嬉野秋彦

彼女は戦争妖精 6 4   

彼女は戦争妖精6 (ファミ通文庫)

【彼女は戦争妖精 6】 嬉野秋彦/フルーツパンチ ファミ通文庫

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さつきまでもが"鞘の主【ロード】"となり、ますます不安の種が増えてしまった伊織。そんな彼に、敵対関係にあると思われていた由良健二とマラハイドが接近してくる。イソウドの強引な介入により、他の"吟遊詩人"たちもそれぞれ"妖精の書"を巡り行動を始めたのだ。北への旅路を往く"男爵"、頼通とルテティアの前に姿を現すラ・ベル……。対照的に、不本意な戦いを続けることへの疑問が膨らむ伊織だが、突然のあの男の声に感情を抑えきれず──混迷の第6 巻。


伊織という主人公は御覧の通り冷静沈着で、精神的な動揺を表に出さないタイプで、クリスという異分子を懐に抱えてしまい、"鞘の主【ロード】"としての戦いに身を置くことになっても、これまでの学生としての生活を乱すこと無く、淡々と日常を送っていたんですよね。学校の成績など、落ちるどころか上がっているほど。
だからなのだろう。彼がゴールの見えない戦いに、実際は精神的に追い詰められているということにまったく気付かなかった。
彼が叔父である頼通に漏らした弱音は、辛いや苦しいを遥かに通り越した、生きることに疲れ果てたような凄まじいまでの暗黒で、背筋が寒くなるほどだった。何も堪えていないようにみえていたけれど、彼も本来なら一介の高校生なのだ。本当に、危うい線一本でギリギリ保っているような状態だったんだなあ。もし、そのギリギリ保っている一本の線が切れたとき、この少年はこれまでと全くかわらぬ冷静沈着な態度のまま、直滑降で自ら破滅に身を投げ出しかねないガラスのような危うさを垣間見てしまった。
頼通は、良いタイミングで帰ってきたのかもしれない。もしくは、ギリギリのタイミングで。
薬子先生に全幅の信頼を寄せられない中で、終わらせ方のわからない、延々と続くウォーライクとロードとの戦い。あともうちょっと頼通が帰ってくるタイミングが遅かったら、伊織の精神はもしかしたら保っていなかったのかもしれないなあ、とあの告白を聞いて思ってしまった。

んー、しかしなるほどなあ。伊織が実際はそんな精神状態だったとすると、彼にとって常葉先輩という人の存在は、思っていた以上に大きかったのかもしれない。頼通が帰ってくるまで、この人だけが本当の意味で拠り所となれた人だったわけだし。
この巻における彼女への伊織の微妙な反応を見ていると、もしかして彼の中の感情というのはコチラが思っているよりも遥かに明快に、カタチになっていたのかもしれない。さつきへのあの無関心というか辛辣な態度も、さつきという異性に対する関心の無さ、拒絶感以上に、彼女を相手にすべきではないとする理由が、伊織の中にもうあったからなのかもしれない。
間違いない。伊織という男は、主人公でありながら読者にすらその心底を伺いしらせない、本心が見えにくい男だが、間違いない。常葉先輩は彼にとって特別だ。
そして、それはどうやら、常葉先輩の方も決定的になってしまっていたらしい。彼女と伊織との出会いは、ちょうど彼女が悲惨で残酷な失恋をしてしまった最中でのこと。恋愛に対して一定の距離を置くことを誓った彼女は、その後のいくつもの戦いやその合間の平穏な時間を、伊織と共に過ごし、その中で信頼と親愛を築いていったのだけれど、彼への特別な感情については否定し続け、首を横に振り続けていた。
でも、その否定はいつしか、無いものを無いと言うものではなく、有りだしてしまったものを無いと言い張るものに変わっていったように思う。そして、いつしか彼女の中では周りに対してはともかく、自分に対しては否定を続ける意志も意味も見失ってしまっていたようだ。
彼女が、さつきにこぼした羨望の言葉からは、そんな彼女の心情が伺える。そして、戦いのさなかでの命の瀬戸際の危地における、彼女が叫んだ悲鳴のような、伊織の名前。
もう、決定的だ。
常葉にとって、伊織は特別な存在になっている。

だが、その事実が今は恐ろしい。その事実の先に、常葉先輩の運命が透けて見えてしまったようで、恐ろしくて仕方ない。彼らにとって、本当に残酷な時間はすでに始まってしまっているのではないだろうか。
自らの同胞すら贄にして、執拗に伊織たちの抹殺を狙うイソウド。彼女の狂気は先鋭すぎるほど鋭く、しかし狡猾でずる賢い。なによりその無邪気なまでの自己中心さと執着心は、暴虐そのものだ。とてもじゃないが、ただで済むとは思えない。
そしてなにより、クリスが楽しそうに、今のままでずっと居たいと語るほど、今の生活が何時までも続かない事が現実としてのしかかって来る。楽園へと辿り着く事を目的として戦う事を決定づけられたウォーライクの中で、すでに楽園を望むことを忘れて今を続けようとするウォーライクたち。でも、クリスにしてもルテティアにしても、どれだけ時間が経とうとも一切姿形が成長しないまま、という時点で普通に生活していくことは不可能なのである。クリスを守り続ける限り、いずれ伊織は今の生活から踏み外さなければならなくなる。
何らかの形で、今後に対して答えを出さないといけない時期に来ているのかもしれないなあ。

それでも、今のところは断固として日々の生活を崩さず、楽園に背を向ける伊織の姿勢は、あの健二とマハライドにも指針となるものを芽生えさせたようだ。マーちゃんを守るためとはいえ、流されるようにラ・ベルの麾下に入り、彼女の言うなりにやってきた健二にとって、伊織の姿は一つの可能性に見えたのかもしれない。彼が、今回率先して自分の意志で伊織に力を貸してくれたのは、彼の可能性が自分たちの可能性にも繋がることを確信したかったのかもしれない。
この感触だと、今後も彼らは少なくとも伊織たちとは敵対はしないでいてくれそうだ。この二人は、作中でも好きなコンビなので、出来れば無事でいて欲しいのだけど。

そろそろ、クライマックスも近いのか。誰にとっても、相応に幸せな結末があって欲しいところだけれど……。

筆者作品感想

彼女は戦争妖精 小詩篇 23   

彼女は戦争妖精 小詩篇2 (ファミ通文庫)

【彼女は戦争妖精 小詩篇 2】 嬉野秋彦/フルーツパンチ ファミ通文庫

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短編集と言いつつ、実質は中編一本と短編一本という二本構成。この中編も150ページ超あるので、実質は大中編と呼んでもいいかもしれない。なんだよ、大中編って(苦笑
この巻の主人公は、二編ともにルテティア――ルゥとなっている。中編の方は公式サイトに掲載されていた、ルゥがまだパリに居る頃、伊織の叔父である宮本頼通と出会い、一人の家族のようだったウォーライクとの別れを経験し、日本へと旅立つまでのお話。
未だ全貌が伺えないウォーライクたちに課せられた闘争の謎だけれど、この中編ではこれまで登場したウォーライクの中でも屈指の古参が出演する。彼の言が確かなら、このウォーライクたちによる戦いは、200年以上前から行われてきた事になる。数百年に渡る戦いの中で、目的を達したウォーライクは一人もいなかったのか。そもそも、この戦いの最終目的が未だ不明の段階では、どうにも判断出来ないのだけれど。
我が儘で自己中心的で他人を振り回す事に何の罪悪感も抱かないような傍若無人なルテティアだけれど、決して自分以外の人間を虫けらのように思っているとか、そんな訳じゃないんですよね。登場した当初はそのわがままっぷりからなんてヤツだろうと思ったものですけど、何故か嫌いになれなかったのは、きっちり伊織にやり込められていたのと同時に、決して他人に対して冷たい娘じゃないのが、その言動の端々から伝わってきたからかもしれません。本編でも彼女の本質というのは段々と良く見えるようになってきましたけれど、この彼女がメインとなる中編を読むと、彼女がむしろ情の深い娘だというのがよくわかる。
日本に来た当初の事件では彼女、伊織達を見捨てて一人で逃げ出し、自分を守ろうとしたけれど、あの時も何だかんだと危険を承知で舞い戻り、伊織達に手を貸してくれたんですよね。
覚醒した当初からロードもなく、身一つで逃げまわる日々。彼女の慎重すぎるほど過敏な自己防衛の行動はこの過酷な逃亡生活で培われ、パリでの事件で生まれて初めて自分を大切に守ってくれた家族を失った事で、その性状は決定的なものになっている。臆病と呼ばれても仕方の無い自己防衛本能は、もう彼女とは切っても切れない根っこに根づいてしまったものなのに、土壇場になるとどうしても親しくなった相手を見捨てられないんですよね、この娘は。きっと、それは一番大切だった人を失った痛みと恐怖を覚えているからなんでしょう。
伊織なんかはまだ、ルゥのことを誤解していると思うんだよなあ。まあ、普段のひどいとしか言い様の無い態度を見てたら、仕方の無いことなんだろうけど。実際、ルゥは伊織のこと、嫌いだろうし。でも、嫌いでも長らく孤独だったルゥにとって伊織はもう、失ってしまったら痛くて耐えられない人になってるんだろうなあ。
頼通おじさんが本格的に登場したのはこの短編が初めてか。いや、本編では5巻でも本格的に出てるのか、先に公式サイトでこの話を読んでたので、印象的にはこっちが先なんだよなあ。この人、生真面目な伊織と違って軽いし飄々として女癖も悪いアレな人なんだけれど、根本の頑固でこうと決めたら譲らないという芯の固さは、確かに伊織とよく似てるんですよね。やっぱり血を分けた叔父と甥だなあ、と。


