岩崎美奈子

暗殺者は黄昏に笑う 1 ★★★★   



【暗殺者は黄昏に笑う 1】  メグリくくる/岩崎美奈子 オーバーラップ文庫

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少女のために――世界を殺せ。

かつて医者として多くの人を救ってきた荻野知聡。
そんな彼が異世界転生時に授けられたのは、「暗殺者」の天職であった――。
彼は助手の少女ミルとともに遺体の検視を行うかたわら、もしそれが他殺であれば、万物を殺しうる《切除》の異能を振るい、確実に犯人へ復讐を果たす『復讐屋』として日々を過ごしていた。
だがある日、彼の日常は一変する。
『復讐屋』のもとに持ち込まれた子供の変死体。
それを皮切りに頻発する怪事件に、知聡は巻き込まれることになり……?
「僕には、才能があり過ぎた。誰かを殺すという、不快極まりない才能が」
第8回オーバーラップ文庫大賞《金賞》受賞。ファンタジーサスペンス第1幕。



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やがて恋するヴィヴィ・レイン 4 ★★★☆   



【やがて恋するヴィヴィ・レイン 4】 犬村 小六/岩崎美奈子 ガガガ文庫

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ガルメンディア王国に戻ったルカはファニアとの約束を果たすため暗躍を開始。テラノーラ戦役、ウルキオラ暴動、ドル・ドラム戦役で傑出した戦果をあげたことにより、ルカは民衆からの絶大な支持を得て反体制勢力の中心人物へとのしあがっていく。一方のファニアは王政に身を捧げる覚悟を決め、ルカに蜂起を思いとどまらせようと煩悶していた。ふたりの思いはすれ違ったまま王国はついに革命のときを迎える―。
「民に君臨し、民を搾取し、民のために我が身を捧げる、それがわたしの誇りです」。
風雲急を告げる恋と会戦の物語、第四巻。
ヴィヴィ・レイン……可能性として何らかのシステムとか概念か何かなのか、と考えたこともあったのだけれど、ちゃんと人の名前だったのか。
って、今回一気に怪しさ大爆発な人物が浮かび上がってきちゃったんだけど、え? このタイミングで露骨すぎない?

