徒然雑記

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明月千里

お前らどれだけ俺のこと好きだったんだよ! ★★★☆   



【お前らどれだけ俺のこと好きだったんだよ!】  明月 千里/シソ GA文庫

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「俺を側に置きたい? ……何故だ!?」
初めての恋人に僅か一週間でフラれた芦宮隆人は、かつて交流のあった学園のカリスマ、才媛の後輩――
月ノ瀬白雪に秘密の部室へ誘われる。

(コイツまさか俺に気が――!? いや、単にからかうつもりか……!?)
立ち直り新たな恋愛に勤しむべく美少女からのアプローチに期待しつつ、失恋をイジられてなるものかと身がまえる隆人。
かたや――、隆人に恋人ができたショックで寝込むまで己の恋心に気づかなかった白雪は、生来のプライドの高さから素直になりきれず、隆人から告白させようと恋の駆け引きを仕掛けていたのだ!!

(失敗したぁあ。わたしのばかー! )
白雪はその知謀で隆人へと迫るが、才女ゆえに恋愛経験と知識に乏しく、気づかれない……!!
恋に慎重過ぎる少年と、恋に疎過ぎる才女たちの駆け引き――『告白待ちバトル』開幕!


気がついた時には手遅れ。相手に恋人が出来てはじめて恋を自覚する。そんなはじまりと同時に終わりを迎えた失恋に、精神的にズタボロになるヒロイン三人。
本来ならここからゆっくりとメンタルを立て直して、始まらなかった恋を噛み締めながら立ち直る、或いは立ち直れなくて病んでしまうとか引きこもってしまうとかキャラが変わってしまうとか、まあ失恋を引きずり倒して人生踏み外していたかもしれないけれど、ともあれ自分が失恋したという事実を刻み込む時間が彼女たちには与えられて然るべきだったのに。
このやろう、隆人くんてば、わずか一週間も経たずに振られてしまったお陰で彼女たちのメンタルは精神失調の状態から電気ショックを浴びせられたようなもので、完全に冷静さを欠いた興奮状態に陥ってしまったのではないだろうか。パニックになってる、と言っても良い。
なにしろ、月ノ瀬白雪と舞坂くららに関しては、同じ失敗を繰り返しているのだから。最初は自覚がなかったから仕方ないとはいえ、隆人に他の恋人が出来てしまうという大失敗を一度かましているにも関わらず、この娘ら二度目があるという可能性をまったく考えないまま、相手に告白させようなんて余裕ぶっこいた事を考えているのだから。
今の距離に胡座をかいて座していたから、鳶に油揚げ掻っ攫われたにも関わらず、またぞろ同じことをやらかしているわけですからねえ。しかも、今度は隆人を好きな自覚があるにも関わらず。自分から告白すれば、それで速攻片がつく話だったにも関わらず、獲物を前に舌なめずり。手を伸ばせば鷲掴みにできるところにいるのに、律儀に獲物が罠にかかるのを待ってるおマヌケっぷり。
これをして、彼女らを非恋愛脳と呼び習わしめるのか。恋に疎い、というよりも恋の才能がない、技能がない、能力がない、センスがない、恋愛無能、というべきなのかもしれない、これ。
一人だけ櫛水乃愛に関してだけは、この娘の場合恋愛無能というよりもコミュニケーション能力とコミュニケーションをまともに取ろうという意志自体が皆無に近いので、若干ケースが違うのかも知れないけれど。彼女の場合は、恋を知ることで他人という存在に興味を持ち、人間的な反応を獲得していく、という意味での非人間的存在の恋、みたいなベクトルの話になっていて、その過程も普通の人間がたどるであろう行程とはかけ離れたステップを踏んでいたり、と変な面白さのある展開になっているのだけれど。

それにしてもこの主人公、小学生時代に好きな子に告白したら酷い目にあわされた事から恋愛そのものにトラウマを抱いていた、という話なんだけれど、うんまあ高校生になってそういう自分を克服したかったところに、超美人な生徒会長から告白されて、となったら浮かれるのもわかるんだけど……。
知り合いの女性たち、このヒロイン三人全員にカノジョが出来たー、と自慢してまわっているあたり、この野郎、と思わないでもない。交際期間が一週間であった事から鑑みるに、付き合い始めて速攻で報告してまわった、としか考えられないしw
別にヒロインたちが自分のことを実は無自覚に好きだった、なんてこと彼が気づいているはずもないので、何の作為もなかったのだろうけど、なんの作為もなく自慢してまわったんだよね、これw
うんまあ嬉しかったんだろうけど。
そして、速攻で振られて新しいトラウマを植え付けられてしまったにも関わらず、なんか妙な態度で接してくるようになったヒロインたちに、こいつら実は俺のこと好きなんじゃないの? とかなんとなく察するのは良いとして、新たな恋愛のはじまる予兆に腰が引けるのではなく、実は満更でもなく嬉しくて告られたら付き合っちゃってもいいかな、とか考えてた隆人くん……いや君、別に全然恋愛にトラウマとかないだろ!
まあ若干及び腰になってて、積極的にグイグイと真意を問いただせず遠回しに、となってしまうあたりは振られた影響出ているけれど、それはまあ当たり前の範囲だろうしなあ。
でも、健全な男の子とはそういうものですよ。その意味では裏表のない真っ当な男の子で、性格だけみたら基本真面目だしちゃんとかっこいいところのある子なので、全然悪い印象はないんですけどね。むしろ、その俗っぽいところは愛嬌があって好ましくすらある。
でもやっぱり、こやつめー、とは思っちゃいますよねw

しかし、なんで隆人が生徒会長に振られてしまったのか、という件に関しては謎が残ったままなんですよね。彼自身はわからないけど、付き合ってみたら思ってたのと違ったのだろう、と解釈しているのだけれど、そういう単純な話なんだろうか。まだ断片的にしかそのキャラが垣間見えていない生徒会長だけど、えらいサッパリした雰囲気でどうもそういう軽いキャラには見えないんですよね。
……あの間違い電話の件を見ると、軽くはないけど特に深く何も考えていない人かもしれない、と思わないでもなかったのだけど。ただ無意味に付き合ったり別れたり、というのは違和感があるのも確かで……うんそう、そもそもなんで隆人と付き合おうと思ったんだろう。まだ生徒会長に関しては思わぬ形で絡んできそうで、油断はできない。

……肝心のヒロインたち、白雪たちは油断しまくってて草生えるしかないんですけどね!
ほんと、なんでこの期に及んで、隆人を好きになるほど目が肥えてる女は自分くらい、というぼんくらな自信に満ち溢れてるんだろう、この娘たちは。目の曇りかたがパないっすね!

とまあ、このヒロイン三人ともポンコツ具合といい実にキャラ立ってるんですよね。そのまま放っておけばどんどん勝手に「自爆」しながら動いてくれそうな存在感が漲っている。
のですけれど、非恋愛脳の才女であるがゆえに色々と策をこねくり回して、隆人と駆け引きにあけくれる、という作品の根幹ともいうべき設定が、どうにも逆に彼女たちのキャラの動きを型にはめて縛っているんじゃないか、という窮屈さが散見されてた感じもあるんですよね。
恋愛攻防戦、という枠に当てはめようとしてキャラの持つ自由度、ポテンシャルを損なってしまっている、みたいな。
今回は舞台が整うまでの準備段階、前提となる話でもあったので、本格スタートとなるここからはもっと彼女らにはのびのびと「自爆」してほしいなあ、と期待します。

明月千里作品感想

最弱無敗の神装機竜《バハムート》12 ★★★  



【最弱無敗の神装機竜《バハムート》12】 明月 千里/春日歩  GA文庫

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「――これは独り言。私は裏切り者の一族と話す口は持ってない」
ソフィスの離反により遺跡攻略が佳境を迎える中、学園は七日後に迫る聖夜祭の準備に盛り上がっていた。
束の間の待機を余儀なくされた日常で、少女達との絆を深めるルクス。

一方、『七竜騎聖』隊長マギアルカは罠を仕掛け、アイリを奪取せんと学園に現れたソフィスを捕縛する。
ルクスは、聖夜祭までにソフィスを説得する猶予を与えられるが――。
少女を見張る看守生活に戸惑いつつ、頑ななソフィスに歩み寄るルクスだが、同時に残された遺跡『月』に現れた、不穏なる影が策動する!

