有坂あこ

ドラキュラやきん! 4 ★★★★  



【ドラキュラやきん! 4】  和ヶ原 聡司/ 有坂 あこ 電撃文庫

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ポンコツシスター、今度は恋煩い!? 吸血鬼たちが過去と向き合う第4弾

京都での動乱から二週間、アイリスの様子がおかしい。あれだけ虎木に絡んできていたのに、顔を合わせるとすぐに姿を消してしまうのだ。
そんな中、コンビニオーナー村岡の娘・灯里が家に転がり込んできた。新たなトラブルの予感に困惑する虎木であったが、灯里の『虎木とアイリスは付き合っている』という勘違いが更に事態をややこしくして――!?
そして、コンビニを訪ねてきた思いがけない人物とは……!!
吸血鬼×シスターの日常ファンタジー。ラブコメの気配を感じつつも、過去に向き合う第4弾!!
アイリスの男性恐怖症の原因となった出来事がついに発覚。アイリス自身も理由がわからないんじゃなくて、明確に自覚していたのか。ええ、この娘、こんなもの抱えて今までずっと生きてきたわけ?
ちょっと想像以上に重たかったんですけれど。これは無理だわ。男性への性的な嫌悪感とか潔癖症から来る恐怖症じゃないんですよね。なんでファントムの男性相手なら大丈夫なのか、ようやく理解した。幾らファントムでも男性は男性じゃないか、と思っていたのだけれど。これ、下手したら男とか女とか関係なく恐怖症になっていた可能性もあったわけなんですよね。
村岡さんや虎木の弟の和楽、という絶対に安全で人柄も承知している相手ですら、生理反応としてどうしても耐え難い状態になってしまう、というのもこうなると理解できる。完全にPTSDだわ。

同時に、アイリスにとってそれだけ「家族」という存在が重要なワードになっている事を考えると、虎木が吸血鬼から人間に戻れる方法、というのが確実に存在する、というのが明らかになった……これも物語上重要な出来事ですよね。虎木たちは既に「聞いて」いたから疑っていなかったみたいだけど、それを語った本人の口から確証を得られたのは大きい。
ともあれ、このまま下手に虎木が人間に戻ってしまうと、アイリスの恐怖症の対象が虎木にまで及んでしまいそうだけれど、虎木が人間に戻る前に彼がアイリスの「家族」になった上で人間に戻ったら、彼はその対象から外れる。もしくは、アイリスが恐怖症に陥った原因の因果が反転する、家族が人間になることで人間の男そのものが恐怖症の対象ではなくなる、という可能性も出てくるのか。
虎木が人間に戻りたいと切実に願い、焦りすらしているのは彼の家族である和楽のためでもあるのだけれど、これはそれだけに留まらない理由が生まれてきたのかも。
尤も、虎木からするとまだなんぞそれ!?という状態なのだろうけれど。
でもアイリスが、虎木に対して告白を敢行したのはただ好意を伝えたいというだけではなく、彼に自分の家族となって欲しい、と願うことでもあり、アイリスにとっての「家族」という存在の意味を考えたらそれを虎木に願うということの重たさが果たして虎木にはわかっているだろうか。

幼い頃でももう分別のつく年齢の際に、母を喪ったアイリス。ただ奪われただけじゃない、彼女が死ぬことになった理由も意味も、彼女が何を自分に願ったのかも全て承知した上で両親の願いを叶えるために、今まで嘘を突き通してきた彼女。自分が周りにどう見られ、両親のことを言われ続けてきたのか、小さい頃からずっと理解しながら今まで闇十字騎士団の修道騎士として生きてきたアイリスが、果たしてどれだけ頑張ってきたのか。どれだけの想いを胸に秘めてやってきたのか。ちょっと思い巡らせるだけでもキツいものがあります。彼女にとってファントムとは、吸血鬼とは、決して邪悪でも滅する対象でもなく、むしろ恐怖の対象となっていた人間の男性に比べれば……。そんな中で彼らファントムと敵対する組織で生きてきたのですから……彼女が遠い東方の地で虎木という存在と巡り合った時、あれほど友好的に交流をはじめた理由が、よくわかるというものです。
そしてまさか、その虎木とアイリスにそんな縁があったとは。
虎木にとっての吸血鬼の師匠が、アイリスの継父だったとは。
その師匠ザックにとっては、虎木もアイリスもまさに愛する我が子だったわけだ。こんな因果がまさか隠れているとはねえ。

アイリスにとって、自分の所属する教会組織はファントムと敵対する組織というだけでなく、本当の意味での教会。迷える人に手を差し伸べる人を救い助ける組織の一員という意識を強く持っていたんですね。シスター、という呼び名にこそ意義を見出していたのかもしれない。
それ故に、だからこそ、アイリスにとって家族間の関係で苦しむ灯里は決して見捨てられない存在だったわけだ。両親の離婚問題の間に挟まれて苦しむ子供、というのは現代社会にとっては決して珍しくない存在だけれど、だからこそ教会組織にとって無視できない救済の対象でもある。家族の問題なら、アイリスなら尚更だ。その一助に、村岡家の行く末にザックが……世界的ジャズシンガーのザックの存在が必要なら、それはアイリスにとって十分な理由になったんですよね。
もちろん、自らの家族。残された唯一の親。愛する継父のこととなれば尚更に。

今回は特に「家族」がテーマとなったお話でした。この作品自体の根幹ともなるテーマだったのかもしれません。村岡家の家族問題はシリーズはじまった当初からのことでしたしね。
そこにアイリスの家族の話が主軸となり、虎木家の話が絡み、とみんな家族のために生きてるんだよなあ。未晴の方だって大体が家族のお話だ。
だからこそ、だからこそ、アイリスの告白は恋という想いを伝えるに留まらない。彼女ははっきりと告げている。将来あなたと家族になりたいという気持ち、だと。
アイリスが「家族になりたい」と口にする事がどれほどの事なのか。今回一連のアイリスの過去を知ってしまえば、それが生半可な思いではないとわかるはず。ほんと、ただの告白じゃないのだ。
虎木はほんと十分にちゃんと受け止めないと。
その虎木の方も、和楽の様子がどうもおかしいのを見る限りではのんびりしていられないのかもしれない。
虎木、大丈夫か? 周りの進展に対して頭ついていけてるのか? みんな、待ってはいてくれないぞ。


ドラキュラやきん! 3 ★★★☆   



【ドラキュラやきん! 3】  和ヶ原 聡司/ 有坂 あこ 電撃文庫

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虎木と未晴がまさかの婚約!? コンビニ夜勤吸血鬼たちが京都で大暴れ!!

日常に戻り、コンビニ夜勤に勤しむ吸血鬼・虎木のもとに未晴から依頼が。それは、許嫁との縁談を破棄するため、虎木に恋人のフリをして京都の比企本家まで来てほしいというもので!?
納得のいかないアイリスと詩澪を尻目に、これ見よがしにイチャつこうとする未晴と、流されるがままな虎木。そんな虎木の態度に悶々とするアイリスは決意する――そうだ、京都行こう。
だが道中、性急に未晴の縁談が進んだワケが明らかになるにつれ事態は一気にきな臭い方向へ――!!
『はたらく魔王さま!』和ヶ原聡司が贈る、ドラキュラ日常ファンタジー。ポンコツシスターやきもちを焼く?な第3弾!

アイリス、行っちゃダメって言われたのに行っちゃうんかー! そうだ、京都行こうじゃないよ、じゃないですよw
軽々に命令違反とかしちゃう娘じゃないのに逸ってしまったのは、それだけアイリスがメンタル的にどん詰まってしまったからだろうか。この娘、自分の本音をぶち撒けて相談できる相手って居ないんですよね。未晴は基本的で恋敵ですし詩澪も気持ちを吐露できるような相手じゃない。同僚や上司はプライベートを打ち明けられるような関係じゃないですし、強いていうなら由良なのでしょうけれど思いっきり当事者だもんなあ。店長の娘の灯里とは連絡取り合っているみたいだけれど、ファントム絡みの件は相談できないし……そう考えるとアイリスってかなり孤立していて由良にベッタリなのもわからないではないんですよね。
自分の中で虎木由良への結論のないまま、もやもやとした正体のわからない気持ちを持て余したまま、自問自答を繰り返してたらそりゃ煮詰まるってもんである。
京都へ行こう、もあれ気の迷いみたいなもので、アイリス自身七雲に出会わなければ京都駅についた時点でとんぼ返りに帰っていた可能性も高いですしねえ。
とはいえ、京都に来たことでハッキリした事が幾つもあるので、アイリスとしては結果的には良かったのかもしれないけれど、でも命令違反は確実なのでこれ始末書では済まないんじゃないだろうか。クビで済めばいいんだけど。下手したら協定違反で日本のファントムとの戦争勃発、の可能性すらあったわけですし。
しかし、アイリスが最初から由良には吸血鬼にも関わらず忌避感なかったのはそういう理由があったのか。でも、男性恐怖症なアイリスが由良に対してだけ最初から症状が出なかったのは、吸血鬼だからという理由だけではないと思うのだけれど。これ、ファザコン若干入ってませんか?

