【GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 4(下)】 川上稔/さとやす(TENKY) 電撃文庫
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伊達、最上、上越露西亜へ外交官として赴いた教導院のメンバー達。此処ぞという時、行き詰った空気を一気に切り開いてみせるのは、やっぱりみんなのおうさまであるところの、葵・トーリなんだな。一巻の下巻以来の仕切り直し。改めての、トーリの世界征服宣言。痺れたーー!! 再び、あの6ページ見開き挿絵。一巻の時と違って、みんなが居るのは同じ場所ではなく、それぞれの戦いの場所。あの時から、新たに加わった仲間たちの姿も見える。
だが、それを牽制するため、羽柴・秀次率いる戦闘外交艦“聚楽第”を先頭に羽柴勢が水戸領地に対し戦闘を開始。
一方、武蔵では、生徒会と総長連合に対し、平和を求めて大久保・忠隣を代表とする委員長連が蜂起し、内部に潜入した伊佐、穴山ら真田十勇士は、艦の破壊工作の準備を進めていた。
まさに内憂外患の武蔵は、この状況を打開し、東北・上越への活路を開くことができるのか!? 第四話ついに完結!
あの時と同じではない、立場も考え方も未来への見方も、それぞれの在り方も「前へ」進んだ、その姿にこそ、痺れた。
三方ヶ原の戦い以来、どこか燻ったようなもどかしい、力及ばない、哀しい気持ちが拭われない、そんな停滞に包まれていた空気を吹き飛ばすような、痛快にして豪快な、打破打破打破の復活回。
まさに、これは『再起』の物語。
そんでもって、素晴らしいまでの総力戦、総力戦ですよ^ーー!! てっきり、奥州三国と上手く協力関係になるための交渉メインの回だと思ってたんですよね。良い意味で派手に裏切られた!!
前回の感想で、辛すぎる伊達、最上、上越露西亜の悲しい感情を何とかしてあげて欲しい、とせつに願っていたのだけれど、これほどきっぱりばっちりズンバラリンとなんとかしてくれるなんて。そう、そうだったんだよなあ。トーリたちの目的というのは、まさにこういうどうしようもない運命を、悲しい出来事を、なくして潰してひっくり返して、取り戻して無くさないようにすることだったんだよなあ。彼らの宣言は、想いは、口先だけのものじゃなかったのだ。こんなにも具体的な形で、実現してくれるなんて。嬉しいなあ、嬉しいなあ。
幸せに、なりましょう。楽しく、なりましょう。みんなで、笑いあいましょう。
そうした世界を、創りましょう。
だから、戦争だ!!(マテ
いやあ、久しぶりの千ページ近接厚だけあって、これでもかこれでもかとネタが詰め込まれてて、読むのにガチで4,5時間掛かった気がするが、大満足でした。
ネタバレ前回で量もだいぶ多くなってしまったので、収納ですよ、以下に収納 ↓
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