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永菜葉一

いつか僕らが消えても、この物語が先輩の本棚にあったなら ★★★★☆   



【いつか僕らが消えても、この物語が先輩の本棚にあったなら】 永菜 葉一/なび  MF文庫J

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青春の全てを捧げた、小説の世界は――戦場だった。

柊海人の日常は全てが灰色だった。可愛い妹と何かと気に入らないことがあればすぐに激昂してしまう父。アンバランスな家庭を守るため、アルバイトに明け暮れ、将来のことなんて考えられなかった。
天谷浩太の日常は全てが虹色だった。幼いころから欲しいものは何でも与えられ、何をしたって上手くいった。そんな二人に文芸部部長・神楽坂朱音は小説の世界の素晴らしさを説いた。そして、囁く
「君たちのどちらかがプロデビューして、私を奪って欲しい――」
いびつな関係の3人が小説という名の戦場に出揃うとき、物語は動き出す。小説に魅せられた少年少女が贈る、本物の青春創作活劇!
ああ、珠玉を見た。
これには「小説を書く」という行為にまつわるあらゆるものが詰まっている。
小説を書いた事のある人は、まず最初に自分の中からこみ上げてくる「物語」を文字にして打ち出そうとする行為そのものに、とてつもない大きな壁を感じ、恥ずかしさに躊躇い、清水の舞台から飛び降りるような心境を抱いた事があるのではないだろうか。
あの書いてみたいという欲求と、書くという分不相応とも思える行為への抵抗感のせめぎ合い。かつて二次創作という分野ではあるが、物語を書くという経験がある身としては、朱音に促されて海人が初めて自分の文章を書きはじめるまでの躊躇う姿に、随分と懐かしい思いを抱いてしまった。
あの越えた瞬間から、筆が走りはじめた時の開放感のような、未知の世界に踏み入った高揚感は未だに克明に思い出すことが出来る。
そんなふうにして、この海人ともうひとりの主人公、浩太の作家として歩んでいく二人の姿を見ていると気付かされるのだ。これは、思い出だ。経験であり、体験であり、過去から今に至るまで抱き続けた感情であり、モノを書くという事への理解であり、認識であり、未だ結論に至らない道程で振り返り、足元を見て、空を見上げて、これから征く道の先へと目を凝らす。そんな、作家としての有り様、在り方を一つ一つ腑分けして、分け与え、魂を吹き込んだのがこの作品の登場人物たちなのだ。
だから、彼らの叫びは生の叫びだ。青臭かろうと、演出過多に見えようと、ディフォルメされていようと関係ない。それは余分なものを飛び越えて、直截に此処に届く、響いてくる。
そこには、小説を書くことへの一切が詰まっている。書く喜び、書くことの楽しさ、苦しさ、辛さ、恐怖があり、高揚があり、喜悦があり、絶望があり、迷いがあり、達成がある。何故書くのか、何故書きたいのか、どうして書き続けるのか、書かなければならないのか。理性の産物であり、本能からの欲求ともなる執筆という行為。その根源を、ここに現れる登場人物たる彼らはすべて曝け出してくれている。
その中でも、彼ら主人公の海人と浩太はその体現者だ。そして二人はそれぞれ、小説を書くという行為に対しての人生における位置づけが異なっている。それは光と闇という表現で区別され、二人はまったく別のスタンスで小説を書くことに人生を賭している。
その対比が重要なのだろう。主人公が二人いて、二人それぞれの視点で小説を書くという行為に向き合うことが、視野や焦点を狭めることなく、たった一つの答えではない幾つもの作家としての在り方を肯定することに繋がっている。ひいては、文学部の先輩達それぞれの作家としてのスタンスの違いもまた、小説を書くという事への向き合い方への多様性を肯定していると言えよう。どれもが間違いではなく、尊重され、肯定されるに相応しい立ち方なのだ。
それは、浩太と海人にも該当する。生い立ちも、その人生の歩みも正反対のように異なる二人は、作品への向き合い方も、小説を書くという行為に対する在り方もまったく異なっている。しかし、彼らはお互いを否定はしない。むしろ、相手の在り方にこそ憧れている、と言っていい。そして同時に、自分の在り方に確かなものを見出している。もちろん、迷いが生じるときもある。反発が生まれるときもある。しかし、誰よりも相手を認め、尊敬し、だからこそライバルとして鍔迫り合い、時としてその選択を許せずに己の信念をぶつけることになる。
そうやって際立っていくのだ。相反するかのように見えた光と闇の、作家としての在り方はどちらもまた本物なのだ、と。その両方が、きっと彼の人、この作品を手掛ける永菜さんの中に内包されていて、両立しているのだと。それを描き出すのには、主人公はどちらか一人では足りなかったのだ。海人と浩太の二人であったからこそ、相乗させ全部引き出せた、描き出せた、と思えるのだ。
だからこそ本作は論ではなく、談である。
これほど自分自身を腑分けして直接それらを叩きつけながらひとり語りになるのではなく、登場人物たち一人ひとりの「人生=生きる事=書く事」への全力を描き出した青春物語と成しえて見事に完成させた事に、感嘆を禁じえない。
一読者として、心揺さぶられる作品でした。心に沁み入る作品でした。

ラストシーン、海人くんの現況は色々とご自身のそれが投影されてる感じもありますが、打ち切りなんかにゃ負けん欲しいです。わたしゃ、永菜さんの作品、どれもこれも大好きですよぉ。てか、なんでどれもこれも一巻だけなんだよ、どれもべらぼうに面白いのに!! 納得いかーん!!


永菜葉一・作品感想

幼馴染が引きこもり美少女なので、放課後は彼女の部屋で過ごしている(が、恋人ではない!) ★★★☆  



【幼馴染が引きこもり美少女なので、放課後は彼女の部屋で過ごしている(が、恋人ではない!)】  永菜 葉一/茨乃 角川スニーカー文庫

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高校生の俺・三上奏太には幼馴染がいる。誰が見てもとびきり美少女な女子高生・如月唯花だ。ただし―怠け者で甘え上手な、筋金入りの引きこもり。俺は放課後になると唯花の部屋を訪れて、そのダラダラ生活に付き合っているのだが…。課金カードのお礼にと抱きつかれ、隣同士で密着アニメ鑑賞、たまには添い寝もしたりして!?だが、俺たちは恋人ではない。
「―あたしのこと、好きになっちゃダメだからね?」
それは俺たちが“幼馴染”でいるための、今の生活を守るための予防線。なのに…どうしてキス顔で迫ってくるんだよ!?恋人以上な幼馴染たちの、放課後イチャイチャラブコメ!

もっと緩い引きこもりなのかと思ったら、ガチの引きこもりじゃないですか。それも、家族とすらマトモに顔を合わせられないくらいの。
なぜそうなったのかの原因については詳しく触れていない、ただきっかけとなった事件については既に奏太が解決してしまっているので現在進行系で彼女が問題を抱えている、問題に晒されているわけではないようなのだけれど、その件で受けた精神的なダメージが唯花に人と対面する事への拒絶感をもたらしている……らしい?
唯一、面と向かって普通に話せるのが幼馴染の奏太だけ。というわけで、日々唯花のもとに通う奏太くん。恐るべきは、彼女に会いに行くことに彼が義務感とか責任感とかを背負っていないところなんですよね。あくまで好きで会いに行っている。親に頼まれて仕方なく、という事は一切なく、面倒くさいとか仕方ないという感情は一切ないっぽいんですよね。
そしてそもそも、引きこもっているという事柄に関しても決して否定的な様子を見せていないのである。つまり、引きこもりを辞めさせようとか表に出れるように一緒に頑張ろうと、部屋を出させる事を目的とはしていない。押し付けがましく、正解を突きつけようとしていない。
ただあるがままに、唯花の思うようにさせている。それは全肯定なのか、すべてを受容しているのか。
おまけに、課金と称してバイト代を貢いですらいるのだから……あれ? これってヒモを養うアレな人じゃね? 或いは、女をダメにする男、というべきか。
当然、唯花はそんな奏太に依存しまくっている。甘えまくり懐きまくりベタベタしまくっている。会えないと寂しくて泣いちゃうレベルでベッタリである。
何気にこれ、唯花の家族も彼女のことを奏太に任せきっちゃっているところをみると、家族まるごと彼に依存しているようにすら見える。奏太からすると、バッチコーイってなもんなんだろうけど。
それでいて、唯花は自分を好きになっちゃいけないんだからね、と幼馴染という関係から逸脱しないように彼に釘を指している。奏太も、それが唯花の意志ならば、と尊重してちょっとエロい気持ちになっても我慢しちゃってる。我慢するなよ! この男、幼馴染の言いなりである。甘やかすのが楽しくて仕方なさそうなのが、業を感じる。

