杉井光

楽聖少女 43   

楽聖少女 (4) (電撃文庫)

【楽聖少女 4】 杉井光/岸田メル 電撃文庫

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束の間の平和が訪れる中、ルゥがいよいよ取りかかったのは、歴史的な二大交響曲“運命”と“田園”。しかしその初演にまたしても教会が言いがかりをつけてくる。ただの難癖に終わるかと思われていた教会の妨害工作は、ナポレオンとその敵対勢力の陰謀の絡み合いからやがて大事件に発展し、予測不能の悲劇は悪魔メフィをも巻き込む。死地に追い込まれた僕がついに直面するのは、この奇妙な世界を支配する残酷な“運命”そのもの―。急転する絢爛ゴシック・ファンタジー、第4弾!
あれ? ルゥの外見年齢ってそんなに幼かったの? それだと少女というよりも幼女に近いじゃん! いや、魔法少女が小学生からなのを考えると、12,3歳は少女の範囲か。いや、それでもアウトだよ。なに少女と同棲してるんだよ、このファウストは! ロリコン! 超ロリコン!! あ、でも神様のメモ帳のアリスも外見はだいたいおんなじくらいなのか。だとしたらOK? ……いや、アウトだろ。両方アウトだろ! いやだがしかし、外見はあくまで外見であって実年齢とか生きている年数とか精神年齢を考えると、合法なのか。合法だよな。それ以前に、法なんてこの世界には存在しない!!
無意識に、ルゥの年齢はもうちょっと上だと思っていたので、ちと取り乱してしまいました。でも、今回メフィが怒涛の勢いでヒロイン紛いの扱いになってきたお陰で、見た目的にはユキとメフィ夫婦に娘のルゥ、みたいな家族感になってきてしまったような……。いやだって、12歳だぜ。アウトだろう。
それにしても、メフィはユキよりだとはいえあくまで悪魔であって真意を悟らせない妖艶で惑いを誘う言動で敵味方の境界を浮遊してきたと思うんだけれど、今回の行動を見ていると彼女、もう自分の欲望よりもユキたちを優先してしまってるんですよね。これって、もう悪魔として逸脱してしまっているように見える。これじゃあ、愛と献身に身を捧げる天使みたいじゃないか。おのれ、こんなにエロい天使があってたまるか。
ユキが執行した大魔術もまた、メフィの在りようをそちらに固定してしまったんじゃないだろうか。実際はどうあれ、現実を彼の思う形に照らしあわせて実現してしまったわけですから。その定義された世界では、メフィは自らを犠牲にして愛するものたちを救おうとした者として観測されてしまった事になりますし。
しかし、ここまでデタラメが融通をきかせるとなると、この世界自体が相当に柔らかく芯を持たないことになる。ここまで自在に変容がかなってしまうということは、異世界というよりも箱庭みたいな限定世界なのか。それも、容易に改変……いや、上書き可能な書き換えが可能となると、これは誰かの執筆によって造られた、或いは現在進行形で造られつつある創作世界みたいにも思える。ナポレオンは、その中で一番割りを食ってしまっているキャストにあたるのかもしれない。
相変わらず、音楽と神学的見地から当時の欧州をおもちゃ箱みたいにして遊びまくってる作品だけれど、その軽佻浮薄さに安心してしまうのは、何とも面映い。慣れ親しんでしまった、とも言える。
ルゥが、自分もまた本物のベートーベンではないと自覚した事が、ルゥ自身にもユキ自身にもちょっとした安定感をもたらしていて、二人の親密さにブレがなくなったのも良い方に回ってるんじゃなかろうか。そこに、メフィもまたユキとルウの二人に密接に寄り添ってきた感がこの巻で強まってきたので、クライマックスに向かう上での身内の地固めとしては十分に進展があったんじゃないだろうか。もっとも、メフィは近づきすぎた事で逆にバランスを崩しかねない危うさを抱え始めた気もするけれど、そんな狭間に入り込みつつあるヒロインというのはまた愛しいものじゃないですか。大いにアリで。

杉井作品感想

生徒会探偵キリカ 4 4   

生徒会探偵キリカ4 (講談社ラノベ文庫)

【生徒会探偵キリカ 4】 杉井光/ぽんかん(8) 講談社ラノベ文庫

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生徒数8000人の超巨大学園に秋がやってくる。食欲の秋、読書の秋、そしてスポーツの秋!二学期最初のビッグイベント・体育祭を控え、生徒会は臨戦態勢に入っていた。もちろん白樹台の体育祭はただの運動会じゃない。運営権と予算枠3000万円を賭けた、体育科とのガチンコバトルだったのである!強大な敵を前に、普段は反目しあう会長と朱鷺子さんと郁乃さんも一致団結。キリカも莫大な予算額にいつになくやる気満々。そして僕らの前に立ちはだかる体育科のリーダーは…魔王陛下?いつもより多めの肌色に青春の汗と涙がまぶしく光るハイテンション学園ラブコメ・ミステリ、第4弾!
すげえ、何言ってるかさっぱりわからないけれど、会話が成り立ってるよ!! 体育科のリーダーと言いつつもあんまり体育会系の匂いのしない魔王様。一応フェンシングの選手らしいけど、どう考えても政経系統だよな、この人。相変わらず杉井さんは、マイワールドを展開している人を描くことにかけては息を吸うかのように滑らかだ。普通に喋っている限り、まるで一般人と会話が通じないような独自言語がするすると吐き出されてくるんですよね。合いの手となる主人公のツッコミが華麗すぎるので、なんとなく意味がわかるような気がするけれど、実際ほんとに何言ってるかわかんないよねこれw
これまで中二病を発症してマイワールドを展開してるキャラは幾人も見てきたけれど、これほど滑らかに中二言語を互換して喋ってるキャラは初めて見ました。というか、普通の中二病キャラの喋りには「誇示」が含まれているものなんだけれど、この魔王様の場合はあんまり主張は感じないんですよね。純粋に互換して喋っているような気がする。ある意味同作者の【楽聖少女】のハイドーーーン!の人と同じベクトルを感じるw
しかし、その頭脳の切れ具合は浮かれた部分など微塵もない。何だかんだとお調子者な生徒会の面々や、弄られ属性が色濃くある朱鷺子などと比べても、魔王様の思考は常にクールで鋭く研ぎ澄まされていて、じっと機会を伺い雌伏し続けることを厭わない我慢強さが垣間見える。それでいて、その心根は実に熱く情熱的だ。実は杉井作品に稀に見る主人公属性の人なんじゃないだろうか、これ。

今回は超巨大学園の体育祭、しかも主導するメンツにエンターテイナーが揃いも揃ったイベントだけに、お話も盛り上がる盛り上がる。なんか、終わってみれば超真っ当な知恵と力と意地と根性が真っ向からぶつかり合う、実に健全で血の滾るお祭り騒ぎだったんじゃないでしょうか。純粋に楽しかったぞ、今回!
我らが詐欺師ひかげくんも、経験したことのない大イベントに戸惑いながらも、より大会を楽しく盛り上げるために、何よりキリカに楽しんで貰うためにあれこれと尽力してまわっていたあたり、今回はほんとに肉体的にも精神的にも健康なお話だったように思うのでした。
応援合戦は、個人的には体育科の勝ちだったよ! 楓花さん、素敵過ぎます!! ヒロイン度爆上げだったんじゃないでしょうか。キリカもひかげの後押しがあったからだけれど、普段からは想像もつかないほど前面に出て活躍していましたし。キリカが体育祭であんなに前に出るとは、予想外もいいところ。杉井作品の主人公って、概ねヒロインに対して過保護だけれど、キリカはその中でも比較的積極的に応える娘だなあ。
とまあ、全体的にこんなにも健全な流れだったのに……のに、って言っちゃあなんですけれど、ひかげ君、今回は生徒会側の軍師的な役回りでクライマックスで策を巡らせていたのですが、ひかげがやるとどうしても軍師や戦略家の神の手、というよりもなんか詐欺っぽくなるんだよなあ(笑
相手の作戦を逆手に取る、どころか相手に自分たちの思う通りの作戦を立てさせるように誘引するところなんぞ、毛利元就もかくやという謀略家っぷりだったんだけれどなあ、終わってみれば詐欺にあったようなお話でw
いや、ほんとにお見事としか言いようのない鮮やかさだったんですけどね。普段の行いだなあ、こればっかりは。こんな彼が、真っ当に狐徹会長に勝負して正々堂々と勝つ姿はやっぱり想像できない。詐欺で騙して勝つ姿は想像できるけれど、それっていいの?という話だし(苦笑
それでも、ひかげには今や明確に会長と勝負して勝ちたいという欲求が赤々と燃え上がっているようだ。対決の日は、近いのだろうか。

1巻 2巻 3巻感想

楽聖少女 33   

楽聖少女3 (電撃文庫)

【楽聖少女 3】 杉井光/岸田メル 電撃文庫

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初オペラの公演失敗で落ち込んでいたルゥのもとに届いたのは、プロイセン王国での再演依頼だった。喜び勇んで楽譜の書き直しを進める彼女の身に、やがておそるべき異変が襲いかかる。…耳が聞こえなくなり始めたのだ。原因を探るうちに僕が見つけたのは、ベートーヴェンの隠された過去と、さらなる謎。不安を抱えたまま僕らはプロイセンに向かうことになるが、折しもナポレオンもまたプロイセンに進軍を開始。歴史に翻弄される僕らの運命は、再び戦場で激しく交錯する―絢爛ゴシック・ファンタジー、第3弾。
はい、もう完全に同棲生活です。一応別々の部屋だったはずなのに、もう一緒に住んでるじゃん!!
そんな幸せ新婚生活を送ることで「時よ止まれ」と言いたくなってしまうのであればそれも面白いのだけれど、しかしゲーテであり幸でもあるユキはあくまで芸術家であり、美しさの業に囚われた悪魔たちの恋人なのである。その業は、ベートーヴェンの非業の人生からもたらされる人類史上に燦然と刻まれる名曲の誕生を渇望してやまない。それが愛するルトヴィカを不幸のどん底に落とすものだとしても、美しさを求めることを否めないのだ。そして、それは当のルトヴィカもまた同じ。自ら悲劇の贄となることでこの世に生まれたことのない音楽を生み出そうという業が彼女の中に生まれている。幸せであることも出来るだろう二人が、しかしゲーテとベートーヴェンである以上避けては通れぬ道である。
しかし、同時に彼と彼女は偉人でも何でもないただのユキであり、ルートヴィヒではないルトヴィカというただの少年少女でもあるのだ。ゲーテとベートーヴェンになりかわった二人の少年少女は、当人でないからこそ選べる歴史にない道があるはず。しかし、悪魔の力を借りる事で二人は歴史の修正を受け、より深くゲーテとベートーヴェンとなり、元の人間としての存在を失っていく。
全てを失い、伝説を取り戻すことが至上の幸せなのか、それとも成り代わったがゆえに生まれるかもしれない新たな創造を求めるのか。言葉にすれば簡単なことだけれど、二人は誰よりも自分が成り代わった偉人の偉業と、その残した伝説的な芸術の素晴らしさを知るがゆえに、それを失わしめる事を恐れざるを得ない。自然と、彼らは自分たちの知る最高にして至高の芸術を顕現させるべく、自らを贄としてしまうのを厭わないのだ。でも、それはあくまで「自らを」なんですよね。どうして、ユキとルトヴィカが一緒にいるのか。一緒になってしまったのかが、そこにあると思うのです。彼らは二人共、自分が贄となることは厭わなくても、相方が贄となって失われてしまうことだけは、最後の最後で認めないし許さないし受け入れない。彼らは二人である限り、決してゲーテとベートーヴェンに成り果ててはしまわないのである。
そのお互いに業に囚われていくのを繋ぎ止めるかのような二人の関係が、まわりまわって徐々に歴史と運命をねじ曲げていくのである。幾つもの、何も残さずに消えていくはずだった去りゆく人の想いが、二人の軌跡が生んだ波紋によって色鮮やかに人々の心に焼き付いていく。果たして、二人が及ぼすこの世界の人々に与える影響は、回りまわってユキとルトヴィカを救うことになるのだろうか。
そして、ユキは、ルトヴィカは、本物のゲーテとベートーヴェンを超える、彼ら自身の芸術を創造できるのか……。

しかし、ルトヴィカが本物のベートーヴェンの記録に触れることで、どんどん肉体の記憶をも取り戻していってしまっている、というお話。耳が聞こえなくなるとか、胃腸が弱くなるというだけならまだいいんだけれど……肉体の記憶を取り戻し過ぎて、少女がオッサンになったりしないんだろうな!? ちょっとマジで危惧してしまってビビったんだけど、どうしてくれるw
そして、ハイドン兄弟が想像以上にイラスト的に濃かった。もう、挿絵見た瞬間吹きましたがな。何この汗ばむ闘魂w 服が筋肉ではちきれそうじゃないか。未だに、こいつらの弟子たちが音楽を奏でるシーンがまるでイメージ出来ないんですが、どうしてくれるw

1巻 2巻感想

生徒会探偵キリカ 34   

生徒会探偵キリカ3 (講談社ラノベ文庫)

【生徒会探偵キリカ 3】 杉井光/ぽんかん(8) 講談社ラノベ文庫

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生徒数8000人超の巨大学園を牛耳る生徒会で書記として働き始めた僕。やってきた高校最初の夏休みは遊びやイベントでいっぱい……では全然なく、いつものように生徒会室で変人ぞろいの女たちにいじくられながら、舞い込むトラブルをさばく日々だった。暴走気味の風紀委員長とはカンニング疑惑を巡って真っ向勝負で正義を戦わせ、夏といえばプール! の水泳対決では副会長の美園先輩の腹黒さとナイスバディが炸裂? 《生徒会探偵》キリカも諸般の事情でついに水着に! 色々と真っ盛りのハイテンション学園ラブコメ・ミステリ、第3弾
生徒会詐欺師が公称になってて笑ったw もはや詐欺師と称されても否定もできなくなってきたヒカゲくん。それでも、手口は詐欺師でも実際に犯罪を犯しているわけじゃないから、という言い訳にもならない言い訳にしがみついていたくせに、とうとうリアル軽犯罪に手を出してしまい、言い訳のしようもなくなりました。完全に詐欺師です。ってか、本当に手口が犯罪、犯罪です!! それ、オレオレ詐欺の上級手口だから(笑
杉井光作品の現代劇の主人公は多かれ少なかれ詐欺師めいた手法を取るんだけれど、その中でもこのヒカゲは頭一つ抜けてやり口が完全に詐欺師なんですよね。オマケにそのやり口が妙に現実的で生々しいものだから、色々と迫真なのである。でも、リアルな分騙しのテクニックも見ていてはっとさせられるほど秀逸で、つまるところエンターテイメント性が実は高かったりするのである。何気にガチで詐欺師モノという路線でも面白そうじゃあないですか。妙に、会長との対決気運が高まっている昨今ですけれど、あの政治的巨人であり暴君である会長と真っ向から対決し渡り合うとなると、ヒカゲもその詐欺師スタイルを全開にしていくことになるんでしょうか。なんでまた、ヒカゲが会長に対抗心を募らせているのかもなかなかわかりにくいところですけれど。あれで、人の下に付くを良しとしないタイプだったのか、ヒカゲって。それこそ名前の通りヒカゲでこそこそしながら、ちゃっかり実利だけもぎ取っていってしまうような人間に思えたんだが(酷
それとも、ヒカゲな人間だからこそちょっと遠くに行って欲しいほどギラギラ輝いている太陽みたいな会長に、羨望みたいな感情を抱いているんだろうか。そこに取って代わりたいとか、引きずり下ろしてやりたい、とか根暗な感情を抱いているようではないですが。

それにしても、この詐欺師モテモテである。さすがは結婚詐欺も手がけているだけある。詐欺師でジゴロって手に負えないですよね。しかも、人の感情に疎いところがある、なんていうのは他人の感情を弄び、意識を誘導するのが生業みたいな詐欺師にとっては、肝心な部分で感情に引っ張られない、と言う事にもつながるので有利ですし。まあ、情がないというわけではなく、むしろ情に流されやすいのですから、損得は差し引きされるのでしょうけれど。個人的には、最初から最後までアクセル全開でブレーキなにそれ? みたいな勢いでチョロい事になっている、というか24時間据え膳状態な美園さんが一押しですw いや、ヒカゲさん、ちょっとは相手してあげましょうよ。その内放置プレイですね、はあはあ、とか言い出しそうでちょっと怖いくらいですし。まあ、なんだかんだ言い訳しながら何気に一番ダイレクトアタックしてきてる朱鷺子さんに対抗するには、それくらい常時アッパー状態でないといけないのかもしれませんが。
キリカと薫を含めて、ボケとツッコミのテンポがキレキレに切れまくってて、このあたりのドタバタな掛け合いは本当に楽しかった。わりとシリアスではなくラブコメに重点に置いているという意味では、今シリーズ化している杉井作品の中では一番面白いかもしれない。

1巻 2巻感想

楽聖少女 23   

楽聖少女2 (電撃文庫)

【楽聖少女 2】 杉井光/岸田メル 電撃文庫

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『神様のメモ帳』コンビが贈る
絢爛ゴシック・ファンタジー、第2弾!

