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橘公司

王様のプロポーズ 極彩の魔女 ★★★★   



【王様のプロポーズ 極彩の魔女】  橘 公司/ つなこ 富士見ファンタジア文庫

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世界を統べる魔女の身体と力を手にした少年の、最強の初恋!

久遠崎彩禍。三○○時間に一度、滅亡の危機を迎える世界を救い続けてきた最強の魔女にして、魔術師が通う学園の長。

「――――君に、わたしの世界を託す――」

そして――玖珂無色に身体と力を引き継ぎ、死んでしまった初恋の少女。無色は彩禍の従者、烏丸黒衣から彩禍として誰にもバレないよう学園に通うことを指示されるのだが……。クラスメイトや教師にさえも恐れられ、再会した妹からは兄のことを好きという相談を受ける波瀾の生活が待ち受けていた!

「お静かに。手元が狂います。――いえ、口元が、でしょうか」
さらには油断すると男性に戻ってしまうため、女性からのキスが必要不可欠で!?

「デート・ア・ライブ」のコンビが放つ新世代最強の初恋!
大長編となった人気シリーズ【デート・ア・ライブ】を完結させた橘先生が、新たに送り出してきた新シリーズがこれ。おなじみ、イラストはつなこさん。
新しいシリーズはじめるのは久々なだけに、どうなるかとも思ったのですがそこはさすがベテランというべきか。盛り上げどころというのを把握しきっていて、この一巻の中に見所がどれだけあるか。その上でクライマックスには幾つもの予想外の展開を襲いかからせて、盛り上がる盛り上がる。
まさに怒涛の勢い。
これぞシリーズ開幕のお手本というくらい、理想的な第一巻だったんじゃないだろうか。正直、引き込まれました。現状で既にめちゃくちゃ面白く、これから広がっていくだろう物語はメチャクチャ面白そう、なのですから。
肝心要の主人公・玖珂無色は真面目にぶっ飛んでいますなあ。いや、変態とか異常者の類じゃないと思うんですよ、多少頭おかしいだけで。
デート・ア・ライブの士道はあれで基本無味無臭タイプだったんですが、それと比べると明らかに頭おかしいです。まあ橘さんの作品の主人公は基本頭おかしいので、それらと比べると大人しい部類なのでしょうけれど。ましてや、橘作品のガチの変態たちはガチの変態なので、それこそ比べるまでもありません。それと比べてしまうと大概のキャラは常識人になってしまうので、相対的に見ると無色も常識人に違いありません。
いきなり死にかけている女の人を見て一目惚れしてしまっている時点でどうかとも思いますが。
そして、自分も殺されかけた上で意識を取り戻したらその一目惚れした女性・彩禍に自分がなってしまっている、というとんでもない状況に驚く前に彩禍さんとお近づきになれた(融合してます)わーい♪ となっている時点でどうかしていると思いますが。
それだけでもとんでもない状況なのに、そこから久遠崎彩禍に成り代わり、周囲にバレないように魔術の学園の理事長になったり平均300時間に一回世界滅亡の危機が訪れているこの世界を救ったりしなければならない、という立場に追い込まれてしまった無色。
まるで知らなかった世界の現状に魔術という要素、そして突然世界守護の要として彩禍の代わりを勤めなければならない、という状況はかなり追い詰められたもののはずなんですが、無色ってわりとこれを卒なくこなしていくんですよね。普通ならパニックになって焦って周囲からどうしたんだろうと変な目で見られながら、自分の無力さに打ちひしがれて、なんていうイベントをこなしていくのがテンプレートだと思うのですが。
無色の場合、彩禍さんの代わりを見事務めたら彩禍さん喜んでくれますっ!というウキウキ感でサクサクっとこの辺軽くこなしていくの、彩禍しか眼中になくて、うんヤバいやつですね。
これで、自分のものになってしまった彩禍の身体とか自分で弄って喜んでたりしたら変態なのですが、そういう変態性は全然ないんですよね。無色くん、紳士である。究極的にお近づきになれたのに、彩禍を自分のものにしたという認識だけは絶無なわけだ。
後々、彩禍が戻ってきた時に良い印象を持ってもらえれば、くらいの控えめな立ち居振る舞いですし。その意味では、わりと傍観勢というか推しは積極的に絡まず距離をおいて愛でるべし、派なのかもしれない。その上で、よければお近づきになりたい、という気持ちもある、という体で。
そう考えると、妹の瑠璃と趣向はそっくりという事なんですよね。彩禍信者の瑠璃の、あの彩禍萌えで彩禍のことになると頭おかしくなるのに、ちょっと関われただけで大満足してるってな感じの瑠璃のあの彩禍への距離感というか態度みたいなの、まんま無色にも当てはまるんじゃないだろうか。
無色の場合はもっと達観しているというか、彩禍や黒衣が若干引いてしまったり置いてけぼりにされるほど、彩禍推し、彩禍ラブで突き抜けているのですけれど。
いずれにしても、頭おかしい方向性で無色と瑠璃って、確かに兄妹だわな。そっくりだわ!

この自分ではどうしようもない状況に放り込まれながら、振り回されるどころかわりと周囲を振り回しまくる無色。そんなマイペースにガンガン突き進む無色=彩禍の行状に魔術師養成機関<空隙の庭園>は大混乱、という学園コメディでありつつ。
世界は平均300時間に一回滅びの危機に襲われている、という「週刊世界の危機」を上回るペースでえらいことになっている世界の裏事情。それを陰ながら防いでいる魔術師という存在。
なにより、世界最強の魔女、誰も敵うことがない無敵の存在を殺したのは一体誰なのか。様々な謎が、その驚愕の真相と新たな謎を伴って怒涛の勢いで襲い来るクライマックス。
登場人物も主人公の無色をはじめ、見事に最初から個性的で色づいていてキャラ立ちしていました。
あのヤンキーみたいなやさぐれてガラ悪い兄ちゃんなのに授業内容めっちゃ真面目で堅実なアンヴィエット先生とか大好きですw と、現状唯一無色以外の男キャラだけどイイキャラしてますわー、アンヴィエット。うん、とそれ以外のヒロインたちも色んな意味で出揃ってますし……瑠璃は単純なコメディからラブコメから兄バカに彩禍信者という頭おかしいキてるキャラな上にシリアスなバトルまで全部一線級でこなしてしまうので、ちょっと万能すぎやしませんかね!?
そして、唯一彩禍=無色という秘密を知り、その傍らで彩禍の身代わりをする無色のサポートをしてくれる烏丸黒衣の見事なツッコミの数々w
うん、本当の面白かった。一巻から見事に掴んでくれました。物語の行く先として特大の爆弾を置いていってくれた一話の黒幕に、ラブコメとしては常に爆弾の導火線に着火しつづける無色くん。
これは続きが楽しみです。またぞろ、でっかいシリーズになりそうだ。


デート・ア・ライブ アンコール 10 ★★★★   



【デート・ア・ライブ アンコール 10】 橘 公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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十香と再会した「その後」を語りましょう

狂三と紗和の学園生活、士道の両親と真那の邂逅、美九の提案で開催される精霊たち全員集合の卒業旅行。やがて来る十香との別れの前の平穏な日常。そして「――みんな、ただいまだ!」十香と再会後の物語も語られる。

カラー口絵の大学生狂三さんが清楚系美人すぎて、ちょっとガチでキュン死してしまうんですけどー!!
いやまじで、今までのつなこ印のキャラクターの中でも頭一つ抜けて美人なんじゃないだろうか、この狂三は。
ふおーーー。
いやこれは、本気で強烈でした。すげえな、狂三。ここまでのポテンシャルの持ち主だったのか。でも、今現在のゴス狂三よりも、この清楚美人狂三の方が、黒歴史四姉妹がクリティカルヒットしそうな気がするぞw

【狂三フレンド】
本編ですべての登場人物が飲み込まれた天香空間。皆が望む最良を再現されたこの空間で、もっとも早くこれが作られた空間だと気づいたのは狂三でしたけれど、彼女がそれに気づくまでにこんな物語が繰り広げられていたのか。
自らの手で殺め、そしてどんな事をしてでも取り戻すと誓った親友・山打紗和を取り戻したあとの日常。狂三にとっては、こここそが望んだゴールとも言える世界だったわけですけれど、それに別れを告げて颯爽と駆け出す狂三は、やっぱりとびっきりにカッコいいなあ、と。
しかし狂三の黒歴史である狂三四天王が、もはや独立キャラとして存在感出しちゃってるんですけど。ついに名前までついちゃいましたし。全部狂三ではあるんだけれど、狂三をおちょくれる数少ない逸材でもあるからなあ。


【十香プレジデント】
戯れに十香に合併予定のお菓子会社の社長を任せて、幹部に精霊たちを配して好きにやらせてみたら、なんかしらんうちに巨大コングロマリットに成長していました、という十香の計り知れない才能を垣間見せる一幕。
これ、十香が何もしてないのになぜかうまくいく、という棚からぼたもち方式じゃなくて、結構ポイントポイントで十香、ちゃんと仕事してるところが侮れないんですよね。商品がヒットしたのも、十香のセンスですし、チャンスを見極めてうまいこと波に乗ってるのも十香の判断ですし。
しかし、みんなが会社の役職付き幹部に就任しているのに、一人だけ「アルバイト」になる二亜がブレない扱いである。ってか、ダークスーツにコートを羽織ってサングラスしてる十香が貫禄ありすぎて、わりと似合ってるのがなんともはや。
そしてここで最後にポカをやって台無しにするのではなく、ササッと跡を濁さず仕舞いにしてしまうのが十香の凄い所なんですよね。ギャグでもコメディでもオチで不用意にやらかしたりしないのである。
そっちの担当はブレない二亜さんで、はい流石です。


【真那アゲイン】
考えてみると、士道の実妹である真那もまた波乱万丈の人生を歩んでるんですよね。DEMに拉致されて肉体改造された上に記憶喪失となり、兄と同様に当時の年齢のままで三十年後の世界に来ることになり、気がついたら当時の親友と親しかった先輩が兄・士道の両親になっちゃってたわけですからね。
そのかつての親友と、真那が再会する話。が、なぜか五河母が旦那の浮気を疑って暴走する話に。この年令で自分の奥さんにラッキースケベかます五河パパに、かつての女難を垣間見ることができて、ママさんの不安もまあわからなくはないかなあ、と。真那が旦那をパパ呼びしているのを見て勘違いしたわけですけど、これ真那の顔見て旦那の浮気相手は行方不明の自分の親友の真那だと勘違いしなかったのは幸いなのだろう。そうなってたら、修羅場度がかなりエグいことになっていたんじゃなかろうかw
しかし、動転するママを諭すのが、六喰という人選なのがまた渋いというか、人間当時の記憶を取り戻した中でも六喰は、一方ならぬ人生をくぐり抜けた含蓄があるんですよねえ。言葉に重みと実感があるというか。何気に人間力が元精霊の中で一番高いの、六喰なんじゃないだろうか。


【精霊キャンピング】
天香空間内で行われた卒業旅行という名のキャンプ。ってか、精霊全員で旅行とか、平和にならなきゃ無理でしたもんねえ。これはさすがに本編後か天香空間でしかできないイベントだわなあ。
いや、この短編に限らずなのですけど、精霊みんなの集合写真、記念写真的な挿絵が多くて見ていても幸せな気分になれるんですよね。
そして、テント設営合戦では今まで見たことのない組み合わせでの精霊同士のタッグマッチで、これがまた新鮮なんですよね。ここまで来ると、どの精霊が組んでも違和感ないというか、それぞれの個性をマッチさせて仲良くいろんな顔を見せてくれるんですよね。最初の頃は仲の良い精霊同士にもっ傾向があったのですけれど、最終盤まで来たらそのあたりの壁みたいなものも殆どなくなりましたしねえ。八舞姉妹もわりと別々に行動して他の子と組むことも多くなりましたし。
狂三と四糸乃の小悪魔コンビとか、それこそここまで来ないと見れないコンビですよ。


【精霊ワーウルフ】
精霊たちみんなでやろう人狼ゲーム。人狼ネタは色々見たけれど「妖狐」は初めて見たなあ。
こういう智慧と機転が必要とされる場面で無類の活躍を見せるのが、毎度「彼女」なんですよねえ。
ってか、何だかんだとこの巻では十香が主役なんだよなあ。


