徒然雑記

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昔勇者で今は骨

2021年5月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:27冊 うち漫画:4冊

とにかく強烈な印象を残してくれたのが【恋は双子で割り切れない】。
ラブコメとしてもサブカルものとしても素晴らしく濃密で喉越しが極めてドロドロでいろいろな意味で味わい深い作品に仕上がっている。
他にも5月は良質なラブコメをたくさん読む機会がありましたが、似たような展開ばかりの類似品が増える中でここで取り上げたような作品は一際目を引く特徴があり個性があり、やはり他とは何かが違っているんですよねえ。


★★★★★(五ツ星) 0冊


★★★★☆彡(四ツ星Dash) 3冊

恋は双子で割り切れない】 高村 資本/あるみっく 電撃文庫(2021/5/8)
昔勇者で今は骨EX 小骨集】 佐伯 庸介/白狼 電撃文庫(2021/5/8)
ロード・エルメロイII世の冒険 1.神を喰らった男】  三田誠/坂本 みねぢ TYPE-MOON BOOKS(2020/12/25)


【恋は双子で割り切れない】 高村 資本/あるみっく 電撃文庫

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三者三様、それぞれに抱く恋の形、それぞれに求める愛情の結びつき。幼馴染だからこそ、もっとも身近な相手だからこそドロドロに沈んでいく関係の「深さ」がまさに沼のように引き込んでくれる。
今年屈指の青春恋愛譚となりそう。



【昔勇者で今は骨EX 小骨集】 佐伯 庸介/白狼 電撃文庫


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電子版限定配信ながらも、まだまだ続くよ勇者骨。今回は短編集ながら、どの物語も珠玉の出来栄えで世界観をグイグイと押し広げれくれる内容であり、キャラの魅力を掘り下げてくれる逸品でありました。続きまだまだ待ってますよ。


【ロード・エルメロイII世の冒険 1.神を喰らった男】  三田誠/坂本 みねぢ TYPE-MOON BOOKS

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東南アジアはシンガポールを舞台に、ロード・エルメロイII世の新たなる冒険がはじまる。
Fateシリーズ通してのメインヒロインとも言える遠坂凛も加わったエルメロイ教室。より華やかさと騒がしさが増す中で、グレイに一つの問題が持ち上がる。型月世界の深淵がどんどんと更新されていく新たなる展開は、ワクワクが止まらない。


★★★★(四ツ星) 7冊

やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 3】 ふか田さめたろう/ふーみ GA文庫(2021/4/14)
聖剣士さまの魔剣ちゃん 3 ~魔剣ちゃんは常にかわいいので、今回はハイエルフに注目していきます~】 藤木わしろ/さくらねこ HJ文庫(2021/5/1)
グリモアレファレンス 2.貸出延滞はほどほどに】 佐伯 庸介/花ヶ田 電撃文庫(2021/5/8)
薬屋のひとりごと 8】 日向 夏/しのとうこ ヒーロー文庫(2019/2/28)
男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 1. じゃあ、30になっても独身だったらアタシにしときなよ?】  七菜 なな/Parum 電撃文庫(2021/1/9)
ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん [Disc 2]】  恵ノ島すず/ えいひ カドカワBOOKS(2019/8/9)
失格から始める成り上がり魔導師道! ~呪文開発ときどき戦記~ 4】  樋辻臥命/ えいひ GCノベルズ(2021/5/31)


【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 3】 ふか田さめたろう/ふーみ GA文庫

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【聖剣士さまの魔剣ちゃん 3 ~魔剣ちゃんは常にかわいいので、今回はハイエルフに注目していきます~】 藤木わしろ/さくらねこ HJ文庫

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【グリモアレファレンス 2.貸出延滞はほどほどに】 佐伯 庸介/花ヶ田 電撃文庫

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【薬屋のひとりごと 8】 日向 夏/しのとうこ  ヒーロー文庫

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【男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 1. じゃあ、30になっても独身だったらアタシにしときなよ?】  七菜 なな/Parum 電撃文庫

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【ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん [Disc 2]】  恵ノ島すず/えいひ カドカワBOOKS

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【失格から始める成り上がり魔導師道! ~呪文開発ときどき戦記~ 4】  樋辻臥命/ えいひ GCノベルズ

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以下に、読書メーター読録と一言感想


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昔勇者で今は骨EX 小骨集 ★★★★☆   



【昔勇者で今は骨EX 小骨集】 佐伯 庸介/白狼 電撃文庫

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WEB限定!! 骨になっても心は勇者な冒険者(※ただし骨)の珠玉の短編集が登場!
大人気お気楽異世界ファンタジー『昔勇者で今は骨』の短編集が電子書籍で登場!
電撃文庫MAGAZINEや小説投稿サイト「カクヨム」にて掲載された短編などを大収録!!
さらに新規書き下ろしの短編『心の師匠のためならば』も収録!

電子書籍限定ながら、【昔勇者で今は骨】の短編集が登場。こうして電書限定でも続きが出てくれると嬉しいですねえ。しかも、短編集ということで色んなキャラにスポットが当って結構贅沢ですよ、これ。
今まで存在だけが示されていた勇者アルヴァスの婚約者だったお姫様たちも、在りし日のアルヴィスと共に描かれていますし。このお姫様方もなかなかに濃いキャラだったんだなあ。濃い以上に王族としても一人の女性としてもイイ女であり、人類危急の時に在るべき王族であり、と人物たる人たちで。
アルヴィスも政略としての婚約であったというから、建前の付き合いだったのかなー、と思ったらちゃんと公私の私の部分でも仲良かったんだ。帝国のパンデー皇女なんか姉御呼ばわりですもんね。
エイン王国のエルデスタルテ王女の方はだいぶ年少さんで当時まだちっちゃい幼女だったのだけれど……アルヴィスってフーチ相手でもそうだったけど、子供相手でも適当に子供扱いせずしっかりと相手を見て相手を立ててちゃんと話してくれるので、子供の方は凄く慕っちゃうんですよね。本当の意味でちゃんと話を聞いてくれる大人、というのを子供というのは求めてやまないものですし。
おかげさまで、王女様の方は勇者オタクを拗らせてしまうのですが。姉御の方はすでに大人だったから変な屈折は……いや、アルヴィス戦死をきっかけに帝位目指しちゃったらしいのでこれはこれで拗らせたのか? いずれにしても、二人共勇者の死ではなくアルヴィスという個人的に親しい人の死を嘆きショック受けただろうことは想像に難しくない。政治的立場故に、アルヴィス死んだけどまだ健在、というのを知らされていない、というのはちょっと可哀想だなあ。特に王女は未だに……ねえ。

知っててなお、苦しんだのがフブルさんとイザナなんだろうけれど。
フブルさん、こうして過去編見ると魔法の師匠であるという以上にまだ子供だったアルヴィスを預けられて育てた親代わりでもあったんだなあ。フブルさんもこれ、弟子という以上に我が子のように思っている様子が伺えるんですよね。そんな子を、天賦の才に魅せられて魔法の粋を授けてしまった。何より、勇者にしてしまった。人類の危機を救う切り札としてしまった。結果として、彼は運命のまま人類の決戦兵器としてその役目を果たしてしまった。果たさせてしまった。果てさせてしまった。
死なせてしまった。
フブルさん、毎夜魘されのたうち回るほどに苦しんでたのか。そりゃそうだよね。息子に等しい子を自分の手で死する運命へと叩き込んでしまったのですから。
ただでさえ、頼まれたから、そうしなければ全滅していたからとはいえアルヴィスを死霊に変えてしまったイザナが、フブルさんが苦しむ様子を見せられて思う所なかったわけがないんだよなあ。思いつめた結果が、本編でのあれだったわけですけれど。
いや、アンデットになって太平楽決め込んでたアルヴィスは、ほんとそういう所ですよ、てなもんで。