 交響曲の初演成功から数ヶ月、ルゥはスランプに陥っていた。新作の曲が革新的すぎて既存のピアノでは弾けず、新楽器の開発も行き詰まっていたからだ。
 そんな折、フランス軍がウィーンへ進攻。僕はついに魔王ナポレオンと相まみえる。そこで知るのは、魔王のあまりにも意外な素顔と、この歪んだ十九世紀世界の秘密の一端。そして僕らの前に現れる、不吉な銃を操る若き音楽家。
「俺がナポレオンを殺る。邪魔するな」
 復讐に燃える彼の背後には、悪魔の影が……。
四代目!! 四代目じゃないか!! どう考えても、カール・マリア・フォン・ウェーバーが【神様のメモ帳】の四代目こと雛村壮一郎にしか見えない! あと、彼の「手下」の楽団員たちが、どう見ても平坂組にしか見えない!! それ以前にこいつら本当に音楽してるのかよ、というような連中なんですけどね。ただ、それを言い出すと親玉のハイドンからして「ハイドォーーーーーン!」な人なので、壇上でオーケストラがバトルロイヤル風に大乱闘を繰り広げてるようなコンサートしか想像がつかない人なので、その意味ではお似合いの楽団員なのだが……音楽の話だよね、これ?
音楽の話なのである。
或いは芸術の、もしくは人が追い求める理想の形のお話なのである。
果たして理想とは現実の中に降り立つことの出来るものなのだろうか。人の欲望とは果てしない、それこそ悪魔を呼び出し魂を売り渡し、自分という存在すら別のものに取って代わってしまってすら、人間は欲望を、理想を、自分の中に見出したものをつかみとろうとする。それが、半ば叶わぬものだと承知しながら。
「時よ止まれ」
ファウストは、自分自身の人生で最高の瞬間を迎えた時、その言葉を発して最高を永遠にするためにメフィストフェレスに魂を捧げるという契約をしてしまっている。その為に、ゲーテとなった彼は頑なに感動を遠ざけ、自らの著作にも目を通すこと無く、自ら手がける文章にも筆が乗らない日々が続いてしまっている。
欲するを遠ざけるのは、その者が芸術家であり人ならば、果てしなく無駄な所業である、と気づくのが第一巻の題材だったとするならば、この巻で見出した業は、言うなレバどれほど欲しようとも、高みを目指すものは頂きには至れない、という事だったのか。立てば、そこは頂きではありえなくなる。もっと、もっと高く、もっと深く、より果てなきウテナを、よりとめどなき深淵を、人は限りなく求め続けてしまう。強欲こそが、人の業。
「時よ止まれ」
それは、芸術家にとって高みに至った瞬間などではなく、より高みを目指すことを諦めてしまった瞬間なのかもしれない。諦めた瞬間、求めたる者はただ下へと落ちていく。ならばいっそ、時を止めてしまえば、と。
あの魔王ナポレオンは、底の無い奈落へと落ち続けている最中なのだろうか。だとすれば、哀れであり、あまりにも虚しい存在である。
されば、ルゥことルトヴィカ・ベートーヴェンは今はその真逆の存在だ。この世に降り立つこと叶わぬ音の奔流を自らの内に抱えながら、それを現出させる為にひたすら不踏の絶壁を這い上がり続けている。諦めもせず、諦めるという概念すら気に求めず。いずれ辿り着くことなど無いのだと理解しながら、承知しながら、それすらも一顧だにせず、迷いもせず、ひたすらに自らのウチの理想に、欲望の形に殉じ続けている。
あまりにも危うく、だからこそ美しい絶望を知らぬ絶望のカタチだ。ゲーテはそれにこそ魅入られている。そして、自分もまた果てなき強欲の徒である事実に気付かされるのだ。気付かされたらば、もはや前に進み続ける他なくなってしまう。それは一つの絶望ではあるが、同時にこの世界においてはルゥとともに歩み続けることにも繋がる。二人で寄り添い、お互いに求めるものを求め続ける日々。それは暴力的であると同時に、穏やかで至福の時間だ。或いは、それこそが時を止めても留め続けたくなる最高の瞬間なのかもしれない。
或いは、それこそがメフィが求めているものなのか。
この淫蕩な悪魔の女は、不思議と何をゲーテに求めているか解からない。でも、それが明らかになってしまうと、この優しい悪魔は消え去ってしまいそうな儚さを、そこはかとなく醸し出している。
頂きに辿りつけずとも、動き続けるということは変化し続けるということだ。永遠に留めたい光景もまた、そうして移り変わっていく。ユキとルゥの2人の時間がいつまでこうして続くのかはわからないけれど、たとえ変化し続けても変わらずにそこにあって欲しいと、願うばかりだ。

1巻感想

楽聖少女4   

楽聖少女 (電撃文庫)

【楽聖少女】 杉井光/岸田メル 電撃文庫

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杉井光×岸田メルのコンビが贈る絢爛ゴシック・ファンタジー、開幕!

 高校二年の夏休み、僕は悪魔メフィストフェレスと名乗る奇妙な女によって、見知らぬ世界へ連れ去られてしまう。
 そこは二百年前の楽都ウィーン……のはずが、電話も戦車も飛行船も魔物も飛び交う異世界!?
「あなた様には、ゲーテ様の新しい身体になっていただきます」
 女悪魔の手によって、大作家ゲーテになりかわり、執筆をさせられることになってしまった僕は、現代日本に戻る方法を探しているうちに、一人の少女と出逢う。稀代の天才音楽家である彼女の驚くべき名は──
 魔術と音楽が入り乱れるめくるめく絢爛ゴシック・ファンタジー、開幕!
ついに武将や軍人英雄といった戦闘系の歴史上の人物にとどまらず、ベートーヴェンほどの音楽家まで女性化させられる時代がキたかー。なんて感慨に耽るまでもなく【境界線上のホライゾン】でシェイクスピアが女の子だったりするパターンは散見されるので、今更っちゃ今更なのだけれど。
ともあれ、舞台こそ二百年前のヨーロッパだけれど、これ完全にファンタジー世界で史実上の過去の世界と捉えるべきではなさそうだ。そも、歴史考証など気にしないからっ、と開き直った結果がこの世界観な気もする。杉井さんは、その手の歴史的背景に忠実で雰囲気や空気感まで当時を再現しイメージをふくらませる、というタイプの作品を書く人じゃありませんからね。その意味では非常に割り切りまくってるとも言えるのですが、ここまで開き直る人も珍しいと思うよ?(笑
ただ、なんて言うんだろう。だからと言って、現代劇の焼き直しじゃないんですよね。【さよならピアノソナタ】などで垣間見えた作者が持つ「クラシック音楽」というものへの知見が思い描き出した「クラシック」と呼ばれる音楽がまさに最先端だった時代が、彩色豊かにキャンバスを彩っている、そんな世界観なんですよ。
やりたい放題やってるのも確かですけどねっ!!
何でハイドン先生が「格闘家」になってるんだよっ! 「はいッどぉおおおおおおおんッ!」って、アホかぁぁ!!(爆笑

それでも、そこは音楽と言う名の芸術が結晶化したような、ロマンあふれる夢の世界だ。
過去へと思いを馳せ、作曲家たちが残したもの、残そうとしたものを譜面へと深く深く潜ることで探り当て、現在へと繋ぎ出す、そんなどこか繊細で玲瓏なイメージのあるクラシック音楽の演奏と違い、まさにこの時代の音楽家たちは常にまだ見ぬ先を見つめ、未知の大海へと漕ぎ出し、足あともない真っ白な新雪の雪原を、脚を止めればそのまま遭難死するのだと言わんばかりの必死さで掻き分け前に進むかのような、そんな暴力的なまでの闘争を感じさせる。
戦って戦って、前のめりに死んだあとに自分の紡ぎだした音楽さえ残ればイイ、と言わんばかりの邁進性を。
それは、燃え上がる生命の讃歌だ。燃え尽きることを恐れもしない、眩いまでの命の輝きだ。限りなく、現在を生きている音楽性なのだ。
そして、その眩い輝きを、この瞬間一番高らかに掻き鳴らしていた者こそ、ルドヴィカという少女なのである。
そう、彼女こそ「ルドヴィカ・ファン・ベートーヴェン」。ベートーヴェン、その人だ。
折しもナポレオン・ボナパルトがフランスを率いて欧州を席巻する時代。その濁流のような時代の流れは、当然のようにハプスブルグ家の中枢たるウィーンにも押し寄せ、そこで音の地平を切り開いていた音楽家たちをも飲み込もうとする。しかし、魂の髄まで、芸術家にして音楽家たる彼女は、政治も国際情勢も宗教も信仰も権力や暴力すらも、留めるに至らない。彼女が汲み上げようとしていた音楽を、俗世が理不尽に閉ざそうとしたときの、彼女の魂の叫びを聞くがイイ。ただただ、魂の音色を顕現させることだけに全存在を賭したものの全霊を聞くがイイ。
届かぬ高みへと手を届かせようと足掻き悶え這いずって手を伸ばし続ける表現者たちの、芸術家たちの飢えと渇きを、きっとそこで目の当たりに出来るだろう。
そして、彼女たちがその高みの頂きへと、到達点へと至った瞬間にこそ、その最高の瞬間を永遠にするために、こう望む他ないのだ。

「時よ止まれ」と。

これは、かつて現代にて音楽に触れて生きていた一人の少年であり、著名なる物書きゲーテであり、そしてそのどちらでもなくなったとある悪魔契約者が、至高の感動を、一人の生粋の音楽家たる少女によってもたらされる物語である。果たしてその時、彼の魂を得るのは悪魔メフィストフェレスなのか、それとも彼が愛した少女なのか。悪魔に何かを望めば、対価として魂を捧げるのは当然かも知れなけれど。ならば、時を止めるほどの感動を与えてくれる相手への対価には何が相応しいのだろうとふと考えこんでしまった。

とりあえず、性的な知識については赤ん坊並みに無垢な少女に、知らないことをいいコトに色々とイケナイ事を実地で教えてしまうのは、相応の対価に相応しいんじゃないでしょうか、ファウスト先生。
まさに、悪魔の如き所業ww

しかし、読んでて一番驚かされたのが、この主人公が明らかに【さよならピアノソナタ】の主人公直巳と真冬の息子であったことでしょう。明言されてるわけじゃないけれど、何やってるか分からない音楽業界ゴロの父親とピアニストの母親。エキセントリックでやっぱり何をやってるかわからない業界ゴロの父方の祖父と、指揮者として有名な母方の祖父、とか家族構成とか親族の人物像があからさまなくらいにあの人達そのものなんですよね。これは多分まちがいなし。
それだけに、突然息子が居なくなった事に、あの人達がどれだけ衝撃を受け悲しむかを思うと、結構複雑なんですよね。果たしてどういう結末に至るのかわかりませんけれど、あの人達を哀しませる終わり方はしないでほしいなあ。

生徒会探偵キリカ 23   

生徒会探偵キリカ2 (講談社ラノベ文庫)

【生徒会探偵キリカ 2】 杉井光/ぽんかん(8) 講談社ラノベ文庫

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巨大学園を支配する生徒会に、見習いとして入った僕。正式な書記になるには、会長のライバル・中央議長の朱鷺子さんに認められなければいけない。次第に明らかになる役員たちの過去、そして登場する前任の書記は……やっぱり変態さん? 着替え中の女子中学生を狙った(?)詐欺事件に、陰謀渦巻く文化祭実行委員会の委員長選挙、会長と朱鷺子さんとウサギを巡る失踪事件。舞い込むトラブルを《生徒会探偵》聖橋キリカが一発解決!

