徒然雑記

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漫画

魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青 1・2 ★★★★  



【魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青 1】  ツクモイスオ/三田誠 BLADEコミックス

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これは、世界に色彩をもたらす為の物語。

舞台は仏国、巴里。
孤児であり外国人である少年・青の元に現れたのは、“影の茨"と並び立つ力を持つヒト為らざる魔法使い。
その身に秘めた力を見初められ、『妻』として娶られた少年は、世界における様々な色を識ってゆく――。




【魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青 2】  ツクモイスオ/三田誠 BLADEコミックス

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色を従え、色を揮え。全ては、私を殺す為に。

突然娶られ、地上での生活が始まり混乱する青。
しかし、ジゼルに助けられながら自らの力を理解していく中で、
意志の力が芽吹き始める。自身の名を冠する色を配下に置き、
人として生き始めた中で青は、不思議な男・アルベールに出会う。
飄々とした態度で人助けを行う彼に好感を持つ青であったが――……。

ヤマザキコレ先生の【魔法使いの嫁】と同じ世界観の中で描かれるもう一つの物語。そのスピンオフは人外×少年。その脚本を手掛けるのは【レンタルマギカ】や【ロード・エルメロイII世の事件簿】という魔術師たちの物語を描き続ける三田誠さん、とくればまず読まずにはいられません。
三田さんというと、古今の魔術大系を描かせればその深奥を垣間見せ、魔に魅入られ傾倒する魔術師という人種の異質さを見せつけてくれる作家さんであると同時に、そんな人からハズレていくはずの魔術師という人々のどうしようもないくらい人らしさ、どれほど踏み外しても彼らは心を持つ人間である、という人間性をこの上なく描き出してくれる人なんですよね。

魔法使いの嫁、の世界においても魔術師は人から外れるほどに誉れとされる。姿形が異形と化すことこそが尊ばれる。そしてそもそも生まれからして人ならざる人外たちは、魔の深奥に佇む尊き存在だ。そんな人外の魔法使い、ジゼルと巡り合い望まれ夫となった孤児のアオ。本来魔術的契約に過ぎない結婚の儀式によって結ばれた二人は、しかし少年アオの純粋さゆえに人と人として、向き合うことになっていく。人ならざる者であるはずのジゼルが、アオの直向きなまっすぐさにただ一人の人としての自分を突きつけられていくのである。
アオくん、かなりしんどい幼少期を送ってきて、さらに異邦人の孤児として疎まれ虐げられてきたにも関わらず、どうしてこうまで裏表なく素直で淀みなく育ったのか不思議なくらいイイ子なんですよね。
でも、それはどこか没頭の狂気が根底にあるような、画家としてのそれも資質か。真っ白なキャンバスに色を塗り込める絵師の自身に色があってはならぬ、と言わんばかりのフラットさ。
でも他人の心を受け止め絵にできる豊かな感受性もあり、決して空虚ではない。その直向きさは、一生懸命さは空っぽとは真逆ですらある。
そんな彼が、本当に裏表なくジゼルの姿形も生き方もあり方も、素直に褒めるんですよね。彼女のことを綺麗だと言ってはばからない。心から美しいと思って、それを言葉にすることをためらわない。だって彼にとってそれは自明のことだから。
でも、ジゼルからするとそれってかなりの殺し文句なもんだから、ひっきりなしにグサグサとクリティカルに刺さってしまう。惹かれてしまう、心を縫い留められてしまう。かなり早い段階で、アオに対して夢中になってますよね、この魔法使い。でも自覚はないんだろうなあ、どうにも彼女はずっと終わることばかりを考えて生きてきたようだから。
本作は人外×少年という以前に年上の女性と幼気な少年という構図にもなっているものだから、そういう年の差関係特有のあれこれがあるかと思っていたんですよね。ほら、お姉さんキャラが小さな男の子をからかって少年の方が顔を赤くしながらお姉さんの自由さに振り回されてしまうみたいな。
でも実際は逆だ、逆じゃないですか。ジゼルの方が余裕ぶった姉めいた振る舞いでアオを翻弄するのかと思ったら、むしろアオの方がジゼルを翻弄しているのである。
アオのその本質を見る目で捉えたものを率直に口にするところが炸裂してしまっていて、概ねジゼルのことをナチュラルに褒め口説く様相になってるんですよね。アオは思ってることを口にしているだけで口説いてるつもりなんか毛頭ないんだろうけれど、完全にこれ口説いてますって。
おかげでジゼルの方が照れ照れして狼狽しているわけです。威厳を保とうとしながら顔を赤らめているところなど、微笑ましい限りで。そういうところ、普通に可愛らしい女の人、になってるんですよね。
こういう繊細な表情を、しっかり描いてくれている漫画家さんがまた素晴らしい。明らかに人外の容姿、そもそも顔の作りからして獣のそれで人間の女性の美人とは程遠い造作にも関わらず、ジゼルって確かにすっごい美人だと感じるんですよ。めちゃくちゃキレイな女の人、となんでかひと目で見てわかる。
それにパンツルックはやたらとシュッとしてカッコいいし、中華服なんかこれはこれでやたらと色気とスタイリッシュさがあってカッコいい美人になってるし。
アクションもメリハリあって動きが力強く、面白い。これは良い絵師さんとのコンビによるスピンオフになったなあ。

欧州は巴里を舞台とした物語ではあるものの、巴里にある魔術師たちの共同体はルーン魔術の騎士団、エジプト魔術のウジャト図書館、そして中華に源流がある四象會という組織によって形成されている。これだけ多種多様の魔術大系が話に中枢を担っているのは、さすが三田さんというべきで、物語としてもそれぞれの魔術大系がしっかりと存在感を示していて、見える景色が多彩ですごく面白いんですよね。
ジゼルとアオの夫婦という関係にも、アルベールというジゼルの前の弟子にして妻だった男の登場によってグイグイと踏み込むきっかけが出てきましたし、これは本編の【魔法使いの嫁】に負けず劣らず惹かれるシリーズになりそうです。

SPY×FAMILY 1 ★★★★☆   



【SPY×FAMILY 1】  遠藤 達哉 ジャンプコミックス

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名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った“娘”は心を読む超能力者! “妻”は暗殺者で!? 互いに正体を隠した仮初め家族が、受験と世界の危機に立ち向かう痛快ホームコメディ!!

話題の、と言うには随分と周回遅れになってしまっているけれど、人気漫画の一巻を読んだのですが、これは評判になるだけありますわー。めちゃくちゃおもしろかった。一巻だけでこのメリハリと充実っぷりは瞠目に値する。
てっきり、最初から家族を形成していて、でも家族間で仕事の内容とか能力を持っているとか秘密にしている、という話だと思ってたんですよね。古くからあるスパイ家族ものって映画とかでもそういう展開が多かったですから。
でも、本作は最初は見ず知らずの他人から。若き精鋭スパイの黄昏が任務のために家族という設定を、子供が必要になったために孤児院から適当に頭の良さそうな子を見繕うところからはじまるのである。
最初は冷徹な打算によってはじまった家族関係。これの面白いところは、唯一小さな幼女のアーニャだけが、そのエスパーとしての能力の一つ、読心で父の正体もあとで母となる人の仕事も知っている、というところでしょう。彼女だけが家族のすべてを把握していて、でも黙っている。
この子も最初は打算なんですよね。もう捨てられないように、独りになりたくないから、読心で相手の心を読んで父の意に沿おうと、気に入られようと頑張るのである。
でもアーニャって健気、というふうでもなくわりとたくましいというか、楽観的というか。幼いがゆえにいつまでも深刻になっていられないのでしょうか。ついつい遊んでしまうところが微笑ましく、でも読心できるからこそ父となった人、母となった人の心の内側をみて、どんどん大好きになっていくんですよね。
父黄昏も、最初は任務のためと割り切って付き合うつもりだったアーニャにいつの間にか心を傾けてしまっている。元々、スパイとして心を押し殺して普通の幸せなど背を向けて生きてきた彼だけれど、彼がどうしてこの業界に入ったかといえば、その境遇故に世界に平和をもたらすため。理不尽に泣いている子供がいなくなる世界を作りたいから、という夢が根底にあるからなのである。
彼の初心は、正義のスパイ、だったのですから。
アーニャをして「かっこいいうそつき」と言わしめるカッコいいお父さん。
任務のためと子供を切り捨てるのではなく、任務に支障をきたしてもアーニャのために理不尽を切って捨てる、その姿勢はどう見たって愛する娘のために怒るパパなんですよね。
そして、母役を演じることになるヨル。職業、暗殺者。
スパイ家族ものとしては、母親役はこれはこれで食わせ者か駆け引き上手の曲者になるかと思ってたのですが、このヨルという女性はむしろピュア、純真で世渡りベタという感じなんですよね。本当の家族、弟にも自分の仕事は隠していて、ただ人付き合いは不器用の一言。殺しの技だけが冴え渡っている、という風で黄昏と仮初の夫婦となるのも、偽装結婚が弟や周りの人間に色々と隠すのに都合が良かったから、で打算であるわけです。お互いに利益があるから。
でも、お互いの事情も正体も知らないながらも、この人となら助け合える、この人なら受け入れてくれる、という信頼が芽生えたからこその、偽装結婚プロポーズだったんですよね。
ただ利益のため、というには黄昏の行動はかっこよすぎたし、ヨルへの思いやりに溢れすぎていて、ある種心が停滞している風でもあるヨルの感情にも響くほど。
そうしてはじまった疑似家族。嘘と都合と打算にまみれた家族だけれど、でもそこには確かに絆が生まれている。名門イーデン校の受験で見せた、アーニャの今の父と母と一緒にいたい、という願いと、幼いアーニャを侮辱する面接官の一人に見せた黄昏・ロイドとヨルの娘を泣かせた相手への本気の怒りは、父と母というにはまだ何も始まっていない関係かもしれないけれど、でも間違いなく自分の家族を侮辱されたものの怒りだったのでした。
細かいコメディの軽快なテンポや思惑が交錯する心情描写、そしてスピーディーなアクションと、色んな意味で縦横無尽。うーん、これは本当に面白かった。早速続きを入手して読んでいきたいと思います。


見える子ちゃん 1 ★★★★   



【見える子ちゃん 1】 泉 朝樹 MFC

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異形な“ヤバいやつ”との遭遇を全てシカトで凌ぐ。新感覚ホラーコメディ!

ある日突然、普通の人には見えない異形な存在が見えるようになってしまった「みこ」。彼女は彼らから逃げるでもなく、立ち向かうでもなく…精一杯シカトしつづける事に。怖いようで怖くない、新感覚ホラーコメディ!

