競馬

第67回宝塚記念 G1 レース回顧  


3歳以上 オープン 阪神競馬場2,200メートル(芝・右)

とんでもねえ、すげえレースでした。
パドックでの周回、騎手の騎乗が行われたうえで本馬場入場が始まろうとした瞬間から降り出した雨。
雨どころじゃないよ、豪雨だよ。ゲリラ豪雨。
東方からは物凄え雨柱が近づいているのが見える状態だったので、ちょうど降るんだろうなとは想ったのですけれど、思ってたどころじゃない凄まじい雨でした。
雹が降る注意報みたいなのも出てた? さすがに雹は降ってなかったと思いますが、尋常じゃない大粒の雨でした。
あれだけの短時間で、馬場が良馬場から重馬場に変わるというのはちょっと経験ありません。

そして、この宝塚記念には1頭の重馬場の鬼がおりました。
もうこの雨を見た瞬間、浴びた瞬間、知る人はみなが思ったでしょう。

メイショウタバルのための雨だよ!!

このレースには史上初の春古馬G1三冠がかかったクロワデュノールが出走していました。文句なしに今一番力充実し、覚醒し、最強として本格化した馬でした。
対するタバルは2番人気。とはいえ、去年この宝塚記念勝った時よりも間違いなく格はあがってましたよね。大阪杯2着の走りはG1馬としての風格を感じさせる本物の気風を感じさせました。
得意の阪神中距離戦。
去年の秋古馬G1戦線を全部3着に入ってるつよつよブロンズコレクター・ダノンデサイル。
去年の有馬記念馬ミュージアムマイル。
女帝レガレイラといった現役最強馬が出揃った中ですら、2番人気にあげられたのはそれだけタバルにとってこのレースが勝負レースだった、と言えるのではないでしょうか。
多分、そのまま良馬場だったとしてもクロワと真っ向引けを取らない本当に強い馬になっていました。
その上で、この恵みの豪雨ですよ。
クロワは、あれ文句なしのレース運びだったと思います。それでもなお、タバルがまったく直線落ちなかった。けっこう後ろ置き去りにしましたからね。
デサイルが頑張って3着入ったけれど、それでも2馬身半近く2頭から離されている。逃げたコスモキュランダの後ろは5馬身近く離れたことを考えると、突き抜けた二頭でした。

あまりにも神がかった天候の変化。
ゴールドシップ産駒として、父子二代に渡る宝塚記念連覇という偉業。
競馬史に語り継がれる伝説のレースでしょう、これは。


マイユニバースは残念でした。心不全ということで。日経賞を勝ってこれからという昇り馬だったのですが。

ダノンデサイルは、これでG1を4戦連続で3着。どんなレース展開でも、どこの競馬場でも、どんな馬場状態でも変わらずこれだけ走れるってのは、揺るぎない強さだよなあ。
エピファネイアの後継種牡馬、エフフォーリアとガチンコで張り合えそう。


第87回優駿牝馬 G�機_鷂�  


競馬書くの久々だけど、今回は書かねば。
見ていてこれは本当に叫んでしまいました。
ジュウリョクピエロ、ルメールの乗るドリームコアをゴール板前で躱して、クビ差の勝利。
先の海外からの短期免許で訪れていたキング姐さんを除けば、国内所属の女性騎手として初めてのG1タイトルを、今村聖奈騎手がもぎ取ったのです。まさに歴史的快挙、競馬史に燦然と残る偉大なる一歩。
それも、オークスですよ。クラシックですよ。とんでもねーことです。
しかも勝ち方が凄かった。
なんていうか、馬の能力に任せてただ上に乗っていただけで勝ったんじゃなくて、馬群の真っ只中を捌いて突き抜けて、真ん中突っ込んでぶっ差しましたからね。
位置取り的に決してよいところには付けてなかったと思います。外に持ち出さなかったのは持ち出すルートがなかったから、だとも思う。
でも、ここというタイミングを見逃さず、怯んで周りに合わせて仕掛けるのではなく、行ったれと自分のタイミングで仕掛けられたのは、くそ度胸でしょう。前が塞がらず、前にルートが開いていったのは広い東京コースならではかもしれませんが、仕掛けのテンポが遅れてたらこうもうまくまっすぐ突き抜けられるルートは開いていなかったでしょうし、届きもしなかったでしょう。
騎手と馬の力が見事に合わさった、素晴らしい勝ち方でした。文句なしですよ。今村騎手、初年度あれだけ勝てたということは、馬質のよい馬に乗れたというのもあるんでしょうけれど、それでちゃんと勝ててたという事はしっかり馬の能力引き出せてた、という事でもありますからね。いい馬に乗れたからって、誰でも勝てるわけじゃないんだから、今後いい馬が回ってくるようになればまたぞろ行ける行ける。
しかし、ジュウリョクピエロは凄かった。こいつ、すごい馬ですね。
今回は調教がやばいくらい凄かった、という話もありましたけれど、レース前は発汗が物凄くて状態がヤバいんじゃないか、という風にも見えたのですけれど。
父親のオルフェーブルそっくり、とも言われてましたけれど、前走といい今回といい、確かにあの爆発力は凄いですわ。またぞろ、オルフェ産駒に時折現れる常識外れの化け物級が現れたんですかねえ。
楽しみな馬が出てきたなあ。





ザ・ロイヤルファミリー 見た〜〜  

いやあ、面白かった。本当に面白かった。最終回、あとは有馬記念勝つだけじゃないのか? と思っていた自分が恥ずかしくなるくらい、ドラマチックで継承というテーマをバチクソに輝かせた最終回だった。
ってか、あれだけ継いでくれ、と後を託した体でいて、まだまだ継承なんざさせるかよっ! とばかりに立ちふさがった社長、もう社長すぎるw
あれ、でもホープで有馬。そして佐木くんがホープで有馬を勝つ、という夢も同時に叶えていて、オマケに佐木くんの嫁さん、社長の娘の百合子さんだから、こっちはこっちで継承ちゃんとしてるんですよねえ。野崎の爺ちゃん、最後叫んでたのホープの名前じゃん!

いやあ、いやあ、この展開は全然予想もしていなくて、本当に素晴らしかった。
椎名オーナー、最初出てきた時には自分の馬が勝っても表情すら変えず声援も飛ばさず、これは敵役としていやらしい感じの人が出てきたなあ、と思ったものですけれど、でも回を重ねるごとに馬に掛ける思い、競馬に携わる人々へのリスペクト、そして何より山王社長に対するリスペクトとライバル意識と友情の入り混じったあの人間味ですよ。一番人間が出来ていて、終わってみれば実に魅力的な人だった。惚れ惚れするような人でした。めちゃくちゃ格好良かったなあ。
妻夫木さんは、毎回泣いてたなあw こんなに悲しいとか悔しいじゃなくて、嬉しいとか感動とかで泣く主役のドラマは珍しいんじゃなかろうか。
椎名オーナーの息子も、増長してたけれど彼には彼なりの信念があり想いがあり、馬を見る目はぴかいちで、耕一には本気で友情を感じてて、悪いやつじゃあ全然ないんですよね。
一皮むけたらでっかい父親似の大人物になりそうじゃないですか。ソーパーフェクト、翌年徹底的にファミリーに二着に退けられてて、これメチャクチャ悔しかっただろうなあw

見てて、本当に馬が愛おしくなる、馬と本当に愛おしく描いてくれたドラマでしたねえ。最後の養老牧場で今までのロイヤルの馬たちが登場したの嬉しかった。
競馬の映像は実際のものを使ってましたけれど、あれは競馬を魅せるという意味では大正解だったと思います。用いたレースがどれなのか、マニアでなくてもわかるように、ちゃんと出演馬をスタッフロールで出してくれていたのも心憎いところ。あ、このレースだ、とわかるとそれだけでなんか盛り上がっちゃうんですよねえ。
やっぱりところどころ、おっこれはそのまま再現できなかったのか、とかあれ? と思う所はありましたけれど、そういう所は本筋と関係ないところなので御愛嬌。
ジャパンカップの口取りをウィナーズサークルでやってたり(G1の口取りは本馬場でやります。本馬場での撮影出来なかったのかしら)、ゲートがやたらボロかったり(現役のスタートゲートは使えなかったのか)。そういう所も見ていて色々と探してしまって、楽しかった。
矢作先生、なにがっつり出演してるの!?w

こんな本格的な競馬のドラマなんて、まずもう再び見ることは難しいでしょうねえ。それこそ、続編でも書かれない限り。ちょいと作者先生、意欲湧いてるみたいですし、期待はしたいなあ。
実に楽しい10回放映でありました。




……「白い弾丸 ビッグホープ!」には正直滾った。 








第172回天皇賞(秋) G1 レース回顧  

3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 東京競馬場2,000メートル(芝・左)


天皇賞秋は、3歳馬マスカレードボールが鞍上ルメールで勝利。3歳馬のG1未勝利での天皇賞制覇となるとシンボリクリスエスとイクイノックスになるんだが、どっちも以降のレースで伝説的な成績を残しているだけに、期待値はうなぎのぼりだよなあ。
クラシック未勝利にも関わらず、1番人気というのはイクイノックスに被るものがあるのだけれど、この世代にはあのクロワデュノールがいるわけですから、こりゃもっぺん白黒つけなあきませんなあ。
2着には、同じく3歳の皐月賞馬ミュージックマイルが脚色としてはマスカレードとほぼ同じ勢いで駆け上ってきて3歳馬でワンツーフィニッシュ。正直、マスカレードとはポジショニングの差で、馬の実力に差は殆ど見受けられないんじゃなかろうか。
正直正直、ミュージックマイルはもう天井見えてる、目いっぱいの走りをして勝ったのが皐月賞だと思っていたので、コンディション的にも目一ではなく左回り東京競馬場という舞台ではちょっとG1厳しいんじゃないんだろうか、と思っていただけに、完璧にこの思い込みの見縊りの殻をぶち壊してくれた。まだまだまだ、上がある子じゃないか。ミュージックマイル、クロワデュノール、そしてこのマスカレードボールの三頭、歴代の三強と呼ばれたライバルたちに並ぶ名勝負を繰り広げてくれそうで、今からワクワクしています。本当ならここに菊花賞馬エネルジコが加わっての、シンのナンバーワンを決める戦いを見てみたかったのですが、屈腱炎は辛いなあ。
3着には、今年の引退が決まっているジャスティンパレスが。
すげえなあ、宝塚記念に続いての3着で衰え一切なし。長距離戦線がメインにも関わらず、調子絶好調の走る時は阪神も東京も中距離で馬券絡んでくるの、マジ強いですよ。あかんときでも掲示板付近にはほぼ絶対来るし。今回は特に超スローになったためか、ヨーイドンになりつつスタミナも要求されるとんでもないレースになり、それにマッチしたというのもあるんでしょうけれど、彼もまた歴史に残る名馬ですよ。
4着にはシランケド。ネタネームで有名だった馬が、まあ堂々とG1で勝ち負けできるだけの成長を遂げてまあまあまあ。しかも、今回東京コースの歴史で最速の上がりとなる31.7。
スローペースで軒並み上がりのタイムがあがってるレースとはいえ、31.7はメンバー中でもぶっちぎりである。伊達でこのタイムは出ないですよ。細江さんなんかは、調子悪いんじゃないか、みたいな見立てをしていたのだけれど、実際どういう状態だったのかはわからないけれど絶好調ではなかったのだろう。にも関わらず、それでもG1でこれだけ走るってのは本物ですよ。
5着にはアーバンシック。彼が上がりタイム2位ですね。しばらく成績振るわなかった菊花賞馬でしたけれど、苦手な雨の馬場が続いていたという理由があったみたいで。良馬場の今回はどうなるかと思いましたが、超スローからの後方の位置取りから掲示板に乗るまで突っ込んでこれた、というのはまだまだこれからなんぼでも出来まっせ、という意気込みを感じさせる走りでしたよ。
6着にはタバル。メイショウタバルが。
ぶっちゃけ、ギリギリまで3着残った!? と、思うくらいハチャメチャに粘ってましたね。
超高速戦が予想される東京競馬場の2000メートルで、いかな宝塚記念を勝ったとはいえ重馬場にもっとも力を発揮できそうな切れのあるスピードで一枚劣るだろうタバルに、果たして活躍の余地があるのか。ただでさえ逃げには難しいところのあるバカ長い直線の東京競馬場で、という疑念は大きく存在しました。
タバルの性質上、かつてのパンサラッサみたいな大逃げは出来ない、というかしても潰れるだけですからね。
だとしたら、鞍上の武さんはなんとかして消耗戦に持ち込みたいんだろうけれど、どうするんだ? と、思ってたらまさかまさかの超スロー展開ですよ。1000メートル通過は62秒0。
テレビはカンテレのやつ見てたんで、リアルタイムで走破タイムが表示されていなかったのですが、番手のホウオウビスケッツの鞍上にいる岩田パパが必死に手綱引っ張って行きたがるビスケを抑えてるのを見て、これめちゃくちゃ遅いぞ絶対! と思ってたら通過タイムがあれでしたからね。
これどうなんだろう。タバル、さすがに遅すぎたという声もあるんだけれど、遅かったからこそあそこまで粘れた、というのもあるでしょうし。
一端、タスティエーラに並ばれて抜かされたにも関わらず、そこからもう一回抜きかえしやがりましたからね。見てて思わず興奮してしまいましたよ。タバルばっかり見てしまっていた。
とりあえずG1馬の強さはちゃんと見せてくれたんじゃないでしょうか。

一方でタスティエーラですよ。あそこまで見せ場たっぷりに一度は先頭立ちながら、いきなりガス欠したみたいにズルズル落ちていってしまいましたからね。東京コース合わない血統とはいえ、去年は2着に入っているわけですし。やっぱり、まだ調子途上だったんだろうか。

まー、手に汗握る面白いレースでした。やはり秋天は毎年一際面白いですよ。そして、ルメールが毎度秋以降強すぎる。涼しくなってきたらルメールだなあ、これ。



第66回宝塚記念 G1 レース回顧   

3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 阪神競馬場2,200メートル(芝・右)

朝までけっこう雨降っていたのですが、馬場はそこまでグズグズにはなっていなかったですね。
当日は晴れ間も見えるほど雨があがり、順調に馬場は回復。稍重まで戻りました。馬場の荒れ具合も土曜降ってたわりには悪くはなく、かといってスピードが出るほどではありませんでしたね。
阪神の足元は良好だけれどパワーがいる馬場ってやつですね。
今年は普段の4週目から開催2週目に番組が変更。暑さを避けるため、という名目でしたけれど、確かにこの月曜から暑さが本格的に夏になったのを思えば、見事にキワキワで真夏の暑さを避けられたのでしょう。馬場もまだ1週しか使っていない分、かなり良好でした。

戦前はベラジオオペラが1番人気。大阪杯を連覇したわけですし、阪神コースの中距離でこの馬を無視せよ、という方が難しいでしょう。ただ圧倒的人気にはならず4.0倍だったあたりにまだベラジオオペラを信じきれない部分が出ていたのではないでしょうか
今回の宝塚記念は人気投票の1〜3位が出走するという、これ今まで長らくなかったそうで。
1位ベラジオオペラ、2位レガレイラ、3位アーバンシック、と出揃いました。
レガレイラはもちろん、去年の暮れの有馬記念で名馬たちを退けて勝利した女傑です。
アーバンシックは強豪揃いの現4歳世代の菊花賞馬。
さらにその前年の菊花賞馬でジャパンカップでドウデュースの2着、ドバイシーマで3着に入っているドゥレッツァ。
春の盾、天皇賞春を勝っているジャスティンパレス。
皐月賞馬のソールオリエンス。
とG1馬が6頭出揃うグランプリとなりました。
もっとも、1番人気ベラジオオペラ、2番人気レガレイラに続いて3番人気になったのはG1馬ではなく、日経新春杯を勝ち大阪杯2着と、年明けからの覚醒パターンを歩んでいるロードデルレイ。
4番人気はドバイ帰りのドゥレッツァで、5番人気が7歳にして今が一番強い状態になっているヨーホーレイク。
6番人気にようやくアーバンシックが入っているあたり、アーバンシックみんな状態が戻っていないと判断していたんでしょうね。最近は以前ほど勝ちまくってないとはいえ、ルメール乗って6番人気ですから。
そして7番人気にこの馬、武豊を乗せたメイショウタバルがいたのです。

前日は5番人気くらいになってたんじゃないですかね、タバル。土曜日はまだ雨がざーざー降ってましたから、本番も相当荒れるんじゃ、という予想もありました。そうなると、露骨に出てくるのが雨適性。ブローザホーンなんかもその典型でしたし。
ゴールドシップ産駒のタバルなんかは特に雨が望まれてたようです。まあ、そこまで重馬場巧者とは思わないんですけれど。
とはいえ、雨とは関係なく、ホースマンの間では今回のタバル、ちょっと違うんじゃない? という雰囲気が漂ってまして、以前までのあわよくば馬券圏内まで入りそうで面白い、みたいなのじゃなくて、今回はガチで勝ち負けまで行きそう、と本気で推してるホースマンがかなり散見されてたんで、あれ? マジで今回ちょっと違うのか? と、タバルの空気をひしひしと感じていました。
どうも、ドバイ遠征はこの馬にとって本当に大きなターニングポイントだったみたいですね。シャドーロールの装着も効果的だったみたいですけれど、菊花賞の大敗、日経新春杯の暴走の印象をドバイで完全に払拭したようでした。
メイショウタバルが気性に左右されず、得意な馬場得意な競馬場で持てる能力を最大限発揮できる環境が用意できたら、どういうレースをするのか。
その答えがこの宝塚記念だったように思います。

まーーーー、今回に関しては武さんが会心の競馬すぎた、というのもありますよ。
まさに思った通り以上のレースが出来たんじゃないでしょうか。タバルの息が持ちスタミナが切れない、そしてタバルに続く先行勢がきっちり消耗してしまって脚を残せず、後方勢がどれだけ追っても届かない。そういうペースを見極め、狭い狭い僅かな正解のラップタイムの綱の上を寸分たがわず駆け抜けた。
仕掛けていったベラジオオペラの横山和生は、あれ? そこで仕掛けるの!? と4角ですでにタバルに並ぼうとしていたのは驚かされたんですが、あそこで詰めにいかないと届かない、という判断だったんでしょうね。道中の位置取りからして、仕掛け遅れた場合他の先行勢と同じ末路になっていたかもしれません。しかし、それでも届かなかった。直線入ってむしろ、タバルと間が空いてしまったのを見たときは、タバルの手応えの素晴らしさも相まって、あこれタバルそのまま行くわ、とはっきりわかるくらいでしたから、今回はタバルと武のあまりにも素晴らしいレースっぷりに勝るものなし、でしたよ。

3着には、大外から捲ってきたジャスティンパレス。やっぱりパレスは最後の脚に賭けた走りが一番ベストのレースが出来ますよ。上がり最速の脚を出せる道中の位置取り、それでいてゴール前で勝ち負けになれるだけの位置取り、そこに導けたら良い所まで来るんですよね。うん、めちゃくちゃ難しい馬だな。んで、そういう難しい馬に勝ち負けさせてくれるのが、やっぱりべらぼうにうまい外国人騎手なんですよ。ディー騎手は、勝ち星こそあんまり稼げてないのですけれど、NHKマイルCのチェルビアットのように人気薄でも実力をフルに発揮させて馬券まで持ってくる、これが1回ならともかく、2回目ですからね。この人が乗る馬はちょっと侮れないですよ。うまいのは間違いない。

4着に入ったのが11番人気のショウナンラプンタ。切れる脚じゃないんですけれど、最後までジリジリ伸びるいい脚使うなあ。ってか、全然あかんかったダービー以降は、勝てはしてないもののG1レース含めて掲示板外してないんですよ。以外にもかなり堅実、間違いなくいい脚使って上位まで入ってくるレースを、二桁人気のG1でさえも軽々と継続してみせた。あれ? 強くないですか、こいつ。
ラプンタも、この最強4歳世代の一角を担う馬ということなのか? 秋以降、重賞ポンポンと勝ったりしたら一気にG1勝ち負けするような格を備えそうな気もします。逆にこのまま善戦が続くようだと、堅実にいいレースは毎回するんだけれど勝ちには縁が無い馬、のパターンに入りそうでもあり……秋初戦は大事だぞこれ。

5着にはこれまた14番人気のチャックネイト。パレス、ラプンタ、チャックネイトとみんな後方からの追い込み勢。ちなみに6着も道中最後方からトコトコ付いてきていたソールオリエンスが入っているので、ベラジオオペラを除けば先行勢はすべてタバルと武に振り落とされたわけだ。
7着に番手だったリビアングラスがようやく残っているくらい。きっついレースかまされたんだなあ。