……まあちょっと待て。なんでこれ、タイトルが【生徒会探偵キリカ】であって、【生徒会詐欺師ヒカゲ】じゃないんだ? 主人公のヒカゲくん、こいつ詐欺師呼ばわりされてるけれど、呼ばわりじゃなくて実際詐欺師そのものじゃん! やり口がいっそ、正統派すぎるくらいの詐欺師の手法だし、するりとその口端からのぼる女の子への口説き文句と来たら、まんま結婚詐欺師のそれである。甘言を弄し、小手先で数字を転がし、網を張って向こうから獲物が掛かるのを待つえげつなさ。杉井光作品の主人公は大概口八丁手八丁の癖者だけれど、ここまで真っ当に詐欺師してる奴は早々いないぞ。まさに経済詐欺から結婚詐欺までのべつくまなく詐欺します、なキャッチフレーズでも背負えばいいんだw だいたい、今時【探偵】なんて肩書き、タイトルにつけても大して見栄えもしないんですよね。それに比べて堂々とタイトルに【詐欺師】なんて入れてみなさいよ。なんぞこれ!? と注目浴びること必至だろうに。それに、決してタイトルが内実と食い違ってる、というわけでもないし。もろに詐欺師の詐欺行為によって生徒会に持ち込まれるトラブルをソフトランディングさせているわけですから。むしろ、キリカの方があんまり【探偵】とかしてませんよ?
舞い込むトラブルを《生徒会探偵》聖橋キリカが一発解決! って、その宣伝文句こそ詐欺な気がする。作中でもキリカは自身の探偵行為についてこの文句と裏腹の見解を述べていますし。

さて、此度の新登場キャラクターの神林薫ちんの正体については完全に反則(笑
この子の姉があの神林朱鷺子さんだというのだから、よくあの完璧美人のお姉さんとこのマスコットキャラが血が繋がっているものだと似てなさにいっそ感心させられる。ただ、むしろ人心掌握術やカリスマ、土壇場の度胸
などを見ると、リーダーとしての資質は薫の方が多分にありそうというのが面白い。もっとも、朱鷺子さんがリーダータイプじゃない、ってわけじゃないんですけどね。この人も下から慕われ、組織の長として切り盛りする充分な資質と才覚の持ち主には違いないんですが、妙に余裕のない所があって首を傾げていたんですが、ウサギの話で色々と納得しました。この人、まだまだ傍らでサブとして支える立場に未練タラタラだったんだ。
あの副会長を首にされて、中央議長に追いやられてしまった経緯を見ると、気持ちもわかるし同情も募るんですけどねえ。あれは、狐徹会長が乱暴すぎるよ。朱鷺子さんへの信頼と親愛と期待ゆえだろうと、我儘の極みだもんなあ。彼女の野心によって、朱鷺子さんの気持ちはズタズタにされてしまったのですから。
遊ぶなら、みんなで楽しくならないと、と思うのは甘いんでしょうかね。この王様を一人ぼっちにしないようにするのは、随分と大変なお仕事になりそうだ。将来、キリカとヒカゲはこの会長様と対決することになるそうですが、果たしてこの二人に勝てるんかねえ。手段を問わずに社会的に抹殺する勢いでやりたいようにやってしまえば、キリカとヒカゲの「えげつなさ」からすると、叩き潰すことは案外デキそうな気がしますがw

1巻感想

生徒会探偵キリカ 13   

生徒会探偵キリカ1 (講談社ラノベ文庫)

【生徒会探偵キリカ 1】 杉井光/ぽんかん(8) 講談社ラノベ文庫

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前払いなら千五百円、後払いなら千八百円
金取るのかよ……

僕が入学してしまった高校は、生徒数8000人の超巨大学園。
その生徒会を牛耳るのは、たった三人の女の子だった。女のくせに女好きの暴君会長、全校のマドンナである副会長、そして総額八億円もの生徒会予算を握る不登校児・聖橋キリカ。
生徒会長によってむりやり生徒会に引きずり込まれた僕は、キリカの「もうひとつの役職」を手伝うことになり……生徒会室に次々やってくるトラブルや変人たちと戦う日々が始まるのだった!
愛と欲望と札束とセクハラが飛び交うハイテンション学園ラブコメ・ミステリ、堂々開幕!
なんちゅーか、清々しいほどの恒例の杉井小説だなこれ。主人公のキャラクターなんぞ、木村拓哉がどのドラマでも木村拓哉なのと同じくらいに、どの作品でもまるで変わらないあたりはいっそ徹底していると言ってすらいいのかもしれない。本気で単に名前が違うだけで、性格から何から殆ど変わらないし。
しかし面白い。
【神様のメモ帳】の方が、学校には殆ど寄り付かずに裏社会のフィクサーになってしまったので、今度はちゃんと学園ものにしたかった、と後書きに書いてらっしゃいましたけれど、明らかにやってることは学生の領分じゃないですよね?(笑 
そもそも、舞台となる学園が8000もの学生が通う巨大な一つの社会でなければならなかった、という時点で普通の小じんまりとした学校単位では狭すぎて、主人公たちの活動のスケールが収まらない、というのが如実に伝わってくるわけで。生徒会長の野望も無茶苦茶だもんなあ。あれ、本気で言ってるんだろうか。本気なんだろうなあ。【ピアノソナタ】のあの革命家に比べたら、その目的というか野心の方向性も分かりやすくて即物的な気もするけれど、言ってる内容が内容だけに解釈を間違えているかもしれない。
まああんまり難しく考える必要はないかもしれませんけどね。この作品に限らず、この度創刊された講談社ラノベ文庫の作品を読んでいると、全体的にどうも「易しい」作りになってる気がするんですよね。軽いと言ったら語弊があるんだが、言うなればライトノベル初心者向けにマイルドに作ってあるというふうな印象を読んでいて感じた次第。この作品だって【神様のメモ帳】とコンセプトは非常に似通っていると思うんだけれど、アレに比べて変に拗らせずに、殊更キャラの抱える事情にしても思惑にしても行動原理にしても、実際の話の流れや問題の解決方法など、分かりやすい要素を積み重ねて構成している感触なんですよね。それで食い足りない、という訳ではないのは流石だと思うけれど、でも【ピアノソナタ】や【神様のメモ帳】みたいな濃縮さにはやっぱり欠けるので、あのレベルを求めるならちょっと違うんだろうなあ。
というかこれは、神様のメモ帳タイプの舞台装置に【さくらファミリア!】や【ばけらの!】スタイルのキャラや掛け合いで組み上げた作品だと考えれば、しっくりくる。ともあれ、主人公の腕章は冗談でなく「詐欺師」でいいんじゃないかしら。そのうち冗談じゃなく「ジゴロ」という腕章をつけろという話になりそうな気もするが。
何だかんだと気軽に楽しく読めるというのは、作者の作品としては意外と珍しいのかな?

剣の女王と烙印の仔 83   

剣の女王と烙印の仔  (MF文庫J)

【剣の女王と烙印の仔 8】 杉井光/夕仁 MF文庫J

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“流転する生命”という最凶の力を引き摺りながら進軍する女帝アナスタシア。その傍ではニコロだけが一命を取り留めていた。帝国を脱出したジュリオとシルヴィアには死の追跡の手が伸びる。一方、疲弊した聖都でミネルヴァは記憶と精神、全てを失ったクリスと対面した。裡なる獣を封印するにはそれしかなかったのだ。そしてついに聖将軍となったフランは全てを背負い、帝国との決戦に挑む。「真名を思い出したらあいつはもう、クリスじゃなくなる。そうしたら、斬ればいい」定められた刻印の運命によって分かたれたミネルヴァとクリスの最後の戦いの行方、そしてはじまりの獣と終わりの女神が出逢うとき、世界は――。一大ファンタジー巨編、ついに終幕!

神話は潰えず。神の世は終りには至らず。神々は未だ彼方に去ること無く、人間は神から世界を奪うこと能わず。
もしね、これが神の軛から人間が解き放たれる話だったら、ミネルヴァとクリスの結末はああいう形にはならなかったんだと思う。その意味では、この物語は神からの脱却、人の独立、神代の終わりを描く物語ではなかったんだな、と二人の辿り着いた終わりを読んでようやく得心がいった。思えば、杉井光という作家の作風なり作品の備え持つ世界観を鑑みるなら、当然だったのかもしれない。ファンタジーのみならず、ジャンルを跨ぎ超えてこの人の作品には、どこか高次からの抱擁と束縛を感じさせるものがあるんですよね。杉井さんの作品には度々、聖書の内容やキリスト教をネタにした話が用いられる事があるけれど、案外とここに起因みたいなものがあるのかもしれないと考えると面白いものがある。
でも、たとえ神の腕から抜け出せなくても、何もしない、何も出来ないって訳じゃないんですよね。ここに出てきた人々は、誰も彼もが神の力に囚われ抜け出せないまま、それでも抗って抗ってジタバタしてみせたんだと思います。だからこそ、失うものは多くても、一番大切なものだけは守ることができた。それは信仰であり、野望であり、夢であり、愛する人であり。たとえそれがどんな形であれ。
唯一、それが出来ていなかったのが、あのカーラ先生なのかもしれませんね。彼女は多分、登場人物の誰よりも自由であり、きっと望めばどんな事だってできたにも関わらず、ついには自らを束縛し、自由をほうり捨て、枠に閉じこもり、挙句に絶望に潰えてしまった。強さなんて、目的を叶えるための手段に過ぎないのに、この人はそれだけを目的としてしまったのが哀れでならない。愛情でもいい、友情でもイイ、庇護欲でも単なる下卑た欲望でも良かった。何でもいい、その強さを使って何かを叶えてみるという世界を見つければよかったのに。
作中でも尤も無為で可哀想な人だったなあ。
彼女についで、もっとも多くを失ったのはやっぱりフランなんでしょうね。彼女は目的こそ達したものの、辿り着いたそこは最初に思い描いていたものとはかけ離れたものになり果てていた。忠実なる騎士と半身こそ残ってくれたものの、大切だった人たちの多くは去り、寄り添い続けるはずだったミネルヴァとクリスもまたああいう形となってしまった。それでも彼女は強いから、きっとこれからも膝を折る事無く輝き続けるのだろうけれど、果たしてかつてのように彼女が笑える日がくるのかと思うと、無性に辛くなってくる。
誰も彼もが傷だらけになって生き残った中で、むしろ生の軛から解き放たれて現から去っていった人たちの方が満たされていたような印象が残る。ニコロにしても、アナスタシアにしても、あのガリレウスにしても、そしてミネルヴァにしてもクリスにしても。余分なものをすべて取り払い、ただ一なる願いに殉じた彼らこそが、安息の平和と幸せを手に入れたように見えてしまう事が、何よりも寂しい。寂しい。
ミネルヴァとクリスには、特に、ただただ普通に幸せになって欲しかったなあ。

神様のメモ帳 84   

神様のメモ帳〈8〉 (電撃文庫)

【神様のメモ帳 8】 杉井光/岸田メル 電撃文庫

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 年末年始、四代目を悩ませていたのは頻発する雀荘荒らしだった。なぜか麻雀打ちとして駆り出された僕は、雀荘で奇妙な男と出逢う。雛村玄一郎――なんと四代目の父親!
 緊迫する親子勝負の裏で、雀荘荒らしをはじめ、無関係に見えたいくつもの事件が結びついていき、やがてよみがえるのは一年前のあの悪夢。
「あの事件をもう一度、完膚無きまでに終わらせるんだ」
 アリスが、テツ先輩と四代目が、そして彩夏までもが、赤い悪夢の残り滓に突き動かされて走り出す──。加速するニートティーン・ストーリー、第8弾!
雀・鬼・降・臨!!
って、鳴海、ついに麻雀の代打ちまで始めちゃって、どこまで行ってしまうんだ。既に学校の方でも鳴海は裏世界の顔役として名が轟いてしまっているようで、ついに表の社会にまで威名が(笑
これで傍目には気弱で押したら押したぶん引いてしまいそうな草食系で、実際も概ねそんな感じのはずなんだがなあ。何がどうしてこうなってしまったのやら……まあ殆ど自業自得なんですけどね? あながち虚名でもないわけだし。挙句、ついに四代目の親父さんを通じて、どうやら関西にまで名前が届いてしまいそうな勢いだし。既に平坂の兄貴経由で関西には情報が流れてそうだし、知らないうちにあちらでは鳴海の名前はえらいことになってるんじゃないのか?w
というわけで、序盤は上京してきた四代目の両親のお話。完全に経済ヤクザだw 【羽月莉音の帝国】でもそうだったけれど、財界とヤクザというのは切っても切れない仲なんだろうかしらねえ。親父さんの振る舞いを見ていると、ヤクザである自分と経済人としての自分に何の矛盾も感じていないみたいだったし。あれで四代目だって、カラーギャングまとめて粋がっているわけじゃなく、先のバンドのプロモートを請け負った芸能関係のイベント会社をはじめとして、ちゃんとした会社として色々と動いているらしいですもんね。まさか、ちゃんと銀行から融資を受けて資産を回しているレベルだとは思わなかった。だって、平坂組って四代目以外頭使えるやつ皆無じゃないか。総務から経理に営業まで、全部四代目一人で回してるんだろうなあ……ごっついな、この人。
まあ今回の両親登場の話で驚かされたのは親父さんよりもむしろお袋さんの方だったわけだが。てっきり最初に出てきた時は旅先まで連れ回してる愛人かと思ったよ。あの四代目がこの人から生まれた、というのは充分驚く要素だろう。極道の妻、って雰囲気じゃ全然ないもんなあ。それでも彼女が相当のくせ者、三代目のパートナーというのは話が進むにつれて大変良く実感できたわけだが。

これは、他人が踏み込みようのない、どうしようもないほどの家族間の軋轢だったわけですけれど、それにズケズケと踏み込んでいく鳴海の言い分が、小気味よくて好きなんだなあ。この子、最初は意味もわからず半ば押し付けられるようだった四代目との義兄弟の契りを結ぶ盃を、ほんと良い意味で利用するんだよなあ。四代目と鳴海が義兄弟なら、そりゃあ雛村家の問題だって鳴海の家族の問題になるってものだ。これ、四代目怒りながらも嫌がってないのが味噌ですよ。最初は多分、そんなつもりはなかったんじゃないかな。もっとクールな、信頼で結ばれる盃であったはず。それがいつの間にか、もっと距離の近い、本当の家族としての兄弟という関係になっていた事に対して、四代目、何も言わないんですよね。言わないんですよ。文句があるなら、断固としてはっきり言うだろうこの人が、怒った振りをしながらも否定的なことは何も言わないんです。
嬉しいんだろ、あんた(笑 大事で大切な事ほど口に出したりしない人だからなあ、四代目は。
それは後半の話にも如実に繋がっていて、何だかんだと後半に二人の間に入ってしまった亀裂は、作中でも誰かが言ってたみたいに、ようは兄弟喧嘩なんですよね。鳴海もムキになってたけれど、あれは四代目も充分ムキになってましたよ。四代目ならもっと上手く立ち回れるはずなのに、やたらと意固地になってましたしねえ。四代目があれだけ大人気なくなるなんて、それだけ甘えている、と言ったら変かもしれませんけど、クールになりきれない相手だったからなんでしょう。それは鳴海も同じで、ココぞという時にはびっくりするくらいにクレバーになる彼が、この件では勢い任せで感情を激発させている。あとでもっといい方法があったはずなのにと後悔しているくせに、でも四代目に譲って頭を下げようとはしないのだ。
事態が深刻なだけに和んでる場合じゃないしそんな雰囲気じゃなかったのだけれど、でも改めて振り返ってみるとこの時の二人って、馬鹿だけどかわいいよ。

そして、これまである意味眠っていたと言っていい彩夏の覚醒。再びエンジェル・フィックスに纏わる騒動が起こり始め、終わったはずの事件は傷つき眠っていた彩夏を渦中へと引き戻してしまう。それを何とか食い止めようと、彩夏を悪夢から遠ざけようとする鳴海だったのだが……彼女、逃げなかったな。
なんというか、一巻の初登場時から通してみても、ここで初めて彩夏という少女の真の姿がやっと表に出たような気がする。これが、本当の篠崎彩夏だったんだ。
これ、もしかしてミンさんをすら上回る、ニートたちが頭の上がらないヌシ様の誕生じゃないのか?(w
結構イイたいことズケズケ言いなさるし、アリスを含めたニートたちの言い分など一顧だにしない強制力。アリスと鳴海を纏めて首輪をつけて飼育調教してしまいそうな勢い。これまでの存在感のはかなさが嘘のような彩りのまばゆさに目を眇めてしまった。カップルとしてはもうアリスと鳴海が鉄板過ぎて入り込む余地はなさそうなんだが、それでも二人への多大すぎる影響力の強さを見てしまうと、入り込まずに二人纏めて包み込んでしまいそうな雰囲気ではあるなあ。これなら、これからもヒロインの一人としてかなり大きな位置を占めるのかも。

事件の真相は、予想外の方向へ。これは、誰にも悪意がなかっただけに中心になってしまった人には同情を禁じ得ない。特にあの女性には。あの人、本当に何も悪くないもんなあ。結末も大団円とはいかず、結構な凄惨な流れに。最悪の事態を食い止められただけでも良かったのか。
全部読み終えたあとだと、表紙の風景が、舞い散る白い花弁が胸にしみる。幸せの行方に思いを馳せる。生きるって簡単なはずなのに、時にどうしてこんなにも難しくなってしまうんだろうなあ……。

杉井光作品感想

神様のメモ帳 74   

神様のメモ帳 7 (電撃文庫 す 9-15)

【神様のメモ帳 7】 杉井光/岸田メル 電撃文庫

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アニメもついに放送スタート!
ニートティーン・ストーリー、第7弾の依頼者はアイドル!?