もう一本はルゥと彼女のロードになったさつきの話。時系列的には5巻のあと、最新の話になるわけか。
未だにルゥがなんでさつきをロードに選んだのかわからんよなあ。ルゥの性格からして、面倒くさいことこの上ない鬱陶しいさつきとの相性は決して良くないように思うんだけれど。でも、意外とルゥはさつきのこと、いちいち細かいところまで指摘して構ってるんですよね。普段の生活面でも、戦闘時でも。戦闘時はちゃんと現実と常識を弁えさせないと生き残れないというのもあるんだろうけれど……。
案外、ルゥは自分よりもどうしようもない相手には世話好きな面があるのかもしれないなあ。あのお子ちゃまクリスに対しても、普段から妙に優しいし。相変わらず相手の話を聞かない自己中心的ではあるんだけれど、さつきに対してはわがまま言って振り回すのではなく、終始彼女のためのアドバイスに徹しているのだし。
さつきはもう、本当にどうしようもない娘なんだけれど、ルゥが放り出さずに今回みたいにきっちり指導し修正してくれるなら、少なくとも伊織たちの足を引っ張らない程度までには成長してくれる、とありがたいと期待したいw なんだか、こうなってしまうとルゥが頼もしくなってくるよ(苦笑

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彼女は戦争妖精 54   

彼女は戦争妖精5 (ファミ通文庫)

【彼女は戦争妖精 5】 嬉野秋彦/フルーツパンチ ファミ通文庫

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ウォーライクとその主たるロードたちの戦い。そこに歴としたルールが存在するなら、それはルールを選定した戦いの監督者がいるということ。
それがあの老紳士であり、ラ・ベルだったわけか。お互いに警戒しあい、むしろ敵対者のような雰囲気で並び立ち、ロードたちの動向を見守っていたので、どちらかというとロードたちの戦いには元々関係ないものの、外部から虎視眈々と何かを狙っている連中かと考えてしまっていた。
そもそも彼らがこの戦いを仕組んだグループだったのか。ただ、決して仲間や共同体じゃないんだな。そもそも敵でありながら協定を結んで同じ目的を果たそうとしている集団のように見える。
それが、楽園を目指すという事なんだろうけれど、ロードたちが妖精の書を手に入れ、ウォーライクが楽園へとたどり着く、そこにどんな意味が隠されているのか。
ミンストレルの連中も一人ひとり、思惑や見ている方向が違うみたいだし。だいたい、監督者であり、戦いには介入せず、ロードたちには自ら手を下さない、とお互いにルールで決めているにも関わらず、こいつら裏では個々に色々と無茶苦茶やってるもんなあ。はっきり言って不干渉の協定は有名無実と化しているし。

何にせよ、黒幕が出てきたことで事態は大きく動き出したと言える。
積極的に敵のウォーライクを倒そうとしない伊織たちを、忌避すべき「死の蛇(クロウ・クルーワッハ)」と呼び露骨な敵視を隠さないミンストレル「イソウド・オブ・ホワイトガントレット」。彼女とは正反対に、むしろ伊織たちのそのやり方を支持する素振りをみせている老紳士。
殺し合いの輪に加わろうとしない伊織たちの存在が、どうやら単なる戦いを避けようとするやる気の無い不参加者、というだけじゃない意味を持っているような感じもある。
とはいえ、今のところ黒幕に抗えばいい、という流れにもなっていない。今のところ成り得ない、と言った方が正確か。ミンストレルと呼ばれる存在たちはどう考えても人間じゃなく、さりとてウォーライクでもない。さらに言うと、単体でウォーライクを携えたロードを完全に圧倒する力を秘めている。それこそ象が蟻を踏みつぶすかのような絶対的な力の差がある。
動きようがない、というのはつらいよなあ。結局は、襲いかかってくる敵ロードを迎え撃ち続けるしかないわけだし。
この状況を打開するための突破口は、やはり8年前に失踪し、クリスを送り込んできた伊織の父親、ということになるんだろうが。
その辺は学生という立場と、クリスやルテティアを食わせなければならないという主夫としての立場がある日常生活から逸脱出来ない伊織ではなく、ようやく帰ってきた自由人、叔父の頼通の役割になるのか。
このおっさん、物腰はだらしないんだが、やっぱり帰ってきてくれると非常に頼もしい。大人だなんだというより、その食わせ者で強かな存在感が大きいんですよね。これまで怪しい動きを続ける薬子先生に対して、伊織や常葉は不信感を抱きつつも動きようがなかった所に、頼通叔父は帰ってきた途端にきっちり掣肘を加えてくれたもんなあ。
どうやら、彼女の事情にもいささかなりとも通じているみたいだし、きっちり薬子の思惑についても警戒して、防衛線を張ってくれている。これで、不意に一方的にメチャクチャなことになる危険性はぐっと減ったんじゃないだろうか。

しかし、この叔父と甥の関係も面白いなあ。二人の性格からしてベタベタと仲がイイ、とは思ってなかったけれど。ある種のそっけなさと身内ゆえの気安さが同居している、とでも言うんだろうか。
伊織の性格からして、頼通って人は相当に癇に障りそうな性格なんだけどなあ。いや、実際あの女癖の悪いところなどについてはかなり軽蔑してる風ではあるんだが(伊織の女性に対する姿勢には幼い頃から見てきた頼通の行状からくる影響が大きいようだし)、それ以外の面についてはしっかり認めているようだし、ちゃんと頼りにしているようにも見える。伊織って気難しいけど、極端ではないんだよね。中庸を心得ているというか、拒絶するところは徹底的に拒絶するけれど、それが全人格の否定などといった極端な方向には突っ走らないんだよなあ。その辺は、バランス感覚が取れていると言っていいかも知れない。まあ、気に入らなかったら突きはなしまくるんだけれど。

その伊織の性格だけれど、この他人に甘えを許さないところ、きっぱりと辛辣で女の子に対しても断固とした姿勢を崩さず、まったく妥協しないというところ、これを何と言い表していいのかずっと頭をなやませていたんだけれど、作中で見事に言い表わしてくれる表現があって、思わず手を叩いてしまった。
そうか、伊織はつまり「自分にも他人にも厳しい」性格ということだったのか。
厳格な主人公って、珍しいよなあ。
伊織があれだけさつきに対して辛辣な態度を取り続けているにも関わらず、決定的には拒絶しないのも、その厳格さ故なのかな。他人だけでなく自分にも厳しいと言うことは、気に入らないというだけで他人を拒絶し突き放すことを甘えと捉えているとも考えられるし。
さすがに、本当は嫌いじゃないんだよ、と言われても信じられないけれど。さつきの性格や態度に対する伊織のイライラを見てたら、どう見てもこいつウゼえ、鬱陶しい、嫌いだ、と思ってるようにしか見えないしw
いや、四章冒頭の一節を読むと、伊織はさつきに対して一種の恐れを感じている節もあるんだよなあ。まあ、あのねちっこさは矛先をこちらに向けられると確かに怖い。

最初は妹の事件に絡んで一旦ウォーライクの世界に関わり合っただけで、あとはモブキャラへと移行していくのかと思ったさつきだけれど、やはりというべきか、こんな形で踏み込んできたかー。ルテティアもいらん事をしてくれたもんだわ。
ロードとして覚醒したさつきの、これまたウザいことウザいこと(苦笑
普段の彼女が陰性のウザさなら、ロードの時の彼女のウザさは陽性にもの。明るくなっても暗くなってもウザいって、どんなだよw もう、半分ヤンデレに足突っ込んでるなあ、これ。あと二三歩間違えたら、悲惨な事になりそうだ。
そもそも、ウォーライクであるルテティアと仲が良いワケでもないし。ルーもいったい何を考えてこんなことをしたんだか。おもしろ半分、というだけじゃないと信じたいけど。
ルーも悪い子じゃないんだし。我侭で自己本位、自分が一番大事という娘だけれど、今回伊織とクリスが大ピンチに陥った時、思いっきりビビリながら、腰が引けながら、自分が助けに入ってもどうにもならないと理解しながらも、それでも助けに行こうという意志を示したもんなあ。あそこは、ちょっと感動した。ルーもちょっとずつ変わっていってるんだろうか。


もう一人の多分ヒロインであるだろう常葉先輩は、今回あまり伊織との絡みはなかったんだけれど、カラー口絵で描かれてるシーンなんかを見ると、もう玄関で旦那様をお迎えする若奥様といった風情で、似あうのなんの。この先輩、ほんと美人なんだよなあ。和装は似合うし。そもそも、伊織とほんとにお似合いだと思うんだが。
リリオを守るために、そして心の奥底に秘められた醜い嫉妬心のために、妻を救うために戦っていた想い人を打ち破り、彼の最後の希望を打ち砕いてしまった常葉。この痛切すぎる失恋のために、今まで頑なに立ち止まっていた何かが、今回グレアムとの生命を以て鍔迫り合いする戦いに勝利し、その結末と選択を老紳士に肯定されたことで、彼女の中で何かが吹っ切れたんだろうか。
最後に、彼女はこれまで足を向けることが出来なかった想い人…滝沢の奥さんのお見舞いに赴いてるんですよね。彼女の中で、区切りをつけることが出来たのか、トラウマを乗り越える事が出来たのか。
ともあれ、これまで伊織に対しての自分の感情をきっぱりと線引きしていた常葉の在り方に、大きな変化が訪れるような気がする。お見舞いの件を伊織に伝えたのは、彼女の覚悟を示すと同時に、伊織に対するある種の宣言とも勘ぐれるんだが、さすがにそれは穿ち過ぎか。
前まで、常葉先輩にはちょっとした危うさを感じていたんですけどね、グレアムとの決着の付け方を見て安心した。この人はどれほど思いつめても、追い詰められても、ちゃんと正道を行ってくれそうだ。