ファニアと再会するために、彼女との約束を果たすために、ついに革命の旗印へと名乗りを上げたルカ・ヴァルカ。ただの戦場の英雄という御輿じゃなく、自らの言葉で未来を示し、人を導き、反体制組織の幹部たちを懐柔し、利益誘導をして組織間のパワーバランスを調整し、と名実ともに革命勢力の指導者へと駆け上がっていくルカ。こういうの苦手なんだけれどなあ、と気乗りしない様子だったくせに、いざ機運が盛り上がり民衆の不満がどうあっても爆発してしまう状況になって、それをコントロールするためにその苦手な分野に自ら飛び込んでいくこの男、大したものなんだけれど、それ以上に苦手とか言ってるくせにやってるうちに革命指導者として揺るぎない才覚と実力を示しちゃうんだから、こいつなんなんだろう、天才? いや、これでスラムで這いつくばって食料を探し回っている頃から本だけは手放そうとしなかった読書家であり、元々インテリでもあるんですよね、ルカって。ほんとそうは見えないんだけれど。
それでいて、理想だけで羽ばたこうとしない一歩一歩歩いて進んでいく現実主義者でもあり、ただ一人の女性との約束を守るために世界を変える決意を固めた情熱家でもあるわけだ。
はたして、これだけの出来物を歴史のいたずらが災厄の魔王と呼ばれるまでの人物に仕立て上げてしまうのだから、なんかもうたまったもんじゃないよなあ。ルカの性質からして、魔王なんて呼ばれたの結果論か、風評の類なのかと思ってたのだけれど、あのラストの展開を見るとどうやら魔王と呼ばれるに当然の所業へと走ってしまう模様で……いや、でも気持ちはわからないでもない。
あんな、いちばん大事な時にいきなり頭から水ぶっかけられるような真似されて、怒り狂わない男がいるだろうか。もう、怒髪天ブチ切れまくって正気も吹っ飛ぶわ、というようなことをやらかしてしまったのが、かのジェミニ先輩であります。
ほんとにもう最高にして最低のタイミングで、やってくれましたねこの人。ルカに嫌がらせするために全身全霊を賭けている男の面目躍如というべきか、ルカを煽るにこれ以上ないタイミングでさすがとしか言いようがない。
まあルカとファニアも、ファニア自身がこんな時になにやってるんだろう、と思わず自問してしまうような状況で積年の想いを爆発させてしまっていたわけだけれど、いやほんとにこんな時にそんなことしてて大丈夫なんかー!?とは思った、思うよ! だって、いつ民衆が暴徒化して突入してくるかわかんない場面ですよ、状況ですよ。それでもなお、辛抱たまらんかったというルカなんですよね。そりゃあねえ、何年も何年も戦火くぐり抜けて戦って戦って戦友失いながら実際革命までこぎつけて、心身すり減らしてようやく辿り着いてみたら、相手のファニアさんてばグダグダと今更になって建前ばっかりで本音を押し殺して聞かせてくれなくて、もう「だらっしゃーー!!」と爆発させてしまうのもわかる、わかる。ファニアと同じ調子でグダグダし始めずに、本音本心本体ぶつけ合わなきゃはじまらんわー、とばかりに押し切ってしまったルカはえらいです、大したもんです、男です。こういう果断でバッサリしたところ、いい主人公だと思うんですよねえ。
決して悩まず考えないわけではなく、立ち止まっていいタイミングではとことん思慮に耽溺し、想いにふけって迷って悩んでいるんですもの、彼は。
ファニアと結局どうすればよかったのか。その結論を出す時間はありませんでしたけれど、あの全部捨てて逃げる、という選択肢はあのジェミニの執着を思えば、あまり良い選択ではなかったんでしょうね。結局、どこまでも追いかけてきそうですし。ジェミニめー。
……お兄ちゃんの元皇太子さまの方は、あれだけファニアに執着してたのに実際会って自分に目がないとわかるとのたうち回った挙げ句ですがあっさりフラれたと受け止めて諦めて、ルカとファニアを応援してくれるようなさっぱりした人なのに……。いや、あれをサッパリと言っていいのか激しい疑問を覚える変人っぷりではあるのですけれど。それ以上に面白い人すぎて、この皇太子いったいどこへ行こうとしているキャラなんだろう。
アステルの残り時間もそろそろ本格的に余裕がなくなってきた状況で、ルカとジェミニの本格的な対立がはじまってしまう。ヴィヴィ・レインの正体にも徐々に近づいているけれど、風雲急を告げっぱなしだな、これ。

シリーズ感想

やがて恋するヴィヴィ・レイン 3 ★★★☆  



【やがて恋するヴィヴィ・レイン 3】 犬村 小六/ 岩崎美奈子 ガガガ文庫

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ウルキオラ暴動から三年。神聖リヴァノヴァ帝国においてルカはジェミニらと共に帝国最強の独立混成連隊として勇名を馳せていた。ルカの編み出した新戦術は三次に及ぶ「ドル・ドラム戦役」においてその威力を発揮し、帝国軍総司令官ヴラドレン皇太子はルカに作戦会議への参加を特例で許可する。だが一方で、皇帝の血を引くジェミニは皇太子を排除すべく暗躍を開始、ルカは皇位継承を巡る闘争へと巻き込まれることになってしまった…。魅力的なキャラクターたちが織りなす一大軍事戦記。さらにさらに加速する恋と会戦の物語!!