七雲くんはこれはこれで結構好きなキャラなんだけど、女性にはモテなさそうだなあ。能力的には優れているし人格的にも善良で目端がきく方だと思うのだけれど、メンタルがナヨってるw
これ、未晴と幼小中高全部いっしょで常に四六時中一緒にいるようなタイプの幼馴染関係だったら、ワンチャン、この男は自分が見ていてやらないと、的な感情が発生していた可能性もあるけれど、幼馴染といってもそこまで密接な関係がなかった今の状態だと、ちょっと無理めですよねえ。
よっぽどこれからカッコいい所見せ続けないと意識は変わらない気がする。なにより、未晴はずっと由良にぞっこんなのですから。
結構悪くない男だと思うんだけどなあ。

日本のファントムを牛耳る比企家と六科家。近代化した社会の中で生き延びるファントムたちを、人間社会の上位に食い込むことで地位を安定させ、ファントムたちを庇護下に置いている彼らだけれど、人間社会の中に溶け込み隠れ住むという事自体に不満を溜め込んでいる層も居たんですね。
ほぼ人間同然の由良だとて、吸血鬼として日光を遮断しなくてはならない関係上、普通の生活に非常に苦労している事を思えば、人型以外のファントムなどマトモに生きることも難しいのでしょう。絶滅している種も多いみたいですし。
一個人である由良はぶっちゃけ、そんなファントム全体の事に関しては責任はないし無関係なのだけれど、因縁ある室井アイカがそうした勢力と深く関わっている以上、無視は出来ないか。
今回、可能性だけとはいえ由良が人間に戻れる方法が見つかったわけだけれど、それが叶うとして果たして一抜けして終わり、になるんですかね。アイカを通じて何らかの決着がやはり必要となってくるのか。
何にせよ、アイリスは自分の気持ちに気づく事が出来たし、由良の方も今までみたいに自分にまとわりついてくる女、というだけの認識だけではなく、この娘の事をもっと知っていかないと、とアイリスの事を思えるようになったのは一歩前進になるのかな。



ドラキュラやきん! 2 ★★★☆  



【ドラキュラやきん! 2】  和ヶ原 聡司/ 有坂 あこ 電撃文庫

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虎木に憧れる新人バイト登場! コンビニ夜勤吸血鬼の生活に波乱の予感!?

吸血鬼が一年で最も苦手な季節――クリスマス。街中に溢れる十字架だけでも気が滅入るのに、池袋でコンビニ夜勤に勤しむ吸血鬼の虎木にさらなる災難が。天敵である男性恐怖症のシスター・アイリスが、隣の部屋に引っ越してきたのだ。
聖務のパートナーに任命されてしまい、アイリスからどうにか逃れようとする虎木だが、職場のコンビニは年末の繁忙期に突入し、崩壊待ったなし。
そんな時、新人バイトとして現れたのは、梁詩澪(リァン・シーリン)と名乗る美人の留学生。虎木は詩澪とバイトに励むが、そこにアイリスと未晴が様子を見に押しかけてきて、事態は修羅場寸前に。さらに、コンビニ強盗までやってきて――!?
『はたらく魔王さま!』の和ヶ原聡司が贈る、ドラキュラ日常ファンタジー第2弾!

こうして見てると、コンビニのバイト簡単じゃないよしんどいよ大変だよー、という話以上にコンビニオーナーのブラックっぷりを実感してしまい、なんともはや。特に虎木が務めるコンビニの村岡オーナーは余計なトラブルが舞い込んでくることもあって、色んな意味で可哀想過ぎる。幸い、前巻で拗れてた娘さんとの仲を修復できたという虎木が絡んだおかげで良い方に転がったパターンもあるわけだけど、疲弊の仕方がもうすぐ過労死しそうな人だもんなあ、これ。
この人がある意味作中で一番人間らしい生活が出来ていないおかげで、日が当たらない時間しか活動できないという虎木の不自由さも相対的にあまり大変そうに見えなくなってる気がするんですけど!?
虎木にそこまで切実さや悲壮感がない、というのもあるんでしょうね。彼の人間に戻りたいという願望は数十年生きてきて募るばかりでしょうけれど、同時にその感情切望に振る舞わされるような若さは消え去り、年相応の老成を経てしまっている。それは諦観とも現状への適応とも取れる落ち着きで、彼自身はそれに馴染むことを必死に拒んではいるけれどやっぱり切迫感は薄いんですよね。
彼には理解ある家族、ずっと寄り添ってくれた弟が今も生きていて、弟家族も親身になって彼のことを手助けしてくれている。また、荒っぽいと言うか雑ではあるけれど比企未晴のように慕ってつきまとってくる女性もいる。
彼には家族がいて、周りには愛情がたゆたっている。その家族と流れる時間が違い、徐々にその乖離は広がっていて、だからこその孤独感と焦りは虎木にもあるのでしょうけれど、未だ失われていない以上はやはり持ちたる側だったんですねえ。
それを、本当に何も持たず、何も持たせて貰えず、どこにも寄り添えずどの集団にも入れない、そんな本物の孤独の中に居た彼女・梁詩澪の存在が虎木の境遇がどういうものかを教えてくれた気がします。
そんな彼に、詩澪が惹かれ焦がれてしまったのもわかるんですよね。彼女の境遇が想像以上に酷薄であったことからもなおさらに。
若い見た目とは裏腹に、虎木は実際にこう歳食った落ち着きと余裕があるんですよね。いや、アイリスと喧々諤々してるのを見るとほんとかー?と思いたくもなるのですけれど、詩澪が正体をバラしたあとのあの変わらない対応は年の功だと思うんですよね。枯れてる? うーん、どうだろう。
こうしてみると、詩澪が虎木に求めたのは文字通り「親」としての包容力なのかもしれない。女としての色気や魅力で迫っているようで、それは果たして異性に対する求愛や誘惑だったのか。手を繋ぐという行為も、こうしてみると幼い子供が親の手にしがみつくような感覚がどこかにあったんじゃ、とふと思うことも。
まあいざ、虎木が詩澪に真意を問おうとしたら、事前に想定していた対応をなにも出来ずにひたすらしどろもどろでオタオタしてしまっていたのを見ると、老成した余裕なんてこれっぽっちも見当たらないんですけどね。あそこでの詩澪の落ち着いた対応と返答はむしろ歳不相応に詩澪の方が一回り年上みたいに大人びて見えましたし。
いや、その前段階で詩澪と真剣に向き合おうとする虎木に挙動不審になってしまったアイリスに、彼が正論打ってアイリスの大人気なさを嗜めたのを見せられていただけに、あんたアイリスにあれだけ偉そうにぶっておいて、言ったこと何も出来てないじゃんw となってしまったんですよね。
虎木って、なにごとも卒なくこなすし、それこそ70年近く社会で生きてきただけあって人当たりも熟れていて、言葉を尽くす事も慣れていて人に教え諭すことにも長けてるじゃないですか。だから、あんなオタオタしてしまってる姿は新鮮ですらあったんですよね。いや、彼もそんな風になるのか、と。
意外と、女性とこんな身近に親身になって話す経験少なかったのか。若造みたいなうろたえかたしてからに。でも、そういう所って老成してあんまり隙のない彼の可愛げ、でもあると思うんですよね。
それにしても、アイリスにはあれだけ遠慮も何もあったものじゃないのにねえ。自分でも気づいていないっぽいけれど、やたらとアイリスの反応気にしているところあるし。
アイリスの側も虎木にはやたらと気を許しているというか、彼には一切緊張を感じていないのを見ると、ほんとにお互いいつの間にか距離感近くなってるんですよね。和楽老人が面白そうにするわけだ。

