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棺姫のチャイカ

棺姫のチャイカ 123   

棺姫のチャイカ (12) (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 12】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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ガズ皇帝との激戦後、消息不明となったトールとチャイカ。二人を探す旅に出たアカリと紅チャイカ。フェルビスト大陸に訪れた束の間の平和の中で、彼らは、彼女らは、どこで何をしているのか?そしてガズ皇帝亡き後も『チャイカ』という存在を警戒するジレット。いまだ明確な『終わり』が見えない中、ダチア子爵領で『ガズ帝国軍』―旧ガズ帝国の正統後継を名乗る少女を旗頭とした武装集団が現れ―。「我が名はチャイカ・ガズ」そう名乗った彼女のそばには、機杖を持った少女と黒衣の若者の姿が…。『チャイカ』サーガを締めくくる真のエンディング!!
後日談、これは騙されたわー。これ、あらすじからミスリードしてるし。
というわけで、ガズ皇帝との決戦で行方不明になってしまったトールとチャイカ+フレドリカ。彼らを探して赤チャイカとアカリがコンビを組んで旅に出る、というところで前巻が終わっていたので、そりゃあそのまま続きかと思うよねえ。
後日談の話としては、ちょうどアニメのオリジナル回でもあったガズ帝国の残党が偽物のチャイカ姫を旗印にして抵抗運動っぽい山賊活動をしていたお話をそのままアレンジしたような展開でしたけれど、そのアレンジの度合いがかなり大胆というか、パないよ!!
トールたち、もうちょっと田舎に引っ込んでおとなしい生活を送るものだと思い込んでましたがな。ちょっとあのメンツでラストの展開持って行くには、人材の質が偏りすぎてるような気がしないでもないのですが。内政家とか外交官とか、政治家と官僚がいません!! 実は傭兵と乱破ばかりで正規の軍人も居ません!! 個人戦闘力については、尋常じゃないのはわかってるんですが。あ、亜人兵たちはあれでも本職の軍人か……特殊兵だけど。
いやでも、トールやアカリが辣腕だというのはわかってましたけれど、チャイカもあれ、凄腕だったんですねえ。赤も白も。そう考えると、赤チャイカの仲間だった二人の傭兵コンビも、同じ傭兵の業界じゃあ相当に名前の売れてた人たちだったのかも。子供が出来て落ち着いたあと、どうやらまた合流することになったみたいだけど。
いや、この後日談で何が驚いたって、フレドリカがトールの子供産めるという、ドラグーンなんでもあり設定だったんですけどね!!
何気にボケ役しかいなかったヒロイン衆の中で、最後の最後になって正統派ヒロインが現れて、何気に美味しいところ持って行きそうな雰囲気だったのには笑いましたけれど。トールから見て頭痛いヒロインばっかりでしたから、最後の娘はトールの精神的にも癒し系になってわりと大事にされそうな感じだったんですよねえ(苦笑
とりあえず、こっちのトールと愉快な仲間たち帝国はいいとして、ジレット隊長とヴィヴィさん、ご結婚おめでとうございましたw トールが、ジレットたちの不在が新婚中だからと知らされて、素でそれはおめでとう、と祝辞してたのにも笑いましたけれど。でも良かったよ。ジレット隊長の鈍さからしてもっと拗れるかと思ってたし。
ズィータとニコライがわりと良い雰囲気な感じだったのは気のせいかなあ。イケメンのジレット隊長よりも、いかついニコライの方がその辺気になるのでした。

もう一つの中編は、八英雄の一人の弓士グレン・ドンカーブートから遺体の一部をもらうために、彼の依頼を果たすお話。アニメだと、赤チャイカたちに遺体奪われてた人だけれど、こっちだと小説の中では八英雄の中でも随一の強さを見せる。【弓聖】の異名を取ってたみたいだけれど、作中でも語られているようにその本質は狩人。それもマタギとかそっち系統の人だよね、これ。普通に実力勝負していたら、完全にトールたちが敗北していたパターン。八英雄はどうしても、実際に英雄と呼ぶには微妙な人たちも多かったけれど、実際にその程度の連中だったら、突入部隊の精鋭として選抜されたりしないものねえ。

結局、本物のチャイカ姫。本物は居ないと言われてますけれど、実際ガズ皇帝討伐の際に城の中で首を切られた白チャイカそっくりの娘は居たわけで、白いチャイカがどういう素性だったのかも語られないままでしたが、そのへんは触れぬが良しかしら。
なんか意外と意表を突かれる結末でしたが、明らかに死亡フラグを立てていた赤チャイカとその一行も生き残れましたし、登場人物の多くも概ね幸せになれましたし、綺麗にまとまった完結編だったんじゃないでしょうか。榊氏のシリーズとしては、【スクラップド・プリンセス】系統の話として、大変おもしろかったです。満足。

シリーズ感想

棺姫のチャイカ 11 3   

棺姫のチャイカ (11) (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 11】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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神を討ち滅ぼした“禁断皇帝”アルトゥール・ガズ。彼の次なる行動はシン、トール、ジレットに世界の三分の一を統べる王という『役目』を与えるというものだった。三つの勢力による未来永劫の戦争状態。世界を、再び戦乱の渦中へと戻す提案に対し、乱破師と騎士それぞれの応えは…。生きる目的、自分という役割、存在の理由。『棺担ぐ姫』と『従者の少年』。二人の旅路の終着点はもうすぐ―。壮大なる『チャイカ』サーガ、ついに完結!
結局、他者から課せられた役割から逃れられなかった者と、誰に与えられたものでもない「自分」という存在を掴みとった者同士の戦い、という形でガズとシン対トールとジレットたちという構図になったわけだけれど、面白いことに相手の在りように憤っていたのはトールたちの方なんですよね。ガズもシンは最初から与えられた役割の中に完結していたわけではなかったはず。ガズは神を弑逆しようと思い至ったのは自分に与えられた役割に不満を抱いたためだし、シンがハスミンを殺害し、乱破師失格という印を押したトールとアカリに執拗に乱破師としての生き方を説き続けたのも、思えばそれだけシンが乱破師という在りように心もとない不安を抱いてしがみつこうとしていたからではないだろうか。
それは、役割の中に収まるという事に対して、心揺れていた、ということ。
ところが、ガズもシンもその揺れの果てに自分自身で選んだ選択は、道具として生きること、システムに組み込まれるということ。それが彼らにとっての自由であり、安息であり、満たされた生き方だったのだ。満足してしまった彼らは、だから彼らと違った生き方を選んだトールたちに対して、怒りも反発も嫉妬も抱かず、トールたちが選んだ道に対しても、それを選んだトールたち自身に対しても、全く無関心で興味の欠片も抱いてなかったんですよね。
これだけ一方通行なラスボスと主人公サイドとの関係も、なかなか珍しいんではないだろうか。
実のところ、ガズやシンの生き方、役割の中に収まる事に充足を覚え、安心するという在りようは……さすがに自らを道具、システムにまで規定してしまうのは行き過ぎだとしても、決して全否定されるものでもないと思うんですよね。一つの選択として、そういう生き方があってもいいのかもしれない。
ただ、それを他人に強いるようになってはいけない。それを社会の正しい通念に規定してしまってはいけない。それは他者の尊厳を脅かす行為である。他者の在りようを踏みにじるものである。
結局、トールが許せなかったのは、そこだと思うんですよね。チャイカに貰った、掛け替えのないと思うに至った自分という在りようを、容赦なく踏みにじり、自分が輝いていると思った価値を否定する行為。ガズがやろうとしたことは、だからトールの逆鱗に触れたのではないか、と思う次第。
紆余曲折あって、ようやく掴んだ在りようだもんなあ。
それに比べて、ガズの方はやや哀れである。シン兄は、まだ自分を貫き通した結果、とも見て取れるけれど、ガズについては、自分の創造主に反逆するところまでたどり着きながら、結局自分を組み込んでいたシステムから離れることも飛び出すことも出来なかったわけですからね。出来なかったどころか、思い浮かべる事も出来なかったというべきか。彼は、螺旋階段を昇ることしか出来ず、その階段から外れるという事を思い想像する事すら出来なかった。ある意味、最終決戦の階段上に佇むガズと、自由な翼でその螺旋階段の周りを飛び回るトールたちの構図は、彼らの在りようの縮図そのものだったのかもしれない。

と、トールにしてもガズにしても、自分のレゾンデートルを失う事になったチャイカたちにしても、騎士として戦後世界での生き方に迷いをいだき続けていたアルベリックにしても、トールたちを観察し問いかけ続ける事で自己を探索していたフレドリカにしても、それぞれに自分の在りようを掴みとるまでに紆余曲折あったのに対して、ただ一人最初から首尾一貫して「アカリ」という自分を持ち続け、小動ぎもしなかったのがあの妹だったんですよね。ほんと、彼女だけは最初から最後まで一瞬足りともブレなかった。それが頼もしくもあり、微苦笑を誘う恐ろしさでもあり。ただ、そんな彼女がずっと側に寄り添い続けたからこそ、トールは安易に自分を投げ出さずに自分を探し続けることが出来たのかもしれません……結果として、チャイカと出会うまで相当のダメ人間になりかけてましたけど!

こうして、それぞれ個々に、自分の生き方というものに対して結論を出し、その結果として許容できない部分の衝突と生存を賭けて闘争が発生し、その点での決着はついたのですが……でも終わってない、これは物語として終わってないよ!!
棺姫のチャイカ一行の旅の物語としては、まだ決着付いてないよ、これ!!