【十香アフター】
タイトル通り、終了した本編のラストシーンからの後日談。そうなんですよね、本編の十香と士道の再会シーンは美しくはあったのだけれど、二人きりというのは寂しくもあったんですよね。
それをホントよくわかってくれてたんですよねえ。この後日談では、あのシーンのあとに改めて十香がみんなに会いに行く話なのです。
士道と二人きりの時間に耽溺するのではなく、自由になる時間を得て真っ先に願ったことがみんなに会いに行きたい、でしたからね。ほんと、この子たち同士仲良いのが伝わってくるお話で、なんか感動してしまいました。あれから一年経っているので、みんなちょっとずつ成長もしてるんですよね。中学生組が高校に通いだしているのも感慨深いし、高校生組もちゃんと大学生としてやってるんですよねえ。うん、年少組が十香に駆け寄ってみんなが抱きつくシーンなんか、十香って幼いようで年下組からもお姉さんとして慕われてたんだなあ、と改めて実感する次第。
そして、あれだけバチバチと不倶戴天の敵として相容れぬもの同士としてやりあってた折紙と、こんな風に笑いあえるなんてねえ。ってか、十香と折紙が顔を寄せ合って笑ってる挿絵、尊すぎるんですけど。折紙がこんな穏やかに笑ってる姿とか見たことないんですけど。
すべてが終わった後の再会のエピソードとしては、最高に素敵で温かなお話でした。

……それはそれとして、士道ってば高校では卒業したあとも伝説の先輩呼ばわりされてるのか。てか、「僕だけの動物園」が公の情報として出回ってるんですけどw
そして、それらの凄まじい自分の風評を聞いてもまったく動じずに朗らかに笑っていられる士道のメンタル、いつの間にか鋼鉄を通り越して超合金みたくなってるんですけど。すげえ、すげえぜ士道パイセン。

後日談としても実に綺麗に〆て貰えた、とも思ったのですが、もうちょっとだけ続くようです。狂三の件とか実際問題片付いたとは言えない事も残ってるのも確かですし、もう少しこの子たちの先の話も見てみたいだけに、アンコール11の刊行はやはり嬉しいです。


デート・ア・ライブ 22.十香グッドエンド(下) ★★★★   



【デート・ア・ライブ 22.十香グッドエンド(下)】 橘 公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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さあ――私たちの戦争を終わらせましょう
精霊が存在しないはずの世界に現れた謎の精霊“ビースト”。目的も正体も不明の中、五河士道への執着を見せる謎の少女に、少年は命懸けの対話を試みる。元精霊の少女たちも士道の決意を叶えるため、覚悟を以て戦場へと集結する。精霊としての力があろうがなかろうが、関係はない。デートして、デレさせる―それこそが、これまで積み重ねてきたすべてなのだから。
「―おまえを、救いにきたんだ」「―シドー…」
そして戦争は物語の始まりでもある運命の日、四月一〇日を再び迎える―。新世代ボーイ・ミーツ・ガール完結!

終わった……。しばし感慨に浸る。
あらすじのいつもの「さあ――私たちの戦争をはじめましょう」がこの巻に至って、「さあ――私たちの戦争を終わらせましょう」と綴られているのを見てから、最終巻の雰囲気たっぷりだったのですが、読み終わって改めてぼんやりと終わったなあ、という感慨を噛みしめる。
長い、長いシリーズでしたけれど本作ってどちらかというと尻上がりのシリーズだった気がするんですよね。巻を重ねるごとに面白くなっていった。盛り上がっていった。キャラが掘り下げられ、世界観の深淵が覗けて、増えていく精霊たちが一人ひとりの出番が薄くなるどころか化学反応を起こして、むしろ自己主張や存在感が増えていくような。そんなどんどん広く大きく密度濃くなっていく物語でした。
正直、グッドエンドというサブタイトルは……この次にトゥルーエンドとかグランドシナリオとかがあるんでは、と構えてしまったのですけれど、どうやら本当にこれが最後の模様です。
あとがきで作者さんが登場人物の一人ひとりに、感謝の言葉を綴っていくんですよ。キャラの感想とか紹介じゃなくて、一人ひとりに語りかけてありがとうを告げていく。この物語とキャラクターたちへの愛情の深さと温かさを感じさせてくれる光景でした。
さながら卒業式みたいで、じんわりキてしまった。

涙腺に殴りかかってきたと言えば、冒頭からの六喰の話は初っ端からガンガン来られましたけどね。六喰という娘は後発も最後発の登場で、日常編なんかでも新しい顔を見せてくれてこれからもっと色んな側面を見せてほしいと思わせてくれる娘だったんだけれど、この家族との再会編はあの「頑張って」に送り出されるシーンの破壊力はほんとパなかった。
対してなかなかショックだったのが七罪の過去。この娘の過去って、本人が匂わせていた人間不信気味のコミュ障とか学校で虐められてたっぽい反応から想像していたものと、実際のそれはかけ離れてたんですよね。悪い方向に。
虐められてたレベルじゃないじゃん。うん、いや学校ではいじめというか阻害されてたみたいだけれど、それ以上に家族関係が最悪すぎてちょっと絶句レベルでした。むしろ、あんな環境で育ってよくこんないい子に育ったものです。七罪の強さ優しさは家庭環境に負けなかった、歪まず屈折せず七罪が個人で勝ち取ったものと言えるのでしょう。多少捻くれてたり自虐気味だったりするの、むしろよくその程度で押し留めたよ、と言いたくなる。
皆がなすすべなく倒されてしまった中で、ひとりビースト相手に大金星をあげてみせたのも、七罪らしい活躍でした。普通に考えても、七罪の精霊の能力って他の精霊の力ほぼ完コピできるって尋常でないよなあ。
そして、ついに八舞完成体の登場。そうかー、元々耶倶矢と夕弦って別々の双子の姉妹が精霊化したわけじゃなく、本当に一人の人間「風待八舞」が二人に分裂した形だったのか。精霊が元人間、という設定が確定してからも彼女たちについては詳しく触れてこなかったのでどうなのかな、と気になってはいたのですけど。
でも、ここで覚醒した風待八舞は本来の八舞さんとはまたちょっと違うんですね。耶倶矢と夕弦という人格がそれぞれ確固としたものになり、幾多の経験を経て確立された結果、その融合体として現れた八舞は、二人の性格的特徴を引き継いだ全く新しい八舞だったのである。
……なにげに、まだこれキャラ定まってないですよねw 耶倶矢と夕弦のキャラ混ぜた感じがマーブル模様みたいになってるし。ただ、今まで居なかった「お姉さまキャラ」(二亜はナチュラルに切り捨て)だっただけに、八舞日常編も見ていたかったけれど。
いやでも、この風待八舞って精霊たち全体で見てもこれ普通に登場してたら最強格だったんじゃなかろうか。
誘宵美九はブレることなく一貫してヘンタイ美九でした。うん、ホントブレなかったなこの娘!
というかこの娘の場合、可愛い元精霊の女の子たちと同居生活、という時点でハッピーエンディング、ハッピーウェディングだったのでその時点で彼女の物語は完成してしまってたわけか。海外進出とかも、こうなると余技だわな。

そして、異世界平行世界でも相変わらず大便利な狂三さん。この人、冷静に振り返っても世界救いまくってません? 滅びが確定した世界をどれだけひっくり返して救世してるんだか。なにげに、色っぽい大人の女性になった狂三さんが見られたので、それはそちらで大満足である。
狂三に関しては、まだ物語としてのやり残しが正直あると思うので、そちらは短編であるアンコールがまだ出るようなので、そちらで決着つけるんだろうか。

そして、サブタイトル通りのエンディング。うん、これってね最後まで崇宮澪の愛の物語だったな、と思うのですよね。世界に溶け込んだ彼女の意志、十香を産んだのもまた彼女だとするならば、このエンディングこそが母の愛だったんじゃないだろうか。
親友だった令音さんに思い馳せる琴里が、ようやく流せた涙が胸を熱くする。
この世界は、きっと彼女がずっと見守ってくれているのだろう。

そして、再び訪れる四月一〇日。五河士道と精霊たちの戦争の始まりの日は、ついに終戦の日と相成ったのである。

長い長いシリーズでした。完結、お疲れ様でした。そして、良い物語を、本当にありがとう。


シリーズ感想

デート・ア・ライブ アンコール 9 ★★★★   



【デート・ア・ライブ アンコール 9】 橘 公司/ つなこ 富士見ファンタジア文庫

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「あなたたちは何者?」
士道不在の五河家で精霊たちと両親が邂逅!?「そろそろ将来を見据えて、あたしたちの愛の巣を買おうと思うっちゃ」漫画家の二亜がマイホーム購入計画!?「…求人情報誌とかリクルートサイトとか見てみたけど、何なのあれ。なんでみんなあんなにコミュ力求めるの?」学校に行きたくない七罪が就職活動!?「―『塔』への挑戦を希望する」士道の未来の伴侶(自称)折紙が花嫁修業!?変わろうとしていく精霊たち。「なんと…!これが船だというのか!?」そんな精霊たちと士道が乗った豪華客船で何も起こらないはずもなく!?さあ―変わらない賑やかな日常を楽しみましょう。
表紙は二亜。歳を考えろ、とか言ってはいけない。
いやでも、実際二亜って精霊たちの中では唯一の大人なんですよね。なのでか、精霊たちに対しては庇護者として振る舞う士道がただ一人甘えた姿勢を見せるのも彼女だけなのである。あのキツイ当たりを甘えてるというのか、と疑問を覚えるかもしれないけれど、士道が塩対応してみせるの二亜だけなんですよね。それって、つまるところ二亜に対して全然遠慮していないという事であり、不満や不平を隠さずぶつけられる相手、それを笑って許してくれる人、と士道が無意識下でも思ってるということなんじゃないでしょうか。まあ、塩対応される理由の殆どは二亜の自業自得ではあるのですけれど。でも、いつもおちゃらけた態度ばかりとってる人ですけれど、肝心な時にいつも士道を庇護し支えて導く姿を見せてくれるのも彼女なんですよね。
大人のキャラは幾人も居ますけれど、そこまで踏み込んだ関係の人はいないですし、二亜が来て馴染むまでは令音さんがそのへんの役割を担ってたとも言えるのでしょうけれど、彼女の士道への感情は非常に特殊なものだったわけですしね。
あの二亜のズボラで自堕落でお世話しがいのある生活スタイルは、実のところ世話好きで結構家事好きな士道とは相性バッチリだと思うんだけどなあ。
ともあれ、二亜の士道のみならずみんなのお姉さんというスタイルはほんと好きです。橘先生もよっぽど二亜の事好きなのか動かしやすいのか、シリーズ終盤は何気に二亜と七罪の二枚看板だったような気がします。
にしても、二亜の短編で出てきた不動産屋の青木女史、モブなのにやたらキャラ立ってたなあw

作中でちゃんと出るのは初めてでしたか、士道と琴里の両親である竜雄・遥子夫婦。いやあ黒リボンの琴里ってお母さん似なのか。サプライズ帰宅した二人を待ち受けていたのは、折紙を筆頭とした精霊少女たち。もはや魔境である。いや、普通なら四糸乃とか十香とか七罪とかならそんな拗れるメンツではないはずなのだけれど、そこに折紙がいるだけで大惨事である。こいつはほんとにーw
そこに暴走しがちな美九やら八舞姉妹が絡めば目を覆わんばかりのことに。
いやうん、あっさり受け入れないでちゃんとビビってくれる五河夫婦、常識人らしくてよかった。でも、常識人とは言ってもこの二人って過去を遡れば、士道の前身だった崇宮 真士と真那の友人だったんですよね。そんな彼らがラタトクスに入り士道を引き取ることを決意するに至ったのには、かつての友人の死と失踪にそれだけ思うところあったから、なんでしょうけれど軽々に決断できることではないだけに、生半可な人たちじゃないんですよねえ。
しかし、五河のお父さん。何気にラッキースケベ体質だったりするの若かりし頃が気になりますなあ。相手、奥さん限定だったのか。

