【容姿端麗、文武両道な生徒会長は俺のストーカーではない(願望)】 恵/ぎうにう ダッシュエックス文庫

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全生徒憧れの生徒会長、東雲綾先輩のピンチを救った俺、守谷廉は、彼女にひと目惚れされ、告白を受けてしまう。しかし、黒歴史を理由に交際を断る俺に、諦めきれない綾先輩はストーカーと化し!?お弁当作りに始まり、家に押しかけられ、子作りを迫られ、いつでもどこでも綾先輩の気配が!?しかも、半強制的に生徒会メンバーの一員になることに!?お嬢様な姫華先輩に、小動物系の小毬先輩。唯一の常識人である雫。俺は、平穏な学園生活を望んでいたはずなのに…。綾先輩の暴走が止まらない!ストーカー系ラブコメ開幕!!
これ、相当ガチ目の洒落にならないタイプのストーカーじゃないかしら!?
東雲綾会長、それまで一切ストーカー的な気質を見せておらず、偏執的執着的な性向があったわけではなかったにも関わらず、廉くんに助けられて恋という感情を芽生えさせた途端に、アレですよ。元々そういうタイプだった、というのなら加減もわかってるだろうし(?)、なんだかんだとラインをわかっていそうだけれど、この突然目覚めてしまったあたりがヤバい。恋は盲目じゃないけれど、自分の明らかにヤバい行動に一切疑問を抱いていないし、はっきり言って怖い! 
これは男の側としても美人の先輩にアプローチされて嬉しいというよりも、なにこれ怖い、という感情が先立ってしまうのではないだろうか。実際、廉くんドン引きである。
生徒会長としての綾は尊敬に値する人物だし、その優秀さや人格も含めて廉も敬意を抱いているんだけれど、女性としてはドン引きしっぱなしで結局彼女に女性として好意を抱く瞬間はなかったんじゃないだろうか、これ。うん、会長として尊敬したり信頼したりする機会はあったかもしれないけれど、それ以外の通常の廉への接し方がアウトすぎて、好意を抱くよりもストレスで胃に穴があきそうな感じになってるし。副会長のサディストな性格もストレスに拍車をかけているし、顧問の松本先生は放任を通り越して無責任に推してくるし。
正直小毬ちゃん先輩の毒舌も笑ってられないくらい舌鋒尖すぎて普通に傷つくレベルだと思うのだけれど、この娘は口が悪いだけでそれ以外は無害だし悪意も少ないので、廉くんとしても癒やし枠の方に入ってる気がする。小毬先輩で癒やされているあたりに、彼の境遇の瀬戸際さがにわかに感じられてしまうのだけれど。
こんな環境なものだから、唯一の真人間で会長を制止してくれる唯一の存在で、なにくれとなく助けてくれてサポートしてくれる松本先生の妹で綾会長の従妹という肉親でもあり、唯一のストッパー役でもある雫が、完全に廉にとって救いになってるんですよね。むしろ、相対的に綾会長に迫られるたびに助けてくれる雫への好感度がぐんぐん上がってるんじゃないだろうか。
真面目だけれど堅物じゃなくて物腰も柔らかくて、と傍から見てても雫の方が断然優良物件に思えてしまう。
ただ……正気の状態だったら綾会長も雫にも増して穏やかで真面目でかっこいい女性で、あの酷いありさまを見てなかったら学校のアイドルなのも当然な女神っぷりなんですよね。これ同じ血族である雫も、恋をしてしまうと同じ状態になっちゃうとかじゃないだろうか。だとするとやっぱり怖いw

これはもう、普通に可愛いだけな水原さんが安牌なんじゃないだろうか。ギャル仲間に無理やり引っ張り回されてたり、廉とのやり取りでも何気に押しとか圧に弱いところがあるだけに、とても綾会長なんかと修羅場できないだろうけど、この人じゃあw
しかし漫研の一件での廉くんの動き方は、あんまり納得行かない。話の都合上動かされたというような不自然さを感じさせられたんですよね。あの写真取られて脅されたとき。あそこでただただ黙って言いなりになるのって、展開的にも廉というキャラがこれまで見せていた姿からしても「!??」って感じでしたからね。あそこで若干テンション落ちてしまったところがある。他の時には空気も読まずにグイグイストーカーらしく絡みまくっていた会長が、このときだけは妙に動き鈍かったのも違和感だらけでしたし。
そういうのも含めて、話の転がし方に不自然というかぎこちなさというか、ちゃんと舗装してレールしかないで未整備のまま無理やり押し込んでいくような所が若干見受けられたのだけれど、キャラ同士のやり取りなどギャグ寄りのラブコメのテンポの良さは非常に心地よく読みやすいものがありました。いやでも、ヒロインとして綾会長は自分としてはホントにガチなストーカーすぎてちょっと無理かもしらん(苦笑