というわけで、本編が終わってもまだもう少し続くのじゃ、という展開でして。もう一冊、後日談がつくであろう最後の短篇集を待て。
しかし、赤チャイカ一行は存在自体が死亡フラグだっただけに、最後まで生き残れてよかったよ。特に、随行のセルマとダヴィードは死亡率相当高そうだっただけに、感慨深い。

シリーズ感想

アニメ雑感  


【棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE 第8話「闘争の鐘」】
うーん、なんか原作から外れだした途端に、話そのものがグダグダになってきたんですが。話の流れも筋が通らないというか、どうしてそうなるのかという理由がわからないまま進行する部分が多々あり、微妙に辻褄もあってないですし。
事情があって話を改変するのは仕方ないのですけれど、ちゃんと物語として筋が通るものにしておかないと、意味不明になりますし、メリハリもなくなって話そのものがダラダラと締りがなくなって、クタって来ちゃってる。


【アカメが斬る 修羅を斬る】
此処に来て、一気にまとめに入っているかのように仲間たちが次々と死んでいくのは、なんか工程化された作業みたいで嫌だなあ。原作は未読なのだけれど、この流れは原作通りなんだろうか。


【異能バトルは日常系のなかで 第7話】
おおぅ、鳩子さんのアレにはガチで圧倒された。これはセリフの妙もあるけれど、やっぱり声優さんの屈指の熱演だわなあ。凄かった。
同時に、鳩子がプッツン行ってしまうまでの、ジリジリと火の着いた導火線が短くなっていくかのような、蓄積の描写がまた絶妙なんですよね。そこに至るまでの空気というか、呼吸というか。
これは本当にお見事、と深く頷いてしまう神回でした。


【ヤマノススメセカンドシーズン 十九合目】
あおいって、話が進めば進むほど、見た目の印象と実際の性格のギャップが浮き彫りになってきて、面白いんだよなあ。最初の頃は大人しくて真面目な優等生か、と思ってたのが懐かしいです。いやしかし、夏休みの宿題、あそこまでほっぽらかしているほど勉強しない娘とは思わんかったw
楓さんの残念具合も、後半に入って加速しているしw いやでも、面白い。それだけ、山に登らない日常回でも楽しめるほど、キャラの掘り下げが進んでいるということでもあるのだし。


【グリザイアの果実 7話】
さ、幸編もしかして一話でやっちゃったのか、これ!? おおう、物凄い荒業である。
ただ、この作品が凄いのは、むしろこれだけ大雑把にシナリオ消化やってしまうことで、原作ゲームの方を強くやってみたい、と思わせる事に成功している事なんですよね。大雑把、とイイましたけれど、これだけザックリと内容端折っているにも関わらず、一つの話としてはある程度ちゃんと形になってまとまって帰結している所は凄いんじゃないですか。決して雑、とは感じないのだから。
いやでも、マジで原作やってみたいなあ。……どう考えても残りの人生で読みたい本とやりたいゲームの入力と出力が追っつかないんですけどw

棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE 第5話 「皇帝の遺産」  


ニーヴァ・ラーダ、変形形態がすげえ。ほとんど、航天要塞の主砲と変わらないクラスの砲撃じゃないか。
ってか、ニーヴァ・ラーダって彼女自身が魔法杖に変形するという認識だったのですけれど、アニメを見てるとチャイカが持っていたガンドを上からコーティング強化するような形になってましたね。原作手元にない、いやあるんだけれど、どこを掘り出せばいいのかわからないので確認出来ないのですが、原作だとどっちだったんだろう。ガズ皇帝登場のあれ見てると、別にガンドがないとだめ、というわけではないと思うのだけれど。
ニーヴァ・ラーダが赤チャイカではなく白チャイカに反応したのは、単に白チャイカがウィザード・タイプだったから、と考えるべきなのかな、これ。


亜人兵部隊もキリルとウルスラの二人だけになってましたけれど、確かそれなりに数は残っていたはず。それに、あそこまで酷い扱いは受けてなかったんじゃないかな。彼らもどちらかというと、トールたちと同じく戦争が終わったことで本来の役割を果たせなくなったことに忸怩たるものを抱えている存在、という括りでありましたし。

あと、白チャイカと赤チャイカの絡みが増えてたんじゃないかな、これ。相性がいいのか悪いのか。主導権は声の大きい赤チャイカが握っていそうなんだけれど、白チャイカは天然マイペースな上に頑固で結構自分の意見を譲らなかったりするので、相手が真面目な人ほど結果として振り回してしまうんですよね。白チャイカに怒っても暖簾に腕押しなので大変そうな赤チャイカに思わず苦笑。ただ、決して仲良くはなれなさそうなんだけれど、意外と息は合いそうなんですよねえ、不思議なことに。
原作だとバタバタして、この二人が一緒になって動くことはほとんどなく、コミュニケーションもほとんど取る機会なかったので、この改変は良かったかも。
クラーケンの話、わりと重要な部分省かれた気もするけれど。


B00NOPVVAQ棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE 第1巻 [Blu-ray]
KADOKAWA / 角川書店 2014-12-26

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アニメ雑感   


ちょいと記事分けて再編。

【四月は君の嘘 】
ようやく遅ればせながら視聴。原作の漫画は、屈指の名作という人には事欠かないでしょう。実際、とてつもない威力です。アニメ化は、音楽モノとして実際に音を鳴らせるという点で実に魅力的であると同時に、ヘマをするととたんにしょぼくなってしまう恐れもあるのですが、さすがはノイタミナ枠というべきか……映像、音ともに素晴らしいです。ええ、素晴らしいです。
三話まで見ましたけれど……既にこの段階から後々の伏線は仕込んでるんだなあ。かをりの言葉ひとつひとつが、その意味と込められた願いを思うと沁み入る。


【棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE 第3話 迷夢憶えし港 】
あれ? チャイカとトールがこんな喧嘩別れする展開ってあったっけ。あったにしても、そこまで大事になってなかった気がするんだけれど。全然記憶違いかもしれませんが、喧嘩別れした印象まるで残ってないんですよねえ。少なくとも、槍の英雄は原作では登場してなかったはず。
あっさり島に渡るのかと思ったら、なんかもたもたした展開でちょっともたつき過ぎじゃないかしら。話的にもあんまり掘り下げにもなってないし。
あと、アルベリックが変な所に出てきたんだけれど、原作の内容だいぶ改変するつもりなの? 少なくともアルベリック生存にギィが関わっているのはアニメでも映像に映っていたので間違いないはずなんだが、ギィとシュテファン・ハルトゲン、ダブルチャイカが繋がっているはずがないので、アルベリックがあそこに居るのは辻褄が合わなくなるんですよね、どうするんだろう。


【ガンダムビルドファイターズトライ 第3話 その名はギャン子】
ええ!? そんな一人だけGガンダムみたいな世界観ありなんですか? いや、師匠がギニア在住とかいう時点でGガン臭が凄いんですけれど。それにしても、普通の武器で応酬している中にいきなりあの無茶な技はちょっとなあ。
意外とユウマがアグレッシブで笑ってしまいました。もうちょっと内向的なのかと思ってたのに、えらい姉ちゃんに積極的じゃないか。しかし中二が高2の美人にお熱、というのは今の年代ではまだ微笑ましいというレベルに留まるんですけどね。
ギャン子は、意外とあれ、見た目ぽっちゃりさんですよね。聖オデッサの制服、襟元がジオン風でなかなかおもしろいなあ。そして、ギャン子の髪留めがキッチリ盾型になってるw


【失われた未来を求めて 第2話 彼女と霊と存在証明 】
うわぁ……ものすごい低予算だ、というのが嫌でも伝わってくる(苦笑
とりあえず、記憶喪失の身元不明者は警察に届けましょうね! いきなりなんで転校生として入ってくるw
部長の権力は底無しか!
一話の出来事が出来事だけに、あの結末を回避するための繰り返し系かと構えていたのだけれど、今のところは記憶喪失の古川ゆいという謎の少女と、校内での幽霊騒ぎを中心に進む模様で、はてさて何がどう仕込まれているのか今のところは……。ゆいが、一人ひとり天文部の子たちに雛みたいにくっついていったり、妙に感情が薄く機械的だったのが、偶然キューブに触った途端に情感を取り戻した事といい、順調に「消化」はしていってるみたいではあるけれど……。


……ってかさ、今期マジで豊作じゃないですか? 視聴中止出来るのが少なすぎて、毎週の視聴本数がえらいことになってるんですが(汗

棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE 第2話 「ウィザードの矜持」  



原作では実はまったく遺体集められなかった赤チャイカ(だったよね)。それだと余りにも可愛そうだからか、アニメだと英雄の一人から遺体の手首を奪取することに成功しているようで。ってか、あの弓使いのおっさん、クローディアさんのところの使用人かと思ったわ、最初。地味すぎる。
地味というと、ガズ皇帝を討った八英雄って、全員見た目が凄く地味で一切派手な格好をせず実戦的な鎧やフードなんかで、全然英雄っぽくないのが逆に生々しいというかなんというか。
ホントにただの寄せ集めの特務部隊、という以外なんでもなかったんだなあ。戦後、国が彼らを利用して英雄として売りだして利用する、なんてことも一切なかったみたいだし。

他の英雄たちの多くが身を持ち崩す中で、ただ一人堅実かつ人生を楽しみながらワイン事業や領地運営?を成功させたのが件のクローディアさん。この人、掛け値なしにイイ人だったなあ。単なる善人ではなく、成功者として余裕のある風情もまた、戦争の渦中で戦いながら戦争が終わった後でもこうして幸せに、新たな人生を謳歌している人が居る、という証人にもなっていて、アニメオリジナルの話だけれどチャイカやトールたちに目的を果たした後どうするか、を考えるヒントというか一つにビジョン、参考になる人として何気に重要な役回りだったんじゃないだろうか、クローディアさん。
ウィザードとして、チャイカにワンステップ技量を高めるきっかけを与えてくれる師匠みたいな人、という位置づけも大事なんだろうけれど、実のところチャイカの腕前云々はそこまで重要じゃないからなあ。
それはともかくとして、クローディアさん、めちゃくちゃ強かったけれど。今まで出てきた相手で一番強かったんじゃないの? というくらい。後衛一人であれだけ立ち回れるって、壁役の前衛がいるパーティーとしてなら、どんだけ強いんだ、という話である。実際、前話では使用人たちが参加していて、トールたちコテンパンだったわけですから。

色々辿るルートは異なったものの、次回からは七巻に相当する亜人兵の島の話か。
戦闘服に身を包んだヴィヴィが思いの外美人だった!