こちらから見えるということは、向こうからも見えるということ。
見えていると気づかれたら、果たしてどうなってしまうのか。
以前からウェブ連載の方は読んでいたのだけれど、アニメ化ということで改めて単行本を手にとってみました。
あらすじにある通り、ある時から他の人には見えていない異形、霊の姿が見えるようになってしまった「みこ」。その異形たちは、亡霊なのか何なのか。人に気づかれないまま、でも人にまとわりつくように彷徨っているのである。中にはなんか全然違うのもいるけれど。
でもその多くが、見えていると気づくと近寄ってくるんですね。見えてる?見えてる?とつぶやきながら。

本作のとびきり素晴らしいところは、やはりその亡霊たちのデザインでしょう。もう見るからにヤバい。グロテスクでおどろおどろしく、たとえ人の形をしていても人の理性を欠片も残していないのがひと目で見て取れるヤバさ。気色悪いし怖いし人を冒涜してるような有様だし。とにかく、とてもじゃないけど意思の疎通が図れるわけがない見てくれなんですね。コミュニケーションなんて以ての外。
そんな見ただけで絶対に悲鳴を上げるか白目剥きそうな化け物が目の前に突然現れても、声一つあげないのがこの子「みこ」なのである。
怖がっていないわけじゃない。そりゃもう、漏らしそうなほどビビり倒して内心半泣きになっているにも関わらず、そうした心のパニックを押し殺して見えてないふり、素知らぬふりを貫き通すのである。思わず反応してしまったときも、まるで別のことに反応したかのように独り言をつぶやいてみたり、目にゴミが入ったかのような仕草でごまかしたり、とたゆまぬ努力でスルーしつづける。
そんな少女の必死な、必死過ぎる……ある意味、一つ間違えれば死ぬよりヤバいことになりそうなシチュエーションなだけに、必死を通り越してもう決死の思いでのシカトっぷりを堪能するのが、本作なのである。なるほどホラーコメディだ。
いやもう絶対怖いって。まだ遠くから見えていて心構えが出来てるならマシだけれど、ロッカーあけたらいきなり中に居たり、振り返ったら鼻触れ合いそうなところにそびえ立ってたりとか、相手が亡霊とか怨霊じゃなくても声上げるわ! ビビるわ! それをこの子は、声一つあげずに耐えきるのだから、すげえメンタルである。
外で歩いている時だけならまだしも、学校の中や風呂入っている途中、挙げ句に自分の部屋の中にまで脈絡なく現れるのだから、頭おかしくなりそうなのに。
耐える、耐える、耐える。耐えてスルー、耐えてシカト。誤魔化し下手な演技も交えながらなんとかやり過ごす。ほんま、ようやっとる!

いや、あまりにも見事に耐えきるものだから、てっきり幼い頃からこういう異形が見えていて、耐性が出来ているのだと最初読みだしたときは思ってたんですよ。ところが、実際は見えるようになったのはごく最近。霊感があるわけじゃなく、こんな化け物なんて今まで見たことも気配を感じたこともなかったにも関わらず、よくまあ見ないふり、知らんぷりなんて、何気に難易度高い対処法を選んで貫き通しているものである。
考えても見てくださいよ。夜寝ている時に、なにか変な気配がしたら……見るじゃん。確認するでしょう。なにか居るのに、見ないふりなんて出来ない。絶対見る。見ても怖いけど、見ないほうがもっと怖いもの。
そう考えると、怖がりながらビビリながらもなお意思を貫き通せるこの子は繰り返しになりますが、メンタルすげえです。

アニメの方はまだ見ていないのですが、これはもうあの化け物たちのデザイン次第だろうなあ。ちょっとでもマイルドになってしまってたら、全然面白さも違ってきてしまうんじゃないだろうか。

猫の話や、お父さんの話などちょっとほんわかしたり、切なさを抱いたりという話もあって、普段の当たり前の生活の中にも死というのはいろんな形で寄り添っているんだなあ、というのがふわりと伝わるエピソードでありました。
でも、亡霊同士共食いしてたりとか、あれ死んだ霊にとってはこの世相当ヤバいところなんじゃないだろうか。早く成仏してあの世にいった方がいいんじゃないだろうか。あの世とかあるのか、成仏なんて概念あるのかすら定かではないけれど。

ウマ娘 シンデレラグレイ 4 ★★★★☆   



【ウマ娘 シンデレラグレイ 4】   久住 太陽/杉浦理史 ヤングジャンプコミックス

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誰もが夢として掲げ憧れる、日本ダービーがいよいよ開幕! 果たしてオグリキャップの運命は……。波乱の中央編入篇もクライマックスへ!! そして日々成長し続ける彼女に近づく、中央“最強”の白い稲妻の正体とは――…?

表紙はチヨちゃん、ダービー馬サクラチヨノオーである。目から迸る気合の欠片が炎ではなく桜の花びら、というのがまたイイなあ。
前巻で嘆願叶って日本ダービーに出走叶ったように見えたオグリキャップ。え? マジで? 歴史変わったの? 正史から違うルートに入ったの? 本来のダービーウマ娘となるチヨちゃんはどうなるの?
と心配してしまいましたが、案の定というべきかミスリードでした。オグリキャップが走っていたのはダービーと同じ東京レース場の、しかしダービーから一週間後のニュージーランドトロフィー4歳ステークス。はじめてのG2を7馬身ちぎって勝ったオグリでしたが、ダービーは規定通り出走ならず。
だが、この件をきっかけにURAはルールの改定を約束。その際に、後年このルール改定によってクラシックに参加できることになるウマ娘のシルエットを差し込んでくれるのは心憎い演出でした。
オグリたちの活動は決して無駄ではなかったのだ。

チヨノオーは、ダービーが一世一代の勝利となってしまうんでしたね。レースの描写でも、自分の限界を振り絞って掴み取った栄光のように描かれているけれど、まさにチヨノオーのすべてを振り絞り、残り滓も残らないほどに絞りきってしまったレースになってしまったのかもしれません。
チヨちゃん、勝負服も素敵なんだよなあ。
そう言えば、この回でオグリだけ勝負服ではなく、体操服というのはオグリが走っていたのはG1じゃなかったという証左だったのか。

そして、焦点は古馬戦線に。
そこは、錚々たる戦歴を誇るウマ娘たちが集った魔物の巣窟。
しかし今、その魔境を席巻する一人のウマ娘が居る。覚醒を迎え、怒涛の連勝街道をひた走りするそのウマ娘の名はタマモクロス。
強烈な個性を誇る古馬たちをなぎ倒しての圧勝劇は、今のタマモクロスがまさに現役最強であることを証明するかのようなレースなんですよね。
宝塚記念でアキツテイオーを差し切るタマちゃんの、その姿すらも映さぬ迅雷の末脚のシーンは、擬音の震え方といいイカヅチの軌跡といい、ぶっちぎりの速さを表現しまくっていて、震えた。
それはオグリキャップがはじめて遭遇する「本物」。
怪物と呼ばれ始めた彼女がはじめてぶち当たる壁であり、巡り合った最強。
この漫画のタマモクロス、カッコ良すぎる。

ついに自分の実力を試されるような相手との対決の予感に震えるオグリに、元気をくれるのが。ダービーを走れなくて目標を見失いかけていたオグリに征くべき頂点を指し示すのがカサマツのかつての戦友、というのはまたイイ演出なんですよね。マーチ、なんか故郷に残った親友みたいなポディションになっちゃって。離れても舞台は異なってしまっても、オグリにとってマーチは今でも最初のライバルのまま、というのがまたいいんですよねえ。

さて、クラシックを走れないオグリは他の同世代のウマ娘たちよりひと足早く、先輩たちのいるシニア路線へと殴り込むことになる。
待ち受ける先輩ウマ娘たちも、また個性的でカッコいいんですよね。
アキツテイオー(ニッポーテイオー)なんか、トウカイテイオーが現れるまで彼女こそが「帝王」と呼ばれた存在だったんですよね。クラシックこそ縁がなかったものの、G1三勝のマイルの帝王。デザインが、またメチャクチャカッコいいんだよなあ。
そして、こちらは正式にプリティーダービーへの参戦が表明されているシリウスシンボリ。うわー、こんな人なのかー。自由人にしてある種空気の読めない唯我独尊のお姉さん。
ダイナムヒロインは、初代お嬢様という感じでキングヘイローとかの先達という感じですなあ。その真名はダイナアクトレス。当時まだG兇任靴燭韻譴疋好廛螢鵐拭璽Sを勝っていて、G1も2着3着が幾つもある牡馬と正面から渡り合った名牝です。初仔のステージチャンプは、BNWと同期で菊花賞ではビワハヤヒデの2着。その後もG1こそ勝てなかったもののG1戦線、特にステイヤーとして活躍した馬でした。
ロングリヴフリーは「ランニングフリー」。ロードロイヤルは「レジェンドテイオー」。
マッシヴバイキングは「ボールドノースマン」が元馬の模様。
ランニングフリーは産駒に弥生賞馬のランニングゲイルがいるんですよね。この馬が弥生賞を勝った時は夢を見たんだよなあ。サンデーサイレンス旋風が吹き荒れる中での、産駒が数頭という零細血統から現れた内国産馬の星として。

しかし、そんなG1級の古馬ウマ娘たちを毎日王冠で蹴散らし、ついにオグリはG1の舞台に立つ。
天皇賞・秋 東京レース場芝2000メートル。
そこで、はじめて二人の芦毛は激突する。
意外なことに、オグリキャップはここで勝負服を初めて着るんですよね。カサマツではボロいジャージ。中央に転籍したあともずっと体操服姿だったもので馴染んじゃっていたけれど、だからこそあのセーラー服をモチーフにした勝負服は映えるなあ。
それ以上に、足元……靴がごっついくらいのブーツを履いているのがちょっと感慨深かった。最初、ボロボロで底が敗れたレース用ですらスニーカーを履いていたのにねえ。

現役最強年内無敗G1連勝中のタマモクロスとの初対決。滾って燃えてきたところで次回へ続くッ。
いや、このイイ場面で次回ですかーー! これはもどかしいっ!


Landreaall 37 ★★★★☆   



【Landreaall 37】  おがき ちか ZERO-SUMコミックス

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騎士団の大哨戒中、地下ダンジョンで遭難したDXたち。
危険種モンスターの夜嵐蟻を利用して上層を目指すが…
兄を救出すべくダンジョンへ入ったイオンが女王蟻に襲われているところに遭遇――!?

大人気王道ファンタジー『Landreaall』、奮戦の37巻!

