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竜ノ湖太郎

ラストエンブリオ 8.追想の問題児 ★★★☆  



【ラストエンブリオ 8.追想の問題児】 竜ノ湖 太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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第二次太陽主権戦争・第一回戦のアトランティス大陸での激闘を乗り越えた「問題児たち」。三人が揃う平穏な時間は、実に三年ぶり―その間、それぞれが過ごしてきた波乱の日々。“護法十二天”に持ち込まれた依頼から始まる、十六夜たちと華僑との戦い。“ノーネーム”の頭首となった耀が、一か月以上行方不明になった事件。“ノーネーム”から独立した飛鳥が、“階層支配者”に任命されることになり…!?心を許し合う、つかの間の休息の後、箱庭の外界を舞台とした第二回戦が幕を開ける!「問題児」シリーズ完結から語られることのなかった三年間、その追想と始動を告げる第8巻!!


釈天社長の会社はあれ、どう見ても探偵かなんでも屋だよねえ。フリーエージェントと言われてもピンと来ないけど、なんでもやるよという意味なら頷ける。
というか、釈天さんはインドラ神とかやっているより柴又あたりで小さい探偵事務所を営んでいて、地域の人たちの頼みを聞いて回る、時に荒事にも首を突っ込むもののそこは神様の威徳をもってバリバリやっちゃうよー、くらいの地域密着型が似合う人となりなんですよねえ。
神々の中でももっとも人間が身近に親しみを感じる神様、なんて感じに語られる帝釈天ですけど、主神クラスじゃなくてほんと、下町のおっさん神やってるくらいが似合うおっさんなんですよねえ。
決して、スケールが小さいというわけじゃないのだけれど。でも、金欠で少ない生活費を競馬に注ぎ込んでオケラになってるところとか、世界を股にかけていい神様じゃないよなあw
とはいえ、そんなおっさん神が地元のいつもお参りしてくれる信仰厚い少女のために、失踪した親父さんを救うために華僑のマフィアの根城に乗り込むぜー、という話は人情物のきらいもあってなかなかワクワクさせてくれるお話だったのですが、肝心の大暴れー、という所が略されてしまって肩透かし。相手が元箱庭の住人というのもなあ。いやそこは、無頼どもを神様と十六夜くんとで派手にぶっ飛ばし、というのを期待しちゃうじゃないですか。それもそこらのしょぼいヤクザじゃなくて、相手はガチ本格派の中華マフィアだったわけですし。
これに限らず、耀の行方不明事件の顛末も囚われというか身動き取れなくなっていた耀を発見して、彼女が行方不明になっていた事情が明らかになって、さてどうやって解決するかという段階にまで順調に話が進んだら、またぞろ盛り上がるだろう大暴れのところがすっ飛ばされて、結末だけどうなったか書いて幕を下ろす、という展開に。いやー、それちょっと肩透かしっすよ。不完全燃焼ですよー。いや、オチは面白かったんですけどね。釈天のおっさんが悲しい目にあうのも合わせて。

さて、本編のゲームの方も次の開始準備が着々と進んでいて、ゲームの舞台が十六夜くんの時代の地球ということで十六夜くんの旧友となる人物も登場し、さらに陰陽寮なんてワードまで出てきた上に、箱庭と地球という運命共同体の行く末に関しての白夜叉の不穏な動きなんかも見えてきて、祭りの前のあのジリジリとした盛り上がりを感じていたんですよね。
箱庭じゃなくて、地球の方が舞台というのは色々と修羅神仏とかの能力が制限されるようでいて、逆に本来なら地球側では開陳されないような力や破壊がド派手に飛び交う可能性もあり、という事もあり、またこの時代の人間ではない飛鳥や耀の反応など楽しみな部分もたくさんあったわけですよ。
そこで、あとがきでの休載宣言でがっくり落胆することに。後生やでえ。ただ作者さんとしても苦渋の決断だったようですし、色々あったみたいですしこればっかりは残念ですがどうしようもないよなあ。願わくば、どんな形であれ再開、もしくは続きを手掛けることができるようになれば、と祈るばかりです。

シリーズ感想

ミリオン・クラウン 5 ★★★☆   



【ミリオン・クラウン 5】 竜ノ湖 太郎/焦茶  角川スニーカー文庫

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九州における死闘を終え、王冠種の一体・大山祇命の討伐を達成した極東都市国家連合の面々。戦後の処理を終え、東雲一真は「那姫とのデートの約束」に悶々としながら休暇を取ることになったのだが――休むどころか立て続けに予定(イベント)が入り!?
帰国した赤服筆頭・倭田龍次郎――"最強の流体操作型"とも言われる元最強戦力との手合わせから始まり、中華大陸連邦・EU連合の突然の来日と時代を揺るがす『新型兵器』の公開、そして最後に待ち受けるのは緊張の本番(デート)で――! 数々の物語が交錯し、波乱の休暇が幕を開ける!
竜ノ湖太郎が放つ人類再演の物語、激震の第5巻!

デートって、もっと軽い感じの二人でちょっと遊びに行こうぜ、という程度の話かと思ってたのに。
那姫も一真も思いっきりガチじゃねえか! 本気も本気のデートじゃないですか!
いやまあ一真も若い男の子。憎からず思ってる女の子からデートしようぜ、と言われちゃあそりゃあ真顔になっちまうか。生真面目な気質だけれど木石ではないものねえ、カズくんも。決して女慣れしているわけじゃないし、そりゃデートとなれば勢い込むかー。なんか気合い入りすぎててどうよ、という感じすらあるのだけれど、そんな意外と余裕なさげな所もここでは愛嬌というものでしょう。
意外だったのは那姫の方で、いや彼女の方こそもっと気軽な感じでデートって言い出したと思ってたんですよね。ところが、どうにもこうにも彼女の方もなんか凄く気合い入れててびっくりですよびっくり。彼女の本心に関しては未だに肝心な所は見えにくいんですけど、一真に対して凄く信頼を向けているのはわかるんですけれど、異性としての好意は抱いてるんだろうか。そのあたりまだちょっとわからないんですよね。そりゃデート誘うくらいだし、今まで全然とっていなかった長期休暇を全部このデートに使っちゃおうというくらいには本気だし、デートプランの立て方もガチで気合い入れてたし、一真のこと軽く考えているわけでは決してないでしょうけれど、その好きが恋だのなんだのか、と断言できるかというと那姫って公私の私の部分が壊滅している娘なだけにちゃんと考えているのか居ないのか。
今回語られた那姫の出自の件や彼女がそれを徹底的に伏せている事も、プライベートを開放しない事と繋がっているのでしょうけれど、彼女が自分から自分の出自に関して秘密を口にできるようになるかが、判断の物差しにはなったのでしょうけれど。
穏当な意味でその物差しが使われることは、ラストの展開からなくなっちゃったもんなあ。

ともあれ、シリーズ始まってからようやく落ち着いた環境でのはじめての日常回。今までは日常パートあっても戦闘と戦闘の間、みたいな緊張感が抜けきらない緊迫感が常に横たわっていたきらいがありましたからね。
本当にこうしてリラックスして今の状況を振り返り、周りの人たちのことも顧みる事のできる余裕がある時間、というのはやっぱりはじめてだったんですよね。五巻にいたってようやく、というのが色々と過酷がすぎますけど。
でもそういう日常回がないと、個々のキャラクターってなかなか新しい側面とか今まで見えなかった部分とか出てこないんですよね。あれ、こいつってこういう子だったのか、というのが見えてこないとなかなか非日常の火急の最中の言動だけではキャラの掘り下げって進まなかったりするし、落ち着いた環境でないと登場人物同士のお互いの認識というのも刷新しがたいものがある。もちろん、読者からしてもこういう場面のほうがキャラの認知って進むんですよね。
しかし、倭田龍次郎って人そう言えば今までずっと不在だったのか。いや、なんども話題にはあがっていたので、ずっとバタバタしてたのもあるんだろうけれど、存在感があるのかないのかよくわからん存在だったんですよね。現れてみると、飄々とした食わせ者のおっさんだったわけですけど、そういえばこういう前線で頼りになる困ったおっさんタイプの人周りには居なかったなあ。こういうベテランが一人いるだけでも余裕のあるなしが変わってくる、というのが今更ながらに実感できる。
そんでもって、こういう人が居てくれるからこそ、主人公の一真の足りない部分が見えてくることもあるんですよね。ってか、教えベタだったのかカズくん。年齢考えたら自分の技だの心構えだのを他人に教えたり伝えたりするのって、まだまだ自分の事に興味の比重が傾いている時期だし経験として教えたり育てたりというのはする方じゃなくてされる方なわけですから、あんまり教える事に関して意識が向いていない、というのも仕方ない気もするんですけどね。
ただカズくんの場合はそもそも指示したり指導したり、というのが得意そうじゃない、というのもあるんだけれど。隊長になっても、結局じぶんが突っ込むばかりだしやろうと思ってもうまく出来てない感じですしねえ。こればっかりはもっと歳を経て練れてこないと無理なんじゃないかなあ。

さて、当初は最大の警戒対象だった中華連邦ですけど、王総統はもう絶大に信頼の置ける人物であることがわかりましたし、あのお茶目というかフリーダムなところもむしろ人柄としても信用に値すると思わせてくれるところなんですよね。あの油断ならない静雨大使も性格悪いし連邦の利益優先でガンガン謀略しかけてくるけれど、人間としては信用のおける人物だというのがわかってきた感もあり、あの国は頼もしい味方と思ってもいい……もちろんこっちも相応しい力を示し続けなければならない、という前提はあるにしろ、人類共同戦線としては十分に成り立つ間柄、というのは確信できたわけですが……。
ついに、人間サイドの中でもはっきりとした敵役も姿を現してきたわけで。ウロボロスかー、これは思っていた以上にたちが悪い相手かも。どうやらまたぞろ情報操作にも長けているみたいだし、とびっきり邪悪そうだし。
ああ、実に日常回の締めに相応しい奈落への突き落とし方じゃあないですか。

シリーズ感想

ミリオン・クラウン 4 ★★★☆  



【ミリオン・クラウン 4】 竜ノ湖 太郎/焦茶  角川スニーカー文庫

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刮目せよ、人類最強の力――決戦の刻、来る。

遂に動き出した王冠種・大山祇命。三四に刺され、倒れ臥す一真を尻目に、九州は死地と化した――。
中華大陸連邦、シャンバラ、そして極東都市国家連合は、共同戦線を張りながら大山祇命に対抗を続ける。そして、迷いながらも立ち上がった一真は、三四の真実に思いを巡らすことで、一つの結論へとたどり着く。
一真の覚悟、三四の決断、ジャバウォックの変心――死地と化した九州にて交錯した想いが結実する時、遂に人類最強戦力と王冠種が激突する! 竜ノ湖太郎が放つ新シリーズ第四幕―――刮目せよ、人類の力!!
純情かよ、ジャバウォック。
前回でその虫酸が走る悪辣さから、霊長を争うライバルとして相応しいのかとすら疑問を覚えたジャバウォックなのですが、蓋を開けてみるとなんだろう、この迷子の子供みたいな存在は。
死の価値を知らず、生を冒涜する存在。でもそれは裏返すと、生まれたてでまだ何も知らない無垢な存在であるとも言えるんですよね。さり気なく語られていましたけれど、死体を操るような冒涜的なやり方も、実のところ人間の真似をしたみたいなこと言ってましたし。
同種同類の存在しない唯一無二の存在であるが故の孤独。最初からそう生まれたのだからそれが当然と感じることが出来たのなら、ジャバウォックは完全であったのかもしれません。でも、彼はその在り方に孤独を、寂しさを感じてしまった。だからこそ、集である人間の存在に惹かれ、その他者を虐げる実態を目の当たりにして失望し、人類史で人類が重ね続けた悪行を真似することで蔑み、突き放そうとする一方で、他の王冠種のように人の群れを配下に置こうとしたり、三四に入れ込んだり。
効率の問題だの契約を果たしているだけだ、なんて言ってるけれど終わってみるとどう考えても建前ばかりで、そこには寂しさを埋めようとする感情があり、繊細な情動があり、未練があり、捻じくれた悪意ある言動の裏には素直なほどの愚直さと誠実さが伺えてしまう。傷つきやすい柔らかな心根が伺えてしまう。
三四に問いかけた、自分が醜い龍だから? なんてセリフはそれを気にしていないと出てこない言葉ですもの。
それだけてひどい裏切り、と捉えられかねない選択をされたにも関わらず、激高して何もかも潰してしまうような感情的な行動を選択せず、最期に彼が行った幾つかの行動は、お前どれだけ純情少年なんだよ、と言いたくなるような振る舞いなんだよなあ。