とは言え、アンデットになってまで現世にしがみつき続けることにアルヴィスもこれ結構深刻に悩んでたんだなあ。そんな彼の心を救ったのが、プーチであり、この幼女をアルヴィスが心の師匠と呼んで憚らない理由なのだけれど……書き下ろしで久々にプーチ登場しましたけれど、マジでアルヴィス、この娘への接し方というか対応というか態度が特別ですよね!
いや、特別というとイザナへの接し方も他の女性陣と比べるとちょっとした違いと特別感があってちょっとした正妻感漂ってるんですけど(子供?もいるし)、プーチへのそれはまたさらに特別で、そりゃハルベルとミクトラが最大のライバル出現?!と顔色変えるのもわかりますわー。


元堕竜王ディスパテのダイスも、なんか転生して人間に生まれ変わってから順調に主人公かよ、という道を歩んじゃって……結構真面目に学生してるのがなんともはや。ハルベルの学友だったペリネたちパーティーと一緒に行動するようになってるわけですけど、これダイスくんルートのヒロインってペリネなの? いや、あんまりラブコメ臭は漂ってこないのですが。ダイス、中身竜王でも一応実年齢四歳だしなあw

書き下ろしは、プーチも含めてこれまでの主だった登場人物が登場しての大騒動。骨になっても勇者しているのは相変わらずですけれど、いい意味で任せられる仲間が増えたもんですわ。
時系列的にも最新5巻のその後になってて、なんか6巻の伏線らしきものも匂わされてるんですけどー!? ってか、完全に話続いてるんですけどー!?
あとがき見ても、6巻続く可能性あり、ってなもんで、これはぜひ続いてほしいなあ。まだまだ、この飄々とした骨と元気いっぱいのキャラクターたちの和気藹々とした世界を見ていたいものですから。
短編集、一話一話があんまり短いという気がしないくらい密度濃いしテンポ良いしキャラが生き生きしていて、実に読んでて楽しかった。満足感、かなりのもんでしたよ。面白かった!
印象的な話も多かったのですけれど、冒頭にあのお伽噺を持ってきたのは掴みとしては強烈でしたよね。この世界に伝わるお伽噺とも言うべき掌編。ほんと短いお話なのですけれど、凄く雰囲気が深くて沁みるようで、なんか心に残りました。魔王オルデンとの繋がりは否定されてるみたいですけれど……さてこうしてみると倒された魔王についてはほとんど知らないんだよなあ。

シリーズ感想

2020年6月読了ライトノベルのおすすめ  

読んだ本の数:30冊 うち漫画:2冊

振り返ってみると、歴史ものが結構多い。日本の戦国時代が2本に大陸の楚漢戦争時代が1本。昔勇者も時代劇風だけど、ファンタジー時代劇ですから歴史の仮想戦記じゃないよ?
とはいえ豊作。【Babel】の復刻に【昔勇者】のシリーズ続行、と歓喜に湧いた刊行もありましたし。
衝撃作だったのが【サンタクロースを殺した。そして、キスをした。】これを若さゆえの危うさと尖りだと見るのは勿体ないだろう。

★★★★★(五ツ星) 0冊



★★★★☆彡(四ツ星Dash) 4冊

昔勇者で今は骨 5.東国月光堕天仙骨無幻抜刀】 佐伯 庸介/ 白狼 電撃文庫(2020/6/10)
Babel I 少女は言葉の旅に出る】 古宮 九時/森沢 晴行 電撃の新文芸(2020/6/17)
サンタクロースを殺した。そして、キスをした。】 犬君 雀/つくぐ ガガガ文庫(2020/6/18)
Unnamed Memory V 祈りへと至る沈黙】 古宮 九時/ chibi 電撃の新文芸(2020/6/17)


【昔勇者で今は骨 5.東国月光堕天仙骨無幻抜刀】 佐伯 庸介/ 白狼 電撃文庫

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まさかの続編、そしてまたぞろとびっきりのアクションエンタメ大作である。アルは元より、バラけたハルベル、ミクトラがそれぞれに主役張ってくれると物語を動かすエンジンが複数あるみたいなもので、話そのものがパワフルかつ多元的になるんですよね。それが一同結集するとさらに一点集中一気に盛り上がりますし。今回は東国舞台という事で本場の剣術活劇三昧でヤトノやマガツ師匠という剣術バカの大暴れも相まって、相手が神だろうと何だろうとぶった切るという勢いのスケール感はやりたい放題で存分に楽しかった。


【Babel I 少女は言葉の旅に出る】 古宮 九時/森沢 晴行 電撃の新文芸

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なんか電撃文庫版と量が全然違うんですけどー!? 文庫二冊分と聞いて文庫版2巻まで行くのかなー、と漠然と思ってたら全然読んでも終わらないの。物語の、密度が全然違うー。いやこれ、文庫版本当に相当削ってたんだよなあ、事件の展開にしても心情への切込みにしても、味わい深さが段違いだもの。異世界に突然放り出されて途方にくれながらも決して崩れなかった雫という少女の強さを勇気をより噛み締められる。そして改めて見ても、言葉に関する違和感や齟齬はそこかしこに散りばめられていて、なるほどなあと頷いてしまうのでした。


【サンタクロースを殺した。そして、キスをした。】 犬君 雀/つくぐ ガガガ文庫

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上手く生きられない人たち。上手く生きられないから生きる事に真剣なのか、本気で必死に真面目に生きているから上手く出来ないのか。何れにしてもただ生きる事に無性に悲しく寂しくなるのは、それだけ真剣だから。適当に生きてたら、別に寂しく感じない、と思う。彼らは人と触れ合い繋がり続けないと生きていけないのだ。なぜ誰かと繋がっていないといけないの? 会えない誰かを探し続けるの?そんな風に彼らに共感は出来ないのだけれど、同じ景色を感じられなくても必死さは胸を打つ、その在り方を見つめられる。小説という形を通して


【Unnamed Memory V 祈りへと至る沈黙】 古宮 九時/ chibi 電撃の新文芸

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違う国に居るはずなのに、隣家の向かい合った二階の部屋の窓越しに勝手に入ってくる幼馴染並に気軽に入り浸ってるなあ、二人共。自重する必要のなくなったオスカーがやっぱりオスカーしててやっぱり彼はそうでないと。一方でティナーシャの方は完全に恋する乙女。魔女だった頃と違って精神面が年相応な分、スレてなくてホント初々しい少女なんですよね……可愛い! そしてトラヴィスとオーレリアのカップル、彼らだけでもう一組主人公やれるくらいドラマチックな二人なんですよね、もう好き。

★★★★(四ツ星) 8冊

インフィニット・デンドログラム 13.バトル・オブ・ヴォーパルバニー】 海道左近/タイキ HJ文庫(2020/6/1)
終末なにしてますか? 異伝 リーリァ・アスプレイ #02】 枯野 瑛/ue 角川スニーカー文庫(2020/6/1)
信長の庶子 二.信正、初陣】 壬生一郎/土田健太 ヒストリアノベルズ(2019/4/15)
俺の女友達が最高に可愛い。2】 あわむら赤光/mmu GA文庫(2020/6/12)
天才王子の赤字国家再生術 7~そうだ、売国しよう~】 鳥羽 徹/ ファルまろ GA文庫(2020/6/12)
斎藤義龍に生まれ変わったので、織田信長に国譲りして長生きするのを目指します!】 巽 未頼/マキムラ シュンスケ 宝島社(2020/6/16)
異世界迷宮の最深部を目指そう 14】 割内タリサ/ 鵜飼沙樹 オーバーラップ文庫(2020/6/25)
項羽と劉邦、あと田中 3】 古寺谷雉/獅子猿 PASH!ブックス(2020/6/26)

【インフィニット・デンドログラム 13.バトル・オブ・ヴォーパルバニー】 海道左近/タイキ HJ文庫

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超高速戦闘はやっぱり燃えるなあ。13巻にして遂に主人公がクランを立ち上げるという展開に。随分掛かったというべきか満を持してというべきか。ま今までクランとか必要なかったしね。しかし、クラン名も酷いけどメンバーの来歴見ると割と妥当なんじゃと思ってしまう。見た目も実績も凶状持ちばかりじゃないかw


