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竹井10日

肉の原見さん ★★★☆   



【肉の原見さん】  竹井 10日/あるみっく MF文庫J

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お肉大好き原見さんは、肉以外愛せない!

「JCとメシを食いに行ってくれ!!」唐突に“未来の俺”を自称する老人が現れて俺に懇願してきた。もちろんこんな怪しい話には取り合わなかったものの、むりやり連絡用のアプリを入れられてしまった――ってなことがあったんだよね~、と幼馴染の原見に話すと何言ってるのかわからないという顔で行くのを止められる。当然か。でもどんなJCが来るんだか気になって当日待ち合わせ場所でアプリを開くと、指定の場所は高級焼き肉店。「お肉だね!?早く!! お肉だよ!?」そしたらお肉大好きな原見が超絶乗り気に!? 待て待ていくらなんでも怪しすぎるだろこれ!? だけどお肉が地球を救う!? 少し不思議なグルメラブ・コメディ、開幕


マジでただひたすら肉食ってるだけだったんですけど!?
そして、ただひたすら肉を喰うマシーンと化している原見さん。この女、幼馴染で八百屋の娘、という以外の情報がほぼ「肉を食う女」という以外皆無に近いんですけど!?
肉ならば無限に食える女。肉を喰う店に入って肉以外を喰うこと(特に野菜)へ憎しみに近いナニカを抱いている女(八百屋の娘)。肉の食い方については一家言以上のナニかを持つ女。あらゆる高級肉料理店の常連と化している女。肉について語らせたらいくらでも多弁になる女。肉を喰うためなら何がどう辻褄のあわない事態が起こっても気にしない女。
つまり、ただひたすら肉を喰う女、それが幼馴染の原見桃さんである。
……こいつ、主人公とどういう幼馴染関係なのかもちゃんと話題にあがってこないんですけど!?
いやこれ、主人公の美澄渚の家庭環境ってかなり錯綜したものになっていて、普通に幼馴染がいるのが若干疑問に思えてくるものでもあるんですよ。原見さんとの幼い頃のエピソードとか一切語られないし、隣に住んでるという環境でもなさそうだし。ちょっと謎があるんですよね。

そして、怪しい老人(自称未来の自分)の指定によって肉屋に初対面のJCと肉を食べに行ったことで……なぜか世界が改変されるという結果が!
肉食いにいったら歴史が変わっていて、肉食いにいった美澄くんと原見さんとJCの雛鶴の記憶だけが元のまま変わっていないとか、どういう理屈なんだ? ほんとに肉食ってただけだぞ?
これは肉屋に食いにいったことで因果が変わる、というわけではないのは、次の話で別の肉屋に別のJCペコリーヌと肉を食べた際には、すでにペコリーヌと出会っていた時点で時間軸がネジ曲がっていた事からも明らかなので、ほんとどういう事なの? という話なんですよね。

ちなみに、食べに行く肉屋は一話の鉄板焼屋、二話のシュラスコと両方実在のお店である。秋葉原の肉の万世タワー10階、って今は営業していないのか。
いやこれ、値段すげえんですけど! 自分の金じゃないからって、原見さん食いすぎなんじゃね!?と思うくらい高いんですけど。JC雛鶴があまりに値段の高さに震えが止まらなくなってますけど、こんなん学生じゃなくても震えが止まらんくなるわ! 
「シャトーブリアンのあとだと普通の黒毛和牛はデザート感覚で食べられるね!」
震えが止まらんくなるわ!
いやでも、肉スゲえわ。めっちゃ美味そうだわ、肉。考えてみると、こんなガッツリ肉食ってないわ、最近。料理の中に肉が入っているというのはそりゃ珍しくないけど、こんなガッツリ肉がメインの料理って食べてないわ。
読んだ時晩飯後だったのですが、あまりに美味そうな肉の焼き具合に、こう匂いまで漂ってきそうで肉の柔らかさと焼き加減が伝わってきそうな肉語りに肉を焼く描写に肉を喰うレポートに、肉……肉喰いたい! てなりましたからね。
まあそのあとで、こいつらの食べた料理の値段の総額を想像してヒュンとなるのですけど。特に原見、コース料理をハシゴてどういう事なの? ロースとヒレの食べ比べって正気なの!? ちなみに、コースそれぞれ2万円とか3万円とか超えております。最初の注文の段階ですでに三人前で10万円超えてたんですけど。それからどれだけおかわりした? マジでなんぼ掛かったんだ!?
そしてそういうのを一切気にせず、ひたすら肉を喰うことに傾注する原見桃の肉への凶暴なまでの食欲の恐ろしさよ。ちょっとでも邪魔すると殺されそうなくらいの殺気!
……この人、確かヒロインなんですよね? ガチで肉しか食ってないんだけど?