王道と覇道が交錯する犧廼瓩粒惘爛侫.鵐織検璽丱肇訛12弾!!
ソフィスの裏切り! と言われても、今まで殆ど関わりがなかったキャラなので誰やねん、という感じだったのが速攻おびき出されて捕まってるし! 早っ!!
いやでも、アイリが独断で敵に協力してややこしい展開になるのを事前に潰してくれたのは良い判断だったかもしれない。通常のパターンだとアイリが敵陣営に行っちゃって敵と味方に間に挟まれて難しい立場になっちゃうのだけれど、これはこれで積極的にテンプレを潰してきたと言えるのか。
ソフィスについては、むしろ捕まえたことでその人となりを知り、逆に向こうもルクスの人となりを知ってほだされる、という流れになるのか。そういうのは裏切る前に調べておけよ、と思わないでもないけれど、彼女にもまあルクスの血族を信じられない理由があったわけだから仕方ないのかもしれないけれど。
それにしても、ルクスはいい加減ソフィスを説得とか、幾ら何でも甘すぎるんじゃないだろうか。世界に宣戦布告した相手を個人的に匿っちゃったようなもんだしねえ。これ、逃げ出されてたらルクスくん責任問題になっちゃうよ……実際、逃げ出されたしw
まあ敵陣営の黒幕というか本命はソフィスではなかった、ということでそれでもギリギリセーフじゃなくて立派にアウトなんじゃないかなこれ。
竜匪賊に関しては結構長々と引っ張って引っ掻き回してくれた敵にも関わらず、終わってみればあっさりだったな、と。所詮は寡兵のテロリスト。裏でこそこそと暗躍して不正規戦をしかけているぶんにはいいけれど、真正面からとなるとやはり賊は賊でこんなもんだったのか。しぶとい傭兵なんだから、もう少し寝技きかせてくれてもよかったんじゃないだろうかと思わないでもないけれど。
まあ今回はリーシャ様が久々に活躍してくれたので、それで良かったんじゃなかろうか。工学系女子らしく、業だの鍛錬だの覚醒だのではなく、ゴテゴテと新装備を自分で開発して超合体してフルアーマー・リーシャ様をやってくれたのは、なんかわかってる感があって良かった。ちゃんと、挿絵もついてたし。
ついでに、というかこれこそが今回の本命だったのか、ついにコーラル君の正体判明。男の子と見せかけて実は女の子だった、と思わせといてやっぱり男の子だった、というわけにはやはり行かなかったか。まああれこれあからさまだったからなあ。あれでなんでバレないんだろう、と思ってたんだけれど、なるほど単純な男装ではなく相応の手順は踏んでいたわけか。
コーラルに関しては本来の相棒であるところのグライファーの方になんとかしてほしいなあ。相棒なんだから。

シリーズ感想

最弱無敗の神装機竜《バハムート》 5 3   

【Amazon.co.jp限定】最弱無敗の神装機竜《バハムート》5 書き下ろし4PリーフレットSS付き (GA文庫)

【最弱無敗の神装機竜《バハムート》 5】 明月千里/春日歩 GA文庫

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旧帝国『最後の従者』にして、――『最凶の刺客』、登場!

「初めまして主様。暗殺でも、雑用でも――わたくしの身体をお好きに使っていただいても構いませんわ」
ルクスの前に現れた少女、切姫夜架。かつて『帝国の凶刃』と呼ばれた彼女は、ルクスを慕い世話を焼こうとしつつ、
新王国の滅亡と帝国の再興を求め、学園に波紋を呼ぶ。

そして、ついに王都で始まった校外対抗戦――全竜戦で新たな強敵も現れる一方、
反乱軍による『帝都奪還計画』を阻止すべく、ルクスは執政院から重大な任務を与えられる。

秘められた過去の因縁と、新王国を狙う策謀が姿を現したとき、王都は未曾有の危機を迎え、開戦する!

王道と覇道が交錯する、“最強"の学園ファンタジーバトル第5弾!
これ、クルルシファー先輩の身の上やフィルフィが置かれた状況も含めて、一つ一つカードを配っている段階に見える。倒したはずのヘイズの正体や敵の目的のあやふやさも、総じてまだゲームがはじまっていない、とも見て取れるんですよね。そして、すべてが開示された時にはもはや一気呵成にクライマックスに突入するくらいの、溜めが行われているとしか……。
その予兆は、主人公たちのみならず、新王国上層部の中でも見識ある方々も察していて、新王国の基盤が決して盤石ではないのも合わせて、旧帝国の王子にして裏切りの竜であるルクスを、今のように雑用係として遊ばせているわけにはいかないであろう事も理解しているようなんですよね。尤も、殆どの高官・貴族は彼を無視出来なくなったとしても、それを権力争いの駒としか見ていないのだけれど。
だからこそ、彼をこのまま学園に置く、というルクス自身が望んだ処置は意外と最適解なのかもしれない。彼にフリーハンドと信頼できる学園生たちという適当な戦力が与えられ、同時に一定の影響力が新王国からも及ぼせる。新王国側はまだ把握していない、クルルやフィルフィの事情を含めれば、ルクスが学園に居て彼女たちの側に居ることこそが、即応性を保つことにも繋がり、また自体の真相に一番近く迫ることができる。温存し、切り札として抱え込むには、ルクスという駒はややも危なっかしいし、新王国の上層部の思惑も統一されているわけではないようだし。せめて、女王陛下に相応の権力があればいいのだけれど、どうも貴族たちの影響が強すぎて、女王様自体はかなり権力を振るう権限を制限されてるみたいだしなあ。

それにしても、ルクスはもう自分の正体隠すつもり全然ないだろう、これ。いや、力を隠しておけるような状況じゃなかったのはわかるんだけれど、この子最初の方からあんまり必死さがないのよねえ(苦笑
肝心のデートイベントは、というとこれってほぼフィルフィの圧勝じゃないんですかね。ルクスのことわかってる感が、他の子たちと次元が違う。完全に、ルクスの癒やしであり安らぎ空間になってるもんなあ。
本人の責任ではないにしても、ルクスにフォローしてもらってばっかりの姫様がちょいと可哀想になってくる。リーズ姫も彼女は彼女で、研究者として、姫君としてそれぞれの立場ですっごくルクスに対して献身的に尽くしてるのにねえ、何だかんだと最終的にはルクスに庇ってもらったり守って貰ったりすることに。いや、それはそれでお姫様としてはなかなかの正道なのかもしれないけれど、そっちはクルル先輩が何気にドンと不動の地位を築いてるもんなあ(苦笑


シリーズ感想

最弱無敗の神装機竜《バハムート》 4 3   

最弱無敗の神装機竜《バハムート》4 (GA文庫)

【最弱無敗の神装機竜《バハムート》 4】 明月千里/春日歩 GA文庫


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絶望の運命を打ち破る、限界突破!

装甲機竜による校外対抗戦を控えた初夏。ルクスたち代表メンバーは、新王国の離島で強化合宿を敢行する。
水着と温泉、合宿所での共同生活と、解放的な少女たちに圧倒されるルクス。
しかしその合宿には、もうひとつの隠された目的があった。
浮上した遺跡『方舟』の調査と、中で眠っていた自動人形との出会い。そして現れた敵勢力の影が、ルクスとフィルフィの過去と現在を結び、絶望の未来へと加速させる。

「ルーちゃんは、ひとりじゃないよ」
フィルフィを救うため、選択を迫られるルクスの決断は!?

