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星海社FICTIONS

乙女ゲームのハードモードで生きています 1 ★★★   



【乙女ゲームのハードモードで生きています 1】  赤野 用介/芝石 ひらめ 星海社FICTIONS

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西暦3737年ーー星間国家を誕生させた人類は、宇宙を舞台に4つの勢力に分かれていた。

ディーテ王国・王立魔法学院の生徒である男爵家令息ハルト・ヒイラギは、祖父の家でプレイした1700年前の日本の乙女ゲーム『銀河の王子様』と今の現実世界が酷似していることに気付く。

乙女ゲームと現実との繋がりを確かめるために、公爵家が未来に起こす事件に介入したハルトは、9万を超える破格の魔力値を得てしまう。

魔力値の高さが星間国家の国防能力に直結し、貴族階級をも決定づけるがゆえに起こる「貴族政治の陰謀」と「星間戦争による首星壊滅ルート」を避けるため、ハルトは魔法学院(乙女ゲームの舞台)から抜けだし、王国軍士官学校へ入学する。

だがそこでハルトを待ち受けていたのは、本来であれば魔法学院にいるはずの3人の貴族令嬢(ヒロイン)だったーー

乙女ゲームの知識で、貴族政治と宇宙戦争に勝利せよ!
ゲーム世界に転生、とかじゃなくて現地主人公のはずなんだけど、このハルトくん完全に人生ゲーム感覚ですよね、というくらいなんかゲーム実況でもしているみたいに、どこか第三者的感覚で物事や他人を見ているように見えます。
それは、いわゆるヒロインであるところの侯爵令嬢フィリーネ、メインヒロイン枠のユーナ、そしてメインヒロインの友人枠のコレットの三人に対してもどこか同じなんですよね。
彼女たちに対して果たして情はあるのだろうか。まあ情くらいは感じているんだろうけれど、どこかゲームのヒロインだから、という目線は常にあるような気がします。
そもそも、これ乙女ゲームなんですよね? どう見ても普通にギャルゲーみたいに見えるんですが。乙女ゲームってのは確か主人公である女の子がイケメンたちを攻略していくゲームのはずなのですが、面白いくらいきっぱりさっぱりとそのイケメンたち登場すらしませんからね。
そもそも、ゲームの舞台となる魔法学院に通わずに士官学校の方に進学してそこにヒロインたちがついてきてしまったのですから、そりゃ登場もなにもないでしょうけれど。
しかしてハルトは自分の出世と地位の安定と戦争敗北による破滅回避のために、ゲーム知識を利用してのし上がっていくのである。おまけに、悪役令嬢とその一家が仕掛けていた企みを逆に則って、魔力を横取りした結果、国家的戦略兵器として遇されるようになった、というだけでまあまあ将来の優位は勝ち取ったようなものだったのですが、ただ個人の力が強いだけだとイイように利用されるだけだと考えて、経済的バックグラウンドと政治的後ろ盾を求めるのですが、その一貫として外道妹との当主争いをしている侯爵令嬢フィリーネと、お互いに利益となる婚約話を結ぶわけだ。
完全に個人で政略結婚仕掛けてますなあ。
そこで恋愛感情が生まれるならそれはそれで王道のラブストーリーになるのでしょうけれど、フィリーネとの間で将来の主導権争いをしている時点で、愛情らしきものはそこには存在していないんですよね。ゲーム知識を生かして国家の戦略的重要物資の供給を握って経済的主導権を握ったハルトが完全に上から殴る形でフィリーネから主導権を握って、ぐぬぬさせる様子は自分が侯爵家に利用さず囲われて自由を失うのを嫌ったから、とは言えまあなんともはや。
ただ、フィリーネとハルトの場合そうやって駆け引きやっているのも恋愛のうちなのかもしれませんが。少なくともお互いに嫌いとか無関心ではないようなので。でも、自分のほうが主導権握って頭抑えたいから、好き勝手したいからで綱引きしているのはなんともねえ。
メインヒロイン枠であるユーナの方に声をかける、或いは粉掛けるのもこれ好きだから、というよりも選択肢にあがったから必然的に、という感じでまあやっぱりルート入っとくかー的ゲーム感覚っぽいんですよね。昔からの友人ゆえの情はあるんでしょうけれど。表向き男爵令嬢なユーナも、乙女ゲームの主人公らしく実は高貴な身、という裏事情もあるので、こっちもこれ政略狙いでもあるんだよなあ。
むしろ、いつもその所業に対して怒られてるコレット相手にしているときが一番人間相手にしてる感覚に見えてきてしまいます。

さて、肝心の星間戦争はその有り余る魔力を動力源に、イゼルローン要塞みたいな巨大宇宙要塞を動かすことになるハルトたち。移動要塞って、ぶっちゃけ天体級宇宙戦艦じゃないの、これ?
並の艦船では小舟を蹴散らすような戦力差。同じ移動要塞相手でも、超弩級戦艦と前弩級戦艦くらい差があるんじゃなかろうか、というくらいハルトの魔力で動かせる要塞の巨大さ、起動できる兵器の質と量は途方もなく、敵味方両軍が正面衝突しているなかを、ハルトの要塞が敵軍を真横にぶち抜いていき端から艦隊を一つ一つ壊滅させて戦域の端から端まで突っ切っていくシーンは、すげえスケールなのだけれど相手からしたら溜まったもんじゃないよな、これ。
本来なら、これだけ敵の主力艦隊壊滅させたらそれだけで戦争勝ったようなもののはずなのに、この最後の決戦はハルト個人としては戦術的にわけのわからない勝ち方をしているにも関わらず、戦略的には大敗北してしまうんですよね。戦争の行方は霧の向こう、ハルトも最大の武器を喪って、なるほど依然ハードモードである。

僕が答える君の謎解き 2.その肩を抱く覚悟 ★★★★   



【僕が答える君の謎解き 2.その肩を抱く覚悟】  紙城 境介/羽織 イオ 星海社FICTIONS

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明神さんの推理が間違ってるかもって、少しも思ってないでしょ?

生徒相談室の引きこもり少女・明神凛音は真実しか解らない。
どんな事件の犯人でも神様の啓示を受けたかのように解ってしまう彼女は、無意識下で推理を行うため、真実に至る論理が解らないのだった。
臨海学校に参加する凛音の世話を焼く伊呂波透矢だったが、ふたりは深夜に密会していた疑惑をかけられてしまう。
立ちはだかるのは35人の嘘つきたち。
誰も信じてくれない凛音の推理を、透矢は証明することができるのか。

本格ラブコメ×本格ミステリ、恋も論理も大激突の第2弾!