新章になり、黒幕「吟遊詩人(ミンストレル)」が前面に現れだし、これまで怪しい素振りを見せるだけで動かなかった薬子先生も、ミンストレルとの接触によりてひどい目に合わされ、どうも余裕がなくなってきた気がする。さつきが加わったことで逆に不安要素も倍まし。
さあ、面白くなってきた。

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彼女は戦争妖精 小詩篇 14   

彼女は戦争妖精 小詩篇1 (ファミ通文庫)

【彼女は戦争妖精 小詩篇 1】 嬉野秋彦/フルーツパンチ ファミ通文庫

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本シリーズ初の短編集。ああ、ファミ通文庫の公式サイトで連載していたルテティエの話は今回は収録されずか。あれはルテティエという娘を形作っているものの本質が良く分かるし、話自体も叙情的で雰囲気があって好きだったんですが。まあ、次回には掲載されるみたいだから、楽しみに待っておこう。

しかし、こうして常葉先輩がメインの短編を読むと、このシリーズのメインヒロインはどうにも彼女以外にないように見えてくる不思議。
一応伊織の相棒となるクリスは、精神的にも肉体的にも完全に幼女で伊織にとっては大事な家族とは成り得ても、それ以上はどう考えても無理だし、当初ヒロインかと思われた牧島さつきは、本人は御執心だけど伊織はまったく相手にしていないし、ルテティアとは色恋以前に性格の不一致が酷すぎて本気で仲が悪いし、とまともに付き合える相手がいないんですよね(笑
その点、常葉先輩は気難しいはずの伊織の性格となんか相性がいいんですよね。どこか斜に構えた伊織の態度の真意をさらっと見抜いて、それを嫌味に感じさせない風に指摘し、同時に許容する。それは冷静かつ知的な論理性に基づいた態度でありながら涼やかな包容力と相手を尊重する距離感を備えていて、伊織に不快感を感じさせない。
あの伊織に、怪我と疲労で満足に動けない状態とはいえ、自宅の家事や動けない自分やクリスたちの食事の世話を任せる事を受け入れさせる、というのは結構とんでもないことのように思えるんですよね。伊織って、絶対パーソナルスペース他人より広いし、踏み込ませまいとしそうな所あるし。
尤も、伊織当人も常葉の世話になり繋がりが深く濃くなっていくことに、元々他人との付き合いを倦厭する性質のせいか、戸惑いや不安を覚えているみたいだけれど、この時常盤当人をどう思っているかの自問自答がなかなか意味深なんですよね。
前から敬意と信頼を寄せている相手ではあるんですけど、ちょっと頭の上がらない所といい、着実に伊織の中で大きな存在になっていってる気がするなあ。それを、まだ伊織はしがらみと捉えたがっているようにも見えるけど。
対する常葉先輩も、既に伊織に対してかなり大きめの好感は抱いているんですよね。ただ、つい最近、酷い、というよりも惨い形での失恋をしているだけに、早々に新しい恋にかまけるつもりが更々無いという心持ちでいるので、伊織をそういう対象として見る事はしていないのですけれど。とはいえ、お手伝いさんの静子さんが考えるように、少女が少年に見栄を張りたがるというのには色々と意味があるもの。特に、常葉のように虚栄心とは縁の無いサッパリとした女性にとっては。
二人とも今のところ、お互いを異性として意識することに必要性を認めておらず、信頼して共闘できるウォーライク同士であり敬意と好感を抱きあう先輩後輩、というスマートな関係にとどまっているけれど、既にもう飛び越える壁の高さは軽々とまたげる程度にまで下がっているようにも見える。
まー、この二人の場合、まかり間違ってお付き合いを始めても、ラブラブカップルなどという類のそれとはかけ離れたものになりそうだけれど。ライトノベルの主人公とヒロインで、双方がこれほど大人びて落ち着いた関係と言うのも珍しいくらいだし。

と、常葉先輩のヒロインとしての立脚について触れてきたのだけれど、実のところ彼女がこのままメインヒロインとしてそのまま伊織の隣に立ち続けるかと言うと、一抹の不安があるんですよね。
この女性は、親しい相手のために命を投げ出すことも厭わないような真摯さ、誠実さを持つと同時に、自身の執着を優先して他を切り捨てる決断を下しかねない、女としての怖さを備え持ってる気がするんですよね。自分の選択がどれほど愚かで虚しいモノかを理解していながら、あとで悔やみ苦しむことを承知していながら、敢えて堕落してしまうような。
でもそんな危うさこそが、この大路常葉という女性にただの涼しげでカッコイイ和風美人というだけではなく、ある種の壮絶な色香を感じさせる要因となってるようにも見えるのです。
実際、ミステリアスな色気のある薬子先生に、常葉先輩って女としての雰囲気じゃ全然負けてないもんなあ。


女の情念と言えば、健二とマハライドを主人公とした短編も、全般色濃くそんなのが漂ってるわけで。健二の母親との陰惨な過去といい、そのトラウマを引きずったまま続けていた多種多様な女性関係。そんな相手の一人に向けられるほの暗くも無責任で我儘な女の情念との対決。最近、というわけでもないんだろうけど、嬉野さん、こういうドロっとした感情をねちっこく、でも語り口としてはさらっと書く事が多くなってきたなあ。大好物なんですけどね、私そういうの。
そんな中で、屈託の無い健二とマーちゃんのやり取りが微笑ましい。このウォーライク同士の終わりの見えない闘争にまつわる真相に近い部分に関わってくる陰謀に、図らずも関わることになってしまった二人だけど、速攻で退場することが予定されていたところを思わぬ流れで生き残り準レギュラー化してしまったという存在感の強さを生かして、このまま頑張って欲しいなあ。

そういえば、表紙絵は初めて伊織とクリスのコンビではなく、この健二とまーちゃんの二人組。願わくば、次は常葉とリリアーヌを見たいところではあるけれど、カラー口絵の方で充分堪能させてもらってるともいえるので、我儘は言うまい。
作者もあとがきで書いてるけど、口絵のよだれたらしているリリアーヌが素敵過ぎますw あー、和装の常葉もやっぱり美人だなあ。どうしてこの人が学校で王子などというあだ名がついているのかわからんわからん。

そして相変わらず、食い物の描写が上手すぎる。というか、美味しそうすぎる。ベン・トーほどじゃないけど、この本も読んでたらお腹がすいてくるんですよねー。いつもは伊織が色々と作ってるのですが、今回は常葉先輩が作っている描写も多く、それ以外にもアイスとかハンバーガーなどのジャンクなども、食いっぷりの素晴らしさ故か、食卓の描写ゆえか、とっても美味しそう。

彼女は戦争妖精 44   

彼女は戦争妖精 4 (ファミ通文庫)

【彼女は戦争妖精 4】 嬉野秋彦/フルーツパンチ ファミ通文庫

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しまった、ファミ通文庫の公式サイト上で連載していた短編、というか中編、ちゃんと短編集として書籍化されるんだ。普通に考えたら当たり前なんだが、そうと気づいてたら読まずに温存しておいたんだけどなあ。
でも、由良健二とマハライドの出会いの事件に、ルテティアが日本に来る前のお話、両方とも読んでおいたことでそれぞれのキャラクターへの理解が進んで、この巻でも言動に対する行動原理もよくわかったので、読んでて良かったとは思うんだけど。
特に、ルテティアは本編だけだとかなり無茶苦茶我儘なだけの娘にしか見えないんだけど、フランスでの過去編を読んでると彼女が自分の自己中心的な行動原理に確固とした責任を負う覚悟を持っている、というのと、あれで本気で仲が悪いのは伊織だけでクリスのことはわりと可愛がってる、というのが分かってくるんですよね。
ルゥって、もう本当に我儘でどうしようもないんですけど、ちゃんと自覚的なところと、その我儘によって見捨てられる事見切られる事も覚悟の上で自己中心主義を貫いているところ。伊織がきっぱりと一切甘やかすことなく冷厳に対処してるのでイイ目にはあってない、ってところで案外嫌いじゃないんですよね。ここまでくると、いっそ清々しいと思うくらい。
まー、とてもじゃないけどまともにお付き合いしたくなるような娘じゃないですけど。デレても別に我儘が治るわけじゃないのは、叔父さんとのやり取りをみてると明らかですし。
ただ、彼女の場合、裏切ったり見捨てたりする事はあっても、騙し討ちとか味方のふりしてはかりごとを巡らす、ということは絶対しなさそうなので、その点でもわりと信頼に足るような気もするし。
ぶっちゃけ、現状で敵ではない女性陣、ヒロインたちか。彼女たちって、みんな信用できないからなあ。
あからさまにあやしい行動をとりだした薬子先生はもとより、実のところ常葉先輩も、もしものケース、というのが考えられるんだよなあ。先輩の場合、現状はまったく全面的に心から信頼できる味方なのは間違いないのだけど、彼女の場合どうも条件が揃ったら手段を選ばなさそうな危うさがあるんですよね。根っから真っすぐで嘘や謀は苦手な彼女ですが、一途だからこその危険性が。
願わくば、そんな状況にならない事を祈りますけど。今のところ、伊織が心底から信頼できるのは、常葉とリリオーヌのコンビだけなわけだし。実のところ、伊織ってちょっぴり常葉先輩の事、好きとまでは行かなくても意識はしてると思うんだよね。常葉がつい先ごろ、ヒドイ失恋をした事に配慮して、そうした素振りは一切見せないようにしてるけど。彼女も自分で口にしてるけど、当分は異性の好意を持てないと言ってるし。ただ、彼女の場合は恋愛に臆病になってるだけのようにも見えるけど。兄弟子との一件は、トラウマものだしねえ。
個人的には、伊織と一番相性良さそうなのは常葉だと思うんだけどね。裏表なく素直で言動も明快。それでいて抑制がきいていて理性的という常葉は、伊織のメンタリティとかなりフィットしてるんですよね。牧島さつきやルゥとの対応を見てると、余計にそう思う。まあ、常葉もそういう出来てる部分だけの女性じゃないのも確かなんですが。彼女の一途な狂的な部分は、伊織が不快感や嫌悪感を抱くタイプのものじゃない気がするし。
それに比べて、牧島さつきは、あまりにも相性悪すぎるよなあ、これ(苦笑
ただ内省的で引っ込み思案なだけじゃない、というのは分かったけど、この巻で表に出てきた部分は、ちょっと色々ヤバすぎるような……。あの妹をしてこの姉あり、だったわけだ。
なんでわざわざルテティアがさつきにちょっかい出してたのか、ルゥの普段の行動原則からかなりハズレてて、首を傾げてたんだけど、カラオケルームでの一件で納得。
なるほど、ルゥはさつきにそういう可能性を感じてたんだ。ただそれ、なんとかに刃物になりかねないぞ。

