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桑島黎音

やりなおし英雄の教育日誌 3 ★★★☆   



【やりなおし英雄の教育日誌 3】 涼暮 皐/桑島 黎音 HJ文庫

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全てを知る灰色の魔女登場。

かつて辿った仲間との旅を夢に見たアキ。懐かしい記憶に感傷を覚えながら目を覚ますと、その枕元には《灰色の魔女》を名乗る少女が姿を現していた。
ソニカたちを攫って消えた魔女を追ったアキはその終着点で世界の真実を知ることになる。
人類とは、魔族とは。そして、過去にアキを送った灰色の魔女の真の狙いとは。
失敗した未来を覆す、元英雄によるバトルファンタジー第3巻!
灰色の魔女って、失われているアキの記憶の件もあるし、その存在自体が謎すぎて、彼女こそがこの物語の最重要キーパーソンなんだと思ってたんですよね。
いかにして、この時代にもいるはずの灰色の魔女を見つけ出すのか。その探索が一つの山場になってくると思っていた。こういうのって、RPGに毒されてるのかもしれません。クエストは能動的に動いて待っている鍵となる人物、フラグとなる人のところへとたどり着く、みたいなのが定番という意識があるのでしょう。
まさか、向こうからひょいひょい来るとは思わなんだ。
昨今ではラスボス魔王もラストダンジョンの魔王城におとなしく鎮座しておらず、気軽に徘徊する時代であるので、珍しくもないことなのかもしれないけれど、なんちゅうか主導権を握れていないというのは確かだよね、アキたちが。
結局の所、未来から戻ってきたアキをして、自分たちが戦う魔神のことも、魔族のことも、自分を助けてくれて未来へ送り出してくれた灰色の魔女のことすら何も知らず、世界の真実を何も知らない以上、主導権なんか握れるはずもないのだろう。
灰色の魔女が賭して現れたのは、ある意味アキたちに力を与えるためというよりも情報を与えるためだったのかもしれない。それでも、彼女が負うリスクに対してそれに見合うリターンだったのかはかなり疑問でもあったのだけれど。
まあ端からパワーバランスというか、敵と味方の彼我の戦力差が酷いんですよね。スタートラインから無茶苦茶出遅れて態勢も何も整えることの出来なかった過去は問題外としても、話聞いてるだけで魔族の側の九王位とかデタラメもいいところで、これ一人ひとり魔王と呼ばれる存在なんじゃないの? よく考えると、ラスボスの魔神って文字通り神なわけで、その前に魔王が9人いるってどんだけ無理ゲーなわけですか。先述したとおり、昨今では魔王も平気であっちこっちうろついているわけで、わざわざ敵の陣地に乗り込まなくても向こうからホイホイやってくる時代なわけですよ。
アドバンテージなんてどこにもありゃしない。
それでも、未来からアキを過去へと送り返したように、もう一度かすかな可能性を手繰り寄せるための綱渡りを、あの灰色の魔女は選んだわけだ。何気に生き方在り方が、アキや過去の勇者パーティーの面々と一緒なんですよね。その正体と出自を考えるなら、それは当然のことかも知れませんけれど。
しかし、彼女がもたらしてくれた圧倒的な密度と量の真実によって、あらかたのあれやこれやは説明がついたにも関わらず、何気に一番最大の疑問点、違和、相違点、正体不明の存在が尚更に正体不明になってしまったわけだ。
原点に戻る、じゃないけれど。一番最初の「え?なんで?」がさらに補強された形で「え?なんで?」になったわけで、ほんとなんなんだろう、アミちゃんこの娘。
それはそれとして、イフリアが可愛いなあ可愛いなあ。素直かつ積極的になったこの娘さん、パねえっすわっぁ。ソニカたじたじじゃないですか。このままソニカ右往左往してたら、一方的になっちゃいますよ?

1巻 2巻感想

やりなおし英雄の教育日誌 2 ★★★★   

やりなおし英雄の教育日誌 2 (HJ文庫)

【やりなおし英雄の教育日誌 2】 涼暮 皐/桑島黎音

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存在しないはずの、六人目の正体は……?

アキの指導により、効率的にその実力を向上させていく救世科の面々。そこに突如現れた転入生リューリは、アキの知る未来にはいないはずの救世衆だった。
しかし、彼女はアキを知っているらしく彼のことを『パパ』と呼んでくる。混乱するアキをよそに、早々にクラスに馴染むリューリ。しかしある日、教え子の一人・イフリアが突如昏睡状態に陥り――。
失敗した未来を覆す、元英雄によるバトルファンタジー第2巻!!
うわぁ、思いっきり振り回してきた。
通常、時間遡行モノってかつて遡行者が経験した過去をなぞりながらそれを改変していく、という道を辿るはずなんだけれど、一巻の段階で結構齟齬があった上にこの二巻ですでに一周目の歴史では起こってなかったことが頻発しているどころじゃなく、遡行者であるアキが「え? なにこれどうなってるの?」というような状況がわんさかと起こってしまい、もう一周目を経験しているなんてアドバンテージは早々になくなってしまってるんですよね。まだ二巻の段階で!!
すべてが未知。さっぱり未知。一度、仲間を全員失い、自身も力を失って、人類が滅びる寸前までの末路を経験した上で足掻きに足掻いてやっとこ魔女の力を借りて過去に戻ってきたのに、結局のところアキは仲間たちのことも含めて、多くを知らないままだった、ということなのか。
やり直し英雄なんてタイトルを冠しながら、やりなおしなんて安易なやり方をまったく許して貰えない主人公のアキ。難易度ウルトラハードモードである。
とはいえ、最低限学園崩壊して教育も中途半端なまま何もわからず最前線に放り込まれる、というルートは回避しているので、決してより悪化している、というわけではないのは安心材料というべきかしら。一巻では登場していなかった救世班の最後の仲間も、思わぬ形ではあるものの姿を見せてくれたわけですし。でも、アミという過去には居なかったイレギュラーが存在しているだけでも相当なのに、ここでさらにイレギュラーたるキャラをツッコんでくるとは。
こうなってくると、過去に遡行してくる前の魔女にあってからのアキの、失われた記憶もかなり気になることになってしまうんですよね。単純に魔女に灰色を教えて貰って過去に遡ってきた、というだけじゃ明らかにないっぽいし。そこで、一体何があったのか。
ともあれ、こうも一周目の歴史があてにならなくなってくると、アキも感傷に浸りながらかつての仲間たちである生徒たちを遠い目をしながら見守るなんて余裕かましていることもできなくなって、目まぐるしく変わる未知の現在に対処するのに精一杯で、その分純粋に先生していたんじゃないでしょうか。だいぶ、大人げない先生ではあるのですがいい意味で壁がなくなってきた気がします。今となっては、かつてのような同じ世代の生徒として学んだ学友として、戦友として並ぶことは叶わず、どれだけ打ち解けても生徒と先生という立場は消えないわけですからね。無意識の壁、というか感慨というべきか、アキがソニカたちに向けていた感情は当のソニカたちにも違和感というか戸惑いを生じさせるものでもありましたから、アキの方にそうした余裕がなくなった分、生徒たちの方からももう居心地の悪さみたいなものも解消されたんじゃないでしょうか。まあ、生徒たちの方もそれどころじゃあなくなった、とも言えるのかもしれませんか。今回はイフリアでしたが、自分たちにまつわる問題による負荷が、仲間たちや先生たるアキへの色々余計なことを考える余地をなくして不純物を濾過していったような感じになったというかなんというか。
いやそれにしても、アキが前回の過去では経験しなかったこと、知らなかったこと、なにがどうなってるのかさっぱりわからんことが本当にわんさかと湧き上がってきて、彼が最初に経験した一周目の過去というのは、殆ど何も明らかにならないまま進行して死滅してしまったんだな、というのがわかってきて、なんとも複雑な思いである。早々、世の中単純なものではなく、目に見えないところでうごめく多種多様な事実と真実が埋まっているんだなあ、と。それらが一斉に地上に這い上がってきたこの二周目は、ある意味一気に世界に起こりつつある出来事の真実に近づきつつある、ということで、ただ過去をなぞりながらチマチマと小さな改変を加えていくような話を初っ端からダッシュで助走してきて思いっきり蹴っ飛ばすようなドラスティックな動きで、なにはともあれ面白し!!