いい子だなあ、紅ヶ峰。この2巻は、彼女こそが華だった。
華と言ってもまっさきに目を引く咲き誇る華ではなく、ひっそりとでも深い存在感を示す一輪の花のような咲き方だったけれど。
いい加減に生きてるようなキャラのようで、紅ヶ峰は誰よりも誠実であろうとしている。それは、このシリーズ冒頭で凛音を貶めた悪戯を、彼女自身が痛く後悔しているからだとしても。それは心改めたというよりも、自分のやったことの醜さ、惨めさに打ちひしがれたからなのだろう。こんな自分は嫌だ、という思いが彼女を駆り立てているように見える。
だからだろう、2巻後半で自分がやってしまった致命的な行為に落ち込む透矢を慰めるのではなく、叱咤激励した彼女の選択は気高くすらあった。
それはきっと、透矢につけこむチャンスであったはずだ。でも、この娘にとって透矢を好きという気持ちと同じくらい、凛音が自分を認めてくれたこと。友達という関係になったことを大事に思っているようでした。
紅ヶ峰が普段からつるんでいる二人のギャルに対して、友達と言えば友達だけどそんな大した関係じゃないと明言しているのに比べて、明神凛音と友達になったという事実はお互いぶつかりあった結果なんですよね。踏み込まず上辺だけの薄っぺらい関係でなあなあで済ましているのではない、自分の力で自分の言葉で、今まで自分のことなんか名前も覚えてなくて認識すらしていなかった凛音に、自分のことを否応なく思い知らせた。認めさせた。そんな初めての、本気でぶつかった相手だったのだ。
最初から、恋敵だとわかっている。それでも、凛音に認識されたのは嬉しかったし、お互い意識し合う関係は気恥ずかしくも楽しかった。友達だと、思っている。
そんな相手だから、この娘は正々堂々ぶつかりあう事を選んだのだ。逃げることなく、卑怯な真似をしてかすめ取るのでもなく。
そんな紅ヶ峰亜衣という娘の踏み出した姿は、気高くすら感じるものでした。カッコよくすらあったのでした。
一歩進み、一歩踏み込んだ凛音と透矢の関係ですけれど、それを後押ししたのは間違いなく紅ヶ峰でした。彼女の葛藤、懊悩、勇気、すべてが誠実で眩しかった。それは、確かに「華」だったのです。
和花暮は、完全に紅ヶ峰のこと見縊って見損なっている。和花暮は人にレッテルを貼り付けるのは上手いのかもしれないけれど、そのレッテルを貼り付けた相手の中身に何が詰まっているのかを、まるで見る気もないのだ。理解する気も、とっくの昔になくしている。
その意味では、和花暮が透矢を自分と同類と分類していたのも間違いではないと思うんですよね。彼は他人にレッテルを貼り付けるような人間ではないけれど、逆に言うと何も貼り付けない人間のようにも見える。自分の中の推定無罪という絶対善の定義にこだわり、その枠に他人を押し込める。型にはめ込んで判断する、というタイプだったように思える。彼もまた、本質的に他人の中身なんか理解する必要がないと考える側の人間だったんじゃないだろうか。事実さえあればいい、客観的な事実さえ積み重ねていけば、答えは導き出される。
でも、そのこだわりは凛音と深く関わっていくことで段々とズレを生じさせていく。いつの間にかもう、彼は彼女の苦しみに共感して、踏み込んでしまっていた。彼女への情が生まれ、彼女のことを信じていた。信じていたからこそ、彼女の言葉を信じなかった。凛音の正しさを客観的な事実ではなく彼女の人間性の方を信じて、否定してしまった。
凛音が、透矢に信じてほしかったものは、違ったのにね。いや、違っていたんだろうか。少なくとも、お互いもう出会う前の二人ではなくなってしまっていたのに、以前と変わらないままのつもりで続けようとしたからこその、致命的な錯誤であったように見える。
それでも、以前のように諦めて逃げずに、自分の力で自分の言葉を証明しようとした凛音は、確かに前に進んでいて。紅ヶ峰に発破をかけれた透矢もまた、変わってしまった自分を認めることで、ある意味現実から目を背けた和花暮の停滞を踏み越えられたんじゃないでしょうか。
和花暮がレッテルを貼って書割の駒のようにしか扱わなかったクラスメイトたち。その一人ひとりを生きた人間として、一人ひとりが違った事を考え思って動いている人として捉えたことで、透矢は彼らがついていた嘘を紐解いていく。
肩肘張ってついた嘘じゃなく、普段の生活の中でふとしたきっかけ、タイミングでつく小さな嘘の積み重ね。それは、クラスメイトたち一人ひとりのその日の行動を紐解いて、その性格を、その日の何気ない気分の移り変わりを、感情の様子を、彼らが置かれた状況や事情を、きちんと見つめなければ気が付かない嘘たちだ。一人ひとりを、ちゃんと見なければ紐解けない連鎖であり、行動の積み重なりだ。
「嘘つきはクラスメイト全員」というアオリ文に相応しい、その日起こった事の解体であり、明神凛音の証言の正しさを、唯一嘘をつかなかった彼女の言葉の正しさを証明する、推理劇でありました。

前半の、紅ヶ峰のカンニング疑惑事件も、まさかの事件発生前の犯人指摘にもびっくりさせられましたけれどね。いや、むしろ納得か。凛音の能力からすると、たとえ事件が起こる前でもその材料が揃っていたら、自明の理で犯人が導き出されてしまってもおかしくないんですよね。
ただ、この場合だと起こってしまった結果から、その際に起こっていた状況を鑑みて当てはめ逆算していくことで凛音の推理を推理していく透矢の手法は適用できないんですよね、これ。
まだ事件が起こっていない何が起こるのかわかっていない段階だと、透矢は推理しようがないのですから。推定無罪、以前の問題だこれ。
透矢の信念からしても、まだ起こっていない事件の犯人捕まえて事前に防犯、というのもできないだろうしなあ。いやこれ、犯人に今から何するかわからんけれど、とにかく止めろ! という風に止める事は出来ると言えば出来るのかもしれないけれど。知らんぷりされたらどうしようもないなあ。でも、まだ何もしてない段階から、でも準備を整えて行動に移る用意が完了している段階でそんな指摘を受けたら、抑止効果は発揮できると言えなくもないのか。
でも、今回凛音の能力では、教唆犯まで推理は届かない可能性が高い、という話も出てきて、彼女の能力にも大きな陥穽があるとわかったのは大きいかも。

しかし、今回の話を見ていると実質ラスボスになるのは、明神先生になるのだろうか。ある意味、凛音に閉じこもる鳥かごを用意していたのは彼女なわけですし。


秘密結社デスクロイツ 1 ★★★☆   



【秘密結社デスクロイツ 1】  林 トモアキ/ まごまご 星海社FICTIONS

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「秘密結社デスクロイツ」ーー100年先を行く超科学技術を有し、かつては世界中に支部と魔の手を広げた悪の一大組織は、今やたった5名の街角秘密結社となっていた。

結社廃業の危機を救うため、細々と真面目に悪事を働いていたデスクロイツ四天王筆頭・不夜城織太(ふやじょう・おるた)のもとに、「世界防衛機構ジャスティス」のヒーローたちの正義の手が迫る!

美少女だが性格や言動に難ありばかりのメカ少女&魔法少女&美少女戦士(スーパーヒロインズ)相手に、織太とデスクロイツは悪の組織と矜持を守るため迎え撃つーー!!

『ミスマルカ興国物語』『戦闘城塞マスラヲ』の林トモアキが贈る、誠実悪役主人公VS残念正義ヒロインズのバトルラブコメ、開幕!!

ラブコメなの、これ!? そう言えば作者の林トモアキさんってこれまでたくさんシリーズ書いてきたけれど、その中にラブコメってあっただろうか。【レイセン】でヒデオが死んだ目になってた記憶くらいしかない気がするんだがw
でも、そう考えると同じデスクロイツ四天王の一人、ブラックアリスことクラエは仄かにオルタに恋している子なので、いまだかつて無いくらいラブコメ環境は整っているのかもしれない。
え? スーパーヒロインズの三人? おいおい、まず女子力を人並みの半分くらいは確保してからな(笑
クラエが人並みかどうかはさておいて。

幼い頃、ヒーローに憧れた純真な少年は、今は家業の悪の組織の大幹部、四天王の一人として学業の傍ら細々と悪事を働いていた。
と言っても、家業を嫌がっているわけじゃなく、真面目な性格ゆえか今や零細と化してしまった組織をちょっとでももり立てようと頑張っている。さりとて、野心を燃やしてもう一度デスクロイツを世界的な悪の組織に、などと考えているわけではないようで。地に足がついていると言えばそうなんだろうけど、それでやってる事は悪の組織の幹部なのだから色々と特殊は特殊だよなあ。
それでもオルタに関しては、家族でやってる自営業なんだからそれを維持するために頑張るというのはある種当然なのかもしれないけれど、不思議なのはクラエの方である。怪人であるブラックタイガーさんはデスクロイツが隆盛の頃から残っている古参の人なのだけど、クラエについてはどうもデスクロイツが斜めに傾いてから入ってきた娘のようなんですよね。
なんで悪の組織なんかに入ったんだ? それも、いつ潰れるかわからん斜陽の組織に。給料ちゃんと出てるんだろうか。デスクロイツって収入、首領である姉ちゃんの百合エロ漫画の原稿料と親父であるマッドサイエンティストの発明品くらいなんじゃないか? これだと一家族養うので精一杯なんじゃないだろうか。偶にでっかい悪事に成功すると、どこからともなく利益を得た企業体から賄賂が流れてくるみたいだけどw
いつか、ブラックアリス加入のエピソードも描かれるんだろうか。
ちなみに、組織で一番やべえやつは満場一致で姉ちゃんであるブラックアビスである。でも、組織の首領としてよりも、漫画家としての方が姉ちゃんやべえよなあ。スーパーヒロインズをひっ捕らえてきた際に、口にも出せないむごたらしい仕打ちwを彼女たちにやりまくってるのって、首領としてじゃなくて漫画家としてですもんね。
そして、世間一般にスーパーヒロインズの百合エロ漫画が公開されていく、というトドメw
ちゃっかり、そのスーパーヒロインズがモデルとなったエロ漫画を楽しみにしているオルタくんはちゃんと男の子していてかわいいです。そして未成年にも関わらず十八禁漫画を読んでいるオルタくんは、さすが悪の組織の一員!とも言うべき悪行!