薬子先生は、ほんとに意図が読めなくなってきたなあ。何が目的でなにを考えているのか。
どうも彼女って、どっぷりとウォーライクの闘争に浸かってる連中とは一線を画してる部分があるんですよね。以前書かれていた母親と一緒に暮らすつもりだった、というのは真実みたいだし。母親の急逝に伴う、身辺の慌ただしくも不穏な動き、というのもウォーライクに関わるものとは、なんか雰囲気違うし。
その現実社会での部分と、ウォーライクの戦いの中で見せるあやしい動き。それがどう繋がってくるのかわからないので、彼女が何を企んでいるのか、どういう動きの中にいるのかがさっぱり見えてこないのが、かなり不気味なんだよねえ。
面白いのが、その不穏な動き、というのが伊織や常葉たち、一応の同盟関係を結んでいる仲間たちに、ばっちり認識され不信がられているところ。普通のパターンだと、この手の仲間のあやしい動きというのは、ほぼ完ぺきに仲間うちには悟られずに進行するケースが多いんだけど、これだけ怪しまれてると、逆にどう展開が転ぶかまったく予想がつかないんだよなあ。薬子本人も、怪しまれても構わない、というスタンスだし。何を考えているのやら。

まあ、ウォーライクにまつわるヒミツそのものが、まだまだ殆ど伏せられていて、謎に包まれている、という理由も大きいんだろうけど。
マダムや老紳士の正体や、そのポディションもまったく謎だもんねえ。


ストーリーの方も混迷を深めてきましたが、相変わらずこの作品、食い物がべらぼうに美味そうなんだよなあ。食事の描写の丹念さは、より濃くなってきている気すらする。とにかく、カルボナーラといい、BLTサンドといい、様々なバリエーションが登場するフレンチトーストといい、材料をそろえて調理していく過程が丁寧に描写されているんで、出来上がりが本当に美味そうなんだわ。
それを、クリスがおいしそうに食べるもんだから、余計に美味そう。
伊織の、クリスの面倒の見方も、食事の用意以外に身の回りの世話とか、しっかり描かれているせいか、家事育児してるなあ、という実感が恐ろしいほど感じられる。生活感が、そんじょそこらの作品とはケタ違いに、濃く漂ってくるんですよね。飯が美味そうなのも、そのせいかな。伊織も、家事育児に追われてヒーヒー言ってるかと言うとそうでもなく、愚痴や皮肉を言いつつも、テキパキと計画的にこなしながら、そこはかとなく充実してそうな感じなので、何となく楽しそうだし。

何気に、【ベン・トー】に伍するくらい、読んでて腹が減る作品になってきたなあ。次回もわりと、そっちの方面でも期待してしまう自分がいるのでした。

彼女は戦争妖精 34   

彼女は戦争妖精 3 (ファミ通文庫)

【彼女は戦争妖精 3】 嬉野秋彦/フルーツパンチ ファミ通文庫

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前々から伊織の女性への温度の低さ、ドライさには瞠目させられてきたけど……いやはや、すげえなこいつ。
未だかつて、ラノベの主人公でこれほど女性に対して辛辣で容赦なくてキツい人がいただろうか。少女系レーベルの作品に出てくるようなクール系の男連中だって、もう少し女性に対して甘さがあるだろうに。
そう、この伊織。女性に対して女の甘えを一切受け入れないんですよね。別に性格が冷徹だとか女が嫌いだとかそういう話ではなく、男だろうが女だろうが良識のない言動に対しては、単にそれに相応しい敢然とした態度を崩さないだけ。だから、薬子や常葉らに対してはきっちりと礼儀と敬意を払った姿勢を崩さない。多少、伊織には年上好みのきらいはあるかとは思うけどw
クリスの我儘を受容しているのは、それが幼児に不可分な行動原理だと納得した上で、自分が世話したことに対してクリスがちゃんと感謝を示しているから、という当たり前の論理なんですね。ちなみに、クリスの我儘をそのまま受け入れているのではなく、彼、いちいちちゃんとダメなものはダメと躾けてますし。仕方ないと妥協しないあたり、偉いよなあ。
さつきへの態度は、少々辛辣すぎるようにも思うけど、ちょっと痛快でもあるんですよね、というと我ながら矮小な気もするけど(苦笑
鈍感故ではなく、好意を匂わせて気づいて貰おうという態度に対して、虫が良すぎる、と一刀両断して無反応でいる、ってのは年頃の男の子にしちゃあ、やっぱりすげえよなあ。
そんな伊織だから、新しく現れたウォークライ。叔父が預かってくれと送り届けてきたルテティアとの相性は最悪。ほんとに最悪。一応、新ヒロインなんだよね、この子。自己中心的で自分本位。男にちやほやされるのが当たり前、という環境で過ごしてきたような少女であるがために、伊織とは完全に険悪な関係で、衝突してばかり。普通、年頃の男女がぶつかれば、女の方が優勢になってしまうものだけど、この伊織はそのへんの軟弱な男子とは一線を画しているせいか、常に正論でルテティアを叩き伏せるんだから、ほんとに凄いなあ、こいつ。
いや、ほんとに凄いのは、伊織にはまったく甘さがない所なんだよね。普通ならルテティアの我儘に対して文句はいいつつも、最終的には何だかんだと妥協しそうなもんだけど、伊織はほんとに一切妥協無し。容赦なし。文句があるなら出ていけ、という態度を微塵も、一ミクロンも崩さない。仲良くするつもり一切なし。この手の主人公に見られるデレの傾向が一切なし。完膚なきまでになし。実に徹底している。
とはいえ、完全拒絶じゃないんですよね。常識の範囲内で譲る部分は譲ってる。感情的には嫌い抜いてても、嫌いというだけで相手を全否定しない公平さと叔父に頼まれたという責任感。それがこれほど対立しながらも、ルテティアから居場所を奪う形にならない要因に見える。もし伊織が完全に拒絶するつもりなら、どれほどルテティアが傲岸で自己中であろうとあの家にいることに耐えられなかっただろうし。
これほど険悪な関係だったにも関わらず、ルテティアが最後にああいう行動を取ったのも、そのへんに理由があるんじゃないかなあ。とてもデレたとは思えないけど。でも、伊織の信念に、自分が頑なに正しいと信じている生き方よりも眩しいものを感じ取ったからこそ、ああいう行動に出たんじゃないかなあ。でなきゃあ、あそこで伊織に対して悔しいとか勝ち逃げされるようだ、と思う事はないだろうし。
ただし、今のところは間違いなく、伊織のこと、嫌いだぞ、ルテティア。

しかし、けっこう驚きだったのは伊織がクリスの面倒を見ることを面白いと思いだしてることだよなあ。あれほど幼児のお世話、うんざりしていたのに。ただ単に無責任だった父親への反発だけで、意固持になってクリスを放り出さないようにしていただけじゃなかったわけだ。グチグチ言いながらも、細々と気を使って面倒見ているあたり、本来は世話好きなのかもね、伊織は。

あと、叔父さんと薬子先生って本気で何にもなかったのか。絶対、過去に付き合ってたと思ってたのに。それどころか連絡も取っておらず、疎遠だったというのは驚いた。となると、じゃあ薬子が伊織に近づいたのがはたして本当に親切心からだけだったのか、というところに疑問が出てくるわけで。今のところ、尻尾らしいものは全然出してないけど、怪しいところあるのは確かなんだよなあ、先生。
常葉先輩も、こちらは基本的に信頼できる人なんだけど、伊織が微妙に感じている不安。彼女の強さ、揺るがなさこそが脆さなんじゃないだろうか、というところ。この人、そのあたりから崩れてきそうで怖いんだよなあ。
今のところ仲間、同盟関係ともいえるこの二人だけど、信頼は出来てもはたして信用しきれる相手かと言うと微妙に不安定。ある意味、伊織が本当に間違いなく味方と言えるのは、やっぱりクリスしかいないのか。ルテティアは微妙なところだけど、相性や性格の不一致、険悪な関係性というのを無視すれば、ある意味薬子や常葉よりも信用は出来るのかも。
でも、クリスも彼女本人が知らないところでウォーライク全体に繋がるような大きな秘密を抱えているようだし、伊織の負担は増える一方だな、こりゃ。

彼女は戦争妖精 24   

彼女は戦争妖精2 (ファミ通文庫)

【彼女は戦争妖精 2】 嬉野秋彦/フルーツパンチ ファミ通文庫

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おかしいとは思ってたんですよね。この手の強制バトルフィールドものには付き物の、参加者への報償の有無が第一巻では語られなかったのですが、ここにきて明らかに。
ウォーライクだけでなく、ロードもまたこの戦いを勝ち抜くことで得られるものがある。それは、どんな願いでも一つ叶う、というあまりにも大きな報償。