 クリスマスが近づき、探偵事務所のそばにあるホームレス公園の改装工事が始まろうとしていた。そんなある日、事務所にやってきた依頼客は、なんと売り出し中のアイドル歌手。子供の頃に失踪した父親そっくりのホームレスをその公園で見かけたのだという。
 父親捜しの過程で浮かび上がる、エアガンで武装したホームレス狩り集団。そして、なぜか探偵団を離脱する少佐。
「これは自分ひとりでかたをつける」
 やがて──事件が起きる。僕が探偵助手として体験した中で、最も奇怪なあの事件が……戦慄のニートティーン・ストーリー、第7弾!
ついにフィクサー扱いされるようにまでなってしまったナルミ。ヤクザやチャイニーズマフィアに顔きくだけじゃなく、バンドのプロモ活動を通じて何だかんだと芸能界にまで伝手ができちゃってるんだもんなあ。ある意味街の顔役、と言われても仕方ない。って、ただの高校生の園芸部が一体どういう有様になってしまっているのか。この子の将来は本当に想像できない。少なくともサラリーマンとかありえない。
「俺たちには家(ホーム)がない。それだけだ」

この七巻は、その帰るべき家を失ってしまった人たちの物語だ。路上生活者たちばかりではない。ホームレス狩りに没頭する若者たちもまた同じく帰る場所を無くしてしまった者たち。父が消え母が亡くなり立つべき地面もわからなくなり、フワフワと覚束無く訳もわからないまま芸能界を泳いでいる今回の依頼人、ユイもまた同様に帰るべき場所を失ったまま彷徨うホームレスなのだろう。そして、少佐もまた今回の事件を通じてホームだと思っていた場所をなくしてホームレスとなった一人だったと言える。
ユイが父親を探して逢おうとしていたのも、少佐が一人で事件を追いかけていたのも、それぞれに無くしたホームを取り戻そうとする抵抗だったのだ。
無駄だ。一度失ったものは、もう二度と取り戻せない。往々にしてそれが世の常である。
見つけたとしても、それはもうきっと別物なのだ。だけれど、一度ホームを失った人にとって、それが別物だろうと、幻想だろうと、失ったものを取り戻したかのような奇蹟そのものなのだろう。その奇蹟が惨劇の引き金を引いたのだとしても、それは確かに美しいものだったのだ。その人にとっての、ホームだったのだ。
ホームとは、帰る場所の事を言うのだそうだ。帰れる所とは、つまりどういう場所なんだろう。寛げる場所? 安らげる場所? 身も心も裸にして、ゆっくりと眠れる場所? 愛する人が待っていてくれる場所? 故郷のような場所?
わからない。厳密に区分など出来ない。ただ、ホームという言葉から生まれる各々の心象こそがそれぞれの正解なのだろう。そして、そんなホームを見つけた彼が幸せだったかなど問う必要などきっと何処にもないのだ。生き死にすらも越えて帰る場所を求める魂に、ただ帰りたいという想いに、幸不幸の理は意味をなさないのだから。

うしなったホームは取り戻せない。得られるのは、新しい家だけだ。ユイは新しい家を手に入れられたのだろうか。多分、出来たのだろう。自分の中に、確かなホームを。彼女はようやく、空っぽだった自らのホームに失った家族を迎え入れる事が出来た。そうしてようやく、そこは彼女の帰る場所になったのだ。
少佐にとってはどうだったのだろう。彼もまたナルミによって失ったホームと決別し、ニートとしての新たな寄る辺を手に入れたはずだ。多分、彼の僅かな変化が失ったものと得たものを示している。
そしてナルミは……。
「おまえ、窓の隙間から猫がするっと入ってきたら、土足で入るなって怒るのか?」
「え……?」
「そんな感じなんだ、おまえは。怒る気も失せる」
四代目の台詞だ。あの四代目の言葉だと思うと笑えてくるし、得心も行く。ナルミは、他人の家にずけずけと入っていっても、その人の特別な場所に入り込んでも、見逃して貰える奴なんだな。
でも、そんな彼にも帰る場所はある。彼のホームはアリスだ。最初から一貫して揺るがぬホームを持ち、その寄る辺の何たるかをはっきりと自覚しているナルミは今回の話についてはとても強かったと思う。
ただまあ……アリスのあのダダ甘を通り越しただだデレっぷりを見ていると、もう結婚して名実ともにホームにしちゃえよ、と思わないでもないよな。アリス、ナルミのこと好きすぎるだろう、あれじゃあw

本格的な一巻丸ごとの長編は4巻以来だから、2巻ぶりになるのか。やはり、神様のメモ帳はがっつりと長編かつ密度の濃い話でやってもらったほうが格段に面白い。堪能した。満足。

1巻 3巻 4巻 5巻 6巻感想

神様のメモ帳 63   

神様のメモ帳〈6〉 (電撃文庫)

【神様のメモ帳 6】 杉井光/岸田メル 電撃文庫

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 高校の文化祭が押し迫る晩秋、ラーメンはなまるにやってきたのは、チャイナマフィアの後継者兄妹。なんとミンさんの親戚だという。ミン父・花田勝の引き起こした事件をきっかけに、なぜか持ち上がるミンさんの縁談。そこで立ち上がったのは、ヒロさんだった。
「おれからの依頼。この婚約、ぶっ壊してくれ」
 ヒモのくせして、ついにミンさんに本気! 二転三転の結婚騒動を描いた「電撃文庫MAGAZINE」掲載作と、ヒロさんの師匠初登場の書き下ろし短編『ジゴロ先生、最後の授業』を収録した第6弾!
雑誌掲載分が載っている巻ということで、ああ短篇集なのか、と勝手に思い込んで読んでたら、読んでも読んでもミンさんの結婚騒動が終わらずにあれあれあれ? と戸惑っている内に最後まで行き着いてしまった。
短篇集じゃないのかよ!?
というわけで、本気で中盤まで短い話だと思ってたんで、ミンさんの結婚騒動もわりとドタバタで締まらない真相が待ち受けてる、笑い話で終わる話なのだと勝手に思い込んでたんで、話がどんどん深刻になっていくのには相当に混乱させられてしまった。いや、徹頭徹尾こっちの勝手な勘違いのせいなんだが。だいたい、前の五巻が短篇集じゃないか。続けて二回もしないですよね。
ミンさんが中華系だというのは、最初に出ていた時に名前から想像はしてたんですが、以前に父親の話が出てそれがちゃんとした日本人だという事が分かったので、じゃあミンさんは何かのアダ名でちゃんと日本人としての名前があるんだなあ、とこれも勝手に思い込んでたんですよね。最初の第一印象であってたのか。いやあ、花田勝という人、以前登場したときに明らかになった素性がまたえらく突飛で、この作品の中では妙に浮いた設定だなあ、と思ってたんですが、まさかそういう事情があっての来歴だったとは。
あんたはどこの南雲慶一郎だよっ!?
いずれにしても、哀しい父と娘のすれ違いである。親ってのは、時として身勝手が過ぎる時がある。子どもが親に望んでいるものをまるで省みず、勝手なエゴを押し付けて勝手に満足して勝手に居なくなる。ミンさんは、真実を知ったとき、本当は何を思ったんでしょうね。やっぱり、悲しかったのか。それとも、口走っていたように虚しかったのか。何れにしても、ミンさんとしては、そうじゃないだろう、という気持ちだったんだろうなあ。
虚しい話である。
結局これ、どういう話だったんだろう。何が得られて、どんな結論が出てきた話だったんだろう。最初から最後まで、誰にとっても意味が無い話だったんだろうか。
少なくとも、ナルミたちの働きによって、無意味という結果を得られたのなら、それはそれでナルミたちが恐ろしい思いをしながら走りまわった意味はあったのかな。最悪、誰もが不幸になる、という結果も考えられたわけだし。最良なんて最初から無かったにしても、最悪を回避できたのならそれで十分意味はあるのかもしれない。ただ、虚しいですけどね。

しかし、ナルミは本当に何者になって行ってるんだろう。高校生のくせに、これもうまともな人生歩めないような世界に首突っ込んでるもんなあ。普通にひょいひょいと境界線を跨いでしまってる。裏業界に名前も知れ渡ってきてるみたいだし、実際にヤーさんや中国マフィアにまで顔がきくって、何が何だか。
おまけに最後の掌編じゃあ、ジゴロの才能まであると看破されてしまってるし。他のニートたちは今イチ将来もこのままって感じはしないんだが、ナルミだけは本気で無職でこの世を渡って行きそうな気がしてきた。

杉井光作品感想

神様のメモ帳 54   

神様のメモ帳〈5〉 (電撃文庫)

【神様のメモ帳 5】 杉井光/岸田メル 電撃文庫

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ニートティーン・ストーリー、待望の初短編集登場!

 ニート探偵アリスとその助手である僕は、深刻な事件の合間にもばかばかしくてつまらない、けれど忘れられない揉め事にいくつも巻き込まれている。今回はそんな僕らの事件簿からいくつかをご紹介しよう──

 ミンさんを巡るストーカー事件「はなまるスープ顛末」、アリスご執心の酒屋を襲った営業妨害事件「探偵の愛した博士」、平坂組のバカどもを総勢で巻き込んだ誘拐事件「大バカ任侠入門編」に、特大100ページ書き下ろしのオールスター野球騒動「あの夏の21球」を収録。
 泣き笑いの日常満載のニートティーンストーリー、初短編集!


みんな胸を張ってプレイしろ。
おまえたちがつけている背番号は、すべて近鉄バファローズの永久欠番だ。
        ――梨田昌孝
ページを開いた途端に目に飛び込んできた近鉄最後の監督の名言に反射的に胸が熱くなりかけて、ふと我に返る。
なんぞこれ?
最後のエピソードである「あの夏の21球」を読み、あとがきにてそれを書くに至った顛末を目にしたあととなっては、この巻の頭にこの言葉を打ち込むのは必然だったと理解できるのですが、いきなりこんなのがページめくったとたんに飛び込んできたら「????」となるよ!(笑

【はなまるスープ顛末】
つまり、ミンさんのラーメンは、もうナルミたちが口々に言うほど不味くはなかたと言うことなのか、それとも父親の代から不味かったのか、どっちなんだ?
ミンさんの素性に関しては、その本名不詳年齢不詳それっぽい呼び名から、もしかして中国とか台湾の人なのかと疑っていたんだけれど、どうやら正真正銘の日本人だったらしい。ミンさんが普通に高校に通っていたというのは、なかなか想像しにくいものがある。此の人にもそんな若い時代があったのか。というか、今もまだ若いんだけど。二十代だけど。それはそれとして一番気になったのは、高校にも制服のしたにサラシを巻いて通っていたのか、という事だな。色々と恐ろしい話じゃないか。わりと気のおけない仲間みたいな同級生(男)がたくさんいるみたいだから、浮いた話はなくても結構周囲の人間関係には恵まれた学生生活だったのかもしれないが、それにしてもみんなミンさんの胸には騙されたり揺らされたりしなかったんだろうか。制服の下にブラじゃなくてサラシを巻いていたら、目立たないもんなんだろうか。気になる気になる。
浮いた話といえば、ミンさんには春は来ないのかなあ、と要らない心配をしてしまう。此の人、男には縁なさそうなんだよなあ。おぱーい大きいのに。
なんか、ミンさんのおぱーいの話に終始してしまった。いや、この話自体も大まかそんな感じなので方向性としては間違っていないのだと信じたい。
ところで、ミンさんのお父さんは何をまかり間違ってそんなことになってるんだ?


【探偵の愛した博士】
ナルミの嫉妬の仕方はウジウジと矮小でみっともないなあ(苦笑
嫉妬するなとは言わないし、ウジウジするなとも思わないけど、もうちょっとはっきりモヤモヤしろ! と言いたくなる。矛盾な事を言っているのは百も承知だが、この男の自分のジメッとした感情を表にも出さず内に秘めもせず、形にもせず、ひたすら鼻水みたいに垂らし続けるみっともなさは、ミンさんじゃないが一発頭を叩きたくなってくる。いざとなったらあれだけ行動力を持っているくせにこの薄弱さは、杉井光作品の主人公の共通特性とはいえ、どうしようもないなあ、うん。この特性をまるごと愛するのはなかなか大変だと思うよ。そのせいか、今や若いときはともかく、将来イイ歳になったときに結構揉めそうなイメージあるんだよなあ、杉井作品主人公w
あれ? この話の感想を書いてないぞ? ええっと、珍しく探偵っぽいお話になっていたようななかったような。実の親よりも、タマにしか会わない友人の方がそいつの事をよく理解している、というのは色々と考えさせられるものがある。親身になって考える事とその人を理解すると言うことは、全く異なる事なのかもしれないなあ。


【大バカ任侠入門編】
なんだかんだとこういう話の生々しい部分をサラッと許容して出せるのは、電撃文庫くらいだよなあ。他となると幻狼ファンタジアとか新書系までいかないと。いや、ガガガ文庫は意外といけるか?
珍しく、アリスがナルミに真相への先着を許してしまうお話でもある。あれ? 珍しくでもないのか。いずれにしても、平坂組のバカさ加減の理解度については、アリスよりもナルミの方がよく把握してしまっていた、というお話。伊達に兄貴分じゃないんだよなあ。あれをまとめられるのは、四代目やナルミのようにバカをバカのまま受け入れて導いてやれるような人でないといけないわけだ。腕っ節は関係なく。


【あの夏の21球】
すでに終わってしまった過去の栄光は、たとえ遥か手の届かない遠くへと遠ざかってしまったとしても、決して永遠に失われてしまったのではなく、誰かの記憶に残り続け、燦然と輝き続けるのだ、というお話。
近鉄バファローズ消滅の話を反芻すると、この短編が伝えたかった思いがダイレクトに押し寄せてきて、あとがきでこの短編が書かれた経緯を読んだ後にもう一度この話を思い返してみると、感慨がまた違ってくる。
野球ってやつは、どうしてこうも、陽炎の向こうに揺らめく淡くも儚いイメージが似合うんでしょうなあ。そりゃあ、甲子園の影響よ、と言ってしまえばそれまでなのですが。
にしても、この頃になると、後書きでも触れていたけれど、アリスとナルミのキャラクターというか、生き方考え方が初期の頃とは大きく変わっているのに気付かされる。最初の頃のアリスなら、こんな野球のことでここまで一生懸命頑張らないですよ。自ら体を張って。
でもひきこもった部屋の薄暗い闇の中で白い肌を浮かび上がらせている少女よりも、へたばりながらも汗だくになって悪態をついているこっちのアリスの方が今となっては好きだなあ、うん。