【終末なにしてますか? 異伝 リーリァ・アスプレイ #02】 枯野 瑛/ue 角川スニーカー文庫

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特異で特別な存在故の必然たる孤独に敢然と歯向かって追いすがってくる凡人の極みに、天才少女たち内心キュンキュンし過ぎである。その彼の努力の原動力が恋とか愛とかじゃねえのがむしろイイ、という辺りに彼女らの業を感じてしまう。


【信長の庶子 二.信正、初陣】 壬生一郎/土田健太 ヒストリアノベルズ

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傳兵衛くん、帯刀くんとこの時代ではない呼び合い方で友情を交わした者同士。その志向は異なれど、胸襟を開けて話し尽くし、互いに支え合うのだと約束した者同士。一緒に未来を築いていくと信じていたのに、あっさりと潰えてしまうのもまた戦国の習いか。さり気なく歴史も幾つか変わっているのだけれど、史実ではここから織田家も相次いで身内に屍を積み重ねていくだけに、本願寺との開戦で厳しくなる。一方、正室となる恭との顔合わせがまたどこか文学的でじんわりと来るものがある。女性たちの戦いもまた誇り高く色鮮やかだ。


【俺の女友達が最高に可愛い。2】 あわむら赤光/mmu GA文庫

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くっそ可愛いなあこの後輩! これ琴吹視点からすると自分のメンタル十全理解した上で慈しんでくれて完璧な対応してくれるカイって最高の異性なんですよね。趣味も合うわけだし、一緒に居てこれだけありのままの自分のまま楽しい人って今後会えるかどうかというレベルだよなあ。この人がいい、という琴吹の必死さはよく分かる。自分にとっては最高でも、カイにとっては違うのがわかるだけに尚更に。恋愛が面倒というのは琴吹も一緒だと思うんだ。ようは面倒が気にならないくらい相手がどうしようもなく好きか、なんですよねこの人種は。


【天才王子の赤字国家再生術 7~そうだ、売国しよう~】 鳥羽 徹/ ファルまろ GA文庫

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ロワとウェインが仲良すぎてなんだコイツら。お互い仲良くハメて陥れて蹴落とそうとしながら、状況の変化で瞬時に息ピッタリ共闘して、その上でまたぞろ抜け駆けを図る、と。気心がしれてる分、実に楽しそうに謀り合ってまあ。他でも四六時中謀略張り巡らせてるウェインだけど、ロワと遊んでる時が一番楽しそうだ。ロワもこれ、女帝になる目的のためにウェインと争っているというより、ウェインとより遊ぶために女帝になろうとしてるんじゃないか。


【斎藤義龍に生まれ変わったので、織田信長に国譲りして長生きするのを目指します!】 巽 未頼/マキムラ シュンスケ 宝島社

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主人公が義龍、しかも十代前半から活躍するので舞台は1540年代。他の信長を主軸に動く戦国モノよりも相当に早い。この初動の早さは後々も効いてくる。お陰で美濃の国内情勢から畿内近隣、朝倉六角との駆け引きもかなり新鮮だったりする。その中で暗躍しまくる梟雄長井規秀、後の斎藤道三。流石は蝮と称されるだけある悪党っぷりで、突然幼子ならざる知性を見せ始めた我が子に対しても警戒を怠らないのですけれど、同時に期待も抱いてしまう父としての複雑な愛情を垣間見せて、このややこしい親子関係は一番の見所なのかもしれません。


【異世界迷宮の最深部を目指そう 14】 割内タリサ/ 鵜飼沙樹 オーバーラップ文庫

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なるほど、言われてみると確かにカナミの言動は変だ。ある一線までは受け入れ柔軟に汲み取る余裕を持っているのに、ラインを超えると頑ななまでに思考を固めてしまう。本作、精神的に不安定な人が多いというかそういう人ばっかりなので気づかなかったけれど、ラスティアラのそれは彼女の趣味嗜好なのに対しこの思考の凝固はカナミの内部から生じたものとは思えない違和感がある。今はラスティアラが対象だけど、置き換えは簡単か。ラスボスの封印を解こうという誘導もされてるんだろうな、これ。比べたらノスフィーは可愛らしい部類なのね


【項羽と劉邦、あと田中 3】 古寺谷雉/獅子猿 PASH!ブックス

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美女二人の片方誰!?と思ったら張良かよ!本気で女にしか見えんなあ。ついに項羽の登場。若き英傑の魅力と危うさを盛り込んだ実に良いキャラだ。そしてますますお互いの理解度が深まりすぎて、蒙林差し置いて夫婦かというような田中と田横の相棒関係。足りない部分を補い合い、心から信頼し合う二人はまさに兄弟であり相棒であり親友であり。この二人の関係本当に好きです。だからこそ、斉の為田家の為に一時別れる決意をした田中。果たして歴史の流れを変える事は叶うのか。まさに分水嶺の一歩である。



以下に、読書メーター読録と一言感想


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昔勇者で今は骨 5.東国月光堕天仙骨無幻抜刀 ★★★★☆   



【昔勇者で今は骨 5.東国月光堕天仙骨無幻抜刀】 佐伯 庸介/ 白狼 電撃文庫

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骨になっても心は勇者な冒険者(※ただし骨)が往く、異世界ファンタジー!

「まーじーでー……転移してるじゃん、これ」
森中の見知らぬ転移装置を抜けると東国であった――仲間と離れ離れになって、師匠の故郷・東国ヤマへと転移したアル。
すわ妖かと怪しまれながらも、剣の師匠マガツのもとへと向かってみれば、そこは魔王軍を離反した堕天王と戦の真っ最中だった。しかも、その軍は古の秘密兵器「月」を擁した最悪の布陣で……。
「出来なきゃまた戦争だ。言っておくが、その場合は容赦せんぞ」
人と和平を目指す魔軍令フギムニからは戦のついでに取引を持ち掛けられ――
「魔王以来の神命だ、我が勇者」
果てには太陽神マルドゥから討伐の神命まで下ってしまい……人から魔から神までも、頼みの綱は骨勇者!
コツコツ世界を救う異世界ファンタジー、待望の最新刊!