一連のトラブルの原因の方は、なんか予想外にラスボスが再登場してきたけれど、大陸系の妖の方も意外と小物だったというか、現代になってかつての格を組織としても失ってしまった、という事なのか。中途半端に古来のまま厳しい掟が残っちゃってるのがやたらアンバランスでしたし。
これを見せられると、闇社会を牛耳るような古妖たちの、闇十字騎士団と対等に暗闘を続けるようなバトルもの定番の大組織、みたいなのはもう存在しないのかもしれないなあ。アイカみたいな個人がポツポツと活動しているばかりなのだろうか。
……比企家とか、思いっきりこの大組織に該当するな、そう言えばw

しかし、文章からはあんまりわからないんだけれど、この話の間の殆どで虎木ってコンビニのクリスマス用制服であるサンタ服を着てたんだよなあ。絵面、けっこう強烈だったのかしら。まあラストバトルまではサンタ姿じゃなかったのですけれど。
最後、アイリスと二人で同じコンビニの袋を持って並んで歩くシーン、あのイラストはいい雰囲気で好きだなあ。



ドラキュラやきん! ★★★☆   



【ドラキュラやきん!】 和ヶ原 聡司/有坂 あこ 電撃文庫

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夜しか外出できない吸血鬼が現代日本で選んだお仕事は“コンビニ夜勤”!?

太陽の光を浴びると灰になってしまう存在、吸血鬼。夜しか活動できない彼らだが、現代では割と問題なく生活していた。
そう、なぜなら“夜勤”で働くことができるから――。
虎木由良は現代に生きる吸血鬼。バイト先は池袋のコンビニ(夜勤限定)、住まいは日当たり激悪半地下物件(遮光カーテン必須)。人間に戻るため、清く正しい社会生活を営んでいる。
なのにある日、酔っ払いから金髪美少女を助けたら、なんと彼女は吸血鬼退治を生業とするシスター、アイリスだった! しかも天敵である彼女が一人暮らしの部屋に転がり込んできてしまい――!? 虎木の平穏な吸血鬼生活は、一体どうなる!?
『はたらく魔王さま!』の和ヶ原聡司が贈るドラキュラ日常ファンタジー!

いや、夜勤でしか働けないって結構現代社会でも問題だとは思いますよ!?
昨今、日中でも平気で出歩くデイウォーカーが珍しくない吸血鬼界隈ですけれど、主人公の由良は陽の光に当たると速攻で灰と化してしまう正統派。それどころか、日が昇ると起きていられないほどの眠気に襲われてしまう、というのだから屋内での活動もままならなそう。尤も、力を使った直後でなければこれほど眠気に抗えないんでしたっけ? とにかく、活動時間は極端に制限されることになる。
ただ、彼にとって夜勤のコンビニバイトだけが社会とのつながり、みたいな結構孤独な境遇を予想していたのだけれど、肉親との交流はこれ並の親戚づきあいよりかなり深いし本邦の退魔集団みたいな家とも付き合いがあって、決して社会から孤立しているわけじゃあないんですよね。
【はたらく魔王さま!】と似たような設定ですけれど、こうして見ると結構コンセプトも異なっていることに気付かされます。あっちは特に当初は魔王や勇者が異世界からきて現代日本で地道に生活していく様子こそがメインで描かれていましたけれど、本作は日中活動できない吸血鬼がコンビニの夜勤バイトだけを収入源に、どうやって生活していくのか吸血鬼の日常譚、みたいな所は今回はあんまり重視されてないんですよね。
突然、生活圏に飛び込んできたアイリスとの男女の共同生活で起こる様々な細かい齟齬や妥協や同居生活はじめのあるある話、とかいうのもそう言えばあんまりなくて。わりとオーソドックスにアイリスが追う犯罪者吸血鬼の確保を巡って、由良が協力しつつお互いの理解を深めていく、みたいな当人同士の関係重視のお話になってましたね。
そもそも、アイリスも吸血鬼退治の専門組織から派遣されてきた、と言っても決して人外そのものを敵視しているわけではなく、男性恐怖症の彼女が男性を意識せずに頼れる相手としてむしろ由良に懐くというかしがみつく、というかバチバチ張り合ったり敵対し合ったりする関係にはならなかったんですよね。むしろ、思いっきりまとわりついてきていたような。自分のポンコツさを逆手にとって、おしかけ居候するあたりはやり手なんじゃないかと思うほどですし。
とはいえ、生活力がないわけではなく、むしろイギリス人であるにも関わらず料理上手ですし(偏見)。いやイギリスの飯がマズいと言われるのとイギリス人が料理うまいか下手かは関係ないんでしょうけどね。本人はイギリスじゃなくてイングランド人だと主張していますが。
ともかく、一緒に暮らすことでしばらく一人暮らししていた由良に家族という郷愁を思い起こさせるきっかけになるアイリスなのでありました。
今現在も、血縁の弟家族と深い交流がある由良ですけれど、今回は明言はされてなかったですけれど、どうも人の女性に想いを寄せていた過去がある節があったんですよね。寿命の差を意識しているようでしたし、亡くなった弟の奥さんにも思う所あったみたいだし、こうしてみると実年齢的にも爺さん!というほどじゃないけれど、若者にはないある種の人生の年輪みたいなものを垣間見せることのある人物像なんですよね、由良って。なので、アイリスにしても以前からの知人で由良を一方的に慕ってくる未晴に対してもどこか年の差を意識しているような接し方、自分の娘みたいな、とまでは言わないですけれど、自分が働いているコンビニのオーナーの娘さんに対しているのと似たような距離感が感じられるんですよね。
実年齢から言うと、娘どころか孫か曾孫でもおかしくない年齢差なのですが。なので、彼女たちの事はなんだかんだと手助けしてあげつつも、自分のことに関しては協力を求めたり利用したり、というのをあんまり考えておらず、自分の仇であり人間に戻るために倒さなければならない祖との対決でも自分一人でなんとかしようとしちゃうんですね。
それをおとなしく待っていられるようなヒロインたちではなく、むしろ無計画な由良の首根っこ抑えて自分達のプランに無理やり彼も同乗させる、という逞しさを見せてくれるのですが、こういうのも一人暮らし故の不安定な生活様式を、同じ生活圏に入ってきた女の子がパパっと整えてくれて、乱れていた夜型生活が一新される、のパターンの一つになるんだろうか。

今の所、アイリスの方の過去が定かではなく、男性恐怖症のおかげでろくに任務遂行できずに辺境日本に左遷されてきた、くらいしかちゃんと語ってくれていなくて、どうも家族関係にしてもなんで生活に支障があるレベルで男性恐怖症になったのかも不明なんですよね。本人は方向音痴や迷子の先で名物食べ歩いてたり、という図太さなどポンコツ面も強いのですけれど、何だかんだと能力的にも人格的にも優秀かつシスターとしても清廉で、人外相手にも偏見少なく気遣いも上手だったり、と良い子なのですが、果たして由良にどうしてあれだけ拘っているのかがちょっとした謎めいた部分でもあるんですよね。彼女の男性恐怖症って、男嫌いとはちと異なっていそうですし。ちゃんと普通に接することのできる異性である由良に拘っている、というのは恋とはまた違ったものみたいですし。まあ後から出てきた由良にアタックしまくる未晴にあれだけ張り合っているあたり、由良を意識しだしているというのはあるのでしょうけれど。
彼女に対する掘り下げは、次回以降になるのかな。
ただのコンビニバイトで生計立ててるフリーター、というには由良さん、吸血鬼としての能力が高い云々以前に、洞察力や人間力が非常に高いし、結構あっちこっちに(国家権力方面にも)顔が聞いて人脈も広かったりするので、いやなんでこの人コンビニバイトしてるんだ? と思ってしまう所もなきにしもあらず、なのですが。普通にアイリスに付き合って吸血鬼犯罪者の捜査や探索、潜入に確保など忙しく駆け回ることも多くなるので、バイトくらいが時間の融通きいて良い、という事なんだろうか。
ともあれ、ラブコメ風味もそこそこ強めみたいですし、人の社会に溶け込む人外たちと裏路地で相対するようなアイリスとのバディものとしての要素も全面に押し出されていますし、その意味では王道的な現代異能バトルものでありラブコメ、になっていくのでしょうか。次回以降もそのへん興味深く拝見ですね。

和ヶ原聡司・作品感想

ファイフステル・サーガ 4.再臨の魔王と女神の巫女 ★★★★   



【ファイフステル・サーガ 4.再臨の魔王と女神の巫女】 師走トオル/有坂 あこ  富士見ファンタジア文庫

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灰エルフの軍勢を退け、一時の休戦状態へ持ち込んだカレルに、息つく暇もなく“狂嗤の団”切り込み隊長コルネリウスへの婚約話という難題が降りかかる。コルネリウスとともに内乱中のヴィエレヒト司教領を訪れたカレルは婚約者の少女ヘンリエッテと出会う。
「当面は婚約者としてお力をお貸しいただきたいのです」
わずか十一歳という年齢ながら、殺された父の無念を晴らすべく国を統べる大司教になりたいという彼女の力になるため、カレルたちは内乱鎮圧へと動き出すことに…。英雄は少女を王国の救い手として導けるのか!