やっぱり杉井さんは現代劇が一番面白いなあ、と再確認。色々手がける作品の幅は広がってますけどね、やっぱり。ただ、ひとつの傾向に集中してしまうのも先が窄まりそうな気もするので、今みたいに色々手を広げるのは悪くないとは思うんですよね。
幸い、このシリーズはもっと続いてくれるみたいですし。アリス当人の話が片付かないと、ねえ。

1巻 3巻 4巻感想

さよならピアノソナタ encore pieces5   

さよならピアノソナタ―encore pieces (電撃文庫)
【さよならピアノソナタ encore pieces】 杉井光/植田亮 電撃文庫

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杉井さんって、作家になる前はマジでいったいなにやってたんだろう。いや、もちろんこの人の前歴ってなんやかんやで有名で、断片的な情報はあとがきからやら何からやらで得てはいるんだが、【神様のメモ帳】といいこの【ピアノソナタ】といい、主人公たちがやってる仕事の混沌ぶりを見せられると、単純にあれやってました、あの頃はこんなことをやってました、というような説明では絶対に理解出来ような、それこそ得体の知れない体験をくぐり抜けてきたんだろうなあ、というのが伝わってくる気がして、畏怖を覚えるんですよね。
少なくとも、業界ゴロとか普通に生きてたらならないしなれないし何やってるかも定かではないもんね。これ読んでても、ぶっちゃけ何やってるのかよくわかんないもん(苦笑
何でも屋って、云うは易しだけど、実際やるとなるととんでもないバイタリティだの行動力だのが必要なんだろうな、というのダケはわかる。直巳にしても、メモ帳のナルミにしても、行動力だの馬力だのといったガツガツと暑苦しいぐらいのパワフルさとは、とんと縁がなさそうな芯の細そうな人間というのが、また面白いんですけど。ひょろひょろで流されそうで気が弱くて、実際ヘタレなんだけど、そのくせやたらとフットワーク軽いし、あっちこっちに足をのばし、顔を突っ込むことをいささかも躊躇わないのは、凄いなあ、と思う。なんか、そういう風に行動することが特別凄いことだと思っておらずとても普通の事だと思ってそうな所もなお凄いよなあ。

とまあ、何の話をしていたんだっけ? 
そう、結婚に至る男女のお話なのである。青春時代を引き摺りながら大人の時代に足を踏み入れたナオ24歳は、紆余曲折の末に音楽業界で業界ゴロになっておりました。ある意味、親父よりも性質悪いよな、仕事内容が節操ない分。
この話も、相当ライトノベルっぽくないよねえ。なんか話の内容がマジで結婚というモノに対する男と女のスタンスや、結婚という契約が持つ人生の中でも意味みたいのが真面目に描かれていて、確かに恋と愛情のお話にも関わらず、夢見がちな部分は丁寧にお引き取り願ってるえらい生々しいお話になってるんですよね。これ、中高生ぐらいだとどんな風に感じるんだろう。
女性からあれだけ明確にサイン出されてしまうのって、ある意味最後通牒だと思ってもそう頓珍漢じゃないよなあ。あれを無視するのって、相当の覚悟が必要になるだろうし。だからと言って流される形で人生の岐路を踏み出してしまうのは、先々を考えても致命的になりかねない。その意味では、ナオはしっかりと心境の変化を得て、自分の意思と願を持ってプロポーズしたわけだから、まあ良かったねえ、と。
哲郎にしてもエビチリにしても、のきなみ大人連中が別れてるのを考えると、先々不安は尽きないのだけど。子供出来たら、真冬も変わるだろうしなあ(笑

そう、ナオと哲郎ってやっぱりそっくりなんですよね。そりゃ細かい所は大いに違うけど、根本のところでまったくもって親子というべきか。おちゃらけた部分はともかくとして、この一本芯の通ったヘタレさ加減は、ラストエピソードを見る限り親子なんだよね。もちろん、哲郎の方が相当のダメ人間なんだけど。でも、愛すべき人なんだよね。もう度し難いほどダメ人間なんだけど。


改めて、このフェケテリコの四人の行く末を描いたエピローグたるこの本を見ると、本編が曲そのものに溶け込んでいた皆を同じように溶け込んだ視点から見ていたようなものだとしたら、この本は曲を奏でていた奏者の素顔を、ほらあれ、BBCのドキュメンタリーみたいな感じで描いたみたいな……自分で云ってて意味不明になってきたな。
とにかく、なんか色濃い音楽の世界、業界? の中で生きてるような息吹が伝わってくるですよね。もう決して揃わないが故に代わる事のないフェケテリコの名前や、かつてと違う立場で向き合うインタビューとか。そこに綺麗な区切られた明確な物語としての終わりはなく、纏まらず引き摺られ刷新されながらも大切に守りとおされた想いが、過去から現在、そして未来へと、これからもそれぞれがそれぞれ生きていくんだなあ、という遥か遠くまで続いていく感覚が読み終えた途端、ひしひしと伝わってきて……それが逆にもう彼らが作者の手を離れ、二度と描かれる事がないのだろうという<終わり>をくっきりと感じられ、とめどない寂寥と満足感に満たされたのでした。
だからこれで、さようなら。

神様のメモ帳 4  

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)

【神様のメモ帳 4】 杉井光/岸田メル 電撃文庫

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「僕がいる。あんたらはまだつながってる」


そう、そうだ。繋げたのは、君なんだよ、ナルミ。
ヘタレで軟弱で弱虫のくせに、頑固で未練がましく地べたを這いずろうと縋りついて諦めない、君がいたから、まだ繋がっていたんだ。
四代目って本気で怖いじゃないですか。殴るし凄むしにらむし蹴るし。それなのに、ナルミ、ビビッてるくせに何の躊躇もなく彼に近づいていくんですよね。彼の懐に、怖気づきながらズケズケと踏み込んでいく。それで殴られ蹴られしているくせに、体の痛みは恐れない。この子は、一度こうと決めたら、ほんとにためらわないんですよね。根がヘタレなだけになかなかそういう印象持たれないんだけど、いっそその他人の領域に踏み込む姿は、図々しくすらある。ただし、彼の場合はそれ相応の、そして相当の覚悟を決めて踏み込んでるんだろうけど。

こうしてみると、ニートたちにとってナルミという存在は今となってはとてつもなく大きいんだろうなあ。
個々の能力はとてつもなく大きい彼らだけれど、彼ら単独ではぶっちゃけ何一つしようとしない。一歩も踏み出そうとしない。彼らは本来、ただそこにあるだけの存在なのかもしれない。
でも、ナルミの縋りつくような願いがあってこそ、見っともないほどの踏ん張りがあってこそ、彼らニートたちの巨大な力に方向性が与えられ、それはとてつもない大きな流れとなって、沈澱してしまった淀みを押し流していく。
この希薄な人間関係が尊ばれる現代の中で、彼のように他人の心の内側までズケズケと踏み込んでいくことは、とてつもない抵抗感と勇気が必要なはず。実際、ナルミは何度も反発と抵抗に遭い、その人からの信頼や友情を喪うかもしれないという恐怖感にさいなまれ、全身を震わせている。
でも、どれだけビビッても恐れても、彼は歩みを止めないんですよね。その重さを十分知りながら、ちゃんと覚悟を持って踏み出している。だからこそ、前の巻のテツさんも、今回の四代目も彼の行動を疎ましく思い、錨を覚えながらも、決して彼への信頼を失わなかったわけです。
普通無理ですよ、自分がだれにも見せないようにしてきたものの内側に無理やりに入り込もうとしている相手に、これほどの信頼を抱くなんて。
でも、それを成せるからこそ、ナルミという少年は大した野郎なんだろうなあ。四代目が、ナルミに後事を託したシーン、ちょっと本気で感動してしまった。そこまで、あの四代目がナルミを信頼してたのか、って。
最初のころ、ナルミが平坂組の連中から誤解を発端に兄貴として敬されるのを失笑とともに眺めていたのが、懐かしい。
今となっては、この軟弱な高校生には、確かに連中から兄貴と慕われるだけの器があると信じられる。それは彼の成長とも言えるんだろうけど……早々に彼と杯を交わした四代目は、見る目があったんだろうなあ。

しかし、ナルミってまだ高校生なんだよね。この巻で彼がやってる仕事みてると、とてもニートとか高校生のレベルじゃないんですけど?
バンドのプロモ活動って、バイト気分でできるもんじゃないでしょう? 四代目から結構な給与貰って驚いてたみたいだけど、仕事内容を考えるとこれ、多分妥当な金額なんだろうなあ。

アリスは、なんかもう最近、ナルミに甘くなっちゃったよねえ(苦笑
もうベタベタじゃないか。彼がいないともう生きていけないレベルまで至っちゃってるじゃないんですか? ああもう、可愛いなあちくしょう。

剣の女王と烙印の仔 14   

剣の女王と烙印の仔〈1〉 (MF文庫J)

【剣の女王と烙印の仔 1】 杉井光/夕仁 MF文庫J

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杉井光作品としては、デビュー作。あの電撃文庫から出ていた【火目の巫女】(続き希望)以来の本格ファンタジーときましたか。しかも火目の巫女は和風ファンタジーでしたからねえ、洋風世界観におけるファンタジー作品としては初めてとなるわけで。
最近、わりと同じタイプの男の子が主人公の作品が続いていたので、その意味でも普段とは違ったタイプの主人公を拝めそうということで楽しみにしていたのですが、なるほどこう来たか。
いや、個人的には火目の巫女みたいに女の子が主人公の作品も読んでみたかったんですけどね。それはまたの機会を待ちましょう。
相変わらず、過酷と言うべきか残酷というべきか、ファンタジーを書くとなると主要人物に対してこれでもかというくらいの酷い運命、宿命を大前提として突きつけてくるなあ、この人は。立ち向かうべき壁がやたらと高い、というよりも現在進行形でぐちゃぐちゃに潰され壁に叩きつけられながら奈落に真っ逆さまなあり様なんですよね。それを、主人公とヒロインが出会うことでかろうじて指が壁面に引っかかって、留まったような状態。されども、頭上からはさらに無数の落盤が崩落中、みたいな? んで、ある意味この二人が出会ったことで閉ざされた未来が開けると同時に、足元にも地獄の釜がふたを開いた、というかすかな希望とさらなる絶望がセットでプレゼント、という底意地の悪さを感じさせるスタートなんですよね。どんだけ苛めるんだ、と。
そんな悲惨極まる運命の渦中にあるだけに、この作品の主人公クリスにはフラフラと自己が定まらずに頭を抱えてうずくまるようなヘタレる余裕はまるでなく、眼の前に現れた自分の抱える呪いの意味を変えてくれた相手ミネルヴァに夢中でしがみついて離れまいとするんですよね。
最初はこれ、本当に溺れているさなかに掴んだ藁の一束、と言った感じでミネルヴァという少女がどうというのではなく、ただその存在に必死にしがみつくという雰囲気で、実際彼当人もしがみつく相手を失ったら、みたいなことをダイレクトに言ってますし、彼女個人を見ている風ではなかった。
それが、彼女に引っ張られて銀卵騎士団という今まで戦場を渡り歩いてきたクリスが出会ったことのない、自分を受け入れてくれる集団の中に入ることで、段々と変わってくる。
それでも、最初はミネルヴァを守ろうとする動機って、かつて自分が守れなくて見殺しにしてしまった、自分に刻まれた獣の呪いによって運命を喰い殺された母親の代わり、代替行為としてのそれだったように見えたわけですが、さらに付き合いを増し、ただの奴隷だと、自分の所有物だなんだと喚きながら、しっかりと自分を見てくれるミネルヴァの視線を受け止め、また彼女が抱える自分とは違う過酷な運命、明かされていく出自、それらに真っ向から立ち向かおうとするミネルヴァの強さ、同時に過酷すぎる宿命に怖じ気づき、すべてを投げ捨てて諦めてしまいたいと願う彼女の弱さ、その両面を一番近くで目の当たりにすることで、ミネルヴァという少女その人を守りたいと、逃避でも諦めでも自己防衛でもない、純粋な自分ひとりの願いを、胸にともしていく少年クリスの姿が……なるほど、これは一人の騎士の物語になっていくんだ。
周りの人々の幸を食らい、運命を食らいつくす呪われた獣の落とし子。
自らの死を予見し、その死の痛みに苛まれ続ける剣の女王。
破滅で終わるはずの二人の出会いがもたらしたものは、闇に閉ざされいたはずの二人の未来を開く希望の鍵。
二人は、その呪われた運命それ自体を、喰らい潰せるのか。
よしよし、盛り上がってきた。これは、また期待のシリーズの開幕ですよ。


それにしても、ミネルヴァことミーナの、クリスへの接し方はハチャメチャだなあ。大剣振り回す剣戟少女のくせに、こと仲間内でのやり取りをみてるとメンタル面は【さよならピアノソナタ】の真冬並みに繊細で、感情の振り幅が忙しない。明らかに、クリスみらいなのがしがみついてられるような芯の太い子じゃないんですよね。わりと早々にクリスが守らなきゃ守らなきゃ、という意識に変わっていくのも、良くわかる。いくら、バカバカバカと言われまくって、奴隷だ召使だ自分のものだ、と喚かれてもねえ(苦笑
まあ、自分の所有権を一生懸命主張してたり、下僕だ奴隷だと突き離してるみたいな言動をしてるのは、フランにちょっかいかけられたり、仲間に囃されたりしてるときが大半なので、かわいいったらありゃしないのだけど。そのくせ、クリスが大けがしたり落ち込んだりしたら、大慌てで大騒ぎして物凄い一生懸命に一番近くに寄り添ってくるんだから、可愛いったらありゃしない。そりゃ、フランあたりがからかったり、騎士団の連中が二人の関係をもう恋人と信じて疑わないのも無理ないよなあw
まあ、当人同士は恋人だのなんだのと言ってる余裕もないわけで、それ以上に夢中に必死に寄り添おうとしているところが、なんとも切なく尊く見えるわけですけど。

銀卵騎士団の連中も、なかなか個性的な面々で。ジルベルトさんのむっつりイイ人振りが尋常でないんですけど。この人、めちゃくちゃモテそうなんだけどなあ。
喰えない女騎士団長フランチェスカ、この人はなんでか速攻で伊藤静さんの声が脳内で当てがわれてしまったのですが(苦笑
いやー、自分あんまりこういう脳内で特定の声の人があてられる、という現象には経験がないのですが、今回ばかりはなぜか「はやて」の桂ひなぎくというか「咲」の竹井久の声が脳内にリフレインしたのでしたw
このおてんばで破天荒でお調子者でヘンタイ入ってて、でもくせ者というべき政治的手腕にも軍事指揮官としての際立った才能を持ち、それでいて情に厚い、というキャラクターは、うん、パーフェクトです。
胸もでかいしな!(それはどうでもいい

さくらファミリア 34   

さくらファミリア! 3 (3) (一迅社文庫 す 1-4)

【さくらファミリア 3】 杉井光/ゆでそば 一迅社文庫

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この作品のあまりにも素晴らしい最高さ加減を敢えて一言で言い表すならば――――

酷え!!


