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樋辻臥命

失格から始める成り上がり魔導師道! ~呪文開発ときどき戦記~ 4 ★★★★   



【失格から始める成り上がり魔導師道! ~呪文開発ときどき戦記~ 4】  樋辻臥命/ えいひ GCノベルズ

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ライノール王国内の銀の流れを追う中でポルク・ナダール伯爵の陰謀を突き止め、王太子セイランの危機を救ったアークス。
その功もありセイランへ謁見することになったのだが、なんとそのまま王太子が興したナダール伯討伐軍への参加を命じられてしまう。意図しない初陣に戸惑うアークスだが……?

〈麒麟(チーリン)〉と謳われる王太子と廃嫡された少年――
二人の出会いが戦場(せかい)を変える。

セイラン殿下、正体隠す気ありますかー!? いや、アークスに謁見許した当初から戦場に到着したはじめくらいまでは、厳しい態度を崩さずに王族としての威厳を示していて、アークスにも現状では正体を明かす気はない、ちゃんと隠しますよ、というつもりがあったのはわかるんですが。
だんだん油断してきて、素の顔が出始めるんですよね。
自分で設置したはずの彼我を隔てる立て付けの壁を、ついつい自分で乗り越え気味に身を乗り出してしまうわ、思わず壁押しのけて「いつもの」距離感で接してしまうわ……。色々自分で台無しにしていましたよ、この子w
まあ戦場のさなかで戦況も佳境、色々切羽詰まった状況にもなっていて、セイラン王子としての仮面を被っている余裕もなくなっていた、というのもあるんでしょうけれど。いや、戦況そっちのけでアークスの見せた新魔法に、普段の魔法オタクっぷりを刺激されまくって場を弁えずに魔法論議を仕掛けてしまいそうになったり、と戦場の緊迫感とかは関係ないかもしれない。
でも、このポロポロとセイラン王子としての立ち居振る舞いを取り落していく、そこの微妙な止めどのない変化が良かったんですよね。ちょっとずつ、本来のこの子の顔になっていく、このちょっとずつの変化量が丁寧に見えたんですよねえ。
アークスの方も初陣ということで、殺し合いなんかは経験済みでも数千の兵士たちが激突する戦場の空気に当てられている状態では、普段の洞察力なんか発揮できるはずもなく、セイラン王子の違和感についてはまったく気づいている様子もなかったのですが。
次期王として、神子として、思わず膝を屈してしまうような王者としての威風、威圧感を纏うセイラン王子も、風格あるし大器を感じさせる佇まいでこれはこれでカリスマなのでしょうけれど、どこか非人間的な存在感が徐々に人間味を溢れさせてきて、見知らぬ魔法にはしゃいでしまったり自分の身を呈してアークスや近衛の兵を守ろうとする姿は、それが本来の彼女らしさでもあり、セイラン王子としての姿とは違う人を惹きつける魅力に溢れていて、これはこれでカリスマなんですよね。あの王にしてこの王子あり、というべきか。良く似た親子じゃないですか。
アークスが、心の底から忠誠を誓い、この人のために生涯を尽くそうと奮い立ったのは、そんな人間味溢れた方のセイラン王子だったわけですしね。
これまで、自分を出来損ないだと、失格者という烙印を押して排斥した両親を見返すため、ある種のネガティブな感情を原動力として頑張ってきたアークス。勿論、これまでの間に彼を支えてくれた人、信じてくれた人、共に戦ってくれた人、様々な人の助けや好意がアークスを奮い立たせ、彼らのためにという想いも育ち、決して仄暗い感情だけを燃料にくべて原動力としてきたわけじゃないのだけれど。それでも根底には、見返してやる、という想いがあったわけです。
でも今、そんな彼自身にとっての根源を塗りつぶす、上回る、光が灯ったのでした。それはまさしく、アークスにとっての人生の岐路だったのではないでしょうか。
この初陣で彼が手にした武勲は、彼の廃嫡の評判を今度こそ覆す大きなもので、あの魔道具開発に比肩する、いや功績を表沙汰になかなか出来ない魔力計よりも、誰しもが認める武勲である以上、それは彼の人生の岐路となるものだったのでしょうけれど、それ以上にアークスの心の赴く先が定まったことこそ、彼の人生を決定づけるものになったのではないでしょうか。
まあ、その対象となるセイラン王子の正体を知った時のアークスの反応がまた楽しみなのですが。

しかし、味方側の国定魔術師たちも、帝国側の最高幹部たちも、純粋な戦力としてはまだまだアークスが及びもつかない強大な存在である、というのが伝わってくる戦争パートでありました。
問答無用でアークスに自分の死を実感させる存在もさることながら、作戦面で王国側を手球に取る指し手もおり、今回はアークスもセイラン王子も崖っぷちを綱渡りするはめに。本気で命の危機を感じさせる連続王手の展開は、文字通りギリギリの瀬戸際で緊張感たっぷりでありました。
それでも、頼もしい人が味方に加わってくれたり、王子の股肱の臣として出世が約束されたような面もありつつ、やたら怪しい人に目をつけられたり、精霊チェインに面倒事を頼まれたり、と厄介の種は尽きぬようで、物語としての大筋でも結構ターニングポイントと成り得る巻だったんじゃないでしょうか。ともあれ、動きの激しい巻でもあり、面白いという感情を大いに揺さぶってもらえました。


失格から始める成り上がり魔導師道! 〜呪文開発ときどき戦記〜 3 ★★★☆  



【失格から始める成り上がり魔導師道! 〜呪文開発ときどき戦記〜 3】 樋辻臥命/ふしみさいか GCノベルズ

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アークスが発明した「魔力計」はライノール王国の各所で大きな成果を上げ始めていた。
しかし魔力計の増産に必要な物資「魔法銀」――その原料となる「銀」が不足してるという。
事態を解決するため、アークスはノア、カズィと共に王国の西に位置するラスティネル領を目指し旅立つのだが――