那姫を一度信じると決めたら、どんな疑わしい側面が彼女に現れだしても疑念を挟むことすら無く信じ抜く一真もまた、恐ろしいほどに愚直で誠実である。その傾向は殆どの登場人物、ミリオンクラウンと呼ばれる人類最強たる逸脱者たちも、双子のような将来の幹部候補とはいえ一兵卒な若者たちまで、みなこの人類退廃の生き残ることからまず困難な時代でありながら、それとは裏腹にあまりにも誠実な生き様を示しているのが印象的なのだ。それが、この生き苦しい時代を生きる上で、未来を指し示す上で必要なことだからなのだろうか。
一方で三四たちを生贄にするような実験を強行していたような原罪を生み出し続けるような人間たちもいる。だけど、恩恵を一方的に享受しながらその犠牲に真摯たろうとしない面々もいるけれど、この実験を主導していた九州の指導部は、それはそれで生き残るために誠実であったとも言えるんですよね。
でも、三四はそんな彼らを拒絶し、でも双子たちに出会い、友のために自分の役割を受け入れてしまった。それで、怪物と少女は共に行く未来をなくしてしまったのが、こうなってみると少し哀しい。ジャバウォックは、無知であったがゆえに人との関わり合い方を知らなさ過ぎた。露悪的な言動は、憎しみをもって共感を抱こうとしたやり方は、結局不器用に過ぎたのだろう。それでも、三四には彼の一番根っこの部分は伝わっていたはずだ。だからこそ、自己評価の低い彼女は自分では彼には相応しくない、と思ってしまったのかもしれない。
ジャバウォックにとって、三四こそがアップルパイを一緒に食べてほしい人であっただろうに。残念ながら、彼がそれに気づけたのは多分、彼女にフラれたその時なのだろう。
ともに生きる、寄り添う相手が果たしてこれからの彼に見つかるのか。三四を助けて、新たな共生者の誕生を選ばず孤独に去っていったジャバウォックの行く末を、今強く想う。

茅原那姫の実体というか正体らしきものも見えてきた上で、ついにまたぞろ「ウロボロス」なる暗躍者も姿を見せてきた。ミリオンクラウンも王総統にカルキと登場して、そのキャラ以上に現在の人類における存在意義みたいなものも伝わってきて、同じミリオンクラウンとなるだろう一真が今度どう在っていくのかの指標ともなるのではなかろうか。まあ、彼はどうあっても彼らしくしか在れないのだろうけど、さてそのまま那姫といい雰囲気になるんだろうか。
お膳立てが整って、これから大いに物語が動き出しそうな予感。の前に、次回ははじめての日常回、らしいけどそれで果たして済むのか否か。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 7.吼えよ英傑、甦れ神の雷霆! ★★★★  



【ラストエンブリオ 7.吼えよ英傑、甦れ神の雷霆!】 竜ノ湖 太郎/ももこ  角川スニーカー文庫

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箱庭第二桁、ギリシャ最強の魔王・テュポエウスとの一戦を終えた「問題児たち」。辛くも一時的に撃退したものの、しかしアトランティス大陸の異変は収まることがなく――。
巨人族が溢れ大陸全土が混乱する中、第二次太陽主権戦争・第一回戦は終わりを迎えようとしていた。謀り企てる"ウロボロス"のゲームメイカー、奮戦する問題児たち、『王の在り方』を問われるアステリオス――激動の中で様々な想いが交錯し、遂に"大父神宣言"の真実が解き明かされる時、英雄英傑、そして問題児たちは再び魔王・テュポエウスとの決戦に臨む!!
竜ノ湖太郎の大人気シリーズ、アトランティス大陸編、完結!

なんだろう、ようやく様々な謎が薄っすらとだけれど一つに繋がって見える範囲まで浮き上がってきた気がするぞ。破局的大噴火(ウルトラボルケイノ)による人類史の終焉、星辰粒子体(アストラルナノマシン)の研究の暗躍者、血中粒子加速器(Blood accelerator)の存在、第二次太陽主権戦争が行われる意味、星霊の定義。多種多様な用語が飛び交い、そこに秘めたる関連性がずっと示唆されつつも実際に紐づけするには複雑に絡み合いすぎていて、全体像が掴めなかったのも確かなんですよね。大まかな意味において、十六夜たちは何を目指すのか。近しい視点観点においては目的は個人的にもコミュニティ的にも色々とあるものの、大局的な俯瞰的なマクロな視点としては十六夜たち、方向性こそ見出しつつあったものの、それそのものを見出すためにもこの今回のギフトゲームに参加している、という感もあったんですよね。
まだあまりにも、あまりにも謎でわからないことも多く、真意が掴めないキャラクターも多いのですけれど、一つだけ……少なくとも一つだけははっきりとわかったことがあるんじゃないだろうか。
敵はジェームズ。ウロボロスのゲームメーカーを名乗るあの男だ。
魔王テュポエウスが義憤により立ったように、絶対悪アジ=ダカーハが偉大なる悪であったように、殿下が救世の英傑として再起したように、敵として立ちふさがった者たちにもそれぞれに戦うべき理由を矜持とともに持っていた。
あのクリシュナの皮を被ったナニモノかですら、その意図が悪しきものであったとしても真正面から自らの意志を貫こうと襲いかかってきた。あれもまた、絶対に相容れぬ戦うべき敵なんだろうけれど、あれですらまだ戦いが成立する、とも言えるんですよね。
対してジェームズである。意図を隠し思惑を秘し虚言を弄し他者を陥れ騙し公然と利用して、愉悦する。もう邪悪極まるんですよね。あれだけみんなから胡散臭くて信用出来ないと思われているにも関わらず、彼を排除できず彼の言葉に踊らされざるを得ないこのもどかしさたるや。その上で、今箱庭も外界もまとめて悪い方悪い方へと持っていこうとしているナニモノか、その起点となっているのがどうにもジェームズっぽい、という証拠と言えるのかわからないけれど、つながりのようなものが見えてきて、芋づる式に今あれもこれも全部見事に繋がっているんじゃないか、という感覚が引き釣り出されてきたっぽいのが、今回の話の肝の一つだった気がするんですよね。ぽい、だったり気がする、と断言できないところにやっぱりもどかしさもあるのですけれど。それでも、はっきりと目に見える形で、こいつが悪い! という相手が確定したというのは随分スッキリしたわけですよ。的がついに確かになったんですから。盛大にぶっ飛ばすべき怨敵が。許されざる真の外道が。
ウロボロス自体は、旧知の人物や以前の仲間が加わっていたり、決してそのもの全体が敵、というわけではなく内部でも意思統一がなされていないような感じもあるので、まるっとあいつら敵、とはならずモヤモヤしていただけに、余計に元凶がはっきりしたというのは物語としても焦点があってきたんですよね。
それでもまた新たに謎や設定も増えて来ているのですけれど。

ともあれ、大父神宣言の真実はこのアトランティス大陸編の決着を決定づけるに相応しい大解答でありました。いやこれ、大神ゼウスの有名な女癖の悪さからくる悪名を根底からひっくり返してしまう話だったんじゃないでしょうか。この解釈だと、ゼウスのあのレイプ魔としか言いようがない因業が、まるで真逆の意味になっちゃいますもんね。一つの神話大系の主神に相応しい偉大さとして語れるものじゃないでしょうか。ついでに女神ヘラのアレも一緒に意味づけてほしいところでありますけど。
他にも先代?問題児の一人であるあのアルゴールがついに出番だとばかりに登場したり、アルマテイアがいきなりひげをつけて解説をはじめたり、ケツァルコアトルさんがやたらイイ人だったり、と見どころは沢山あったわけですが、やはり一番の見せ場はアステリオスの王としての決断であり覚醒であったのでしょう。なにしろ、サブタイからして「甦れ神の雷霆」なのですから。かつてミノス王が乗り越えられなかった壁を、今息子たるアステリオスが乗り越え、箱庭世界に名乗りを上げる。
一方でまた魔王テュポエウスももうひとりの主人公なんですよね。アバターとなっている実験体の少年が宿していた、父とも思った相手からの裏切りによる悲嘆と絶望、そして怒りに義憤を覚え戦うテュポエウスもまた、父であるゼウスに裏切られたもの。その傷ついた心を目の当たりにした十六夜の行動は、あの抱擁は……なんていうんだろう、十六夜くんって色んな意味でこの子やっぱり「お兄ちゃん」なんだよなあ。

次の舞台はどうやら「ローマ」。コンクラーベという単語が出てきたけれど、果たして二回戦はどんなギフトゲームが用意されているのか。ジェームズが本格的にノーネームを敵と見定めた節もあり、ここからどんどん核心へと突き進んでいきそう。さあ、ワクワクしてきましたぞ。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 6.激闘!! アトランティス大陸 ★★★☆   



【ラストエンブリオ 6.激闘!! アトランティス大陸】 竜ノ湖 太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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"人類の敵"、殺人種の王を一時的に退けた「問題児たち」。黒ウサギや御門釈天とも合流した一同は、消耗した逆廻十六夜を無理やり休ませつつ、アトランティス大陸の謎解きを進める。
そして舞台は地下迷宮へと移り、最下層へ先行する春日部耀と石碑を探す残りの面々の二手に別れて探索を開始する一同だったのだが、突然の大噴火にて事態は一変し――
「人類を"世界の敵"にしてしまった罪を、かつて拳を振り上げられなかった者の義務を、今此処で果たそう」
地上に異変が起きた最中、最下層にて耀が遭遇したモノとは――。
竜ノ湖太郎が送る大人気シリーズ、禍乱が巻き起こる第6巻!!
あの十六夜くんをどついて気絶させて休ませるとか、すげえことするなあ耀。たくましくなった、というレベルの話じゃないですよ。いくら弱っているからって十六夜くんにそんなことが出来る人が神仏含めて幾人いるか。
耀って、問題児三人組の中でも一番リーダーとかそういう立場に似合わなそうだったのに、今ノーネームのボスになってる彼女を見ると、むしろ彼女がリーダーとしての立場を活かせる人間だったのか、と思えてならない。飛鳥も別のコミュニティ作っているとはいえ、飛鳥も十六夜も人並み以上に人の上に立つことは得意かもしれないけれど、同時にその立場に絡め取られて自由に動けなくなる、柵にとらわれるタイプであるようにも見えるんですよね。その点、耀はその立場を逆に利用して好き勝手出来るタイプというか。帝釈天を口八町で乗せてうまいこと権限を掻っ攫っていったのなんか見ても、彼女の自由人としての個性がイイ方に作用しているなあ、と。