そのオルタたちデスクロイツのささやかな悪行を食い止めんと、というよりも悪の組織をぶっ潰して名をあげようという正義の心はどこへやら、むしろ功名心名誉欲ライバルより目立ちたい、という正義の味方としてなかなかにガバガバなメンタリティを持ったヒロインズの襲撃!
もうこれ、襲撃と言った方がいいですよねですよね?
うん、ヒロインズと言うけれどヒロインか?と言われると全力で苦笑しちゃいますよね、女子力! そして可愛げが足りない、圧倒的に皆無!
残念ヒロインと言われるのもむべなるかな。
色々と我欲むき出しすぎだろう、この娘たち。そして本来なら能力的にはかなり強いにも関わらず、むしろその残念さ故にデスクロイツことオルタくんにあっさり負けてしまうその残念っぷり。オルタ、別に悪辣で狡猾な罠、とかそこまでえげつないの仕掛けてないですもんね。ちゃんと悪の組織らしい大胆な割り切りっぷりは見せてますけれど、地道と言えば地道ですし。
果たして、この端から端まで残念極まるこの娘たちを相手にラブコメとか出来るんだろうか。
ヒーローと悪の組織として対峙対戦するだけだった一巻と違って、次からはヒロインズの私生活の方に切り込んでいく様子なので、プライベート同士でかち合うことで本格的にラブコメがはじまる、とイイなあというくらいのニュアンスで。
しかし、メカ系の装備装着ヒーローに魔法少女はわかるんだけど、最後の美少女戦士ってジャンル的に曖昧ですよね。これセーラームーン系っぽいんですけど、セーラームーンってそもそもカテゴリーとしてはどこになるんだ? 将来的にプリキュアに至る変身ヒロイン系にあたるんだろうか。
考えてみると、それぞれジャンルが違うヒーロー系ヒロインがチームになってるのって、こうしてみると面白いなあ。いや、チームというにはチームワークが酷いけど。彼氏とか居たら無理やり別れさす!とか言ってる怖い人達だけどw







僕が答える君の謎解き 明神凛音は間違えない ★★★★   



【僕が答える君の謎解き 明神凛音は間違えない】  紙城 境介/羽織 イオ 星海社FICTIONS

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本格ラブコメ×本格ミステリ、開幕!

生徒相談室の引きこもり少女・明神凛音は真実しか解らない。
どんな事件の犯人でもまるで神様の啓示を受けたかのように解ってしまう彼女は、無意識下で推理を行うため、真実に至ることができた論理が解らないのだった。
伊呂波透矢は凛音を教室に復帰させるため、「彼女の推理」を推理する!

『継母の連れ子が元カノだった』の紙城境介が紡ぐ新たなる勝負作!

紙城先生、ほんとジャンル問わずに上手いよなあ。【継母の連れ子が元カノだった】が代表作となった紙城先生ですけれど、その書籍デビュー作は「ミステリー」でした。それもファンタジー世界における魔法を使った殺人事件、千年の因縁と祈りを紐解く超歴史的殺人事件というミステリー。
これがまためちゃめちゃ面白い、という以上にストーリー展開にしても演出にしても凄く巧かったんですよねえ。
そして再び今作にてミステリー作品と来た。体裁こそ日常や学生生活の中で生じた謎を解く日常ミステリーですけれど、本作が生半可なミステリーと異なっているのはあらすじからも明らかでしょう。
これは犯人や真相を推理するミステリーじゃない。過程をすっ飛ばして「天啓」によって導き出された真実、その真相に至るために演算されたはずの「推理」を「推理」するミステリー。

明神凛音は真実しか解らない

計算機に数字を打ち込めば、計算式をすっ飛ばして答えが出てくるように。
コンピューターに数値を入力すれば、その過程を内的に処理して答えだけを出してくれるように。

凛音は自分でもなぜ解ったのか解らないまま答えを導き出してしまう。それが真実、でも真実を証明するすべはどこにもなく、過程がわからない凛音自身にもそれを証明する事は出来ない。
なかには凛音に超常的な能力があると思い込み、それを「天啓」と呼んで神からの託宣や預言のようにありがたがる者すらも身内から出てしまう始末。
しかし彼女の能力はそんな神がかりのものではなかった。ただ、得られた情報を無意識下でスーパーコンピューターが演算するように超高速で処理し……瞬時に推理していただけ。いや、その能力ですら余りにも人間離れしていて、人間はそれを認められない、人の社会はそんな形で導き出された真相、答えを受け入れられるように出来てはいない。
そのため明神凛音は人の社会から孤立していた。自分のあり方が誰からも受け入れられず、理解されないと諦めていた。当然だ、明神凛音自身ですら自分の「天啓」を理解できなかったのだから。
どれだけ真実を話しても誰も信じてくれない、誰も話を聞いてくれない。
そうして世界と自分とを隔てて引きこもろうとしていた彼女の前に、一人の少年が現れて自分は弁護士志望だと告げた上で言ったのである。
弁護士とはこの世で最も、話が通じる人間のことだ、と。

推理の工程を、語らなければならない。答えへと至る筋道を示さなければならない。彼女が言う「自明の理」を、誰にでもわかる形で解き明かさなければならない。

そうして二人の事件簿がはじまった。明神凛音の誰にも理解できない「推理」を「推理」する謎解きが。
それは通常のミステリーとは真逆の工程をたどる。まず、答えが提示され、そこからなぜその答えが導き出されたのか、明神凛音に入力されたであろう「情報」を、真相に至る材料となった情報の収拾とブラッシュアップを行い、真相から逆算して「情報」を当てはめ、答えに至る筋道を、方程式を構築していく。
これがまた、べらぼうに面白い。通常の謎解きの工程を辿らないので、思わぬ展開、思わぬ思考の方向性、思わぬ発想気づきが思わぬ所から飛び出してくる。
ただ得ただけでは意味を捉えきれない情報材、それがどんな意味を内包しているかを読み解いていく、それが連鎖的に繋がっていく。
そうして見事に論理的に「推理」が構築され、明神凛音が明示した「真相」に至ったときの痛快感。なるほど、これは方程式だ。穴埋めのパズルだ。

それに。
答えを出した明神凛音が、お手並み拝見とばかりに高みの見物、をしてるわけじゃないんですよね。
真相を、犯人を暴いた張本人である凛音も、自分の「推理」がどういう筋道を辿ったかまったくわからないために、立場としては透矢と同じなんですよね。なので、透矢と一緒に自分の「推理」を推理していく相方となりコンビとなり、相棒となっていくんですね。
さらには、真相に至る「推理」の形に辿り着いた透矢に疑義をただす役回りすら担うことになる。
自分の出した答えを証明してくれる透矢に、なんでそうなるのか、なぜそんな風に考えられるのか、なんでそんな答えに至ったのか。わからないこと疑問に思ったこと理解できないこと、それを透矢に問いただして、理解を、納得を得ていくのである。
これ、考えてみると錯綜してるんですよね。倒錯、と言ってすらいいのかもしれない。この瞬間、伊呂波透矢という少年は明神凛音当人よりも明神凛音の思考を、考えを、無意識の領域を、明神凛音の一番奥底を理解している、掌握している、把握している、という事なのですから。
自分自身よりも自分のことを「解っている」男の子。どれほど鋭く瑕疵と思われる部分を突いても、疑念を生じさせても、彼は明朗に自分の無意識下の思考を正確にトレースして語ってくれる、話してくれる、証明してくれる。
彼こそが、明神凛音を暴き出してくれる。解き明かしてくれる。
この時明神凛音が感じている感覚は、いったいどんなものだったのか。想像するだけで、ゾクゾクしてくれるじゃないですか。
そもそも、諦めきっていた彼女を動かした透矢の言葉がまた必殺なんですよね。きっと彼女の頑なになっていた心に残っていた柔らかい部分をブスリと貫く一言だったでしょう。あまりにあまりに強力な言葉。これ以上強力な「口説き文句」はなかったでしょう。
このジゴロめ。
まあ常々凛音が告げる「気持ち悪い」というセリフもわりと本音な気もしますけどね。いや、実際その日の出来事を詳細に日記として記録してるとか、それも周りの状況や人の反応、行動を正確に記録してるとか。
彼の過去の経験が、彼に強烈な弁護士志望という動機を与えたのと同時に、「証明」という行為に対する執着、執念を産んだ結果、というのもわかるのですが。
客観的に見て気持ち悪いですww

