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新井輝

忘却のカナタ 探偵は忘れた頃にやってくる ★★★   

忘却のカナタ 探偵は忘れた頃にやってくる (ファンタジア文庫)

【忘却のカナタ 探偵は忘れた頃にやってくる】 新井輝/ヤスダ スズヒト 富士見ファンタジア文庫

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「気付けば彼のことを私はヒーローだと感じていた」
忘却社。12階建てのビルの13階にあると噂の探偵事務所には、本当に助けを求めている依頼者だけがたどり着けるという。ヒーローに憧れる女子高生・三倉咲夜は、クラスメイトのストーカー被害を調査するため、誘われるようにここへ迷い込んだ。そこで出会ったのは、社長代行を名乗る青年・岬翼。彼は他人の自己意識の世界“固有世界”に侵入し、問題を解決する“忘却探偵”だった―。忘れがたい者たちが集う新宿歌舞伎町を舞台に、現実と記憶を駆け巡るニューヒーローの物語が今始まる。

12階建てビルの13階、というと同じ新井輝さんの【ROOM NO.1301】が思い出される。あれもまた、幽霊ビルの存在しないフロア。特定の条件に合わさった人物しかたどり着けない13階のフロアを舞台にした物語だった。
まさか、同じマンション? とあらすじを読んだときには想像してしまったのだけれど、どうやらそこのところは全然関係ないらしい。少なくともあのマンションの件のフロアには床屋はなかった、うんなかった。登場人物も全然関係していないようですし。
さて、昨今の探偵は大変良く謎を解いて犯人を見つける活動に勤しむタイプが跳梁跋扈していますが、彼……自称岬翼(床屋の古ぼけた本棚にはキャプテン翼の単行本が)は江戸川乱歩の明智小五郎のような冒険小説で活躍するタイプの探偵であって、別にミステリーのように犯人探しをするわけでは……あれ? でもちゃんとストーカーの正体を突き止めてましたから、犯人探しはしているのか。
「固有世界」という他人の世界に意識世界に入り込む異能力や翼くん自身のなかなかに荒っぽい行動が印象的であったためか、探偵らしい活動についてはとんと意識の外でした。犯人の動機やらを突き止めるよりも、その後の大ピンチからの激しい動的なシーンの連続のインパクトが強かったですしね。
しかし、かと言って翼くんを探偵ではなく、お嬢がイメージしているようなヒーローとして認識するのもいささか難しい。少々胡散臭いところがあるのだ、彼。
そもそも、彼が一体何者なのかがよくわからない。どうしてここで忘却探偵なんぞをやっているのかもわからないし、彼に関する過去も現在も未来もよくわからない。彼にまつわる人間関係も先代忘却探偵だという火村さんとの関係もよくわからない。
彼の人となりがわからない。
まあ、わからないのは彼に限らないんですけどね。幾人もの登場人物が出るにも関わらず、その誰もが妙に中途半端な背景をちらつかせるだけで、肝心のその人がどういう人なのか、物語においてどういう立ち位置でどう関わってくるのか、というのが全然見えてこないんですよね。全体的に関わりやつながりがありそうなことは匂わせつつ、詳しい話どころか触りすら殆ど不明。
とにかくこう……全体的にバランスが悪いというか、スタートの配列が悪いというか、登場人物全員が孤立してスタンドアロン化してしまってて、漠然とした全体像も中心となるべき芯もとっちらかってよくわからない、という物語になってしまっている。とかく、出す情報が小出しすぎて、その一つ一つの意味がさっぱりわからない、というのが大きいんですよね。それぞれを繋げて全体像かストーリーラインを曖昧模糊でも想像想定できたらいいんだろうけれど、それすらし難いほどに小出しすぎるというべきか。冒頭の、おそらく未来の様子と思しきプロローグのみんなが勢揃いしているシーンもこうなるとなんじゃらほい、って感じですし。
お嬢様こと三倉咲夜という子は育ちの良い上流階級の御令嬢という立場にも関わらず、正義感が強く行動派で、同時にヒーローに憧れる子供っぽさ、或いは乙女なところが強く在るというヒロインとして強度の強いキャラなんですよね。こういうガンガン前に進みながらも、女の子らしい柔らかな心持ちをしている子は、物語の牽引役としても稀有な引き手だけに彼女にはなんとか作品全体を引っ張ってもらって、このとっちらかってる現状を収束させてほしいものであります。この巻もある意味彼女の独壇場みたいなものでしたしねえ。というか、彼女しか物語の登場人物として明確な仕事をしてなかったという感じかも。

新井輝作品感想

土地神様のわすれもん ★★★☆  

土地神様のわすれもん (富士見L文庫)

