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海冬レイジ

機巧少女は傷つかない 14.Facing "Violet Silver"3   

機巧少女は傷つかない14 Facing

【機巧少女は傷つかない 14.Facing "Violet Silver"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術―それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。夜会終了まで、あと二日。約束通り要石を得た雷真は更なる賭けに打って出る。「魔女二人を倒す。それであいつらを救ってやれる」許嫁の日輪とブリュー姉妹を結社の支配から解放すべく、危険な反攻作戦が始まった。だが、魔女の策略は雷真の予測を超え、アリスさえ想定しない大誤算が待ち受けていたのだ…。かくて“予見の子”候補を欠いた学院に、“精霊女王”アンリと最強最大の“神話級”自動人形リヴァイアサンの暴威が襲いかかる―。シンフォニック学園バトルアクション!
これは……後々振り返ってみても致命的、とすら言える大誤算だったんだよなあ。これさえなければ、雷真とアリスの最強コンビによって魔女の戦列はズタズタに切り裂かれていた可能性がかなり高い。それだけ、雷真の定める方針の激烈さとそれを現実のものとして叶えるアリスの作戦立案実行能力の組み合わせが尋常ならざるものなのだけれど、それをあの想定外の一事が根こそぎ潰してしまったのだから。
お陰で、前衛切り込みにして真打ちたる雷真と雪月花と、後衛軍師たるアリスとその手足である執事のシン、そして切り札の中の切り札である魔王グリゼルダが、まとめて非戦力化されてしまうという事態に。
いや、ガチで主人公抜きですよ。この主人公含めたメンバー抜きで魔女と真正面からやりあう羽目に。
この作品の構造が主人公を頂点としたピラミッド型の人間関係でもって構成されていたのなら、こんな無茶は出来ないでしょうね。しかし、この機巧少女は傷つかないは仲間という関係を明確な組織やチームという枠組みで括らず、個々を自由な立場に置きながら、その場その場の個々の判断で好き勝手に動くに任せる、という独立した単位で放置しており、だからこそ場合によっては容易に敵に回ったり、居てほしい時に居なかったり、とまとまりに欠けるのだけれど、逆に言うと誰かが抜けても致命的にはならない、とも言えるんですよね。
更に言うと、こうした独立単位として動く連中をいざという時一つにまとめる事のできる求心力の持ち主が、最近雷真以外にもう一人、急成長で生まれつつあったわけで。
今回の後半の対銀薔薇グローリア戦は、まさにシャルロット・ブリューが主人公であり皆の中心である集団決戦でありました。あの【暴竜】と恐れられ、友達居なくて出来なくて半泣きだったボッチ少女が、生徒たち皆に認められ、信頼を寄せられ、親愛を向けられ、皆の中心となり妹アンリを傀儡として襲い来る銀薔薇の暴虐に立ち向かう。雷真が居ない中で、見事に主人公してましたよ。結果的に、雷真たち抜きで魔女の一角を打ち倒したわけですし。
そうして独り立ちしてしまった分、結構マメにヒロインしているアリスやグリゼルダ先生にもヒロインとして若干置き去りにされてるような気もしてきましたが。
雷真のナチュラル口説きが酷いのもあるのですけれど、アリスのデレっぷりは彼女闇に潜るケースが多くて中々出番少ない分、かなり強烈なんですよねえ。

さて、ついにマグナスもその仮面を脱いで最初から全く隠していなかった正体を明らかにし、シリーズも残り2巻との予告。しかし、まだまだ黒幕たちの真意も細かいところまで明らかにならず、日輪の意図も不明のまま。果たして後2巻で片がつくのか。後書きであと2巻と言いつつ、自分で終わるのかと疑問形が混じっているあたり、こりゃあ片付かんだろうなあ、きっと。

シリーズ感想

機巧少女は傷つかない 13.Facing "Elder Empress"4   

機巧少女は傷つかない13 Facing

【機巧少女は傷つかない 13.Facing "Elder Empress"】 海冬レイジ/るろお  MF文庫J

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機巧魔術―それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。硝子奪還から五日。夜々を労りながらも夜会の再開を待つ雷真に、神性機巧に関わる秘宝“要石”を奪還せよ、との学院長の密命がくだる。急ぎ捜索を始める雷真だが、硝子、さらには夜会を競う相手“女帝”ソーネチカまでもが襲撃され、状況は錯綜。一方、夜会は最終幕に突入。ロキを含めた残りの手袋持ちは薔薇の陰謀に巻き込まれ、戦いは観客の予想しなかった方向へ…!?シンフォニック学園バトルアクション!
なるほど、ここで雷真に魔王になるための明確な動機が与えられたわけか。これまでは、どうしても復讐の為夜会を利用している、という建前に終始していましたからね。ロキの言うように、夜会とはまた別の場でマグナスに襲撃を掛けてもぶっちゃけ何の問題もないんだから。だから、夜会も終盤に来て仲間と相争う事となった時に、雷真には戦うための動機がなくなっちゃう所ではあったんですね。それを、夜々を助けるために魔王の座を勝ち取らなくてはならなくなった以上、引き下がる理由もなくなったわけだ。
しかし、ロキってば場外戦でマグナスと戦うなら、自分たちも協力出来るって、自分も雷真の事助ける気満々じゃないか(笑
ともあれ、夜々は前回なんとか助けられたものの、結局これは一時的な復活に過ぎず、このままなら生命を消耗して早晩力尽きてしまう。勿論、戦闘など行ってしまえば消耗は加速度的に早くなる。と言うことなので、必然的に雷真は夜々を戦闘に参加させることを極力避けるようになってきてしまったわけで、夜々自身が憤っているように雷真がどうも何をするにしても消極的になってるんですね。仲間と戦わなければならない、という事もあるんだけれど、とにかく夜々を戦闘に巻き込むまいとする為に、せっかく雪月花揃って運用出来るようになったのに、それを活かす事が出来ないまま状況は推移してしまう。仕方ないといえば仕方ないのですが。
しかも、薔薇たちの介入によって、これまで助けあってきた仲間同士で問答無用で争うことに。お陰で、何故か雷真、ソーネチカと組むはめに。正直、このお姫様はこの段階で本格的に絡むには遅すぎると痛感させられる勿体ないキャラなんだよなあ。まあ、これだけの魅力的なキャラをこの段階まで引っ張れる、というのはそれだけキャラの豊富さを証明しているのかもしれないけれど。彼女とフレイのタイマンは、この巻でも見所の一戦でした。ってか、ロキがついにお姉ちゃんにデレましたよ!? いや、最初からデレてたけれどさ、あれだけハッキリとフレイを褒めたの初めてだったからなあ。思わずウルウルっとなってしまった。
ある意味、全力を尽くして満足して退場したフレイですけれど、一方で日輪の方はそうすんなりと行かない模様で。正直、人形繰りという観点を抜きにして純粋に魔術の力量としてみると、日輪ってガチンコで人外魔境の領域なんですよね。今回の夜会でも、一人だけ別次元で戦っていたような。それでも、ソーネチカの機転と秘密によって虚を突かれて負けてしまったのですけれど。これは夜会ならではの敗北であって、抜け道みたいなものでしたし……彼女、それ以上に問題抱えてたみたいだし。これ、紫薔薇って日本人である以上、絶対あの人だよね。
結局、この段階まで勝ち残ったのは、雷真、ロキ、シャルと三人に絞られたわけだ。シャル、ちゃんと残れたんなあ。一番成長したのは、というと雷真を除くとこのシャルロットだったように思う。魔術の腕前もさることながら、何よりメンタル面が一本筋が通ったと言う感じで。彼女だけは、ヒロインの枠を越えて雷真と同じステージ、主人公のように生き、主人公のように戦うという主役としての舞台に立ち始めたんじゃないだろうか。その意味でも、シャルには大いに期待してる。
逆に、圧倒的にヒロイン的な空気をまといはじめたのが、前回見事に雷真に陥落させられた硝子さんである。雷真だけにデレたんじゃなくて、今まで頑なに鎧ってきたものから解き放たれて、誰に対しても柔らかく接するようになったんですよね、彼女。凄く素直に、率直に話すようになったし、なんか見てて今までと違う意味でドキドキしてしまう美人さんになったような気がする。さすがは雪月花の生みの親だけあってか、この人って尽くすタイプだよね。
そして、今回本当に出番少なかったのに、その少ない出番でものすごいインパクトを残して、色々持っていったのがグリゼルダ師匠。
師匠、ちょっとぶっ放しすぎだ、あんたw マジで結婚するつもりだぞ、この人。ある意味、夜々より突き抜けてないか。個人的にはグリゼルダ師匠ほんと好きなので、雷真、おまえ貰われろw
で、今回アリスどこ行った!? こういう時に一番頼りになる彼女が全然音信不通だったことが、混乱に拍車をかけた要因の一つだった気がする。またぞろ、何か下ごしらえしている、と思っていいんだろうか。彼女が居ると居ないとでは、安心感が違うんですよね。敵がどれほど狡猾であっても、彼女さえ手配りしてくれていれば何とかなる気がするんだけれど、逆に今回みたいにアリスがいないと全く良いように敵に翻弄されている気にさせられてしまう。それだけ、アリスの存在感が大きくなってしまっている、とも言えるんだけれど。
ともあれ、夜会もついに本当のクライマックス。まだ日輪編など残していそうだけれど、最終局面に近づいてきたという感触にビリビリと痺れるものがありますなあ。

シリーズ感想

機巧少女は傷つかない 12.Facing "Master's Doll"5   

機巧少女は傷つかない12 Facing

【機巧少女は傷つかない 12.Facing "Master's Doll"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術―それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。日輪の手で一命を取り留めた雷真だが、目覚めた時夜々の命の刻限は過ぎており―「夜々はどうなった!?」「申し訳ありません。わたくし…夜々さんを…っ」一方、学院では王妃グローリアが新学院長に就任。学院は英国に掌握され、アスラを魔王にする謀略が動き出す。そんな中、姉を殺され復讐の念に駆られたロキは、一人反撃の機会をうかがっていた…!秘められし硝子の過去が明かされるとき、乙女たちは雪月花誕生の『意味』を知る―!シンフォニック学園バトルアクション!
なんてこった、凄いぞ雷真。本来ならどうやったって攻略対象外だと思われていたあの硝子さんを、ガチンコの正面突破で攻略してしまいおった!!
いやこれ、皮肉じゃなく大したものですよ。最初期から登場していたキャラクターにもかかわらず、硝子さんという人は得体が知れない上に何を考えているかわからず、そもそも敵か味方かすらも窺い知れない、手の届かないステージに立っている人でした。その立ち位置はほんの最近まで変わらず、この所になってようやく彼女が本心から雷真に力を貸してくれている、というのがわかってきたくらいでして、そのわかったつもりになっていた真意すらも、彼女が薔薇側に与してしまったことで果たしてどこまで信じられるかわからない状態になってしまっていたのでした。つまるところ、花柳齋硝子という人はヒロインではなく、キンバリー先生や雲雀師匠と同じく、あくまで雷真たち主人公サイドの少年少女たちの先達であり、庇護者であり支援者であり、また黒幕でもあり、上位から手を差し伸べてくる側のキャラクターだったわけです。
それは、硝子さんが窮地に陥り、いつも助ける側だった雷真たちに逆に助けられる展開になったとしても、壁をひとつ隔てた側の存在であることは揺るがない、とそう思ってたのですよね。
ところが雷真の野郎、そりゃもう一途としか言いようのないくらいのなりふり構わぬ正面突破で、硝子さんの危機と絶望を粉砕した挙句、無造作に抱きしめるようにして彼女を助けてしまったのです。過去から引きずっていた憂い、心の傷すらも塗りつぶす、その男子としてのなさりようは、硝子さんに、あの硝子さんに女としてのトキメキを芽生えさせてしまったのでした。もう、驚愕ですよ、あの硝子さんが、デレましたよ!!
勿論、花柳齋たるもの、あのチョロいグリゼルダ先生みたいな有り様にはならず、早々にヒロインとして登極した場所からすぐさまに立つ瀬を退かせましたけれど、硝子さんをあそこまでデレさせたというのは快挙と行ってもいいんじゃないでしょうか。赤羽雷真、侮れぬ主人公だと改めて思いました。
ただ、硝子さんの誘惑に取り込まれそうになったときに思い出してしまった相手が夜々と日輪とシャルしかいなかった件については抗議したい。アリスやフレイはまあ仕方ないとして、グリゼルダ先生は思い出してあげてください。先生、わりとガチで結婚前提のつもりなのでw
そのグリゼルダ先生は、今回の総力戦でも切り札としての役割を遺憾なく発揮。ほんとにこの人、最大最強戦力として出し惜しみなしで毎回活躍してるよなあ。此処ぞという時にいつも現れて、生半敵わなさそうな敵を派手にぶっ飛ばしてくれるもんだから、師匠キャラじゃなくてヒーローキャラじゃないのか、と思ってしまうくらい。