となると、常葉が言う「薬子先生を信じるな」という言葉が俄然、真実味を帯びてくる。歴戦の鞘の王である彼女が、どうしてその事実を伊織に告げなかったのか。
前回、絶体絶命のピンチを助けてもらい、文字通り命の恩人となった薬子先生。このウォーライクを巡る戦いについて何一つ知らなかった伊織とクリスに知識と戦い方を教えてくれた彼女。彼女がいなければ、まず初っ端から脱落していた事は間違いない。
それに、薬子先生は伊織の叔父と過去に何らかのにゃんにゃんがあったような雰囲気もあったので、甥ッ子である伊織には何かと目をかけてくれているのかと、常葉に言われるまでは全然疑いもしてなかったんですよね。
いや、常葉に言われた時ですら、何言ってんだ? と、あまり気に留めることもなかったのだけれど……。

今回、薬子先生は前半中盤と物語に現れない。私生活の方で、長らく病を得ていた母親が亡くなり、その葬儀と後始末で慌ただしいことになっていたのだ。
彼女の、一教師には相応しくない高級マンションという住居に私生活(教師の仕事中は非常に野暮ったい格好をしてるくせに、私生活ではビシッと高級品で決めている)。身近に見え隠れする親しげな男性の影。
不審というほどではないけれど、彼女に不安のようなものを抱きはじめる伊織。

伊織って、巷じゃ滅多に見られないほどドライな主人公で、前回のメインヒロインかと思われた牧島さおりが向けてきた仄かな好意への、バッサリとした断ち切り方、無関心さは呆気にとられるほどだったんですけど、薬子先生に男性の影が見えた時の微妙な態度見てると、彼って先生に対して無自覚なレベルで好意みたいなものを抱いていたのかなあ、という気になる。
だってあれ、どう見ても嫉妬だもんなあ。


その薬子先生、クリスと伊織を狙って襲ってきたウォーライクとロードと戦闘を行うのですが、そこで彼女が伊織に語っていた自身のこの戦いへのスタンスと食い違う言動が垣間見える。
というか、なんか辻褄合っちゃうんですけど、色々と。うわぁ。これはちょっと、本気で油断ならないことになってきたかも。


一方、もう一人のヒロインたる新登場の大路常葉。登場シーンや途中のたち振る舞いからして、「王子」の名に相応しい、典型的な剣道少女。この人の場合は薙刀少女か。古風で規律正しいさっぱりとした気風のヤマトナデシコかと思っていたのだけれど、いや本人もそうあろうとしていたし、周りもそう受け取っていたんだけれど。
土壇場で彼女が見せたものは、ドス黒いまでの女としての情念。
その浅ましい考え、好きな人の幸せを踏み躙るような有り様、反吐が出そうな自分勝手な振る舞いに、自分自身で苦悩し絶望しながらも、暗く醜い自身の情念に身を委ねてしまう常葉。
いやね、むしろ清廉潔白な娘より、私はこういう自分の醜さに苦しみもがく娘の方が好みなんですよね。
自分にそういった感情があることを偽らず、目を背けず、直視して自分の浅ましくも醜い想いを裏切れないあたり、この娘は本当の意味でまっすぐな心根の娘なんでしょう。

彼女はもし、今後伊織たちと袂を分かつことになっても、まず正面からきっぱりとそのことを告げ、正々堂々と敵対してくれるように思います。
まあ、そうならず、まず頼もしい味方として。クリスにとってはリリオは初めての身近な友人として、助けになってくれるのでしょう。
クリスなんか、リリオと交流することでメンタル的にもただのお子様から多少戦うことへの自覚が生まれてきてるみたいだし。

それにしても、毎回冒頭で伊織が作るフレンチトーストは美味しそうだなあ。

彼女は戦争妖精 14   

彼女は戦争妖精 1 (ファミ通文庫 う 1-6-1)

【彼女は戦争妖精1】 嬉野秋彦/フルーツパンチ ファミ通文庫


冒頭で、主人公が訪ねてきた同級生の女の子に振舞ってるフレンチトーストが、やたら美味しそうなんですけど。
本を貸し借りする関係、というのもどこか上品な匂いがしていいんですけど、本を借りにきた女の子に、さらっとこうした軽食を調理して振る舞える主人公が、何気にスペック高いよなあ。しかも、別室に幼女に猿轡まではめて閉じ込めてる状態なのにw
しかし、ダッツか。ハーゲンダッツなんか、高くてフレンチトーストなんかには使えないよ。それだけに美味そうだ。この本読んでから、朝食や間食にフレンチトーストを作る機会が多くなったのは統計的な事実でござる。

嬉野作品では久々に、冷めたタイプの主人公がきたなあ。わりと何事にも淡々とした反応を示すタイプ。とはいっても、表面に出てくる感情の起伏が少ないだけで、内面はけっこう普通にいろいろ感じ、考えてる。
でも、全体的にみるとやっぱり冷めてる方か。
こういうクール系に対するヒロインが、年頃の女の子じゃなく完全幼児というのは、なんかこう…意地悪だぞ(笑
行方不明の父親が送ってきた十年越しの宅配便の中から出てきたのは、戦争妖精ウォーライクを名乗る十歳前後の外見容姿の女の子クリスタベル。
とはいえ、ウォークライとは何なのか、本人もさっぱり覚えておらず、記憶しているのは名前だけ。要求するのはお腹すいたーの食欲ばかり。精神年齢は外見の十歳にも満たない完全幼児。
とてもじゃないが、女の子だとか異性がどうのというレベルではない。育児レベル(笑

お前、いきなりボンキューボーンの美女とかに成長したりしないのか? などと主人公宮本伊織、年頃の青少年としてはわりと切実な期待を幼女にかけたいところですが、そんな傾向は一切なし。
でも、こいつ、冷めてるわりに冷血漢ではないんですよね。どこの誰とも知れない、それどころか人間ではない存在を、しかも生死のやり取りとなる「鞘の主」の戦いに問答無用で巻き込むクリスを、なんだかんだで見捨てられない情の持ち主。
本人も自分がいささか温度の低い人間である自覚があるのか、自分が厄介者であるクリスを処分してしまうような冷酷な考えを浮かべなかったことに、ホッとするシーンがあるんですよね。あそこで、この主人公のこと好きになりましたわ。主人公たるもの、変に熱血でなくてもいいんです。グチグチ文句言いながらも、人当たりが冷たかろうと、人としての当然の情をどんな状況でも失わず、自分の指を掴んでくる小さな手を振りほどかない意志の力があるのなら。
うん、その意味では口絵で描かれたワンシーンも良かったなあ。

一方で、同級生の読書好きの女の子。ヒロインとしてのスペックは高くて、いや本気でかなり可愛かったんだけど……伊織、相手の好意を知った上であの態度ですか。こいつ、マジで温度低いなあ(苦笑

何気に重要なキャラクターとなりそうなのが、保健の先生。この人、もしかしたら叔父さんとけっこうイイ仲なんだろうか。単に知り合い、友人、先輩の甥っこに対する手助けにしては、身が入りすぎてるようにも見えるんだけど。
単に先生、傍目と違ってホントの世話好きお人好し、という線もありそうだけど。イイ人なのは間違いないか。

さよならストレイウルフ 2.赦されざるもの  

さよならストレイウルフ 2 (2) (TOKUMA NOVELS Edge)

【さよならストレイウルフ 2.赦されざるもの】 嬉野秋彦/菅野博之 トクマ・ノベルズEdge


どんな親しい人でも、良く知っていた相手でも、時の流れはいやおうなく人間を変えてしまう。それが、生きること自体が過酷で絶望的な世界ならなおさらのこと。
魔龍王ベラッツェラとの決戦に敗れ、三千年後の世界に飛ばされてしまったジュノーたち。流れ着いた世界は、ベラッツェラとその眷族が支配し、人間たちは虐げられ隷属させられるだけの存在に堕ちた世界となり果てていた。
六人の仲間たちは同じ時間に跳ばされたわけではなく、それぞれ何年か、何十年かの時間差を隔てて未来へと送り込まれ、主人公のジュノーが未来に流れ着いた最後の一人。
見慣れぬ未来世界に戸惑いながら、ようやく探り出した仲間の消息は、リーダーだった男は病を得てすでに病没し、弟分だった少年は十年以上の歳月をこの未来で過ごした末に戦意を失い、ただ平穏な暮らしを望むくたびれた中年へとなり果てていた。

というところが、一巻のあらましなわけですが、一巻の最後に合流する兄貴分のカザークと、幼馴染にして恋人でもあったマハールも、ジュノーが知る彼らとはどこか違ってしまっていたわけですが……。
よくあるパターンだと、こういう時の流れを隔てた再会で人が変ってしまっていたら、かつてのその人の面影を全否定するような、別人みたいな変わりよう、というのになりがちなんですけど、この作品のカザークやマハールは、ちょっと違うんですよね。
かつてとどうしようもなく変わってしまった部分と、でもやはり変わらない部分が上手く混在して同居している。彼ら二人が未来に流れ着いたのは四年ほど前となっているのですけど、その四年という歳月が非常にリアルに感じられる微妙にして決定的な変化なわけです。
これが一巻のジントなんかだと何十年もの時間差があったので、完全に別人みたいになってますけど。