待ち受けるのは新たなる出会い、
張り巡らされた策謀で……?
魔力計の生産、国家機密の塊でその存在も伏せられ、製造についても秘されている以上、その秘匿にはよほど気を使わないといけないとはいえ、原材料不足を作成者のアークス自ら調達しないといけない、というのは大変というか負担大きすぎやしないですかね? と、思ってしまう。まあ国家事業とは言え、余計な横槍なしにアークスが魔力計関連については一切を取り仕切っているからこそ、なんだろうけど。
これまでも、諸外国の諜報の手は伸びていたものの、魔力計の存在についてもその詳細についてもなんとか防諜は出来ていたものの、ここに来て国境地帯が不穏になってきたか。
アークスが自ら調達に動かなくならなくなった国内における銀の流通の不安定化に加えて、小麦や塩といった必需物資までが各地領主の介入を越えて値上がりし、とここまで市場が不自然に動いていたらよっぽどぼんくらでなかったら王国中枢も絶対気づいているでしょう。一般生活に支障が出るくらい急激に市場を動かしてしまったら、拡声器使ってなにかやってます、て言ってるようなものですし。
一応、その動きの根本については隠していたようだけれど、それまでに某伯爵家が銀をかき集めていた、という事実がある以上はまず疑いはそこに向けられるのは自然なわけで。
実際、セイラン王太子による査察が入ろうとしていたわけですしね。ただ、伯爵側が戦争も辞さず、という覚悟で物資を掻き集めていただけに、王太子が領内に入るのは飛んで火に入る夏の虫だったとも言えるので、ちょっと危うい状況でもあったのか。
でも、伯爵が表で買い集められなく為った銀を、謀略使ってさらに集積しようとした際に雇ったメンツの質の悪さを考えると、伯爵もぼんくらではないんだろうけれど指し手としては脇が甘すぎて、所詮使う側じゃなくて使われる側だよなあ、これは。
ただ、ラスティネル側も本来この伯爵を監視する立場にある以上、彼の裏切りを見逃していたのみならず、領内での活動を許してしまっていた、というのは失態ではあるんですよね、確かに。
流通や相場の動きの不自然さには気づいてもその目的や根本まで辿れずにいた、というのはさすがに辺境領主に求めすぎだろうか。ルイーズさんは、見た目からしてまずぶん殴るタイプだしなあ。文治に疎いわけではなく、領内の経済をちゃんと把握し領主として統治もしっかりしているようなので、脳筋一辺倒というわけではないのでしょうけれど、それでも情報戦や諜報戦が得意なタイプとは間違っても言えないでしょうし。
しかし、ルイーズ・ラスティネル。ほんと見た目が凄い。ここまで歴然と女山賊然とした格好してる女領主はここまで来ると逆に珍しいぞ。しかもお母ちゃん。旦那さん、どんな人なんだろうと逆に気になってしまうくらい。
いや、こうしてみると全然貴族っぽくないんですよね。彼女だけではなく、領内の領主格の殆どが最前線を担う武門の豪壮さを垣間見せている。まあ、王都の貴族もあんまり貴族貴族していなくて、軍人や官僚という側面を強く見せていただけに、ライノール王国の貴族というのは貴種というよりも代々続く武家の一門、などという専門職の気風が強いんでしょうね。アークスの家も軍家として名高いわけですし。
さても、辺境の騒乱、ひいては国境地帯でせめぎ合う帝国との不穏な情勢の最前線に飛び込むことになったアークス。まさにここでタイトルの「ときどき戦記」のパートに入ったわけですな。
巻き込まれただけ、と言いたい所だけれど、この自体が起こる遠因となったのはアークスの魔力計の開発が深く関わっている上に、今起こってる激しいアンダーグラウンドでの鬩ぎ合いの中心はまさに魔力計の情報に関することだけに、アークスが無関係に巻き込まれたとは言えないんですよねえ。
まあ魔力計の開発者がアークスだという事は未だほぼ秘匿されているだけに、巻き込まれたのは偶然は偶然なのでしょうけれど。
しかしここで国王陛下と師である伯父と深い因縁を持つ歴戦の魔導師と出会うことで、アークスは今までで最大の敵と対決する事になるのである。
ノアとカズィと三人がかりですら圧倒できず、という格上と戦ったのはこれが初めてだったんじゃないだろうか。威力と革新性を、技量と経験値で払われたという感じで、本物の歴戦の魔導師相手の魔術戦はここまで深い読み合いと捌きあいになるのか。今までここまである意味噛み合った魔術戦が成立することがなかっただけに、彼との一戦は非常に見応えのあるものでした。
でも、お互いまだ命がけでの殺意コメての戦い、というわけではなく様子見の段階でもあっただけに、さてお互い退けない状態での戦いとなればどこまでのものになったのやら。

ここに来て、アークスも初めて同世代の男の子の友人、みたいなものと出会ったわけですけれど……男ですよね? 見た目じゃわかんないんだよなあ。性格的にも快活でわんぱく真っ盛りといった元気な男の子なのですけれど、その母親があの女山賊だけにわっかんないんだよなあw


失格から始める成り上がり魔導師道! ~呪文開発ときどき戦記~ 2 ★★★☆   



【失格から始める成り上がり魔導師道! ~呪文開発ときどき戦記~ 2】 樋辻臥命/ふしみさいか   GCノベルズ

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現代知識と様々な工夫をもとにアークスが作り上げた「魔力計」は、これまで不可能とされていた「魔力の正確な測定」を可能としたことで、医療や軍事の分野に革新をもたらすことが明らかであった。自らの知らぬところで、王国上層部の間で存在感を増していくアークス。やがてひとつの発明が―世界、そしてアークスの運命を少しずつ変えていく…!現代知識×魔法=無敵!!!!爽快異世界ファンタジー!!

魔力計って地味なように見えるけれど、産業構造を根本からひっくり返すという意味でまさに世界を変えてしまう発明なんですよね。下手をすると中世から近世に時代を進める可能性すらある発明なわけだ。軍事や医療という限定された分野への革新どころじゃないよなあ、これ。
当然、国の上層部や国定魔導師たちはその重要性を正確に把握していて、瞬く間にこれを発明したアークスは時の人に……、とはならず。あまりに重要すぎて、大々的に発表なんて出来ない状況に。
それでも、アークスの功績は魔導師なら誰でも評価するもの。彼の名は知る人ぞ知る超重要人物となっていく。
こうなると、なんでこんな天才児を廃嫡なんてしたんだ、という話になるわけで。これ、魔力計の件が最重要国家機密となり公には伏せられたことで、アークスの父であるジョシュアは首の皮一枚つながった、という事なんだろうか。まあそれも公表されるまでのこと、となりそうだけれど。
ただジョシュアも決して無能な人物ではないんですよね。それどころか、軍関係者の中では一目置かれるほど有能な人物であるし、彼の兄である溶鉄との兄弟関係を見ると情の薄い人間でもないように見える。それだけに、彼があれほど意固地になって魔力量が足りないというだけでアークスを目の敵にして廃嫡した頑なな姿勢には違和感があるんですよね。それが、レイセフト家の家訓だったとしても。
ジョシュアがそこに必要以上にこだわっているのは、弟である彼自身がレイセフト家の当主となり、兄が家を出ている事も大きく関係しているのだろう。これで兄弟いがみ合っているかというと、むしろ仲が良いという風にすら見える関係なんですよね。この複雑な兄弟関係の結果、ジョシュアが当主についているという事実そのものが、彼を何らかの形で縛り付けているようにも見えるのである。
今となってはジョシュアとアークスの父子関係は完全に決裂し、アークスは父への恨みを隠すことなく、父は息子への憎しみを抑えようともしていない。この親子関係が今更和解へとこぎつける事はないように見えるのだけれど、何らかの形でお互い納得する決着を迎えてほしいものである。
不幸中の幸いは、レイセフトの次期当主として育てられている妹のリーシャが今なお兄アークスに絶大な信頼と尊敬を抱いて、彼の真の実力を誰よりも信じているということか。
それがアークスをレイセフト家から完全に離れることを防いでいるとも言えるし、普通に見たら稀代の天才魔導師の道を順調に歩んでいるリーシャに、慢心や増長を許さず常に兄を意識して研鑽を怠らないというパワーアップ要素にもなってるんですよねえ。
その意味では、アークスが廃嫡されたお陰で婚約が破棄されてしまったシャーロットが一番割を食ってしまっているのか。とはいえ、廃嫡されたあとに助けられて親しくなったのだから、もし婚約者のままならと歯噛みするのも可哀想だけど仕方ない。でも、アークスの功績を考えると新しく家を起こせる可能性も高いみたいだし、改めて婚約という道もあるんですねえ。その前に王族の嫁がねじ込まれそうなのだけど、完全にそれに該当する娘さんがいますねえ、はい。