これ、37巻の表紙のDXって特装版の表紙のイオンと対になってるんですよね。



36巻の巻末でイオンが女王蟻に襲われるところに遭遇したDX。だけど、イオンを知る者としてはあのイオンが易易と女王蟻に捕まっているというのは違和感ありありではありました。まず六甲もついているだろうし、DXたちみたいに消耗もしていないはずのあの走っこいイオンが、てねえ。
案の定、この巻のはじまりは時間を少し巻き戻してイオンたちが水中階層を突破して蟻たちがいるフィールドに到達するシーンからはじまるわけですが……。
ほんと、おがきさんって人ではない存在が持つその種独特の、それでいて生きとし生けるものに共通する「情」の描き方が図抜けているよなあ。
特に今回の夜嵐蟻は昆虫種のモンスター。昆虫ってのはどうしても異質感がつきまとって生物の持つ感情とか心とかを感じない種なんですよね。
実際、ここまで夜嵐蟻のコロニーと遭遇したDXたちのシーンでは、蟻たちからは無機質さを多分に感じるばかりで意思の疎通とか端から考えもしなかったのに。
イオンと遭遇した女王蟻が示したものは、異質かもしれないけれど確かに心でした。生きるものなら共感せずにはいられない、生命を繋ぐという行為であり、それを見ず知らずの異種であるイオンに託送という必死さ、懸命さ。
あのシーン、イオンを捕まえていたんじゃなかったんですね。昆虫種にあんな切なる心を感じたのは風の谷のナウシカの王蟲以来かもしれない。

そんなイオンを見て、襲われていると誤解したDXの……暴走。
うわー、いつも客観的な視点を忘れずに感情的になっても冷静な部分を喪わないDXが唯一、プッツンしちゃうのは妹のイオンが絡んだ時だけど、いやはやここまで致命的な場面で致命的なやらかしをしてしまったのは初めてじゃなかろうか。ぶっちゃけ、今までプッツン来てもリカバリーできる範囲でトドメてたしなあ。流石に、イオンの生命が掛かってるような場面に遭遇したのは初めてだったわけだし、長きにわたるダンジョン遭難で疲弊していた、というのもあるんだろうけれど。
DXが自分で「やっちまった」というくらいだもんなあ。

やっと合流か、というところで再びダンジョンの奥に飛ばされてしまったDX。一方、六甲の尽力で脱出できたイオンだけど……この二人がここまでボロボロになってるのは初めて見た。ほんとギリギリだったのが良く分かる。イオンも流石にここまでの修羅場くぐったのはなかったもんなあ。スピンドル事件の時はイオン個人はまだ余裕あったし。
しかし、イオンと六甲が崩落から逃げ込んだジェム鉱……下半身の装備が遺されてるって、これ!! なんか朧気に覚えがあるなあ、と思って他の方の感想見て回ったら……10巻の巻末漫画プチリオールでライナスがえらいことになった所だったのかー!!ww
ちょっ、イオンたち持ち帰ったのかめっちゃ気になるんですけど、下半身装備とライナスのベイビーたちw
今ならまだ無料期間中なんで、件のプチリオール読めるので、よろしければライナスくんの恥ずかしい過去をご覧いただければ、と。10巻ですよー。


そして、DXたちはここまで登ってきたにも関わらず、一転ダンジョンの底へ。って、絶望的じゃないかー。そこで待っていたのは、転移に巻き込まれた将軍蟻と……ダンジョンの最初の種(オリジンモンスター)。
最初、意識を取り戻したところでお互いボロボロながら激突していたDXと将軍蟻が、強烈な気配に咄嗟に交錯するお互いの攻撃を止めて、バッと一人と一匹で振り返るシーン、かっこよかったー。
命をつなぐためにまさに生命を賭けた女王蟻とはまた別に、戦士として戦う将軍蟻がまたこれカッコいいのよ。オリジンモンスターの出現に、DXと共闘するところも含めて意思疎通できないのに戦うモノとして相通じるものがあった所とか、いいんですよねえ。こういうの、ただの昆虫種では決して見られない反応だし。この世界観のモンスターってほんと好きだわ。
そしてオリジンモンスター。いわゆるダンジョンボス、に当るのだろうか。なんか、不定形とまでは言わないけれど、どこか輪郭が曖昧で定まっていない、それでいて竜のようにも見えて頭が三つある多頭にも見え、得体のしれなさが半端ない。
こんな強敵を前に、DXたちは長きにわたる遭難で本当に限界をもう超えそうになってるのが、戦闘シーンの端々から伺えて、ハラハラなんてもんじゃないのですが、スピード感あふれるアクションの連続にじっくり絶望感に浸っている暇もなく、怒涛の展開のまま次回へ……って、次回へぇぇ!! ここで次回へ持ち越しですかー!? いやーッ、なんて焦らしプレイッ。


ウマ娘 シンデレラグレイ 3 ★★★★   



【ウマ娘 シンデレラグレイ 3】   久住 太陽/杉浦理史 ヤングジャンプコミックス

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いよいよ舞台はカサマツから中央へ。慣れない地と新たな出会い、伝説への一歩を踏み出すためにもここで多くを学ぶ――…。そんな中、早くもアクシデントが発生!? 果たしてオグリキャップはこの試練を乗り越えられるのか…!?


表紙は皇帝シンボリルドルフ。どこかで三冠ウマ娘ならぬ三巻ウマ娘シンボリルドルフとか書かれててクスっとなりました。ルドルフ会長より上手い。

さて、中央に移籍したオグリはそこで同世代のライバルとなるウマ娘たちと顔を合わせることになる。
その前に、たずなさんと出会った際にオグリが妙な反応をしているのは、やはりたずなさんウマ娘説に準じたものなんだろうか。

ともあれ、オグリの同級生たちとの初対面。って、ディクタストライカーって誰だよ!? とはならずにすぐに「サッカーボーイ」だろ、こいつ! とわかってしまう不思議。
まあサッカーボーイは父親がディクタスというのもあるのですが。ってか、サッカーボーイってもっと前の世代と思っていたのですが、オグリと同世代だったのか、知らんかった。加えて、社台のウマだったというのも知らんかったー。サッカーボーイって、栗毛の映えるすげえカッコいいウマなんですよねえ。ウマ娘の彼女のデザインもイカしているだけに、変名での登場だけというのは勿体ないよなあ。
オグリ世代のレースはリアルでは見ていないのですが、この中ではヤエノムテキが小さい頃は好きだったんですよね、なんでなんだろう、よく覚えてないんですよ。ただ、オグリ世代のクラシックはほんと全然知らなくて、メジロアルダンもサクラチヨノオーも記憶には残ってなかったのです。だからヤエノムテキの印象が残っているのは、天皇賞秋のものなのかなあ。
まさか、武道少女となって出てくるとは思いませんでしたが。
それ以上に、サクラチヨノオーが勝負服一番イイですよね、これ。桜一族に求めていた勝負服イメージそのままですわー。
ちなみに、この教室に居る面々はクラシックに参戦したメンバーで揃えているらしくて、晩成で戦績振るわなかったりデビュー遅かったり、といった面々は居ないっぽいんですよね。バンブーメモリーなんかもオグリと同世代のはずなのですが。
あと、ちなみにダイユウサク。あの有馬記念でメジロマックイーン相手に大金星をあげたダイユウサク。アニメで妙なオーラを発していたあのダイユウサクも、オグリと同世代だったんですって! 知らんかった!
ダイユウサクが重賞戦線で台頭してくるのは、ほんとオグリが引退したあとの年からなので、このシンデレラグレイではなかなか絡みはなさそう。一度だけ一緒のレースを走っているのでもしかしたらダイユウサクことウマ娘ではダイサンゲンちゃんか、漫画でも登場するかも。

さて、せっかく中央に転籍したものの、北原と共に目指した東海ダービーの代わりに取るつもりだった日本ダービーは、クラシックレースに参戦するための事前登録を行っていなかったために、オグリキャップには参加資格がない、ということに。
これをなんとか特例で参加させてもらえないか、と頼みにいったのがトレセン学園の生徒会長であるシンボリルドルフだったのだけれど。
そりゃ、地方からやってきてまだ何も成していないポッと出のウマ娘が、その世代の頂点を決める最高峰のレースである日本ダービーに出させてよ、とか言ってきてもそりゃふざけるな、って話ですよね。何千というウマ娘たちが一生に一度、望んでも頑張っても手が届かない、僅か18人しか……って、この当時は24頭まで枠あったのか。ともかく、参加資格をもぎ取った二十余人しか参戦出来ないレースにちょっと出させてよ、なんて言ってこられたら温厚な皇帝陛下でも「無礼るなよ」と凄むのも仕方ない。ダービーの価値を誰よりもわかっている一人でもあるのだから。
でも、そんな威圧に一切動じることなく、ガンつけながら実力で、この脚で覆す。常識もルールも。
そう言ってのけるオグリの目に宿るのは、狂気か覇気か。
いつも天然でぽややんとして穏やかなオグリだけれど、レースに関することでは時折、このように豹変する。凄味を、鬼を、その奥に宿している。

そして、次々と中央の強豪ウマ娘たちを有言実行、その脚で薙ぎ払っていくオグリ。そこにはクラシック候補たちの姿も。毎日杯では、最有力の一人だったヤエノムテキをすら、彼女が完璧なレースをしたにも関わらず、完膚なきまでに圧倒する。
そして、そのヤエノムテキがクラシックの一冠目である皐月賞を勝利したとき、世論は沸騰する。ヤエノムテキに買ったオグリがなぜ、クラシックに参加できないのだ、と。

当時、史実でもオグリキャップがクラシックに参戦できなかった件は大いに問題となって持ち上がった。後年、ルールが変更されクラシック登録していなくても、追加登録費を払えば参戦できるようになったのはこのときのオグリ問題が引き金になっている。このルール変更で救済され、実際にクラシックレースを取った馬は決して少なくない。テイエムオペラオーやキタサンブラック、ヒシミラクルやトーホウジャッカルといった面々がそうだ。
とはいえ、史実では急遽のルール変更は結局認められなかった。実際問題、一頭の馬のために制度を捻じ曲げるというのは難しいだろう。
ただ、このウマ娘の世界では正史の競走馬の世界と違い、金の問題が絡まないウマ娘という少女たちの純粋なスポーツ精神に基づく競技の話になってくる。一人の少女が実力を示しているにも関わらず、既存の制度のために公平な機会を与えられない、という事態は柔軟な対応を求められてもいい案件だと思うんですよね。
世論の後押しもあり、ルドルフ会長もスター不在のウマ娘界を憂いていたこともあり、またオグリが実績を示したが故に、この件に関しては積極的に動いてくれることになる。
実際の所、史実では走れなかった以上、結局オグリはクラシックとは縁がないまま、と思ったんですが……え!? 走れるの!?
これはちょっと予想外の展開だぞ!? チヨちゃんどうなるの!?

ウマ娘 シンデレラグレイ 2 ★★★★  



【ウマ娘 シンデレラグレイ 2】   久住 太陽/杉浦理史 ヤングジャンプコミックス

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“ジュニアクラウン”に出走するオグリキャップ。ライバル・フジマサマーチへのリベンジに燃える彼女だが…!? そしてその才能に迫る大きな影…。それは伝説へと続く第一歩──。カサマツ編クライマックス!!


