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水瀬葉月

ダークエルフの森となれ -現代転生戦争- ★★★☆   



【ダークエルフの森となれ -現代転生戦争-】 水瀬 葉月/コダマ 電撃文庫

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褐色ギャル風ダークエルフとの同棲。そして種の生存をかけた戦争が始まる!

輝獣と呼ばれる自然脅威から日本を守る騎士候補生として学園生活を過ごす朝倉練介は、誰よりも駆動鉄騎の扱いに長け、優等生の仮面を被り、だがしかし温度のない日常に倦んでいた。
そんなある日、木の上から突如彼に飛びかかってきたのは、一人の黒ギャル女子高生……もとい異世界から転生してきたというダークエルフ、シーナだった。
挑発的な態度、嗜虐にみちた言葉、それでいて明るい、日だまりのような笑顔。そんなシーナに眷属として見初められた練介は、彼女とマンションで同棲を始め、やがて異世界から転生してきた魔術種たちの生き残りをかけたバトルロイヤルに巻き込まれていく。
これは世界から零れ落ちた二人の、大それた神話で――黙示録だ。

黒ギャルの装いとダークエルフって思いの外似合うなー。というか、これは絵師さんのデザインが素晴らしいというべきか。派手で享楽的な見た目の割に品の良さが伺えるのは、化粧のけばけばしさが見当たらなくてダークエルフという素体そのままだからなのだろうか。
というわけでダークエルフに、ヴィラン好きのグロ趣味を隠して品行方正の優等生として窮屈に生きる主人公が運命の出会いをしてしまう、というお話。主人公の趣味嗜好からして、水瀬さん元来のエログロ好きが詰め込まれていて、懐かしいというべきか相変わらずというべきか。
しかし主人公の練介は、ダークエルフを悪の象徴と見なして興奮気味に語っているけれど、実のところそこまでヴィランとしての印象ないんですよね、ダークエルフって。確かに、闇勢力側の種族として基本扱われているけれど、わりと悪役としては採用されてないんじゃないだろうか。ダークエルフの原体験というと自分はやはり【ロードス島戦記】のピローテスなのだけれど、ダークエルフのキャラでも最古参だろう彼女からして、決して悪役ではなく主人公と対をなすライバル役の恋人として、愛に一途なキャラでしたからね、そんな「悪」というイメージは全然ないわけです。
もっとも、練介の思い描く「悪」というのは犯罪的なものや邪悪で他者を傷つけるモノというジャンルではなく、アウトサイダー……。品行方正で誰の目からも清く正しく秩序だったもの、から外れたもの、自由で何ものにも捕われず、人から後ろ指さされるような後ろ暗さを抱いてしまうもの、というイメージなのだろう。
実際、シーナは自由奔放で規範に囚われず自儘に振る舞う人物だけれど、無闇に人を傷つけて喜ぶような悪質だったり悪趣味な人柄ではない。他者から虐げられることに傷つき、裏切られたことをトラウマのように抱えているある種真っ当な感性の持ち主である。
元の世界では嫌悪され排斥され問答無用で踏みにじられるだけだったダークエルフという種族そのものを、好きだと叫んだ練介に興味をいだき、ダークエルフな自分に隔意を抱かないどころか好意を向けてくる事に嬉しさを感じてしまう、その時点で彼女の感性というのは真っ当の類なんですよね。
むしろ、歪んでいるのは朝倉練介の方なのでしょう。その歪みは、親をはじめとした外圧によって無理やり押し込められ型に嵌められることで中身と体面との齟齬が軋みをあげて徐々に破綻しはじめていた事による歪みだったのでしょうが。
彼にとってダークエルフという悪の象徴は、自分を偽らずに型にも嵌められずに自由に自分を曝け出しているという憧れの象徴だったのでしょう。そしてシーナは、その思い込みから一切外れることのない彼の思い描くダークエルフそのままだった。閉塞感に狂を発して、投げやりに自死を選ぶほどに追い詰められていた練介にとって、それは今までのすべてを投げ捨ててもすがりつきしがみつくに十分な憧れの具現であったのでしょうか。普通はこんなに懐かれてはドン引きするし警戒もするんでしょうけれど、シーナにとっても彼の無窮の好意は、今まで望んでも得られなかったプラスの感情であり、どうしようもなくガッチリ凹凸がハマってしまったんでしょうな。シーナが、一時なりとも得られたと思ったそれを裏切りによって踏みにじられてしまった後だった、というのも大きいのでしょうけれど。
最初は二人共、ガワだけだったと思うんですよね。練介はダークエルフという象徴に夢中でシーナという個人を見ているわけじゃなかった。シーナも、その野放図な好意が心地よくて練介という青年については興味半分で覗き込んでいるような状態だった。
それがいつしか、練介が好きだ好きだ、と公言する相手がダークエルフという存在ではなく、シーナという個人へと変わっていっていたのはいつからだっただろう。練介自身は、最初から最後までダークエルフを悪の象徴として奉り、ダークエルフが好きだと言い続けているけれど、たしかにその好きはいつしかシーナという個人へと向けられているんですね。練介自身はその事に気がついていないのか。意識すらしていないのか。それは、体面を繕うことに人生の大半を費やし、生きるエネルギーの大半を注ぎ込んでいたが故の思考の硬化なのかもしれない。体面の奥に押し込めた自分の本音、素の気持ち、表に出せない趣味嗜好。いつしかそういう自分の本来の内面すらも、無自覚に型に嵌めて「本当の自分はこうなんだ」という枠に当てはめてしまっている気がするのだ。その「本当の自分」を一生懸命振りかざして、シーナに尽くしているけれど、どうにも「ダークエルフが好き」という主張だけが後半に行くほど浮いて見えるのだ。シーナへの一途なほどの好意、自分が変質しても変わることなく彼女と一緒に居続けたいと願う気持ちが自然で想いに満ち満ちているだけに、尚更にそれが「建前」に見えてしまう。いつしか、「本当の自分」という形が、自分自身に見せる体面になってやしないだろうか。練介の本当の気持ち、本当の想い、いつしか「本当の自分」から溢れ出して不定形の型にはまらない自由なものとして、自然に溢れ出しているように見える。
それだけ、朝倉練介という青年が押し込められていた型枠というのは、窮屈なものだったのだろう。押し込められていた内側にまで根付いてしまうほどに。
だから、ダークエルフという種族が好きという言葉とシーナが好きという言葉が重なった時、君と一緒に居たい、と。好きな子と、はっきり言葉に出来た時に、彼は解放されたのだと、思うのだ。
さながらそれは、世界を救う話なんかじゃなく、一人の青年と一人のダークエルフが孤独と閉塞から救われる話。
運命のようなボーイ・ミーツ・ガールのお話だったという事なのだろう。

http://yamata14.web.fc2.com/turezure/mi/minase_haduki.html

悪逆騎士団 そのエルフ、凶暴につき ★★★☆   

悪逆騎士団 そのエルフ、凶暴につき (電撃文庫)

【悪逆騎士団 そのエルフ、凶暴につき】 水瀬葉月/ももこ 電撃文庫

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Kindle B☆W

代々の紋章王が統治するゼルティバッソ紋章国の東端、ニルイースト。そこは脛に傷持つ犯罪者たちや、一攫千金を夢見る荒くれ者たちが集い、暴力と欲望が支配する街。そんな蛮都の風紀を守るべき王国直下の常駐治安騎士団だったが、しかし彼らこそが一番危険で邪悪な存在であった。―人呼んで、悪逆騎士団。誰もが目を奪われる美貌と、誰もが畏れる暴威を振りまく女エルフの団長アリシア。彼女に捕らわれて、新たな団員として暮らすことになった元暗殺者の少年コルナルド。そして拷問騎士、淫蕩騎士、醜悪騎士という出鱈目な団員たちによって繰り広げられる狂乱の事件とは―。「まったく私達はとんでもない悪党だな」悪によって悪を裁く、退廃のダークファンタジー登場!
それ悪なれど邪まにあらず、か。いや、でも邪悪とかあらすじに書かれちゃってるからなあ。邪悪じゃあないと思いますよ、邪悪じゃあ。
ファンタジー界のロアナプラというべき悪徳都市ニルイースト。ファンタジー世界というと、この手の退廃と欲望によって支配された都市というのが登場するものだけれど、往々にしてその手の都市というのは既存の権力機構から半ば独立していて、犯罪組織や邪教集団が跋扈してたりするのだけれど、本作はその悪徳都市に常駐する権力による治安維持機関が主人公、というのだからこれこそとびっきりに珍しい。まあ、普通ならこの手の都市の治安維持組織は、見事に腐敗しきって街で起こるあらゆる犯罪を賄賂の及ぶ範囲で徹底して見逃していたり、犯罪組織の下部組織に収まってしまっているものなんだけれど、この悪逆騎士団ときたら実情、街を牛耳る様々な組織と肩を並べる顔役みたいなのに収まっていて、警察機構でありながらさながらマフィアの一角なんですよねえ。治安守るどころか、率先してイキッてるやつらシメてまわるわ、金儲けのネタがあれば片っ端から首突っ込むわ、少なくとも善良な一般市民が困ったからと頼りにするには危なすぎて、とてもじゃないけれど近づきたくねえ。きっちり権力も傘にきてますしねえ。
でも、権力や暴力でもって弱者を虐げたり、自分たちの利益のために他者を陥れたり、という悪ではないんですよね。騎士団のメンバー、拷問騎士だの淫蕩騎士だの醜悪騎士だの、ろくでもない肩書背負ってますけれど、全員脛に傷持ってたり人間として欠落を抱えている者ではあっても悪人とは程遠い人たちですしねえ。
個性的な面々にも関わらず、案外と仲間内の関係良好ですし。
特に団長のアリシアは、邪悪と言われても仕方ないほどあれ性格悪いですし享楽主義者のけもあるのですが、コルやヒオといった年少組に向ける慈愛の視線を思うに、本質的に母性の人なんじゃないかとすら思えるんですよね。そもそも、この悪逆騎士団なんて趣味の悪い騎士団作ってやってることの実情を見ると、彼女の素性と絡めてみても、何もそこまでせんでももう表舞台から降りたのなら放っておけばよかろうに、こうやって悪の代紋背負って他のやつが出来ない領分をわざわざ担ってるんですから、世話好きと言われてもいいんじゃなかろうか。せっせとコルやヒオの情緒育成に心砕いているのを見るとねえ。やり方自体は全くもって傍若無人で大変迷惑な御仁なのですが。
現役世代からすると、目の上のたんこぶなのかもしれないけれど。コルの背景を見ても、それらしき影が伺えますし。
そのコルなんですが、思いの外サクッとあれ、やっちゃいましたよねえ。一期一会でしかない関係とするには非常に勿体無いと思わせるものがあったのですが、下手にもっと繋げてしまうとまだ白紙に近いコルの内面に対して、後々の衝撃が強すぎることになってしまいますか。読んでるこっちも立ち直れないダメージ喰らってたかもしれないですし。
にしても、淫蕩騎士さまは戦闘中になにしてるんですか、ってかナニにどうやって持ち込んでるんですか、あれw ガチエロだ、この女。