2巻を読んでから1年以上積んでしまった。内容についてはちゃんと覚えていたのだけれど、二巻を読んで自分がどんな感想書いたのかは覚えていなかったので、改めて見直してみたらルカがどれほど献身的な性格をしているのか、という点についてよく書いていてなるほどなあ、とこの三巻を振り返ってみたら、確かに彼って尽くす性格なんですよね、この三巻でもそのあたり滲み出てる。
一方で自分自身についてはあまり省みることは少ないようで、絶体絶命になっても人事は尽くすのだけれど、それでダメだったら「ああダメだったなあ」とわりとサッパリしているところがあるんですよね。自分についてそこまで執着がない、という感じで。だからなのかわからないけれど、自分が何を望んでいるか、という点についても深いところまで考えていなくて、最後のあのシーン、説得のために自分の目的や思いというのを打ち明けていく過程で、ああ自分ってこんな事を望んでいたのかー、とどこか暢気に気づいているくらいでしたものねえ。
皇太子が淫行淫行とはしゃいでいたのも、いや待て待てと言いながらも何気に怒ったりはしてないんですよねえ、ルカって。フェニアのこと好きで、彼女のために色々頑張っている一方で彼女に対する独占欲、みたいなものがいまいち感じられないところがある。まあこれは彼女に限らないのだろう。ミズキに対しても、アステルに対しても本当に大切にしているのだけれど、彼女たちに対して自分が自分が、という執着めいたものは殆ど見せたことがない。アステルが微妙に不満そうにしてるのって、ちゃんと構ってくれないという点を突き詰めてのそうした執着を見せてくれないところにあるんじゃないかな、なんて思ったり。

……こうしてみると、中身空っぽで全然何にも大切にしなくて利害が拗れたらすぐに切り捨てるくせに、凄く執着するのがジェミニなのかもしれない。少なくとも、ルカに対しては幼少の頃に何にも言わずに居なくなったことずっと根に持ってるし、母親に対しても根に持って執着していた部分があったわけで。
ルカってジェミニの人間性について深く理解していたけれど、考えてみると自分がどれだけ執着されているか、というところに関しては無頓着なように思える。これも、ルカの自身の省みなさが強く作用しているのか。ジェミニの悪しき部分をあれだけわかっていながら、フェニアのこととか自分の目的とか平気でペラペラとジェミニに喋ってるし、いざ決別したときもその点に関して危機感を全く抱いているようすがなかった。これも、ジェミニが自分に拘っている、という観点が一切なかったと考えればよくわかるんですよねえ。もちろん、これからどうなろうとジェミニが悪し、なんですがルカはあれだねえ、せっせと種まいて耕して去っていった感じである。

しかし、ジェミニもジェミニで凄いですよ。あのルカの尽くす性格をして、「あ、こいつさすがにあかんわ、ついていけん!」と思わせてしまったくらいですもんねえ。ルカがよっぽどのことがなければずっとついていくつもりだったのは、一度はジェミニが間違えた道を歩いてっても一緒に間違えてやる、とまで言ってのけたことからもわかりますしねえ。ルカをして突き放した人物は、ジェミニが史上初でしょう。それでも突き放しきれずに、別れ際にお説教なんかしちゃってジェミニの行く末を心配してるんだから、ルカってばほんと筋金入りなのではないでしょうか。
だからこそ、ミズキやアステルだけじゃなく、他にもついてくる人が増えてきたのでしょう。まあ、この場合、比較対象がジェミニだった、というところがアレだった可能性もありますけどw

そう言えば、はっきり言ってノーマークだったミズキもその身の上に何らかの秘密がある可能性が出てきたんですね。あの義妹と一緒だったワイバーンとの再会シーンでのミズキの登場、意味深だったのにこの巻では結局その後一切触れられず。同じ巻で回収されないということは、これはよっぽどの伏線なのか。
フェニアの方もだいぶ頭押さえつけられてへこたれてるみたいだし、動向があちらもこちらも目まぐるしい。まだ三巻なんですよねえ、このシリーズ。密度が凄いなあ。