ただ、唯花が奏太に対して依存しきらずに一線を引いているのは、それだけ自分に対して諦めきっているから、とも言えるんですよね。こんな引きこもったまま既に人生終了している自分を背負わせたくない、いつか自分から彼を遠ざけて奏太には自分の人生を歩んでもらわなくてはならない。未来のない自分には関わってはいけない、というセーフティーが彼女の中にかかっているのである。
あれだけ甘えきっておいて、どんな言いぐさだよ! と、思わないでもないのだけれど、そういう罪悪感めいた相手を思いやる心がある、という事自体がまあ彼女の一線でもあるのでしょう。ホントの正真正銘のダメ人間、には成りきっていないわけだ。
奏太としては、もう唯花を完全にダメ人間にしてしまいたいんじゃなかろうか、という疑惑もあるのだけれど。

そんなアルコール中毒とか喫煙者、ダイエットするする詐欺師みたいに辞めようとしてやめられない。奏太依存症な唯花にとっては、幼馴染という関係は自分への言い訳みたいなものだったのだろうけれど、少なくとも作中において彼女は自分への諦めを覆す意志を見せるんですね。
変わろう、という意志を持つのである。奏太に促されてではなく、彼は何も促さないし導かないしただ見守るだけだ。だから、本当に彼女の意志だけで変わろうと思うに至った。
それは、希望なのだろう。深々と音もなく静かに降り積もっていく雪のような絶望と諦めに埋もれていくばかりだった自身を、立ち上がらせようと彼女は思い立つのだ。
自分には未来があると、思えるようになるために。
そして、未来があるなら、自分は奏太を好きになっていいんじゃないか、と思えるように。
そこで同時に、奏太に好きになってもらうんだ! なんて事を思っている時点でポンコツにも程があるのだけれど。この娘は、幼馴染の男の子が一日も欠かさず自分のもとに通ってきてくれる事実に対して、一体彼がどう思ってると考えてたんだろう。想像を羽ばたかせられないほどに、彼女の諦めというのは視線を俯かせてしまっていたのだろうか。

ともあれ、本作にファンタジーがあるのだとしたら……引きこもったままろくに外にも出ずに運動もしていないっぽい女の子が、美少女のままでいられるか! って、ところでしょうね、うん。
よっぽど節制して室内でひたすら運動して、各種ケアを欠かさずに、ってやってないと、なかなか愉快な身体になってしまうんじゃなかろうか。
まああれだ、はい、うん、本作はフィクションです。可愛い子はずっとカワイイのが真理。


永菜葉一作品感想

JK堕としの名を持つ男、柏木の王道 ★★★★☆   

JK堕としの名を持つ男、柏木の王道 (角川スニーカー文庫)

【JK堕としの名を持つ男、柏木の王道】 永菜 葉一/kakao 角川スニーカー文庫

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最強の会社員、爆誕。闇堕ちしたJKたちを社会人パワーで蹂躙&救済!モテまくる!?有栖川グループ社員の柏木啓介はある日、社長の思いつきで備品として聖ルルド学園へ送り込まれる。そこでは資産家令嬢のJKたちが『借金返済ゲーム』と称し、殺し合いをさせられていた。大人として見過ごせず、柏木は備品枠でゲームに介入。生徒会の久遠寺玲花を倒し、泣かし、救済する。
「サービス残業だ。お前たちは俺が救う。あとは任せろ」
「こんな大人、初めて…っ。オジサマ、素敵!あたしを抱いて!」
絶望したJKたちを救うため、柏木の快進撃が始まった。会社員と女子高生の新たな王道、ここに開幕!

めちゃくちゃおもしろかった!
これ、あらすじ詐欺、とまでは言わないまでもえらい矮小化されてますね。そもそも、社長の思いつきで派遣、という風になってますけれど、いや確かに思いつきなのかもしれませんけれどそんな軽い決断ではないのです。
聖ルルド学園という学校は「没落寸前」の企業の子息を受け入れて、その借金まみれの子供たちに命がけのギャンブルをさせている、という場所なだけに、本来なら世界に冠たる大財閥である有栖川グループは関わることが不可能。なのに社長ってば、子供たちが殺し合いのゲームをさせられていると知って、それを叩き潰すために、入校資格を得るために自分のグループを文字通り「没落寸前」にまで自壊させて、その上で自分の娘である姫乃をこの命がけのゲームに送り込む、という凄まじいことをやらかしてるんですよね。これで姫乃が失敗して負けてしまうと、有栖川グループ社員全員が路頭に迷うというとんでもねーリスクがw
あと、姫乃ちゃん、なんも知らされないで送り込まれてるあたりはご愛嬌w
自分が何やらされて、何を背負わされてしまったか、どんな場所に送り込まれてどんな立場に立たされてしまったのかを知った時の阿鼻叫喚は見ものである。まあ、そんなんでギャーーー!ってなってる暇もなく、柏木さんのやりたい放題に巻き込まれて白目向いて「ぎゃーーー!」ってなってるので、悩んでいる暇もなかったのは幸いなのかもしれません。
もっとも、あの父をしてこの娘。早々に覚悟を決めてしまって、この狂った外道学園をぶっ壊し、苦しめられている生徒たちを助けるのだ、といわば父の思惑に全面的に乗ってしまうのですが。
柏木さん、自分のことを社畜社畜とのたまって、常識や良識やその他諸々を蹂躙してってますけれど、実のところ彼って会社の家畜じゃないんですよね。会社に仕えているのではなく、彼の根源原理って入社式で出会い言葉を交わしてその在り方を知ってしまった、姫乃に仕えているいわば騎士の類なのではないだろうか。
それはそれとして、正しくかつて世界を股にかけた「24時間働けますか」系ジャパニーズビジネスマンの正当な後裔なのですが。正当というかサイボーグ化して論理回路を金槌で三回くらい全力で叩いたようなナニモノかなんですけど。
とりあえず、社畜はそんなお前みたいなターミネーターじゃないから!
社畜ならこの程度誰でも出来る、とのたまうエピソード&技能、全部ターミネーターしか出来ないから! 多分にターミネーターでも出来ないようなことも混ざってる気もしますが。
ともあれ、ひたすら独自の社畜理論を振り回しながら、速やかにやりたい放題やりたおし、リードの持ち手であるところのお嬢こと姫乃が振り回され引っ張り倒されそのまま引きずられてボロボロになって涙目になりながら、結局の所上司らしく或いは飼い主らしく、責任を持って社畜を解き放ち、あらゆる理不尽をさらなる社畜的理不尽をもって吹っ飛ばす、という爽快痛快コメディアクションという作品でした。
むちゃくちゃやりながらも柏木さん、完全に大人なので女子高生は子供扱いなんですよね。あくまで庇護する対象であり守るべき子供であって、異性扱いは一切しないのであります。子供相手ならなにしてもええのんかい、というくらい無茶苦茶している場面も多々あるのですが、とりあえずは保護者対応でありお父さん目線、お兄さん目線、大人目線で一貫している。それが、柏木さんというキャラのやりたい放題でありながら無軌道でない揺るぎない安定感に繋がっていた気がします。
まあ、そういう大人のオトコの下心のない包容力と、絶対に助けてくれるというヒーロー的な存在感……ヒーローというよりもターミネーターな感じもしますけど、そういうの見せられ、実際助けられ、守れてしまったら、年頃の女の子からすればたまったもんじゃあないんですよね。
あらすじだと、えらいチョロく女子高生堕とされてる感がありますが、かなりガチで生死の境目、或いは人間としての尊厳の境界を跨がされそうになった場面で、少女たちが一世一代の覚悟を完了したそのときに、そんな覚悟や責任から許され解き放たれる形であのターミネーターに助けられたというか蹂躙されたというか、まあそんな感じで人生ひっくり返されてしまったわけですから、そりゃ惚れますがな、てなもんである。決して軽くはない、命を賭け女の誇りを賭けるに相応しい本気の恋なのだ。
そんなピチピチの女子高生の本気の本気からすれば、大人の男による子供扱いなんてのは許しがたい暴挙なわけで……。
コードネーム『JK堕とし』はJKの本当の怖さをまだ知らない、のだ。それは、学園を裏から操る
悪意と邪心の徒との対決と、果たしてどちらが苦戦することになるのか。
まあ、やっぱりあの凶悪な社畜のやりたい放題に、JK涙目で阿鼻叫喚の地獄絵図、というありさまが容易に目に浮かんでしまうのですが。

