東京優駿

第91回東京優駿 日本ダービー G1 レース回顧  

3歳 オープン (国際)牡・牝(指定) 馬齢 東京競馬場2,400メートル(芝・左)

デサイルっ、デサイルっ、ノリさんだーーーっ!!!

直線最後、ミラノが前を捉えようとしたその時に、既に内ラチ沿いをシュガークンとエコロヴァルツを食い破るように突き抜けようとしていたダノンデサイルの方に目が釘付けにされました。4ハロン棒の時点でこれはデサイル、勝ち負けだ! と確信させられる迫力でしたし。
うおおお、ダノンデサイル、多くの人が口を揃えて調教ヤバい、変わり身凄い、と発していたので注目はしていたのですけれど、それでも3着までと思ってたんですけどね。ここまで強かったとは。

ダノンデサイルは、1月の京成杯で今回4番人気となっているアーバンシックを二着に退けて皐月賞に挑みました。が、レース直前鞍上の横山典弘騎手が歩様に違和感を感じて、出走を取りやめちゃったんですね。生涯に一度しかチャンスがないクラシックレースで、明確な異常がないにも関わらず馬の安全を考慮して出走を断念する。なかなか出来ない決断だったのですが、今回この結果を持ってその判断が正しかったのだと証明する形になりました。馬のことを第一に考える横山典さんらしい英断だったわけですけれど、その返答がこういう形で返ってくるとはねえ。武騎手の記録を超えて最年長G1記録の更新、さらに最年長ダービージョッキーの誕生ですよ。御年56歳。レジェンド武豊が目立つけれど、このヒトもまー意味わからんレベルのレジェンドだよなあ。
でも重賞は毎年相応に獲ってるものの、G1はほんと久しぶりだ。中央のG1となると2017年のNHKマイルカップのアエロリット以来。アエロリットかー。この馬も古馬になってからもずっとマイルから中距離戦線の牝馬のトップランナーとして活躍したいい馬だったなあ。


さて、改めて今回の日本ダービーについて語っていきましょう。
まずはレース当日までの各馬の情勢などから。

クラシックの一冠目。皐月賞、これを制したのはジャスティンミラノ。
ちなみに皐月賞が行われる前の雰囲気としましては、どんぐりの背比べ。むしろ紅一点殴り込んできた牝馬のレガレイラが一番人気になってたんですよね。というのも、彼女は2歳の頂点を決めるホープフルSを牝馬ながら参戦したうえで完勝。この時点でどの牡馬よりも自分が上だと証明してみせたわけです。
一方で2歳時に将来のクラシック候補として評判を集めた馬たちは、いまいち評判通りに活躍できず、また成長が遅れていて二の足を踏んでしまい、前哨戦は思わぬ伏兵が勝つことも多くて、果たしてトライアルレースを勝った馬は本当に強いのか、負けてしまった評判の馬たちは評判倒れなのか。ともかく評価が混沌としてしまったわけですね。
そんな中で、朝日杯を勝ったジャンタルマンタルを共同通信杯で下したジャスティンミラノが、強い相手に勝ったしこの馬もかなりのもんじゃあないか、とされて2番手評価を受けていたわけです。
ただ皐月賞の時点ではミラノはスローペースしか経験しておらず、ハイペースが想定されていた皐月賞向きではない、とされてたんですね。そもそもペース早くなったら追走できるのか、って。また走法や血統もどちらかというと東京2400向きだからダービーが本番、なんて言われていたわけです。
ところが、ミラノはそうした評判を覆してべらぼうに早くなって向かないと思われた展開を、余裕で前につけてあっさりとレコードでぶっちぎって勝ってしまった。
ちなみにこの時3着になったジャンタルマンタルは先日のNHKマイルで快勝しましたから、距離の問題はあったとはいえ文句なしに強い馬です。
そんなジャンタルに共同通信杯に続き完勝してみせた。向かないはずの展開をもろともせずに、向かないはずの舞台で。あれ? ジャスティンミラノってべらぼうに強いんじゃないのこれ!?
と、皆が新星の出現に愕然とさせられたのが、皐月賞だったのです。
亡き藤岡康太騎手が調教パートナーを務めたこともあって、感動の皐月賞制覇となったんですね。

ちなみに皐月賞のレース回顧がこれですね。



というわけで、大勢としてこのダービーはジャスティンミラノの一強だよっ! という声が強かった。まああれだけのパフォーマンスをみせたミラノ、むしろジャストフィットするのはこのダービーの方だよ、となればそれも当然。
戸崎騎手のダービー初制覇も間際だよ、という雰囲気……かというと、うむ。実のところ、2.2倍という人気は十分ではあるんだけれど、圧倒的とまではいかないんですよね。
実際にレースを迎えるとなるとあらゆるデータをほじくり返してくるのが、予想屋さんたちです。
ミラノは血統的にもダービー向き、とされながらも、焦点を父キズナに絞ってみるとこれがまた東京競馬場で全然重賞成績良くないんですよ。いや、それに関しては他のキズナ産駒……今回やたらとキズナ産駒の出走馬多かったので、そっちは気にしておいて良かったんでしょうけれど、ミラノに関しては共同通信杯で東京競馬場走って完勝してるんで、彼個人はあんまり考慮しなくていいデータだったかもしれません。ただ戸崎騎手が、ダービー勝ってない。初勝利間近、というのは期待膨らみますけれど、一方でこれまでずっと勝てなかった、という事でもあり……こういう勝てない呪いってほんとに続くんですよね。そういう意味でも、馬自身よりもそれ以外の要素で微妙な不安が消しきれない、という雰囲気はあったと思います。
間違いなく強い! しかし絶対視は出来ない、という塩梅ですか。

皐月賞とは違うんだよ皐月賞とはっ、と意気込んでいたのが2番人気レガレイラです。牝馬ながら牡馬クラシック参戦した紅一点、2歳チャンピオンでしたが。皐月賞では相棒のルメール騎手がドバイで怪我、という影響がこっちにも波及していて、皐月賞本番では乗り替わりが発生。馬群を縫って前に出るのに少し手間取り、結果6着に終わってしまいます。回顧記事にも書いてますけれど、皐月賞のハイペースも合わなかったんじゃないでしょうか。
しかし、今回は鞍上のルメールが戻りました。これは大きいです、ほんと大きい。ルメール買っときゃだいたい当たる、は真理です。それくらいほんとにこの人は上手い。
それに、今回は切れ味勝負になりそうですし東京競馬場向きという意味ではスワーヴリチャード産駒の彼女はミラノ以上だったかもしれません。

