最底辺からニューゲーム! 4 ~奴隷商人は愉快な奴隷たちと共に世界を変えていきます~ (HJ文庫)

【最底辺からニューゲーム! 4.奴隷商人は愉快な奴隷たちと共に世界を変えていきます】 藤木わしろ/柚夏 HJ文庫

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「さぁ――世界を敵に回しに行こうじゃないか」

絶体絶命であるはずの異端審問を逆手に取り、敵対する三大公が一人、エルヴィスを失脚させた奴隷商人タクミ。
同時に女神の代行者としての地位も得た彼は、十五年前の女王陛下殺害事件の真相を明らかにし、《鈴蘭》の首領であるミルトこそが殺された女王の実子だと断言する。
そして戸惑うミルトに神王国家リヒテルトを女王として治めて欲しいと頼むが――「はい、質問ですっ! 女王と奴隷は兼任できますかっ! 」
奴隷美少女たちと突き進む異世界転生ニューゲーム、最高潮へ!!
あとがきを読んではじめてそうだったのか、と気付かされたのだけれど、本作の世界って【ダメ魔騎士の英雄煌路】の世界だったのか。ってか、女神フィリアって前作の登場人物なの? 該当する人一人しか居なさそうなんだけれど。ミルトが蒼天剣引き継いでたりとかの関係からしても。いやでも、こんなノーテンキなキャラだったか!?
前作、二巻で打ち切りになっちゃったのでその後の世界観とか不明のままだったのですけれど、この様子だと色々と設定詰めてたんでしょうねえ。断界国のお姫様とか、思いっきり前作の主人公と関わりあったみたいだけれど、こんな娘登場してなかったもんなあ。もしかしたら、某魔女さんが名前変えただけなのかもしれませんが。
まさか、ラスボスのエルヴィスまでそっちの関係者だとは思わなかったですけれど。しかも、その原動力って前作での描かれなかった結末、あるいは成果か。その守護だったと知ってしまうと思うところは色々とあるのですけれど、やっぱり前作が結末までしっかりと描かれていたらもっとインパクトは強かったんでしょうねえ。
それはそれとして、タクミですよ。てっきり、世界皇帝とかにまで成ってたんじゃないかと思ったら24歳で前世は病死してたって、そんな前世ではやることやり尽くしたみたいな事言ってたのにそんな年齢でいったいどうやって、と思っちゃいますよね。
結局、前世でタクミがいったい何を成し遂げ、どんな人生を送ったのかというところに関しては一切描かれることもなく、タクミ本人も前世でのやり方の後悔を語るばかりで具体的な様子については口を開くことはなかったので、なんとも曖昧な印象でしか捉えられなかったんだけれど、少なくとも国家元首くらいにはなってたと思ったんだけどなあ。二十歳すぎとはなあ。そこらへん、もっと盛っても良かったろうに。
エルヴィスと改めて決着をつけつつ、身内の連中にはしっかりと未来へのビジョンを植え付けて、ミルトには女王としての自覚を促しつつ、国全体を盛り上げて新たな価値観を立ち上げて、そうやって隣国の代表を呼び寄せて宣戦布告、と今まで何年もかけて準備し続けてきたものを一気に開帳して、という盛り上げ方は非常に良かったのですけれど、同時にこれでシリーズ終わりっぽいのがここまであげておいて、終わりなの!? というはしご外された感もありありなのがなんともはや。
いやまあ、最後となったら盛大に打ち上げ花火連発するのはむしろ溜め込んでいたものを死蔵せずに打放つという意味では大いにやってほしい方向ではあったんですけれど。
若干、メインヒロインを絞りきれなかったところもあるかなあ、と。ミルトもカリンも微妙に話の都合で出番なくなることありましたし、結局タクミの信頼できる仲間ではありながら、もっと個人的に深いところまで踏み込むまで至らなかった、というかメインストーリーの進行に忙しくてそこまでやってる暇なかったというか。
もしシリーズが続くなら、むしろ放出しきった此処からそういう部分を期待していきたいところなんですが、なんか微妙ぽいのがちと寂しい。できれば続いてほしいんですけどねえ。

シリーズ感想