オグリに負ける悔しさ、走る楽しさを教えてくれたはじめてのライバル・フジマサマーチ。彼女との再戦でついにマーチに土をつけたオグリは、彼女と「東海ダービー」での決着を誓い合う。
東海ダービー、それはカサマツで走る全てのウマ娘たちの夢の舞台、そしてオグリに走ることのすべてを教えてくれた北原トレーナーの夢の到達点。そして、オグリキャップがそんなトレーナーの夢を叶えると思い定めた夢の先。

みんなの夢だった。

だが、中央のウマ娘たちが走るレース場でもある中京レース場で行われたレースに出走し、見事な勝利を収めたことで、彼女は「カサマツ」という世界から逸脱し始める。

いつしか、オグリキャップというウマ娘は、「カサマツ」という世界では収まらない巨大な存在になろうとしていたのだ。

【芦毛の怪物】、そう呼ばれることになる彼女にとって、「カサマツ」はあまりにも小さすぎた。戦友たちが望もうと、カサマツに集うファンたちが望もうと、トレーナーが望もうと、そしてオグリ当人が望もうと。

中央からの、転籍依頼。カサマツから中央に籍を移し、中央のレースに出て欲しい。中京でのオグリのレースを目の当たりにした皇帝シンボリルドルフからの要望に、北原トレーナーは苦悩することになる。

オグリと共に目指すはずだった自身の夢、腐りかけていた自分を奮い立たせ今の自分を作り上げた東海ダービー制覇という夢を、自分が見出した灰被りの娘とともに果たすというシンデレラストーリー。それを捨てろ、というのか。
だが、オグリの可能性はそんな自分の夢をちっぽけにしてしまうほど大きい。自分に縛り付けることは、彼女の可能性を閉ざすことになる。

悩み苦しみ疲れ果てた彼が選んだのは、オグリキャップ当人に決めさせることだった。いや、オグリは最初から決めていた。自分を見出してくれた北原のために、今度こそ決着をつけると約束したフジマサマーチとの誓いを果たすために、東海ダービーに出る、と。
だが、北原が提示したのはもっと過酷で残酷な選択肢。

次のレース、勝てば中央にいけ。負ければ、カサマツに残って東海ダービーを目指せ。

それは、勝利を渇望するオグリにとってはあまりにも残酷な選択。
勝てば仲間たちと共に歩むはずだった夢を捨てなければならない、しかし負けるという事は夢を目指す全力で走ることを愛するウマ娘としての自分を全否定するということ。
もし全力で走ってねじ伏せられるのなら、それはそれで本望だろう。中央転籍の噂に激高するマーチに、自分を引き止めたければお前が勝て、と告げるオグリの心はどこにあったのだろう。

中央転籍を掛けた最後のレース、それはオグリにとって自縄自縛のレースだった。どれほど前に進もうとしても鎖に繋がれたように前に行かない脚。心は重く縛り付けられ、いつも静かに燃え上がる魂は凍えたまま動かない。
そこにあるオグリの姿は、魂を抜かれた人形のようだった。それのどこに、北原とともに夢を目指す姿があるのか。北原が心奪われた夢を見た輝かしいウマ娘の姿がどこにあるのか。
それを目の当たりにした瞬間、北原は走り出し、叫んだ。
それこそが、彼がオグリに望むこと。余計なことをすべて取り除いた、とてもシンプルな彼の夢だった。
シンデレラグレイ2巻1

シンデレラグレイ2巻2


ただ走れ、思うがままに走れ。柵も縛りも迷いも何もかも取り払って、ただ本能のままに。
シンプルなオーダーだ。でもだからこそ、オグリキャップという馬にとって、それはきっと最適で至上となり得るオーダーだった。
それでも、未練はある。一緒に見た夢だった。はじめて抱いた想いだった。背負うに足る心地の良い期待の重さだった。それを置き去りにしていく未練。それを、置いていく未練。
それがオグリを振り返らせる。

シンデレラグレイ2巻3

シンデレラグレイ2巻4



いつもマイペースで茫洋としていたオグリキャップが、はじめて見せる切ない表情に胸が締め付けられる。彼女の想いが、未練が、親愛が、これでもかと込められている表情だ。
そんな彼女の背中を、トレーナは貼り付けた笑顔じゃない、辛そうで悔しそうででも心からの笑顔で押してくれた。心からの言葉で、そっと促してくれた。
ならば、もう振り返りはしない。前を向くオグリに、もう未練はない。ただ思うがままに走るために。
彼女は中央に征く。

シンデレラグレイ2巻5


それは、夢破れた結果だった。でも、新たな夢のはじまりだった。
日本全国を震撼させ、沸騰させる、とてつもないシンデレラストーリーのはじまりだった。
新しいみんなの希望、快く送り出してくれたカサマツの人たちの想いを乗せて、オグリキャップはついに猛者たちが集う中央に乗り込むのだ。

芦毛の伝説がはじまる。

ウマ娘 シンデレラグレイ 1 ★★★★   



【ウマ娘 シンデレラグレイ 1】  久住 太陽 / 杉浦 理史/伊藤 隼之介 ヤングジャンプコミックス

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
寂れたカサマツの地に現れた、ひとりの灰被りの少女。後に“怪物”と呼ばれるその少女は、どこを目指して疾るのか──。地方から中央の伝説へ。青春“駆ける”シンデレラストーリー、出走!!


【芦毛の怪物】、そう呼ばれた馬がいる。
その馬は地方競馬の笠松競馬で無敵を誇り、やがて中央競馬に移籍して、並み居るエリート馬たちを蹴散らしていくことになる。
その馬の名はオグリキャップ。
これはその怪物の名と魂を受け継いだウマ娘の、灰色の髪のシンデレラの物語だ。

今現在、二期を放映している【ウマ娘 プリティーダービー】にて大食いキャラとして人気を博す彼女。ただ彼女の活躍の場は主に食堂であって、オグリが走る姿をアニメで見ることは殆どない。一期が98年から99年代のスペシャルウィーク、二期が91年以降に走るトウカイテイオーを主人公としているため、1988年から91年にかけて活躍したオグリは世代がもう少し前になってしまうため、どうしてもレースシーンからは離れてしまう。
オグリキャップの走る姿を見れるのは、このシンデレラグレイだけ。そう思えば、なんだかワクワクしてくるじゃないですか。
そしてこの漫画のウマ娘たちが走る姿の描写はスピード感と迫力の相俟った、ゾクゾクするような存在感が味わえる。オグリの怪物伝説のはじまりが、ここに在る。
華やかな中央のウマ娘たちの育成学校と違い、このカサマツはどこかしなびていて施設も古くうらぶれた空気を醸し出している。そんな中に新入生として現れたオグリキャップは、他のウマ娘たちと比べても見すぼらしい格好で、薄汚れたジャージとボロボロのシューズ、泥だらけの身なりで悠然と現れる。その姿はまさに灰かぶり。しかしその堂々とした姿には怖じた気配はどこにもない。
鈍いくらいのぼんやりした性格は、闘争心すら感じさせない。ただ走ることが楽しい。レースの意義も何も知らない彼女は、最初それだけで満足だったのかもしれない。
でも、オグリの走りに星の輝きを見出したトレーナーによって、レースの醍醐味を教えられ、そしてカサマツ競馬においてのライバル、フジマサマーチとのレースでの敗北によりはじめて負ける悔しさを知り、マーチによって競い走る楽しさを知った彼女は、目指すべき頂きを知った彼女は。
フジマサマーチに宣戦布告を叩きつける。
ポーカーフェイスのオグリが見せる、静かながら獰猛な笑みと闘争心。
それはきっと、オグリがはじめて勝ちを望んだ瞬間であり、怪物伝説のはじまりだったのだ。

そのはじまりに呼応するように、カサマツの地にカノジョが現れる。
やがて、オグリの前に最初に立ちふさがる壁となる最強のライバル。
故郷を失い、自身今はまだ敗戦を繰り返し底辺で燻り続けるもう一人の芦毛のシンデレラ。
やがて彼女はこう呼ばれることになる。

 【白い稲妻】タマモクロス





Landreaall 36 ★★★★☆   



【Landreaall 36】  おがきちか ZERO-SUMコミックス

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ダンジョン脱出を目指して進むDX達は、上層へと進む中モンスターの共喰い跡を見つける。遭遇したのは同じく外から来た野生種・夜嵐蟻だった…! 一方、DX救出のためやってきたイオン達は、ものすごいスピードでダンジョンを走破していて――!?


自分以外の五人、フィルとリドとティティとライナス、ルーティでもう一人DXになれれば生き残れるかー。相手がフィルだからかわからないのだけれど、DXがはっきりと自分がこの中では一番強くて、フィルたち五人でようやく自分一人分。と明言するのは普段のDXからするとやはり珍しいと思われる。普段なら、そういう事曖昧に濁して口にはしないものね。それをここで明言するということはそれが必要、意識付けが必要と考えたからか。それだけ、このダンジョン脱出行切羽詰まってきている、と言えるのかも知れない。最初からDXは別に楽観はしてなかったか。遭難して最初期からライナスをはじめとして、全員を研磨しようとしていましたし。
ほぼ万能に全方向に高い能力を有しているDXは一人でならこのダンジョンを生きて脱出できる。ならば、他の五人の得意分野をそれぞれ伸ばして、五人合わせて自分と同じにしてもう一人のDXを作り上げてしまえば、ほら生き残れる、という発想がまあすごいというかなんというか。

しかし、ダンジョン深層から上に登っていけばそれだけ難易度も下がってくるかと思うのだけれど、単純にそうは行かないのな。食料に関してはダンジョンで発生するモンスターは栄養素を内包していない事から、モンスター食で食いつなぐ、というわけには行かないだけに、途中で補給できたにしても時間が経つほどに切り詰めていかなくてはいかなくなる。そうなれば、身体能力やメンタルのパフォーマンスも下がっていくわけで。
幸い、実は死地だったらしい31層のゴリランドールは回避できましたけど。あれはほんと、DXの危機管理の賜物ですよね。サバイバル能力、生存するのために必要な発想力がほんと化け物じみている。……いや、どう考えても五人鍛えてもDXにはならないですよね! 能力的には近似になれても、あの頭の中身はどうやっても無理だわ。
ダンジョン外から紛れ込んできた蟻のモンスターの危険種が巣を作っている所に遭遇しても、飢えているモンスターの大群に襲われて食われる! と考えるんじゃなくて、外来の野生種だからダンジョン産の食っても腹が膨れないモンスターと違って、「食える!」と考えるその発想。
「食われるかどうかじゃない。食えるかどうかだ」