永菜 葉一作品感想

もう異世界に懲りたので破壊して少女だけ救いたい ★★★★☆   

もう異世界に懲りたので破壊して少女だけ救いたい (角川スニーカー文庫)

【もう異世界に懲りたので破壊して少女だけ救いたい】 永菜葉一/るろお 角川スニーカー文庫

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異世界へのアンチテーゼ――その序章。

異世界召喚された高校生ユウヤは、お客様気分も束の間、魔術が使えず、魔導学院で落ちこぼれる。やさぐれて寮費も滞納し、学院長命令で世界を救ってくれる『天使の転生者』を捜すことに。だが天使候補のお姫様は重度の中二病で!? 意外に意気投合するユウヤだったが、やがて世界を救う方法が彼女の殺害だと知り――!? 悪知恵と策略で魔術を破り、腐った世界をぶち壊す!
落ちこぼれ召喚者の異世界・破壊録!
わはははは、これは酷い、ってか酷いww
これもうセラに尽きるでしょう。口では厳しいことを言いながらもいざ迫られねだられ頼られるとついつい押し切られてしまう生粋の堕メンズウォーカー。わりと本気でクズいダメ男なユウヤに振り回され怒り散らしながらも、全然見捨てられず教育係という体のまま実質養育係になってしまってるセラさん。自分がお小遣いあげているのに、そのお小遣いからプレゼント貰ったらめっちゃ喜んでしまうセラさん。多分、ユウヤが退校になって行き場なくしてしまったら自分の部屋で無職ニートを養ってしまうだろうダメ人間属性のセラさん。

その年齢12歳!!

いやうん、この手のヒモ男をついつい甘やかしてしまう女性キャラっているけれど、まだ僅か十二歳という幼い年齢でここまで立派にダメ人間属性を開花させてしまっている子ははじめてみましたよ。つまるところ、このセラさん、12歳にして天才魔術師としてダメ男一人を養えるくらい立派に自立した女性をやっているという事なんですけれど、この幼くして大人顔負けの自立性を有しているという部分を全力でダメ男を甘やかすことに費やしてしまってるあたり、本気で将来が心配です。というか、12才の時点でダメ男に人生尽くしてしまうことになってしまうんだろうなあ、と決まっちゃってる幼女って……。
ちっちゃい子が「大きくなったらお嫁さんにしてやるよ」と言われて無邪気に喜ぶシチュエーションって、普通ならこう微笑ましいものですけれど、これが私生活から何から全部面倒見てもらってる生活力も皆無で性格も結構クズくてやればできるけれどやらないクズ男に同じこと言われて、表向き憎まれ口叩きながらも裏ではめっちゃ喜んでしまっている幼女、というのは同じシチュエーションでも実体が全然違うような……。
うん、これがまだダメ男一人だけならセラの苦労も一人分、というところだったのかもしれませんが、まあそれだけでなんかこう人生世知辛いものを感じてしまうのだけれど、まあ本人が幸せならいいのかなあ、と遠い目になってしまうシチュエーションなのですけれど、これにさらに重度の中二病に感染した、生活能力皆無で性格もポンコツ極まる王女さまが加わったら、これもう二人のダメ人間の人生をセラが一人で養っていく、という凄まじい構図に……。二人共、セラに面倒見てもらう気満々ですし。良い歳した男女が揃って12歳幼女に養ってもらう気満々なんですけど!
ある意味、これはセラのハーレムと言える三角関係なんですけどなんだろうこれ、本当になんだろう。いやでも、セラ悲鳴あげながらも生粋のダメ人間甘やかし属性である以上、ダメ人間二人抱える人生ってもしかして本望なんだろうか。12歳にして本望を得てしまう幼女。しかし、良識とかが邪魔して苦悩する幼女。大人の階段、駆け上がってるなあ、この娘。

本編のストーリーの方は、何も成し遂げられないまま無気力となりセラにお世話されながらダメ人間道をひた走るはめになっていた男が、そんな底辺に堕ちた自分よりも弱くダメダメなヒロインが見回された世界の平和のためには誰もが正しいと言って強いる理不尽な境遇を目の当たりにしたことで、「世界の正しさ」に反逆し、自分よりも弱い者の味方として立ち上がる、という非常に燃える叛逆の物語なんだけれど、ソレ以上にダメ人間同士意気投合して腕組んでステップしてやりたい放題しているユウヤとクローディアのダメっ子コンビに振り回されるセラ(12歳)の構図が面白すぎて、セラさん(12歳)のチョロすぎさが素晴らしすぎる、でも、ただ振り回されるだけじゃなくて、本当にユウヤが暴走して世界を滅ぼすようなことになったら、世界を護るためじゃなくてユウヤの心が壊れないように彼を殺して自分も死ぬつもりだったり、最終決戦の前には一緒に死んだげる宣言までしてしまってるくらい、12歳のくせに重い女の愛を自在に振りかざしているわけで。さすがです、セラさん、としか言えないすげえ幼女である、とかくセラに尽きる新シリーズでした。

永菜葉一作品感想

欠けゆく都市の機械月姫(ムーンドール) ★★★   

欠けゆく都市の機械月姫 (角川スニーカー文庫)