王道と覇道が交錯する、最強の学園ファンタジーバトル第4弾!
一番心が弱っていた時期に慰めてくれて、支えてくれて、後々までの指針となるものを得るきっかけを与えてくれたような人となれば、そりゃあ他の子とはちょっと違う「特別」になるよなあ。フィフィとルクスの関係はもう幼いころの思い出を共有した幼馴染という所に留まらない、ルクスにとっての「光」のようなものだったのではないだろうか。ルクスの中にある他の少女たちへの遠慮がフィフィには垣間見えないのと同時に、ともすれば妹のアイリに対するよりも庇護的な接し方を見るとそう思う。
ただ、あまりにもお互いにとって「特別」すぎると、そこで関係が完結しかねないんですよね。まあ、発展しなかろうと完結していようと、あのラストの抱擁シーンを見せつけられるとここに割って入るには容易じゃないよなあ、と溜息をつかされる。特に、リーズ姫さまと来たら最近「ハカセ」扱いが身についちゃってるなあ。こんなこともあろうかと、既にパワーアップシステムは準備済みじゃ! という、困ったときのハカセ頼りは、頼もしいんだけれどヒロインとしては賑やかしになってしまっているような。頑張れ、姫様! 下手をするとセリス団長みたいな面白枠に分類されちゃうぞ。ティルファーが引っ掻き回し役で目立ってきているのですけれど、得てしてこの辺りのポディションの子は、脇役だからこそ強固な出番を確保しやすい立ち位置なので、下手するとティルファーより目立たなくなる恐れも。
クルル先輩が古代文明関連もあって、物語の最深部に関わる幾つもの伏線に絡んでいるので、むしろこっちの方がメインヒロインに見える罠である。

しかし、敵サイドのヘイズは柄が悪くて品性に欠けるばかりで軍師と名乗るには頭悪そうなんですよねえ。今回なんぞ、完全にルクスに良いように転がされてしまったわけですし。ガラが悪いのはいいんですけれど、せめて作者の別シリーズのヒロインである「月見里理解」くらいの格がないと、へこましてもいささか痛快感に欠けてしまいます。その点、フギル兄さんはいい具合に黒幕として深みが感じられてきましたけれど。そもそも、この人の場合は目的がどこにあるのかという以前に本当に敵なのか、と云うところから定かでないところから未知を纏っているのがいい感じなのですが。

シリーズ感想

最弱無敗の神装機竜《バハムート》 3 3   

【Amazon.co.jp限定】最弱無敗の神装機竜《バハムート》3  書き下ろしSS付き (GA文庫)

【最弱無敗の神装機竜《バハムート》 3】 明月千里/春日歩 GA文庫

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「男性は、わたしたちの敵です」

ついに学園最強の三年、セリスティア・ラルグリスが王都より帰還する。男嫌いで有名なセリスの信念により、ルクスが学園にいることが再び問題化する中、ルクスは終焉神獣の討伐のため、彼女への協力を申し出る。対立する二人の正義は、彼らを支持する生徒たちをも巻き込み、校内選抜戦による勝負にかけられる!!
一方、ある事情で変装 したルクスは、セリスとデートをすることに!?
隠された少女の声と、暗躍する影。譲れないものをかけて、ルクスは『もうひとつの最強』に挑む!
王道と覇道が交錯する、“最強"の学園ファンタジーバトル第3弾!
前々から話題にのぼっていた学園最強にして男嫌いで有名なセリス先輩の登場である。年上の先輩で大貴族の娘で男嫌いときたら、キャラクターも容易に想像できるってなもんだと思ってたのですが……最近のこの手の最強キャラはピリリとひと味捻って来るなあ。典型的と見せかけておいて、思わぬ意表をついてくる。
このセリス先輩もまさにそんな感じで、きっつい高飛車なお嬢様キャラかと思ってたし最初の方の印象もそんな感じに見えていたのですが……あれ? この人、むしろおっとりぽややん系じゃね?
周りのイメージに合わせてキリリと毅然とした性格を前面に押し出していますけれど、逆に言うと周囲の人たちの思い描くイメージに乗っけられて、その神輿から自力で降りられずにオロオロしながらそのまま応えているような感じで……。
あかん、この人めっさぶきっちょや。しかも、頼まれたり期待されたりすると断れない人や。そして多分、勢い良く捲し立てられると、ついあわあわと頷いちゃう人だ。壺とか買っちゃいそうだな!!
なまじ、前述のイメージが張り付いている上に、一度決めるとブレずに突き進めてリーダーシップも発揮できてしまう為に、自我が強く声も大きい人に誤解されてるみたいだけれど、むしろ姫様やクルルさんやフィルフィとかと比べても真逆のあんまり押しの強くない方のキャラだぞ、このセリス先輩w
スゴイな、なかなか本人が意図しないままここまで表と素の顔が食い違いつつ両立しているキャラクターも珍しい。
しかし、実力の方は掛け値なしに最強クラス、と思うんだけれど、これに関してはルクスがぶっちゃけ隔絶してるからなあ。果たして、今回の終焉神獣は本物ではあっても万全ではなかったようですし、今のところヒロイン衆はみんななかなか全力を出しきれる場面には遭遇してないんですよね。つまるところ、今後ルクスだけに頼れない本番となる展開が待っている、という事なんでしょうけれど。差し当たっては、みんなが選抜された大会が主な舞台となってくるのか。
一方で、ストーリーの方はというと、ついに一連の事件の黒幕が姿を現した者の、それはルクスたちが想定していた人物とは全く違っていた上に、どうもその出自の方にも混迷をきたす要素が含まれているようで、なんぞ余計に真相が不明になってきたぞ? 旧王国崩壊時に何があったのか、新王国の成立過程や現状などがもう少し詳しく明らかになってこないと、フィルフィの秘密を含めて判断材料が少なすぎますね。ともあれ、これからが本番のようなので、ガンガンそのあたりが開示されていく事も期待したいです。

シリーズ感想

最弱無敗の神装機竜《バハムート》 23   

最弱無敗の神装機竜《バハムート》2  (GA文庫)

【最弱無敗の神装機竜《バハムート》 2】 明月千里/春日歩 GA文庫

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<黒き英雄>VS.<王国の覇者>

「あなたには私の恋人になって欲しいの。それが、私の依頼よ」
機竜使いの王立士官学園に、唯一の男子生徒として入学した、亡国の王子・ルクスは、
とある一件により、ユミル教国からの留学生・クルルシファーの「恋人」になることに!?
遺跡調査の任務が出される一方で、神装機竜《アジ・ダハーカ》を駆る四大貴族の実力者・バルゼリッドが、
クルルシファーの前に婚約者として現れ、波乱が幕を開ける。
お祭り騒ぎから始まった二人の契約と、動き出す世界。
謎を秘めた遺跡と少女を巡り、ルクスは『王国の覇者』と対峙する!
王道と覇道が交錯する、“最強"の学園ファンタジーバトル第2弾!
あれれ? クルル先輩の設定とかキャラクターって、普通これメインヒロイン・タイプじゃないかしら。ただの外国のお姫様ならまだしも、これだけ複雑な背景と過酷な境遇に、神装機竜の秘密に……ひいてはルクスの特殊な体質に関する秘密に直接関わってくるような関係性もあり、さらにはお互いの痛みを伴う過去を共有し合い、となると、これは普通なら思いっきりメインヒロインとしてルクスの傍らに寄り添うのが当然、みたいな立ち位置なんですが。リーシャさん、リーシャさん、ただでさえ貴女、博士枠で序列からいうといつも四、五番目くらいに辛うじて引っかかるくらいのポジでありながら、メインヒロインに座ったんだから、希少種として頑張らにゃぁ!
クルル先輩の積極性は、もはや凶暴と言っていいくらいのパワー・クールなので、生半可な対応じゃ完全に置いてけぼりにされてしまいますよ。ラストの攻め攻めは凄かったからなあ。不意打ちのキスは一回だけなら事故だけれど、ああいう有無をいわさず二回、三回とチュッチュと畳み掛けてくるような手合は、往々にして尋常じゃないやり手です。ってか、二回目以降は避けられなかった方が悪いに決まってるでしょうっw

