼びました! (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! ウサギが呼びました!】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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魔王を倒そう!
うざぎはそんな大それたこと頼んでおりませんっ!


世界に飽きていた逆廻十六夜(さかまきいざよい)に届いた一通の招待状。『全てを捨て、“箱庭”に来られたし』と書かれた手紙を読んだ瞬間――完全無欠な異世界にいました! そこには猫を連れた無口な少女と高飛車なお嬢さま、そして彼らを呼んだ張本人の黒ウサギ。ウサギが箱庭世界のルールを説明しているさなか「魔王を倒そうぜ!」と十六夜が言いだして!? そんなこと黒ウサギは頼んでないのですがっ!! 超問題児3人と黒ウサギの明日はどっちだ!
これはまた、商業作品としては望外なほど突き抜けた大風呂敷を広げてきたものだ。箱庭世界という精緻に行き届いたルールの整備された世界を舞台にしながら、主人公たる三人にそれらのルールを問題にしない絶大なまでの力を持たせた上でフリーハンドを与え、さあ好きなように好き放題思ったようにやってみろと解き放つその小気味よいまでも潔さ。前提からして暴走上等、小賢しさを放棄してシッチャカメッチャカにしてやんよ、とばかりに勇んだ主人公三人組のキャラ設定。
よくぞまあ、ここまで突き抜けた作品を創りだそうと思い立ったもんだ。普通はある程度手綱を取っちゃうものなのに、実に楽しそうに放し飼いにしちゃってまあ。
ただ、さすがに主人公三人ともが三人とも、完全チートだと制御を失ってしまうと思ったのか、本当になんでもありなのは取り敢えず逆廻十六夜一人だけだった、というのはちと残念だった気もする。いっそ、久遠飛鳥と春日部耀にも十六夜クラスの力と野放図さがあったら、もっとシッチャカメッチャカになって面白かったのに。それを物語として制御できるかは定かではないけれど。でも、少なくとも力関係についてはまだ飛鳥も耀も行き着くところまで行くだけの余地がありそうなので、その辺は今後覚醒編とかありそうだなあ。現段階でも相当アレなのに、さらに覚醒って何よ、という話何だけど。
まさか、十六夜がパワー馬鹿だけでなく、智にも長けているとは思わなかったので、せめてそういう方面は飛鳥たちに担って欲しかったのだけれど……いや、それじゃあ十六夜がそれこそ単なる力で押し切るつまらない無敵ちゃんになっちゃうか。力だけじゃないあの享楽的な陰険さこそが彼の魅力に繋がっているのだろうし、ウサギが弄られる絡みにも繋がっているのでしょうしね。
今のところ、弱小コミュニティーを率いるお坊ちゃまは自分の望みにしがみつくだけで、それを貫くだけの資質をまだ見せられておらず、旧来の仲間や新たに加わることになった三人組をまとめて率いるだけの器を示せてないのだけれど、その辺期待できるんだろうか。現段階だと舐められて見下されても仕方ないと思う程度なのが勿体ない。少なくとも、現段階だと十六夜たちがコミュニティ「ノーネーム」に在籍しているのは単に面白そうだから、という以上ではなく、リーダーである坊ちゃんに対して付いていくだけの魅力を感じたわけじゃないですしね。十六夜なんかは積極的に彼にリーダーと成り得るだけの資質を持たせてやろうと、強引に色々と画策しているあたり、何気にお節介というか世話焼きなところがあるのかもしれないけど。いや、単に弄って面白がっているだけなのか?
一応コレ、女性陣は飛鳥と耀もいるけれど、メインヒロインはウサギになるんだろうか。十六夜とのやり取りや関係性を見る限り、そんな感じがするけれど。

メインの三人がチートと呼ばれて仕方ない力を持っていて、それを好き勝手に使いまくって大暴れしているにも関わらず、この箱庭世界の舞台設定が破綻していないのは結構凄い気がする。けっこう大雑把に見えてこれが実は舞台設定は頑丈に出来ているのかもしれない。この箱庭世界という神造空間もゲームともファンタジーともつかない独特の雰囲気を纏っててなかなかいい感じですし、ストーリー展開も悪党をぶっ飛ばし、仲間を見つけ、弱小コミュニティーを大きくしていく、という爽快感あふれる痛快なものですし、これは勢い良く楽しい作品でした。さて、どこまで暴走していくのか、まだまだ十六夜含めて底は全然みせていない段階なので楽しみ楽しみ。
 
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