まだラブコメ方面は心の側に踏み込む度合いが少なく、ミステリーの謎解きに寄った構成でしたけれど、結構無造作に凛音に致命傷めいたクリティカルを繰り出してますし、チビギャルこと紅ヶ峰亜衣との微妙な距離感……紅ヶ峰が自分の複雑な気持ちを質しきれずにかなり不安定な攻め方してるのを透矢がまったく理解していない、という微妙さですけれど、この人間関係の描写の妙は紙城さんの得意とするところですから、これからの展開はそれはもう期待大です。
凛音からして、この計り知れないキャラは面白すぎますからね。この娘、ひそかに蛮族だろw


フェノメノ 肆 四回廊事件3   

フェノメノ 肆 四回廊事件 (星海社FICTIONS)

【フェノメノ 肆 四回廊事件】 一肇/安倍吉俊 星海社FICTIONS

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―美鶴木夜石を、まともな女子高生にする。そんな決意も新たに夜石との同棲生活を始めたナギだったが、ふとした弾みで出会った心霊写真売りの小学生の女の子・七森赤音から売りつけられた“とっておき”の写真が、二人の暮らしに新たな怪異を呼び寄せる―!一筆×安倍吉俊のタッグが描き出す、ありとあらゆる怪異を詰め込んだ極上の青春怪談小説、急展開!
誰もが顔を背けて、もう終わってしまっているのだと言う。誰もが諦め、もう助けることは叶わないのだと忠告する。そんな多くの声に耳をふさぎ、止めようとする人たちに目も向けず、厳然と横たわる現実を無視して、もはや手遅れであろうものにしがみつこうとするなど、愚か者の所業である。しかし、得てしてそのような道理も弁えない、常理を理解できない、本能にすら従わない愚者こそが、既に終わってしまっていたはずのものをひっくり返してしまうのだ。彼らの愚直さが変えるのは、決して道理や現実ではない。終わることを受け入れた、地獄たる事を受け入れてしまった人の心をこそ変化させ、終わりという沼に浸したその心身を、這い上がらせる。そう、決して都合の良い偶然が起きたわけではない。ひたむきな努力こそが、献身的なコミュニケーションこそが、助けたいという願いが、終わらせたくないという祈りこそが、止まってしまった心を動かし、凍ってしまった魂を溶かすのである。
そんな奇跡を成し遂げる愚者を、私は真摯に尊敬する。そして、この物語の主人公であるナギもまた、そんなすくい難く得難い愚者の一人だ。
彼岸に心を寄せてしまった夜石には、もう傍目からはうかがい知れるほどの感情の波は見えない。時折物事の終わりの折にポロリとこぼす人を思いやる優しい言葉から、彼女の塗り固められた泥の奥にある素の姿を垣間見るのみだった。それだけでも、十分幸せな気持ちになれたのだけれど、この第四巻で見せた夜石の慌てて恥ずかしがっているあの顔は、ただの十代の多感な女の子のそれで、それを見た時の感動たるや……。そして、ネットワーク上で彼女が記した、偽りのない真の想いを目の当たりにした時の、胸の詰まるような思いたるや……。
私には今のところ、夜石がナギの望むようなまともな、普通な女子高生に戻れるとは思わない。どれほど穏やかな日常を過ごそうと、彼女が一度浸った闇はこびりついて生涯離れないだろう。夜になる度に、光の届かない影に入るたびに、彼女には陰がつきまとう気がする。魔が取り巻く気がする。
それでも、もし信頼できる相手が傍に居てくれるなら。彼女の闇に怯えない者が常に寄り添ってくれるのなら、まともではなくても幸せな時間が訪れると思うのだ。たとえ、いつか闇に取り込まれ、此岸から消え去ってしまうのだとしても、とても大切なものを、優しいものを、笑って思い返せる思い出を、残せると思うのだ。置いて行かれてしまった者に、後悔や絶望だけではない、温かなものを。
それだけの、確かな気持ちを夜石に取り戻させたナギは、どれほど愚かで馬鹿で短絡的で考えなしだったとしても、尊敬に値する。
……でも、だからこそ、そんな彼だからこそ、その娘を前にした時に無視できなかったのだろう。それを見捨てるということは、彼にとって夜石を見捨てるに等しい事だったのだから。夜石に親しい境遇にある彼女を見捨ててしまえば、もう胸を張って夜石の腕を掴んでコチラ側に引き戻す事が出来なくなるだろうから。
だから、この結果はもう必然のようなものだったのかもしれない。だが、ナギにとっても、夜石にとってもこのラストはあまりにも残酷すぎて、未だ衝撃さめやらない。これは、早々に次巻にとりかからないと。

シリーズ感想



遙か凍土のカナン 1.公女将軍のお付き3   

遙か凍土のカナン1 公女将軍のお付き (星海社FICTIONS)

【遙か凍土のカナン 1.公女将軍のお付き】 芝村裕吏/しずまよしのり 星海社FICTIONS

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公女オレーナに協力し、極東にコサック国家を建設せよ。
日露戦争屈指の激戦・黒溝台の会戦で負傷した新田良造。帰国後、彼にもたらされたのは、不可解な叙勲と、可憐なコサックの公女だった……。
広大なユーラシア大陸を舞台に、大日本帝国の勇敢なる騎兵大尉にして、“一人目のアラタ”新田良造の戦いが始まる──。
『マージナル・オペレーション』のタッグが放つ凍土の英雄譚、ここに開幕!
ああ、時代だなあ。
いきなり日本語が変になってしまいましたが、現代と違うその時代特有の空気感を嗅いでしまうと、ついそんな感慨が湧いてしまうものです。前半の血で血を洗う大陸を舞台とした日露戦役に、戦後の浮ついたどこか忙しなさに包まれた明治最後期の日本。そんな時代背景をふわふわと地に足を付けないまま彷徨っている一人目のアラタ、新田良造という青年将校。時代に馴染めていない、というのではないでしょう。戦場での経験が彼を時代に合わせる事の出来ない精神構造にしてしまった、というのもちとそぐわない。何しろ、大陸で銃火を潜っているその時から、どうも彼には現と剥離した気楽なものがあったように見える。まあ、気楽と言うには随分と気分も重々しく鬱々と楽しまない性格の持ち主のようだけれど。
結局のところ、彼はそもそも流離う人のように見える。馬の背に乗り、明確な目的地なくどこまでも駆けて行ってしまうような、一所にとどまれず、執着出来ず、拘れず。
なるほど、狭い島国の窮屈な組織に留まるよりも、何のしがらみもない大陸で自由に浪人でもしていた方が似合いそうな御仁だ。一方で、だからこそか、自らしがらみに囚われたがる気質にも見える。執着しない性格だからこそ、意固地なまでに信念に拘ろうとしているようにも見える。
つまるところ、勝手な人物だ。手前勝手に押し付けて、相手の気持ちを考えているようで勝手に自己完結してしまっている人柄である。なまじ温厚篤実で誠実で、優しく頭脳も明晰、曲がっていない人だからこそ、悪者になれない人だからこそ余計に質が悪い。
内縁関係にあった女性が、彼に対してどういう気持ちを抱いていたのか、想像に難くない。彼女の不貞が発覚した後、彼が見せた態度、彼が残した手紙を前に、どのような想いを抱いたかだろうことも。凄まじく残酷な男である。
オレーナに対する態度もまあ……優しさというナイフでザクザクと切り刻むような残虐さにおののくばかりだ。オレーナが泣く度に胸が痛む。結局のところ、彼は自分の信念にプライドを満足させているところがあって、勿論オレーナという異国から救いを求めてきた少女の事を最優先で考えているのだけれど、それは彼の信念に基づくイメージの産物であって、少女の気持ちについてはほんとうの意味で考慮はしてない。彼の意思、覚悟、罪悪感や後ろ暗さはあくまで彼自身のものであって、彼女の気持ちには何の関係もない事については頭にもない。その意味では彼もまた、男性本位の時代の男であるのだ。
もっとも、その価値観は「アラタ」のものであって、時代に沿う価値観とはまた別のモノ、という気もするのだけれど。