また、三歳のこの時期ってまさに成長期の真っ只中なんですよね。夏を経て秋に別の馬みたいになって現れる、みたいなパターンも多いのですけれど、皐月賞からダービーまでの一ヶ月前後でまさしく一変してしまう、という馬も少なくありません。
先週、オークスを勝ったチェルヴィニアなんかもそうでした。
今回も前走からまるで見違えた、という馬が何頭かいたようです。ちなみに、自分は馬体とか調教とかパドックとか返し馬とか見てもさっぱりわかりません、けっこう長い年月競馬見てきましたけれど、未だにさっぱりですね!
というわけで、自分で見て確認したわけじゃないのですが、こういう時は情報の集積です。昨今は競馬新聞だけではなく、ブログやSNS、コラムにYouTubeと様々なところで色んな人がコメント出しています。同じ調教見てもみんな見解違ったりするのですけれど、それでも集まった情報を俯瞰してみると傾向というものは見えてきますし、あれ?この馬ちょっと今回凄そうだぞ!? という意見が多方面から吹き上がっていることも観測できます。
今回特に前走とまるで違うぞっ!? という声が多方面からあがっていたのを観測できたのが、5番ダノンデサイル。8番アーバンシック。13番シンエンペラー。そして14番のゴンバデカーブースでした。9番のダノンエアズロックも一度調子を崩していたのを前走のプリンシパルSで快勝したように復調してきた、という向きの話は盛り上がってましたけれど、明らかに以前よりもワンランク上に覚醒したような話題があがっていたのが上記四頭でしたね。
コンバデカーブースは中2週でNHKマイルカップを激走したばかり。正直NHKマイルの時は調子かなり悪かったみたいで、それでも4着に入ったのはむしろ能力凄いよね、という話になっていたのですが、まさかのダービー参戦。いや流石にローテきつすぎない?と思ったのですが、これがむしろNHKマイルの出走が休み明けの一叩きになった感があって、ここにきて急上昇、本格的に二歳時に世代最強の一角と言われた才能を発揮できる態勢になってきている、というご様子でした。
体がようやく仕上がってきた、という意味ではシンエンペラーもそうで、これまで体がまだできあがっていなくて才能だけで結果を残してきたのが、皐月賞のあとようやくこれ本格化してきたよ。本気で走れる体になってきたよっ! と心身の充溢を伝える話が聞こえてきたわけです。
んで、とにかく調教の走りがヤバい、なにこれ凄い走ってるよ!? 別馬!? 別馬!? とあちこちから驚き混じりの声が飛び交っていたのがダノンデサイルであり、同じく今回の仕上がりが一等ヤバいっ、打倒ミラノがあるのはこの馬だろう、という凄まじい強者感を出していたのがアーバンシックでありました。
特にアーバンシックは、皐月賞で六番人気と脇ポディションだったのが、今回四番人気ですけれど明らかにミラノの対抗馬候補という雰囲気でしたね。或いはレガレイラすら上回る形で。
あ、最終オッズシックスペンスと並んで三番人気になってたのか。

そのシックスペンスは、というと……三番人気なんですけれど、不思議と自分の観測範囲ではほとんど話題にもあがってなかったんですよね。なんでだろう。ただ戦歴もスプリングSから皐月賞も出ずにダービー直行というローテ。これが満を持して、という感じでもなくて。ミラノと並んで二頭だけの無敗馬だったのですけれど鞍上・川田ゆえの人気、という印象でした。
ダービー直行という意味では皐月賞回避したダノンデサイルの方が休養期間長かったんですけどね。実際、九番人気というのはそこらへんにも原因はあったのでしょう。ノリさんも、G1という事を考えると最近の成績を見てもなかなかプラス要素とは言えなかったからなあ。

取り敢えず人気で並べると
一番人気ジャスティンミラノ
二番人気レガレイラ
三番人気アーバンシック
同率シックスペンス
五番人気ダノンエアズロック。エアズロックは鞍上がマジックマン・モレイラというのも大きかったんでしょう。トライアルがプリンシパルS経由の馬は歴史的にも成績よくありませんから。エアズロックが高額購入馬としてデビュー時から評価も高く、プリンシパルSの勝ち方も強かったですから、過剰人気とは言えないですけれど。
六番人気がコスモキュランダ。皐月賞で2着に入った実績を考えるならこの評価は低いっちゃ低いとも言えるのですけれど、鞍上がモレイラで皐月賞の乗り方が神騎乗と呼べるものだったのを考えると、妥当とも思えます。アルアイン産駒の星なんですけれど、距離的に皐月賞がベスト、という向きもありましたし。ただ、アルアインってダービー馬シャフリヤールの全兄であるので適正がないかというと……。でもアルアインとシャフって兄弟なのに全然違うんだよなあ。
7番人気がシンエンペラー。この馬も才能は認められながら、それを発揮しきれないでここまで来た……って、いや戦歴みると悪くは全然ないんですけどね。7番人気は低いだろう、と思いつつも上の並びを見ると、まあ、うん、となってしまうわけで。でも、本格化の気配はあったわけですしね。この時期の馬の成長はほんと三日会わざれば刮目して見よ、なくらい急変があるだけに油断できません。
8番人気はシュガークン。武豊のお手馬ですね。デビュー当初からあのキタサンブラックの弟だっ!てことで注目は集めていたのですけれど、この血統は総じて晩成型が多かったんで、むしろ新馬戦で2着。2戦目で勝利、とかなり早く勝ち上がったなあ、くらいの印象でまさかクラシックに参戦してくるとは思わなかったんですよね。それが参戦どころか青葉賞を快勝。だいぶ驚かされました。
とはいえ、青葉賞組の関西馬はなかなか実力を発揮できないのが長年の傾向です。馬としての人気はけっこうあると思うのですけれど、それが馬券の人気につながるかというとそのへんはシビアな競馬ファンなのであります。
ちなみにシュガークンのクンってなかやまきんに君とかの君じゃなくて、フィンランド語で「時」を意味する言葉だそうで。砂糖時間……甘い時って、めちゃくちゃスイートな名前だなw

あとは、皐月賞まで無敗だったサンライズアース。
トライアル京都新聞杯の勝馬であるジューンテイク。
世代でも最強クラスの追い込みを決める脚を持つきさらぎ賞馬ビザンチンドリーム。
これまた2歳時には世代最強候補の一角だったミスタージーティー
クラシックの登竜門で後に歴代勝利馬には名だたる名馬が並んでいる若駒Sの勝ち馬サンライズジパング。
これがダービー初騎乗となる鮫島克駿騎手がまたがるショウナンラプンタ。
そして朝日杯FSでジャンタルマンタルの2着に入る実績があるエコロヴァルツ。