これ、サブタイトル!! こういうの好きだわー。ただ語音、音韻的にはあと四文字八音あったらスッキリだったんですけどね。
前巻がまさにクライマックスオールスター総力戦な内容で、シリーズも完結だと思っていた所にまさかの続編続行ということで狂喜乱舞してしまいました。
今回は舞台を和風の東国に移しての、ド派手な剣劇バトルでありますのよ。前回の総力戦で力尽きるどころか、スケールも相変わらずどでかいエンタメ大作となっておりました。
表紙絵だけだと、新キャラ二人でしたしあらすじからするとアルだけが東国に飛ばされたような感じに見えたのですけれど、ちゃんといつものメンツ込みで東国に飛ばされた上での、バラバラにバラけて着地といった体で、表紙を捲ったページには見開きで表紙絵の続きというか右側も描かれており、そこには今回出演の敵味方問わず全員盛り込み、な総登場絵図になっていてなかなかの壮観でありました。
前からの傾向ですけれど、この作品って骨勇者なアルだけが引っ張る物語じゃなくてメインの登場人物がみんな主役張ってそれぞれの物語を引っ張っていく群像劇の体もなしてきてるんですよね。だからこそ、前回なんぞの総力戦が映えたというのもあるのですけれど。今回もチームがバラけた分、ハルベルとミクトラがそれぞれに仲間を引き連れてそれぞれ東国各地でドラマを牽引していってくれます。これって物語の焦点というかエンジンがそれぞれ別に起動しているようなもので、あっちこっちで話がグワングワンエンジン吹かして回して動かしてくれるものだから、全体がすごくパワフルになるんですよね。
下手すると焦点がとっ散らかって尻すぼみになってしまう危険性もある群像劇ですけれど、こっちはもうキャラが立ちに立ってるものですから、アルが居なくても自由闊達に動きまくってくれる。
その末に、物語がクライマックスへと向かう中で一同に結集するという形になるので、それぞれ動きまくっていたエネルギーが一点集中されるということもあり、さらに盛り上がってくるんですよねえ。
このへんの動かし方なんぞ手慣れたもの、というほどになってきているような気がする。
勿論、新キャラ・ヤトノ。アルのヤギュウ流の兄弟子にあたる若きサムライとアルとの剣客二人旅もさすがは主人公という活劇っぷりで。今回は特にヤギュウ流の看板にまつわる剣術モノとしての見せ場も多く、剣撃アクションをこれでもかと堪能させていただきました。
勇者のパーティーメンバーであるマガツ師匠の出番が必要となる段階となると、ただの撃剣チャンバラどころではなく、空間斬ったり次元斬ったり幻で斬ったりとドンドン自重無くスケールデカくなっての神を斬り星を斬るド派手なチャンバラになっていくのですが、これがまたこれで楽しくて楽しくて。
精妙な理合に基づく剣撃と、一刀で神も仏もぶった切るデタラメ剣法、これを両方並び立てて両方両立存分にやったるぜー、となってくれるとそりゃ楽しいってなもんですよ。
しかし、勇者のパーティーメンバーってどんどん非常識というか人間辞めてってるよなあ。骨になってる勇者アルヴァスが段々可愛く思えてきたぞ。
いやでも、「まーたすぐパクる」とマガツ師匠に呆れられてるように、アルのあれ見せられるとやっぱり「こ、こいつー」ってなりますよね。やっぱり勇者が一番非常識だ。
しかし、東国のサムライ連中もみなぶっ飛んでますねー。精鋭とはいえ、そこらの一般武士まで一騎当千じゃないですか。なにあの弓兵たち。高射砲かよ。あれ冗談じゃなく爆撃機くらいなら落とせるんじゃない? 
結局、堕天軍を東国全体ではなくムデ藩国だけで撃退した、という形になりましたしね。ここ、モデルがおそらく仙台藩、伊達家で大藩ではあるんですけど、それでも世界相手に戦争してる魔王軍の一方面軍を一藩で撃退したんだから、東国の武力たるや凄まじいの伝わります。
もちろん、アルたちやヤギュウ流の合力あってこそではあったのですけれど。

今回は既存のキャラクターたちもデザイン一新されていて、特にハルベルはイメージだいぶ変わったんじゃないだろうか。見た目にも結構しっかり格好良くなった気がする。アルにも、勇を与える側になったと評された彼女。もう既に一人の主人公として独り立ちしてるかのような立派さで。色んな意味で頼もしくなったよなあ。そのハルベルの片腕として八面六臂の活躍をしてるデケニー。いやこの蜘蛛ちゃん、毎回毎回大活躍してますけど今回は特に居なきゃ死ぬというくらいの勢いでMVPだったんじゃないですか? 色んな意味で便利過ぎる。
そして強くなってるはずなのにどんどん可愛さが強調されてヒロインロードまっしぐらな女騎士ミクトラ。今回は東国舞台ということで、対魔忍風味なエロタイツを装備するはめに。うん、エロ可愛いですよ。大丈夫大丈夫、エロいだけだから。
そういえば、表紙の青い鬼のおねーさん。あれ東国で登場の新キャラじゃなくて、苦労人こと魔軍令のフギムニさんだったのか。こんなシャープエッジな見た目のおねーさんだったのか。こう、見た目からして苦労背負ってるなあという感じの社畜系の顔しているのかと思った(失礼
これもう出来るお姉さん、ビジネスウーマンですよね。いや、実際出来る人なんですけど。
今回実際対面して話す機会があり、フギムニさんとは踏み込んだ会談をすることになりましたけど、こうなると先の展開どうなるんでしょうね。あらかたやばい案件は片付いたような気もするのだけれど、この人の運の悪さというかしんどいめに会うフラグを背負ってるキャラからするととても簡単には思う通りにいかないだろうし。彼女との会談自体が次の布石になっているんだろうか。

ともあれ、今回のテーマは失った居場所。敵にも味方にも、その失った居場所を取り戻すために必死になって突き進む人たちが出てきます。そうやって突き進むことで、新たに居場所を失う人たちが現れてしまっても、それはもう止めることができない。
ハルベルの示した勇は、そんな居場所を奪うものたちへの怒りであり、失った人たちが諦めずに踏ん張れる力になりました。
ルシフルスもヤトノも、本当に取り戻したい居場所はなんだったのか。それを見失ってしまった者と、新たに見出すことのできた者の差でもあったように思います。
そもそも、居場所を必要としていなかった人なんかもいるしなあ。いや、柵をぜんぶ捨て去り自由の空に羽ばたいた、師匠にとってはそこがずっと見つけられなかった本当の居場所なのかもしれません。
然して、アルには居場所なるものはあるんでしょうかね。この骨にも、そういうのなさそうなんだよなあ。せめて、隣を歩こうという「人」が居場所になればいいなあ。

シリーズ感想

2019年2月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:28冊 うち漫画:6冊

2月はそもそも日数が少ないということもあるのだけれど、それにしてもあまり読めていないのが数字に現れてしまっている。2月はなんか疲れてて眠くて眠くて、頭がぼんやりしていたせいかインプットが捗らなかったんですよね。春眠暁を覚えずというほどまだ春じゃないのだけれど、いくら寝ても眠気がとれない。
それでも読書メーターの全読感想付は継続中。これは今年通しての目標にしていきたい。

さて、今月はやはり【昔勇者で今は骨】に尽きるでしょう。昨今稀に見る、全体的なバランスが取れつつ盛り上がりはうなぎ登りという伸び伸びとした完成度の高さと手放しの楽しさを両立された作品でした。これだけキャラがみんなイキイキしてると読んでても楽しいですわ。
【女神の勇者を倒すゲスな方法】はなんと一巻まるごとエピローグという形で出て、けっこう優遇されている感じ。このシリーズはエッジが効いていて面白かったのですけれど、同時発売の新作は個人的には微妙だったので、今後の転身を期待したいところです。


★★★★★(五ツ星) 1冊

昔勇者で今は骨 4.わたしからあなたへ】  佐伯 庸介/白狼  電撃文庫(2019/2/9)


【昔勇者で今は骨 4.わたしからあなたへ】  佐伯 庸介/白狼  電撃文庫

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表紙絵通りの全キャラ揃っての総力戦。それぞれに見せ場があり、それぞれに意気があり、それぞれが己の「勇」を見せてくれた胸がすく傑作でした。

★★★★☆彡(四ツ星Dash) 0冊




★★★★(四ツ星) 4冊

ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインIX フォース・スクワッド・ジャム〈下〉】 時雨沢 恵一/黒星 紅白 電撃文庫(2018/12/7)
女神の勇者を倒すゲスな方法 6.「なんと、我と結婚したいと申すか!?」】  笹木さくま/遠坂 あさぎ ファミ通文庫(2018/12/29)
星系出雲の兵站 2】 林 譲治 ハヤカワ文庫JA(2018/10/18)
妹さえいればいい。9】 平坂読/カントク ガガガ文庫(2018/2/20)


【ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインIX フォース・スクワッド・ジャム〈下〉】 時雨沢 恵一/黒星 紅白 電撃文庫

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【女神の勇者を倒すゲスな方法 6.「なんと、我と結婚したいと申すか!?」】  笹木さくま/遠坂 あさぎ ファミ通文庫

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【星系出雲の兵站 2】 林 譲治 ハヤカワ文庫JA

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【妹さえいればいい。9】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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今月のピックアップ・キャラクター

カニエル (嘘つき戦姫、迷宮をゆく)
リルドール (嘘つき戦姫、迷宮をゆく)
コロナ (嘘つき戦姫、迷宮をゆく)
ボルマン (ロープレ世界は無理ゲーでした)
ミノタウロス (迷宮の王)
礼音 (絶対城先輩の妖怪学講座)
ウェイン (天才王子の赤字国家再生術 )
オリバー (七つの魔剣が支配する)
姫宮春一 (お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。)
アズライト (インフィニット・デンドログラム)
オスカー (Unnamed Memory)
ビム・ユンカース (ご近所の平穏を乱す奴が相手なら)
シャーリー (ガンゲイル・オンライン)
デケニー (昔勇者で今は骨)
ペルゼン (昔勇者で今は骨)
ナビ (最果ての魔法使い)
ヘレーネ (おっさん、不労所得で帝国を導く )
火伏礼二 (星系出雲の兵站)
白川 京 (妹さえいればいい。)
笠松青葉 (妹さえいればいい。)
梶勇咲 (異世界城主、奮闘中!)
魅怨 (友人キャラは大変ですか?)