これまで慎重に、というか無理やり飛鳥のことを避けまくってた彩鳥。ここまで徹底的に逃げ回っていたのだから、最後まで引っ張って逃げまくるのかと思ったら、簡単にとっ捕まって自爆したぞ、この女! 別に飛鳥の方から追求しているわけでもなかったのに! しかも、前世の記憶はありません、なんてどうしようもない嘘をついて。凄まじいポンコツっぷりである。
これがあのフェイスレスと同一人物? 全然キャラ違うんですけど、別人としか思えない、とのたまってる飛鳥さんの感想に完全同意である。生まれ変わって緩んだ、とかなんとか言われてたけれど、これ緩んだ鈍ったどころじゃないですよね。キャラが変わった、としか言いようがなく。本人にそれほど変わった意識がないあたりが惨劇を助長しているきらいもあるのでは。あくまで鈍ってる、と思ってる風なのがなあ。
あっさりここらで神域の技量を回復させているあたり、メンタルに左右されすぎじゃね? とも思わないでもない。どれほど強さを取り戻しても、フェイスレスの頃のような頼もしさが全然感じられないあたり、ポンコツという業の深さを感じてしまうのでありました。その分、尋常でなく可愛くなってしまった、というのもまた深い業じゃないですか。

しかし、ここに来てもウロボロスの暗躍が不気味すぎるなあ。ガイアの末子など、人類と明確に敵対する存在が湧き出しているけれど、それもこれも含めて「ウロボロスの掌の上」という言葉が深刻に響く。せめて、ジンがなにかウロボロスの思惑を超える形でアヴァターラを率いていたらいいのだけれど。特にジェームスなる男の胡散臭さと邪悪さが半端ないんですよね。だいたいジェームスって名前なんだよ。あまりにも特徴がなさすぎて、名前的に遡るしかないんじゃなかろうか、これ。ジェームス、ジェイコブ、ジャック、ヤコブ。あの懐かしきジャック・オー・ランタンと同じ名前というのも気に入らないし、ちょうど表の世界でローマ法王やキリスト教の話が出てたのも因縁を感じるし、ラストの十六夜くんの久々の痛快登場シーンのように、スカッと問題児たちがウロボロスの暗躍に対してやらかしてくれるのを期待しつつも、次がアトランティス編の最後か。

シリーズ感想

ミリオン・クラウン 3 ★★★☆  



【ミリオン・クラウン 3】  竜ノ湖 太郎/焦茶 角川スニーカー文庫

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『お前の、思う様にやってみろ』。万感の思いが込められたメッセージと共に、母・東雲不知夜から託された鍵。東雲一真は、その真相の究明と大和民族統一の為に九州総連へと赴くのだが、彼らを迎えたのは予想外の敵だった。
仕掛けられた策略を辛くもくぐり抜けた一真達は、辿り着いた九州総連にて、上級自己進化型有機AI・「アマクニ」、そして呰上三四という少女と出会う。三四に対する周囲の歪な対応に憤る中、徐々に明かされていく真実。その真実に到達したとき、退廃の時代を支配する怪物が目を覚ます!!
竜ノ湖太郎が放つ新シリーズ、波乱の第三幕!!

まさに退廃の時代だ。いや、全盛期ですらこの世の悪を極めたような行状が行われていた、それも享楽や欲望の為だけに行われていた事を思えば、人類が生き残るために成される悪は必定なのか。
それとも、生き残るために悪を成さねばならない人類は、やはり滅びなければならないのか。でも、少なくとも「命」の価値を知らない怪物に蹂躙されるのだけは我慢ならない。それだけは、必ずだ。
しかし、図らずも……じゃなくて図っての事なんだろうけれど【ラストエンブリオ】の方と問われる原罪が重なってしまったわけだけれど、人類史の終焉のターニングポイントであり人類史を救済するための罪として設定されたあちらの「それ」と、この未来の世界で行われている「これ」はほぼ同一にして非なるものなんですよね。未来における破滅を避けるための罪であるあちらに対して、こちらはリアルタイム、現在進行系。当事者の切迫感、危機感は果たしてどちらが高いだろうか、と言えば決まっているのである。それに、あちらは箱庭世界での出来事。問題に直面する者たちは英雄神仏の類であって、人類史を担う存在ではあっても人類史の只中で生きている只人ではない。
一方で、こちらで「罪」に直面しているのはまさにその退廃の時代とかした未来の只中で必死に生き残ろうとしている只人たちなのである。
この点に関して、一真は未だに当事者になりきれていないと言える。彼の価値観はどれほど特別であっても平和だった21世紀が基準であり、来訪者の軛から逃れられたわけではない。
ならばこそ、その罪を受け入れるか拒絶するかを問われるのは一真よりも、この時代で生まれ生きてきた者たちになる。双子たちは、厳しい選択を迫られることになるなあ。幼いながらも、戦士としての覚悟を持って生きている、そして弱き者たちを護り抜く決意を持っている彼女たちを子供扱いするのは間違っているのだろうけれど、彼女たちの善良さを幼さが支えているのならやはり酷と言わざるを得ない。
しかし、一真くん、いい加減入手した情報を誰にも明かさず、共有する相手を慎重に選別しているの、ちょっと巧遅が過ぎるんじゃないかと思ってたし、アウルゲルミルのアマクニに伝えて、という遺言を聞いていながらまたぞろ情報の受け渡しを渋ったのについてはさらに「むー」と顔をしかめたものだったのですけれど……うん、それはちょっと予想していなかった。
ジャバウォック、悪辣すぎるだろう。
死体を利用したトラップが効果を発揮する、ということは死に対する厳かな考え方があるからこそ、であって、それを褒めるような輩にはそもそもそういうトラップは通じない、効果を発揮しない、というのをこの怪物はわかっていないのだろうか。どちらにしても、これを王冠種というには「虫酸が走る」。人類史の存続を問い争う相手として、これを選ぶのはなんというか嫌だなあ。
こういう輩こそ、盛大にぶっ飛ばして欲しいものであるが、果たして新しいミリオンクラウンはそれを見事に成し遂げて、ハッピーエンドを引き寄せてくれるのだろうか。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 5.集結の時、暴走再開! ★★★★   



【ラストエンブリオ 5.集結の時、暴走再開!】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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「私は久遠飛鳥。箱庭に召還された異邦人の一人です」
アトランティス大陸の謎に挑んでいた鈴華は、その道中で久遠飛鳥、アルマテイアと出会う。意気投合する3人の前に、今度は「ラミア」と名乗る吸血鬼の少女が現れて!?
一方、十六夜の前には、春日部耀、そして飛鳥達が現れ、遂に「問題児たち」が集結する。しかし、懐かしむ間もなく、クリシュナと更なる怪物が彼らを襲撃し――
「極相の星剣、原典候補者、生命の大樹……そういう事か! 貴様らが、ミリオン・クラウンというわけか!!」
十六夜が親友について語る短編も同時収録。過去と現在が交錯する第5巻!!

ああ、やっぱりこの三人が揃うとイイなあ。十六夜にとって仲間や対等な存在、同格に近い協力者というのは今となってはたくさんいるんだけれど、その中で耀と飛鳥はまたなんか違う、特別なんですよね。なんなんでしょうね、この三人の関係って。まるっとひっくるめて「家族」と囲ってみてもいいのですけれど、家族扱いなら他にもいるでしょうし。同志にして好敵手、兄弟……とはまた違うか。それぞれにまた姉妹・兄弟はいますからね。
男女の仲を越えた本当に何とも表現し難く、しかし揺るがし難い不抜の絆で結ばれた三人。この三人が揃うとやっぱり雰囲気からガラッと変わります。一人でも果てしなく強い十六夜だけれど、でも彼だけだとどこからしくなかった、とも言えるんですよね。ほんとうの意味で背中を預けられる相手が、耀と飛鳥であるのかしら。
どこか燻っていた十六夜と違って、階層支配者としてメキメキと力とリーダーとしての諸々を備え始めている耀に、コミュニティの長としてこちらも成長を遂げていた飛鳥。飛鳥の方は何をしていたんかわからんけれど、あっちこっちでまた途方もない人脈を築いていたようで。なんか帰ってきたら超抜的な武器持ってるんですけど。RPGでいうと宝箱とかイベントでしか入手できない最強武具をどこかでもらってきたみたいな。
決して身体能力が超人化しているというわけではなく、肝心の武具を扱う腕前が他所様から「ぼ、凡庸」と呆れられてしまうのですから、そこらへんは飛鳥さまらしいというかなんというか。ただ、彼女の強みはその直接的な力とかじゃないのは、当初からわかっていたことですから、存分に自分の長所を伸ばしている、とも言えるんですよね。その凡庸な刀術で問題なく試練をくぐり抜けているのですから。
クリシュナの方はその正体を含めて引っ張るのかと思いましたけれど、思いの外早くというか取って返す勢いで再戦が行われて、彼の正体が引き出されることに。
またぞろ、ごっついのが出てきたけれど、逆に言うと正体見たりということで露見してしまえばどうとでも出来るんですよね。未知こそが恐ろしく、ぶん殴れるならなんともでなるとも言える。少なくとも、人類最終試練たるアジ・ダハーカ様のあの絶望感に比べれば。
それはそれとして、彩鳥ですよ。飛鳥の気配察知するやコソコソと逃げちゃって。これがあのフェイスレスだったかと想うとなんとも情けないというか。ラストエンブリオに入ってからいいとこなしだなあ。

印象的だったのは、やはり後半の番外編ふたつ。金糸雀とレティシアの出会いであり、吸血鬼一族が迎えた地獄の顛末の模様であり、十六夜とその親友となったIshiとの出会いと別れ。十六夜が世界の素晴らしさを教えてもらったエピソードである。
そのどちらにも金糸雀が絡んでいる。絶望の閉塞世界を突破して現れたかの少女は、正しく世界の救世主だったのだろう。ディストピアを打ち破った英雄は、その後も絶望する人々に打ち克つ希望を当て続けたのだ、と思えばその偉業には心打たれるものがある。
さらっと語られた斉天大聖孫悟空に生まれながらに与えられた運命と、その運命に異を唱え天に逆らったかの盟友たちの戦争についても、なかなか衝撃的な話でありました。ってか、孫悟空ってそんな破滅の運命背負ってたのか。生まれながらに存在が許されぬが故に監禁した天帝の意図も、決して意味のないものではなかった、というのもわかるんだけれど、それでも悟空……彼女の尊厳を守るために立ち上がった魔王たち、というのがやっぱり格好いいですわ。七天魔王のうち中華系が三人しかいなかった、というのも驚きだけれど。そういえば迦陵ちゃんの迦楼羅ってばインド系になるのか。
しかし、斉天大聖がこれだけキーパーソンだった、となると彼女の沈黙とちらっと登場した時の意味深な発言にもいろいろと思惑が生じてくる。
ともあれ、酔っ払ったとはいえ十六夜の膝枕でだらしなく眠る耀と飛鳥の甘えっぷりにほんわかする一幕でもありました。これ、彼女ら二人肩肘張って十六夜に追いつこうとしている頃だったらこんな風に出来なかったんじゃないかな、と思えばこうやって彼に甘えることができてるというのは二人の成長と自信の現れなんだな、とも考えられるんですよねえ。
次回は、本格的に彼女ら二人の本領発揮を見たいところであります。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 4.王の帰還 ★★★★   



【ラストエンブリオ 4.王の帰還】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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人類の未来に“退廃の風”が吹き始める――。シリーズ待望の最新刊!!