シリーズ感想

やがて恋するヴィヴィ・レイン 2 ★★★★   

やがて恋するヴィヴィ・レイン 2 (ガガガ文庫)

【やがて恋するヴィヴィ・レイン 2】 犬村小六/岩崎美奈子 ガガガ文庫

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近衛連隊を追われたルカは放浪の末、旧友ジェミニとの再会を果たす。昔の借りを返すためジェミニの庇護下に入ったルカだが、ジェミニの思惑はルカの想像を遥かに超えて、ガルメンディア王国を揺るがす大事件が勃発する…。「災厄の魔王」ルカと「褐色の皇帝」ジェミニ。一千年にひとりと称される巨大な軍事的才能が、眩いばかりの才能と才能の相克を世界史に刻む。そして王女ファニアもまた、自らの意志により歴史の表舞台へ…。「いつかこの国で革命を起こす。きみにもう一度、会うために」。加速する恋と会戦の物語、第二巻。
こうしてみると、ルカって特定の誰かに対してじゃなくて、わりと親しくなった相手に対しては献身的というか……尽くすタイプですよね、こいつ。
亡き義妹に対しても、兄として接するというよりもひたすら病弱な妹の面倒と世話を一心不乱にしていた感じですし、ファニアに対してもあの逃亡の日々以前から結構献身していたのが、ファニアの人となりに感銘を受けてからは加速度的に姫様命!になってしまって、ファニアのせいじゃないんだけれど結構理不尽な目にアイながらも殆ど不満や憤りを見せずに自分の中で処理してしまっていて、ファニアには好意的な感情を一切損なわないままでしたし。それが、今回の一連の事変でも絶対的なファニアへの信頼と献身に身も心も捧げることになってしまってますし。
そんでもってアステルですよ。いくら病弱な妹の面倒を見ていた経験があるからと言って、オーヴァーブーストを使ったあとの身体がまったく動かなくなるアステルの介護、あれはもう介護と呼ぶ以外になにものでもないあれこれを、嫌がったり遠慮したり恥ずかしがったりする素振りもなく、下心を持つでもなく思惑を働かせるでもなく、動けないアステルの面倒を見る、介護をスルということに徹して一生懸命なのですから。
これを尽くすタイプと言わずしてなんというのか。
まあ、だからこそアステルの方も、男であるルカに面倒見てもらうことを嫌がりもせず、というかもうルカ以外にはやらせない、とまで言い放って、ダダ甘えまくってるんでしょうけれど。
アステルと亡くした妹の姿形が一緒だから、ルカとしても夢中で世話してしまってる、というのもあるんでしょうけれど、妹の方は遠慮してあんまり甘えて我儘言ったりするようなこともなかっただろうな、という性格だったので、遠慮なく自分にダダ甘えてくる妹とおんなじ姿の、妹が成長した姿の少女であるアステルは、ルカにとっては夢の続きなのかもしれない。そりゃあ、尽くすわなあ。ただでさえ献身体質なのに。