これですべての主要プレイヤーが揃ったのか、それともまだ増えるのか。とはいえ、今回の修道騎士ノルベルトと大司祭を目指すヘンリエッテは政治的には極めて重要人物であるものの、自らが主導して政治を動かしていくタイプではないので、やはりメインはアレンハイム公カレル、五芒国折衝ヴェッセル、そして灰エルフの族長の一人であるギルセリオンの三人が主導していくのか。
とはいえ、一応目的を同じくしていて立場の違いはあるとは言え同じ方向を向いているカレルとヴェッセルに対して、ギルセリオンだけまだ独自の方向で動いているんですよね。魔王の復活に背を向けていること、同じ灰エルフの他の一族からこっそり距離をおいていることからも、共闘できる余地はあると思うのだけれど、今回司教領の内乱を煽ってたりするからなあ。
ともあれ、宗教組織の中枢に後ろ盾という形で食い込める形になったのは非常に大きいのだけれど、相変わらず大公になっても少人数で司教領に潜入したり、とフットワークの軽いカレルである。これもコルネリウスという単独での一騎当千な戦闘力を持つ人が一緒にくっついてきてくれるからこそ、なんだろうけど、大公という地位と灰エルフとの戦闘での勝利という名声をもって高まっている政治力を、自分自身を混乱している司教領に突っ込ませることで最大限活用しているわけだから、大したものである。
もちろん、それだけ危険も大きいわけでコルネリウスの護衛があるとは言え思わぬ危機もあるはずなのだけれど、それに関しては自分の死を見る予知夢というアドバンテージもあるわけで。カレルの介入がなかったらまず間違いなくメルヒオール大司教側の勝利になってたわけだから、今回もなかなかの綱渡りだったんですよねえ。
そのカレルの介入も、ノルベルトの機転とヘンリエッテの決意と覚悟がなければ不可能だったわけですから、今回の一連の最大の立役者はやはりこの二人だったのでしょう。図らずもヴェッセル宰相とマリオン女王と同じく頑張る妹の為に頑張るお兄ちゃん、という構図になるんですよね。いや、ノルベルトとヘンリエッテに関しては実はさらに異なる真相が待っているわけですけれど。
このこんがらがった人間関係、特にノルベルトのそれって今後意味を持ってくるんだろうか。ノルベルト本人はさっぱり政治的野心を持っていないのだけれど、何気にそれをヴェッセル摂政は魔王の左腕を使っているが故にわからないんですよね。
まあ今回はそれよりも、ヘンリエッテが想像以上にコルネリウスの手綱を握れてしまっていたあたりが注目でしょう。亡くした妹のこともあって子供に甘いというか優しいコルネリウスですけれど、ヘンリエッテはその聡明さも健気さも意外と押しが強い所も、そして弱さもコルネリウスのツボをつきまくっていたようで。いや、あの気難しい怖いお兄さんに対してあれだけガンガン押せるヘンリエッテも凄いですわ。しばらくは様子見していたようですけれど、途中の事件を通じてコルネリウスの人となりを察したんでしょうなあ。
婚約者とはいえヘンリエッテはまだ11歳あたり。子供過ぎて、いやまあ子供だからこそコルネリウスも無視できなかったわけですけれど、コルネリウスとしても妹のようにしか見えてないでしょうし、ヘンリエッテの側だってまだ恋だの好きだのという段階じゃないのでしょうけれど、お互いに心のうちにまで踏み込んだ関係になってて、なかなか将来が楽しみな二人です。
そして、ラストのエルフのミーリエルが帰還したことで、カレルに新たな問題が浮上。いやこれはまあ近いうちにあるだろうな、と思ってはいた展開なのですが。
というところで終わりながら、五巻の継続はまだ未定、というのは厳しいなあ。

シリーズ感想

ファイフステル・サーガ 3.再臨の魔王と草原の灰エルフ ★★★☆  



【ファイフステル・サーガ 3.再臨の魔王と草原の灰エルフ】 師走トオル/有坂 あこ  富士見ファンタジア文庫

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かつて魔王戦役にて魔王軍に与した灰エルフの子孫たちが、“魔王の左腕”を奪還すべく五芒国へと再び侵略を開始する。灰エルフたちの鍛え抜かれた弓の腕と馬術によって、フライスラントの地に多くの血が流れ、兵たちが敗北を重ねる戦況にカレルが、ヴェッセルが動き出す―。
「心に正直になれ。どうして欲しい?一晩中これを続けて欲しいのか?」
灰エルフ族長のひとり“天秤の担い手”ギルセリオン。圧倒的な武と、女を堕とす術を持つ新たな英雄は、来るべき『セシリアの死』を起こす元凶か、それとも未来を変える存在か―。かくして歴史の表舞台に英雄は揃う!

エロエルフだー!!(失礼)
いやだって、このエルフの人ってば魔王戦役生き残って200年、一番鍛えて自信あるの閨房術だぜ、と自分で自慢するような兄ちゃんなんですよ? 勿論、それだけではなく弓一本でワイバーンを墜としてしまうような弓の達人であり、単騎独行して敵の軍勢を蹴散らすわ、超遠距離から指揮官スナイプするわ、こうしてみると訳のわからんレベルの活躍してるんですが。
それ以上に、女の人を快楽でメロメロにしてしまい夜のお相手に選んでもらうために自分から率先して無茶苦茶頑張るという士気の上がり方させたり、人間の娘も陥落させて味方にしてしまったり、とあなたエロゲーのハーレム主人公ですか、と言いたくなるような得意技を振るいまくってるわけで。いや、そんじょそこらのハーレム主人公でも千人を超える嫁さんと結婚してるとかは早々ないでしょうなあ。エルフ族の長寿を考えたら嫁さん沢山いるのもわかる、となるかもしれませんがちょっと待ってください。長寿とはいえ、ギルセリオンさま、この200年で1000人超えですよ? 単純計算してしまっても年に5人と結婚している計算である。中華王朝の皇帝の後宮なんかだと千人単位で寵姫が居たりというケースもあるだろうけど、この人ちゃんと全員の相手しているっぽいからなあ、尋常ではない。さすがにこれだけ嫁さんがいると順番回ってくるの本当に貴重な機会になってしまうだけに、女性陣が目の色を変えるのもわからなくはない。ただの夜伽ではなく、生きたまま極楽を味わえ中毒みたいになってしまう快楽なわけですしね……。
んでもってこのギルセリオンさま、どうやら3人目の主人公っぽいんだよなあ。
灰エルフ、魔王軍の一員ということで完全に敵サイドかと思いきや、このギルセリオンさまだけは魔王なんて疫病神じゃん!という姿勢で、この200年の雌伏のうちに長老筋とは違う路線を歩んでいて、今回の侵攻でも話を合わせながらこっそり独自に動いてらっしゃるだけに、このまま行くと面白いポディションになってきそうなんですよね。
だいたい、単純な武力戦力として彼と彼の率いる灰エルフの部族ってちょっと桁が一つ二つ違ってそうな強さだもんなあ。その上で脳筋とは程遠い政治的にも謀略家としても非常に卓越した手腕の持ち主だし。魔王関係なしにギルセリオンさまがここで勢力圏を確立してしまうと、一国に近い脅威になってしまうんじゃなかろうか。単純に敵に回りそうにないのが救いではあるんだけど。