以下に、読書メーター読録と一言感想。

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昔勇者で今は骨 4.わたしからあなたへ ★★★★★   



【昔勇者で今は骨 4.わたしからあなたへ】  佐伯 庸介/白狼  電撃文庫

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骨になっても心は勇者な冒険者(※ただし骨)が往く、異世界ファンタジー!

『あ~故郷の香りっス~』
かつての愛船・ソカリスヘヌ号を修理するため、北方のオルダネル帝国を訪れたアルとイザナ。
そこで出会ったキメラの少女を救う為、断崖の街ガイムラを訪れたアルだったが、ひょんなことから封印された“神の骨”を探すことに。
いつものお気楽な冒険になるはずが、アルの魂が神の骨に取り込まれてしまったことで事態は急変し――
(あれ? もしかして俺マジで消し飛ばされる五日前って感じ。なのでは?)
骨になっても心は勇者、コツコツ世界を救ってきた最強冒険者もついに昇天!?
うぉお、テンション上がったぁ! 面白かったぁ!!
前回にも増して今回は登場人物も多い上に、各メンツが分散して行動していて場面転換も多かったのだけれど、どちらかというととっ散らかった印象があった前巻よりも遥かに物語として収斂していて、クライマックスなんぞ二箇所同時上映みたいな感じで同時進行していたにも関わらず、ギューっと凝縮された纏まりがあって、盛り上がりにしても燃え上がりにしても満足度充足度が半端なかったです。文句なしに滅茶苦茶面白かった。
というのも、やはり主題が一つのテーマで統一されていた上に、能力の上下関係なく登場人物全員に出番と重要な存在意義があって活躍度に過不足がなかったからなんでしょうね。お蔭であっちこっち場面飛んだり、そのシーンで動くキャラクターが次々と変わっていっても、物語として一点に流れが収斂していっているので、全体として一本の筋として意識が滑らずに集中して深みにハマっていくことが出来て、素直にお話にのめり込んで行けたんですよね。
そこに、話の盛り上がりの連鎖が登場キャラの活躍シーンやテンションを増し増しにする展開が多い分、それが多段加速効果となってたように思います。これはエンタメものとしても構成が抜群だったんではないでしょうか。これのお蔭で読後の満腹感が凄かったもんなあ。

「わたしからあなたへ」。これが今回のサブタイトルだったのですが、まさに今回のテーマはこれ。
受け継がれていく想い。今回のキーパーソンに滅種博ペルゼンという絶滅種の骨を蒐集する人物がいるのですが、彼がまさにその象徴的な人物でもありました。滅びゆく種が居た証としてその骨を蒐集する奇矯な人物。ある意味行き止まりの終焉を担っているような在り方に見えるかの人なのですが、その実はむしろ正反対。彼の真の目的、そして彼のもとに築かれた行き場をなくした希少種たちが集った街の姿は行き止まりの終わりなどでは決してなく、それは潰えて消えていくものを残し、先へと繋げ、届けていくための一つのカタチだったのです。
そんな彼のもとで偶然生じた死体の複合キメラである〇三。幾つもの希少種の亡骸をつなぎ合わせて生み出された彼女は、本来何も生み出さず何も残さず消えていくだけのゾンビという行き止まりの存在だったはずでした。しかし、その肉体に生じた意志は彼女の体を構成する部位である希少種たちのこれまで生きた証の残り香であり、終焉の街で眠りについた彼らの最後の安息の地への優しい思いを引き継いだ魂であり、だからこそアルに導かれて自らの生じた理由とその意味、そしてこれからなすべきことを思ったときに、彼女は気づくのです。終わったはずの自分でも、生きていない自分でも、子供を生むということも出来ない自分でも、自分の中に託されたもの、宿ったものを繋いでいける、受け継いで貰える、先へ未来へと送り出していけるのだ、と。
同時に、それは彼女〇三だけではなく、この物語に登場する幾多の人物にも該当する主題でもありました。それは師弟の話でも在り、姉弟の話でも在り、仮の母娘の話でも在り、船に宿った魂の話でも在り。
そして、そんな人のあり方を、想いの後継を、示された勇を、束ねて集わせて力に変えて先へと繋げていく存在こそ、勇者と呼ばれる者だったのかもしれません。個々の小さな可能性を、背中を押す願いに変えて、束ねて未来を手繰り寄せる力へと成す。
それこそが、勇者アルヴィスの強さであり、ならば今回はあの元竜王ダイスくんも見事に勇者やってたんじゃないでしょうか。
しかしまあ、勇者が想いを束ねてつなげる存在なのだとしても、アルにしてもダイスにしても放っておくとフラフラと人との繋がりを放り出してどこかへ行ってしまいそうな人たちなのですけれど。むしろ、周りの人たちが無理矢理に繋ぎ止めておかないと一人で消えていってしまいそうな人たちなのですけれど。そう考えると難儀な連中だよなあ。まだ人たらんと自分を律しているダイスくんの方がこの場合、根っからの根無し草なアルよりもマシな気もするけれど。無理やり構って丁度いいくらいですもんねえ。
ただし、構うにしてもアルにしてもダイスにしても、階位があまりにも高すぎて、並んで歩くどころか後ろからついていくにも一苦労。だから、凄まじい覚悟と努力が必要になってしまう。
自然と化物クラスの力量が必要になるわけで、ミクトラとハルベルは死に物狂いでそれを成し遂げようとしているお蔭で、無事にイザナやフブルさん級の化物クラスに足を踏み入れつつあるようで、毎度ながらアルたちよりもこの娘たちの方がよっぽど無茶してるような気がするぞ。アルやダイスが持ち得る能力を存分に振るっているのに対して、彼女たちは自分の限界を何度も何度も突破して血反吐を履くことでようやく追いかけているわけですからねえ。
彼女たちですらそうなのですから、秀才ではあっても一般人の範疇であるハルベルの級友であるペリネ、ダステル、ゲルダの三人組は今回ほんと頑張った。あのダイスをして勇を示した、と最大限の敬意を払ったくらいであり、彼の価値観をひっくり返したわけですからね。今回は誰も彼もが大活躍したわけですけれど、MVPはこの三人でしょう。それに、彼らは現状で満足なんかしないでしょうしね。それこそ、ハルベルにだって追いついてくるかも。
あと、なにげに影のMVP、地味に功労賞、あんたが一番、な活躍してたのってデケニーさんだったような気がします。この人、縁の下の力持ちすぎるw
これまでの登場人物根こそぎに登場させ活躍させての、集大成にして総力戦。見事なまでの盛り上がりは、なんか涙出てくるほどの感動すら抱くものでした。これぞ、エンターテイメントの傑作という逸品、心より堪能したぞーー!!

1巻 2巻 3巻感想

昔勇者で今は骨 3.勇者と聖邪 ★★★★  



【昔勇者で今は骨 3.勇者と聖邪】 佐伯 庸介/白狼 電撃文庫

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骨になっても心は勇者な冒険者(※ただし骨)が往く、 異世界ファンタジー

『――――久しぶりね、アル』
イザナを追ってエルフの国・精霊領域フィネグンドを訪れた昔勇者で今は骨な冒険者・アルと仲間たち。彼らを出迎えたのは、かつての勇者アルヴィス……と瓜二つの容姿をした人物だった!
『シミュラルと申します。以後、お見知りおきを』
ついにイザナとの再会を果たしたアルだったが、彼女の口から語られた計画はアルの存在を根底から覆しかねないもので――!?
魔王が倒された後の世界で、なんだかんだと世界を影から救ってきた骨勇者もついに年貢の納め時か!?