で、こんな見知らぬ世界に放り込まれ、親しかった仲間たちも以前とは変わってしまっている。主人公のジュノーとしたら、たまったもんじゃないはずなんですけど……このジュノー、そんじょそこらのなまっちょろいラノベ主人公とはどっか違います(笑
いや、こういう特異なキャラクターの主人公ってちょっと他じゃお目にかかったことないなあ。
口は減らないわ、軽口は途切れないわ、泰然自若としてるわ、恍けてて喰えないわ、とにかく一筋縄でいかない性格なのに、不思議とひねくれているという印象はなく、むしろ人品は素直でまっすぐ。単純なくらい清廉で、想った事は隠さずなんでも率直に告げることを厭わない、という風に見える。
矛盾したキャラクター要素がまったく反発せず美しいほど見事に融合してるんですよね。
思えば、嬉野作品で、女性キャラ、ヒロインでならこういうタイプのキャラはいたけど、主人公で、というのは見たことなかったかも。口の減らないキャラとか食えないキャラは、大概性格も悪かったし(笑
性格の素直で綺麗な、口さがない人を食うようなキャラ、ってまたややこしいなあ。でも、これがやたらと面白く、ぐいぐい物語を引っ張ってってくれる主人公になってるんですよね。
かなり重苦しく雰囲気も暗くなりそうな世界観なのに、このジュノーが動き回るだけでなんかこう、希望みたいな淡い空気が立ち込めてくる。
カザークもマハールもずいぶん荒んでひどい有様になってたけど、ジュノーと接してるうちに澱が払われたみたいに、どこかスッキリとしてきたし。特にマハールなんか……可愛いなあ、もう(笑
かつては年下の幼馴染だったのが、今や年齢的には年上のお姉さん、しかも冷酷非情の笑わないクールビューティーになってしまったわけですけど、このジュノー相手じゃあ、この過酷な未来世界で自分を守るために必死に凝りかためてきたものも、全部吹き飛ぶわなあ。
ジュノーがいない間に彼女を襲った悲惨な出来事、自分はもっと救いようのないものを思い描いてたんですけど……いや、これも十分えぐいし、女の子としての気持ちを考えたら、ジュノーによそよそしく接してしまうのも無理はないか。好きな相手だからこそ見せたくない、見せるのが怖いものもあるだろうし。なにより、彼女の感覚からしたら四年近く会ってなかったわけだし。
にしても、ジュノーにまっすぐすぎるくらいの想いをぶつけられて、凍っていた想いが氷解したあとのマハールは、細かいしぐさや表情やらがいちいち可愛くて、たまらんなあ(w

一方、敵方のザバラオンも、二巻で描かれる内情を見ると、三千年近い支配期間を経るうちに、色々と複雑な事情を抱えてるのが透けて見えてくる。
ドッパのザバラオンらしからぬ懊悩の内容をみると、永劫に続くように思えるザバラオン族の繁栄にも、どこか閉塞感の影らしきものが垣間見えてくるんですよね。そうした中で、新たな、だが異端の生まれである、ベラッツェラの娘の出現は彼らの未来にどういう影響を与えるのか。

単純にベラッツェラを倒して終わり、という上映二時間映画的展開では終わらなそうな顛末に、次巻への期待が募ります。
とりあえず、ジュノーはマハールといちゃいちゃすることに自重するようなことは一切考えなさそうなキャラなので、その辺は存分にニヤニヤさせてくれそうw

虎は躍り、龍は微笑む 落日の賦、暁星の詩  

虎は躍り、龍は微笑む落日の賦、暁星の詩 (ファミ通文庫 う 1-5-3)

【虎は躍り、龍は微笑む落日の賦、暁星の詩】 嬉野秋彦/オカアサハ ファミ通文庫


まさに、コハクとリュードの友情に尽きる物語でした。そりゃ、カーシャもツイフォンも妬くよ。前回のコハクの素性の判明に続き、リュートも不明だった父親の正体が判明する。
やっぱり、あの人だったのか。
これまで常にクールで冷静で思慮深く、短気で喧嘩早いコハクを諭し手綱を握る役回りだったリュードが見せた、年相応の感情の爆発。
だが、それが理不尽な方向に歪もうとしたとき、本気で怒り狂い拳を叩きつけたのがコハクでした。
なんかもう、友情に鉄拳といえば定番なんだけど、泣きそうになった。嬉野先生は、書いて書いて書きまくってた多産型作家さんだけど、書いて書いて書きまくって経験値増やした人なのかなあ。近年の情感たっぷりの物語を読んでると、ほんとにいい作品書くようになったと実感する。昔から好きな作家さんでしたけど、歯ごたえのある話、書くようになったと思う。
リュードの母ルージュとその父親との悲恋が、思いのほか両人の想いが深くて、胸にキました。リュードの父親との邂逅と別れ。それが無為なものにならなかったのは、やはりコハクのさまざまな思いがこもった一発があったからなんでしょうね。
そして、互いに互いの危機に躊躇いもせず死地に飛び込んでいくコハクとリュードの友情。いや、友情なんて言葉では表しきれない絆。お互い、気持ちを通じ合わせた女に引き留められながら、それを振り切って、だもんなあ。
あの氷と謳われたツイフォン先輩の、縋るようなしがみつくような告白と訴えを振り切って行くリュード。
こういっちゃなんですけど、もともと気障でしたけど、このときのリュードの気障っぷりは尋常ではなく、ああもう、認めよう。めちゃくちゃカッコイイ。私も男です。泣いてすがって好きだ、行くなという女を振り切って行く男は、とてつもなく憎たらしく、それでいて憧れるものなのです。
んでもって、コハクもおんなじことやらかしてんだよなあ。自分の生き方を曲げてしまったら、その瞬間自分は自分でなくなってしまう。みなに認めてもらっていた自分でなくなってしまう。カーシャが好きになってくれたのもそんな自分。なら、どんなに引き留められようと、自分の生き方を貫く。信念とはまた少し違う、生き様のようなもので。不器用だな、ほんとに。でも、そこが魅力的なんだから仕方ない。

これは一つの国の滅びの物語で、同時に二人の男の子が少年の時代を終えて大人になる物語。

いや、それにしても、嬉野先生は昔は全くと言っていいほど恋愛話は書かなかったのに、チキチキの最終幕で鳳月と麗芳の見事な活劇恋愛譚を完成させて以降、ほんとにイイ恋愛話書くようになったなあ。
今回もまた、堪能させてもらいました。

虎は躍り、龍は微笑む 黄金の満月  

虎は躍り、龍は微笑む 黄金の満月 (ファミ通文庫 う 1-5-2)

【虎は躍り、龍は微笑む 黄金の満月】 嬉野秋彦/オカアサハ ファミ通文庫


前作の武術院同士の対抗戦を中軸にした学園モノのストーリーから一転。今回は盗まれた珠を取り返してくれないか、と頼まれ、都を跳梁跋扈する盗賊団と渡り合う羽目になったコハクとリュード。

という線で大筋の物語は進むんだけど、あれあれあれ? てな感じでいくつかの伏線が明らかにされて。
おいおいおおいっ!? これってもしかして宮廷陰謀劇に発展していくんじゃないの?
武術院の子供たちを中心とする活劇とはまた別に、北方騎馬民族と帝国との微妙な力関係や、それにまつわる国家間の内情や政争、盗賊団の裏の顔といったものが読み手の側に示されると同時に、クライマックスでの驚愕のコハクの出自の秘密の暴露。それと同時に、文中にそれとなくにおわされるリュードの出生の秘密。

うわっ、政治とは何の関係もないはずのガキ二人組と、もろにガツンとカチあった!?

何気に没落したというツィフォン先輩の実家と、宰相家とも因縁がありそうで、ツィフォン先輩も物語の中枢にガチンと食い込んできそうだし。
辛いのはカーシャの方だけど、今回わりとコハクとの関係は彼の精神年齢の低さからうまくいったとは言わないものの、リュードのフォローもあって前進はしてるようだし、持前の聡さと勝気さで話がどんな方向に行っても絡んできてくれそうではあるので、あまり心配はしてないけど。
それよりも、リュード。今回は意味深に興味がある女性がいないでもないみたいなこと言ってたけど、第一巻では母親のことにしか思えなかったのとは違って、今回は本当に気になってる女性がいるようで異様に気になる。嬉野さんが書くこうしたクール系の青年って本当に内面が見えないところが多いので、いまいち自分の直感が信じられないんですよね。
でも、絶対ツィフォン先輩が気になってると思うんだけど。

うん、でもやっぱり嬉野秋彦氏の中華モノは好きだわーー。なんかこう、波長が合うというかなんというか。無性に好き。

蘭堂家の人々  

嬉野分が足りてない!!

シャイニングウィザードシリーズが終わってしまい、しばらく月日が経ったのだがどうも居心地が悪い。考えてみると、現在進行で購入する嬉野秋彦氏のシリーズがなくなっているじゃないか!!
月刊嬉野、とか勝手に呼んで、ほとんど毎月のように発刊される著作本を嬉しい悲鳴をあげながら買い漁っていたというのに、いつの間にかなんという始末。

というわけで、第一巻を買って以降、予算の関係上や趣向の偏差を鑑みて購入を後回しにしているうちについつい買い忘れていた
【蘭堂家の人々】
を一気買いした。
読んだ。