1巻感想

やりなおし英雄の教育日誌 ★★★☆  

やりなおし英雄の教育日誌 (HJ文庫)

【やりなおし英雄の教育日誌】 涼暮皐/桑島黎音 HJ文庫

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魔界からの侵略を受けている世界。主人公・アキは仲間たちと共に魔族との決戦に挑むが、力及ばず敗北し、世界は滅んでしまった。
魔女の協力を得て過去へ戻ったアキは、バッドエンドを迎えてしまった未来を変えるため、過去の自分たちの教師となり、より良い方向へと導くことを決意する。
かつての仲間を救うため、再び世界を救うためのアキの戦いが今始まる!!。
「――かかって来やがれ三流。教師<オレ>に勝てると思うなら!」

過去に戻ってやり直し、というのは時々見かけるシチュエーションだけれど、生身で戻ると年相応の肉体年齢になっちゃうし、同一人物としてニューゲームというわけには行かないんですよね。しかも、その場合だと大体において過去の自分がいるわけだ。過去の自分を見てしまうと、往々にして恥ずかしいし情けないし自分の至らなさ無様さアホさを見せつけられるようで、平静ではいられないものなのか、過去の自分と仲良くしているケースというのは見たことなかったのだけれど……そうかー、過去に戻ったら自分が女の子になってた、というか女の子の自分らしき存在が自分のポディションに収まっていた、ってそれ何気に悪夢じゃない?
そこまで来ると、完全に自分とは別人という認識になってしまうのか、過去の自分(女)のアミがあまりにアホっ子すぎてアキと全然キャラ違うからか、普通に兄妹みたいな間柄になってるんですよね。
ただ、このアミの存在こそがアキにとって舞い戻ってきた過去が自分の世界と地続きではなく、殆ど別の世界という認識を強くしてしまっている要員なのだろう。
やり直し、とタイトルついているけれど、過去において喪った仲間たちと、今自分が教えている生徒たちが同一人物である、という思いはもうアキ自身持ててないんだろうなあ、という描写が所々に垣間見えていて、それがなんとも切ない。
掛け替えのない親友という認識と、可愛い教え子たちという認識のブレが絶え間なく彼を揺さぶり、教えられる生徒たちにも戸惑いを与えている。この微妙に関係性の定まりきれない不安定さが、また興味深くあるのだけれど、この作者さん、相変わらずキャラ立てるのは上手いし掛け合いなんかも絶妙なのに、キャラを動かすことに関しては結構行き足が進まない印象が本作でも拭い去れないところがあるなあ。ストーリーの流れになかなか乗っかって動いてくれない感じがする。或いは、キャラが乗っかれるほどストーリーの流れが強くないのか。
ともあれ、これらはもっと情報が開示されてきたら。アキがどうやって過去にもどってきたのか、イフリアの秘密、アミがどうして女の子として存在しているのか、過去の戦争の全貌、行方不明の五人目の存在、など明らかになってきたら、もっとガンガン動いてきそうなだけに、勿体ぶらずにどんどんネタ投入していってくれた方が楽しそう。
まあ、この子らがワイワイと好き勝手やってるだけで存外面白さは満たされている気もするのだけれど。

涼暮皐作品感想

VRMMOをカネの力で無双する 6 ★★★★  

VRMMOをカネの力で無双する6 (HJ文庫)

【VRMMOをカネの力で無双する 6】 鰤/牙/桑島黎音 HJ文庫

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ナロファン存続の危機に、全プレイヤーが立ち上がる!
パチロー事件がいち段落つき、落ち着きを見せ始めたプレイヤーたちの目に飛び込んできたのは、我らが石蕗一朗が逮捕されたというニュースだった。
再び大混乱の渦にぶち込まれたナロファンだが、同時にその裏ではゲーム自体の存続すら危ぶまれる事件が進行していて――。
全てのゲーマーたちよ立ち上がれ! 大人気課金バトルファンタジー第6巻!!
つ、ついにアイリスまで金の力で大暴れを!?(物理)
いやいや、御曹司や暗黒落ち桜子さんと違って、資金力に物を言わせての課金地獄というカネの力無双じゃなくて、アイリスの場合は金の力(物理)だったんだが……物理ってなんだよ(笑
というわけで、この御曹司が活躍……好き勝手する【VRMMOをカネの力で無双する】もこれにて最終巻。ウェブ版の方も本編はここで締めてるのか。まだまだ他にも後日談や外伝があるみたいなので、あとでチェックするつもりです。アイリスの「邪神」の異名はまだ出てきてませんしねえ。既に、その萌芽というか、もはや凶器に等しい舌鋒の鋭さは垣間見えているのですけれど。
そのアイリスと、御曹司が今回初のリアルでの対面を果たすことになるのですけれど……、御曹司、ゲームでも素の姿を晒しているので、アイリスに限らず全然初めましてな感じはしないんですよねw 唯一楽しみだったのは、キルシュヴァッサー卿の中の人である桜子さんとのリアル対面だったのですが、あれやこれやでトラブル続きで結局ちゃんとしたオフ会出来なかったからなあ。それ以前に、もうこの段階ではキルシュヴァッサー卿の中の人が女性(しかも結構美人)という事が知れ渡ってしまっていたので、サプライズイベントのインパクトとしては薄れてしまっていたのですが。
しかし、VRMMOの中に限らず、アイリスのあの行動力には瞠目するものがある。御曹司逮捕の一報に一番真っ先に駆けつけてきたのは彼女だったわけですし、御曹司が保釈されたあとアイリスを連れて回ったのも決して気まぐれだけじゃあないと思うんですよね。尤も、彼女の行動力は御曹司の予想を超えて爆裂していくわけですけれど。御曹司がVRMMOの何を面白がっていたのか、なかなか余人にはわかりにくい部分があったと思うんですけれど、なるほど彼にとっての予想の範囲を安々と逸脱して楽しいイベントをぶちあげていくナロファンの参加者と「遊ぶ」のが本当に楽しかったんだなあ。今回の「御曹司が出し抜かれた一件」は、それを思いの外じんわりと実感させる形で教えてくれたように思う。何もかも思い通りになってしまう世界で、だからこそ世界を自分の思う通りにしないように振る舞う御曹司にとって、世界は不自由であると同時に退屈で、世界と自分を切り離すということは孤独を自ら受け入れるようなものだから、桜子さんが言うところの寂しがり屋な御曹司は随分とつまらない思いをしていたんでしょうね。桜子さんは、その慰めになっていたと思うんだけれど、やっぱり彼女だけだと寂しかったんでしょう。そんな中、遊んでみたVRMMOはやっぱり思い通りに何でも出来る世界だったけれど、その中には彼の思惑を乗り越えて自由に振る舞う儘ならない、しかし自分と笑って遊んでくれる、遠慮無く怒って突っかかってくる連中が居て、一緒に遊んでくれていたわけだ。そりゃ、楽しかっただろう。そんな無二の遊び場に、余計な茶々を入れられたら、そりゃあ怒る。御曹司激怒する、のも当然だ。しかも、その相手と来たら結局予想の範囲内でしか動かず、しかもその範疇における一番最低でつまらない下卑たる退屈なやり口でイラんことをしてきたわけだか。しかも桜子さんを泣かせたわけですから。万死に値する。
本当なら、もっとこのおっさん、けちょんけちょんに死滅させられていたんじゃなかろうか、と思うんだけれど、最低で最悪でクソツマラナイ状況にして結末だったものを、アイリスをはじめとするナロファンのゲーマや運営スタッフが、一丸となって御曹司の手のひらの上から飛び出して、自分たちで一矢報いて最悪の事態を回避してみせたのですから、一番いいところは御曹司が持って行ったとはいえ、御曹司からするとやっぱり結構イイトコロ持ってかれた、という気分だったんじゃないでしょうか。それは、嬉しい悔しさであるわけで……そんな楽しい遊び場から去らなければならないのは変わらなかったにしろ、彼なりにかっこ良く去れたのはナロファンのみんなのお陰だったんですよねえ。
今回の一連の事態の中心に居たのはやっぱり御曹司だったのですけれど、坂道を転がり落ちていくように悪化する状況の中で、一番奮闘し、声を上げ、走り回った、主人公だったのはアイリスだったような気がします。主役交代じゃないけれど、一番頑張ってたのは彼女だもんなあ……。いや、御曹司は特に肩肘張って頑張らないので、いつもアイリスの方が何につけても頑張ってた気がしますが。
それでも、彼女あいりがカネの力(物理)を振るって、その舌鋒とともに暴れまわる姿は一番痛快でしたよ。さすが、さすがアイリス!
冷静に考えると、アイリス全然何にも当事者でも何でもなかった気がしないでもないのですけれど、どうしてこの娘こんなに駆けずり回ってるのか、と思う部分も後になってみると無いではなかったのですけれど、こうやって首を突っ込んじゃうあたり、十分主人公の資質ありですよ。
彼女メインの話が書籍化しても、多分買うなあ。絶対、面白いでしょうから。まあそれ以前にウェブ連載分、呼んじゃうと思いますけどね。