この18頭で日本ダービーは行われました。



……違う、18頭じゃないんだ。
一頭メイショウタバルが挫石…蹄が炎症、内出血を起こす症状だそうで。のために金曜日に出走取消になっちゃったんですね。毎日杯で凄い逃げて勝った馬。皐月賞でも大逃げをカマし、このダービーでもこのタバルがレースを引っ張ることになる、と目されていた馬でした。

そう、直前でレースを牽引する予定の馬がいなくなっちゃったわけです。
シュガークンをはじめとしてこれまで逃げた事がある馬はいましたが、どれも本職ってわけじゃありません。
明確な逃げ馬不在、かわりに引っ張るような馬も不在。となると、誰かがやったるぜーっ、と一発逆転を狙ってか逃げを打つという奇策にうって出ない限りは、お互いに様子を見ながらのスローペースが予想されました。

この時点で騎手や関係者諸氏は頭悩ませたでしょうね。はたして、この予想される展開でどう立ち回るべきか。

天気は快晴、馬場良好。内外はもう関係なかったかな。
レースは大方の想定通り武豊のシュガークンが端を切るかな、と思った所で大外18番から岩田康誠騎手騎乗のエコロヴァルツがまさかの強襲。一気に先頭に立ち、エコロヴァルツが馬群を引っ張ることに。シュガークン武豊はこれを見て、さっと前に出る動きを抑えて先行集団に落ち着けるんですね。
注目はこの時点でノリさんがデサイルを番手につけたこと。場合によっては自分が先頭に出ることも辞さないつもりだった事はインタビューでも語っていますが、この時にもう絶好の位置につけてたんですね。
これは予想外に荒れる展開になるか!? と、思ったのですが、岩田パパはそこから無理に飛ばすことなく、すぐにスピードを絞ってペースを落とす。
その後ろにデサイルがつき、だいぶペースが一気に落ちたのを見たのかシュガークンもデサイルの外側に、エコロヴァルツを見る形で。
スローペースを見越したんでしょう、ミラノ戸崎も早めに前につけようと馬を押し上げてきます。
コーナーの時点で川田が武豊の真後ろに付けているのも、この展開を見るに最良のポジショニングと言えるでしょう。実に川田らしい位置取りであります。
意外だったのがルメールレガレイラ。1コーナーから2コーナーの時点で11番手あたり。中団後方。思ったよりも後ろだった。レガレイラの脚や馬群の捌きの上手さを考えるなら、確かにそこは悪くない位置なんだけど、ペースを考えるとそこはちょいと後ろだ。
アーバンシックはさらに後方。いや、レガレイラはともかくとしてアーバンシックの方はほんと後ろすぎない!? 脚質考えるとどうしても追い込みなんだろうけど。出遅れというほど出は悪くなかったし、エコロヴァルツが果敢に前にいった事でスローペースにはならない、と見たのかな。
実際は、向正面での馬たちのあのゆるゆるの走り方を見て、これ明らかに遅すぎじゃない!? と素人目にもわかるくらいのスローペースに。いや、ほんとに見るからに遅いよ!という走り方でしたからね、あれ。ハロンタイムに13.1と13秒台が入ってる。昨今3000メートル以上のレースでもあんまり見ない数字だぞ。結局1000メートルの通過タイムは1分2秒2。凄まじいスローペースになりました。
こうなってしまうと、馬群の後ろの方に居る馬は直線でどれだけ追っても前に追いつけなくなる。スローなんで全頭余力を残したままヨーイドン、となるために差し脚に差がつきにくくなるから、ギアを入れる位置取りが前でないと届かないのです。
あっ、これはあかんぞ!? と気づいて迅速に方針転換したのが、最後方とブービーの位置にいたコスモキュランダのミルコ・デムーロとサンライズアースの池添くんでした。彼らは後方一気に早々に見切りをつけて、向正面で加速、馬群を外から躱して一気に先頭集団に取り付きます。
その判断が間違っていなかったのは、コスモキュランダが6着、サンライズアースが4着まで粘って入っている事からもわかるでしょう。この時動かなかった後方集団はレガレイラを除いてほぼ下位に壊滅しています。その中にはダノンエアズロックやアーバンシックも数えられます。まあエアズロックはあの内側の位置からあの時点でお仕上げていくのは難しいからなあ。
アース池添が一気に先頭にまで襲いかかったことで、ここからペースは急上昇。直線入ってからヨーイドン、とならずその前の段階から皆が加速し始めたのである。ペース遅かったわりにこっからスタミナも要求されたことになるのか。
キュランダもアースも脚を使った分消耗はありますし、前で引っ張ったエコロヴァルツも後ろを引き離してのスローペースじゃないんで、彼もオツリはそこまで残っていなかったでしょう。
こうなると、ベストもベストの位置で力を貯め発揮できたのはジャスティンミラノであり、ダノンデサイルだったわけです。シュガークンも武さんベストを尽くしたよなあ。これは文句なしの騎乗でした。あとはまだ馬の力が足りていなかった。デサイルとミラノの強襲に耐えられずに後退。シュガークンはやっぱり秋以降か古馬になってからが期待ですかね。
直線残り400の位置でミラノがGOサイン。前は大きく進路が拓き、エコロとシュガーはまだ余力はあれどここから切れる脚はない。ここより後ろの連中はそれこそ位置が後ろ過ぎる。豪脚を見せてもミラノがミラノの走りを見せたら届かない。これは再び完勝かっ、と思った瞬間、視界の右端に内ラチ沿いからエコロとシュガーの塊を抉るように内に潜り込む赤い帽子が映り込む。
その勢い、その迫力たるや、外からまくってくるミラノを上回るオーラ。俄然、視線は内ラチ沿いを食い破ってくるダノンの勝負服に惹きつけられる。

「デサイル、デサイルだっ!」

思わず声が出た。
ミラノも伸びてるんだが、完全に脚が違う。ほぼ同じ位置から加速したのに残り200の時点で明確な差がついていた。
これは届かないっ。無理だ。

「デサイルだっ、ノリさんだぁぁ!!」

残り100メートルの時点で絶叫してしまった。
早めに前に出て粘った勝ちじゃない、明らかに強者よりも凄い脚で突き抜けた。9番人気人気薄でも、間違いなく強い勝ち方。ここだけの一度の輝きじゃない、世代最強を名乗るに相応しい、ダービー馬らしい勝利だった。
ダノンデサイル。安田 翔伍調教師に初の中央G1で初のダービーを送ることになりました。そしてダノンの冠についにクラシックを、それもダービーの冠を与えることになったわけです。
ダノンというと、朝日杯やホープフルは勝ててたんですけどね。クラシックではどうしても届かなかったのが、ついに届いたか。

2着にはジャスティンミラノ。戸崎、ダービーは遠かった。乗り方しくじったようには見えなかったんだが、1着は遠いなあ。
とはいえ、まだまだこんなもんじゃない。繊細な皐月賞馬だけで終わる馬じゃないので、これからですよ。