もうね、天使も悪魔も神様もね、人間の事とか世界のこととか平和とか信仰とか本気でどうでもいいとか思ってるでしょ、というか眼中に無いでしょ。自分たちが毎日楽しく怠惰に過ごすのに頭が一杯で!!
あれか。【ばけらの】のダメ妖怪たちみたいなのが集って新世界を創造したりするとこういう世界が出来るのか? ここまでダメな生命体が集まった世界がまともに機能しているのが不思議なんだが…、というか単独で成立してないですね、この天国。思いっきり日本にべったり寄生してますね。人間世界じゃなくて、日本に。この天使たちの給料、どこから出てるんだろう。どっかの官庁の裏金か? ヤミ金ルートのブラックマネーか? 主であらせられるところの神様は、借金こさえてそれを娘たちに押し付けて逃亡中だから、御使いどもに給金なんざ払う能力なさそうだし、天使たちは生産性皆無でお給料以外の収入といえばオークションに出品か、ユダの財団からの借金か、ぐらいだもんなあ。
しかも、なぜか天界も下界の不況の影響を受けて、ニート天使が増えてるみたいだし。だから、なんで下界の経済不況が天国に打撃を与える羽目になってんだよ。人員削減とかすなー!!

いやもうマジで、るーこさんはあの神様ぶち殺して新宗教を勃興させた方がいいんじゃないだろうか。ベルゼブブさんを本当に組織のナンバー2、運営担当、宰相閣下にして。こうして天使や悪魔や神様のダメ人間振りをみてると、るーこが如何に立派な人物か際立って来てしまって、正直頭が下がる。
まー、ダメか。ベルゼブブ以外は本気でダメだし。こんな連中集めてもなにもできねー。
神様のメモ帳のニートたちは、各々ニートとしての生きざまを貫く確固とした信念を持ってたし、ばけらののダメ妖怪どもはあれでちゃんと仕事してたけど、この天使と悪魔は……ただのダメだもんなあw

というわけで、今回はいまいち影が薄くなってしまっていた妹レマをメインに据え置いて、天界に犯罪者として連れ去られてしまったガブリエル姉ちゃんを取り戻すために、地獄門を通り抜けて天国へと殴り込み! な話だったわけですが、やっぱりレマちゃん、影薄いよ(苦笑
天界殴り込み艦隊、な話なばあいはやっぱりというかどうしても、というべきか元反逆者たるルシファーるーこが、幼女ながらも目立ってしまうわけで。
一巻から毎回言ってるけど、るーこはしっかり一番ヒロインやってるわなあ。エリがツンデレヒロインとして頭角を現してからは、やや一歩引いた形でいたけれど、健気さ天真爛漫さ責任感の強さに慈愛の念、と愛のパワーを発しまくり。そりゃあ、天国でも地獄でもカリスマアイドルになるだけの人品はあるわ。悪魔どもは、いささか眼が曇っているね。るーこの魅力をロリに限定してしまうとは、見識が無いと言わざるを得ない。
可変型なのがいいんじゃないかw
とりあえず、悪魔が犯罪者なのはよく理解した。あれらは投獄しておいて正解。二度と外に出すな。
天使も降りて来るな。
神様はもう死んで良し。ニーチェ先生、そろそろ完膚なきまでに息の根とめたってください。

で、わりと綺麗?に収まってしまったわけですけど、これで完結なんでしょうか。続いて欲しいんだけどなあ。まだガブリエルさんのねちょねちょ性教育の授業受けてないし。エリレマ姉妹のもう好きにしてー、な夜の営みも堪能してないし。一迅社文庫的にこれ以上は無理? じゃあ、違うフランス書院的なレーベルに移籍ということで、よろしく♪

さよならピアノソナタ 45   

さよならピアノソナタ〈4〉 (電撃文庫)

【さよならピアノソナタ 4】 杉井光/植田亮 電撃文庫

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冬のイメージってなんだろうと思索する。静けさ、冷たさ。騒がしさから一歩引いた、粛々とした終わりの空気。終わりへと至る、眠りへの時期。
その冷たさは、体に刻まれた傷を疼かせ、その寒気は心の熱を奪い去る。
理性を吹き飛ばすほどの熱量もまた、冬は拭い去っていく。興奮は冷め、それでも消えない炎は、種火となって灯り続けるとしても、そこに出力するほどの熱量は残されていない。自然、人は温もりを求めて、内側を見つめる事となる。
自分を見つめなおすこと。相手との関係を見つめなおすこと。見て見ぬふりを許される時期は、もう通り過ぎてしまったということだ。
冬は、必然的に結論を要求される。

この四巻に流れる音は、ずっと静かだった。弾む事も弾けることもなく、同じところをグルグルと廻り続けるナオミの想いと、それを包み込む冬の空気が、静粛と言葉を綴り続ける。
秋に、進むべき道筋が示されてしまった以上、ナオミが突き進むべき道は本人を含めて皆が理解してしまっている。だから、きっとナオミが素直にその道を突き進むのなら、この第四巻からは賑やかなパレードを思わせる音が聞こえたのだろう。けど、この野郎はすでに出てしまっている結論を躊躇い、恐れ、逃げ惑い、後ずさりして、前に進もうとしない。ゆえに、真冬もまた同じところに足をとどめ、先輩はナオミの手を引き寄せようと抗い、千晶は忸怩と唇を噛み続ける。
誰もが傷つき、冬の冷気に傷口をさらわれ、のたうちまわる。

その先に、爽快などはどこにもない。ただ、動けず傷つけ合った先に待っていたどうしようもない現実に、見っとも無く叩き伏せられたナオミが、でも這い蹲ったまま、立ち上がれずにでも前に進もうと這いずって這いずって、這いずった先に、真冬が待っていてくれた。
そういうこと、なんだろうね。

もし、彼らに音楽と言う言語がなかったら、彼らはたとえ出会ったとしても何一つ心通じることなく、そのまますれ違っていたのだろうか。
じゃなくて。ナオミにしても、真冬にしても、その在り様はあまりに音楽に特化していて、二人とも、音楽を解さない相手とどれほど繋がる事が出来るんだろう。二人とも、あまりに不器用で人の心を理解するに疎くて、鈍くて、意地っ張りで。言葉でも態度でも、上手くコミュニケーションが取れなくて。
それでも、あの二人があれほど深く繋がれたのは、お互いの奏でる音が何もかもをすっとばして、心の一番深い所に叩きつけられていたからなんだろう。でも、二人はそれでも言葉によってコミュニケーションを取らざるをえない人間でしかなく、この上なくお互いに気持を繋げていたとしても、それが本当の気持ちなのか、自分の感じているこの感覚が本物なのか、確信し続けることはやはり不可能なことで、最終的にはやはり言葉と態度で示さなければならないところを、音に縋ってしまったのが、この二人の長い長い回り道の原因だったのかもしれない。
きっと、これから先も、ずっとずっと、この二人は繋がったまま何度もすれ違い、重なり続けるんだろうなあ。


この作品は、杉井光の作品の中でも、地の文がとびっきり素敵で、叙情的で、見ることで音が流れだす♪のようで、とても好きでした。
文章を文字列として捉えるだけでなく、どこか感覚的に入力されていくんですよね。【時載りリンネ】のそれが文章的な美しさの極致にあるのと、似て非なる、音楽的な美しさ。普段は家で本を読むときは、何かしらの音楽をかけてたりするものですが、このシリーズを読むときは意識して無音状態にしてから読んでましたね。
まあ、没頭してしまえば外界からの音など認識しなくなっていたでしょうけど。
うん、素晴らしかった。感動した。傑作だった。そういうこと。

さくらファミリア! 24   

さくらファミリア! 2 (2) (一迅社文庫 す 1-3)

【さくらファミリア! 2】 杉井光/ゆでそば 一迅社文庫

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【ばけらの】読んだ時も思ったんだけど、リミッター外した自重しない杉井光は、……なんていうかその。絶好調?
ある意味きっちり物語の体裁を取って崩さなかった【ばけらの】よりも、メタ発言がやたら多いこっちの【さくらファミリア】の方が野放図にやらかしているかもしれんね。絶好調度がさらにバイ。
茶化してるわけじゃないんだけど、某基督教のいじりっぷりが既に抹殺レベルで、いいのか? いいのか?
神様より金がえれえとか、余裕でぶっちゃけちゃってるし。
「主から天国の鍵を預かり、地上における神の代行者として二千年間キリスト教徒の頂点に君臨してきた教皇であるおれは、最近こう悟った。神よりも金のほうが強い」
「教皇が言っていいせりふじゃねえ!」
「だって神も借金してんじゃん」
説得力があり過ぎて声も出せないよ!

いやいやいやいや。
だいたいね、普通に父なる人も、酷いし。酷いよ? 娘を売るんじゃねえw
というか、勝手に子も美少女にするんじゃねえよ。事実だとしたら、マグラダのマリアどころじゃない封印指定である。事実だとしたら、とかいう仮定が成り立つ以前の話だけどね。

そして、相変わらずラブコメの濃度高いな!
自分、杉井光氏のシリアスサイドの面倒くさくて回りくどくて繊細で綱渡りみたいな愛の形も大好きなんだけど、こういう軽くて勢い良くて女の子が素晴らしく素直にツンデレしていて可愛らしいラブコメもすきですよ?
エリちゃん、かわいいかわいい。
わりとガシガシ進展するし。ヌルヌルな関係って好きですよ? 
いいじゃん、いいじゃん。どっちも書けるってのはいいことだよ。るーはかわいいよ。ロリコンじゃないけど。ガブさんも素敵だし。
テンポも良くて、なんだかんだとスッキリ読める。上滑りすることなく、勢い重要のラブコメを最後まで走らせるのって案外出来てる人いないんですよね。その点、ある意味この人は実に安心して疾走の上に乗ることができる。しかし、ほんと。【火目の巫女】書いてた時には想像できないくらい多芸多才な作家さんになったなあ。
……で、火目の巫女の続きとか、期待してたらダメなんかなあ? やっぱり好きなんで諦めきれんのだけど、あれ。

ばけらの!4   

ばけらの! (GA文庫 す 2-1)

【ばけらの!】 杉井光/赤人 GA文庫


おっ、おい、おいおいおいどうしてくれるんだ、これ!

もう、支倉先生がイヅナその人としか思えなくなったじゃないか!
これから【狼と香辛料】を読むときに、どうすればいいんだ!? ホロに萌え、ロレンスに萌えた挙句に、その二人のコッ恥ずかしい掛けあいを必死に書き倒しているイヅナさんを想像して悶えろというのか!?
ホロがパタパタと尻尾振ってるシーンを、イヅナがパタパタ尻尾振りながら書いてるんだぞ? ホロが食い物を目の前に目を輝かせて涎垂らしてる場面を、「ヒカル、なあなあヒカル、書いてたらお腹すいてきたからご飯つくって〜」とか言いながら書いてるんだぜ? 挙句に、ロレンスが素寒貧になりかねない大ピンチを見事にひっくり返す名場面を、「ぎゃーー、リーマンブラザーズが死んだー!?」とか白目剥きながら書いてるんだぜ?
ホロが色気たっぷりにロレンスを翻弄するシーンを、横眼でチラチラ、ヒカルを見ながら「俺だってその気になればこのくらい楽勝なんだからな、ちくしょう」とか嘯きながら書いてるんだぜ?(大妄想時代
もう、たいへんじゃないか! 【いぬかみっ!】のあにめED並みにたいへんじゃないか!(意味不明

というわけで、非常にタチの悪い作品です。メタ小説なのに、普通にラブコメ小説として成り立ってんじゃねえよ!(笑
困るから。なんかもう困るから。


平和の温故知新さんで元ネタ解説をしていらっしゃるので、ネタ合わせはこちらの方で。


あー、なんにしても、予想してたよりもずっと楽しかった。わいわいがやがや喧しいくらいの賑やかさ。締め切りに追われる作家さん達の廃人ぶり、ダメっぷり、逃避行ぶりが愉快痛快に書かれていて、自然と微苦笑が浮かんでくる。仲間内で大騒ぎしながらのラブコメというのはよくあるパターンなんだけど、ファミレスにたむろし、酒をかっ食らい、肉を食いあさり麻雀、パチンコ、株、先物、貴金属に明け暮れながら、時々PCに立ち向かい、書けない書きたくない締切間に合わない、よし麻雀だ! というこのグダグダっぷりが、なんかそこらのラブコメと趣きを異にする妙に新鮮な楽しさがあるんですよね。
それ以上に、ヒカル先生とイヅナ先生の同居を通り越してもう同棲でいいんじゃないの? というイチャイチャが素晴らしすぎて、だから困るんだって(苦笑

さよならピアノソナタ 35   

さよならピアノソナタ 3 (3) (電撃文庫 す 9-9)

【さよならピアノソナタ 3】 杉井光/植田亮 電撃文庫


うあああああ、うあああああああっあああっ。
すごい、すごいすごいすごいすごいすごい。とんでもない、とんでもない、これなに? いったいなんなの? なんなんだよ、これは!
そう、そうか、そうだ。これもきっと<クロイツェル>なんだよ。<クロウツェル>、クロイツェルだ。そうに違いない。
だとしたら? うんそうだ、この作品もまた、音楽そのものと言ってもいいんじゃないだろうか。音を奏で、旋律を誘い、魂を音符に変えて創り出し、大気を揮わせ心臓を高鳴らせて、メッセージを、想いを伝える、あの音楽というものと、この言葉を紡ぎ世界を作り出し、文字列の中に感情を生み出し、心の重なりを風景として描き、想いを導きだす文芸と言うものと、その根源において何ほどの違いがあるというのだろう。
これは、この作品は限りなくあの<音楽>というものに近しい創造物だ。ここには音もない、聴覚になんの作用も及ぼさない、だがこれはまぎれもない音楽だ。この引き込まれていく感覚。刹那の間、世界を飛び越えていく感覚。パッションと静けさが同居して、魂を奪われ衝動に突き動かされ、ただ茫然とさせられるこの感覚は、とてつもない名曲を、名演奏を聞かされ自我を吹き飛ばされている時の感覚に、恐ろしいほど似ている。
そう、今私は茫然となりながら物凄い勢いで自分の内側に生じた衝動を外に吐き出す行為に没頭している。
そうしないと、弾けてしまいそうだ。
頭の中が? 違う、胸だ。胸が、胸の奥が爆発しそうだ。
冗談じゃない、なんだこれは。信じられない。すごい、すごい、すごすぎる。
魂まで吸い込まれそうだ。その上で、壁に叩きつけられて身じろぎできないくらいの暴風に押し潰されそうだ。そんな圧迫感が快感でしかなく、逆に全部がくたくたに溶けてしまいそうな脱力感と、バラバラに吹き飛んでしまいそうな爽快感が同居していて、ぶっちゃけわけがわからない。
すなわち、これは興奮しているんだろう。これはロックか? クラシックなのか?
どちらでもあり、どちらでもないのかもしれない。わかんない。
なら、これは小説という名の音楽なのか? そうだな、それが一番しっくりくる。
信じられるか? 今日、俺は、<音楽>を本として、眼で、読んで、聴いたんだぞ?