【欠けゆく都市の機械月姫(ムーンドール)】 永菜葉一/ リン☆ユウ 角川スニーカー文庫

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美少女フィギュアを愛する少年・桜井拓人は、「必ず未来へ行ける」と嘯く変人科学者の実験に付き合い事故に遭う。目覚めると目の前には絶世の美女と青き地球――。
「今は西暦XX年。ここは廃棄された月面都市ムーンダリアです」
どうやら“月”に未来転生したらしい。エレクトラと名乗る彼女は、人間への性的奉仕を目的に作られたアンドロイドだった。現代へ戻る方法を探す矢先、拓人は自分に“ある任務”が課せられていることを知って……。
変人科学者の人が完全に【バック・トゥ・ザ・フューチャー】のドクだー!!
いや、本編でも「ドク」とか呼ばれてるし。いやこの際、行き先、超未来の月面都市なんかじゃなくて【バック・トゥ・ザ・フューチャー】みたく近未来でも良かった気もするんだけれど、それだと話全然変わってきてしまうか。でも、幼馴染が冒頭にチョロっと出てきただけで全然活躍も何もなかったんで、キャラ的に勿体なかったんだよなあ。ああ、でも幼馴染枠は「あの子」が持ってきているので、いいのか。生身の幼馴染の方はただただ「耳かき」の餌食要員というだけで。
それにしても、普通の主人公は当たり前にヒロイン調教とかしないからね。デフォルトで調教するの、永菜作品だけだからね! 当たり前がなんかズレてる!!
この主人公の桜井拓人は珍しくマトモな方だと思ってたのに、いきなり耳かきしだした途端に完全にアウトなモードに入っちゃうし。これって、あっちの幼馴染も実は調教済だったのね、ということですよね!?
一応、本作のメインヒロインって未来にて出会ったポンコツ姫型アンドロイドのエレクトラになるわけだし、実際に拓人もエレクトラに一目惚れして相思相愛みたいな形態になってはいるものの、実のところ常に主人公にピッタリとくっついてあれこれとサポートしてくれる上に、熱量も共有してくれて命を懸けた場面ではお互い絶対の信頼をもって躊躇なく共に征くことを疑いもしていない、完全無欠の相棒として成り立っているの、サポートAIのチェリーの方なんですよね。
チェリーって別に実体化しないし、人間形態を持っているわけじゃないんですけれど、もうHEARTがアレばヒロインとして十分、というのが伝わってくる以心伝心っぷりで、幼馴染がチェリーに対して微妙な反応示しているように周囲から見ても、このコンビの息の合いっぷりは相棒を通り越してるみたいですし。
最後にはチェリーの方も自覚持ってしまったみたいですし、この未来ならAIがアンドロイドの身体を手に入れるのも難しくはなさそうなだけに、実体化してしまうとこれヒロインとして無敵になってしまうんじゃなかろうか。
問題はこれが未来転生ではなく、精神だけ未来に来てしまって地元の人間の肉体に宿ってしまった未来憑依にあたるところなんだろうけれど。人間の精神だけじゃなくて、一緒に居たサポートAIまで未来に一緒に飛ばされて、現地のAIに宿ってしまうというのはなかなか面白かったんですけどね。これ、こっちで身体手に入れてしまうと、元の時代には一緒に戻れないだろうし。まあ、話はそこまで進まなかったのですが。
ちょっと主人公のキャラクターにアクがなさすぎて、行動指針などにも強烈なものがなかっただけに、いまいち話がさっぱりしすぎていた気がするのがちと勿体無いところ。この作者の主人公は、みんな頭がおかしいところが良かっただけになあ。
あと、やっぱりウリ文句は転生でないといけないんだろうか。本編中でもこれって憑依であって転生じゃないよ、とツッコミが入れられながら、それでも強引に未来転生、というフレーズを使う方向に決定させられてたし。そういう自主ツッコミを作中で自分で入れてしまうあたりが、可愛げに思えてしまった。いやはや。


永菜葉一作品感想

インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告 ★★★★☆   

インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告 (角川スニーカー文庫)

【インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告】 永菜葉一/まごまご 角川スニーカー文庫

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西暦2021年に発見された病“夢現譜症候群”。感染した人間は必ず“2029年12月31日”に3分間だけ意識が飛ばされる=“未来が視える”というその現象。14歳のレオはロンドン市内で無差別に人を斬り裂く未来を体験する。「どうして俺が殺人鬼なんだよ!?」絶望と共に未来視から戻ってきた彼にはある異能が目覚めていた―。3年後、Xデーが迫る中、ある少女がレオのもとに現れる。「あなたを殺しにきた」と告げながら。近未来SFバトル開幕!
これっ、めちゃくちゃ面白いな!!
そうか、無数の人が同じ時間の未来を「観測」することで多角的な視点から未来が確定しちゃっているのか。これだと「未来を誤魔化すことが出来ない」。おまけに、未来を視た人物がその未来が実現しないように自殺したり殺されてしまったケースではより酷い惨劇が確定的に発生してしまって、事実上その選択肢を選べない状態になっている。極めて未来改変が難しい状況に置かれてしまっている世界なのか。
面白いのが、この三分間の未来が見えることが「病気」というところなんですよね。しかも、感染症。どうやら発生の原因となるものがあるようで、各国の政府機関などは国家間、組織間のパワーゲームを繰り広げながらもそれを最優先で追いかけている。主人公は、そんな暗闘の最前線で戦うエージェントみたいなもので、物語のノリはどちらかというと海外ドラマっぽいんだよなあ。
未来に関しての話なので、現在については逼迫したものがないのかというとそうでもなくて、この“夢現譜症候群(ディー・スコア・シンドローム)”が人口密度の高い都市部で発生した場合、感染拡大してしまいパンデミックが起こってしまう。いきなり数千、数万、数十万規模の人間が意識消失するのだから、交通機関では大事故が多発し、危険物を扱っている所などでも事故や災害が発生してしまうわけだ。それに、人間は固いアスファルトの道路に倒れるだけでも死にかねない。ましてや階段や密集地帯で将棋倒しになればそれだけで大事故の発生だ。実際、酷いケースでは万単位の死者が度々は生まれる事件が起こっているわけで、原因究明に躍起になっている各国関係機関の緊迫感はヒリヒリと焼け付くほどのものなんですよね。
これ、舞台設定だけで素晴らしく読み応えのあるものになっているわけで、ここに躍動感あるキャラクターと先の読めないストーリーを乗せれば、そりゃめちゃくちゃ面白いものが出来るに決まっている。
そんな中で、本作がぶっ飛んでいるのは中盤に登場する悪役のラビットの凄まじいまでの存在感だろう。最初は頭の中身がイッちゃってるただの危ないオッサンかと思ったら、これが後半本性を表したところからもう存在感を喰うわ喰うわ、殆ど全部このラビットが持ってっちゃったんじゃないだろうか。頭がオカシイ危険人物にはっ変わりないのだけれど、イカレているなりの信念があり生き様があり悲哀があり、悪役としての底なしの魅力を爆散させているのである。それでいながら、主人公のレオくんの絶対的な支持者であり理解者であり友人でもあるのですよ。そして、だからこそ完膚無きまでの敵対者でもある。己を、悪と課している、言うなれば対比としての絶対悪。自分、こういうキャラには特にメタメタに弱いんだぁ。
いやあ、相変わらずポンコツヒロインのポンコツっぷりを描かせたら並々ならぬ作者らしく、自称エリートのティアのポンコツっぷりは実に素晴らしく、いきなりレオくんに素っ裸にひん剥かれてアソコに剣(比喩でなくマジ剣)ぶっ刺されそうになるなど、活き活きと酷い目にあっているあたり、メインヒロインとして七転八倒の働き(?)を示しているのですが、何しろラビットの兄さんが諸々インパクト持ってっちゃったからなあ。
しかし、直腸検査されてしまった前作ヒロインといい、この作者のメインヒロインは主人公にぶっ刺されないと気がしまないんだろうか。ってか、主人公がみんな鬼畜すぎる(笑
殺人鬼(予定)なのはともかくとしても、仮にも自称英国紳士なのに、女の子を拷問する時なんでそんな活き活きしてるんだ、こいつわ。
ナゼ、未来においてレオは多くの市民を殺戮することになるのか。このパンデミックを引き起こしているスクルドとは何者なのか、この未来視病がもたらそうとしているものは一体何なのか。謎が謎を呼ぶ展開にはワクワクが止まりません。これは期待のシリーズ開幕だわ。

永菜葉一作品感想

天空監獄の魔術画廊 5 ★★★★☆  

天空監獄の魔術画廊 V (角川スニーカー文庫)