これで完結というのが残念ですけれど、いやはや楽しい楽しい作品でした。あー、面白かった♪

シリーズ感想

VRMMOをカネの力で無双する 5 3   

VRMMOをカネの力で無双する5 (HJ文庫)

【VRMMOをカネの力で無双する 5】 鰤/牙/桑島黎音 HJ文庫

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暗黒課金卿キルシュヴァッサー、爆誕!!

アカウントハックによりアバターを奪われた一朗は事態の収拾を図るためキングや明日葉とともにアメリカへと飛び立った。
留守を任された桜子は、イチローのアカウントで暴れまわる犯人を止めるために、ナロファンのトッププレイヤーたちに協力を求めることに。
そして、彼女は主の名誉を護る為、禁断(カネ)の力に手を染めるのであった――。
これがカネの力の暗黒面なのかー! 普段からイチローの身の回りの世話をして、あの超セレブの世界を知っている桜子さんが、カネの力に屈するとは思いもよらなかったのだけれど、そうか桜子さんも人の子だったか。いや、彼女なら宝くじで三億円やら十億円が当たったとしても自分を見失うことはないと思うんですよね。あぶく銭が手元に入っても、堅実にそれを扱えると思う。でも、今回に関しては単に目もくらむような大金を手に入れてしまった、という状況ではなくて、実際にその金を湯水のようにザブザブと使わないといけなかったわけで。そりゃあ、頭おかしくなりますよ。あーた、たとえば今夜朝まで一晩、5分に一枚、1万円札にライターで火を着けて燃やすお仕事してください、とか言われてやらされてみなさいな。頭おかしくなるよ? そして、似たようなことをさせられて、頭がおかしくなった人が一人。カネの暗黒面にオチてしまった人が一人。
イチローさん、あーためっちゃ面白がってるでしょう、これ。このたった一人で完結してしまっている完全超人は、異性に対する恋愛感情なんてものは発動し得ないものなのかもしれないけれど、そのたったひとりで完結している彼をして、桜子さんはプライベートにおけるパートナーであり続けているわけだ。それが桜子さんのキャラクターというか個性に対する「楽しむ」という感情なのかもしれないけれど、一般的な男女関係にはならないのかもしれないけれど、それでもどうやら「特別」ではあるんですよね。
彼のナロファンへのスタンスといい、そこで出会ったキリヒトやアイリスたちとの交流と言い、これだけ自分の支配が及ばないものを尊ぶ姿勢というのは、面白いね。完璧超人であるにも関わらず、その完璧さが及ばない領域をこそ愛している。そんじょそこらのラスボスや悪役と違って、支配が行き届くことが安心へとつながるのではなく、退屈へとつながっているからこそ、なんだろうけれど。イチローさんは、その完璧具合と遊びの部分が鼻につかなくて、不思議で刺激的で目が離せないカリスマと面白味のあるキャラクターで、ちょいと真似できない独特のキャラなんですよねえ、やはり彼の存在感が支柱になっているのか。
とはいえ、彼一人の物語ではなく、こんな彼が興味津々に首を突っ込み続けている、構い続けているナロファンに跋扈するキャラクターたちの騒ぎっぷりこそが、この作品の彩りなんだろうなあ。
なんか、服飾関係関係ない独特の方向へと突き進みつつあるアイリスといい、ネタキャラ集団でありその通りの活動を続けているにも関わらず、何気に美味しいところばかりかっさらっていくザ・キリヒツの面々といい、見ていて飽きない。なんかネムさんも、変な意味でキャラ立っちゃったし。この間までもうちょっと面倒くさい人だったはずなんだけどなあ、どうしてこうなったw
あ、そういえばついにキングの性別が明らかになりましたね。てっきり、このまま性別不詳で行くのかと思ってたのだけれど。流石にあの明日葉との気安すぎる距離感からして、あっちではないと思ってましたけれど。
でも、ウェブ版だとこれ、性別小説版と逆なんですね。結構、ウェブ版と小説版で話の筋というか、ルートを大きく変えて続けているケースがポツポツ目につくようになってきた気がしますね。そうやってウェブ版と小説版で大きく差異をつけていくのは、両方追いかけ続けている人にとっては良いことだと思いますけれど。

シリーズ感想

VRMMOをカネの力で無双する 4 3   

VRMMOをカネの力で無双する4 (HJ文庫)

【VRMMOをカネの力で無双する 4】 鰤/牙/桑島黎音 

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才能の違いが戦力の決定的差でないことを教えてあげるわ

ついに美人デザイナー・ネムとゲーム内のファッションショーで直接対決をすることになったアイリス。しかしその正体とは、アイリスがデザイナーとして憧れていた人物、芙蓉めぐみであった。
自身に才能が無いと思いつつも、イチローの助けをきっぱりと断るアイリス。
あがき続ける彼女のとった、自身の力のみで勝利するための手段とは――。
アイリス、本当に面白いキャラクターになったなあ。実質、この近辺のエピソードにおいては主人公扱いだし。御曹司は何がどうあろうと無人の野を行くが如しなので、彼が主人公だと物語を浮き沈みさせにくいだろう事はよくわかる。。原因にして根源であり概ね責任はこの人にあるのだけれど、この人が解決しようとするとバッサリ一刀両断して身も蓋もない事になってしまうので、もう御曹司は各所を突っつき回して刺激して回る役割に徹してるんですね。加えてこの人、周囲の人間が自分の思惑を超えて動いていく事に関して、見てても思わず苦笑してしまうくらい嬉しそうにしていらっしゃるので、多少ヤンチャしてもまあ御曹司だし仕方ないかあ、という気分にさせられてしまうのは、なんともかんとも。あれで、意外と愛嬌があって憎めない人なんだよなあ。
それを感じているのは、彼と直接関わることになるアイリスたちも同様なのか、あれだけ振り回されているにも関わらず、何だかんだとあんま彼に文句言う事はないんだなあ、不思議なことに。
と、今回はそんな御曹司は余計なことはあんまりするな、と言われているので割りとおとなしく?事態の外縁部を自由に散歩していらしていて、本筋はあくまでアイリスの苦闘であります。御曹司の直接の助力を断り、自分の力だけでネムと対決する事に決めたアイリス。しかし、その対戦相手であるネムの正体が憧れのトップデザイナー芙蓉めぐみである事を知って、そのメンタルずぶずぶと深海に沈むことに。いやあ、この娘のテンションの上がりっぷりと下がりっぷりが実に豪快で、見てて本当に面白い。感情が浮き沈みしやすくて精神的に不安定な娘って、普通はかなり面倒くさいタイプなんだけれど、アイリスって浮くにしても沈むにしても勢い良く一直線、まかるときもカーブじゃなくて、90度でカックンと盛大に折れてくれるので、上がるにしても下がるにしても何故か見てて気持ちいいんだなあ。しかも、その折れ方が忙しないものだから追っかけているだけでなんだか笑えてくる始末。彼女の夢であるファッションについては自他共認める才能の無さなんだけれど、実はしょうもない才能については幾つも天才的なものを持っていて、何気に多芸多才だったりするんですよね。望んだ夢には才能なくて、その人にとってどうでもいい才能はあふれるほど持っている、というのは一種の悲劇なんだけれど、アイリスの場合だとむしろ喜劇に見えるのは、本当に持ってる才能群がしょうもなかったりするのもあるし、彼女のファッションの才能の無さに対するコンプレックスや苦悩というものが陰湿ではないからなのでしょう。
才能がないとわかっていても、ネムのような本物に真っ向から逃げずに挑むような負けん気の強さ。馬鹿な事をしているとわかっていても、バカを貫き通すのはちょいとカッコイイですよ。負け犬根性に屈さない女の子の意地ってのは、痛快じゃあないですか。
御曹司に頼らないと決めたから、勝負に必要なお金も自分でバイトして貯めて、大半が無駄になると承知しながらせっかく稼いだお金をガチャに投じて、無為にお金を失って七転八倒。みっともないほど悶え苦しみながら、それでもヒーヒー悲鳴をあげながら這いずって突き進む。
なるほどなあ、御曹司が彼女のどこを気に入ったのか、は実のところよくわからないのだけれど、アイリスという女の子の魅力については、充分伝わってくるエピソードだったんじゃないかと。みんなが何だかんだと彼女に力を貸してくれたりアドバイスしたり、と手を差し伸べてきたのもわかるし、桜子さんも、体張るはずだ。
いやでも、あのネムとの舌戦でのアイリスのセリフ回しは笑ったなあ。どこからあんなセリフポンポン出てくるんだろう。
キャストオフ! はもっとじっくり見たかったですけれど。うん、カラー口絵に差し込んでくれただけでも充分か。
しかし、桜子さんはアイリスには結局正体バラさないのね。だんだん、いつリアル桜子さんの事をアイリスが知るのか気になってきたぞ。
そして、ネムさんこと芙蓉めぐみさんのあまりのチョロさに絶句。この人、本当に、もうどうするよ(笑
これ、アイリス何気に超絶的なコネが手に入ったって事にもなるんですよね。アイリスにそれが活用できるかは怪しいところですけれど。