オーク王アライシャル格好いいなあ。いわゆる雑魚か汎用扱いなモンスターが、こんな風に威風と知性と品格を兼ね備えて一勢を、或いは一族、一国を率いているのって結構好きなんですよね。安易に敵ではなく、話が通じる相手なら尚更に。
さて、勇者時代の仲間であり、聖女にして死霊術師。魔王との決戦時にアルヴィスの願いを叶えて彼をスケルトンにした張本人でもあるイザナを探して、エルフの国を訪れることにしたアルたち。いわゆる本妻の登場である。ってか、マジで年季が違うなあ。シミュラルが丁度、イザナの子供でも在りアルヴィスの子供でもある、という立ち位置になってしまったために、がっつり夫婦感が出てしまいましたし、アルのあの枯れた部分を一番理解してそうなのがイザナなだけに、余計に離れていてもパートナー、ってな感じが出てるんですよね。
もっとも、アルのそれを受け入れいている、というわけではないのは一連の事件を引き起こしたことからも明らかなのですが。ただ、ミクトラやハルベルがスケルトンのアルしか知らないという事もあってか、勇者である彼の本質に対してまだよく理解も及んでいないし、焦燥を感じるまでにも至っていない。ハルビルに至っては勇者アルヴィスの風聞についても知らないわけで、知っているのはこの骨のアルがすべてなのである。イザナとはステージが噛み合ってない、とも言えるんですよね。
ただ、イザナはアルに出会う前の人生、アルと旅した時の体験、アルと別れてからの歩みが凄まじすぎてねえ。彼女の情の深さ、愛の深さを考えるならアルヴィスへの一途な想いが執着から深淵に至ってしまいそうなところだったのでしょうけれど、なるほどあとがきで「彼女は根底が愛の人」と語られていたのを見て納得。イザナという人は一つの愛に傾いて他を眼中に入れなくなる狭くも深い愛の人ではなく、普通に多くを慈しみ愛しむことが出来る人だったわけだ。だからこそ、かつて自分を率いた軍勢を見捨てることができずに魔軍に居たのだし、だからこそ勇者アルヴィスの仲間になり、彼をスケルトンに変えてしまった罪悪感から彼を救うために邁進し、しかしそこから生まれたものをもまた愛してしまったんですなあ。いわば、愛ゆえに誰も見捨てられない人なのだろう、イザナという人は。
だからこそ、その愛に挟まれて苦悩し続けていたのに、肝心要のアルくんがねえ、その葛藤の片側としてサクッと断ち切っちゃうんだからさあ、考えようによっては酷い話である。イザナが彼を頭おかしいんですよ、と言っちゃうのも無理はない。彼が骨になった経緯からして、自分に対する欲の薄さ、自己愛の薄さが透けて見えるわけですけれど、これは彼を好きになった人たちからすればもどかしいを通り越して立つ瀬がないというか切ないというか。
もっと頼って、期待して、と願うイザナのセリフには胸を突くものがありました。ってか、アルも魔王倒したあとトンズラこかないで、イザナ頼って身を寄せてたら、一緒に復活の方法考えようとしていたらイザナも一人で暴走せずに済んだんじゃなかろうか。
死んじゃったしもういいやー、で済ましてしまうところ、そういうところですよ、アルヴィスさん。
この人はほんと、もっとしがらみとか人の縁でがんじがらめに縛っておかないとだめなのかも知れない。骨のアルとなってからできた人の縁も、そう考えるとよいことなのでしょう。船霊のソカリィも、言うたら放ったらかしにしちゃいけない縁の錨として出てきたものと言えるかも知れませんし、フブルさんがあれだけトラブル引き起こすにもかかわらず、アルに紐つけて逃さないようにしていたのも考えようによっちゃそういうことなんでしょうし。
ともあれ、ソカリィちゃんのような船霊や、シミュラルみたいな子が居たら、さすがに知らんぷりはできないでしょうし、着実に重石は増えてってるんでしょうねえ。ちゃっかりハルベルは学校に通わせたり、今度はイザナに弟子入りさせたり、と放ったらかしにしようとしてなくも見えなくもないですがw
それでも、人に戻る気が少しでもできたなら、アルの周りの人たちにとっては前進なんでしょうねえ。
しかし、あれで六割八割って元の勇者の時のアルヴィスってどんだけだったんだ。そのアルヴィスが死んでようやく届いた魔王って、ほんとにヤバかったんだなあ(しみじみ
何気に魔王以外の普通の魔軍にとってはアルヴィス以下勇者パーティーって自然災害並の災厄以外のなにものでもなかったみたいだけどw

一巻 二巻感想

2018年4月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:57冊 うち漫画:22冊

おおっ、4月ってこんなに読んだっけ!? と思ったら、ガンダムの漫画【ジョニー・ライデンの帰還】を一気読みしたんだった。これは【蒼き鋼のアルペジオ】のArk Performanceさんが手掛けてるシリーズなんですけれど、活きの良いおっさんがたくさん出てきて面白いです。ってかゴップ議長が凄まじく有能で嬉しい。そして自分はジャコビアスのおっさんのファン。
と、それら漫画を抜きにしても月間35冊を読めたのは我ながら良いペースをキープできたようでした。
角川文庫の【GODZILLA】は劇場版アニメの前日譚という体なんですが、これが当時の怪獣災害の只中に居た人たちに地球連邦の分析官がインタビューしたものをノンフィクション風にまとめたものになっていて、これがべらぼうに面白い。映画見てないよー、という人でも関係なく楽しめる作品だけにこれは本当に一読して欲しい。


★★★★★(五ツ星) 0冊



★★★★☆彡(四ツ星Dash) 2冊

昔勇者で今は骨 2.双竜の転生者】 佐伯庸介/白狼 電撃文庫(2018/4/10)
デート・ア・ライブ 18.澪ゲームオーバー】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫(2018/3/20)

【昔勇者で今は骨 2.双竜の転生者】 佐伯庸介/白狼 電撃文庫

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一巻からさらにパワーアップした良質の世直しアットホームコメディ。根底に骨太の基本設定を敷き詰めながら、主人公の骨の大らかな人柄とコミカルなテンポが明るい雰囲気を失わさずにいる最近では特にオススメの作品です。


【デート・ア・ライブ 18.澪ゲームオーバー】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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まさにクライマックスに相応しい壮大な展開。ついに明らかになる主人公・士道の謎。そして最後までブレることのない「DATE A LIVE」のテーマ。
さあ、私たちの戦争(デート)を始めましょう。

★★★★(四ツ星) 6冊

ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット 2】 渡瀬草一郎/ぎん太 電撃文庫(2018/1/10)
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.16】 聴猫芝居/Hisasi 電撃文庫(2018/2/10)
我が驍勇にふるえよ天地 6 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら 赤光/卵の黄身 GA文庫(2017/12/14)
-インフィニット・デンドログラム- 5.可能性を繋ぐ者達】 海道左近/タイキ HJ文庫(2017/9/30)
GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ】 大樹 連司 角川文庫 (2018/4/25)
神域のカンピオーネス 2.ラグナロクの狼】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫(2018/3/23)


【ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット 2】 渡瀬草一郎/ぎん太 電撃文庫

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【ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.16】 聴猫芝居/Hisasi 電撃文庫

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【我が驍勇にふるえよ天地 6 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら 赤光/卵の黄身 GA文庫

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【-インフィニット・デンドログラム- 5.可能性を繋ぐ者達】 海道左近/タイキ HJ文庫

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【GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ】 大樹 連司(角川文庫)

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【神域のカンピオーネス 2.ラグナロクの狼】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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今月のピックアップ・キャラクター

るい ( 九十九字ふしぎ屋 商い中)
ハルヒロ (灰と幻想のグリムガル)
アル (昔勇者で今は骨)
ハルベル (昔勇者で今は骨)
ナユタ (ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット)
双葉みかん (ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? )
アスタルテ (ストライク・ザ・ブラッド)
梨於奈 (神域のカンピオーネス)
 (神域のカンピオーネス)
ソーラ (俺、ツインテールになります。)
祟宮澪 (デート・ア・ライブ!)