そして、二話目は別のJCペコリーヌちゃんと行くシュラスコというブラジルらへんの南米料理のお店。肉串! シュラスコって食べたことねーわ!
というわけで、常連の原見さんの案内のもと初体験のシュラスコ料理のお店「バルバッコア」での肉三昧! いや、どんだけ喰うんだよ!? いくら食べざかりにしても限度があるぞってくらい食べてるんですけど! 若者ってそんなに喰うのか? 異次元の原見さんはともかくとして、彼女に引っ張られて美澄とペコリーヌも尋常じゃなく食ってるぞこれ。あー、でもこんないろんな肉が次々と皿の上に来るとか、食べるわなあ、食べるよなあ。肉のラインナップがすげえですわ、美味しそうですわ。ジューーって肉汁が〜〜。

結構、展開としては驚きというか何事!? なことが起こっているはずなんですけど、そういうのを押しのけてなんかもう「肉!」でした。文字通り肉喰うだけでしたが、それだけ何となく満足感を与えてくれる非常に肉肉しい密度のグルメレポートでした。
主人公の美澄くんも、竹井作品の主人公らしくいつもの奇人変人なのですが、肉を喰う原見さんの押し出しの強さが尋常じゃないだけに、あんまり目立たない……というのは冷静に考えると狂気だなあ。
なんか、肉を食いにいかないと世界が滅びる的な未来が待ってそうなのが……え? 肉食いに行くのに原見さんを連れて行かない、というハードモードをクリアしないと行けないの?
肉食いに行くけど原見お前留守番な! とか、じゃあ死ね!でバッドエンド直行じゃないの? 普通に殺されて終わりじゃないの? 無理ゲーじゃね?
あと、さらっと巴御劔さんが登場していて、吹いた。ちなみにこの巴御劔という人は竹井10日作品の大半に登場する(名前が違う場合もあるが)非常に重要なキーパーソンである。彼が登場したということは、彼の干渉がある世界なのかこれ。

それはさておきなにはともあれ……肉、喰いてぇ。
人よ、人類よ、肉を喰え! という思想に染め上げられる肉ノベルでした。肉でした。


竹井10日・作品感想


誉められて神軍 3.尾張名古屋は零で持つ ★★★★  

誉められて神軍3 尾張名古屋は零で持つ (講談社ラノベ文庫)