3番人気のロードデルレイは、8着。馬場があわなかったのかな。タフな競馬が求められるところに、大外枠でしたからね。川田騎手、向正面で内側に滑り込ませてましたけれど、水含んだ内の柔い荒れた馬場は、稍重でも嫌だったのかな。4コーナーではもうこいつやる気ないだろ、というような手応えのなさで。川田騎手が手綱しごいても全然反応してないの。こりゃもう、今回は走らないレースでした。
4着だった神戸新聞杯を除けば、今までずっと1着か2着だった戦歴にはじめて刻まれた大負け。これが彼のメンタルにどういう影響を与えているのか。次がちょっと気になりますね。今回のは例外だったらいいのですけれど。

他の人気馬では4番人気のドゥレッツァが、ここ。9着。うち中団前目で脚を溜められていた、と思ったのですけれど、ほとんど伸びず。このペースでしっかり消耗しちゃっていた脚が残っていなかった、って感じですかね。
レガレイラはさらに後ろの11着。有馬記念以来の久々でしかも骨折明け。大外枠で、ずっと外々を走らされ、展開は消耗戦。ちょっと厳しいレースでしたね。
アーバンシックはさらに後ろの14着。調子が戻っていないにしても全然良いところがなく、次に繋がる部分が見つかりません。ちょっと立て直さないと、このままだと勝ち負けどころじゃないですよ。


武豊さんは、ディープインパクト以来の宝塚記念勝利。ってか、50歳越えてまだG1取りますか。目黒記念勝つまで、重賞も今年は勝ててなくて、ピンチ!となってたのが嘘のようなあざやかな、会心の勝ちっぷり。
タバルはあの個性の強さも相まって、現4歳世代でも人気のある馬でしたけれど、勝ちときはポーンと勝っちゃうけれど、負け方はグズグズだし、気性の方もどんどん制御できないようになってきてるなー、と思った先にドバイあたりで急にビシッと馬が見違えて……でも、まさかG1馬に名を連ねられるほどに上がってきているとは思ってなかっただけに、三日会わざれば刮目して見よ、の心地です。
実力が物凄い勢いで追いついてきたようなイメージだなあ。今回会心すぎる競馬でしたけれど、実力がないと出来ないレースでもありますからね。フロックとは言わせまいて。
ゴールドシップ産駒は、牡馬ではこれがG1初タイトル。まじか、ゴルシの後継種牡馬誕生ですか。せっかくなんで、今回に限らずどんどん勝っちゃってほしいですねえ、タバルタバル。







第75回安田記念 G1 レース回顧   

3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 東京競馬場1,600メートル(芝・左)

馬場は良でしたけれど、パンパンの高速馬場ではなかったみたいですね。思ったより流れなかったのは決定的な逃げ馬がいなかったからだろうけれど。

1番人気はソウルラッシュ。ドバイターフであのロマンチックウォリアーに一発かまして勝った馬ですからね。そりゃ1番人気にもなります。ただ、3.3倍に留まったのは相手が強いと思われていた、というより今回の東京マイルという舞台でソウルラッシュがどれだけ力を発揮できるか、という点をやや疑問視されていた所があったんですよね。
7歳という年齢はそこまで問題ではなかったと思います。充実度はバチバチでしたし、3歳の暮れから今に至るまでずっと全盛期、衰え知らずですよ。成績見てくださいよ、この安定感。G1だろうと滅多に馬券も外さない、掲示板外れたのなんて古馬になって2回だけです。
だからこそ、長らくG1届かなかったときはどうしてこんなに強いのに肝心の所で勝てないんだ、とやきもきしたものです。それも、去年のマイルCSでついにG1馬の仲間入りして、ドバイでは世界最強を撃破。まさに今が全盛期ですよ。
ただし、安田記念はやっぱり鬼門なんですよね。掲示板外した2回が両方とも安田記念。とはいえ、去年は3着に来ているので、悪いわけじゃないんですよ。東京自体も苦手じゃない、他の重賞でも2着何回か来てますしね。
とはいえ、やっぱりキレがね。そこがやはりネックとなるのか。鞍上が浜中くんに戻った、というのは……個人的には応援してたんですが。

勝ったのはジャンタルマンタルでした。この子、なかなか状態面が整わないので、数走れないんですよね。3歳春は皐月、NHKマイルと出たあと、結局暮れの香港まで走れず、その年4走だけ。そして香港では全然レースにならなかった。
なんで、どうしても強烈な印象が残りにくい子でありました。NHKマイルはけっこう勝ってもその後凡走続き、という馬も多いですからね。
だからこそ、この古馬になっての最初のレースは試金石でした、これからのこの馬の軌跡を決定づける。
強かったですね。正直、気合はいりすぎていていつ入れ込んでぶっ潰れるか、かなりギリギリの綱渡り状態だったみたいなんですけれど、これを川田騎手が捌き切りました。そして、本領を発揮したならば間違いなく、今後のマイル路線を支配するのはこの子だと証明してみせましたね。強かった。
実績を振り返っても、この安田記念を勝ったことで走ってる数こそ少ないですけれど、朝日杯FS、NHKマイルC、そして安田記念とマイルG1を3つも取り、あとは国内ではマイルCSを取れば牡馬が走れるマイルG1は完全制覇となります、そういう風に見たら、完全にめちゃくちゃ強い馬ですよ。
スタイルも先行押し切りで、川田騎手の一番得意な戦法ですからね、これは手が合うのでしょう。
今後、馬体も成長してきたことでコンスタントにレースに出れるようになればいいのですけれど、どうなんでしょうね。海外も志向しているみたいですけれど、香港では大崩れしましたからさて海外が合うのかどうか。ただ国内については、しばらく無双しそうな気もします。


2着には、吉村誠之助騎手の乗るガイアフォースが8番人気ながら、飛び込んできましたね。吉村くんマジで凄いな。直線で前塞がっちゃいましたが、よく持ってきました。ガイアフォース、今に至ってもマイルの馬か?と言われるとそこまではっきりとした印象ないんですけれど、これで安田記念は4着4着2着ですからねえ。東京競馬場があってるのかもしれませんが、今後どういう路線使っていくのかわからんなあ。マイル? それとも秋天目指して中距離?

3着に、1番人気のソウルラッシュ。直線入ったところでギアが入ってぐんぐん伸びだしたときには、このまま一気に捲って突き抜けそう! と、思ったのですが、途中からそこまでの勢いがなくなってしまいました。あ、止まった……と、思ってからゴール際で気がつくとガイアフォース以外まとめて抜いているあたり、本当に強い馬のゴール際の推進力を実感させられます。
それでも、ずっと隊列の外々を回らされた分が響いたかなあ。直線でスムーズに真っ直ぐに伸ばしてあげられなかったのも、これは痛いと言わざるを得ないよなあ。とはいえ、あそこの位置からだとどう頑張っても2着まででしたでしょう。33.9は上がり2位。十分走ってます、そして絶対に馬券を外さない安定感は健在。

4着にブレイディヴェーグ。大外18番はやっぱりちと響きましたね。あと、思ったより最後脚がキレなかった。もっと伸びるイメージあったのですが、位置的にちょい前目につけた分なんでしょうかね。あとは枠。掲示板には載るけれども、どうしても3着までに入れず、というのが続いてしまっていて、そういう馬として定着しそうになってるなあ。

5着にはウインマーベル。うん、先頭でよく引っ張ってくれました。しかし、安田記念は後ろからくるほうがやっぱり有利なわけで、それで5着粘り込んだことを褒めてあげたい。
あとは、マイル走れるけど最適ではないかな。あともう一息の踏ん張り分が足りない。1400ベストなんかしらねえ。ただ、噛み合ったらマイルのG1でも馬券圏内まで食い込んでくるだけの力は間違いなく。

あとは、人気馬注目馬、評判高かった馬だけど、結果全然でしたというのが……ウォーターリヒト、シックスペンス、ジュンブロッサムあたりですな。特にシックスペンスは3番人気で鞍上ルメール、にも関わらず12着大敗。1枠1番が響いたのか、毎日王冠勝ってるけど東京競馬場が合わないタイプなのか、差し有利の競馬で先行していたのが苦しかったのか、距離もうちょっと長いほうが良かったのか。
なんかどれが原因というよりも、色んな原因が少しつづ相乗されて、みたいな噛み合わなさだった気がします。
ウォーターリヒトも、なんか充実っぷり凄くて近走の激走っぷりから、ここで一気に覚醒してG1勝ち負けする最上位クラスに突入か、主役候補に成り上がりか、という雰囲気だったのですけれど、いけませんでしたね。
ここはもう一つマイル重賞取って仕切り直ししないと。でないと、たまに急に走って勝っちゃったりするかもしれないけど、基本的には中堅どころ、で収まってしまいそう。後方一気にスタイルからしてもそもそも安定性は難しいところあるもんね。
ジュンブロッサムはなあ、G1となると小さくなっちゃいますね。G2までだと、勝つかもまであるんだけど。


今回はなにはともあれジャンタルマンタル。文句なしに栄光への道を走り始めました。これでコンスタントにレース出れたらなあ、盤石となるんですけれど。


第92回東京優駿 日本ダービー G1 レース回顧   

3歳 オープン (国際)牡・牝(指定) 馬齢 東京競馬場2,400メートル(芝・左)

漆黒の白鳥羽ばたく府中かな。

星の冠を戴いたのは、世代ナンバーワンの前評判通り、クロワデュノールでした。
皐月賞は不利などもあり、2着に敗れてしまったのですが負けて強しの内容で評価自体は全く落ちなかったですね。2歳から一貫して彼が頂点であり、他の馬たちは北天に輝くノーザンクロスを追いかけて追いかけて食らいついていくのが今年のクラシックだと言えるのではないでしょうか。
だからこそ、皐月賞のミュージアムマイルは星に手を届かせたという意味でも凄まじい馬である事は間違いないです。このダービーでは残念ながら適性が合いませんでしたが。

スタートから先行位置にスーッとつけたあのスムーズさには身震いしましたね。最初のコーナーの位置を見て、これはもうよっぽどの事がない限りまず間違いなく勝ったな、と思いました。
まあよっぽどのことがしょっちゅうあるのが競馬でもあるのですけれど、

北村友一騎手も、期するものがあったでしょう。背骨を折る大怪我からの騎手としての復帰。その怪我で無念にも相棒であるクロノジェネシスの現役の晩年をともに過ごせなかった悔しさ。
海外遠征にクロノと行ったとき、北村騎手がずっとクロノといっしょに居て遊んでた、というエピソードを聞いて以来、このコンビは好きだっただけに、怪我で降りざるを得ずクロノの鞍上が変わってしまった事はやっぱり残念でしたからね。ルメさんの宝塚記念でのコメントは気遣いを感じてグッときたのですが。
ともあれ、そんな無念を抱え、しかし怪我を克服。騎手としても復活し、去年は重賞を6つも勝ってかつての勢いを取り戻し、何よりクロノジェネシスと同じ斎藤厩舎から圧倒的世代ナンバーワンと言われた同じ「クロ」の名前を持つクロワデュノールを任されて、見事ホープフルステークスを勝ってクロノジェネシス以来のG1を奪取。
ただ北村騎手の復活の物語は自分の中ではあそこで区切りついてたんでしょうね。初のクラシック制覇、初のダービージョッキーにも鞍上に涙はありませんでした。高く掲げた一本の指は、すぐさままたがる愛馬に向けられます。

こいつが一番だ。こいつこそが一番だ。

舞台の主役はクロワデュノール。その相棒として、彼の持てる力を全て発揮させる、そうすれば自ずと勝てるのだから。そんなやるべきを当たり前にやる、そんな使命を果たした支える者としての達成感、満足感を感じさせるような穏やかで落ち着いた表情がとても印象的でした。

クロワデュノールはフランス語で北十字星。はくちょう座を描き出す北の空に輝くノーザンクロス。
しかしその毛並みは青鹿毛からの漆黒で、はくちょう座の冠を頂きながら、真っ黒な馬体を輝かせています。父はキタサンブラック。父が果たせなかった、そしてあの魔王イクイノックスですら果たせなかったキタサンブラック産駒として初のダービー制覇。さらに父の種牡馬としての価値を高めてくれました。夏を超えて、果たして父のようにさらに馬体を大きくしてスケールアップしていくのでしょうか。
陣営は凱旋門挑戦にも言及しています。はからずも三冠馬への挑戦を皐月賞で脱落してしまったからこその新たな可能性。菊花賞を目指すにしても、どちらにしても楽しみ意外のなにものでもありません。
最強の馬が勝つべくして勝つ、これが成ったダービーはコントレイル以来でしょうか。これから、競馬界そのものを背負って立つ偉大なる名馬への道を歩み始めたと感じられる日本ダービーでした。

2着にはマスカレードボール。皐月賞では苦手の右回りで3着。そしてこの府中では大外枠ながらピタリとクロワをマークして、直線で大外から強襲。力及ばずも最後突き放すかと思われたクロワに最後まで食い下がって3/4馬身まで詰め寄った迫力は、彼こそが世代最強に真っ向から立ち向かうライバル筆頭を印象付けるレースでしたよ。
父はキタサンブラックの同期でもあり、あの世代のダービー馬でもあるドゥラメンテ。早逝してしまった彼のラストクロップでもあり、2世代前のタスティエーラ、ソールオリエンス、ドゥレッツァ以来の父親世代からの宿命のライバル関係に、なってほしいものですね。

3着には京都新聞杯を勝ってダービー出走権をもぎ取ったショウヘイが、1枠を活かした走りで内から脚を伸ばして食らいつきました。6番人気でしたけれど、正直1・2・3番人気。クロワ、ミュージアム、マスカレードは別枠で、以降の4番人気毎日杯圧勝のファンダム、5番人気サトノシャイニング、6番人気のショウヘイ、7番人気ホープフル2着のジョバンニ、そして8番人気のエリキング辺りまでは横並びでそこまで人気に差はなかったと思います。正直、9番人気以降の馬たちは穴馬としても差があったと思うんで、ファンダムからエリキングまでの誰かが上の3頭に割って入れるか、という雰囲気だったと思いますよ。
その中で、見事勝負にアタマ突っ込めたのがショウヘイだったわけです。乗ってたルメールのコメントだと、雨のあとの馬場のゆるさであんまりうまく走れてなかったみたいで、それでこの着順まで来たんですから、まだ伸びしろもありそうじゃないですか。以降もこれは期待できる子だと思います。
4着はサトノシャイニング。惜しかったですね。スタートから武さんが思い切って逃げたときは、おおっ!?と思いましたよ。そこからグッとペース落としてレースの主導権を握るか、と思われたんですが、まさかのホウオウアートマンがそこからさらに鼻を奪ってしまう展開に。アートマンに躱されたあと、なんじゃいこらーっとシャイニングがイキってしまったのを武さんが宥めている様子が映像に映ってましたね。うまいこと落ち着かせてしっかり番手でレースを刻んだものの、ここでシャイニングが一瞬掛かり気味になってしまったことがもったいないことになってしまいました。もし、気持ちよく逃げていたら、もうちょい際どい結果になっていたかもしれません。しっかり4着にまで残りましたしねえ。
5着はエリキング。見直したらスタートで勢いつかなかったんですね。2枠3番という内枠だったんで、こうなってしまうと内に閉じ込められるか、ジリジリ下がって外からまくるという方法を取るしか無い。どう考えても前有利な競馬になりそうでしたから、この時点で苦しい苦しい。それでも、勝ちを狙うならぶん回さなしゃあない。そういう苦しい競馬で、後方からぶっ刺してきて後ろからの競馬で唯一掲示板に乗ったんだから、その脚は本物でしょう。なかなかバッチリとハマる競馬をするのが難しそうなんですが、これからこそが楽しみな馬かも知れません。
6着に、皐月賞馬のミュージアムマイル。なんか、マスカレードボールの後ろにつけてましたね。後ろ?! 前じゃなくて? いや、どうだろう。残り200までくらいはマスカレードボールにしっかりとついていってるんですが、200のハロン棒越えたくらいで一気に差がひらきはじめるんですよね。というか、ミュージアムマイルから手応えがなくなってしまった。距離ちょっとしんどかったのかな、という失速でしたかねえ。調教師の先生が今の段階だと距離長かった、とコメントしてるのは。まあ今日の展開だとあの位置からの追い込みは、尋常じゃない鬼脚使える馬でないと無理だったでしょうね。

あとは、ファンダムが14着。道中だいぶ力んでてスタミナ切らしちゃったみたいなんで、これは2400長かったっぽいですね。これまで2000以上のレース経験したことなかったし、今は仕方ないかも。
ファウストラーゼンは終始最後方で、そのまま最下位でゴールイン。スタートからハミを取らず、マクろうとしても反応せず、直線でもピクリとも動かず、ってミルコめちゃくちゃ頑張って走らそうとしてるのに、ラーゼンちゃんこれ完全に走る気ナッシングになってたんじゃないですか!?
G1でここまではっきり、ワシ走らんのでよろしく、となってる馬珍しいんじゃないの!?
これもう、主戦の杉原くんが良いというラーゼンの抗議なんじゃなかろうか。ミルコはこれはどうしようもないよ。

あと、ダービーではなくそのあとの目黒記念ですが、ハヤヤッコ競走中止には青ざめましたが、無事で良かったです。もう9歳ですし、これが現役最後のレースとなるのでしょうけれど、よく頑張ってくれました。
3歳で白毛一族最初の重賞馬となり、長く現役を続けて最後まで衰え知らず。去年8歳でアルゼンチン共和国杯勝ったときは滾ったなあ。44戦7勝2着5回3着4回は立派も立派。重賞も芝ダート両方取って3勝。いい馬でした。ほんと、お疲れ様よ。

目黒記念、勝ったのはアドマイヤテラ。鞍上の武さんは今年初の重賞制覇。これで39年連続重賞勝利。今年も結局勝ちましたねえ。テラは思ってたよりかなり芯が通った強さでした。菊花賞3着は伊達じゃないですね。これ、ステイヤー戦線の主役になっていっても不思議はないですよ。
ただ目黒記念の勝ち馬ってG2大将のシルバーコレクターになりがちなのが不安といえば不安。
目黒記念を勝ってG1勝った馬って、遡るとステイゴールドまで戻らないといけないらしいw






第86回優駿牝馬 G1 レース回顧   

3歳 オープン (国際)牝(指定) 馬齢 東京競馬場2,400メートル(芝・左)


今年は明確に、桜花賞の1着から3着のエンブロイダリー、アルマヴェローチェ、リンクスティップの3強対決という前評判でした。
まあ、先週の荒れるヴィクトリアマイルと違って、このオークスは3番人気までが非常に固い人気サイドで決着するレース。さらに、桜花賞組が強い。となると、上位3頭をどう判断するかが難しいところでした。

まあ一長一短というか。3頭ともに強みと弱みが混在してましたからね。
桜花賞を勝ったエンブロイダリーは、桜花賞勝ち馬というだけで様々な強みがあり、勝ち方も良かったです。鞍上にはルメールが乗って万全。ただ、この子アドマイヤマーズ産駒でいうなればマイル血統っぽい所がネックでありました。
2番人気のアルマヴェローチェ。阪神JFの勝者であり桜花賞でも1番人気の2着。ローテーションも王道。桜花賞は譲りましたけれど、実績からすると横綱級です。ただ、春から夏にかけてのこの時期に見違えるような成長を見せているウマが何頭か居る中で、堅実ではあるけれど飛躍的な出来ではないという、各所の意見をまとめるとそんな感じだったんですよね。1枠もちょっと不安で、鞍上の岩田望来騎手がちゃんと捌けるのか、という不安もありました。距離も母父ダイワメジャーってこれもマイル血統じゃないのかな。
終わってみれば、そもそもの地力が既に上位だったとも言えるのでしょうけれど。

んで3番人気のリンクスティップ。調子という面では3強の中では一番の上り調子だったんじゃないでしょうか。折からの雨もあって、道悪が予想された中でキタサンブラック産駒のリンクはこれ得意なんじゃない、と言われてみました。さらに距離が伸びていいタイプ。
実際の馬場はというと、今日は晴れて良馬場にまで戻ったんですけれど、それでも含水はそこそこ残っていて固い馬場ではなかったと思いますよ。それが功を奏したか、というとどうだったのか。
調教の様子からも勢いあって非常に注目されたこの子ですけれど、3強の中では重賞勝ちもない1勝馬だった、という所は結果を見れば無視できない部分だったのかも知れません。