B00NOPVVAQ棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE 第1巻 [Blu-ray]
KADOKAWA / 角川書店 2014-12-26

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2014年秋アニメ、スタート。  


【ガンダムビルドファイターズトライ】 第一話。
ら、ラルさん。なんでそんなさも当たり前に学校内うろついているんですか! 完全に学校内に侵入して徘徊している不審者じゃないかw
とまれ、本当に面白いなあこのアニメ。続編に入っても、第一話から熱い熱い。今度は男の子二人に女の子一人の三人組で、というのは聞いていたのですが、女の子が主体となってチームを作りにかかるとは思わなかった。こういうトリオって、どうしても女の子はメインとなる男の子についてくる、という形での参入になりがちですからね。しかも、学年一個年上かあ。シンプルに、或いは直球にヒロイン衆がかわいいというのは強力極まる。そしておぱーいが大きいッ。大きいッ!
ガンダムファイトも熱い熱い。初っ端の団体戦からして掴みとしては十分だし、本番でのドムですよ、ドム。ドムかっけえなあ、ドム! 中の人が出てきたのには笑いましたけれど。
あんな施設、学校の一部活で使えるとか、なんつー贅沢な。なぜあれで部員が集まらないのか、信じられない。普通やりたいでしょう。ガンプラ興味なくてもやりたいよ、あれは。
……ガンプラだけじゃなくて、戦車とか戦艦とかのプラモでもバトルできませんかね、あの施設w


【天城ブリリアントパーク】
そういえば、あのバス停の停留所名の変更申請ってあとで通ってたんだっけか。あれちゃんと変えてないと、客が増えるほど困りそうなんだけれど。
というわけで、【フルメタル・パニック】の原作者の現在手がけている作品のアニメ化、しかも京アニ。さすが京アニ、という細部に神が宿る仕様の演出テンポであります。この遊園地、平日で2000人も入っているようにはまったく見えないよ!! これを立てなおしてくれ、というのはどう考えても無茶ぶりだよなあ。
ちなみに、ヒロインは猛烈な勢いでいすゞ一択であります。
OP見ると、バイト三人娘の姿が見えないので、もしかして人員増やすところまではいかないのかしら。ぶっちゃけ、あの三人娘の扱いも微妙なんだけれど。扱いの微妙さからすると、精霊四人娘もわりと同じレベルなんだが、アニメだと出番増えそうで幸いである。


【愛、天地無用!】
天地の声が、菊池さんのままだ(笑
いや、懐かしいんだが……この天地無用はどの世界線なんだ? 個人的にはちゃんと【真・天地無用 魎皇鬼】路線で居て欲しいんだけれど。清音さんが美星の相棒じゃなくて、天地の母ちゃん。鷲羽ちゃんが、既婚者で美星の曾々婆ちゃんに当たるラインのやつね。
出てくる女の子を見てると、ちゃんとデザインがヤスダスズヒトさんなのです。私、この人のデザインがアニメで動いているの見るの好きなので、結構幸せ。


【Fate】
既に書いたけど追記で……氷室かわいいな、氷室。いや、ほんとにただのクラスメイト枠としては存在感がパないですよ、氷室鐘。氷室の天地、アニメやりません? 実際、プリズマ☆イリヤをやったあとでは、アニメ化最後の駒だと思うのだけれど。


【Selector Spread WIXOSS】
のっけから、ウィクロスはやったらいけない、ゲームダメ。危ない、危険、と連呼されるというありえない販促アニメ(笑
第二部として既に一連のからくりが明らかになっているだけに、第一話からの緊迫感と追い詰められっぷりが尋常じゃない。それでも、るう子、遊月と一衣が三人で仲良く遊びまわっている姿を見ると癒やされる。遊月だけカード内だけれど。三人が気持ちを通じ合わせて、こうして遊べるというのは第一部では結局叶わなかった姿だからなあ。
ともあれ、初っ端から掴みもOKですし、盛り上がりも十分。これは期待ですよ。


【棺姫のチャイカ】
これも分割第二部スタート……て、これ内容的にはアニメオリジナルか? 
八英雄のクローディアは、原作小説では未登場だったはずですし。今まで登場した八英雄は、みんな身持ちを崩したり、心身を壊したり、既に亡くなっていたり、と散々な有り様だっただけに、まともに人生成功していてなおかつ人格的にも尊敬できる英雄が出てきてくれると、ちょっとはホッとしてしまう。
仮にも英雄としてもてはやされた人が、全員没落してたらなんか後味悪いですもんね。
形としては、チャイカに魔法師としての訓練を施してくれる形になっていて、なかなか新鮮。原作ではこうしたチャイカがレベルアップを図る話、というか魔法師としてのプライドをにじませる話はあまりなかっただけに。
ヴィヴィの方は、ちょっと話変わっているかしら。ジレット隊の面々、機関に一度戻ってたっけ? あのまま機関を離脱して、独自に動いていたような記憶があるんだが。
あと、本来ならチャイカ化した娘は記憶を失うと同時に、身近に居た人間を皆殺しにして痕跡を消してしまう仕様になってます。チャイカになった娘たちは、その鏖殺そのものを覚えていないんですけれど。
ヴィヴィの場合は、ジレット隊の面々が手練揃いだったので、その過程でなんとか取り押さえられて、チャイカ化による記憶消去も免れたために、あのようなギィの言うところの、半分だけチャイカになった、という状態になってます。

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棺姫のチャイカ (10) (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 10】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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全ての『遺体』が集まり、黒チャイカの儀式によって現世に復活を果たした“禁断皇帝”アルトゥール・ガズ。しかしそれは同時にチャイカの生きる目的だった父親の『遺体』を集める行為は、ガズ皇帝によって使い捨ての道具として仕組まれたものであるという真実を知ることになる。与えられた使命すらも無くし、生きる目的を失ったチャイカに、トールは声をかける。
「我が主。初めて会った時の事を覚えているか?」
かつて自分が言われた言葉を今度はチャイカに向けて―。再び。見つける。今から。もう一度。
トールの焦らしプレイに、フレドリカ焦る焦る!
いや、いきなし喉笛食いちぎっちゃったあんたが悪いんだけれど。体の一部を交換すればいいのなら、もう少し穏当な場所があっただろうに、勢いとノリだけでやっちゃうから。あれだけ素で焦ってるフレドリカは初めて見たなあ。
とはいえ、最近のフレドリカは当初の「異質な生物」らしい感覚がだいぶ失せて、真似事に過ぎなかった感情豊かな演技もなかに実感が伴ってきている気がするんですよね。事実、トールと契約したにも関わらず、今までのフレドリカとパーソナリティがまるで変化していない。ドラグーンは、契約した人間の人格にそのパーソナリティが影響を受けて形成される、とされているはずなのに、だ。これは、もうフレドリカが「フレドリカ」という個性を獲得している証左なんじゃなかろうか。
面白いことにこれ、フレドリカはトールと契約することでむしろ「道具」としての自分から脱却したとも言えるわけです。アカリがフレドリカに対して「ヤる気」漲らせだしたのも、そのせいかと。
図らずも、じゃなくて図ってるんだろうけれど、ちょうどこのターンでフレドリカにしても、そして自らがガズを復活させる道具の一つに過ぎなかったと知ったチャイカが、赤チャイカも含めて道具としてではなく、人として生きる事を選ぶに至ったお話だったわけですな。それを先導したのが、誰よりも道具であることを規定されていたサバターであるトールであり、彼が道具足らんとするよりも人として生きようと思うようになった原因こそが、チャイカであった事を思えば、面白くも善き相互関係とも言えるのだろうこれ。
そして、かのアルトゥール・ガズもまた、自ら道具足ることに叛意し、自らを生み出した神に対して周到かつ大胆に反逆してみせたわけだけれど、一方で彼はチャイカたちを使い捨て、未だ在り方に迷うシンを道具として規定し、ニーヴァ・ラーダを杖として以外見ていないというように、むしろ積極的に自ら以外を道具として見做し、扱おうとしている。相互の関係によって、道具としての自分から手を携えあって脱却しようとしたトール一行、そして赤チャイカたちと比べると、どうしても相容れぬ点がそこにあるんですよね。
それでもまだ、ガズが神を殺す云々については、どうぞご勝手にやってください、ともう役目から解かれたチャイカたちからすると関係ない話で、あとは逃げ出せばもう一切関わる必要もない、と思ってたんだけれど、ラストのガズ皇帝の宣言を聞いてしまうと、さすがにそうも言っていられなくなってしまうのか、これ。
いやいや、まさかそう来るとは。意外と盲点だったぞ、この流れは。いや、普通に考えるとガズがこの考えを温めているというのは不思議でもなんでもなかったのだけれど、神との対決、そして神殺しなんて途方も無い事を企んでいて、上ばかり見上げているものとばかり思っていたから、その究極の反逆をどうして抱くに至ったか、何を欲して神を殺そうと思ったか、については自由を得たい、というところから先を想像してなかったからなあ。自由になって、その先彼が何を考えているか、については不思議なくらい頭になかった。
ぶっちゃけ、それでも極論するとジレット隊長たちと違ってしがらみも正義感も持たないトールたちは、ガズの宣言に対して背を向けて逃げちゃって関わるまいとしても、何の問題もないはずなんだけれど……そうもいかないのかなあ。意外と、再会して語り合った、あののんびりとみんなで一緒に普通に暮らそうという展望こそが、新たな戦乱を起こそうというガズに対決する動力になるのだろうか。
ともあれ、ついにというか、赤と白のチャイカがちゃんと意思を通じ合わせて共闘するシーンを目の当たりに出来て、十分堪能しました。赤チャイカパーティーは、いつ惨劇に見舞われるかハラハラしてたんだけれど、さすがにこれ、シチュエーション的ピークを越えて、フラグ折れたかなあ。