水瀬葉月作品感想

鮎原夜波はよく濡れる3   

鮎原夜波はよく濡れる (電撃文庫)

【鮎原夜波はよく濡れる】 水瀬葉月/白井鋭利 電撃文庫

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真夜中のプールで溺れた少年・渚野陽平は、気づ付けば辺り一面が海に沈んだ学校の屋上に―。その世界で出会ったのは、どこかふわふわぼんやりした、海を漂うクラゲのような雰囲気の少女・鮎原夜波。彼女は、水に濡れれば濡れるほど強大な力を得ることができる戦闘魔法装束“クローク”を纏い、怪物たちとの戦いを繰り広げる「ウンディーネの戦士」だった…。『C3‐シーキューブ‐』の水瀬葉月が贈る“濡れ透けアクション”開幕!
水も滴る良い女。というのは、やっぱり絵にして見てみたいものであります。こればっかりは、美味そうな料理を食ってる描写を読むと読んでるこっちのお腹もすいてくるのと一緒で、濡れ濡れでグショグショでスケスケな描写を見ると、画像や映像で見たくなっちゃいます。これは、海に沈んだ世界も同様で、半分以上水に沈んだ校舎で生活するシーンというのは、脳内での想像がビシビシと刺激されるんですよね。波の音しかしない、静止したような幻想的な水の世界。終末世界の果ての果て。今回は、すごくビジュアルイメージを意識した作品なんだ、と納得できる。
水瀬さんというと、勿論エログロは常設なんだけれど、今回は同じエロでも濡れ透け系統でちょっと種類違うんですよね。夜波が無機質から天然系に移行している途中というようなキャラなので、濡れ透けでも淫靡とは違うんだけれど、健康的なエロとはまた違うし、ちょっとイケナイ触れてはいけない類のエロティシズムだな、これ。
とまあ、水浸しが必然というお話の主人公である陽平は、幼い頃に妹を失った水難事故がトラウマになっていて、泳げないどころか水恐怖症であるカナヅチさん。でも、それなのに溺れているとおもった夜波を助けるために、プールに飛び込む事が出来る少年である。根っこのところですっと芯が通ってる淀みのない子なんですよね。一方の夜波も、純朴と言っていい何にも染まっていない子なものだから、二人の繕わない飾らない本心からの言動はお互いの心にダイレクトに染みいっていくのである。
なんちゅうか、素直で捻くれていないもの同士のまっさらな男の子と女の子がお互いに惹かれていく姿というのは、こんなに初々しくて微笑ましいものなんだなあ。夜波が少し常識からズレた子で惚けているので、嫌味もないんですよね。陽平の決断というのは陽平自身に対してはリスクばかりで相当に覚悟がいるはずのものなんだけれど、それだけ夜波に入れ込んでしまったのだと言われれば、頷かざるをえない。そうしてあげたい、と思うに相応しいヒロインだと思う。
どうやら、陽平自身にも過去の事故を通じて何らかの謎が内包されているようで、こりゃあ先々相当に紆余曲折ありそうな予感がヒシヒシと。展開も一筋縄ではいかなさそうでワクワク。
そして、ミトの正体というか本名には完全に意表を突かれたわぃ。あれはキラキラネームほどじゃないけれど、一種の罰ゲームだろw

水瀬葉月作品感想

C3 シーキューブ 16 episode CLOSE / the last part3   

C3-シーキューブ- (17) episode CLOSE / the last part (電撃文庫)

【C3 シーキューブ 16 episode CLOSE / the last part】 水瀬葉月/さそりがため 電撃文庫

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蒐集戦線騎士領に占拠された大秋高校を奪還し、周辺一帯の騎士領化を食い止めるべく反攻を開始した春亮たち。ン・イゾイーほか学校内に残るメンバーとも連携を図り突破口を開こうとする。しかし、敵は騎士領だけにとどまらず、黒絵を狙う竜島/竜頭師団の師団長も春亮たちの前に立ちふさがる。そして三つ巴の天王山に向け、運命が、呪いを知る“彼女たち”を大秋高校に誘う…。夜知家の未来を賭けた戦いの行方は、そしてフィアに隠された重大な秘密とは?呪われた道具たちが織りなす物語、感動の完結編!
うん、何となく師団長の方の展開は察してた、黒絵にちょっかいかけてきた時点で。それでも、あそこまで情熱的になるとは思わんかったけれど。強さというものに対しての姿勢はシンプルでありながら、拘るが故に余人には介在できない解釈をしているような人物像だったんで、もうちょっと歪んでると思ってたんですよね。あそこまで「強さ」の概念に対して需要度が、自分に対しても大きい人物だとは思わなかった。さすが理事長の元親友というべきか、この人の強さは最初に黒絵にこだわった時みたいな瑣末なことに囚われるよりも、やっぱり最初に登場した時のような奔放な王器を見せてる時のほうが強いように思えるなあ。強さへの拘りからも自由になることこそが強さ。だからこそ、黒絵へのアプローチを根本から変えたのは大正解だと思いますよ。黒絵は、あれで登場人物の中では一番他人の可能性を広げるアゲマン的な才能の持ち主だと思いますし。甘やかさない優しさの持ち主と言いますか、幼女にしてお母さん気質というか。ある意味春亮みたいな物分かりの良い子よりも、やんちゃな師団長の方がお似合いだったと思うんですよね。だから、あのオマケのちびっ子も含めて、いいパートナーになるんじゃないかと。
逆に渋い恋愛模様を見せていたのが理事長の方で。なに、この微妙に粘性の高い人間関係。亡き親友に今も心囚われて、自分に目を向けてくれない想い人へのドロドロとした憎しみと消せない愛情。そんな複雑かつ深い情念を精算し、改めて自分の存在を思い知らせ刻み込んだ上で彼の愛する人を求め続ける旅路を共にしようと選んだ女の想いの到達点、安住の地。正直、主人公サイドの恋愛がえらく初々しいまま片付かずに済んでしまった分、短くも濃厚だった此方の結末というか着地点はインパクト強かったです。ってか、道具に所有されるって理事長レベルたけえなあ!

一方で、蒐集戦線騎士領との攻防は文字通りの総力戦。個人的には家族会の面々にこそ援軍として訪れて欲しかったところですけれど、あちらは住んでる場所も遠いですし前線からは退いた面々だから仕方ないか。それでも、顔見せしてくれただけでも十分でした。まあ、総力戦とは言え、かつての敵が助けに来てくれるという展開は……あんまり居ないのね! うん、藍子の復活は満を持してと言いますか、待ちに待ったものではあったんですけれど、他はというとココロちゃんくらいだったからなあ。
これは、意外と春亮たちと戦った相手の死亡率が高かったりするのが原因で。もろに改心してくれたのって家族会の面々くらいで、直接春亮たちが手に掛けたというケースは無いんだけれど、和解できないまま死亡したり戦線離脱してしまった人はかなり多いんですね。味方になりそうな人は、ン・ゾイーみたいにとっとと身近に居着いていましたから、ここぞというピンチに現れるのではなく、今回の一件では最初から巻き込まれてましたしね。
研究室国が全面的に協力してくれたことは意外でしたけれど……あそこ戦闘人材居ねえからなあ。日村が居たような描写がちらりとありましたけれど、あいつ存在が認識されなくなったままもしかしてずっと錐霞のストーカー続けてるんでしょうか。ちょっとこわいんですけどw

ラストらしく、フィアはこれまで悩んでいた自身の呪いへの答えをきっちり出した、実に良い幕引きでした。正直、フィアについては追い詰めすぎていて、悩んだ末に破綻してしまうのではと危惧したのですが、ちゃんと自分なりに答えを導き出せましたね、強くなったもんです。過去を消すのではなく受け入れて、精算して、未来を手に入れる。自身が呪いの結晶みたいなものだからこそ、その精算は生半可なものじゃなくて、正直それを春亮にやらせるというのはこの女、流石サドと思ったものですけれど。
呪いによって生まれたものが、祝いによって生まれ直す。祝福されて、この世に再び生を受ける。フィア・キューブリックにとって、これ以上ないハッピーエンドだったんじゃないでしょうか。
個人的には、錐霞やこのはを含めて、きっちり答えを出せとは言いませんけれど、その関係性にある程度の決着をつけて欲しかったですけれどね。いや、決着というか答え自体はある意味既にこの前出していたか。そのままなし崩しに決戦に入っちゃってたから、答えが出た後の光景を味わえないまま終わっちゃったんですよねえ。後日談があれば、そこで需要も満たされたと思うのですけれど、物語の余韻というか最後のシーンとしてはあれが確かに一番だったからなあ、仕方ないんですけれど。

何だかんだと終わってみればヒロインの中で一番印象的だったのは、一手に作者のグロテスク欲求を血みどろになって引き受け続けた錐霞さんでした。いやほんと、彼女が本当に全部と言っていいくらい肉体損壊、血まみれブシャーーッとなるのを引き受け続けてたもんなあ。その上で、エロスも殆ど彼女が引き受けていたので、完全に作者の欲望のはけ口になってましたよ、あれ。頑張った、超頑張ったよ錐霞さん。その分、ヒロインとしてかなりいい所取りできてた気もしますけれど。良かったね……?
ともあれ、長い長いシリーズ、完結お疲れ様でした。

シリーズ感想

C3 シーキューブ 16 episode CLOSE / the first part3   

C3-シーキューブ-XVI episode CLOSE / the first part (電撃文庫)