【土地神様のわすれもん】 新井輝/あおいれびん 富士見L文庫

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「わすれもん」―とある地方の方言で、忘れられた存在を指す。世間から「わすれもん」扱いの作家・真金井光。彼が庭先の祠を掃除していると、中に置かれた猫の人形が動き、突然喋り出した。自分も「わすれもん」となった土地神だという猫は、同じような存在を助けようと光に持ちかける。「きっと普段得難い経験が出来る。作家の君にとってうぃんうぃんだろう?」肉球とガッチリ?握手で約束を交わす光だが、実は彼にも忘れている過去があって―。2人一緒なら百人力のコンビが皆のために駆け巡る友情物語。
あいやあ、作家なんて十年程度音沙汰なくたって忘れられたりしませんて、と思うのは自分だけだろうか。そも、新井さん前作2015年だからまだ三年しか経ってないよ。それでもしばらく音沙汰なかったのは間違いないので、お久しぶり。
本作と共に富士見ファンタジアの方でも新作を出しているので、これは一時的にでも作家活動を再開されたということでしょうか。だったら嬉しい。
しかして本作の主人公、あらすじでは頑なに光というペンネームで押し通しているけれど、何気に作中では殆ど光とは呼ばれなくて、本名の方で呼ばれっぱなしだ、この人。おーい、志男。
本名、苗字と合わせてこれだと確かに抵抗がある。
さて、この作者の描く主人公はある種の欠落を抱えた人間が多いのだけれど、彼の場合失われていたのは一部の記憶であって、人間性や情動の類が欠けているわけではないからか、かなり普通の人間である……のかなあ?
小説をまったく書けなくなってから、取材と称して色んな方面にチャレンジしているのですけれど、その尽くを免許皆伝レベルまであっさりと習得してしまってるあたり、この人って全方位に向けての天才っぽい。書けない小説も、最初に受賞したときはなんとなく書いたものがバカ当たりしてしまっているところや、土地神と遊ぶようになって書いた短編とかすごい受けているのを見ると、小説家としても天才、というのもあながち自称ではなさそうだし。
土地神さまに促されたとはいえ、特に抵抗もなく人様のお宅に訪問して、おたく祟られてますよ、みたいなことを臆面もなくのたまってしまうところとか、考えてみると全然普通の人じゃないのかもしれない。だいたい、それ普通なら通報されてもおかしくないですからね?
ところが、地元では彼の実家、鈴木家というのは妙な権威があり、神様に代々お仕えしている家、ということで少々不思議なことを言い出しても……神様がそう言ってるんですよ、とか言ってくるの少々レベルじゃない気もするのだけれど、鈴木さんところの人が言うんだから本当なんだ、とさらりと信じてもらえるのってちょっとこの地元の人達大丈夫ですか?と若干心配になるレベルで信用があるようで。
狸のお母さんから頼まれて子狸探しに来ました、という話まで子狸飼ってた一般家庭の家の人がそうですかー、と信じてしまった、むしろ正直に話してしまう主人公が大丈夫か、というところなんだけれど、それでも信じてもらえてしまうのは別に主人公の人徳でも何でもありません。鈴木家、この地方では何者だったんだ、ほんとに。
考えてみれば、旧家に引っ越してきて突然土地神と名乗る怪しい猫に話しかけられて、若干パニックになりながらもすぐにツッコミ入れながら対等に丁々発止しているあたりからして、この小説家先生も全然普通じゃないよね。ってか、相手神様と思って無くてこれ普通にしゃべる猫としか思ってないよね。
ともあれ、神様にせっつかれながら色々と案件をこなしていくのだけれど、様々なスキルを有しているとは言え、ぐだぐだと書けない小説を書こうとして十年粘っているような煮詰まった男である。颯爽と問題を解決、なんてスマートなことが出来るはずもなく、かなり行き当たりばったりでぐだぐだにアタックしていくのだが、兎にも角にも介入するということが場の空気を入れ替えることにもなるのだろう、きっかけにもなるのだろう。なんとなくまあ丸く収まっていくあたり、なにごともやってみるもんだ、というより解決の意思を持ち込むことが大事なのかも知れない。うまくいかなくても、とりあえずでもなんとかしようという意思が介在することで、問題になってる相手方の方でなんとはなく収拾つけてくれるみたいなところもあるものですから。
とまあ、そんな感じでまったく締まらない猫と書けない小説家のコンビの相応にのんびりした日常を堪能するところでありました。

新井輝作品感想

俺の教室にハルヒはいない 4 4   

俺の教室にハルヒはいない (4) (角川スニーカー文庫)