シリーズ感想

棺姫のチャイカ 第12話 「遺されしもの」  

航天要塞同士の撃ち合い、要塞同士だから真っ向から交戦できているけれど、あれって同じ要塞じゃないとホントにどうにも出来ないよなあ。あれだけ大威力の魔法を連発できるんだから、都市を消し飛ばすくらい本当に簡単なんだろう。
その分、機動性も何もなさそうなので、要塞同士だと足を止めての殴り合いになってるけれど。

トールとあの気持ちの悪い魔法生物との戦い、トール食われそうになってめっちゃビビって、魔法生物ヒステリー気味にめった刺ししてるのがなんかリアル。

チビフレドリカが凄すぎる、ビジュアルインパクトが凄すぎる!! わかってたのに爆笑してしまった。いや、あれは反則だろう。デタラメすぎるにも程がある。


ジレット、原作では要塞砲の直撃じゃなくて、余波のがけ崩れかなんかで瓦礫に押しつぶされたんだっけか。片腕だけしか遺体を回収できなかったのだけれど、アニメでは剣だけに。
この「片腕」がのちのち結構重要な伏線になりそうなだけに、この改変は大丈夫なんだろうか。
思わず「おおっ!」と思ったのは、要塞砲にジレットが飲み込まれる瞬間、背後にギィの姿があったところ。しかも二人!? あの一瞬に伏線仕込んだのは驚いた。

アカリ、珍しくマジギレしていたのは声の調子からも判ったものだけれど、敵の魔術師の殺し方がけっこうエグい。鉄槌、頭頂部にゴツンとか、あれ前から見たら死に顔見れたものじゃないことになってるぞ。

今日はギィさん、登場シーンがどれも怖いよ! 幽霊か!

アカリさんのストッパーとしての勘尖すぎるw
トールとチャイカのあの雰囲気の良さは素晴らしかったのだけれど、ちと勿体ない。

要塞結局沈んじゃったけれど、中で囚われていた女性たちは全滅か。なまじ半殺し状態という設定にしたの、逆に残酷なことになったんじゃないかしら。

おお、この最終回のクライマックスにヴィヴィのあれ、ちゃんとやるのか。第一期の引きとしては凶悪もいいところだな、これ。

ちょうど分量や時期的に、第二期の終了と同時に原作も終了、という風に合わせてきそうだなあ。
かなり早回しにここまで進んできましたけれど、ほんと素晴らしいアニメ化でした。これは期待してた以上。特にアクションシーンは軒並み素晴らしかったなあ。
【スクラップド・プリンセス】と同じスタッフで、ということで酷いことにはならない、とは思っていましたけれど、うむうむ、これほどとは。
これはこのまま二期の方も十分楽しめそうです、秋が楽しみ。

B00J49TZ4A棺姫のチャイカ 第2巻 [Blu-ray]
KADOKAWA / 角川書店 2014-07-25

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B00CFJJ1MM棺姫のチャイカVI: 6 (富士見ファンタジア文庫)
榊 一郎 なまにくATK
KADOKAWA / 富士見書房 2013-01-24

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 原作感想

棺姫のチャイカ 第7話 「還らずの谷」  

あまりといえばあまりのことに大爆笑してしまった。これは酷い、トール、トール!!(爆笑

うん、これ原作では霧に巻かれたトールが見せられた幻影は、ジレット隊との激しい攻防でアカリを喪い、あちらもヴィヴィなどを殺されて、血で血を洗う憎しみのやりとりになった挙句に、最後の遺体と引き換えにチャイカがトールをジレットに売って、トールは愛したチャイカの裏切りによって殺される、という末路を辿るものの、トール自身はその裏切りに怒るでもなく納得して、最後までチャイカへの信頼を胸に息果てる、というなかなか格好いい、裏切られても恨まないトールの心意気を感じさせるエピソードだったのですが。

「ちゃいか〜〜、ちゃいか〜〜!!」

こちらでは、ものすごくみっともなく号泣しながらジレットの元に走ったチャイカを追いかけるトールの図(笑
しかも、チャイカとのイチャコラからその寝取られ男の末路までの一部始終を、チャイカとアカリとフレドリカの三人に観賞されるという恥辱プレイ付き。
待て、トールがいったい何をした。そこまでされるだけの何かをしたのか(笑
これにはもう、本当にお腹抱えて笑ってしまった。アニメって、何気にトールがダメ男だと推してる節があるよなあ。宿屋や酒場の女将さんといい。本人、別にそんなダメ男じゃないのに。
でも、これはこれで楽しかった。変に深刻にならず、笑い話で終わらせたのはこれでありなんじゃないかな。トールはチャイカが大事、という肝心の部分はちゃんと押さえてたし。そこから、チャイカがトールのことを意識し始めるのも、形は違ってもちゃんと結果として導かれてるわけですしね。
それにしても、なんて情けない有り様なんだろう。そのあと、アカリとフレドリカに容赦なくフルボッコにされる図も含めて。

ちなみに、原作ではこの幻影魔法を仕掛けた八英雄の一人は、既に亡くなっている状態でした。
この谷に入った連中、事実上皆殺しにしてるのに、多少イカレてしまっているとはいえ、呑気に普通に谷でホームレス生活している英雄さんw

あと、このエピソードは実際は三巻のもので、赤チャイカはこの後の4巻の登場になります。本当は、この三巻のエピソードでチャイカとの絆を深めていて、それを踏まえて赤チャイカの誘いをキッパリ断ることになる流れだったのですが、この話だと先に来てしまうと、赤チャイカの誘いを断って白チャイカを選んだ理由がなんか全然違う情けない印象になってしまいかねないので、順番入れ替えたのは大正解だったんじゃないだろうか(笑


原作小説三巻感想

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棺姫のチャイカ 第5話 「追う者追われる者」  


あ、3巻飛ばしていきなし4巻に行くのか! というわけで、ついに登場、赤チャイカ。ガリアンソード、或いは蛇腹剣、本作では蛇咬剣を記してあったか。そんなとんでも武器を使いこなすチャイカが登場なのである。
何気に先々までお付き合いすることになる、準レギュラーキャラたちなんですね、これ。
単なる色違いかというと、実は銀髪で首に痕が残っている以外はかなり違う。赤チャイカは、彼女も片言だし、かなり似てるんですけどね。まあ、性格は強気で意地っ張り、スタイルも抜群、と性格や体型はかなり違います。
今回も戦闘といい、ギャグといいテンポ良かったなあ。フレドリカは、最初暴れるだけ暴れてふらりとどこかいったまま戻らないので、仲間に加わった感触がまったくなし。まあ、彼女に関しては仲間、らしくなるのはまだ先なんですけれど。

ここでは、ジレット組のキャラクターもさり気なくじっくり描くことで、キャラも掘り下げてたし。あちらもなかなか重要な役割のチームなので、疎かにしてはいけません。ってか、ニコライさんほんと面倒見いいですなあ。ヴィヴィ、頭あがらんぞこれ。

しかし、アニメで見ると赤チャイカの格好はエロいねえ。もろに横乳あふれてるじゃないですか。エロイエロイ。
しかし、白チャイカの可愛さもやっぱり素晴らしい。尾行がついてると言われて驚くシーンの可愛いこと可愛いこと。
赤チャイカのパーティーであるダヴィードとセルマは、もう少し年寄りなイメージしていたので、案外若そうなのね。特にダヴィードはニコライ並みのおっさんのイメージだったので、けっこう良いノリのアンちゃんだったのはむしろ好印象だったかも。