以下に、読書メーター読録と一言感想。
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昔勇者で今は骨 2.双竜の転生者 ★★★★☆   

昔勇者で今は骨2 双竜の転生者 (電撃文庫)

【昔勇者で今は骨 2.双竜の転生者】 佐伯庸介/白狼 電撃文庫

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骨になっても心は勇者な冒険者(※ただし骨)が往く、 異世界ファンタジー

『とりあえず王都に来んかーい!』
かつての仲間・フブルさん激怒につき王都へ参上した昔勇者、今は骨な冒険者・アル。一人前の魔法使いになるべく、学園に通いはじめたご主人・ハルベルのためにひと肌脱いじゃう(※ただし肌はない)アルだったが、王都を騒がせる怪現象の調査は意外な過去に繋がって……
『貴様の方は未だこの世にしがみついていたとはな……』
秘密を握るのは、容姿も魔力も桁外れ、初対面なのに見覚えのある少年で――!?
骨になっても心は勇者な彼がゆくところトラブル多発! 魔王が倒された後の世界で、なんだかんだと世界を影から救っちゃう、お気楽異世界ファンタジー!

一巻でも絶賛に近い形で感想書いた本作ですが、いやあこれやっぱり当たりですわ。なんかこう、自分のツボを見事なくらいストライクについてくる。しゅき!
何気にこれまでの作品は単発ばかりで、二巻を出すのは本作がはじめてだそうなのですけれど、一巻で登場したキャラクターたちがさらに掘り下げられた上に、同じ場所に放り込まれることで連動して相乗的にお互いのキャラを膨らませていき、世界観をも広げていくのを見るとむしろ続ければ続けるほど作品の土台が広がり、物語が上積みされて面白くなっていくタイプの作家さんじゃないですかね。
結構、これまでを踏まえてその上に着実に積み重ねていける人って多くはないんですよ。大概、ポロポロと取りこぼして、新しいのを補填して賄ってくばかりで、定着はしないし芯が細っていってしまう。
今回は王都編ということで、賑やかな王都に帰ってきたアルとミクトラ、そしてはじめて村を出るハルベルの穏やかなる日常パートが前半繰り広げられるんですが。ハルベルが色んな意味で逞しすぎるw
ハルベル、田舎娘なのですけど物怖じすること無くイケイケドンドンなんですよね。通い始めた学園でも、クラスメイトの新キャラたちと喧々諤々ぶつかりあいながら、楽しそうにしてますし。
構成で見ると日常パートは短編集っぽく、いろんなキャラクターの色んな話を盛り込んできていて、その中でもちろん主人公のアルは大事な話の要として機能はしているのですけれど、前述のハルベルをはじめとして、ミクトラやフブルさんとか、学校のクラスメイトのペリネ、ゲルダ、ダステルといった新キャラたちもそれぞれ自己主張強く話の中で主役張っていて、話の展開が全然アルに頼り切ってないんですよね。
なんていうんだろう。個々のキャラクターたちの話であり、彼らが走り回っている王都という舞台の話であり、この【昔勇者で今は骨】という作品の世界の物語として、全体的にバランス良く、全体を底上げするように包容力たっぷりに盛り上がっている、といった感じで。
この掛け合いとかノリとかが軽妙にも関わらず、懐広く足場がしっかりしていて、全体包み込むような大らかな雰囲気をまといながら、根底に「戦乱」という時代の渦中にある要素を見失わない絶妙なバランス感で描かれてる物語、というのがホントに自分のツボを突きまくってる気がします。
なんでもない場面なんですけどね。クライマックスで前線に向かうアルを、避難しようとしているその辺の市民が声かけるシーンが、もっそい好きなんですよ。見た目アンデットでスケルトンであるアルに、普通に「無理すんなよ!」って心配して声かけるシーンが。
元々、あんまりアンデットに対してそこまで拒絶感のない世界観なのですけれど、それでもスケルトンである。そこらへん歩いてたら驚かれるし、魔物かと警戒されるのは当然のことで。それでも、自分たちを守ってくれる側だとわかれば、何の裏表もなく素直に心配して、アンデットに「命を大事に」と声をかけてくれる人たちが当たり前にいる世界。こういう何気ないシーン、何気ない一幕を大仰ではなく、サラッと挟んでくるところ、ほんと好き。
好ましいといえば、曰く在るキープレイヤーとして登場するダイスくん(三歳)のあの死生観もなんか好きなんですよね。もちろん、姉の愛情をたっぷり注がれたことは意味がないわけじゃあないのでしょうけれど、ダイスのあの人間に生まれたからには人間として生きる、というスッキリとして一本筋の通ったブレのない生き方って、絆されたとか姉との生活で考えを変えたとかじゃなく、彼の魂の在り方っぽいんですよね。その意味では、彼の生き方って前世とは何も変わってないし、何も変えていない。頑固とかそういうのでもなく、あくまで自然体。
竜たちに対してのスタンスも決して突き放していなくて、自分なりの竜としての生き方の信念を尊重して気負いも罪悪感もなく向き合っているところなど、前世今世とかあんまり関係なく、竜として人としてとこだわっているわけでもなく、揺るぎなく彼は彼として誠実に在りつづけてるんだろうな、前世も実はこういうスタンスだったんだろうな、というのが伝わってきて、なんちゅうかこのスッキリスッパリ感が格好いいんですわー。ほんと好き。
クライマックスも、ドタバタ感満載だった日常パートにさり気なく集約されるべき要素が散りばめられていたり、と盛り上がりもたっぷりで。ハルベルは、かなり能力に制約つけられてましたし今回みたいな一件ではなかなか活躍し辛いだろうなあ、と思ってたら最後の最後で思いっきり良い所持ってっちゃって、おおお、華がある娘だなあ死霊術師なのに!
ミクトラも、凄腕冒険者で上級貴族のお姫様で、と美味しい要素満載で、王都編でも両方の特性を色んな場面で活用されて、何気に便利すぎる! おまけにハルベルの同性の友達としても横から強襲してきたペリネに奪われることなくポディションをガッチリキープして、堅実に存在感をアップさせていたのですが、ラストではそれに満足せずにさらにがっつり食いついてきて、この娘も負けず劣らずヒロインとして自分で立ち位置確立してきたなあ、と思わず目を細めたり。
エピでは、ついに真打が姿を見えて「メインはわたし!」と一発で自己主張してきただけに、ハルベルとミクトラの現状に甘んじない弛まない意欲的なクライマーっぷりは頼もしい限り。
これはほんとに、ぜひぜひ三巻読ませて欲しいものです。色々と楽しみな要素が多すぎる。

めちゃくちゃ楽しかった一巻からさらにパワーアップしての続編でありました。面白かった!
大変オススメ♪

2018年3月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:45冊 うち漫画:16冊

中旬で30冊越えてたので今月は60冊行けるかな、と思ったんだけれどそこから一気に減速。3月後半は色々としんどかったからなあ。
ここではあげてないのだけれど、クライマックス近辺からノリがキレキレになった【齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定】。これテンポが落ちないまま続いたら、間違いなく★4以上を捧げたくなる作品になりそう。
【昔勇者で今は骨】が出色の出来。古参作家の復活作品なんだけれど、明るく軽いノリでこれだけ充実感というか読み応えを感じさせてくれる作品ってあんまりないんですよね。お見事。
【異世界拷問姫】は第一部完結編。速攻で第二部が既に開幕しちゃっているのであるけれど、レバー、テンプル、踵落とし、サマーソルトキック!てな感じのすさまじい構成、攻勢である。
【りゅうおうのおしごと!】は短編を挟む構成もあってか若干流れがスムーズじゃなかったんだけれど、ラストの山城桜花編の盛り上がりはやっぱり尋常じゃないですよ。熱い!!