しかし、下手にえらいもんを作ってしまったお陰でその製作に追われるハメになるアークスくん12歳。現代日本なら義務教育の年齢で既に書類に埋もれて悲鳴を上げるブラック環境でのお仕事三昧である。まだまだ背伸びしたくて子供じゃないと言い張る年頃にも関わらず、アークスくんは自分子供だからアピールに余念がなく、そして誰も子供扱いしてくれなくて涙にくれる日々。
そんな時に、精霊ガウンから名指しで仕事のお手伝いをたのまれ、夜の王都を走り回ることになる。死の精霊であるガウンがアークスにああいう親しい態度を取るのは、アークスが転生者であり一度死を経験していることからなのだろうか。明らかに他の人とは接し方違いますもんね。見知った人には親しい態度をみせるガウンですけれど、アークスへのそれはちょっと種類が違う感じでしたし。
ガウンの依頼はちょうど、アークスの作った魔力計にも関わる事件だっただけにアークスも積極的に、って結果的にそうだとわかっただけで最初から積極的に協力はしていたのですけれど、スゥにシャーロットにリーシャとヒロインが全員出揃う今まで何気になかった展開でしたね。やっぱりこの三人がメインヒロインなんだなあ。
魔力計の開発や、それを狙う海外勢力との防諜戦で辣腕を見せたアークスに、否応なく国内外を問わず注目が集まり始める。魔力計とその開発者については入念な秘匿がされているものの、知る人は知っているし海外の要人も抜け目なくその優秀さを見逃さずに目をつけだしている。
これだけ存在感を示してしまうと、ただ茫洋と才能を垂れ流しにしているだけでは済まなくなってくる。今までは自分を無能扱いし、家族であるにも関わらず無慈悲に切り捨てた両親を見返すために奮起してきたわけだけれど、こうなってくると具体的な目標を先々に立てないと進むべき道を迷い出すはめになる。真剣に自分の将来像を考える時期が訪れようとしているのだろう。ただ、今の所は親を見返す手段というだけではなく、ただ好きなこととして魔法の開発を嬉々として勤しんでいるわけで、そこに明確な目的意識を持たすにはまだ彼には体験スべきことがたくさんあるのだろう。
それは、先々に波乱が待っている、とも言えるのでしょうけれど。


失格から始める成り上がり魔導師道! ~呪文開発ときどき戦記~ 1 ★★★★   



【失格から始める成り上がり魔導師道! ~呪文開発ときどき戦記~ 1】 樋辻臥命/ふしみ彩香 GCノベルズ

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生まれ持った魔力の少なさが故に廃嫡された少年アークス。
失意のある日、夢の中で「違う世界の男の人生」を追体験したアークスは、そこから得た知識がこの世界では不可能とされていた数々の魔法や技術を実現するための鍵となることに気がつく。
自らを無能と蔑んだ人々を見返すため――一度はすべてを失った少年が、異世界知識を武器に立ち上がる!
オーバーラップ文庫【異世界魔法は遅れてる!】の樋辻臥命さんの新シリーズ。今回は完全に異世界です。序盤は生まれ持った能力の低さから実家から虐げられて、とオーソドックスな展開なのですが、それを踏まえても面白い。こういうところに如実に腕前が出るんだよなあ。
アークスの場合は実はチートでした、という展開ではなく魔力の低さを努力と発想で補っていくパターンなんですね。それも、我流だけではなくちゃんと国でも有数の実力者である伯父さんに師事する事で魔導師としての土台となる部分を鍛えて貰っているわけですから、堅実でもあるんですよね。
しかし、廃嫡されながらも家を追い出されずに実家ぐらし、というのはこれ辛い環境なのかそれとも家追い出されないで幸いなのか判断しづらい所ですよね。両親のアークスへの態度が本当に酷いので、それをずっと味わわなくてはいけないというのは辛いは辛いのですけれど、衣食住は保証されていますしねー。伯父さんが引き取ってくれるのかとも思ったのですが。
ただあの親父さん、偏狭なろくでなしなのかと思ったら武官としては本当に優秀らしく一角の人物であるのは間違いないようなので、どうしてああなってしまったのか。伯父さんの話でも昔はもうちょっと違ったみたいなのですけど。
それに、新たに後継者に選んだ妹のリーシャ。この娘は本当は戦死した叔父の娘で従妹にあたるので両親からすると実の子ではないのだけど、ちゃんと実の娘のように愛情込めて育ててるんですよね。家の後継者だからと機械的に、或いは高圧的に、子は親の道具と見なして、みたいな感じで育成している様子もないですし。
リーシャが危ない目にあった時も本気で心配して怒ってましたしねー。いや、なんでこういう親御さんが、アークスに対しての態度があれほど豹変してしまったのか。ちょっと謎ですらある。
そういうちゃんと愛情を持っている相手から捨てられる、悪感情ばかり向けられるようになるというのは子供心に傷つかないはずもなく、絶望と哀しみの果てに見返してやると反発心を糧にアークスは奮起するわけですけれど、それでも完全と決別できないまま憎み切る事も恨み切る事も出来ないまま引きずり続け、時々胸を痛めている姿がまたけっこう来るんですよね。
そういう複雑な想いを抱えている子だからこそ、主人公としても色々と思い入れが出来るのでしょう。

さらに面白いことに本作では主人公の右腕左腕となる人物がキャッキャウフフなヒロインではなくて、頼りになるなかなかいい性格をした兄貴分二人なんですよね。いやこれが二人とも個性的で愉快なキャラで、アークスとのコンビあるいはトリオでのやり取りがホントにノリよくいい感じなので凄い好きな組み合わせになったのですけれど、なかなか珍しいのも確かだよなあ、と。
一応は主従という関係に当たるしその辺尊重はしてくれているのですけれど、それ以上にこう二人ともイイ性格してるんですよね。特に執事の兄ちゃんはかなりぶっ飛んでてトリックスターな側面も持っているようで。巻末の幕間を読むと一筋縄ではいかない来歴の持ち主のようで、あれだけネガティブだった人がどうしてああなってるんだ?と思うところもあるのですけれど。
もうひとりの方も強かと言うか世慣れしているというか、あれで相当に苦労性っぽくもあるので破天荒な主人と執事の後始末役に回りそうで今から可愛そうな気もするのですが。
でも、二人とも従者というよりも年上の兄貴分という雰囲気を持ってるのがなんか好きなんですよねー。
ヒロインは妹のリーシャを含めて、許嫁だった貴族令嬢の子と同じ魔導の同好の士であるスウの三人が基本路線でしょうか。何気に全員、性格イケメンな気がするぞ。リーシャも穏やかで優しい貴族の娘さんになってるけれど、あれで武官の娘として凛として悪意に屈しないシャープな強さを持っているみたいだし、許嫁の子はあれもう武士みたいだしw
最後のスウに至っては色んな意味で怖いものを抱えているみたいで、食わせ者どころでないヤバいアレでしょうアレw

伯父さんを筆頭に、大人連中も何気に面白そうな要素をたくさん抱えていて一筋縄ではいかなさそうなんですよね。固定魔導師、ちゃんと全員設定があるようでこういうの私も大好物です、はい。
ただ、主人公にしてもヒロインにしても年齢もうちょっと上、中学生相当でも特に話の進行上不都合なかった気もするんですよねえ。これから作中でも何年も費やす予定があるから今から低めに見積もっている、という事なのかも知れませんけど。
ともあれ、色々と盛りだくさんな要素がたっぷりでこれはシリーズ進めば進むほどもっと面白くなるタイプの作品であるのがひしひしと伝わるだけに、これからが実に楽しみです。

樋辻臥命作品感想

そして黄昏の終末世界<トワイライト>2 ★★★☆   



【そして黄昏の終末世界<トワイライト>2】 樋辻臥命/夕薙 オーバーラップ文庫

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シスカ社へ潜入し、信頼を勝ち取れ!