さすがに蟻に食べれるような身はなかったわけだけれど。フィル、蟻食べたらジュン!ってする、て知ってるというのはモンスターじゃないけど蟻食ったことあるのか!
というわけで、兵隊アリたちに襲われないように倒したアリの甲殻を被って移動するDXたち。ゴリランドールに引き続いて、アリのキグルミ着てるみたいなDXたちがコミカルなんだけど、これ絵柄違ったらアリを解体して中身掻き出して殻を被る、ってそうとうグロい絵面だったと思うんですけど!?
アンちゃんの「実に自由奔放に攻略してますね!?」という発言に思わず深く首肯w
でも、本当に切羽詰まってきてるんですよね。決して楽に攻略しているわけじゃなく、どんどん追い詰められてきている。
食料に関しても、もう危機的状況だし。携帯食料の分配、DXとティティこっそり自分削ってたのか。これは他の面々が一般人と留学生という立場だからか。DXたちは王位継承権者であってもそれ以前に騎士候補生だというのを踏まえて、か。それに気づいてたフィルが、二人きりになったときに咎めずに、自分の分を半分返して自分も従騎士だからそっち側、と言ってのける所とか、同じ仲間友人の信頼関係の中でもそれぞれちょっとずつ関係というか立ち位置が違うの面白いなあ。
トリクシーの側がさすがに限界で、ティティとの交信ももう持たない。つまり、地上との連絡が途切れてしまう、ということで。食料的にも限界、通信もできなくなる、近場にはアリの大群がコロニーを作ってる、とかなりヤバい状況。
これは救援を待つ、という指針を立てるのも仕方ないか。幸いにして、イオンを含むニンジャ隊が尋常でない速度で救援部隊先行隊として攻略を進めているわけで。これも、地上と連絡取れてなかったら得られていない情報だから、他にもトリクシー通じての情報が何度もこのパーティーを救い、守ってきたのを鑑みると、連絡が途切れるのは本当に怖い。
その急進しているイオンたちも、なんか様子がおかしいの? ハイになってる? 後から合流した傭兵騎士団所属のニンジャ君が、呪いと言ってたけど、どこでそんな呪い掛かったの!?

と、ラストでえらいことに。え、なんでそんな事になってるの!?
合流、と思いきやピンチ?に陥っているイオンを目撃したDX、即座にブチ切れ。このシスコンっわーー!!



Landreaall 35 ★★★★☆   



【Landreaall 35】 おがきちか   ZERO-SUMコミックス

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騎士団の大哨戒中、転送門のトラブルが原因で遭難したDXたち。生還を目指してダンジョンを突き進む一行の前に、危険種(モンスター)が立ちはだかった! 何とか危機を脱するも、力を使い果たしたDXは倒れてしまい――!?


突然みんなゴリラになってゴリランドリオールがはじまった時には何が起こったんだー!? となりましたがなw
ライナスがニンジャの隠形術を使ったDXにおまえ何を目指してるんだ、と突っ込んでるけどホントDXって多芸すぎてどこに行こうとしているのか。ただこのタンジョン編で特に顕著になってきているのが、彼の生存能力なんですよね。咄嗟の判断力や行動力もさることながら、生存率を高めるためにこの脱出行を通じてパーティーメンバーがスキルアップするように上手いこと調整なんかもしてたりするんですよ。また、地道に各階層のスライムが溜め込んでいたスライム水を味見することで、フロアの安全を確認してたりもするし、万が一に備えて奥の手なんかも用意している周到さもある。
とかく、生き残るための能力のみならず、それを扱うための考え方がちょっと並の人間と違うんですよね。まあ彼の思考が一般的から外れているどころか、他に類を見ない独自のものなのはこの長いシリーズを通じてわかっていることでしたが。妹のイオンも結構似たような傾向だったりするので育ちによるものなんだろうか。二人の両親もそれぞれ独特の他に類を見ないタイプの傑物なんだけど、それでもDXとイオンとは種類が違うようにも見えるしなあ。でも親子らしく似た部分も多分にあるんですけどねえ。
さても、母親譲りの傭兵としての戦い方生存戦略考え方をベースに、幼い頃から学んでいたニンジャの術を駆使して生きてきたDXが、学園編になってから騎士としての在り方を学び同世代の様々なタイプの友人たちと行動することで、新しい価値観、新しいDX像を獲得してきたわけですけれど、このダンジョン編では久々にDXの本能というか根幹全開、でありつつ一番親しい友人たちとの冒険行という事もあって一人で全部解決するのではなく、仲間たちと協力して全力で、というパターンが見られてやっぱり楽しいですなあ、こういうのは。
にしても、DXが色んな意味でキレキレなのですが。
とはいえ、ティティが妹トリクシーとの共感を通じて外と連絡を取れて、メイアンティアたちが深層の情報をひっくり返してバックアップしてくれてるからこそ、生き残れているわけで、ティ・ティが居なかったらと思うとホントゾッとするよなあ。まあ、このメンバー誰が欠けてもやばかっただろうけど。で、おそらくDXは一人ならここでも生き残れる、と。
ティ・ティとフィルの一蓮托生は、良かったなあ。下町出身のガラの悪い従騎士候補と王位継承権もある貴族との、今更だけれどずっと続いている友情をもう一度おさらいするみたいな感じで。今更、命預け合うなんてどうってことないんですよね。ほんと、今更なんだ。

イオンちゃん、一旦救出した他のパーティーと脱出したと思ったら、今度はさらにちゃんと装備整えて六甲と五十四さんと一緒にもう一度潜るのかー! なんちゅうタフな娘さんだ。ニンジャ適正はもしかしたらDXよりもイオンの方が高そうではあるんだけど。
ってか、イオンの実力知らなくてただのお転婆な小娘だと思ってるの、もうライナスだけなのか。他はあらカタみんな知っちゃってるんですね。今回の一件を通じて、他の生徒たちにもだいぶ知れ渡っただろうし。そんな中でどうして未だにライナスだけ知らない人枠のままなんだろう。なにか理由があるんだろうか。いや、面白いからいいんだけど。


Landreaall 34 ★★★★☆   



【Landreaall 34】 おがき ちか ZERO-SUMコミックス

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地下王城で行われた騎士団の大哨戒からの帰還日、移動用の抜け坑(ループピット)の座標に異変が起こった。
深層に落ちて遭難したDXは、リド、ライナス、ルーディー、フィル、ティ・ティと全員で無事に生還するためパーティーを組む。

迷宮庭園(オムニラングル)を拠点として上層を目指すが――?
ダンジョン編、佳境の第34巻!!

しれっとイオンちゃん、強さに関しては自分とお兄……つまりDXはそんなに変わんない、と言ってるんだけどそうなの!? そこまで強かったの、イオンってば。いやあ強い強いとは思ってたし知ってたけれど、DXと同等とまでは思わんかった。
一方で騎士だの継承権だので自分の立場を考えることの多いDXと違ってイオンはまだ自分が高位貴族の子女という立場についてDXほど直面する機会がなかったとも言えるんですよね。なので、騎士候補生たちの絶対に守らなければならない、という言葉と自分に課せられた優先順位というものにプレッシャーを感じかねない場面だったのだけれど、マグナル王子この人あれ被せて「全員帰れるねー」と言ったの意図的だよねえ。この人も王族らしく機微に富んだ人なんだなあ。

さて、深層の方に放り出されてしまったDXたちのパーティー。メンツ的にも戦力としても能力のバランスとしても非常に高いレベルで取れているパーティーなので、これならよっぽどの事が無い限り安心して見ていられる、と思っていたのだけれど。
そうかー、いくら全員が出来物で才能も豊かで実戦経験も豊富だったとしても、ダンジョン探索……しかも案内役なしに自分たちだけでパーティーを組んで何日も掛けて地図もない場所を脱出するとなると、ダンジョン潜ったことがないという経験不足がこういう形で露呈してしまうのかー。
ライナスはダンジョン潜った経験あるとしても、それのプロってわけでは全然ないのだし、全員の経験が均一化されているわけではないので、誰かにとっての常識が他の未経験者にとっては全然未知のことだったり、報連相に関してもお互いの認識が一致していないとそれが必要とされる場面、行使しなければいけないケースってのはわからんよなあ。そして、お互いわかっていないというのは問題が発生してみないと気づかない、というのはなるほどなあ、と深く頷かされた。
リドが自分の体調を報告しなかったのも、ルーディのマッピング方法をティティが確認しなかったのもその類なんだけれど、ここまで行くと事前にすり合わせは難しい錯誤なんですよねえ。
本来なら事前に準備しミーティングを重ねて計画を立てて、その過程で認識の共通化は果たしておく事柄なんだろうけれど、今回はまさに突発的な事故であると同時に、このメンバーも各々逸れたところから集まったパーティーだから仕方ないとしか言いようがないんだよなあ。
普段から一緒にいる友人同士であるから気心は知れているから問題ない、と思ったんだけれど仲が良い、気心が知れている、の範疇ではどうにもならないこともあるわけだ。

でも、そんな失敗やミスを起こしてしまっても空気が悪くなったりしない、ミスした人を責めたりせず、ちゃんと何が悪かったかを話し合って修正できる、前向きにやり直せる、というのがDXをはじめとしたこの面々の素晴らしいところで、なんだかんだと不安感に苛まれない最大の理由なんだろうなあ。能天気というか呑気なくらいの雰囲気ですし、丸一日無駄に費やしてしまったことに関しても、やらかしたー、とみんな顔を覆って天を仰ぐわけですけれど、そこからグジグジと後に引かないしてるわけですしねえ。いい連中だわ、ほんと。
そんな彼らの評価は、大人の人たちからも実際高いようで、深層の方に落ちてしまったことで救出本部でもかなり絶望視する向きもあるのだけれど、彼らを知っている人たちは敢然とやつらなら大丈夫だ、と太鼓判を押すんですね。
ゼクスレン教官やアンニューラスがDXたち一人一人能力と特徴を語ってくれるのだけれど、まあ実際こいつら大した奴らなんですよね。こうして具体的に評してくれるとテンションあがるなあ。燃えますやん。
しかしDXの評価はある意味ハチャメチャだなあw 一人で遭難してたら逆張りで深層からさらに下に潜ってしまってたかもしれないから、ティ・ティやルーディみたいな直接は戦えない連れて帰らなきゃいけない一般生徒が一緒で良かった、ってそりゃそうかもしれないけど。うん、DXなら一人で放っておいたらフラフラ下に潜っちゃったかもしれないけどさあww 色々前科がありすぎるw
しかし、今回のアンちゃん、服装のせいかわからんけどいつもより見た目男寄りだなー。

ミストレスはガチでビビった。いやだって、しれっと居るんだもん。ちょうど前巻からの続きで、前読んでからしばらく経ってたから、あれ? カイル居たっけ。でもみんな普通にしてるよ? でも確かこのパーティーには居なかったぞ。あれ? んんん? おや? と、かなりクエスチョンマークが頭の上飛び交いましたからね。

巻末の地図にさらっとB4,B5は山手線の内側よりも広いです、と書いてあって草。そんな広いんかい! そりゃ救出班の捜索手間取るわ! 他の遭難パーティーは概ねB6までにいるなかで、DXのパーティーだけB33だもんなあ。縦移動できるワープゲートである「杭」が使用不能になってしまってる現状、自力で階段上がっていかないといけないというのは、これはきっついなあ。古文書ひっくり返してダンジョンの構造解析してくれてるトリクシーとティ・ティが双子通信できるのがホントに不幸中の幸いだ。
とか言ってる間に、ラストでまたトラブル。ひゃー、ここで区切るのかー、早く続きーー!