1巻 2巻 3巻感想

VRMMOをカネの力で無双する 3   

VRMMOをカネの力で無双する3 (HJ文庫)

【VRMMOをカネの力で無双する 3】 鰤/牙/桑島黎音 HJ文庫

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桜子さんの正妻力が爆発!

ゲーム内に新規に実装された海エリアへ向かう【Iris Brand】の面々。
しかしそこで待っていたのは一朗にゾッコンでアイリスにライバル心を燃やす美人デザイナー・ネムだった。
ギルドのことを一朗に任されていたキルシュヴァッサー(桜子)は一朗不在の中、アイリスを守るためにネムの企みを阻止しようとするが――
乙女心がぶつかり合い燃え上がる、水着満載の第三巻!!
ああ、やっぱり桜子さんが正妻的立場になるのか。いや、一朗の魅力云々についてはアイリスの見解に一番同意したい。こんな面倒くさい男、何がイイのかわからない(苦笑
彼については、あの情報サイトの主みたいに傍から見物しているのが一番良いスタンスなんですよね。少なくとも関わらない程度の近場から眺めていたら、むちゃくちゃ面白い、で済むもの。一端巻き込まれてしまうと、ろくでもない目にあってしまうし、下手に目をかけられてしまったら大迷惑極まりないトラブルがわんさと降りかかってくることになる。ぶっちゃけ、その大迷惑ってのは大局的に見るならば遠大な意味でチャンスとして活かす事が出来るんだろうけれど、そういう方向に持っていくためにはそれこそ膨大な努力と精神力が必要になってしまうわけで、まともな人間ならすぐに疲弊して耐えられなくなってしまうのではないでしょうか。その点、アイリスはあれ、凄くマトモで普通な娘にも関わらず、底の部分で根性あるんですよね。泣き言は山ほどイイながらも、根本的なところでへこたれない。なかなか大した娘ですよ。ネムとの揉め事だって、本来彼女には何の責任も瑕疵もないにも関わらず、舞台から降りる事なく気持ちの持って行き場を見失いかけてたネムを受け止めてあげたあたり、性格が優しいを通り越して男前に見えてきた。責任感とか無視できない性格、というものなのかもしれないけれど。
ともあれ、並大抵の女性には一朗の為人というのは受け止められる範疇じゃないんですよね。要求されるレベルが尋常じゃない。彼と並列的に存在するには、途方も無い努力と研鑽が必要とされるわけです。普通の人は、それがとても辛い、苦しいと思ってしまう。のですが、桜子さんに関してはむしろそういう努力を楽しみ、一朗が求めるものよりもさらにレベルの高いものを、どうだとばかりに得意気に繰り出すような性質の持ち主なわけです。他の人が必死になって歯を食いしばるような事を、彼女は心から面白がりながら挑戦してしまえるわけですね。勿論、挑戦した結果、ひょいひょいとクリアしてしまえる能力の高さも凄いのですけれど、この面白がりながら、というのが一朗との相性が抜群な理由なのでしょう。この一点において、桜子さん以外に一朗の相手というのは考えられないわけです。もっとも、ホントに恋愛的な側面はさっぱり見当たらないのですけれど。
少なくとも、一朗の件に対して心の余裕がまったく持てなかったネムさんでは、ちょいと役者不足ですなあ。

それにしても、キングキリヒトよりもキリヒト軍団ことキリヒツの方が存在感が前に出過ぎてる気がするんですけど。この人達面白すぎるw

1巻 2巻感想

VRMMOをカネの力で無双する 2 3   

VRMMOをカネの力で無双する2 (HJ文庫)

【VRMMOをカネの力で無双する 2】 鰤/牙/桑島黎音 HJ文庫

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イチローのギルド【Iris Brand】に錬金術師アイリスが復帰した。
イチローの周りに美少女が増え、気が気じゃないフェリシアに彼女との関係を尋ねられたイチローは、ゲームを始めてからの一週間を語り始める。
その内容とは、彼がトッププレイヤーに躍り出るまでの軌跡と、アイリスとの出会いに関連して引き起こされた事件(と課金)の数々で――。
今更といえば今更なんだけれど、別に御曹司ってVRMMOだから無双できてるんじゃなくて、現実世界でも十分無双してるんだよなあ。
いや、それどころか逆に現実世界よりもVRMMOの方が不自由であり、その不自由さを自由に楽しんでいる節がある。なぜ、イチローがアイリスが作った決してデザインが良いとはいえないブローチをあれほど気に入っているのかについて、彼が明確にその理由を明らかにする事は最後までなかったのだけれど、なにげにこれって御曹司のフリーダムすぎる精神性の根源というか拠り所を知る上での重要なポイントな気がする。それは、キングキリヒトへの御曹司の評価も相まって、御曹司の破天荒な言動の基準とも言うべきラインが、そこを追求していくと見えてくるんじゃないだろうか。
しかし、御曹司のキャラクターは本当に面白いなあ。上辺を飾らず、常に我を前に出して傲岸不遜に振舞っているにも関わらず、そこには嫌味というものが全く感じられない。なんか、これだけ無茶苦茶な言動、偉そうで自由すぎる振る舞いを見せているにも関わらず、全然ムカついたり、嫌な感じにならないんですよね。かといって滑稽さを笑うわけではないし、呆れてしまうわけでもない。残念さを下に見る、という感じでもないわけである。
つまり、上から見下ろされる感じも、逆に彼を下に見て嘲弄するような感じにもならないんですよね、御曹司のスタイルは。傍若無人だけれど、他人を不快にさせるようなタイプの理不尽さがないからかなあ。あくまで独立して他人を無理に左右しないんですよね。
だったら、イチロー氏に振り回されるアイリスはどうなんだ、という話になるんだけれど、彼女の場合は決断として御曹司に関わることを自分で選択しちゃったわけだしね。鍛冶師の彼については、自分ルールのすり合わせを行わずに勝手に食って掛かったのが原因だからなあ。ちゃんと親方の方は会話というツールによって、そのあたりの確認をやってたのですからね。まあ、その手の労力を自分からは基本費やさない御曹司は、だから傍若無人と言われても仕方ないんだろうけれど。