【俺の教室にハルヒはいない 4】 新井輝/こじこじ 角川スニーカー文庫

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「ユウは練馬さんの特別な人間じゃなくなるかもしれないんだよ?」
マナミさんの心配通りカスガは声優として活躍を始め、俺から遠ざかっていく。行き違いから凹む俺に清澄は、学級委員の麻布さんが俺に興味を持ってると告げる。それを聞いてすぐ麻布さんは電話で俺を夏休み中の学校へ呼び出す。「まさか告白?」とやって来た俺を待ち構えていたのは好意ではなく、殺意の刃だった…。ただの人間のための青春ストーリー、感動の完結!
やっぱりちょっと捲いたのかなあ。ユウという少年の心の欠損と集積される人間関係を昇華する物語としては、【涼宮ハルヒの憂鬱】という作品の内容に絡めてあの展開は見事な決着だったんですよね。【涼宮ハルヒの憂鬱】という作品の一つの解釈を得る事こそが、この物語の核心であることは間違いなく、それをあの場面できっちり描けたという時点で、この作品で書くべきことは書き切っていると言えるんだけれど、マナミとカスガとの関係についてはもう少しじっくり堪能したかったんですよね……と、ここまで話の内容を思い返しながらつらつらと書いてきて思ったんだけれど、ユウが自分の心の欠損に気がついて、それをうめつくすだけの人間関係が既に自分の周囲に集まっているのだと気がつくまでの過程での、マナミやカスガとのあれこれに対しては、実のところ不満は一切ないっぽいんですよねえ。じゃあ何が足りないのかというと、これは未練だなあ。結局、その後におけるユウとヒロインたちとの関係をもっと見たかった、というただの未練なんだよなあ。描くべきを描き切ったその後のあれこれを望むというのは、これは余分なんだろうか。でも、埋まったユウくんも、それでまともになったかというと若干ズレてる節があるんですよね、常識から。自分に対する定義付けが変わり、他者との関係の距離感に対して素直になった事で自分の感覚というか感性についても素直になっている節があるのだけれど、そこに抵触する一般常識については他人ごとというかそれがあるのは知っているけれど、知っているだけで実感と伴っていないような、あんまり関係ないと思っているような感じが見受けられたわけである。でないと、なかなかマナミさんへの告白やカスガの告白に対してああいう態度はとれないだろうし。
これについては、カスガや神楽坂センパイもまあ相当にズレているというか、自分ルールに準じている様子が伺えますし、マナミさんはマナミさんで自分の信念と自分に言い訳する建前をわりと上手に使い分けることの出来る器用さが……いや、或いはこれ器用さじゃなくて「不器用さ」なのかもしれないけれど―まあいずれにしても興味深い踏ん切りのある人なんで、むしろこの後の四人の関係というのが気になって仕方ないんですよね。マナミさんの正体について、結局カスガは気がつかないまま、というネタも維持されちゃってるわけですし。いや、普通気づかないなんてありえないだろう、と思いながらそれが通じてしまうカスガのキャラの面白さ。
うん、ともかく、彼らの実にややこしい関係。お互い友達である以上を望み、しかし一方で恋人となることを否定した関係が、このあとどうすっ転んでいくのかは、極上の餌をお預けにされてしまった気分なのであります。
まああれだ。友達ならセーフセーフ。

シリーズ感想

俺の教室にハルヒはいない 3 4   

俺の教室にハルヒはいない (3) (角川スニーカー文庫)

【俺の教室にハルヒはいない 3】 新井輝/こじこじ 角川スニーカー文庫

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「前日、ユウの家に泊まっていいかとか…」
マナミさんは登校するにあたって、俺に意外な提案をしてきた。それは、恋愛禁止のアイドル声優にはあるまじき行動かもしれない。でも、俺はマナミさんの気持ちを大事にしようと、お互いの家族を説得することを選ぶ。一方、カスガは一緒に海に行こうと俺を誘う。忙しいマナミさんも来てくれることになったのに当日、呼んでなかった人たちも現れて!?あなたの夢を応援する青春ストーリー第3弾!
見たい! 見たいんですけど! 見せてくれるんだったらぜひ見たいんですけど!!
なんという天然小悪魔。おぱーいを、言ってくれたら見せてあげるのに、と影でボソボソ呟いているだけの振りだけヒロインはこれまで幾らでも見てきましたけれど、見たいの? と聞かれて、そりゃ見たいさ、と素直に答えたら
「じゃあ、今から家に来る?」
と素の調子で、家にあなたが読みたい漫画があるんで見せてあげるよ、というくらいの調子で言っちゃう娘は初めてみましたよ!
これで、変に色気だして、その気になってたり、誘うような気配出してたらまた違うんだけれど、この娘……カスガは本当に見たがってるから見せてあげよう、というくらいのつもりっぽいのが、逆にエロい。
勿論、ユウに好意あってこその無防備さなのだけれど、この本人の無自覚さが本当にエロい。
しかも、この場限りのお話じゃなくて、ちゃんと覚えていて、後々ユウの部屋に来た時に、あ、そういえば前に見たいって言ってたよね、というくらいの思い出したから見せようか、みたいなノリで見せてくれようとしてくれるのです。
見せてもらえよ!!

……見せてもらえよ!!

これ、下に妹とマナミさんが居なかったらどうなってたんだろう。いやそれはそれとして、見せてもらうだけ見せてもらえよ!! 
あるまじき展開である。
しかもこの娘、水着はToHeart2のタマ姉のあの黒ビキニぽいのを着こなす程のスタイルなんだぜ。見たいよ、絶対見たいよ。タマ姉おぱーいだぞ、どないすんねん!!
この娘のこれがわざとだったら、凄まじい使い手と呼んで過言ではないでしょう。これが天然だったとしたら、もはや太刀打ちできないナチュラルボーンエロスです。なんてこったい!