いよいよアトランティス大陸に到着した焔たち。白夜王と黒ウサギによって新たなゲームルールが説明されるが、彩鳥はかつてのように戦えない自分の不甲斐なさに不安を隠しきれなかった。一方、廃滅者パラシュラーマとの死闘の果てに、十六夜は再び箱庭に帰還する。どうにか焔と合流する十六夜だったが、そこに“ウロボロス”の刺客が現れ!? やがて告げられる衝撃の事実。焔と十六夜の運命が決する時、再び“絶対悪”の御旗が揺れる!
これは無理ー! 人類史消滅のお知らせー! これはあかんわ、人理焼却とかポールシフトよりもこう、ダイレクトにダメかも知らん地球。むしろ、ここから地球を守る手段があることの方が信じられない。まさに神の配剤である。実際には、神はそういう関与の仕方はしていないのだけれど。むしろ、既にあった材料を無理矢理にでも手繰り寄せて実現させようとしてるんだよなあ、これ。
そうか、それが「理由」だったのか。
ウロボロス側のなんか、人材というか所属している人たちの思想や属性というのがものの見事に雑多でまとまりがないに等しいにも関わらず、肝心の「目的」に関してはどうにも一致団結というわけじゃないけれど、ブレなく目指しているっぽい様子がどうにも不思議だったんですよね。どう考えても、かつてのカナリアや今の十六夜たちを裏切って向こうにつくとは思えない人たちまで加わっていたわけですしね。ジン・ラッセルくらいだとなんやかんやと思惑抱えて動いてそうなんだけれど、そういう裏表のなさそうな人たちまであっちに居るケースもあったもんなあ。

でも、これが「理由」だとしたら、どれほど後悔し苦しむことになろうと、大事な人たちを裏切ってでも、その選択をしようという人たちも出てくるわなあ。
でもそれは「悪」なのである。
許されざる悪なのだ。それを選択することは、人類が悪そのものへと染め上げられることになる。再び人類は現在を抱えることになる。
それを人類が選択しようとしているのを、そりゃ人類の正義を誰よりも信じているからこそ「絶対悪」の御旗を掲げたあの方がそれを許せるはずがないわなあ。
しかしそうかー、焔がその対象だったというのも、閣下の在りようと焔が行うはずだった未来の罪を説明されたらなるほど、と思わざるを得ないんですよね。まさにその在りようは重なっているのか。
どうもウロボロスの側でも、なんか妙な動きをしている連中がいるようで、世界の危機を救うためというお題目とは別の目的で動いているっぽいんだよなあ。ってか、露骨に退廃の風とか匂わせてるんだけどそのままなのもしかして? 
ともあれ、世界を救う手段そのものは提示されたものの、どう見てもそれって無理ゲーなわけで、なにをどうやったらこれ実現できるんだ? 少なくとも、現在の十六夜と焔の持っている能力と伝手だけじゃ絶対無理なんだよなあ。箱庭世界に来たことじゃなく、そこで出会う人たち、違う時間軸の人たちとの出会いこそが重要だったのか?
なんかさらっと、今まで伏せられ続けていたノーネームの前身である滅びたコミュニティーの真名までさらっと明らかにされちゃいましたし。あれって、名前が喪われたことが本当に重要で、だからこそ今の今まで絶対に誰もその名前を口にしなかったのに……その名前を言っちゃったってもしかして本当にヤバイことなんじゃないだろうか。
十六夜の原点、生涯の親友との出会いと別れの話によって、このぶっ飛んだ男の類まれなる理性と価値観の根源を目の当たりにしたわけですけれど……やっぱり凄い男だよなあ、こいつ。アジ・ダハーカ閣下の目は決して曇ってはいないと思う。力を振るうその方向性が実に極まって格好いいんですよね。その意味では、かの大英傑ヘラクレスもまた見事な格好良さで、もう思い描くべき英雄ってこういうのですよね。
世界を救うための大きな正義ではなく、か弱い助けを求める声に応えるその姿にこそ、震えるような熱さを感じるのである。打ち勝つべき困難とは、きっと理不尽というものなのだ。十六夜は、まさにその理不尽と戦うために、そこに宿った力を奮っていた。その極限が今ここに試されている。
色々とバックグラウンドが明らかになって、ようやくすっきりとしてきた。一方で障害となるあれこれの高さが成層圏貫いていて、これほんとどうすんの!?という有様なのだけれど、いい加減十六夜くんだけではイッパイイッパイになってきたので、次で他の問題児たちとも合流するんですよね? やはり三人揃ってないと、こういう絶対無理の壁はダイナミックにぶっ壊せない気がするのであるが故に。

シリーズ感想

ミリオン・クラウン 2 ★★★★  

ミリオン・クラウン2 (角川スニーカー文庫)

【ミリオン・クラウン 2】 竜ノ湖太郎/焦茶 角川スニーカー文庫

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遂に明かされる環境制御塔の真実。竜ノ湖太郎が放つ新シリーズ第2巻!!

「環境制御塔は――ただの一度も、暴走した記録はありません」
白鯨の幼体達を退け、関西の要塞都市国家『関西武装戦線』に訪れた東雲一真は、海上都市遺跡の中で上級自己進化型有機AI・「アウルゲルミル」と出会う。そこで一真が手にしたのは、母・東雲不知夜からのメッセージと、強大な力が隠された鍵だった!?
中華大陸連邦の使者が暗躍し、幻獣種の襲撃が相次ぐ中、その裏で蠢く新たなる王冠種とは!? 本物の王冠種との衝突で赤き徒花はその真価を試される!!
竜ノ湖太郎が放つ新シリーズ、激動の第二幕!!
破局噴火って、触りを調べただけでも起こってしまったら人類滅亡じゃないの? という規模なんですよね。それが同時多発的に、ってシェルターを作っていたとはいえ人類よく滅びなかったよなあ。三百年後の現在、地球の様相がまったく変わってしまっているのも納得である。そのうえで幻獣種との間に霊長の座を巡って争っているわけだから、そりゃあ人間同士で争っている余裕なんざないよなあ。
思いの外中華大陸連邦との関係が理性的だったのに若干意外の念を抱いていたのだけれど、それだけ人類が切羽詰まっていると考えたら、分かる話ではあるのだけれどそれでも縄張り争いや主導権争いにかまけてしまうのが人間でもあるので、駆け引きがあるとしても根本のところで人類の団結と守護を志向している、それも上から目線ではなく厳しく同輩たるを見極めている、という高潔さと強かさを兼ね備えている中華大陸連邦の主席には見惚れるものがありました。
半端ない大人物だなあ、この伝説。
果たして、っまだ一真には彼ほどの人類を背負って立つという気概がまだ持ち得てないのだろう。お前のような普通の高校生がイルカ!と言いたいところなのだけれど、長き眠りについていた彼にとってそこまで意識を急に変えることは難しいだろうし、那姫を筆頭に周囲には極めて優れた人材、逸材が揃っている。剣の腕に自信はあるとはいえ、それは一兵卒としての自信。他人を従え他人に命じて仲間たちの命を預かる、というのは自分の腕前云々とはまた別次元の領域である。別に臆しているわけではないのだろうけれど、もっとうまくやれるやつがいるだろう、という思いは一介の高校生であった一真にとっては当然の思いなのだろう。
だが、人類の希望にして最終兵器にして最高戦力であるミリオンクラウンはそれではいけない。それでは決定的に足りない。それでは、ミリオンクラウンたり得ない。
ワンカイロンとの邂逅は、一真にとって革新となり得るのだろう。でも、それ以上に彼との邂逅によって自分の手の中に握られていた、母や初恋の人から送り届けられたもの、彼女らからの信頼、親愛、何も一真に背負わせず選択肢を残してくれた彼女らの想いを知ることが出来たことが、彼に決意をもたらしたのだ。漢の決意である。心地よい気迫、清廉なる潔さ。
三百年前からの迷い人であった東雲一真の、足元も拠り所も覚束ないまま歩いてきた彼の、彼に意思によってはじめる戦いが、ここからスタートするのだと思えば、実にワクワクするじゃないですか。
そう、ここからこそが本番だ!

1巻感想

ミリオン・クラウン 1 ★★★★☆  

ミリオン・クラウン1 (角川スニーカー文庫)

【ミリオン・クラウン 1】 竜ノ湖太郎/焦茶 角川スニーカー文庫

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世界の命運をかけた人類最強戦力の闘いが幕開ける。斬り拓け――新時代!
新暦307年、世は人類退廃の時代。東京開拓部隊の茅原那姫(かやはら・なつき)は、この星を支配する環境制御塔で発見された青年・東雲一真(しののめ・かずま)と出会う。
しかし記憶なし、常識なし、経歴不詳な一真に振り回されて!? 
やがて全ての真実が明かされた時、一真の隠された力が解き放たれ、世界の命運をかけた人類最強戦力の闘いが始まる! 

巨躯の怪物、天を貫く塔、十二の王冠種――人智を超えた勢力に挑むミリオンクラウンとは!? 
人類再演の物語、此処に開幕!!

あれ? この作品口絵ないのか。せっかくの導入なのに寂しいなあ、とやや不満に思いながらめくったページから現れたのは、未知の荒廃した未来。海に沈んだ日本。そびえ立つ滅びた文明の遺跡群。そして、そこに跋扈する巨大なモンスター。それに対峙する多脚戦車!! 多脚戦車ですよ! そして、巨躯の怪物相手に真っ向から立ち回る一人の剣士。うわぁ、これはもうテンションあがらざるをえない! いや、多脚戦車はもうちょっと後の登場だったんだけれど、環境制御塔の威容を振り仰いで新たな未知の世界、新たな物語がはじまったーー! と読んでるこっちもこうグッと盛り上がったところで、ドーンとここから見開き絵にカラー口絵が開始され、登場人物紹介となるカラーページも続いてきて、もうこれOPスタートじゃないですか。そうか、ここまでがアバンだったのかっ。
もうシリーズの開始演出としては最高もいいところなんじゃないでしょうか、これ。良し、良し、良し。
この時点でもう、完全にワクワクしっぱなしのスイッチ入っちゃったんですよね。元々この作者さん【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 】からこっち、世界観の雰囲気、スケールのデカさ、そこを縦横無尽に突っ走らせるキャラクター造形、と読んでてワクワクさせてくれる要素をこれでもかと積み上げてくる方ですけれど、世界が変わり、作品が変わり、物語が変わり、舞台が地球になってもなお、まるで変わらぬこの「大冒険」が待っている大世界の素晴らしいこと素晴らしいこと。
面白い、面白いよぉ!!
ちなみに、作中で頻繁に用いられる星辰粒子体って、【問題児たちが異世界から来るそうですよ?】の方でも【ラストエンブリオ】に入ってこっち、特に重要視されてるネタでもあり、あっちの世界観ともろに共通性あるんですよね。あっちの箱庭世界経由だと、ぶっちゃけ時間軸ってそこまで強固なものではなく、登場人物に幾人かは未来から来てたり、人類史の消滅に関しても物語の重要な部分になってるので、この世界が滅びた「大崩壊」後の世界ってのは、いくらでもあっちと連動できるだけに、作品同士の連携も想定されて、それもワクワクの一要因なんですよね。
あの東雲くんの超人的な身体能力も、どうやら問題児の十六夜くんと原理は同じみたいですし。ってか、むしろ十六夜くんの強さの秘密がようやくちゃんと理解できた感じすら在る。一応あっちでも,第三種星辰粒子体云々と説明されてたけれど、よりしっくり言ったというべきか。まったく同じ形質ではないんだろうけれど。

でも、こっちの世界でより特徴的なのは、味方側には超常的な存在は存在しない、というところなんですよね。まさに神の化身のごとき魔獣・神獣の類が跋扈し、滅びかかってなおこの地球上にしがみついてコミュニティを、街を、国を形成しようと奮進している人間たちをあざ笑うように、容易に、あまりにも絶大な力を持って容易に有象無象の人間たちの世界を破壊してしまう神代の怪物たちを前に、それでも生きて、戦って、未来を勝ち取ろうと足掻く芥子粒みたいな人間たちの生き様が、めちゃくちゃカッコよく描き切られているのだ。
テンションあがるわ!!
そして、そんな人類退廃の時代において、唯一世界に対抗できる人類最強戦力・ミリオンクラウン!
既に滅び去った古の時代から現れた、刀一本だけを背負った若者一人。異世界召喚ならぬ、コールドスリープから目覚めた過去を求めてさすらう謎の男。
そして多脚戦車!! 多脚戦車!!
もう、オジさんの血圧があがるネタに要素が満載すぎて、やばいわー、やばいわー。
めちゃくちゃおもしれー!!
もちろん、ラストエンブリオの方もどんどん進めてほしいですけれど、こっちのシリーズにも抱きつきたい勢いです。これはええのはじまったで。

竜ノ湖太郎作品感想

ラストエンブリオ 3.暴走、精霊列車! ★★★★   

ラストエンブリオ (3) 暴走、精霊列車! (角川スニーカー文庫)

【ラストエンブリオ 3.暴走、精霊列車!】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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GWの“天の牡牛”事件から3ヵ月―。“生命の大樹”計画が動き出す中、遂に主権戦争の招待状が焔たちに届く。精霊列車には箱庭中の実力者が集結し、西郷焔はそこで“ノーネーム”の春日部耀、そして更に意外な人物たちと出会い!?同じ頃、外界で別行動中だった十六夜とプリトゥは、“廃滅者”を名乗る強敵と遭遇。いよいよ王群“アヴァターラ”が外界でも動き出す―!箱庭と外界に激震が走る、急転直下の第3巻!!