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棺姫のチャイカ 第四話  


 第四話視聴終了。ドラグーン編も二話で終わるんか! 恐ろしくバタバタ片付けていくなあ。
八英雄ドミニカの周辺事情はかなりばっさりと端折ってますね。
彼女は、故郷の妹を守るために竜騎士となって戦場に赴き、ガズ皇帝を倒すまでに至ったのですが、戦争が終わり領地に帰ってみると、留守を守っていた妹はすでに亡くなっていて、自分は何のために戦ったのだと失意に打ちひしがれた末にドミニカは病死してしまい、その一部始終、主の苦悩と絶望を間近で見続けたフレドリカは色々と思うところあったご様子。
彼女は人ではなく装鎧竜であり、人とはかなり違うパーソナリティの持ち主なのだけれど、ドミニカの姿を装って彼女の真似をし続けたのも、トールと出会い彼を殺すという目的を持って旅にくっついてくるようになったのも、彼女なりの理由があり、最新刊のトールへの問いかけと、彼女自身が得た答えも、ドミニカの絶望を見続けた事に起因するとなると、そのドミニカの事情をまるごと綺麗に取っ払っちゃったのは、どうなのかな、と思わないでもない。
ただ、フレドリカの内面ってかなり難しいので、逆にドミニカとフレドリカの関係をシンプルにしてしまったのは、それはそれで悪くないのかもしれない。平和に馴染めない、とするトールのそれと相似形にすることで、違和感もなくなっているし。
一巻分といい、2巻分といい、だいぶカットしてるはずなんだけれど、それほど感じさせない脚本の整理の仕方は、かなり大したもんなんじゃないだろうか、これ。

ちなみに、フレドリカは回復役じゃなくて、むしろ前衛壁役、と考えた方がいいかも。操作操縦は受け付けませんがw
そして、彼女もまたボケ役である。チャイカもボケ、アカリもボケ、そしてフレドリカもボケ役、ヒロイン総ボケ役というありさまなので、とツッコミ役のトールの負担はいや増すばかり。試練の旅路である。

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原作2巻感想

棺姫のチャイカ 94   

棺姫のチャイカIX (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 9】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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賞品の『遺体』を手に入れるため、ハルトゲン公国の武芸大会に出場したトールとフレドリカ。無事予選通過を果たすも、双子のチャイカの策略によってチャイカ、アカリ、ニーヴァが捕らわれてしまう。引き渡しの条件として、これまで集めてきた『遺体』との交換を提案されるのだが…。「トールにとって、一番大事なのは、何?」チャイカの望みを叶える事。それがトールの…。ではそのためのチャイカの死は?生命と目的。決断を迫られるトールが出す答えは…。絶望と希望が交錯する中、真の『黒』が姿を現し、ついにすべての『遺体』が揃う!
ぶっちゃけ、そこまでまだ黒くないと思いますよ。何しろ、死亡フラグ全開だった赤チャイカパーティーが無事でしたからね。勿論、今後も予断は許されない状況ではあるんだけれど、死亡フラグとしては今回がピークもピークだったので、ギリギリ回避できたんじゃないのか、と。少なくとも、赤チャイカの二人の仲間については、一番危ない立場でしたからね。
乱破師(サバター)としては精神的に未熟で、俗世寄りの感情を制御しきれないために一人前としては認められずに居たまま、乱世が終わり世間に放り出されたトール。むしろ、一人前として認められていなかったからこそ、そうなった原因の事件も相まって、サバターである自分にこだわり、だからこそサバターの活躍する場のない平和な世界に対して、自分の存在自体を否定されたように感じて絶望を抱え続けていた彼は、だからこそサバターとしての自分の力を必要とするチャイカとの出会いに歓喜し、彼女を主として自分の存在意義を打ち立てようとチャイカとの旅を始めた……はずだったのだ、当初は。
しかしここで、一流のサバターとして今なお活動する義兄のシンと敵対、という形で再会して、自身のサバターとしての未熟さ、以上に中途半端さを自覚させられ、同時に自分の中でチャイカと旅を続ける中で、トール・アキュラという存在の前提として「サバター」という価値がある、という考え方に疑問を抱くようになっていたことにも気付かされた主人公。
そう、ここはトールの分水嶺でもあったわけだ。
このまま、自分はまず何よりもサバターである事にこだわるか、それともサバターとしての自分はあくまで能力上のものであり、その上位としてトールという個人の意思を持つ事を、望みを持つことを認めるか否か。
人として生きるか、を自問する事になったわけだ。面白いことに、彼はそれを自問自答に留めず、武術大会で一緒になった赤チャイカやヴィヴィ、として共に戦うフレドリカとも語らう事で、彼女たちにも自分の在り方について考えることに影響を与えることになるんですね。
特に、チャイカという呪縛に囚われている赤チャイカ。ドラグーンという自分の行く末についてトールの動向と照らしあわせていたフレドリカ。彼女たちにも、トールの自問というのは大きな岐路になってるんですね。
赤チャイカは、あの時トールに助けられ、またその後訪問を受けて、チャイカという生き方に対しての疑問を呈されなければ、もしかして物語の上での危うい一線を超えていたかもしれない。この辺、それらしい描写はなかったけれど、もし彼女が自身のチャイカという在り方に対して一切疑問を持っていなかったら、ラストの展開というのは単なる衝撃という以上の危機だったと思うんですよね。もし、疑問という心構えができていなかったら、安易な暴発もあり得たんじゃないかと想像するわけです。もしそうだったら、彼女の死亡フラグを潰したのはトールということになるので、……心憎い男じゃのう。
というわけで、分水嶺を超えたトールの選ぶ道が、そして一連の「チャイカ」という存在の謎が解明される、物語としても大きな山場となる一話でありました。
だいたい想像していた通りだったけれど、想像していた以上にエグいパターンだった。もし白チャイカや赤チャイカがこうなっていたか、と思うと必要以上にドキドキしてしまいますがな。
そして、想像の埒外だったのが、あの人の再登場。って、カラー口絵で盛大にネタバレされてますけれど。私、純粋にガチで死んでたのだと思ってましたがな。信じてたのに!! まあでも、ヴィヴィさん良かったね、と言っとこう。こういう娘が報われないのは哀しいしね。どうやら、芽は十分あるみたいだし。
しかし、またぞろ「すてプリ」みたいに壮大な話になってきたなあ。ギィの正体不明さは、決してチャイカサイドだとは思っていなかったけれど、スケールが並外れてしまいましたがな。それよりも何よりも、トールのあれですよ。
それ、違うけどシャノン兄といっしょじゃん!! 主人公は結局そうなるべくしてなるのか!?(笑


シリーズ感想

棺姫のチャイカ 8 3   

棺姫のチャイカVIII (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 8】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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禁断皇帝アルトゥール・ガズを討ち滅ぼした『八英雄』のひとり―シュテファン・ハルトゲン公王。彼が統べるハルトゲン公国で開催される武闘大会の賞品は、なんと『皇帝の遺体』そのものであるという。しかも公王の傍らには、双子のようにそっくりな二人の“黒き”チャイカが付き従っていた―。優勝して『遺体』を手に入れるために、大会への参加を企図するトールたちは、それぞれ同じ目的で集った紅チャイカとダウィード、そしてジレット隊のヴィヴィとニコライと、因業深き再会を果たす。三者三様の想いと、仄暗き策謀が渦巻く武闘大会の“戦場”で、命を賭した争闘の幕が切って落とされた!
なるほど、少なくとも禁断皇帝が死ぬ以前から「チャイカ」が存在したのは事実なのか。もっとも、その皇女が真実の意味でガズの娘なのか、それとも前巻で明らかになった「チャイカ」と同じモノなのかは定かではないのだが。
そう言えば、ガズ皇帝が討たれる場面が描かれたのはこれが初めてになるのか。これを見る限りでは、少なくとも八英雄の方に純粋にガスを討伐する以外の裏の意図を持って動いていた輩は居ないように見えるけれど、あくまでシュテファンの視点からだから窺い知れない部分もあるかもしれないし、暗躍していた者もいるかもしれない。結局はわからないわけか。
何にせよ、前回のヴィヴィの「変容」に端を発して明らかになったチャイカの真実には度肝を抜かれたもんなあ。いや、チャイカの真実はそこまで驚かなかったけれど、仰天させられたのはそこにヴィヴィが入ってたということで。まさか、彼女がここまで重要キャラになるとは思ってなかったですし。さらには、彼女サイドからトールにチャイカの真相の情報がここまで早く流れるとはなあ。
まあ腐らせる情報でもないか。早めにトールに流して、彼を悩ませる材料として活かしてこそ、先の展開が生きるわけですしね。少なくとも、これまでのようにトールはチャイカの願いを叶えるため、という風には動けないはず。彼女のため、という理由は揺れなくても、サバターとしての範疇を超えた判断、或いは決断が必要とされ、主のチャイカの命令ではない、彼自身の意思が重要となってくるでしょうから。となると、この時期に純然たる
乱破師であるトールたちの先達であるシンを登場させ、トールやアカリに乱破師たるべきの何たるかを問う状況をスムーズに持ってくるあたりは、さすがベテラン作家という滑らかさ。
しかし、主人公サイドはいいんですけれど、赤チャイカがやっぱり思いっきりフラグ立てまくってるのは胃に差し込むなあ。白チャイカと違ってちょっとツッパっている性格といい、一応敵対している立場であるけれどついつい一生懸命懐いちゃうあたり、ほんと可愛いんですよね。ダウィードじゃないけれど、つい生暖かい目で見守ってしまいたくなる。白チャイカとは違う庇護欲を掻き立てるキャラなんですが……明らかに作品上の立ち位置が不穏を通り越してアウトの所にいるんですよね。魅力的になればなるほど、いざというときのダメージが計り知れないことになりそうで、今からダウナーw
できればフラグちゃんと折って欲しいんだけれどなあ。