ともあれ、灰エルフの侵攻を契機として、人間同士で争っているわけにはいかなくなったカレルたち。元々魔王の復活を予見して動いていたカレルたちからすると、利用するに足るチャンスでもあったわけだけれど、こういう時にフーデルス王国のヴェッセル摂政が全部承知しているというのか、彼の優秀さも相まって非常に頼もしい……頼もしいんだけど、この人なんで内実が見えてしまうとこんなに残念なんだろうw
カレルたちの結婚式で遠出してたの、ホームシックになってとっとと帰ってしまったりとか、時期的に真夏に差し掛かって暑くて外に出たくないから、灰エルフとの戦争の指揮を色々と建前を並べてカレルに押し付けて丸投げとか、相手の心のウチを読める魔道具、持ち歩いていないように見せかけて股の間に挟んでたりとか。
でも、後方支援の能力は文句なしに優秀だし政治的な状況の整え方も辣腕の一言だし、結果だけを見ているとどう言い繕っても大宰相なんですよねえ。カレルとはなんか妙な方向で息というかタイミングが合ってしまって、名コンビみたいになってしまってるし。お互いの内心は面白いくらいにすれ違っているのですけど。

なんか、続刊微妙な状況になってしまっているようですけれど、ここからが面白くなってくる途上なだけになんとか続いてほしいところです。

シリーズ感想

利他的なマリー ★★★★   



【利他的なマリー】 御影 瑛路/有坂 あこ  電撃文庫

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ここカスミシティでは、若者たちは株式会社のように自分をRELEASEという市場に上場し、時価が付けられる。そのカスミシティで事件が起こる。謎のアプリ“パノプティコン”が若者のデバイスにインストールされ、街がバトルフィールドに一変。他人を倒してその価値を奪う争いが始まったのだ。それは言わば億単位の金が平然と動く鬼ごっこ!そんな状況に突如巻き込まれたユウスケは、危機一髪のところをクラスメイトの少女マリーに助けられる。普段は孤立し、RELEASEというシステムからも逸脱しているマリー。はたして彼女は何者なのか。その事実が明かされるとき、もうひとつの真実が明かされる!?
相変わらず特殊な条件下にある一定の閉塞的な空間内での人間関係の鬩ぎ合いとなる対決を描かせると、この作者さんは鋭いエッジが立つかのような作品になるなあ。
今回は特に一から十まで計算し尽くしたかのような構成になってるんですね。スタートからゴールまで想定された通りに敷き詰められた美しいストーリーライン。それでいて、予定調和とは程遠いギミックや展開を仕込んでいるので、読んでいるこっちの思う通りには話が進んでいかないのである。でも、それは無理矢理の方向転換でも突如ルートを外れて獣道を行くようなものではなく、整然としたロジックに基づく急転換であるので、読んでるこっちからすると見事にやられた、という感想しか湧いてこないのである。
そもそも、本当に冒頭の冒頭から伏線は仕込まれていたのに、それを物語においての伏線ではなく世界観の基準となるラインを表現するものと解釈させてしまう巧妙さに、あとあと唸らされることになってしまうんですよね、これ。
主観は本当に信じるに能わないものなんだけれど、そこに客観的な数字や評価を混ぜられてしまうとついついそっちに引っ張られてしまうんですよね。ただし、その客観とやらがどういう基準で示されているものなのか。
このカスミシティの根幹をなすRELEASEというシステムについては、そもそも端っから肝心のマリーがそのシティとして求めている姿勢に真っ向から反抗しているうえに、マリーやユウスケたちが正義のミカタとしてやっていたことは、RELEASEというシステムの陥穽から生じるであろう災厄を防ぐものである以上、そもそもがRELEASEと相対するのがマリーの立場であり主人公サイドの立ち位置であるはずなんですよね、考えてみたら。
だからこそ、RELEASEの価値基準への拘りというのは物語の視点となるモノを根底からひっくり返すに十分な材料となっていたわけだ。最初から、本当に最初から実は既に舞台は根底からひっくり返されていて、それに気づかずに踊っていたと言えるのかもしれない。
自分の場合は本当にギリギリまで、カナタのマリーへの想いが語られるまで気づかなかったもんなあ。これには見事にやられた、という感覚にさせられましたよ。

現在のYouTuberにも似た自分をプロデュースすることで他者から自分の価値を決めてもらい、それによって評価を得て報酬を得るというカスミシティのシステム。その価値基準を悪用したパノプティコンというアプリの氾濫に、そこから生じるであろう世界の危機に敢然と立ち向かおうとする、「利他的なマリー」。他者を助けることに狂気的な執着を見せ、そのために救世主へと仕立て上げられた少女と、その彼女に魅せられて彼女の元に集ったユウスケ、カナタ、リリカという三人の男女による、正義の味方活動。世界のために、カスミシティの価値基準に寄った個々人の未来を叩き潰していくという「正しい行い」。
他者から得られる評価という、曖昧な決して正当でも正確でもない価値の、不安定さと理不尽さと……可能性。正しさというものの利己性と利他性。他者を愛し慈しむことの無残さと尊さ。
そういったものを、クルクルと回る鏡面のように映し出す光景を変えながら一本筋の通ったストーリーラインで描き出す物語。その完成度は、振り返ってみてもやはり見事の一言でした。
惜しむらくは、<NineSK>の面々の活動が変質していくまでのまだ楽しい活動だった時期がすっぱり削られてしまって、活動が始まった途端かなり唐突に危険水域に突入しているところに飛んでしまったところですか。ダラダラと余計な描写を挟んでいる余裕がなかった、とも言えるのでしょうけれど、その余分が欲しくもあった気がします。実際、入れてしまうと物語としてダレてしまったのかなあ。あと、<NineSK>の四人が集まるところ。リリカとカナタの参入がこれも唐突感あったんですよね。カナタに理由があったのはよくわかるんだけれど、最初読んだ時はいきなり脈絡なく集まったなあ、と面食らったところでもあったんですよね。
なにはともあれ、面白かった。個人的にはカナタのあの図々しさというかラストの臆面のなさは応援したくなりました。幼馴染は、噛ませじゃあないんだよ♪