ともあれ、一切ブレずに思うがままに突き進んでいくイチロー氏に対して、夢を叶えるための場に立ちながらそこで挫折感に苛まれ、現実逃避気味にゲームに逃げ込みながらもそこで未練がましくデザイナーとしての生き方にもたれかかっていたアイリス。彼女の迷い、屈折、未練や挫折感というものを御曹司の生き方と対比して単に弱いもの、克服スべきものとして追求するのではなく、追い立てるようにシンプルに「やるかやらないか」というところに追い詰めていくスタイルは面白かったなあ。御曹司との出会いは、どうあれアイリスにとって立ち止まってしまった自分をもう一度走らせるためのチャンスだったわけである。その先に栄光があるかはわからない。御曹司は評価してくれているけれど、実のところその評価は彼個人のうちに限定されるもので、世間的には凡庸で価値のないデザインに過ぎず、その才能を御曹司が愛してくれているわけでもない。だから、成功が約束されているわけでもない。それでも、やるかやらないか。夢を諦めるか、縋るんじゃなくて食い下がるかを前にした時、自分の作品が評価される喜びに引きずられ、走りだしてしまったアイリスの、みっともないくらいバタバタとして、御曹司に引きずられてひっくり返りそうになってる姿は、何とも無様で……愛おしい。
前回の何もないが故に突き詰め、極めていったキングキリトの空虚さに足場を与えたことといい、イチロー氏の我が道を往くスタイルは、その通り過ぎたあとに色んな物を残していくんだなあ。これが影響力というやつであり、カリスマとも言うものか。

この後、アイリス女史はずいぶんと迷走というか、変な道へひた走っていくみたいだけれど、今のへっぽこな彼女からはいまいち先行きが見えないので、果たしてどんな風にあのへっぴり腰が変貌していくのか、何とも楽しみである。きっと、御曹司は最初から最後まで変わるとは思えないので、その分周りの変化に期待してしまいますね、これ。

1巻感想

ストレンジムーン 3.夢達が眠る宝石箱4   

ストレンジムーン (3) 夢達が眠る宝石箱 (電撃文庫)

【ストレンジムーン 3.夢達が眠る宝石箱】 渡瀬草一郎/桑島黎音 電撃文庫

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加熱するキャラバンと皇帝一派の戦いに、翻弄されつつも抗う玲音と記録者――シリーズ完結!

"金の記憶の彫金師"リコルドリクと記録者を巡って、対立するキャラバンと皇帝一派――その狭間で戸惑いつつも、月代玲音と仲間達は事態の収拾を目指し奔走する。
騒動の中、"女王"の香恋により囚われた玲音は、皇帝一派の拠点において遂にリコルドリクと遭遇するが、不可視のその神は既にモニカの掌中にあった。
進退窮まった末、彼は"将軍"周皓月にある交渉を持ち掛けるが……
宝石箱より解き放たれた異能者達の騒乱劇、その結末は――!?
果たして、あと残り1巻でこの事態、収拾がつくんだろうか、とずいぶんと不安に思っていたのですが……つきましたよ、収拾!!
いやあもう急展開の連続で息つくヒマ無し。実際、当事者である玲音たちや、皇帝一派も一度落ち着いて状況を整理する、という余裕もなかったんじゃないだろうか。作中時間内でも、殆ど間断なく事態が二転三転していて日にちもろくに経過していなかったはずですし。
とまあ、終わってから振り返ってみるとさながらジェットコースター展開なのですが、だからといって無理して巻いて巻いてしているような印象がなかったのはさすがだなあ、と唸ってしまいます。あまりに目まぐるしかったりすると気分的に置いて行かれたり、忙しなさに話を畳もうとしているような意図を感じてしまって冷めてしまったり、という危ういところが一気呵成の急展開で事件を終わらすケースには多々見受けられるものなんですが、本作については見事に波に乗せきってるんですよね。
ただでさえキャラクターが多いにも関わらず、そのあたりの描写のバランスも絶妙でしたし。……まあ、終わってから、あれ?そういえばこのキャラあんまり出番がなかったぞ!? と愕然とさせられたりもしたのですが、読み終わるまで意識させないあたりがどうしてどうして(苦笑
こういう構成力や物語全体のリズム感、キャラクターの躍動感、勿体ぶらずにどんどん物事や心理面を動かしていく動性は、【パラサイトムーン】の頃と比べても目をみはるほど変わってきているのが、同じ世界観の事実上の続編だからこそ、如実に伝わってくるものがあります。
【パラサイトムーン】の頃のある種の仄暗いじっとりした感覚がいい、という向きもあるかもしれませんけれど、その意味では続編とはいえ本作はだいぶ根本の色が違ったからなあ。そもそもからして、主人公の玲音とメインヒロインのクレアからして、揃ってポンコツというなかなか肩の力が抜けるカップルでしたし。
うん、この二人は近年稀に見るポンコツカップルだった!
普通なら、どちらか片方はしっかりしているものなのですが、こいつらは二人共すっとこどっこいなところがふんだんに露呈するお間抜けさんでしたし。まあ、玲音の方は軽々として浮ついているように見えて、土壇場の度胸といい、意外に卒がなかったりと、最終的に何とかしてくれるという安心感があって、決して緩いだけのキャラじゃありませんでしたけれど。
パラサイトムーンから引き続き登場したキャラクターたちも、かつての陰鬱な雰囲気を引きずらずに、大人になって落ち着きながらもどこか愛嬌みたいなものが加わった気がします。カップル、というか夫婦になってる連中は軒並み血糖値があがりそうな糖分過多のラブラブになってて、いささか参りましたけれどw
爆発しろ! とは、散々苦労しまくった挙句にようやく結ばれた経緯を知っているだけに言えたもんじゃないのですが、ほんともうちょっと周りの目とか気にしましょうね!?
斯く言うラブラブ度では、クレアと玲音のそれも大変な代物だったのですが。これで、当人同士は相手が自分に好意を向けているなんてまるで思ってなくて、一方通行の片思いで相手を慮って遠慮しがちだった、というのだから、いっそホラーである。

「――今までは遠慮したり怖気づいたりしてたけど、これからはちょっと本気で頑張ってみようって思って」
 香恋が頬を引きつらせた。
「……遠慮……? 怖じ気づいてた……? アレで……?」

 ヤンデレをすらビビらせるクレアと玲音の普段の意識してないイチャイチャっぷりたるやw

 今回は意識を上書きされるという他に、感情の箍をいささか外す要素のあった宝石箱のお陰で、女性キャラの少なくない数が「ヤンデレ」の傾向を示してしまう、というちょっと恐ろしい有り様になってた本作ですけれど、なんとか悪い意味で血を見る修羅場な展開には至らなかったのは、良かったのか何なのか。香恋がいったいどうなるか、とかなりびくついていたのですが、皓月に夢中なモニカが予想外に大暴走をはじめたせいで、大方そちらに持って行かれた気がします。案の定、玲音と皓月にシンパシーが生じてしまったお陰で、モニカが完全にヒスっちゃいましたし。個人的には、皓月がもっと絆される展開を見てみたかったのですが、そうなるとクレアとの間で洒落にならない血塗れの展開が起こりかねなかったので、これは仕方なかったのかなあ。
香恋も、どうやら異性愛というよりも過剰な家族愛、依存の方に寄ったみたいで何とか収拾ついたみたいですし。そもそも、香恋にとって玲音は兄であり、父親代わりであり母親代わりすらもカバーしていながら、実際問題血が繋がっていないという、家族になりきれないという、依存に対して拠り所がない不安が募っていたところに、感情の箍が外れる展開が重なったことで、暴走が起こっていたようですし。

まあくろとらくんのあのセリフには大爆笑してしまいましたけれど。
「大切なことを忘れていた。……黒猫は……ヤンデレに……勝てない……ッ」

いつから次元を超えた統一法則になった、これw
しかし、中の人はそういうことでしたか。能力的なものと性格的なものがどちらの場合でもどうしてもそぐわないなあと首を傾げてたんですが、なるほど二人一組で動かしてたのね。さすがに前作の関連なので、記憶とのすり合わせが出来なくて困ってたんだけれど、当人が出てくれてなんとか焦点あいました。あったけどさ、酔っぱらいもいいところだよね、これw