七罪チャレンジ、後発となる本編21巻での一年後のエピローグでは、ちゃんと学校に通い出してる七罪だけれど、そうかその間に挟まるのがこの話なわけか。以前に出来た友達ともう一度縁を結ぶお話なのだけれど、何気に七罪、文化系創作スキルではジャンルを問わない超天才だった、という。いや、七罪ちゃんマジすごいんでないのこれ? 引きこもりでも十分やってけるレベルじゃないですか。二亜のアシやってるのって単に器用だからという問題じゃなかったのか。
残念ながら七罪本人は自分の才能にさっぱり気づいていなくて、どうやら将来にもまったく寄与しそうにないのが勿体ないのか、本人はそれで良かったのか。

折紙、花嫁修業に勤しもうとしたら花嫁修行になってた件について。普通にこう、『魁!!男塾』の驚邏大四凶殺みたいな花嫁修業場がある世界とかやだなー。ってか、折紙は花嫁修業するならまずこう常識を学ぶことから…って書いてて折紙鳶一にそれを仕込む無為さをひしひしと感じて虚しくなってきたのでやめとこう。


美九ってもはや存在自体がスキャンダルみたいなもん、というかマジでアイドルちゃんとやってたのかこの子。自重を全くシない知らないそのスタイルからして、番組前の楽屋挨拶ぐらいから可愛い共演者とか居たら粗相してそうなんだけど。というか、本番中でも構わず、というのが容易に想像できてしまうのだけれど、今までそういうのって噂レベルで留まってて発覚とかしてないのかー、そうかー。
てか、普通に張ってたら士道の家に入り浸ってるのすぐにバレそうだけれど。


今回、珍しくアンコール常連な狂三さん、出番少なかったんだけど、少ないなりにその少ない出番で存在感示しまくって色々持ってってしまうの、さすがです。この人、暇なときはひたすら猫追っかけてるのか? なんか、猫狂いなの信者層にまで周知されてしまってるっぽいのだけれど。
オールスターキャストなクルージング編では、当人最後の方まで登場しないにも関わらず、シージャックに現れたアレな人たちのせいで風評被害的な意味も含めてえらいことに。あと、アレな人たちはともかく狂三の猫耳スタイルはお目にかかって見たかった。


シリーズ感想

デート・ア・ライブ 21.十香グッドエンド(上) ★★★★   



【デート・ア・ライブ 21.十香グッドエンド(上)】 橘公司/つなこ  富士見ファンタジア文庫

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DEMとの最終決戦。始原の精霊―崇宮澪との戦いから一年。そして夜刀神十香が消えてしまってから一年。元精霊の少女たちは過去と向き合いながら未来へと進み始めていた。五河士道もまた喪失感を抱えながら精霊が消滅した世界でのいつも通りの日常が始まると思っていた。存在しない精霊の少女と出会うまでは―。「―君、は…」「…名、か。…そんなものは、忘れた―」世界を否定するかのように世界を壊す少女を前に琴里は士道に言う。「あなたの出撃は認められないわ」さあ―私たちの最後の戦争を始めましょう。

グッドエンドとは!

ジャケットデザイン、グッドのgの字も見えないくらい「死ぬがよい」なんですけど! 作者も思わずサブタイ変える?と聞いてしまったくらいにはグッドエンドテイストなんですよねー。タイトルの文字に罅入ってるのは作者のコメントではじめて気が付きました。
ってか、あとがきでネタバレしてません、これ!? いや、目次で思いっきり書いていると言えば書いているのですけど。
最終巻ということで、精霊たち一人ひとりのエピローグが丁寧に描かれているんですよね。上下巻構成になったことで、より一人ひとりを掘り下げて描けているというのは実にありがたいことです。
今回は折紙から二亜、狂三、四糸乃、琴里と実は初めてなんじゃないか、という数字一から五の並びに。精霊たちの名前に数字が入っているのは自明のことですけれど、これまでこの数字が特に意識して扱われたことはなかったはずなんですよね。登場順とかも全然バラバラでしたし。でも、今回最後となるところで数字順、というのがまた考えさせられます。この順番だとラストはまさにあの子になるんですよねえ。
で、この個別エピローグが本当にしみじみとしていていいんですよ。これで終わり、エンドというのじゃなくて、過去に思いを馳せ未来へと進んでいく過程であり、しかし一区切りとして確かに自分の中の何かを終わらせ、何かを始めようという一歩を描いたエピローグになっているのです。
そこでいきなり、結婚式しようとする折紙はさすがとしか言いようがないけれど、ガチのではなくイベントごとで押さえているあたりにこの子の成長が伺えます。最初の頃の折紙なら問答無用で本物の結婚式に持ち込もうとしていたに違いないのにw
そして、大人として士道を見守り導こうという二亜。この人ダメ人間なんだけれど、精霊たちの中で唯一ちゃんとした大人でもあり、士道が甘えられる人でもある事を思い出させてくれます。
士道もまた、十香を喪って一年が経とうとしているこの時期に、自分の進むべき道を見定めていくのですけれど、それをこうしたヒロインが一区切り打つ話であるエピローグの中で彼女たちの姿を通して掴んでいくわけですけれど、その中でも二亜は意図的にはっきりと士道を促し彼の動き出すきっかけを、背中を押してるんですよね。こういうところ、ほんと頼りになるお姉さんでこの人が加わってくれた事は大きいんだな、と思うんですよねえ。

で、このまま何事もなく穏やかに日常が続いていくわけがない、というのを示唆しているのが狂三なわけで。狂三が企図していた、始原の精霊を倒してすべてをなかったことにするという計画は結局達成できないまま精霊のちからが消えてしまったわけですけれど、そうなるとこれまで狂三が殺した人間は蘇ることなく、そのままという事実が残ってしまうんですよね。いつか時間を巻き戻してなかったことにするという決意があったからこそ、躊躇なく人を手にかけてきた狂三にとってこの結末は罪だけが残ってしまったエンドになってしまう。果たしてこの壮絶な覚悟を抱き続けた少女がこのまま結末を受け入れるのか。一瞬垣間見せた狂三の顔がすべてを物語っているのではないだろうか。いずれにしても、このままでは済まないし済まさない、という可能性を彼女の意思と語られた推論によってこの時点で示唆していたわけだ。

一番今回の話で胸を打ったのは、やはり四糸乃の話でしょう。登場当初から名字もなくただの四糸乃として現れ、生まれながらの精霊のように描かれていた彼女。それが純粋な精霊は十香だけ、それ以外は元人間という事実が明らかになったことで四糸乃もまた元は人間だった事が証明されたのだけれど、その素性については全く明らかにされてこなかったんですよね。ラタトクスの調査力がそれを調べられないはずがないよなあ。
というわけで、この氷の精霊の本名が氷芽川四糸乃という少女だった事が判明。その喪われた過去を辿るために四糸乃が仲良しの七罪と士道と一緒に氷芽川四糸乃が生きていた街を訪れる。そこで明らかになる彼女の右手のパペット「よしのん」の正体。四糸乃という人間の少女が受けいていた目一杯の愛情を知ることになるのである。
本編終盤で一番人間的にも女性的にも成長したのが四糸乃だと自分は思っているのだけれど、この過去を取り戻す物語によって四糸乃という少女はヒロインとして見事に完成したようにすら思うのです。

そして、妹という立場でありながら兄に恋してしまった琴里の物語。彼女の人格転換のきっかけとしているアイテムの白黒リボン。ラタトクス司令として振る舞うための強さを自らに暗示するための黒いリボンに、自分を奮いたたせる以外にそんな恋する女の子としての健気な想いを捧げていたとか、この子はほんと年季は折紙以上に長年に渡って一途に想い続けてたんですよね。
そんな彼女の勇気ある告白と新たな決意。四糸乃もそうだったけど、中学生組の女性としての羽化が目覚ましいばかりです。

そんな中でありえないはずの新たな精霊の登場。ビーストと名付けられた謎の精霊の正体とは。今は力を喪ったみんなの精霊としての能力を、一人で使っているような節もあって一体なんなんだ、こいつ、とイイたいところなんだけれど、その正体は示唆されてるんですよね。いや、そっちか!?と驚きはあったのですが。
それに、折紙と二亜。この二人に一体何が起こったのか、起こってるのか。こっちはほんとにわかんねえ。どうなってるんだ、この二人!?

と、新たな生活を送っている元精霊の子たちに加えてもうひとり、エレン・ミラ・メイザースもまた一部の記憶と魔術師としての能力を喪ってラタトクスに保護されて、自活させられてるんですが……おいおい、エレンって短編とかで滅茶苦茶イジられてたように、エレンから魔術師の部分を取り除いてしまうと、ポンコツしか残らないんですけど。この世界最強の魔術師てば、世界最強の無能ポンコツに成り果ててしまうんですけど!
ウッドマンとカレン、この姉引き取った方がいいんじゃあ……。

シリーズ感想

デート・ア・ライブ 20.十香ワールド ★★★☆  



【デート・ア・ライブ 20.十香ワールド】 橘公司/つなこ  富士見ファンタジア文庫

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崇宮澪によって救われた世界。五河士道と精霊たちの平穏な日常が戻ってきた。しかし皆が笑顔で過ごす中、どこか違和感を覚える士道に狂三は衝撃の真実を告げる。
「―放っておけば、やがて世界は十香さんごと自壊してしまうでしょう」
十香が作り上げたという理想の世界を元に戻すべく、動き出す士道だが、そのための時間はあまりにも短く…。
「あたしたちも、戦争としゃれこもうじゃないの」
世界を維持するための霊力を捻出すべく、残された精霊たちはバトルロイヤルをすることに!救われた世界でひとりだけ救われなかった少女をデートして、デレさせろ!!

これ、十香が。十香だけが純粋な精霊だった、という設定がここで効いてくるのか。もっとこう、能動的な理由で純粋精霊が誕生しているのかと思ったら、澪の回想を見ると感傷的なものだったんですねえ。純精霊としての出自も、反転体の存在も作品のクライマックスで重要な意味を持つだろうとは想像していましたけれど、その想像というのは世界や精霊全体の行方に対するキーパーソンという役割だと思っていたので、ごくごく単純に夜刀神十香という少女の行く末にのみ重要な意味を持つという使われ方をするとは思っていなかったんですよね。クライマックスで重要な意味を持つ、という良意味ではズバリだったのですけど。
精霊の反転体とは霊結晶の化身のようなもの、と前に反転十香が言ってたんでしたか。でも、十香は霊結晶から人間を介さずに生まれた存在、ということは反転十香……士道が命名するところの天香だけでなく十香自身も霊結晶の化身みたいなものなんですよね。他の反転体と違って、十香と天香がこれほど別々の個体として、姉妹のように存在してしまったというのは純精霊であることも大きなファクターだったんだろうか。天香が反転体というにはあまりにも精神的に落ち着いていて、狂化されていない人格はそれこそ普通の精霊のようなんだよなあ。
素直じゃない捻くれ者だけれど、イイ子という観点においてはまさしく十香の姉妹という感じなんですよね。そんな天香が最後の最後に澪の霊結晶を使って生み出した、誰しもが望む夢のような世界。
別に極楽のように浮世離れした世界なんかじゃなく、ただほんの少しだけ悲しい事実が書き換えられただけの、普通の世界。ただみんなとワイワイ学校に通うだけの、地続きの日常。それが十香の望んだ世界というのは、彼女らしくて微笑ましく、それで満足してしまえるのが少しだけ寂しいと思わされてしまう。いや、それで十分幸せと言い切れるほどに、彼女の周りに集った面々は大切な人たちだったのだろう。その大切な人たちが自分と一緒に笑っていられる日常。それにまさる幸せはないのだ。
それすらも、彼女のもとには残らない。
ここにきて、始原の精霊たる澪の霊結晶が消えてしまったら、彼女から生み出された精霊たちは消えてなくなってしまう、とかそんな話全然聞いてなかったよ!
他の精霊たちは人間をベースとして生まれているので、精霊の力がなくなっても人間に戻るだけ、なんだけど、純粋に霊結晶から生まれた十香は存在まるごと消えてしまう。それがわかっていたからこそ、天香は最後の幸せの時間をこうして稼ぎ、過ごさせてあげようと考えてこの世界を創ったのだ。
これ、士道はどうなるんだろう。十香とはまったく違うけど、彼もまた澪によって「産み落とされた」存在であるのは確かなんですよね。彼は精霊ではないので、関係ないのか?
それに、精霊の力がなくなってしまう、ということは狂三の力もなくなっちゃうんですよね。狂三と約束した「人間の狂三たち」を救うという約束果たせなくなっちゃうんじゃないの、このままじゃ?
歴史そのものを改変して始原の精霊が誕生した影響によって死ぬことになってしまった人たちを救う、という狂三の目的。そのために、いずれ死ななかったことになるという前提で幾多の人々を殺してきた狂三にとって、このまま精霊の力がなくなってしまうという展開は非常にマズいんじゃ。
真那の人体実験によって壊されてしまった身体をザフキエルで治すのは大事だけど、めっちゃ大事だけど本番はむしろここからじゃないのかしら。
そもそも、この完全に詰んでしまった状況をひっくり返すのって、またぞろ狂三さんのお力をお貸しいただかないといけないという事なんじゃないの?
この誰も疑問に思えなかった状況に針の穴をあけて、皆に真実を開陳したのも狂三なら、十香が最後のデートを士道と過ごす時間を稼ぐために、精霊の力を消耗して世界の維持にあてる目的のバトルロイヤル、立案準備したのも狂三なわけで、ほんと終盤入ってから狂三さん七面六臂の大活躍がいつまで経っても終わらない!?  バトルロイヤルの方もお膳立てして、自分裏方回ってましたしねえ。
ちなみに、勝者の方は完全にこれは予想外でした。いやしかし、この人選は納得だよなあ。本の挿絵の方では初お目見えの凍鎧(シリヨン)。あの小さい体にガチガチの全身鎧は正直格好いいです。