しかし、思いの外早い段階でルクスが黒き英雄であることを、かなりあからさまにしてしまったんだけれど、いいんだろうか。身内だけならともかく、今回のケースだとかなりの不特定多数に知れてしまったようなんだが。一応、箝口令が敷かれたようだけれど、この手の情報が噂にならないはずもなく。黒き英雄については政治も絡むだけに、情報はしかるべき所に浸透することは間違いないでしょう。彼の正体は、ある意味新王国の王家の重要なカードでもあったはずで、今後ルクスのみならず、リーシャも難しい舵取りを強いられるんじゃなかろうか。
そもそも、この新王国、圧政を敷く旧帝国を打破して新体制を確立した、というわりに四大貴族に代表されるような旧帝国の権力構造がかなりの規模で残っているっぽいんですよね。新王家への集権化はあまりうまく行っていないようで、旧権力派はがっちり中枢に食い込んでおり、彼らの意見を新王家はかなりの注意をもって汲み取らないといけないような権力バランスになっている模様。
まあ、ルクスの兄がどういう働きをしたのか、とか政治勢力の詳しい状況はまだ記されていないので、予断は禁物なんですが、どうも旧帝国を滅ぼした戦いは革命というよりも、かなりの妥協の産物か、表看板を変えただけで貴族勢力が中央から権益をもぎ取った状態、と見たほうがいいのかもしれない。本来皇太女となるはずだったリーシャの従姉妹が内乱時に亡くなっている事も、新王国の王権が弱体化してしまった要因の一つなのかもね。だとすると、その女性の死にも色々と複雑な背景がありそうだ。
いずれにしても、クルスが黒き英雄として行おうとした革命は、現在の様子を見る限りとてもじゃないけれど、成し得たとは言えないのだろう。だとすると、彼が新王家と密接につながっていることも、理解が及ぶ部分である。
どちらにしても、ルクスが何と戦っているか、という構図はそろそろ明確にした方が全体像がスッキリしてくると思うんですよね。今のところだと、ルクスを裏切った兄の行方を探しているだけで、具体的に明確な行動にうってでているわけじゃないので、ちょっと全体にモヤが掛かったような印象があるので。逆に考えれば、それだけ今の段階では様々な要素を種付けしている段階で、それらが一斉に芽吹きだした時の盛り上がりは、なかなか想像するだけで楽しくなってくるのですが。
ともあれ、次回以降に期待ですね。

1巻感想

最弱無敗の神装機竜《バハムート》3   

最弱無敗の神装機竜《バハムート》 (GA文庫)

【最弱無敗の神装機竜《バハムート》】 明月千里/春日歩 GA文庫

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“最強"を為す、亡国の機竜使い《ドラグナイト》――始動!
装甲機竜《ドラグライド》×美少女の“最強"の学園ファンタジーバトル!

五年前、革命によって滅ぼされた帝国の王子・ルクスは、誤って乱入してしまった女子寮の浴場で、新王国の姫・リーズシャルテと出会う。
「……いつまでわたしの裸を見ている気だ、この痴れ者があぁぁっ! 」

遺跡から発掘された、古代兵器・装甲機竜《ドラグライド》。かつて、最強の機竜使い《ドラグナイト》と呼ばれたルクスは、一切の攻撃をしない機竜使いとして『無敗の最弱』と、今は呼ばれていた。リーズシャルテに挑まれた決闘の末、ルクスは何故か、機竜使い育成のための女学園に入学することに……!?

王立士官学園の貴族子女たちに囲まれた、没落王子の物語が始まる。
王道と覇道が交錯する、“最強"の学園ファンタジーバトル、開幕!
滅ぼされた国の王子と滅ぼした側のお姫様が主人公とヒロイン、というだけでもなかなか美味しいシチュエーションなのに、それぞれが抱えている秘密が、ちょうど鏡合わせの裏返し、みたいになっていて因果でガチガチに固めているのが、また面白いなあ。
そもそも、お姫様が戦闘系、というのは大いにあるけれど、それに加えて天才技術者、という属性はかなり珍しいんじゃないだろうか。戦闘バカじゃなくて、技術バカなメインヒロインって美味しいなあ。だいたい、この手のキャラってヒロインでもサブヒロインの更に後ろのほう、というパターンが多いですし。
何れにしても、この二人って正反対の立場でありながら、その境遇や抱え込んでいるものは非常に似通っているんですね。だからこそ、シンパシーが通じ合い、他人にはなかなか見えないであろう本音、キラキラと輝いている前進する美しい光、ギラギラと滾っている仄暗い焦燥、足取りを重くする深い自罰的な苦悩を感じ合えたのでしょう。お風呂でばったり、という最悪の出会いでありながら、二人が吸い込まれるようにお互いに惹かれていき、目が離せなくなり、相手のことを知りたい、自分のことを知ってほしい、と想い合う過程が心地よく描写されていて、読んでいてもすこぶるすんなりとハマっていきました。
ちょっと二人がお似合い、というか一つのパーツのようにピッタリとハマりすぎていたせいか、他のヒロインズのインパクトがまだまだ足りない結果になってしまった気もしないでもないですが、そのあたりはまた後々か。妹姫は兄いじりで結構いい味出してましたけど。
意外と乗機である機竜を、専用機だけじゃなく、汎用というか結構使い分けてたのは面白かったですね。その辺、リーズシャルテが技術バカな開発者な面も強く影響したのでしょうけれど。この調子だと、ルクスのバハムートもリーズシャルテが手がけたり手を加えたり魔改造してしまったり、とかもありそうだなw

さらっと触れられただけで流されてましたけれど、現女王の娘、リーズシャルテの従姉妹にあたる少女が内乱の際に亡くなっており、結果としてリーズシャルテが皇太女として立太子してしまっているとか、後々もろに陰謀絡んできそうですよね、これ。ルクスが企んだ件も結果として影響してそうだし、どうもこの1巻はキャラ紹介であり状況説明回であり、本番は次回以降って感じがするなあ。

しかし、最近のイラストの春日歩さんは、キてますよねえ。他の作品(俺、ツインテールになります、など)でもかなり目立ってますけれど、この巻でもカラー口絵のお風呂のシーンといい、大変眼福でありました。派手な動きのあるシーンもいいんだよなあ。

明月千里作品感想

ニコニコ漫画の「月見月理解の探偵殺人」がべらぼうに面白い!!  



月見月理解の探偵殺人

これは凄いってなもんですよ! 

【月見月理解の探偵殺人】という作品は、そもそもGA文庫にて明月千里さんが手がけたライトノベル・ミステリー。
むしろファウスト向きだったんじゃないか、という感じの作品で、実際かなり面白かったんですが――作品感想――、今ニコニコ漫画にて連載している本作第一巻の漫画化が、もう凄いんですよ。ぶっ飛んでると言ってもイイ。この作品のえげつない部分、特にヒロイン月見月理解のエグい部分がこれでもか、というくらいにぶちまけられて、そりゃもうえらいことになってます。インパクトだけでも凄いんですが、何より話に引き込む引き込む。自分、原作読んでますから当然ストーリー知ってるんですけれども、それでもなおガッツリ噛み付かれちゃってます。これは、むしろ先を知らない人の方がショックを味わえるんだろうなあ、と思うと羨ましいくらい。
これ、是非一巻に終わらずに、全五巻分やってほしいですわ。


月見月理解の探偵殺人 (GA文庫)
月見月理解の探偵殺人 (GA文庫)明月 千里 mebae

ソフトバンククリエイティブ 2009-12-15
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眠らない魔王とクロノのセカイ 33   

眠らない魔王とクロノのセカイ 3 (GA文庫)

【眠らない魔王とクロノのセカイ 3】 明月千里/閏月戈 GA文庫

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『グランドクロス』の予兆に対して《世界和平協会》は、各世界の魔王を集めた『並行世界会議』の開催を決定する。 サミット開催を目前にした、慌ただしい日常の中、夜は死んだはずの少女、リルと偶然の再会を果たす。