東雲冬夜は『刻の黄昏』に巻き込まれ、如月御姫と共に魔人『ペイガン』を退けた。
そして冬夜は、御姫が発症した吸精病を隠しつつ、シスカ日本支社の終末化特別対策室の面々と接触を果たす。
そこでクラスメイトの古道いつきも対策室に所属していることが判明。
自身の目的と御姫の発症を隠し通すために、対策室への加入を申し出た冬夜は、御姫と同じ第一隊へ編入されることに。
すぐに非凡な力を示し始める冬夜だが、加入に納得できないといつきに勝負を挑まれてしまい――!?
「異世界魔法は遅れてる! 」に通ずる現代神秘ファンタジー、第2巻!

対策室に加入しようという冬夜の文言が、何も知らない一般人が正義感とか義侠心だけで突っ走ってる危なっかしい輩のそれとだいたい一緒になってしまっている件について。
いやいや、見過ごせない、自分に出来る事があるなら手伝いたい、って無知で自分が置かれている現況をちゃんと理解していない思い込みの激しい男の子が言うとこっ恥ずかしいくらい青い主張なんですけど、冬夜ってばこれ自覚して言ってるのかしら。対策室の人から見たら、まんまこれなんですよね。一瞬みんな何言ってんだこいつ、となるのも無理はないでしょう。
いつきが後々まで突っかかってくるのって、冬夜という人間の実情と傍から見た時の齟齬から来てるとも取れるんですよね。
冬夜としては、対策室に入るのは御姫の吸精病をカバーするためと、自分の仇がシスカ社にいるらしいのを調査するため、という確固とした理由がありつつそれを説明できないが故の表向きの理由という体であり、同時に本心も混じっているという主張なんだろうけど、上記の通り変に青い主張になっててしまってて、いやいやもう少しこう何か良い言い訳があったんじゃあ、とついつい苦笑してしまいました。
これ、作者側としてはわざとなんでしょうけどね。
本来ならド素人の一般人が色々やらかしてしまったり、または思わぬ才能を見せて云々という展開なのが、冬夜自身が『刻の黄昏』という現象にまつわる話は全く知らなかったものの、神秘に携わる側の人間でありなおかつ歴戦の騎士という来歴の持ち主であるために、定番の展開となるはずのところに妙なエッセンスが加わって常とは異なるノリと味わいの展開になってくんですよね。そのへんのギャップが妙に楽しくて。そういうところが狙い目だったのかな、と。
冬夜くんてば、自身がオリジナルのサクラメントを保有している事や出自なんかは隠そうとしているくせに、神秘側の人間であることとかサクラメントが使えることとか素人じゃないの、全然隠そうとしないんだもんなあ。素人だと思って採用したら一流のプロでした、てなもんだから上司の人たちが嬉しい悲鳴をあげるのもよくわかります。ただでさえ人員不足でのたうち回ってて、苦肉の策で自分売り込んできたやつ使ってみたら、バリバリ第一線のヤツだった、とか色んな意味でたまらんでしょうに。
戦場帰りとも知らずに素人が粋がって死ぬかも知れない戦場で戦う覚悟を問うてやる、とつっかかってくるいつきくんが、この場合的外れすぎてちょっとかわいそうですらあるんですが。
いや、いつきからすると冬夜はクラスメイトだし『刻の黄昏』についてなんにも知らないし、ド素人が粋がって、となるの当たり前じゃないですか。冬夜はあれ、どこか天然でわかってないところもあるので仕方ないかも知れないけど、御姫あたりが教えてあげたらいいのに、とか思ったのですが御姫は御姫で自分と冬夜の事で色々と一杯でそういう余裕なかったか。ポンコツと思い込みの強さという意味では、御姫は追随許さないことになってるからなあ。この女、エロ妄想が激しすぎる。
それでも、冬夜が自分を助けた事で自分が想像していた以上のものを背負い、責任を請け負う覚悟を持っていた事に気づいてしまったら、平静では居られなかったのでしょう。ただ命を助けた、吸精病の事を秘密にしてくれた、だけでは済まない事になってしまっていましたからね。
しかし、冬夜の方もこれだけ運命共同体として御姫に対して責任を請け負ってしまって大丈夫だったのだろうか。冒頭の回想にもあったように、彼もまた敵討ちという所業に正義ではなく業を背負ってしまってる。その果てにあるのは自分もまた仇討ちという名の殺戮の報いを受ける末路だという覚悟もしているわけだけれど、彼の死がそのまま御姫の死となってしまった中で粛々と報いを受け入れることが出来るのか。まあ、御姫の方は何があろうとどうなろうと、冬夜の報いに喜んで付き合うのだろうけど。
一日の時間が24時間から23時間になり、冬夜を除いて誰もがその事を忘れてしまっている、という設定、これが今後最重要のポイントとなりそう。秘跡狩りなど次回へ続く伏線もぶっこんできたし、立場も確立できたので次回以降ガンガン動いていきそう、楽しみ楽しみ。

1巻感想

異世界魔法は遅れてる!8 ★★★☆  

異世界魔法は遅れてる! 8 (オーバーラップ文庫)

【異世界魔法は遅れてる!8】 樋辻臥命/猫鍋蒼 オーバーラップ文庫


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最強の現代魔術師 VS 七剣の頂点!

ネルフェリア帝国へ侵攻する魔族軍を退けた、現代日本の魔術師・八鍵水明。
因縁の敵との邂逅を経た水明は、ついに親友の遮那黎二に現代魔術師であることを打ち明ける。
驚く黎二と一旦別れ、帝都に戻った水明を待っていたのは――水着でプール!?
英気を養った水明は、アステル王国ハドリアス公爵邸で消息を絶った勇者エリオットの救出へ向かう。
魔術で密かに公爵邸へ潜入し、事件の真実を暴くべく立ち回るが、その果てに思わぬ人物――異世界最高の剣士“七剣"の第一位と対峙することになり……!?
異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、端緒を拓く第8巻!
やっぱり水明くんと黎二の親友関係って好きだなあ。黎二って、いわゆる性格的に遊びの少ない面白みのあんまりない主人公タイプだと思うんだけれど、それが水明くんと水樹の三人一緒だと年相応の稚気と気の置けない関係特有のノリの良さを見せてくれるんで、ほんといい関係なんだな、というのが伝わってくる。水明くんもあんな風にふざける姿って黎二たち相手にしかあんまり見せないですもんね。レフィールたちと一緒にいるときもそれはそれでリラックスはしているんだけれど、黎二たちと居る時のそれとはまたちょっと違うんですよねえ。どっちがどうというわけじゃないんだけれど。
水明くんが黎二たちに魔術師としての自分を教えたくなかったというのは、彼らの身の危険もそうなんだけれど、レフィールたち相手にしている時の水明くんがあくまで魔術師であるというのを前提としているのを見ると、そういうのを抜きにしてまっさらの状態で付き合える相手として黎二たちはほんとに掛け替えのないものだったのでしょう。サクラメントを手に入れてしまったことで、否応なく元の世界に戻ったとしても魔術師たちの世界と関わることになってしまった黎二に、真実を知らせるのは仕方のないことだったのでしょうけれど、それでもまったく以前の関係と変わらなかったというのはむしろみているこっちの方がホッとしたかもしれない。
黎二がサクラメントと繋がることでパワーアップする一方で、女神の干渉という傍から聞くと明らかにやばい侵食めいたものを想起する単語が飛び交っているのだけれど、水明くんそっち関係は調べるつもりないんだろうか、ってか気がついてないんだろうか。水明くん当人も異世界というフィールドの違いからか、魔術師としての全力をまったく出せていないそうなので、自分の力を取り戻す方に意識が傾いているのだから仕方ないのかもしれないけれど。考えることが色んな方向に多すぎるんですよね。
それでも、元の世界に戻れるようになった、というのは非常に大きいように思う。ってか、向こうの仲間引き入れて、という展開もあり得るんですわねえ。間違いなく元の世界にも現地妻的な外国系の女子がいるみたいですしw
次は現代編、ということでこういう展開は凄く楽しみ。一方でハドリアスは実際ちゃんと機会を見つけて一発殴ってほしいものである。