さあ、ついに次がこのシリーズの最終幕。ついにここまで来たのかと、感慨深いです。

シリーズ感想

デート・ア・ライブ アンコール 8 ★★★☆   



【デート・ア・ライブ アンコール 8】  橘 公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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「なんでよりにもよって私が教師なわけ?」
七罪が先生になって精霊たちのクラスを担当!?
「民を幸せにできずに何が王だ!」
国のため、民のため、そしてきなこのため十香は圧政をしく王を倒す!?
「また逃げたわね本条ぉぉぉッ!」
琴里編集長の怒号が響き渡るラタトスク編集部発行『フラクシナスマガジン』の校了!?
「―店は決まっておるのか?」
六喰太夫が遊郭でお座敷遊び!?これは世界から否定されなかった精霊たちの、もうひとつの物語。五河士道はいくつもの『IF』の世界を渡り、ある真実に辿り着く―。ありえたかもしれない戦争を始めましょう。


【七罪ダブル】
いやそりゃ七罪以外に先生出来るような人材、精霊の中にはいないでしょうに。タマちゃん先生でも出来るんだから誰でも出来るだろう説はあるけれど、二亜とかにやらせると普通にダメ教師になるしなあ。
ちみっこい方が先生役というのも大正解である。久々に七罪の大人バージョンも見れて良かった、というか今回は女子高生バージョンか。自信がなかなか持てないちびっ子七罪の憧れは、やはり大人な自分なんだろうけれど、内面の成熟度からすると今の七罪の方がしっかりしているんですよね。女子高生な妹の方の七罪が、姉である本当の小さな七罪への憧れを語るのはさて、いったい誰の思いなのか。
あと、二亜は女子高生はさすがにコスプレ感が酷すぎてアウト。ってか、学校でビール缶カラにして酔っ払うな!


【十香ブレイブ】
前回の七罪二人に引き続いて、今回も反転十香と純正十香の対決ということで本作のコンセプトって自分との対峙なのか、と勘ぐったのだけれど後々見ると別にそんなことなかったぜ。
最近十香の成長著しいんですよね。今回も真っ当に勇者して、民の安寧を語ってたりするし。前はそんな難しい話できなくて、ひたすらハングリーモンスターしてたのに。
何気に今回も二亜がやりたい放題酔っ払っていて、この呑んだくれ本当に誰かなんとかしろ。まあ何故かこの人、自分から小物ロールはじめて自分からギャフンと言っちゃうので放っておけばいいような気もするんだけれど、美九の方はあれ放って置くと際限なくやらかすので、あちらこそ誰かなんとかしろ! 今回なんか本人登場していないにも関わらず、酷い存在感でした。被害者七罪が可哀想過ぎるw
前は変態は折紙のワントップだったのだけれど、美九と二亜が加わったことで酷さが三倍になってきたなあ。


【琴里エディター】
うちの妹は頼もしいけれど、それ以上にダダ甘なお兄ちゃんっ子なのです。琴里編集長のもと、新人編集士道が難儀な精霊作家たちから原稿をもぎ取るお仕事編。
だから本当に二亜と美九はなんとかしろw って、本作ではそればっかり言ってるような。このあともそればかり言うしかないのである。折紙もあれはあれでブレないのだけれど、彼女って意外とちゃんと与えられた役に乗っ取りつつそこで変態プレイかましてくるので、世界観には従順なんですよね。対して、二亜と美九はブレなさが貫かれすぎていて、どこの夢でもやってること変わらないw
さて、しかし作品名を見ると琴里も相当にガチである。血のつながらない義妹というポディション、活用する気満々じゃないか。でも、士道もラストみると相当甘やかしてるよね、これ。


【六喰ゲイシャ】
何気に一番しっとりとしたラブストーリーしてたのが、この六喰をヒロインとした苦海編。十香と同じ無垢で純心なタイプな六喰なんだけれど、まだ子供っぽさがつきまとう十香に対して六喰の方は艶が全然違うんだよなあ。一途だけれど湿潤な色気が醸し出されていて、なるほど六喰の花魁はまさに適役でありました。イラストもまた気合入ってて。花魁六喰の後ろの禿な七罪と四糸乃のコンビも可愛らしさ突き抜けてましたけれど。
これ、全員分描いておくべきなんじゃなかろうかw
何気にお座敷遊びも知らないのがあって、勉強になりました。


【士織スピリット】
本作随一の怪作!! って、これ誰の夢なんだ!? 新たに出現した士織という精霊をデートしてデレさせて攻略することになった五河士道。しかし彼は知っている。彼女・士織は自分が女装した姿! どうやら本当に女体化しているようだけれど、あれは紛れもなく自分さー。というわけで、自分を攻略するはめになった士道。ちなみに相手の士織の方も士道が自分だとわかっている。お互い自分同士とわかっていながら、デレさせることが出来るのか。という倒錯極まった話であり、シリーズ通して実は士織が一番可愛い、という説を鍛造して鍛え上げるかのような話である。
てか、ガチでデレやがった二人共w
士道くん、今まで数あったデートの中で今回が一番楽しそうだったぞw


【その幕を下ろすのは】
さても今回の夢のお話の黒幕の登場である。なんかその多重存在な設定、ほんと便利ですよね狂三さん。
CRユニット装備の狂三とか、いつもの黒ゴスロリと全然印象違っててこれはこれで眼福!!
逆に白ゴスな真那がこれまた今まで可愛らしい格好をしたことがなかっただけに、さすがは士道の実妹というポテンシャル。そうですよ、彼女って士織の妹でもあるんですから可愛くならないわけがないじゃないですか。
狂三の夢でのドMっぷり、或いは士道のドSっぷりも笑いましたけれど。狂三はほんと色々と美味しすぎる。

シリーズ感想

デート・ア・ライブ アンコール 7 ★★★☆   



【デート・ア・ライブ アンコール 7】 橘 公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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十香に苦手意識をもつ六喰が、十香と大食い対決!?琴里の通う中学校に四糸乃と七罪が体験入学!?バレンタインのチョコを巡って狂三四天王が狂三にまさかの反乱!?喧嘩した耶倶矢と夕弦は一日限定で入れ替わって過ごすことに!?可愛い少女のために美九、二亜、折紙が怪盗に!?五河士道も知らない精霊たちのガールズサイド!「大丈夫ですか、レディ」「お名前を伺っても…よろしいですか?」さらにアラサーガールのタマちゃん先生が、令音を誘って参加した婚活パーティーで、ついに運命の相手と巡り合う!?さあ―少女たちだけの日常を始めましょう。


【十香フードファイト】
六喰って喰うという物騒な漢字が名前についてるけど、別に大食漢じゃあないんだよ。
封印の際に十香にえらい目にあわされた六喰が十香に苦手意識を持って逃げ回っていた、というのは意外ではあったけれど六喰って傍若無人に見えてあれでどちらかというと大人しい性格だからなあ。
純真という意味では十香と似ているとも言えるので、グイグイと手を掴んで引っ張っていくタイプの十香とあれで相性はいいんじゃないだろうか、とふたりの仲直りデートを見ていると思ったり。でも、何も考えてない十香が何を考えているか、良い方良い方に捉えようとする六喰、素でいい子である。無理矢理なフードファイトツアーにも文句言わずに付き合ってくれてるわけだし。


【四糸乃エクスペリエンス】
四糸乃と七罪の中学生体験入学。琴里を加えてこれで年少三人組になるのか。精霊の中では年下のこの三人が一番まともというか真っ当というのはそこそこ問題なんじゃなかろうか。
その中でも相変わらず、コミュ障のくせに拗れた人間関係をいそいそとほどいて解決して回る七罪さんはもう聖人君子のたぐいではなかろうか。なにかトラブルが起こると、こっそり解決して回ってるのこの子だもんねえ。何気にもう七罪さん、精霊の中でなくてはならない娘になってるし、四糸乃とは別の意味で作品の癒し系である。


【狂三バレンタイン】
狂三っていつも独りで面白いことしてるよなあ。
狂三の能力で現れる大量の狂三たちは分身とかじゃなくて、過去の狂三たちそのものなので一人一人自分の意志や考えを持っている、というのはわかっていたけれど、なんだよ狂三四天王ってw
一時期血迷って中二病にハマっていた時期がある、というのは誰しも経験があることかもしれないけれど、狂三さんちょっとひとりで多種多様の黒歴史がありすぎるんじゃないでしょうかw
ちなみに、現在進行系のあの黒ゴスは黒歴史の範疇には入らないんだろうか。あれはあれで立派な趣味だとは思うけれど。
絵師さんがめっさ楽しそうに書いていたのが想像付くイラストの力の入れようでありました。

【八舞エクスチェンジ】
いつも一緒にいるように見える八舞姉妹だけれど、入れ替わって生活してみて初めて知る、お互いのまったく知らない私生活。というふうに、けっこう学校とかでは別行動していて独自の活動していたんだなあ。いや、夕弦の方はわかるんだけれど、耶倶矢の方はあんなに同好の士が居たのか。
それにしても、本当に仲の良い姉妹でこのベタベタしすぎなくらいの好き好きっぷりにはほっこりしてしまう。


【美九バークラー】
美九、折紙、二亜の美少女怪盗団編。折紙が完全ミリタリー型潜入装備で美九が怪盗紳士スタイルなのはともかく、二亜のレオタードはうん、完全に年齢がバレてしまってます!  あれ、新作のシティーハンターの映画でチラッと登場していましたけれど、今の作画でやるとちょっとエロすぎませんかね!? ともあれ、二亜の胸部装甲では三女相当でありますが。
しかし、あの実在する怪盗たちってどういう設定なんだろう。デートの本編じゃ出番ないだろうし。もしかして新作候補からの出張とか。


【美紀恵メジャーメント】
エレンさん、本来なら普通に負けてたんじゃ……。あれって偶然みたいだし分かってて使ったのならズルなんだけど、なんでこの人勝って当たり前、という顔してるんだろう。
やっぱりこの人、実際はポンコツのたぐいなのか?


【令音マリッジハント】
令音さんを婚活パーティーに誘うとか。あとあとの展開知っているとなんかもう胸が痛くなってしまうじゃないですか。それでも動じずにどこか淡々とパーティーでの時間を過ぎす令音さんに切なさを感じてしまうのは自然なことなのか。
いやそれはそれとして問題は、大問題はタマちゃん先生と神楽坂が出会ってしまったことなんですが。なんだこの悪魔の組み合わせは!!


シリーズ感想

デート・ア・ライブ 19.澪トゥルーエンド ★★★★☆  

デート・ア・ライブ19 澪トゥルーエンド (ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 19.澪トゥルーエンド】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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「令音さん。―明日、俺と、デートをしませんか?」
崇宮澪によって最悪の結末を迎えようとしたその時、五河士道は“六の弾”を使用し、最終決戦手前の日へと戻ることに成功する。最強の精霊に為す術もなく倒れていった精霊たち。絶望的な力の差を前に士道は思い出す。力ではなく対話によって、精霊を無力化させる唯一にして、これまでやってきた方法―デートして、デレさせることを。
「みんなの力を貸してくれ、俺たちの戦争を―始めよう」
精霊たち全員のサポートも受け、世界の命運を懸けて、始原の精霊をデートして、デレさせろ!?