【誉められて神軍 3.尾張名古屋は零で持つ】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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一夜にしてファンタジー世界へと変貌した現代日本―各地に様々な勢力が割拠するなか、新宿市国軍中将・御神楽零は“誉めて伸ばす能力”を駆使し連戦連勝。着実に権力中枢へと昇りつつあった。そして近隣の有力国家“富士帝国”の宣戦布告を受け、零率いる新宿市国軍は雷帝こと十四代しおり子率いる富士帝国軍と交戦開始。激しい攻防を経て零としおり子は相討ちとなり富士山火口へ消えた…だが直後零が目覚めた場所は、よく知る現代日本の“舞姫道場”だった。高校生として旧知の仲間に再会した零は、世界の危機を回避するため、密かに動き出す。やがて知る日本ファンタジー化の真実とは!?さらに事態は急転直下、竹井10日が放つ独創ファンタジー戦記第3巻!
現実世界に戻ったあたりから、突然なんか話の回転が早くなってきたのでこれまさか、と思ったら3巻打ち切り、俺たちの戦いはこれからだー!じゃないですか!? うわぁ、なんでだぁ。
この零くんの面白堅いキャラクターや誉めて伸ばす能力、というものが竹井作品の中でもかなり面白い部類だっただけに、勿体無いもどかしいヨミ足りない!! このファンタジー化した日本のアリスソフト的な世界観もめちゃくちゃおもしろかったんだけれどなあ。
以前の「がをられ」シリーズが重層的な謎によって構築された世界観が、紐解かれていくことによってその壮大にして想像を絶するスケールを明らかにしていったように、本作もファンタジー化した世界の謎、それに関わる零くんの両親という因果など、現実世界に戻ったことで幾つもの謎を解く鍵が見つかると同時に、同じく現実世界の記憶を持っていた同士ともいうべきしおり子との合流、そして現実世界にてさらに積み重なっていく謎。とどめに、戻ったはずの現実世界がファンタジー世界に徐々に侵食されていくという危機的展開。同時に、零たちが居なくなった、というか元から居なかったように改変されたファンタジー世界の方でも、零のことを覚えている人たちを中心に動きが起こり、と物凄えいいところで終わってるんですよね。これ生殺しだ、生殺しだぁ。
零ちゃんの能力、誉めて伸ばすという能力はいわゆるドーピング、というよりもバフの類いなんだけれど、単純にステータスをあげるようなものじゃなくて、かなり柔軟性があって発想次第で効果の発揮のさせ方が幾らでもある、という代物で、さらに人物相手限定じゃなくて無機物にまで効果があるというもので、これやりたい放題というよりも本当に発想の勝負という感じでその使われ方、毎度面白かったんですよね。一応使用回数も決まっていて使い所も考えないといけないし。
題材もキャラクターもストーリー展開もネタも世界観も全部好みで楽しかっただけに、ここで強制終了というのは本当に残念です。残念です。

シリーズ感想

魔導GPXウィザード・フォーミュラ ★★★   

魔導GPXウィザード・フォーミュラ (角川スニーカー文庫)