と、彼女のこれが攻勢なのかそうでないのかは定かではありませんが、他のヒロイン衆は明らかにアプローチを仕掛けてきてるんですよね。しかし、その方法というのがまた何というか独特というか、いきなりトドメを刺しに来ているようなストレンジなのが、この作者さんの摩訶なところであります。いきなり「今度から家に泊まらせて」とか、マナミさんそれはもうなんかアレですよ、変ですよ、発想からして友達としても恋愛観としても、どこから生まれたものなのか。いや、これは真実「友達」という関係だからこそ出来るお願いなのか。
むしろこれだと、清澄とか神楽坂先輩のほうが態度としてはわかりやすいんですよね。マナミさんとカスガのあのフラットすぎる姿勢と、ユウに対する距離感のなさはちょっと凄まじさすら感じる。
カスガなんて、未だにマナミさんの素性について気づいていないとか、本気で天然っぽいしなあ。いや、直前に一緒に遊んでいながら、収録で一緒になって気づかないとか、それでマナミさん当人に汐留アスカの素晴らしさについて力説するとか、天然極まってるもんなあ。そんな彼女が、はたして恋愛について小細工を弄することが出来るのか、ちょっと裏で色々思惑をこねまわしている姿が想像できない。と、同時に実はやっていてもおかしくはない、というのが女の子の実情なわけで。
マナミさんも含めて、本当にどこまで考えているのか、分からないや。きっと、当人たちもわかっていないのだと思いたい。もはや、考える必要がないほど、支えとしてユウの存在が根付いてしまっている可能性すらあるのだから。いや、支えという意味ではもう可能性のありなしですらない厳然とした事実でしかないのか、これ。
このカスガとマナミさんの意味不明なくらいの泰然さって、いわばのっぴきならないところまで来ちゃってるってことなのかなあ。
人間、意外とそこに直面しないと、本気で考えたりしないんだよね。事前に想像している、なんてのは本当に上っ面でしか無い。そして、いつの間にか事態というものは着々と進行してしまっていて、それは止まることがないのである。心のありようにしても、人間関係の距離感にしても、現実の状況にしても。
場合によっては、直面してなお考えられない時すらある。そうして、流れのままにフワフワと流されていくのだ。別にそれが悪いわけでもない。意外と流されてるとそのまま悪くない結末にたどり着いてしまうことだってある。まあ流され方にも色々あるわけなのだけれど。
とりあえず、手遅れにならない今のうちに見せてもらっておこうぜ!

1巻 2巻感想

俺の教室にハルヒはいない 2 4   

俺の教室にハルヒはいない2 (角川スニーカー文庫)

【俺の教室にハルヒはいない 2】 新井輝/こじこじ 角川スニーカー文庫

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教室の一番後ろの席は『涼宮ハルヒ』の席。登校して来ないマナミさんの件で、俺は生徒指導室に呼び出され、その帰り、生徒会長のカグヤ先輩に突然、呼び止められる「君には心当たりがあるだろう?」―先輩は『涼宮ハルヒ』のことを聞きたがっていた!一方、声優を目指すカスガはオーディションに。でも、そこにはマナミさんも参加していて、二人の対決は避けられないことだった…。話題の青春ストーリー、胸に迫る第2弾!
【カンチ、セックスしよっ♪】、という名台詞が真っ先に頭に浮かんだロートルさ加減については察してください。でも、あの頃自分ドラマとかあんまり見てなかったんだよなあ。東京ラブストーリーも見てなかったし。
さて、いきなり校内で初対面の相手にとんでもないお誘いを仕掛けてきた生徒会長さんの登場である。いやいや、不器用にもホドがあるでしょう。人間関係の距離感の取り方、無茶苦茶じゃないか。ところが、あながち突拍子もない事もないのが肝である。ってか、あり得ないとわかっていても【ROOM NO.1301】の主人公みたいに張り切っちゃうのかとドキドキしちゃったじゃないか。さすがにユウくんはあちらの健一くんのように「セックス」がコミュニケーションツールというわけではないので、そこまではっちゃけるとは思わないのですけれど、凡俗のウブな主人公と違ってわりと女の子に触れることに緊張しない子なので、時折ギョッとするくらい大胆な事するから油断は出来ない。
そもそもこの作者の描くキャラって、微妙に生々しくて距離感の埋め方にライトノベル的な手順を必要としてないんですよね。全体として、作品としてルールが決まっているのではなく、各々の価値観と判断に委ねられているので、傍から見ていると「え?」と思うほど踏み込みに躊躇いがないケースが散見されるわけです。もっとも、各々の中にあるルールはそれぞれ確固としたものがあるので、見ていれば段々わかってくるんですけどね。でも、慣れている人ほどギョッとなるかもしれない。
しかし、あんまりにも無造作に踏み込むもんだから、抜き差しならないところまで至っちゃってるのは間違いないものだと思う。引き金の軽さと銃弾の威力は別に関係があるわけじゃないものね。ユウくんにどれだけ自覚があるかわからないけれど、マナミにしてもカスガにしても、彼の存在を拠り所にしているという意味では、正直換えがきかないところまで来ちゃっているように見える。ユウくんは、あまりにも十全に二人の期待に応えちゃったんだろうなあ。決してユウくんが軽い気持ちで二人を応援してるわけではなかったということは、カスガとマナミのオーディションがバッティングしていた事を知った際の動揺からもうかがい知れる。彼は彼としてとても真摯で真剣に二人の支えになろうとしていたのは間違いない。ただ、そのことが二人にとってどれほど大きいものだったかを、この若者は果たしてどこまで理解できているのか。こればっかりは人生経験がモノを言う段階の出来事な気もするけれど、マナミにしてもカスガにしてもこれ、結構重い女だぜ。ふたりとも、この世代としては抜きん出て自立していて、誰かに寄り掛からないと立っていられないような弱い女じゃござんせん。でも、だからこそいざ拠り所を求めた時の気持ちたるや、とても軽々としたものでは居られない。それでも、二人は慎重にユウくんという支えに対して適切で理性的な対応を心がけていたように見えました。が、今回の一件でそれは瓦解の様相を垣間見せ、さらにはカスガの方はあのさり気なく物凄い発言をしていたのを鑑みると、もしかしてそうした配慮を放棄してしまった可能性すら浮かび上がってくる。
未だ対面していないカスガとマナミですけれど、二人が顔を合わせるシーンを想像すると背筋がゾクゾクしてくるような段階に、この三人は踏み入ってしまったんだろうか。まだどういう方向に持っていくのか、今はわからないのだけれど、ヤバいなあ、修羅場あるかなあw