他で言うと、細江さんが絶賛していたカムニャック。YouTubeでもテレビでもべた褒めしてましたね。よっぽど前走から見違えていたみたいです。見てもわからんのだけれど。この成長期の牝馬でここまで目立って馬が変わっている、というのはやはり無視できない要素なのでしょう。血統が面白いことに父ブラックタイドの母父サクラバクシンオーというキタサンブラック型。フローラSの勝ち方で脚のキレは上がり3位でそこまでではない、という所が末脚勝負になりにくいオークスでどうだろう、と見る向きもあったのですが……。

他で言うと、タガノアビーがフローラSからの連闘からの中2週という昭和か!というようなブラックローテで、まずこのローテだと推せないよね、という中で細江さんがローテに言及しながらも馬が全然元気、と言ってたのはちょっと参りましたね。いやー、見る人が見たらわかるもんなんだなあ。
フローラSでは、前が塞がってルートなかったのが響いて5着でしたが、脚自体は目立ってたタイセイプランセスに負けないものを見せていて、翌週の矢車賞では少頭数ながら最後方から直線だけで大外ぶち抜きました。とにかく終いの脚に関してはよほどの自信があった、と見るべきでしょう。強行ローテでここに挑んできたのは、オークスの傾向見てこの馬なら相応の勝ち負けが出来る、と踏んだからだったのでしょうか。

また、血統的にこのレースがバチバチに合っていたのがパラディレーヌ。鞍上に今絶好調すぎてリーディング3位にまでなっちゃってる丹内騎手を迎えて、新興勢力としては一番の注目馬となってました。
カムニャックはアルテミスにエルフィンと、2歳時から最前線に登場してアルテミスでは1番人気なってたくらいですから、新興かというとちょっと違うタイプだと思うんですが、パラディレーヌはフラワーカップのみで、この世代の強豪たちとはまだ一緒に走ってないという意味でも正しく新興勢力だったと思います。実際、一緒に走ってみるとけっこう明確にレベルが違うか、これ以降最前線でバチバチやるタイプかというのが明示されるんですけれど、この子は間違いなく後者でしたね。多分、長く重賞戦線でやるタイプじゃなかろうか。秋は要注目ですよ。

意外と、というかびっくりするほど前評判で名前が聞かなかったのが、桜花賞では1番人気だったエリカエクスプレス。5番人気でしたけれど、自分が見て回る範囲ではほぼこの馬をあげている所見当たらなかったです。
オークスでは苦しいだろう逃げタイプに、距離が伸びるとちょっと苦しい、さらに大外、トドメに良になったとはいえ含水まだ多めだろう馬場。まあちょっと難しいだろうな、ってところではありました。

阪神ジュベナイルフィリーズでは1番人気だったブラウンラチェットも、そこで大敗したあと3歳になったあとは一気に人気急落。ただ今回は鞍上にレーンを迎えて、キズナ産駒の東京レースということもあってかもうワンチャンス、と6番人気にまでなってましたが、過去の残光であって一番中途半端な立ち位置でしたね。


レースは大外のエリカエクスプレスがすっと先頭につけて、隊列は眺めながらも早々に安定。1000メートルでちょうど1分でしたからおおよそミドルペース。ただスムーズにエリカが先頭につけたように見えて、スタートからが相当早く、そこからガツンとペースが落ちている。1000以降は12秒台後半連発しててかなり緩んでるんですよね。実際800メートル前後から直線入るまでが相当ゆるい。
これだけ見ると、逃げ先行の脚が溜まってたんじゃないか、と思ってしまうんだけれど、前に居た馬は軒並み壊滅していて、アルマヴェローチェを除けば中団〜後方に位置していた馬が上位に並んでいるのを見ると、相当に前が苦しかったことが見て取れる。
レーゼドラマ(16着)やエリカエクスプレス(10着)はもとより、1番人気のエンブロイダリーも9着になってしまった。
まあエンブロイダリーに関してはただでさえ距離厳しかった上に折り合いがあわず道中ルメールが苦心しているのが見られた上に先行が消耗する展開だった、という時点でちょっと無理だったんだろう。がくんとラップが落ちた際にこの馬には我慢ができんかったんでしょうなあ。
この時期でも2400は流石に辛かったのか。
アルマヴェローチェも、馬なりで行かせて最内の5,6番手に落ち着かせたけれど、本当ならもう2列くらい後ろが最適解だったんだろう。とはいえ、スタート時点でそんなんなかなか判断しにくいですからね。あんまり馬抑えすぎて機嫌損ねてもあれだったでしょうし。ただ前目に位置取りした分が最後響いた気もする。
リンクスティップは道中かなり理想的な位置をとってたと思うんだけれど……なんか、3コーナーあたりからじわじわと位置あげてるんですよね。確かにペースは遅かったんであの位置のまま直線入ると届かない、と判断したんだろうか。確かに、切れ味勝負となってしまうと厳しい所があるだけにジワリとあげたい気持ちはわかるんだが、この場合それは悪手になってしまったんじゃなかろうか、ミルコさん。
直線まで無理せず後方で脚をためていたカムニャックに直線で並ばれたとき、殆ど食い下がれないまま抜かれてしまいましたからね。まあ直線まで動かなかったとして、カムニャックと同じ脚色が出たかというとあんまり想像できないのですが。

勝ったのはカムニャック。眼を見張るような追い込み、ではなかったと思うんですけれど、なんていうのかな、ギアチェンジが素晴らしくスムーズに見えた脚色でした。一瞬の切れ味というよりも、淀みなくギアの段階をあげていける走り、とでも言うんでしょうか。こういう走り方する馬って、安定的にきっちりゴールまで勝ち負けまで持ってくる印象があるので、ここだけという感じはしませんし、今回弾けた以上にもう一回二回さらに化けそうな雰囲気あります。ブラックタイドのもう一頭の大物現る、になったら嬉しいんだけれど。
シュタルケはわりと昔から短期免許で来日してたけれど、これが初のG1。これまでの年は乗っててもちょっと勝てる気しなかったんですけれど、今年は卒なく勝ちまで持ってくる感じがありますねー。って、カムニャックでしか勝ってないような気もしますけど。驚いたのはシュタルケさん、もう51なの!? もうひと回り若いと思ってた。

2着にはアルマヴェローチェ。地力はこれ文句なしに同世代トップでしょう。今回色々と恵まれてなくて向いてないことになりましたけれど、それでも2着アタマ差に地力で持ってきたようなもんじゃないでしょうか。秋もまー本命は間違いないだろうなあ。クラシック連続2着はさすがに悔しいでしょうし。

3着にはタガノアビー。先も紹介したように凄まじいブラックローテで挑んできただけあって、最後方から直線一気、という完全に自分の得意だけで勝負に打って出てきた感がありましたね。それを出し切れば勝ち負けできる、という確信があったんでしょう。
折からの雨もあり、多くの馬が内側を避けたこともあって、最後方にも関わらずぽっかり空いた内側を突っ込んできました。皆が避けてただけあってそれなりに荒れてたとは思うのですけれど、諸共せずの上がり最速。追い込みでしか勝負できない安定しない走りですけれど、その強みを発揮できたならG1でも勝負できる、というなかなか極まった馬でした。追い込み一辺倒でしょうから、まあ今後も安定はしないでしょうけれど、向いてる展開のレースならちょっと無視はできなくなりますね。

4着にはパラディレーヌ。道中、一番強いだろうアルマの真後ろにつけてじっくり追尾。位置取りとしてはかなり良い所だったんじゃないですかね。ただ、その肝心のアルマを追いかけるばかりでついぞ追いつけなかった。並びも出来なかった、というのはアルマとの現状の差になるんでしょうか。あれ、直線アルマを追いかけて外に、じゃなくて内に舵を切っていたらどうだったんだろう。最後、むしろ馬場の荒れ方からして伸びなかったか? アビーが内から来たのを見ると、どうかなあ。
ともあれ、一度こうして大きい所を強い馬と走って、アビーと写真判定の4着にまで入ったのですからでっかい経験が出来たというもの。秋以降が楽しみです。
5着にはリンクスティップ。最後まで脚は止まらずじわじわと伸びているのですが、やっぱり途中が中途半端だった気がします。

秋はこのままだと、アルマとカムニャックの対決色が濃くなりますかね。エンブロイダリーが秋華賞どうするか。まだ距離がねえ、2000なら大丈夫だよ、と思えるかどうか。リンクスティップはとりあえず重賞一つ勝たないともう一回肩を並べるには至らないと思います。パラディレーヌもステップどこか取らないとねえ。
今回のカムニャックみたいに夏を経て別の馬みたいに大きく成長する子が出てくるかどうか。そこも楽しみどころでありますねえ。




第20回ヴィクトリアマイル G1 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)牝(指定) 定量 東京競馬場1,600メートル(芝・左)

現役の牝馬でマイル走れる馬はあらかた出揃った感のあるレース。ドバイに行ったブレイディヴェーグくらいか。でもあの馬、マイルよりも中距離なんじゃないの、という適正距離の話があるんだけれど……。
いや、これが適正距離1200〜1400だとちょっと1600は厳しいかも、という所もあるんだけれど、1600〜2000だとむしろ馬場適正。得意競馬場が物を言うんじゃなかろうか、と今回なんぞは思った次第。
ブレイディヴェーグも東京無双なわけで、次回安田記念出るなら無視はできないぞっと。

さて、今回の目玉はやはりクラシック時代からのライバルであるステレンボッシュとアスコリピチェーノの3度目の対決。2歳の頃から強豪と謳われてずっと強さを比べられてきた、という意味ではクイーンズウォークとボンドガールもそうでしょう。
この4頭が上位人気を占めた、というのは名実ともにこの世代が主役になった、ということなんでしょうね。
その中でも抜きん出た1番人気となったのが、アスコリピチェーノ。どちらかというと中距離のほうが得意なんじゃない?というステレンボッシュとクイーンズウォークと違って(両方とも桜花賞やクイーンCなどマイルで大きなレース勝ってますけど)、アスコリピチェーノは完全にマイル専門。
阪神ジュベナイルフィリーズで勝ち、桜花賞で2着。NHKマイルカップではジャンタルマンタルの2着。あまり強いメンバーいなかったとはいえ、3歳秋初戦で古馬相手に斤量55.5背負って蹴散らした京成杯オータムハンデキャップ。そして、海外に出てサウジで1351TSというG2に勝ち、と順調に短距離路線で実績を重ねてきた馬です。
今回は海外帰りということになりますけれど、ドバイ組と違ってサウジ組はそれなりに期間も空きましたしね。概ね順調、といった調教過程だったこともあり、人気筆頭。2.5倍を集めました。
2番人気のボンドガールが6.2倍でしたから、ダントツと言っていいかもしれません。

そのボンドガール。実績で遥かに上回るステレンボッシュ。オークス2着、秋華賞3着、香港ヴァーズ3着でしたからね。この世代でも牡馬相手に殴り会える女傑と見られていました。ただ、3番人気で出走した大阪杯でまさかの13着大敗。明確な敗因がわからないこの大敗が響いて、また桜花賞勝っているとはいえ適距離は中距離よりなんじゃ、という印象もあったんでしょう。東京の牝馬戦超得意な戸崎鞍上ながらも3番人気になってました。
そんなステレンボッシュを上回る評価を獲得したのがボンドガール。2歳の頃から超良血とされ、クラシック候補にあげられたものの、マイル路線に舵を切り、勝ちきれないものの2着3着連発。秋華賞挑戦で2着となって同世代でも評判通りの実力上位である事を示し、古馬相手の東京新聞杯でも2着。
マイルを主戦場としたいボンドガールとしては、まさにここが本命の大目標だったんでしょうね。仕上げもガンガンにキメあげて、ここを狙って勝負かけてきました、という雰囲気ビンビンだったこともあり、2番手評価にあげられたのでしょう。未だ1勝馬というのが不思議なくらいの馬ですし。
4番人気のクイーンズウォークは、これも評価が難しい馬で一時期はめっちゃ強いとトップクラスに並べられる勢いでした。桜花賞では3番人気。秋華賞でも前哨戦のローズSを勝っての挑戦で3番人気でしたからね。ところが、オークスでは4着に入ったものの、桜花秋華賞では大コケの大敗。今年の始動となったローカルでの小倉牝馬では1番人気になったにも関わらず、ローカルなメンバー相手に6着と散華。あれ?もう勝ち負けできなくなったの? と思いきや、前走金鯱賞では古豪相手に3つ目の重賞をもぎ取り、なんかもうわっかんねーなー?という馬になったわけです。
ただ今回は、マイル。桜花賞以来で、マイルはスピード負けするんじゃないか、という懸念があり、さらに鞍上の川田騎手はヴィクトリアマイルで全く成績を残せていない。
一方で、クイーンズウォーク自体は東京左回り大好きでもあり、好データと不安データが入り混じった子でもあったわけで、それ故の4番人気って所ですな。
結果として見るならば、8枠16番が幸いした、という事なのかも知れません。

他で言うとそれまでも掲示板外さない堅実さを見せていたのですが、去年秋から一気に見違えて台頭してきたアルジーヌ。春の阪神牝馬ステークスの2着は、勝ったサフィラとハナ差。あの猛追は東京競馬場なら尚更に、という評価もあるのでしょう。鞍上の名手レーンを迎えて、5番人気。
遅い3歳未勝利戦勝ち抜けから一気に連勝連勝で勝ち上がってきて、初挑戦した重賞福島牝馬Sで重賞ウィナーになったアドマイヤマツリが6番人気。
重賞紫苑Sで、面白馬名で話題となった所で人気薄で3着に入って一気に知名度が広がったシランケド。一発屋どころか、そこから1着2着連発して再び挑んだ重賞レース、中山牝馬Sで重賞ウィナーの仲間入り。こちらも距離が短くなるけど大丈夫?という所が不安視されての7番人気だったみたいだけれど、勢いや充実度は参戦メンバーでもトップクラスという評価が戦前でも散見されました。


さて、レースは1番人気のアスコリピチェーノがあんまり良いスタートとならず、そのまま最後方からの競馬に。ルメールとしても、そんな後ろにはいくつもりなかったんでしょうけれど、こうなっては仕方ありません。覚悟決めての直線勝負狙いとなりました。……いや、道中けっこうルメール忙しく追ってたから、そこまで最後まで我慢して、のつもりはなかったのかもしれません。
本来逃げるだろうなー、と思われていた1番のクリスマスパレードが出遅れて中団に閉じ込められ、代わりに先頭に出て引っ張ったのが大外18番のアリスヴェリテ池添。
引っ張るというよりも、馬の気持ちに任せて行かせることで後続を話しての大逃げとなりました。
レースのラップタイムは前傾のハイペースなんですけれど、全体的には2番手のアドマイヤマツリが牽引する形のミドルペースだったのかもしれません。前に行った馬が結構残っているので。
後ろから突っつかれずに楽に逃げたアリスヴェリテは、そのまましぶとく逃げ粘って5着。結構なペースで逃げたのに、プレッシャーかけられなかったとはいえあそこまで粘れたのは池添さんの好騎乗でしょう。
2番手のアドマイヤマツリも直線手応え十分でワンチャンあるかと思ったのですが、流石直線の長い東京です。残り200でトップギアに入った追い込み馬たちを振り切れるほどではありませんでした。6着。3番手あたりにつけていたシンリョクカも結構粘って7着まで残っているので、このあたりは上手いこと乗れたスピードで最後まで走りきれた感じです。
逆に同じところらへんに居て息切れしてしまったサフィラやソーダズリングは、ソーダズリングは距離でしょうね。サフィラはなんだろう。この子も充実期来たんじゃないか、と思ってたんだが、また体重マイナス10キロで大幅に減ってたのが影響したのか?
好位に待機していたアルジーヌは、いい脚で前を捉えられる位置につけてたんだけれど、外の良い馬場を突き抜けてくる追い込み馬には、ちょっと切れ味が届かなかった。並んできたクイーンズウォークとバチバチやりあって最後まで突き抜けさせなかったあたり、根性見せましたけどね。4着。
道中後方になったのはどこまで意図的だったのかわかりませんけれど、クイーンズウォーク。大外枠になった段階でこの展開は想定していたのかもしれません。ライン取りといい仕掛けどころといい、まあ文句なしでしたよ。200メートルのハロン棒を過ぎる前あたりで他の馬とものが違う脚にギアチェンジしていたのを見たときは完全にクイーンズウォーク勝った、と思いましたね。
この時点で、アスコリピチェーノはまだ2、3馬身後方。クイーンズウォークがギアチェンジしたとき、まだフルスロットルいれる態勢整っていなかった。2,3テンポは遅かったんじゃないかな。200のハロン棒あたりで鞭が入り、明らかにスピード変わったんだけれど、それでもちょいとタイミングとしては遅すぎるように見えた。見えたんですよ。
残り50メートルもないあたりから、グイッ、グイッ、グイッ、と横並びで激闘を繰り広げているアルジーヌとクイーンズウォークとの距離が目に見えて縮まり、そのままゴール際で躱してしまう、という鬼脚を見せ、クビ差の勝利。
いやあ、正直競馬としては決していいレース運びしてたわけじゃないんだけれど、文字通り実力でねじ伏せた、と言わんばかりの勝ち方でした。
そして、外側でバチバチやり合ってるその内っかわでは、前がギューッと凝縮して道がなくなり溜めに溜まっていた脚を爆発させて、飛び込んできたシランケドが3着に食らいついてきて、こっちも進路取り相当苦労したにも関わらず、上がりはアスコリピチェーノを上回る一位のキレを見せて、強さを証明してくれました。ミルコ、スムーズに行けばと悔しかっただろうなあ。まあ外には持っていけなかっただろうし、あれだけ隙間なく横に並ばれたら行き場ないですし、仕方ないっちゃ仕方ない。
アリスヴェリテのギリギリまで残して、ゴール前で多頭数がギューッと固まって僅かの差でゴールする手に汗握る白熱のレースでありました。
見ごたえあるレースでしたねえ。やっぱり、ゴール前で伯仲すると、燃えますよ。

で、ここで名前があがらなかった人気馬は、というと。
ステレンボッシュは、直線までは手応え十分みたいだったのですけれど、そこから伸びずに見せ場なく8着。マイルのスピードで最後そこまでキレを出せなかったのか。いずれにしても、大阪杯に続いて見せ場なし、というのは今後ちょっと大丈夫か?と心配になるところ。賞味が切れた?

んで、ボンドガール。まさかの、レース前からの大暴れ。返し馬でがおーー。ちょっ、ほんとどうした。そこまで気性難だったっけ? 仕上げすぎたんじゃ、という声も聞こえましたけれど、レース入っても落ち着くどころか全然武さんの言う事を聞かず、最後は伸びない内側に潜り込み、結局16着とブービー。実力を発揮する以前の、全然勝負出来てないレースになってしまいました。ここが勝負どころ、ここが目標、というレースだっただけに、勝ち負け云々以前の問題になってしまったのはキツイなあ。安田記念、行く? 仕切り直し出来る?


ルメールは意外だけれど、今回が今年のG1初勝利。今年はほんとあんまり良くなかっただけに、とにかく1つ勝てたのは良かった。ただ決して良いレース運びじゃなかったですし、陣営としてはもっと余裕を持って勝ちたかった所だったんじゃないだろうか。アスコリピチェーノ次走どうするんでしょうね。安田記念のローテはこの激走のあとだと結構キツイぞ。

クイーンズウォークは、とにかく府中は強いってことでアンサー。正確には左回りなのかもしらんけど、東京ならマイルも何も大丈夫ってことですね。でも、やっぱりマイルよりもうちょっと長いほうが良さそうだよなあ。

シランケドは次、どこ行くかわからないけれど相当楽しみですよ。今がまさに覚醒期来てるんじゃないですか?