3着にはシンエンペラー。上り2位の差し脚で追い込んできた。ここで3着入るだけの実力を示せたのは大きいよ。本格化はマジですよ。秋以降は最上位の一角に食い込んでくる。

4着サンライズアース。序盤最後方にいたのに、向正面で十数頭抜き去って逃げてるエコロとその後ろのシュガーに並ぶまで食いついてきたという凄まじいレースをしながら、そのまま落ちていったエコロとシュガーを尻目に最後まで粘りきった。何気にエグいレースしてませんかね!?
調教でも抜群の仕上がりをみせていたようですし、馬を仕上げたスタッフと池添騎手の好騎乗の賜物でしょうか。皐月賞では惨敗しましたけれど、この馬もこれは逸材ですよ。

5着にはレガレイラ。これはポジショニングにつきるなあ。あの位置に入ってしまったのが辛かった。途中で動かせなかったですもんね。
にも関わらず、他の後方勢が壊滅する中でなんできっちり5着まで食い込んでるんですかね、このお姫様は。上り3F33.2で17頭中最速を記録。バタバタせず、直線で前があくまで我慢し、外を回さず当初の予定通り内側から食らいついていったルメールのリカバーも考慮に入れねば。
実力不足ではなく、展開が向かなかったなあ。

6着はコスモキュランダ。展開や距離の不安を考えれば、皐月賞2着の実力は証明できたと思われる。デムーロも出遅れなければもう少し前の位置から競馬出来たかもしれないのがちと勿体ない。

7着にシュガークン。これはもうちょいおとなになってからですねえ。
8着エコロヴァルツ。最低人気だった事を考えるなら、逃げに打って出てこの位置に残した岩田パパの判断は正しかったのでしょう。果敢に攻めた結果であります。朝日杯FS2着ですからね、このまま沈むのも勿体ないですよ。
9着にシックスペンス。位置取りは十分上位に食い込めるポディションだっただけに、ズルズルと沈んでしまった以上は現状ではまだ力不足か、仕上がっていなかったか。折り合ってもいなかったみたいですし、さすがに3番人気は過剰だったかと。

アーバンシックは11着。さすがにこのペースであんな後ろではさすがに勝負にならなかったか。
ゴンバデカーブースは13着。道中までいい感じに思えたんですけどね、直線で息切れしてしまったみたいで。調子が良かったのは間違いないみたいなので、やはり距離が長かったか。レースの疲労って調子とはまた別の、ここぞというスタミナに出ることもありますからねえ。

ダノンエアズロックはレース後のコメントみるとずっとテンション上がっちゃってたみたいですね。こっちもレース間隔の短さがこういう形で出てしまったんでしょうかね。


なにはともあれ、横山ノリさん、ダノンデサイルおめでとうございます。世代の頂点ですよ、頂点。
新たな主役の登場ですなあ。これは秋以降も盛り上がってくるぞ。3歳ってのは次々新星が現れるのが毎年楽しいや。




第77回 東京優駿(GI)  

ああ、ダノンシャンティが!!
日本レコードを記録して勝利したNHKマイルCの激戦の反動か、キングカメハメハの再来となる変則二冠を狙ったダノンシャンティが骨折のため出走取消。
屈腱炎となった4着のサンライズプリンス、6着のエイシンホワイティが骨折と参戦馬が次々とレース後に故障するほどの過酷なレース。勝利馬だったシャンティも免れなかったということか。
馬券的には、レコード勝ちした反動や距離適性を鑑みて、抑え程度でとどめておくつもりだったシャンティだけど、競馬的にはこれほどのメンバーが揃った中で最強の一角と謳われたこの馬が離脱してしまうのは、非常に残念。もう、こんなメンバーで競馬が出来る可能性は少ないだけに、とても残念。

それでも、シャンティが抜けてすらも、このダービーは史上空前の冠を掲げるに相応しい、凄まじいメンバーが出揃った。皐月賞の時点ですら近年稀に見るハイレベルなメンバーとなっていたけれど、この日本ダービーにおける出走馬の名前の連なりはまさにドリームキャストと言う他ない。勝ち負けにはならないだろうと予想される馬は、今回については自分の目では精々四頭ほど。残る十三頭は、勝っても意外と思わない力を既にこれまでのレースで示している。
例年のレベルならば、容易に一番人気を獲得しそうな馬がゴロゴロといるのだ。将来的に、今回のメンバーからG1馬が続出することになるだろうことは確信に近い。

現場の盛り上がりも、どうやら尋常のものではないようだ。どのスポーツ紙、競馬新聞を見ても、競馬担当記者たちのテンションは日曜に近づくに連れて上がりっぱなし。騎手をはじめとした競馬関係者たちも、紙面から聞こえてくるコメントから見ると、ちょっと記憶にないくらいに今度の日本ダービーにワクワクと胸を高鳴らせているのが伝わってくる。たとえ自分が手がける馬が出走していなくてすら、このダービーには競馬に携わるものとして興奮を抑えきれないものがあるのだろう。


メンバーはシャンティが出走を取り消して全17頭。
繰り返す。
第77回東京優駿は、空前にして絶後の、競馬史上に何十年と渡って語られるレースとなるだろう。

01番 エイシンフラッシュ 内田博幸騎手。
京成杯1着。皐月賞3着。一月の京成杯を解消した跡、鼻肺炎のために休養。そのため、調教も不十分の侭挑んだ皐月賞だったが、フラッシュは中団から追走、坂上でぐいっと伸びて後続に差をつけ、居並ぶ強豪たち相手に、見事に3着に食い込む。皐月賞を叩いたことで不完全だった調整もここに来て完璧に仕上がってきた。不完全な状態での皐月賞3着からさらに上積みを重ねてきたのだ。
最内で経済コースをひた走れるのも好条件。追い切りで見せたフットワークは豪快にして鋭さ満点。

02番 レーヴドリアン 藤岡佑介騎手
獲得賞金の面でダービー出走は絶望的と思われたものの、上位賞金獲得馬の回避から、奇跡的に出走権が滑り込んできたこの馬の勇姿をダービーで見たい思っていたファンは多いだろう。重賞勝ちこそないものの、この馬の魅力はその常軌を逸した末脚にある。前走3着に終わった京都新聞杯だが、その追い込みの凄まじさといったら、まったく他の馬と別次元。全6戦中5戦。皐月賞以外のすべてのレースで、上がり3Fのメンバー最速を記録。中山競馬場で馬場の悪かった皐月賞では、ヒルノダムールに最速の座を明け渡してしまったが、良馬場が予想され、長大な直線で知られる東京コースにおけるこの馬の一撃必殺の凄まじい末脚は強力な武器となるだろう。
なにより、最後方から前の馬をごぼう抜きにしていくこの馬の激走する姿には、感動するほどの魅力が詰まっている。華のある馬なのだ。