これまでも、精霊の能力を封印するための裏の目的の在るデートというのは何回もあったのだけれど、今回の令音さんとのデートが一番心がキツかった。
他に好きな人がいる精霊、というのが他にはいなかった初めての体験でしたから。そんな彼女をいわば騙してデートに誘っているのだから、そりゃ心が痛む。
そもそも、五河士道と澪が愛した崇宮真士は別人なのか。
ぶっちゃけ、限りなく同一人物に近い存在なんですよね、この二人。少なくとも、二人を並べて比較しなければ、両者の差異って読者側である自分にも識別できなかったと思う。それも、彼らを分けたのは育った環境の違いくらいなんですよね。それって、同一人物とどう違うの? という疑問は晴れなかったし、多分澪も士道と真士を全くの違う存在、とは思わなかったように思う。
でも、たとえ同じ人間であっても過去の真士と今の士道は別の人生を歩んでいる。それをきっと、彼女は受け入れて、そうして最初の選択とは違う意味で、もう一度真士を選んだのでしょう。
この結末をトゥルーエンドと銘打たれた意味を、じっくりと噛み締めておきたいです。
その愛は多くの災厄と悲劇を生んだのでしょう。多くの人の運命と人生を捻じ曲げ、不幸を招き入れた。
でも、その愛によって生まれた出会いもある。彼女が真士を諦められなかったからこそ、結びついた人達もいる。
五河士道は、澪が居なければ生まれなかった。
その幸いを、澪を知る人たちはみんな忘れないだろう。その結末を、きっと忘れないだろう。
その愛を、ずっと覚えているだろう。
士道にとって、最初で最後の振られたデートでありましたけれど、きっと一番多くの幸せにつつまれた結末だったように思うのです。
願わくば、澪と真士のデートを士道と令音さんが並んで見守っていた光景に、揺るがぬ意味がありますように。
もし、真士と士道が違う人生を歩んだ存在だというのなら、きっと澪と令音さんもそれに当てはまるはずだから。

アイクは結局二度目も暗躍果たせず。ただ、何もなせずに潰えた一回目と違って、今回はかつての仲間たちと納得づくの終わりを迎えられた、という意味においてちゃんと精算は済んだのかもしれない。
結局この人、黒幕ではあってあれほど暗躍し、あらゆる出来事を操ってきた人物にも関わらず、主人公である士道と真正面から相対する敵手としては、決定的な存在感を示せなかったように思う。
常にこう、士道が直面している場面から一歩下がったところに居続けていた、というべきか。
多分、そこはウッドマン卿と相対し続ける立ち位置だったんだなあ。確かにアイクと士道はお互いを狙って戦っていたものの、本当の意味で二人で向き合って戦っていたわけじゃないんですよね。
だから最後まで、アイクは格と力と意志を持つ巨大な悪役であったにも関わらず、士道の物語における対敵ではなかったのである。
士道にとって、だから最初から最後まで向き合う相手は常に精霊で有り続けたのだ。
だから、最後の相手もまた、最初から決まっていたのかもしれない。まさかまさか、このタイミングで、とは思わなかったけれど。
奪われた二亜のセフィラに、狂三までも自分の意志で能力の封印を選んだ以上、いつの間にか局面は既に終局へと至っていたことに、澪の物語に心揺さぶられてる真っ最中だったために全然気がついていなかったのである。
これが、ラストデートのはじまりか。

何気に、狂三ちゃん終盤の怒涛の追い上げにトドメを刺すような、真ヒロインモードでありました、今回。士道自体が満更でもないんだよなあ、あの様子だと。
あと、今回令音さんが年嵩の女性の魅力満載すぎて、あかんあれは少女どもじゃ太刀打ちできんよ!? ちゃんと化粧して身形整えた令音さんが超絶美人すぎる。


シリーズ感想

デート・ア・ライブ 18.澪ゲームオーバー ★★★★☆   

デート・ア・ライブ18 澪ゲームオーバー (ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 18.澪ゲームオーバー】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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「ねえ…今度こそ、ずっと一緒だよ、シン」
五河士道の前に、ついに姿を現した始原の精霊―祟宮澪。人類史における最大最悪の災厄。最強の精霊を止めるべく、十香たちは、戦いを挑むのだが…。澪の圧倒的な力によって、ひとり、またひとりと倒されていき…。絶望が戦場を支配する中、士道もまた精霊を巡る争いの元凶、ウェストコットと対峙する。ぶつかり合う純粋な想い。交錯する過去と未来。微かな希望を掴むため、終わりの始まりの戦争を始めましょう。
物凄いことになってきた。物凄い話になってきた。
【デート・ア・ライブ】とは、まさにこのために、これを描くための話だったのだ。物語だったのだ!!
最初からこんな壮大極まるシナリオを想定して構築されてたというのは、とてつもない事なんじゃなかろうか。
ただ独りの愛する人を救うために、その女は世界を狂わせ、友を殺し、すべての罪を背負うことを選択した。それはさながら、世界を救うために愛する人たちを殺し尽くしてきた時崎狂三と表裏であり、そんな彼女を生み出してしまった元凶である、というのは皮肉にも程があるんじゃなかろうか。
正直、士道が秘めていたものがこれほどのスケールを背負ったものだったとは思わなかったんですよね。五河士道とは何者なのか、というのはこのシリーズを通じての謎でもあったのですが、崇宮真那という実妹の存在がその謎に拍車をかけてたんですよね。士道一人ならその由来はどこからでもでっち上げられるのだけれど、真那の存在が幾つもの齟齬を生み、単純な推測ではどうにも処理できない複雑な様相を呈していたわけです。
それが、この祟宮澪の登場によって一気に紐解かれてきたわけですけれど、まさか士道と五河家の関係がそんな関係だったとは。どうして士道が五河家に引き取られたのか、というところに関してはホントなんでなんだろう、と疑問に思ってたところなんだけれど、琴里の両親はちゃんと士道のこと覚えてたんだろうか。だとしたら、どんな思いで彼を引き取り育ててきたのか。
それにつけても、士道と澪の関係である。ってか、令音さんがもうなんか凄まじすぎる。初対面の際から、彼のことを「シン」と呼び続けた彼女。それがどれほどの思いを込められたものだったか、というのはもうこの巻で余すこと無く発露していると言っていいだろう。
こう言っちゃなんだけれど、これまでの士道のデートっておおかた無理しているものばかりで、自分から意気込んでいったものも言わば使命感なんかに後押しされたもののようにも見えるんですよね。
でも過去回想で澪としていたあのデートは……本当にお互い好きなもの同士の初々しく甘酸っぱいそれで、何の背景も任務も責任もない、ただ好きだから好きな人との時間を過ごしているというだけの、年頃の男の子と女の子のそれでしかなくて。そんな当たり前の事実が、この上なく尊く感じられるものだったのです。
だからこそ、澪の覚悟がわかってしまう。すべて正気で、すべての殺戮を、すべての犠牲を、自身が生み出した歴史の歪みを、何億という人間の人生を歪めてしまった責任を、罪業を、全部一人で背負って、彼を生かそうとする思いを。
そして、それを五河士道も崇宮真士も決して受け入れられないであろうことも。

激戦が繰り広げられた本巻。澪の力はあまりにも圧倒的で、まさに蹂躙という言葉が相応しい惨劇が繰り広げられる。決して彼女には勝てない。誰も彼女には太刀打ちできない。精霊たちも味方となってくれた人間たちも敵対したものたちも、等しく皆殺しにされていく。
でもそれは、原点でもあるわけです。最初、精霊という強大な存在に人類はまったく太刀打ちするすべを持たなかった。そんな精霊に打ち勝つ手段はただ一つ。

デート。

困った時の狂三さん、と毎度ながらあまりにも便利すぎて頼もしすぎる最高のジョーカーの働きによって、士道は最後のチャンスを手に入れる。
それはまさに、原点へと立ち返る勝負。剣を振り回して戦うのではない、愛と愛の真っ向勝負。
さあ、俺たちの、私たちの「戦争(デート)」を始めよう。
このフレーズが、これほど似合い相応しい展開があるだろうか。このクライマックスに、その惨劇の向こうに、見事にこの展開をもってきたことに敬服を抑えきれない。興奮を抑え切れない。

今回の澪のジャケットデザインの衣装は、マタニティドレスだという。死んだ愛する男を、自ら産み直してこの世に呼び戻し、幾多の精霊を生みだし、世界そのものを捻じ曲げて彼を生かし続ける法則を誕生させようとするまさに母たる精霊に相応しい、衣装である。

シリーズ感想

デート・ア・ライブ 17.狂三ラグナロク ★★★★  

デート・ア・ライブ17 狂三ラグナロク (ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 17.狂三ラグナロク】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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自身を犠牲にして五河士道を死の運命から救うため、幾度も世界をやり直す最悪の精霊と呼ばれる少女―時崎狂三。彼女の本当の想いに触れた士道は、精霊たちに真実を告げる。最悪の未来を回避するため、そして世界の運命をひとりで背負う狂三を救うため。しかし時、同じくウェストコットはDEMの総力を結集させ、士道を殺すために動き出す。最強の魔術師エレンとアルテミシア。大量の“バンダースナッチ”に加え疑似精霊の“ニベルコル”という圧倒的戦力差の中。
「―さあ、始めようか“ニベルコル”。俺とおまえの、戦争の時間だ」
ターゲットの士道は最前線に現れて―!?
今回の表紙の子誰だろうと思ったら、量産型精霊のニベルコルだったのか。一人だけだからわからんかった。よく見ると背景にたくさんいるんですけどね。でも、おもったよりもカワイイよなあ。これはイラストのつなこさんの腕前なんでしょうけれど。デザインとしてはやっぱり、元となってる二亜に似ていると言えば似てる。
しかし、狂三編のクライマックス、サブタイトルにラグナロクまでつけておいて、表紙絵飾るのがニベルコルかー、とも思ったんだけれど、中身読むと確かにこれニベルコル攻略回だったわ、うん。もう士道が開き直ってしまって色んな意味で酷いw 君はそんな台詞の数々をシラフで言える子じゃあなかったのに、なんというキス魔になってしまったのか。マジでキス魔じゃないかw
今回はついにDEM誕生の歴史、ウェストコットとエレン、エリオットとカレン、この四人の秘密が明らかになって、なるほどDEMって横からちょっかいかけてきた連中じゃなく、そもそもが精霊誕生の根幹に関わってる連中だったのか。そりゃ、黒幕にしてラスボスに相応しいわ。エレンも、最強の魔術師って所詮精霊には叶わない存在でしょう、と思ってたんだけれど、ぽっと出じゃなくて最初からここまで深く関わってたのなら大きな顔しててもしょうがないなあ。
そうなると、ぞわぞわしてくるのがあの崇宮澪の存在である。正直、彼女については一巻まるごと使っても良かったんじゃないかと思うほど、重要なんですよねえ。士道と真那の二人の記憶喪失の原因でもあり、士道がどうしてキスで精霊たちの能力を封印できるのか、そもそも精霊を誕生させ続けているファントムの正体と目的とは、というこのシリーズの根幹を担う謎を、彼女の過去がすべて物語っていたのですから。
ちょうど、【ストライク・ザ・ブラッド】のアヴローラと暁古城・凪沙兄妹の関係とよく似た話でも在るだけに、あっちと同じく一巻ならずともそれなりに分量割いて、同居生活の情景を刷り込ませてくれていたら、もっと「澪」個人と彼女の想いにも思い入れが深くなったかもしれないのですが、けっこうパッパとそのあたり流れてしまいましたからね。
いやでも、これ相当極まったヤンデレになっちゃってるんじゃないですか? ヤンデレ枠は折紙かと思ってましたけれど、あれはむしろ変態枠だったしなあ。あのラストはもう完全にイッちゃってて、その結果が今の士道というのはかなりゾクゾクする展開だったんですけれど、現状澪の人ってメンタルどうなってるんだろう。狂三が遭遇したファントムと、どういう繋がりになってるのかも不明ですし、ひゃー、これは盛り上がってきたと言わざるをえない。