最終的にいったいどんな悲劇が待ってるかとジリジリしていたのですが、思ってたよりも上手いこと収拾つきましたよね。どうもキャラバンの中堅クラスに陰険極まる連中が揃っていたので、かなり血を見る展開が待っているのかと思っていましたが、思いの外派閥のボスのカーマインと山ノ内の御大が前に出てきてくれた上に、想像以上にふたりとも良心的な人物だったんですよね。キャラバン自体、色々と黒かったし、その大派閥のボスということでもっと黒くて悪辣な人を想像してたんだけれど、夢路さんの人選は大したものだったわけだ。
ともかくヤバかったのが早矢多さん。一番精神的に大人で良心的で献身的で、皆の板挟みになって苦労しまくる、という一番割りを食う立場にたってたものだから、完全に死亡フラグの只中だったんですよね。もうどうなるかとハラハラしっぱなしだった上に、クライマックスのアレですよ。
もう心臓に悪かった! 本当にあかんかったですわ!!
しかし、静枝さんの動機ってそういう事だったのですね。彼女だけ、皇帝の意識を上書きされたとはいえ、反応がおかしかったし、それにしてはキャラバンへの敵意の質が、過去の経緯からの復讐心というにはなんか違ったので、なんでキャラバンと敵対しようとしているのか意図が読めなかったのですが……。この人もある意味情熱的だったんだなあ。
いやもう、報われてよかったですよ。

なんか、満月のフェルディナンがけったいな登場と退場の仕方をした上に、事件の収拾自体はついたものの、まだ行方不明の石もあり、記録者も玲音の中に残ったまま、という微妙に伏線を残した終わり方で、どうやらこの迷宮神群の世界観での続きもまだあるようですし、いやあこのシリーズは終わったけれど、大きな枠では終わらなくてよかった良かった。
個人的には、早矢多さんの部下たちをもうちょっと掘り下げた形で見たかったんですけどね。あの時緒さんとかキャラ立ちまくってたわりに出番が少なくて、ちと残念でしたし。
今度はもっと出番確保して活躍して欲しいのう。と、続きを待てるのはホント素晴らしいことです。

1巻 2巻感想

VRMMOをカネの力で無双する3   

VRMMOをカネの力で無双する (HJ文庫)

【VRMMOをカネの力で無双する】 鰤/牙/桑島黎音 HJ文庫

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課金は、能力<チカラ>だ。

ツワブキコンツェルンの御曹司、石蕗一朗はすごいお金持ちである。
ゲーム内での人捜しを手伝ってほしいとハトコの石蕗明日葉にお願いされた彼は、新世代VRMMO「ナローファンタジー・オンライン」の大地に降り立った。
しかし、すべてにおいて頂点を極めなければ気が済まない一朗は、その才能&財力を使い、ゲーム世界で無双しはじめる!
キリヒト軍団には素で吹いてしまった。オンラインゲームって全然知らないんだけれど、同じような光景が現出してたんだろうか。開き直ってキリヒトだけでギルド作った面々の遊び心には色々くすぐられるものがありましたけれど。
さて、本作はタイトル通り、主人公が課金しまくって無双する、と言った内容なのですが、いやこの金の使い方はアリなんじゃね? まずもって、彼が使っている金銭は全部自分で稼いだものであって、財産として労力無く与えられたものではないということです。そして、彼は別にルール違反しているわけじゃないんですよね。このゲームは課金することで様々なボーナスを受けることが可能である。自分で稼いだ金をつぎ込んでルールに則った遊び方をシて何が悪いんだ、と。大人げないとは思わないね、全然思わないね。石蕗氏の遊び方は、粋だよ。
そう、成金の下品なお金の使い方じゃないんですよね、石蕗氏の場合。湯水のように金を使い、金に物を言わせて自分をパワーアップさせているんだけれど、だからといって金の力で他人を貶めるような真似は一切していないし、自分への使い方にしろ意外にも他人からズルい、と不公平感を抱かせるものでもないんですよね。
それは彼が金の力を卑下せず、しかし金の力に増長せず、純粋に金の力を能力の一つとして捉えているからなのかもしれない。だからこそ、石蕗氏は金の力以外の「チカラ」に対しても純粋に評価し、対等に相対する。そこに、嫌味ったらしさの欠片も見当たらない。
この辺りの品性のバランスは何気に難しいと思うんだけれど、石蕗氏は実にスマートである。
しかし、ここまでスマートだと、石蕗氏は主人公とは言いがたいのかもしれないね。何にせよ、完成されすぎている。彼は道標でありトラブルメーカーでありラスボス…乗り越えるべき壁として理想的な存在だ。彼自身は、自分の思うように好きにやっているだけなのだろうけれど、手を差し伸べることと自主性を重んじる両方に長けている彼は、明日葉にとってこれ以上ない保護者でありサポート役であったし、自分がやるべきこと、どうするべきかを迷う彼女に自分で考え決断する機会を与えてくれる存在でもあった。一方で、世良にとっては自信と自負の塊である彼を乗り越えることが、世良にとっての「確かなもの」となり、何も掴めずもがくばかりだった中でようやくつかめた取っ掛かりとなる、いわばシンボルであり目標として機能していた。
他にも、色々な意味でインパクトの強すぎる彼の存在は、様々な人にとってそれぞれに既存の世界観を破壊され、自問自答を促すこととなる。こういうのがカリスマ、とでもいうんだろうか。ほんと、ここまで行くと主人公から逸脱してると思うんだけどね。むしろ、明日葉や世良の方がそれっぽいんだけれど、物語は我が道を行く石蕗氏を中心に描かれていくので、その意味でも面白い作品になっているように見える。
さて、肝心要の世良の性別だけれど、私は女の子イチオシで。こういう静かに燃えてる子は、男の子よりも女の子の方が好みなので。

ストレンジムーン 2.月夜に踊る獣の夢4   

ストレンジムーン (2) 月夜に踊る獣の夢 (電撃文庫)

【ストレンジムーン 2.月夜に踊る獣の夢】 渡瀬草一郎/桑島黎音 電撃文庫

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十和田静枝の中で遂に目覚めた“皇帝”ブロスペクト―その桁外れの能力に動揺しつつ、月代玲音は静枝の説得を試みる。だが、キャラバンを憎む皇帝にその言葉は届かず、更には将軍・周皓月と因縁を持つ異能者の参戦により、戦況は激しさを増していく。そして戦いの中、玲音の身に宿った“星詠みの加護”にも覚醒の時が―!人に異能をもたらす異形の神々、迷宮神群。人はその不可思議な力に魅せられ、時には忌避し、翻弄されていく―『輪環の魔導師』『パラサイトムーン』の渡瀬草一郎が贈る、現代神話ファンタジー第2巻!
皇帝ブロスペクトって、調べてみると既に【クレセントムーン】の三巻あたりで微妙に触れられていたみたいですね。キャラバン側からの視点になるので、かなりの極悪な集団として描かれています。キャラバンが創設された理由の一つが、ブロスペクト派による迫害から互助的に身を守るためだった、とあるくらいですし。実際、パラサイトムーンの三巻で登場したリセルは、一族ごとブロスペクトに追われて流れてきた、という設定でしたしね。
とはいえ、ブロスペクト派からするとまた意見は違ってくるようで。彼らのキャラバンへの憎悪は、果たして単に敵対して自分たちを追い詰め衰退させるに至った相手へのもの、だけなのか。かなり過剰な感情が込められているような気がします。まあ、その一端として、ブロスペクト派が単に皇帝によって支配された集団ではなく、家族と変わりなく身内を大切にしていた一団だったからなのかもしれません。
いずれにしても、ブロスペクト派の絆は他人の体に記憶と能力を再現した状態でも綻ぶ事はなかったようで。だからこそ、ここまで一瞬にしてブロスペクト派がかつての全盛期の威容そのままに復活してしまったのでしょうが。
もっとも、その中でもかつての記憶を持ち越さなかった者。現代の肉体の主の意志が混ざることで大きく変容してしまったものも多いわけで、決してかつてと同じようにはいかない、ある種の齟齬が出てくるのではないでしょうか。現在のところ、その不具合は顕在化していないものの、皇帝となった十和田静枝さんからして、かつてのブロスペクトそのままではなく、静枝さんとしての意志が多分に混ざってしまっているようですし、女王となった香恋は見事にヤンデレ化してしまって、かなり理性飛んじゃってますし、周皓月の悪辣さはどうやらそのままのようですし。さて、いったいどこからほころんでくるのか。