シリーズ感想

そして黄昏の終末世界<トワイライト> 1 ★★★☆  

そして黄昏の終末世界<トワイライト> 1 (オーバーラップ文庫)

【そして黄昏の終末世界<トワイライト> 1】 樋辻臥命/夕薙 オーバーラップ文庫

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―終わりは、すでに約束されている。人類は予言された終末に抗うため、人知れずその要因『刻の黄昏』と、内部に現れる魔人『ペイガン』と戦ってきた。そんなことが世界の裏側で繰り返されるなか、日本の高校生・東雲冬夜は突如異変に巻き込まれ、刻の黄昏に迷い込んでしまう。刻の黄昏でペイガンに襲われた冬夜は、終末と戦う少女・如月御姫に助けられ、事なきを得る。翌日、冬夜が御姫から異変について説明を受けていると、再び刻の黄昏が発生。御姫はペイガンを倒しに飛び出すが、なぜか一介の高校生である冬夜の手にも、普通の人間が持ちえないはずの超常の武器・サクラメントが握られていて…!?
現代異能モノというよりも、往時の現代伝奇ものを想起させてくれる作品でした。最近、意外とこの手のガッツリ凝った伝奇テイストのものは多くはないですからねえ。作者の処女作が元のベースだそうですけれど、ある種の年代が感じられるのもそのせいかもしれません。
そして、作者の同じ作品の【異世界魔法は遅れてる!】シリーズとどうやらリンクした世界観の模様。リンクしていると言っても、あっちは異世界なのですがあっちに強制転移させられた主人公が実は現代地球で活躍していた魔術師で、という設定だったんですよね。で、どうやら地球サイドにもかなり分厚い設定があった模様でそっちの話も読みたいなあ、と思っていたので本作はまさに期待に応えてくれた作品といえるのかもしれません。と言っても、あっちの主人公・水明くんが所属していた魔術組織やその周辺からは関係ないとは言わないまでも離れた舞台となるようで、水明くんの回想に出ていた仲間たちの出番があるかどうかは不明だけれど、少なくともメインからは程遠いようだ。
主人公と言えば本作の主人公である東雲冬夜。彼ってあらすじ見てると全くの一般人としか読めないんだけれど、これってあらすじ詐欺じゃないですかぁ。お陰でプロローグの話から本筋始まったとき主人公に対する思い込みから少々混乱してしまいました。でも、この一般人のように見えて実は、というパターンもTYPE-MOONの作品なんかでは定番もいいところですし、異世界転移みたいに後から能力が付与されるような機会など滅多無い現代伝奇モノだと、むしろ最初から主人公も異質の側でないとなかなか話に追いついて行き辛い面もあるのでしょうなあ。冬夜の場合は巻き込まれ型、というには彼は彼で頭までズブズブに浸かってる現在進行系の深い事情があるのですが、考えてみると作中でさり気なく宣言されているとおり、冬夜くんはたった一人の女の子のために、それらすべてを放り捨ててるんですよねえ。プロローグで見せた狂気にも似た喪ったものへの執念を思うと、投げ捨てた人生をさらに投げ捨ててるようなものなんですよね。
古典的な、というとちょっと違うか。あり得るべき理想の騎士像を体現してるなあ。実際は騎士どころか王子様なのですが。
ほら、御姫さん。ご希望の白馬に乗った王子様ですぞw
そんな王子様が手を差し伸べるお姫様の方は、これがまた実にポンコツ臭の漂う残念クール美人で。学校じゃあ涼やかな品行方正の委員長という猫を被りながら、その素の顔はというと早とちりしたり注意不足だったり結構けたたましいおしゃべりだったり、と本人が理想としている姿と実体がやや乖離しているポンコツさが、でも愛嬌になってて親しみやすく可愛らしいんですよ。実戦となると覚悟も定まっててちゃんと凛としているし。
だからこそ、色んな意味で彼女を「汚して」しまうのはそれなりに衝撃的でした。あれ、本当に殺っちゃってるんですか。てっきり勘違いの類いかと期待しながら先まで読んでいたのですが、結局そのままでしたし。
こうなると、どうしたって彼女の魂には罪業の傷がついて、陰がつきまとって払われる事は難しくなるでしょうし、冬夜が負った代償も含めて今後の雰囲気って相応にダークサイドに寄っていくことになるのでしょうか。
そうなればそうなったで、一蓮托生となった冬夜と御姫の関係に共に闇に堕ちる的なインモラル感が漂ってくるので、それはそれで雰囲気が出て良き哉、なんですが。
冬夜が気づいた世界の異常も、単に『刻の黄昏』に関わることになった人間の共通認識なのかと思ったら、全く予想と違った展開に転がってしまって、いわゆる「今、世界に起きている謎」についての探求も物語の進行に組み込まれ、正しく役者が揃い舞台が整った、という体の一巻でした。いや、役者についてはまだ全然揃って無くて、メインの二人をがっつり舞台にあげた、というところなのかもしれませんが。
ってか、何気に冬夜の悪友の彼も謎なスペックですよね。あれ、一般人なのか?

樋辻臥命作品感想

異世界魔法は遅れてる! 7 ★★★★   

異世界魔法は遅れてる! 7 (オーバーラップ文庫)

【異世界魔法は遅れてる! 7】 樋辻臥命/ 猫鍋蒼 オーバーラップ文庫

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最強の現代魔術師 VS 最強の中二病!?