シリーズ感想

デート・ア・ライブ アンコール 6 ★★★☆  

デート・ア・ライブ アンコール6 (ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ アンコール 6】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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新しい年を迎えても五河士道の日常は大忙し!『美九に耳たぶをハフハフされる』『士道と全裸二人羽織』『二亜のヌードデッサン用のモデルになる』…。初詣を終えた五河家で繰り広げられるトラップだらけの自家製すごろく対決に始まり、「生々しすぎるわ!」超高難易度のギャルゲー攻略に、「…俺、主人公かよ」アニメのアフレコ初挑戦。ネットゲームにはびこる悪質PKの撃退。そして迎える最大の試練―。「六喰の…髪ッ…」六喰の髪を切ることになった士道だが、とある事故で切り過ぎてしまい―。六喰に気づかれる前に、平穏な日常を取り戻すための戦いが今、始まる!
ここから二亜と六喰が短編集にも本格参戦となるのだけれど、二亜が特にやべえ。享楽主義者にして他人を引っ掻き回して楽しむタイプだから、率先してトラブル引き起こす羽目に。それも、どちらかというと知能犯型なんで本能型だった折紙や美九の暴走に、より計画性が付与されることになってしまって、余計に士道が酷い目に、或いは嬉しい目に……。
前は折紙と美九に夕弦がトリオ組んでたんだけれど、ここから折紙・美九・二亜の悪巧みトリオになってくんですよね。どのエピソードも大概にしてこの三人が裏で暗躍するという始末。まあ、折紙が一人で暴走していた頃を思うと、仲良くバカやれる悪友が出来たというのはイイことなのかもしれませんが。
色々と薄汚れてしまっている三人組とは裏腹に、純粋無垢を地で行くのが四糸乃・七罪・十香のピュアトリオである。完全にこの三人が癒やしになってるよ。汚れてないからなあ、心が。その中でも七罪がまた常識人で引っ込み思案なのに誰か困ってるとついつい手助けしてくれるいい子なので、四糸乃や十香が難しい局面に立たされて困惑していると、サッと七罪がフォローしてくれるこの関係がまた和むんですよねえ。
七罪に関しては前巻の短編集から色々と頼りになりすぎて、精霊の中のお助けマンというのがもう定着してしまっているのがなんともはや。
困った時の七罪ちゃん、である。
司令官の琴里からして、いざとなると七罪頼ってるもんなあ。
オンラインゲーム編では、ピュアトリオは一括りとして、他のメンバーはいつもとメンツを入れ替えて遊んでいたわけだけれど、入れ替わっても和気あいあいと賑やかにやれているあたり、精霊同士の横の繋がりはもう盤石というか、ぶっちゃけ士道抜きでも話が回るくらいにキャラ同士の関係が熟成されてきてるんですよね。
まあシリーズももう十六巻に至ってる長期シリーズ。短編集も含めると二十を越えているわけだから当然といえば当然なんだけれど、それだけキャラが馴染んでくるとこうした短編集の方がむしろ細かくスポットがあたって活き活きしだすのかもしれないなあ、と思ったり。
ただ、最初っから他の精霊の子たちとも馴染みまくっていた二亜と違って、さすがに六喰については仲間に加わった経緯からもまだ士道にしか打ち解けてないというところもあってか、他の子らも彼女に対してはまだおっかなびっくりという接し方なんですよね。それを縮めていくための今回の話でもあったんでしょうけれど、まだもう少し馴染むまでは時間掛かるんだろうか。だいたい、精霊たちの中でも相性の良い者同士というものがあり、以心伝心の共謀関係にある美九と折紙とか、普通に仲の良い友達同士になってる四糸乃と七罪とかのような、良い相方が六喰にも出来ればいいんですけどね。その意味では純真さでは同じくらいの十香あたりが一番波長合ってるのかな。次の短編集に期待したいところ。

シリーズ感想

デート・ア・ライブ 16.狂三リフレイン ★★★★☆   

デート・ア・ライブ16 狂三リフレイン (ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 16.狂三リフレイン】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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「―わたくしと士道さん、相手をデレさせた方の勝ち…というのはいかがでして?」
来禅高校に復学し、五河士道の前に再び現れた最悪の精霊、時崎狂三。狂三の霊力を封印したい士道。士道が封印してきた精霊の霊力を欲する狂三。二月一四日のバレンタインデーに向けて互いのすべてを懸けた二度目の戦争が始まる!
「今度は…俺がおまえを、救う番だ…ッ」
少女はなぜ最悪の精霊と呼ばれるようになったのか―。世界の運命をひとりで背負い、かつてデレさせられなかった精霊を今度こそ、デートして、デレさせろ!?

真・ヒロイン爆誕!! いやもうね、極初期に登場して以来、最初からその存在感は他の精霊たちとは一線を画するものがあったわけだけれど、これはもうヒロインですわー。ヒロイン以外のナニモノでもないですわー。
ついに明らかになった狂三の目的。彼女なりの強い意志、を通り越した凄まじい覚悟があることは理解してたんですよね。折紙の歴史改変時間旅行の一件でかなり手放しで折紙に手を貸していたことからも、彼女の目的がこのときの折紙と似たようなものであり、自分のケースのための実験の要素があったっぽいのはわかってたんですけれど、狂三の真実を知ってしまうとこの時折紙に力を貸したのって純粋な同情と共感でもあったんだろうなあ。
そして、彼女の真実を知ってしまうと狂三がどれほどの凄惨な覚悟を以ってこの五年間歩き続けたのかを思い知ってしまって、もう戦慄を抑えきれない。
救えなかった世界を救うために、世界の敵となりすべてを破壊し打ち壊す。愛する人たちを救うために、その愛する人たちを殺して殺して殺し尽くす。助けるために殺さなければならないという苦悶、救うために破壊しなければならないという苦痛。それにずっと耐えて耐えて、壊れたような笑いを貼り付け、殺戮の悪魔として、最悪の精霊として戦ってきた時崎狂三のその覚悟は、いつか自らが地獄へ堕ちることだけを縁にして這い進む、あまりにも悲愴で哀れで健気で美しい、狂気のような願いの産物なのだ。
かつての折紙が背負っていた運命も、あまりにも重くて救いがないと思っていたけれど、狂三のそれは折紙の運命をも上回る絶望であり、しかも彼女はそれを自分の選択として自ら選び取り、受け入れ、成し遂げようとしている。そこに、自らの救いがないと最初から知りながら、だ。
そんな彼女が初めて巡り合った恋。いつしか紡がれていた愛。でも、その相手をこそ彼女は殺さなくてはならない。最後の鍵として必要な精霊たちの莫大な霊力を、士道から奪うためには彼を殺さなくてはならない。
お互いにそれを承知しながら、デートで相手をデレさせた方が勝ち、というデート勝負を選んだ時の狂三の想いたるや一体如何許であったか。いや、最初の段階では彼女は自分の思いにはまだ無自覚であったんだろうけれど……。
その後の、デートの間に裏で進行していた、狂三によって時間の向こう側に消し飛ばされていた真実、彼女の屍山血河の激闘を知ってしまうと、このデートの最中における狂三の幸せそうな姿がもう、胸痛いどころじゃないんですよね。
これだけ、これだけ血まみれになって、何度も自らを殺しながら、何度も何度も目の前で大切な人の死を目の当たりにしながら、頑張って頑張って、ただ世界と、好きな人たちを救うために戦う少女に与えられる報いが、この一時の逢瀬だけ、というのはあまりにも、あまりにも救われないじゃないですか。
今まで何度も精霊たちとデートを繰り返してきた士道だけれど、今回は誰の介入も許さず、選択肢も妹たちから指示されたものではなく、全部自分で考えて五河士道そのままでぶつかっていってるんですよね。そして狂三の方も全力でデートを楽しもうとしていて、だからか今までで一番真っ当なデートで、お互い楽しそうで、幸せそうな噛み合ったデートでした。こんなラブラブでイチャイチャした普通のデートって初めてだったんじゃないだろうか。
お互いに、相手のために全力で、全身全霊で。

「今度は…俺がおまえを、救う番だ…ッ」

士道のこの決意に、もう涙が出そうなほどすがりたい。そうだ、救ってやってくれ、助けてやってくれ。この自ら孤独へと突き進む、自分だけは救われまいとする少女を、助けてやってくれ。
どうして、狂三の回が精霊たちの中でも最後の最後に回されたのか。彼女が物語の謎の核心に居るというだけではない、五河士道という主人公が狂三というヒロインを救うことが出来るだけの器を育てるまでに、ここまで掛かったということなのだろう。とてもじゃないけれど、最初の頃の狂三と出会った当初の士道では無理だった。手も足も出なかっただろう。折紙のケースを経て、ようやく資格を得て、そしてその激闘を経てやっとやっと、手を差し伸べられる高さまで登ってこれた、ということなのだろう。
まだ狂三が救われるための手段も何もかもが闇の中である上に、ついにファントムと呼ばれたゼロ番目の精霊の正体が明らかになる、という怒涛のクライマックス。
ファントムについては、おおよそ想定通りではあったんだけれど、まだ幾つか違和感はあるんですよね。狂三が体験した崇宮澪という少女の所業と、あの人の人となりは重ならないものが多すぎるし。もう幾つか、錯誤か狂三が抱えていた真実のようなものが潜んでいるんじゃなかろうか。

いずれにしても、物語はもうノンストップでクライマックス突入。ここが山場と言わずしてどこが山場だ、って盛り上がりだわなあ。

あと、七罪は相変わらず精霊の中での唯一のセーフティネットで、安定の癒やしでありました。だいたい、シッチャカメッチャカになっても七罪がなんとかしてくれる、というこの絶大な安心感!w

シリーズ感想

デート・ア・ライブ 15.六喰ファミリー ★★★☆  

デート・ア・ライブ15 六喰ファミリー (ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 15.六喰ファミリー】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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天使の力によって自らの心を閉ざし、宇宙空間を漂う精霊、星宮六喰。救いを拒絶された五河士道は、己の葛藤を振り切り、新型“フラクシナス”と精霊たちの力を借りて再び六喰と対峙を果たす。DEMのエレン操る“ゲーティア”と、アルテミシアも介入した激戦の中、士道は六喰の心を開くことに成功する。表情豊かに懐いてくる激変した六喰に戸惑いながらも、デートし好感度を上げていく士道だが…。
「むくと契る以上、おなごたちとは金輪際会わぬと誓うのじゃぞ」
六喰から厳しすぎる条件を突き付けられてしまい―。重すぎる愛情と強い独占欲を秘めた精霊を説得するため、デートして、デレさせろ!?
綺麗な折紙の再登場に歓喜。いや、最近は変態すぎる折紙さんにも耐性が出来たというか、あちらも多少マイルド(?)になって多少ヒロインらしくはなっていいかなあ、という感じではあったんですけれど、それでも変態じゃない折紙さんの穢れのなさには眩しさしかないよ!
性格的にもマトモだし健気で献身的だし、実は頭が回って有能だし。こっちの折紙さん、マジ頼りになるんですが。
普段は両方の折紙が混じった状態でどちらがどちら、というものでもないみたいで二人の折紙が内在しているわけじゃあないみたいなのですが、ここまでいいキャラしているとたまには登場してくれないかなあ、と本気で思ってしまう。
戦力的にも、他の精霊たちが能力を封印されて力を失っているのに比べて、今回折紙は精霊の能力と魔術師フォームのハイブリッドという戦闘手段を手に入れたので、こっちサイドの貴重な戦闘要員になってくれましたしねえ。士道だけだとやはり苦しいからなあ。
その士道だけれど、今まで手に入れた天使の力をコピー品とはいえかなり自由に使えるようになっていて、現状ほぼ主戦力となっているのが面白いなあ、と。最初の頃どころかつい最近まで戦闘では戦力外であり続けましたからね。ハニエルが使えるだけでも、かなり色々出来るようになってるわけですしねえ。美久の天使の能力もかなりうまいこと使ってるし。
一方で、ようやく失われていた士道の過去も、今回の六喰の過去と連動させる形で明らかになってきて、その背景には大きな陰があることがわかってきたわけだけれど、そうなると余計に士道の出自が気になってくるところだわなあ。母に捨てられ五河家に預けられるまでの過程がまだ謎のままですし。実妹の真那はどうしてたんだ、とか。それ以上に、琴里の正ヒロインっぷりも浮き彫りになってきてるんですが。幼少時からこの義妹、お兄ちゃんのこと助けすぎでしょう。
それにしても、さすがに十五巻もシリーズが重なってくると、士道の主人公らしさにも風格みたいなものが出てきましたなあ。正直、彼の女の子へのアプローチというのは当初からダメダメも良いところだと思ってたのですが、これだけ何度も何人も困難を乗り越えて精霊たちを苦難から救っていると、いい加減貫禄みたいなものが出てきた感があります。