シリーズ感想

棺姫のチャイカ 73   

棺姫のチャイカVII (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 7】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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…チャイカとは、何か―?
航天要塞と運命を共にした蒼のチャイカは、自ら“も”また『本物』だと、驚くべき真実を白きチャイカに告げた…。何故、記憶が欠落しているのか?首筋の傷跡は何なのか?無数の謎を抱えたまま、トールたちは皇帝の遺体が眠る海を目指すことに。そこで、紅のチャイカと思わぬ再会をした彼らは、突如として正体不明の亜人兵と大海魔の強襲を受ける!!激闘の果て、流れ着いた先は絶海の孤島。一行は島内の牢獄で、金銀妖眼の少女と出会う。彼女はラーケ語で、こう言った。「待っていた―チャイカ…」
なんとーーっ!? 冒頭からのヴィヴィの変化には相当に驚かされた。チャイカという存在はもっと単純に人工的に作られた生命、くらいに思っていただけに。遠く離れた場所でそれぞれ勝手に活動していたのも、安置されていた場所も起動した時間も別々だったからと考えていたから違和感は特になかったんですよね。
いや、まさかこんな風に「発生」していたとは。
しかしこれ、発動条件は何なんだ? 同じ決められた日時に発現した訳ではないというのは、今回のヴィヴィの一件で明らかなんだが、親しい人が死んだ、みたいな精神的ショックが引き金だとすると、戦乱が終わって一応平和になったこの時代においては特に大きな精神的ショックを受けないまま平穏に過ごしているケースも決して珍しくないだろうから、そうなるとチャイカが発現する条件としては少々厳しいんですよね。それとも、チャイカは常に一定数稼働するようになっていて、誰か一人のチャイカが死亡すると別のチャイカが発生する、みたいな感じにでもなってるんだろうか。孤児に因子を植えつけた、みたいな話はしていたけれど、果たしてどれだけの人数にチャイカ因子が植え付けられているのか。謎が明らかになったことで新たに謎が増える。チャイカ個体に関するだけでもこれなのに、どうもガス皇帝が何を目論んでいたのか、についても随分と大仰な話になってきた感がある。7種存在する棄獣についても関連するようで、こりゃどうもヘタするとスクラップド・プリンセス並のワールドワイドな話になってくる可能性もありそうだなあ。
しかし、チャイカという存在がそうだったとするならば、我らがチャイカ・トラバントも本来の姿があったという事なんですよね。それも、ヴィヴィみたいな中途半端な覚醒ではない、と言うことはその時周りに居た親しい人たちを皆殺しにしているわけで、それを知ったらこの娘の性格からして相当にダメージも大きそうだけれど。
ともあれ、今回はチャイカの謎に迫ると同時にチャイカ強化の回でもあったわけで……あんまり気にしてなかったけれど、巨大なマテリアルライフル状の魔法杖を取り回すのって大変な上に近接戦ではどうしても普通にイメージする魔法使いなんかよりも動きが鈍くなることから、確かにまああんまり大きな活躍はなかったんですよねえ、チャイカって。まあ、ここぞというときの大技とか外さないし、魔法の使い方は的確で後方支援役としても優秀だったので、これまであまり気にならなかったんだけれど。
しかし、強化アイテムが、しかも人化能力付きのインテリジェンスオプションアイテムがこれ、というのは面白いなあ。普通はもっとわかりやすい剣とか盾とかなのに。そりゃ、チャイカの獲物が火器である以上、この強化アイテムは実に適当なんだけれど。チャイカ、アニメ化するわけだけれど、魔法機杖含めてこれらの演出はちょっと楽しみだ。まあ、話し的にはここまで全然いかないだろうけれど。
トールにある意味ベッタリだったチャイカに、さらにベッタリな娘が加わるというのは人間関係的にもなかなかおもしろいことになりそうだ。フレデリカが思ってた以上にデレてきたのも大きいし。この竜、明らかに自分で言ってるような感情のトレースの範疇を超えつつあるようだし。
今回は赤チャイカと共闘ということでもっと近い距離でのやり取りが増えるのかと思ったけれど、状況が過密かつ危機的だったせいか、あんまり一緒に行動して親交を深める、とまでは行かなかったのはちと残念。ただ、この調子だと次に遭遇しても即座に敵対、ということにはならなさそう。その分、向こうの死亡フラグが立ちまくってるわけですが。

榊一郎作品感想

棺姫のチャイカ 6 3   

棺姫のチャイカVI (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 6】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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「―トール!トールッ!!」天翔る城砦での戦いの果てに、大空へと投げ出されたトール。チャイカの叫びも虚しく、彼の生命は散った―かに見えたが、窮地を救ったのはジレット隊のヴィヴィとズィータだった。ズィータは「あなたに『お願い』があります」と告げる―。そして捕らわれたチャイカは、銀の髪と紫の瞳を持つレイラと邂逅する。彼女は「棺担ぐ姫君。貴女に『チャイカ』の真実を教えてあげる。貴女が本当に絶望できる―真実を」と言って、意味ありげに微笑むのだが…!?航天要塞“ソアラ”を巡る死闘、宿業のクライマックスへ。
表紙はチャイカ……? にしてはやたらと色っぽいなあと首を傾げていたら、案の定違うチャイカでした。チャイカシリーズは案外みんな似たようなキャラ付けなのかと思ったら、片言なのは白チャイカと赤チャイカだけなのかもしらんね。というわけで、ここで正体を表した青チャイカは相当に性質が違う厭世家のチャイカでした。彼女の場合は白や赤のように優秀な同行者に恵まれること無く、惨たらしい境遇に置かれてしまった上に「チャイカ」という存在の真実に近づいてしまったために、絶望に絶望を塗り重ねてしまった結果、死んだ魚の眼をしたチャイカに。しかし、白、赤、青とまで出たんだから、そりゃあ黒チャイカは期待しますよ。そして黄チャイカ、緑チャイカに紫チャイカ、もちろん銀チャイカに金チャイカという上位チャイカに、桃色チャイカという紅一点……あれ?
ともあれ、ようやく状況を裏で謀っている黒幕、或いはその組織がその一端を垣間見せたか、と思ったんだけれど、この航天要塞事件って結局のところ後ろで糸を引く者が別にいない単独叛乱だったの? 主犯となる二人の異常性と動機、そしてそれに協力していたレイラの話を聞いている限り、確かに単独犯なんだがそれにしては起こした事件が大きすぎていささか信じがたい側面がある。逆に言うなら、もしこれが本当に誰にも囁かれること無く彼ら独自の思惑で始めたことだというのなら、この大戦後の平和というものは相当に軋んできてしまっているのではないだろうか。思えば、皇帝ガスを打ち倒したという勇者たちの末路も今のところろくでもないものばかり。平和になったという割に、世情は明るさよりもどこか暗いものをはらんでいる。航天要塞“ソアラ”の起動に対する上層部の反応も、平和ボケしているどころか敏感を通り越して過剰な攻撃性を示していた。
泰平の世が訪れるどころか、むしろ乱を望むかのような気運がどこからともなく立ち上っているかのようではないか。
チャイカの存在は、まさに世界の方向を決めてしまう鍵そのものなのかもしれない。
しかし、なぜチャイカなのか。なぜ、彼女たちはある目的を達成するために自動的な装置でありながら、あれほど少女然とした人格と人間性を持って生まれたのか。生み出されたのか。
今のところ、彼女たちに逆らえない強制的な命令がくだされている様子は見えない。皇帝の亡骸を集めることへの拘りは、暗示を受けたようにも思えるが半ば以上自由意志のもとに行われているようにみえる。少なくとも、白チャイカについては。
つまるところ、最終決定は彼女たち自身に委ねられているのではないだろうか、と伺わせるほどにはチャイカたちは束縛されているようには見えない。白チャイカが、青チャイカに聞いた真実をトールたちにちゃんと話したのも安心材料。正直であることは疑心暗鬼を生むのを避けられるし、チャイカの拠り所が亡骸を集めることのみではなく、ちゃんとトールとアカリの存在にも寄っていることがわかったから。少なくとも、今の様子のチャイカなら、最後で優先するのはトールたちだと確信できたから。フレドリカも、何だかんだと今までよりも身近な仲間になってくれたようだし、今のところトールたちのパーティーはあんまり不安を抱えていない状態だといっていい。
むしろ、逆に危ういことになってしまったのは、あちらの方だろう。ジレット隊。
状況の変化はあちらとの協同を可能にするか、と思われたものの……いやいやいや、それはあまりにも予想外で、そんなあっさりと……嘘でしょ? これがもし本当だとすると、トールの対とも言えた存在をああもあっさりとああいう形にしてしまった決断には驚きを抑えきれない。事態が衝撃的すぎて、これが一体今後にどう影響していくのか、想像がつかないんだが。