五年前に救えなかった、クロノとよく似た少女の出現で戸惑う夜の前に、巫女姿の少女、イチナが現れる。 かつて十神家を追放された悪の血筋、『祀桜』を家出してきたというイチナは、夜にリルの正体を伝え、一つの話を持ちかけてくる。
「私は......運命を変えたいんです」

過去と現在が邂逅する《運命の分岐点》。
緊迫の異世界交錯<クロス・ワールズ>学園ファンタジー第3弾!
うおおい、他の七世界の魔王は? 最強の十二人のゾディアックは?
面白そうなネタや要素だけ散々散りばめておいて、打ち切りですか……うががが。まさにこれから、というところだったのになあ。
結局ラストとなってしまったプレイヤーとの戦いも、虚々実々の駆け引きが実に見ごたえたっぷりで面白かっただけに、ここで終わりというのは勿体無かったなあ。こうして振り返ってみると、やっぱり作者の得意領分ってデビュー作の【月見月理解の探偵殺人】のように、直接のバトルじゃなく互いに謀を仕掛け合う頭脳戦だと思いましたね。主人公の能力「聖罰の規約」だって、ルールを定めたゲーム上でこそ様々なアプローチを仕掛けられる能力でしたし。その意味では、むしろ干戈を交える以前の攻防こそが壮絶であり、何に剣を向けるべきか、そもそも敵は何なのか、から探り出し見えない誘引を逆にたぐり、思惑を読み切ろうと焼ききるような思考を巡らせる、今回の一連の駆け引きこそ本作の妙だったように思います。
ただ、打ち切り決定だったためか、伏線や設定のツッコミ方がやや性急な面が浮き出てしまったんですよね。あの幼馴染リルの設定は、扱いようによっては本作を傑作へと押し上げかねない虚を突き練り上げられたものだったと思いますよ。リルについては、これまでに開示された情報からして単純にリル=クロノだと思い込んでいましたからね。もし、この部分をよりねっとりじっくり掘り下げてねぶるように描いてたら、実に味のある煩悶と心の駆け引きが引き出せる素晴らしい設定だったと思うんですよね。それだけに、スペースの関係上ここでシンプルに消化してしまうのは惜しいなあ。惜しかったなあ。
その分をイチナの方に注ぎ込んだのは、どちらも中途半端にして台無しにすることを思えば英断だったんじゃないでしょうか。この子の悪への覚悟の徹し方と、救いへの焦がれへの煩悶は凄い好みだったんですよね。たとえ捨て鉢ではあっても、流されるのではなく戦って戦って戦い尽くすことを選んだ少女。思えば、ヒロインのクロノをはじめ、主人公の夜を含めて、ここに出てきた登場人物たちは過酷で情け容赦のない境遇に立たされながら、悲劇に流されることを良しとせず、たとえ結末が良きものであろうとなかろうと最後まで抗い戦うことを選んだ者たちでした。何だかんだと鬱屈を覚えずスッキリとした物語だったのは、皆がそうした一本筋を通そうとするキャラクターたちだったからかもしれません。もうちょっと、この子たちの物語を見続けたかったのですが、残念でした。個人的にはカナカ回が回って来なかった事が痛恨ですw また次回作に期待させてください。

1巻 2巻

眠らない魔王とクロノのセカイ 2 3   

眠らない魔王とクロノのセカイ 2 (GA文庫)

【眠らない魔王とクロノのセカイ 2】 明月千里/閏月戈 GA文庫

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その少女はSS。星令学園最強の十二人、《ゾディアック》の一人。
謀略が這いよる異世界交錯学園ファンタジー第2弾!

「夜くん……。わたしのパンツとか見たくないですか?」
「何を言い出すんだお前は!?」

『世界使い<ルーラー>』たちの学園に転入した夜とクロノは、そこで機械の眷属の少女、レファと出会う。
レファは星令学園<ワイズ・アカデミー>最強の十二人、《ゾディアック》の一人だった。

学園からの『ミッション』をレファと組むことになった夜。『ミッション』に参加できないクロノは落ち込む。
また、レファと同じ機械の眷属の少女、ハルは夜に忠告する。
「あの子には、気をつけなさい」

並行世界への出入り口『クロス・ゲート』を調査する夜とレファ。その裏で蠢く陰謀とは!?
異世界交錯<クロス・ワールズ>学園ファンタジー第2弾!
おいおい、まさかこのまま各界の魔王・王族と片っ端から誼を通じるつもりじゃなかろうな。下僕だの奴隷だのと言われてはいるものの、何だかんだとイニシアチブを握っているのは夜の方なので、このまま行くと夜は魔王を統べる存在、大魔王にでもなってしまうのでしょうか。それとも、夜の帝王にでもなるのか。そういうモンスター居たな、ドラクエにw
ともあれ、魔王と言いつつ境遇が不遇な子ばっかりですよね。仮にも各界の要となるべき存在にも関わらず。或いは、存在そのものだけが重要だからこそ、王ではなく駒として利用される宿命にあるのかもしれませんが。そんな不遇な中でも、彼女たちは駒としてではなく、名前だけの魔王でもなく、民草を導く王たらんとする志を頑なに守っている。そんな彼女たちだからこそ、自身の正義を見失った夜にとっての拠り所となるのでしょう。彼女らの志を守ることこそ、今の夜にとっての正しさの指針となるのですから。なので、どれだけ魔王を侍らせても、彼がその上に立つことだけはないはずです。彼はあくまで、王たる者たちを支え彼女らの望みを叶える存在なのですから。その意味では、彼は王様ではなく、彼女らのセカイの守護者なのでしょう。尤も、その性質は騎士というよりも魔法使いの類でありますが。

二巻からおそらく本番とは考えていましたけれど、こうもガッツリと学園ものになるとはなかなか驚いた。それも、『世界使い<ルーラー>』が当たり前のように存在し、その活動が学園によってキッチリと管理され、運用されるシステムが機能している舞台に放り込まれる事によって、偶発的、あるいは自主的な異変への介入に頼らずに、ルーラーとしての力を振るう機会が増えると同時に、クロノのような強大な力の使い手はその行使を制限されてバランスが取れるようになっている。尤も、状況というものは往々にしてそうしたルールやシステムに則らずに陰謀を当て込んで主人公サイドを罠にハメて行くものなのですが。
ただ、今回の一件を通じて《ゾディアック》の一角を担うレファを味方に引き込むと同時に、消極的協力体制にあったハルもまた、その機械の派閥と共に完全に味方に引き込んだので、あの残念な白羽先生を加えても、着々とクロノと夜は独自の勢力を築き出してるんですよね。尤も、味方のはずのセルツお嬢様は腹に一物抱えているようですし、祀桜家は次期当主のあの子の様子からして一概に敵対勢力と言えず、正義派そのものも反魔王派とはいえ本当に相容れない組織なのか微妙な所。裏で暗躍しているあのグループの動きや状況次第では敵味方の定義は簡単にひっくり返りそうな様相を呈しているので、なかなか傍目にも混迷を控えた状況ではある。この辺りの組織間、各セカイ間の絡みや駆け引きが活性化してきたら、そちらでもなかなか面白くなりそうな気配はしているのですが、はてさて。
まあとりあえず、難攻不落かと思われたハルさんが早々に陥落してデレたのが一番の収穫でした、としておこうw

1巻感想

眠らない魔王とクロノのセカイ3   

眠らない魔王とクロノのセカイ (GA文庫)

【眠らない魔王とクロノのセカイ】  明月千里/閏月戈 GA文庫

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「私がお前と血の契りを交わしたのは、純然たる事実だ」
「待て! 人前で紛らわしいことを言うな!」