【魔導GPXウィザード・フォーミュラ】 竹井10日/魔太郎 角川スニーカー文庫

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世界中の魔導騎士達を運転手とした超高速マシンによるレースの祭典“WFグランプリ”。魔王を討伐した元英雄アーティスは、ある理由からこのレースにドライバーとして参加することになった。相棒であるナビゲーターのセナリィとコックピットに乗り込んだアーティスは彼女の爆乳を揉み…「はぁぁぁんっ!…い、…イっちゃ…!」そう、WFとは、ドライバーとナビゲーターが密着しHな気分になるほどスピードが増すマシンだった!
これ、ぶっちゃけどうやって運転しているとかあんまり考えてないでしょ! どう考えても運転そっちのけでエロいことしてるんですけど。ってかそれ以前に前向いてないしハンドル握ってる場合じゃないし、体制的に誰も運転してないんですけど!
というごちゃごちゃした話はどうでもいいんですけれど、一番驚いたのがエロいシーンがちゃんとエロいというところだったりします。作者の竹井10日先生は、元々エロゲのシナリオライター出身ですからもちろんヒロインのHシーンなんかも多く手がけてます。私も葉鍵時代の出身ですからして、当時は色々プレイしましたし当然「Marron」時代の竹井先生が手掛けた【秋桜の空に】と【お姉ちゃんの3乗】はやりましたよ。やったんですけどね、あれってエッチシーンになると趣向がなんというか、やばいくらいマニアックな変態入ってて、エロいとかエロくないとかいう以前に「変態!」という印象しか残ってなかったんですよね。もう随分と前の話なんで、そりゃ細かい部分は覚えてないのですが、「あれはやばかった」、「ドン引きだよ!」というイメージがくっきり焼き付いている時点で、相当だったはずである。
なので、本作のまともにちゃんとエロいシーンがあるコト自体に、時代の流れというものを感じてしまった。作風って変わるし、変われるのよねえ。……いつ、アーティスが寡黙で真面目な青年から鬼畜勇者に変貌するか違う意味でドキドキしていたんだが、エロエロドライブシーンに突入しても変貌せずに真面目なままで安心したのでした。でも、真面目な分こいつ全然容赦とか遠慮とか躊躇とかしないのね。相棒の性的興奮を高めるのが勝利への筋道だと認めるや、もうガンガン攻める攻める。恥ずかしがったり照れたりせず、冷徹にガンガン攻めまくるあたり、むしろこれも鬼畜の一つの形なんじゃなかろうか、と思えてきてしまった。さすがは勇者である。
世界観的には、アーティスが魔王討伐をやってた頃は普通に中世レベルの文明なのかと思ってて、アーティスが未来に飛ばされてしまうという展開なのかと思ってたら、普通に戦後数年してフォーミュラーカーのレースが始まってて吹いてしまった。いやいやいや、車あるの、この世界!? レース実況なんかも普通にやっているので、そもそも文明レベルわりと近代寄りだったんでしょう。社会形態は、王家を中心に封建領主が各地を統治しているような世界のようなんだけれど、あんまり気にせずノリでそういうものだ、と受け止めたほうが楽しい世界なんだろう、これ。
アーティスも例によって竹井作品の主人公らしく、眼が死んでるタイプなんだけれど、そうなった経緯が他の目が死んでる主人公と比べても、わりと王様だけが悪くてその悪意によって割を喰ってるという境遇故みたいなところもあるし、世間からの評価は未だヒーローそのもので、彼がレースのスターとして活躍することは彼自身が抱えているものを払拭するのに一番効果的でもあるので、わりと眼が生き返るまでのリハビリは早急に進みそうな感じがする。
レースの模様はこれなんだろう、タイムを競うレースというよりも他のチームの車を直接攻撃してぶっ倒すような展開になっているんで、真面目にフォーミュラレースとして見るんじゃなくて、チキチキマシン猛レース的な受け止め方をすると、素直に楽しい気がする。やたらと出てくる他の車のドライバーコンビも、総じてイロモノばっかりだし。
一応、他の竹井10日作品とはつながってない、ように見せかけてマシンにギルガメスの「センティア」と「SBD」の名前が一緒についていたり、アーティスが使う魔法剣の名称に、他の作品に出て来る連中の名前が付与されてたり、とまったく無関係ではないもよう。単に、名前流し込んで楽しんでるだけかもしれないけれど、それはそれでニマニマできるので、オッケーオッケー。

竹井10日作品感想

誉められて神軍 2.富士帝国への道 ★★★★  

誉められて神軍2 富士帝国への道 (講談社ラノベ文庫)

【誉められて神軍 2.富士帝国への道】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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とある事件により、一夜にしてファンタジー世界へと変貌した現代日本―割拠する勢力のひとつ、軍事国家・新宿市国の准将、御神楽零は“誉めて信ばす能力”を駆使することで、誰もが一目置く存在となった。
零率いる御神楽旅団の遠征中、「新宿市国にて叛乱発生」の報が届く。姉・ゼネットを伴い市国へ戻った零は、叛乱の首魁捕縛のため進撃開始。向かうは“茨城”―エルフの住まう深い森にて零と千歳、萌ら麾下の騎士や魔導師達が出会った“古代エルフの遺跡”の秘密が、皆を苛烈な(そのうえバブみとダダ甘に満ちた)運命へと誘う。戦い続くなか日本ファンタジー化の秘密に近づく零の前に、新たな敵も現れて…竹井10日が放つ独創的ファンタジー戦記第2巻!
似非ファンタジー日本、やっぱりこの混沌具合は見てて面白いなあ。
「地の精霊ノームの一族の里。つくば研究学園都市」!!
「つくばから秋葉まで、ドワーフの敷いた線路を走るトロッコ列車「つくばエキスプレス」
常磐道もドワーフが作った街道ということになってるし、茨木はエルフの里。北茨木はダークエルフの女子校があり、「あみプレミアムアウトレット」というエルフの神殿と化したショッピングモール。あみプレミアムアウトレットって調べたら実在するやんw
「ショッピングモールまで乗ってきた馬を繋ぐための馬繋場」、というパワーワードw
そのエルフの神殿であるショッピングモールに、今ゾンビの大群に追われて立てこもってるんだから、もうシッチャカメッチャカである。実に楽しい。
しかし、那須ハイランドパークがダークエルフの女子校になってるのか。まさに栃木と茨木の争いw
いやそれはいいんだが、なんで竹田城跡がエルフの神の城になってるんだ。竹田城跡は兵庫だぞ、兵庫。でも、空飛んで移動しているから兵庫から茨木まで浮遊してても不思議はないのか。一応日本全土を周回している、という事ちゃんと書いてあるし。いや、十分不思議だよ! ってか竹田城跡が幾ら天空の城だからって実際に飛ばすなよw ちなみに竹田城、西洋風の城になってますw 人呼んで風雲竹田城……。
それをいうと、牛久大仏も牛久女神像になってるんですが。
まだ登場してないけれどさり気なく一番ショックだったのが、サラリーマン傭兵団。きっちりスーツ姿で決めてる傭兵団なのかと思ったら、全員ネクタイ頭に巻いてるとか。ビジュアルが凄まじく恐ろしいんですが!