第30回NHKマイルカップ G1 レース回顧   

3歳 オープン (国際)牡・牝(指定) 馬齢 東京競馬場1,600メートル(芝・左)


12.3 - 10.4 - 10.7 - 11.2 - 11.8 - 11.9 - 11.6 - 11.8

これだけ前傾超ハイペースになったら、そりゃ前潰れるわー。

1番人気は朝日杯フューチュリティステークスを勝ったアドマイヤズームでした。前走ニュージーランドトロフィーでは2着ながらも強さを示し、マイル路線はこの馬が引っ張っていくんだろうなあ、という貫禄すらありました。
朝日杯で、のちの皐月賞馬であるミュージアムマイルを破っているというのも大きかったですし、先行前目につけながら最後までトップスピードで押し切れる快速っぷりは、今回のNHKマイルカップでもレース傾向からして大きな強みでしたからね。鞍上が川田騎手というのも、この前目につけて押し切る形ではまず間違いを犯さない得意戦法でしたし。
穴があるとすれば、モーリス産駒であったということ。NHKマイルカップではなんでかさっぱり結果残してないんですよね。とはいえ、参戦数がそれほど多いわけでもなく、試行回数からすると強い馬が出てきたらあっさりと覆されそうなデータでもあり、アドマイヤズームはそのあたり大丈夫そうにも思えたのですが。

……まさかの超ハイペースという展開。
事前の予想では逃げ馬らしい逃げ馬が不在のために、こりゃスローペースになるだろうね、と言われてたんですよ。
ところが、いざスタートしてみると人気薄の馬たちが一発狙って爆走。いささか掛かり気味だったズームもイケイケドンドンで行ってしまい、前半600で33.4というそこでもう末脚使っちゃってません、というペースに。スプリント戦かいな。半分の800でも44.6である。レース見てて実況が33.4と数字を読み上げてくれたときには、おいおいおいおい、となりましたよ。
これは乗ってた騎手たちも想定外だったでしょうね。
一番この展開で運がなかったのはランスオブカオスと吉村誠之助騎手だったようにも思います。このペースでさえなければ、ベストの位置につけてましたもんね。
武豊騎手が残している最年少G1勝利騎手の記録を超えるチャンスだった吉村騎手ですけれど、この子マジで上手いですね。
ランスオブカオスも、完全に向かない展開になってしまったのに、先行勢で唯一粘り込んで掲示板に残りました。ズームが14着。2番人気のルメール騎乗のイミグラントソング。NZTの勝ち馬ですね。この子が11着、と人気どころでも二桁着順に壊乱したレースでこれだけ残れた、というのはこの馬の基礎部分の強さを感じます。朝日杯やきさらぎ賞の頃はいつか重賞勝てたらいいね、というくらいの存在感だったのに、チャーチルダウンズカップで2番人気になりレースで勝ったあたりで、G1で勝ち負けの戦いが出来る馬にまで階梯上がったという感じがありましたけれど、この5着でその感覚を確実なものにした感があります。負けて強しのレースでした。

んで、勝ったのが9番人気のパンジャタワー。またも荒れたぜNHKマイル。
松山騎手は21年チャンピオンズカップのテーオーケインズ以来のG1制覇。芝G1だとデアリングタクト以来となってしまうんですね。随分掛かりました。
にしても、タワーオブロンドン産駒ですよ。初年度からG1馬が出るとは思ってなかったけれど、それがまさかのマイルですもんね。他の勝ってる子、1400までですよ。タワーオブロンドンもスプリンターでしたしねえ。今回は展開が超ハイペースからの差し追い込み勢向きの展開だったからこそ、とも言えるだけに、今回だけの走りなのか、それともマイルまで行けるのかどっちなんでしょう。今後のレースっぷりを見て考えたいところですけれど、NHKマイルを勝った馬ってその後ピリッとしない事が多いですからねえ。なんとなく、一昨年のシャンパンカラーを彷彿とさせる所あるんだよなあ。
とはいえ、大外ぶん回して最後まで伸びて脚止まらず、内から来ていたマジックサンズを抑えきったのですから、1600でも十分走り切れると思いたいし、ここだけの馬とは思いたくはないですよねえ。前走のファルコンSでは負けたけれど人気1番だったんですから。

2着はマジックサンズ。すげえ出遅れかたしたコートアリシアン(この子も、最後の直線最内からバビューンと物凄い脚で伸びてきてかなりビビったんだけれど、さすがにあの凄まじい出遅れから脚使って巻き返してきた分、力尽きちゃいましたね。ただあの一瞬の切れ味は次走以降期待したくなる)を除けば道中ブービー。皐月賞でも一番うしろの方から差し脚だけで6着まで飛び込んできたように、こやつ生粋の追い込み馬か。思いっきり展開に左右されてしまうタイプだけれど、ハマると今回のようにキレキレの脚を見せるタイプ。ここで一つ仕留めておきたかった所だよなあ。
3着には12番人気のチェルビアットが、新顔の外国人ディー騎手に導かれて、馬群の真ん中突き抜けてきやがった。さすがにこれはノーマークも良い所で、桜花賞からのローテも苦しかっただろうに、展開が向いたとはいえこの脚は素晴らしかった。ディー騎手、全然知らん人でどんなタイプのジョッキーなのかもわからんのだけれど、これを見せつけられるとちょっと侮れないぞ。
チェルビアットって、まさかのショウナンパンドラの年の離れた妹になるのか。お母ちゃんのキューティゴールド、ほぼ毎年のように産駒を送り込んでいて、大したお母ちゃんですわ。
成績を見ても、フィールズレビューで2着。桜花賞で6着と悪くないんですよね。二桁人気台でこの成績はちょっと過小評価されてるのかもしれません。

まあ今回は展開があまりにも予想外過ぎて、参考外と言いたくなる馬も多かったです。1〜3着に入った馬はまさに展開がハマった、という所ですしね。だからこそ、次走以降ガッチリ好走して強いから走ったんだよ!と主張してほしいですよね。フロックじゃない所をぜひ見せて欲しい。期待したいです。
でも楽しみというのなら、ランスオブカオスかなあ。吉村くんとのコンビでの活躍、期待しちゃいますよ。



第171回天皇賞(春) G1 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 京都競馬場3,200メートル(芝・右 外)

今年は4歳新勢力と、古参古強者組という戦いでしたね。

鉄板路線の阪神大賞典を圧勝したサンライズアース。2番人気。
ダイヤモンドSを圧勝した菊花賞2着のヘデントール。1番人気。
2歳から最前線で走り続けるショウナンラプンタ。4番人気。
サウジでついに真価を発揮したビザンチンドリーム。6番人気。
青森の星 ハヤテノフクノスケ。7番人気。

これら4歳勢に対して、

前々年度のこのレースの覇者ジャスティンパレス。3番人気。
復活の兆し見せるグランプリホース ブローザホーン。5番人気。
日経賞で初重賞制覇。ユーバーレーベン、マイネルファンロンの弟マイネルエンペラー。8番人気。
良馬場の長距離なら無類の強さを誇るシュヴァリエローズ。9番人気。

主にこの面々の戦いになる予定、予定というとあれだな。まあメインと見られていたのはこのへんです。実際人気薄が紛れることは今回はありませんでした。
G2大将で善戦マンのプラダリア(10番人気)も、流石に中距離が主戦場で3200は長すぎますし、そろそろピークが過ぎてきている所もありましたしね。
去年の長距離戦線では人気だったワープスピードも、去年の暮れの豪州で好走して戻ってきて以降、どうも調子が戻ってきておらず、11番人気。両方とも結果として、プラが10着。ワープが9着という結果でした。

戦前の雰囲気では阪神大賞典を完勝したサンライズアースの方が1番人気かと思ったのですが、ヘデントールの方が1番人気でしたね。条件データ的にはアースの方が鉄板に近いものがあったのですけれど、調教の様子がヘデントールの方がかなり良かったみたいなんですよね。菊花賞2着という実績にスタミナ一辺倒じゃないルーラーシップに母父ステイゴールドという血統の魅力。んで鞍上のレーン騎手。前走ダイヤモンドSの勝ち方と、人気になる要素は確かに満載だったのですけれど、これらの魅力ってひっくり返すと菊花賞勝ち馬以外はあまり結果を残してない。血統データ的にも春天向いているとは言い難い。乗り替わりの初乗りで、超上手いしハマるとすごいけどルメールやモレイラほど完璧万能じゃないレーン騎手。前走ダイヤモンドS組の過去成績の悪さ、と大丈夫か?という要素はいっぱいあったわけです。G1も菊花賞以来でしたしね。
それでも1番人気だったもんなあ。

そして、まあこれはもうほぼ完璧なレースでしたね。ヘデントール、横綱相撲でした。
レースは前半スローの中盤からペース上がって流れて全体に消耗戦を強いながらの、前崩れで後方有利の展開。
逃げるかどうか、と判断が問われていたサンライズアースは行かず、ジャンカズマとマイネルエンペラーが引っ張りました。
ヘデントールは上手いことうちに入って、脚を貯められましたね。4角までじっと動かず、好位置を維持して直線まで待機。もちろん、前が詰まらないようにしながら。この辺流石のレーン騎手でありました。
一方、人気のサンライズアースは、なんか早々に鞍上の池添さんがめっちゃ手綱しごいてて促してるんですよ。あれ? そんな早く仕掛けるの!? と面食らってたら馬の方は全然前に進んでいっている様子もなくて、どうしたんだ?とは思っていたのですが、どうやら途中でハミが抜けてしまっていたらしいですね。ギアが入らなくなってしまったようなものなんでしょう、ハミが外れるって。だいぶ頑張って手綱で押していたみたいですけれど、鞍上からの精密な制御が届かなくなっていた時点で勝負は厳しかったと思います。それでも結果は4着だったのですから、消化不良では在りましたが実力は示したんじゃないでしょうか。
ハミの件がなかったとして、1,2着の馬の猛追を前に粘れたかというとどうだろう、わからんなあ。実力の底がまだ見えないので、次走どんな走りをするか楽しみではあります。

今回は仕掛けどころが非常に難しいレースでもあったと思います。前に居すぎると持たなくて、かといって後方に居すぎても届かない。どのタイミングで仕掛けるか。馬の実力や適性も鑑み、前後内外もうまく先を見越しつつ位置取って、と長距離レースならではの考えながら全体を見ながらのレースプランニングが問われたレースだったんじゃないでしょうか。
それを完璧にやってのけたのが、レーン騎手で。対して、いやそこでの仕掛けは違うくない? と思ってしまったのが、ジャスティンパレスでありました。
なんで三角の上り坂でまくっていくの!? その子、ステゴ産駒じゃなくてディープ産駒よ!? ジャスティンパレスの脚を考えても、ちょっと仕掛けが早かった気がします。結局、向正面終わりに先頭にたったマイネルエンペラーを躱せず6着。
マイネルエンペラーは頑張りましたね。今絶好調の丹内騎手に初G1をプレゼント出来るか、とちょびっと期待はしてたのですが、さすがに厳しかったか。でも、先行に苦しい展開で最後まで脚を鈍らせずに掲示板まで粘ったのは偉いです。前走の中山2500の日経賞がベストの適正距離競馬場だったのかな。さすがに3000超えると苦しそうですし、中距離はスピードが足らなさそうだし。有馬記念?いやいや、それはさすがに……。いや、やっぱり中距離の方がいいかな。もう一度、2000から2400の重賞レースでどう走るのか見てみたいですね。

溜める競馬で一番の末脚を見せたのが、未完の大器ビザンチンドリーム。この馬も2歳の頃は世代トップを争う一団にいたんですよね。きさらぎ賞の勝ち方は衝撃的で、クラシックでもその印象に引っ張られた人はけっこう居たかと思います。しかし皐月賞・ダービーでは後ろから数えた方がいい大敗北。これはスタートだけ良かった早熟かな、と思われたところで菊花賞でぽんと5着に入ったことで、あれ?この子長距離の方が行ける? となったわけです。どうしても後方から一気という戦法しかいけない子だったのですが、それでも古馬初戦のAJCCでは歴戦の馬たち相手に6着とまあまあの結果を残して、これからも重賞戦線でそこそこやっていけそう。と、思っていたら、まさかのサウジ参戦。しかも3000の長距離レースレッドシーターフH(G2)。いやあ、面白いところ行ったなあ、ちょっとでも賞金稼いできてくれたらいいのにね、と思っていたら、まさかの勝利。きさらぎ賞以来の勝ち星。
バチン、となにかハマった感すらある強い勝ち方でした。
海外帰りということで、疲労なんかはどうだろうと心配するところではあったんですが、これはガチで覚醒した感があります。
ただ、中距離で同じようなレースが出来るかどうか。なんかガッツリとステイヤーって感じの実績になってきましたし。さらに、後方で貯めて貯めての直線一気という脚質。まあこれ、まずスローになる長距離なら程よくハマるんでしょうけれど、中距離で上がり時計の速さが上がるとさてどうなるか。内回りの宝塚記念はちょっと届くイメージ湧かないですねえ。得意は京都かしら。結果残しているのみんな京都競馬場ですし。東京はどうだろう。ダービーは全然だったけれど。

3着には武騎手のショウナンラプンタ。ちょっと武騎手としては消化不良のレースになったかしら。いやあ仕掛けどころはあそこがベストだっただろう。4角から直線に入るところの手応えは抜群でしたし。
惜しむらくは最初から最後まで外々外を回らされたところか。その分ですかねえ。4角で先にまくったジャスティンパレスのさらに外を回らされていたあたりがほんとに厳しい。

ブローザホーンは、8着かー。随分と復調はしていたと思うので、それで8着は厳しいですねえ。去年は京都で暴れまわった馬なのですけれど。重馬場ならもう一度目があるかな、という塩梅になってきたかもしれません。

期待のハヤテフクノスケは、残念ながら見どころなしの11着。前半はともかく、ペースが上がった後半はついていけなかったですね。2勝3勝クラスの長距離戦を圧勝してこの舞台に立った子でしたけれど、重賞レース、いやG1レースの壁に跳ね返された感ありです。調子はもう最高潮に仕上げていたと思うので、実力が届かなかった、という所でしょう。まだ4歳ですから、こっからG3G2で立て直してもっかい挑戦してきて欲しい。とりあえず、青森産馬として、ウインバリアシオン産駒としてまずひとつ重賞取って仕切り直し頑張ろう。

というわけで、終わってみれば1着から4着までを4歳世代が独占するという、世代交代を明示するようなレースとなりました。少なくとも、ステイヤー戦線はこれからは4歳世代が主役を務めそうです。
中距離もダノンデサイル、レガレイラ。さらに菊花賞馬のアーバンシックもいますし。
香港で復活したタスティエーラと、大阪杯連覇のベラジオオペラがいる5歳世代と、これから激突となっていくんでしょうかね。ヘデントール、長距離一辺倒じゃない感じするんだよなあ。中距離どう走るか、かなり楽しみです。









第69回大阪杯 G1 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 阪神競馬場2,000メートル(芝・右)

今年は混迷の大阪杯でした。なにしろ、1番人気がG2を連勝してきているとはいえ、G1の出走自体がダービーの7着だけ、というシックスペンスで。しかも4.8倍という1番人気では相当に高い倍率。
ちなみに一桁台の単勝倍率だったのが、
2番人気 ベラジオオペラ 5.1倍
3番人気 ステレンボッシュ 5.2倍
4番人気 ロードデルレイ 6.5倍
5番人気 ホウオウビスケッツ 9.1倍 
と5頭が一桁台。直前まで6番人気のジャスティンパレスも9倍台。
9番人気のコスモキュランダでようやく20.1倍でしたから、相当に人気は割れていたと思います。
それほどに本命不在のレースでした。
ドバイワールドカップで、ダノンデサイルやリバティアイランド、シンエンペラーといった面々が海外に飛び立っていたこともありましたし、タスティエーラ、レガレイラ、アーバンシック、ローシャムアパークといった面々も休養や春天など違う路線に行ってることもありましたしね。
去年、このレースを勝ったベラジオオペラですけれど、大負けはしてないものの掲示板に乗るか乗らないかといったところ。いや、有馬記念の距離もろともしない激走は4着でも立派で、正直もっと人気になっても良かったと思ってる。
横山和生騎手のこれはお手本のような乗り方でしたね。それもあって、1馬身差という着差以上の完勝だったと思います。
それも、コースレコードを1秒近く塗り替えるレコード勝ち。
これは、出遅れたのにイカレた猛ダッシュで逃げまくったデシエルトの大逃げの影響も多分にあったんでしょうけれど。1000メートル57秒って、出遅れたのになによ!?
ホウオウビスケッツがうまいこと2番手で後続を落ち着けていたものの、前半のラップタイムはかなりわけわからんことになってました。こうなると、前に位置取った馬は苦しいのですけれど、ここでしっかり残れるのが強い馬なんでしょうね。
ホウオウビスケッツのあと、3番手で走ったシックスペンスは、さすがにこのペースきつすぎました。鞍上がこの馬を手の内に入れていたルメール(ドバイ行き)に代わって横山武騎手に代わっていたのも微妙に作用したのかもしれません。ヘタな騎乗してたわけじゃないんですけれど、この厳しい展開を乗り切れるにはコンビとしての成熟度が足りてなかったのかなあ。7着でした。
むしろ、5着掲示板に残ってるホウオウビスケッツが凄いんじゃないの? 確実に確かに強い、あとは展開が向いたらって所なんですよねえ。G2くらいなら余裕で勝てるポテンシャルが今の彼にはあると思うし、G1でもワンチャン……とはいえ、中距離戦線となると宝塚と秋天となるわけですが、さて……。
ともあれ、ベラジオオペラ。先行と言って良い4番手につけながら外のシックスペンスが4コーナーで手綱しごいているのに対して、じっくり溜め込んでいる様子で手綱を持ったまま手応え十分で直線までスムーズに進め、シックスペンスに並んだ瞬間にGOサインを出し、その途端に一気に爆速加速していったのは、貫禄すら感じさせるレースっぷりでしたね。
2着はロードデルレイ。後方からの大外ぶん回しての直線だけでぶっこ抜きでしてよ。クラシックとは縁がなく、古馬となった年も2戦しか出来なかった馬なのですが、とにかく連を外さず這い上がってきて、前走日経新春杯で重賞初勝利。叩き上げですけれど、これは想像以上に強い馬かもしれません。後方からぶっ飛んでくるタイプなだけに勝ちきれない部分もあるんですけれど、逆に言うとそういう脚質でありながら今まで殆ど連を外していない、というのは相当ですよ。今回は特に前が潰れるレース展開で、この馬に向いたこともありましたけれど、G1となるとどうかな?と不安を感じる馬じゃなくて、G1でもしっかり戦えるタイプの子だと認識を改めるべきだと感じました。今後の飛躍、期待できそう。
3着には、ヨーホーレイク。7歳馬! 数々の否定データを覆していく反逆の追い込み馬である。シャフリヤールが去っても、21クラシック世代にはまだ自分が残っている、とばかりの3着入線。
いや、この子内側の後方、馬群の後ろにいたのに、残り100メートルでスイスイと馬群縫っていつの間にか3着まで食い込んできてるの、競馬うますぎないか? パトロールビデオ見ても、決して前が大きく空いてるわけじゃないんですよね。ジグザグに空いてるところ縫ってきてるの。スタートで出遅れてしまったロスもあったにも関わらず。
長期休養明けでずっと重賞好走するわ勝つわしてたヨーホーレイクですけれど、どうにもG1には出るタイミングがなかったみたいで、ダービー以来4年ぶりのG1出走となったわけですけれど、こうしてしっかり結果残してくるあたり、ほんとこの世代やべえですわ。
……同期のソウルラッシュくんも、今週世界のロマンチックウォリアーをついに芝で撃破してのドバイターフ勝利なんてのをカマしてくれましたからね。まだまだ元気な現役が他にもいるんだよなあ。

4着には エコロヴァルツ。10番人気を覆しての激走でした。なんか落鉄もしてたみたいなんですよね。それがなかったら馬券圏内も十分にあったかもしれません。それに、鞍上のミルコが、デムーロがほんと最近昔の辣腕に戻ってきてる感じなんですよね。今のミルコはやってくれる感があります。

5着がホウオウビスケッツで、6着にジャスティンパレス。明らかに距離短い上にウルトラハイペースというこの馬にとっては不得意満載だったのにここにつけているのは、強さの証でしょう。でも、イクイノックスの秋天で2着に入ってるように、速いペース自体は意外と悪くないのか? ともかく、どんなレースでもきっちり結果残してくれる馬です。本命はやはり春天でしょう、そこがこの馬にとっての適鞍。

で、人気だったのに大敗してしまったのがステレンボッシュ。来日以来無双しまくってるモレイラ、先週もうますぎるだろう、という騎乗でG1かっさらい、土曜日にもダービー卿勝ったマジックマンですからね。そりゃ人気にもなりますよ。
にも関わらず、13着の見せ場なしの大敗。桜花賞の勝ち以来1着はなかったものの、クラシックを2着3着。香港G1でも3着と好走し続けてきたにも関わらず、もうこのペースに全然ついていけず、という感じの大敗。レース前ではむしろペースは流れてくれれば、と速い展開を望んでいたようなんですが、この結果ですからねえ。桜花賞では栗東滞在した上で阪神に入ったみたいなんですが、今回は美浦から直行の長距離輸送だったのも何らかの影響があったんでしょうか。こんな大負けする馬ではないはずなのですが。