ルカがなんだかんだとジェミニから逃げ出さなかったり、町の人達を見捨てて逃げられなかったりしたのは、彼の義理堅さや善良さ云々も然ることながら、この子があんまり見返りを求めずに献身してしまうタイプだからなんじゃないかなあ、と思うんですよね。
その意味では、とんでもない見返りを全身全霊を込めて与えてくれたファニア王女の存在は、ただでさえルカに飛びっきりであった意味に、さらに途方もない価値を与えてしまったのでしょう。
理屈じゃない、感情の問題なのだ。
そして、運命がすべてを加速させていく。
正直、ルカとファニアの本人同士が望まない対立構図が成立してしまうのって、もっと紆余曲折あってからのことなのだと思ってたら、あまりにも速攻過ぎるくらいあっという間にルカの立場が激変してしまって、いやもういくらなんでも早すぎるでしょう、それ!
本人も唖然呆然、あっけにとられている間に祭り上げられてしまったわけですが、ついさっきまで何の責任も立場もなく、アステルと二人で自由で貧乏な旅の空ってなもんだったのに。
ここで、ジェミニと再会してしまった、という以前に幼いころに知り合っていた、という時点であまりにも運命的すぎるんですよね。そんなルカがファニア姫と偶然が重なって想いを交わす関係になってしまったことも含めて、運命の神様が社畜なみに働きすぎてる、この世界!!
運命の神様というのは気まぐれ、というのがイメージなのですけれど、この神様の勤勉さと来たら、日本の都市部の電車並にきっちりしていて忙しなさそうなんですが。
いやはやまったく。
ここまで急き立てられると、むしろ人は自分のうちから湧き上がってくる感情にこそ、身を任してしまう。いや、その想いこそを一番大事にしてしまう、というべきか。
ファニアもルカも、アステルもミズキも、そしてジェミニですら、そうやって自分の想いを滾らせて、この激動の時代のさなかに、自ら突き進んでいこうとしているのだ。
その激しさに、首根っこ掴まれて引きずり回されるかのような気分である。それは、読み手として幸せなんですけどね!

1巻感想

やがて恋するヴィヴィ・レイン 1 ★★★☆   

やがて恋するヴィヴィ・レイン 1 (ガガガ文庫)

【やがて恋するヴィヴィ・レイン 1】 犬村小六/岩崎美奈子 ガガガ文庫

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「ヴィヴィ・レインを見つけて」

彼女の願いを叶えるため、スラム街の少年は旅に出る。限られた命を生きる人造の少女と、意志を持つ機械兵。滅びゆく王国の姫、性別不詳の天才操縦士、皇帝に捨てられた子ども……。
旅の途中、それぞれの傷を抱えた仲間たちと出会い、やがて少年は「災厄の魔王」と称され、楽園に支配された世界へ反逆の旗を翻す。
ヴィヴィ・レインを探す、ただそれだけだった小さな旅はいつしか時代のうねりとなり、世界を変革する戦いへ――。