いきなりのクーデター騒ぎで、以前から目の上のたんこぶだった元帥二人が退場となってしまったので、案外あっさりと軍での出世の障害が取り除かれてしまったんですよね。もうちょっと権力争いまともにするのかとも思ったけれど。でも、どんどんと関東各地に足を伸ばして各勢力と接触を重ねていく以上、あんまり新宿市国内部でグダグダやっているのも展開が遅くなるということなのでしょう。各地に足を伸ばすたんびに、仲間も増えていってますしね(全員女!)
このあたりはシミュレーションゲーム的で実に楽しいのですけれど、やはり焦点となるのは「日本ファンタジー化の謎」ということなのか。嫌がらせしてくるモブキャラか、と思われていた諸見里元市長が思いの外重要なキャラクターということが明らかになってきたし、むしろ裏に潜ったことでフィクサーとして暗躍し始めてけっこうたちの悪い敵キャラっぽいのがわかってきたからなあ。銀英伝のトリューニヒトをさらに悪意と野望に凝り固まらせたみたいなキャラになってる。つまり、悪いw

ああ。奥州連合、案の定EUなのか。名前の理由付けが、奥州連合筆頭の竜騎士が騎乗する独眼の竜がエメラルドドラゴンなので、エメラルド連合→EUという無茶振りw

サブタイトルでは富士帝国が名前出ているけれど、本格的に相争うのは次回からなのね。というか既に富士帝国皇帝の雷帝様、登場してる時点で零くんに陥落してるじゃないかw
帝国を建国する前に零と会ってて、既にそこで仲良くなってるという始末。早い、そして易い! 次回富士帝国との本格開戦、そして速攻大ピンチとなってるけれどこれ絶対イージーモードだろうねえ、うんうん。

1巻感想

誉められて神軍 1.新宿市国 ★★★★   

誉められて神軍1 新宿市国 (講談社ラノベ文庫)