ああ……まあ分かっていたことだが。
やっぱり私、この人の書く話、めちゃくちゃ波長合うらしい。
読んでて楽しい面白い。
つまるところ――好きだわーーー。

オンライン書店ビーケーワン:蘭堂家の人々【蘭堂家の人々 One more kiss】

オンライン書店ビーケーワン:蘭堂家の人々【蘭堂家の人々 Kiss from heaven】

オンライン書店ビーケーワン:蘭堂家の人々【蘭堂家の人々 Sweet little pain】

オンライン書店ビーケーワン:蘭堂家の人々【蘭堂家の人々 Bittersweet rain】

オンライン書店ビーケーワン:蘭堂家の人々【蘭堂家の人々 Sweet home again】

オンライン書店ビーケーワン:蘭堂家の人々【蘭堂家の人々 Goddess of darkness】

オンライン書店ビーケーワン:蘭堂家の人々【蘭堂家の人々 Goddess of Innocence】

 基本的に私は一人のやわい少年を、たくさんの女の子がちやほや囲んで云々、というハーレムものは苦手である。
 いや、一概に苦手ってわけじゃなくて、モロに嵌まったりニヤニヤ楽しめるシチュもあるんだが、これが一方的な奉仕の関係だとどうも楽しからざるわけでして。
 んで、これも一巻目を読んでみて、そういう話の傾向だったのでまあ後回しにしたんだが。
 題材ってのは、しょせん題材であって出来上がる作品の面白さには関係ない。ようは作家の腕次第。というのは毎度毎度、色んな作品を読むたびに思い知らされる。
 元来の、母親の分身という存在定義を踏み越えて、段々と一人の独立した女の子として自己を成長させていくアテナ。そんなアテナに引き摺られつつ、設定された性格からアテナのように翔太との関係を立脚できず葛藤を深めていくフェイ。
 単純に主人公好き好きな女性たちにモテモテ、という形ではなく、家族という関係性に重点を置いて描かれているため、他にも女性陣が何人も登場するのだけれど、これが意外なほどハーレム的な匂いが感じられないので、読んでてストレスを感じない。
 元々の嬉野氏の恋愛模様の描き方も、この味付けに一味かってるんだろうが。この人は実にあっさりさっくり風味だからなあ。かといって単に味が薄いわけじゃなく、コクがあるんで非常に印象に残るのだ。シャイニングウィザードの善ノ介とムジカのなんとも表現しようのない関係は、他では見ることのない独特のものだったし。
 と、思えばチキチキの鳳月くんのようにこれぞ恋する男の子、というような今時気恥ずかしいくらい、でもだからこそ大感動のとびっきり真っ向勝負の話も書くわけで。
 それらに比べると、蘭堂家のフォーマットはベタもベタベタなベーシックスタイルなのだけど、やはり書く人の個性なんですかねえ。
 それにしても、以前は恋愛に関連する話なんて1エピソードですら殆ど書かなかった人なのに、ここ数年で傾向変わってきてませんかねえ。や、あたしゃコイバナはどんどん入れてけれ、という趣向の人なので大歓迎なのですが。時代の要求なのですかねえ、そういう。

 一押しは誰がなんと言おうと『ザビーネ』。
 日向絵師によるあのおでこはスバラシイ。繰り返して力説するぞ、素晴らしい!
 というかヒルダやトーマ。ハーゲンやフランケンなどの『友愛団』の面々もお気に入り。
 彼らは明らかにこの物語のもう一方の主人公になってるんじゃないだろうか。第一部が終わってから、実質翔太たちのサイドとザビーネたち友愛団サイドの両輪構成で話が展開しているようにも見える。
 うむ、こうして考えてみると、この友愛団サイドの物語視点があるから、蘭堂家が事件に巻き込まれる展開が単調な日常と非日常の交換作業に陥らない、とも受け取れるな。
 なんにせよ、最初期の敵キャラという立ち位置にも関わらず、味方サイドに移ってからのザビーネたち友愛団の頼もしさたるや、味方になった途端雑魚と化す歴々の過去の強敵サマとは格が違う。
 自分達の方も色々と大変で忙しいのに、常日頃から翔太たちの日常生活をバックアップし、いざ翔太たちに危機が迫るや、すかさず支援・救援を送り込み、時には影から、時には隣に立ち、時には敵前に立ち塞がって翔太たちを助けてくれる。うむむ、お助けキャラというにも頼もしすぎるぞ。巻を重ねるごとに、戦力も着実に強化させてるしな。
 なによりザビーネたちと、翔太たちを繋げている絆が、やはり『家族』であるという繋がりであることが、読んでいてなんとも心地いい。いちいち、誰も口に出して確かめるようなことをしないのも良い。お互いに利用しあっているのだ、とかなんとか双方言ってるくせに、実際はすごく自然なこととして、お互い助け合ってるしねえ。まああれだ。家族や友達がたいへんなとき、いちいち助ける理由なんてものを必要としていない、てな感じなわけだ。
なんだかんだと、温かい話である。

 

12月2日

左高例
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(角川コミックス・エース)
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さびしうろあき
(角川コミックス・エース)
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11月25日

Schuld
(オーバーラップ文庫)
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熊乃げん骨
(オーバーラップ文庫)
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岸本和葉
(オーバーラップ文庫)
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御堂ユラギ
(オーバーラップ文庫)
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白河勇人
(オーバーラップ文庫)
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不手折家
(オーバーラップノベルス)
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たまごかけキャンディー
(オーバーラップノベルス)
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日之影ソラ
(オーバーラップノベルスf)
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森下りんご
(オーバーラップノベルスf)
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ムラサキアマリ
(MF文庫J)
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鵜飼有志
(MF文庫J)
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黒鍵 繭
(MF文庫J)
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志瑞 祐
(MF文庫J)
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久追遥希
(MF文庫J)
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ぶんころり
(MF文庫J)
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ぶんころり
(KADOKAWA)
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理不尽な孫の手
(MFブックス)
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理不尽な孫の手
(MFブックス)
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七沢 またり
(MFブックス)
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北川 ニキタ
(MFブックス)
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yokuu
(MFブックス)
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巴里の黒猫
(MFブックス)
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埴輪星人
(MFブックス)
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ネコクロ
(ブレイブ文庫)
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レオナールD
(ブレイブ文庫)
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とーわ
(ダッシュエックス文庫)
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すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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東條チカ/カルロ・ゼン
(角川コミックス・エース)
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池野雅博/ざっぽん
(角川コミックス・エース)
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坂野杏梨/逢沢大介
(角川コミックス・エース)
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いわさきまさかず/矢立肇
(角川コミックス・エース)
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谷和也/鈴木小波
(角川コミックス・エース)
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騎羽こうじ/瀬尾優梨
(角川コミックス・エース)
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ユリシロ/紙城境介
(角川コミックス・エース)
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犬塚惇平/ヤミザワ
(角川コミックス・エース)
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福井晴敏/大森倖三
(角川コミックス・エース)
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雪仁/かがちさく
(角川コミックス・エース)
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葦尾乱平/涼樹悠樹
(ガルドコミックス)
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舘津テト/白青虎猫
(ガルドコミックス)
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霜月なごみ/瀬戸夏樹
(ガルドコミックス)
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しゅにち/友橋かめつ
(ガルドコミックス)
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しろいはくと/大崎アイル
(ガルドコミックス)
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びび/五示正司
(ガルドコミックス)
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七浦なりな/桜あげは
(ガルドコミックス)
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ちさかあや/大志充
(電撃コミックスNEXT)
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日之影ソラ/みつなり都
(電撃コミックスNEXT)
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紺矢ユキオ
(電撃コミックスNEXT)
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後藤羽矢子/玖珂ツニヤ
(電撃コミックスNEXT)
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竹葉久美子
(電撃コミックスNEXT)
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Byte
(電撃コミックスNEXT)
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仲谷鳰
(電撃コミックスNEXT)
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月見だしお/Ceez
(電撃コミックスNEXT)
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ぷらぱ
(電撃コミックスNEXT)
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緋呂河とも/ながワサビ64
(電撃コミックスNEXT)
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高村資本/OKARI
(電撃コミックスNEXT)
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蛇野らい/槻影
(電撃コミックスNEXT)
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ハンバーガー
(電撃コミックスNEXT)
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朱月十話/ROHGUN
(電撃コミックスNEXT)
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理不尽な孫の手/日崖タケ
(ガンガンコミックスONLINE)
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渡航/佳月玲茅
(ビッグガンガンコミックス)
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松浦/大堀ユタカ
(ビッグガンガンコミックス)
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初鹿野創/椎名くろ
(ビッグガンガンコミックス)
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深見真/真じろう
(ビッグガンガンコミックス)
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平坂読/さきだ咲紀
(ビッグガンガンコミックス)
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はっとりみつる
(ヤングガンガンコミックス)
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11月24日

甲田 学人
(メディアワークス文庫)
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冬馬倫
(メディアワークス文庫)
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紅玉 いづき
(メディアワークス文庫)
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久川 航璃
(メディアワークス文庫)
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11月22日

伊織ハル
(4コマKINGSぱれっとコミックス)
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カワバタヨシヒロ/羊太郎
(MFコミックス アライブシリーズ)
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La-na/南野海風
(MFコミックス アライブシリーズ)
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春野友矢
(MFコミックス アライブシリーズ)
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木城ゆきと
(KCデラックス)
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石黒正数/講談社
(KCデラックス)
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石黒正数
(アフタヌーンKC)
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皆川亮二
(アフタヌーンKC)
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山口つばさ
(アフタヌーンKC)
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藤田和日郎
(モーニング KC)
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榎本あかまる
(モーニング KC)
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田素弘
(モーニング KC)
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三原和人
(モーニング KC)
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栗田 あぐり
(モーニング KC)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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田代哲也
(ガンガンコミックスJOKER)
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11月21日

二上圭
(GCN文庫)
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11月19日

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ほのぼのる500
(TOブックス)
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佐々木鏡石
(TOブックス)
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弁当箱
(TOブックス)
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龍流
(TOブックス)
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11月18日

羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
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理不尽な孫の手
(富士見ファンタジア文庫)
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いつきみずほ
(富士見ファンタジア文庫)
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阪田 咲話
(富士見ファンタジア文庫)
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七野 りく
(富士見ファンタジア文庫)
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日の原 裕光
(富士見ファンタジア文庫)
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戸塚 陸
(富士見ファンタジア文庫)
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七野 りく
(富士見ファンタジア文庫)
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水沢 夢
(ガガガ文庫)
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持崎湯葉
(ガガガ文庫)
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昏式龍也
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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shiryu
(ガガガ文庫)
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Cuvie
(チャンピオンREDコミックス)
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千明太郎
(チャンピオンREDコミックス)
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眞邊明人/藤村緋二
(ヤングチャンピオン・コミックス)
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カルロ・ゼン/フクダイクミ
(ヤングチャンピオン・コミックス)
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福地翼
(少年サンデーコミックス)
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田中モトユキ
(少年サンデーコミックス)
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ねこぐち
(少年サンデーコミックス)
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11月17日

