神アプリ曰く、私たち相思相愛らしいですよ? #【攻撃力】全振り幼なじみは俺がデレるとすぐヘタレる (MF文庫J)

【神アプリ曰く、私たち相思相愛らしいですよ? #【攻撃力】全振り幼なじみは俺がデレるとすぐヘタレる】 真野真央/あずーる MF文庫J

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翔の幼なじみ・凛珠は積極的なのにこちらがデレるとすぐにヘタレる。おかげで初恋同士だったが結ばれず、信頼度抜群のコミュニケーションアプリでも相性度は1%―と嘆いていたら、翔の恋愛力ステータスが幸運全振りに!?すると相性度最高な女の子との運命の出会いが早速訪れ、素敵な恋が始まると期待したのだが…。乙女チックな後輩や婚約を迫ってくる同級生など一筋縄ではいかない運命の相手が次々と出現!さらには凛珠の反撃も始まり―。おめでとうございます!お二人は幸せ間違いなしの相思相愛です!(一体誰と!?)
「相性度1%幼なじみ」VS「運命の出会い」ステータスが鍵を握る青春ラブコメ開幕!

これ、反撃するから幼馴染凛珠はヘタレるんであって、ずっとデレずに受け続けてたら勝手に攻めきってくれるんじゃないかしら。……証明が終了してしまった。
このコミュニケーションアプリ「Lーstatus」、翔自身が開発に関与していたからか、実際の実績があるからか翔含めて登場人物たちの信頼度バツグン、というかこのアプリの存在前提に物語が組まれているのだけれど、うんチョット待って。凛珠の攻撃力全振りで他はステータス数値0というのはなんとなくそのイケイケっぷりと裏腹の打たれ弱さとかメンタルもバイタリティも皆無というところからわかる気がするのだけれど、他の娘たち。メンタル全振りとかバイタリティ全振りとかの娘たち、そのステイタス100の部分についてはそのキャラの特徴にもなっているから理解できるのだけれど、その他のステイタスが0という部分についてはクビを傾げてしまう。
いや別にこの娘たち、花楽にしても裕子にしても全然攻撃力とか防御力とか0に見えないんですけど!? 花楽ちゃんなんか、攻撃力防御力メンタルみんな0のはずなのにわりと全部高そうな対応とかしてません?
そもそも、主人公の翔が凛珠のこと好きなくせにあんまり未練を見せずに、相性悪いからもっと相性良い娘と仲良くなるぜー、とずいぶんと軽薄な言動を見せてくれるのであんまり魅力的な主人公とは感じられないんですよね。ギリギリのところでどうしても凛珠のことがチラついて、というのはそれはそれで失礼な話ですし。
それもこれも、「Lーstatus」を完全に信用しているからであって、凛珠の事は諦めないといけない、相性度を無視してもお互いに不幸せになるだけ、凛珠とは幼馴染でいいからずっと仲良くしていたいから、と鑑みると凛珠のこと最優先にしている、というのはわかるんですけどね。
そのわりに凛珠のことかなり蔑ろにしているのは彼の軽い性格ゆえなのか、それとも幼馴染という関係に甘えきっているのか。そもそもこいつ我慢聞かずに攻め返して凛珠のこと好き好き言っちゃうから凛珠が逃げて面倒くさいことになっちゃうだよなあ……、って本来なら相手にちゃんと気持ちを伝えるというところをちゃんとやってる主人公は褒められて然るべきなんだが。ってか、最後まで追いかけて追い詰めて逃げられないようにしてから仕留めればいいのに、ってその踏ん切りをつけるのに相性度1%という数値が邪魔してるのか。
こうしてみると「Lーstatus」が完全に二人の仲を邪魔している、というあたりが興味深い。でも、無根拠に邪魔をしているのではなく、「Lーstatus」を信用するなら現状のままくっついてもうまくいかないことは明らかなので、二人ともになにか改善する余地があるということ。アプリの相性度を計測器として捉えるなら、その改善の進行度がわかるという意味で便利は便利なんですよね。
問題は、いったい何が問題で二人の相性度が1%なのかさっぱりわからなくて、何を改善したらいいのかもさっぱり、というところではあるが。
それに、相性度それだけ数値が変動すると常に数値チェックしておかないと意味ないでしょうし、そのうち相手じゃなくて数値の方を見るばかりの関係になりかねない危険性もあるし、なかなかきつい世界観だなあ。

真野真央作品感想