【C3 シーキューブ 16 episode CLOSE / the first part】 水瀬葉月/さそりがため 電撃文庫

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領主自ら率いる蒐集戦線騎士領が大秋高校を占拠。夜知家を含む付近一帯、街全体をほぼ1日かけて騎士領化するという建国の槍を大地に打ち込んだ。また竜島/竜頭師団の師団長ペンドラゴンは、最強に至るため依然として黒絵を我がものにしようとしていた。ふたつの大きな脅威を前に春亮たちは事態の打開を図ろうとする。しかし、先の戦いの最中、春亮を傷つけてしまったフィアは自閉モードに入ってしまい―。呪われた道具たちが織りなす物語、それぞれの想いに決着をつけるクライマックス編がついに開幕。
前回とことんまで落ち込んでしまった絶望の淵から、這い上がれないまま最終巻のファーストパートが終わっちゃいましたよ!? さすがにこの一巻で全部締められるとは思わなかったので、分割は薄々そうなるんじゃないかなと思ってはいたんですけれど、ここまで状況に挽回なく最終決戦まで流れ込んでいくとは思わなかった。これ、大丈夫なのか!?
此処からが夜知家のターン! と言いたくなる逆襲の予感を持って最終巻へ行きたかったところなのだけれど、はっきり言って現状、状況をひっくり返すに足る切り札的な要素が夜知家側には殆ど見当たらないんですよね。それどころか、フィアの精神面のリカバリーもまるで出来てない。辛うじて自閉モードからは脱しましたけれど、むしろ危うさばかりが目立つ精神状態。春亮は、あれだけの怪我を追いながらめげず挫けず、ボロボロの周りの娘たちをよく支え励まして頑張ってたと思うのですが、如何せん武器となるカードが何もないんじゃあやれることにも限界があります。むしろ、これだけ最悪しか揃ってない状況でみんなの心が折れなかったのはそれだけ春亮が精神的な支柱としてよくやっていたからでしょう。いや、それどころか、あの箱になって自閉してしまったフィアへの、春亮の真摯で実直な告白を見れば彼がより大きく自分を受け入れ、皆を包み込める器を持った男へと成長したのだと伺い知る事が出来ます。
ただ、彼が頑張れば頑張るほど、周りの娘たちの方がそんな春亮の為にどんどん危なっかしいキレキレの状態になっていっているのが見ていてもハラハラさせられる。ちょっと、どの娘も何を仕出かすかわからないような危うい状態になっちゃってるんですよね。こういう時、一番大人の対応で周りを落ち着かせる立場だった黒絵からして、今回に至っては覚悟決めちゃって独自に動き出しちゃってるし。
ある意味、彼女の動向が状況をひっくり返す切り札として機能するのかもしれないのですが、夜知家としては起死回生となろうとも黒絵を失った時点でそれは敗北に近い勝利だからして、決していい方向とは言えないんだよなあ。
時間制限がある以上、立ち止まっても居られずほぼ打開策も持たないまま最終決戦に突入せざるを得ない、という考えうる最悪の展開を迎える中、騎士領に占拠された学校内ではからずもレジスタンス活動をするはめになったン・ゾイーたちも、決して良い状況ではなく刻々と追い詰められていっている。
状況は好転するどころか、悪化する一方。そして、フィアはついにその出自が明らかになり、生みの親に生まれたことそれ自体を全否定され、もはや悪い方向に吹っ切れてしまっている。
果たしてここからハッピーエンドまで手繰り寄せられるのか。あともう二巻くらいないとダメなんじゃないかと思えるほどなので、ここから一気に全部ひっくり返せたら痛快なんだろうな。是非、それくらい胸のすくような逆転劇を期待したいです。

シリーズ感想

C3 シーキューブ 153   

C3-シーキューブ-XV (電撃文庫)

【C3 シーキューブ 15】 水瀬葉月/さそりがため 電撃文庫

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このはを辛くも奪還した春亮たち。安堵に浸るのも束の間、春亮の父・崩夏が帰還する。…なぜか若い美女の姿となって。多くを語ろうとしない崩夏に春亮は不信感を露わにするが?一方、春亮の誕生日が間近に迫りフィアたち女子陣は浮足立つ。そしてテスト期間明けも重なった誕生日当日、一行は崩夏の提案で海へ行くことに。海水浴を楽しんだり、プレゼントを渡すタイミングを図ったりしているフィアたちだったが、そんな彼らの前に船に乗って現れたのは―竜島/竜頭師団の師団長だった!クライマックス直前の第15弾。
お父さんが帰ってきたらお母さんになっていました♪ なんてお話、どう見たってギャグネタだってーのに、これを書いている水瀬葉月という人がどんな作家なのかをついつい忘れていた。
時として、グロテスクなほどヘヴィに話を廻すんだよなあ、この人。トランス・セクシャル……TSというものをいささか軽く考えすぎていたかもしれない。性別を取り替えるなんて、本来なら軽々しく出来るものじゃないんですよね。それは一度変わってしまったら二度と取り戻せないものであったはず。ライトノベルや漫画で、魔法や超科学なんかでホイホイと性別を変えられるケースばかり見ていたせいか、変なふうに慣れちゃってたんだなあ、と実感させられた。今回だって、呪われた道具を使ってのことだと思ってたんですよね……まさか、ガチだったとは。いったいどれだけの覚悟があれば、そこまで思いきれるんだろう。崩夏さんはいい意味でも悪い意味でも、確かに春亮の親父さんだったという事なんでしょう。彼、ないし彼女が安易に事情を語りたがらなかったのもよく分かる。こんな事を得意げに吹聴できるもんじゃないでしょう。出来るなら、ちゃらんぽらんな親父の血迷った道楽か巫山戯事だと思って貰っていた方がどれだけ気楽だったか。親として、子供に憎まれる方が負い目を負わす事よりもなんぼかマシだもんなあ。でも、それでも自分の真意を伝えたというのは、崩夏さんがちゃんと春亮たちを子供扱いせずに対等の相手として認めたってことじゃないだろうか。

春亮を巡る女性陣の恋愛模様は、戻ってきたこのはが完全に精神的に覚醒してしまい、泰然自若の不動の構え。前回、あれだけぶっちゃけた告白してしまいましたしねえ。その上、色々と吹っ切った上にこれまで抱え続けていたものも克服してしまった以上、殆ど弱点なくなったんじゃないでしょうか。逆に、告白した直後にこのはがあんなことになってしまい、答えを保留され続けてしまっていた錐霞はというと、答えを引き伸ばされてしまったせいでヤキモキが高じてやや不安定気味に。これははっきりしない春亮が悪いんだけれど……同情の余地はあるにせよ、どんな理由があるにせよ女の子を不安にさせてしまった時点で言い訳の仕様もありませんねえ。まあ、そこで甲斐性見せれる男なんて早々居ないとも思うんだけれど。
一方で、一人置いてけぼりを食らっていたフィアも、遅ればせながら自分の気持に気づいて駆け出しはじめたわけで……でも、そうやって普通の人間みたいに、呪われていない人間みたいに普通に恋をする段になって改めて直面する、呪われた力を捨てる事によって迫り来る脅威に自分が何もできなくなるという事実。フィアの能力を封印するデバイスの存在が現れた当初から、いずれ直面するであろうことはわかっていた問題であると同時に、これは、正解のない問題なんですよね。
彼女の選択はどれも間違っていなかったと思う。それでも、結果として悲劇は起こってしまった。これを、誰が責められるだろう。誰の責任でもないだけに、余計にこれは辛い。
燦然たる未来への希望を確立した直後であっただけに、そこからラストへの怒涛の展開はあまりに高い絶望の波。はたしてここからどうやってエンディングまで巻き返せるというのか。相変わらず、どん底の深さに遠慮のない作者である。

あのスレイブという娘。その名前を名乗った時点で正体を察しておくべきだった。多分、あの魔剣で間違いないんだろうなあ。あれこそ、呪われた魔剣の代表格だし。

水瀬葉月作品感想

C3 シーキューブ 143   

C3‐シーキューブ〈14〉 (電撃文庫)

【C3 シーキューブ 14】 水瀬葉月/さそりがため 電撃文庫

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このはに異変! 決死の奪還作戦の結末は!?
緊迫の第14弾!

「おれ、夜知、春亮……って、いうんだ。です」「畏まった口調なぞ要らぬ。ぬしが崩夏の息子じゃな?」
 出会いは春亮が九歳の時。それ以来、長い時間をともに送ってきたこのは。
 そのこのはが──敵の手に落ちた。
 ニルシャーキの策略により、このはは春亮と過ごした時間の一切を喪失、妖刀村正としてニルシャーキの得物となった。
 その圧倒的な力を前に、このは奪還を目指す春亮たちは苦戦を強いられ、利害が一致したとある騎士と共闘することになるが──。
記憶を消されたのではなく、時間遡行による不可逆転位。凄いな、これ。いわゆる記憶を失って敵側に渡ってしまった大切な人を取り戻す戦い、の奪還プロセスを完全に破却してしまっている。さすがは、水瀬葉月、電撃文庫でも屈指の精神拷問吏だ。この人がグロの使い手であるという以上に、キャラクターへのサディズム愛に溢れている作家だという事実を堪能させてもらいました。この人って、やっぱりキャラを追い詰めて追い詰めて追い詰めまくって精神的に甚振っている時が一番輝いてるよなあ(笑
それを、作品内でも滅多に余裕を失わずに皆の精神的支柱であり正気の拠り所であり続けた春亮に仕掛けるあたりが今回は極まってる。
これだけ精神的にメタメタになってしまってる春亮を見るのは、14巻をして初めてだ。これまでの頼り甲斐を思えば尚更に衝撃的でもある。それは同時に、春亮にとって村正このはという存在がどれほど大きいものだったかを示しているとも言える。正直言って、例えばフィアや錐霞が同じような状況になっても春亮はここまで取り乱さないと思うんですよね。彼女たちは勿論、春亮にとってかけがえのない大切な存在ですけれど、彼女たちを取り戻そうとするとき春亮なら、もっと前向きに頑張れると思うのです。
こうなると、春亮の存在に皆がどれだけ寄りかかっていたのかも浮き彫りになっていく。どんな時でも彼が後ろでどんと構え、迷った時にはキチンと進むべき道を示唆してくれたからこそ、フィアたちは自分たちの全力を発揮できていたんですね。春亮は主人公の中では特殊な能力も優れた身体能力も持っていない、本当に普通の男の子で、実際に最前線に立てることは滅多にありません。彼は聡明な方ですけれど、決して智謀で勝負するというほど軍師タイプなキャラでもない。ですが、今まで彼に役立たずとか居るだけ主人公、みたいな印象を抱いたことは一切ないんですよね。
これだけ戦闘力皆無にも関わらず存在感が大きい主人公は少ないんじゃないかな。
ところが、今回春亮が精神的に一杯一杯になってしまった途端、錐霞もフィアも地に足がつかなくなり迷走を始め、思考の先鋭化がはじまってしまうのです。本来なら、同じくみんなの姉役として精神的に支えられるだけの器を持っている黒絵も今回の件ではよほどショックが大きかったのか、春亮に同調とまでは行かずともそのフォロー活動を最小限に押さえ込んでしまうのです。これを見る限り、独立独歩な気風のあった黒絵ですら、多かれ少なかれ春亮に頼っていた側面があったのでしょう。彼女が春亮を除けばこのはと一番長い付き合いだった、という理由も大きいのでしょうけれど。

しかし、こうなって初めて「村正このは」のヒロイン力が爆上がり、というのは皮肉な話だよなあ。正直な話、此処に至るまでこのははヒロインとして相当に劣勢を強いられてました。成り行き上、このメガネっ子幼馴染は汚れ系へとひた走り、今やついに告白を敢行した錐霞に正ヒロインの座を完全に奪取されかねない状況でしたし。今や、というかもう当初から残念ヒロインの道をひた走ってましたからねえ。
村正さん、自己暗示かけるにしてもキャラクター設定大幅に間違えたんじゃね?