ベラジオオペラはこれで大阪杯2年連続連覇となりました。G2の頃を通じても、このレースを連覇した馬はいなかったんですね。そういう意味でも歴史に名を残しましたね。このまま、大阪杯だけじゃなくて他のG1にも名前を刻んで欲しい、大きな馬になって欲しいものです。
にしても、1着2着の馬のお父さんがロードカナロアかぁ。今年のG1、フェブラリーSも高松宮記念も全部ロードカナロア産駒が勝ってるんですよねえ。偉大すぎるだろ。





第55回高松宮記念 G1 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 中京競馬場1,200メートル(芝・左)

クレアぁぁぁ! 届かない、どうしてもG1まであと一歩届かない。浜中騎手からルメールに乗り代わっても、なお届かないのかぁ。
これで高松宮記念3年連続2着。もう6歳の牝馬ですよ。なのに一切衰えなく、絶対に後方からビュンビュンぶっ飛んでくるのに、それでもどうしても先頭でゴール出来ない。絶対に強いのに、これはもう運命なのか。

勝ったのはサトノレーヴ。強かったですねえ、去年の夏の重賞を連勝したときは風格すら感じたレーヴですけれど、ここでついに開花しました。やっぱモレイラ抜群に上手いわ。
これでもうハクサンムーンの弟、ではなくサトノレーヴの兄がハクサンムーンと言われるように……なるかなあ? キャラ立ちや人気ではハクサンムーン、図抜けたものがありますからねえ。ある意味、ナムラクレアに通じる負けるも強し、という印象が強く残ってる馬ですから。そして、あの入場の際のくるくるターン。あの個性的なお兄ちゃんをイメージで上回るには、もう一発大きい所をとらないと。
サトノの冠の馬としては、サトノクラウン以来という……サトノレイナスが無冠で引退したこともあって、長い事G1には縁がなかったんですねえ。サトノ再び、でありますよ。

ともあれ、このレース、人気でもクレアとレーヴが人気を二分する形でありました。そういう意味では固いレースでもあったのかな。
以降が難しいところでしたね。
3番人気はルガル。スプリンターズSを勝っているし重賞も好走しているので一発キャラではなく十分な実力を有しているはずなんですが……中京適性皆無というのはどうも間違いなさそう。高松宮記念ではダメなんだ。絶好の展開だったにも関わらず7着。
4番人気は前年の高松宮記念の覇者マッドクール。阪神カップ2着で復活ののろしをあげてましたから、そりゃ人気にもなりましょう。ただ1枠1番に先行苦しいレース展開では条件厳しすぎましたね。
このあたりの、クレアに勝ってG1馬になった馬たちが、条件などで成績を落すなかでクレアはずっと強い競馬し続けている、というのも負けてなおこの馬が強いんだ、という印象を残す所以なんでしょうけれど。

で、3着に入ったのがクレアと同じ6歳牝馬のママコチャ。ママコチャ3着来たの!? 凄いなあ。差し有利と言われる高松宮記念。それで先行型のママコチャが、さらに14番枠という外に配置され、もう牝馬の6歳という力も衰えてくるだろう時期に、これ中団でぐっとこらえて控える競馬から仕掛けてトウシンマカオをクビ差退けて3着入線してるんですね。川田騎手はこの枠番で出来得る会心の騎乗だったんじゃないでしょうか。
それを外から抜き去っていくレーヴとクレアである。
とはいえ、この3着も強い競馬でした。G1勝ったのもフロックじゃないですわ、この牝馬もずっと強いまま現役走りきりそう。
4着にトウシンマカオ。去年のスプリンターズでは2着まで食い込んで、あともう少しでG1馬に、というところまで来ていたのですけれど、その一歩がだいぶ遠そうな子だなあ。ってか、なんでずっと乗ってた菅原くんから乗り替わりになったんだろう。
5着にはエイシンフェンサー。この馬もいい形で競馬してましたね。ママコチャの内側で直線に入るときの手応えは素晴らしいものがあり、一瞬このまま行けるか?と思うくらい。この子も牝馬かー。シルクロードSを勝ったのも伊達じゃないですね。

あとは……トゥラヴェスーラが10歳で18頭中11着は立派。10歳ですよ。アーモンドアイ、ラッキーライラック、ワグネリアンなんかの世代ですよ。もう産駒が走ってる世代。
ちなみに本日の阪神障害レースで勝ったザスリーサーティも10歳でした。ステイゴールド産駒!!
一度勝てなくて地方に転籍したあと、再びJRAに戻ってきて障害を走るようになり、何度も2着するものの勝てずに走り続けて、ついに10歳にして中央初勝利。しかも馬名の意図である3時30分の男、とは違ったものの3月30日に勝利である。面白いねえ。よーーー頑張った!


第42回フェブラリーステークス G1 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 東京競馬場1,600メートル(ダート・左)


エバヤンことフォーエバーヤング、凄かったですね。あのロマンチックウォリアーとのマッチレース、日本の競馬史に残る名レースだったんじゃないでしょうか。あそこから、あのロマンチックウォリアーを抜き返すかー。

そんなフォーエバーヤングを筆頭に評価の高い現四歳ダート勢。このレースでも、レモンポップの僚友であり、ジャパンダートクラシックではエバヤンの2着になってるミッキーファイトが1番人気。
そして芝のクラシック戦線では負けてしまったものの、そこからダート戦線に舵を切って以降暴れまわっているサンライズジパングの両雄が、ジャパンダートクラシック以来の対決となりました。
この4歳勢に立ちはだかるのは、根岸ステークスで後続をぶっちぎり東京コース5戦5勝を誇るコスタノヴァ。
同じ東京1600の武蔵野ステークスで圧勝してみせたエンペラーワケア。
そして去年のこのレースの覇者であるペプチドナイル。
他にも芝ダートの両刀であるガイアフォース、ドゥラエレーデ。プロキオンステークスで見事にサンライズジパングに逃げ勝ったサンデーファンデーなど、レモンポップ引退後の、そしてフォーエバーヤングやウィルソンテソーロ、ウシュバテソーロにラムジェットといった面々が中東に乗り込んでいっている留守を守るという意味でも、メンバー出揃ったんじゃないでしょうか。

ただサウジに騎手勢が出張っているために、乗り替わりも多く出てたんですけどね。
コスタノヴァはルメールからキング姐さんに乗り替わり。しかも、根岸からは中2週という厳しい条件。でも根岸ステークス組はフェブラリーステークスでは走りまくっているので、この時期の中2週というのはそれほどしんどくはないのかもしれません。そしてキング騎手は、ここ最近の短期免許騎手の中ではめちゃくちゃ乗れまくってる人なんですよね。女性騎手とか関係なく破格の乗りっぷりであります。あの追い方は惚れ惚れしますよ。
人気勢の中ではエンペラーワケアが、実力迫力とももっと弾けてて不思議ないと思うんですけれど、久々のせいか体が絞りきれてないという風情で……重そうでした。しかも、大きい馬体で1枠1番。この馬の走り方としても窮屈なところに入っちゃったんですよね。コンディション、環境ともによろしくありませんでした。

レースはペプチドナイルがポーンと出て、お、これはナイルが走って引っ張るか? と、思ったらズルズルと下がって馬群の中に。おお?
去年のドンフランキーみたいな短距離型のイケイケ逃げ馬がいなかったせいもあり、ペースはかなり落ち着いてしまいました。それでもハイペース寄りではあるんですけれど。
おかげでちょっと出遅れ気味になってしまったコスタノヴァがすぐに挽回できて、キング姐さんもいい位置つけてるんですよねえ。
エンペラーワケアも内側ながら窮屈にならないように立ち回っていて、横山武史うまく乗っていたと思います。ただ、直線で行きたい時に前詰まっちゃったのとやっぱり息切れが早かったんで重かったんでしょう。それでも5着はしぶとく粘ったと思います。でも馬券外初めてなんですよねえ。ちょっともったいなかった。
直線入った段階で素晴らしい位置につけていたのが、コスタノヴァ。いやもう、文句なしのコース取りですよ、キング姐さん。いつのまにかスッと邪魔な馬が何もいない場所に出ていて、あこりゃ楽勝だな、とアレ見た瞬間思いましたよ。コスタノヴァも順当に応えて、グイグイ伸びてくれました。
むしろ、外からぶん回さずにうちに切り込んで伸びてきたサンライズジパングにビックリさせられました。内側からそんなにくるの!? ミッキーファイトも外から勢いよく伸びてきましたけれど、サンライズジパングのキレは目を見張るものがありましたね。
でも、それらの追随を許さなかったコスタノヴァ。最後まで追いきったキング姐さん。東京無敵じゃないですか。良い勝ちっぷりでした。
2着にサンライズジパング。幸さん、惜しかった。エバヤンがちょっと図抜けてしまってるけれど、むしろ3着のミッキーファイトと同世代としてバチバチやってるライバル感があってよろし。エバヤンに追いつけるように頑張ってほしい。
そして、しぶとく4着に滑り込んできたペプチドナイル。去年のフェブラリーから全く崩れませんね。古豪健在です。今回、乗り方次第ではもうちょい上に行けたかも。
5着にはエンペラーワケア。この馬も仕切り直しして調整うまく行けばこんなもんじゃないでしょう。
まだ上を狙える馬のはず。

ダート勢はここからどういう番組になるんですかね。5月のかしわ記念、6月の帝王賞かさいたま杯あたりかしら。こっからドバイ行く馬はいないと思うんだけれど。いないよね?



第74回日刊スポーツ賞中山金杯 G3 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)(特指) ハンデ 中山競馬場2,000メートル(芝・右)

有馬記念に出れなかったホウオウビスケッツ。一度、有馬に向けて仕上げてたんで、そりゃあもう期間あけてられないですよね。
ということで、重いハンデ背負うことを覚悟で出走したものの、まさかの斤量59.5kg。キツイ!
さらに主戦の岩田パパが例の移動中にYouTube見ちゃった案件で騎乗停止中で、テン乗りでドイル騎手に。ビスケッツは岩田パパがいいところ引き出してたようなところのある、鞍上を選ぶタイプにも見えるんで、まだ日本の競馬に馴染んでる感じしないドイルさんはちょっとむずかしそう。
さらにトドメと言わんばかりの大外18番枠。逃げか番手の競馬する子だけれど、大外はキツイ!
というわけで実績も勢いも明らかに一枚上で圧倒的一番人気になりそうなビスケッツでしたが、4.7倍の2番人気に落ち着いてしまいました。仕方ないよね、これはキツイ。有馬記念では同じような所からシャフリヤールが2着入りましたけれど、それはそれこれはこれ。

というわけで、なんでかクリスマスパレードが1番人気に。ある意味、買う方もこれ迷ったと言うか迷走したというか。中山3戦3勝。先行有利のレースで先行。クラシックも紫苑S勝って秋華賞5着となかなか。というあたりが人気要因だったのでしょう。でも、ビスケッツが大外になったおかげで、代わりになる馬を条件見て選んだって感じがあったなあ。

ほかは阪神や小倉で強いイメージあるけど、中山って走ったこと無いよね? それに1800タイプじゃないの? という所で前走マイルCSで11着と大敗したこともあってか、重賞戦線で実績あるわりに4番人気だったアルナシーム。2000挑戦2回ありますけど、結果残せてなかったんですね。
この子、お母さんがアルアインやシャフリヤールの兄弟だったんですね。だから近親、甥っ子にあたるのか。そしてドゥデュース・イクイノックス世代であります。

3番人気にシンリョクカ。クラシックではワンパンチ足りない所があったものの、明け4歳で開花。新潟記念で初重賞をとりエリ女では4着。じわじわと実力をつけて、調教も抜群と充実期に入ってきた牝馬でしたね。ただ、この子も17番と苦しい枠。

5番人気にリカンカブール。前年の中山金杯覇者で連勝を狙う。秋はオールカマーで3着と、寒くなる時期に強いのかね。あでも9月はまだ暑いか。鞍上の津村さんは今日が誕生日だったそうで。凄いな、5日は絶対に金杯競馬がある日なので、この人だけは絶対に誕生日に競馬があるのか。


レースは逃げると思われたセイウンプラチナが全然行かず、代わりに勇躍戦闘に躍り出たのはクリスマスパレード。
……クリスマスパレードぉ!? なんで逃げるのクリパちゃん!?? 鞍上の石川くんがヒィーーンってなってたんじゃないかこれ。パドックからイキってたみたいだけど、気性のせいですかそうですか。
しかしあんた一番人気だったんだぜ!?
前半1000メートル58秒4というハイペースを演出してくれました。やーっちまいましたね。
ただ、そのまま最後まで落ちずにワンペースでレースを引っ張って、最終的には4着まで粘っただけに実力は間違いなくあるのでしょう。ラップタイム見てもほぼ同じラップで推移してるんですよね。息いれるタイミングもなさそうでしたし、タフなレースだったと思うのですが。気性面もうちょっと落ち着いたら面白くなりそうなんだが。
レース後コメント見ると、逃げるのも想定内だった、みたいな事を仰ってるようで。いやーー。そうですかぁ。

勝ったのはアルナシーム。2000行けたじゃん! むしろマイルよりもいい感じじゃないですあ。距離短縮よりも延長の方が合っていた模様。おっと、中距離でじわじわと実績溜まってきましたよ。
藤岡佑介騎手が幸先よく今年初日で初重賞勝利。がんがん勝って欲しいですね。

2着には6番人気のマイネルモーント。いやあ、走る条件は揃っていたのですが、思ってた以上に堅実な強さを感じるレースでした。前走のチャレンジCは3歳以来の重賞挑戦だったのですけれど、12番人気で6着。今回が2着と確実にステップアップ。これ、G3くらいならしばらく大崩れしなさそうな感じがする。

3着ボーンディスウェイ。クラシックではホープフルで5着。ディープ記念弥生賞では3着、と春のクラシックで結構上位に名前見せていた馬です。が、皐月賞で大敗したあと、残る2冠は出走敵わず地道に2勝クラスからやり直してたんですね。さすがに条件戦では勝ち負け余裕だったのですが、重賞だと厳しい。去年のこの金杯では2番人気にあげられたものの4着。1つ順位あげましたね。去年はリステッドで結果を残して、もう一度再挑戦の金杯でした。
ここで16番枠57キロ8番人気で3着に入れたというのは、もう一度やれるぞ、という手応えになったんじゃないでしょうか。去年と同じローテなら中山記念ですが、これだとちょい人気取れそう?

ホウオウビスケッツは9着。うーん、まあ仕方ないっちゃ仕方ないとしか言えない悪い条件が揃っていたのですが。それにしても、もうちょっと楽な競馬をさせてあげられたら良かったなあ、と思わないでもないです。クリパにそこまで仕掛けていかんでも。

シンリョクカが12着。あきませんでしたね。枠順でしょうか。壁を作れず、外を周り、としんどい競馬になってしまったみたいですね。今回はあんまり参考にしないでいいんじゃないでしょうか。

5番人気だったリカンカブールは15着、調教はかなり良かったみたいなんだけれど、終始後方のままで終わっちゃいましたね。ちょっと想定外の大負け。どうもゲート内でもたついてスタートが全然あかんかったみたいですね。もう発走時点でレース終了だったのか。こいつは残念。

第63回スポーツニッポン賞京都金杯 G3  

4歳以上 オープン (国際)(特指) ハンデ 中京競馬場1,600メートル(芝・左)

一年の計は金杯にあり。元は「一年の計は元旦にあり」という言葉から来ている競馬標語でありまsyが、元旦別に一年を計るような事してないじゃん。
でも、競馬は違います。
もろに今後一年間を占うことになるのが金杯です。まあ最初で大体の人が躓くんですけどね。

京都金杯です。でも走るのは中京競馬場。去年はもうこれでもか、というくらい京都開催が連続で続いて流石にもう芝がアウトです。これ以上はもう無理、ということで中京開催です。

1番人気はシャドウフューリー。川田騎手鞍上でした。ちなみにルメールさんはいらっしゃいません毎年ながらこの時期はお休みです。お休みしてても年間リーディングとっちゃうんだから凄いですよねえ。
代わりにルメートルさんが去年に引き続いて来日しております。
シャドウフューリー、これが重賞初出走なのですが、1番人気でしたね。なんでだったんだろう。
フューリーって微妙に発音しにくくないですか? 「ひゅーりー」って発音すると言っちゃうんですけど。ちなみに語源を見ると、映画の「Fury」が元ネタらしいです。戦車のやつですよ。これで600キロ近い巨漢だったら巨大戦車が唸りを上げて疾駆する、みたいなキャッチフレーズがつくのかも知れませんが、480キロ台とわりと普通です。でもこのまま強くなって重賞バンバン活用になったら、絵sん車にまつわるあだ名とか付きそうで、ちょっと楽しみかも。

2番人気はロジリオン。NHKマイルカップの3着馬という実績もさることながら、掲示板を外さない確実性と今回は1枠1番という最内を引いたのも人気の要因でしょう。この京都金杯、中京でもとにかく内枠有利ですからね。ロジリオンも先行型ですし。ロジリオンってジョジョリオンに似てるな。

3番人気はドゥアイズ。またドゥラメンテ一族か、と思うような名前ですけれど、彼女に関してはルーラーシップがお父さんです。リバティアイランド世代で頑張った牝馬の一頭。ジュベナイルでは3着に入って3歳での活躍を期待された一頭でしたが、クラシックでは桜花賞こそ5着に入ったものの、オークス、秋華賞では跳ね返されてしまいました。とはいえ、クラシック三戦完走したんですから偉い。
その後リステッドで出直してちゃんと勝ち、その後重賞戦線に戻りヴィクトリアマイルでは4着。前走ターコイズではついに馬券圏内3着と、じわじわと力をつけて最前線に戻ってきた一頭でした。

4番人気はウォーターリヒト。この子もクラシック前ではシンザン記念3着、きさらぎ賞2着と頑張ったものの、本番では跳ね返されたタイプですね。しかし秋に田辺騎手に乗り代わって3勝クラスからやり直したのですが、これがかなり強い勝ちかたで連勝。何気に一番今勢いがあったのはこのリヒトくんだったと思われます。それが4番人気だったのは大外16番枠だったからでしょうね。もっと内枠なら1番人気まであったかもしれません


んでもって、勝ったのは……6番人気8歳騙馬になるために去勢手術の休養明け、というサクラトゥジュールがまさかの勝利。いやあ、出来は良かったみたいなんですけれど、8歳ですし休養明けですし、さすがに……と、思ってたら勝っちゃいましたよ。
これは鞍上の、短期免許で来日中のキング騎手が上手かった。ってかマジでうまいよ。内でためてためて、前が詰まっても慌てずにここぞというタイミングを見逃さない。いやあ馬も強かったけれど、惚れ惚れとするようなレースでした。ちなみにこの騎手、キングという苗字ですけれどフルネームはレイチェル・キング。女性です。女性騎手です。キング姐さんとか呼ばれててわらた。いやでも、去年も2勝重賞勝ってるんでしたか。去年もすげえなあと思いましたけれど、今年もこんなレースしてくれるんですから、まだ幾つも勝ちそうだなあ。依頼も殺到するでしょこれ。

2着にはウォーターリヒトが猛追。この馬だけ大外ぶん回してまくりあげてきましたよ。ちょっと思ってた以上に強い競馬しました。勢いだけじゃなくて、これは完全に実力伴った勝ち負けでした。今回大外枠ということもあって、大外ぶん回すしかなかったにも関わらず2着ですから、もっと枠順いいところはいったら入ったなりの競馬も出来ますし、これもっと上のレースでも面白そう。

3着はロジリオン。一番いい枠を一番活かして、順当に馬券圏内に粘り込んだ、って感じですね。今回のレースで一番的確なレースをやって実力通りの結果を出した、という感じじゃないでしょうか。
結構ペース早くなったのですが、そんな中で先行で頑張ったのは偉いです。偉いけど、このままだと重賞勝ち切るイメージがまだ湧かないなあ。

4着セオ。逃げたセオが粘って4着。逃げ馬で開幕週で2番枠でしたからね、望みうるベストの機会でした。

1番人気のシャドウフューリーは6着。直線いいところにつけてたと思ったのですが、伸びずに馬群に沈んでいってしまいました。外々回らされてたのは確かですけれど、そこまで極端に不利食らってたわけでもないですし、やっぱり過剰人気もあったかもしれませんね。次走はどこ走らせるんだろう。もしかしたら1400の方がベストなのかもしれません。前走マイル勝ちましたけど。

あと人気馬はドゥアイズか。ドゥアイズは11着!? 久々に大負けしましたね。道中も全然目立たなくて存在感がありませんでした。武さんがテン乗りだったみたいですけど、行きっぷり全然だったみたいですね。どうしたんだろう。調子は上々だったみたいなんだけど。