西尾維新/大暮維人
(KCデラックス)
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西尾維新/大暮維人
(講談社コミックス)
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山本崇一朗
(KCデラックス)
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久世蘭
(講談社コミックス)
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ヒロユキ
(講談社コミックス)
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木南ユカ
(講談社コミックス)
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裏那圭/晏童秀吉
(講談社コミックス)
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稲葉みのり
(ヤングジャンプコミックス)
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二宮裕次
(ヤングジャンプコミックス)
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椎橋寛
(ヤングジャンプコミックス)
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すかいふぁーむ/ぺんたごん
(ヤングジャンプコミックス)
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三都慎司
(ヤングジャンプコミックス)
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戸塚たくす/西出ケンゴロー
(ヤングジャンプコミックス)
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日向夏/倉田三ノ路
(サンデーGXコミックス)
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麻生羽呂/高田康太郎
(サンデーGXコミックス)
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池澤真/津留崎優
(裏少年サンデーコミックス)
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田尾典丈
(電撃の新文芸)
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福留しゅん/天城望
(フロース コミック)
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廣本シヲリ/しきみ彰
(フロース コミック)
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11月16日

村枝賢一/石ノ森章太郎
(KCデラックス)
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古川五勢
(KCデラックス)
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小村あゆみ
(マガジンエッジKC)
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伊藤京介
(マガジンエッジKC)
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sigama
(マガジンエッジKC)
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片瀬茶柴/城平京
(講談社コミックス月刊マガジン)
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森下真
(講談社コミックス月刊マガジン)
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ひととせひるね
(講談社コミックス月刊マガジン)
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関口太郎
(講談社コミックス月刊マガジン
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加藤元浩
(講談社コミックス月刊マガジン)
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周藤蓮
(ハヤカワ文庫JA)
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逆井 卓馬
(星海社FICTIONS)
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11月15日

友麻碧
(富士見L文庫)
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しきみ 彰
(富士見L文庫)
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友麻 碧
(講談社タイガ)
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西尾 維新
(講談社文庫)
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夏原 エヰジ
(講談社文庫)
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水辺チカ/友麻碧
(KCx)
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勝木光/香月美夜
(コロナ・コミックス)
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蕗野冬/ほのぼのる500
(コロナ・コミックス)
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香守衿花/もちだもちこ
(コロナ・コミックス)
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東里桐子/ラチム
(コロナ・コミックス)
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墨天業/久宝忠
(コロナ・コミックス)
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螢子/あてきち
(コロナ・コミックス)
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11月12日

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大森藤ノ
(GA文庫)
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伊尾微
(GA文庫)
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ジャジャ丸
(GA文庫)
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11月11日

漆原玖/門司柿家
(アース・スター コミックス)
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成家慎一郎/ナハァト
(アース・スター コミックス)
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金井千咲貴
(ガンガンコミックス)
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顎木あくみ/高坂りと
(ガンガンコミックスONLINE)
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鉢谷くじら
(ガンガンコミックスONLINE)
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万野みずき/野営地
(ガンガンコミックスONLINE)
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山内泰延
(ガンガンコミックスONLINE)
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長岡マキ子/カルパッチョ野山
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/夏海ケイ
(ガンガンコミックスONLINE)
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11月10日

天野こずえ
(BLADEコミックス)
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川原 礫
(電撃文庫)
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佐島 勤
(電撃文庫)
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二丸修一
(電撃文庫)
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白金 透
(電撃文庫)
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東崎惟子
(電撃文庫)
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ひたき
(電撃文庫)
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鏡 遊
(電撃文庫)
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赤月ヤモリ
(電撃文庫)
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榊 一郎/木尾寿久(Elephante Ltd.)
(電撃文庫)
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岩田洋季
(電撃文庫)
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午鳥志季
(電撃文庫)
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烏丸 紫明
(カドカワBOOKS)
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巻村 螢
(カドカワBOOKS)
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ジャジャ丸
(カドカワBOOKS)
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壁首領大公
(カドカワBOOKS)
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神無月 紅
(カドカワBOOKS)
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古宮九時
(DREノベルス)
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わんた
(DREノベルス)
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小鳩子鈴
(DREノベルス)
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ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
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ほのぼのる500
(TOブックス)
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内河弘児
(TOブックス)
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(TOブックス)
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あfろ
(まんがタイムKR フォワードコミックス)
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うちのまいこ
(まんがタイムKR フォワードコミックス)
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まめ猫
(まんがタイムKR フォワードコミックス)
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秋月壱葉/望月麻衣
(アクションコミックス)
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クール教信者
(アクションコミックス)
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碓井ツカサ
(サンデーうぇぶりコミックス)
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しょたん
(サンデーうぇぶりコミックス)
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野田宏/ふくしま正保
(ビッグコミックス)
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野田宏/若松卓宏
(ビッグコミックス)
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千月さかき/姫乃タカ
(角川コミックス・エース)
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斯波浅人/浅名ゆうな
(角川コミックス・エース)
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otakumi/ベキオ
(角川コミックス・エース)
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天海雪乃/タンバ
(角川コミックス・エース)
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岡叶/夏目純白
(角川コミックス・エース)
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由伊大輔/高橋びすい
(角川コミックス・エース)
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吾嬬竜孝/西崎義展
(角川コミックス・エース)
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吾嬬竜孝/西崎義展
(角川コミックス・エース)
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Crosis/松尾葉月
(角川コミックス・エース)
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内河弘児/よしまつめつ
(ヤングチャンピオン・コミックス)
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11月9日

さばねこ/ちゃつふさ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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渡真仁/三嶋くろね
(ドラゴンコミックスエイジ)
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カタセミナミ/千月さかき
(ドラゴンコミックスエイジ)
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MIGCHIP
(ドラゴンコミックスエイジ)
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天原/masha
(ドラゴンコミックスエイジ)
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車王
(ドラゴンコミックスエイジ)
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荒木佑輔/メソポ・たみあ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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石沢庸介/謙虚なサークル
(KCデラックス)
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横田卓馬
(シリウスKC)
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塀流通留/藤井ふじこ
(シリウスKC)
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内々けやき/あし
(シリウスKC)
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福田直叶/むらさきゆきや
(シリウスKC)
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冬葉つがる
(シリウスKC)
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志瑞祐/青桐良
(シリウスKC)
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松琴エア/はにゅう
(シリウスKC)
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西田拓矢/海空りく
(シリウスKC)
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カジカ航/伏瀬
(シリウスKC)
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真島ヒロ/上田敦夫
(講談社コミックス)
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藤栄道彦
(バンチコミックス)
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11月8日

安部真弘
(少年チャンピオン・コミックス)
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蛙田アメコ/冬野なべ
(少年チャンピオン・コミックス)
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11月7日

雨隠ギド
(アフタヌーンKC)
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妃羅/山田リューセイ
(ガンガンコミックスUP!)
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鳥羽徹/栗元健太郎
(ガンガンコミックスUP!)
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裕夢/ボブキャ
(ガンガンコミックスUP!)
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こゆびた べる
(ガンガンコミックスUP!)
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えぞぎんぎつね/阿倍野ちゃこ
(ガンガンコミックスUP!)
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風来山/沖野真歩
(ガンガンコミックスUP!)
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相崎壁際/四季ムツコ
(ガンガンコミックスUP!)
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平成オワリ
(SQEXノベル)
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美袋和仁
(SQEXノベル)
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11月5日

雨堤 俊次
(宝島社文庫)
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山本 巧次
(宝島社文庫)
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ヒロサキ/冬馬倫
(フロース コミック)
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冨月一乃/雨宮れん
(フロース コミック)
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11月4日

尾田栄一郎
(ジャンプコミックス)
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冨樫義博
(ジャンプコミックス)
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矢吹健太朗
(ジャンプコミックス)
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加藤和恵
(ジャンプコミックス)
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権平ひつじ
(ジャンプコミックス)
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松井優征
(ジャンプコミックス)
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鈴木祐斗
(ジャンプコミックス)
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辺天使/津田穂波
(ジャンプコミックス)
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伊藤砂務
(ジャンプコミックス)
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天野明
(ジャンプコミックス)
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ちると
(ジャンプコミックス)
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横山左
(ジャンプコミックス)
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松本直也
(ジャンプコミックス)
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稲岡和佐
(ジャンプコミックス)
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静脈/依田瑞稀
(ジャンプコミックス)
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岩田雪花/青木裕
(ジャンプコミックス)
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伊科田海
(ジャンプコミックス)
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河本ほむら/羽田豊隆
(ジャンプコミックス)
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ONE/村田雄介
(ジャンプコミックス)
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マポロ3号
(ジャンプコミックス)
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篠原健太
(ジャンプコミックス)
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近本大/新川権兵衛
(角川コミックス・エース)
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路生よる/藤堂流風
(角川コミックス・エース)
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三上康明/田中インサイダー
(角川コミックス・エース)
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藤本ケンシ/井出圭亮
(ヤンマガKCスペシャル)
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山田恵庸
(ヤンマガKCスペシャル)
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岡本倫
(ヤンマガKCスペシャル)
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植野メグル
(ヤンマガKCスペシャル)
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新井春巻
(ヤンマガKCスペシャル)
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ARATA/まきしま鈴木
(PASH!コミックス)
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せるげい/くまなの
(PASH!コミックス)
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航島カズト/タンサン
(PASH!コミックス)
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渡 琉兎
(ドラゴンノベルス)
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葵すもも
(ドラゴンノベルス)
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綾村 実草
(ドラゴンノベルス)
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並木 陽
(星海社FICTIONS)
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