耀も二年も経ったら成長を、って見た目髪も伸びてすごく女っぽくなってるのだけれど、問題児としてはさらにひどくなってないか? 飛鳥と十六夜が居ないぶん、一人でやりたい放題やっている感がありありなんですけれど。同時に、今は一人でノーネームを背負ってるせいか、随分と大物感も出すようになってるんですよね。十六夜が窮屈なことになっているのに比べると、色んな意味で伸び伸びとやってるなあ。
しかし、外界編は片手間でメインは箱庭の方で進んでいくのかと思っていたのだけれど、思いの外外界編も重要なパートとして進行していくんですね。焔たちは外界と箱庭を行き来しながら状況を進行させていくみたいですし、十六夜は外から戻れないままプリトゥと背後関係を洗う地味な仕事を世界をまたにかけて駆けまわることに。
どうも黒幕というか、裏でなんかやってる勢力はいろんな実力者がそろっていて身動きが取れにくい箱庭よりも、むしろアバターしかいない外界の方で積極的に動いているようなので、十六夜が外に常駐しているというのはこの際しかたがないのか。いよいよとなると、外界の方でこそ激戦が起こりそうな気配もあるし。とはいえ、箱庭ではない外の世界では、まともに神さまたちが動くとあっさり世界が壊れかねないので、どう始末をつけるのかわからないのだけれど。
そもそも、主権戦争で命の保証がなされている、というのが逆に不穏なんですよね。外界での“天の牡牛”事件の被害の凄まじさや、パラシュラーマが叫ぶ人類の悪行なんかからすると、そんな穏便な話になるというのは凄く怪しい。少なくとも主権戦争の対象外である外界の方で凄惨なことにならないか心配。
しかし、未だに主権戦争がはじまらないのもそうだけれど、全体像がまだ全然見えてこないというのは、第二部のストーリー全体にギフトゲームが掛けられているようなものなのか。そもそも、どんなゲームが行われるのか、いったい何の話が進行しているのか、というところから考えなきゃいけないところなんか、実にギフトゲームらしいんだけれど、シリーズ物としては大胆な構成だなあ、と思う所。こういうやりたい放題なやり方は近年の窮屈な縛りを思うと、大いにやればいいと思うんですけどね。個人的に、こういう詰め込み式の膨大な設定群はテンション上ってウハウハなってしまう性質なんで、凄い好きなんですけれど。
とりあえずの注目は、ジンと焔とアルジュナの苦労性弟同盟の誕生でしょうか。アルジュナに関しては帝釈さんが思いっきり後手を踏んでいて、息子の存在が彼の致命傷になるのかと思ったら、まさかの賭博癖を利用して上手いこと自分のところに引っ張りこんだものである。帝釈さん、ほんと駄神もいいところの放蕩者なんだけれど、要所要所で絶妙の指し筋を見せるあたり、ただでは転ばないというかやはり只者ではないというか、それも人の情を擽る一手ばかりで、周りの連中、あれだけ迷惑かけられるわ盛大にポカするわで、怒り心頭になりながらもどうしてもこの人に甘い顔を見せてしまうんだなあ。実に人誑しの神さまである。
あと、三巻になっても未だに彩鳥お嬢様がなかなか元の調子を取り戻せないのは、どうしたものか。こうも何度も鈍っている、腑抜けている、気が抜けている様子を見てしまうと、当人が幾らシャンとしようとしても無理なんじゃないかと思えてくる。鍛え直したら云々じゃないんだよなあ。これはもう、飛鳥と再会しないことにはリスタートできないんじゃないだろうか。

ところで、上杉謙信ちゃんは、レギュラー化してくれるんですか?


シリーズ感想

ラストエンブリオ 2.再臨のアヴァターラ ★★★★   

ラストエンブリオ (2) 再臨のアヴァターラ (角川スニーカー文庫)

【ラストエンブリオ 2.再臨のアヴァターラ】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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アンダーウッドを守るため、精霊列車“サン=サウザンド”号に乗り込む焔たち。しかし、疾走する列車の前に新たな襲撃者が現れる!すぐに鈴華を中心とした弩砲作戦で対抗するが、“天の牡牛”の猛攻も始まり大ピンチに。激しい雷撃と巨大な水流が迫る中、彩鳥が下した決断とは!?一方その頃、外界で調査を進めていた十六夜たちの前にも謎の敵が出現する。彼らは最強の王群“アヴァターラ”を名乗り―!?
釈天さんも結局はインドラかー。親の心子知らずというけれど、この場合は子の心親知らずですよねえ。彼の無念というか後悔、凝りとなって残っているものは言わばインドラのせいなのに、当のインドラはその件についてまったく頭に残っていない上に、息子は一点の曇りもない素晴らしい人生を送った、と思ってるんだから、これはむしろ息子さんの方に同情してしまう。それでもなお、父親に認め祝福されて心残りを晴らしたかった、と思ってる彼は健気で良い息子ですよ。その無念を利用されているのかもしれないけれど、こればっかりはねえ、釈天さんが悪かろうと思ってしまう。
ふと思い巡らせてみると、インドラと息子さんのみならず、今回は父と子、保護者と被保護者との反発と不理解というのが色んな所でみられるんですよね。焔、鈴華と十六夜もそうですし、アステリオスもその由来は父親によって切り捨てられたものですし、ついに登場した平天大聖・牛魔王もどうやらその正体、というのは変か、その現身からして深く焔たちと関わってるみたいですし。
てっきり、再びがっつり箱庭世界でのストーリーになると思ってたのですけれど、むしろ箱庭世界と現代に地球が密接にリンクした話になるのか。焔たちもどうやら、箱庭世界と現代を行き来しながら太陽主権の争奪戦に参加するみたいですし。って、まだこの段階でこれだけ壮大な規模でドンパチやりながら、まだ件の争奪戦、開会式すらはじまっていない予備戦段階、というのがとんでもないなあ。既に今の段階で尋常でない階梯の神仏や王、仙人や英雄、怪物が登場してるというのに。
今、顔見せしたメンバーだけでも、最強の王群“アヴァターラ”というのは伊達じゃないんですよね。盛りすぎだろう、と思うくらい。申公豹でも反則級じゃないかい? いや、インドラの息子さんの段階でアレなんですが。申公豹は、この無節操なトリックスターっぷりを見ると、本邦翻訳版ではなく正しく原作版のキャラクターみたいっすねえ。
どう考えても、焔サイドが劣勢どころじゃない弱小なんですけれど、今回まさかまさかのメンバーが仲間入りしたのを見ると、こちらもあっちゃこっちゃの神話伝承群から仲間を得ていく流れになるんだろうか。
一方で、あのジンくんが立派に成長して、立派に暗躍しているようですし、今の“アヴァターラ”って結局、殿下と一緒にジンがウロボロスから独立させた魔王連盟なんですよね。今や、第二次太陽主権戦争の優勝候補だってんだから。ペストがきっちりジンの脇を固めて元気そうなのに、ほっこり。昔は背丈一緒くらいだったのに、今となってはジンってだいぶ背が高くなってるらしく、並ぶとかなり差があるらしく、その絵図を想像するとさらにほっこりw

ぶっちゃけ、話がまとまってみると確かにこれ、本番前の前哨戦、或いはスタート前の準備段階、場を整え戦うための目的意識と覚悟とを得るための話だったんですよねえ。祭り前のワクワク感が募ってきましたよ。
あとはもうちょい、彩鳥さんのリハビリが必要か。本人が痛感していることだけれど、フェイスレスだった頃の彼女と比べると凄まじく鈍ってるからなあ、今の彼女。お師匠様が激おこプンプン丸なのも無理からぬ。ってか、お師匠様の一人って、あの人だったのか。他の作品では全身タイツ女やってる……。でも、なるほど女王騎士で師匠枠とれるような英傑って、確かにこの人レベルでないとなあ。



ラストエンブリオ 1.問題児の帰還4   

ラストエンブリオ (1) 問題児の帰還 (角川スニーカー文庫)

【ラストエンブリオ 1.問題児の帰還】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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“少し”特殊な力を持った少年・西郷焔に届いた一通のメール。そのメールを開いた瞬間、焔は異世界に召喚される!そこは神魔の遊戯・ギフトゲームが支配する世界。素敵ウサ耳を持ったロリータ少女の黒ウサギに出迎えられた焔は、いきなり超巨大ギフトゲームに参加することになり!?一緒に異世界に召喚された彩里鈴華、久藤彩鳥、そして五年ぶりに再会した逆廻十六夜と共に、現実世界をも巻き込む修羅神仏のゲームに挑む!!
【問題児たちが異世界から来るそうですよ?】からタイトルも新たに再スタートとなったネクストステージ。初っ端から外界である地球に、箱庭からの余波でとんでもない災厄が。という風に、前回よりも遥かに外界とのリンクが強く描かれることに。って、問題児シリーズのラストで帝釈天が降界していたように、十六夜がいた時代・世界の地球が重要なファクターになってくることは予見できていたけれど、ここまで密接に箱庭とリンクしてくることになるとはなあ。ご存知のように箱庭世界というのは、多次元的に地球と繋がっているわけで、それは平行世界的にも時間軸的にも偏在しているといっていい状態だったのに、現状は十六夜が居た地球と時間的にもリンクしつつあるのね。なにやら孤児同士の義理の兄弟だったはずの十六夜と焔には秘められた関係があるようだし。いずれにしても、初っ端から謎満載である。
と、同時に地球滅びかけてるしーー!! それ絶対に台風の軌道じゃないですからっ。赤道をまたぐというありえなさよりも、殆ど地球を一週する勢いでヨーロッパに大被害をもたらした台風が巡り巡って日本まで辿り着くって、そっちの方が無茶苦茶さ加減を実感できるんじゃないだろうか。それに加えて、台風にウイルス散布機能が付属しているとか、殺意コメられすぎなんじゃないでしょうか、これ。
こんな余波が外界にまで及んでしまっている、箱庭で行われている太陽主権の争奪戦って、いったいどうなってるんだろう。断片的には語られて、それに十六夜も大きく関わっているのはわかったんだけれど、相変わらずスケール感については並外れている。
正直、この修羅神仏が跋扈して常識を遥かに超えたスケールで繰り広げられる神話規模のゲームに、ただの一般人が巻き込まれて、どうにか出来るとは思えない。その意味では、特殊すぎる焔や鈴華たちでようやく端っこギリギリなのだろう。どれだけ十六夜たちが吹っ飛んでいたかもわかるってもんだ。その彼らですら、箱庭に来た時はここまでえらいことになってなくて、一応落ち着いた状態だったものねえ。
しかし、彩鳥さんはフェイスレスとしての自分の記憶が保たれていることは公にするつもりはないのかー。転生前フェイスレスだった、ということについては積極的に隠すつもりはなくて、黒うさたちが察するのは想像に任せてるみたいだけれど。記憶についても積極的に自分から語るつもりはなくても、バレることにはあまり頓着していないのかもしれないけれど。飛鳥や女王と再会したらすぐにバレることではあるしなあ。にしても、当人も忸怩たるものがあるようだけれど、自分も彩鳥があそこまで鈍っているとは思わなかった。ぶっちゃけ彩鳥さんが居れば大概の場合大丈夫だよねー、という十六夜レベルに近しい安心感を持っていたので、ミノ戦からこっち結構焦ったじゃないですか。早いところ、女王騎士としての実力を取り戻してくれないと、今の三人組では唯一に近い前衛戦力なだけに。