【天空監獄の魔術画廊 5】 永菜葉一/八坂ミナト 角川スニーカー文庫

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奇跡の島『天空の大監獄』―そこには魔王の血肉と、恐るべき魔術が込められた600枚以上の『魔王の絵画』が封じられている。脱獄に失敗し、監獄内での自由すら奪われて監禁されてしまった看守のリオンと、囚人のキリカ、レオナ、アネット、フィーネの4人。しかし、リオンの師匠・イングラムが率いる革命軍の手助けにより、再びリオンは脱獄を決行する―。このままでは世界が滅亡!?天空の大監獄の謎がついに解き明かされる!!
脱獄話が、いつの間にか世界滅亡のピンチになってたーー!! 詳しく話を聞いてみると、おおむねキリカさんが原因じゃないか! たった一人で危うく保たれていた均衡をぶち壊し、何十年も掛けていた計画を破綻させ、世界の趨勢を決める戦いを引き起こしてしまったキリカさんのポンコツっぷりはもうワールドレベルじゃないかw
キリカが罪人としてこの大監獄に放り込まれた過程って、何気に雑というか大雑把というか、なんでわざわざこの娘を罪人に仕立てあげなきゃいけなかったのか、という理由から妙な違和感があったんですよね。なにしろ、キリカさんって知れば知るほどポンコツで、わざわざ排除しなきゃいけないほどのキレ者でもないんですよね。そりゃ、あの戦闘力はもう尋常じゃないことこの上なしなんだが、そこまで邪魔かというとわりとどうとでもなりそうというか、騙しやすそうというか、利用されやすそうというか。
まあそういうもんか、と気にはしてなかったんだけれど、まさか師匠筋からリオンの護衛として送り込まれていたとは……むしろ、色々計画を台無しにされて過労死寸前のどんちゃん騒ぎになってしまった副官殿の腹いせが理由の大半だったような気がしないでもないけれどw
でもまあ、キリカさんがやらかしてリオン捕まえちゃったからこそ、レオナやアネット、フィーネの三人と出会うことが出来たのだから、運命は運命だよなあ。キリカさん的には自爆かもしれないけれど、まあ一緒に大監獄に来なければキリカさんもリオンと結ばれなかったのだから、悪くはない差し引きだったんじゃないかと。
それにしても、一気に魔王を含めてこの世界を構成する様々な設定や謎が明らかになったんだけれど、大監獄内でわさわさやってたのもそれはそれで面白かったんだけれど、わりと外に出て世界中駆け巡って冒険して、というのも面白かったかもしれない、と思う程度には世界設定面白かったんですよねえ。
それ以上に、やっぱりこの主人公のリオンの自分ルールを譲らない「魔王」なキャラクターこそがはっちゃけた展開に燃料ぶちまけて火を焚べるファクターだったので、大監獄内だろうが外の世界だろうがリオンが大暴れしてる文には、楽しさは変わんなかったのかもしれないけれど。
いや、この主人公の自分で定めたルールは厳守するけれど、一方で欲望に忠実、というキャラは面白かったなあ。その彼の欲望というのが基本的に画狂としてまず何よりも良い絵を描きたい、というところで埋め尽くされてたのも、このリオンを頭のオカシイ一般論が通じない「魔王」にしてたわけだけれど、前巻あたりで「愛」とはなんぞや、女性を愛するとはなんぞや、という人間のそれを理解して以降は、鈍感じゃない主人公として……やりたい放題になってましたからねえ、うんうん。一途なようで、どっか踏み外してたからなあ。彼が誰か一人しか選ばない、という結論にはどうもしっくり行くものを感じていなかったので、レオナが粘り勝ちしたのも納得なんですよね。
てか、実のところ自分はリオンは、キリカさんルートじゃなくてレオナを選ぶんだと思ってたんですよ。だから、キリカさんのウェデングドレス姿の最終巻の表紙絵には、キリカさん可哀想に的なことを考えてて、正直すまんカッたw
キリカさん、ぽんこつ可愛いんだけれど、レオナのガチヒロイン力がちょっと揺るぎないものがあったんですよね。レオナだけは、ちゃんと受け入れてあげないと幸せになれそうにない薄幸な感じが付き纏って離れなくってねえ。
結局、キリカさんのポンコツさはラブコメ面でも最後の最後まで暴れっぱなしでしたし。せめて、一番最初に結婚式やってあげるくらいでないと、レオナもアネットも、フィーネですら男の子をドキッとさせる女子力がありすぎて、キリカさん弄られるしかないのよw まあキリカさんのあのイジられれば弄られるほど輝くポンコツかわいいキャラはいい意味でぶっちぎりなんですけどねえ。
後日談は、大監獄脱出後の彼らの激動の人生が伺い知れて、これはこれで読後感に痛快さがあって実に良かった。ほんとにリオンとこの四人の嫁たち、やりたい放題人生楽しみ、肉欲に溺れ、世界を股に掛けて大暴れして、生きることを満喫しきったことが伝わってきてる。本物の魔王なんかになって、世界を支配して、苦労も多かったんだろうけれど、しんどいとか辛いとかが全然感じられない、ヒャッハーな空気が満ち満ちてるんですよね。これだけ楽しそうな様子が伝わってきたら、もう見送る方としては苦笑しながら満腹のお腹を擦るしかないじゃないですか。
ああ、面白かったっ! 

あと、最後に。もう一人の脱獄王ヴァレリア。ついにはこの世界からも脱出して異世界を征服に行ってしまった彼女。アイシャルリターン、とばかりにあっち征服したら今度はこっち征服しに戻ってくるから首洗って待ってるが良い、とばかりに肩で風を切って行ってしまった彼女。後日宣言通りに、異世界からこっちの世界に侵略戦争を仕掛けてきたようなのですが……。
あのね、あの宣言見たら、今度会う時は乾坤一擲の決戦だ、という気分になるじゃないですか。今度こそ、決着を着けるぞ、みたいな雰囲気だったじゃないですか。
なんだよ、その侵略戦争の回数わ!!(爆笑
ヴァレリアさん、あんた、ちょっと侵略して来過ぎ!! その回数だと一年に2回以上の季間行事みたくなってるよ!? 人生楽しそうという意味合いにおいては、ヴァレリアも負けず劣らず、どころか吹っ切ったリオンたちをすら圧勝してるよなあ、この人。

シリーズ感想

天空監獄の魔術画廊 4 ★★★★  

天空監獄の魔術画廊 (4) (角川スニーカー文庫)

【天空監獄の魔術画廊 4】 永菜葉一/八坂ミナト 角川スニーカー文庫

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奇跡の島『天空の大監獄』―そこには魔王の血肉と、恐るべき魔術が込められた600枚以上の『魔王の絵画』が封じられている。天空の大監獄に閉じ込められ、看守の任を与えられたリオンの下にやってきた新しい囚人、それは昔からの知り合いで吟遊詩人の少女・ユフィリアだった。リオンの過去を知る人物が加入したことで、女の争いは一層過熱することに。そんな中、リオンの企みを阻止するべく激しい襲撃を仕掛ける敵が現れて―!?
本気触手責めキターー!! しかも、主人公がヒロインを魔獣を使って触手責めするという鬼畜的所業! もうやりたい放題ダナー。
そもそも、幼なじみ的少女を既にヌードモデルで全身舐めるように堪能済み、という時点で凡百の主人公と一味も二味も違うのですけれど、これまではトラウマ紛いの欠落が原因の鈍感さによってリオンって性的な欲求が全部画狂のそれに変換されてしまっていたので、羨ましい境遇も致命的なところには至ってなかったんですよね……いや、その鈍感さが既にユフィリアには致命的な展開を催してしまっていたのですけれど。
ともあれ、前回シスター含めてみんなの奮闘によってリオンの欠落は埋められて、彼の男性としての感性は鈍感から脱することに成功したのですが……。
レオナやキリカに対してドキ・ドキしている間は良かったのですが、途中から変な具合に突っ走りだして、フィーネを弄りだしたときにはもうどうしようかと。
フィーネはフィーネで雌豚扱いされて、喜びだすし。これだけやりたい放題やるくせに、リオンってば本質的に一人しか選べない男であるなんてことになってしまったので、本命のレオナとキリカはともかく、三番目のアネットとフィーネはどうするのかと思ってたんですよね。アネットは色々と割りきってましたけれど、四番目扱いのフィーネは本人は諦観してるもののちと可哀想だなあ、と思ってたのですが全然可哀想じゃなかったし。むしろ、ペット扱いされて雑にあしらわれて悦んじゃってるし。一生雌豚として大切に支配してやるとか言われて完落ちしてるし。なぜそれで落ちるw
色んな意味で、アネットが勃興した魔王ハイレイン教の布教が順調に進んでる、進んでしまってる!!