 自分の“ルール”を作り出す、異能力『世界<ワールド>』と、それを操る能力者『世界使い<ルーラー>』が存在する現代。

 高校生・神木凪夜は“魔王”と名乗る少女と出会う。
「私の名は禍刻クロノ。いずれこの世界を統べる『魔王』のひとりだ」

 クロノの巻き添えで、殺された夜は、彼女とともに街中で起きている『神隠し』の事件を追う。

『正義』を捨てた少年と、正しい『魔王』を目指す、孤独な吸血鬼の少女との、異世界交錯<クロス・ワールズ>学園ファンタジー開幕!
嘘と真実を巧妙に操り、如何にゲームを支配するかを競う心理戦がメインだった前作【月見月理解の探偵殺人】から打って変わって、異能バトルをメインにした真っ向勝負の作風となった本作【眠らない魔王とクロノのセカイ】。てっきり、明月千里さんなら次回作も性格悪そうな捻くれたミステリーを送り出してくるかと思ってたので、このストレートな作品にはちょっと驚いた……のだけれど、ん? ん? んん? いや待ってくださいよ、そう簡単に真っ当な異能学園モノと捉えていいのか、これ? 少なくとも導入編である第一巻では異能力『世界<ワールド>』は直接的な武力として扱われていたけれど、ラストで主人公がやった能力の使い方は心理的な効果を武器にして相手の思考を誘導する、いわばゲームを支配する展開だったと言っていい。そもそも、夜の能力はまさに攻撃力ではなく、純粋にインテリジェンスによってより威力と効果を発揮する、馬鹿では役に立たない能力だ。他にも、仲間となるだろうキャラたちの能力も、攻撃力に乏しい補助系・支援系の能力であることを考えると、以降の展開は思いの外頭脳戦重視の攻防になるんじゃないだろうか。そうなってくると、まさに明月千里のフィールドである。まあ実際はどうなのか、それこそ次巻を読まなければわからないけれど。
それに、バトルのシーンとは別に、クロノの身の回りのあれこれについては、巧妙にリードがしてあって、この辺は実に「らしかった」。てっきり、クロノが頻繁に夜のもとに訪れてくる理由について、それこそ夜が想像していた通りだと読んでるこちらもまったく疑っていませんでしたし。いや、違和感みたいなのはあったんですけどね。この微妙な違和感を漂わせつつも疑いを抱かせない、というバランスが真実を伏せておいてココぞという時に開いてみせる手法においてどれだけ絶大な意味を持つか。この辺りの匙加減の感覚が冴えてる人が扱うミステリー要素は大概面白いんですよね。その点においては、明月さんは実に「相変わらず」でした。
さらに、単純なボーイ・ミーツ・ガールかと思ってたら、最後の最後にどんでん返しが待っていましたし。これの味噌はクロノも夜も両人とも事実を知らないってことです。知らないからこそ、余計にその再会と絆は純粋で価値あるものとして輝くことになる。忘れていても、知らなくても、それでも二人はこうして再び手を繋ぐ。随分とまあロマンが込められた話じゃないですか。好きですよ、こういうの。

前作に比べて更に良かった点は、キャラクターの立ち方でしょうか。特にサブヒロインにあたるだろうカナカとハルは存在感をバシッと示してくれましたしね。カナカなんか、日常サイドのお為ごかし役かと思いきや、実は全方位型の天然弄られおバカキャラという正体を表して以降は、コメディパートで殆ど無双状態でしたし。
白羽先生なんか、師匠役としてはもう類を見ないほど「手遅れ」だったりするしw これだけ人材が揃っていると、日常パートも映えるってもんですよ。
いずれにしても「本番」は次回からでしょうし、先々どんどん盛り上がることを期待したいと思います。

到着メモ  

先日、全五巻で完結したGA文庫【月見月理解の探偵殺人】のアフターストーリーが原作者明月千里さんのサイト「失踪予定地ディフェクトス」にて公開開始。理解と初のイチャラブかと思いきや、まさか交喙逆襲編か、これ!?

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月見月理解の探偵殺人 53   

月見月理解の探偵殺人 5 (GA文庫)

【月見月理解の探偵殺人 5】 明月千里/mebae GA文庫

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「一番の嘘つきは君だよ、れーくん」

 月見月家の豪華客船『ナグルファル』。この船で『黒の箱庭』の《グラウンド・ゼロ》が主催する《探偵殺人ゲーム》の決勝戦が始まる! しかし、果無連理を迎えた月見月家が敵となってしまい、理解の能力である《無数に扉のある高座》も連理によって奪われ、消失してしまう!

《災禍の中心》を持った連理と対峙する理解、《グラウンド・ゼロ》と化した《ドッペルゲンガー》を追う交喙、生き残るのは誰か?
 そして、秘密を宿した『二羽の鴉』、全てが叶う『願いの箱』は誰の手に!?

「教えてやろう……この俺様の前では、お前の言う『真実』なんて何の役にも立たないということをな!」
超俺様な女の子に君好みの女になってあげる、と言われたらそりゃあもう完全勝利でございましょう。実際の勝負こそ《グラウンド・ゼロ》&果無連理VS月見月理解&れーくん、交喙という構図となっており、表向きも最後までその形式で進んでいくのだけれど、実質はこれずっと理解とれーくんの戦いであり綱引きであったのです。れーくんが戦っていたのは、理解の諦めであり絶望であり、破滅願望であって、果無連理なんてラスボスを自負するただの雑魚は端から眼中になかったんですよね。結局れーくんは最初から最後まで目立たぬまま、勝負する相手を理解以外の誰にも悟られることなく限定し、誰にも知られないように必要な小さな勝利を積み上げ続けた。彼は徹頭徹尾目的を完遂し続け、最後まで勝ち続けた。本当の常勝不敗を貫いたわけです。彼の恐ろしいところは、彼が定めた対戦相手に対して、勝負している事すら悟らせないこと。状況さえ整えば、彼が勝利したことさえ相手に悟らせない。これほど完璧に陰に徹して表に力を示さなかった主人公というのも珍しい。ついにこの最終話では、れーくんを一番よく知る理解をすら手玉に取り彼女から勝利をもぎ取ったのですからね。最終的に、れーくんの戦う相手は理解になるとは思ってたんですけれど、もっと真正面からの真っ向勝負が起こると思ってたんですよね。正直、果無連理なんて前回で底の知れてしまったこれまでの敵の中でもダントツの小物臭を撒き散らす雑魚でしたし、端から相手になるとは考えてなかったのですが、まさか理解がボーンヘッドを繰り返して自分から墓穴を掘りまくるというわざわざ相手のステージに降りるような有様に陥ってしまったので、ありゃありゃという拍子抜けな展開に。
ただ、よくよく考えてみると探偵殺人ゲームは脇において、この最終巻の本質は月見月理解がはじめて見せる弱さと絶望に、どうやってれーくんが打ち勝つか、という話になってたんですなあ。もうちょっと分かりやすくしてくれよ、と思わないでもなかったけれど。
しかも、れーくんと来たら直接理解の内面にダイレクトアタックを仕掛ける一方で、さり気無くゲーム全体を支配下におき、コントロールし切って全員を手のひらの上で転がしていたわけで。そんなん、理解に教えてもらうまで全然気づかなかったよ!! 不自然に殺された人物が出てたのはそのせいだったのか。そりゃ嘘つき呼ばわりされるわ。理解に対しても、なんにも言ってなかったわけですしね。理解からすれば、今回のゲームでは完全にれーちゃんに利用されてしまったわけで、こりゃあぐうの音も出ない。しかも、その彼の勝利目標まで承知してしまった日にはねえ。そりゃあ観念して嫁に貰われてやろう、君の好みに合わせてあげるよ、という気にもなるか。あの月見月理解に身も心も捧げると言わしめたのだ。れーくんの望みうる最上の、完膚なきまでの勝利である。
デレた理解は可愛かったよ、うん。

このイラストレーターのmebaeさんのキャラデザイン、最近どっかで見た覚えがあるんだよなあと引っかかってたんだが、そうか今期放映してたアニメ【C】のキャラデザインがこの人の手がけたものだったのか。アニメ見てないけど。

1巻 2巻 3巻 4巻感想

月見月理解の探偵殺人 44   

月見月理解の探偵殺人 4 (GA文庫)

【月見月理解の探偵殺人 4】 明月千里/mebae GA文庫

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「兄貴は、ほんとは私のことなんか嫌いだよね?」

 その《探偵殺人ゲーム》に勝てば、全てが叶う……。《探偵殺人ゲーム》のコミュニティ『黒の箱庭』。そこは、勝つと願いが叶う、と言われている一方、参加者に行方不明者が出ているという噂があった……。
 そんな『黒の箱庭』に初の妹、遥香が興味を見せているという。遥香を心配する初だったが、その『黒の箱庭』の創始者こそが、月見月家に因縁のある《グラウンド・ゼロ》だった! さらに交喙の追う《ドッペルゲンガー》も関わっているという。
 遥香を追い、ゲームに参加する初、それぞれの思惑が交錯する中、《探偵殺人ゲーム』は幕を開ける!