一方で、硝子さんを追いかけて学園を出て行ってしまった雷真の代わりに、動乱の学園で紛うことなく主人公をやってのけたのは、毎度おなじみロキさんでした。こいつ、最近本気でライバルキャラを脱却して、主人公枠のっとり始めたぞw 
いや、ケルビムに変わる新たな相棒を手に入れ、単身軍勢によって厳戒態勢に入っている敵地に飛び込んで仲間たちのピンチに救援に入り、はからずも敵陣営に与することになってしまった友人とタイマンで殴りあった挙句にその信念を讃えつつ道を正して説得し、ついには勝利と友情をつかみとるというどこをどう見ても主人公な活躍を見せる始末。あかん、本気でカッコ良かったぞ、ロキ。アスラとの友情バトルとその結末には手放しで熱くなってしまいました。あの殺伐としていたロキが、アスラにあんなセリフを言って手を差し伸べるようになるなんてなあ。あの最後のシーンは本気で感動してしまったぞ。

前にも増して仲間も増えての総力戦。アリスがバックについて謀略めぐらしてくれた時の安心感は、行き当たりばったりの時と比べて全然安心度が違いますねえ。調子乗ってる王妃グローリアがどれだけ大物っぽく振る舞おうとも、アリスが何か画策しているのがわかっている以上、知らずに踊らされている道化に見えてしまう不思議。決してグローリア、そこまで雑魚じゃないんだけれど、エドマンドと比べるとどうしても俗人すぎて浮ついて見えたんだよなあ。そして、味方になっても全然パワーダウンしないアリスの策謀家としての辣腕が上すぎました。これでアリス、作戦の内容が悪辣ではなく、幾重にも多段式かつ重複式に効果が出るように練り上げてはいるものの、敵だった頃と違って仲間たちを信用しきった策だったりするので、見ていても気持ちいいったらありゃしない。特に、敵が読みきったと思った更に上をいき、裏をかき、ピタリと策がハマった時の痛快さたるや。
前々からそうなんだけれど、以心伝心というかこの雷真たちの事前に相談も何もしないくせに仲間同士がどう動くかを読みきって、或いは信じ切って打って出る逆転劇は、危なっかしいんだけれどやっぱり勢いがあります。でも、アリスまでそれに乗っかって作戦立案するとはなあ。いや、アリス味方になったぐらいからその傾向はありましたけれど、今回はその仲間たちがどう動くかを織り込んだ上での作戦は芸術的ですらありました。粋を極めましたわねえ、このあたり。

そして、順調に友達いっぱい計画が進行しているシャルロット(笑
この間の日輪と友達になったときもそうでしたけれど、今回の双子とのそれといい、友達ができれば出来るほどどれだけボッチだったんだ、と泣けてきてしまう友達慣れしていないチョロさはなんともはや(苦笑
シグムントも友だちをつくるのがうまくなったなあ、なんて変な褒め方しないであげてください。前までどれだけ惨憺たる有り様だったかが見えてきそうじゃないですかw

むむむ、それにしても凄い盛り上がりだった。この所総力戦続きだけれど、この出し惜しみのなさは大したもので、そこにそれぞれの成長分と新たな人間関係の進捗が加わるので、同じ総力戦でもどんどんパワーアップしているのが見て取れる。おお、面白いよ、面白かったよ!!
雪月花の秘密も明らかになり、エドマンドにマグナスの動向もようやく手の届く所に来た感じで、そろそろ本当にクライマックス突入か。これでまだ、雷真や夜々たちと、シャルやロキたちが別行動、という状態が続いているのだから、これが合流してしまったらどうなるのか。どうやら、夜会も残ったメンバーでタイマン、という形になってきそうでちょっと趣も変わりそうだけれど、面白さも極まってきた感じで次も楽しみです。

シリーズ感想

機巧少女は傷つかない 11.Facing "Doll's Master"3   

機巧少女は傷つかない11 Facing

【機巧少女は傷つかない 11.Facing "Doll's Master"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。結社の大幹部〈金薔薇〉の魔女アストリッドによる学院襲撃を退けた雷真達。だが、その代償はあまりにも大きく、夜々の金剛力の魔術回路が消失、重篤の危機に陥った。夜々を修復できるのは、作り手たる花柳斎硝子だけ。しかし、肝心の硝子は行方不明。一方、度重なる不祥事で学院の権威は失墜。各国から夜会のやり直しの声が上がり始め、遂に英国が機巧師団を学院に差し向ける! 迫る命の刻限、猶予はわずか一昼夜。雷真は一縷の望みをかけ帝都を目指すが――。シンフォニック学園バトルアクション!
夜々が居ないと静かだなあ。
いやあ、何かにつけてヤンデレリアクションで飛び込んでくる夜々が居ないものですから、雷真が何をしてても反応がないのでややもの寂しい感じに……って、毒されてる毒されてる。これが普通です、これが普通です。でも、十巻もの蓄積はなかなか拭い去れないものでして、それだけ雷真と夜々のコンビはいつも一緒だったのだなあ、と今更ながらに実感したり。この機会に、雷真も他の女の子と交流を深めればいいのに、と言いたいところなのだけれど、さすがに夜々がこんな状態ではそんなことをしている場合ではなく、それ以前に英国軍が学園に進駐してきた上に、生徒同士で二派にわかれて構想が勃発と、内憂外患が一気に吹き出して大混乱、シャルをはじめとした面々もそれぞれが居る場所で戦わざるを得ず、雷真と接触すらままならない状態。まあ、雷真自身が学園の外に出てしまっていた、というのもあるんでしょうけれど。総力戦だった前回とは違って、今回は完全に先の見えない乱戦模様といった感じでした。まさに、一瞬にして様相が変わってしまったなあ。
デレたかと思われた硝子さんも、まさかの薔薇参入に夜々を見捨てる言動の数々。間に挟まれてしまったいろり姉さんが何だか見ていて可哀想で可哀想で。硝子さんにもちゃんと思惑がありそうなんだけれど、傍から見ている分には雷真たち見切っちゃってると言われても仕方ないよなあ。何しろ、雷真の勝手働きはいい加減見過ごせないレベルに達していたし、あれだけ言うことを尽く聞かなければ見捨てられても仕方ない、と雷真自身が自覚していたくらいだし。でも、この中で一番硝子さんを信じまくってるのが雷真なんですよね。なんでこいつ、ここまで硝子さんに懐いてるんだろう、と思うくらい。言うこと聞かない割に、忠犬なんだよな、こいつ。その懐きっぷり、ちょっとでもグリゼルダ師匠に分けてあげてください。このお師匠さまの弟子への献身は見ていて拝みたくなるほど。普通、師匠キャラって距離をおいて高みから見下ろし、時々だけ不承不承手を貸してくれるだけ、みたいな力の行使を惜しむケチが多いというのに、グリゼルダ師匠と来たら登場してからこっち、雷真と伍するんじゃないかというくらいの頻度で戦いっぱなしなんですよね。それも、殆どがピンチに陥った雷真を助けるものばかり。働き過ぎです、お師匠様w その上、ちゃんと師匠キャラとして弟子の実力を訓練や的確な指導で引き伸ばしてるんだから、有能勤勉極まりないですよ。挙句、デレたヒロインキャラとしても十二分に大暴れしているのですから、シャルも天敵のアリスと共闘という展開は燃えたけれど、頑張らないと本気でヒロイン座食われるぞw
今回も、かつての雷真の剣の師匠と、師匠同士のガチンコ勝負。グリゼルダは格上と戦えば戦うほどこの人が「魔王」の一角と伝わってきて、いいなあ。最強キャラという格が全然オチないのが素敵です。
さて、前回華麗に【焼却の魔王】ライコネンをぶった切って鮮烈なデビューを果たした雲雀先生。飄々とした浮雲みたいな掴みどころのない人なのだけれど、その実力はまさに魔王級。魔術師でもないただの剣士なのに魔王級って。彼の、雷真への糾弾はかなり耳の痛いものでした。確かに、雷真は安易に力を求めすぎてるきらいがあるもんなあ。じっくり自分の力を伸ばすのではなく、手っ取り早く強い力が得られる方法に手を出してしまってる。魔術に才が無いと言われて剣に逃げ、しかし魔術に剣で敵わなかったからと剣を極めることもせずに見切りをつけて再び魔術に逃げた。言いようは厳しいですけれど、反論のしようのない糾弾でした。夜々がああなってしまったのも、大半は雷真のせいですからね。これまでの彼の行動のツケが、此処に来て一気に噴き出してきた感すらあります。果たして、ここからどうやって全てを取り戻していけるのか。ちょっと、雷真サイドは行き詰まってるなあ。
行き詰まっているというと、さらりとロキが勝手に行き詰まっちゃってるし!! け、ケルビムーーっ!!
ロキって、何気に友達大事にするタイプだったのか。こいつがアスラと敵対することにあれだけショック受けるとはこっちの方がショックだよ。口も態度も悪いわりに絆されやすいタイプだよなあ、こいつ。ケルビムがああなってしまったのも、さらなる成長フラグだったらいいのだけれど。それよりも心配なのがフレイの方ですけれど。シャルやアリスたちはまだ死んでないとわかるので安心できるのですが、フレイはマジでこれヤバイんじゃね? 直前、物凄い勢いでフラグ立てて、そのままあんなことになってしまって。
いい加減、黄金の薔薇にしてもエドマンドにしてもグローリアにしても図に乗ってて鼻っ柱折ってほしい敵キャラが揃いすぎてるので、こうまとめて「な、なんだとーっ!?」とか「お、おのれ、この私がーーっ!?」などと喚きかせるようなカタルシスのある展開を所望したいなあ。エドマンドはともかくとして、金薔薇も銀薔薇もこのババアたちは調子乗ってて言動がムカつく、実にヤラレ役が映えそうなキャラだけに。