まさかの前後巻編成ということで、今箱庭で何が起こっているのか。どうして、帝釈天をはじめとする護法十二天の有力武神たちが外界に降りているのか、などの詳しい説明はまだない。取り敢えず、はじめて箱庭を訪れた焔たちの目を通して、かつての混乱から新たな繁栄を取り戻しつつある箱庭の様子をアンダーウッドを舞台に描いているのだけれど、前シリーズからちょっとだけ時間が経っているんだなあ、というのがあちこちのシーンから窺い知ることが出来る。これが、ネクストステージのはじまりを実感させてくれてるんですよね。黒うさと、前シリーズと同じく最初の対戦相手である白雪姫は顔を見せてくれましたけれど、早くほかの面々も登場して欲しいものです。十六夜兄さんについては、思いの外早く登場してくれましたけれど。十六夜こそ、登場を引っ張ると思ったんだけれど、まさか外界まで突き破ってくるとはなあ。

ともあれ、いいところで終わってしまっているので、早いところ次出してください。そうして、この新シリーズの開幕を決定づけてくれないと。ああでも、この段階まででワクワクが止まらない面白さなのがたまらない。よし、行くところまで行ってしまえ、ってなもんですじゃ。

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です!4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です! (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です!】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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“人類最終試練”の魔王アジ=ダカーハとの死闘から三か月―。ようやく落ち着きをみせた箱庭で、十六夜たちは新たなギフトゲームに挑む。でも順調に勝ち進んでいく十六夜に異変が起きて!?一方、その裏では、箱庭全土を巻き込む一大プロジェクトが進んでいた。仲間たちにも転機が訪れるなか、十六夜、飛鳥、耀の下す決断とは!?そして、ついに地上へと降臨した“ある人物”の正体とは!?―いま、究極の進路相談が始まります!!異世界バトル第1部完結。

ヤバいなあ、やっぱり自分、この多積層次元構造な世界観、大好物なんですよね。スケールが大きい、という表現だとどうしても三次元レベルにとどまってしまう。この他に類を見ない時間と空間が見事に偏在している世界観をなんと言ったらいいものか。神話から科学的概念に至るまで、独自解釈によって再構成して、フォーマットこそ既存のものを踏襲しながら、それを読み解く読解ルールをほぼ刷新して新しい世界にしてしまってるんですよね。そのあたりをこれでもかと語り尽くしたのが、この第一部のエピローグであり第二部のプロローグなわけだ。
箱庭の階層、三桁とか四桁とかの本当の意味合いや、人類最終試練と呼ばれるモノの存在意義、外界との関係、これに限らず各種設定や登場人物の行動原理なんか、この巻を読み込むとある程度一貫したルールみたいなものが見えてくると思うんですよね。これまでよく意味がわからなかった発言や行動、設定なんか、改めて読みなおしてみると見えてくるものがあるかもしれない。こうしてみると、決して無軌道じゃなくてちゃんと一貫した解釈とルールがあったんだなあ、というのがわかる……気がする。いや、実際これ難しいと思うんですけどね。
この世界観そのものが、ギフトゲームのようなものであり、その根底に明確な真意があってちゃんと紐解ける謎である、と解釈すればわかりやすいかも。それを読み解く材料は潤沢に供給されていて、この第一部完結編は、最初の答え合わせみたいなもの、と思えばいいか。
そして、登場人物たちにもはっきりと次のステージにあがるべく、次の段階に向かう為のステップが必要となったわけで、十六夜の場合は彼自身も知らぬ彼の正体に、その因果に足を取られていたところを寄ってたかって背中押されたことになるのかな、これは。半ば、自力だったような気もするけれど。
いずれにしろ、問題児たちは今までの自分に一つのケリをつけて、次の段階に向かいに至ったわけだ。あの三人組だけじゃなく、殿下たち魔王組もそうだし、ジン・ラッセルもそれっぽいけれど。ジンは、マジでペストとこれ、心中…というと言葉が過激になるけれど、彼女の為に太陽を落とす気マンマンになっているのが、ゾクゾクするねえ。個人的には、今回一番熱かったのは混世魔王その人でしたけれど。原典では雑魚魔王にすぎないというのに、こんなに熱い男になってるとはなあ。なんだかんだと、シスコンな気もするけれど。そして、この作品の斉天大聖って、斉天大聖史上最高のイケメンなんじゃないだろうか。暴走しかけた白夜叉を制止した時の侠気あふれたあのセリフといい、かっこ良すぎますよ、気持ちよすぎですよ。でも、こっちの悟空は女なのよねえw

虚を突かれたのは、フェイスレスの正体ですか。まさか、ここで正体が明らかになるとは思っていなかったので、不意打ちですよ。しかも、シンプルに神話体系の著名な英霊のたぐいかと思ってたら、完全に予想外の人品で。ってか、飛鳥の家って冗談抜きで皇室関係だったの!? 
十六夜が去ったあとの外界の彼の家族たちも、ここに至って深く関わってきているみたいだし。金糸雀があのホームに居たのも、全然偶然なんかじゃなかったわけか。重要なのは、十六夜だけじゃなかったのね。リンが殿下とつるんでいたのも、どうも平易な理由じゃなさそうだし、第二部スタートに対して全体に張り巡らされた謎もさらに一段深みを増してきた感がある。面白い。
第二部スタート、ガチで楽しみです、これは本当に楽しみ。どうはっちゃけるのか、うひゃひゃ。

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 撃て、星の光より速く!5   

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 撃て、星の光より速く! (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 撃て、星の光より速く!】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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「―さあ、最終考察を始めよう」
打倒魔王アジ=ダカーハに向けて最後の作戦を立てる“ノーネーム”。その戦いで一人、また一人と散っていく同士たち。激しさを増す戦いの中で暗躍を開始する“ウロボロス”。主催者たちは徐々に追い詰められながらも決死の作戦に出る。“ノーネーム”は、逆廻十六夜は果たして“人類最終試練”を打ち倒すことが出来るのか!?連盟旗編&アジ=ダカーハ編の最終戦、開幕!
まさに試練! それは災厄などではなく、人類に課せられた試練だった。その「人類最終試練(ラスト・エンブリオ)」の名は魔王「アジ=ダカーハ」。
おのが絶対悪と定義することで、逆説的に正義を証明する者。
――“我、絶対悪なり。故に、正義は汝に在り”――
踏み越えよ、我が屍の上こそ絶対正義である。

倒される役割として用意された魔王という存在、それを自ら背負ったアジ=ダカーハ魔王閣下については「暴虐の三頭龍」でも熱く語りましたけれど、この最終決戦での閣下の気高く誇り高い絶対悪としての御姿は熱いなんてもんじゃなかった。まさに無敵、木っ端を蹴散らすように蹂躙する存在だった登場時よりも、むしろ主人公サイドが万全に態勢を敷き、戦術を練り、考察を深め、必勝を以って撃って出てきたのを迎え撃ったこの時こそ、さらにその雄々しさを、圧倒的なまでの存在感を感じさせられたように思う。まさに、格が違う。その力を以って、智を以って、理性を以って、主催者たちの必勝の策を文字通り上から叩き潰し、捻り潰し、真っ向から受けて立った上で蹴散らしていく。
それは元から備わったスペックの差によって無機質に叩き潰していくのとは違うのです。主催者側も限界を突破し、閣下の想像を超える形で力を発揮していくのですが、それをねじ伏せるのはまさにアジ=ダカーハの力ではなく、意思の力、絶対悪の旗を背負った者の気概であり、誇りであり、悪神としての自負であり、滅び行く人類の為に涙した大切な人への想いそのもの。だからこそ、主催者たちの限界を突破した力を、さらに限界を突破し、進化し、上回ることで彼らに更なる試練を課していく。これほど、人類を苛烈に愛した魔王が居るだろうか。
クライマックスに至ってから、そうジャックとの戦いで神の許しを見せた瞬間から、彼が体現しようとしていたモノの真の姿を目の当たりにした瞬間から、こみ上げてくるものに耐え切れず、泣きっぱなしでした。
彼こそ真の神であり、魔王であり、漢でありました。読み終えたあとの、カラー口絵で描かれたその異貌の後ろ姿、その背に浮かんだ絶対悪の旗印に、芯から震えるばかりです。
魔王も、それに立ち向かう者たちも、残らず全力を出し尽くし、命を燃やし尽くした史上に燦然と輝く熱戦でした。飛鳥も、耀も、もう十六夜に頼りきらず、己の血と涙を振り絞って戦いました。ジャックは……今回のサブタイトルである「撃て、星の光よりも速く!」、これはジャックを指したタイトルだったんですね。
マンドラも、誰も彼も、命、燃やしすぎだよ。魂からの咆哮が轟き渡る、物凄い決戦でした。
だからこそ、ラストシーン。そのままアジ=ダカーハが思ったように、十六夜に与える展開でも良かったのに。無敵であるからこそ、恐怖と、それを乗り越える勇気を知らなかった十六夜が、ついにそれを手に入れる展開でも良かったのに……どうやら、物語は彼にそんな報奨も与えてくれない、過酷な展開を要求しているようだ。何が起こったのか、まだわからない。想像もつかない。だけれど、これだけはわかる。ここから十六夜の本当の試練がはじまるのだ。

今回読んでいて、思わず「うぇ!?」と声が漏れたのが、「殿下」の仲間であり頭脳担当とも言うべき役割を担っていた少女りんの、その本名が明らかにされたシーンである。
なぜその名を持っている娘が、ここに居る!?
厳密にはまだ彼女当人かは定かではないんだけれど。それに、殿下の仲間たちと十六夜って、まだ対面してなかったんだっけ。なんか、耀と飛鳥と十六夜の関連性も含めて、悪辣な何かが横たわってる気がする。
最大の試練だった魔王アジ=ダカーハ閣下こそ退けたものの、ジンとペストは未だ殿下たちに囚われたまま。サンドラも、混世魔王の支配下に。遊興屋という怪しい存在が暗躍し、自体は混迷を深めていく。次で第一部完となるそうだけれど、果たしてどういう展開が待っているのか。想像も付かないや。