親友の英傑召喚に巻き込まれ、異世界に転移した現代の魔術師・八鍵水明。
幼なじみの朽葉初美を襲う普遍の使徒との邂逅を果たした水明は、ネルフェリア帝国にて遮那黎二と合流し、二人で覚醒した安濃瑞樹――否、九天聖王イオ・クザミに頭を悩ませる。
次いで知らされた、魔族による帝国への襲撃。参陣しようとする水明だったが、帝国十二優傑に難色を示されてしまう。
リリアナ、イオ・クザミと共にやむなく模擬戦を行うも、なんなく力を認めさせ、魔族を迎え撃つ水明だったが、そこへまたもや普遍の使徒が姿を現し……!?
異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、炉心を灯す第7巻!
イラストレーター交代で、再スタートということになったようで。一時期は打ち切りかという話も出てたようなので良かった良かった。個人的にもキャラデザインはこっちの方が好きですなあ。リリアナのマスコット的な可愛らしさとちびっ子化したレフィールの愛らしさが実に素晴らしい。瑞樹ももっと野暮ったい感じだったんだけれど、普通に可愛いじゃないですか。赤いマフラー、指ぬきグローブ、オッドアイという中二病三拍子を揃えた格好ですけれど、黒ストと服装のおかげか普通に可愛いんだよなあ。リリアナのあのゴスロリ帽子もいいアクセントですし、女の子の衣装の描き方がなかなか好みなのでした。
と、ビジュアル面でもようやく充実してきましたけれど、キャラクター描写の方も巻数七巻に至ってそれぞれいい具合に成熟してきたというか、溌剌と動き出した感があるんですよね。黎二パーティーの方も安定……というか、姫様中心にはっちゃけてきましたし。グラツィエラもちょろかったなあw
瑞樹があんなことになってしまって、水明と一緒に振り回されてヘトヘトになってる黎二くんだけれど、そっちにかまけているうちに姫様の方もいい具合にぶっ壊れてきてますよ、うん。まあ、タラシな黎二くんが悪いんですけれど。いや、実際いい子だからなあ、黎二くん。捻くれ者で若干面倒くさい水明くんに対比するように素直で真っ直ぐで熱いもう一人の主人公をきっちりこなしてますし。やや道を過たないか心配なところもあるのですけれど、いや大丈夫か。そう思えるくらいには安定感というか信頼感がある人格ですし、今回の力不足な自分に対する行き詰まり感の打破の仕方も変に淀みを溜め込まないものでしたし。
水明くんと一緒に瑞樹の黒歴史現在進行形に振り回されてげんなりしている姿は愛嬌あって、良い友達同士だなあという雰囲気も伝わってくるだけに、このままもう一人の主人公として真っ当に成長していって欲しいものであります。
しかし、これもうさすがに黎二に魔術のこと秘密にしておくのいい加減無理というか、もう隠す気無いだろうというくらいぞんざいに振る舞ってないか、水明くん。まあ、そろそろ覚悟決めたみたいだけれど。
戦闘シーンは相変わらず魔術のロジックや描写が凝っていて読んでいて楽しい。リリアナとフェルメニアの強化がもう半端ないことに。特にフェルメニアなんか登場の時の白炎でござい、と調子乗ってて鼻っ柱見事にへし折られたころのショボさが微塵も感じられないパワーアップっぷり。明らかにこっちの世界の魔法使いとは隔絶した段階に至っちゃってるしなあ。
とは言え、早々無双無双とは行かないわけで、魔族とは別にインルーのような別の思惑で動いている勢力や、ついに水明くんの対称となる敵キャラが出てくるわけで、主人公と敵の二筋だけで物語が構成されるのではなく、様々な思惑を持つ勢力が入り組んだ情勢になってきたのは先の展開が混沌としてきて、物語としてもワクワクさせてくれるものになってきたんじゃなかろうか。
個人的には、水明くんの現代地球における魔術師時代のご同輩が気になるところなのですが。なかなかに個性的な面々が、かなり設定彫り込まれて隠れていそうなだけに、何らかの形で出てきてくれると嬉しいのですけれど。

シリーズ感想

異世界魔法は遅れてる! 6 ★★★☆  

異世界魔法は遅れてる! 6 (オーバーラップ文庫)

【異世界魔法は遅れてる! 6】 樋辻臥命/himesuz オーバーラップ文庫

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龍人のインルーに襲われた八鍵水明と朽葉初美。インルーの目的は諸国から勇者をさらうこと。転移前の世界での知識をもとに立ち向かう水明だったが、一筋縄ではいかず苦戦を強いられてしまい―。かたや黎二たちは、かつての勇者が使ったという伝説の武具・サクラメントを入手する。その武器はどうやら黎二たちのいた世界の神秘が鍵となるようで…!?解き明かそうとした瞬間、サクラメントを狙った魔将・イルザールに襲われてしまう。窮地に陥る一行を救うため、瑞樹は自らの潜在能力を解放する―!!異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、睡臥より覚める第6巻!
瑞樹、その潜在能力は解放しちゃだめーー!! 想像していたレベルどころではなかった瑞樹の中二病の症状の重さに爆笑してしまった。いや、実際はそう簡単な話じゃなかったんだけれど、黎二くんや水明の反応を見てると、過去の彼女もこれと同じ以上のレベルでやらかしてたわけなんでしょ? これはもう、知られたら生きていけないレベルの重症さだよ! 黎二くんも、そっちの素養は無いにも関わらず、ずっとこの瑞樹と付き合ってきたわけですから、尊敬に値するわー。この三人組で瑞樹が一番のトラブルメーカーだった、というのは何とも微苦笑を誘う関係で。でも、黎二も水明も3割と1割の確率でトラブルの原因になってたわけだから、三人して随分と賑やかなコンビだったんだなあ。ただ、役割分担もできていて、何より実に楽しい時間を共有している関係だった、というのは今回のエピソードを通じて何となく実感できた。水明がこの二人のことをどれだけ特別に思っているのかも。
すなわち、黎二くんと瑞樹こそが水明の逆鱗でもあるんだよなあ。件の怪しい動きをしている連中、普遍の使徒か。とりあえずの狙いを黎二に定めつつあるけれど、さてそれが地雷になるのか否か。今のところ、召喚された勇者の中で黎二だけが圧倒的にド素人で力がないんだよなあ。その分、白紙のキャンバスのようなものでここからいくらでも積み重ねることが出来るキャパがある、ということでもあるんだろうけれど、何より勇者の力の源泉となる女神の存在からして、どうも胡散臭いことからして女神サイドに振れるにしても普遍の使徒たち反女神勢力に振れるにせよ、嫌なカタチに塗りつぶされかねない可能性が高まっているだけに、本人知らないところで難易度がヤバイことになってるなあ。

冒頭からの水明とインルーの戦いは、実は今までで一番の圧倒的強敵だったというのもあってか、かなり見応えのある攻防だったけれど、やっぱり水明くんって現代魔法使いとしてもちゃんと超一流だったのか。当人の自己評価がせいぜい中堅どころ、というあたりどうにも信用出来なかったというか、彼の評価基準となってる魔術師としてのエピソードを聞いてると、これで中堅どころなら現代魔術師ってトップレベルとなると神様と変わんないんじゃないの!? と思ってしまうレベルだったので、ちと安心した。いやそれでも、頂点クラスは本物のバケモノ揃いのようだけれど。

しかし、リリアナは本当に良いキャラになったなあ。いい具合に引っ掻き回してくれまする。何気にイイ性格してるじゃなぁいw

シリーズ感想

異世界魔法は遅れてる! 5 3   

異世界魔法は遅れてる! 5 (オーバーラップ文庫)

【異世界魔法は遅れてる! 5】 樋辻臥命/himesuz オーバーラップ文庫

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最強の現代魔術師 vs 最強の現代剣士!?