シリーズ感想

Landreaall 33 ★★★★★   



【Landreaall 33】 おがき ちか ZERO-SUMコミックス

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アトルニア王国の地下ダンジョンを巡回する騎士団の大哨戒に参加したDXたち。
無事討伐と巡回を終えた迎えた帰還の日--地脈に変動が起こり、坑(ピット)の座標が狂ってしまった!
閉じかける門に飛び込み、DXたちの部隊に合流したイオンだったがそこにはDXはおらず--!?

緊迫と興奮のダンジョン編を収録した第33巻!!

いかん、面白すぎて久々に感想手がけてしまった。
ダンジョン遭難編、大事件大事件大事件! スピンドル事件以来の学園での大トラブルである。今回は学園そのものじゃなくて、騎士見習いたちが巻き込まれてしまった事件ということになるけれど、いつものメンツだけじゃない総メンバーでの大事件となるとやっぱり盛り上がるんですよね。
浅層での探索のはずが、階をワープするための坑(ピット)の行く先がランダム設定となってしまい、未倒の深層に落ちてしまう、という展開は定番ながらやっぱり盛り上がるんですよね。
ただ、完全に音信不通になってしまうのではなく、ランダムに通路が繋がる坑や王城の転送門から聞こえてくる声や、コンタクトを取ることで設置された救出本部が着実に状況を把握して、各小隊の現在位置を特定して、可能な限り誘導を開始する展開は凄く好き。相変わらず、この作品の大人たちなみんな優秀なんですよねえ。
それでも、転送ゲートが時間とともに狭くなっていって、閉じてしまうというタイムリミットが設定されてしまったので、上で救出の指揮を取る人たちも地下に救出に向かった人も遭難している面々もそれぞれがいちいち迷っている暇なく、キビキビとスピーディーに即断していく、その決断や行動の速さが物語自体をグイグイと推し進めて、目まぐるしさに必死についていきながらついついワクワクしてしまうんだ、これが。
一応、地下王城ダンジョンは徒歩でも上がり降り出来るようにもなっているらしく、ピットや転送ゲートが使えなくなっても行き止まりになってしまう、というわけではないのだけれど、それでも入念に準備をして潜ったわけじゃなく突然放り出されてしまったわけですから、食料やキャンプするための準備もこれまで消費した分もあるわけで、そう簡単にはいかないものなあ。

ともかく、みんな判断が暴走していないんですよね。止める間もなく飛び込んでしまったイオンにしても、飛び込んだ先で現状を確認したらそこのメンツを取りまとめて、上層へのルートを確保して脱出するためにDXたちを探しに下に行くわけでもなく、ちゃんと的確に動いてますしねえ。
ルーディーと五十四さんとのやり取りも、忍者な五十四さんが主人である竜胆のもとに戻ることに拘らずに、ルーディーの意見を汲み取って彼に竜胆の刀を託してけが人込みの隊を上層に誘導する役を負ったりするの、意見と指摘と説得の肯定がほんとにしっかりしていて、何もかもが速いにも関わらず各人の発言行動にはちゃんとした中身が詰まっているので性急さが全然ないんですよね。最適に速い、というべきか。
おかげで、本当に危ない場面に陥りそうだったところにしっかりと手が届いていて、最悪の展開は避け続けられることに。これ、ほんとに現場と後方が速攻でガッチリ噛み合って最善を尽くせる体制を作れたからですよね。イオンやライナスの突入など、ほぼほぼなし崩しに突貫で応急を繰り返して綱渡し出来たからでもあるんだろうけど。
ゼクスレン教官の腕を犠牲にする覚悟の転送門の確保や、神官騎士長の活躍など後方支援体制の確立が肝だったんですよねえ。特に神官騎士長、いや転送門が異常をきたしたときの反応みて、この人大丈夫かと思ってたんだけど、蓋を開けてみるとなにこの折衝の神様w 後方支援体制の確立、ほとんどこの人が立役者でしょう。こういうトラブルになると真価を発揮する人、組織間の折衝、仲介、こういうおじさんの仕事しっかり書いてくれるの、ほんと好きです。アンちゃんの「名もなき国宝級の能力があるものだなあ」というセリフには、思わずニヤニヤしてしまいました。

しかしまー、こういうトラブルになると真価を発揮するのはイオンとDXの兄妹もおんなじで。イオンちゃんの大暴れっぷりが清々しくて笑えてきます。オズモおじさんの「あれは小型のDXと思え」というコメントには思わず爆笑。いやそうだけどさ、そのとおりだけどさ。そろそろ、イオンも淑女淑女で押し込めているの限界になってきてるんじゃないだろうか。スピンドル事件でもイオンだいぶ動き回ったから彼女についてはだいぶ知れ渡ってきていますし、マジで女子の騎士枠誕生しちゃうんじゃ……。
いやでも、イオンの場合は騎士じゃないしなーw 完全ニンジャ互換である。敢えていうなら傭兵枠。
これに関しては相変わらずDXの方もおんなじで、騎士装備で全力戦闘するのってもしかして初めてでしたっけ? あの飛んでハネての戦闘法、鎧着て剣持ってだとやりにくそうとは前々から思ってたんだけど、実際動きにくかったのか!
ルーディーにそれでふてくされてるのか、とか指摘されてて目を丸くしてるDXにちと笑ってしまった。そんな風に屈託なく指摘してくる人ってそういえば居なかったなー、と。思い返してみると、DXってあんな表情してテンション下がってる時度々あったような覚えあるんだけれど、もしかしてその時もふてくされてたりしたのかw

なんやかんやで合流したり別れてしまったりの末に、いつものメンバー、DX、竜胆、ライナス、ルーディー、ティ・ティ、フィルの六人が揃うと、ああいつものメンツだ、とばかりに一気にテンションあがってしまいますわ。安心安定のメインメンバーズ。合流した途端、混乱している状況をDXがあれこれ指示して指揮することでストンと状況が整理されて混乱が収まるシーンは、爽快ですらありました。
DXをパーティーリーダーにして、地下34階から全員で踏破脱出、と目標も定まり、いざ地下王城ダンジョン編、クライマックスへー。

……やっぱり面白いなあ、ランドリオール!! 楽しい、ひたすら楽しい!!


巻末のプチリオールでは、あのクエンティンとユージェニのその後の詳報が。クエンティン、生き残ったとはいえ、あんな有様になっていたとは。かなりギリギリの状態だったんですね。この掌編での出会いによって、最悪は逃れられたみたいですけど。
にしても、この作品世界の「馬」はほんと素敵な存在だなあ。この馬、ユルドゥの姉のフルムって、砂漠編でDXと出会ってたあのレディのことなのか。これもまた縁だなあ。


おがきちか作品感想

水上悟志短編集「放浪世界」 ★★★★★   

水上悟志短編集「放浪世界」 (BLADE COMICS)

【水上悟志短編集「放浪世界」】 水上悟志 BLADE COMICS

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少年の頃、世界の全てだった団地…でもそこは…!!? 出口も入口もない虚無の旅…その先に待つ衝撃の真実とは…。水上SFの新たなる金字塔「虚無をゆく」を含む全5作収録の待望短編集!!
個人的にはラブコメはじまったぜー!な空気感満載の【竹屋敷姉妹、みやぶられる】が続き読みた過ぎてたまらんかったし、【まつりコレクション】のファンシーなのかなんなのかわからない世界観のラストの強烈なオチとか、まつり姉さんのふわっとしたなんでもいいやな性格とか大好きなのですが、それよりもなによりも最後の【虚無をゆく】がもうなんか圧巻すぎて、全部持ってった感じなのです。
読む人は大変だったはず。疲れたでしょ。とかあとがきで書かれているのですが、そりゃ疲れたよ。なんかもう読んでるこっちの中身全部持ってかれてから、全部詰め込まれたような疲労感である。SFとして、この中編規模の長さでこんな密度のクロニクルでありスペクタルで、相反しないミクロとマクロの物語を描けるもんなんだろうか。なんか思わず繰り返し読み返してしまって、後から後から最初に読んだ時に追いついてこなかったものが、ぶわーーっと追いついてきたような感じで、あわあわしています。この感覚は、水上悟志先生の作品シリーズものの最終巻の最終回を読んだ時に、ぶわーーっと来るものなんですけれど、それをついに短編でやってしまえるようになってしまったのか。
いやもう、なんか本当に凄いです。ものごっつい作品でした。

水上悟志作品感想

恋愛ラボ 12 ★★★★★   

恋愛ラボ(12) (まんがタイムコミックス)

【恋愛ラボ 12】 宮原るり まんがタイムコミックス

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ナギに想いを告げたリコ、正面切っての真っ向アプローチにタジタジのナギ!?
マキはついにヤンへの恋心を認めるが…
恋愛研究サンプル外の男子の気持ちに大混乱??

ひゃあああ! ひいやぁぁ! うひょーーーー!!!
とまあ、リアルで奇声をあげてしまったぜ。思わずジタバタゴロゴロ悶え転がってしまったじゃあないか!!