傷だらけの少年少女が織りなす恋と会戦の物語、開幕。
「ヴィヴィ・レイン」とは何者なのか。そもそもそれは人なのか。
その答えの一端はラストに明かされることになるのですが、この引っ張り方と魅せ方が見事の一言でベテラン作家の妙が伺えるのです。
それにしても、主人公のルカ・バルカがまたイイヤツなんですよね。この子の境遇を考えるともっと世を恨む荒んだ凄惨な人間になっていてもおかしくないだろうに、ややヒネてはいるし外道働きも躊躇わないのだけれど、筋は違えないし理不尽に対して反骨心を喪わず、一方で立派な心持ちの人間に対しては身分の上下を問わず敬意を絶やさない。ちゃんと付き合うと、凄く気持ちのよい頼りがいのある少年だと理解できるだろう。
王女ファニアはそのへん、直撃喰らってしまったみたいだけれど、彼女を見舞う理不尽によって生み出された孤独の中で、彼のような真摯さはまさに霹靂だったんでしょうなあ。
だからこそ、ルカが自分にしてくれたことに対して全く報いれなかった事は、彼女を大いに傷つけることになるのである。ある意味、彼女が悲劇を受け入れる下地となってしまうのかもしれない、芽生えた恋心に対する彼女の無力感と罪悪感は。
一方で、ルカ自身はファニアに対して殆ど、いや一切恨み言は抱いていないんですよね。あれだけ献身しながら、報われなかったことに対して仕方ないか、と諦めている。ファニアのせいではなく、彼女が自分に出来る範囲以上で自分の立場を半ば悪くしながら自分を守ってくれようとしたことを知っているからなんだろうけれど、それでもこれだけ割り切れるというのは、それだけルカがさっぱりした人間だからなのか、それとも「期待」をしていないからなのか。
ルカの中で亡き義妹の遺言である「ヴィヴィ・レインを見つけて」という言葉が、それを叶えるという目的が何よりも重いからこその、拘泥の無さなのかもしれないけれど。
彼の敵は妹を殺した世界の理不尽だけれど、ファニアはむしろ自分側の人間、同じく理不尽と戦ってくれる、自分なんかよりもよっぽど世界を変えてくれる存在だと思ってるからこその割り切りなのかもしれないけれど。
その結末が、ファニアの見た未来図だとしたら、まさに悲劇だよなあ。尤も、あの夢の光景でルカが喋っていた台詞が、ファニアが捉えた意味なのかはまだ疑わしいけれど。
いずれにしても、エデンという天上の存在が地上の戦争を娯楽として楽しみ、地上の王族・貴族たちがエデンからもたらされた玩具を手に自分たちのルールで戦争に興じ、そして最底辺の民たちがそれらのしわ寄せを一気に背負わされている、という理不尽の多重構造がこの世界の枠組みなわけだけれど、この物語はまさにその理不尽の枠組みを破壊し尽くす革命の物語になりそう。であるのだけれど、それが痛快な話になるか、というとそうは問屋がおろさない、って感じではあるんですよねえ。
あの巨大な人型兵器が、軍勢がぶつかりあう戦場を闊歩するという重厚感ある構図は非常に好みで、ワクワクさせられたのではありますが。ちゃんと人型兵器が、重力と重量を感じさせるズシンズシンという足音や関節がギシギシ鳴る音が聞こえてくるようなシーンは、ほんとイイですわー。
うまくすれば生身の人間が人型兵器に取り付いたり引き倒したりして、乗り込んでいる騎手を引きずり出して乗っ取ったりできる、という展開も。人型兵器が絶対無敵すぎないんですよね。それがまたいい。
ちょっと出遅れたものの、早いところシリーズ最新刊まで追いつきたいところ。

犬村小六作品感想

空ノ鐘の響く惑星で  

空ノ鐘の響く惑星で外伝-tea party’s story (電撃文庫 わ 4-24)

【空ノ鐘の響く惑星で 外伝 tea party’s story】 渡瀬草一郎/岩崎美奈子 電撃文庫



一言で言うなら

至福の一冊

本編のエピローグの続きを主軸として、登場人物たちの四つの物語を挟んだ短編集。
本編が主菜なら、まさしくこれは最高に贅沢なデザートでございました。ごちそうさま。

個人的に一番気になってたライナスティとディアメルのでこぼこコンビが、ちゃんとよろしくやってたのは嬉しかったなあ。エピローグじゃ巧妙にぼかされてて、いったいどうなってるんだろうとやきもきさせられたものだから、余計に。
まさか籍を入れていないだけで、ちゃっかり子供まで作っちゃっているとまでは思っていなかったけれど。
こうして振り返ってみるとこの空鐘で自分が一番好きなキャラだったのって、ライナスティだったのかも。徹頭徹尾スチャラカなくせに、いつの間にか締めるところ締めてるところなんか特に。
今回の過去編を読む限り、その陽性気質はどうやら生来のもので、本人何にも性格とか装ってなかったみたいなのも嬉しかったり。やっぱり、ライナスティな根っから惚けてないとねえ。だからこそ、ディアメルともお似合いなわけだし。

しかし、本当にみんな幸せそうで、なんだか読んでるこっちまで気持ちが楽になるというか、いい気分になれるというか。渡瀬さんの書く人物というのは、死ぬまでの時間を精一杯生きてる感じがするので、そういう人たちが生を謳歌し、温かい波に揺られて幸せそうにしているのを見ると、ほんと、救われた気分になるんですよねえ。じわぁっ、と実感できるわけです、そんな気分を。

とりあえず、シアの可愛さは異常ということで、OK?
 

9月22日


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