リリアナを救い、元の世界に戻る手がかりを探すため、サーディアス連合領に向かった水明一行。そこで水明は、幼なじみの朽葉初美(くちば・はつみ)を発見する。なぜ彼女がこの世界に召喚されているのか。声をかけるものの、彼女は水明のことをまったく覚えていないという。どうやら彼女は召喚時のショックで記憶を失っているらしい。水明は彼女の記憶を取り戻すため、接触の機会をうかがうことに。
一方、黎二たちもまた、勇者が使ったといわれる「伝説の武具」なるものを引き取りに帝国から旅立つことに。
その旅に同行しようと現れたのは、意外な人物で――!?
異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、第5巻!
初美の修めている剣術の流派名がまた凄いな!!
倶利伽羅陀羅尼幻影剣!!
いやでも、凄い山田風太郎的じゃないですか? 人間相手の剣術じゃなくて、伝奇モノらしい妖異魔物相手に練り上げられた剣法、というのがひと目でわかる名前じゃないですか。時代的に一周回ってそろそろかっこ良く思えるような時期に入ってるんじゃないだろうか。
倶利伽羅陀羅尼幻影剣!!
何気に語呂が良くて口当たりが心地よいので、ついつい口ずさんでしまう(笑
そんな魔界都市御用達な剣法を振るうのは、まさかの幼馴染枠である。異世界まで来てしまっている以上、一緒に召喚された黎二たち以外に同郷の現代人の参加はまずないだろうから、幼馴染枠の投入はこの作品ではないんだろうなあ、と思ってたらどうしてどうして。違う国の勇者として召喚された、という顛末で登場である。というか、こんなに各国ごとで勇者が召喚されてるのか。
ともあれこれ、現代とこっちの世界、この様子だとかなり繋がり深く絡んでくる可能性も出てきましたね。度々、水明の回想で語られる中に、同業と思われる女性の影もちらほら垣間見えるので、どうも初美で打ち止めとは思えないんですよねえ。敵方の方にも、現代での因縁の相手らしき人物も顔を覗かせてきましたし。
まだ水明君は気づいていないようだけれど、敵味方の構図がどうも単純な魔族VS人類サイドとは行かなくなってきたようで。面白いことに水明くん、このままだとどの陣営にも入れない、というか入ると角が立ってしまう様相になってきてるんですよね。角が立つ、というのはおかしいか。彼にとっての正義と良心と友情と親愛を全部蔑ろにせず、大切なものを守ろうとすると、もう自分がどの陣営にも属さない独立した勢力として立って全方位を敵に回さないといけない、ような感じに当人含めまだ誰も把握していない段階だけれど、流れとしてなってきてるんですよねえ。
黎二くんだけでもある意味決定的だったのに、そこから初美まで勇者として召喚されていた、となるとトドメに近い形になってるわけだ。こりゃもう、どうやったって水明くんが勇者を敵に回すことはあり得ない。一方で、薄々見えてきた構図からすると、勇者の味方をするわけにもどうにも行かなくなるような気配もあるわけで……。
黎二があっさりと勇者として魔族と戦おうと決めた過程。黎二の性格から水明も殆ど疑問らしい疑問を抱いていなかったようだけれど、初美やエリオットの例を見ると少なからず何らかの意思の誘導が行われてる、ということなんだろうか。

しかし、勇者陣営差し置いて、水明組の強化っぷりがまた凄いなあ。といっても、レフィールは最初からこのくらいだったので、主に水明に弟子入りしたフェルメニアが担っているんだけれど戦闘パートでのあの活躍は大したものである。リリアナは今のところ、まだリハビリ中で実戦は無理なのか。でも、彼女が加わったことで水明組のパーティーとしてのスタンスが出来上がったような気がする。立ち位置がちょうどみんなの妹分みたいなマスコット的なところに収まったので、レフィールとフェルメニアの間を繋ぐ感じにもなってるんですよね。プラス、もと工作員らしいあの諜報能力。フェルメニアが王様と繋がっているとは言え、事実上国家組織から離れて動いている彼らは情報収集面でどうしても一歩譲るというか、孤立しているというか、一般大衆にも届く程度のうわさ話を耳にするくらいしか出来なかったのが、リリアナのおかげで一気に情報面でも遅れをとらなくなったわけで。これは地味に大きい。

なかなか怒涛の展開のさなかで終わってしまったのだけれど、これは次巻に焦らされるなあ。

シリーズ感想

異世界魔法は遅れてる! 4 3   

異世界魔法は遅れてる! 4 (オーバーラップ文庫)

【異世界魔法は遅れてる! 4】 樋辻臥命/himesuz オーバーラップ文庫

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闇魔法によって負傷してしまった水明は、行方をくらましたリリアナの捜索を開始する。このまま彼女が闇魔法を使い続ければ、体を蝕まれて廃人同然になってしまう。だが、その捜索の前に立ちはだかるグラツィエラ。水明は怪我をおしての戦いを余儀なくされてしまう。
リリアナはどうして帝国で騒動を起こしたのか? その謎を追いかけるうちに、水明は旅路を別にしていた黎二と再会する。
帝国騒動の真犯人を見つけるため、水明は黎二と協力し事件解明を目指す――。
異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、陰晴分かつ第4巻!
今回は1巻以来のフェルメニアの表紙。最初はヒロインとは名ばかりの大迷惑キャラだったのでなんで君が表紙飾るの?と思ってしまう所だったのですけれど、この四巻では堂々と表紙を飾るにふさわしい活躍で。ほんと、この娘って敵の時はショボかったのに、味方になると戦闘・交渉・後方支援と縦横無尽に活躍してくれて頼もしいの何の、という味方になると平凡化してしまう人が多い中で珍しいタイプなんですよねえ。個人的には、水明くんに学んでいる現代魔術概念により成長してグラツィエラくらいあっさり下してしまうくらいの強さになってくれていたら嬉しかったのですけれど、流石にまだ学びはじめでそこまで急速に強くなる事はなかったか。正直、グラツィエラ程度に大きな顔をされるのは業腹なので、水明くんが出張るまでもなく一蹴するくらいできたら痛快だったのですが。水明くん、大体において制約やらが介在して、全力が発揮できないケースが結構多いので、わりとストレス溜まるんだよなあ。それで戦闘回避するならともかく、この人結構頭に血が上りやすいので喧嘩買っちゃうもんだからして。やるならやるで、きっちり結果出せよ、と思ってしまう。
この段階で黎二くんたちと合流することになるとは思っていなかったのだけれど、あくまで水明くんは自分が魔術師ということは彼らには伏せておくのね。いい加減、彼のことを知っている人が増えてきているだけに、いつまでも隠しておけるとは思わないんだけれど、せっかくなのでできるだけ此処ぞという場面で開示して欲しいものである。だからなんだけれどてっきり、もっと黎二くんたちが大ピンチの時に颯爽と助けに現れる展開まで合流はない、と思ってたんですよねえ。ただ、ここで黎二くんたちと水明くんが本当に仲良いというのを、三人の気の置けないやりとりで見せられたのは良かったんじゃなかろうか。はじまってすぐに異世界送りになって、別行動になってしまったので、お互い信頼し仲良いのもそれぞれの発言から伝わってはいるものの、実際どんな感じの仲の良さだったのかは、ちゃんと顔を合わせて笑ってくれないとなかなかわからないですからね。特に、瑞樹なんか普段の言動では黎二くんしか眼中になさそうでしたから。見てみると、瑞樹にとって黎二くんは特別な男の子なんだけれど、水明くんは水明くんで特別な友達なのだ、というのが感じられてよかったですよ、うん。
さて、帝国のリリアナ編の方ですが、二巻費やしたわりにはちょいとモヤモヤが残る終わり方だったような気がします。結局、事件の真犯人とは別に、裏で動いている魔族とは別の勢力、黒幕みたいな存在が居る、というのがわかる展開であって、肝心の事件の真犯人はなんかぽっと出の印象しか残らなかったもんなあ。それに、リリアナとローグの父娘関係もローグが真犯人じゃないのかというミスリードを誘うためか、ローグの描写が少なかったせいか、二人の関係に深みが感じられずに、リリアナからの父親への別れ、ローグの娘への決別、というドラマがどうしても薄味になってしまっていたように思うのでした。本当なら、あの二人の別れのシーンはもっとジーンと来ても良かったと思うんだけれど。
リリアナもフェルメニアも微妙にキャラがぶれてるというか、性格定まってない気がするし。ちょっと手探り感がまだ漂っていて、キャラが固定しきれてない気がするのよねえ。
エリオットなんかも、あれで意外とイイキャラしていたのは面白かったんだけれど、どうも前巻の人の話を全然聞かなさそうな自己中な性格とは齟齬がある気がしましたし。いや、こっちのエリオットの方がいい意味でのライバルキャラっぽくてよかったんですけれど。
とりあえず、レフィールさんようやくロリキャラから脱出できて、お疲れ様でした。大きくなっても、若干ロリ化してた頃の性格が残ってしまっているような気がしますが。凛々しくて毅然としたレフィールさんは何処w