03番 ルーラーシップ 四位洋文騎手
父はダービー馬キングカメハメハ。母は伝説の女傑エアグルーヴ。兄に今、古馬の中でも最強の一角に名を連ねるフォゲッタブルという血縁に凄まじい名が連なる超良血馬。
皐月賞トライアルで戦っていた頃は、まだ本格化は先、兄フォゲッタブルと同じ秋以降かと思っていたが、そんな予測を完全に、粉々に、木っ端微塵に打ち砕いてくれたのが前走プリンシパルステークスの圧勝劇だった。強い、無茶苦茶強い。なんというド迫力。勝ち時計を見ても、高速馬場を鑑みても素晴らしく優秀。
はっきり言って、スケールの大きさ、迫力という意味ではフォゲッタブルを上回るかもしれない。重賞未勝利馬のダービー戦績は、ようやく3着に入った馬が3頭だけ、という厳しい結果がつきまとうが、ルーラーシップについてはこれまでの馬とは別次元。データは参考にならない。


04番 サンディエゴシチー 浜中俊騎手
二歳時には無傷の三連勝で札幌2歳Sを快勝した素質馬。スプリングS、皐月賞と二桁順位で大敗してしまったが、どうやら調子は連勝していた頃のいい状態に戻ってきている様子。


05番 コスモファントム 松岡正海騎手
覚えているだろうか。去年の暮。東の朝日杯でローズキングダムが二歳王者の座につく裏で、後に皐月賞を奪取するヴィクトワールピサが高らかにクラシックは譲らないとばかりに勝利したラジオNIKKEI杯2歳ステークス。そのレースで、のちのNHKマイルC馬ダノンシャンティ、皐月賞2着馬ヒルノダムールの2頭を退けて、ヴィクトワールピサのクビ差まで迫ったのはこの馬、コスモファントムであったことを。
その後、脚部不安を発症し、春のクラシック戦線から姿を消していたこの馬が戻ってきたのは京都新聞杯。そこでこの馬が見せたパフォーマンスは、かつてヴィクトワールピサを追いつめた頃と変わらぬ、いやその頃よりも鋭さと粘りの増したものだった。成長期に無理させずにゆっくりと休養させたことは、この馬のスケールを一段上に上昇させてしまったのかもしれない。
2歳時の萩Sではレコードタイムと変わらぬ時計で走りぬけ、4ヶ月半のブランク明けで明らかに万全でなかった京都新聞杯で2着。一叩きした今回はさらに上積が計算される。今回唯一のマル外馬を軽視するのは危険である。


06番 アリゼオ クレイグ・ウィリアムズ騎手
2歳王者ローズキングダムが皐月賞に向けての前哨戦と位置づけ、有象無象をけちらしてヴィクトワールピサとの一騎打ちへと挑まんと泰然と出走したスプリングS。
そのレースでキングダムを完全にねじ伏せてしまったのが、誰あろうこのアリゼオであった。
名だたる有力馬の多くが差し馬であるなかで、この馬は数少ない先行馬。スプリングSではローズキングダムの猛追を、前で完全にたたき潰し、皐月賞では大外枠から先行位置取りに脚を使わされ、4コーナーでは早、差し馬たちの鼻面に捕まっていたにも関わらず、頑強に粘りきっての5着。あのレース展開での5着は、目立たぬながらも負けて強しの内容。皐月賞三番人気の格をいささかも落とすものではなかったと明言する。
皐月賞を上回る凄まじいメンバーが揃った今回だが、先行優位の展開になったなら、たとえヴィクトワールピサだろうがペルーサだろうがヒルノダムールだろうが抜かせない断固とした強さがこの馬には在る。鞍上は天皇賞春でジャガーメイルを初G1制覇に導いた豪腕・ウイリアムズ。

07番 ヴィクトワールピサ 岩田康誠騎手
押しも押されぬ・現段階における3歳牡馬の頂点。いつもの年ならば、間違いなく倍率1倍台のダントツ人気を獲得しただろう。いつもの年ならば、誰もが疑いなく三冠確実と大騒ぎしただろう。既にこの時点で名馬、既にこの時点で最強の名を関してもおかしくない、それほどの馬で在る。
この馬の特徴は、その素直さ。騎手の指示に電光の速さで反応し、完璧に従い切る。人馬一体を、この馬は馬の側から体現しているのだ。そのスマートさは貴公子然とした華麗さすら感じさせる。だが、その勝負根性は折り紙付き。闘志は螺炎渦巻くがごとく。馬群に囲まれ、揉まれようがぶつかられようが、微塵も動じない肝の太さ。ごたつく内ラチ沿いを、時に馬の隙間を華麗にすり抜け、時に無理やりこじ開けて、闘志を微塵も失わずに突き抜けてくる。展開に左右されず、どんな状況でも十全に能力を発揮し、自分の競馬をやってのけるそのスタイルは、パーフェクトホースと呼ぶに相応しい。


08番 ローズキングダム 後藤浩輝騎手
誰もが忘れてはいないだろうか。王と呼ばれた馬が誰だったのかを。薔薇一族の至宝。王国を築くもの。ローズキングダムの名を。
朝日杯を勝ち、二歳王者の座につき、ヴィクトワールピサとの最強対決へと挑まんと踏み台に選んだスプリングSで、アリゼオ、ゲシュタルトの二頭にその末脚をたたきつぶされたのがケチのつきはじめ。皐月賞ではヴィクトワールピサのみならず、ヒルノダムール、エイシンフラッシュの先着を許し、今や王の名は地に落ちてしまった。前日オッズは屈辱の17.8倍の5番人気。
今週の火曜日にはザ石を発症し、一時は出走すら危ぶまれる。だが、すぐさま回復して金曜日には最終追い切りを走ることができ、軽快なフットワークを見せている。
まだ二歳王者の冠を過去の栄光とするには早すぎる。稍重だった皐月賞の馬場と違い、ダービーはパンとした良馬場。実力さえ発揮できれば、その威光は取り戻せるはず。
そう、たとえ一度は敗れようと、王は玉座へと「帰還」するものなのだ。


09番 ペルーサ 横山典弘騎手
何の不安も欠点も見当たらない、本来ならば三冠確実と謳われるに相応しいパーフェクトホース・ヴィクトワールピサ。それを、前日オッズにて二番人気に追い落としたこの馬の存在を、脅威と言わずになんという。
皐月賞を敢えて回避し、ダービーだけを目標に仕上げてきたこの馬のスケールは、まさに怪物。まさに化け物。恐ろしい、凄まじい馬が、殴り込んできた。
若葉Sの、そして青葉賞のあの競馬を見れば、誰もがこの馬のありえない強さを肌で感じずにはいられないだろう。青葉賞の時計は、歴代最速。それも、後続を四馬身千切り、最後は流し気味で、でだ。アドマイヤメイン、ゼンノロブロイ、シンボリクリスエス。これら後にG1戦線を蹂躙して行く青葉賞歴代の勝ち馬たちを差し置いて、だ。もはや、ものが違う、次元が違うと言ってもいいかもしれない。
4戦無敗。世代唯一、負けを知らないこの馬に、果たしてダービーで土をつける馬がいるのか?