シリーズ感想

機巧少女は傷つかない 10.Facing "Target Gold"4   

機巧少女は傷つかない10 Facing

【機巧少女は傷つかない 10.Facing "Target Gold"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。「夜々の代わりに、私を妻にしてください! 」「姉さま、ついに……つ・い・に! 」いろりの爆弾発言に雷真と夜々は驚愕。折しも〈流星群〉騒動の責任を問われ、ラザフォードが失脚、〈焼却の魔王〉ライコネンの学院長就任が発表された。自治権を巡
る混乱の中、〈結社〉が学院を襲撃――未曾有の危機が学生たちを襲う! この機に乗じ日本軍は〈愚者の聖堂〉への侵入を決定。だが、聖堂を目指す雷真の前に、仇敵マグナスと戦隊が立ちはだかる……。シンフォニック学園バトルアクション第10弾!
気がついたらこれ、完全に総力戦じゃん!! そういう意識なく読み進めていたものだから、あれよあれよと学園全体を巻き込んだ大争乱の様相を呈してきた展開に呆気に取られているうちに、学園内の主要キャラ総浚えの総力戦となり大興奮。思えば、これまで数々の陰謀、暗躍、策略、干渉を廃してきた結果、外部の組織の純粋な駒としての生徒たちは大方排除され、今残っている面々というのは駒であろうと狗であろうと外の組織の思惑に乗っかっていようと、自分たちの意志と矜持で夜会を勝ち抜こうとしている独立した一廉の連中ばかりなんですよね。そういう彼らは、雷真たちとは仲間ではなくても好敵手であり、お互いにリスペクトし合っている存在です。それが、自分たちの庭である学園を侵されたとなれば、手に武器をとって協力し合い、同じ敵に立ち向かうのは当然のこと。中でも、精鋭の中の精鋭とも言っていいラウンズの面々は、その評判通りの実力を見せつけてくれて、頼もしかったなあ。
やっぱり、共通の敵に一致団結して立ち向かう、という展開は激燃えに燃えますよ。
しかし、今回の敵は魔界ともいうべき世界の暗部で躍動している本物の怪物たち。しかも、正面からの殴り込みと裏からの侵食という二段構え。幾ら世界中から集まってきた天才児ばかりであり、それぞれに凄惨な事情を抱え世界の残酷さを知っている者たちとはいえ、まだまだ未熟な子供たち。世界でも上から片手で数えられるような実力者とそれが率いているプロの魔術師たちを相手にしては格の違いというものを痛感せずには居られない差があるのですが、概してその差を瞬く間に埋めてしまう成長を見せるのもまた若者たちの特権というもの。
目覚ましい成長を遂げている雷真のみならず、ついに本当の実力を垣間見せ始めたロキに、前回殆ど覚醒と言ってもいいくらいの変化を見せたシャル。みんな本当に伸びたなあ。一方で、日輪はというと、この娘本気でバケモノ級だったんだな。今までまだ良くわかってなかったんだが、相手が人外魔境の怪物となって初めて、それと真っ向から対抗できる日輪もまた、ラウンズの中でさえややも特別の感がある実力の持ち主だったことが理解できてゾクゾクっとなりましたね。そして、グリゼルダも魔王の名に相応しい、お師匠様の面目躍如ともいうべき大暴れでしたし。
今回は本当に主だった登場人物全員に見せ場があるような、派手な展開続きで全くもって燃えでした。シリーズ中でも一番盛り上がったんじゃないかな、というくらいに。単に見せ場があった、というだけじゃなく、それぞれ現状持ち得たフルスペックを限界まで発揮するような、成長や躍進の一部始終をお披露目するようなシーンの連続だったことも盛り上がりに拍車をかけていた理由でしょう。雷真も、ついに夜々、いろり、小紫の三姉妹を一度に操る器量を見せてくれましたし。此処に来て、ようやく雷真も兄貴の背中が見えてきたんじゃないでしょうか。
まあ嬉しかったのは、これまで鳴りを潜めていたアリスまで、俄然表に出てきてくれたことですね。さすがは謀略策謀担当。敵だと厄介極まりないけれど、味方だとこれほど頼もしい腹黒もいないですよ。最終的には彼女の作戦が敵を手玉に取って、陰謀をひっくり返したようなものですしね。
とはいえ、彼女の策が成功するには、各所各人の動きや活躍が必要だったのも間違いないわけで、面白いのは事前に示し合わせて動いたのでは全然なくて、全く連絡を取り合っていないにも関わらず、この危急時にあいつらならこう動くに違いない、と疑いもせずにそれぞれが動いて、それが完璧な連動となって圧倒的だったはずの敵勢力の陣営や思惑をひっくり返していくという、痛快極まりない流れだったんですよね。いやあ、もう痛快痛快。これまで敵か味方かわからなかった、というか半ば敵だったんじゃないかと思っていたラドフォード学長が思っていたよりもずっとこっちよりで、何よりアリスと和解というか、ようやく親子らしい情が交わされたやり取りを見せてくれたことで、明るい気持ちになれたのも大きかったのでしょう。硝子さんも、この人も期待していたよりもずっと親身になってくれてたのがわかったしなあ。さすがはあの三姉妹の作り手というべきか、冷たいように見えて情深い人だったのな。
とまあ、現状においてピークというべきタイミングだったからこそ、ここで急展開、一度滑落する流れになってしまった事は否めず……夜々の限界来てしまったかー。
丁度同じタイミングで、マグナスの人形であり妹の撫子そっくりの火垂と雷真が、あといろりが交流を持ったのは、何かしらの意図を感じる展開だな、これ。

ラブコメサイドは、気がつくといつの間にかいろりがその天然ポンコツっぷりで凄まじい食い込みを見せている模様。この作品って、何気に人の話を聞かないポンコツであればあるほどヒロイン度があがる傾向にある気がする。常識的だったり素直になれなかったりしてると置いてけぼりになりかねない、シャルとかシャルとかw
夜々は病みすぎて別枠として、現状いろりとグリゼルダというポディション的に伏兵すぎる二人がやたらと押しまくってるのは、明らかにその激しすぎる妄想ポンコツ乙女っぷりのお陰だな、うん。

シリーズ感想

も女会の不適切(アイ・ド・ラ)な日常 3 3   

も女会の不適切な日常3 (ファミ通文庫)

【も女会の不適切(アイ・ド・ラ)な日常 3】 海冬レイジ/赤坂アカ ファミ通文庫

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無慈悲にエスカレートする否(≠非)日常系、終幕!!

も女会の日常が再び戻ってきた。“美少女"の僕は、愛とラブラブ交際中。
さらに先輩も繭も雛子も僕にベタ惚れのハーレム状態!
そこへ源ひかると名乗る“少女"が加入して……やっぱりこの世界、改変されてる!?
そんな矢先、嫉妬に病んだ愛が再び身投げしてしまう。そして絶望する僕の眉間に、ひかるは銃口を突きつけた!
――わかってる、世界は残酷だ。でも愛と、も女会の日常を取り戻すためなら、僕はこの世界よりも残酷になってみせる!!
そう言えば最初、まだ記憶が消されていた頃、リンネくんはちだね先輩に惚れている、という設定があったんだっけか。一巻の中途からどえらい展開に転がっていった上に二巻では殆どユーリが中心になって動いていたので、ちだね先輩については完全に忘れ去っていた。リンネくんを含めて皆が忘れていた事を、しかし愛は忘れていなかった訳だ。そんな細かいこともすべからく精算するべきだ、という観念を捨て去らないからこそ、愛は面倒臭い女であり、アイ・ド・ラ足らんとしているのだろう。
そう、詰まるところ今回は精算の回でもあるのです。二巻において、ユーリの助力によって愛はリンネと結ばれる事を、自分がリンネを好きなのだという事実を受け入れてくれたのですが、相思相愛になったからといってこれまでの事はなかったことにはしませんよ、ちゃんと片を付けないと自分たちの関係の方を無かった事にしちゃうから、と乱暴に解釈するならそんな感じで愛の意図は進行していきます。クーロ先生は色々と暗躍しているように見えますけれど、あの人って多少自分の都合の良い用に物事を動かしてはいますけれど、基本的には愛の意図を忠実に守っているに過ぎないんですよね。それはこの人の揺るがぬ強さではあるけれども、同時にこの人の弱みでもあり、彼の失敗の根幹でもあったんだろうな、とすべての正体が明らかになってみるとそんな風に思えてくる。
話を戻すと、愛がそうやって精算に拘るのはそれだけ自分に自信がなかったとも言えます。それだけ、ちだね先輩をはじめとするも女会の面々に対して好意と引け目を感じていたとも言えるんでしょうね。大好きなリンネは、自分なんかよりもちだね先輩みたいな人と付き合った方が幸せなんじゃないかという気持ちと不安が、リンネに結論を預けたり押し付けたり、という形になって現れている。結局のところ、愛の不安を解消する為にはリンネの無辺の愛だけでは足りなかった。二人の愛を、愛が認め好意を持っている人達全員に祝福してもらってこそ、愛は全部投げ出してしまうという誘惑に打ち勝つ事ができた。つまり、リンネがなりふり構わず、前回ユーリに助力を頼んだのはまさしく正解だったのでしょう。恐らく、それこそがリンネとクーロ先生のターニングポイントだったはず。まあ、お陰様で今回ユーリが一番割食ってましたけれど。もう一人で縁の下の力持ち的にサポートに走り回って、ひかるに対応し、リンネたちに振り回されて……と八面六臂の奮闘にも関わらず、まさに影働きで報われることもなく、ホントにご苦労様でしたと労いたくなるほどの放置っぷり。リンネよ、もうちょっと感謝しとこうぜ。ちょいと可哀想だw
ともあれ、ユーリの献身的なサポートと一切ブレないリンネくんの愛情が、愛とも女会の面々との繋がりを強め、リンネを介さない彼女らと愛との縁を浮き彫りにし、この面倒くささが次元を超えてしまった地雷女を何とか3次元に引っ張り戻す事が叶いました、めでたしめでたし。と
正直、一巻の衝撃的すぎる展開からすると、随分と大人しい結末ではあったと思いますが、収まるところには収まったのかな、と。二巻もあれでなかなかドギツい内容ではあっただけに、ラストもそれなりにハッチャけて欲しかった気もしますけれど、、まあこれで万事大団円、ということになったのでしょうか。皆さん、お疲れ様でした。
……あんまり二人、糖分過多なイチャイチャばっかりしてたら、誰か発狂して惨劇再び、みたいな流れもありそうなので、何事も程々にw

1巻 2巻感想

機巧少女は傷つかない 9.Facing "Star Gazer"3   

機巧少女は傷つかない9 Facing

【機巧少女は傷つかない 9.Facing "Star Gazer"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。《我欲の聖塔》内での戦いも、いよいよクライマックスを迎えていた。最上階で相対するシャルとオルガ――すなわち、シグムント対トール。ぶつかり合う魔剣と魔剣。だが、その結末はあまりに無慈悲なものだった。トールの放った閃光により、心臓を破壊されてしまうシグムント。「ずっと一緒にいてくれて、ありがと……っ」「さらばだ、シャル」そして、シグムントは最期にひとつの卵を遺して消えた。一方で雷真は、夜会の帰りにぼろぼろの男性を保護する。〈結社〉に追われる彼は、シャルとアンリの父親、エドガー元伯爵で……!? シンフォニック学園バトルアクション第9弾!
これ、色々と粗筋でバラしすぎてないか? ある意味、シグムントが破壊されてしまうという展開は重要ではあっても伏せて勿体ぶるような要素ではない、とも言えるのだけれど、そこはもうちょっと勿体ぶって本編読んで初めて知る仕様にしていた方が盛り上がりとしては確かなんじゃないだろうかと思わないでもない。
さて、シャルロットさんというと、夜々が余りにも色物過ぎてメインヒロインとしてはちょっと(笑)という、冒頭からの流れ故にか、相対的にメインヒロインの座を嘱望されていた方なのですが、その割に二巻の表紙をフレイに掻っ攫われて、何とか三巻で表紙枠を確保したもののむしろ話のメインは妹のアンリに持っていかれ、その後もラウンズという強者のわりに、戦法がいつも強引で単純なパワーキャラという微妙にこう、潰しが利かない性能もあってか役回りもどっちかというと大雑把な扱いを受け、性格も結構パワーキャラなせいか突っ走っていったまま帰ってこないのでなかなか本筋に噛めない、という……なんか羅列しているとおしとやかになりましょう、取り敢えず立ち止まって深呼吸しましょう、と助言したくなるほど残念な子だな、シャルて。
まあそんな感じで能力的にも立ち位置的にも大味で、相棒枠は何気にロキに完全に持っていかれ、と自業自得な嫌いもある不遇に苛まれていたシャルが、ようやっと焦点の当たる展開に。二桁大台に至ろうってときに、ようやく成長パート、というのはメインヒロイン枠としてはどうなんだと思いつつもこの機会を逃すと本気でアレなので頑張るシャルを、うん、なんかこういうどうしようもないところのある粗忽な子って、応援したくなるよね!!
……どうも基本的にこの作品のヒロイン衆は概ね粗忽者な気もするけれど。グリゼルダ御大とかもそうだしな! 個人的に一番成熟しつつ複雑にこじれた女性の心根を見せているのは、何気にキンバリー先生な気がするんだよな。相手は雷真じゃないのが笑えるところだけれどw あのクルーエルとの過去が絡まった複雑な大人の絡みがいいんですよ、うん。
じゃあ一方で雷真サイドで一番ヒロインしているのは誰かというと……此処に来ての伏兵ながら、日輪が新規参入としては思いの外押しが決まってるんですよね。基本的に結ばれないポディションだとは思うんですけれど、意外なほどいい位置をこの9巻でも確保しているのが侮れない。
まあ、個人的な好みの押し押しは、私はグリゼルダ師匠であり、謀士アリスなのですが。
その意味では、ヒロインキャラ的には好みで応援したくなるタイプでありながら、まあそんな応援は無駄だな、と苦笑一つで終わらせてしまいたくなるキャラだったシャルの、今回の変貌には正直驚きを隠せない。
あれ? この子メンタルが定まって落ち着くと、かなりスペック高くね?
いや、実際一皮むけたあとのシャルロットの変貌っぷり、異様に頼り甲斐のある雰囲気は見違えるようでしたからね。あれなら、本気でメインヒロインとしてもやってけるんじゃないでしょうか。これまでの頼り甲斐の無さが異様だったのかもしれませんけれど!! 多分、それだけシャルってシグムントに依存してたんだろうなあ、というのがよく分かる。精神的にずっと庇護を受けていたようなものだったから、今回の別れは必然的に彼女に自立を要求したわけだ。精霊と向き合うというのも、その一環だし。実際、シグムントってこの作品の登場人物の中でも頭一つ抜けて大人というか、人格者だったもんなあ。惜しい人(?)を失ったものである……あるある。
それだけのお膳立てを受けて、でもなかなか一人で立ち上がるのは難しいし、やる気があってもずっと守られてきたものがどうしたら良いかなんてそう簡単に思いつかない。そこで、シャルを導いてくれたのが、なんとグリゼルダ。
そう考えるとグリゼルダ師匠って、師匠キャラとしてはチョロいわ粗忽だわ暴走するわ、と師匠としての重厚さや威厳という側面ではダメダメにもかかわらず、その実働に関しては雷真の時といいシャルの時といいそのへんの勿体つけるだけであんまり何にもしてくれない師匠キャラでは及びもつかない実際の成果をもたらしてくれてるんですよね。ここまで着実かつ確実にレベルアップさせてくれる師匠って、実はあんまり居ませんよ? その上、戦力としても完全に味方ですからね。裏で画策することもなく、これだけ素で全面的に味方してくれる師匠キャラもそうはいませんよ。その代わり、ガチでヒロイン枠要求してきてますがw