一方で、確かに良造の価値観はまさに幕末の動乱期から明治・大正へと移り変わっていく時代の男のもので、現代のものとはかけ離れた部分が随所に垣間見える。でも、これは自然なんですよね。昔の時代を今の価値観で捉えて、それで人を動かそうとしても気色の悪いことになるばかり。だからこそ、この作品からは正しくその時代の「匂い」が漂ってくる。
芳しい、スルリと馴染む空気の香りだ。まだ大陸で、何者でもないものが自由に地平線の向こうまで闊歩できる時代である。それは、動乱の隙間にわずかに存在しただけの時代かも知れないが、確かに実在した遮るもののない時代である。そこに、まだ幼くも毅然とした姫君の伴をして飛び込んでいく、冥利に尽きる男の旅路。そこにどんな陰謀や思惑がまとわりついていようとも、その根底にあるのは実にシンプルな理論だ。一人の少女を幸せにするために、生命を尽くす。まさに、男子の本懐である。その為ならば、当の少女をどれだけ泣かせてしまおうと、まあ瑣事である、と言ってしまっては酷な話か。こればっかりは、泣いてる当人が自分で頑張ってぶっ飛ばすべき問題なので、あとは姫様次第であるか。

芝村裕吏作品感想

フェノメノ 参 収縮ファフロツキーズ 3   

フェノメノ 参 収縮ファフロツキーズ (星海社FICTIONS)

【フェノメノ 参 収縮ファフロツキーズ】 一肇/安倍吉俊 星海社FICTIONS

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「人は、悪意の塊(かたまり)なの」
かつて皇鳴学園中に「読めば死ぬ」忌み語をまき散らし、学園から消失した彼岸と対峙する少女、篁亜矢名。彼女の存在に魅入られた五年前の日々を回想するオカルトサイト管理人・クリシュナさんが語る亜矢名に、美鶴木夜石の闇色の目は妖しく輝く。それが、夜石の失踪事件の始まりだった――!
一肇 ×安倍吉俊のタッグが描き出す、極上の青春怪談小説フェノメノ 参 収縮ファフロツキーズ、〈ファフロツキーズ〉編、ついに完結!

正直、篁亜矢名という一連の怪異の黒幕と思しき人物の登場には、恐ろしさよりもむしろ安堵を覚えてしまったのは変だろうか。確かに、この女性の好意と悪意をコインの裏表のように貼り付けた中身の見えない不気味さは怖いとは思ったけれど、篁亜矢名という「未知」より本当に何者か分からない正体不明の「未知」の方がやっぱり怖かったんですよ。前巻でナギをじっと見つめていた視線。あれは、誰のものかわからないからこそメチャクチャ怖かったんですよね。それが少なくとも、この篁亜矢名のものだとわかると、ちったあ心構えが出来るじゃないですか。本当に何なのかわからないものに見つめられているとなると、読んでいるこっちまでついつい後ろの気配をうかがってしまうような空恐ろしさにさらされていましたからね。
それでも、当事者からすると視線の正体がわかったところで恐怖は一切薄れるものではなかったようです。なにしろ、その人物は既に五年も前に行方不明になり、おそらくはもうこの世に居ないはずの人間だったのですから。クリシュナさんの回想から語られる彼女の姿は、クリシュナさんが向ける親愛の情と恐れ慄く恐怖感が入り混じった斑状に彩られ、その心情は想像で思い描くしか無い。それでも、じわりじわりと滲みだすように滴り落ちる悪意の純度だけは、近づくだけで汚染されそうな完全な闇であり、悍ましさだった。
それは、彼女が彼岸の住人となってしまっていたから、あちら側に魅入られてしまっていたから、というだけではないのだろう。ハッキリ行って、彼女にはそんなあやふやな境界線上を彷徨う儚さは微塵も感じられない。さながら、悪霊のようなものである。
はたして、そんな彼女と夜石を並べて比べるというのは、見る目がないんじゃないだろうか。クリシュナさんは、同じく彼岸の側の住人だから、と少なからず同一視、とまでは行かないまでも、危うさに関しては同質だと思っていたようだけれど、彼女には常人を闇へと誘いこむような意思は何処にも感じられない。それどころか、自分からナギを遠ざけようとしたことも度々だった。今回だって、彼女が一人で行ってしまったのは、彼女一人だけっで完結しようとしたのではなく、むしろ他者を慮っての事だった、とかんがえるほうが自然である。だからこそ、ナギは誘われたのではなく、追いかけたのだ。ついに、踏み入ってしまったのだ。決して、わたってはいけない境界線を跨ぎ超えてしまったのは、紛れも無く彼の意思であり、夜石を連れ戻すためだったのだから。

「人は、悪意の塊(かたまり)なの」

この言葉ほど、美鶴木夜石という少女から程遠いものはない。それだけで、美鶴木夜石と篁亜矢名は全然違う。ナギに向けて彼女が発した、あの真摯な言葉は、何よりも彼女の人間としての光を湛えていたと感じさせられた。あの場面で、あんなに心が暖かくなる言葉がこぼれだしてくるなんて、思ってもいなかっただけに、ナギがどれほどガツンとやられてしまったのか、痛いほど伝わってきてしまった。これまで、夜石という特異な触れるのも危うい少女とどう付き合うべきか、常に悩み迷い恐れビビっていたナギだけれど、これで全部吹っ切れたんじゃないだろうか。結局、彼女から離れられなかった自分を、後悔する事無く全肯定できたんじゃないだろうか。これからは、彼は胸を張って彼女と「友達」でいつづけることが叶ったような気がする。もっとも、これからも何度も恐ろしい目にあって、その度になんでこんな娘と一緒にいようとしてるんだ自分は、と頭を抱える事になるんだろうけれど、この勇気あるヘタレくんは。それでも、もうほんとうの意味で後悔する事はないだろう。その意味では、彼が跨いでしまった一線は、彼岸と此岸のそれだけではなかったはずである。
そして、夜石の方もナギと友達で居ようとする意思を持つということは、彼岸の彼方へとフラフラと消えてしまうような真似よりも、もっと大事なことがこちらがわで出来た、という事で……ちょっとだけ、安心した。

無事、一連の篁亜矢名に纏わる災厄は、これにて収束した……と思いきや、夜石の指摘が解決したと思われたこの事件の様相を一転させてしまった。そもそも、あの篁亜矢名の従姉妹だという少女に関しては、結局触れられないままでしたもんね。何も終わってないどころか、まだ始まったばかりだとすら思える実にスッキリしない良いモヤモヤエンドでありました。まったく、ホラーらしい結末ですわ。そして、次なる恐怖に続く、っと。

シリーズ感想

マージナル・オペレーション 033   

マージナル・オペレーション 03 (星海社FICTIONS)