10番 トーセンアレス 江田照男騎手
実のところ、負けたレースはすべて道悪。勝ったレースはダート。すなわち、良馬場での芝コースでは未だ走ったことが無いという未知を秘めた馬でも在る。重馬場の弥生賞ではのめっていたというし、皐月賞も荒れ馬場。さあ、もしかしたら良馬場で一変する可能性も?

11番 ハンソデバンド 蛯名正義騎手
1:48:2。この数字は共同通信杯にてこの馬が勝利した時の時計で在る。この時計は、阪神と東京の違いはあれど、のちのスピードキング・NHKマイルCを劇勝したダノンシャンティがその前哨戦で同じ距離の毎日杯を制した時の1:49:3を一秒以上上回る。なにより! その共同通信杯では、当のダノンシャンティをハナ差で制し、スプリングSでローズキングダムを蹴り落とすアリゼオを競り落したのは他でもない、このハンソデバンドその馬だった。
東京コースでの実績は4戦4連対。未勝利戦で二着を二回続けて手間取ったあとは、共同通信杯まで三連勝。皐月賞こそ18着と最後着となってしまったが、そも皐月賞連対を外していないのだ。あのレースの道悪の荒れた芝に、中山コースとの相性を鑑みれば、それで見限るのはあまりに無謀。あまりに乱暴。オッズ80倍という単勝人気は、この馬の実力を思えば、実に美味しいことになっているのかもしれないぞ?


12番 ヒルノダムール 藤田伸二騎手
新馬戦でアリゼオの2着。ラジオNIKKEI賞ではヴィクトワールピサ、コスモファントム、ダノンシャンティの4着。若駒Sではルーラーシップを振りきって勝利。若葉Sではペルーサの半馬身差の2着。そして皐月賞ではヴィクトワールピサの2着。
この戦績を見ての通り、決して勝ち星の味を知っているわけではない。むしろ、苦味をこれでもかと味わっている馬と言える。だがそれはすなわち、この馬ほど同じ世代の最強の馬たちとレースを経験している馬はいない、と言うことにもつながる。
付け加えるなら、若葉Sでも皐月賞でも道中で不利を受けている。未だ、全力全開で走りきったことの無い馬なのだ。
そしてダムールは、ヴィクトワールピサとも、ペルーサとも、シャンティとも、ルーラーシップとも、この馬はレースを経験してる。その激戦の経験値は、この馬をどれほどレベルアップさせてしまったのか。
ド迫力の坂路調教の様子は、もはや震撼という言葉でしか言い表せないような代物だった。皐月賞からダービーまでの一ヶ月間で、もっとも成長したのはルーラーシップだと思っていたが、どうやら大きな間違いだったようだ。さらにそれを上回る形で、ヒルノダムールはとてつもないスケールの馬へと至ろうとしている。あれほど調教で追い込んでいるにも関わらず、この馬の馬体重は増加の一途を辿っている。その成長は身震いするほど明らかな形で、数値によって現れてしまっている。セカンドホルダーなんてとんでもない。この馬は、今やヴィクトワールピサやペルーサともまともに伍するような格を手に入れつつ在る。それを、今このダービーで証明しようとしているのだ。その末脚は鮮烈。皐月賞最速の上がり時計は、東京コースではさらに威力を増して襲いかかってくるだろう。


13番 ゲシュタルト 池添謙一騎手
ダービートライアルレース、京都新聞杯を制して日本ダービーへの出走権を手に入れたゲシュタルト。その競馬は、ゲシュタルトが目指すべき会心の競馬だったと言える。先頭から5、6番手の位置につけ、中団好位からコーナーで抜け出し、そのまま押し切る。
これは競馬戦術の言わば王道であり、この競馬をして先行馬たちを躱し、差し馬たちの末脚を振り切れる馬こそ、フロックでも展開の妙でもなく、純粋のその強さが本物であると証明していると言える。
京都新聞杯で前を行くコスモファントムを抜き去り、別次元の末脚で迫り来るレーヴドリアンを抑え、過去五年を振り返っても最速の時計で勝利。
過去の戦績を見ても、スプリングSでアリゼオについでローズキングダムをねじ伏せたのはこの馬。皐月賞でもヒルノダムールら二着集団からは0.3秒差の7着。
決して、侮れる馬ではない。


14番 リルダヴァル 福永祐一騎手
二歳の頃、他でもない「怪物」と呼ばれたのはヴィクトワールピサでもローズキングダムでもなく、この馬であったことを覚えているだろうか。二戦目の野路菊賞をダントツ人気で圧勝した際の上がりは驚愕の33.2。かの伝説の馬、ディープインパクトの甥という血統もあり、間違いなくクラシックの主役の座を射止めるだろうことを疑われもしなかったこの馬を襲ったのは、骨折による長期休養という悲劇だった。
2歳暮れから3歳春という成長期をまんじりとせず過ごすはめになってしまったリルダヴァル。注目の復帰戦はあの毎日杯。直線で鞭が入った瞬間、隣を走っていた武豊騎乗のザタイキが大転倒。騎手も馬もあの事故に一瞬気を取られ、結果3着。
それでもなんとか出走するだけの賞金を獲得し、出場した皐月賞は結果6着。調子は未だ、最高潮だった野路菊賞の頃には戻らない。このままでは賞金的にも日本ダービーへは出走できない。ここで池江調教師は決断する。未だ調子がモヤッとしたままのリルダヴァルに火をつけるため、この馬の強靭さを信じて「皐月賞→NHKマイルC→日本ダービー」という超強行スケジュールを敢行したのだ。日本ダービーに出走するため、NHKマイルは最低でも2着に入り賞金を加算しなくてはならない。そして挑んだNHKマイルCは勝ったダノンシャンティが日本レコードを記録しての凄まじいレースとなった。リルダヴァルも1:31.8という比類なき時計を叩き出し、その強さを証明してみせたが、着順は惜しくも3着。賞金加算も目論見を下回り、ダービー出走は絶望的と目された。レース後の関係者のコメントを見る限り、もはやあきらめムードが漂っていた。だが、ここからがリルダヴァルの強運だった。相次ぐ賞金上位馬の出走回避により滑り込みでボーダー内に入り、出走が可能になったのだ。
NHKマイルCは、既にレース後二頭の故障馬を出し、今回もダノンシャンティが直前に骨折が発覚して出走を取り消してしまったほどの、過酷なレースだった。そんなレースに毎日杯、皐月賞と中二週で挑戦し、さらに中二週でこのダービーへと挑むと言うトライアスロンもかくやという凄まじいスケジュールで挑もうと言う、唯一のNHKマイルC組、リルダヴァル。調教師をして、復帰後才能だけで走ってきたと言わしめた遅れてきた最後の怪物は、この強行軍のあとでもまるで元気いっぱいだ。追い切りを乗った鞍上福永は語る、「NHKマイルCで3着になって、さすがに下降線になるかと思ったんだけど、きょうが今まで乗った中で一番躍動していた。たいしたものだよ」