あと、道中でコナコーストが怪我したんか?と思うような脱落の仕方をして後方に流れていったんで心配したんですが、とりあえずコメント出てないですね。これはハーパーとかと同じく気持ち切れちゃったかなあ。桜花賞でリバティアイランドの2着に入ったほどの馬だったのに。

第69回有馬記念 G1 レース回顧  

3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 中山競馬場2,500メートル(芝・右)

最後の直線に入ったところから、ずっと「シャフ! シャフ! シャフ! シャフ!」と連呼してました。
凄かったよシャフリヤール。マジで大外からぶっ飛んで来たのを見た時は、胸の奥から感動がブワッと吹き上がって頭の中熱くなったもん。

ドウデュースが出走回避したのを知ったあと、彼の秋古馬三冠達成が潰えてしまったのを知ったあと。
じゃあ、この有馬記念。どんな形の結末が、ドウデュースの伝説になる終わり方に匹敵する競馬史に残る劇的な結末となるんだろう、と考えてしまったんですね。
そうして想起されたのが、今まであと一歩の所まで指先がかかりながらついぞ手が届かなかったG1の悲願を達成するディープボンドか。
或いは、お前が居ないのなら先輩である俺がやる、とダービー馬として歴史に残る偉業を海外を飛び回って残し続けたシャフリヤールが、最後に国内に戻ってきてこのグランプリG1で有終の美を飾る。
って、絵面だったんですよね。

しかし、シャフリヤールに立ち塞がったのは、有馬記念に置ける最悪の魔の枠順、大凶の数字である大外8枠。
そして、6歳以上は走らないとされている歴然としたデータ。
有馬記念ではディープインパクト産駒は結果を残せていないという記録。
前走はアメリカでのレースを終えての海外輸送帰り。
突風吹きすさぶ環境は、騎手をして前に馬を置いて壁にしないといけないというさらに大外枠に厳しい状況。
逃げ馬不在の展開からくる、ロングスパート戦が想定されるシャフリヤールに不向きな展開。
ありとあらゆる条件が、シャフリヤールお前には無理だ、と突きつけているような状況でした。
去年、シャフリヤールは内枠を引きあて、そこで完璧に等しい競馬をして5着でした。あれからさらに一年歳を重ね、条件は前年を遥かに越えて過酷でした。
10番人気だったのも、理解できるんですよ。あまりにも、あまりにも不利条件が重なりすぎていた。

でも、そんな壁を乗り越えてきた馬こそが「空飛ぶダービー馬」だったのです。
前年の同じ大外枠だったスターズオンアースのように、スタートダッシュから一気に内に切れ込んで外枠の不利を消滅させてしまったルメールマジックみたいな戦法ではなく、スタート抜群に良かったわけではなかったシャフは、そのまま後方10番手あたりにつけました。当然、外々を回らされる位置。
レース前は逃げるのもありだ、と述べていた陣営ですけれど、こうなればどうしようもなく地力勝負。
実際、なかなか前に馬を置けることもなく、ずっと外側走ることになってるんですよね。
しかし、向正面で前半1000メートル62秒のスローペースにかこつけて、ジワリと前に位置取りを進めたシャフリヤール。ここから4コーナーのマクリは本当に寒気が走るかと思いました。直線に入るところで一気に加速。あのカーブの急な中山の4角をギュンギュンと加速しながら小回りで回りきる。
普通、大外回ったらどんだけ加速していても、大回りした分直線入ったところで横並びになった際には位置的に後ろになっちゃってるものなのに。
直線入ってくるところでは中団大外にいたシャフが、直線入った段階では逃げるダノンデサイルと追随するベラジオオペラを捉える3番手の位置に、既に食らいついていたんですよ。
痺れましたね。一気に頭に血が上りましたよ。
そして、あまりにもシャフばかり見ていて気が付かなかった。
内側を、神がかった進路取りで文句のつけようのないパーフェクトな走りで貫いてきた、レガレイラの存在に。
内から、そして外から軌跡を残すように滑らかに直線に進入したこの二頭が、前にいるベラジオオペラを躱す進路を確保するために1頭分外に出したレガレイラと外から切り込んできたシャフリヤールが。
示し合わせたように馬体が並んで隣り合うんですよ。
そのタイミングが、まさにここからギア全開。フルスロットルだァ! という瞬間。ちょうどアールカーブが終わり直線に入った瞬間。
なんど映像を見直しても、この瞬間は芸術的です。
そして繰り広げられる中山競馬場直線300メートルどちらも譲ることのない一騎打ち。
1996年の阪神大賞典マヤノトップガンVSナリタブライアンの。
或いは1993年天皇賞・秋のヤマニンゼファーVSセキテイリュウオー。
これら歴史に残る死闘に並び立つ、令和の名勝負でありました。

結果は、頭の上げ下げでわずかに鼻差前にあったレガレイラが、3歳牝馬としては64年ぶりの有馬記念制覇の快挙。ヒシアマゾン、ダイワスカーレット、ブエナビスタという名だたる名牝が2着で涙をのんだ3歳での牝馬によるグランプリ制覇を、牡馬たちのクラシックに殴り込みながらついに念願果たせなかったレガレイラが達成して見せた。凄い。この娘ならダービーをとれる。絶対にG1級の馬なんだ、と信じ続けた陣営と、そして彼女を有馬に投票で導いたファンの祈念が届いた劇的な勝利でした。
そして、負けたシャフリヤール。負けた、とか言えんですよ。こんなん、言えんですよ。強かった。21年世代こそが最強なんだと言わんばかりの神がかった激走。あらゆるデータを覆す魂の疾走。
もうあかん、感動や。シャフゥゥゥ、シャフゥゥゥ!!(号泣

新世代も頑張った。菊花賞馬アーバンシックは、スタート出遅れがあまりにも致命的でしたが、それでも最後伸びて6着に入りましたし。
まさかのノリさんの逃げで、先頭で牽引したダノンデサイル。これも前半はスローでしたけれど、残り1000から一気にペースあがって消耗戦となり前有利と言えなくなった展開で、最後の最後まで踏ん張ってみせました。この馬、ほんと根性ありますわ。ただ調教師先生は、あまり走りに満足していないどころか危機感を抱いている様子。こういっちゃなんですけど、この先生面白いッ。
主導権をパパにとられた横山和生のベラジオオペラですが、これも距離の壁を乗り越えて食らいつき続けて4着入線。
5着にはジャスティンパレス。この展開で後方からではここがやはり限界でしょう。毎回毎回、どうしても展開不利になってしまう。にも関わらず、掲示板には毎回乗るんですからホントに勿体ないよなあ。後方末脚勝負では、ローシャム、アーバン、ブローザホーンには負けん、というところでしたね。
7着にローシャムパーク。道中、スロー展開のせいか馬群の中で折り合いをかいてるところが見受けられてしまいましたね。そこで消耗してしまいました。いっそ、そこで前に行かせてもよかったんじゃないかと。
8着にはスタニングローズ。ざっと色んな人の調教評価見回した感じ、一番仕上がっていたのはこの娘だったのかもしれません。しかし、位置取りは悪くなかったと思うんですけれど、4角では既に手応えが怪しくなってましたね。あのエリ女の迸るような手応えが残っていませんでした。4コーナに差し掛かって加速していく段階でちょっともたつくというか走りが乱れる瞬間があったので、ちとカーブに乗り切れなかったところがあったのかな。距離も厳しかったのでしょう。これで引退ですが、未来の子どもたちが楽しみです。
9着ダノンベルーガ。上がり最速を記録していますけれど、最後方ポツンから追い込みだけした、って感じですからまあこんなもんで。
10着シュトルーヴェ。この馬も大外を回らされてましたが、中盤までシャフリヤールの後ろくらいにつけていたのに、4角ではあっさり置き去りにされ、大外ぶん回して後方一気狙ったものの、頑張ってもここでした。大外走らされたこうなるんですよね、普通は。ほんと、シャフはすげえなあ!
11着プログノーシス。この子も出遅れてしまって、前につけたいこの馬としてはあんまりにも致命的すぎました。中距離馬ですから、そこから脚使ってスタミナ消耗するわけにもいきませんし。どうしようもありませんでしたね。
12着はブローザホーン。さすがに追い込みのこの子が、外の列に馬を置いて内側走ってるのを見た瞬間、こりゃ無理だ、となりましたね。どう考えても行き場なかったですし、進路空いた時には遅すぎますもの。2枠4番はこの子としては外枠よりも厳しいものだったかもしれません。かといって外でもキレるイメージ湧かないのですけれど。
映像を見ていると、スタートから鞍上の菅原くんがガンガンしごいているのに全然行かない。あれ、できるだけ前の方につけたかったんでしょうね。出遅れたアーバンシックにも抜かれて位置取り後ろになってしまった時点で苦しかった。中盤、位置を押し上げるくらいの思い切りがあっても良かったかもしれません。
13着ディープボンド。
正直、このレースも夢を見ました。まさかの3番手につけての競馬になりましたからね。幸さんが跨るようになってから、かなり理想的な位置につけるようになったの、あれ手があってたんだろうなあ。
前半がスローペースと判明したのがわかったあとは、もう向正面から早仕掛けてスタミナ勝負の消耗戦に持ち込めーーっ!と念を送っていたのですけれど、3番手から動かず。でもこれラップタイムみたら残り1000メートルから全体に加速してるんで、実際はスピードアップしてたんでしょうね。頑張って、あそこだったわけだ。でも、もっと早く仕掛けても良かったんじゃないかな。4角での幸騎手がグイグイ押していたものの、前に進んでいかずにズブさがもろに出ていて、ズルズルと後方に。
終戦でした。そしてプボくん、これが引退レースになるそうです。種牡馬に離れず、京都競馬場で誘導馬になるそうで。そうかー、ついに第二の馬生かあ。お疲れ様、ほんとうにお疲れ様でした。よー頑張った。G1タイトル、取ってほしかったなあ。取りたかっただろうなあ。
14着スターズオンアース。道中、ちょっともうまともに走れてなかったみたいですね。レース前からどうも不穏な感じでしたし、トラックマンの人達も大丈夫? これどうなん? という感じのコメントが多くて、これ鞍上の川田も下手に追うつもり最初からなかったんじゃないのかな。
15着ハヤヤッコ。大外枠で前に馬を置けなかったせいもあるのか、道中ずっとはしゃいでました。なんか、正面通るところでずっとカメラ目線で走ってたぞこいつw
ともかく折り合いがあわなかったんでどうしようもなかったですね。ただカメラ映りのアピールに冠してはめちゃめちゃ良かったと思います。

改めて、大本命でありドラマの集大成でもあったドウデュースのラストランがなくなり、しかしその消沈を見事に消し飛ばしてくれる、素晴らしい歴史的名レースとなってくれました。
勝ったレガレイラは、来年同期のステレンボッシュ、チェルビニア。クイーンズウォーク、ボンドガールといった面々と改めて決着つけてほしいですね。そして、復活のお嬢様リバティアイランドとも対戦して欲しい。次回はドバイか大阪杯か。ベラジオやダノンデサイル、アーバンシックらとも激戦を繰り広げる25年になりそうで、楽しみ。
シャフリヤールは、なんかもう衰え知らずもいいところで、現役引退もまだ決まっていないみたいですし、これが最後じゃなくてもう一度ドバイまで行くかもしれませんね。あとひとつふたつ、この馬ならG1もぎ取れるよ!!
もし現役続行なら……やったれ、シャフリヤール!!






第69回有馬記念 G1 出走馬   

3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 中山競馬場2,500メートル(芝・右)

アアアアアアアアアアアアアアアアアア


しょっく。


一報を聞いたのは、車のAMラジオの一般ニュースでした。普通の番組の合間に流れるニュースで事件や事故の報道を流すコーナーであり、普段こんな競馬のニュースは流れないんですよ。少なくとも自分は初めて聞いた。
それがいきなり、ドウデュースの名前が出たから運転しながら頭の中「???!!」
ドウデュースの出走回避を聞いた時には車内で「うあああああ!」。叫んでしまいましたよ。

今が絶頂、今こそが最も強い。そんな最盛期に至っていた、ピークに至っていたドウデュースがレースに出ないまま引退。眼の前に迫っていた秋古馬三冠達成が、間違いなく歴史の1ページになるはずだった伝説が、こうして夢のまた夢の向こうへといってしまったのでした。
残念、ひたすら残念。当事者である厩舎関係者やオーナーや武さんの無念はいかばかりか。
武さんがこの土日、病気で乗り替わりって、これ本気で気落ちしちゃったんだろうな、と思っちゃいますよ。
残念、本当に残念。残念としか言いようがありません。
それでも、無事にぱくぱくご飯食べてて、これからは種牡馬として新たな活躍の馬に迎えるんですからね。それに関しては、確かにホッとした気持ちもあるんですよ。
秋古馬三冠の達成を見たかった、という思いと、無事に競走馬生活を終えられて安堵した、という気持ちはどちらも並んでこの胸の内にあります。

それに、今回の有馬記念はこのぽっかりと胸に空いた穴を即座に埋めてくれるに足る、とんでもないメンバーが揃った「恐るべき有馬」じゃないですか。
たとえドウデュースの伝説が刻まれなくても、この1番から16番までヤベえ奴しか居ない歴代でも屈指の強豪が揃った有馬記念。勝った馬は語り継がれますよ。


1枠1番 ダノンデサイル 横山典弘 牡3
言わずとしれた本年度のダービー馬。横山ノリさんをワンアンドオンリー以来10年ぶりにダービージョッキーに、それも最高齢ダービージョッキーの記録を更新させた若駒である。ドウデュースが健在なら、シャフリヤールとともに三世代ダービー馬の対決となったのが実に惜しい。
菊花賞では6着という結果でしたが、兎に角展開不利でほとんどスムーズに競馬出来なかったのが一番大きな原因でしょうし、ラストあそこから6着まで追い込んできたという所で意地は見せたかと。
距離も短くなって、ここで実力改めて証明ですよ。


2枠3番 アーバンシック クリストフ・ルメール 牡3
そして、こちらが本年度クラシックの三冠目。スワーヴリチャード産駒初めてのG1馬でもあり、最も強い馬が勝つと言われる菊花賞を制した馬であります。決して目立つ強さを見せつける馬じゃないのですけれど、春の皐月賞4着からコツコツコツコツと積み上げて、淡々黙々とスケールを大きくしていったような揺るぎのない不動の強さを身に着けてきたみたいな迫力が感じられるんですよね。ここに鞍上のルメールの上手さが合わさると、恐ろしいまでの安定感が生じそう。とはいえ、まだその真価を見たわけじゃない。古馬との初対戦となるここが見どころとなるでしょう。


2枠4番 ブローザホーン 菅原 明良 牡5
今年、420キロ台の小さな身体で宝塚記念を制し、菅原騎手に初G1をプレゼントしたのがこのブローザホーンだ。まさに小さな巨人。今年に入ってからは日経新春杯を勝って以来、前年のOP特別を連勝してきた上り馬、という勢いを一気に貫禄に変えて風格すら感じさせるビリビリとした迫力を醸し出していたんですよね。阪神大賞典3着、春天2着、そして宝塚記念でグランプリホースへと駆け上がったあの時は、確かに現役最強の座に手をかけていた。ドウデュース、あのレース6着だったんですぜ。
それが、秋のに入ってみると意気消沈。秋はこの馬が主役かとまで見ていたのに、調子が上がらず、京都大賞典・ジャパンカップと大敗。
ですが、ここに来て中山に2500という非根幹の長距離舞台。調子も一時期の絶不調からはやっとこ曲線が上向いてきた感もあって、秋の走る姿が全然想像できないという状態は脱したかと。
となれば、グランプリホースはグランプリに強いという法則は無視できません。


3枠5番 ベラジオオペラ 横山 和生 牡4
今年の大阪杯の勝ち馬です。おいおい、G1馬ばっかりだな!
現4歳世代では唯一の参戦となりましたが、この馬が世代最強という声も大きいだけに役者に不足はないでしょう。勝った大阪杯ではまだ発展途上。やや夏負けして秋頃は調子も上がってきていない状態で、秋天では6着でしたが十分見せ場は作りましたし、あれから間隔置いてだいぶ仕上がってきたみたいなので、本領を発揮したなら十分勝ち負け余裕でしょう。
同世代のダービー馬タスティエーラや皐月賞馬ソールオリエンス、菊花賞馬ドゥレッツァが出走しない以上、この世代の強さを証明するのはオペラの役目。そして3歳の若駒たちをぶちのめし、先輩型を蹴散らしてドウデュースの現役最強の座をこのレースで勝って後継するのだ、くらいの意気は見せておくれよベラジオオペラ


3枠6番 ローシャムパーク トム・マーカンド 牡5
こと追い込みに関しては電光の末脚。大マクリからの怒涛の後方一気、という戦法に関してはこの揃いに揃ったメンバーでも屈指のものでしょう。G1タイトルこそ取っていませんけれど、大阪杯ではベラジオオペラの2着。そして、先のブリーダーズカップターフでは、22戦15勝うちG1を7勝というアイルランドの名馬レベルスロマンスをあと一歩まで追い詰めています。オールカマーであのタイトルホルダーを差し切ったのもこの馬だ。同期のジャスティンパレスとだって末脚勝負で負けられないでしょう。イクイノックス・ドウデュースの同世代として、ここでその強さを証明して欲しい。


4枠7番 スターズオンアース 川田将雅 牝5
人呼んで地上に輝く一番星。一昨年の桜花賞・オークス2冠馬であり、ジャックドール、イクイノックス、ソングライン、ドウデュースと化物みたいな連中と渡り合うことG1レース9連投。桜花賞からG1レースしか出走していない決戦牝馬であります。勝ち星こそオークス以来ないのですけれど、G1レースでずっと2着と3着ばかりが並んでいる番組表はいっそ壮観ですらありますよ。
今年に入ってのドバイ、ジャパンカップの2レースはあまり良いとこの無かったレースなのですけれど、去年の有馬記念では死の大外枠を賜りながら、まさかのルメールマジックで2着に食い込み、ジンクスを打ち破ってみせた娘です。牝馬の中ではこの娘が筆頭格。同期にしてクラシックのライバルだったスタニングローズとの久々の対決も楽しみです。


4枠8番 レガレイラ 戸崎 圭太 牝3
牝馬ながらにホープフルステークスを勝利して2歳王者に。そのまま牝馬クラシックではなく、皐月賞・ダービーに参戦しウォッカ以来の牝馬ダービー馬を狙った女傑であります。
ただ皐月賞直前にパートナーであるルメールが怪我して乗り代わったり、ダービーでは囲まれて抜け出せなかったり、と運がなかった。ダービーでは上がり最速を記録しているように、実力不足ではなく展開が向かなかったとしか言いようがないんですよね。夏を超えて更に馬体が唸りを上げてパワーアップしているのは皆が口を揃えて仰っているのですが、秋も2戦不発。スタートからの行き足の悪さのせいで戦法を後方一気しか選択できない幅の狭さに押し込めているのが非常に勿体ない。
実力、才能に関してはこのメンバーの中に入ってさえ随一である。


5枠9番 ディープボンド 幸英明 牡7
我らがプボくんももう7歳。若い頃から風格は既にG1馬と言わんばかりの威風を醸し出していたものの、どうしてもG1に手が届かないままここまで来てしまった。でも、歳を重ねてなお意気軒昂。春天では4年連続、4年連続ですよ、4年連続で馬券3着圏内に入り、京都大賞典でも2着と7歳になってなお勝ち負けに食らいつき続ける衰え知らずの不屈の闘将。
ここでプボくんが勝ったなら、それはそれで語り継がれる伝説になりますよ。


5枠10番 プログノーシス 三浦皇成 牡6 
ここまで16戦7勝。昨年の金鯱賞と札幌記念、今年の金鯱賞とGIIを3勝している中距離界のトップランナー。こういうG2大将はG1に行くと途端にサッパリ、というイメージなのだけれど、彼に関してはG1に5回挑戦して2着3回3着1回5着1回と馬券に絡まなかったのが一度だけ、というギリギリのせめぎ合いを戦ってきた雄なんですね。しかも、その相手が香港の怪物ロマンチックウォーリアーだったり魔王イクイノックスだったり、と戦ってきた相手が化物すぎる。主に海外戦線を駆け回ってきた彼が初めて挑戦するグランプリ。鞍上にはこれまた最長G1未勝利を続けている三浦皇成。今年は初G1を奪取した騎手がたくさん出ている。三浦皇成の悲願が達成されたなら、これも長きに謳われる有馬記念となるでしょうね。