このはと春亮の関係が単なる幼馴染でも、姉弟でもなかったことは、この巻で詳しく語られる妖刀・村正がはじめて夜知家を訪れ、幼い春亮と出会ってからのあれこれを見ればよく分かるでしょう。いやあもう、個人的には絶対に本来の村正の方がキャラとして好みなんですけどねえw
だから、なんで自己暗示で自分のエロ属性をあんな風にむっつりスケベに歪めてしまったのか、と。もっと本来の明け透けさを残したままで迫ってたら、今頃完全に肉欲の虜にできていただろうにw

ともあれ、終わってみれば思わず絶句してしまうほどの凄まじいこのはの巻き返しが行われてしまった回だと言えるでしょう。この巻までとこの巻以降では、このはの存在感があまりにも違いすぎる。
ついに果たされた「村正このはの告白」は、歴史に残るくらい凄まじいインパクトでした。このはさん、色々とぶっちゃけ過ぎだ!! あれだけ正直に生々しい心情を訴えられたら、言われた方はもう逃げられんよなあ。さらに、必然的に先に告白していた錐霞の方も、同じだけステージをあげなくてはならなくなったわけで、まあ今の錐霞さんなら覚悟完了しまくってるので、躊躇いはしないでしょうけど。
このえろえろめ。

さらっとさり気なく、研究室長国の方から物語の根幹を揺るがすような情報が提示され、どうやら物語もクライマックスに差し掛かったもよう。ラブコメ的にもフィアがそろそろランクアップを果たさなきゃならない頃だし、それ以上に完全に袋小路においつめられた春亮の年貢の納めどきが来たのかどうか、ドロドロぺちゃぺちゃな展開を希望するぞw

水瀬葉月作品感想

C3 シーキューブ 124   

C3‐シーキューブ〈12〉 (電撃文庫)

【C3 シーキューブ 12】 水瀬葉月/さそりがため 電撃文庫

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 奈良公園といえばシカ。シカといえばシカせんべい! というわけで修学旅行で奈良京都を訪れたフィアは初めて目にするあれやこれやに大興奮。
 そして宿ではもちろん露天風呂。一同入り乱れての肌色祭りが展開される。
 そんな修学旅行中、フィアたちは解散したはずのあの組織と再会する。彼らに持ちかけられた取引がきっかけで、フィアやこのはは自らの気持ちに素直に行動し、その想いをもっとも強く発したものが勝利するという戦いに巻き込まれる。それを勝ち抜くために思い浮かべる気持ちとはやっぱり──!?
アニメ化になろうとも女の子が拷問されるシーンを欠かさない水瀬先生には脱帽です、大好きですw
比喩抜きの本当の拷問だもんなあ、パねえっすよ。しかも、その対象がようやく闇を潜りぬけ陽の下にたどり着き、幸せを掴み取りって生まれて初めての恋に心躍らせる少女というのが悪趣味極まりない。直前まで顔を赤らめて春亮に好きな相手に何をプレゼントしていいか、顔を真赤にして相談してた女の子を捕まえて、ですぜ。もう素晴らしいな。嗜虐の何たるかを心得まくってる。さすがは水瀬葉月と言わざるを得ない!!

しかし、今回の展開は美味かった。フィアの成長に伴う恋心の芽生えや、錐霞の本気モード突入によって本格的に盛り上がり始めたヒロインたちの恋心の鬩ぎ合い。ディスクの奪い合いでそれが一端脇に置かれるのかなあ、と思ったら拍明の遊び心で、その想いこそがキーワードになるというのは、なかなか絶妙でしたよ。より露骨に、ヒロインたちに火花飛び散る環境を提供することになったわけですしね。お陰で、フィアは自分がディスクを求める強烈なまでの強迫観念の燃料となっている原因が何なのか、その焦りや行き場のない感情の元が何なのかをはっきりと明晰に自覚して、ややも安定を取り戻したようですし。前回の事件はフィアの心を傷つける酷い流れでしたからね。せっかくの修学旅行にも関わらず、表面上は平静ながらもふとすれば御煎餅も目に入らないほどの焦燥に囚われていた事からも、危うい感じは付き纏っていただけに、フィアが結論を手に入れられたのは素直に良かった。でも、これでまだ恋愛の何たるかも理解していない幼い小娘だったこの娘も本格的に恋愛競争に割って入ってくることになるわけだ。仮にもメインヒロインなんだからこれは強敵だぞ。
逆に不憫だったのが、いんちょーさんである。色々とタイミングが悪かったとしか言いようがない。本人からすれば、ほんの少し勇気を持てれば状況は変わっていたと思えるんだろうけれど、運もなかったもんなあ。この人の性格からして、空気を読まない積極性はとてもじゃないけど発揮できないだろうし、仕方ないといえば仕方ないのだが……乙女なだけにあのラストの展開は不本意だっただろうし、その後の衝撃的展開を思うと、これかなり精神的に自罰的になって引きずってしまうんじゃないだろうか。

一方で、ひたすら心温まる話だったのが、ビブオーリオ家族会のアリスとクルリの再登場。あんな去り方をした彼女らだけれど……良かったなあ。まさかこんな風に日常に溶け込んで穏やかな平穏を手に入れていたとは。もうねー、クルリが思わずアリスに向かって口走ってしまった呼び方を見た時には、胸が熱くなりましたよ。
彼女らがそもそもどんな生き方をしてきて、その果てに家族会なんてものにすがりつかなくてはならなかったかを思い出せば、ねえ。良かったなあ……。クルリなんて、新しい環境で新しい出会いもあったようで、ああもう、あのひねくれ者の小娘がねえ。思いっきりツンデレじゃないかw

とまあ、話がディスク争奪戦で終わっていれば、話は丸く収まっていたのですが。或いは、錐霞一生の不覚が介在してもあんなことが起こらなければ、ヒロインたちの関係がギクシャクし拗れるにしても、ある意味ついに火蓋が切って落とされた、という形になったかもしれないのですが。
ラストの展開がすべてをひっくり返すことに。
これって何気にシリーズでも最大のピンチというか、大転換点なんじゃないか!?
前回結局謎のままに終わってしまった問題、「本当のニルシャーキは誰だったのか?」。これ、正直ラストのラストまで思いっきり忘れてた。忘れてたお陰で痛烈なしっぺ返しを食らってしまった。どうやら自分の予想はあたってたみたいなんだが、忘れてたら意味ないよあ。全然警戒してなかったし。
もし警戒していたにしても、まさかあんなことになるとは想像もしていなかったから、やはり驚愕の展開には違わないか。でも、これってある意味このはのテコ入れですよね。眼鏡で巨乳の幼馴染キャラの限界を、これを景気に突破するか否か。場合によっては【お・り・が・み】のみーこさん並にキャラ変わりかねないのが不安やらワクワクするやら、である。

水瀬葉月作品感想

C3 シーキューブ 113   

C3‐シーキューブ‐〈11〉 (電撃文庫)

【C3 シーキューブ 11】 水瀬葉月/さそりがため 電撃文庫

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アニメ化も決定!
二年生になっても騒がしさは相変わらずな第11弾!


 桜咲く四月。大秋高校にも新入生が入学してくる。フィアも晴れて進級して先輩になり、それを機に春亮からとあるアイテムをプレゼントされてすっかり浮かれ気分になる。
 新入生の不良巫女・千早&用務員となった伍鈴たちとも再会し、さらにはやたらとフィアを慕ってくる元気娘な後輩も出現して、周りはますます賑やかに!?
 そしてこのはが、錐霞が、その存在をはじめて知ったフィアもがとっても気になるクラス替えは果たして──?
 みんなで花見に行ったり、ミスコンも開催されるという新入生歓迎祭があったりと楽しみなイベント目白押しななか、新たな危機が迫る。さまざまな思惑が入り乱れた先にあるものは?
春となり、新入生を中心とした新しいキャラも増えてより賑やかに、より明るく新学期を迎えまして……とならないのかッ!!
正直これは甘く見ていたと言わざるを得ない。最近、強烈化する一方の人の悪意のグロテスクさとは裏腹に、何気に最悪は回避して救いが残っているケースが多かっただけにちょっと油断していたキライがあった。冒頭から、フィアが二年生になって浮かれている様子が晴れ晴れと描かれていただけに、後半の展開は読んでてもキツかったなあ。
皆が前向きに、自分たちの在り方を信じて全力を尽くした結果だけに、悔やみようもないんですよね。こればっかりは、悪意による策謀が上回ってしまったとしか言えないよ。
それでも、あれは彼女にとっての「ほんのちょっとだけ、素敵な未来」だったのだろうか。

フィアたちが健全としている分、余計に各組織のメンバーの壊れ方が鼻につく。むしろあからさまに悪人な分、騎士団のネトーなんかは分かりやすくて対処がしやすい。むしろタチが悪いのがリリィハウルの方なんですよね。この女の言い分ってイイ人ぶってますけれど全部言い訳じゃないですか。一般人には被害を出したくない、関係ない人に手を出すつもりはない、今回貴方達には手を出すつもりはない。言ってることは立派なようですけれど、全然有限実行出来てない。仕方ない仕方ないと前言を翻し、やってることは所詮下劣なネトーと変わらない。救いがたい事に、当人は全部本心から本気でそうした言葉を連ねているようなのだ。なんて言葉の軽い人だ。なんて薄っぺらなやつだろう。この女ほど偽善者という言葉が似合うキャラも珍しい。結局、最後のあの撤退だって自分に対して言い訳を見つけた結果でしたしね。よくまあこんな悪気のなく邪悪でもなくむしろ悪意よりも善意の方をより多く胸にいだいていながら、これほど救いがたいキャラクターを作れるものです。先のビブオーリオ家族会も相当キテましたけど、あれと比べても正気や理性を失っていない分、ほんと余計にタチが悪い。久々に本気で嫌悪感を掻き立てられるキャラでした。

さて、で、だ。問題は本当のニルシャーキは誰だったのか?、ですね。
まあ一番妥当な答えは、誰でもなかった、という所なんだろうけど、本当にそうだったのかな? 実のところ、話には一切関わってこなかったものの、もう一人だけ新登場のキャラクターが居たんですよね。だからなんだって話なのですが、妙に気になったもので。

面白いことに、かの竜島/竜頭師団が力を求めるのと対照的に、フィアが求めるのは力との決別なんですよね。今回、新しい戦い方をあみ出したものの、封印によってフィアの本来持っていた機能はどんどん失われていっている。実のところ、実質的な戦力はフィアって当初から減少の一途を辿っているのだ。それでも、彼女は自分の中から力がなくなるのを切実に願っている。過去の罪の象徴である自分の力を。
彼女は、ついに恋する少女であらんとすることを、自分に許したのだ。それが、彼女のとってのほんのちょっとだけ、素敵な未来。
肝心のラブコメサーキットは、バレンタインで大きく一歩を踏み出した錐霞が、本心こそ伝わりそこねたけれど十分春亮に異性として意識させることが出来たので、だいぶアドバンテージを獲得してるんですよね。春亮があれだけ一挙一動に反応して意識しまくってるのって、今のところ錐霞だけですしね。さて、ここからフィアやこのはがどれだけ巻き返せるか。このはも抱えてる爆弾が発覚した上に、肝心のアプローチについては空回ってばっかりだしなあ。決定打がないとキツいぞ、これ。

このシーキューブもついにアニメ化かぁ。フィアの縞パンは大前提として、あの彼女の操る拷問器具については一度ビジュアルを見てみたいと思っていただけに、それが動いてアクションとして見れるとなると、これは楽しみですわ。

水瀬葉月作品感想

藍坂素敵な症候群 34   

藍坂素敵な症候群〈3〉 (電撃文庫)

【藍坂素敵な症候群 3】 水瀬葉月/東条さかな 電撃文庫

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 bk1

水瀬葉月が贈るフェチ系美少女学園ストーリー、感動の完結編!