【誉められて神軍 1.新宿市国】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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とある事件により、一夜にしてファンタジー世界へと姿を変えた日本―ゴブリン、オーク、エルフに魔人…想像上の怪物達が我が物顔で跋扈する時代、人々もまた記憶を書き換えられ現代日本は過去のものとなっていた―割拠する有力政治勢力のひとつ、軍事国家・新宿市国。若き少尉、御神楽零は、謎の少女・火倶夜との出会いを経てとある力を手にする。それは“誉めて伸ばす能力”―生物無生物問わず万物に対し有効なこの力で、零は彼を公私に慕う姫鞠、千歳ら麾下の騎士や魔導師達(ほぼ女子)とともに、“元の日本を取り戻す”ための苛烈かつ孤独(でもときどきダダ甘)な戦いを開始するのだった―奇才竹井10日が挑む新境地ファンタジー戦記登場!!
イラストは前作の「がをられ」――【彼女がフラグをおられたら】から引き続きCUTEGさん。これは嬉しい。竹井10日キャラのほわほわ感にCUTEGさんのデザインぴったりでしたからねえ。
ちなみに、本作では「フラグ」はまったく機能していません。それこそ「やったか!」と発言したらちゃんとやっつけてたり、これでかとわかりやすい死亡フラグを立てても全く何事もなくスルーされるくらいには。
というわけで、フラグ能力は本作では全く存在せず、代わりに主人公の零くんが与えられた能力は「誉めて伸ばす能力」。ごめん、ちょっと舐めてた。単に誉めておだててヒロインの能力強化するだけの能力だと思ってたらこの能力、人間どころか動物、どころか無機物ですら誉めて伸ばせるのか! ってか、伸びるどころじゃないですよこれ。豚もおだてりゃ木に登るなんて言葉がありますが、零くんが誉めたら豚だろうが豚の貯金箱だろうが木にも登るし空も飛ぶんじゃなかろうか。少なくとも、古代の遺跡と化していた十式戦車がお前はやれば出来る子、という感じでほめたら完全稼動状態で復活するくらいには何でもありである。
と、さすがにそれだけ強大な能力だとちゃんと制限があって、一日三回まで。永続効果し続ける場合もあれば短時間で効果が切れる場合もあり、これは対象とシチュエーション次第だなあ。
主人公の零くんは、作者も書きやすいというほどなかなかイイキャラしてるんですよね。真面目でおバカというポンコツっぷりで、死んで腐った魚の眼をした系の主人公に比べると明るいしやる気にも満ちてるし、活動的ですよねえ。でも、颯太きゅんを「辛気くせえ主人公」なんて言わないでくだせえ、作者さま。事実なだけに、ザクザク突き刺さるからw
でもまあ、主人公がある程度真面目で優秀である反面、天然なボケボケ系になったせいか、天秤の傾きを調整するように、本作のヒロインたちってみんなある程度マトモ寄りになってるんですよねえ。「がをられ比較」ですが。比較対象が悪すぎるような気がしますが、まあ気にしない気にしない。
でも、がをられのヒロインたちの少なくないメンツが頭の天辺から足の爪先まで天然不思議ちゃんに染まっていたのに比べると、幼なじみで副官の姫鞠にしても、片腕となるだろう千歳にしても、珍しく極めて厳格な姉(ダダ甘)キャラのゼネットも、巫女系治癒術士の好ちゃんもなんとみんな「ツッコミ」ができる逸材なのだ! まあ、みんな隙あらばボケにも転じるので、いつも誰かがボケて誰かが突っ込むという全周囲ボケツッコミ攻防が叶うのである。まさにボケとツッコミの車懸りの陣である。
電気菩薩中尉だけは何気に微妙だけれど。ってか、電気菩薩って凄い名字だよなあ。そして、竹井作品でも屈指の母性愛系軍師幼女である。そうか、これが「バブみ」というものかーっ!!
まだ十二歳の幼子にも関わらず、溢れんばかりの母性で零くんを包み込むその包容力、思わずバブバブと言ってしまいそうな至れり尽くせりのお世話っぷり……ってか、これって「艦隊これくしょん」の第六駆逐隊駆逐艦の「雷」ちゃんの究極系ですよね。竹井作品では常々「お姉ちゃん」が担ってきたこの手のダダ甘やかしっぷりを、ついに幼女が奪取したのである。さすがは天才軍師電気菩薩萌……字面がいい具合に狂ってるなあ。
そう、世界観もいい具合にハチャメチャに狂ってて、富士帝国や新宿市国なんかはまだわかりやすいほうで、パラディン新撰組や「奥多摩は魔女」とかサラリーマン傭兵団とかもうあっちこっちにカオスな勢力が群雄割拠していて、このハチャメチャっぷりは、かの「戦国ランス」なんかを彷彿とさせるかも。日本の勢力図を眺めてるだけでも楽しくなりそうなので、是非とも次の巻では地図載せてほしいなあ。
どんどんと勲功をあげて出世街道を驀進している零くんですけれど、今回は汚い大人の権力者なんかも結構居て、真面目というと変だけれど本気で権力争いみたいな展開もありそうで、というか既に暗躍と横槍がはじまっていて、これは良い下克上の物語が楽しめそう。
しかし、今度の誉めて伸ばす能力も、カエサルに信長にアレクサンドロスにナポレオンがこの力で破滅している、なんて宣われてたけれど、がをられでも全く同じメンツがフラグ能力の使いすぎで破滅してたんだぜ、とサクラメントあたりが警告していたような記憶があるのは記憶違いだろうか。そうじゃなかったらあれだな、しょっちゅう色んな能力で破滅する面々だなあ、この人たちw