ともあれ、ついに脱出のための手段が揃い、天空監獄の脱獄作戦を決行するリオンたち。ところが、その計画は筒抜けもいいところで、結構開始寸前から全看守と囚人に追撃指令が出されるしっちゃかめっちゃかの逃走劇に。そして、立ち塞がるは完全にノリで邪魔しに来た監獄王ヴァレリアと、リオンを叩き潰すために狂乱したハイネ。
人生楽しそうなヴァレリアさんはともかくとして、狂ってしまったハイネが哀れでねえ。彼は、もう一人のリオンだと言われるのもうなずけるところで、多分最初にレオナを失っていたらリオンの魔王化はこんな方向で進んでいたんでしょうね。尤もリオンがこうなる可能性というのは、現在進行形であってレオナとキリカ、アネットとフィーネ、今この四人の誰かが犠牲になったりしたら、あっさりこの主人公、転変してしまいそうなくらいには危なっかしいというか、情が深い。情が深いからこそ、なんでもするし、どんな手段でも取るし、自分すらも追い込んでいく。まあ、女性陣からすると目が離せないタイプなんだろうなあ。
それでも、リオンやハイネは常識枠なんだろうなあ。完全におかしいのは、むしろキリカさん。この人、確か登場時はもうちょっとまともな女騎士だったと思うんですけれど……。
「ひゅんひゅんっ、ぎゅいーーんっ!」
どこのアラレちゃんだよ! と思うような斬撃の掛け声とともに暴れまわるこのパッパラーポンコツ騎士。いやもうこんな「ずんばらりん」ってな感じで斬りまくるって、一人だけ世界観違う! 無敵すぎる!
どうやらこの手の「オカシイ」人というのは割りと一定数以上いるらしいのはラストに明らかになるんだけれど、それでもキリカの無敵っぷりは頼もしいなあ。何故か、戦っている時の頭の悪そうな様子がどんどんえらいことになってる気もするけれど、もうポンコツっぷりは普段から酷いことになってるから仕方がないか。

ユフィについては、えらい中途半端な時期から加入してきたなあ、とは思っていたものの、下にいる頃からの知り合い、しかも同じ師匠から学んだ妹弟子で、しかもプライベートでも結構ゴニョゴニョな関係だった、と最初からある程度以上に親密だっただけに、後半加入でも仲間となるには巻き返し可能なのかなー、と思ってたのですが、彼女の動向に関してはかなり思いもよらぬ展開に。
いやでも、欠落が埋まったリオンの変化はきっと喜ばしいことなんだろうけれど、芸術家として空隙を埋めるように良識も放り出して狂奔していた姿にこそ魅力を感じていた、という人も居てはおかしくはないはず。
ある意味、もう自分の知っている、自分のものじゃなくなってる兄弟子に、決断を下したユフィのそれは未練がましさのないキッパリとした性情で、なんかスッと腑に落ちるものがあった。ユフィはそれでいいよ、うん。

さあ、ラストに待っていたのはどんでん返しにさらに大ドンデン返し、の挙句に怒涛の盤外からの降って湧いたようなサプライズ。クライマックスは、今まで以上にド派手な騒ぎになりそうだ。
リオンが、誰を選ぶのかも含めて、きっちり最後まで楽しませて貰えそう。

シリーズ感想

天空監獄の魔術画廊 34   

天空監獄の魔術画廊 (3) (角川スニーカー文庫)

【天空監獄の魔術画廊 3】 永菜葉一/八坂ミナト 角川スニーカー文庫

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奇跡の島『天空の大監獄』―そこには魔王の血肉と、恐るべき魔術が込められた600枚以上の『魔王の絵画』が封じられている。天空の大監獄に閉じ込められ、看守の任を与えられたリオンはある日、監獄の次期副署長の座を賭けた『熾天の儀』にエントリーされてしまう。そんな中、リオンの前に若き看守ハイネが現れる。彼は『魔王の左手』の持ち主で、魔王の復活を目論むヴェルゼ教の騎士だった!妖しき監獄ファンタジー第3弾!

なるほどなあ。今回の話は、リオンと同じ画家であり魔王を継ぐ者、そしてリオンが成し得なかったもっとも素朴な善性を保持し続けた、リオンの対照ともいうべきハイネという少年の存在を以って、より深く主人公であるリオンの人間性を掘り下げていく話であったわけか。掘り下げる、というのは別の言い方をすると「解体」とも言える。元々画狂とは言え、普通のメンタリティの持ち主だったリオンが、いかにして魔王と呼ばれるに足る異常性を発露していったのか、その根源的な理由を捉えることでリオンとヒロインたちとの乖離を留め、手繰り寄せようという展開だったわけだが、その担い手がキリエでもレオナでもなく、淫乱シスターのアネットであった、というのが意外でもあり、一番成熟した大人である彼女にしか成し得なかったという意味では納得の人選でもあった。近年、シスターというと前提として血塗れだったり当たり前みたいに銃器を振り回してたり、思想的に頭おかしかったり、とまともな人材を見たことがなかったのだけれど、このアネットは調教開発されて多少発情しがちとはいえ、基本的には貞淑で勤勉な変態魔王崇拝者……あれ? やっぱりオカシイ人ダネ。まあ若干アレな部分はあるとしても、常識と包容力と、何より他者を救うことに真摯な信念を抱いている、という意味では実に真っ当な修道女なんですよね。隣人を正しく愛することの出来る聖職者、というべきか。
だからこそ、自分を犠牲にすることを厭わなかったのだろうけれど。自分を優先するのなら、リオンには魔王で居てもらった方が良かっただろうに、彼女の愛情とは与えられるものではなく、ただただ与えるものだったのだ。
尤も、この作品に出てくる主だった女性陣は、リオンのヒロインたちに限らず報われる事を望まずに愛を与え続ける健気な人たちなんですよね。下衆揃いの看守たちの中で、彼女たちが巡りあったその男たちが、そんな献身に足るだけの男だった、というのもあるんだろうけれど、何気にそういう愛情は重たいもので、その重みをしっかりと背負うだけの貫目を持つのは、男としても大仕事なんですけどねえ。
一人の男はそれを最期まで背負いきり、一人の少年はその重さに縛られてしまった。リオンはその点、恵まれているのでしょう。アネットにしても、レオナにしてもその重さをリオンに重さとして認識させない化粧の仕方が実にうまい。まあ、レオナはまだまだ未熟で、かなりコケかけている気がするけれど。その点、キリカは完全に天然ポンコツで最近もうふわふわ浮いちゃってるんじゃないか、というくらいマイウェイを行ってしまっているのが面白い。リオンが魔王から人間側に戻りかけてるのに、キリカと来たらあっけらかんと人外の領域へすっ飛んで行ってしまってるような。まったく自覚ないアタリ、なんともはやw
新加入のフィーネも、一悶着あったもののなんとか馴染んで……馴染んでしまったなあ、この変態集団にw
いや、元々この突っ張ってるのにちょっと強く当たると即座にビビって涙目になる防御力ゼロなところは完全に面白枠だったのに、弄られるのが高じてついにドMに目覚めてしまうとはw
妻(キリカ)・愛人(レオナ)・玩具(アネット)に雌豚(フィーネ)って、どんなヒロインラインナップだ。
ともあれ、リオンの魔王化は頼もしくはあってもちょっと危うさもあったので、アネットの救済によって欠落が産められたことでより男をあげてくれたのは良かったんだけれど、彼にはそのままヒロイン全員抱きかかえられるだけの魔王としての貫目は保ってほしいなあ。

さり気なく、巻を重ねるごとに表紙のキリカの衣装がランクアップしていっている気がする。あと、露出度もw

1巻 2巻感想

天空監獄の魔術画廊 2 4   

天空監獄の魔術画廊 (2) (角川スニーカー文庫)