 風邪をひいた空のお見舞いイベントで起こったハプニングにより、空の奴隷にされてしまった浩介。肩をもまされたり、オセロをやったり、さらには荷物持ちとして休日に二人で買い物に行くことになるが、当然そんなことを看過できる素敵たちではないわけで!?
 そんな折、医術部の面々は街で素敵のように白衣を着てメスを振りかざす女と遭遇する。彼女はかつてなく最悪な“耽溺症候群(フィリア・シンドローム)”に罹患していた。素敵は自らの《世界と乖離していく》疾患を押しての対決を覚悟するが!?

なんと、もうこれで完結だったのかー! どうも最初からこのくらいで締めるつもりだったようなのですが、設定的にも面白いし二桁とは言わないまでも、この倍、6巻くらいは続き読みたかったなあ。
所謂ラスボス的な存在は出てきたものの、インパクトというか理解の及ばない得体のしれなさ、気持ち悪さ、には些か欠けてた気がする。設定的にはまさにラスボスとしてはこれ以上ない、という力の持ち主だったんですけどね。これまでの耽溺症候群の罹患者たちが、理屈を超えた生理的に嫌悪感を催す破綻者たちだったのに比べて、この人は欲望がロジカルに統制されてましたからねえ。
でも、物語の主体は逢坂素敵の在り方と、それを見守る浩介との関係性であり、彼を取り巻く女性たちとの緊張感ある恋愛模様、でしたからね。その意味ではブレなかったんではないかと。
今回については、まさかの修羅場があったからなあw
空さんがついに本気を出しましたよ?
熱に浮かされ寝ぼけて抱きつくまでは想像の範囲内でしたけど、その後が凄かった。まさか、正気に戻ったあとになお、止まらないことを選ぶとは!
空さん、めちゃくちゃエロいです!!
そう、もう彼女この時点で完全に振り切っちゃってるんですよね。逡巡とか、迷いとか、自分の気持への歯止めとか。だからこそ勿体無い。浩介のことを欲しいと望んだのに、最後の最後で普段の空の顔を繕ってしまったのが。
確かにもう手遅れだったかもしれないけれど、でもまだあの段階では決定的ではなかったはず。その前に、自分にだけじゃなく浩介にも素直になって致命的な楔を打ち込んでおけば、はたしてあの場面で浩介は空を置いて行っただろうか。空との約束を反故にしただろうか……いや、でもやっぱり遅かったんだろうな。多分、無理だったんだろうなあ。
自分の心に素直になって、我慢せず思ったように振る舞い、浩介に接する空が無茶苦茶幸せそうだっただけに、あのシーンはかなりキツかった。でも、浩介は責められないんですよね。仕方ないんだ。こいつは、選んだんだから。
あー、でも選ばれないって。フラれてしまうって、辛いなあ。だから、あの場面で責められるべき相手がいるとしたら、舞台に上がってこようとしなかった素敵の方なんですよね。
空からすりゃ、納得いかないわ。本来なら、あとからでも決着つけなきゃいけなかったんだろうけれど、丁度最後の事件が重なって素敵が不在になってしまったために、空としたら不貞腐れるしかなかったんだろう。勝負の舞台にもあがっていないのに、自分のモノだったはずの浩介を持ってかれてしまったのに、素直にその敵を助ける気にならんのは良く分かる。不貞腐れるしかないじゃない。
でも、素敵を責めすぎるのも過酷だよな、この場合。彼女にも、空が踏み出し浩介との関係に一石を投じる、という人間関係の激動が巻き起こる中で、ゆっくりと自分の気持を吟味する時間と余裕があったなら、また話も違ってきたのだろうけど。
兎に角、タイミングが悪かったとしか言いようがない。
……伊万里が隅っこでハブにされて指くわえてるしかなかったのはかわいそうだったけど(苦笑
彼女にももう少しアピールできる機会があればよかったんだが。空と素敵が全部持ってっちゃったからなあ。せっかくの能力も、あまり活躍の場がなかったし、かわいそうに。

と、壮絶な修羅場が繰り広げられる中で、浩介、こいつは戸惑いながらも皆に惚れられるだけある一本筋の通った意気を最後まで貫いてくれて、カッコよかったぜぇ。誰も一人にせず、取り残さず、痛みを共有し、支えとなり、助けとなり、絆となって皆を守る。他の部員と違って彼には最後まで戦うための能力はなかったけれど、素敵を守り、皆を守りぬいたのは間違いなく浩介でした。イイ男だよ、ほんと。
惚れた女の為ならば〜〜♪
うん、これぞ素敵な物語、でございましたっと。

1巻 2巻感想

C3 シーキューブ 104   

C3‐シーキューブ〈10〉 (電撃文庫)

【C3 シーキューブ 10】 水瀬葉月/さそりがため 電撃文庫

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 bk1

 ン・イゾイーが転校してきたのも束の間、世間はバレンタインの季節に。渦奈にあれこれ扇られたフィアをはじめ、おのおの願望まる出しなチョコお渡しシチュエーションの妄想をふくらませるが!?
 そんな折、研究室長国の日村素直が教師として学校に復帰してくる。しかも、彼は思わぬ人物を伴っていて──。
 さらには一同の前に蒐集戦線騎士領の騎士が立ちはだかる。「実にグッデスト!」とか変な言い回しを操る彼女は、しかし《最強》の呼び声もある強敵だった!
 バレンタインも大変な第10巻!

そ……そうだよなあ、奴はそういう人間だったよなあ。その本性を知っているはずの自分ですら危うく騙されるところだった。況してや、一時的に戦闘の現場で行き会っただけで直接的に面識のない春亮たちからすれば、疑うほうが難しい。
しかも、今回の仕掛けはかなり巧妙だったんじゃないだろうか。何か変だ、というのは感じていても、違和感は漠然としたままでなかなか焦点を得なかったんですよね。振り返ってみると、伏線となる部分はかなり明確に提示してあるんだけれど、全体図を浮かび上がらせるような異常な点については、より目立つ違和を放つもののそれ自体では全体の構図が見えないようになってる伏線を、囮というか目に付くように配置していて、うまいこと迷彩になってるんですよね。ついつい疑念はそちらの方に頭を捻るカタチになってしまって、細かいところに目がいかないようになっている。
ついでに言うと、良く言われる語句「バレないように嘘をつくには、嘘の中に幾つかの真実を混ぜておくこと」、というのを奴はまたうまいこと実践しているんですよね。あとになってみると、真実に対する嘘の部分の悪辣さや卑劣さが際立つわけですが。
まさか、恥知らずにもそこまで臆面も無くいけしゃあしゃあと嘘をつけるとは思わないじゃないですか、錐霞にしたってあれほど警戒していたにも関わらず、仕掛けそのものには殆ど気づけなかった。最後の最後で、一番肝心な所を見抜いたのはさすがというべきか、それだけ奴に与えられた心の痛みが強かったということなのか。どちらにしても、またも裏切られたというわけだ。
きっつい話ではあるけれど、彼女にとっては踏ん切りをつける話でもあったんだろうなあ。不思議なことに、いつも錐霞に未来への示唆を与えるのはフィアなんですよね。春亮も、錐霞に大きな影響を与えているけれど、フィアはそれ以上に錐霞の心に、光を当てているのを考えると、恋のライバルとしては錐霞はちょっと頭の上がらないところが出てくるかもしれないな。
まあ、今のところ自分の気持をはっきりさせたのは錐霞だけで、フィアはまだ心がそこまで成長しておらず、このははちょっと今回えらいことになってしまったわけで……。
いや、あの宣戦布告はかなりの勢いで開戦冒頭大戦果! になりそうだぞ?

一方で、なんやかんやとえらいことになってしまったこのはさん。いやはや、彼女の抱えていた秘密については、正直かなり驚かされた。あの設定については揺るぎのない大前提のもの、として受け止めていたので、これ下手するとこのはに限らず、色々と前提が崩れてくるところが出てくるんじゃないだろか。
妖刀・村正の呪いが強すぎる、という可能性も考えられるけど、今回フィアが見ていた過去の悪夢、拷問具としての彼女の記憶をみている限り、フィアが今、前向きに生きているのが信じられないくらい、本気でエグい使用実跡なんですよね。これまでもチラチラと触れられてはいたけれど、ここまでグロかったか? と焦るくらいに。
彼女の過去を知ってしまうと、今のフィアの真っ直ぐすぎるくらいまっすぐな、他人の歪んだ心をすらたたきなおしてしまうような希望には、改めてフィアの強さを思い知らされる。
人のグロテスクな悪意をこれでもか、とばかりに剥き出しに曝け出し、突きつけるような話なだけに、それを踏まえて、善意が人の心を救い、人の気持ちを強くするのだ、ということを正然と告げる内容は、やっぱり読んでいて気持ちがいいですよ。

口絵にもあった錐霞の妄想は、他のと比べても妙に生々しく、というかあのイラストはエロすぎです、自重(笑
ああ、錐霞さんは脱がされたい願望を常に抑圧しているのですね、わかります。

作者作品感想

藍坂素敵な症候群 24   

藍坂素敵な症候群 2 (電撃文庫 み 7-17)

【藍坂素敵な症候群 2】 水瀬葉月/東条さかな 電撃文庫

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第一巻でタイトルやあらすじのユルっぽさに完全に油断していたところに、血みどろグログロの展開を持ってこられてひっくり返った教訓を生かし、今回はさすがに身構えてたし覚悟も完了していたけど、ううう……前みたいな血肉のグログロを警戒していたら、精神的なデロデロで襲いかかってきたで御座るよ。
こ、これはけっこうヘコむ。それまでの、じんわりと胸があったまるような温もりに満ちたシーン描写が秀逸だっただけに、それを無造作に投げ捨てて高笑いしながらグリグリと踏みにじるかのような展開には、かなり胸にくるものがあった。
相変わらず、水瀬さんは容赦ねえ。近年は【シーキューブ】でもそうだけど、特に仲間同士みんなでワイワイガヤガヤ賑やかに楽しく大騒ぎするアットホームなコメディ部分が素晴らしく面白く楽しくなってるから、そこから急転直下の展開がかなりギャップの大きさを感じさせて衝撃的なんですよね。多分、この鬱展開単体だけ見たら本当ならここまで「ウワッ」となるほどエグくもないとは思うんですけど、何分前半のふわふわとのぼる部分があるから、その落差がくるんですよねえ。
人によったら、もしかしたらこの落差に戸惑ってしまうんじゃないかと言うくらい。
なかなかこのレベルの陽気なコメディから、直滑降でこの容赦ない展開に持ってける人はいないんですよねえ。