エドマンド王子の動きがかなり先鋭化して、ついにとんでもない事をやらかしてしまい、さらに学長サイドもそろそろ動きが見えてきそうな感じ。いい加減、裏の動きが波及と言う形ではなくハッキリと押し寄せてくる形になってきてもよさそうな頃合いだけれど、どうなんだろう。
あわせて、なにやら夜々に問題が持ち上がってるようだし。アリスも戻ってきたら、動き出てくるかな?

海冬レイジ作品感想

も女会の不適切(アイ・ド・ラ)な日常 2 4   

も女会の不適切な日常2 (ファミ通文庫)

【も女会の不適切(アイ・ド・ラ)な日常 2】  海冬レイジ/赤坂アカ ファミ通文庫

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無慈悲にエスカレートする驚愕の否(≠非)日常系!!
〈も女会〉の日常が戻ってきた。少しの違和感と大きくズレた青春の日々。ある日ちだね先輩の〈卒業生を送る会〉の予行演習(本番は一年後)をしていると、僕たちは吹雪で学校に閉じ込められてしまった。そこで始まったのはなぜか肝試し。もちろんいつもの無軌道な活動の一環のはず……だが、それはリアル密室ホラー事件の始まりだった。〈彼女〉が変わり果てた姿で見つかったのだ! 犯人は? 動機は? いや、そもそもなぜ僕は今、〈愛〉と一緒にいるんだ?
先日、ファミ通文庫の方から連絡をいただきまして、公式販促POPの方に一巻の感想記事で書いた文章が掲載されました。見本も頂いたのですが、けっこうデカくてびっくり。文字も大きく刻まれてて、これはなかなか見た目インパクトあるんじゃないでしょうか。
加えて、献本の方もいただきました、ありがとうございます。

さて、本編の方ですが、流石に一度あんな展開を見せられたら、前半でどれだけ和気藹々と賑やかにやっていたとしても警戒を怠るはずもありません。所詮、ネタは割れているのです。二番煎じなど通用しませんよ、ぬはははは……。

なんで初っ端から普通にも女会にアイが混ざっとんねん!?

あんまりにもナチュラルに混ざっていたので、素でスルーし掛けましたがな。くぅ、まさか出鼻から仕掛けてくるとは。あらすじ読んでたら「アイ」が混ざっているのは事前に把握できていたんでしょうけれど、今回は読まなかったんで。
とは言え、彼女が加わっている事に違和感を感じないほどに、アイの存在が馴染んでいたのも確かな話。そのせいか、前回の黒幕がアイだったにも関わらず、今回もアイが何かを仕掛けてきている、とは全然思わなかったんですよね、不思議なくらいに。まあ全然不思議じゃないんですけれど。あれでアイって腹芸出来るほど器用じゃないもんなあ。嘘がつけずに態度に出てしまう不器用な性格ですから、彼女に何らかの思惑があったとしたら、露骨に表面に出てしまうと思うんですよね。それ以上に、前回アレだけのことをやらかしてしまったも女会の面々に対して罪悪感とか、居た堪れなさみたいなものをにじみだしてしまうはず。悪い子として、平気な顔で居られる娘じゃないんですよね。だったら悪いことするなよ、と思いますけれど、思い余ってヤッちゃう娘でもあるんだよなあ。……うん、確かにこれ、豆腐メンタルだ。
ともあれ、そういう違和感が全く見受けられなかった。アイ自身が、も女会に居る自分を十全受け入れている。その時点で、これは彼女の仕込みじゃないな、と判断はつきました。むしろ、この時点では主人公のリンネくんがなんかやらかして、現状を作り出していたんじゃないかと疑ってたくらい。それくらい、アイがも女会に居る現状は、そしてアイとリンネがいい雰囲気な状態はリンネくんに都合のいいものでしたしね。

ともあれ、さらに仰天、もしくは愕然とさせられたのは、連続殺人事件がおっ始まって黒幕が姿を表した後だったんですけどね。
リンネくんって、あれだ。女性陣が揃っていささか病んでるというインパクトに隠れてたけれど、この少年も相当にぶっ飛んでてぶっ壊れている。頭のネジが二、三本外れてしまっているに違いない。
それぐらいに、リンネくんが黒幕に対して選んだ対抗手段というのはあり得ない。前回何が起こったか、忘れたわけじゃあるまいに、普通ならそんなやり方は選ばないし選べない。絶対に腰が引けるだろうし、無意識にでもその選択肢は避けてしまうだろう。場合によっては恥知らずの非難は避けられないし、根本に愛を救いたいという動機がある以上、その行動は残酷極まりないナマス切りにするような痛みを強いる事になる。
それでも、彼は敢然とそれをやってのけてしまうのである。そりゃ、登場した黒幕や、アイが土壇場に至るまで全くリンネくんの策に気が付かなかったのも仕方ない。油断や慢心が原因ではない。常識的に考えて、アイがこれまでにやったことを省みるなら、そもそんな発想から生まれないからだ。
たとえば【グリモアリス】の主人公・誓護なんかあれは相当の仕手筋で、謀略家でしたけれど、ある意味誓護よりもリンネくんは「手段を選ばない」主人公なんじゃないだろうか。

まさか、この状況下において「仲間を増やす」なんて選択をするなんてなあ……。

だって前回、アイはリンネの回りにいる女の子たちを、文字通り心身根こそぎぶっ壊し、狂気に落してしまったんですよ? そんな彼女たちに、アイを助ける為に力を貸してください、命を賭けてください、なんて頼めますか?
頼みやがったんですよ、この男は。それも、自分を好きだと言ってくれたユーリに。なんちゅう神経してるんだ。
ただ、これは本当に発想としては見事なんですよね。この四次元に纏わる状況というのは、ある意味アイとリンネの二人きりの閉ざされた世界に基づく問題で、孤立した世界に取り残されたアイを置き去りにするか連れ戻すか、いずれにしてもそれはリンネとアイの二人だけで決着する話だと思ってたんですよね。それを、このリンネくんは自分一人で解決しようとせずに、二人だけの世界観の中で結論を出すのではなく、そこにユーリという外の要因を咀ませ、アイを自分たちの日常から突き放すのでも此方側に引き寄せるのでもなく、リンネが今立つ日常を、それを織りなす人たちを、アイが逃げ出し閉じこもっている世界の側に踏み込ませる事を選んだわけです。
ただでさえ、自分とアイのとばっちりで酷い目にあった娘たちに、アイを助けたいから、という全く以て自分本位以外の何物でもない理由だけで、この異常に一枚噛ませ協力を仰ごうとするリンネ。これを、手段を選ばないと言わずして何というのか。
でも、それだけリンネはアイに対して一途だ、とも言えるんですよね。その形振り構わない姿勢は、一巻の時のちだね先輩やらにふらふらしていた時に比べれば、非常に一貫していて好感が持てる。
逆に、それくらい一心不乱に愛を注ぎ込まないと、このアイさんってばすぐに精神的に死にかねない、とも言えるんですよね。あのアイの死の原因を見てしまうと、ちょっと目を離した隙に死んでしまいかねない怖さがある。だから、豆腐メンタルは……w

ここで、好感度がだだ上がりなのがユーリですよ。あんた、素の時はどんだけ健気で献身的なんだ、って話ですよ。アイとの友情に対しても、リンネへの愛情に対しても、ちょっとサイコ入ってるんじゃないか、というくらいに滅私なんですよね。まさかあのユーリがそこまでしてくれるとは、と感動したくらいに。
ユーリが、リンネの策に基づいて動いていた時のあのアイへの言動。あれは、その人に成り切っていたとは言っても、間違いなくユーリの言葉でもある、と考えたら、とても素敵な話じゃありませか?
これって、アイを助けるのはリンネかもしれませんけれど、リンネを救うのはユーリなんだろうなあ。この後、話がどう転ぶとしても、リンネは一生ユーリには頭があがらないでしょう。それだけの事を、ユーリはリンネにしてあげたし、これからもしてあげるはずですから。

1巻感想

機巧少女は傷つかない 8.Facing "Lady Justice"3   

機巧少女は傷つかない8 Facing

【機巧少女は傷つかない 8.Facing "Lady Justice"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。「日輪が勝ったら――雷真さまの妻にしてくださいませ!」そう言って雷真の前に現れたのは、〈十三人〉のひとりにして、雷真の許嫁の少女・日輪だった。雷真を追ってはるばる海を渡ってきていた日輪に、嫉妬と対抗心を隠せない夜々。その間にも、雷真たちの夜会進撃を阻むべく、学生総代のオルガをはじめとする〈十三人〉たちが次々に自主降格し、それぞれ独自に軍を組織しはじめる。一方、日輪の周囲には何者かの魔の手が迫っているようで……!? シンフォニック学園バトルアクション第8弾!