このシリーズ、面白いことに二巻以降、表向きの倒すべき敵と、れーくんが本当に勝負をしている相手が実は同一ではないんですよね。二巻は対ドッペルゲンガーでありながら、れーくんがゲームの中で向き合っていた相手は星霧交喙でした。三巻は月見月悪夢という脅威と立ち向かいながら、本当に勝利のやり取りをしていたのは水無月さんでした。そして今回、グラウンド・ゼロという悪意の攻撃に晒されながら、彼が相手取っていたのは実のところ、あの子ではなくて妹である遥香だったんですよね。
アレは、本当の意味で自分がれーくんに相手にもされていないということに気づきもしなかったようですが。それこそが、最も大きな敗因の一つであるというのに。

どうも、傍目の印象ではれーくんこと都築初は、なんとかギリギリ瀬戸際で勝利を得ているようにも思えるし、事実れーくん本人もそのように捉えているんだが、あの忌月老人にしても、今回の敵さんにしても、あるいはれーくん本人にしても、れーくんというプレイヤーの力量を過少に見誤っている。
正直、今回の敵さんというやつは道化だった気がします。自分が理解とれーくんに完膚なきまでにこてんぱんに負けたことを受け入れることも出来ずに負けてない負けてないと言い張る子供のような見苦しい小物さんでした。理解とはそもそもプレイヤーとしての役者が違いすぎる。そして、敵さんは絶対に認めないし信じようとしないだろうけれど、れーくんとも多分、格が違うんじゃないだろうか。
思わせぶりに、自分こそがラスボスなのだと言わんばかりの偉そうな態度でございましたが。
果たして、れーくんがゲームにおいてなんの制約もなく、ただ勝つ事のみを追求できたとしたら……。ただひたすらに、敵を倒すことに専念できたなら。
都築初という青年は、あの月見月理解に勝っているのだという事実を、理解当人以外あまりにも軽く捉えているようだ。それが、どれほど凄まじい事なのかを、れーくん自身もわかっていないというのは、理解にとってどういう心境なんだろう。笑える話なのか、それとももどかしいものなのか。

前巻の感想でも触れているのだけれど、れーくんという人は本当に肝心な部分では、つまり負けてはいけない場面においては、絶対に勝利を収めているんですよね。彼が、負けてはいけないところで敗北を喫してしまったのは唯一、一巻の対理解戦のみ。逆に見ると、敗北などその辞書に存在しないように常勝不敗を続けている月見月理解という怪物に一敗地に塗れさせたのは、唯一れーくんだけなのである。
今回の敵さんが、ある意味底をさらけ出してしまったのを見ると、自ずとれーくんが最終的に勝利を収めなければならない相手が誰なのか、この物語におけるラスボスが一体誰なのか、見えてくる。
鮮烈なまでに鋭利で危険な人間性を際立たせていた理解という少女が、先の三巻、そしてこの四巻と随分と丸くなり、大きな変質を迎えると同時に、彼女に課せられた役割が徐々に明らかになりはじめている現状は、れーくんがもう一度正面から理解と向き合うこと、つまり彼女と戦うことが求められようとしている事が示唆されているのではないだろうか。
修復不可能かと思われた遥香との仲が取り戻せたように、理解から離れていくしかなかった水無月さんを押しとどめられたように、破綻しかけていた交喙を戻らせたように、れーくんの戦いと勝利は相手を打ちのめすのではなく知略の果てに自分の在り方を示し、自分をさらけ出すことでお互いを理解し、受容させている。倒すのではなく、取り戻すことに終始している。
だから、物語としても、もう一度れーくんと理解が戦わなければならない場面は、絶対に求められると思うのだ。理解し合ったその先が。


さて、今回は一巻以来、久々に宮原さんが大暴れというか大騒ぎしてくれていて嬉しかった。地味なんかじゃないよっ、宮原さんは!(笑
完全に賑やかしでしたけどねっ。宮原さん、吠える吠えるっ。なにやら、ムードメーカーみたいになってますがな。お陰で、重くなりそうな雰囲気に、いい意味での脱力をもたらしてくれた気がします。黒いくせにイイ人なんだよなあw

1巻 2巻 3巻感想

月見月理解の探偵殺人 33   

月見月理解の探偵殺人 3 (GA文庫)

【月見月理解の探偵殺人 3】 明月千里/mebae GA文庫

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 bk1

「おい、れーくん。オイル塗ってくれよオイル。どさくさに紛れて変なとこ触ってもいーからさ」

 夏休み、理解に誘われて初は、交喙と共に、月見月家の管理する孤島にやってきた。そこには月見月家の眷族たちが集まっていた。
 不老不死と自称する金髪碧眼の少年『情報屋』月見月久遠。盲目の少女『暗殺者』月見月真理。そして《死霊招きの呪歌》という、精神感染する殺人衝動ウィルスを持つと恐れられる『魔物』月見月悪夢。

 海辺で休暇を楽しむ初たちだったが、外界から断絶された孤島の別荘で、理解は初に告げる――
「事件を起こすのは君だ。今回は、そう――君に犯人になってもらう」

うん、やっぱりこの主人公は面白い。前巻の感想でも触れていることだけれど、この子は最終的に絶対に小さな勝利を納めてるんですよね。別の側面から言い方を変えるなら、彼は事が起こるのを防ぐことは出来ないけれど、一旦渦中に巻き込まれるとその中で被害を最小限に食い止める事に長けている、と言っていいかもしれない。
彼は名探偵というわけではなく、頭がキレるのでも勘が鋭いのでもなく、基本的に冴えない普通の男の子に過ぎない。でも、彼の能力というものは、例えば真実を暴くことしか能のないイスカや、事件を解決するしか能のない理解たちにとって、とても重大で重要なシロモノなのである。
どうして、理解がこれほどれーくんに拘るのかの理由の一端が此処にあるのではないだろうか。彼女の忌まれし能力を、彼の存在は祝福へと変えてくれる。それが、彼女にとってどれほどの救いになっていたのだろう。そして何より今回、れーくんは強く意図して歪に捻くれ固まってしまった理解の心の奥底を覗き込んで、そこで小さく囁くように救いを求めている声を広い、その意を汲んでくれたんですよね。これまでのように結果として、周りの意を汲んで、ではなくて、理解のために。理解だけのために。理解一人のために。
悪しきを体現しようとする頑なな理解の生き様を、それは穿つのに充分な思いなんじゃないだろうか。
この巻、館モノのミステリーというのは完全に書き割りの体裁に過ぎず、この話の本筋というか最大の目的は、理解というキャラクターの転機を描くことにあったのでしょう。少なくとも、この巻でのれーちゃんによって、理解は自分のキャラクターを完璧に遂行する事が出来なくなってしまった。今後、彼女は変わらざるをえないでしょう。それが、彼女が置かれた異常な環境において、弱さになるのだとしても。
女は一度デレたら、もう取り返しがつかない(w
強かろうと弱かろうと惨劇しかない理解にとっては、結局の所何も変わらないのかもしれないけれど、故にこそその惨劇回避能力を有したれーくんの存在は、彼女に光を振り返る余地を与えてくれたんだろうなあ。
そして、ある意味最初から変わっていない理解かられーくんへの想いと違い、理解に対して踏み込むのをギリギリ間際、本当はちょっとデッドラインを踏み越えたあたりで留まっていた(手遅れともいう)れーちゃんが、今回ついに理解を意識して受け入れてしまったわけで、あれは自分よりも上位においた最優先の位置づけだよなあ。