でも、気分が落ち込んだ侭終わらずに済むのは、やはり主人公の那霧浩介の男気と、医術部みんなの一体感があるからなのでしょう。かけがえのない友人であると同時に、同じ傷を有した同志であり、お互いの幸せを誰よりも望む親愛の共有者。普通の仲間同士とはどこか一線を画した関係性が、この医術部の面々のつながりの奥底には横たわってるんですよね。そこが好きなんだなあ。

というわけで、一巻でちらりと言及されていた、入院しているもう一人の医術部員。症候群の重度罹患からの復帰者がこの巻から新登場。表紙を飾っている涅槃皇終さんである。変な名前。
なんかゲル子が普通に思えてきたぞw
彼女の症候群の真名はラストで明らかになるんだけど……これってシューティング関連では普通の用語なの? 私、東方Projectでしか見たことないんだけど。ただ、知っているとどんなものか非常に理解しやすかったけど。
まだお互いに面識のなく、症候群の知識やそれぞれの事情も知らなかった一巻と違い、伊万里の事件を経て浩介と伊万里が医術部に入部してしばらく経っているからか、この巻ではしょっぱなからラブコメが大盛況である。その分、浩介が変態扱いされて惨劇に巻き込まれるパターンも一気に増殖したわけだけど。こいつ、ラッキースケベではあるけれど変態じゃないんですがね(苦笑
素敵やゲル子、空や伊万里の持つお仕置きパターンが多岐多彩に渡るので、彼女らがドタバタと大騒ぎしているのを見ているだけで、十分楽しい。ぶっちゃけ、後半の急展開がなくてもそれだけで十分満足だったかもしれない。ゲル子は素敵ラブで浩介は眼中になく、新登場のついもまだ初対面でそんなに親しくもないから別として、素敵と伊万里と空が、浩介の事をもうだいぶ意識しまくっててニヤニヤさせてもらいましたよ。特に、意外なことに一番ときめいてたっぽいのは空なんですよね。表面上は攻撃色全開でしたけど、その裏ではかなりの勢いで乙女時空が展開されていたと言う驚き。何気に前半で一番持っていったのは空だったかも。個人的にメイド服属性はあんまりないんだが、空のメイドさんは素晴らしかった、うんグッドジョブ♪
勿論、素敵と伊万里もまだ距離感を測りかねている段階のようだけれど、浩介の事は意識しまくりで、プール掃除でのあの格好は反則だろう(笑
患者用の手術衣でプール掃除とか、誘ってるとしか思えんww
でも、浩介を名前で呼ぶようになって悶えてる伊万里は可愛かったなあ、うん。
畜生、浩介め、大人気じゃないか、ハーレムじゃないか。
だがしかし、この主人公、それだけみんなに惚れられるだけのものを持ってるんですよね。他人の事で心の底から怒ることができ、理不尽を憎むことができ、体を張る事ができる、熱い正義感の持ち主。医術部の面々はみんな症候群の重度罹患で一度は人としての在り方を踏み外し、倫理を投げ捨ててしまったという傷があり、素敵についてはその重度罹患を治療するために殺人を犯さなければならないという傷を、現在進行形で追い続けている状態だ。そんな彼女らにとって、同情や憐憫からではなく、純粋に彼女らの事を想い、自分の身をかえりみず、我が子とのように自分たちの傷の痛みを一緒になって痛がってくれて、その痛みを少しでも緩和させようと一生懸命になって力を尽くしてくれる浩介が、かけがえのない存在になっていくのは、それはもう必然と言っていいんじゃないでしょうか。
そりゃあ、惚れるわなあ。

1巻感想

C3 シーキューブ 94   

C3‐シーキューブ‐〈9〉 (電撃文庫)

【C3 シーキューブ 9】 水瀬葉月/さそりがため 電撃文庫

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ついに季節はお正月かー。見るもの聞くもの初めてばかりなフィアがいるせいか、このシリーズってきっちり年中行事をやってくれるんですよね。春亮も作中で述べているのですが、クリスマスや年越しやら、繰り返していると慣れて特に何も感じなくなってしまっているイベントも、フィアがその行事特有の決まりごとやお約束などに、驚き目を丸くし、楽しそうにはしゃいでいると、見慣れたイベントが随分と新鮮に感じられてくるんですよね。付き合わされている方も楽しくなってくる。
この【C3 シーキューブ】シリーズを私が好きなのは、この賑やかな夜知家の風景に妙に生活感があるところだったりします。他のドタバタホームコメディな作品だと、その大騒ぎな賑やかさ、楽しさは伝わってきても、案外そこに生活感を感じるようなものって少ないんですよね。愉快で和やかな笑える【非現実】、とでも言うべきか。
その点、この【C3 シーキューブ】は、まああくまで私の主観なのですけど、あーこの家で毎日生活しているんだなー、というような匂いが伝わってくる。
冒頭の年越し風景にしても、こたつに入って大晦日の益体もないテレビの特別番組を見るとは無しに見ながら、ダラダラと他愛もないおしゃべりをしーの、食べ終わった年越しそばの片付けをしーの、年が明けたら友人知人に電話をかけて待ち合わせをしつつ、着替えの遅い同居人をせっつきながら、シンと冷えた真夜中の外にちょっとウキウキしながら初詣に出かける、という一連のシーンがたまらなく好きなんだ。これらは別段、年末年始のシーンとしては珍しくも何ともない場面なんだけれど、なーんか味があるんですよねー。
あー、夜知さん家だなー、というにんまりと感慨に浸ってしまうような何かがあって、いいんだー。

今回は、まさにその夜知さん家の楽しくも賑やかな日常の風景こそが担保となる話であるので、冒頭にその何気なくも掛け替えのない空気をしっかり堪能させてくれたのは非常に良かった。
前半あってこそ、フィアや春亮が奪われてしまったものが取り返せなかった時の悲痛さと、其故の皆の必死さや切迫感が栄えるわけだし。
今回は、呪いの道具にまつわる組織が絡んでくる本筋とは少し外れた話で、あの連中のように倫理観や常識が根底からぶっ壊れていて何をしでかすかわからないような恐怖感、本筋の生命や尊厳が脅かされるような圧迫感こそないものの、だからといって悠長に気の抜けた番外編にはならず、緊張感が絶えずあったのは、そのお陰かな。
ただ、全体としてまったりとした雰囲気だったのも確か。精神的にも肉体的にもグロな展開はなかったですしねw

何気に今回はこのはさん本性バージョンが堪能出来たので、大満足(笑
このメガネ巨乳、キャラ的にいろいろな意味で貧乏くじを引いてしまう立ち位置にも関わらず、なおも独特の存在感を保っているのは、その随一の戦闘力じゃなくて、やっぱりブチキレた時の性格なんですよねー。普段のメガネ巨乳とのキャラのギャップが素晴らしいんだ。
ちうか、今回のこのは妖刀バージョン、まじ怖ええ(笑 
でも、やっぱり一番酷い目に遭うのはこのはさんなんだよなあ(苦笑

そういえば、珍しく白穂とサヴェレンティがちゃんと話に絡んできてくれたんですよね、今回。もしかしたら、彼女たちが登場した時以来なんじゃないだろうか。なんだかんだと手助けしてくれる二人だけれど、戦闘力は皆無に近いからいつも外野だったもんなあ。それが、今回は敵さんが本当の意味でヤバい相手ではなかったこともあってか、珍しく深入りしてくれたわけで。サヴェレンティの能力って、そういえばそんなだったなあ。見る機会が殆どなかったから忘れてた。

これでまた新キャラが増えたわけだけど、普段の伍鈴じゃあ戦力としてはあんまり期待は出来ないか。今回みたいに無茶苦茶やって力を蓄えた状態なら、かなり強力な戦力になりそうなんだが、そういうわけにもいかないしなあ。まあ、春亮には関心なくて白穂の方に興味津々みたいだし、コメディパート要員か。まだ中学生だし、家庭も普通にあるし無茶なことに巻き込むわけにはいかないだろうからね。
しかし、裾の長い白衣を着込まず緋袴を履いた姿のあの側面からのエロさは、とんでもないよなあ。

そしてこれも毎度の事なんだが、伍鈴に向けたフィアの説得というか独白、説教は感動させられる。いつも無邪気にはしゃいで毎日過ごしているようで、この娘は自分の「呪われた道具」としての出自、そして自分が拷問具として為してきた過去を、決して忘れてないんですよね。それを踏まえた上で、罪を背負った上で、どう贖罪すべきかを常に考えている。
自分が、どう生きていくべきかを、常に真摯に、一生懸命、健気なほど考えている。他人に、自分と同じ境遇のものに伝えられるほど考えている。
伍鈴に訴えた言葉には、ついにそんな風に考えるにまでなったのか、と思わず胸が熱くなってしまった。初めて現れたときには、あれだけ自分を憎み、自分を嫌悪し、自分自身に絶望していた娘が、自分の呪いの道具としての在り方を、そこまで受け入れることが出来るようになったのか、と。
ほんとこの娘は、強いわ。

藍坂素敵な症候群4   

藍坂素敵な症候群 (電撃文庫)

【藍坂素敵な症候群】 水瀬葉月/東条さかな 電撃文庫

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だ、騙された。騙された騙された騙された騙された。
これはタチの悪い宣伝詐欺でしょう(笑
少なくともゆるいタイトルやあらすじや表紙絵や帯の宣伝文句見て、この内容は想像できんですよー。
「しゅじゅちゅします!」
合言葉はフェティシズム! 医術部部長・藍坂素敵のちょっと素敵な物語。
フェチ系美少女学園ストーリー

てっきり、MF文庫Jの【えむえむっ】と同類の似たような話だと思い、あらすじを読んでその認識を新たにし、カラー口絵の美少女たちの紹介文を読んでさらに認識を強固に固め、本分序盤もそのつもりで読んでましたよ。

完全に油断してた。

著者のところに【水瀬葉月】とちゃんと銘打っている事の意味を、不覚ながらまったく意識していなかったのが敗因だった。
そうなんだよなあ。最近忘れてたけど、この人、萌え畑と見せかけつつその実態は根っからの