じゃあもう、叫ぶしかないじゃないか。歓喜の、雄叫びを。
ああ、もう、泣きそうだ。泣きそうだ。

さくらファミリア!4   

さくらファミリア! (一迅社文庫 す 1-2)

【さくらファミリア!】 杉井光/ゆでそば 一迅社文庫


ちょ、まっ、そんな叙述トリックありか!? しかも掛けあいの流れの中の一発ネタで使い捨て!?
メタ的にかなり大がかりな仕掛けにもできるネタなのかもしれないのに、花粉症のウェットティッシュみたいに使い捨てやがった(笑

【神様のメモ帳】【さよならピアノソナタ】の杉井光の新境地。ドラマや映画で名演を見せる役者だと思ってたら、漫才師も兼任してましたってか?
実のところ、主人公にしてもヒロイン衆にしてもキャラクターとしての個性やインパクトは弱い方だと思うのだけど、そんな印象を印象として残さない怒涛の掛け合い、ボケと突っ込みの応酬、メタネタも辞さない大盤振る舞いのネタ振り販路。
いやいや、これそもそものストーリーの根底を担うネタが危険すぎてデンジャーでございますよ。と、細かい事を気にせず、波に乗ってしまいさえすれば、これは楽しいスチャラカライフ。中盤を過ぎて家族五人が揃って以降は、ヒロインどものボケに主人公のツッコミ、双方が切れ味をエスカレートさせていって、これかなり作者筆ノってたんじゃないでしょうか。こういう掛けあいベースの作品だと、キャラを掴んだらあとは書く方が変に考えなくても、際限なく勝手に漫才しはじめてくれるパターンは珍しくないですし。
それでも、やっぱり杉井光だと思わされるのは、こんなノリでもなんだかんだと急造家族の繋がり、情の絡まりみたいなものをちゃんと書いてくれているところ。おかげで、おバカなノリにも関わらず、雰囲気はほんのりと温かいまま最後まで転がっていく。これが意図せぬ無意識の結果だとすれば、杉井光という作家の本質が、この作品から垣間見えるのではないだろうか、なんてことも考えつつ、姦淫はだめなのに重婚はいいのか神様!?
なんだかんだと、後半一番ヒロインしてたのはるー子なんじゃないだろうか。というか、登場した時からヒロイン食ってる食ってる(笑
だが、よし。

神様のメモ帳 35   

神様のメモ帳 3 (3) (電撃文庫 す 9-8)

【神様のメモ帳 3】 杉井光/岸田メル 電撃文庫


そうか……あのナルミも大切なもの、守りたいものを見つけたんだなあ。誰かのためじゃなく、自分がそう望むため、こぶしを握る探偵助手ナルミ。
この子はこのままずっと受け身に物事と向かい合い、なんとか折り合いをつけてゆっくりと前に進む子なんだと思っていたのだけれど、この巻で見せた彼の行動はまるで違っていてびっくりした。そして、胸が熱くなった。
君は、今間違いなくカッコいいよ。
戻ってきた彩夏との以前とは違う関係、降って湧いてきた園芸部廃部の動きに、仲間と信じていたテツ先輩の信じたくない過去。戸惑い、迷い、ためらい、悩みながら、苦しみながら、ナルミが選んだのは立ち止まり、眼の前の突きつけられた現実を受け止め飲み下すことではなく、わからないまま迷いながら、それでも自分の心が導く方へ、敢然と突き進むことだった。
四代目やテツのように強くもなく、アリスのように物事を解する頭を持っているわけでもない。それでも、彼はそのか弱くなんの力もない存在の全てを使って、自分の信じた道を行く。戦いの道を。決意の道を。自分が信じたものが正しいことを証明するために、自分が望んだ光景を実現するために。
やがて、自分のやっていることが彩夏のためじゃなく、なにより自分のためであることに気付くナルミ。言葉も拙く、誰かに正しく想いを伝えることも苦手で、それ以前に自分が何を考えているかも論理的にわかっていないあやふやで不器用な自分の在り様に歯噛みしながらも、それに拗ねることも膝を折ることもなく、諦めず見っとも無くも、無様ながらも戦うことを選ぶナルミ。
どうしてこんな少年をアリスが気にかけ、四代目やニートたちが大切な仲間と認めているのか、嫌というほどわかった気がする。
その場で動かず立ち止まってしまいそうな彼らを、今回ひっぱり突き動かし、導いたのは間違いなく、この弱くて頭が悪くて大人しく自信なさげなナルミという少年だった。
傍目での無様さが、どうしようもなく、身震いするほど格好良かった。誰にも否定できない。今回の彼は、間違いなく漢だった。惚れた。
今なら四代目のところの連中に兄貴と呼ばれ尊敬されるのも、分不相応とは思わない。
決して行動力があるとかパワフルとはかけ離れたキャラだと思ってたのに、それどころか後ろ向きでいつも現実から逃げだしたくて仕方がないやつだと思ってたのに……成長したんだなあ。
その彼に影響されるように、周りのニートたちも少しずつ変わってきているような気がする。そのナルミが憧れ、好きになった奔放なあり様はそのままに。
そして、アリスも。
一番大きく変わってきているのは、きっとアリスなんだろう。最初にナルミが関わったころより、探偵助手として彼が傍で彼女に引っかき回され、逆に彼女を引っ張り回すことで、アリスが世界を見る目は少しずつ色と匂いを増しているような気がする。
加えて戻ってきた彩夏。深い心の傷を負い、記憶を失い、それでも戻ってきた彼女。失われた自分との関係を大切に思い、そのために傷つくナルミの姿に自分もまた傷つき、でもやがて過去ではなく彼が今の自分をちゃんと見ていてくれたのだと知った彼女は、今の自分との関係を守るためにボロボロになるのを厭わなかった彼の背中を見送った彼女は、いったい何を思ったのだろう。
アリスと彩夏とナルミ。恋愛としての関係を透かし見るには、彼らの関係はどこか儚く、深く繋がり過ぎているようにも思えるけど、それでも人が人に惹かれるのは自然な流れ。いつか、そういう関係を彼らが意識することはあるのかもしれない。でも、それはまだ先の話なのかも。彼らの関係は、あまりに近く、遠く、安らぎの中に浸っているのから。

さよならピアノソナタ 25   

さよならピアノソナタ (2) (電撃文庫 (1570))

【さよならピアノソナタ 2】 杉井光/植田亮 電撃文庫



へこんでます。へこんでます。おかしい、自分ではこの【さよならピアノソナタ】の一巻の感想書いた気満々だったのに、どこにも書いてないよ。そんなバカなorz
こんな感想書くのにガリガリと歯ごたえのある作品、めったないのに。
じゃあ新しく書き直せよ、といわれるかもしれないけど、それは嫌だ。このタイプの作品は、感想を書くのに熱量があるべき、というスタンスなのです。読破直後の心地よい鮮烈な衝撃と火照り、それをそのまま筆に乗せ書き綴るものこそ、これらの作品に相応しい感想というもの。と、いっぱしに拘ってるわけじゃないんですけど、あとから振り返って感想書いてても楽しくないタイプの作品なんですよね、これ。
一度書いてて、それからもう一度読み直して新たにより深くガリガリと奥へ奥へと穿孔していくのならいいのですけど、ファーストインパクトを逃しちゃったらなあ……。
と、ここまで感想とは関係ない文章ばっかり書いちゃいました。失礼。
さて、本編ですけど、個性と個性、想いと想いがぶつかり合い、衝突し、化学反応を起こし、音楽という名の爆発と炎を噴き上げていた第一巻と比べると、単純な熱量という意味ではだいぶ落ち着いたかも。
逆に、今度は一度激しくぶつかり噛み合ってしまったからこそ描かれる、すれ違い、噛み合わなさ、向き合えない弱さが、第二巻の肝だったのかも。
人間関係ってのは激しくぶつかり合うよりも、上手くぶつかることすらできずにすれ違い、遠ざかって行ってしまうことの方が多いわけで。
気持ちいくらいに正統派の青春バンドものとして立脚しつつある本作だけど……今回は、音が想いに負けてたかも。今回の錯綜に関しては、音楽ですら彼らの思いを繋ぎとめられなかった。
いや、そうなのか?
ブラックバード、その羽ばたきの音は届かなかったのか?

なんとか最後にはまとまった彼ら四人のバンドだけど、今回はその絆を強くするよりも、脆さを露呈したままのような気すらする。問題点は噴出し、女性たちはお互いに理解を深めるも、それは崩壊の予兆を含むものでもある。
というか、男一人に女が三人のバンドなんて、問題の塊であるにきまってるじゃないですかw そもそも、結成の前提、それぞれがバンドに加わった理由がまずそれ、という時点でどれほどこのバンドが危ういものかわからんものか。
本来なら引っかき回す立ち位置であると思われた千晶が、一生懸命立ち回ってくれたお陰でなんとかなったようなものだぞ、今回。どう考えても功労者は彼女。
それに引き替え、相変わらず対人コミュニケーションは最悪で、考え方も悪い方にしか回らない真冬は、状況を悪化させるばかりだし、一巻では万能超人に思えた響子先輩ときたら、とんでもない場面でトンデモない告白を噛ますわ、肝心なところで役立たずになるわ、実は能力こそ超人的だけど、その行動の立脚点がかなりへたれ、ということも発覚して、今までとは別の意味でかなり困った人だということも判明して……。
今回、ほんとにMVPは千晶だな(汗
主人公は本気で役立たずだしw ここまで鈍感だと、嫌味を通り越して立派ですよ。……なんか腹立ってきたぞw



神様のメモ帳  

神様のメモ帳
【神様のメモ帳】 杉井光/岸田メル

 また、なんつーニュートラルな筆致か。
 己が内から湧き出してくるものを何の手も入れずにそのまま文章にしたような自然体の筆遣い。それでいて脳内思考の垂れ流しではなく、精巧なデッサンに基づき構築されたブレのない一本芯の通ったしっかりとした枠組み。
 なるほど、絵画のような、といえばそうなのかもしれない。
 緑豊かな庭先の日溜りの中で、キャンバスに向かうような穏やかな筆致のもとに描かれたお話。ただし、話の中身もそうだとは言わないけれど。
 ただ、源泉というか根底というか、そういう部分はこの認識でいいと思われ。少なくとも自分はそう感じ、そう受け取り、そう納得したわけだ。
 自分が何を書きたいのかが細部まで自覚できていないと、なかなかこうはいかない。自覚していても、実際にそれを書き出せるかというとこれがなかなか難しい。それを成立させている時点で、もうお見事としか言いようがない。
 作風としては、同じ電撃を見渡してみると壁井ユカコに似ていると言えば似ているけど、あの人に比べると物語に対するスタンスが冷淡で突き放している感がある。その分、距離感が躓かずに一定していて、最終的に優しさを感じるのが不思議なところ。見守る優しさというのか。けっこう自分の作品に対しては可愛がりすぎて逆に水をやりすぎた観葉植物みたいなことになってしまってる本って、けっこう多いだけに、この作品は作者と物語との関係がフラットな感じがして、好きだなあ。
 と、見返してみるとなんかわけわからんこと書いてるぞ、私(苦笑
 しかしまあ、電撃文庫はわりとこの手の感じの話を書かせる事に躊躇しないですよね。少女系レーベルを除けば、辛うじてこの種の話を書かせているのは富士見ミスかしら。スニーカーはまたベクトル違うよね。
 これだけのものが書けるなら、この杉井光氏もじきに単行本の方にも名前を見る事になるかもしれない。できれば【火目の巫女】シリーズを完結させてからにして欲しいけど。感想では偶々書きそびれてたんだけど、これもかなりお気に入りのシリーズなので。
 
 ところで、このニート探偵という煽りは、正直引きますなあ(苦笑
 最初、火目の巫女の作者とは気付かず、購入予定からサクッと省いてたし。
 でも、読んでみるとこれは正しくニート小説。と書くとまた回避したくなる人も続出するんだろうけど。うん、自分もそうだからそれは分かるんだが、多分字面から想像するのとはまた違うものなので、その辺は誤解しないでほしい。いやさ、自分が想像してしまうそれと、他の人のそれとが同じとは限らないので、保証はできんのだが。
 ニートというのは生き様、というのは現実としては少々飲み降せない文言なのだけれど、作中でニート探偵アリスが語るニートとはつまるところどういう人なのか、という解釈については物凄く得心がいったわけで。まあ、そうなんだよなあ。そしてそれは、決して見つからないものなんだよきっと、うん。
 

12月2日

芥見下々
(ジャンプコミックス)
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近藤憲一
(ジャンプコミックス)
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末永裕樹/馬上鷹将
(ジャンプコミックス)
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鈴木小波
(ジャンプコミックス)
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yatoyato
(ジャンプコミックス)
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三条陸/芝田優作
(ジャンプコミックス)
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天望良一
(ジャンプコミックス)
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猗笠怜司
(ジャンプコミックス)
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かっぴー/nifuni
(ジャンプコミックス)
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かっぴー/nifuni
(ジャンプコミックス)
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山崎将
(ジャンプコミックス)
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榊健滋
(ジャンプコミックス)
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三浦糀
(ジャンプコミックス)
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ソウイチロウ
(ジャンプコミックス)
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飛田ニキイチ/ELDEN RING(株式会社フロム・ソフトウェア)
(ヒューコミックス)
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松本渚/久部緑郎
(ヒューコミックス)
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成瀬乙彦
(ヒューコミックス)
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浅倉秋成/大沢形画
(角川コミックス・エース)
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長岡太一
(角川コミックス・エース)
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鹿島初
(角川コミックス・エース)
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12月1日

燦々SUN
(角川スニーカー文庫)
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すめらぎ ひよこ
(角川スニーカー文庫)
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明治 サブ
(角川スニーカー文庫)
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水鏡月 聖
(角川スニーカー文庫)
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花宮 拓夜
(角川スニーカー文庫)
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海山 蒼介
(角川スニーカー文庫)
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ナナシまる
(角川スニーカー文庫)
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はむばね
(角川スニーカー文庫)
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御宮 ゆう
(角川スニーカー文庫)
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鏑木 ハルカ
(角川スニーカー文庫)
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たすろう
(HJ文庫)
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空埜一樹
(HJ文庫)
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桟とび/依空まつり
(B's-LOG COMICS)
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槙島ギン/カンチェラーラ
(コロナ・コミックス)
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鳴原/軽井広
(コロナ・コミックス)
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七星郁斗/琴子
(コロナ・コミックス)
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北国良人/楢山幕府
(コロナ・コミックス)
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鈴華/香月美夜
(コロナ・コミックス)
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高瀬若弥/佐々木ラスト
(HJコミックス)
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渡辺つよし/北条新九郎
(HJコミックス)
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三本コヨリ
(FUZコミックス)
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ぎんもく
(FUZコミックス)
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11月30日

わるいおとこ
(ファミ通文庫)
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吉岡剛
(ファミ通文庫)
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吉岡剛
(ファミ通文庫)
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桜霧琥珀
(GCノベルズ)
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機織機
(GCノベルズ)
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力水
(モンスター文庫)
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11月29日

アトハ
(エンターブレイン)
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月汰元
(エンターブレイン)
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ながワサビ64
(エンターブレイン)
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11月28日

逢沢 大介
(エンターブレイン)
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11月26日

(宝島社)
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はまじあき
(まんがタイムKRコミックス)
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肉丸
(まんがタイムKRコミックス)
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MOTO
(まんがタイムKRコミックス)
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バニライタチ
(まんがタイムKRコミックス)
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芽々ノ圭/ほえ太郎
(電撃コミックスNEXT)
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綾村切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)
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友麻碧/夏西七
(Gファンタジーコミックス)
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水口鷹志
(角川コミックス・エース)
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肉丸/ジョーさん。
(角川コミックス・エース)
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さびしうろあき
(角川コミックス・エース)
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11月25日