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? そして、兎は煉獄へ4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?そして、兎は煉獄へ (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? そして、兎は煉獄へ】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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「お前が魔王か、アジ=ダカーハ―!!!」
最後の力を振り絞り“人類最終試練”の魔王アジ=ダカーハに挑む十六夜。しかし死力を尽くして放った拳は、思わぬ出来事に阻まれてしまい!?一方、耀とウィラは魔王マクスウェルの卑劣な手段によって追いつめられ、助けに駆けつけた飛鳥までもが戦い力を失ってしまう。ノーネームの仲間たちが絶体絶命の状況に陥る中、残された黒ウサギは仲間を庇うため煉獄にその身を投じて―!?
ふおーーっ、本編再開までだいぶ感覚があいたので、その間に熱も冷めてしまったんじゃないかと若干不安だったのですが、そんな懸念を吹き飛ばす、引き続きの爆盛り上がり!! クライマックス継続中!!
いやさ、この大ピンチに上層に行ってしまったとはいえ、白夜叉は何シてんだー!? とやきもきしてたら、ちゃんと白夜叉も上の方で帰ってこようとしてくれてたことが嬉しかった。ところが、救援にやってくるどころか、箱庭の上層では今回の危機を踏まえてえらいことになりかけてて、ただでさえお怒りの白夜叉様が大噴火。いや、ちょっと舐めてたわ、白夜王。その正体が「天動説」ということで時代遅れの存在かと思っていたけれど、ここでの説明が確かなら同じ太陽神格の中でも桁違いじゃないか。ってか、太陽主権の過半数を握ってるってだけで、その格も知れようってなもんだけれど。よくもこんなのが下層に、フロアマスターとはいえ存在してたもんだわ。
しかし、ほんとに話しのスケール感がパない、パないよ。時間軸が偏在しているせいか、もう過去も未来もある意味一括りで「人類史」として扱われているんだ。思ってた、箱庭と外界と天界の関係よりももっと複雑高次なんですよね、この作品の世界観……というか宇宙観。
そして満を持してか、まさかこっちにか、という斉天大聖孫悟空の登場である。あかん、惚れるわ。この姐さん、かっこ良すぎるわ。そりゃ、兄弟たちが仏門にとられたと今なお根に持ってるのがよく分かる。なんちゅう人誑し。ああいうセリフ、さらっと言えるとか、どんだけ格好いいんだよ。これは期待していた以上に良いキャラだわ。あまりに良すぎて、だからこそ下層じゃなくて白夜叉のサイドに出てきたんだろうけれど。

ラストエンブリオ。真悪アジ・ダカーハの強攻に十六夜はついに敗退。黒ウサギは耳を失い眷属としての力を失い、明日香や耀もまたマクスウェルの悪魔たちによって次々と倒されてしまう。ノーネーム壊滅!!
でも、それでも、膝屈するな、心を折るな、それでもなお、立ち上がれ。
逆襲編、である。
ちゃんとこのタイミングで助けが来るのは、やっぱり燃えるよ。もうね、なんでこの圧倒的なビジュアルをアニメで描けなかったのか。映像で魅せられなかったのか。この作品のどこまで目を凝らしても果てが見えそうにない、広くでかく大きく壮大で荘厳なビジュアル感を、どうしてアニメでは出せなかったのか今なお悔しい。
この第二章のスタートの光景は、ぜひ映像で見たかったよ。
そして、救援に訪れた人たちがまたほぼ現状におけるオールキャスト。混天大聖まで連れてくるとは、蛟の兄貴、ナイスナイス。
それでもなお、現状かき集められるだけの最強パーティーを集めてなお、アジ=ダカーハの強さたるは圧倒的で、さすがは魔王の中の魔王というべきか。やっぱり格が違いすぎる。この相手から一時でも逃れることが出来ただけでも御の字なのか。

さて、このタイミングで、と思う所なんだけれど、いやこのタイミングだからこそ、か。外界からクロアが戻るのに合わせて、かつてノーネームから旗と名前を奪った魔王、そしてかつてノーネームが名乗っていた名前が明らかになる。その誕生の由来も。
凄いわ。もうね、シリーズ始まった当初に思い描いた「魔王」とは、まったく発想が違っていて、同時にノーネームの原型も発足の端緒から目的の置き場所が普通のコミュニティと違っていたのね。ある意味、この魔王は絶対悪であり、倒されるべき悪であり、力によって君臨し対向するべき魔王アジ=ダカーハとは、根底から在り方が違うんですよね。ある意味、アジ=ダカーハは魔王と聴いて思い描く存在の在リようの極点そのものであり、こういう存在が黒うさのコミュニティをノーネームにしたんだと思っていたんだけれど、これって力でどうこう出来る相手じゃないですよね。凄いなあ、人類最終試練とか、白夜叉の正体である天動説なんかもそうだけれど、発想の立脚点が、どうしても物理で殴る系のそっちに流れてしまう一般的なそれと違っていて、ものすごいワクワクさせられる。
旧・ノーネームメンバーの幾人かの帰還に合わせて、これまで謎だった事実が明らかにされてきたのだけれど、今いるメンバーもまた本人たちのいざ知らぬところで謎だらけなんですよね。その中で、耀の素性についてはやや確信に迫ってきた感がある。
いずれにしても、仕切り直しで最難関の最終試練に再び挑む、箱庭の住人たち。フルメンバーのフルスロットルで送り届けられるであろう第一部の最終局面。今度は待たないでいいんですよね、今から滾って仕方ないんですけど!?

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問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! 箱庭の日常ですっ!4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  YES!  箱庭の日常ですっ!  (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! 箱庭の日常ですっ!】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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「逆廻十六夜、久遠飛鳥、春日部耀の三人が箱庭の世界に召喚されて数か月。魔王との戦いの裏で行われていたゲーム“黄金盤の謎を追え”“スティムパリデスの硬貨”“箱庭のとある日常”など書下ろしを含む、他二本の短編。さらに箱庭世界を紹介する舞台裏番外編“教えて!白夜叉先生!”の計六本を収録した豪華蔵出し本です!」って黒ウサギが説明している間に、問題児様方がまたいなくなりました…お馬鹿様方ああああッ!
十六夜がスヤスヤと眠る飛鳥と耀を膝枕して読書しているシーン、なんだかほんわかを通り越して感動に近い心のゆらぎを感じてしまいました。この三人、恋愛臭は全くと言っていいほどしないのに、本当に仲がいいんですよね。十六夜に対する飛鳥と耀の、寄りかかり切らないけれど絶大な信頼と、十六夜側からの飛鳥と耀への触れ合い方。この関係って、本当に素敵だなあと思うわけです。まだこの三人の間には、壁でも溝でもないけれど確実な隔たりというものがあり、飛鳥と耀はそれを埋めようと躍起になり、十六夜にとって二人はまだ守るべき対象から外れない、という事情はあるものの、今のところこの関係は歪みを得ているほどではないんですよね。特に、飛鳥と耀は負の感情なく非常に前向きにムキになってますし。

さて、アジ=ダカーハとの決戦真っ最中である本編は未だあがらず、どうやら若干スランプにかかっているようで心配なのですが、なんとか乗り越えて欲しいものです。若干の不満と心配を抱えて、短篇集かと思って読み始めた本作ですけれど、いやあ面白いですわ。この作品、長編短編激闘日常関係なく、素晴らしく面白いですわ。
玉に瑕なのは、わりと重要なキャラがいつの間にか登場していたりいなくなっていたりして、あれいつの間に、と驚かされる所なんですが、フェイスレスって本編の前に十六夜とこんなところで初接触、というかガチンコバトルを繰り広げてたのか。彼女については強者にも関わらず、あまりはっきりした戦闘シーンがなかったのでキャラクターや特徴が掴みづらいところがあったのですが、今回十六夜と本気でカチ合っていたのを通じて、ようやくだいたい把握が叶いました。思っていた以上に玄人筋の研鑽を積んだタイプの武人だったのか。この人も、十六夜と伍せる時点で凄まじい強キャラだわなあ。
そして、彼女の属するクイーン・ハロウィンの設定がまた面白いなあ。ケルト系でありながら太陽神としての設定をそう持ってきたのか。普通、あの有名なルーをこういう形で整えるケースはないですよ。箱庭ではそういう事になるんだ。白夜叉みたいな概念すらも一個の人格として活動している世界だと、神話の扱い方もこうも縦横に出来るんだなあ。巻末に書かれている解説もまた興味深い内容で、単なる単語辞典とは一線を画しているので、これは一読の価値あり。箱庭世界の縦深をひたと感じられるんじゃないだろうか。

次は本編、じっくり待ってますよ。

シリーズ感想

S WHITE スニーカー文庫25周年記念アンソロジー 3   

S WHITE  スニーカー文庫25周年記念アンソロジー (角川スニーカー文庫)

【S WHITE スニーカー文庫25周年記念アンソロジー】 竜ノ湖太郎 高野小鹿 日日日 田口仙年堂 春日部タケル 谷川流 角川スニーカー文庫

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【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 白夜の送別会】 竜ノ湖太郎

白夜叉さま、本編ではいつの間にか居なくなっちゃってたんだけれど、ちゃんと送別会やってたんだ。良かった、ハブられてたわけじゃなかったのね。あの賑やかな性格で一人寂しく旅立ってたら可愛そうだったもんね! 本編では白夜叉さまの正体も、さらっと明らかにされて、さり気ない割にとんでもない正体に唖然とさせられたものの、実はここでやや詳しめに語られてるけれど、ほんととんでもないな白夜叉さま。それ以上に、本当に親しみやすく頼もしい味方だっただけに、去られるのは寂しい限りだけれど、こうやって上層に帰る彼女にあとは任せろ、と言うことが出来た話として、コメディとはまた別に良い話でした。まあ、直後にあんな展開になってしまうのですが。


【彼女たちのメシがマズい100の理由 秋季限定パン食い競争事件】 高野小鹿

最新刊でちらりと触れられていた、体育祭でのお話。パン食い競争でメシマズ、ってどんな地獄だよw パン食い競争というものはもう少し楽しいはずのものなのに、吊るされてるパン全部ハズレってただの公開処刑じゃないかw


【大奥のサクラ 地獄の片想い】 日日日

元の作品は未読。なんだけれど、なんにも知らなくてもこの短編は読み応えのあるハードなお話でした。ってか、ぬるさが全然ないんだけれど、大奥のサクラってこんなグロい話だったのか。地獄のような環境の中で培われた愛情の末路。潰えてもなお、先へと望みを残した悲しい恋歌。これ読むと、雹虎の子供が主人公な流れなんだが、どうなんだろう。


【七星降霊学園のアクマ 悪夢で逢いましょう】 田口仙年堂

元の作品未読。なので、あんまり内容が頭に入ってこず。


【俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している ある可能性の話〜二次元ドリーム編〜】 春日部タケル

パス。

【Round―Trip】 谷川流

谷川流書き下ろし新作。生きてたのか、この人! いやあ、でもやっぱり面白いなあ。胡乱というか面倒くさいというか、恋人同士と誤解されている優等生の男女が雑談という名のロジカルにして明瞭な対話を巡らした結果、恋愛へと論理的帰結するという……誰から見てもお似合いの二人は、話し合った結果実際にお似合いだったという事実が発覚するという……難解に思えた数式が、スルスルと解まで紐解かれていくような快感を覚える掌編でした。上手いなあ、の一言。

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  暴虐の三頭龍4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  暴虐の三頭龍 (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ?  暴虐の三頭龍】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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地獄の窯より現れた魔王アジ=ダカーハの攻撃から黒ウサギを庇い、致命傷を負った十六夜。ノーネームの仲間を逃がすため、命を賭け対峙したはずが、その圧倒的な力の差に距離を取ることさえ出来ない。さらには「ならば、こういう絶望はどうだ?」と、魔王は己を抉り、その血液で分身体を生み出し、飛鳥たちがいる“煌焔の都”へ追わせたのだ!アジ=ダカーハの攻撃で阿鼻叫喚の渦に巻かれた都で、耀と飛鳥の戦いの行方は―!?
か……かっくぇぇ。ちょっ、マジで痺れたんですけれど、アジ=ダカーハ先生の悪一文字宣言。いやあ、魔王アジ=ダカーハ、思っていたのと全然違った。この魔王、理不尽の体現者でありながら鮮烈なまでの秩序の導き手だ。その悪は暴であっても邪ではなく、いっそ清廉と呼んでもいいくらいの純粋な悪。