シャルのチョロさは、あれか。男相手だけじゃなくて、友達相手にもチョロいのか! 長いボッチ生活がよほど堪えていたのか、そんなに友達に飢えていたんですね。偶々雷真もフレイも忙しく、相手にしてくれる人が居なかったために、寂しくイジケていたシャルが出会ったのは、遠い極東から来たという少女。彼女は【暴竜】の二つ名を恐れも嫌悪もせず、ごくごく自然にシャルと友達になってくれたのでした。フレイが居るとはいえ、特にいざこざや事件も経ずに、普通の出会いから普通に友達になってくれた日輪に、シャルってば完全にメロメロになってしまい、親友呼ばわりしてベタベタひっつきまくることに。……シャルさん、それ日輪が天然無垢系の子でなかったら、気持ち悪がられてドン引きされるレベルの鬱陶しさです(笑
薄々気づいていたけれど、シャルって、雷真相手にだけ対応が拙いんじゃなくて、そもそもがコミュニケーション能力がどん底のタイプだったんだな。まあ、コミュ力低いのはシャルにかぎらず、ロキもフレイもグリゼルダもアリスも大して変わらないレベルであるんですよね……なに、この雷真チームのぼっち力w
なるほど、思い返してみるとこいつらって、一緒に行動している時でも協力態勢に入った時でも、誰もああしろこうしろ、という指示とかリーダーシップを取らないんですよね。もう皆が自分勝手好き勝手にしか動かないでやんのw それでわりと意思統一が取れてたり、変に対立してチームワークが乱れたりしないのが逆に凄いキがしてきたw

というわけで、気がついてみると今回はチーム戦だった罠。なのに、肝心の参謀役のアリスが早速トンズラしていないとか! 折角、やっと頭脳担当が現れた、と思って喜んでた前巻の私をどうしてくれるw 冒頭でいきなり姿をくらましてたのを目の当たりにした時のこの愕然を。幸い、すぐに戻ってきそうでよかったけれど。
代わりと行ってはなんですが、改めて参入してきた新キャラは、以前から度々話題にも登ってた気がする、雷真の本当の婚約者、日輪。真っ当な大和撫子だ! ……真っ当だよね? 夜々を正論で言い負かしてしまうあたり、真っ当とは言いがたい気もしますが、まあ性格も温和ですし、一途で楚々とした正統派のヒロインのはずです。人の話を聞かないのはこの作品のデフォルトなので、カウントには入りませんw
ってか、この娘の一派は人形遣いというよりも殆ど完全に式神使いの陰陽師なんですがw 完全に魔術の領域じゃんw まあ人形遣いも魔術とは言えば魔術ですし、夜々たちみたいな自律してる生き人形なんか魔道の領域のものなんでしょうけれど、どっちかというとこれらはアルケミーのサイドなんですよね、感覚的に。
個人的には昴と六連の従者コンビが生き生きと動いていたのが良かったですね。雷真とも顔なじみで、ロキとは違うタイプの息のあった喧嘩友達といった距離感でしたし。日輪と共にこの三人はトリオで完成しているキャラのようなので、このまま三人でレギュラー化して欲しいところですが、人数増えてきたもんだなあ。
そうなると、初期からのキャラが存在感薄くなってしまうケースが多いんですけど……貴女のことですよ、シャルさんw でも、幸いにして次は再びシャルがメインのようで。ちょうど、全く同じタイプの人形を操るオルガとの対決が迫り、父親であるブリュー伯がエドマンドの手元に現れたことで波乱は間違いなく、さてメインヒロインの面目躍如なるか。

しかし、何気にメイン級のヒロイン差し置いて、いろりが好きです、という人、多そうだなあ(笑
ちなみに私はグリゼルダ師匠です、はい。

海冬レイジ作品感想

も女会の不適切(アイ・ド・ラ)な日常 1 4   

も女会の不適切な日常1 (ファミ通文庫)

【も女会の不適切(アイ・ド・ラ)な日常 1】 海冬レイジ/赤坂アカ ファミ通文庫

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部活名:「もっと学園生活を豊かにする善男善女の会 部」目的:青春を謳歌すること! メンバー:(1)ちだね先輩。僕の愛しの青春☆ヴァカ。(2)繭【まゆ】。化学実験厨でちだね先輩の寵愛を独占。僕嫉妬。(3)ユーリ。僕の従妹で義妹【いもうと】。暴力女。(4)雛子【ひなこ】。エア参加。ガチ百合。(5)僕、花輪廻【はなわめぐる】。女子扱いされるけどお願いヤメテ。そんなも女会はモテないし無軌道だけど、それなりに平穏だと思ってた。あの少女に出会うまで、僕らの日常が本当は不適切だったなんて、知らなかったから――。


どっぎゃあああああああん!!??

なんじゃこりゃあ!? いやもう、なんじゃこりゃあ、としか言いようがない。なんじゃこりゃあ!!??


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機巧少女は傷つかない 7.Facing "Genuin Legends"3   

機巧少女は傷つかない 7 (MF文庫J)

【機巧少女は傷つかない 7.Facing "Genuin Legends"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。「誤解を恐れずに言えば、この夏、夜々と雷真は一線を超えました」「嘘……よね?」そんなわけで夏が終わり、〈迷宮の〉魔王グリゼルダのもとでの修行で実力を上げた雷真は、ロキやフレイとともに順当に夜会を勝ち進んでいた。だが、シャルが何者かの呪いを受け、人形サイズに小さくなってしまうという事件が起きる。一方で、学生総代にして、〈十三人〉の第三位、オルガ・サラディーンに迫られる雷真。そして、雷真とオルガの婚約が発表され――!? シンフォニック学園バトルアクション第7弾!
<赤羽雷真は「参謀」を手に入れた!!>
という訳で、まさかのアリス仲間入りである。ほぼ準黒幕と言っていいほどの立ち位置で、性格も歪みまくっている謀略家、という登場時には到底味方になるような、少なくともヒロインの一角に名乗りをあげるようなキャラだとは思いもよらなかったのが、バタバタとドミノが倒れるように状況が転がっていき、あれよあれよという間になんかヒロインらしい立ち位置に。一応、一度生死不明になった時に学長との微妙な関係や彼女自身瀬戸際に立たされているからこそ、享楽的退廃的な性格に歪むに任せている、みたいな描写がありましたから、その辺を色付けして補強すると、確かに一気にヒロインらしい境遇に。
しかし、アリスほどの陰謀家が味方になると頼もしいなあ。何気に雷真サイドって頭脳担当が一人も今まで居なかったんですよねー。夜々は論外中の論外として最初から除外するにしても、シャルもあれ、直情的で考え無しだし、フレイは天然であんまり考えないし、グリゼルダの御大は完全に脳筋だしw いろりには結構期待していた向きもあったのだけれど、彼女も従者タイプで忠言なんかはしてくれるにしても策を練るというタイプじゃありませんでしたしね、最近ボケてるしw 強いていうならキンバリー先生なんだが、あの人は立場上表向きは中立を維持しておかないと色々と困ったことになる人ですから、多くは期待できませんし。
実際、今まで状況の打開策や敵の陰謀を打ち破る為の策をひねり出してきたのは、雷真やロキたち自身だったりするのである。これは彼らの対応能力の優秀さを物語ってはいるのだけれど、あくまで対応力である以上どうしても受身で居続けなければならない、という不利はやはり無視できない。もはや物語も佳境に入ってきたところで、このアドバンテージの無さは厳しいものがあったんですよね。そう考えると、ここでアリスが味方になるというのは、タイミング的にもかなり大きなターニングポイントになるのかもしれません。
作中でも語られているように、雷真たちの協力関係は人数も増え、それぞれ個々の実力が急上昇してきたこともあって、一つの大きな勢力と見做されるようになってきたわけですし。それも、「夜会」に関するものというよりも、学園に絡む様々な国家や組織の中において、どの集団からも独立した一つの勢力として。面子を見渡しても、みんな元々居た集団の中から故あって離れてしまったハグレ者ばっかり、というのも面白いなあ。国も出自も立場もみんな違うのに、雷真に引き寄せられるように寄り集まり、一つのグループを形成しだしている。彼らが面白いのは、決して明確な枠組みを作って、雷真中心のチームを組んだわけじゃない所だったりする。別に仲間同士だと誓い合ったわけでもないし、機さえ整えばいつか戦いあう間柄だとも承知している。ものすごく曖昧で、形も何もなく、何となくでしか繋がっていない関係なのである。
それなのに、いざとなったときには、誰もが自然と集まってくる。助けて欲しいと願った時に、ちゃんと助けに来てくれる。事前に根回しをしたわけでも、協力を求めていたわけでもないのに、それどころか離間の策すら仕掛けられ、それぞれ襲撃を受けていたにも関わらず、いざ決戦という時にみんなが当たり前のように結集し、雷真がごく当然のように集まってきたみんなを背景に、アリスに手を差し伸べたシーンは、痺れました。あの、言葉を交わさずとも信頼で繋がっている、という自負が垣間見える雷真の佇まい、かっこ良かったですよ、うん。
あれは、性格曲がったアリスでも、自分もこの中に入りたい、と思わざるを得なかったのじゃないでしょうか。ただ一人忠実な従者だけを伴って孤独な戦いを続けていた彼女にとって、馴れ合いとは一線を画した、だけれど揺るぎない信頼で結ばれた彼らの姿は、憧憬を得るには十分だったでしょう。勿論、雷真の侠気に惚れてしまった、というのもあるでしょうけれど、アリスが此方側に転がってくれたのは雷真たちの関係に惹かれた、というのも結構大きかったんじゃないのかなあ。

此処に来て、そんな雷真たちが無視できない大きな勢力として確立したのは、こうして見るとやはり理由としてグリゼルダの存在が大きい。滅茶苦茶大きい。さすがは<迷宮>の魔王、というべきか。所詮は各世代の第一人者に過ぎない、などと彼女自身はのたまっていたけれど、実際戦っている姿を見ると桁違いに強い。もはやデタラメといっていいくらいにべらぼうに強い。そんな彼女が、絶対の味方として雷真の側に立ってくれているのだから、そりゃあ無視なんかできないよなあ。学園長とですら、ガチンコで相対できるんだもんなあ。

そんなグリゼルダの活躍と、思わぬアリスのヒロイン参入によって、何気にシャルが煽りを食った感があるぞ(苦笑 あのちっちゃくなるイベントは、メインヒロインとしてはめちゃくちゃ美味しいイベントだったはずなのに、イベントの強力さのわりにはあんまりインパクトを与えられないまま終わってしまったあたりに、シャルの苦境が伺える。ヒロインとしてキャラちゃんと立ってるし、いいツンデレさんだと思うんだけどなあ、どうも間が悪い。タイミングが悪い。アピール下手w 解呪の方法なんて、美味しいどころの話じゃなかったのになあ。
ちょうど、シャルの対抗馬、というかライバルになりそうなキャラも出てきましたし、レベルアップイベントも含めて、次の巻ではもっと目立って欲しいところである。下手すると、またぞろグリゼルダ先生とアリスが大暴れしそうだし。目立つ、という点に関しては夜々とかグリゼルダみたいな自家暴走キャラクターはやっぱ強いんだよなあw

海冬レイジ作品感想

機巧少女は傷つかない 6.Facing Crimson Red4   

機巧少女は傷つかない6 Facing Crimson Red (MF文庫J)

【機巧少女は傷つかない 6.Facing Crimson Red】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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「夜々はずっと、貴方を護ります。この命の続く限り」過去と現在は交錯し、再び〈夜会〉の幕が上がる――!
機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。夏休みも既に半ばが過ぎ、夜会を勝ち抜くため〈紅翼陣〉体得の修行に励んでいた雷真は、硝子からとある人物の内偵を命じられる。その人物とは、四年前の前回夜会の勝者である、〈迷宮の〉魔王――グリゼルダ・ウェストン。学院から出られない夜々の代わりに、小紫とともにグリゼルダのもとに向かう雷真。すると、彼女は〈紅翼陣〉とそっくりな能力を持っていて……? 「俺を弟子にしてくれ」「と……遠まわしの求婚?」「妙な自己完結をするな!」シンフォニック学園バトルアクション第6弾!
年上キャラきたーーーー! しかもお師匠様と来た。グッジョブ!グッジョブ! そうだよ、この作品に足りなかったヒロインは年上なんだよ! って、実はフレイもロキにお姉ちゃんだし、硝子さんやキンバリー先生を含めて年上キャラには事欠かなかったんだが、違ったんだよなあ。フレイは惚けてる大人しめのどちらかというと庇護欲を掻き立てるキャラだし、硝子さんは完璧すぎて立ち入る余地がない。キンバリー先生にはどうやらお相手がいらっしゃるようですし。というわけで、目上で年上としてちゃんと主人公を可愛がってくれるだけの風格を持ちつつ、同時にグダグダな隙があって押しに弱いところがあって甘えたな可愛がられ属性も持っている、というマイティな年長キャラが足りていなかったのです。
パーフェクトだ、レディ・グリゼルダ!!
この人、魔王というとんでもない強キャラにも関わらず、性格が可愛すぎる。お師匠キャラがこんなに恋愛面ウブで夢見がちなカワイイキャラでいいのか? 基本的に無骨な戦争屋で女っ気に乏しい人なんだがなあ。雷真にちょっと言われたくらいでいそいそとちゃんと女性らしい衣装で身を整えたり、褒められたらすぐに有頂天になったり、物騒なわりにかなりチョロいんだが、この人。よっぽど免疫なかったんだな。元々幼い頃から戦場に立つ必要があって、その力量からも家や街を守るために率先して最前線に立ち続けたグリゼルダだけれど、一連の言動を見ていると、どうやら実はかなりのお姫様願望の持ち主だよね、この人。無骨で横暴な乱暴者のくせに、弱い奴は守ってやるっ、というような姉御肌ではなく、むしろ凛々しいナイトさまに守ってもらえる事を望むお姫様みたいな夢見がちな所が散見されるのだ。
ヒロイン度高いよ、グリゼルダ!!
可哀想に、チョロい上に世間知らずということもあって、完全に雷真の天然ジゴロっぷりに騙されちゃってるよ。今回、雷真が学園を出て小紫だけ連れてグリゼルダの領地で過ごしていたのが仇になったんだな。これで他のヒロインが居れば雷真がどんな男かわかっただろうに、なまじ二人きりだったものだから彼の言動が自分だけに向けられたものだと勘違いして思いっきりのぼせてしまったグリゼルダ。
もはやこれは運命だ、とばかりに熱に浮かされてデレデレホイホイと学園まで追いかけてきた挙句に目の当たりにした雷真の現況を目の当たりにした時のグリゼルダ師匠の唖然とした姿はもうなんともはや。
その後の惨劇の台風の目となった逆切れ大暴れっぷりはまさに魔王。文字通りの魔王!
そりゃキンバリー先生も爆笑するわw
なんちゅう可愛い人じゃ。これまで自分、一応シャル派だったんだが、今回で一気に転向してしまいましたよ。
グリゼルダ! グリゼルダ!
シャルを始めとする他のヒロインからしても、グリゼルダの参戦は結構な大問題なんじゃないだろうか。今後、教授と学生という立場だけじゃなく、師匠と弟子という密接な繋がりもあり、その力量は魔王<ワイズマン>として学生など問題にならない学院でも最強クラス。ヒロインとしても一流の妄想家であり、引き篭っていた領地を出て、見の安全の保証をされたとはいえ権謀術数の中枢であり魔窟である学院に自ら飛び込んで雷真を追いかけてくるほどのデレっぷり。他のヒロインからしたら、文字通りの怪物ですよ、この人。うははは、なんか今後、想像以上にグリゼルダ、大いに色々と引っ掻き回してくれそうだな。ある意味シャルよりも余程危ない暴君だしw