御影瑛路作品感想

ファイフステル・サーガ 2.再臨の魔王と公国の動乱 ★★★★   



【ファイフステル・サーガ 2.再臨の魔王と公国の動乱】 師走トオル/有坂 あこ 富士見ファンタジア文庫

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「許せないわ。わたしたちの結婚式であなたを殺すなんて」
フライスラント軍の撃退に成功したカレルだが、その武勲とセシリアとの結婚を快く思わない何者かの暗殺が計画される。
「こうなったら未来を変えるべく行動するしかない」
犯人の手がかりを求めてカレルはドワーフの国へ向かうが、黒幕の策略はすでに二重三重に仕掛けられていた!そして公国に広がる動乱は、二人の英雄を引き合わせることに!
「カレル、おまえにはせいぜい苦労してもらうとしよう。なに、少しぐらいなら手伝ってやる」
カレルとヴェッセルの邂逅は歴史を大きく動かす―!
自分が死ぬ未来を夢で見る、ってここまで有用なのか。毎晩のように自分の死を体験しなくてはならない、というデメリットがとてつもなくデカイのだけれど、それさえ耐えれば自分が死ぬ場面を通じて今、自分がどのように狙われているか、というのは場合によっては相手の陰謀が動き出した途端にカウンターに動き出すことが出来る、ということなので相手からしたらたまったもんじゃないんですよねえ。
普通に考えたらどう転んでも失敗しないような手を打ったにも関わらず、陰謀をひっくり返されたフィクトル総督からすれば、なんでやねん!? となるのもよくわかる。
でも、かと言ってカレルの方だって余裕綽々とは程遠かったんですよね。自分が結婚式で毒殺される、という死因はわかっても犯人はわからないし、辛うじてわかる情報から真実を手繰っていくしかない。実際、カレルが想定していたよりも周辺の状況は圧倒的に悪かったわけですしね。事前にいくつもの陰謀の「起こり」を潰せたものの、察知できなかったものも含めて過半の窮地は起こってから対処しなければならなかったわけで、本当に綱渡りもいいところ。偶然ダイス目が良かったような「幸い」もあったわけで、カレル自身これはもう無理だぁぁ!と頭抱えるような窮地だったんですよね。
よくまあ捌けたものである。運も能力も全力全開に振り絞りきって出涸らしも出ません、というくらいの必死の立ち回りでしたから、いやもうほんと頑張ったねえ、と背中を擦ってあげたくなるほどでした。セシリア攫われたときにはもう終わった、と想いましたもんね。これどう挽回するんだよ、て。
これだけの頑張り踏ん張りど根性を、カレルも世界を救うため、なんて曖昧模糊とした原動力ではとても支えきれなかったでしょう。ここで彼が踏ん張れたのは、セシリアのため。一人の女の子を守るため、好きになってしまった娘と添い遂げるため、という男の子らしい原動力は好ましいものでした。男の子の寄って立つもの、というのはそれくらいが一番パワー出るんですよねえ。
それでも、どうしても届かなかったところを、ひょいと現れたヴィセルが助けてくれたのには驚きでしたけれど。あれ、この二人の邂逅ってこんなのでいいの? というくらい「ひょい」とカレルの前に現れましたからねえ。まあ、このときカレル進退窮まっていたのを思うと、まさに救い主だったわけですけれど。
ヴィセルって、性格悪いし黒幕気取っている通りの稀代の策謀家なんだけれど、根本的なところでシスコンというか理想家の妹女王マリアンにダダ甘でだったり、頭おかしいメイドのイエッタに振り回されてわりと涙目になってる頻度が多かったり、なにやらお兄様の信頼度が絶大になってるマリアン女王がかなり無茶ぶりしてきそうでそれに振り回されそうだったり、私人の部分でかなりポンコツ風味が漂ってる人なんで、この人カッコつけててもなんか微笑ましく見えてしまうんですよね。
あ、ヴィセルさんがまた黒幕気取ってるー、みたいな。
カレルくんにはせいぜい苦労してもらうよ、なんてキメ顔でうそぶいてる直後にめっさんこ周囲から寄ってたかって苦労背負わせらてヒーヒー言わされる未来像を予告されちゃってたりとか、何気に作者からも愛されてるんじゃないだろうか、この人。
かなり印象が変わったのが、コルネリウス隊長で戦うことしか興味のないバトルジャンキーという、一巻での扱いにくそうな描写に、便利は便利だけれど寡黙だし性格尖りすぎてるしキャラとしては動かしづらそうだなあ、と思ったらまさかの子供好き、という要素を一つ盛り込んだだけでガラッとキャラの印象そのものをひっくり返してくれましたからね。助けた子供に懐かれてる隊長に和んでしまったw
予告されていた灰エルフ編は三巻へ持ち越し。一巻のラストで意味深な登場した灰エルフの人、結局出番なかったしw でも、今回のこの二巻で既存のキャラの掘り下げと関係の熟成がかなり進んだので、決して無駄ではなかったのではないでしょうか。
政略結婚というはじまりになってしまったカレルとセシリアですけれど、今回の一件を通じて本当に信頼しあい心通じ合う、というよりもお互いを求めあえる、ああこの人のこと好きだ、と実感しあえる関係になれたわけで、こういう人間関係の収斂は見ていても味わい深いです。特に、主人公とヒロインともなればなおさらに。

1巻感想

ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団 ★★★★   

ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団 (ファンタジア文庫)

【ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団】 師走 トオル/有坂 あこ 富士見ファンタジア文庫

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「わたしも、あなたを夫として受け入れるわ」
これより二年の後、古の魔王再臨し、人類は滅ぶ。絶望の未来を塗り替えるため、“アレンヘムの聖女”セシリアと婚約し、最強の傭兵団“狂嗤の団”の団長となる道を選んだカレル。“アレンヘムの聖女”が持つ『自分の死を夢見る』という悪夢に希望の力を見いだしたカレルは、死の運命を回避する力を持った英雄として五芒国平定のため動き出す。一方その頃、幼くして女王の座を引き継いだ妹のため、暗愚を演じ続けていた王子ヴェッセルも権謀術数に長けた英雄として歴史の表舞台に姿を現す。玉座の頂を目指す英雄たちの叙事詩が今、幕を開ける!
ダブル主人公かぁ!
師走トオルさんの手がける戦記モノとしては【火の国、風の国物語】以来となるので随分久々となるので楽しみではあったのですが、まさかの主人公二人。しかも、普通は二人主人公制だと当の二人を好敵手として対立線上に置くパターンが多いのだけれど、本作での国際情勢を見ているとどうも最初から協力路線を辿りそうなのである。ただ表立って堂々と同盟を結んで、とはいかなさそうなんですよね。カレルの陣営もヴェッセルの陣営も強大とは程遠いどちらかというと弱小寄りの勢力であって、国際情勢のパワーゲームの中で決してイニシアティブを握れる立場にはない。だからこそ、ヴェッセルの方は影で暗躍して謀略を巡らすことで主導権を手繰り寄せようとし、カレルの方は強力ではあっても数量、国力の規模から絶対的な劣勢にある上に大国から標的にされて狙われているところを、策略を駆使してちゃぶ台をひっくり返そうとしている。
両者の喫緊の目標、生き残りと突出した大国の勢力を削る、というところが合致しているだけに、表立って手を結ぶと出る杭は打たれるの法則であっちこっちから叩かれかねないので、裏で協力体制を築こう、という流れになってるんですね。
この展開からわかるように、カレルもヴェッセルも圧倒的な武力によって相手を叩き潰す将軍タイプではなく、手練手管を駆使して優位を手繰り寄せていく智将であり政治家なのである。ダブル主人公二人ともがこういうタイプ、というのも珍しいんじゃないでしょうか。それに二人ともカリスマでみんなを引っ張っていくタイプでもなく、もちろん周囲の面々から認められるだけのものは持ってないといけないけれど、指導者としてのカリスマという点から見ると、二人とも相方である「アレンヘムの聖女」セシリアと女王マリアンというヒロイン側に頼っている、というのも面白い。
最終的な目的である、魔王復活に際して人類側の戦力を結集する、という点、特に魔王の復活に対してなんとか対応しなくてはならない、というところでカレルもヴェッセルも一致しているだけに、最後は雌雄を決する、なんて定番の展開にならず一筋縄でいかない共闘関係というのが複雑怪奇に成立しそうな感じで、非常に興味深い流れであります。
二人とも図らずして、少なくとも本人たちはそのつもりがなかったのにそれぞれ組織のトップに祭り上げられた、というところで共通していて、そのやる気原動力動機の少なくない部分にセシリア、妹のマリアンを守りたい、助けたいという野心とは異なる意気があるところなんぞも主人公らしさがあっていい感じですし。
いい感じと言えば、セシリアとカレル、最初は完全に政略結婚という形ではじまるんですよね。これもまた珍しいものなんだけれど、聖女の能力にも絡んでくるのだけれどお互いちゃんと心寄せていき惹かれ合っていく展開が丁寧に描かれているのも良いんですよね。
セシリアがカレルを信じて、またカレルがセシリアの強さに惹かれていくところなんぞも、聖女の能力の過酷さと相まって、非常に説得力がありますし。カレルのあの年相応な好きになった女の子のために頑張る男の子、的な可愛げがまた愛で甲斐のあるところで。結構シスコンなヴェッセルとともに二人して魅力的な主人公なだけに、これは期待のシリーズとなりそうです。たのしみたのしみ。

師走トオル作品感想

リア充になれない俺は革命家の同志になりました 1 ★★★★   

リア充になれない俺は革命家の同志になりました1 (講談社ラノベ文庫)