やー、もー、いひひひ、ひゃーー!! 甘酸っぺぇ! なにこれもう、甘酸っぱさが天元突破だよ。どうするよこれ、反則だろう、ずるいずるいこんな告白劇見せられたら、ひょあああっってなもんだよ。テンションあがるし体温あがるし顔面赤くなるし、もう……もう……たまらん。
しかし、ついに、ついにかーー。ついにリコがナギに告白ですよ、告白。誤解しようのない物凄いのかましやがった。これまでの恋愛研究はなんだったんだ、と天を仰ぎたくなるようなしっちゃかめっちゃかの末の雰囲気とかガン無視の、そりゃもう恋に恋する年頃の乙女の告白としては残念極まる告白だったんだけれどさ。
それでも、最高の告白だった。至上にして最上の告白だった。
一生黒歴史として封印したくなるような、しかし思いっきりマキに見られてて抹消できない悲惨な代物だったけれども……それは女の子の立場から見たもので、ナギからするともう青天の霹靂だったわけで、一生忘れらんないすんげえ告白だったんだよ。
まあ、なぜあそこまで男女の立場ひっくり返った告白になってしまったかには、首を傾げざるをえないというか、リコならまあ仕方ないというか当然と言うか、男前だなあと遠い目になるしかないのだけれど。
そして、何故か告白されたあとの「……まじかよ」と真っ赤になった顔を抱え込んでうずくまるナギが一番この巻で可愛かった、というのもまあ仕方ないんだよ、うん。
すげえなあ、中学生。

マキもついにヤンへの認めたくない恋心を認めざるを得なくなって、観念したわいいけれど、どこをどうひっくり返しても自分が理想としていた恋愛像に従ってくれないヤンの在り方に頭を抱える日々。惚れたら負け、というのを地で行ってるなあ、マキは。それでも、ヤンに変な理想を投影せずにちゃんとヤンの人となりを率直に把握して受け入れて、その上でこの不器用な青年を好きだと自覚したわけで、その意味では変な理想を押し付けて拗れることにはならないだろう、という安心感がある。何より、ナギを除けばマキこそがヤンという人間をもしかしたらヤン自身よりも素直に、言動に騙されずに見通しているわけで。これまでヤンの歩く道というのはナギが切り開いてきたようなものだったけれど、今はマキが捻くれて斜に構えて自分から道を逸れようとしてしまうヤンに道を指し示している。繕わない素の、恥ずかしく歪んで無様な己をお互いに一番最初に見てしまったからこその、不思議な距離感、という面白い関係なのである。

逆に、思わず飾ってしまった自分に囚われて進展しなかったのがエノで、それが今回の文化祭で本性というか、あの気の強い負けず嫌いの性格を会長に曝け出してしまったことで、一気に関係が進展してしまうんですよね。こっちも面白いアプローチなんだよなあ。これらの関係が一気に結実したこの第12巻、いやまじ凄かった。
凄かったといえば、普段の黒縁メガネじゃなくて、縁無しのメガネかけたサヨの凄まじいメガネ美人さには度肝を抜かれましたがな。いや、別人じゃね? メガネをとったら美人、という類ではなかったんですよね、サヨって。いやまあ普通にきれいな顔なんだけれど、あの縁の目立たないシャープなメガネをかけたサヨときたら……マジでメガネこっちにしようよ。

ついに、告白という一大イベントを乗り越えてしまったリコとナギ。まだもう付き合うとか付き合わないとかどころじゃなくお互いテンパっちゃってるんだけれど、すれ違っていた気持ちが伝わってしまった以上はこのままでは済まないわけで……うわぁうわぁうわぁ、もうどうすんのこれ!? また次の巻出るまで1年待つの!? 
まじかー、一年かー!

シリーズ感想

荒野に獣 慟哭す ★★★★★   

【コミック版】荒野に獣 慟哭す 5 (徳間文庫 ゆ 2-35)

【荒野に獣 慟哭す】 伊藤勢/原作:夢枕獏 徳間文庫

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漫画雑誌「マガジンZ」の休刊によって、一時連載が途絶えてしまった本作。夢枕獏原作の伊藤勢が漫画を手掛けた【荒野に獣 慟哭す】。あれから長い空白のあとにそれでも打ち切りとせずにウェブ連載が開始され、徳間文庫から文庫サイズのコミックスとして改めて一巻から。そして、中断以降のウェブ連載版の掲載となる10巻から最終巻までの15巻。やっと、やっとヨミましたよ。読み切りましたよ。
感無量。
独覚兵たちを生み出した独覚ウイルスの原点となる中南米の深い深いジャングルの奥に秘められた古き文明の闇。まさに異世界のようなジャングルという、森という異界の中で繰り広げられる様々な勢力が入り乱れた血みどろの攻防。
そんな中で喪われた記憶の真実にたどり着いていく御門周平の旅路。
ド迫力のアクションも然ることながら、迫真に迫っていく独覚ウイルスの真実。これが文化論や文明論まで踏み込み、荒唐無稽に思われた神話を解体していき人間を進化させるものと思われた独覚ウイルスの有り様を暴いていく展開は、なんかこう冒険心を刺激されてワクワクさせられっぱなしだった。
人の姿を失い、ケモノそのものの姿となり食人衝動まで生じさせてしまう独覚ウイルスの効果が、進化でも獣化でもない、あれこそは極端な人間化なのだ、という結論に至り、そこから中南米の古き文明にある生贄や食人の習慣まで踏み込んで、一つ一つ紐解いていくウイルスではなく文明そのものの謎解き。いや、人間という存在の成り立ちにまでたどり着いていく回答編。
ああ、凄かった。
そして、そんなストーリーをより深く、より綺羅びやかに盛り上げてくれる要因こそが、登場人物たちの魅力的な生き方であり、在り方であり、その魂からの叫びなのである。
殺し合う敵でありながら、時として共闘する味方でもあった独覚兵たち。12の干支に例えられた彼ら独覚兵たちは誰もが個性的であり、人を辞めた存在でありながら誰よりも人らしくて……終盤彼らの殆どが死に絶えてしまった時のあの寂寥は未だに心に隙間風が吹きすさんでいる。去っていく独覚兵たちとすれ違い違う方へと歩いていく御門の一枚絵が印象的で焼き付いているのだ。
敵でありながらどうしても憎みきれなかった彼ら。御門にとって、同じ独覚ウイルスに冒された同胞だった彼ら。自分だけが取り残されていく、というあの寂しさ。あれだけ殺し合った相手に、こんな感覚を抱くことになるとはなあ。
そんな中で、唯一常に味方でいてくれた摩虎羅の姐さん。彼女、原作小説だと端役も同然ですぐに退場してしまうのですが、漫画版だと御門の頼もしい相棒として最後まで側に居続けてくれるんですよね。独覚兵の中ではまだしも人の姿を保っている彼女ですけれど、やっぱり見てくれは毛むくじゃらの猿なのですが……それでも美人なんだよなあ。彼女のお陰で、猿系の獣人も全然アリじゃないか、と思うようになったし、斉天大聖孫悟空の女性化もばっちこいになったんですよねえ、うんうん。
ある種、価値観をひっくり返してくれるほど魅力的なキャラクターだったわけだ。
それ以上に、シリーズ通して敵味方全員喰うほどの存在感を見せ続けた魅力、カリスマの塊みたいだったのが薬師寺法山。丸メガネのサングラスに髭面、野太刀を担いだ怪人にして奇人。独覚兵たち死人部隊の隊長でありながら、ただの人間。ただの人間でありながら人間を超越した独覚兵たちをも上回る戦闘力を誇る超人であり、何より最後まで皆に慕われ、敵対した相手にも一目置かれ続けたクソ親父。
このグラサン親父のキャラクター造形は伊藤勢作品のスターシステムでよく登場し続ける最強トリックスターなんだけれど、本作でも盛大に持ってったなあ。本当にタチの悪い正面からの戦闘でも謀略でも策略でも常にこちらを上回られるタチの悪い最強の敵でありながら、同時に彼こそが御門を含めた様々な登場人物の最大の理解者でもあり続けたんですよね。それは御門や身内であった独覚兵たちだけではなく、明石教授や現地ゲリラの人たちの理念にも通じていたことを考えると、計り知れない人物であったように思う。彼が敵であったからこそ、アレだけ銃火を交えながらも、互いに殺し合いながらも、憎しみに囚われきらず、ときに矛を収めて話し合うことも共闘することも出来たんじゃないだろうか。
だからこそ、ラストは凄く救われた気持ちになったんですよね。
何もかも奪われて、喪って……そう思わされたあとに訪れる救済。行き着いてしまった果てから、戻ってこれるという希望。連れ戻すという確かな意志と伸ばす二人の、いや三人の御門に差し伸ばされた手。そして、誰も居なくなったと思われたあとに帰ってきた彼らの姿に打たれた、法山の素の笑顔から放たれた「おかえり」という言葉に満ちていた生きているということの素晴らしさ。

ストーリー、キャラともに原作小説とは大きく改変されながらも、夢枕獏さんの大いなる後押しを得て作り上げられたもう一つの【荒野に獣慟哭す】。掲載雑誌の休刊による中断という絶望的すぎる局面を乗り越えて最後までたどり着くという、紆余曲折というには波乱万丈すぎる展開でしたが、それに足るに相応しいまさに大作、大作でした。ラスト近辺の、漫画編集者の彼女の魂の絶叫は、色んな意味で打たれたなあ。あれは、まさにこのシリーズの紆余曲折を経験した作者でないと吐き出せない魂の叫びだったんじゃないかと。
だからこそ、無性に感動してしまった。彼女の決死の働きが、絶対に見捨てないという想いが、最後の希望、最後の救いに繋がったと思うと、なおさらに感慨深い。
自分、伊藤勢さんのコントとかギャグとか大好物なので、これの勢いも最後まで衰えなかったのはホント嬉しかったです。波長が合うのよねえ。
最近は活動が見られず心配していたのですが、丁度先月9月からヤングアニマルで新連載はじまったみたいなので、良かった良かった。

シリーズ感想

狼と香辛料 11 5   

狼と香辛料 (11) (電撃コミックス)

【狼と香辛料 11】 小梅けいと/支倉凍砂 電撃コミックス

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賢狼ホロと行商人ロレンスの旅は続く――港町ケルーベ編クライマックス!
ホロとロレンスは、海獣イッカクをめぐり町の南北で対立する港町ケルーベに滞在していた。ロレンスは、軟禁されてしまった女商人エーヴを救うため、イッカク購入を企てるレイノルズの悪巧みを暴こうとする――!
いやもう、これは素晴らしいとしか言えない。キーマンのあの眼の描き方を見ましたか。あの眼一つだけで、キーマンという商人がこの場面においてどれほど追い詰められていたのか。刻々と状況が進展するにつれて鋭さを通り越して荒んでいくキーマンの眼差し。笑顔自体は崩さないものだから、余計に余裕が失われていく様子が彼の顔つきでわかるんですよね。正直、ここまでキーマンが追い詰められていたとは、原作を読んだ時にはそこまで思ってませんでしたね。原作だと、玄妙なセリフ回しのお陰でどの登場人物もなかなかその本心は読めませんでしたからね。それを行間やセリフの意味や各人の反応から読み取るのがまた面白い作品でもあったのですが。同じ場面でありながら、小梅さんの漫画は別の意味で非常に雄弁でありまして、いや実に楽しい。
これはエーブに関してもおんなじで、彼女が果たしてロレンスという男に対してどのような想いを抱いていたのか、については色々と想像をめぐらしたものでしたが、この漫画においてはこれまたとても雄弁に彼女の表情が物語っていたのではないか、と。
あの最後の手紙を手渡すときの、ロレンスの手に自分の手を重ねながら、寂しそうに切なそうに微笑むその面差しが、そしてあのキスシーンの直前の何かを残そうとしているかのような薄っすらとした笑みが、エーブ・ボランというヒトが、恋する女性であった事を、恋を喪った女性であったことをこれ以上無く明瞭に示していたのではないでしょうか。
トビっきりにイイ女だったよなあ。この2つのシーンでのエーブには、本当に見惚れてしまった。
でも、一番キュンキュンさせられるのはやっぱりホロなんですけどね。