6枠11番 ジャスティンパレス 坂井 瑠星 牡5
ディープインパクト産駒のラストクロップの中で唯一の活躍馬でありG1を取りまくったオーギュストロダンが先のジャパンカップで引退。ということで、その一つ下の世代であるジャスティンパレスがディープインパクト産駒最後のG1世代となりました。現役最強のディープインパクト産駒の座は、この舞台で大王シャフリヤールと競り合うことになるでしょうけれど。
この子も、後方でじっくりと脚を貯めて最後に爆発させないと全力を発揮できない融通のきかないタイプ。それだけに、上手く展開がハマらないとどうしても後手後手を踏んでしまい、届かない結果に終わってしまいガチなんですが、毎回毎回あれだけ展開の不利を喰らいながら必ず目の覚めるような豪脚で馬群を切り裂いていくものだから、ほんと毎回負けて強ぇぇぇ、と感嘆のため息をついてしまいます。
それだけに、展開さえハマれば無類の強さを見せてくれるでしょう。あの破壊そのもののような末脚。このメンバーの中でも一頭上の火力。あのイクイノックスに迫った脚は伊達じゃあないです。
鞍上は今年もう覚醒したと言っていいでしょう。完全に充実期に突入し若手からトップジョッキーの並びに堂々と立つようになった坂井瑠星。今の彼なら、パレスの脚を導けるはず。


6枠12番 シュトルーヴェ 鮫島 克駿 せん5
日経賞・目黒記念と春の長距離G2を連勝して一気にG1戦線に名乗りをあげてきたシュトルーヴェ。しかし続く宝塚記念、そしてジャパンカップではG1の壁に跳ね返されてしまったのですが、この有馬記念中山芝2500は日経賞で一度勝った舞台に距離。ジリジリと伸び続けて止まらないスタミナ抜群の持続力マックスな脚はこの長距離の舞台にこそぴったりでしょう。一度ジャパンカップを走ったことで馬にも気合が入った模様。頑張れ、騙馬の☆。


7枠13番 スタニングローズ ライアン・ムーア 牝5
スターズオンアースやナミュールらとバチバチ火花を飛ばし合って競った牝馬クラシック。令和に蘇った薔薇の一族、その結晶として秋華賞で三冠のうちの1つをもぎ取って名を知らしめた艷なる薔薇も、それ以降はずっと鳴かず飛ばずで華もしおれたままでした。
しかし、11月のエリザベス女王杯で劇的な復活勝利。4コーナーからブースターに火をつけたが如く外から一気にまくりあげていく姿はまさに女王の激進でありました。
往年の切れ味が蘇り、今がまさに最盛期。調子は女王戴冠の先月から衰えないまま、今まさにピークが来ております。
彼女もこれが引退レース。このレースを最後に繁殖入り。薔薇の一族の血を繋いでいくことになります。未来の子孫にその栄光を伝えるため、もう一つタイトルをもぎ取っていきたいところでしょう。


7枠14番 ダノンベルーガ 松山 弘平 牡5
イクイノックス、ドウデュースらとともに最強世代を形成した22年クラシック世代も多くの僚友たちがターフから去りました。若い頃は、この綺羅星のごとき同級生たちの中で才能はピカ一と謳われていたのは誰でもない、このベルーガだったんですよ。あのダービーで一番人気だったのはあのイクイノックスでも勝ったドウデュースでもない、このベルーガだったんですからね。
あれから随分と時間が流れ、多くの同輩たちがG1を勝ち、しかし彼はまだあと一歩のところでその美酒を味わえないまま、ここまで来てしまいました。最後に勝ったのは3歳の共同通信杯。あれから、ずっと惜しい競馬を続けながら2勝馬のままです。でも、彼はずっとG1を走り続けました。最前線に立ち続けました。総賞金額4億3742万9400円。クラシックのライバルであったドウデュースが無念の欠場と相成った今、その代わりを務めるのは同期で同じハーツクライ産駒の彼の仕事でしょう。


8枠15番 ハヤヤッコ 吉田 豊 牡8
今や日本競馬界を席巻しているシラユキヒメの系譜。白馬の一族。白毛連盟。その中で、白毛馬ではじめて重賞を勝った馬を覚えていますか?
あのG1を総なめにした純白のアイドル・ソダシよりも前に、白毛の強さを世に知らしめた馬こそ、レパードSを勝ったこのハヤヤッコだったのです。
あれから5年。ソダシが華々しい成績を残してアイドル引退したあとも、未だハヤヤッコは元気に現役です。それどころか、8歳という老境に達してなお未だ衰え知らず。ついに東京はアルゼンチン共和国杯を制してG2馬に。そのまま、グランプリにはじめて出走する白毛馬として歴史に名を残しました。
でも、参加する事に意義がある、なんてもんじゃ物足りないでしょう? 前走勝ってこの舞台に立ったのだから、堂々勝負の権利はあるんですよ、ハヤヤッコ。


8枠16番 シャフリヤール クリスチャン・デムーロ 牡6
毎年有馬記念で悲喜こもごもとなるのが、枠順抽選会。このレース、明確に外枠不利なんですね。だから、外枠を引いた陣営は悲嘆に暮れて天を見上げる顔を覆うことになり、内側の方を引いた人達なんかはニッコニコになるんです。
去年の大外枠スターズオンアースは、まさに例外も例外。ルメールマジックもいいところでした。
今年、その最悪の大凶クジを引いてしまったのが、「空飛ぶダービー馬」「偉大なる王」シャフリヤールでありました。
エフフォーリアやタイトルホルダーらと鎬を削った21年クラシック世代。その頂点に立ったダービー馬でありながら、彼は日本国内に留まらず、世界中のG1を走り回ることになります。ついたあだ名が「空飛ぶダービー馬」。
コントレイル、イクイノックス、オーギュストロダン、レベルスロマンスという歴史に残る名馬たちと走り続けた彼は、結局22年のドバイシーマクラシックを勝って以来、勝ち星こそ残せなかったものの、年を経ても常に2着3着とゴール際まで勝ち負けを譲らず、強いダービー馬であり続けました。前走BCターフでもレベルスロマンスに迫る3着。
これだけ長きに渡って走り続け、常に結果を残し続けたダービー馬はこれまでいなかったんじゃないでしょうか。長く現役を続けたダービー馬はマカヒキなどそれなりに居ましたけれど、不調の時期が長く成績の波も大きかったですからね。シャフみたいに、最初から最後までずっと強いままこうして6歳まで走り続けた。それも、海外を主戦場にして、なんて馬は今度も出てこないんじゃないでしょうか。
明言はされていませんけれど、シャフリヤールもこれがラストランになるのでは、と噂されています。
彼もまた、ここで有終の美を飾って伝説を残すにふさわしい名馬。大外枠の不利はやりようによっては覆せると、去年ルメールが証明しています。シャフも前で勝負し自分で競馬を主導できる馬です。
我らが君主に栄光の花道を。


さあ、いざ今年最後のグランプリだ。



第19回阪神カップ G2 レース回顧   

3歳以上 オープン (国際)(特指) 定量 京都競馬場1,400メートル(芝・右 外)

バケモンみたいな鬼脚だったなァ、ナムラクレア。
4コーナー曲がって先頭からあれだけ差がある所から、一旦レッドモンレーヴとダノンマッキンリーの間に行こうとして止めたんですよね。そこから改めて外に持ち出した。もう外柵の方が近いどころまで大外も大外ですよ。この時点でオレンジのラップ棒が法面に見えるから、残り300。
こっからゴーサインを出した途端、加速度がもう全然違う。他馬を置き去りに、一瞬にして先頭に。
やっぱり、短距離戦線ではナムラクレアが実力としては別格のものがある、と毎度勝ちレースを見るたびに思うんですよね。
ほんと、G1を今まで勝てていないのは運がない、という他ない。
いや、今回はほんとにルメールの腕あっての抜群の仕掛けあってこそなんでしょうけどね。それだけ乗り方が難しいというか、ハマるポイントが限定されているのも確かな子なんですよ。
なんでかやたらと1枠2枠を引いちゃって内を走らないといけなくなっちゃう所もありますし。そういう意味では今回の16番大外というのも良かったのかも。
でも、今の京都の馬場で後方から追い込みキメるってのはとんでもないよなあ。

秋の短距離王決定戦であるスプリンターズステークスが9月末にあるものだから、いわゆるスプリンターたちは冬の目標レースって香港スプリントか、この阪神カップになるんですね。
なので、香港行かなかったスプリンターたちは、ほぼこのレースに結集します。クレアちゃんは香港には行かんのだろうか。
ともあれ、セリフォス、マッドクール、ウインマーベル、ダノンマッキンリー、ママコチャと歴戦名うての強豪馬が揃いました。
マイルCSの覇者セリフォスは、これが引退レースとなりました。結果4着。惜しい。マイルCS以降勝てはしなかったのですけど、安田記念2着など常に本命を争う位置にあり、大崩れせず抗争し続けた良い馬でした。
ダイワメジャー産駒の代表馬ですよね、実績賞金ともに。引退後は種牡馬入りだそうで、良い子供達を送り出してほしいものです。

2着はマッドクール。春の香港に秋のスプリンターズと二桁着順の大敗。高松宮記念を勝った春の短距離王としてはどうしたって成績だったのですけれど、なんかコンディション整ってなかったみたいですね。ここに来てようやく調子あがってきていたみたいで、ちゃんと全力で走れるならこれくらいは当然走れる実力馬なんですよね。G1馬は伊達じゃないのである。

3着には病欠の武豊さんに変わって菱田くんが乗るオフトレイルが、何気にこのレース最速の上がりで内の馬群をぶち抜いて3着に。あそこから良く来たもんです。クレアちゃんよりも2列くらいは後ろだったぞ。大外をぶん回さずに内に切れ込んだのは位置的に見てこれしかなかったのでしょう。走りやすい馬場を求めて馬群が外に外に流れていって内側が空いてきた、というのもありましたし。
しかし、馬群自体蠢いてますし、内側は荒れてますしでパトロールビデオを見ていると進路を求めて蛇行しまくってるオフトレイルの姿が。馬群を割るんじゃなくて、思い切って内の空いてる所に切れ込んだのは良い判断でした。グズグズしてたら進路無くして詰まるところだった。
5着には先行につけていたママコチャ。この子もなんだかんだと大崩れしないよね。

2番人気のウインマーベルは頑張ったけれど8着。明らかに調子を落としていた様子が伺えてたみたいなので、来年しっかり立て直して欲しいところであります。

クレアちゃんは、来年も元気に走る予定みたいで。高松宮? 牝馬ですし流石に来年がラストチャンスでしょうから、何とかG1取ってほしいなあ。

第76回朝日杯フューチュリティステークス G1 レース回顧   

2歳 オープン (国際)牡・牝(指定) 馬齢 京都競馬場1,600メートル(芝・右 外)

こーれーはーーー、面白いことになりましたね。
先週の同じコース同じ距離の阪神ジュベナイルフィリーズが、ハイペースからの差し競馬になり、先行勢が総崩れになったことで、もともとハイペースになる傾向がかなり強いこの朝日杯もだいぶ流れる(ペースが早くなる)んじゃないか、と想定されていたところが、まさかのスローペース。
岩田パパが乗るはずだったダイシンラーが、横山典さんに乗り替わり……このダイシンラーが逃げてこれがまた絶妙にペース落として……全体前残りの展開に。
スローからの瞬発力勝負となってしまい、後方からの差し馬がほぼあかんことになりました。
いやあ、現在の京都が全体的に前残りの展開になっている以上、こっちの方がベーシックな展開だったのかもしれませんけれど、それにしてもそれにしても。

これで一番アオリをくったのが、一番人気武豊騎乗のアルテヴェローチェでした。
……あれ? この馬、先週走ってなかっけ!? というか、阪神ジュベナイルフィリーズ勝ってませんでしたっけ!? と、思った方も少なくないのではないでしょうか。
先週勝ったのはアルマヴェローチェだよ!!
馬主さん、いくらなんでも同じ世代に牝馬牡馬の違いはあるとはいえ、名前紛らわしすぎますて!! 双子かよ! もちろん違いますし、父もあっちがハービンジャーでこっちがモーリスと全然違います。母系も違いますよね?
まさか、阪神ジュベナイルフィリーズと朝日杯の両方で人気になるとは馬主さんも思わんかったんだろうなあ。
まあこのアルテヴェローチェが王道路線であるサウジアラビアロイヤルカップで、後方からのごぼう抜きというとてつもない勝ち方したもんだから、しかも雨の中で。そりゃ1番人気なりますよ、てな競馬でしたからね。
ただ、今回はあまりにも展開が向きませんでした。武さんも最後まで進路取り苦労してましたし。大外ぶん回すにも後ろ後ろに追いやられすぎてて、伸びない中に持ち込むしかありませんでした。
それで5着入っているから、実力はあると思います。来年仕切り直しですね。

勝ったのはアドマイヤズーム。アドマイヤ、久々のG1戴冠です。名物馬主でもあった近藤オーナーが亡くなられたあと、アドマイヤの冠名を持つ馬はいなくなってしまうのか、と寂しく思っていたらなんとこれをオーナーの奥さんが所有馬引き継いで、それどころかちゃんと新しい馬も揃えて、アドマイヤを引き継いでくれたんですよね。そして、先代が亡くなって以来5年ぶりのG1勝利を成し遂げてくれたわけです。感無量だろうなあ。
細江純子さんが、馬が前走から別物になってる!と言ってましたけれど、いや凄い勝ち方でした。新馬戦4着はアクシデントあったみたいで、未勝利戦も強い勝ち方をしているのですけれど、そこから一気にG1制覇ですか。
番手の絶好のポディションを川田騎手が確保していたとはいえ、最後の直線でマイル戦にも関わらず2馬身半ちぎりました。これ着差以上に後方置き去りにした感じになってましたよ。
展開が向いたとはいえ、ここまで圧勝したらちょっとモノが違います。最近朝日杯はあんまりクラシックには直結しないのですし、今回のメンバーも短距離マイル路線に向かうんだろうなあ、という馬が揃ってましたけれど、ズームくんに関してはこれ皐月賞見てみたいなあという勝ち方でした。2000は行けるでしょう、モーリス産駒。

2着はミュージアムマイル。この馬も重賞路線じゃなく、OPからの参戦でしたけれど2番人気と随分見込まれていました。が、スタートで出遅れ! が、巻き返す! ポディション取り戻す。デムーロ弟頑張る、ミュージアムマイルも頑張った! スローだったとはいえ、出遅れから位置あげて3番手までつけた上で2着食い込んだんですから、ロス考えるとこいつは相当のモノと考えてもいいかもしれません。これスタミナある方なのか。この馬も中距離まで大丈夫なのかも。前走も2000m戦でしたし。

3着がランスオブカオス。この馬も重賞走ってない、どころか新馬戦勝ってそのまま2戦目でこのレースに挑んできました。新馬戦も12月1日って中一週だ!
さすがに実績ないし実力比較しにくいし、しかも鞍上がルーキーの吉村誠之助。ルーキーとしてはかなり乗れてる子で技術も上手いって評判なんですけど、それでも今回が初G1挑戦でしたからね。
この馬が人気になるにはハードルが高すぎました。
にも関わらず、3着! しかも、先行馬が残る展開ながら、この馬後ろの方だったんですよね。しかも内枠で外に持ち出せない位置。にも関わらず、なんとか直線では荒れまくった内側を避けて真ん中くらいまで持ってきて、3着まで持ってきたんだから馬も騎手も大したもんですよ。
敢闘賞でしたね。次のレースの結果次第では来年の3歳マイルの注目馬になれるかもしれません。楽しみ。

4着には逃げたダイシンラーが粘り込み。これはもう横山典さんが上手かった。実力的にはまだ劣ると思うんで、今回は展開がばっちりハマった結果かと。次はどうかなあ。

5着にはアルテヴェローチェですね。
他の人気馬はというと、走る前まではやたらと大物感を漂わせていたトータルクラリティが、この馬は前目にいたのに最後ズルズルと落ちてしまって13着とえらい大負けしてしまいました。
レース前まで、勝てなくてもこれ将来G1馬になりそうな、雰囲気がある馬だなあ、と思ってたんですけど、ずっと折り合いを欠いたままで潰れてしまいました。今絶好調の北村友一騎手鞍上ということで、しかも愛馬クロノジェネシスと同じバゴ産駒。夢を見てしまいました。次仕切り直し出来たらいいんですけれど。

さあ、今回勝ったアドマイヤズーム。近年ドウデュースを除くとなかなかスケール感ある大物が出ていない朝日杯ですが(ジャンタルマンタル頑張れよ)ズームくんはなんとも将来に期待してしまうくらいの勝ちっぷりでした。皐月賞行くなら楽しみだなあ。



今日の競馬のお話。   

今朝一番に、岩田パパの騎乗停止の情報が流れてきました。理由が説明されてないもんだから、なにやらかしたの!? とハラハラしていたわけですが、次第に流れてきた情報でどうやら前日に乗っていた中京競馬場から、今日は京都で乗るのでレース後に移動していたのですけど。その際にスマホでユーチューブのミュージックビデオを視聴した。それが違反ということで、30日の騎乗停止になったそうで。
移動中もスマホ使ったらダメなの!? いやまあ、そりゃ言われてみたらダメっちゃダメなんだろうけど、でもこれ禁止の理由が八百長に繋がらないように、というのが一番大きな理由なんですよね?
競馬場間の移動の間にどれだけ沢山の人間と接触するのか、大都市から大都市に一人で公共機関を使って移動するんですよ。やろうと思えば、なんぼでもやり取りできるじゃないですか。スマホ使う使わないという事に、何の意味があるんだ? しかも、コメント機能があるからといってユーチューブ見ただけで。
ちゃんと動画や音楽を利くための端末が用意されているみたいですし、スマホの利用自体にも地図や公共移動機関のルートを調べるとかはOKなど絶対に使っちゃだめというわけじゃないみたいですし、ルールとして縛りがある以上、それに違反してしまった岩田騎手に制裁が与えられるのは仕方ないのでしょうけれど、でもなあ。流石に今回の件はルールが現実の実情にあってないんじゃないですかね、と思ってしまいました。
何人かの騎手が、今日岩田騎手のジョッキーパンツを履いて出走してたみたいですね。騎手サイドにも思う所ありそうな感じ。
いい加減ちょっと考えないといけないと思いますよ、JRAは。



朝日杯の前に同日中京のメインレース「コールドムーンステークス」で、フリームファクシが圧勝しましたね。
フリームファクシと言えば、三歳時にきさらぎ賞を解消して、春はクラシックの有力馬の一頭に数えられた馬でした。
名前のフリームファクシってのがね、北欧神話の馬の名前が由来なんですけれど、エースコンバットに出てくる「シンファクシ級潜水空母」ってこれがまた強烈な印象を残した敵ボスが居たんですけど、名前の由来となる神話が一緒なもんで、デビュー当初からこの馬名前いいなあ!と気に入ってずっと気にしていたんです。
残念ながらクラシックはあまり走らず。皐月賞は四番人気にまでなってたんですけどね、結局皐月は9着。ダービーは10着。以降も重賞を走っていたのですが、いい成績は残せないまま今年の後半はリステッド競走に流れてきていました。そこで2着3着と惜しい結果は出していたんですけれど、もひとつパンチ足りなかったんですよね。
そこで、目先を変えたのか、今回ダートに初挑戦。ミルコ・デムーロがダートがいいよと進言したという話もあるみたいですね。
しかし、ここで背負わされたのが負担重量59キロ。当然出走馬で一番重いハンデです。しかもこれが初だとやってみないとわからないところが多分にある。血統的にはダートもいけるみたいなんですけどね。母親の兄弟にはダート重賞勝ってる馬が二頭も出てますし。
とはいえ、このコールドムーンS。なかなか実力馬が出揃ってて、1番人気だったスマートフォルスを筆頭に近走でかなりいい成績を積み上げてきていて、ここで勝って重賞戦線に殴り込んでやるぜ、という若くて活きの良い四歳の上り馬たちが集まってたんですよ。そろそろ下り坂のロートルだったり、最近いい成績残せてないくすぶった馬、というんじゃなくて。
OP特別ではありますけど、ここ勝ったら重賞でもそこそこ上の人気に食い込めそうな、そんな挑戦権をもぎ取れそうな実力と勢いの揃った馬たちが出てるレースだったわけです。