Schuld
(オーバーラップ文庫)
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熊乃げん骨
(オーバーラップ文庫)
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岸本和葉
(オーバーラップ文庫)
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御堂ユラギ
(オーバーラップ文庫)
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白河勇人
(オーバーラップ文庫)
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不手折家
(オーバーラップノベルス)
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たまごかけキャンディー
(オーバーラップノベルス)
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日之影ソラ
(オーバーラップノベルスf)
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森下りんご
(オーバーラップノベルスf)
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ムラサキアマリ
(MF文庫J)
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鵜飼有志
(MF文庫J)
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黒鍵 繭
(MF文庫J)
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志瑞 祐
(MF文庫J)
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久追遥希
(MF文庫J)
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ぶんころり
(MF文庫J)
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ぶんころり
(KADOKAWA)
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理不尽な孫の手
(MFブックス)
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理不尽な孫の手
(MFブックス)
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七沢 またり
(MFブックス)
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北川 ニキタ
(MFブックス)
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yokuu
(MFブックス)
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巴里の黒猫
(MFブックス)
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埴輪星人
(MFブックス)
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ネコクロ
(ブレイブ文庫)
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レオナールD
(ブレイブ文庫)
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とーわ
(ダッシュエックス文庫)
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すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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東條チカ/カルロ・ゼン
(角川コミックス・エース)
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池野雅博/ざっぽん
(角川コミックス・エース)
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坂野杏梨/逢沢大介
(角川コミックス・エース)
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いわさきまさかず/矢立肇
(角川コミックス・エース)
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谷和也/鈴木小波
(角川コミックス・エース)
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騎羽こうじ/瀬尾優梨
(角川コミックス・エース)
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ユリシロ/紙城境介
(角川コミックス・エース)
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犬塚惇平/ヤミザワ
(角川コミックス・エース)
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福井晴敏/大森倖三
(角川コミックス・エース)
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雪仁/かがちさく
(角川コミックス・エース)
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葦尾乱平/涼樹悠樹
(ガルドコミックス)
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舘津テト/白青虎猫
(ガルドコミックス)
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霜月なごみ/瀬戸夏樹
(ガルドコミックス)
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しゅにち/友橋かめつ
(ガルドコミックス)
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しろいはくと/大崎アイル
(ガルドコミックス)
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びび/五示正司
(ガルドコミックス)
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七浦なりな/桜あげは
(ガルドコミックス)
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ちさかあや/大志充
(電撃コミックスNEXT)
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日之影ソラ/みつなり都
(電撃コミックスNEXT)
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紺矢ユキオ
(電撃コミックスNEXT)
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後藤羽矢子/玖珂ツニヤ
(電撃コミックスNEXT)
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竹葉久美子
(電撃コミックスNEXT)
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Byte
(電撃コミックスNEXT)
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仲谷鳰
(電撃コミックスNEXT)
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月見だしお/Ceez
(電撃コミックスNEXT)
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ぷらぱ
(電撃コミックスNEXT)
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緋呂河とも/ながワサビ64
(電撃コミックスNEXT)
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高村資本/OKARI
(電撃コミックスNEXT)
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蛇野らい/槻影
(電撃コミックスNEXT)
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ハンバーガー
(電撃コミックスNEXT)
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朱月十話/ROHGUN
(電撃コミックスNEXT)
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理不尽な孫の手/日崖タケ
(ガンガンコミックスONLINE)
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渡航/佳月玲茅
(ビッグガンガンコミックス)
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松浦/大堀ユタカ
(ビッグガンガンコミックス)
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初鹿野創/椎名くろ
(ビッグガンガンコミックス)
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深見真/真じろう
(ビッグガンガンコミックス)
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平坂読/さきだ咲紀
(ビッグガンガンコミックス)
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はっとりみつる
(ヤングガンガンコミックス)
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11月24日

甲田 学人
(メディアワークス文庫)
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冬馬倫
(メディアワークス文庫)
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紅玉 いづき
(メディアワークス文庫)
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久川 航璃
(メディアワークス文庫)
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11月22日

伊織ハル
(4コマKINGSぱれっとコミックス)
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カワバタヨシヒロ/羊太郎
(MFコミックス アライブシリーズ)
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La-na/南野海風
(MFコミックス アライブシリーズ)
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春野友矢
(MFコミックス アライブシリーズ)
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木城ゆきと
(KCデラックス)
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石黒正数/講談社
(KCデラックス)
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石黒正数
(アフタヌーンKC)
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皆川亮二
(アフタヌーンKC)
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山口つばさ
(アフタヌーンKC)
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藤田和日郎
(モーニング KC)
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榎本あかまる
(モーニング KC)
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田素弘
(モーニング KC)
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三原和人
(モーニング KC)
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栗田 あぐり
(モーニング KC)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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田代哲也
(ガンガンコミックスJOKER)
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11月21日

二上圭
(GCN文庫)
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11月19日

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ほのぼのる500
(TOブックス)
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佐々木鏡石
(TOブックス)
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弁当箱
(TOブックス)
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龍流
(TOブックス)
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11月18日

羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
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理不尽な孫の手
(富士見ファンタジア文庫)
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いつきみずほ
(富士見ファンタジア文庫)
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阪田 咲話
(富士見ファンタジア文庫)
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七野 りく
(富士見ファンタジア文庫)
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日の原 裕光
(富士見ファンタジア文庫)
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戸塚 陸
(富士見ファンタジア文庫)
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七野 りく
(富士見ファンタジア文庫)
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水沢 夢
(ガガガ文庫)
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持崎湯葉
(ガガガ文庫)
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昏式龍也
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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shiryu
(ガガガ文庫)
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Cuvie
(チャンピオンREDコミックス)
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千明太郎
(チャンピオンREDコミックス)
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眞邊明人/藤村緋二
(ヤングチャンピオン・コミックス)
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カルロ・ゼン/フクダイクミ
(ヤングチャンピオン・コミックス)
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福地翼
(少年サンデーコミックス)
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田中モトユキ
(少年サンデーコミックス)
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ねこぐち
(少年サンデーコミックス)
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11月17日

西尾維新/大暮維人
(KCデラックス)
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西尾維新/大暮維人
(講談社コミックス)
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山本崇一朗
(KCデラックス)
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久世蘭
(講談社コミックス)
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ヒロユキ
(講談社コミックス)
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木南ユカ
(講談社コミックス)
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裏那圭/晏童秀吉
(講談社コミックス)
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稲葉みのり
(ヤングジャンプコミックス)
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二宮裕次
(ヤングジャンプコミックス)
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椎橋寛
(ヤングジャンプコミックス)
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すかいふぁーむ/ぺんたごん
(ヤングジャンプコミックス)
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三都慎司
(ヤングジャンプコミックス)
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戸塚たくす/西出ケンゴロー
(ヤングジャンプコミックス)
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日向夏/倉田三ノ路
(サンデーGXコミックス)
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麻生羽呂/高田康太郎
(サンデーGXコミックス)
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池澤真/津留崎優
(裏少年サンデーコミックス)
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田尾典丈
(電撃の新文芸)
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福留しゅん/天城望
(フロース コミック)
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廣本シヲリ/しきみ彰
(フロース コミック)
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11月16日

村枝賢一/石ノ森章太郎
(KCデラックス)
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古川五勢
(KCデラックス)
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小村あゆみ
(マガジンエッジKC)
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伊藤京介
(マガジンエッジKC)
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sigama
(マガジンエッジKC)
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片瀬茶柴/城平京
(講談社コミックス月刊マガジン)
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森下真
(講談社コミックス月刊マガジン)
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ひととせひるね
(講談社コミックス月刊マガジン)
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関口太郎
(講談社コミックス月刊マガジン
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加藤元浩
(講談社コミックス月刊マガジン)
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周藤蓮
(ハヤカワ文庫JA)
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逆井 卓馬
(星海社FICTIONS)
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11月15日

友麻碧
(富士見L文庫)
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しきみ 彰
(富士見L文庫)
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友麻 碧
(講談社タイガ)
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西尾 維新
(講談社文庫)
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夏原 エヰジ
(講談社文庫)
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水辺チカ/友麻碧
(KCx)
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勝木光/香月美夜
(コロナ・コミックス)
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蕗野冬/ほのぼのる500
(コロナ・コミックス)
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香守衿花/もちだもちこ
(コロナ・コミックス)
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東里桐子/ラチム
(コロナ・コミックス)
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墨天業/久宝忠
(コロナ・コミックス)
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螢子/あてきち
(コロナ・コミックス)
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11月12日

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大森藤ノ
(GA文庫)
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伊尾微
(GA文庫)
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ジャジャ丸
(GA文庫)
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11月11日

漆原玖/門司柿家
(アース・スター コミックス)
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成家慎一郎/ナハァト
(アース・スター コミックス)
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金井千咲貴
(ガンガンコミックス)
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顎木あくみ/高坂りと
(ガンガンコミックスONLINE)
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鉢谷くじら
(ガンガンコミックスONLINE)
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万野みずき/野営地
(ガンガンコミックスONLINE)
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山内泰延
(ガンガンコミックスONLINE)
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長岡マキ子/カルパッチョ野山
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/夏海ケイ
(ガンガンコミックスONLINE)
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11月10日

天野こずえ
(BLADEコミックス)
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川原 礫
(電撃文庫)
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佐島 勤
(電撃文庫)
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二丸修一
(電撃文庫)
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白金 透
(電撃文庫)
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東崎惟子
(電撃文庫)
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ひたき
(電撃文庫)
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鏡 遊
(電撃文庫)
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赤月ヤモリ
(電撃文庫)
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榊 一郎/木尾寿久(Elephante Ltd.)
(電撃文庫)
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岩田洋季
(電撃文庫)
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午鳥志季
(電撃文庫)
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烏丸 紫明
(カドカワBOOKS)
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巻村 螢
(カドカワBOOKS)
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ジャジャ丸
(カドカワBOOKS)
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壁首領大公
(カドカワBOOKS)
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神無月 紅
(カドカワBOOKS)
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古宮九時
(DREノベルス)
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わんた
(DREノベルス)
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小鳩子鈴
(DREノベルス)
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ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
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ほのぼのる500
(TOブックス)
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内河弘児
(TOブックス)
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(TOブックス)
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あfろ
(まんがタイムKR フォワードコミックス)
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うちのまいこ
(まんがタイムKR フォワードコミックス)
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まめ猫
(まんがタイムKR フォワードコミックス)
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秋月壱葉/望月麻衣
(アクションコミックス)
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クール教信者
(アクションコミックス)
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碓井ツカサ
(サンデーうぇぶりコミックス)
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しょたん
(サンデーうぇぶりコミックス)
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野田宏/ふくしま正保
(ビッグコミックス)
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野田宏/若松卓宏
(ビッグコミックス)
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千月さかき/姫乃タカ
(角川コミックス・エース)
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斯波浅人/浅名ゆうな
(角川コミックス・エース)
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otakumi/ベキオ
(角川コミックス・エース)
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天海雪乃/タンバ
(角川コミックス・エース)
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岡叶/夏目純白
(角川コミックス・エース)
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由伊大輔/高橋びすい
(角川コミックス・エース)
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吾嬬竜孝/西崎義展
(角川コミックス・エース)
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吾嬬竜孝/西崎義展
(角川コミックス・エース)
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Crosis/松尾葉月
(角川コミックス・エース)
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内河弘児/よしまつめつ
(ヤングチャンピオン・コミックス)
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11月9日

さばねこ/ちゃつふさ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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渡真仁/三嶋くろね
(ドラゴンコミックスエイジ)
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カタセミナミ/千月さかき
(ドラゴンコミックスエイジ)
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MIGCHIP
(ドラゴンコミックスエイジ)
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天原/masha
(ドラゴンコミックスエイジ)
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車王
(ドラゴンコミックスエイジ)
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荒木佑輔/メソポ・たみあ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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石沢庸介/謙虚なサークル
(KCデラックス)
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横田卓馬
(シリウスKC)
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塀流通留/藤井ふじこ
(シリウスKC)
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内々けやき/あし
(シリウスKC)
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福田直叶/むらさきゆきや
(シリウスKC)
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冬葉つがる
(シリウスKC)
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志瑞祐/青桐良
(シリウスKC)
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松琴エア/はにゅう
(シリウスKC)
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西田拓矢/海空りく
(シリウスKC)
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カジカ航/伏瀬
(シリウスKC)
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真島ヒロ/上田敦夫
(講談社コミックス)
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藤栄道彦
(バンチコミックス)
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11月8日

安部真弘
(少年チャンピオン・コミックス)
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蛙田アメコ/冬野なべ
(少年チャンピオン・コミックス)
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11月7日

雨隠ギド
(アフタヌーンKC)
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妃羅/山田リューセイ
(ガンガンコミックスUP!)
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鳥羽徹/栗元健太郎
(ガンガンコミックスUP!)
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裕夢/ボブキャ
(ガンガンコミックスUP!)
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こゆびた べる
(ガンガンコミックスUP!)
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えぞぎんぎつね/阿倍野ちゃこ
(ガンガンコミックスUP!)
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風来山/沖野真歩
(ガンガンコミックスUP!)
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相崎壁際/四季ムツコ
(ガンガンコミックスUP!)
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平成オワリ
(SQEXノベル)
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美袋和仁
(SQEXノベル)
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11月5日

雨堤 俊次
(宝島社文庫)
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山本 巧次
(宝島社文庫)
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ヒロサキ/冬馬倫
(フロース コミック)
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冨月一乃/雨宮れん
(フロース コミック)
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11月4日

尾田栄一郎
(ジャンプコミックス)
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冨樫義博
(ジャンプコミックス)
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矢吹健太朗
(ジャンプコミックス)
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加藤和恵
(ジャンプコミックス)
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権平ひつじ
(ジャンプコミックス)
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松井優征
(ジャンプコミックス)
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鈴木祐斗
(ジャンプコミックス)
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辺天使/津田穂波
(ジャンプコミックス)
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伊藤砂務
(ジャンプコミックス)
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天野明
(ジャンプコミックス)
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ちると
(ジャンプコミックス)
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横山左
(ジャンプコミックス)
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松本直也
(ジャンプコミックス)
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稲岡和佐
(ジャンプコミックス)
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静脈/依田瑞稀
(ジャンプコミックス)
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岩田雪花/青木裕
(ジャンプコミックス)
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伊科田海
(ジャンプコミックス)
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河本ほむら/羽田豊隆
(ジャンプコミックス)
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ONE/村田雄介
(ジャンプコミックス)
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マポロ3号
(ジャンプコミックス)
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篠原健太
(ジャンプコミックス)
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近本大/新川権兵衛
(角川コミックス・エース)
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路生よる/藤堂流風
(角川コミックス・エース)
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三上康明/田中インサイダー
(角川コミックス・エース)
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藤本ケンシ/井出圭亮
(ヤンマガKCスペシャル)
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山田恵庸
(ヤンマガKCスペシャル)
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岡本倫
(ヤンマガKCスペシャル)
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植野メグル
(ヤンマガKCスペシャル)
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新井春巻
(ヤンマガKCスペシャル)
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ARATA/まきしま鈴木
(PASH!コミックス)
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せるげい/くまなの
(PASH!コミックス)
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航島カズト/タンサン
(PASH!コミックス)
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渡 琉兎
(ドラゴンノベルス)
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葵すもも
(ドラゴンノベルス)
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綾村 実草
(ドラゴンノベルス)
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並木 陽
(星海社FICTIONS)
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