1巻感想

俺の教室にハルヒはいない5   

俺の教室にハルヒはいない (角川スニーカー文庫)

【俺の教室にハルヒはいない】 新井輝/こじこじ 角川スニーカー文庫

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「今日も『涼宮ハルヒ』は来ないみたいだな」教室の一番後ろの席はずっと空席。全く登校してこない謎の美少女がいるって噂だ。俺は前の席に座ってるが、謎も何もない。俺には物語みたいなことが起こるはずはない―。なのに幼なじみのカスガは声優への道を歩み始め、送った帰り道、俺は偶然アニメ脚本家のマコトさんに食事に誘われ、気づけば色々な業界の人達に囲まれていた!?とてもミラクルで苦くて、少しだけ甘い青春の物語、開幕。
うわーああああ、こりゃあ完全無欠に紛うことなき新井輝青春ワークスだぁ!!
なんて懐かしい、いやもう懐かしいという思いを抱いてしまうくらいに新井輝成分を摂取するの、久しぶりだったんだ。そう、これですよ、これこれ。これが、私はそりゃっもうすんごい大好きだったんだ。このさっぱりとしているくせにしっとりとして絡みついてくるような、乾いているのに粘性を強く感じさせる人間関係の描写が、たまらなく好きだったんですよ。
正直、通常のライトノベルのラブコメや青春モノを読み慣れていると、この主人公のコミュニケーションの取り方はちょっと唖然としてしまうかもしれない。それくらい、何ていうんだろう、無造作なんですよね。しばらく疎遠になっていた幼馴染、初めて二人きりで遊びに行く女友達、初対面の美人な女性社会人、これまた初対面の全く縁がなかったアイドル声優。シチュエーションとして気後れや躊躇いを抱き、どうコミュニケーションを取るかについて色々と考えを巡らしてしまうところなんですが、このユウという主人公はその辺りの葛藤が殆ど皆無で、凄まじいまでにフラットです。いや、リア充になれるやつってすなわちこういう奴なのか、と思わず考えこんでしまうくらいに、他人と新しい関係を築くことへの壁を超える感が全くない。これで軟派なやつなら、下心がうかがえたり、軽薄さがにじみ出ているものなんですけれど、そういう雰囲気は全然ないんですよ。
作中で、女の話をちゃんと聞いてくれる人はモテる、という評価をされてるシーンがあるんですけれど、なるほどユウって凄くちゃんと人の話を聞いてるんですよね。それでいて、大仰に構えているわけじゃなく、自然と聴きこんでくれるので、多分相手も喋りやすいんじゃないかな。あんまり他人にベラベラをしゃべるのが気が引けるような自分のことを、しかも相手には全く関わりのない自分の事を、凄く気楽に話せる雰囲気を醸し出してる。相談する、って感じでもなくて、ほんとに聞いて欲しいことを、誠実に聞いてくれる感じがする。そこで語る自分のことを、彼は絶対にバカにしないし、逆に前のめりになってくるわけでもない。凄くフラットに受け止めてくれるわけです。これは、確かに手放しで聞き上手、といえるんじゃないだろうか。
……これはモテるよ。なるほど、本当にモテるやつってこういう子の事を言うんだ、と思わず深々と首肯してしまうくらい。しかも、このモテような老若男女の区別がなかったりする。マコトさんを介して知り合った大人たちも、彼のことは随分と気に入ってしまったようですし。
なんか、特にマコトさんとの付き合い方とか凄くないですか? 出会いの偶然はともかくとして、その後のご飯食べにいったり部屋片付けに行ったりするような関係に発展する要素がどこにありました? しかも、この奢られる関係というか、ユウの態度が凄く好感もてるんですよね。マコトさんが構うのもわかるわあ。
逆の立場から、偏屈でもコミュ障でもなんでもいいけれど、人付き合いが苦手な人からしても、このユウくんは一緒にいて凄く気楽で、でも無責任じゃなくしっとりと付き合ってくれて、喋りやすい、付き合いやすい子のような気がする。他人との関係を犠牲にするような、何かに一心に打ち込んでいる人にとっても、彼と接することは一つの安息になるんじゃないか、と思えるくらいに。
どうして、人生における佳境を迎えているカスガが、同じく煮詰まりを感じているアスカが、この時期にユウと接近するようになったか。余裕のない心の置所として、彼の存在を求めたのか、彼の人となりを思うと凄く納得できるんですよね。
しかし、そこまで大きな比重をかける相手として、ただの幼馴染とか友達という関係はもしかしたら圧倒的に足りない関係性だったのかもしれない。知らず知らず、気安さから、安息感から、彼に寄りすぎてしまったために、不幸なバッティングが起こってしまうことを、一体誰が予測できたか。こればっかりは、誰にも責任ないんだけれど……ホワイトアルバムのタイトルを意味深にあげないでーーっ!!
もう、ぎゃーーーぅ、ってなもんですよ。
決して真剣じゃなかった、というわけじゃないんでしょう。本当に悪い偶然に過ぎないバッティングでした。でも、同時にユウが受け身に徹していたから起こってしまったことでもあるんですよね。いや、この段階で受け身だったから、なんていうのは酷でしかないよなあ。彼にとって、カスガは大事な幼馴染ですし、アスカは思わず親身になってしまう友達だったんですけれど、ある意味それだけでもあるわけですしねえ。話を聞き、思ったことを誠実に告げる、それ以上を求めるのは酷というもの。ただ、自分が告げた言葉が知らなかったとはいえ、あんな形に二人を導いてしまう事になるというのは、キツいなあ。ユウ自身が参りますよ、これ。知らなかった、という事事態が聞き役に徹していてそれ以上知ろうとしていなかった、とも言えますし。繰り返しになりますが、現状の関係上、知ろうとする必要なんてどこにもないんですけれど、でも当人たちがどう感じるかは別問題なんだよなあ。