対立の街、の話も終わり、いくつか原作のエピソードを飛ばす事になったようですけれど、こればっかりは仕方ないかなあ。さすがに、全部やってるとこのコミックもいつ終わるか分かったもんじゃないですしね。既に長いこと続いてますし。
それでも、何気に人気高いであろうある酒場の看板娘さんをしっかり登場させる当たりはさすがであります。あの娘、確か原作では名無しだったんじゃなかったでしたっけ。ここではヘレーネという名前付きで、凄まじい魅力を振りまいております。いや、このグラマラスな身体つきに色っぽいし仕草ときたら、なんちゅうエロ可愛さでありましょうか。たまらんなあ。

シリーズ感想

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!! 5 4   

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!! (5) (カドカワコミックス・エース)

【Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!! 5】 ひろやまひろし カドカワコミックスA 

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『世界の救済』それこそがエインズワースの真の目的。聖杯『美遊』の運命を知ったイリヤは迷いの末の決断を下す――。「美遊も世界も両方救う! 」 喜怒哀楽が詰まった魔法の一冊「プリズマ☆イリヤ」ここにあり!
一瞬、柳洞一成かと思ったんだが違うんだね! 腐的な意味で、これは図らずも敵味方に別れてしまった美遊の兄ちゃんとのバッテンが映えるぜ、と一瞬思ったんだぜ。
というわけで、今回は最初から最後まで仰天しっぱなしの第五巻だった。大盛り上がりどころの話じゃないですぜ、親方。



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武装少女マキャヴェリズム 1 4   

武装少女マキャヴェリズム (1) (カドカワコミックス・エース)

【武装少女マキャヴェリズム 1】 神崎かるな/黒神遊夜 カドカワコミックスA 

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自由を愛する納村不道が転校してきた愛地共生学園では、武装した女子による男子支配が行われていた! 学園を統率する女剣士達「天下五剣」と、女帝・天羽斬々に対し、納村は「無刀」で反逆することになるのだが…! ?

うひひひ、おっもしれぇ。前作の【しなこい 竹刀短し恋せよ乙女】も面白かったのだけれど、負けず劣らずトビっきりに剣戟エンターテイメントしてますよ、これ。
自分、こういう術理を以って武術剣術を語り尽くす作品って大好物なんですよね。何となく、ではなく一挙手一投足の全てに合理があり術理があるがゆえに、そのアクションの隅々まで理解が及び、理解が及ぶからこそその術理を以って為された技の豪壮さ、精妙さにより強く迫力を感じ、興奮を抱くのである。
勿論、薀蓄よろしく語られる剣術流派の術の理と、動きの激しい動的な絵とが上手いこと組み合わさらないと、語りの部分が冗長になってしまったり、テンポが悪くなってしまったり、という危険もありますし、絵に力が無ければまさしく理論倒れの迫力の無さばかりが目立ってしまう可能性も高いわけです。
だからこそ、理と動がうまく噛み合った作品はとびっきりになるのであり、この作品はまさしくそれなのであります。
古流剣術というと、看板の名前ばかり知っていて、しかしその剣術の内容というのは大概知らないものです。たまに残されている技の説明なんかを見ても、それがどういう意味を持つのか、実際の戦いの中でどう位置づけられるのか、いまいちピンとこない。
ところがほれ、本作なんか見てみると、こういう剣術の術理が観念的なものばかりではなく、凄まじく合理を突き詰めたものである一端が垣間見えたりして、なんかすごい感激しちゃうんですよね。
まだ天下五剣とはまともに試合ったのは一人だけ。そのほかは副隊長クラスとの攻防が散見されるわけですけれど、色んな剣術との剣戟は一人ひとりが個性的なだけにホント、面白いです。主人公サイドが無手、というのは驚いたけれど、見てると拳法の類ではなくて、無手ながら剣術サイドというのが興味深い。やっぱり、対武器戦闘で此方が無手の場合は、手甲は必須アイテムですよね、うんうん。
そして、肝心な部分ですが、女の子はきちんと可愛いのがよし。危険生物と甘酸っぱさが同居しているヤバさは、ハマるとたまらんですね。

恋愛ラボ 10 5   

恋愛ラボ (10) (まんがタイムコミックス)

【恋愛ラボ 10】 宮原るり まんがタイムコミックス

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イベントの秋は恋の花が満開!

体育祭でそれぞれの恋心もマックスに盛り上がった藤女生徒会のメンバー。 南中男子との合同文化祭企画にさらなる新展開の予感…!? ナギのことを意識しすぎるあまり関係がギクシャクしてしまうリコ。 ようやく自分の気持ちに気づきはじめるマキ…? エノの気持ちはUK王子に一直線!! この秋、オトメたちの恋の花は満開の予感…!?
ああもう、リコが全面に渡って可愛い。本当に可愛い。南中に出向いた時に、たまたまナギを見つけた時のあのシーンの、あの弾けるような笑顔には心臓鷲掴みにされてしまった。リコが恋心を自覚してしまってから、あらすじにもあるようにギクシャクして貯めこむか変な方向に暴走するか、という展開に終始する事が多くて、それはそれで赤面したりキュンキュンしたりしているリコの姿は無茶苦茶可愛かったんだけれど、あれほどあけすけに、まっすぐにてらいなく、大好きという感情を弾けさせることの出来る機会はやはりなかったですからね。あのシーンは本当に良かった……直後に先生に鹵獲されてしまいましたが。
ナギも、これまでろくに男として扱って貰ってこなかった歴史もあり、リコの性格自体が快活明朗で他の男に対しても無邪気に接するタイプの女の子だけに、自分だけに好意を寄せてくれていると素直に考えられないのもよく分かる。特に今回は、オマケでナギとリコの幼少時代のエピソードが載っているだけに、なおさらに。
好きな女の子に負けないように、肩を並べられるように、弱さを克服して男らしくなるって、それはそれで通過儀礼としては立派だけれど、だからといってそれで相手の女の子が自分を男として見てくれて、好きになってくれる、と思えるほど自信を持てる男の子はそうはいないだろうし、ナギもそのタイプじゃないですしね。自意識過剰は恥ずかしい、と思っちゃう年頃でもあるし、リコの暴走もあってそりゃ彼女の気持ちに気づくのは難しいだろうけれど……そんなの関係なく、あの可愛さは反則だわなあ。リコがどう思っているかはわからなくても、自分の気持についてはどんどん固まっていくよなあ。
さても、リコとナギの方も盛り上がっておりますが、今回の本筋は何よりもマキとヤンでしょう。なんかもうついに、って感じだわ。今更?という気もしないでもないほど、当人たちの自覚はさておいて、意識しあう様子は甘酸っぱいことこの上なかったのだけれど、なぜこんなにも相手のことを意識してしまうのか、という理由に気づいてしまったあとの少年少女の姿の素晴らしさときたら……絶品であります。絶品であります!!
敵ではなく、ライバルではなく、尊敬している相手だからではなく、小憎たらしいムカつく奴だったからではなく、ごくごく単純に、好きになってしまっていたから、こんなにも彼の、彼女の一挙一投足が、何気ない言葉が、反応が気になっていたのだと、わかってしまったときの衝撃、蕩けるような感覚……うーん、甘酸っぱい。
とかく、これからが本番なんでしょうけれど、あのマキとヤンの二人がどうなってしまうのか、特にマキは何をしでかすかわからない「酷い」世間知らずなので、もう想像がつかんですけれど……ニマニマは解除できなさそう。顔面崩壊必至ですね♪ アニメ第二期はないのかしら。

シリーズ感想

戦国妖狐 135   

戦国妖狐 13 (BLADE COMICS)

【戦国妖狐 13】 水上悟志 BLADE COMICS

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偶然も必然も……すべての因果は決戦の地「断怪衆本山」へ!!!

無の民と戦うべく断怪衆本山に急ぐ千夜たち。
しかしそこでは衝撃の再会が待ち受けていた…!!
ふいおおっ! 一巻丸ごと最終決戦じゃーー!!

無辜の闇たちを攫って操り尖兵とした無の民と、人質となった彼らを殺さずに無力化しながら戦おうとする千夜たち。この、殺さずにというのは断怪坊主たちの言うとおり、この期に及んでは無謀も良いところなんだけれど、それほど無茶であろうと、千夜がこれまでたどってきた遍路の先こそがそれなんですよね。生半可の覚悟じゃない。どれだけ悩んで苦しんで、藻掻いて懊悩して、戦いというものそのものに、殺し合いというものそのものに対して真剣に向き合い続け、出会いと別れの中で見つけ出そうとしていたその先で、絶対にやらないと決めたことだったわけです。
でもね、その果てに見出したのが、あの姿だったというのは、感動すると同時に「ああ、千夜、それはきっと違う!」と思わず呻いてしまったのでした。
「何になるかは おれがが決めていいんだと 今 気づきました」

改めて見ても、あの千夜が「成る」シーンには鳥肌が立つ。あまりの粛然とした神々しさに、呆けたようになるしかなかった。本当に凄い。こんなの描ける水上さんは本当に凄い。
でも、同時にその神聖さこそが、それはいけないという心地にさせてくれる。人間が、そこに至るというのは化け物になる以上に、もう人では居られなくなる。何になるかを、少なくとも千夜は、一人では決めてはいけないのだ。決めるなら、千夜はきっとあの娘と二人で決めなきゃいけないのだ。
だから、ここで割って入るのが彼女であるのは、当然至極のことだったのだろう。もはや、必然だったのだ。すべてを救うものが、自分だけは救えないなんて、そんなふざけた話があってたまるものかよ。

そして、もう一つの悲恋も、哀切たる恋物語もここに岐路を迎える。
ボロ泣きだよ! もうなんか泣いちゃったよ、泣くしかないじゃんか! やっと、やっと、やっと辿り着いたんだ。やっとやっとやっと、再会できたんだ。男一匹風祭真介の、ここが花の咲かせどころじゃあないか。
うう、ここで引きとは生殺しだ。別の意味で泣きそうだ。続きを、続きを早くぅ〜〜(じたばた


シリーズ感想
 
12月3日

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12月2日

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11月30日

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11月29日

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11月28日

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11月27日

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11月9日

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