榊一郎作品感想

棺姫のチャイカ 53   

棺姫のチャイカV (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 5】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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「…あれは―」美しい銀の髪と、紫の瞳を持つ『棺担ぐ姫君』チャイカ・トラバント。彼女が指をさす方角に浮かぶ、「塔」のような建造物。かつて『禁断皇帝』との大戦争で、最強無敵と呼ばれた魔法兵器。その名は―「航天要塞!」『禁断皇帝』の遺体を持つガヴァーニ公爵は、その天穹高く舞う城砦に住まうという。チャイカの望みを叶えるには、何人も侵入できない、絶死の要塞を攻略せねばならない。しかし、公爵を狙うのは、チャイカとトールたちだけではなかった!?天空を舞台に、今、三つ巴の激闘がはじまる。
フレドリカはあれだよね。なまじ強すぎる分、平気で攻撃食らっちゃうんだ。鎧装竜という素体に頼りきっている、というわけじゃなくて、戦闘に関する考え方というか概念が人間と根本から異なってるところがあるんですよね。トールたちと一緒に行動しているものの、仲間というわけじゃないからはぐれても気にしないし。とにかく、不意打ちだろうが先制攻撃だろうが、あっさりポコポコ食らってくれるので、この子は強いのは間違いないんだけれど、とても頼りにしちゃいけないんだろうというのがよく分かる。戦力に数えていると痛い目見そうだ。自力でなんとかせにゃなあ、と思わせるあたり、作中でも頭一つか二つは抜けて強いキャラクターが味方側にいるにも関わらず、うまく戦力バランスが崩れないように配慮してるんだなあ、と感心する。さすがはベテラン作家というところか、この辺りは。

さて……今回はよくよく注視してみると、もしかして初めてアカリが側に居らずチャイカとトールが二人きりの状況なんじゃないだろうか。少なくとも、これだけ長い時間アカリの茶々が入らず二人で行動しているターンはなかったはず。まあ殆どが航空要塞内部を駆け回っている展開に終始しているんだけれど、それでもアカリの素っ頓狂なボケが割って入ってこないと、結構トールとチャイカっていい雰囲気醸し出してるんですよね。特に色っぽいエピソードがあるわけじゃないんですが、むしろ特に二人きりを強調して両者の関係に踏み込むような意図的な展開を挟まない分、自然な二人きりの雰囲気がこれだけ良い感じになっているというのはちょっと意外な驚き。何だかんだと、主従抜きの仲間というか、男と女、という雰囲気を自然に出せるような関係になってたんだなあ。
こうなってくると、あれでアカリ、ちゃんとお邪魔虫として機能してたんだなあ、というのが判る。ふざけているようにしか見えないけれど、あれで真面目にチャイカと兄との仲に掣肘を加えていたつもりだったのかもしれない。
でも、あのアカリの素ボケとチャイカの天然合いの手にトールのツッコミ、というトリオ漫才が気に入っていただけに、アカリのいない状況はちょっと寂しかったり。早いところ合流して欲しいところだけれど。

今回の部隊は空中要塞編。なんともはや、これは趣味の領域だよなあ(苦笑
経済的な問題があるのはわかるけれど、こんなもん一地方領主に押し付けるなよw 戦後の微妙な時期にも関わらず、国の対応がえらい過激で迅速なのは驚いた。むしろ微妙な時期だからこそ、徹底的にという意識が働いたのか、上層部に何らかの動きが生じているのかが判別できないのはもどかしいところ。国側の騎士の兄さんのチームは、完全に現場の人間で上とか裏の思惑から切り離されてるから、動向が読めないんですよねえ。
フレデリカ自身も知らないようだけれど、鎧装竜を含む棄獣もガス皇帝にまつわる重要なキーワードになっているようだし、あの謎の女レイラの登場は、単に皇帝の遺体を集める第三勢力の登場というだけじゃない、大きなターニングポイントになりそう。

しかし、ホントフレデリカの能力は自在を通り越してフリーダムだよなあw まさか、中の人が居るとは。あれは真剣にビビったw

1巻 2巻 3巻 4巻感想

棺姫のチャイカ 4 3   

棺姫のチャイカIV (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 4】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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「本物―私!偽物―白い方!!」突如あらわれた真紅の少女は、そう言い放った。艶やかな銀髪と円らな紫の瞳を持ち、自分も“チャイカ”だと名乗る少女―チャイカ・ボフダーン。紅の彼女は、亡き『禁断皇帝』の遺体を探す『棺担ぐ姫君』チャイカ・トラバントと乱破師のトールたち一行に、蛇咬剣を振るい襲い掛かってくる。「父様の遺体。完全回収。そして―父様殺した奴等、皆殺し」紅のチャイカは自らの目的を告げ、トールたちの持つ『遺体』を力ずくで奪い取ろうとするのだが…。紅と白の“チャイカ”。宿命の二人がいま、巡り会う―。
こう言っちゃなんだけれど、チャイカ・シリーズを「創った」やつって、相当趣味入ってるよなあ。マテリアル・ライフル風の機杖は普及しているものだからともかくとして、蛇咬剣は絶対に趣味だろう。出なけりゃ、わざわざこんなよっぽど手馴れないと実用性に欠けまくるものを携えさせないでしょうに。これからどれだけ「チャイカ」が出てくるかわかりませんけれど、どうせどいつもこいつも普通の剣や槍は持ってないんだぜ、きっと。
という訳で、もう一人の赤いチャイカが登場したことで、禁断皇帝の娘である皇女「チャイカ」が白のチャイカ・トラバントだけではない、というのが明確になった今回。その誰もが遺体を集めていて、しかもチャイカ同士が敵対するような流れに仕組まれているのを考えると、チャイカを実の娘と考えるのはやっぱり難しそうだ。これ以前にも官憲に捕まって自殺したチャイカが何人か居ることを考えるなら、今も活動している「チャイカ」はそれなりの数にのぼるはず。こりゃ、やはり人造で生み出された存在、と考えるのが易しいな。しかも『遺体』を集めたあとの話もどうやら不穏の影が垣間見えてきた。現状を鑑みるならば、これって「蟲毒」の卦が強すぎる。最終的に生き残ったチャイカが皇帝として復活する、というのがパターンすぎる流れなんだが、これいかに。
とまあ、推察ばかり重ねても、実のところ大した情報が集まってるわけじゃないんですよね。八英雄と呼ばれる皇帝を殺した兵士たちも、彼らが一体どうやって実際に皇帝を殺したのか、その時何が起こったのかについても殆ど不明のままですし。推論を積み上げるための状況だけは増えて行ってますけれど、どれだけ状況証拠だけ重ねていっても今のところ根拠のない想像、にしかならないわけで……もうちょっと話進んでくれないかなあ。今回だって、ぶっちゃけ紅チャイカとの顔合わせだけで、ページの厚さのわりに話はさっぱり進んでないし。もっと整理すればページ数半分くらいで済んだんじゃないのかしら、と思えてくる。

ともあれ、紅チャイカという父帝を殺した連中への復讐を声高にはりあげる相手とめぐり合ったことで、結局トールの望むのは自分の力を活かせる乱世ではなかった、というのが示された話でもあったわけだ。彼の望みが乱世なら、それに一番合致するのは現在の世界秩序へ敵対姿勢を取ろうとしている紅チャイカの方なんですよね。紅チャイカもトールの事を気に入って、積極的にスカウトしてきた訳ですし、それに紅チャイカはちょっと厳しくて生意気で覇気も旺盛だけれど、基本的には白チャイカと同じくイイ子で、付き合うのに悪くはない主人だったはず。それなのに、トールが選んだのは父の遺体を集めて弔いたいというだけの白チャイカ。結局結局、彼は白チャイカを気に入っていて、彼女を守ってあげたいだけなのだ。彼女の想いを遂げさせてあげたいだけなのだ。乱世上等とは嘯いても、決して高望みをしているわけじゃない。どう見ても、トールは今で満足してますもんね。自分の力でチャイカを守ってあげられている、チャイカに求められている、それだけで充分満足している。今のトールはそれほど世の中に燻った想いを抱えているようには思えない。彼は、誰かに必要とされたかっただけなのかもね。……アカリは残念ながら、あれだな、優秀すぎたんだな。優秀すぎた上に、兄を過保護にしすぎたんだな。これで妹が無能で不器用でまともに金も稼げず困り果ててるような子だったら、トールはニートになんかならずちゃんと働いたと思うぞ。お兄ちゃんがいなかったら生きていけない、みたいに必要とされてたら、ね。それが、逆に何もしなくても養ってもらえちゃうくらいに妹が何でもできた上に、嫌味は口にしても何だかんだとダダ甘で追い立ててくる事もなかったら、そりゃあ際限なく腐るわ、ニートに甘んじるわ。私も甘んじたい!!
ダメ男属性の女の子なら垂涎の的だな、トールくんは。

表紙は一貫してチャイカで行くのかと思ったら、チャイカはチャイカでも紅チャイカという裏技で仕掛けてきたよ。これは良い意味でサプライズだった。まあ、紅チャイカは可愛いからな、うん。ああいう、機嫌の悪い気難しい猫みたいなチャイカも、それはそれで可愛いのです。ぽやぽやとしてのんきで天然な白のチャイカもそれはそれは可愛いのですが。結論、チャイカ・シリーズを潰し合わせようとか考えた人は完全に落第。チャイカ・シリーズは全部揃えて愛でましょう! とりあえず、あとはチャイカ・ブラック。チャイカ・ブルー。チャイカ・パープルあたりを所望。イエローとかグリーンは正直ビジュアル的にもキャラ的にも微妙な気がするので遠慮したいな!!