★★★★★(五ツ星) 1冊

異世界拷問姫 6】 綾里けいし/鵜飼 沙樹 MF文庫J(2018/3/24)

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話をしよう。
これは恋の物語ではない。
憧れと愚行と、幸福な愛の物語だ。


★★★★☆彡(四ツ星Dash) 2冊

昔勇者で今は骨】 佐伯 庸介/白狼 電撃文庫(2017/12/9)
りゅうおうのおしごと! 8】白鳥士郎/しらび GA文庫(2018/3/14)

【昔勇者で今は骨】 佐伯 庸介/白狼 電撃文庫

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極めて高いレベルでバランスよく纏まった、文句なしの良作でした。いやほんとに、びっくりするくらい面白かったんですよね。安定感というよりも包容力を感じさせる、懐の深い滋味と妙味とポップな温もりがある楽しくも沁み入る作品です、オススメ。


【りゅうおうのおしごと! 8】白鳥士郎/しらび GA文庫

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★★★★(四ツ星) 4冊

魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。2】 手島 史詞/玖条 イチソ GA文庫(2018/2/14)
いつかのレクイエム case.2 少女忍者と剣の悪魔】 嬉野秋彦/POKImari GA文庫(2018/3/14)
漂海のレクキール】 秋目人/ 柴乃櫂人 ガガガ文庫(2017/5/18)
東京ダンジョンマスター 2.新宿でも社畜勇者(28)は眠れない】 三島 千廣/荻pote ファミ通文庫(2018/1/30)


【魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。2】 手島 史詞/玖条 イチソ GA文庫

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【いつかのレクイエム case.2 少女忍者と剣の悪魔】 嬉野秋彦/POKImari GA文庫

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【漂海のレクキール】 秋目人/ 柴乃櫂人 ガガガ文庫

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【東京ダンジョンマスター 2.新宿でも社畜勇者(28)は眠れない】 三島 千廣/荻pote ファミ通文庫

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今月のピックアップ・キャラクター

レーコ (齢5000年の草食ドラゴン)
アルヴィス (昔勇者で今は骨)
ひより (いつかのレクイエム)
カーシュ (漂海のレクキール)
ネージュ (ゼロの戦術師)
セナ・カイト (異世界拷問姫)
黒瀬龍 (東京ダンジョンマスター)
月夜見坂燎 (りゅうおうのおしごと!)
供御飯万智 (りゅうおうのおしごと!)




以下に、読書メーター読録と一言感想。

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昔勇者で今は骨 ★★★★☆   

昔勇者で今は骨 (電撃文庫)

【昔勇者で今は骨】 佐伯 庸介/白狼 電撃文庫

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勇者⇒骨にクラスチェンジ!?チート冒険者(※ただし骨)のお気楽冒険記!

骨になっても心は勇者な最強冒険者(※ただし骨)が往く!
お気楽異世界ファンタジー!!

世界を滅ぼす魔王との、最後の戦い。
どうしても負けられぬその戦いで瀕死の重症を負った勇者アルヴィスは、最後の手段・死霊術までも使って戦いきって……スケルトンになっちゃった!?
それから三年後。魔王討伐後の処理を仲間へ丸投げした勇者改めスケルトン・アルは、平和になった世界でニート生活をエンジョイしていたのだが……
『い・つ・ま・で・遊び惚けとんじゃアルヴィスー!』
――世界が彼を放っておくはずもなく。
魔王が倒された後の世界で、それでも助けを求めている人はいる。骨になっても心は勇者! コツコツ世界を救っちゃう(※骨だけに)、お気楽異世界ファンタジー!
おおおおっ!? なにこれ、面白いぞーー!!
この方、14年も前に電撃文庫からデビューしてた作家さんだったんですね。2015年にも一迅社から一冊出してみるみたいだけれど、そっちは読んでない。デビュー作は読書メーターによると読んでたみたいなんだけれど、まったく覚えてませんでした。現代異能モノがジャンルの華だった折のものなんだけれど、感想も書いてないっぽいなあ。
だがしかし、本作はというとこれがめちゃくちゃ面白かった! なんだろう、このでっかい樹の下で昼寝するような安心感、みたいな雰囲気は。物語の土台となる部分が凄く分厚くてしっかりしているのだけれど、それが重たい感じしなくて凄く大らかで包容力がある感じの厚さなんですよね。その上で、アンデット……スケルトンになれ果てたにも関わらずホネホネ生活を何気に心から楽しんでる勇者さまのお気楽さと勇者としての一本芯の通った格好良さが相まって、凄く心地の良い軽妙アットホームなヒーローものになっているのである。
だいたい、なんだかんだとスケルトンが冒険者登録出来てわりと周りから受け入れられてしまう大らかさがたまらない。お話も、魔王との決戦で最後の勝利をもぎ取るためにアンデットと化した勇者が、お役御免とそれから数年骨でニートな生活を満喫してたら、昔の仲間にいつまで遊んでんだーと怒られて、仕方なしに冒険者活動を再開し、なぜか向こうから飛び込んでくるトラブル、事件を正体を隠しながら解決してまわる世直しモノになっているのですが、勇者本人に悲壮感がまったくないどころか、本気で骨生活楽しんでいるせいか暗い雰囲気全然ないんですよね。その上、この勇者人間できてるし大人だし世慣れしてるしで、骨となって勇者の頃より力は半減しているそうなのだけれど、そういうの関係なしに頼もしいのです。頼れる骨なのです。面倒見も良いし、下手な対応打たないし、余計なことは言わないくせにトーク力は有り余るほどあるし。現役勇者だったころも、カリスマがあるって感じではないけれど、凄く人から好かれて慕われ懐かれるタイプの人だったんだろうなあ、というのが伺えます。孤児となってしまった幼い娘との疑似家族生活、スケルトンによるホネホネ子育て編とか、胸がほんわかするような良い話でした。
とまあ、勇者本人の明るい性格もあって、本編は概ねコミカルに進んでいくのですけれど、何気に彼が巻き込まれる事件って客観的に見るとかなり深刻だったり救いがなかったりシリアスな案件ばっかりなんですよね。何気に世界の危機、に至るような話もありましたし。それでいて、鬱々とした展開にならないのはひとえに勇者のキャラクターなんですよね。本当に大した人物だ。
でも、これだけ完成された人物であっても、やはりアンデットと化したことには思うこともあり、自分の存在意義、この世に在り続けることへの不安感みたいなものからは逃れられなかったわけで、自分の行く末、或いは身の処し方についても考えることはあったんでしょう。数年に渡って墓所に引きこもって他のアンデットたちとゲーム三昧遊んでたのも、決してニート生活楽しんでただけじゃないんでしょうし。
しかし、そんな彼の悩みについてもこの新しい旅の先での出会いや交流から生まれたもの、そしてある事件でヒロインの一人が与えてくれた言葉が彼を吹っ切らせるのである。その意味でも、彼は既に完成して完結しているのではなく、スケルトンになってもアンデットと化しても人としてまだまだ成長してるんですよね。人に何かを与えられる人間であると同時に、人から与えられたものを受け取り糧に出来る人物である、という意味でやっぱりパーフェクトだよなあ、この骨勇者。
彼の旅の目的である、失踪した仲間、彼をアンデットにした死霊術師の探索はまだ手がかりもない状態だけれど、次はその仲間の話になるのかな。ある意味、出会う前に勇者は自分のアンデット化について一つの答えを得たわけだけれど、相手の仲間の娘が何を思って失踪したのかがわからないだけに、それが吉と出るか凶と出るか。いずれにしても、どんな話になるか凄く楽しみである。いやもうほんと面白かったので、楽しみである!

 
12月3日

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11月9日

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