【天空監獄の魔術画廊 2】 永菜葉一/八坂ミナト 角川スニーカー文庫

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奇跡の島『天空の大監獄』―そこには魔王の血肉と、恐るべき魔術が込められた600枚以上の『魔王の絵画』が封じられている。天空の大監獄に閉じ込められ、看守の任を与えられたリオンは、魔術の力を宿した囚人の少女・キリカ、レオナとともに脱獄の機会を狙っていた。しかしある日『伝説の脱獄王』と呼ばれる囚人・ヴァレリアにキリカを奪われてしまう。キリカに秘められた真の力とは―!?妖しき監獄ファンタジー第2弾!
おお、これなんか本格的に「魔王譚」になりはじめたぞ! 主人公のリオンは、第一巻では絵を描く事に狂っている画狂の類ではあっても、本質的には常識人の少年に過ぎなかったのですが、この『天空の大監獄』の中で看守として、キリカとレオナを守りながら脱出の機会を伺う間に随分とメンタリティに変化が出ていることが伺えるのです。これは作中でも指摘を受けているのですけれど、明らかに後天的な変化なんですよね。良識や安全といったものから縁のない大監獄では、安穏と過ごしていてはすぐさま潰され、女達は奪われてしまう。そんな中では生き馬の目を抜くような注意深さ、隙の無さが必要であり、目的を達するために容赦呵責といったものが削り落とされていく。基本的な部分は何も変わっていないので気づきにくいし、実際キリカなんかは指摘されるまで彼の変化には気づいていなかったようだけれど、リオンのメンタリティというのはかなりシャープに研ぎ澄まされるに至ってるのである。ただ、絵を描くことに無邪気に夢中になっていた頃とはだいぶ変わっている。その分、絵を描きたいという欲求にはさらにドロドロと粘りついた貪欲さが増しているような感じすらあるのだけれど。
その彼の変化の原因というのは、もちろんキリカとレオナの二人の女の存在であり、特に前巻でレオナを失いかけたことが大きな影響を与えているのだろう。絵を描くことにしか興味がなかったリオンが、絵のモデルとして、ではあっても二人の女に凄まじい執着と独占欲を抱いている。その欲が、少年を男に成長させたのですな。リオンの場合、色欲や性欲といった類の欲望が、レオナが命名するところの画欲へとすり替わっているために、18禁なことにはなっていないけれど、今のリオンってライトノベルの主人公としては珍しいくらい「肉食系」なんですよね。
だからこそ、「自分の女」が傷つけられた時の憤怒たるや、凄まじいことになってしまう。こういう激おこ展開は自分的には大好物なんですけれど、ラノベの主人公ってヒロインに対してここまでガッツリとした「俺の女」的な執着を持っているケースはあまりないので、ここでのリオンの振る舞いは実に「魔王」らしくて素晴らしい、堪能した!!
一方の女性陣も、単にリオンに庇護される存在、独占欲を満たす所有物に収まるようなタマではなく、むしろそのイイ女っぷりこそが、リオンを魔王として覚醒させ、彼女たちに対する執着を高め、育てている節すらあるようで。前回、リオンに対して身命すべてを捧げきる覚悟を見せたレオナに対して、今回キリカは彼女とは全く別の方向性ながら、リオンの為に自分の何もかもを賭けられるだけの愛情と信頼を掲げて見せてくれたわけで、こういう男女双方向の自分の身も心も、髪の毛一本に至るまで相手の為に与え合える関係、というのは、ギトギトとした油まみれの濃厚さがあって、体に悪そうなんだけれど、美味しいのよ。絶品なのですよ。
こういう捧げ合う関係は、わりとダメな方向に転落しがちで、レオナの場合は明らかにそっち寄りなんだけれど、それをキリカのいい意味での単純バカっぷり、カッコイイ女っぷりが方向修正してくれていて、痛快なストーリーへと結構強引に蹴っ飛ばしてくれてるんですよねえ。
主人公とヒロインたち、双方の存在がそれぞれを良い男、良い女へと伸ばす相互関係に至っていて、物語に脂が乗ってきてる。これは、さらにどんどんおもしろくなりそうな雰囲気を感じますぞ。
それにしても、キリカはあれだけカッコイイヒロインなのにそれ以上にポンコツヒロインすぎて、かわいい系も掴んで離さないというのは、結構ズルいなあw

1巻感想

天空監獄の魔術画廊 4   

天空監獄の魔術画廊 (角川スニーカー文庫)

【天空監獄の魔術画廊】 永菜葉一/八坂ミナト 角川スニーカー文庫

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奇跡の島『天空の大監獄』―そこには魔王の血肉と、恐るべき魔術が込められた600枚以上の『魔王の絵画』が封じられている。絵画きの少年・リオンはある日天空の大監獄へと閉じ込められてしまう。彼に与えられた役目は看守、そして彼を待っていたのは『魔王の絵画』を“その身に”封じられた囚人の少女たちだった。彼女たちが持つ魔術の力を利用して、リオンは監獄からの脱出を決意するが―。傑作スペクタクルファンタジー!!
おおっ、これは面白い、面白いなあ。作品の枠組構造としては、これってエロゲの監獄モノなんですよね。いや、実際にそういう監獄モノのエロゲーとかさすがにやった事ないので、ここはそういうモノと想像して定義しちゃってごめんなさいなんですけれど。エロゲーの監獄モノが監獄という特殊環境、看守と囚人という特殊な関係、ひたすら虐げられる女囚というこれらの要因をひたすらエロを描写するのに費やすケースが多いと思うんですけれど、本作はそのシチュエーションを踏まえつつエロスはエッセンス程度に置いておいて、まずこのシチュを利用しての「物語」へと力を傾けてるわけです。ここは、看守であるリオンと、囚人である詐欺師の少女と無実の罪で収監されてしまった女騎士と三人で協力して脱獄を図る、という主題で話は展開していくのですが、意外と盲点というかこういう構図の作品ってあんまりなかったと思うんですよね。最近の流行りから一歩も二歩も外れたストーリーや舞台設定はなんだか目新しくて新鮮で、思わず読んでいて「おおっ」と唸ってしまったり。エロゲでよく活用されているシチュでも、目線を変えて活用してみるとこうも新鮮な印象を得られるのか、と驚かされた次第。作者の永菜さんって、これまで出している作品を見てもちょっと着眼点が他の人と違ってるんで、なかなか送り出してくる作品から目が離せない人なんですよねえ。
さて、エロスはエッセンスとイイましたけれど、そもそもこのシチュエーションからして根本的にエロいので、まず作品の雰囲気からして淫靡な空気感が敷き詰められていますし、全裸で直腸検査されてしまう女騎士、という時点でまあ色々なんですなあ、ははは。
とはいえ、主人公のリオンは性欲よりも食欲よりも睡眠欲よりも、まず絵が描きたい、という画狂のたぐいであり、画家として欲情する絵の構図がまたいい具合にイカレていて、それはヒロインのレオナやキリカに対して色欲とは違う執着を抱く理由になってもいるのであります。一方で人間性はわりとマトモであり、生活力皆無のだめ人間で結婚しても絵を優先して奥さん泣かす奴だ、と当の嫁候補たちから散々愚痴られてる男ではありますが、実際は本当に大事なものは絵を描くことよりも優先できる、なかなかに侠気のある兄ちゃんなんですよね。浮世離れした変人の絵描き狂いですけれど、まあ惚れるに足りてしまう良い主人公なのですよ。
逆の方からの見方をすると、これだけ絵狂いの男をして利き腕捨てる覚悟を決める事が出来るほど、ヒロインたちも覚悟の据わったなかなかイイ女の子たちなんですけどね。これだけ主人公とヒロインに歯ごたえがあると、やっぱり面白いです。
それはそれとして、女騎士様はやっぱり案の定、超チョロいのはまあ常識ですか(笑
主人公は常識がまかり通らない変人だし、マトモに見えた騎士さまはこれはこれで男慣れしてなさすぎて色々とダメな感じなものだから、詐欺師のレオナがひたすら常識サイドでツッコミに回ってしまっているあたりは、この娘が一番苦労するタイプなんだなあ、というのが一目瞭然で、強かで賢いのも場合によりけりなのかもしれませんw
あと、お姉ちゃん甘やかし属性を頑なに捨てないあたりに、作者の業が伺えるのでありましたw
ともあれ、なかなか初っ端から食いつきたくなる面白さで、次巻以降もこれは期待のシリーズですな。

ゴールドラッシュ・オブ・ザ・デッド 3   

ゴールドラッシュ・オブ・ザ・デッド (富士見ファンタジア文庫)