そこで、一頭だけ持ったまま悠々と抜け出し、他馬を置き去りにしてほとんど追われることもなく4馬身の圧勝できさらぎ賞以来の久々の勝利を奪ってみせたのです、フリームファクシ。
鞍上のミルコは、なんにもしてないよー、乗ってただけ、というコメント。いやマジで乗ってただけだったなミルコ。何もする必要がなかった。59キロですよ? これは本当に強かった。
これなら、ダート重賞でも間違いなく勝ち負けですよ。えっ、こんなダート界の新星登場ってある?
まだ今回のレースでは砂をかぶるような展開にならなかったので、顔とかにバッサバッサ砂ぶつけられた時にどういう反応になるか、とか考慮するところはあるんですけれど、来年のダート界。王者レモンポップこそ引退しましたけど、まだまだ健在の古馬たちにフォーエバーヤングやヤマニンウルスといった新世代の台頭と盛り上がってるところに、まさかの新興勢力が殴り込んできましたよ。
フリームファクシ、これは来年が楽しみです。

香港国際競走 レース回顧  

今年も年末暮れの定番イベントとなった香港でのG1祭りが繰り広げられました。
香港はシャティン競馬場にて行われるレース。今年日本馬が参戦したのは、
香港ヴァーズ 芝2400
香港スプリント 芝1200
香港マイル 芝1600
香港カップ 芝2000
この4レースでした。
それぞれ、ヴァーズには桜花賞馬ステレンボッシュとG2大賞プラダリア。
スプリントにはスプリンターズSの覇者ルガルと同レース2着のトウシンマカオ。そして夏のスプリント王者サトノレーヴが参戦。
マイルには念願のマイルチャンピオンシップを勝ったソウルラッシュとNHKマイルCの勝ち馬ジャンタルマンタル。
そして香港カップには三冠牝馬リバティアイランドとダービー馬タスティエーラが。
今海外に出向けるメンツとしてはそれなりのメンバーだったんじゃないでしょうか。とはいえ、例年と比べてもあまり勝てる気がしないのも確かだったのですが。
なんせ、スプリント戦には怪物カーインライジングが。
そして香港カップには日本に来て安田記念をかっさらっていった無敵超人ロマンチックウォリアーがいましたからね。日本のメンツも現役ではトップクラスではありますけど、リバティは全盛期からは外れてしまい、タスティエーラもやっとこ復活してきたとこ。ステレンボッシュはまだ未知数。この中ではソウルラッシュが脂が乗ってるところかなあ、というくらいで。
その印象からすると、むしろみんな頑張ったっすよ。もっと惨敗するかもとすら心配していましたから。
それが結果を見れば、勝ちは出来なかったものの、ステレンボッシュは見せ場たっぷり、一瞬勝つかと思わせる3着。
一番厳しそうだったスプリントでも、サトノレーヴが維持みせて此方も3着。
マイルは、ソウルラッシュがだいぶ後ろからになってしまい大外ぶんまわしになってしまったのに、物凄い追い上げをみせてこれも2着。
香港カップでは、タスティエーラが逃げて3着。リバティアイランドが後方から差して2着と、全部のレースで馬券圏内入りましたからね。よくやりました、頑張りました。
でも、ロマンチックウォリアーとカーインライジングは馬鹿みたいに強かったなあ。あれはちょっと太刀打ちできんわ。特にカーインライジング。今の日本のスプリンターにこれに敵いそうなのおらんでしょ。事故なく成長し続けたピクシーナイトか、それこそグランアレグリアレベルでないと。

とりあえず、リバティアイランドがしばらく元気なかったのがようやく復調を見せてくれたのは良かった。最近、前で競馬しすぎてた、というのもあるんじゃないかな、と思ってたんですけどね。でも、今回に関してはあれはちょっと後ろ過ぎたよなあ。届きようがなかった。てか、ロマンチックウォリアーいつのまに前に来たんだ、あれ。直線に向いたらいつの間にかタスティエーラの隣に来てたの、いつ来たか全然わからんかったんだが。川田騎手は海外に出ると場や他馬の情報が不足しているというか慣れてないからかで、いつもの完璧なレースプランニングに若干の陰りが出るのか、普段よりも微妙に物足りない気がするなあ。いやこれ、日本国内でも競馬場によって顕著に結果出せてない競馬場や距離があるので海外に限らないのですけど。でも年を重ねるほどにそういう苦手が着実に克服されている傾向があるのも、これ経験とデータの蓄積が進んでるってことなんじゃないのかな。
でも、最近ちょっと調子の浮沈が大きいのも気になる。腰が悪いんでしたっけ、そのへんの影響もあるのかな。
タスティエーラも、天皇賞(秋)の2着に続いてこちらでもあれだけの激走見せられたということは、有馬記念から4歳の前半のあの絶不調をほぼ乗り越えられたと見ていいんじゃないでしょうか。
父親のサトノクラウンと同様に香港が合っていたのかもしれませんけど。もっかい大阪杯や宝塚記念への挑戦が楽しみ。


第76回阪神ジュベナイルフィリーズ G1 レース回顧   

2歳 オープン (国際)牝(指定) 馬齢 京都競馬場1,600メートル(芝・右 外)

同日中山11レース。カペラステークス(G3)にて、吉田隼人騎手騎乗のガビーズシスターが勝利。
吉田隼人騎手は、4月にレースで落馬して騎手として復帰できるかという大怪我を負ったものの、10月にはレースに復帰していたんですね。そしてこのレースにて重賞勝利の見事な復活劇。
よく帰ってきてくれました。


さあ、ジュベナイルフィリーズですよ。
今年は京都競馬場での開催ということで、これ来年の桜花賞(阪神開催)と果たしてどうリンクしてくるか判断が難しくなってくると思うのですけれど、とにかく今回は京都です。
しかも、荒れに荒れた馬場は完全に先行有利。本日の芝レース、片っ端から前の馬が勝ってましたしね。今日だけではなく、全体の傾向として半分より前にいないと勝てないよ、というデータが出ちゃってる。
京都は最後の直線、坂がないですから尚更前が粘れる。そして、外差しは4角で内ラチ沿いから馬場の真ん中に出てくるだろう先行馬に塞がれて、外も外にぶん回さないといけない。
不利は明らか、と思われたレースでした。

ところが、そう簡単には行かなかったんですねえ。想定通りになったりならなかったりするのが競馬の面白い所。

1番人気は王道路線アルテミスSを勝った2戦2勝のブラウンラチェット。今隆盛を極めつつある花形のキズナ産駒。アルテミスステークスの堂々たる勝利に新馬の頃からの評判といい、このメンバーの中では一頭抜けた感のある大物でした。
と・こ・ろ・が。風向きが変わったのが、調教後の馬体重が発表されたあたり。前走よりこの時点で二桁ほど体重減らしてたんですよ。さらにこの子、所属が東の美浦ですから、そこから輸送もあるわけで。まあこりゃレースではえらい体重減になってしまうだろうなあ、と。
実際、マイナス12キロとなってしまいました。もともと、新馬戦でも438キロと小柄な子だったのですけれど、そこからさらに428キロですからね。見た目はそんなガレてはいない、という出走前の様子ではありましたけれど、さすがにいけません。2歳の寒いこの時期にこんなに減らしてたらね。それに、阪神JFというレース自体、体重を大きく減らしてきた馬は人気馬でもコケる事が目立つと言われるレース。
最終的に1番人気は保ったものの、3.4倍にまで落ちてしまいました。前日オッズが2.5倍でしたからかなり落ちましたよ。

他の有力馬はというと。
デビュー前から重賞勝ちの姉が二頭いるわ、セールで高額買取されるわ、と評判の高かったショウナンザナドゥ。新馬戦こそ2着でしたが、次のレースでは5馬身圧勝と評判に違わぬ走りを見せた彼女ですけれど、アルテミスSでは惜しくも3着。この阪神JFの出走権はもぎ取れなかったんですね。そこで抽選となったものの、これを見事にくぐり抜けて出走権ゲット。
ブラウンラチェットに並ぶ大物としては、彼女以外ありませんでした。

また新潟2歳Sの2着コートアリシアンが3番人気。
2歳G1では海外からの参戦はこれが初めて、というメイデイレディが、これも世界の頂点に近い騎手であるデットーリを鞍上に4番人気。
そして札幌2歳Sの2着馬アルマヴェローチェが、これ重馬場の荒れ馬場だった札幌で2着だったのが評価されたんですかね。5番人気、というところでした。

レースはスタート直前に11番のクリノメイが立ち上がって尻もちをついてしまい、急遽ゲートから出されて軽く馬体チェックのあと、外枠発走に。
発走は出遅れらしい出遅れはなく、スタートの上手さに定評のあるミストレスが、評判通りにポーンと出てそのまま先頭。ただモズナナスターとリリーフィールドもかなりイイスタートを切ったんで、ミストレスをすっと行かせた形にはなったんですけれど、そのままスピード落ちなかったんですね。
スタートから最初のカーブに入るまで、傍目にも相当早く走っているように見えました。ペースが緩まなかったんですよ。最初の3Fが34.2。1000メートルで58.5ですからね。2歳牝馬戦の今の京都でこれはだいぶ流れたんじゃないでしょうか。
そのせいか、この時先頭集団を形成して馬群を引っ張った馬たちは結果苦しくなりました。
見てると、上位入った馬たちはこの先頭集団を前に見る中団前目の位置にいるんですよね。後方になりすぎず、しかし前ではない、という位置取りにいた馬たちがベストな位置から一番伸びた。
それが、勝ったアルマヴェローチェであり、3着のテリオスララであり。2着のビップデイジーは幸さん絶妙な乗り方したなあこれ。この馬だけ後方に位置していたんだけれど、内で脚をためて4角でも外に持ち出さず、直線に入ってからスーっと荒れてない外まで馬を持ち出してゴーサイン。そこで外から強襲してきたアルマヴェローチェと併せ馬の形になって二頭でうちの馬たちをごぼう抜きする形でゴール。
こうしてみると、アルマヴェローチェ4コーナーで一旦位置下がっちゃってるんですよね。一手遅れせたんじゃなくて、下りの加速に一瞬ついていけなかったようにも見えるし、随分と外を回ってロスも多かったように見える。でも、そこから一気に全部抜き去ったんですから、これは馬が強かったのでしょう。母父ダイワメジャーのハービンジャー産駒ですか。これ、ナミュールと同じ系統になるんですかね。マイル路線ですこぶる走りそう。
岩田望来騎手は、これがようやくの初G1。団野・菅原と今年は同期がG1勝って活躍してたですから、置いていかれた感強かったでしょうし、今年中に一つ取れたのは嬉しかろうなあ。活躍のわりにどうにもずっとG1の壁を感じさせる結果が続いていたので、これを期に殻を破るかもしれませんね。
2着のビップデイジー。レースとしては勝ったアルマよりもいい運びをしたと思うのですけれど、惜しかったなあ。ちっちゃい身体でいい走りしましたよ。
3着のテリオスララは、粘るショウナンザナドゥをゴール際に躱して入線。この子も前走からマイナス10キロでどうかと思ったんですが、これむしろ身体が絞れた結果だったのかもしれませんね。
4着のショウナンザナドゥは先行策が今回は裏目っちゃったか。コメントでも流れ早くて最後しんどくなった的な事を言っているし。想定通りなら、ほぼベストの所で走ってたと思うんですけどね。
5着には16番人気のスリールミニョンが掲示板まで乗ったのは立派立派。後方一気にかけたんでしょうけれど、永島まなみ騎手これがG1は2回目の騎乗になるんでしたっけ。肝据えてよく走らせたんじゃないでしょうか。

アメリカ馬のメイデイレディは、これ海外馬らしくスタートからテンは早くない、行き足つかないだろうなあ、と思ってたら思いの外グイグイ行って前の方につけられたんですよね。おおっ!?と思ったんだけれど、この子も逆にこれ展開が向かなかった。この流れの速さでは全然最後まで持たなかったですね。
1番人気のブラウンラチェットは、まさかの16着。今回の体重減は響くだろうな、と思ったけれどこんなに負けるとは思わなかった。レース前の段階で他馬を気にしてた上にレース中も揉まれてやる気なくしてしまっていたみたいなので、若さと体重減らした故の精神面での余裕の無さみたいなのが出てしまったのかもしれません。とりあえず、こんだけ負けちゃうともう一度出直しですねえ。来年のトライアルでどれだけ巻き返せるか。

冒頭にも書きましたけれど、今回の阪神ジュベナイルフィリーズは阪神と冠ついているのに京都開催です。例年なら、ちょうど桜花賞と同じコース設定なんで、参考レースとしても大きな意味を持つのですけれど、京都開催な上に馬場が今特殊な状態ときたもんだ。果たして、このレースの結果がどれほど本番の桜花賞に参考になるのか。
とはいえ、あのアルマヴェローチェの勝ち方は実力ないと出来ない勝ち方でしたからね。さあ来年どうなってくるのか、彼女が主役となれるのか。楽しみですねえ。
そして岩田くん、G1初勝利おめでとうございました。





第25回チャンピオンズカップ G1 レース回顧  

3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 中京競馬場1,800メートル(ダート・左)

有終の美、レモンポップ引退レースを無事勝って終わりました。最後まで強かったなあ。
これで18戦13勝2着3回。馬券外に飛んでしまったレースはドバイとサウジの海外の二戦だけで、国内ではパーフェクトでありました。
お尻の大きな男の子、というチャームポイントもあり、レモンヒップとか、レモンじゃなくてデーモンだ、などとも言われた事もありましたけれど、ホントにダート界のスターでありましたよ。
これで、適距離は1400って言われ続けてたんですよね。マイルの1600でギリギリ。1800になると苦しい、と言われ続けてそれでもチャンピオンズカップを連覇というトランセンド以来の記録を達成。地方競馬のjpn1を入れてG1を6勝。すごい馬でしたよ。

これで種牡馬入り、なんですけど、レモンポップのお父さんってレモンドロップキッドというアメリカの種牡馬で、レモンポップはマル外に当たるんですが、実のところレモンポップ以外の産駒って日本では殆どろくな成績残せていないんですよ。OP特別も勝ってないのかな? 明らかにレモンポップだけが特別な存在なのです。
果たして、唯一日本のダートにフィットし化け物級の活躍を残した彼の産駒が、同じように日本の馬場に適した血統を残していくのか。これも新たな楽しみのはじまりですね。

2着3着も面白いことに去年の同レースと全く同じウィルソンテソーロとドゥラエレーデが入線。
特にウィルソンテソーロは後方からの猛追で、ゴール際レモンポップを躱したかという勢いでありました。川田がまた抜群の騎乗なんですよね、これ。今回のレース展開、前有利だったと思います。特に外に回して差しを狙った層はかなり苦しかった。ところが、川田騎手は大外にぶん回さないんですよ。これ、どこにルートが開くかとかの見極めとか、自分の馬の位置取りによる誘導的なものが傑出してるんでしょうね、この人。
同じくとんでもねーイン突きを見せたのが、ドゥラエレーデのライアン・ムーア。ヴェラアズールのジャパンカップを彷彿とさせる最内からの猛追でした。このムーアの激励に応えるドゥラエレーデも凄い。この子、ダートではだいたい番手につける先行型でやってきたのに、今回完全に後ろからになっちゃったんですよね。にも関わらず、いつもの戦型でないのにこの走りですよ。走法も自在なのか?
4着にはハギノアレグリアス。もう7歳なのですけれど、ダート戦は年齢重ねてても走る馬は走るのですが、それにしてもこのコは衰え知らず。ずっと堅実な成績残し続けてる。
5着にはペプチドナイル。馬群の中に入れられるとシュンとしてしまう子なんで、4番という枠順は危惧されたんですけれど、最初ミトノオーに外から被せられたとはいえ、あんまり包まれない馬群の形の3番手あたりにつけることが出来たので、馬群の影響はなかったんじゃないかな。藤岡騎手のレース後コメント見ても、ポディションは悪くなかったと言ってますね。ベストはやはり1600なのか。
6着はサンライズジパング。ありゃ、手前変えられなかったのか。それが伸びなかった要因なのでしょうか。まだ三歳の若駒だけに、経験値が出ちゃいましたかね。逆に言えばまだ3歳でこれだけの成績残しているのですから、ダートで走るならばまだまだ長い現役生活、どこまで伸びるか今から実に楽しみな馬です。

ミックファイアは最近うるささがかなり出ちゃってレースに影響が出るまでになっちゃってますねえ。これだといかなルメールでもどうしようもないでしょう。
ガイアフォースはスタートで滑ったのかぁ。展開的にも後方で大外から、というのは厳しかったでしょうけれど、そもそもスタートでやる気損ねちゃっていたのかもしれません。ブービーはさすがにね。

なにはともあれ、レモンポップお疲れ様でした。次代は、ウィルソンテソーロが引き継いでくれるでしょうか。それとも、ペプチドナイルとドゥラエレーデが来るか。サンライズジパングが新星となってくるか。はたまた古豪が盛り返してくるのか。
いやさ、東京大賞典に出走する面々に、フォーエバーヤングやデルマソトガケだっています。海外路線、地方路線と色々とあるダート界ですが、大いなる星がさっても面白さは衰えず、ですよ。



第58回スポーツニッポン賞ステイヤーズステークス G2 レース回顧  

3歳以上 オープン (国際)(特指) 別定 中山競馬場3,600メートル(芝・右 内2周)

さあ、JRAで一番長い距離を走る重賞レース、名物レースですよ。
これ、スプリント戦3回分走るんですよねえ。めちゃ長いです。今回のタイムは3:46.7ですから、ほんとに長い。
当然のようにスローペース。でもだからこそ、駆け引きが面白い。勝負どころ、どこで仕掛けるのか。
昨今、レース映像では馬群の走るスピードが時速表示で出るようになったんで、数字であっペース上がってきた!というのがわかるんで、なおさら見ててレースが面白くなりましたね。
時速50キロ前半台で走っていたのが、最初のゴール板通過となる正面一周目の際に微妙に早くなって時速58キロから60キロくらいになるんですよ。これ騎手が意識しているのか、馬たちがあれ?最終直線じゃないの?と意識したのかわからないですけど、面白いなあ、と。
そして再び50キロ中頃から前半にペースが落ちついて……向正面からゴールデンスナップが動き出し、また後方に居たサンライズソレイユとメイショウブレゲがにわかに捲って外側から位置を押し上げていくのですよ。
それを機に、一気に馬群全体の速度が60キロを越えて加速していく。これが残り1000メートル。いつの間にか馬群が一団へと凝縮していきながら、直線へとなだれ込む。
4角大外から一気にまくりあげていくサンライズソレイユ、ここは見せ場でしたねえ。脚色次第ではこのまま先頭まで躍り出るか、と思える勢いでした。
が、残念ながら直線半ばで力尽きてソレイユは6着まで。約残り1000メートル近くからの超ロングスパートでしたからね。いくらスローペースだったとはいえ、流石に3,600メートルの長丁場にロングスパートはキツかったか。
これはゴールデンスナップも同じくで1番人気のスタミナおばけな女の子でしたが、4着まで。ブレゲは仕掛けが後ろ過ぎましたね。一番伸びましたが5着。
もうベストもベストの位置取りだったのが、2番人気。前走京都大賞典を勝ったシュヴァリエローズでした。手応え十分で直線入ったところで先頭に躍り出ましたからね。こりゃ勝ったわ、とこの時点で思いましたよ。
外から一頭、もの凄い勢いで差してくる馬の姿を見るまでは。
8枠13番シルブロン。単勝102.0の12番人気。鞍上は剛腕で知られるマーカンド。もうマーカンドがしごくしごくっ。それに答えてグイグイグイグイとシルブロンが伸びる伸びる。これぞ豪脚、それを引き出す騎手の豪腕。
1頭抜け出していたシュヴァリエローズを見事にゴール板通過のタイミングで捉え……まったく同時にゴールイン!!
加速して一団に固まった1000メートルあたりから、見応えしかない迫力のレースになりました。
いやあ、ゴール写真見ても全然どっちが勝ったかわからんかった。
写真判定のあと、出た結果はシュヴァリエローズの鼻差勝利。いや本当にハナ差もハナ差。何センチだこれ? 
シュヴァリエローズは冷や汗ものでしたけれど、文句なしの競馬で見事な勝ちっぷりでありました。
シルブロンはほぼ勝ち同然の2着。でも、重賞勝ちではないんですよね、ハナ差で。昨今では珍しくなったトーセンジョーダン産駒の、初重賞は残念ながら届かずでした。でも、一世一代の走りでしたよ。頑張った。
3着には、騙馬8歳のダンディズムが内のいいところをスルスルと抜けてきて、ゴールデンスナップやメイショウブレゲといった外差し勢を抑えて入線。もう8歳なのに、ずっと安定した成績残しているの地味に凄いなあ。未だに重賞勝ちがないんだけれど、G3クラスだと油断すると2着3着まで入ってくるので大したやつですよ。中央で走っているマンハッタンカフェ産駒では最後の現役馬。今後どうするのかわかりませんけれど、走れる限りは走るのかな。頑張ってほしいものです。



 

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