ああ、やっぱり面白い。この人の書く人と人とのお付き合いって、ほかじゃあ絶対にお目にかかれない独特の感覚が揺蕩ってて、読んでて本当に面白い。
超おすすめ。

新井輝作品感想

真夏の余暇には、過去の名作を読んでみよう 2.流血女神伝/ROOM No.1301/古墳バスター夏実  

夏の余暇に読書にかまけてみるのもよいのではないだろうか。それも最近じゃなくて、一昔前の作品で。
ここは一つ、過去の名作を紹介してみようじゃないか、という企画の第二弾。
なんとか予告通りに日曜日に記事を仕上げられた。よかったよかった。
というわけで、今回紹介するのはこの3シリーズ


流血女神伝
 帝国の娘(上・下)/砂の覇王1〜9/女神の花嫁1〜3/暗き神の鎖1〜3/喪の女王1〜8/外伝1・2>
 須賀しのぶ/船戸明里 集英社コバルト文庫
 (1999/2007)


                          

未だにこの作品のことを思い出すと圧倒される。一大スペクタクル大河ドラマ。空前絶後の歴史小説にしてファンタジーロマン。

超弩級の大傑作である。
偉大なる名作である。

このシリーズをして、ライトノベル・レーベルから刊行された作品の中でナンバーワンに挙げる人も少なからずいるのではないだろうか。自分も、どれが一番と言われると決めきれなくても、候補の最右翼として挙げる一作である事は間違いない。自分にとってのバイブルであると同時に、墓の下まで持って行きたい物語。
コバルト文庫という少女系レーベルから手を伸ばすことに躊躇を覚える、或いは全く知らない、という人もいるかも知れませんが、そう、これを読んでいないのは人生における損失とまで言い切っても構いません。
多分、これほどのスケールと奥行きを持った大河小説は、今後ライトノベルからは二度と出ることはないんじゃないかと思うくらいの大作。少なくとも、少年系レーベルからは決して出し得ない内容です。たとえ軒下がとてつもなく広い電撃文庫ですら、はたしてこれほどの「人生」を描くことを許容できるかどうか。
文字通りの「波乱万丈の人生」を歩んだカリエ。それは一人の少女の物語であり、女の物語であり、母親の物語。歴史の無慈悲に抗う人の物語であり、人と神の物語でもあり、運命というものに対する闘争と敗北の群像劇であり、峻厳なほど人間の光と闇を描き抜いた、人間ドラマの極みである。
一度足を踏み入れれば濁流のような勢いに、外伝含めた全27冊を読みきり、茫然自失となることうけ合いです。これこそ、長い休みに一気読みするに相応しいシリーズでしょう。

須賀しのぶ作品感想一覧



<ROOM No.1301 1〜11/短篇集1〜4>
 新井輝/さっち 富士見ミステリー文庫
 (2003/2009)





今は亡きレーベル「富士見ミステリー文庫」において、恋愛こそがミステリーとばかりに謎解きではなく恋愛という行為と思想そのものに備わる謎の探求に勤しんだ怪作がこれ、【ROOM No.1301】である。
ちなみにラブコメではない。さらには思春期の浮ついた青春恋愛模様というには、あまりにも重く清淡とした内容である。しかし、真っ当と言うには明らかに破綻し壊れた人間たちの織りなす人間模様は、まさに異端の恋愛小説と言っていいのではないでしょうか。
次々と複数のヒロインたちとセックスで繋がっていく主人公。彼は倫理観こそ常人からズレたものを抱えていますが、決して女性関係に無節操だったり、ただ流されているだけの主体性のない男性だったり、セックスを遊びと割り切っているわけではありません。彼は結局一度として遊びで女性を抱いた事はありませんでしたし、女性にとって必要だと彼が感じたセックス以外は、たとえ求められても受け入れなかった事が(錦織さんのケースは別として)よく読み込むと理解できるはずです。彼はただ一人の例外を抜きにして、ついに誰も自ら求める事はありませんでした。
恋愛を解することができず、恋愛に上手く向き合う事が出来ず常に悩み続けた彼の彷徨の旅は成長譚ではありません。彼は終始一貫して何一つ変わらないまま自問自答を続けます。
そんな彼の在り方に何を見出すかは、人それぞれでしょう。でも、たとえどんな形であれ、人と人が繋がることは素晴らしいことなのだという自明のことに辿りつけるお話なのだと信じています。
度肝を抜かれた後日談の大どんでん返しには、本当にひっくり返らされましたけれどね。あの展開こそ、この物語の真理であり、健一がついに見いだせなかった恋愛というものへの答えですよ、きっと。

新井輝作品感想一覧


<古墳バスター夏実 1〜3>
 七尾あきら/そえたかずひろ 角川スニーカー文庫
 (1997/1999)