魔王とは、倒されるために用意された役割に過ぎない、という概念は昨今よく見かけるようになったもので、実際自分を倒されるべき魔王として規程して活動している魔王の人もチラホラと見受けられるのだけれど、そういう仕方なく魔王の役を引き受けているような輩とは、アジ=ダカーハ先生は格が違う、誇りが違う、存在が違う。
それを憐れむのは俗人の思考だ。それを嘆くのは的外れである。強いられたもの? 押し付けられたもの? 運命によって定められた逃れられない楔? 自己犠牲? 違う。それは絶対に違う。そんな甘やかな考え方に括られるような、貧相な存在とは格が違う。そんな戯けた物言い、軟弱な考えなど鼻で笑って踏みにじられるだろう。
見よ、振り仰げ、悪の一文字によって染め上げられたあの旗を。あれこそが、倒すべき悪である。
それこそが、絶対なる悪を以ってして正義を証明する者である。
震えたね、その在りように痺れたね。人間の甘い感情など入る余地のない、覚悟や決意だのといった意志を奮い起こす必要もないくらい、信念や思想などといった概念の介在しない完全無欠の在り方だ。思考停止とは程遠い、高みにあって全てを俯瞰する在り方だ。これほど完膚なきまでに悪でありながら、これほど純粋な正義という概念に近しい存在は見たことがない。
これが、本物の「魔王」かっ!!
これこそが、人類最終試練の真の姿か!! まさに「魔王」で、「試練」の名に相応しい存在だ。
もうたまらんかった。十六夜が、力だけではなくその舌戦を以ってして完膚なきまでに敗北するさまを目の当たりにするとは。
ギフトゲームと「魔王」という呼び名の本来の意味もようやく明らかになって、ますますこの箱庭世界のスケールの大きさを思い知らされる思いでした。

一方で、十六夜に大きく遅れを取っていた飛鳥と耀の成長がまた著しい。なんか、これまでの停滞が溜めだったんじゃないか、というくらいの飛躍ですよね、これ。これまで藻掻いて掴み損ねていたものを、ようやく掴んだというか、きっかけを手に入れた、というか。特に飛鳥は、ついにその真価が開花しはじめた、って感じだよなあ。すげえわ。
でも、それ以上に心震わされたのは、耀の十六夜と対等になって彼の横に並び立って戦いたい、という振り絞るような心の叫び。
これは、後半の短篇集でもかいま見えるんだけれど、この十六夜と飛鳥と耀の問題児三人組の関係って、ほんとに男女の性差というものを感じさせない、仲間であり友達同士なんですよね。短編のお話見てつくづく思ったんだけれど、この三人の仲の良さはちょっと類を見ない特別なものです。男友達、女友達、というのとも違うし、同性の親友関係とも違う。兄弟とも勿論違うし、家族的なものでもない。戦友とはまた異なる。一番近いのは「ライバル」なのかな。それも、直接干戈を交えて優劣を競い合うようなライバルじゃなくて、張り合うわけでもなく、一緒の方向を向いて一緒に歩いて行く、けれど慣れ合わずに、でも誰よりもお互いに自分を認めて欲しい間柄。そう言うと、十六夜だけちょっと立ち位置は違うのだけれど、彼は彼で飛鳥や耀をちゃんと自分と「おんなじもの」と捉えているようですし。
なんにせよ、どう言い表していいかわからないこの問題児三人組の関係って、見ててほんとに好きなんですよ。自分、ラブコメ好きでなんやかんやと恋愛要素がないとがっくりしてしまうたちなのですが、この問題児シリーズだけに関しては、というよりも問題児三人組の間柄に関してだけは、恋愛要素が絡まない方がワクワクドキドキさせてくれるものだと思ってます。この三人の間に恋愛感情が芽生えるとしたら、よっぽどのエピソードを入れて貰わないと。無いと思いますけどねえ。

TVシリーズ終了に合わせたDVD付録付きの発売関連もあってか、どうも無理やり新刊を出すことになったようで、ここで短篇集だけって事もなくアジ=ダカーハとの最終決戦を途中までだけ持ってくる、というこれは暴挙なのか強烈すぎる掴みなのか。いや、こんな中途半端な形でアジ=ダカーハ戦の途中まで持って来ちゃって、次の巻ちゃんと盛り上がるの? と、聞くだけ野暮な話か。これだけ激燃えの展開をただの前降りにしてしまえるくらいの凄まじい展開がこの後待っているのだと、思っちゃいますからね? 信じちゃいますからね?
とりあえず、なんでこの盛り上がりの中でリリが表紙? という疑問は解消できました。さすがに切った張ったになると出番がなくなってしまうリリですけれど、このしっかり者の健気なケモナーは可愛いよなあ。十六夜もまあ随分と目をかけて可愛がってますし。十六夜は、態度が大きいからついつい印象が違ってしまうのですけれど、割合誰にでも優しいんですけどね。

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 落陽、そして墜月4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?    落陽、そして墜月 (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 落陽、そして墜月】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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魔王連盟ウロボロスと対抗することになった“ノーネーム”。黒ウサギの素敵ウサ耳がなくなるという緊急事態のなか、十六夜VS殿下のギフトゲームが始まった!一千体を超える巨人族の攻撃で大混乱に陥る煌焔の都で、耀はウィラと共にマクスウェルの魔王に、飛鳥とジャックは混世魔王に戦いを挑む。そして“魔王”を名乗る者たちと正面対決する激しい戦乱の下―地下深く光も音も届かない地で、真の魔王の封印が解かれる―。
200ページ超と、随分薄いんでちょっと心配したんだけれど、中身の方は驚くほど密度が濃くてあれこれと伏線や情報、新展開が詰め込まれていて、薄い気は全然しなかったなあ。展開の進捗は遅いといえば遅いんだけれど、ラストのインパクトが凄すぎてそんな印象全部吹き飛んでしまいましたし。
黒ウサギのウサ耳は着脱式だったんだよ! と、黒ウサギ本人も知らなかった新事実が明らかになり、って着脱式では無いとは思うんだが、情報の受信端末として機能している事は以前から黒ウサギ当人が言及していたことだったので、なんか不思議器官ではあったんだよな。そもそも、箱庭の貴族であり帝釈天の眷属だという月の兎、という種族自体、あんまりよくわかんない謎のところがありましたし、黒ウサギってそれがそのまま名前なのか? と黒ウサギについては別に彼女自身が隠しているわけじゃないんですが、意外と情報不足で正体がわからんところがあったんですよね。それが、今回彼女の過去も含めて、いろいろ明らかになって多少スッキリした……って、月の兎、これ壊滅してるじゃないですか!w
やっぱり、黒ウサギってそれがそのまま名前ではなかったんだ、といろいろと納得するところはあったんですが、あの生皮剥いで、のインド叙事詩の英雄のエピソードを月の兎のエピソードにからめてきたのには驚いた。なるほどなあ、それで月の兎は帝釈天の眷属であり、同時にあれだけのギフトを扱えたわけか。インドラの槍と黄金の鎧が一緒に使ってはいけない、とされているのも納得。伝承を鑑みるならば、そりゃ使えんわなあ。

そして、在りし日の「ノーネーム」が名前と旗を失う前の全盛期の姿も垣間見ることになる。ノーネームの前身って、前はこの階層でも尤も繁栄していた大きなコミュニティだった、というくらいの認識だったのですが、そんなレベルじゃなかったぜ。いやでも、冒頭の黒ウサが助けられてコミュニティに加わったエピソードを見たときは、凄いところだったんだな、とは思ったんですが、それでもまだ理解の範疇では在ったんですよ。
ラストのあれの復活見て、呆気にとられましたがな。
あれのあまりの凄まじさに、逆にこれを仮にも封じたという旧ノーネームってのはどれだけ凄かったんだ、という話です。さらに言うなれば、アレをすら倒してしまった旧ノーネームを、完膚なきまでに滅ぼしてしまったという「魔王」って、いったいなんなの!?
ちょっと魔王、舐めてた。箱庭の内部における称号である魔王とは全く違う、神話伝承において名実共に魔王と号された「本物の魔王」は、パないわー。階層が四桁から三桁にあがったら、あれだけ桁違いになるのか。いや、まさに文字通りのケタ違いじゃないか。更にいうと、白夜叉こと白夜王も本来三桁以上の存在なんですよね。そろそろ話のステージが一桁上がり始めた模様。それは同時に、これまで無敵無双だった十六夜の能力に、敵の格や強さが追いつき追い越し始めたという事でも在る。
あんな弱音吐いた十六夜、初めて見た。
これって、彼に絶対の信頼を抱いている飛鳥たちが見たら衝撃以外の何物でもなかったろうなあ。無論、黒ウサだって、自身の家族を失い、またかつてノーネームが生まれてしまった惨劇の時を彷彿とさせる出来事でショックも大きいだろう。彼女には、さらに金糸雀の末路、ひいては奪われた仲間たちの行方という件の絶望も待ち受けているわけで、月の兎の御子の権限が失われてしまっているのと相まって、今黒ウサ一番厳しい時期なんじゃないだろうか。
ここで、出来るならば飛鳥や耀には巻き返して、十六夜の立っている場所まで追いついてきてほしいところなんですよね。特に耀は、春日部孝明の娘として父親が目指した場所に辿り着くポテンシャルは絶対に秘めているはずなので。

旧ノーネームの奪われてしまった仲間、の情報という観点からすると、今回ジンが何か掴んだと思しき「殿下」たちに対する情報は、えらく不穏なネタではあるんですよね。「殿下」がまだ生まれて三年しか経っておらず、彼の立場や存在が、旧ノーネームと深く関わりがありそう、というのがまた……。三年前って、もろに時期的にも合致しますしね。そもそも「殿下」なんて言われている以上、ちゃんとした正体もあるでしょうし。この辺りの情報はどこまで引っ張るんだろう。

正体というと、今回盛大に驚かされたのが、ジャックさん。ジャック・オー・ランタンの正体である。いやあ、ジャックさん、マジになるとかっけえなあ。年長者の余裕たっぷりなダンディなジャックさんもいいけれど、あんなふうに本気になったジャックさんもパないですわー。ここでの飛鳥のジャックへの気遣い方がまた粋で、この娘ってホントいいオンナだよなあ。ジャックさんの正体、あれは驚きでは在りましたけれど、あれが全部の正体ってわけでもないんですよね。彼が主催するギフトゲームの内容からすると、もっと複雑に真実は入り組んでいるみたいですし。
とりあえず、マックスウェルの悪魔はキモいのは確認したw
ウィル・オ・ウィスプがマクスウェルの悪魔に付け狙われてるって、ガチでそういう意味だったんかい!! これはあかんわーw でもお陰で、表紙にもなってる大悪魔、ウィル・オ・ウィスプのリーダーであるウィラ=ザ=イグニファトゥスにえらい親近感が湧くようになってしまったわけですけれど。本来かなり格上で実力も突き抜けてる大人物なのに、耀が保護者みたいになってしまった感もありますし。かわええなあ、おい(笑

とまあ、めまぐるしく変わる展開に次々と明らかになる情報、また敷き詰められていく伏線、と行き着く暇もない中で、最後の最後にシリーズ最大の脅威にして危機が到来。凄まじいスケールにして圧倒的なまでの今までにない絶望感。これまでなら、十六夜くんならなんとかしてくれる、という安心感があったのに、それをも根こそぎ吹き飛ばしてしまう最悪の展開。
激動の始まりである。

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12月3日

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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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