【ゴールドラッシュ・オブ・ザ・デッド】 永菜葉一/獅子猿 富士見ファンタジア文庫

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黄金―この希少な金属を求め、新大陸西部には一攫千金を夢見る人が次々と集まってきた。黄金狂時代の始まりである。だが、突如として現れた“空飛ぶゾンビ”により、その時代は終焉を迎える。瞬く間に西部は奴らの手に落ちていった…大地を埋めつくすゾンビの群れと、奴らを滅する武器「黄金の銃弾」を操る“秘装銃士”たちとの壮絶な戦いが繰り広げられる中、かつてゾンビにすべてを奪われた少年・ウィルが、黄金の刀を振るう伝説の戦士“忍者”として姿を現す!ゾンビ、秘装銃士、忍者。黄金を力とする者たちによる新たな黄金狂時代の幕開け!―「今、颯爽とハラキリ御免ッ!」
日本人って、この手の明らかに間違えてる「ニンジャー!」のこと大好きだよね。件のニンジャスレイヤー然り、あれは書いてるの生外国人だけれど、変な日本感に基づく変な忍者を見てしまうと、なんだか嬉々としてしまうのが最近の傾向。
とはいえ、日本人が「間違ってる」のを再現しようとすると、どうしてもなんか違う感じになってしまいがちなんだけれど、本作のニンジャーはいい具合に狂ってます。というか、新大陸の西部劇で空飛ぶゾンビとガンマンとニンジャで復讐劇をやろうという時点で、頭煮立ってるんですけれど。空飛ぶゾンビですよ、なにそれ怖い。走ってくるゾンビは怖いけれど、空飛んでくるゾンビはもう怖いを通り越してなんじゃいな、てなもんです。
一応、作者の前作は読んでいるんですが、今回は意図的に箍外してますね。前の作品はもっと普通でした、ヒロインのお姉さん振りたがるところがなかなか可愛いのが特徴といったところで、主人公にはあんまり面白みもありませんでしたしね。ところが、もう今回のこれは根底から書き方を変えていて、とかく掛け合いから地の文から勢いとノリ重視でガンガンぶちぬいていきます。テンションが明らかにおかしい、立ち止まったら死ぬ、という勢いでひたすらに突っ走るその様は、冷静になって振り返るともうあかん、という微妙な切羽詰まり方すら伝わってきて、ついつい煽りに乗ってしまうんですよね。
なんか、ジョジョを意識しているのか、ケヴィン姐さんの喉を枯らさんばかりの凄まじい絶叫解説セリフは、まさに伝説のスピードワゴン御大に匹敵する語り口で、これはもういっそ見事と賞賛してしまうくらいの生解説で、思わず拍手してしまった次第。いや、なかなかこれだけ気合の入った解説は書けませんよ。ケヴィン姐さんのそれを読んでいるだけで、なんだか満足してしまったくらいで。
まあ、ほんとに勢い任せで、中身についてはキャラの掘り下げも含めてかなり投げ捨ててるんですが。しかし、もう勢い以外の何もかもをも投げ捨てている潔さはいっそ気持ちいいです。はっちゃけてやる! という気合とテンションが伝わってきて、もうわりとどうでもよくなりますね。
と、そんな頭を空っぽにして吹っ飛んだまま最後まで終わるのかと思ったら、最後の最後で大どんでん返しというか、認識のパラダイムシフトが。
誰が正義で誰が悪か。何が正しく何が間違っているのか。突然根拠を突き崩されて足元の床がなくなってしまったかのような滑落感。そんな中で、正義も悪もぶちぬいて、復讐というエゴに縋り付き、たとえ間違っているのがコチラだとしても、それでも認めぬ、許さぬ、受け入れぬ、と一切の躊躇いなく切り捨てるその姿は、人間としての有り様を捨て去った、まさに忍者、まさに復讐者、しかしそのエゴこそがまさに人間そのもの。
なかなか悪酔いさせてくれる展開でした。侮れぬ。

永菜葉一作品感想

アリストテレスの幻想偽典 1.禁忌の八番目3   

アリストテレスの幻想偽典  1.禁忌の八番目 (富士見ファンタジア文庫)

【アリストテレスの幻想偽典 1.禁忌の八番目】 永菜葉一/能都 くるみ 富士見ファンタジア文庫

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リセリア学園生徒会執行部の副会長にして、炎と不死を司る能力『ファウスト』を持つ少女・弓川織絵は、人々を目覚めない眠りへといざなう能力『死に至る病』の使い手であるキルケゴールの襲撃を受けていた。その戦いに偶然巻き込まれてしまった平凡な高校生・日比野直輝に、織絵が保持していた空白の幻想偽典が反応する。直輝が引き当てたのは、存在するはずのない八番目の『世界を規定する書』で、万物を斬る光の剣―二大賢者の一人・プラトンの『イデアの片翼』だった!!キルケゴールを倒すべく、織絵と共に特訓に励む直輝だったが―。物語と保持者が共鳴する学園ビブリオファンタジー。
ああ、このヒロインはツボ。こういう、興廃に先輩としてお姉さん風を吹かせて余裕振りながら、中身は一杯一杯でポンコツだったりする娘さんは大好きです。姉属性の一種ではあるんだけれど、身内じゃなくてあくまで先輩後輩という立場だからこそ甘酸っぱさが引き出される、というケースもあるということ。これは姉属性と言うよりもシンプルに先輩属性なんだろうな。包容力を感じさせながらおっちょこちょいで早合点しやすく意外と積極的、その一方で仄かな陰を感じさせ儚げな空気をまとい肝心なところで引いてしまうところあり、となかなか多才な魅力を併存させてもいるんですね。後輩として猫可愛がりされながら、同時に男として守ってあげたくなる庇護欲を感じさせる、という女性としては相当のやり手です、うんうん。
なんかこう、はちみつ♪ って感じw
勿体無いのは、その相手となる主人公に魅力がないことか。生真面目なのは別に悪くはないんだけれど、真面目さに愛嬌がないものだから、キャラクターにどうにも面白味が感じられない。ユーモアを持て、とまでは言わないけれど、熱いだけの奥行きも表裏も余裕も思慮もない男はツマラナイよ。
逆に言うと、引っかかるのはこの主人公のキャラくらいなもので、異能力の媒体として戯曲や哲学書といった古典の大著を持ってきたのは非常に面白い。書籍、それも普通に読めて内容も広く知られている名著を使うことで、能力の根拠とルールがわかりやすく、それでいて柔軟に運用できるんですよね。書の解釈が使用者によって改変されている場合もある、と定義したことで書の解釈についても変に囚われずに、物語の展開に必要なように動かせるようにしてあるのも、上手いなあと思いました。もっとも、この柔軟性はやりすぎると書の特質を失いかねないので、結構繊細なアプローチが必要になってくるとは思うところでもあるのですけれど。
ある程度でも、これらの著作がどういう方向性の作品なのかを知っていると、大雑把とはいえこの本の内容をこんな能力に変換するのか、という風に読めて面白いですよ。さらに解釈を深めたり傾注する部分を変更することで、能力にも変化が生まれる可能性がある、というのはいいなあ。バトルものとしても発展性があるし、対象となる本についても掘り下げてくれるのは嬉しい。
ニーチェは出てくるだろうなとは思ったけれど、直球の超人思想だったな(笑
ともあれ、学園異能モノとしても大きな発展性を見込めそうですし、最初からハッタリとして八冊の『世界を規定する書』を準備していて、色んな大著名著を引っ張りだしてくる気満々なのは、先々を鑑みてもなんかワクワクさせてくれるじゃないですか。
まあかなり楽しめただけに、もっと主人公が魅力的だったらなあ、と飢餓感が湧いてくるのですが。ホント、勿体無い。なんとか挽回してほしいものであります。あと、このイラストはもうちょっと……。
 
12月1日

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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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(エンターブレイン)
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(ドラゴンノベルス)
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(PASH!コミックス)
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(フロース コミック)
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(アフタヌーンKC)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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