れーくん、ついに理解にデレ、理解もまたついにれーくんにデレるの巻、でござった。

1巻 2巻感想

月見月理解の探偵殺人 23   

月見月理解の探偵殺人 2 (GA文庫)

【月見月理解の探偵殺人 2】  明月千里/mebae GA文庫

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 bk1

これって、殺人ゲームを主体として捉える作品だとしたら、構成が大胆なんですよね。なにしろ、前半はまるまる新キャラクター・イスカとの交流に当てられるんだから。
最近のこのタイプの話となると、電撃の土橋さん御影さんあたりが手がけているけれど、だいたいが巻の冒頭から登場人物たちをゲームに放り込み、日常パートは最小限に留めているのを思うと、このシリーズ、あくまで殺人ゲームは場面の一つと捉えた方がいいのかもしれない。
今回はルールがややこしかったので、最初から理解するのは放棄。と言っても、自分の場合はこの類の話の場合は大概、ルールを掌握しないまま読むのでややこしいも複雑もあったものじゃないのですが、今回は色々と力任せに押し切った感があるんですよね。ただ、それが意図的である気もしないでもない。
結局のところ、犯人のやり口にしても、理解とイスカの能力にしても、ルールを根底から無視した反則紛いのシロモノであり、最終的に理解が犯人を炙り出した方法からして、ルール破りの反則だったわけです。
それが別に悪いとも思わないのですけどね。所詮、ここで定められたルールなどというものは、犯人が勝手に押し付けてきた強制の代物にすぎず、それを逸脱したからと言って文句を言われる筋合いはない。まあ、大概の殺人ゲームはルール違反に対して逃れられない罰則があるからこそ、嫌々ながら参加者はルールに従わざるを得無いのですが、そこに抜け道を見出せたのなら生き残るためにルールを破るのは別に悪いこっちゃない。
ただ、殺人ゲームが主体となる作品なら、反則による終結というのはそれこそ読者に対する約束破りになってしまうんですよね。
その辺、この作品をどう捉えるかで感想は変わってくるんじゃないのかなあ。

この作品で一番興味深いのはやっぱり主人公、となるんでしょうか。正直、ゲームプレイ中は決して目立ってはいないんですけどね。というか一巻でもそうだったんだが、こいつって本編のあいだ中は息を潜めてるんですよね。彼が真価を発揮するのは、いつもエピローグ。
いや、真価を発揮すると言っても賢しらに答え合わせをしたり、隠していたキバを剥くような派手な真似をするわけじゃない。勝ち負けで言ったら、やや負け気味に負債を背負っていたりもする。でも、こいつって最小限の負担を追うだけで、本来ならば危険すぎて自分を含めて周りごと破滅しかねないような鬼札を、交渉によってちゃっかり味方として懐に入れちゃってるんですよね。
勿論、味方と言っても都合のイイように仕えるような便利な札じゃないんだけれど、理解にしても今回の彼女にしても、作中で言うところの探偵殺人ゲームの狂気の殺人包丁になりえて何らおかしくないような怪物なんですよね。それが敵に回らず、ある程度融通をきかしてくれる、こちら側の事情に気を配ってくれる、というのは存外大きい事のはず。
特に今回の理解なんか、相変わらず傍若無人ではあったんですが、ゲームの最中なんだかんだとれーくんに配慮してくれてるんですよね。彼のことを考えなかったら、もっと楽なやり方があったはずなのに。
全勝ちはしないけれど、肝心なところは逃さない。いつの間にか、小さな勝利を手にしている。往々にして最終勝者はこういうタイプが残るものなんですよね。作中ではその才知に際立ったものが見えず目立たない事に終始しているだけに、小さいものの確実な成果をものにしているこの主人公は面白いなあと思った次第。

1巻感想

月見月理解の探偵殺人4   

月見月理解の探偵殺人 (GA文庫 あ 8-1)

【月見月理解の探偵殺人】 明月千里/mebae GA文庫

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たまに出て来るんだよなあ、こういう思いっきりファウストっぽい作品。そしてレーベル自体で、この手の作風の作品を手がけた事がない場合、大概問題作と銘打って売出してきている気がする。
ただ、この作品の場合厳密にミステリーに括っていいのか難しい部分がある。犯人探しや真相究明のロジックより、重点的に登場人物の心の闇、そのあり方そのものに主題を寄せてググッと踏み込みのめり込んでいるのを見ると、むしろライトノベルらしい作品と言えるのかもしれない。
なんにせよ、これは面白かった。新人賞作品とは思えないほど、完成度がバカ高い。ファウストっぽいと表現したのは、この最初から最後の二人のチャットのやりとりに到るまでの過不足のない美しいと言って良いくらい非常に均整のとれた物語の起承転結もまた、要因の一つだ。この約300ページという容量の中に、見事に書くべきことを必要な分、完璧に書き収めている。なかなかできる芸当じゃないし、ましてやこれ、新人作品である。よっぽど構成力に優れているのだろう。
ただ綺麗に書いて書き終わっているだけのスマートな作品というわけでもない。なにより、ヒロインである月見月理解のキャラクターの強烈さが凄まじい。傲岸不遜や唯我独尊という程度の言葉では収まりきらない、暴虐をもって興じ、冷徹に弄び、享楽的に蹂躙し、用意周到に踏みにじる。味方を乞わず仲間を作らず、周り全てを敵に回すことを厭うどころか、むしろ望んで敵意をぶちまける。
まー、強烈極まりない。
だけれど、驚嘆するべきはこれほどインパクトの強い強烈なキャラクターを世に送り出した事ではなく、彼女の特異性をラストの主人公との短いチャットでのやりとりで、恐ろしく明快に解体してしまったところだと思うんですよね。
なぜ月見月理解は悪しき者として在るのかを、見事なまでに端的に論証し、その印象を裏返してしまうことに成功している。
同時にそれを後付としないように、彼女の言動には確かにそれらしい痕跡が散りばめられているんですよね。普通、理解の言動は不快と苛立ちを常に引き起こされるようなメチャクチャなもののはずなんですが、これが意外と読んでいる間は彼女に対して殆ど悪印象を受けなかったんですよね。それは彼女が身体的弱者だからなのか、暴虐の中にある種の愛嬌があったからなのか、それはなんともいえないのですけど、彼女の行動原理がれーくんの言うとおりならば、なるほど彼女の中に必死な無邪気さ、とでも言うようなものが常に付きまとっていたのも納得出来るわけです。

彼女のみならず、主人公のれーくん含め、妹との関係や宮原さんの程よく現実的な黒さといい、心の機微の描き方、その曝け出し方を含めて非常に秀逸で、読み応えがありました。それぞれが抱く理由にしても、決して大仰すぎず身近な、だけど生半では背負い切れない負債から湧き出した闇は、身近であるからこそとても痛々しく苦しそうで、背中をさすってやりたくなりました、はい。

とりあえず、れーくんは、同じ相手に二度同じ手が通用するなどと浅はかに考えたことを反省したまえ。むしろこの場合は、出会いのきっかけとなった探偵殺人ゲームにて、すでに手の内を晒してしまっていた、と考えるべきなんだろうか。
これはこれでスパンと一巻で綺麗に終わっているし、この終わり方だとれーくんは理解の相棒と成り得るのかけっこう微妙なところなので、はたして続きが出るのかはわかりませんけど、続編にせよ新作にせよ、この作者さんの手がけた作品なら、勇んで買いに走って間違いはなさそうです。
面白かったです、はい。
 
11月26日

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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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(エンターブレイン)
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(ドラゴンノベルス)
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(ドラゴンノベルス)
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(PASH!コミックス)
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(フロース コミック)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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11月4日

(ジャンプコミックス)
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(JUMP j books)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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