「――俺の手を待っている子の、ところへ」


うん、素直にカッコよかったよ、このシーン。六喰の抱えていた問題って今まででも個人の人格形成によって生じたトラウマに根ざすものであって、名前のように無垢な心が自傷によって傷ついたものだったから、それを救うというのはかなり難しいアプローチが必要とされたのだけれど、士道の自分をさらけ出した体当たりな寄り添い方は非常に主人公らしくて良かったよ。
今回は特に、独占欲という観点から恋人という関係からすると当然の、「他の女と関係断ってよ」という正論によってぶん殴られてきたところがかなりキツかったという部分もありましたからねえ。そこらへん、かなり精霊さんたちには甘えていた気もするんだけれど、まあ……今回も何気に甘えた倒して押し切った感も無きにしもあらずなのですがw
さて、ここまで来てようやく現存する精霊は出揃ったのか。となると、真打ち狂三の登場だわなあ。まさに、満を持して、というラストシーンでありました。やはり彼女が出てくると話が引き締まってワクワクしてくるなあ。

シリーズ感想

デート・ア・ライブ アンコール 5 ★★★☆  

デート・ア・ライブ アンコール (5) (ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ アンコール 5】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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精霊たちと訪れたスキー旅行先で、遭難してしまった五河士道。三人の『捕食者』から純潔を守れ!?そして宿泊したコテージで起きた殺人事件。『雪山の殺人鬼』から生き延びることができるのか!?さらには「まず士道が身を以て十香の雪玉を全力で受け止める」命懸けの雪合戦!?最後は少しのスリルを楽しむために始めた闇鍋も一人の乱入者によって、デスゲームへと変貌を遂げる!?騒がしくも充実した精霊たちとの日常!

登場人物中屈指の常識人である七罪が、日常ドタバタパートだとこれほど癒し系として機能するのかぁ。士道だけじゃなく、アンコールだと琴里もわりと被害者なので、五河兄妹の癒やしなんですよねえ、七罪が。この七罪と四糸乃の良心コンビが可愛くて可愛くて。
折紙も完全に精霊として身内に加わって人数も随分増えたわけですけれど、そうなってくると精霊の娘さん同士の中でも仲の良い組み合わせとか出てくるんですよね。こういう横の繋がりが増えてくる、というのはキャラ描写の幅が広がって作品そのものの縦深が拡大するので実に良いと思うんですけれど、場合によってはこれまで個人個人でバラバラに行動していたのが、連携して動いてくるという事にも繋がるわけで……折紙・美九・夕弦の超肉食型ヒロイン三人娘が一致団結して士道に襲いかかるという恐ろしい事態がww
よりにもよってその三人で協調するのか。折紙も丸くなったものである。この娘が他の精霊を排除して独占を目論むのではなく、一致団結して一緒に食い散らかすのもOKという方針に転換してしまったのは、もうだめなんじゃないですかね、士道の貞操w
真剣に必死になって士道を守ってくれそうなのがもう琴里しか居ないし。妹頼みか、士道くんw
その妹もアンコールだと本編の頼もしさも半減して、歳相応というか妹らしいか弱い部分を垣間見せてくれるので、これはこれで実に美味しいのですけれど、おかげでわりと士道と一緒にえらい目に合うとか苦労を背負い込むことになるので、不憫枠なんだよなあ。かわいいかわいい頑張れ頑張れ。
しかし、こうしてじっくりドタバタ日常をやっていると、普段じっくりと見られないヒロインそれぞれの些細な側面が垣間見れるのがいいですよねえ。美九が一番真っ先に危ない目にあってる小さい子を助けに行ったりとか、耶倶矢の素の幼い表情とか四糸乃のアグレッシブなところとか。
いつものトリックスターな狂三が、今回に関してはかなりはっちゃけてたというか、狂三が酷い目にあってる場面とか見たことなかっただけに、これは新鮮だったなあ闇鍋編w
どの短編も総じて大満足のアンコール編でした。いや、本編よりむしろこっちのほうが作者の本領発揮出来てるんじゃなかろうか。

シリーズ感想

デート・ア・ライブ 14.六喰プラネット ★★★  

デート・ア・ライブ (14) 六喰プラネット (ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 14.六喰プラネット】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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新しい年を迎えた一月。精霊たちとの賑やかな初詣。新学期が始まった来禅高校。高校生、五河士道にとって当たり前の平穏な日常は、宇宙から飛来した隕石によってまたも壊される。「―私たちも初めて確認する精霊よ」宇宙に漂う第10の精霊、星宮六喰の手によって―。地球から宇宙への通信映像によって会話を試みる士道だが…。『うぬの偽善に巻き込まれるのは迷惑じゃ。二度とむくの前に現れるでない』これまでにない強い拒絶を受けてしまう。心に鍵を掛けて、感情を閉ざした精霊の内なる想いを引き出すため、デートして、デレさせろ!?
これねえ、確かに六喰の言う通り、精霊を必ず封印する必要があるのか、と思う場面はあったんですよね。特にDEMと激しく対立して十香たちに直接危害が及ばされることが多くなった頃から。元々敵対していて力を封印しないと危なかったり、能力が暴走しかけていたり、と封印が必要と思われるケースは当初こそ多かったものの、最近だと協力的で能力もちゃんと制御出来ている精霊も居たにも関わらず、精霊としての力を封印してしまって、戦力を減らしてしまって結果的にDEMに攻められてピンチに陥る場合がありましたからね。
士道が精霊全員の能力を封印する、という事実がおそらく物語の鍵になっていて、それを促している裏の意思みたいなものもあるのだけれど、こと士道に関しては特に疑問も覚えず精霊から能力を封印して普通の女の子に戻す、ということを正しいことと信じて動いてましたからね。まあ、それがアスタリスクの方針でもあったのですけれど。でも、天使の能力の限定解除しか出来ずに危ない目に合うことがある度に、彼女たち自身が身を守る術を無くしている、というのは本末転倒じゃないか、と思うこともしばしばありましたから、六喰の指摘に士道がかなり動揺したのって、実は彼も薄々そう考えていたのか、と逆に安心したくらいなんですよね。
精霊の子たちは、納得して能力を封印して貰っているので今更どうこう言わないでしょうけれど、それは士道が彼女たちに対して責任がある、ということですからね。彼にちゃんとそこらへんの自覚があって良かった。
そして、六喰については精霊の力を封印する、士道らしい理由がちゃんと見つけられているので、これはこれで良し。まあぶっちゃけ、DEMなんとかして安全確保してからゆっくり精霊に取り組めば、と思わないでもないのだけれど。
しかし、あとがきで作者さんも自身で触れていますけれど、今回の六喰は時崎狂三並に読み方がアレですねえ。さすがに、狂三のそれには敵いませんけれど。ってか、やっぱり狂三はインパクト強すぎる。

と、話が進行している一方で、初詣に童話世界に取り込まれ、と振袖姿にお伽話のキャラクターの衣装に、とヒロイン衆のコスプレ大会が何気に大盛り上がりで、いつの間にか彼女たちの横の繋がりも広がっていて、日常パートも普通に賑やかにしているだけで楽しいなあ。
新加入の二亜は今までに居なかったお姉さんタイプなだけに、色々と頼りになる。真面目な話って、琴里ぐらいしかちゃんと出来なかったしねえ。みんなにちゃんと気配りしながら、雰囲気を盛り上げつつ、シリアスな局面でも冷静な意見を言ってくれる、とどんだけ便利なんだ、二亜ねえちゃん。
これで、とりあえず1から10までの精霊が出揃ったわけで、六喰がファントムを除いた最後の精霊になるんだろうか。
あと、たまちゃん先生誰かなんとかしてやってくれ。士道たちのとばっちりを受けてどんどん闇が深くなってるんだがw

シリーズ感想

いつか世界を救うために クオリディア・コード 2 ★★★☆  

いつか世界を救うために (2) -クオリディア・コード- (ファンタジア文庫)

【いつか世界を救うために クオリディア・コード 2】 橘公司/はいむらきよたか 富士見ファンタジア文庫

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暗殺対象である神奈川序列第一位・天河舞姫の突然の来訪。二人っきりになる絶好の機会であるにもかかわらず、動揺する紫乃宮晶。ストーキングの証拠満載の舞姫グッズで埋め尽くされた部屋を隠し通せるのか―。さらには四天王入りを果たしたことで、「神奈川伝統の寝起きドッキリでね!」今度は逆に舞姫たちからストーキングを受けることに!?そして明らかになる衝撃の事実―「シノって…女の子だったの?」「そうだが」新世代ボーイ改めガール・ストーキング・ガール!!
ほあーーーっ!? ちょっ、ええ!? えええ!? えええええ!?
ちょっと待ってーーー!! え? シノって女だったの!? 敵の能力で性転換させられてえらいこっちゃなイベントとかじゃなくて、最初っから女だったの!? びっくりすぎるわーー! それはびっくりすぎるわーー!
いやー、マジびっくりした。大仰天でしたよ。マジか〜。そうだったのかー。
はーーーー……そうか、そうなるとシノが舞姫に対してあれほどストーキングをしながら一切邪念らしい邪念が感じられなかったのは、シノがすっとぼけた天然系男子だったからじゃなくて、単純に同性だったからだったのかー。この男、稀代の逸材だぜー、と戦慄しっぱなしだったんだが、ちゃんと道理の通用する人間だったんですね。
……いや待て、そりゃシノが女だったから邪念が感じられなかった、というのはわかるとしても、あの凄まじいまでのストーキング熱はじゅうぶん変態だよ!! 女の子同士でも見事にアウトだよ! むしろ、女の子同士だからこそ執拗すぎて怖いよ!! しかも、あの熱心さは仕事だから、というわけではなかったんじゃないか、という疑惑がシノと舞姫の関係が明らかになることによって湧き上がってきてしまったんだが。
ケンゼンですか!? ホントに、ケンゼンな親友関係ですか!? 健全女子ですか!? むしろ、この巻のあとの話というか、舞姫とシノの関係の方が気になってきますよ、これ。のちのち再登場した時にどえらいことになってないか心配ですよ。

はーー、初っ端から凄まじいパンチ食らって動揺しっぱなしでしたからねえ。うん、開幕攻撃としてこれほど入念にして威力タップリのそれはなかなか経験できないものでした。普通、この手のネタバラシは巻末とかクライマックスなところでやるものだから、第一巻で一切明らかにしないまま、まさかの二巻冒頭で、というのは未だかつてなかった手法なんじゃないだろうか。一巻読んで、二巻の表紙目の当たりにした人は、いったい何事か!?と惑乱させられたでしょうし、そのまま中身を読んだ人は目を白黒させられながら度肝抜かれたでしょうし。
これはこれで、やられたなあ、という思いが。まいった。

しかし、そうなると「ほたる」との関係も男女のそれではなく、百合となってしまうわけで……ヘヴィだ。スーパーヘヴィだ。しかも、事実が明らかになるにつれて、「ほたる」の変態性がそれはもう取り返しのつかないことに。すでに取り返しの付かない変態だけで四天王が形成されているのに、それ以上の手遅れマッドクレイジーなのが浮かび上がってきてしまって、こりゃもうアウト!! これぞ、ヤンデレの極みよなあ。
でも、スッキリした。なるほど、そもそもの舞姫暗殺指令からしてずっともやもや感がつきまとっていたわけですし、シノの中にあった違和感、というか断線したような不可解な繋がりなど、すべてが一つの要因によって形成されていたわけですね。巧妙に消し去られていた部分が明らかになった途端、全部が綺麗に繋がったのは何気にお見事。

神奈川編はこれにて一応の幕引きと相成って、続きは他の地域の作品と合流しての、アニメ化ですか。舞姫とシノたちがアニメで見れるわけですか。ってか、あの変態たちがアニメ化してしまうのですか? 正直、他の作品とキャラの釣り合いがとれているのか心配なんですけど。多少なりとも、マイルド化されてしまうのでしょうか。そうだと安心のような少し寂しいような……。まあでも、素直に楽しみです。
それに、舞姫は健全ですし。彼女だけ?は健全ですし。