今回同行できなかった夜々は、代わりに回想で雷真との馴れ初めが描かれてたけれど……わりとさっさとデレたんだな。まあ、それだけ雷真が体張って努力したのは認めるが。というか、ちゃんとツン→ツンデレ→デレデレ→ヤンデレという過程を辿ってたんだな、夜々……いや、何故ヤンデレへと辿り着く?
個人的には初対面から攻撃的に反発してきた夜々よりも、凍てついた氷みたいに突き放した態度だったいろりの方がストライクだった。あれがどうやったら今みたいな、指加えて物欲しそうに雷真の周りをうろうろしてるみたいなデレへと移行するんだ?

1巻 2巻 4巻感想

機巧少女は傷つかない 4.Facing "Rosen Kavalier"3   

機巧少女は傷つかない 4 (MF文庫J)

【機巧少女は傷つかない 4.Facing "Rosen Kavalier"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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 bk1

機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。時計塔事件も一段落し、雷真たちは負傷続きながらも〈夜会〉に勝ち残っていた。だが、雷真の負傷を自分のせいと気に病んだ夜々が、突然姿を消してしまう。なんとか彼女を見つけ出した雷真だが、それは敵の罠だった! この夜会を支配する存在〈十字架の騎士(クロイツリッター)〉と名乗った彼らとともに、夜々は雷真のもとを去る。打ちひしがれる雷真。そして、彼の前に現れた硝子は告げる――「夜々は放棄するわ。今後はいろりを使いなさい」はたして雷真の決断は!? シンフォニック学園バトルアクション第4弾!

あ、あのぉ、シャルがなんか相当に色ボケし始めてるんですが(笑
病んボケの夜々に、天然ボケのフレイに、ドジボケのアンリと、どいつもこいつもボケ役しかいないなかで、辛うじてシャルはツッコミ側だったのに! ……あれ? シャルってツッコミ側だったっけ? そういえば最初から自爆系ツンボケだったような……。
ま、まあなんだ、前回妹のアンリともども雷真に助けて貰った事で、既にいい具合にグラついて居たところを岸壁から突き落とされてしまったようで、症状の方が明らかに深刻化、進行してしまったようで、なんだか妄想の度合いが夜々と大してかわらなくなってきてるぞ、おいw
いいんですけどね、可愛いから。さすがに、夜々みたいに病んでるわけじゃないし。殴るけど、火を噴くけど……面倒さではあんまり変わんないな。なにやら、シャルの中では既に雷真にプロポーズされてしまっているらしい。あの科白をそういう風に捉えるのは、幾ら何でも強引すぎないかい、お嬢さん。でへへへ、と笑み崩れてるのを見ると突っ込むのもはばかられるのですが。
いいんですけどね、可愛いから。

一応本作は学園バトルアクションなんて銘打たれているけれど、学院が舞台となりながらも幾多の国のエリートとなる学生が集まり、世界各国の機巧魔術の粋が集まるここは、国際政治の政争謀略の中枢でもある。主人公の雷真も立場上、日本陸軍の犬であるわけですしね。そしてなにより、時代は第一次大戦前夜。今にもバルカン半島の火薬庫に火種が引火しようとしている微妙な時期。色々な思惑が交錯し、野心が滾り、黒々とした怨念が渦巻いている。華やかな学生生活を贈ろうなどという浮かれた若者は此処には一人も居ない。誰もが生き残るため、人生の勝者となるために、国家の為に、それぞれの秘めたる目的のために、牙を研ぎ、眼光を輝かせ、利害で結びつき、酸鼻を極める現実を嬉々として道具として、兵器として振るおうとする。
まさに、人の業が凝縮したような場所だ。
そんな中で、自分が勝ち取らなければならないものを思えば追い落とさなければならない相手との間で、絆と信頼が生まれている。
利害を超えて、ボロボロの身体を引き摺って、敵であるはずの人の為に立ち上がろうとする者たちがいる。
相棒を奪われた一人の青年のために、何も言わず、何も求めず、ただいつかの彼からの好意に報いるために、いやさただ彼が好きであるから、異性として云々を抜きにして純粋に彼を人として好きだから、力になってあげたいと、何の益もない戦いに名乗りをあげる三人の人形師たち。
シャルたちが、何も言わずに雷真の為に集まってきたシーンには、正直痺れた。彼がこの学院でボロボロになりながら示してきた生き様が、まるごと肯定されたみたいで。
友人の力となることを、友人に力になってもらうことを、当たり前のように成し遂げ、受け入れる。それが、この暗鬱として殺伐とした夜会の中で、胸がすくように清々しく、晴れやかに見える。
いいチームじゃないか。
……まあ、雷真の事となると一瞬にして瓦解するチームワークだがw
夜々もまた、なんという面倒くさい理由でしでかしてくれたもんだか。ヤンデレのくせに、自分に自信が無い子なのよね。というか、自分がただの人形だの道具だのと思うなら、そんな誘い文句にフラフラと付いていかないの。道具は自分で役に立つか立たないかの判断はしない。それは、使用者が判断する事なんだから。それが理解出来てない時点で、夜々はどうやったってただの女の子なんですよね。
うん、だから雷真の説得方法は間違っていない。彼女を取り戻すやり方としては、まさに正解。自分で自分の首を絞めてるような気もするが、それはまあ毎度の事なので自業自得だ。こいつ、ナチュラルに自覚なしに口説くもんな。しかも、なんかもうそれはどうよ、と言いたくなるような凄い事言いながら。見境なしにあのひとにまで口説き文句並べてたもんな。
うーん、考えてみるとシャルがえらい有頂天になってしまってるのも、彼女の思い込みが原因じゃなくて、やっぱりコイツが悪い気がしてきたぞ。

ロキの方の仄かなロマンスはえらくバッサリと……いや、幾ら何でもバッサリ過ぎやしないかと、焦った。そこに結果が至るのだとしても、もうちょっと積み重ねてくれた方がよかったような。あれじゃあいろいろな意味で辻斬りみたいなもんだぞ。

一難去ってまた一難。どうやら最大の障害にして元凶となる人物の影も見えてきたし、さて、それと雷真の目的である復讐の相手がどう絡んでくるのか。そろそろ佳境になってくるのかしら。
それはそれとして、雷真って硝子さん好きだよねーw

1巻 2巻感想

こんな風に色んなキャラがMMDモデルで出てきたら楽しいだろうなぁ。  

でも、原作者自らとかは普通はないですから!



というわけで、【機巧少女は傷つかない】の海冬先生がMMDで自分の作品のヒロイン<夜々>をモデリングしちゃったよー、という動画である。正直、見るまでナメてました!
これ、マジで夜々だよーーっ! キャラデザのるろおさんの印象を残したまま、というかそのまんまで動いてるじゃないですか! これは、感動してしまった。
すげえ。

機巧少女は傷つかない〈1〉 Facing "Cannibal Candy" (MF文庫J)
機巧少女は傷つかない〈1〉 Facing 海冬 レイジ るろお

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star唯一…。
star徹底した娯楽作品
star萌え萌え、だけどちょっぴりセンチなアクションラブコメ

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ラノベ関連でもう一つ。
ファミ通文庫から出ている【ココロコネクト】。私も絶賛している作品なんですけど、この度漫画化されてたんですよね。知らなかったんですが、その掲載先のファミ通コミッククリアってウェブコミックでして、これが無料で見れるのですよ。

ファミ通コミッククリア「ココロコネクト」

読んでみた感じ、まだちょっとキャラの印象違うかな、という所はありますけど、あの五人組のドタバタと楽しくもどこか繊細な雰囲気出てますし、いい感じなんですよね。これは是非、読んでみて欲しいですね。そのまま未読の人は原作にも突入していただけたらなー、とw

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)
ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)庵田 定夏 白身魚

エンターブレイン 2010-01-30
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おすすめ平均 star
starいれかわりものに終わらない新しさを感じる佳作
starジャケ買いで久しぶりに当たりました
star消化不良どころじゃない…

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機巧少女は傷つかない 2.Facing "Sword Angel"4   

機巧少女(マシンドール)は傷つかない〈2〉Facing“Sword Angel” (MF文庫J)

【機巧少女は傷つかない 2.Facing "Sword Angel"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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……あれ? 表紙絵がシャルロットじゃないぞ? いや、この二巻のヒロインは、表紙絵のフレイだから合っているのは間違いないんだが、一巻の表紙は夜々が飾ってしまったので、肝心のシャルが、飛ばされた? か、仮にもメインヒロインっぽい立ち位置なのに。不憫な(笑