これはもう完全に趣味。七尾さん、メッチャ好きなんですよね。ゾッコンのファンともいうべき作家さん。そこまで自分が魅了させられた発端ともいうべき作品がこれ、【古墳バスター夏実】だったのです。
魔法が科学よりも発展した現代にて、次元魔法の使い手にして、次元古墳の発掘をバイトにしている元気溌剌な女子高生三輪夏美を主人公とした、痛快SFファンタジー。
最初はご町内から、世界規模、さらには宇宙を通り越して多次元宇宙にまで広がっていくSF紛いの壮大過ぎる世界観。そのトントン拍子に跳ね上がっていくスケールと裏腹に、常にお茶の間的な雰囲気を失わない地に足がついた物語は、今思い返しても自分の趣向にしっくりと馴染みます。
後に【幻妖草子 西遊記】や【風姫】を経て、【シャギードッグ】という一つの作風のブレイクスルーへと至る七尾あきらさんですが、彼の人の原点は此処にあり、同時にこの人の織りなす世界の素となるものすべてのがこの作品に詰まってると言えるでしょう。
特に第三巻の大風呂敷広げまくった、次元宇宙をまたにかけた平行世界の自分との戦いはスケール感、疾走感に劇的なクライマックスも相まって、盛り上がったんだよなあ。懐かしい。
誰しもが認める傑作、とは言えないのですが、個人的に大切な思い出の物語としていつまでも大切にとっておきたい作品なのでした。
氷見香嬢、激ラブっ!

七尾あきら作品感想一覧


今回はこれにて。
この調子であと一回、二回は続けられるか。予定通りなら、また来週日曜日に。

ROOM NO.1301 #11 彼女はファンタスティック!5   

ROOM NO.1301 #11  彼女はファンタスティック! (富士見ミステリー文庫)

【ROOM NO.1301 #11 彼女はファンタスティック!】 新井輝/さっち 富士見ミステリー文庫

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ど、どぎゃああああ!(大爆笑

後日談のあんまりと言えばあんまりにもROOM NO.1301的すぎる物凄いハッピーエンドに引っ繰り返ったサ!!
これって、つまるところホタルの完全勝利で、ある意味親の仇を子が討った、みたいな形になるのかなあ。

主人公である健一の、常人とどこかズレた常識、倫理観は最後まで一貫して……変だったなあ。
この人のセックスという行為に対する考え方というのは、いったいなんだったのか。千夜子という普通の恋人がいるにも関わらず、幾人もの女性と肉体関係を結んでいく、という表面上だけみると単なるスケコマシなんだけど……。セックスという行為をスポーツ的なもの、気軽に遊び感覚で行うような軽いモノとして見ているわけではないんですよね。かと言って、普通の人が常識的に受け止めているような、重大で人間関係に凄まじい激震を与え、太いきずなを結び、あるいは他者との関係を破壊してしまうような、とても大変な行為、とも捉えていない。
在る場面では、ホイホイと関係を結んでしまうくせに、ある場面では徹底的に関係を結ぶことを拒んでいる。
快楽を求めて行っているようでもない。実際、ヤッてる最中は野獣化することはたびたび描写されてますけど、快楽を求めて関係を結ぼうと自分から求めるようなことは、最後までなかったんですよね。
かといって、無軌道に流されるまましていたわけでもない。綾さんとはしばらく何度も求められても拒んでましたし、日奈のときなんか激怒してはねのけてる。
どうやら、健一には彼なりのしっかりとした一貫性のある考え方があるみたいだったんですよね。本人がその一貫性を自覚して、判断し、行動していたかは怪しいですけど。
んで、ずっと考えてたんですけど。どうも健一はこのセックスという行為を無意識に一つのツールとして捉えていたんではないかと。
相手に幸せになってもらうための。
そう考えると、どうして恋人であるはずの千夜子とは最後まで肉体関係を結ばなかったのか。日奈の求めに対して、あれほど激しく反発したのか。綾さんと、途中何度も拒みながら、そのまま最後まで拒むでもなく、のちにもう一度関係を結ぶことになったのか。
有馬冴子と、あれほど抵抗感なく毎晩のようにセックスしていたのか。
狭霧の要求に、抵抗しきれなかったのか。
なーんか、ほとんどのパターンで健一のルールが明快に見えてくるんですよね。
微妙なのは、錦織さんのあれだけか(苦笑

と、そうしたパターンから唯一外れる例があって、それがホタルとの情交だったんですよね。あれだけは、他の人との関係と明らかに違っていたわけで。健一が唯一と言っていいほど自分から求めた関係であり、その関係が破綻するまでの間の浮かれ方、破綻後の落ち込み方を見る限り、私は健一が唯一ちゃんと恋をし、愛を交わし、普通の男らしく好きになった女が、このホタル――実の姉である蛍子だったのではと、考えていたんです。
結局この二人の関係は、両親に見つかり、決定的な形で引き裂かれて、否応なく終わってしまった、と思ってたんですけどねー。
なにしろ、ホタルは別の男と結婚しちゃったわけですし。

それがそれが。
徐々に話が進むにつれて、ホタルが身籠った子供がどうやら、ダンナの子じゃないと匂わされたり。
なんと、その事実を旦那の圭一郎さんは承知だったという驚愕の真実が明らかになったり。
そもそも、この二人は世間体のために共謀した偽装夫婦だったり。
健一とホタルの父親の、秘められた過去が明らかになったり。

