【宮廷魔法士です。最近姫様からの視線が気になります。】 安居院 晃/美和野 らぐ 富士見ファンタジア文庫

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魔法士の少年は今日も大忙し! ……何故見てるんです? 姫様

宮廷魔法士レイズには一つ悩みがあった。それは何故か王国の姫様がずっと見つめてくること。目が合うと顔を真っ赤にして走り去る姫様に困惑しつつ魔法士として仕事をこなすが――ちなみに姫様。視線バレバレです。

おおっ、ホントにめっちゃ見てるな、お姫様。ってか、王宮内とはいえ仮にも王女様が一人で出歩いていていいんだろうか。誰かお付きの人とか一緒にいないのだろうか。結構、王宮内では自由というかフリーというか、誰にも縛られることなく好き勝手に動き回れるみたいなんですよねえ。
まあこの辺の王族の行動制限とか身辺警護は、国によって違うでしょうからこの国はそういう緩さがある、という国なのでしょう。
実際、姫様が自由に行動しているのは王宮内だけで、王宮の外にはほとんど出たことがないと仰ってましたしね。外に出ない限りは安全、という考えなのでしょう。まあその割に親衛隊員の行方不明事件とか起こってて物騒なのですけれど。
そして、王都の郊外には魔物がはびこっていて、頻繁に間引きしないと王都まで侵入してくる、というなかなかヤバい環境のようにも見えるのですけれど。あれ? これかなり人類に対して厳しい世界環境じゃないですか? 何気に人類の生存圏狭いんじゃないですか、これだけ魔獣の脅威がヤバいって。主人公のレイズ君、超長距離のロングレンジの魔法を得てとする狙撃系魔術師なのですが、幾ら超長距離狙撃がメインとはいえ、この人王宮から直接狙撃して魔物の駆除してるんですよね……。
届く方も凄いっちゃ凄いのですけれど、王宮から届く範囲で魔物の脅威が日常的にある、というのも相当怖いんですけれど。あくまで狙撃であって、数百キロ飛ばすような弾道弾魔法とか使ってるんじゃないですし。
というわけで主人公のレイズの得意技は超長距離射撃。逆に言うと、近接戦闘はゴミ、とまでは行かなくても一般兵レベルなので簡単に無双、という風には行かないんですよね。しかも、必然的にお姫様をかばいながらの戦闘、というケースが多くなってしまうだけに、尚更苦戦は免れない。そこは、工夫と発想の勝負となってくる。そこに距離を置けば一撃必殺、という強みも持っているのでなかなかメリハリのついた戦闘シーンになってるんですよね。
しかし、レイズを始めとした同じ兵室の面々、やたらと事務仕事押し付けられて明らかに労働過多で過労で死にそうになってるの、彼らの使いみち相当に誤ってないだろうか。いや、本来の使い方をしつつ事務雑務も押し付けてる、というのが正しいんだろうけれど。
かなりブラックな扱いすぎて、ヘイトばかり溜まっていきそうなんだが。そういう扱いをされて然るべき人材達、とも言えるのかも知れないけれど、その割に彼らに対しても自由度は高く設定してるんですよね。それが契約、であったとしても。
本来なら、王宮内であんなふうにお姫様と接触できるのって、彼らが管理対象になっている事を考えると、さらにあんな誓約まで課せられているのを考えると、随分と無防備な話だなあ、と思ってしまいます。厚遇するのか冷遇するのか、えらい中途半端な扱いなんだよなあ。
こういう場合、お姫様はどういうポディションになるんだろう。レイズたちが宮廷魔法士の中でも特殊な任務についている人間たち、というのを知った上で王族として何らかのアクションを見せてくれるんだろうか。たとえば、後ろ盾になってくれるみたいな感じの。
お姫様としても、柱の陰からこっそり覗いているばかりではヒロインとしてもおとなしすぎますもんね。彼女がレイズの事が気になりだした理由というのもまあ王道といえば昨今珍しいくらいの王道で、いやこれ逆にこれからどうするんだろうと心配になるほどでしたし。このまま覗き見して様子を見守って満足しているだけじゃ、話進まんでしょうw せっかく、ちゃんと仲良くもなったわけですし。ってか、お姫様今後どうするかとか特に考えてないんだろうなあ。まあ以前助けてもらったしカッコいいし優しいし、影から見守ってキャアキャアしてたい、という気持ちはよくわかる……かしら。でもそれから先はどうするとか、なにか思案あるんですかね?