1巻 2巻 3巻感想

棺姫のチャイカ 34   

棺姫のチャイカIII (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 3】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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「む……胸!?」「先ずそれかよ」「豊胸。秘訣。是非教授」チャイカの“捜し物”を求めて旅するトールたちは温泉で休んだのも束の間、英雄がいるという『帰らずの谷』でジレット隊と衝突、全員崖から落ちてしまう――
ふーん、そうかー。今回のお話のテーマは『信頼』。そもそも今回は編集さんから絆が深まるお話にしましょう、みたいな提言があったらしく、それを踏まえて一本のストーリーを構築したそうですが、絆とは人と人との繋がりであり、その繋がりとは信頼を以て成立する。ならば『信頼』、すなわち人を信じるという事柄はそもそもどういうものなのかを、トールの視点に寄って掘り下げていったのが今回の話になるわけですな。
そも、人を信じるという行為はその人個人に立脚するものであり、ぶっちゃけ信じられる相手側からすると何の関係もないんですよね。それが、何故だか『信頼』が裏切られる結果となると、その責任は信じられていた人に押し付けられてしまうケースが多々見受けられる。その人を信じた自分の責任については、まるで存在しないかのように扱われてしまう。でも、それって思考停止の無責任じゃない? というのが、お話の意図するところですな。
「責任ある信頼」。今回の話のテーマであり、また作者の初めての長編シリーズ【スクラップドプリンセス】の没になったタイトル案でもあったというそれをして、榊さんは原点回帰したのかもと仰っているけれど、改めて作者のこれまでの作品を振り返ってみると、とりあえず自分の読んだ範囲での話ですけれど、物語の主格をなす登場人物たちは、皆常にこの「責任ある信頼」、人を信じるとは相手に預けちゃうのではなく、自分で背負うこと、を実践していたような気がします。或いは、それが出来ていなかった人がそれを身につけていく、という形の成長譚もあったよなあ。【イコノクラスト】や【ストレイト・ジャケット】も言わば「責任ある信頼」を身につけ構築していく話だったのかもしれません。
とはいえ、そんな常に物語の根底の柱の一本としてあったそれを改めて主題として話を書いたことは、やはり原点回帰というんでしょうな。
でも、実際はなかなかトールみたいな境地まで、信頼を深める事は難しいですよ。信じていた人に裏切られた時、それを諾々と受け入れられるのか。多分、最初から疑いもせずに信じてしまった関係なら、耐えられないんだろうな。何度も疑い、疑念を募らせ、それでもなおこの人なら信じられる、と覚悟した末なればこそ、たとえ裏切られてもそれを自分の判断の結果であり、責任だと受け入れられるのでしょう。
でもね、人に信頼をよせるのにいちいち「覚悟」まで要するなんて、やっぱりあんまり無いんですよね。人を信じるって、多分とても簡単な事なんだろうと思う。簡単で、そして何ら難しい事ではないのだ。だから、わざわざ「覚悟」なんて踏まえる必要を見出す人は少ないのでしょう。だからこそ、信頼を相手に押しつけず、自分だけで背負える人も少なくなってしまう。それに、裏切られ方によっては「覚悟」なんて容易に吹き飛んでしまいますものね。
トールだって、もし彼が見せられた裏切りが自分だけでなく、アカリをもすら破滅させるものだったとしたら。かつての八英雄の一人が狂う原因となった裏切りのように、それが自分以外の周りの親しい人をも巻き込む手酷いものだったとしたら、果たして受容できたかどうか。
うーん、でも類が他人にまで及ぶのなら、それは自分一人で背負う範囲を超えているのかもね。自分が信じた結果、報いを自分だけが受けるなら兎も角、周りの関係ない人間にまで類が及んだとしたら、それは信頼した自分が落とし前をつけなきゃいけないのかもしれないな。それが、信じた責任を果たす事とも言えるようにも思える。

うん、何にせよテーマをガリガリと掘り下げる分、じっくりと腰を据えて読めたのが良かったのか、何やら味わって楽しめたな、今回は。
案の定、フレドリカが手綱をとって操縦はできないものの、何とかパーティーの戦力となってくれそうな見通しは立ったのは、通常の態勢でのジレット隊にはどう足掻いても太刀打ち出来ない事が今回の戦闘で立証されてしまったトールたちからすると希望の光だよな、これ。いずれジリ貧になるとわかっていただけに、やっぱりフレドリカの参戦は大きいわ。ただその分、ボケ娘が三人になってしまい、唯一のツッコミ戦力であるトールの疲労度がパねえ事になってしまっているのは、これはもうご愁傷様としか言いようがない。ご苦労様である。圧倒的劣勢、ってやつだな。ある意味、対ジレット隊よりも分が悪そうだw

しかし、ツッコミ役のトールがいない場面だと、意外にもチャイカが抑え役に回るんだな。ってか、アカリってトールがいなくてもフリーダムなんだな、この義妹。でも、わりとあからさまに嫉妬やら自己アピールやら可愛い反応も見せてた気がする、今回。チャイカも反応見てると結構トールのこと意識しているみたいだし、のちのち甘酸っぱい展開とかもあるんだろうか。ちょっとは期待したいなあ、うん。

1巻 2巻感想

棺姫のチャイカ 24   

棺姫のチャイカII (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 2】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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「集める。それから。始まる」チャイカの望みを叶えるため、共に旅するトールとアカリだが、まず騎士ジレットから逃れる必要があった。そんなトールの前に、重要な情報を提供する少年、そして美麗な竜騎士が現れ……
気のせいか、一巻の時よりも背負っている棺桶おっきくなってませんか? 二巻の棺桶だと背負って歩けないぞ!
さて、このパーティー、忍者が二人に魔法使い(狙撃手?)というメンバー構成は明らかに戦力バランスが偏っていて、こりゃ壁役の前衛が参入しない事にはまともな戦闘ターンをこなせないぞ、と思ってたんですよね。暗殺や不意打ちといった不正規攻勢には長けたパーティーとも言えるんだけれど、あくまでそれは敵に対してアドヴァンテージを握っている場合だけ。顔割れして、追跡されてる状態だとなかなか長所は活かせない。本気で開き直って、追跡してくる部隊を個々に引き離して一人ひとり各個撃破して殲滅するくらいはできそうだけど。少なくとも何人か暗殺したら、向こうも警戒を解けなくなるから追撃も緩むだろうけど。いや、チャイカが隠密能力殆どないから難しいか。さらに、実行しても相手が本気になるだけだしなあ。
何れにしても、このまま追撃部隊を振り切る事が出来ないなら、壁役になれる前衛がいないと太刀打ち出来ないんですよね。だから、早いうちに仲間は増えるだろうなー、とは思ってましたが案の定、このへんはやはり堅実である。ただ、チャイカたちは半分犯罪者みたいなものだし、立派な目的があって行動しているわけでもないから、仲間になるにしてもまともな理由で加わるのも難しいし、そもそも人間的に健全な人というのはどうやら追撃部隊のジレット隊の方に作品的に集められてるっぽかったんですよね。トールたち一行は、別に悪人というわけじゃないんだけれど、平和になった世界に適応しきれずドロップアウトしてしまったアウトローみたいな役回りに位置づけられているようなので、仲間に加わるキャラクターも相応に平和になれないキャラなんだろうなあ、とは推察してたのですが……なるほど、そう来たか。

はい、さらに「ボケ」一人追加ーー!

すげえな、この作品。ヒロイン全員ボケしかいないぞ。天然でボケ倒すチャイカに、強行にボケ倒す義妹アカリの二人の話が通じないボケボケっぷりにあれだけ振り回されてたトールなのに、さらに天衣無縫のボケが加わったらこの兄ちゃん、過労死するんじゃないのか? 今でもわりと一杯いっぱいなのに。
しかし、チャイカ当人の謎はまったく明らかにならず余計に深まるばかりだったな。というよりも、ジレット隊が自分たちが追いかけている少女の正体に疑問を抱く描写を丁寧に挟んでいることからも、チャイカが単純にガス皇帝の隠し子、という事はまずないだろう。それどころか彼女の正体はこの物語の根幹をなすもののはずだ。
今出ている情報だけでも、幾つか想像は出来るけどね。帯のキャッチフレーズにもなっているトールのセリフ、
「俺の目的は、お前の目的を叶えることだ。我が主(チャイカ)」
これも、話の進み具合によっては重要なキーワードになる可能性もあるんですよね。チャイカにとっての目的は今のところ、父の遺体を集めて弔うこと、ということになっているけれど、将来それが変質したとき、「チャイカの目的」というものの何処にチャイカの主体をトールが見定めるか。トールにとっての主は誰かのか、というのが問われる事になった時、彼が告げたセリフ、彼女が受け取った言葉というものは大事になってくるはず。
まあこれは、想像が当たった場合ですけどね。まだ断定するには情報が少なすぎるし。
何れにしても、着実に下拵えは進んでいる感じ。キャラ同士の掛け合いも楽しいし、順当に面白かった。次の巻あたりでそろそろ本格的に話が動き出すのかしら。

しかし、アカリはなんでそんなに貧乳を目の敵にするんだろう。普通は逆だろうにw

1巻感想
 
12月3日

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