1巻感想

デート・ア・ライブ 13.二亜クリエイション ★★★☆  

デート・ア・ライブ (13) 二亜クリエイション (ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 13.二亜クリエイション】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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クリスマスも過ぎた一二月末。五河士道は空腹で道ばたに倒れていた第9の精霊、二亜と出会う。「このままじゃ次の原稿を落としちゃいそうなのよ…」二亜の自宅でなぜか漫画作業を手伝うことになった士道は、彼女がDEMに囚われていた精霊だということを知り―。封印するため、二亜リクエストの秋葉原デートをするのだが…。「実はあたし…二次元にしか恋したこと、ないんだよね…」そのデート中、二亜から衝撃の発言を聞いてしまい!?二次元の世界に没入する、オタクで漫画家の精霊を次元のハードルを乗り越え、デートして、デレさせろ!?
DEMに囚われていた第9精霊って、精霊に纏わる物語の核心に最初から居た精霊なのかと思っていたけれど、そうじゃなくて精霊に関する情報源という意味合いの存在だったのか。第9精霊の登場そのものが、物語をもうストップすることなくクライマックスへと走らせるイグニッションキーだと思っていたので、悠長にいつもどおりのデートがはじまるような粗筋にあれ?と首をひねっていたのですけれど、なるほど納得。
あくまで、核心に関わる存在は限定されているのね。どうやら、その中には士道もいるみたいなのだけれど。
いずれにしても、これまでの精霊の中で「お姉さん」タイプというのは初めてだったので、何気に新鮮。二次元オタクというわりには非常に社交的でコミュニケーション能力も高いタイプだったので、これなら七罪の方がよっぽど面倒くさかったですよね。実際、七罪の攻略には2巻かかりましたし。
ただ大人ということは、それだけしっかり割り切りがハッキリしちゃっているわけで、初心な少年が攻略するのって不安定な年頃の少女たちと比べると圧倒的に難易度高いんですよね。むしろ、二次元しか愛せない、という突破口があるだけマシだったんじゃないだろうか。これ、普通の感性の女性漫画家だったら士道ではちょっと太刀打ち不可能だったんじゃなかろうか。その能力を原因とする人間に対する不信感と、その奥底で燻っている本当に信頼できる人間は居る、という期待感。士道の一番の武器は何はなくともその誠実さだっただけに、実のところ士道との相性という意味では二亜姉さんって精霊全員の中でもトップクラスなんじゃなかろうか。まあ、精霊達みんな士道の誠実さにやられているわけですけれど。
最初の頃は精霊の攻略というと、ラタトクスのサポートがあったとはいえ士道が一人で頑張っていたものですけれど、仲間になった精霊が増えだした最近ではみんなが一丸となって協力して精霊の攻略に当たる展開になっているのが、何気に面白い。その中で、特に目立つのが内気で最初は尻込みしているのにいざ事が始まると一番頑張り屋さんな七罪と、姉妹勝負であらゆる事に精通している八舞姉妹なんですよね。七罪は、なんかこの頃は十香にも増して、士道に救われたことでこれまでの生き方を一変して、自分を好きなろうと頑張っている、成長しているキャラになってるんですよねえ。今、一番輝いてるんだよなあ、この子。
そして、万能すぎるのが八舞姉妹。いや、本当にこの娘ら出来ないことはないんじゃないか、というくらい何でも出来るんですよね。どんな状況に直面しても、この二人はとりあえずある程度以上にその事柄に修熟しているので、そこを突破口として事態を打開していけるのである。戦闘面じゃないくても、この二人が切り込み隊長
なんだよなあ。それが、地味に頼もしい。

さて、二亜がDEMに囚われていた時に行われていたことが、想像以上にえげつなかった件については、そろそろいい加減このDEMに対してガツンとやってほしいなあ、という欲求が高まっている。半封印状態の精霊たちでは全力が震えず、どうしても連中に遅れを取ってしまうのがだいぶストレス溜まってるんですよね。
もう予想以上に外道で邪悪であることが徐々にわかってきている連中なだけに、そろそろ反撃のターンが欲しいよなあ。
そして、二亜がもたらした精霊の真実。これは、おおよそ想像がついていたことでもあるけれど、こうして明言されてしまうと思うところもあるわけで。出自が完全に不明な精霊達も、こうなると帰る所や家族がある、かもしれないわけで。そのあたりも突っついてくるのかな。

橘公司作品感想

デート・ア・ライブ 12.五河ディザスター3   

デート・ア・ライブ (12) 五河ディザスター (富士見ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 12.五河ディザスター】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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天宮市に本格的な寒さが到来した一二月一日。五河士道は、何の前触れもなく暴走した―。体力測定で次々と世界記録を塗り替え、さらには触れただけで窓ガラスや壁を破壊してしまう。人外の力―それはまるで精霊のようで。これまで封印してきた精霊の力がオーバーヒートし、暴走状態となってしまった士道。最悪の事態である『もしものとき』を回避するため、動き出す琴里たちだが…。「―さあ、俺を、デレさせてみな」十香たちのよく知る士道とは様子が違い。精霊たちを救ってきた少年を救うため、デートして、全員でデレさせろ!?

このジゴロ士道って、別人格とかじゃなくて彼の内面にあったものが本音みたく飛び出しちゃったようなものなんですよね。ということは、士道の中身には間違いなくこういう一面もあったのかー。いや、うーん、普通にかっこよくて女の子の扱いが上手い、という感じじゃなくて女の子慣れしてない中学生が抉らせて妄想したイケメンジゴロ(ホスト風)なのが、士道らしいといえば士道らしいというべきなのかもしれない。
でも、普段の士道の方が普通にカッコイイと思うんだけれどなあ。女性陣は、こういうイケイケの士道も偶にはいいのかなあ。
個人的には、やはり一番真正面からヒロインしているのは、琴里だと思うのよねえ。この娘の、士道好きって悲壮感も背負っているせいか、結構目一杯なんで弱い部分を見せるときは思いっきり可愛いんですよねえ。
ちょっとやそっとでは、なかなかこの妹ちゃんには敵わないと思うよ、他の娘らは。実際問題、みんな琴里には一目置いてるもんなあ。
そんな中で、恥じらいと良識を手に入れることで女子力を高めてきた折紙。これで? とか言うなかれ。ぶっちゃけ、変態折紙にまともな折紙の方が殆ど食われちゃっているのだけれど、ギリギリのところで良識が粘ってくれるので、意外といい塩梅になっている不思議。
一方、肝心のメインヒロインであるところの十香は、ついにというべきか、自分から士道をデレさせる展開に至ってようやく「恋」を知ることになる。純粋無垢であるが故に、幼さが前に立ちどうしても女性としての存在感が足りなかった十香が、これでようやくヒロインとして立脚したんじゃなかろうか。

さて、今回の一件を通じて、精霊を封じる力をなぜ士道が持っているか、の謎が彼の実妹である真耶と共に失ってしまっている過去の記憶とともについにランディングアプローチに入ったっぽい。囚われの第二精霊が、思いの外関連してくるのか。囚われじゃなくなってしまったみたいだけれど。

シリーズ感想

いつか世界を救うために クオリディア・コード 4   

いつか世界を救うために -クオリディア・コード- (富士見ファンタジア文庫)

【いつか世界を救うために クオリディア・コード】 橘公司/はいむらきよたか 富士見ファンタジア文庫

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西暦二〇四九年。世界は終わるかと思ったが、終わらなかった。突如として現れた正体不明の『敵』―“アンノウン”と戦争を続ける人類。防衛都市のひとつ神奈川の学園に転校してきた紫乃宮晶。彼の目的は『神奈川序列第一位・天河舞姫を暗殺すること』。しかし『最強』の称号を有し、人類の希望である少女の強さはあまりにも規格外で…。
「のぞきではない。監視だ」
「今は胸を調べている」
「無論、尾行だ」
「変態ではない、調査だ」
「秘密裏に行う家宅捜索だ」
舞姫の全てを知るための観察が始まった!?新世代ボーイ・ストーキング・ガール!!
こ、この人はー。橘さんという人は、【蒼穹のカルマ】がそうだったんだけれど、真剣にろくでもないことをさせるとやっぱり抜群にうまいわ〜。久々にこの作家さんの真髄を味わったような満足感であります。
主人公の紫乃宮晶は実に生真面目な男で余計な邪念など入る余地もなく任務を達成するために真剣に標的である舞姫の観察・調査を行うのであるが、やってることはどこからどう見てもストーカー、盗撮、痴漢行為という見事な犯罪行為! 完璧なまでのアウト! なのだけれど、本人本当に邪な気持ちないんですよね。欲望にかまけているわけではないのである……ないよね?? ないんだよね? 傍目から見てると本当に真剣なので、無いように見えるんだけれど、見えるんだけれど、それにしてもやることなすこと……w
それに、彼の能力って戦闘的にも凄まじすぎるんだけれど、ストーカー的にもさらにすごすぎるんですよね。見えてさえいれば触れるって、何この超々長距離狙撃ならぬ、スーパーロングレンジお触りとか。エロ漫画でも早々お目にかかれない優れた能力なんじゃないだろうか。
これが鼻の下を伸ばしながらやらかしてたら「この野郎!」なんだけれど、真面目なんだ。真剣なんだよ。このスットボケっぷりは、あの【フルメタル・パニック】の相良宗介のコメディのそれに近似するものなんだけれど、橘さんはこういう真剣に馬鹿をやるときは、それこそ手加減抜きに底抜けに馬鹿で「変態!」の方に全力疾走し出すので、たいてい目を覆わんばかりに酷いことになるのである。
でも【デート・ア・ライブ】の主人公の五河士道ってちょっとそのパターンにそぐわないキャラクターなんで、あのシリーズは作者得意のギャグパターンがなかなか機能してないのが、ちと残念なんだよなあ。まだ読んでいない本編最新刊では彼のキャラがかなり変貌するらしいので、期待しているのだが。
と、話は逸れたが、本作においても目を覆わんばかりに残念なのは残念ながら紫乃宮ことシノだけではない。というか、オールマイティーに変態行為をマスターしているシノではあるが、残る連中はガチで変態である。さすが、と言わんばかりの変態揃いである。舞姫の下に集った歴戦たる能力者たち四人の「四天王」。
近年稀にみる四天王である。これに匹敵するのは、さすがに【のうりん】の四天農くらいしか思いつかないw
いや、普通に強かったり有能だったりするからこその四天王なんだけどね。うん、それが基準と思う時代が本作にもありました。違うのね、違うんです。違ったんです。うん、強さが基準ではないのね。
でも、もうどちらにしてもシノはあまりにも適格者すぎて、笑っちゃうくらいハマりすぎてしまう基準でもあるわけです。誰がどう似てもあなたが文句なしにナンバー2ですww

しかし、ヒロインの舞姫は、天真爛漫さが素晴らしいですね。天使ちゃんですね。まさにみんなの舞姫すぎて、可愛すぎる。最強キャラなのに、基本的に初な小娘らしいキャラキャラした甘やかさが眩しいかぎり。これは、みんなのアイドルになるのもわかるなあ。こういう底抜けに陽性のヒロインというのは、どうにも太刀打ち出来ないカリスマ性があって、真面目なキャラほどズドンされてしまうのかもしれない。
一方で、こういうキラキラした娘にこそ、対比として光あるところ陰あり、な娘が並び立てるわけで。シノの本来のパートナーである彼女。もうあからさまに謎と陰謀と後ろ暗い思念を抱え込んでいて、これはこれで実に素晴らしい。
シェアワールドということで、この作品自体長引かずに次の巻あたりで完結するらしいですけれど、長期で楽しめないのが勿体ないくらい期待に違わぬ面白さでした。

 
12月3日

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(講談社ラノベ文庫)
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(講談社ラノベ文庫)
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(Kラノベブックス)
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(早川書房)
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12月1日

(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJコミックス)
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(HJコミックス)
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11月30日

(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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11月29日

(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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(ファミ通文庫)
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(エンターブレイン)
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11月28日

(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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11月27日

(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(アクションコミックス)
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11月26日

(エンターブレイン)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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11月25日

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(ガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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