偏執血みどろグロ畑

の人だったんだよなあ。かなり無防備な心構えの所にポンとグロシーンが飛んできたんで、いい具合にクラってしまった。本来ならそんなに強烈な描写でもなくて、案外ジャブ程度の軽い一撃だったと思うんだけど、全然構えてないとけっこうギョッとなるんですよね。
話も一線を超えた途端、突然様相を変えてしまうし。この切り替わりは、さすがはもうベテランの領域にある作家さんという構成の手際の良さ。
最近、主戦であるところの【C3】が内容的に柔らかくなってきている分の鬱憤を晴らすかのように、グロくてシビアな要素をふんだんにつぎ込んだ、久々に水瀬葉月のスロットルを踏み込んだ感じの話になってるなあ。
ただ、この人の作品の好きなところなんですけど、主だった登場人物の多くが、残虐無道で歪み捻れまくった舞台の上に配されているにも関わらず、その歪みに真っ向から抗うかのような、心根の真っ直ぐな熱くも気持ちのイイ連中だというのが、この作品でも一貫していたのには一安心。特に、メインヒロインたる藍坂素敵はこれ、読むまではキャラクター誤解されるよなあこれは。興奮すると舌っ足らずになったり、冒頭の強引な絡み方を見てると、見た目通りの精神も幼児気質のわがままで傍若無人なキャラクターかと思ったら、思いのほか大人で理知的で他人に気を遣うタイプという、事前の印象とはまるで正反対。その上繊細で傷つきやすい癖に、自分が傷つくことを恐れず前に進むことの出来るとても強い子。正直、かなり好感の持てる子なんですよね。彼女の素顔を知った人たちが、彼女の周りに集まってくるのも宜なる哉。そりゃあ、好かれるし、自然とこの子のことを助けたい、守ってあげたいと思うわなあ。
とはいえ、彼女の抱える秘密と言うのは、実際ナニも知らずに目の当たりにしてしまえば、拒絶してしまうにもまた無理のない話。主人公の浩介の反応はまともだと思うんですよね。こいつの偉いところは、自分が間違ってると思ったら、自己正当化せず即座に行動に移せるところだなあ。最初に素敵の話をまともに聞かなかった時も、彼女の言い分に正当性あり、と判断するや、うだうだと躊躇わず、すぐにもう一度話を聞きに行ってるし。ほどよく熱くて真っ直で、これは気持ちの良い主人公だわ。

単に緩くて語感だけを重視して考えたようなタイトルも(いや、実際それだけにしてもこのタイトルはなかなか印象に残りやすくて結構イイタイトルだとは思ったけど)、実はかなり重要で真摯な意味合いが込められていて、その意味が明らかになった時はタイトルへのイメージが見事に反転させられて、これはなかなかグッとくる体験だった。
って、あとがき読んだら<スーパー変態大戦>って、また(苦笑 いや、間違ってはいないけどさ。

なんか見たことのあるようなパワーのこもったイラストだと思ったら、この人【SHI-NO】の東条さかなさんかー!

C3 シーキューブ 83   

C3-シーキューブ 8 (電撃文庫 み 7-14)

【C3 シーキューブ 8】 水瀬葉月/さそりがため 電撃文庫

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 bk1

巻を重ねるごとに露出度が拡大の一途を辿っていた表紙絵のフィアの紐パンも、ついに全体像が露わとなるほどにまで至ってしまいました。
凄まじくローレグだな!!
ここまで描いてしまうともう次は紐が解けた状態でないといけないような空気が流れてしまうじゃないか!(流れてません

クリスマスなどというイベントが近づくと、俄然やる気になるのがお祭り好きの黒絵さん。この人、マイペースに見えてイベントとなるとひそかにテンションあがりまくってるっぽいんだよなあ。何気に普段に倍する勢いで同居人弄りに勤しんでるし。
クリスマスというとラブコメならば恋愛ムードたっぷりのお話になりそうなものなんだけれど、このシーキューブは案の定というべきか、笑っちゃうほど異性間の盛り上がりは皆無で、欧米風(?)の家族中心のクリスマスという感じに。フィアがクリスマスをはじめて体験するというのもあるんだろうけど、クリスマスプレゼントも好きな人との距離を縮めるためじゃなく、家族の間同士で交換、という風情だったし、夜知家は相も変わらずアットホームでいいなあ。
辛うじて恋愛事のエピソードとなったのは錐霞の初めてのお泊りイベントくらいか。今まで彼女が夜知家に泊まったことがなかったという事実に驚きだけど。もうとっくに錐霞の存在は夜知家に馴染んでしまっていただけに、これは何気に意外だったなあ。はじめて見るいいんちょのパジャマ姿にドキドキしたり、寝ぼけて同じ布団にもぐりこんできたいいんちょにドキドキしたり、とラブコメ展開が炸裂するのってやっぱり錐霞相手が圧倒的に多いんですよね。このはの苦戦傾向はしばらく変わらなさそうだ、こりゃあ。
そうこうする内に、唯一のアドバンテージだった巨乳属性ですらも、隠れ巨乳にして脱衣癖の持ち主というン・イゾイーの参入でがけっぷちに陥ってしまってるし。あの汚れ属性が圧倒的に足を引っ張っているのを、そろそろ何とかしないと。
もういっそ、折々で見せる妖刀バージョンを常態化させるしかないんじゃないかい?w

これまでも、呪いの道具<禍具>に纏わる組織は出てきているわけですけど、竜頭師団のタチの悪さは、組織の趣旨が人類最強を目指すという単純明快さが、むしろろくでもない惨状を引き出すことになってるなあ。切子のやり口も、フィアの心をズタズタに引き裂いたひどいものだったけれど、今回のココロのはさらに胸糞悪いものだった。
こんな無関係の人に大量に被害が出たのって、初めてじゃなかったっけ。ひたすらに強さを求めるのはいいけれど、その為に捨て去り無下にするものが多すぎて、共感するものが何もない。これまで出てきた連中はろくでなしにしても、そこに至るまでの過程に同情の余地というものがあっただけに、なおさらに。
さらに、この連中に勝ってしまうと余計に狙われる羽目になるからホントたち悪いんだよなあ。その意味では、ン・イゾイーが完全な味方というわけではないけれど状況如何によっては協力してくれるポディションに入り、理事長たちが胸襟を開いて正体を明かし、完全な味方としてついてくれたのは、フィアの能力が封印されていってることもあり、頼もしいところだ。理事長は戦力とはならないにしても、彼らがバックアップに入ってくれたらかなり助かりそうだしなあ。ン・イゾイーも組織の立場はあるだろうけど、以前のいいんちょと同じく心は通じているわけだし、あの娘の性格からして本気で困ってたらなんだかんだと助けてくれそうだしねえ。

そしてラストには、フィアの祈りが届いた天からのプレゼントが。この案件はずっとこびりついて離れなかった影だけに、素直に良かったなあ、と思う。

C3 シーキューブ 73   

C3‐シーキューブ〈7〉 (電撃文庫)

【C3 ―シーキューブ― 7】 水瀬葉月/さそりがため 電撃文庫

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いいんちょーさんは、忘れてるふりなんかしなくて良かったのに。我慢しなかったらよかったのに。ばかだなあ。ばかだなあ。どんなに恥ずかしかろうと、いや恥ずかしがるからこそ春亮に意識させれたものを。
それにしても、反則である。鬼である。一挙手一投足が炸裂する戦略弾頭である。
ネコミミ装着による猫化なんて、まあベタなネタなはずなんだけど、やるキャラクターとシチュエーションが合致してしまうと、やはりあり得ない威力を発揮するよな、ベタネタは。

一方で、同じ恋を自覚する少女のはずのこのはは、ヨゴレ路線を順調に爆走してるよなあ(苦笑
なんだよ、デカパイ仮面って!
こっそり、元来は一人称が艶っぽい妾キャラというのは気に入ってるんですけどねえ。そこが逆に変にサバ読んで若づくりしているキャラに見えなくもないという悲劇w
それでいて、みんなのお姉さん役はきっちり黒絵に握られてるもんなあ。
黒絵がはじめて夜知家に来た時のエピソードも収録されているのですが、もうすでに最初の最初、速攻から黒絵には好いように弄られてて、そのアワレさには涙さそわれるw

一方の黒絵だけど、この人にはみんなやっぱり敵わんのだなあ。一番最初に呪いから脱した先達としての余裕かとも思ってたけど、初めて来たときからあんなんだったと知れると、もともと人格が懐広い人物だったのだとわかってくる。
とはいえ、夜知家に入ることになったときの自分の存在をなじませる為に仕組んだ演出は、その後の彼女の自然な振る舞いとは違って、恐る恐る慎重に、かつ手探りで立ち位置を確かめるようなところがあって、彼女なりに緊張していたのが伝わってきて、なかなか興味深かった。おかげでこのはがひどい目にあってるんですけどねw


C3 シーキューブ 64   

C3‐シーキューブ〈6〉 (電撃文庫)

【C3 シーキューブ 6】 水瀬葉月/さそりがため 電撃文庫

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フィアは最初期こそ不安定だったけれど、昨今のブレのない健やかな精神性の成長には目を見張るものがあるなあ。
後半の展開なんかあれ、フィア的には大ショックのはずなんですよ。自分が与えられ、受け取ったものを別の誰かに返すという純粋な好意、善意の行使を一番ひどい形で、後ろ足で砂を引っ掻けるように裏切られたのですから。
ヘコんだり落ち込んだりするどころじゃない。下手をすれば自分の今までの在り様に疑問を抱いてしまったり、心挫けてしまってもおかしくない事態だったはずなのです。
でもこの娘、ブレないんですよね。ザックリ傷ついたはずなのに、負の感情を滾らせることもなく、すぐさま立ち上がり、自分とはまた別の形で今までの自分に裏切られ、心へし折られて立てずにいる人に向かって手を差し伸べるのですから、フィアの得た【強さ】のなんと清々しいことか。
この娘は、もう前回の自身に科した拷問のように肉体的に傷つくことだけでなく、精神的に傷つくことにも耐えれるようになったんですねえ。
拭い切れぬ罪過を背負いながら、この娘はもう真っ直ぐ進めるんだなあ。