それはそれとして、この主人公は面白いなあ。面白いと言うよりも興味深いと言うべきか。作者の別レーベルの【幻想譚グリモアリス】の主人公である誓護もそうなんだが、根本に歪んだものを抱えているが故に、その生き様は恐ろしいほど誠実なんですよね。
この物語の主人公、赤羽雷真もその傾向が伺える。彼は人形遣いが集う学園に置いて夜会と呼ばれる勝ち抜き戦にどうしても勝たなければならない事情を抱えている。そのために、裏工作までして強引に途中参加したくらいだ。それなのに、彼は対戦相手となるはずの相手の事情に、偶然でも巻き込まれるわけでもなく、彼自身の強固な意志によって踏み込んでいくのだ。
この巻でシャルロットが彼に「相手の事情を理解すれば、勝負は負けるのよ」と忠告しているように、目的のために絶対に勝ち抜かなければならない雷真にとって、相手の事情に踏み込もうと言う行為はもはや害悪にしかならないはずなのだ。だが、彼はそれを完全に理解しながらそれでも踏み込んで行く。
そこには彼の正義感や優しさ、という性格的な要素もあるにはあるのだろうけれど、決して大きな要因とはなっていないように思える。少なくとも、彼は積極的に自分から相手の抱える事情に飛び込み、わざわざ介入するほどお人好しには見えない。勿論、事情を知り相手が困り苦しんでいるのを知ってしまえば、手助けに尽力することに吝かではない程度の優しさは持っているだろうけれど、決してお節介だったり善意の押し付けをするようなタイプの人間ではないのだ。
それがなぜ、敢えて対戦する相手の事情を知ろうとし、場合によっては献身的なほど手助けしようとするのか。
そこに、彼――赤羽雷真という男の頑固一徹が垣間見えてくる。
言うなれば、彼の行動は彼なりのケジメであり、自分を納得させるためのものなのだろう。
彼の目的は偏に復讐、それだけである。それを遂げるためなら、雷真にはどんな犠牲を払うことも厭わないつもりがある。あるにはあるが、雷真自身、復讐という目的が褒められたものではない虚しい行為であることも自覚している。そんな自分の目的と比べ、雷真が出会った夜会参加者、夜会の参加資格を奪うために喧嘩を売ったシャルロットが抱えていた夜会で戦い勝たなければならない事情というのは、雷真から見てとても崇高で眩しいものだった。彼はシャルロットと出逢うことで、自分が復讐を遂げる過程で犠牲になっていくものの具体的な姿を知ってしまったわけだ。
もちろん、それでも雷真は自分の目的を諦めるつもりは毛頭ない。決心は常に揺らぎ、躊躇いはつきまとい、罪悪感が蝕んでくるが、それらを必死に振り払い、その目的を果たすためにいずれシャルとも戦い、彼女を破るつもりでいる。その結果、彼女の願いを潰えさせることになろうとも。
それでも、だ。
自分の賤しい目的のために、シャルロットの、ひいては他の夜会参加者が抱えているかもしれない、自分などより遥かに敬意を抱くに値する事情を、直視せず何も見ないままにたたき潰してしまうのは、雷真の矜持が許さなかったのではないだろうか。
彼は確かに、どんな犠牲も払う覚悟を持っている。だが、それは目的のために無差別に犠牲を腹うのとは全く意味が異なるのだ。
だから、これは彼なりのケジメなのである。

不自然すぎる稚拙な行動で、雷真を「暗殺」しようと近づいてきた次の夜会の対戦者フレイが抱える事情に対して、彼が不敵なほど泰然と踏み込んでいった背景には、このようにお人好しだの優しいだのとはまた全く違った性格に基づく原理が横たわっているのではないか、と考えた次第。
この歪んでいるが故に愚直な真っ直ぐさは、清々しく豪壮であり、この主人公赤羽雷真の軟弱さなど欠片もない決然とした立ち振る舞いの格好良さに直列しているように思う。
あれだけ夜々の奇行に悩まされ、シャルにツンツンされ、フレイに振り回されているにも関わらず、飄々として不敵、泰然として毅然とした格好良さにまるで揺るぎがないもんなあ。

何気に女の子ばっかりじゃなく、頼もしくもイカした男キャラをたくさん出してくれる海冬さんだけあって、ここで早々にライバルというか、喧嘩仲間みたいな関係になりそうなヤツも出てきたし、役者が順調に出揃い始めたって感じかなあ。作者の傾向からして、まだまだ陣容は揃ってないんだろうけれど。
昭和初期に該当する時代背景や、魔術、機巧(カラクリ)人形という素材が備え持つ、どろっとした粘性の、踏み入ると容易に抜け出せないような深く暗い闇の気配が、物語のそこかしこにべっとりと張り付き出して、雰囲気も出てきましたよっと。
ふふふ、これは盛り上がってきた。あとは、メインヒロイン(仮)のシャルにもっと出番をw いや、出番はちゃんと沢山あったんだけれど、かなり献身的かつ健気に立ち回ってたんだけれど、あんまり直接雷真と絡めなかったのは痛かった。というかイチャイチャできなかったのが痛かったw 次こそはもっとツンツンデレデレしてください。

しかし、夜々の病気は悪化の一途だなあ。一巻よりさらに酷くなってるぞw ヤンデレっていうのはスイッチのオンオフがあるのがパターンなんだが、この娘の場合常にオンに入り続けているような(汗 まあ、まだ軽度なので危険性は微量なんだけれど。
傑作だったのは、雷真に相手にしてもらえずに悩んだ末に相談してきた夜々への、シグムントの身も蓋もない見解。直前まですごい含蓄のあるイイ事言ってたのに、シグムントさん、ぶっちゃけすぎ!(笑
誰もが思っていたにも関わらず言えなかった事を、言いにくいとか前置きしつつあっさりといってしまえるシグムントさんが、無性にカッコイイ(笑
でもあれ、邪魔が入らなかったら夜々が発狂してエライことになってそうだったなあw

一巻感想

幻想譚グリモアリス 5.天の座に咲け叛逆者4   

幻想譚グリモアリスV  天の座に咲け叛逆者 (富士見ファンタジア文庫)

【幻想譚グリモアリス 5.天の座に咲け叛逆者】 海冬レイジ/松竜 富士見ファンタジア文庫

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誓護の冥界での立場と言うのは、アネモネ王家連合軍の軍師という位置にあたるのだろうけど、実際に果たしている役割を見てると、軍師どころじゃないんだよなあ。
彼が動いた時点で戦の勝敗も物事の真贋も、すべてが読み切られ、あとは彼の掌の上で何もかもが転がっていく。少なくとも彼に匹敵する指し手は存在せず、対局相手のいない詰将棋のようなもの。
それはもはや軍師や戦略家といった領域ではなく、占星術師か預言者のようなものだ。ただ、それらと誓護が決定的に違うのは、彼は決まりきった未来を運命のごとく語るわけでも、他人を物事を成就させるための駒扱いするわけでもなく、彼の計画のプロセスはそれに組み込まれた仲間たちが全力を振り絞って割り振られた役割を果すことを、信頼して組み上げられていることだろう。なにより、自分もまたその渦中に飛び込み、自分の組み上げた計画の歯車の一つとして危険の中に飛び込んで行くわけだ。
自分の身命を賭ける覚悟、他人の生命を預り使い尽くす覚悟、そして他人が本分を尽くすことを信じる覚悟。そうした生半可ではない覚悟を背負っているからこそ、アコニットをはじめアネモネ連合軍に加わったものは、彼に絶大な信頼を寄せるわけだ。

ぶっちゃけ、冥界の人々の彼への信頼感は、野放図ですらあるとも思うのだけれど。
もうここまで誓護が皆に認められちゃったら、アコニットと誓護、グリモアリスと人間の種族の違いなんて問題にならないんじゃないのか。
などと楽天的に眺めてたら、このシスコン、なにリヤナにまで粉かけてやがる(笑
だめだこいつ、ナチュラルにキザったらしい口説き文句を吐くのはアコニット限定かと思ってたら、無節操にリヤナにまで要らん事言ってやがる。その大切なお友達宣言はこれまでアコニット専用だったはずなのに、アコニットに知れたら大荒れだぞw
こうなったら早々にアコニットとの仲を<友達>から先に進めないと、色々と悲惨なことになりかねん。何度もいい雰囲気を重ねているわけだから、そろそろ周りの連中が後押ししてやってはくれないものだろうか。

と、二人の仲をどういう言ってる間にも、冥界の情勢はいきなりクライマックス。アネモネとロードデンドロンの連合軍が結成され、アコニットに反逆者の汚名を着せた霊廟への反抗を高らかに謳ったものの、状況はもう少しじっくり描かれると思ってたんですよね。それがまさに怒涛と言う他ない情勢の劇的進行。
もしかして巻きが入ったのか?
なんにせよ、オドラやアザレアたちを含めたこちら側の戦力総動員の総力戦。思わぬ人物までも引っ張り出して来援させたり、仰天の大どんでん返しが待っていたりと、疾走感たっぷりの見所満載な展開でしたけど、でもやっぱり急ぎ足という感じは少々するんですよね。軋軋の件にしても、アコニットのトラウマの解消と成長にしても、うまいこと処理はしているけれど、巻を分けてじっくりとやってくれたら、もっと感慨もひとしおだったんじゃないかと思ってしまう。
次回で最終巻というのは、やっぱり打ち切りなんだろうか。
まだ鈴蘭や千秋たちについての件も残ってるし、あれを一巻で片付けるというのもバタバタな感じがするんだけれど。
個人的には、アコニットと誓護のイチャイチャをもっとじっくりと見たかっただけに、二人の接触そのものが大闘争ということでどうしても少なくなってしまったのは物足りなかったので、次回こそはラストということもあり、バッサリやって欲しいところです。

機巧少女は傷つかない 1.Facing "Cannibal Candy"4   

機巧少女は傷つかない 1―Facing“Cannibal Candy” (MF文庫 J ) (MF文庫J)

【機巧少女は傷つかない 1.Facing "Cannibal Candy"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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かっ、かかか、かっけぇぇぇぇ! なにこの主人公、べらぼうに格好イイじゃないですかよっ♪
思わず「スカしてんじゃないわよっ、ふん!」とか無意味にツンデレしたくなってしまうほどカッコイイ!
いやあ、これは惚れる。惚れざるを得ない。さすがは【グリモアリス】の海冬レイジ先生というべきか。人付き合いが下手糞で向こう気ばかり強く孤独な、でも心優しくひたむきな少女をメロメロにしてしまう手腕に関しては、他の追随を許さないところがある。
ヒロインの絶体絶命のピンチに颯爽と駆けつける主人公というのはありがちといえばありがちなんだけれど、嵌まるとやっぱりこれ、破壊力というか殺傷力が必ず殺すと書いて必殺のレベルなんですよねえ。トキメキすぎて死ぬかと思った(笑
なによりここで肝心なのは、主人公が救うのがヒロインの生命だけではなく、ボロボロに傷つけられた彼女の心をも救うところなのでしょう。否定され騙され傷つき立ち上がれないほど打ちひしがれた心を、生き様を、誰にも理解されず孤独の中に置いてけぼりにされていた思いを、ちゃんと認めて、理解してくれて、全肯定してくれた時の嬉しさが如何ばかりか。彼自身には本来関係の無いことなのに、傷つき血みどろになりながら、お前は何も間違っていない、何も悪くは無い、だから助けると言われた時の気持ちはどれほどのものか。
そりゃあもう、分厚い装甲に鎧われたハートだろうと、ズキュンと射抜かれるに決まってる。
こんなにストライクに心奪われる<恋に落ちる瞬間>を目の当たりしたのは久々で、相好がニヤ崩れて仕方ありません。
やっぱり海冬さんの手がける主人公って、バリバリの<騎士さま>だよなあ。そのすがすがしいところは後ろ暗い目的のために邁進しようとも、それを叶える道については甘さを捨てず、むしろ壮絶な覚悟を持ってその甘さを貫こうとしているところか。
なんにせよ、その姿勢は痛烈なほどカッコいい。
【グリモアリス】の誓護もそうだったけど、何気にこの主人公・雷真って女の子のあしらい方、上手いんですよね。ヒロインのシャルロットはプライドの高い跳ねっかえりのツンデレ娘だし、自動人形の夜々は微妙にヤンでるしと、扱い方を間違えると一方的に酷い目に遭いそうなものだけど、実に絶妙にツンの部分をくすぐり、ヤンの部分は突き放しては宥めてと、まったくもって卒が無い。
シャルの自動人形であるドラゴン型のシグムントがまた、暴走しがちなシャルにとって諭し役、同じ自動人形の先達として夜々にとっても先生みたいな感じになってて、別にシャルたちと雷真たちがコンビを組むというわけじゃないんだけれど、この二人と二体のキャラ構成はバランスの取れたチームという感じになってて面白い。

ストーリーの方も、元々富士見ミステリーで書いてただけあって<魔術食い カニバルキャンディ>と呼ばれる連続人形破壊犯の正体露見に至るまでの流れもしっかりしていて、読み応えがありました。登場人物構成からして、犯人はあの人というのが定番だったんだろうけれど、その人の普段の描写のせいか、最後まで意識上から外してたもんなあ。あれはちょっとやられたと思ったし。
魔術と人形兵器の隆盛目覚しい前世紀という時代設定、世界観も雰囲気出てて、新シリーズスタートの掴みとしては、これが最上の部類じゃないでしょうか。
ハート、鷲掴みにされましたし。これは、次回以降楽しみだ。
シャルも、これから檻から解き放たれた猛獣みたいに、ツンツンしながらデレデレしまくりそうだしw