【リア充になれない俺は革命家の同志になりました 1】 仙波ユウスケ/有坂あこ 講談社ラノベ文庫

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“スクールカースト”とは、誰が作るわけでもなく気がついたときには自然と構築されている不思議な階級。その最下層に位置する白根与一は図書部に入るよう命じられる。図書部の廃部にハンストで抵抗する問題児を止めるための人数合わせ(と監視役)とのこと。どんなおかしな奴が待っているのかと恐れながら部室に行った白根だが、彼を待っていたのは純真可憐な黒羽瑞穂と名乗る美少女。しかし口を開けば過激思想発言が止まらない危険人物でもあった。その中に掲げられたスクールカースト紛砕計画に白根は心を動かされ、気がつけば彼女の理解者に?カースト一軍のリア充で黒羽の幼馴染み・中禅寺さくらを交え、おかしな図書部の活動が始まる!!
彼女は真っ赤なコミュニスト。マルクス主義者の革命家としてスクールカーストという階級社会を粉砕するために戦うのだ。いざ、闘争の幕が開けん。
という、古今まれに見る危険人物がヒロインなわけだけれど、暴力革命の否定と真なる平等を目指そうという姿勢はテロリズムとは一線を画しているはずなんだけれど、時々激高すると手段を選ばなくなるので危ういというと危うい。
いや、変な子だなあ。なにをどうやったら、マルクス主義へと走ってしまうのか。動機に関しては明白なんですよ。ものすごくわかりやすい。一番大切な友達と対等になりたい、というごくごく私的な理由が彼女の原動力なのだ。彼女の家の事情、家庭環境、そして親友である中禅寺さくらの家との関わり方を思うと、瑞穂が忸怩たる思いを抱えてしまったのはわからないでもないのだけれど、そこで相手の拒否や自身の卑下ではなく、自分と彼女の関係を歪める立場そのものを敵として捉えて階級社会そのものを撃滅せんと志した、というのはやっぱりぶっ飛んでいる。彼女の天才性の一端であるのかもしれないが。
尤も、階級というものを一方的に気にしているのは瑞穂ばかりで、さくらの方は全くと言っていいくらい気にしてないんですよね。それを瑞穂の空回りと言ってしまうのは酷な話で、むしろさくらという少女の特異性なのだろう。そんなさくらの在り方が、彼女をスクールカーストという階級社会の女王として成立させている要因といえるのだけれど、彼女を頂点として形成されているカースト制度の住人である普通の生徒たちは、もろにそのカーストの影響下にあるわけで、そんな社会の在り方に不遇を強いられたり、理不尽を与えられていたりする人たちにとっては、やはりどうしたってさくらは倒すべき社会の象徴でもあるわけだ。
親友であり天敵であり一番大事な人であり、そして倒さなければならない敵。その矛盾に溺れながらも、瑞穂はさくらと対等になるために戦うのだけれど……皮肉なことに、さくらから見ると瑞穂の存在、彼女の備え持つ固有の天才性というものが自身と瑞穂を対等とするのを妨げている要因なんですよね。
二人の抱えている相手に対するコンプレックスが、見事なほど噛み合っていない。そして、相手の乗り越えるべき部分と考えている要素を、当人はまったく認識すらしていないのだ。瑞穂は自身の天才性に何の価値も意義も見出しておらず、無意味に思っているどころか自分が天才であるという事実すら認識していない。一方で、さくらはさくらで自分が立っている資本家階級という立場について、全く認識していない。自分と瑞穂の家に家格の差があり、金銭の貸与まであり、貧者と富者という格差があることすら、意識していない。
悲しいまでにすれ違い、打破すべきと考える部分が噛み合わず、真っ向からぶち当たることすら出来ないでいるのだ。そして、そのことに二人は全く気がついていない。
二人が決して面と向かって対立せず、関係が破綻しなかったのは、瑞穂があくまで立場に対して攻撃的であってさくら個人には親友として接し続けたことと、さくらが瑞穂の圧倒的な天才性に逆らわず反発せず憎まず恐れず、ただ寂しそうに遠くて届かないものとして諦めていたから、なのだろう。個人同士として、二人は親友で在り続け、お互いを大切に思い続け、しかしこれっぽっちも重なっていなかったのだ。
二人を比べてみると、瑞穂の方は革命家になってでも自分とさくらが親友であることに実を持たせようと努力しているのに対して、さくらの方は完全に諦めている分、瑞穂の方がまだ前向きに見えるんだけれど、さくらの抱えている痛みを、さくらが瑞穂を見る目の意味をまるで察していないのを見ると、ヒドイ空回りをしているなあ、と痛ましくなってくるんですよね。瑞穂がどれほど、目標を叶えて対等になった! と叫んでも、さくらの方はこれっぽっちも瑞穂の言葉の意味を、その闘争の意味を理解しちゃいないのですから。それの、どこが対等なのか。履き違えている、勘違いしている、自分がどれほどさくらを傷つけているかまるで気づいていないその鈍感さが、なんとも愚かしく……愛おしい。
ぶっちゃけ、これ読んでて思ったのは、主人公は何をしてるんだ、というところなんですよね。この物語のベースはどうやったって、瑞穂とさくらの物語なんですよ。しかし、瑞穂に諦めるのでもただ受け入れるのでもなく、戦うという方法を、意思を、勇気を与えたのはかつての白根与一であり、今でも瑞穂の中では彼は「英雄」なのだ。
その英雄は今なにをしているのか。うん、瑞穂の革命の手伝いをするのはいいんだ。ヒロインの意思を支え、勇気を助け、その背を押して、その志を導いて……。
それはいい。それは主人公として間違っていない。危なっかしい瑞穂のやり方、在り方を上手く辻褄合わせて、現実に沿わせて、修正してやって、戦いを続けさせる、目標を叶えさせて喜ばせてあげる、革命を成功させて、対等と彼女が考える結果をもたらしてあげる。それ自体は、実に主人公らしい。
でもさ、それでいいの? 瑞穂の目的は叶うかもしれないけれど、彼女が考えている決着が彼女が求めている結果をもたらさないとしたら、彼女をそのまま進ませてしまっていいの?
さくらは、ずっと寂しそうに笑ったままだよ? さくらは、瑞穂の闘争の意義も、勝利の価値も、何も知らないよ。気づいてないよ、理解なんかしちゃいないよ?

そう、この物語はまだ登場人物の誰も、自分たちが抱えている問題も矛盾も気づいていないのだ。致命的な破綻へと、ただただ突き進んでいるだけなのだ。
与一は、全体像を勿論把握していないけれど、さくらと瑞穂を離してはいけない。何としてでも、一緒にいるように仕向けなければならない、とあれこれ工作をしているあたり、本能的に自分がしないといけないことについては察しつつあるんですよね。あとは、それをどれだけ論理的に具体化して行動指針へと転換できるか。今のまま、何となく零れ落ちそうなところをフォローしていくだけじゃあ、破綻する。二人のヒロインの向いている方向を、きちんと当人たちの分かる言葉で、理解できる価値観で、整えて向き合わせないと。
これって、革命で現状を粉砕するだけの簡単なお仕事じゃないんですよね。本当の意味で話し合い、理解の埒外にあるもの同士を同じ地平に引きずり落として理解させ合い、和解させなければならない。
事が損益ではなく、友情にまつわるものだけに、政治的妥協なんぞ許されない。地上最強の難事である。果たして、主人公与一はこれを成し遂げられるのか。ヒロインとともに革命を成功させるよりも、よっぽどハードミッションなだけに、顛末がどう転がっていくのか、実に興味深い一作のスタートでありました。

神武不殺の剣戟士 2.アイノススメ 3   

神武不殺の剣戟士2 アイノススメ (ファミ通文庫)

【神武不殺の剣戟士 2.アイノススメ】 高瀬ききゆ/有坂あこ ファミ通文庫

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貴方の不殺は、『人を殺せない』弱さからきてはいないですよね?