と、あれ? あれ? あれ? と思うような事実が重ねられてきた挙句に

あの後日談ですよ(苦笑


一番怪しかった、有馬冴子への健ちゃんの気持ちは、有馬冴子本人が同情心だった、と位置付けて、逝ってしまいましたし。真実はどこにあったかわかりませんけど。心の問題ですし、相手がこの世から去ってしまった以上は決して明らかにならない問題でもあるのですから。冴子が、健ちゃんの心を同情だったと固定して去っていった姿は、彼女が彼の事を本当によく理解していたのが透けて見えて……切なかったですねえ。
冴子の方はどう思っていたのか。これも、最後までよくわからなかったですけど。好きだなんだ、というのはもう通り越していたんでしょうね。一度死んだ彼女の心に、もう一度生を与えたのは間違いなく、健一との出会いであり、あのマンションの十三階での生活だったのでしょうから。特に名前をつけなくてもいい、掛け替えのないものだったからこそのあの態度、と思ってしまいます。


どこか空虚で、自己の意識が薄い健一。彼が常に自分の在り方と他人との関係、コミュニケーションに自問自答を続けているのは、それだけ自分という存在の確かさが不安なのか、それともそうして曖昧で形のない<自分>や<他人>や<人間関係>というものを理解しようとしていないと……寂しさに挫けてしまいそうになってしまうからか。

あの十三階の人たちは、そんな健一に共感し、理解し、受け入れることで彼の傍に寄り添うことが出来ていたんだろうけれど、でもそのままではいられないことは、みんな分かっていたから、いずれあの部屋を出ていくことが皆の中で前提として横たわっていたのでした。
立ちあがれないほど傷ついて、顔も上げられないほど落ち込んで、人として生きていけないほどに崩れてしまった人たちが辿りついたあの13階。そこで、皆は自分とは全然違う、とてもよく似た魂の人たちと出会い、寄り添うことでもう一度人間として生きていくための息吹を呼び込んで、でもだからこそそこから出ていかなければならなかった。
千夜子は、多分健一には本質的な意味では寄り添えない人なんでしょう。きっと彼を永遠に理解しようと努力し続けながら、永遠に理解できずにいる人。でも、それが不幸なのかと言えば、健一にとっても千夜子にとってもそんなことはこれっぽっちもなくて。
千夜子と健一はどうしようもない断絶によって隔てられた明確な<他人>同士であるからこそ、きっとこれからもずっと一緒にいられる存在なのでしょう。多くの人たちが、健一と千夜子は一緒にいるべきだ、なんて口ずさむのは、みんなそれがわかってるからなんだろうなあ。

こう言っちゃなんだけど、健一って結局何も変わってないんですよね。その本質は一切変わってない。その考え方の異端さも、何も変わってない。だから、きっと必要があれば、これからも誰かとえっちするんでしょう。それは、ちょっと疑えない。千夜子は、大変だぜ、これ。


と、表の決着は見事に千夜子さんが正式に公式の恋人として、健一に認めさせたわけですけど。
あの後日談見せられると、ねえ(苦笑

やっぱり、ホタルの大勝利、だよなあ、これは。
恋愛がうまくない、とか言いつつ、健一は見事に、恐らくは彼の生涯唯一の恋愛を、成就させたわけだ、この野郎(笑

まあ、長らくホタル派だった自分としては、望外のラストだったのでした、っと。
まったく、不思議で変でけったいで、でも真摯で奇妙な生真面目さで綴られたおかしなおかしな青春譚でした。ミステリーっちゃ、これほどミステリーだった話もなかったなあ。でも、忘れられない強烈な話でもありました。
奇作にして怪作だったなあ、ほんと。

私の愛馬は凶悪です  

私の愛馬は凶悪です
【私の愛馬は凶悪です】 新井輝/緋鍵龍彦 ファミ通文庫
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このタイトルを見て、速攻でガンダムXを思い浮かべるのは、やっぱりちょびっと世代が上の人なのだろうか。たとえば、私。
……歳なのかなあ。

それはいいとして。問題は作品です、中身です。
あたしはこれ、同じ作家の【ROOM NO.1301】シリーズより好きだわ。
ROOM NO.1301シリーズって、何となくですが手探り感があるんですよね。自分がどこまで書けるのか。どこまでいけるのか。自分のやり方、方向性、可能性、限界範囲。それをなりふり構わず突き詰めているような。
この作品の登場人物は、その殆どが自分が何を探しているのかも分からず自覚すらもなく、でも焦がれるように探究を続けている(その題材とは主に人と人との関わり方、なのだろうか)。だが、探究を続けているのは登場人物だけでなく、作者本人も、な感じがするわけです。
それはそれで、凄いんですよ。お陰で、作品自体が得体の知れないものになっている。底が抜けた井戸のような。錬金術のフラスコのような。
混沌の海からは、どんどんと今までになかったものが生まれ出てくる。ROOM NO.1301はこの作者の進化の素みたいなもので、記録そのものでもあるわけだ。

一方、同じく歪な人間関係と恋愛とを扱う、ROOM NO.1301シリーズと似たような話であるはずのこの【私の愛馬は凶悪です】は、どこか趣が違っている。
主人公の霧理が、自身の中に一つのきっちりとした理を有している人物だからだろうか。
えらく明瞭なのだ。
自覚的、とも言い換えれる。
どうやらこれ、ROOM NO.1301で把握した自分のやり方、特性、小説家としての味というものを、一旦整理して組み立てたものなのではないだろうか。
最初から細部に至るまできっちりと設計された、小説として必要なものを研ぎ磨き、練って砥いで削り落としてできた完成品。
異才、新井輝の現時点における決定版だ、これは。

 
12月3日

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