【マージナル・オペレーション 03】 芝村裕吏/しずまよしのり 星海社FICTIONS

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そして、仲間たちの血は流れる──。
新宿を恐慌に陥れた戦いの後、アラタたち一行は日本を出国し、タイへと降り立った。その地でアラタを待っていたのは、“子供使い”の悪しき影響で横行する少年兵を使ったビジネスと、“あの男”との思わぬ形での再会だった。再び、ファンタジーで現実を壊すべく、戦いに身を投じるアラタだったが、わずかな油断が、子供たち──そして、彼を愛した女の命を窮地に陥れてしまう……。熱帯の戦場に血飛沫が舞う、緊迫の第3巻!
これは確かに完全にアラタのミスだなあ。それも、単なる判断ミスや油断というよりも、根本的に自己評価が間違っている点と他人の気持ちや心情を察することの出来ない鈍感さが招いた破綻だったような気がする。勿論、自分を過大に評価してしまう事は大きな被害を招く理由になるけれど、自己の過小評価もまた客観的な判断が出来ていないという点で状況判断にミステイクを起こしやすいという意味では大した違いはないのかもしれない。アラタは自分の能力と影響力について賞賛を受けたがらないあまりに、過剰に自分を卑下する傾向があるけれど、自分の名声と能力が他人にもたらす影響というものをもっと真剣かつ深刻に考えていれば、この事態は避けられたんじゃないだろうか、と思わざるをえない。
ただ、どうもこのあたり、意識が足りないとか現実逃避というよりもアラタという人間がそもそもそういう考えを巡らせられない、想像できない欠落を持っているんじゃないか、という風にも見える。どうも、治るように見えないんですよね、他人の感情の特定の領域部分を全く理解できていない、というのは。決して人の心がわからないというわけじゃないんだけれど、恋愛感情にしても嫉妬にしても憎しみにしても、ある一定の熱量を持った感情をぶつけられても、全く認識出来ていないような素振りがつきまとっているのである。さて、それが自分という人間はそれほど強い感情を向けられるに値するだけの価値はない、という自己評価の低さが根底にあるのか。それとも、人の心がわからない後付の理由として、そういう風な設定を自分の中に構築しているのか。
何れにしても、後悔してもし切れないほどの取り返しの付かない失敗をしてしまったアラタ。喪ってしまったものの大きさに打ちのめされている暇もなく、彼の前には彼を中心にして稼働し出した巨大なシステムが誕生してしまった。子どもたちを守るため、子どもたちに未来を与える為に、子どもたちを戦場に送り出す矛盾したシステムが。
果たして、彼は壊れずに居られるのか。それとも、もう既に壊れてしまっているのか。ラストから、平素と変わらないように見えてどこか乾ききって温度が感じられない空気をまとうようになった気がするアラタの今後に、身震いするような薄ら寒さがまとわりついて離れない。こればっかりはもうジブリールに頼る他ないんだろうけれど……、この娘兵士としてはともかく、女性としてはかなり脆いというか、粘れずに泣いてしまうところがあるので、こうなってしまったアラタに果たして訴えかける事が出来るのか、ちょっと不安なんですよね。

1巻 2巻感想

マージナル・オペレーション 023   

マージナル・オペレーション 02 (星海社FICTIONS)

【マージナル・オペレーション 02】 芝村 裕吏/しずまよしのり 星海社FICTIONS

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次なる戦いの地は、日本!
中央アジアでの戦いを経て、一年ぶりに日本に降り立ったアラタと2ダースの“子供たち”。彼らを待ち受けていたのは、空港での通り魔事件と、日本の国家組織を名乗る謎の女性“イトウさん”だった──。通り魔事件、イトウさん、新興宗教、そしてかつての上司と同僚……全てが結びついたその時、アラタは東京の市街での作戦遂行を決意する──。『ガンパレード・マーチ』の芝村裕吏が奏でる“現代の神話”、堂々の第二楽章開幕!
こうして見ると、日本という国は暮らしやすい国だとは思うんだけれど、それにはまず最初から日本という国に所属している必要があって、後から入ってきて生活基盤を構築するというのが非常に難しいところなんだよなあ。一個人や一家族ならば、それでも努力や環境の選択次第で何とかなるんだろうけれど、アラタの連れてきた子供たちみたいなケースだと途端に最難となってしまう。まあこういうケースの場合、日本だけがダメ、というわけじゃないんだろうけれど。
最初から、アラタも日本で子供たちを受け入れて貰えないか、と期待していたわけでもなく、そもそも一度外を見てきた事で、果たして子供たちが健全に育つ環境として、この国が適しているか、についても疑問を覚えてしまう。
ただ、どうかな。そういう教育環境としてこの国はアラタが思っているほど悪いとは思わない。ああいうモラルとかいうのは、周りの大人やコミュニティがしっかりしていてまともだったなら、往々にちゃんと育つものだし、アラタやオマルが付いているなら、それはそんなに問題じゃないんですよね。それなら、戦地にいて戦塵と人死に塗れるよりもよほどマシな環境だろう。だったら、なぜアラタがこうした点を危惧してしまっているかというと……他にちゃんと責任をもって子供たちを守ってくれる組織や環境があったなら、彼は子供たちを任せてしまう気満々だ、というところに問題があるのでしょう。結局、彼は子供たちを自分が守っているのは緊急避難だ、という意識が何処かに根ざしているんじゃなかろうか。最後まで面倒を見る、という意識がどこか欠けているきがするんですよね。ただ、それは当然なことでむしろ放り出さずにこうやって責任をもって子供たちを遣う、という形ではあっても子供たちを守り続けていることはとてつもなくえらいことで、誰にでも出来るという事ではないのです。でも、本当の意味で彼らの保護者じゃないんだよなあ、アラタは。
大人だったら放り出していますよ、という彼の発言は、彼の人間性を表していると同時に彼の子供たちに対する責任感が、愛情は無いとは絶対に言わないけれど、大きな義務感によって培われている事を示しているような気がするのです。
ジブリールの今回の日本訪問における、彼女らしからぬ情緒不安定さは、このあたりのアラタの自分たちに対する姿勢を正確に察していたからなんじゃないかなあ、と思う所で。
異性としてアラタを意識しているから、アラタの自分への接し方が子供に過ぎない事に対して苛立ちが募っている、という向きもあるんでしょうけれど、それ以上に彼女の不安感にはアラタに置いて行かれる、というような観念があるっぽいんですよね。最初、アラタの気持ちからしても彼女のそうした不安は過剰反応だろう、と思っていたんですけれど、上記したようなアラタの子供たちの姿勢に気づくとあながちジブリールの不安も根拠が無いわけじゃなさそう、と思えてきたわけです。
しかし、アラタの立場からすると自分が最後まで子供たちの面倒を見る、と言うことはどうやったって子供たちを戦場に送り込むことに繋がるわけで、出来ればさっさと自分の手元から離してあげたい、と思うのは仕方ないんですよね。対して、子供たちの方はジブリールを含めて自分たちが兵士として戦場で戦うことに全く疑問を持っていない。この齟齬が、この日本訪問でもジブリールを中心とした子供たちとアラタとの微妙な齟齬の起因となっていたんじゃないだろうか。
この齟齬と問題を解決するには、つまるところアラタが戦争以外で子供たちを全員養い教育して育てるだけの財を蓄える事ができるか、に掛かってるんだろうけれど、こればっかりは目処たたんわなあ。

あと、この日本は幾らなんでも物騒すぎです。さすがに、ここまで酷いテロはオウム事件以外この国では起こってないと思うし、これほどの事件を衝動や暴走じゃなく、作戦として行われてしまうような異常な治安状況にはなっていないと思いたい。少なくとも、表沙汰にはなってないし。アラタたちが活躍する余地がある国じゃ、まだ日本はないよなあ。

1巻感想

マージナル・オペレーション 01 4   

マージナル・オペレーション 01 (星海社FICTIONS)