幻想譚グリモアリス IV 罪と祈りとほほえみと4   

幻想譚グリモアリスIV  罪と祈りとほほえみと (富士見ファンタジア文庫 か 7-1-4)

【幻想譚グリモアリス IV 罪と祈りとほほえみと】 海冬レイジ/松竜 富士見ファンタジア文庫

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アイギスの書という、グリモアリスに真っ向から対抗できる力を手に入れたとはいえ、誓護の最大の武器はやっぱりその叡智なんだな。
何だかんだと言って、彼がアイギスの書をまともに使ったのって、キング・オドラと戦った時だけですしね。その時だって、書は彼が仕掛けた策に使われる道具でしかなかったですし。
とはいえ、使わないとはいえ、ただ所有しているだけで誓護は魔書を交渉の道具として、また抑止力として非常に有効に利用しているのである。この辺、彼は魔書をそのカタログスペック以上に使いこなしているとも言える。どんな攻撃も防ぐ絶対の楯たる魔書を、そもそも攻撃すらさせないように活用しているんだから、誓護という男の恐ろしさの一端が伺えるというものだ。彼と一線を交え、その後味方に加わったオドラやアネモネがただの人間である彼に一目置くのもわかるというものである。彼らは誓護が魔書の所有者だから一目置いてるんじゃないんですよね。
そういえば、アネモネはもう少し獅子身中の虫っぽく、味方ながらも油断ならない相手になるかと思ったんだけど。ほら、アコニットに執心している分、誓護に対して敵愾心をもっと見せると思ったんだ。あの侍女みたいに。とはいえ、さすがは一勢の長というべきか、私心で自軍を混乱させるような無様な真似はしないだけの十分な格の持ち主であるということがわかったし、意外とアコニットの味方としての誓護を高く評価してたんだな。でなければ、アコニットを騙す形で誓護の策にああも素直に協力することはなかっただろうし。
まあ、アネモネがあれだけ腹に一物持たずに積極的に協力してくれたのには、アコニットがアネモネに信頼しているという態度を見せたからなんだろうけど。アコニットも変わったよね。以前の彼女なら、アネモネみたいな相手は苦手意識を隠さず、拒絶していただろうに。もっと、狭い世界を維持するのに満足してしまっていただろうに。
その意味では、彼女は多くの人々を導く国主としての素養を身につけつつあるわけだ。
もっとも、そんな国主としての責任を放り出しても、誓護やいのりを助けに行こうとしちゃうのは、どうなんだろう(苦笑
個人的には、ちゃんとアネモネたちを説得しようとしているから、イイと思うんだけど。重鎮たちの間にも、誓護の存在が今後のためにもとてつもなく重いモノだという認識はあったわけだし。
まあ、それらも全部、誓護の掌の上だった、というあたりは凄味すら感じさせる。
とはいえ、彼の場合、その緻密かつ大胆な策の根底にあるのは、他者への信頼にあるところが、好感度高いんだよなあ。願望に寄るものではなく、その相手の人となりを信じるからこその、自分の身を危険にさらす大胆不敵な策謀の網。
そして、その綱渡りをよろめきながらも渡りきる、度胸の良さ。
やっぱり、大した男である。こういう男だからこそ、自然とみんな命をかけて彼を助けようとしてしまうんだろうね。その意味では、彼もまた十分人の上に立つ資質はあるんだろう。
いいじゃん、お似合いじゃないの、アコニットと二人。そろそろ、二人の間で友達友達言ってるのも限界来てるみたいだし。アネモネさんが、二人が口にしている関係と実際の感情の食い違いに気付いて、ちょっかいかけてきそうだしw

あと、興味深いのが、これまでただ守られるだけに終始していたいのりの変化だよなあ。今回の一件を通じて、彼女はある意味兄の庇護から抜け出し、兄を守り続ける意思を得たわけで……そのから彼女がこれまでの彼女からどう変わっていくのか。ちょっと注目してみていきたいところだ。

幻想譚グリモアリス 3.誓えその名が朽ちるまで4   

幻想譚グリモアリスIII  誓えその名が朽ちるまで (富士見ファンタジア文庫)

【幻想譚グリモアリス 3.誓えその名が朽ちるまで】 海冬レイジ/松竜 富士見ファンタジア文庫

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さて、そろそろいい加減に誓護くんとアコニットさんには、【友達】という関係性と現実の関係の齟齬について、じっくりとお答いただきたい頃なのですがッ。
いやもうね、この二人が【友達だ!】【友達なんだから!】と力強く宣言するたびに、猛烈な違和感が襲いかかってきて、もはやいろんなものを通り越して居たたまれなくすらなってくるんですよ。
二人とも、前から友達居なかったから友達というのが具体的にどういうものかって分からないのは仕方がないんだけどさ。いい加減気がつこうよ。二人のそれは友達じゃないって。

以前はそれでも、彼らの関係というのは誓護、アコニット、いのりの三人による殆ど閉じてしまっていた人間関係だったからこそ、二人のそれが特別な友達、という些細な錯誤を含んだ関係性を保っていたとしてもまあ良かったわけだけれど。そこにギシギシを始まりに、今や周辺にはどんどんと人が増えてきている。そこには本当の意味で【友達】と言える人間関係も出来上がってきているわけだ。
そうなってくると、未だに誓護、アコニットの二人が自分たちの関係を【友達】と言い張るのは猛烈な違和感を伴ってくる。出来ればその違和感を読者だけではなく、当人たちにも認識してほしい時期でもあるんですよねえ。
ラブコメ的にも。
まあ、二人の間に割って入ってくるような相手が今のところ出現しておらず、現状は控え目に言っても激動の最中。じっくりと自分たちの関係を見直している余裕などなく、二人でゆっくりいちゃつく暇もないという状況だから、【友達】のまま固定されちゃってるのも仕方ないといえば仕方無いのかもしれないけれど。でも、アコニットが完全にデレデレ状態のまま誓護べったりでありながら【友達】と言われて言って、それで満足しているのは、むずむずするなあ。本人、もう誓護にメロメロのベタ惚れなのはあからさまなくらいなんだから、そろそろ【友達】呼ばわりされて悶々とし出してほしいのが、現状の願望であります。

と、暢気なことも言ってられないのが現状でありまして。
いのりは攫われ、アコニットは先走った挙句に冥府で捕縛の憂き目に。せっかくオドラを味方に引き入れたのに、戦力はチリヂリに。
と、ここから誓護の孤軍奮闘がはじまるのですが、どうやら冥府は思ってた以上に動乱の気配を帯びてきた感がある。アコニットが叛乱者指定されたことで、逆にそれ以外の有力者たちが徐々に自分たちの野心やらをあらわにし出してるみたいな。でも、不穏な情勢だからこそ、アコニットたちからしたら有利なわけだ。平穏で強固な秩序のもとにある社会体制の下で叛乱者として追われるのだったら、ほとんど望みがないものねえ。
しかも、意外と冥府にも味方になってくれる<勢力>がいるみたいだし。これ、結構大きい要素ですよ。個人として味方になってくれるのではなく、小さかろうとちゃんとした<勢力>が味方として存在するなら、アコニットは無力な逃亡者ではなく、歴とした一個の反乱勢力として冥府に対抗できるようになるわけですから。
誓護がどれだけ冥府の状況を分かっていたかは怪しいところですけど、一気に彼の大言壮語が現実味を帯びてきた感があります。今回の戦いで、勢力図はまた一変したわけですし。

しかし、あれ。将軍の過去回想に出てくる少女って、最初アコニットなのかと誤解してましたけど、結局元の主人の方だったのね。でもそれだと、将軍はだいぶ無茶な賭けをしたんだなあ。助言をくれた相手をよほど信用してないと、ああいう行動には出れないですよ。一歩間違えれば、恩人を殺すことになったわけですから。

キングはやっぱり、すげえ。この人が味方になったのは、ほんとにめちゃくちゃ大きい要素なんじゃないだろうか。もう、本来ならラスボスとして登場してもおかしくないんじゃないのかと思わんばかりのハチャメチャな強さ。頼もしいったらありゃしない。


と、次は再び冥府から現代に戻っての、謀略戦になりそうな予感。この物語の一番初めの大問題が浮き上がってきて、アコニットの正統性にも話が及んだ以上、ここは誓護の口八丁が試されることになりそう。期待。

幻想譚グリモアリス 供\蕕僚辰吼ゆるとも4   

幻想譚グリモアリスII  千の獣が吼ゆるとも (富士見ファンタジア文庫 か 7-1-2)

【幻想譚グリモアリス 供\蕕僚辰吼ゆるとも】 海冬レイジ/松竜 富士見ファンタジア文庫

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おお、あははは、すげえすげえ。アコニット、髪の色茶色に染めて、カラコン入れて、制服着たらちゃんと普通の女子高生に見えるじゃないですか。
というか、あんまりにも普通すぎて笑えたw 髪の色とか変えるだけで、ここまで雰囲気変わるんだ。

「この私と、恋仲になろうってこと?」
「何て無礼な人間なの。この私を呼びつけておいて、そんなことを、軽々しく口にするなんて……。誓護でもないくせに……」
「せ、誓護だってだめよ。何を言ってるの」


もうそんなに好き好きですか、はいはい御馳走様(笑
この娘の居丈高さや貴族としての気位の高さ、他人に傅かれるを当然とする性格は、もはや脱ぎ去る事のできない彼女の本性そのものであることは間違いないんですよね。多分、彼女の立場や感情がどう転がっていっても、ここは変わることがない。ただ、同時に彼女の本質はと言えば、誓護が言っているように(ちゃんと気付いているあたりが心憎い主人公なんだが)、気が弱くて臆病で心優しい、その力とは裏腹のか弱い女の子に過ぎないわけです。
アコニットの魅力は、その極端ともいえる両方の性質がお互い反発し合わずに同居しているところなんでしょう。ある意味、仕えるにこれほど甲斐のある、守るのにこれほど意義を感じる姫君も珍しい。
だからこそ、彼女の守護者となるキャラクターたちの男性率が高いのかもw

ミステリー文庫からファンタジアに移ったことで、作品の内容もググッと変わってどうなることかと思いましたけど、異能の力を手に入れたとはいえ、誓護の武器はやはり閃きと策略。その大胆不敵な二重三重に張り巡らされた知略と、それを次々に見切りながらむしろ真っ向から突き破っていく今回の敵・オドラの攻防は見応えあったなあ。
しかも、叛逆者として冥府を追われ、刺客を差し向けられ続ける追い詰められたアコニットを救うために、誓護が導きだした起死回生の策。こう、状況に流されるんじゃなく、自分から飛び込んで目の前の敵ではなく状況そのものをひっくり返す手を自ら導きだし、全体を巻き込んで動かそうとする能動的な主人公って、けっこう珍しいかも。その動機が野心でも好奇心でもなく、単純にアコニットを助けるため、というのが騎士さまらしくてカッコいいじゃないですか。いや、彼騎士でもなんでもないんですけどね。
普通、そこまで入れ込む相手に対する感情を、友情と言い切る神経がわかんないですけどw
なんか<友情>の部分だけ単語間違えているとしか思えないんですけどね。その単語部分以外の全部が、恋情を指し示しているだけにw

ただ、その局所的な鈍感さを省くなら、知勇を兼備し義に篤く大胆不敵で常道にとらわれないその性格、大変魅力的なのは間違いなく。軋軋や、今回のキングの変転もまた、アコニットだけではなく誓護の人物に惹かれて、と言うところは大いにあるはず。実際、キングはアコニットだけではなく誓護の名も上げて、その命運を託すと言い切りましたし。
同じ男にも魅力的と映る、イイ男なんですよね。そりゃ、アコニットもメロメロに惚れるわ。
……メロメロに惚れてますよね?


と、アコニットの置かれた立場に対して、逆転の手を打ちつつある誓護ですが、その思惑を超えて、大変な展開が。
鈴蘭、一番急所を攻めてきたなあ。これは次回、色々ときわどい展開が待っているのかも。
 
12月6日

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12月5日

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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJコミックス)
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(HJコミックス)
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11月30日

(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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11月29日

(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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(ファミ通文庫)
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(エンターブレイン)
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11月28日

(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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11月27日

(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(アクションコミックス)
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11月26日

(エンターブレイン)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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11月25日

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(ガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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