話は変わってキャラバンサイド、いや主人公サイド、というよりもこの場合は旧主人公サイドですか。心弥と弓につづいて、ついに真砂と由姫が登場。やあ、こっちのカップルも既に結婚済みですか!! 心弥と弓については、月日も経ってるしこの二人は普通に結婚してるだろうなあ、というイメージがあったんですが、真砂と由姫の方は籍を入れて落ち着くという印象がなかったので、由姫の姓が真砂のものになっていたのを見た時はおっもわず「おおっ」と声を上げてしまいました。
心弥たちと、真砂をハジメとする実験室の子供たちが味方になってくれるのは頼もしいなあ。肝心のメインの二人、玲音とクレアが見事なポンコツカップルなだけに(笑
いや、玲音については抜けてるようで抜け目ないところもあるし、その境遇から若干精神的に壊れた所があるけれど、それが破綻ではなく度量と覚悟を与えていて、これで意外と頼もしい主人公しているんですが。その分、クレアが色々と酷い(笑
一見してまともで出来る女性を装えている分、ポロポロと取り落として垣間見えてしまう素のポンコツさが本当にもう笑えてしまって、ああ可愛いなあもう!! あざとさが天然すぎて防ぎようがない。これで、玲音側からスルーされてしまってたら、痛々しかったり可愛そうだったりするんだけれど、噛み合っちゃってるんだよなあ。お陰で、渡瀬史上でも類を見ない幼馴染バカップルになっちゃってます。電撃文庫の歴史において三指に入るであろう歴戦にして屈指の幼馴染ストであらせられる渡瀬さんですけれど、ここまでバカップルに仕上がった幼馴染カップルは初めてざんしょ。先のヤンデレ幼馴染もまたすんげえインパクトでしたけれど、今回のポンコツバカップルも素晴らしいのヒトコトです。いや、今回希崎さんご夫婦も、目も覆わんばかりのバカっぷりっぷりを披露してましたから、張り合ってのことかもしれませんけど。張り合うなよ!
クレアの側の母親や伯父さんが、思いっきり玲音押しで既に結婚前提で考えているあたり、家族ぐるみで包囲網完了してますし。残念ながら、今回はヤンデレの入り込む隙はなさそうだなあ。妹ちゃんよ、ヤンデレを極めるなら、【輪環の魔導師】のフィノのレベルに達しないと、この二人には割ってはいれませんよ? いや、あのレベルのヤンデレになってしまうと、ヘタすると登場人物の半分くらいは血の海に沈んで、残る半分くらいは精神的に抹殺されそうなんですが。……【輪環の魔導師】が平穏にハッピーエンドに終わったのは、いまさらながら奇跡だわなあw
その意味では、香恋がまだこの程度のヤンデレに収まっているのは安心材料なのですけれど。これで収まってる方、と感じてしまうあたり、感性がややヤバイ気もしますが。
なぜか関係ないクロトラくんが、ヤンデレ怖いで異次元の黒猫さんと共感状態に入ってるんですが(笑
とはいえ、クレア一強かというと、皓月が玲音にちょっかいをかけようとした瞬間、静枝さん含めて総出で玲音守りに入った陣容の凄味を見てしまうと、なにげに女っ気は強いんですよねえ。あのシーンは思わず笑ってしまった。記録者も実は女だったというし。

一応、旧主人公サイドが味方に入ってくれて、さらにキャラバンの良識派でもある文槻派がクレアの親族ということで全面的にバックアップに入ってくれた、というかなり良い陣容に思えたものの、やっぱりブロスペクト派は強大で手段を選ばず、しかもキャラバンの側も危ない連中がかさにかかってちょっかいをかけてきたことで、とたんに瀬戸際の崖っぷち状態に。
この玲音たちの追い詰められっぷりもさることながら、羽矢田さんの板挟みっぷりがさらに酷いことに。情深い人だけに、ブロスペクト派の記憶に乗り移られた静枝さんたち身内や部下たちは見捨てられないし、逆に彼らに追いかけられる玲音たちも見捨てられないし、キャラバンの暗部を務めていた人だけにその危険性は重々承知していてキャラバンに身は任せられないし、しかしブロスペクト派は完全に突っ走りはじめて歯止めがきかなくなってて自分がいないとどうなっちゃうかわからないし、皓月は危なっかしくてどうしようもないし、ともう誰かどうにかしてあげて、と思わず見ているこっちまで悲鳴を上げてしまうような大変な状況に置かれて、この人そろそろ胃に穴があくか、偏頭痛で倒れるかしちゃうんじゃないかと真剣に心配になってしまった。カラー口絵も、頭痛をこらえている絵になってるし(笑
幸いにして、この羽矢田さん自身が相当の実力者で、ブロスペクト派として受け継いだ能力は全然戦闘系じゃないにも関わらず、彼自身の強さとしてべらぼうな上に強かで慎重な人物でもあるので下手は打たない安心感があります。一応、彼の側に立って動いてくれそうな人も何人かブロスペクト派の中にも居るようですし。……その時緒にしても、くろとらくんにしても、若干会話が通じないタイプの人のような気がして、そこがさらに心労が重なるところなんですがw
ってか、くろとらくんってマジで誰なんだ? 
くろとらくんQ&Aを見る限りだと、由姫と顔見知りっぽいんだけれど、実験室メンバーっぽいなあ。だけど、こんな変な性格の子、居なかったと思うんだけど。着ぐるみ装着でキャラ変わってる!?

くろとらくんみたいなモドキじゃなくて、しっかり本物(?)のクロネコまで登場してしまうあたり、ネコネコフィーバーが続いてる(笑
……香夜子さん、やっぱり結婚できてないのか。文槻院長、確実に獲物を確保している可愛い姪っ子に現実逃避してないかw

1巻感想

ストレンジムーン 宝石箱に映る月4   

ストレンジムーン 宝石箱に映る月 (電撃文庫)