【マージナル・オペレーション 01】 芝村 裕吏/しずまよしのり 星海社FICTIONS

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30歳のニート、アラタが選んだ新しい仕事(オペレーション)、それは民間軍事会社──つまり、傭兵だった。住み慣れたTOKYOを遠く離れた中央アジアの地で、秘められていた軍事的才能を開花させていくアラタ。しかし、点数稼ぎを優先させた判断で、ひとつの村を滅ぼしてしまう。
モニターの向こう側で生身の人間が血を流す本物の戦場で、傷を乗り越えたアラタが下した決断とは──?
『ガンパレード・マーチ』の芝村裕吏が贈る、新たな戦いの叙事詩(マーチ)が、今はじまる!
傭兵とは言っても、ランボーとかスネークみたいなマッチョな兵士やエージェントとは全く違う職種なんですよね、アラタがついた仕事って。ついつい傭兵というと、現場で銃火器を振りかざして戦うのを想像してしまいますし、最近だと【ヨルムンガンド】という武器商人を主役にした作品で、民間軍事会社についてもチラリと描かれていましたが、そこでも直接的に描かれていたのは現場で銃持って護衛や輸送任務に従事していた人たちですからね。容易にそちらが思い浮かぶのが普通で、私も全然戦闘経験皆無の一般人に過ぎなかったアラタが、どうやったら傭兵になんかなれるんだろう、と読む前は疑問に思っていたものでしたが……普通に日本で開かれた会社説明会に参加して試験受けて面接受けて就職しましたよ!?
すげえな、民間軍事会社。こんなに普通に募集しているものなのか? 探したことないけれど。
いや、多分本来なら前職が軍属という人材をこそ優先的に集めるのが普通で、軍務経験の一切ない一般人を、後方従事職どころか前線任務につけるために採用するのは、幾ら適性を洗いだしたからといってそうそう普通には行われないもの、と思いたいんだけれど実際どうなんだろう。欧米の会社なんて日本の常識通じないところあるんだろうしなあ。
ともあれ、なんやかんやで民間軍事会社に採用されてしまったアラタが訓練と称してやらされたのは、腕立て腹筋行軍訓練、なんて肉体的なものではなく……いや、これは実際読んで見てもらったほうが「うぐぐ」となるでしょう。これはまあ、なんというか発想として凄い。完成品をつくり上げるための訓練の思想が普通に思い描くものとまるで違うんですよね。いや、士官教育とか指揮官教育なんて実際詳しく知らないんだけれど、ここまでシステマチックなものではないしょう。そもそも、これって指揮官じゃないですよね。正確にはオペレーター。戦闘管制官とでも評したらわかりやすいのか。現場に立たず後方に座っていながら、リアルタイムで入ってくる現地の情報を俯瞰的に分析し、現場の部隊に指示を出すというお仕事。この作品では「00」という職名になってますけれど、あとがきによればこういう職は実際にはないのだとか。だけれど、情報の収集と伝達の精緻度が極めて高まりほぼ兵士一人一人の状態まで把握し切る現代戦においては、後方に居るほうが現地に居るよりも圧倒的にたくさんの情報がリアルタイムで集まりそれをリアルタイムで伝えることが可能だから、現地の部隊の指揮を後方からとることも出来るわけで。一昔前の戦争と、やり方が根本的に変わってる部分が、こうしたところなんだよなあ。
これも【ヨルムンガンド】から引用するんだけれど、あのアニメで米軍の特殊部隊、SEALSだったっけか? 細かいところは忘れましたけれど、あれと交戦するシーンがあるんですけれど、SEALSも主人公サイドの部隊も現地の地理情報から敵の動きなどを含めた敵情の入手、そこから判断スべき大まかな戦闘方針は、ほぼ現場じゃないはるか後方からの指示に依ってたんですよね。あれ見た時は、凄いなあと思ったものでしたが、こうした戦争のやり方が米軍の下で従事しているとはいえ、民間の軍事会社ですら行えているというのなら、現代の戦争のやり方って、よく戦争を知らない日本人の漠然としたイメージからは、もう既に遥かに逸脱しちゃってるのかもしれませんねえ。
とまあ、この主人公のアラタも、確かにそんな日本人の一人であったはずなのですが、何も知らないということは頑なで未知を受け入れないというケースとは逆に、知らないからこそ何でも柔軟に吸収してしまう、という形もありえるわけです。幸か不幸か、アラタには何も教えられていないにも関わらず、軍事作戦というものに対するセンスがありました。発想が自然に、戦争のやり方に最適化されてたんですね。
ただ、問題は彼が全く自分が戦争をやっているという自覚がなかったこと。これは、もう会社側の訓練と実戦の
境界線を曖昧にする方法が悪魔的というべきか、巧妙極まったせいでもあるのですが、そのせいでアラタは知らず知らずのうちに後戻り出来ないところまで踏み込んでしまっていたのでした。いや、これは後戻り出来ない事はなかったんですよね。会社側は決して枷をつけるために、こういうやり方をしていたのではないし、アラタも辞めようと思ったらいつでも辞めれたはずなのです。しかし、皮肉なことに彼のメンタルが当たり前なくらいに健全だったからこそ、彼は自分がやったことの責任を放り出すことができなくなってしまったのでした。オマルとジブリールという、こんな界隈では得がたいまでの素晴らしい友人と自分を無垢に慕ってくれる子供たちと知り合ってしまったのも、ある意味放り出せも突き放せなくもなってしまった原因なんでしょうなあ。出会いの素晴らしさに感謝するべきか、むしろそれこそが彼をドツボにハマらせたのか。

ともあれ、二転三転の紆余曲折を辿る過程から、予期せぬ結末も含めて期待していた以上に面白かったです。いや、これはほんとに面白いわ。ぐぐっと自分がのめり込んでしまう感覚を味わいました。既に4巻まで出ているのですが、早速既刊揃えたいと思います。

フェノメノ 弐 融解ファフロツキーズ3   

フェノメノ 弐 融解ファフロツキーズ (星海社FICTIONS)

【フェノメノ 弐 融解ファフロツキーズ】 一肇/安倍吉俊 星海社FICTIONS

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「――間違いない。これからヤバいことが起きる」

「もう、美鶴木夜石(みつるぎよいし)とは関わらないこと」
知る人ぞ知る本物のオカルトサイト、『異界ヶ淵』管理人のクリシュナさんの忠告もつかの間、再び俺の前に現れた闇色の瞳の美少女・夜石は呟く。
「なぜ、あの時計はいつも遅れるのかしら」
血の雨が降る皇鳴(こうめい)学園の時計塔、転生する猫、読めば死ぬ呪いの書……。あり得ない場所に、あり得ないものが突如落下してくる武蔵野怪雨現象(ファフロツキーズ)の最中、皇鳴学園の歪みの果てに「もういるはずのない少女」の影が立ち上がる……! 一肇×安倍吉俊のタッグが描き出す、極上の青春怪談小説!!
ファフロツキーズってなんぞや? と思ってたらこれって怪雨現象の事だったんですね。そもそも空から変なものが降ってくる現象を「怪雨」というのも知らなかったのですけれど。しかし、ファフロツキーズって英単語にしてもなんか変なフレーズだな、と思って調べてみたのですが、これって「FAlls FROm The SKIES」の略なんだそうな。英語の略し方も変なのが多いなあ。いやあ、ファフロツキーズってぱっと見でちゃんと読めなくて、ファッ◯ンローズとか読んじゃってて正直申し訳ない。
とはいえ、実のところ件の怪雨現象はこの二巻ではまだ本格的には関わってきていない。物語の導入、或いは今回の一見にまつわる根幹にこのファフロツキーズがあるみたいなんだけれど、実質上下巻になっているようなので、ファフロツキーズが主題になるのはどうも三巻っぽい。
で、この二巻で扱われるのは、学園の中の秘された封印部屋。猫の話。そして呪いの本。
自分、どうしてもオカルトスポットをホイホイと覗きに行く感覚だけはわかりません。なんでまた、ああいうところに好き好んで足を踏み入れようとするものか。しかも、信じていないならばまだともかく、これは絶対にヤバい、という感覚を抱きながらなんでまた入っちゃうのか。オカルトスポットでは前回も廃病院に入っちゃってますけれど、今回の時計塔は前回どころじゃないヤバさでした。これは怖い、ほんと怖い。しかも、自分が通っている学校の中にあるって、ふとした拍子に近づいちゃったらどうするんだ、って話ですよね。時計塔という言葉から抱くイメージとはちょっと異なる建物ではありますけれど、遠くからも見えちゃいますもんね。見たくないと思っていても、ふとした拍子に視線がそちらへ向いてしまう事だってあるだろうに。怖い怖い。
そんな超コワイ場所に足を踏み入れて、何かを連れてきてしまったナギ。その次の猫のお話は、どうもヤバいものに魅入られガチ、というかその共感性故に怪異に好かれるたちでもあるらしい彼が、色んな物に守られていた、というお話。
夜石ってほんとに何を考えているかわからない不気味な少女なのですけれど、あの猫の幽霊の気持ちを「宝物のような記憶」と表現してあげられる時点で、その中身、感性が人から逸脱しているわけじゃないと確信できる。猫の想いと飼い主であったナギの優しさを理解できる子が、彼岸に浸りきっているものだろうか。
むしろ、本当に渡りきってしまった者こそ、今回不気味に蠢いている悪意の影の主のような気もする。かつて、クリシュナさんを精神崩壊にまで追い込んだ事件にまつわる、とある行方不明者。
一瞬幽式のあの子かと思ったんだけれど、どうもクリシュナさんの先輩みたいだし違うらしい。ってか、あの電波娘とその相方ってどうなったんだろう。気になる。
そして、滝田さんが想像以上にたちが悪かった件について。クリシュナさんって案外人を見る目がないというか、お人好しというか、全然信用出来ないじゃんこの人!! 実は良い人、なんてあとで言われても信じないからなw 一応、クリシュナさんに対しては騙してるわけじゃなくちゃんと助けているみたいだけれど、ナギへのあの仕打ちはガチで呪詛紛いだったしなあ。いったいどこまで信じられたものか。
ともあれ、クリシュナさんの過去にまつわる現在進行形の今回のお話の真相は、まだその端緒に触れたばかり。三巻に続く!