15番 メイショウウズシオ 飯田祐史騎手
抽選により最後の出走権を獲得した運命の馬。気性の荒さが難な馬だが、不利な位置から京都新聞杯では4着に飛び込んできた、荒削りながらもピカイチの脚を誇る馬でもある。
運がいい馬が勝つと言われるダービー。一発駆けの危険も考慮スべし。


16番 シャイン 和田竜二騎手
展開予想では、この馬がこの最強メンバーを先頭で引っ張るのではとも言われているシャイン。鞍上の和田騎手も、既に前々で競馬をしたいと明言している。有力どころが後ろに控えるこのレース。悠々自適の単騎独行が炸裂した場合、もしかしてもあるのか?


17番 トゥザグローリー 戸崎圭太騎手
超良血といえば、ルーラーシップと比肩するのがこの一頭。そう、父はルーラーシップと同じキングカメハメハ。そして母は、エリザベス女王杯を勝ち、海外では最高峰G1の一つ「ドバイワールドC」で二着。他にも桜花賞やオークス、有馬記念といったG1最前線で常に勝ち負け勝負をし続けた名牝「トゥザヴィクトリー」。
2戦2勝で挑んだわずか三戦目で挑んだ初重賞は青葉賞。そう、あのペルーサと激突したのだ。結果は四馬身軽々とちぎられての2着。だが、この実績でペルーサの二着である。
正直、今はまだ成長過程。本格化からはまだ遠い段階にあるのが実際のところと言っていいだろう。だが、将来におけるスケールは、並み居る人気馬達に何ら引けをとることはない。確かに、前は四馬身ちぎられた。だが、いつまでもずっと四馬身とは限らない。その差は縮まることはあっても離れることはないだろう。その持ち得る才能を全開に振り絞りさえすれば、このダービーとてどうなるかわからない。なにしろ、レースに参加しているのだ。なにがあるかはわからない。



正直、今回についてはどの馬も魅力的すぎて、予想の立てようが無い。どの馬が来てもおかしくない、というのをこれほどの規模とレベルの高さで体感できるレースというのは今までに経験がない。グランプリレースである有馬記念だとて、これほどのレベルの高い拮抗など早々ないだろう。
それでも敢えて予想するというのなら、ここは、そう「ヒルノダムール」を一押ししてみたい。万年二着という座に甘んじている彼であるが、見る限り彼の持つポテンシャル、器というものはとてもじゃないがセカンドホルダーなどにとどまるものではない。少なくとも、この1、2週でこの馬は度肝を抜かれるような成長を果たしているんでないだろうか。このレースで、もしかしたらヴィクトワールピサやペルーサの後塵を拝するのではなく、まったくの同格以上の存在としての名を知らしめるシーンが見られるのでは、と期待している。
先行優位の展開になったときに恐ろしいのがアリゼオだ。ウィリアムズがこの馬の実力を十全に発揮させ、展開が前の残りのものになったとき、スプリングSの再現が見られるかもしれない。直線の長い東京コースだが、決して先行逃げ馬が不利というわけではないのはデータも証明している。
みんな応援しているといえば応援しているのだが、個人的に特に応援しているのはリルダヴァル。この馬はまだまだこの程度じゃない、というもどかしさが常につきまとっている。現実にはNHKマイルCの3着時計でその実力は既に証明されていると思うのだが、周りのメンバーの凄まじさから一段下に見られているのがやはり悔しいのだ。ただ、やっぱり強行軍の影響は厳しいと思うのだが……。

というわけで、本命はヒルノダムール。そこからヴィクトワールピサ、ペルーサ、ルーラーシップ、アリゼオで。ぶっちゃけ、サンディエゴシチー、トーセンアレス、メイショウウズシオ、シャイン以外は全部買いたいよ(苦笑 ハンソデバンドとかコスモファントムとか冗談じゃなく怖いよ? ゲシュタルトだって強い、京都新聞杯、マジ強かった。レーヴドリアンの末脚には思いっきり魅了されてしまってるし、ローズキングダムが果たして黙ったままだろうかとも思ってしまう。
いやもう、今回は本気で困った。その上で、もう滅茶苦茶今までにないくらい楽しみです。

史上空前の日本ダービー。何十年と語りづがれるであろうこのレース、じっくりと目に焼き付けたい。


結果
続きを読む

第76回 東京優駿(GI)  

三歳馬の頂点を決するGI<東京優駿>。またの名を日本ダービー。
今年もまた、競馬関係者が望んでやまない栄冠が、一頭の馬の上に輝くときがやってまいりました。


三強激突と謳われた【皐月賞】。無敗馬<ロジユニバース>。逃げの<リーチザクラウン>と三強のうち二角が大敗を喫した中で、フサイチコンコルドの弟<アンライバルド>が、ハイペースの苦しいレースを制してクラシックの一冠を獲得。そのまま、このダービーに挑んできたのだ。
はたして、兄弟によるダービー制覇がなるのか。
元々日本ダービーは一番人気が圧倒的な強さを見せるレース。さらに追い込みが強いのも特徴。末脚勝負のアンライバルドからすれば、むしろ皐月賞よりも此方の方が本命のレースだったと言えるだろう。
軸は外し難いところである。

巻き返しを図りたいロジユニバースだが。予期せぬ皐月賞の大敗。ハイペースに戸惑ったとも云われるが、その明確な理由は未だ出せていない。調教でもいささか不満の残る結果だったことが、調教師のコメントからもうかがえる。その素質は疑うところのないロジだが、今の彼から走る気配というものが漂ってこないのも確か。
リーチザクラウンも大負けしすぎ、というところが気になる。高速レースが続く今年の競馬界。おそらくはこのダービーもハイペースで進行すると目される中、リーチザクラウンが前走の大敗を取り戻すだけの要素があるかというと、いささか首をかしげざるを得ないところだ。