【ストレンジムーン 宝石箱に映る月】 渡瀬草一郎/桑島黎音 電撃文庫

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妹と二人暮らしの高校生、月代玲音。ある日の放課後、彼は友人の文槻クレアに連れられ、地元の紅街中華街を訪れる。場違いな洋菓子店でメイド姿の双子と出会い、妙なケーキを注文する玲音だったが、異変の刻は彼の知らないうちに着々と近づいていた。封印を解かれた「マリアンヌの宝石箱」。その内側に封じられていたのは、かつて欧州を席巻した異能者、“皇帝”のブロスペクトとその部下達。街の裏側で暗躍する“キャラバン”の幹部、周皓月の掌に踊らされ、事態は混迷を迎えていく―異形の神と異能者達が紡ぐ騒乱劇!
心弥さん、この度は御結婚おめでとうございます。この度は、と言っても既に弓さんと結婚してからそれなりに経っているようですけれど、ちゃんとくっついてて一安心。元々年齢離れした落ち着いた性格していたけれど、大人になってますますイケメンになったなあ、心弥くんは。
世界観を同じくする【パラサイトムーン】シリーズから十年、ちなみにこの十年というのは【パラサイトムーン】シリーズの最後である6巻が出てから十年です。心弥くん以外にも、チラホラと見覚えがあるキャラが散見されて思わずニヤニヤ。忘れている部分も多かったので、登場キャラクターも一人ひとり以前出てたっけなあと確認しながらの読書でした。確認しているうちに話の内容も思い出してきたので、復習にもなりましたね。
ともあれ、主だったキャラクターはほぼ総浚えの新キャラのようで、旧作を知らない人にも優しい作りになっている……のかな? キャラバンや神群についてはパラムン読んでないと実感として把握できない部分も多いかもしれない。特に今回のブロスペクト派の能力とキャラバンの迷宮神群の力の違いについては迷宮神群についてちゃんと知ってないとなかなかわかんないんじゃないだろうか。迷宮神群とマリアンヌ、星詠みのエスハなどについては、むしろパラムンよりも前作である【輪環の魔導師】シリーズを読んでいたほうが詳細を知る事が出来るんじゃないでしょうか。
しかし、今回ときたら迷宮神群同士の、ひいてはキャラバン内の抗争を逸脱した、完全にキャラバン全体とブロスペクト派との全面戦争みたいな事になってますからね、初っ端からこれ大風呂敷広げまくりじゃないですか。戦記モノを含めた異世界編2シリーズを完結させたためか、再び現代劇に戻ってきてもスケールの大きい話をやってのける筆の見通しがついたんでしょうか、これほんとありったけの要素ぶち込んでますよ。
ただの対立する二派の抗争なら話は単純なのですが、ブロスペクト派がそもそも「マリアンヌの宝箱」に封じられていたかつてのブロスペクト派の人間たちの意志や能力が、現代の人間に憑依する形で顕現したために、元々なんの関係のない一般人もさる事ながら、キャラバンに所属していた人間たちも多数憑依されてしまったために、敵味方の勢力図が一瞬にして混沌と化しちゃってるんですよね。しかも、憑依された人間の中には封じられていた能力の持ち主の意思ごと乗り移られた者もいれば、能力だけ移されて意識は元の人間のまま、という人間もいて簡単にブロスペクト派に味方するという形にもなっていないし、元々キャラバンには敵意があって、という人もいて、人間関係がシッチャカメッチャカにシャッフルされてしまい、いやもうほんとに面白いですよ、何この状況!?
そんな中でえらい目に遭うのが特に三人。まず、主人公の玲音くん。彼、一見ヘタレで優柔不断に見えるんだけれど、折々でなかなか果断な面を見せたり、臆病者の意志薄弱に見えて守るべき一線を心得ているというか、一番肝心な部分を見失わないなかなか大した若者だったりします。ただまあ過去のトラウマもあってか自分に自身が無くかなり慎重な性格なせいか、間が悪いというかタイミングの掴み方が下手というか、とにかくそのせいもあってかとかく面倒な立ち位置に放り込まれ、今回のブロスペクト派復活にともなう大混乱の収集の鍵となる立場に立たされるわ、仲の良い友人がキャラバンとブロスペクト派に別れちゃうわ、毒婦の極みみたいな女に目をつけられるわ、トリックスター星詠みのエスハに玩具として指定されるわ、妹がヤンデレと発覚した挙句にとんでもない能力を持ってしまうわ、と幾ら主人公としてもハードル高すぎるだろう、という冒頭から難易度の高すぎる立場に立たされてしまってます、ご愁傷様。
とはいえ、彼の場合幼馴染のクレアを守る、という一番大事な部分はハッキリしているので、そこさえ見失わなければまだ何とかなりそうな気がします。「記録者」という貴重なアドバイザーが居てくれますしね。
むしろ、この場合クレアの方がかなりキワキワのところに立たされてるような気がします。この娘、最初のイメージでは才色兼備で要領の良い主人公にとっても高嶺の花になりがちの、出来るタイプの幼馴染かと思ってたんですが……読んでいるうちに、実はこの娘、相当にダメっ娘なんじゃないか、という疑いが、というか確信が。これは、友人たちにも認知されているようで

「涙ぐましいのは認めるけれど、クレアって割りと普通にアホだよね? 見た目賢そうに演出してる分、余計にそのアホさが際立つっていうか」
語ってる娘が毒舌風味というのもあるんだけれど、概ね残念扱いされてます。なんか、やることなす事意図に反して上手く行かなさそうなんだよなあ。色々と要領が悪そうなんだ。挙句、人間関係も皓月には深刻に憎まれてるし、玲音の妹の香恋には思いっきり嫌われてるし、と毒婦とヤンデレに敵視されているという立ち位置のヤバさ。皓月はともかく、香恋からの嫌われ方がちょっと酷いんですよね。これは香恋という娘が相当にヤバイ娘だったというのもあるんでしょうけれど、クレアの方も無意識に地雷踏みまくったんじゃないだろうか、という疑いが。どうも、良かれと思って悪手を選びまくるきらいもあるので、ホント心配ですよ、この娘。
ただまあ、クレアも玲音がいるんで大丈夫だろう、という安心感はあるんですが。頼りなさそうにしか見えない主人公ですけれど、幼馴染書きのスペシャリストたる渡瀬草一郎一流の幼馴染カップルですから、此処らへんは盤石です。
最悪、というか一番ヤバそうなのがこの人、羽矢田さんですよ!! 見た目いかつくて武闘派のヤクザみたいなおっさんにも関わらず、その内面はというと気配りと心配性と面倒見の良さと苦労性がえらい勢いで混ざってしまっていて、お陰で今回の一見で一番面倒と苦労を背負ってしまってるんですよね。実際、キャラバンの中でも山之内派の実働部隊の一隊の長として荒事、汚れ仕事に辣腕を振るう腕利きであり、リーダーとしても部下や仲間内から信頼されている人なのですが、それにしても本人が懸命に部下や身内の身を守ろうと最善を尽くしているにも関わらず、どんどん泥沼にはまっていくその過程の、いっそ美しいと言ってしまえるほどのドツボっぷりが、凄まじいの一言。もっと自分の身が可愛い人なら、ここまでドツボにハマらなかっただろうに、とにかく身内や部下たちを大切にして自分が不利益を被っても何とかしようと足掻くたびに、余計に身内や部下も巻き込んでズブズブのところにハマりこんでるんですよね。本人、悪気は無いことはわかってますし、それどころか滅茶苦茶良い人なのは、その心の声を聞いていると嫌というほど分かるんですが、間が悪いというか運が悪いというか。いやもう、ほんとにどうしてこうなったw
ただ、本人意図しないまま図らずもブロスペクト派でも重要な立場に立ってしまった以上、良識と自分の身を盾にしても身内を守ろうとする侠気の持ち主である彼、羽矢田さんが多くのキャラクターが悲劇的な末路を辿らずに無事にこの事態を乗り切るための切り札的、或いはストッパー的な立ち位置に立っているとも言えるんですが、部下の幾人かはブロスペクト派の意識を上書きされてしまうわ、皓月の無茶苦茶さに女王とクレアの最悪の関係に皇帝の正体、と巻き込んでしまった部下や巻き込まれてしまった後見人として見守ってきた玲音と香恋の兄妹をこの抗争で守るだけでも手一杯だろうに、あまりにも錯綜した状況に、羽矢田さんにとってはもう抱える頭が一つや2つでは足りてないんじゃないかという難易度の高さで、もう誰か助けてあげてください、ほんとw 間を置かずに胃に穴が開いて血を吐いて昏倒してしまうんじゃないかと真剣に心配になっちゃうじゃないですか。
もう一人の主人公じゃないか、と思えてくるほどの災難っぷりであります。特に最後の皇帝の正体はトドメだよなあ。あれは流石に予想していなかった。いつどの段階で覚醒してたんだ? 失踪から戻った羽矢田さんと面会していた時にはそんな素振りは見せていなかったけれど。
それにつけても、マリアンヌ・シリーズの傍迷惑さである。以前のパラムンの時からマリアンヌの遺産は大概にして大迷惑の発端だったからなあ。今回も往々にして、これである。
騒乱劇という標榜通りか、最初っからキャラを大量につぎ込む展開で、その意味でも大盛り上がりな事になってます。パラムンの頃と比べると、キャラの立て方もうまくなったというか何というか。面白い子も増えたよなあ。羽矢田さんの部下の時緒さんなんて腹ペコキャラにしても面白すぎませんか、この人?
あと、謎なのがくろとらくん。着ぐるみをずっと着たままなので正体も定かではないのですが、こいつも自由人というか、この性格もともとですよね? キャラバン関係者のようですし、もしかしてパラムンの頃からの再登場者だったら嬉しいんだけどなあ。

ともあれ、最初っからかなりのフルスロットルで盛り上げにかかったわ、人間関係のしっちゃかめっちゃかな入り組み方と感情の入り乱れ方、引っ掻き回し方がまた最高で、当人たちは深刻にエライコッチャなのだけれど傍から見ているぶんにはどうなるかさっぱりわからなくて、楽しくて仕方がない。メインとなる幼馴染の二人は、渡瀬さんの幼馴染らしく見ているだけでニヤニヤ出来る密接っぷりで、またぞろ堪能できそうですし、いやあ楽しみなシリーズ始まりましたわ。パラムンの続編というの関係なしに、これは面白いですぞ。

渡瀬草一郎作品感想
 
12月3日

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12月2日

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12月1日

(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJコミックス)
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(HJコミックス)
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11月30日

(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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11月29日

(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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(ファミ通文庫)
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(エンターブレイン)
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11月28日

(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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11月27日

(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(アクションコミックス)
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11月26日

(エンターブレイン)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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11月25日

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(ガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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