ここで興味深いのが戦えない主人公こと夜知春亮なんですよね。この春亮って、面白い事にほんとに部外者なんですよ。これまで襲ってきた連中って、基本的にみんな呪いの道具であるフィアたちが目当て。奪うにしろ壊すにしろ戦うにしろ、目的はみな彼女たちにあるわけです。一応、春亮は彼女らの所有者、ということになるんですけど、フィアたちってみんな道具である以前に一人の人間として立脚しているので、敵さんもだいたいアプローチは直接彼女たちに行ってる。
戦えない上に、当事者ですらない。彼が当事者であるのは、もしかしたらいいんちょさんのストーカーに、狙われつつあることくらいなんじゃないだろうかな。
でも、だからといって春亮に存在感がないのか、というと、これがとんでもない。同じく個人的には一切戦闘力がなく、ヒロインに戦闘を預けてしまっている主人公ってのはけっこういると思いますけど、春亮の存在感の重さはちょっと頭一つ抜けてるんじゃないかというくらいに、ズシンと重い。
彼の在り様ってのは、完璧なまでに庇護者のそれなんですよね。生まれながらに罪を背負い、その重さに押し潰されそうになりながら、道に迷い、心壊れていく道を宿命づけられている呪いの道具たち。その彼ら彼女らの未来に希望の光を差し込ませ、自分の足で立って進む道を指し示す存在が、春亮なのです。
今回も、読んでると感心してしまうくらいに、細かくフィアの精神面のサポートやフォローをしてるんですよ、この野郎。これほど、ヒロインたちの支えになってる主人公と言うのも珍しい。しかも、その支えというのが春亮への依存にはなってないんですよね。春亮ってへたり込んでる子には手を差し伸べて立たせてあげても、そこから手を引っ張って導くようなことはあんまりしてないんですよね。変な方向に行きそうだったり、また座り込んでしまいそうになったら必死に助けたりしてくれるんだけど、基本的に後ろから見守ってる感じ。彼の周りにいるヒロインたちは、誰も春亮に寄りかかることなく、一人で立ってるんですよ。
その上で、彼を好きだと想ってる。
だからなんでしょうか、春亮は庇護者としてのスタンスであるんだけれど、ヒロインたちとの関係性はどこまでも対等だったりする。でも、彼女らが心まっすぐに戦えるのは、生きれるのは彼が居たからこそ。ゆえに、どんな場面でも彼の存在はとてつもなく重きを以って存在感を示してるねすよね。不思議と戦闘シーンでも、春亮ってあんまり邪魔とか役立たずとか読んでて思ったことがないあたり、上手いこと書いてるなあ、と。

でも恋愛パートは、何気に均衡状態が出来ちゃってるなあ(笑
誰かが突出するとすぐに協力して、叩き潰されそう。

C3 ―シーキューブ― V  

C3‐シーキューブ〈5〉 (電撃文庫)

【C3 ―シーキューブ― 后曄/綫ネ娵遏燭気修蠅ため 電撃文庫

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まずはヒモパン。常にヒモパン。なんぞもし。

すみません、最近疲れているもので。
今回は、前回出番のなかったいいんちょのターン。でも、フィアもメインヒロイン面目躍如なんですよね。
この作品に登場するヒロインたちは、みんな多かれ少なかれ宿業を背負っています。フィアにしても、このはにしても、呪われた道具として何人も何十人も、場合によっては何百人もの人間の肉体を傷つけ、尊厳を破壊し、心を打ち砕き、絶望を刻みこみ、命を奪ってきたわけです。
その罪科は、たとえ使われる道具でしかなかったとはいえ、彼女たちを今なお苦しめ続けている。
ゆえに、だからこそ。
彼女たちの生きざまは、読んでいてハッとさせられるほど健気で、真摯で、誠実であり、気高くすらあるのです。常に正しくあろうとしている、というのとは少し違うのかな。今回なんかは特に大いに<間違える>話であったわけだし。
彼女たちの行動は、選択は、彼女たちが大切に思う人たちに恥ずかしくない、胸を張って結果を示せる、そんな意識を常に心がけている、そんな風に見えている。後ろ暗い過去に常に苛まれている彼女たちだからこそ、背筋をピンと張ってかざしてみせるその姿勢は、眩く見えるのだろう。
対比となる、敵方の連中が以前の家族会にしても、今回の研究室国にしても、自分の欲望、思想に忠実で自分本位極まる連中であることも、フィアたちの気高さが際立つ要素なのかもしれない。
春亮は、主人公なのに、いざ戦いとなると何の役にも立たない。作中でも自分で愚痴ってるけど、観戦に回らざるを得ない自分には忸怩たるものがあるだろう。でも、こいつを役立たずだと思ったことはないな。たとえ戦闘力がなかろうが、彼女たちの精神的支柱はまぎれもなく彼なんだから。彼がいたからこそ、彼女らは自身の罪科や弱さに押し潰されず、未来や希望といったものを見出す事が出来、自分の宿業に立ち向かう勇気と意志を得ることが出来たんだから。
彼が彼女たちに示したものは、呪いから解放されるという希望、そしてそれ以上に彼女たちがこれから胸を張って生きていくための、道筋だったように思う。大変だぜ、他人にそれだけの勇気や意志力を与え続けるための姿を示し続けるのは。でも、彼は見事にそれを成し遂げている。
錐霞が、兄の呪縛に真っ向から立ち向かう勇気を得たのも、春亮やフィアの示したそうした生き様だったんだから。

意外だったのが、崩壊後の家族会、ですか。二階堂クルリの今回の目的が最後までわからなかったのですが、それが明らかになったとき、ガツンときたなあ。最後まで間違え続けてしまった家族会ですけど、こうしてクルリの想い、アリスの告解を見てしまうと、そのすべてを否定し尽くすことはできないよなあ。あの破滅の後にも、残ったものはあったのだ、と。
アリスのこの後の人生は贖罪の酷道なのでしょうが、クルリのおかげでその道を最後まで歩き続けることができるでしょう、きっと。

恋愛パートでは、いいんちょが一歩リード、になるんかな。フィアはまだ恋心が芽生えはじめたばかりだろうし、このはは……可哀想だがやり方がへたくそ過ぎる(苦笑


C3 シーキューブ 35   

C3-シーキューブ 3 (3) (電撃文庫 み 7-9)

【C3-シーキューブ 3】 水瀬葉月/さそりがため 電撃文庫


表紙は徹底してフィアで突き進むのか。
そろそろ他のキャラでもいいと思うんだけど。紐パンをはけとは言わんからw

中身の方ですけど、巻を重ねるごとにメキメキと充実して面白くなってきた。これは、著者の代表作になるんでないだろうか。
フィアと春亮の関係はすっかり安定。揺るぎない信頼関係が醸成されて、不安定だったフィアの精神面も春亮の存在に支えられて、以前ほど暴走や情緒不安定状態に陥ることもなくなったように思える。とはいえ、フィアのメンタリティはまだ自分の出自と呪いに対しての向き合い方の方に比重が傾いていて、春亮との関係ってあんまり恋愛臭がしないんですよね。時々、嫉妬っぽい感情を閃かすものの、傍若無人の我儘に見えてフィアってこれで道理をわきまえてる子だったりするので、空気も読まずに無茶苦茶なことを言い出して迷惑を振りまくようなことはしないので、その嫉妬もあんまり目立ったことには今のところなっていない。彼女自身がまだ、春亮に対して明確な恋愛感情を抱いてない、もしくは自覚していない状態だからかもしれないけど。春亮の方も、フィアのことは大切にしてるけど異性に対してのそれっぽい態度じゃないんですよね。どちらかというと、兄妹みたいな関係で安定してしまっているのが、今の二人の関係のように思える。
それに比べると、むしろ恋するヒロイン街道を驀進しているのが錐霞なんじゃないだろうか。
今回、遂にはっきりと明言しちゃいましたしねー♪ いや、その宣言のシチュエーションがまったくカッコいいんだ。とても告白とは思えないくらい。これが、春亮に直接告げるシーンじゃないのが非常にもったいない(笑
これまでの隷属的身分や立場への決別と、それに甘んじていた自分に対する覚悟の表明。そこに至る、あまりに明瞭で単純で力強い理由。この時の錐霞には惚れたわ〜〜。
それでいて、今の錐霞はその想いを春亮に伝えることも、成就させることも一切望んでいないんですよね。叶わぬ恋と断じている。
内心の燃え上がるような熱い想いと、それを決して表に出さない抑制的な態度。春亮の前では頼もしい委員長で信頼できる禍具の使い手で仲間という姿を崩さず、でも時折垣間見せる弱さや本心。物凄い魅力的なんですよね。個人的には、彼女を応援したい八岐です。
彼女を苛んでいるあの重たい呪いも、春亮の特性を考えれば彼と一緒にいると解ける可能性ありそうですし。あれは、一生涯背負うにはキツすぎる呪いですよ。えっちいことは出来そうですけどw
もう一人、明確に春亮に恋愛感情を抱いているだろうヒロインであるはずのこのはは、出遅れてるなあ(苦笑
彼女、一巻につきほぼワンシーンの勢いで垣間見せる、過去の本性が今のキャラクターとの物凄いギャップと相まってすごく好きなんですけどねえ(苦笑
恐らくは春亮と一番深く近しい関係であるのは、以前の春亮が「この姉」という名で呼んだ時のシーンでがっつり印象づけられたんですけど(このシーンもかなり好き)、近しいだけに難しいのかなあ。
私は、このかの過去や春亮の関係を、投げ売りせず、ほとんど一瞬にザックリと深く刻み込むようなこの描き方、かなり好きで気に入ってるんですけどねえ。いずれ、二人の関係は踏み込んでくるでしょうし。

と、メインとなる春亮と三人娘のキャラクターもしっかり立ってきたところで、この三巻で新キャラ投入。
フィアの念願であり望んだ形。呪いが解けた禍具の実現例となる、人形原黒絵。もともと春亮の家の住人だったのが放浪癖のせいで小旅行に出ていたらしい。見てくれはフィアよりも小さいのでイメージしにくいんですけど、かなり落ち着いた性格で大人びてるし、実は収入のある社会人。愛嬌もあってみんなをからかったり、じっくり悩み事の相談に乗ってくれるような余裕や懐の広さもあって、夜知家の姉役的な立場になるんじゃないでしょうか。ちっちゃくて可愛いので、なかなかそう見えないんですけど(笑
彼女とフィアの関係がまたいいんですよね。黒絵は一貫して鷹揚とフィアを可愛がってるのに対して、フィアは最初の対面がひどいことになってしまったので、最初のうちは警戒しつつ、段々となついてくる感じが(笑
姉役と言いつつ、黒絵は決して上の立場から見下ろしたり、お姉さん風を吹かせたりせず、自然体なのだからか、あんまり姉妹風には見えないんだけど、でも親友というよりはやっぱりとても仲の良い姉妹みたいで、いいんですよね。うん。
呪いの解けた黒絵という存在は、フィアにとって目標にもなるわけですし。同時に憧憬の対象にもなるわけか。

でも、今回は黒絵というフィアの想いを成就させたような存在と対比するような<敵>が登場する。
今回はまったく、禍具の呪いというフィアを苛む問題を今までとは別の方向から攻めてきた感があるけど、これが上手い。本当に、話の持っていきかた、構成の練り方とか見せ方とか、メキメキうまくなってる感じがするんですよね。登場人物たちそれぞれの思いも、今回のエピソードを通じてくっきりと読者にも強く伝わる感じで醸成されてきた感もありますし。
この著者の得意技というか、肝ともいうべきエログロ、狂気や異常性といった部分も、どたばたなラブコメ的な雰囲気と相殺することなく、上手く共棲してますし。
これは、面白くなってきましたよッ!!

 
11月26日

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