この世代の中で特に逸材として名をはせていた馬がいる。その評価とは裏腹に、勝ちえた重賞は一つだけ。此度、かの三強とははからずも初対決となるブレイクランアウト。一番人気を得たNHKマイルCも結局9着に沈み、ようやく辿りついた同世代強豪との決戦の場にも関わらず、人気は見る影もなく落ちてしまった。
が、はたしてこのまま評判倒れの良血馬で終わってしまう馬なのか、ブレイクランアウト。

そのNHKマイルCを制したジョーカプチーノだが、これが意外と人気をしていない。これはおそらく、これまでずっと彼がマイル以下の短距離戦線を歩んできたから、ということになるのだろう。過去十年をさかのぼっても、1800以上のレースに出走経験のない馬は好走例が皆無である。
同馬は、NHKマイルCを勝ったことで急遽、ダービーへの参戦を決めたという経緯もあるので、G1馬ではあるが幾分差し引いて考えるのがいいかもしれない。

G1馬といえば、このレースに参戦した馬でもう一頭G1馬が存在する。朝日杯を勝ち二歳牡馬の頂点に立った馬セイウンワンダー。
弥生賞でこそ後れをとり、三強から一段実力を低く見られているという屈辱を受けたものの、皐月賞では見事に三着に食い込み、二歳での戦績がフロックでないことを示したワンダー。それでもまだ、一度はられたレッテルは剥がれないのか、人気の面で一歩後れを取っているが、この堅実に走る馬を無視するのは如何なものか。

そして皐月賞でアンライバルドの二着に飛び込んだのが トライアンフマーチ。未だ勝ち星は未勝利戦の一勝のみ。若葉Sで二着に入り、重賞経験もないまま出走した皐月賞であの快走。まさしく最強の一勝馬の名声を得たマーチであるが、さて今回はどうだろう。父・スペシャルウィークは長中距離を自在にこなす強豪馬だったが、母キョウエイマーチといえばマイル戦線で活躍した馬。2000の皐月では快走したが、400メートル伸びるダービーでは、その血統がはたしてどう働くか。

皐月賞・NHKマイルCというG1路線とは別に、デビューや勝ち抜けが遅れた馬たちが、ダービーに出走するため駆け抜けてくる登竜門<青葉賞>。そこを勝ち抜け、一躍主役の一角として飛び込んできたのがアプレザンレーブだ。その素質はすでに折り紙つき。主役は遅れてやってくるとばかりに現れた大物である。とはいえ、青葉賞といえばダービートライアルにも関わらず、決してダービー本戦にて良好な成績を残しているとは言い難いレースである。そこがはたしてどういう結果をもたらすか。


さて、肝心の私の予想であるが。まあ、アンライバルド殿下に逆らうというのも無粋なところ。とはいえ、絶対の一位かと言われると少々自信がないため、今回は三連単ではなく三連複の方で勝負したい。アンライバルドを軸にして、セイウンワンダー。ブレイクランアウト。
皐月賞4着のシェーンヴァルト。ナカヤマフェスタとトップカミング。
この五頭を連して絡めたい。
ロジとリーチザクラウンは、捨て。ちょっとイメージがわかない。ジョーカプチーノも不安要素ありすぎ。
トライアンフマーチも、今までが出来過ぎという感もある。本格化はまだ先じゃないのか。
上り馬として注目すべきアプレザンレーブだが、その実力素質は認めるが、駆けあがってきた分、どうもここで一息つきそうな気がする。毎日杯でしくじった分、着実な成長をステップとして踏んだ結果が前走の青葉賞の勝ちに繋がっているように見えるが、そのステップの分、駆け抜けてしまう勢いには少々かけてしまった気がするんだよね。気がする気がするばっかりだけど。

ここでアプレザンが実力を全開させたり、ロジ、クラウンが復権したりしたらお手上げ。素直に負けを認めよう。
アンライバルドがこけたら怒るけどね。
しかしこれ、冷静に考えるととんでもない買い方してるなあ(苦笑


結果


苦笑いしかでてこねー。
雨による馬場不良の影響もあったんだろうけど、後方からの差し、追いこみ馬がことごとく全滅。特に外を回った馬は折からの外側の伸びなさがより悪化した感もあり、大外枠のアンライバルドはもろにこれを被った。

1着 1番ロジユニバース
2着12番リーチザクラウン
3着10番アントニオバローズ
4着 7番ナカヤマフェスタ
5着 2番アプレザンレーブ

笑ってしまう。皮肉なことに、あの皐月賞のとんでもないペースにことごとく潰れていった面々が、このダービーでは見事に上位を占めてしまった。逆に皐月賞で切れまくったアンライバルドを含めた上位陣はセイウンワンダー、トライアンフマーチとことごとく沈没。
個々の馬ではなく、上位下位がこれほど丸ごとひっくり返るような顛末になるとはねえ。
見事に馬体を回復させ、ロジをもち直させた陣営も大したもんだけど、この不良馬場の影響は大きかったはず。先週のオークスの各馬のスッ飛ぶような脚色と比べると、このダービーの皆の走り方といったら泥沼でバタバタと溺れているかのような走りっぷり。正直、最後の方はどの馬もバテバテで、完走できるのかと思わず心配してしまったほど。この馬場で後ろからこれるような馬はいないよ。
実際、上がり時計は勝ったロジで39.2 最速のナカヤマフェスタ。6着シェーンヴァルトで39.0という惨憺たるもの。タイムに至っては2分33.2というとてつもない遅さ。
ちなみに先週の同競馬場同距離のオークスのタイムは、2分26.1である。

こりゃ、菊花賞は悩むことになりそうだなあ。強さの格付けは、これではまったく参考にならないだろうし。

ところで、この展開で最後方からまくって6着に食い込んでいるシェーンヴァルトが、何気に凄いかもしれない。この馬、皐月賞でもこっそり4着に入ってるんですよね。この極端に異なる展開をたどった両レースで上位に入っている、というのは注目すべきかもしれん。

勝ったロジの横山騎手は、ダービー初制覇かー。祝! G1自体、けっこう久々じゃないのかしら。最近、勝ててなかったし。
 

6月15日


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

6月14日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

6月13日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

6月12日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

6月11日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

6月10日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W



Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

6月7日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Kindle B☆W


Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

6月6日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

6月5日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

6月4日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

6月3日

Amazon Kindle B☆W

6月1日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W



Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

5月31日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

5月30日

Amazon Kindle B☆W



Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

5月28日

Amazon Kindle B☆W


Amazon


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

5月27日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

5月25日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


5月24日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon


Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Kindle B☆W

5月23日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

5月22日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

5月20日

Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon KindleB☆W


Amazon KindleB☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

5月19日

Amazon Kindle B☆W




Categories
最新コメント

Archives
記事検索
タグ絞り込み検索