3巻感想

異世界魔法は遅れてる! 33   

異世界魔法は遅れてる! 3 (オーバーラップ文庫)

【異世界魔法は遅れてる! 3】 樋辻臥命/himesuz オーバーラップ文庫

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魔将・ラジャスをレフィールと共に倒した水明は、彼女を仲間に加えてネルフェリア帝国へ。
無事に到着した二人はそれぞれの目的のために行動を開始するが、帝国では原因不明の昏睡事件が起こっていた。そんな中、水明は帝国十二優傑の魔法使いであるリリアナ・ザンダイクと出会い、さらにフェルメニア・スティングレイとも再会を果たす。図らずも事件を解決するはめになった水明は、八属性の中でも異質とされる闇属性の魔法と対峙することになり――。
異世界魔法と現代魔術が交錯する大人気異世界ファンタジー、第3巻!
お前誰だよ!! 
ほぼウェブ連載と同時進行になってきたのですけれど、ウェブ版との一番の違いはやはり白炎の魔法使いフェルメニアさんのキャラの違いでしょう。いや本当に誰だよ、というくらいに別人になってます。ウェブ版のフェルメニアが凛々しく礼儀正しくテキパキと有能で、完全に味方となった今となっては頼もしい女性そのままなのですけれど、こちら単行本版のフェルメニアさんというと……どこか大事なネジが飛んじゃったんじゃ!? と本気で心配になるほど、ゆるゆるのグニャグニャになってしまっていて、水明の前だと精神の方もいささか幼児化しているんじゃないかと思えるほど茹だってしまっていて、王様王様、こんなのお供につけてくれてもあんまり役に立たなさそうなんですけど!
実際は、幾らネジが緩んでいても、世情に詳しく魔法使いの能力も高く頭も回る、と案内役としては変わらず有能なのですけれど、傍目にはお荷物が増えたようにしか見えない!
レフィールも精霊力を過度に消耗してしまったせいで、身体的に幼児化してしまって超一流の剣士としての威厳はどこへやら。肉体に精神が引っ張られているのか、こちらも言動が完全に幼児化してしまってるんですが。いや、子供扱いされて実際子供になってる現実に涙目になっていじけるレフィールはマジで可愛いんですが、可愛いんですが……あの凛々しいレフィールは何処へw
新登場となる新たなヒロイン候補と思しき闇の魔法使い、リリアナもこちらは実年齢も幼いお子様なので、水明の周辺はもはや幼女園と化しています。どうしてこうなったw
本来ならリリアナも含めて、ヒロイン三人共背筋がピッと真っ直ぐに立つような凛として言動にも鋭さがあるかっこいい系の女性揃いのはずなのですが……幼女幼女幼女、水明くん、ロリコン呼ばわりされてもこれは仕方ないぞ。

エピソードとしては、対ラジャス編の後始末から帝国編に導入へ、という橋渡し回、と見るべきか。リリアナとの話は後半に続く、みたいになっているし。
闇の属性については、他の属性魔法の使い方が現代魔術理論からすると大変に未熟で原始的で固定観念に囚われたもの、であったのに対して、コチラは未解明のまま間違った解釈を定着させてしまっていた、という類の話になるのか。その危険性を正しく理解できないまま扱っていた、と言うことで闇属性自体、このままだと取り扱い不可、になりそうな感じなのだけれど、となるとリリアナは戦力化にはならないのか。

もう一人の勇者戦は、ウェブ版では丸っと回避されていたのに対して、コチラでは水明の力の一端をひけらかすことに。あれだと、エリオットサイドからは完全に警戒されそうなものだけれど、水明を利用しようとした将軍に対してといい、意外と水明くん、喧嘩っぱやいというか誘い受けの卦がありますねえw
しかし、意外とこれ、女神の存在はキーワードになるのか。救世教会ベッタリのエリオットやそのおつきのシスターの居丈高な態度や、将軍の女神に対する考え方なんかを見ると、レフィールに度々くだされる神託の迷惑さも相まって、どうしても否定的な感情が湧いてくるのだけれど、シスタークラリッサみたいな人がいることも考えると一方的な見方も危険なんだよなあ。

黎二くんについては、今はただただ勉強の日々、か。勇者としての活動よりも、政治的な立ち位置に悩まされる方にリソースをとられるのはかわいそうにも思えるけれど、意外と姫様が政治的にも軍事的にもやり手みたいなので、彼女がついているなら下手な事にはならないか。もう文句なしに良い奴なので、順当に成長して水明くんと劇的な再会をする展開が素直に楽しみなのであります。

 
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6月2日

(講談社ラノベ文庫)
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(講談社ラノベ文庫)
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(Kラノベブックス)
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(Kラノベブックス)
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6月1日

(芳文社コミックス/FUZコミックス)
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(芳文社コミックス/FUZコミックス)
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(芳文社コミックス/FUZコミックス)
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(芳文社コミックス/FUZコミックス)
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(HJコミックス)
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(HJコミックス)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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5月31日

(WITノベル)
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(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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5月28日

(ヤングアニマルコミックス)
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(ライドコミックス)
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(サイコミ×裏少年サンデーコミックス)
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(ファミ通文庫)
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(ファミ通文庫)
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(エンターブレイン)
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5月27日

(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスEX)
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(電撃コミックスEX)
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(Gファンタジーコミックス)
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(まんがタイムKRコミックス)
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(モンスター文庫)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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5月26日

(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(エンターブレイン)
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5月25日

(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ガンガンコミックスONLINE)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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5月24日

(あすかコミックスDX)
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(あすかコミックスDX) Amazon

5月21日

(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(アフタヌーンKC)
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(アフタヌーンKC)
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(アフタヌーンKC)
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(イブニングKC)
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(イブニングKC)
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(モーニングKC)
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(モーニングKC)
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(モーニングKC)
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(モーニングKC)
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(ワイドKC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(アルファポリス)
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(アルファポリス)
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(アルファポリス)
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(アルファポリス)
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(アルファポリス)
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5月20日

(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(チャンピオンREDコミックス)
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(チャンピオンREDコミックス)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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