赤マント事件の罰で帝剣は謹慎した。
被害者の星村千歳も戻り、平穏になると思ったその時、清水龍人が、初めての敗北を喫した! 相手は千歳と犬猿の仲の浅木春芽。龍人は春芽の従僕にされ、千歳の眼前から連れ去られる! そして、帝都の路地裏を荒らす『九頭龍教団』撃滅の手伝いを嫌々させられるのだが、その教団が、不殺による錬武と並び求める最強への術、延年益寿と関わりあると知り――。
蒸気煙る帝都で学徒剣士が刃交える剣戟浪漫アクション第2弾!!
さ、さすがに2巻で打ち切りは慮外よのぅ。というか、あんまり覚えがないんだが。だいたい、3巻まで様子を見るか、いっそ1巻だけで後腐れなくすか、なんだけれど。ああ、でもファミ通文庫はたまに容赦なくやることがあったか。いずれにせよ、容赦ないなあ。
龍人が志しているという「延年益寿」って、なんか不老不死と絡めて話しているもんだから、胡乱な概念なのかと思ってしまうけれど、要は寿命を伸ばして長生きしましょう、という事であって、この寿命を伸ばすという点を怪しげな術に頼るのではなく、単に健やかに過ごしましょう、という風に捉えると、ごくごく健全な四字熟語なんですよね。
さて、龍人は不老不死の怪しげな術も「延年益寿」に至る手段だと興味津々の様子ですけれど、実のところ不殺の縛りにしても、悪を標榜しているのも、彼にとってのメンタル的な健康法「延年益寿」にも思えるんだよなあ。武を練り上げる為、というのも間違いないけれど、不殺も悪として好きに振る舞うのも、心の負担を負わせず健やかに伸び伸びと過ごすため、と考えるなら、彼はすでに「延年益寿」を体現しているわけだ。
剣を捨て危険から遠ざかればなおよし、なんだろうけれど、武の研鑽が人生の目的ならば、そうも行くまいか。
それでも、何事も儘ならない世の中でそうやって自由に生きるというのは、何とも羨ましい限りである……もっとも、この作品、そのあたりの生き方の自由さについてはフリーダムな人が大半な気がするんだけれど。今回敵として現れた大人の人が、独りでそのあたりの理不尽を被っちゃってる気がする。
まあ、春芽は自分の努力と才能と運を武器にして足掻いた末に、儘ならなさから脱却してマイ・ロードに乗ったわけだし、千歳も自縄自縛に陥ってばかりだけれど、龍人に引っ掛けられたり自己完結したりして、色々躓きながら浮上してきているわけで、それなりに苦労しているのだから、ごちゃごちゃ言われたくないだろうなあ。
問題は三年生だよ。あの、どいつもこいつも片っ端から狂人の類というのはどうなってるんだw 完全に人外魔境じゃないですか。なんで、一年学年が違うだけで、あそこまで破綻するんだろう。不思議である。会長を見ても分かるように、狂人には狂人のしがらみと惑いがあるようだけれど、あんまり悩んでいなさそうなところは、フリーダムフリーダム♪
結局、帝剣って抑えこんでも自由にしても危険という意味では変わらないんじゃ……。今回だって、結局殆どマッチポンプだったし!
ちょいと残念だったのが、1巻ほど各剣術流派の合理理合、「剣戟とは、武具と五体を用いた論理戦なのだ。」と1巻で語られた部分が引き立ってなかったところか。あんまりドタバタ派手に動きまわっていたけれど、論理戦的な展開はかなり少なくなってた気がする。
主人公の龍人の、現在の思想に至るまでの過去の因果の伏線となるところが散りばめられてたり、春芽のちょっかいによってついに千歳がヒロインとして動き出したり、と次回以降にも期待できる動きが見えてきたところでもあり、戦闘シーンの挽回も含めて楽しみに待ちたいところだったのに、結構打ち切りはショックだったなあ。マジで次回作は幕末ガンバトルで行ったらいいんじゃないかと……。

1巻感想

神武不殺の剣戟士 アクノススメ4   

神武不殺の剣戟士 アクノススメ (ファミ通文庫)

【神武不殺の剣戟士 アクノススメ】 高瀬ききゆ/有坂あこ ファミ通文庫

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目指す“最強"の剣!! それは人を斬って拓く道か――!?

帝都剣術学校。
悪を自称する清水龍人が入ったその学校は、新式蒸気機関による近代化に沸く帝都オオエドを刀剣犯罪から護る華。
そして、「決闘」を教育の一環と見なす物騒な所だった!
決闘否定派だった龍人も、天才剣士星村千歳に辻斬り犯と間違われて闘う事に。
人を斬らねば強さは得られない、と語り、殺す気で来る千歳。迎え撃つ龍人。だが、彼は不殺主義者で――。
第15回えんため大賞特別賞。蒸気に彩られし帝都で学徒剣士が刃交える剣戟浪漫アクション!!
この本、最初はタイトルにもある「不殺」が、また主人公がスカしてるか、変にウジウジしてネガティブな鬱陶しいタイプなんだろう、と思ってスルーしてたんですよね。殺さないというのは、場合によっては増長傲慢の上から目線にもなってしまいますし、やたらと制約が多いストレスのたまる展開になってしまいがちですからね。不殺、或いは活人というものに対して、エンタメ的見地から明快でスッキリした解答を持ってる作品ってやっぱり少ないですから。特に新人作品となるとなおさらに、という考えが頭にあったので、どうしても回避の方に走ってしまったのですが、評判の方を見ているとどうも不殺というものに対するスタンスや、主人公のキャラクターが忌避していたものと全然違っている様子だったので、思い切って購入してみることに。読書メーターってネタバレ怖いですけれど、こういう大まかな感触にダイレクトに触れられるので、結構重宝します。
で、読んでみたらなるほど、たしかにこれがまた面白かった!
主人公は確かに不殺を旨として戦いに挑んでいるし、殺すことで強くなるという思想に対しても否定的なんだけれど、切り捨て上等のこの世界観において、他人にまで殺すなかれを強いているわけでも、声高に主張しているわけでもなく、あくまで個人の主義でわりと他人は他人、という態度なので鬱陶しさは一切感じませんでした。彼の場合、不殺がどうのというよりも、悪を標榜することに夢中なんですよね。その悪としても振る舞いも、面白いのが偽悪を気取っているんじゃなくて、わりと本気に悪を成そうとして何故か善行に走ってしまっているアホさ加減が滑稽で面白い。ああ、アホの子なんだなあ、と思わずニヨニヨしてしまう主人公なのだ。
とはいえ、こんなアホの子ではあるものの、剣術の腕前については本物。この切り捨て御免の学校の中で不殺を貫けるほどの剣腕を有している。敢えて、剛剣・示現流の使い手としたところがまた面白い。数ある剣術流派の中でも、示現流ほど一撃必殺を体現している流派もないだろうに。
うん、この作品の極めて面白いところは、剣戟において、実在の流派を、きちんとその特性を表現しつつ扱っているところでした。普通は看板だけ借りて、何が新陰流なのか、一刀流なのか違いが傍から見ているとさっぱりわからないようなものなんですけれど、本作では凄くマニアックに各流派の特徴や理論を突き詰めて剣戟へと転換しているのですよ。
 理に合わせる事が合理なら、合わせるべき理の事は理合という。
 剣術は理合の集まりであると同時に、一つの大きな理合であるとも言える。
 剣戟とは、武具と五体を用いた論理戦なのだ。

作中にあるこの一文が、本作における剣戟のスタンスを表しているように思う。
示現流、北辰一刀流。二天一流に天然理心流。直心影流に大森流。剣術好きには、色々と美味しいネタがいっぱいで、うん、ご馳走様でした。
あの「心斬り」なんかは説得力ありましたよ。あそこから、星村千歳という少女の死生観をひっくり返して彼女のヒロインとしての魅力を切り広げていく生と死の観念の描き方なんかも面白かったですし。かなりテンポよくコメディタッチに描かれながら、意外とこういう死生観については土台がしっかりしているので、軽妙ではあっても軽薄ではなく、読み応えありましたよ。
あと、シンプルに蘭服かっけえっす♪ 実に楽しめる快作でした。今後も期待。

 
1月25日

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1月21日

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1月20日

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1月19日

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1月18日

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(ガガガブックス)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)
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1月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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1月15日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(コロナ・コミックス)
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(コロナ・コミックス)
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1月14日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GAノベル)
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(GAノベル)
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(GAノベル)
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1月12日

(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ビッグ コミックス)
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(アース・スター コミックス) Amazon Kindle B☆W


(アクションコミックス(月刊アクション))
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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1月10日

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1月8日

(BLADEコミックス)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(電撃コミックスNEXT)
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(角川コミックス)
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1月7日

(少年チャンピオン・コミックス)
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(マガジンポケット)
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(マガジンポケット)
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(マガジンポケット)
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(マガジンポケット)
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(good!アフタヌーン)
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(good!アフタヌーン)
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(good!アフタヌーン)
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(good!アフタヌーン)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(マガジンポケット)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(ガンガンコミックスUP!)
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(ガンガンコミックスUP!)
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(ガンガンコミックスUP!)
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(ガンガンコミックスUP!)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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1月6日

(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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1月5日

(ヒーローズコミックス)
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(ヒーローズコミックス)
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1月4日

(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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12月28日

(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(講談社ラノベ文庫)
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(講談社ラノベ文庫)
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(講談社ラノベ文庫)
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(一迅社ノベルス)
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(一迅社ノベルス)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(ビッグ コミックス)
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12月27日

(ヒーロー文庫)
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(YKコミックス)
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(YKコミックス)
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(B's-LOG COMICS)
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(B's-LOG COMICS)
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(B's-LOG COMICS)
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(REXコミックス)
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(REXコミックス)
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(REXコミックス)
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(REXコミックス)
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12月26日

(モンスターコミックス)
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12月25日

(ZERO-SUMコミックス)
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(ZERO-SUMコミックス)
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(DNAメディアコミックス)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ファミ通文庫)
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(PASH!ブックス)
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