しかし、「ろろろ」って単純で意味がなくしかも連続している分、変に凝った名前がついているより怖いよなあ。
……読めば死ぬ本の名前である。
なんかこの本のタイトル、声に出して読むのも怖いぞ。呪われそうでw

1巻感想

フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない 3   

フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない (星海社FICTIONS)

【フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない】 一肇/安倍吉俊 星海社FICTIONS

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「ようこそ、こちら側の世界へ」
夜石に出逢ったやつは七日後に死ぬ。夜石は生きた人間じゃない。夜石が参加したオフ会は恐ろしい結末を迎える― 。 知る人ぞ知るオカルトサイト、『異界ヶ淵』であたかも都市伝説のごとく語られる美少女“美鶴木夜石”に出逢ってしまった「俺」こと“ナギ”。ありとあらゆる怪異を詰め込んだ青春怪談小説を、注目の新鋭・一肇があの安倍吉俊とタッグを組み紡ぎ出す!
……あれ? クリシュナさんって、一肇さんの別作品で名前見たような覚えが。【幽式】の方で出てませんでした? ちょっと内容の細かい部分忘れてしまったので、元の本を探そうとして部屋を見渡して絶望した! こんな魔窟からどうやって発掘したらいいんだ。せめて場所のあたりがついていたら探せるんだが、検討もついていないからなあ。在るのは確かなのだけれど、在るからといって見つかるとは限らない。そんな不思議でもなんでもない不思議。
さて、仕方ないので自分の感想記事などから思い出せる分だけ思い出してみたけれど、キャラクターや物語の構成からして【幽式】のリメイクを意識した部分が見受けられる。主人公がヘタレなオカルトマニアだったり、彼岸に寄って立つヒロインに惹かれて何度も境界線上を行き来してしまっているうちに、自分の中の闇の存在に気付かされていく展開なども。【幽式】は結局一巻で閉じてしまい、続巻は出なかったのだけれどあそこで出来なかった事をもう一度一からスタートしたかったのかな。
そもそも世界観も共通しており、【幽式】では高校生だったクリシュナさんも、今では大学でビートニク研究会部長なんて事をやっている。相変わらずオカルトサイト『異界ヶ淵』を運営しつつ、触れてはいけない闇に首を突っ込もうとする人たちに警告を発し、面倒事に巻き込まれる子たちを世話して回っているようだ。どうも、男の気配がしないのは相変わらずのご様子で。

まあ最初は【幽式】の事はさっぱり忘れて読んでいたので、案の定というべきかただの好奇心で軽薄に怪異に首を突っ込んでいくナギの危機感の無さには不快と不可解さをつきつけられました。冒頭の「願いの叶う家」であれだけ怖い目にあっていながら、なんでまたひょいひょいと恐怖を忘れたかのように話題となっているオカルト話にハマってしまうのか。その時はナギの学習能力の無さというか楽観すぎるところにいらっとさせられるばかりだったのですけれど、冷静になって考えてみるとやっぱりそれって「異常」なんですよね。怖いもの見たさというものはどの人間にも少なからずある感情ですし、オカルトマニアともなれば尚更にその傾向にブレーキが効かない部分があるでしょう。しかし、ナギのそれは前回までの恐怖を一旦リセットしてしまったかのような躊躇の無さがかいま見えたんですよね。勿論、本当に以前に味わった恐怖を忘れているわけじゃありません。でも、覚えているのに躊躇がない……ゾッとしました。
魅入られてる?
普通に考えるなら、彼岸の向こう側に立ってしまっている夜石という少女と巡りあってしまったことが、彼の中の境界線を曖昧にしてしまった、と捉えてしまうでしょうし、クリシュナさんもどうやらそう考えていて何度も彼女との付き合いを考えなおせと警告しているのですけれど……彼が抱えていた事情が明らかになった後に振り返ってみると、前提がどこか食い違っていたことに気付かされるわけです。
「願いが叶う家」に暮らしたことで闇側に片足を突っ込んでしまい、夜石という少女が見ていた光景と同じ物が見える位置にナギが立ってしまい、そちら側に惹かれてしまったと思っていたんですけれど……深度こそ違えナギは最初から「向こう側」に寄っていた人間だったわけですね。だからこそ、夜石という異端に簡単に同調してしまった。クリシュナさんの警告と配慮は最初からやり方を間違えていたわけです。ただ、彼と夜石の邂逅はナギを更なる闇の深みへとハマってしまう危機を招くと同時に、じっと闇の底を覗くばかりだった少女にふと上を向かせる契機にもなったのでした。恐怖するということを喪って彷徨いながらそれを探し続けた少女は、恐怖に縛られ怯え切りながら、しかし逃げ出さない青年と遭遇し彼に覗きこまれたことで、逆に此岸へと意識が向くことになったのです。最初からナギが境界線上に立っていて、彼岸と此岸の両側に馴染んでいたからこそ、その橋渡しとなる存在となり得たのではないでしょうか。
最初に出会った頃から、少なくともオカルトスポットとなっていた病院を二人で探索するまで、夜石という少女は理解の及ばない怪物に近い存在だったように思うのですが、ナギが単なる好奇ではなく真摯な優しさで不気味な怪異にさせられた霊の生前の想いを守ろうとしたのを目の当たりにした時から、彼女は変化したような気がします。ただじっと覗きこむ者から、自らを変えてでも彼岸と此岸の間で固まったものを動かそうとする者に。意味と解釈を書き換えてまで、既に定まっていた形を変えようとする行為は、終端に至っている彼岸の側には行えない行為。病院の件でナギを助けようとした行為も、ナギを自身の闇から救い上げ、また彼岸の向こう側に安息を見出しながらも彼が差し伸べてくれた手をとって此方側に戻ってきた姿も、クリシュナさんが評したような彼岸の側に立っている存在では有り得ない在り様なんですよね。
悪意を避け、恐怖を見失い、自分の存在も拠り所も見失って現世を幽霊のように彷徨っていた少女にとって、ナギという存在は寄る辺となり得るのか。少なくとも、諦観の中に在った彼女をして諦めから抜け出す覚悟を決めるだけの価値が、彼と過ごした時間の中にあったのだと信じたいです。彼女がこの巻の最後に残した生きた言葉が、それを信じさせてくれそうです。
冒頭の不吉な語りが、そのままの意味では無いと思えるように願いながら。

一肇作品感想
 
12月1日

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11月26日

(エンターブレイン)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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11月25日

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(ガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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(ドラゴンノベルス)
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(PASH!コミックス)
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(フロース コミック)
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(アフタヌーンKC)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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