竹井10日作品感想

彼女がフラグをおられたら 冥土の土産よ、最期に卒業式のことを教えてあげるわ ★★★★☆  

彼女がフラグをおられたら 冥土の土産よ、最期に卒業式のことを教えてあげるわ (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら 冥土の土産よ、最期に卒業式のことを教えてあげるわ】 竹井10日/ CUTEG 講談社ラノベ文庫

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破滅へのカウントダウンから世界を救うべく、元凶たる“グリモワール”内の仮想世界へとダイヴした颯太と親友ギルガメス。孤独な戦いの果てに颯太が辿り着いたのは“第83462仮想世界”―死亡フラグに怯える自分を癒やしてくれた少女達と過ごした、あの懐かしい場所だった。心ならずも去った日々が再び始まり、順調に時は過ぎてゆく…進級、出会いと別れ、後輩の登場―喪われたはずの毎日が颯太を満たすにつれ、次第に颯太は“現実世界”に生還する意欲を失っていく…この仮想世界には「彼女」がいないのに、だ!!そして迎えた卒業式当日、颯太に巻き起こった驚愕の出来事とは…!?史上最高最大のクライマックス、シリーズ最終第16巻!
芹キャン、頑張った、頑張ったよ。他の子たちが自分から最後の一歩を踏み込まなかった中で唯一芹キャンだけが思い切ったわけだ。その勇気は評価に値する。お付き合いが結局上手く行かなかったのはもうタイミングが悪かった、としか言いようがないしなあ。お互いの生活リズムのすれ違いだもんなあ。というよりも、お互いにもっと図々しくあればよかったというべきか。そのへんはむしろもっと大人になっていればすり合わせられる経験値だったんだろうけれど。
暗黒の夢の卵を浄化する過程で発生してしまったトラブルによって、あの懐かしい第一部の舞台であった“第83462仮想世界”に取り込まれてしまった颯太。平穏すぎる幸せな生活に、外の世界に脱出するという意識そのものを封じ込められていく颯太。一方で、現実世界ではギルガメスが中心になって颯太救出のために皆が奔走することになるのだが……ギルくんこと忍くん、さすが原典の主人公であるだけあってかちゃんと出てきた途端に凄まじい存在感である。相棒の中の相棒、というオーラを出しまくってる。確か、事前の話では彼こそが最大の敵となるはずだったのに、やっぱり彼はどの作品においても主人公の相棒枠、というか凄まじく頼りになる支援者枠なのよねえ。東京皇帝でもそうだったし。まあこの熱くてカッコイイ男が悪役なんてやれるはずもないのだが。
ってか、颯太に「自分が認めた唯一の男」と言われて、めちゃくちゃ奮い立ってしまうところなんてもう侠気の塊みたいなもんじゃないですか。友を助けるために恥も外聞もなく、誇りも捨て去り同じ絶対存在のエデン・リプライをはじめとする皆々に助けを請うギルガメス。まあ、エデンや大魔王まおん先生からして、みんな颯太のためなら否応もないのだけれど。
しかし、ラストにヒロインたちがその名前に由来する魔法使いや騎士といった職業に纏わる能力を発現して颯太を助けることになる、というのはシリーズ当初から容易に想像できてはいたんだけれど、元々備わっていた力がーー、という展開だと思ってたんですよね。それが、該当する力を有する強大な存在から力を借り受けて、という形になるとは想像もしていなかった。
それも、この一時的に力を貸与できる戦乙女という黄道器の機能は「普通の少女」でなければならないというものなんですけれど……。

菜波・K・ブレードフィールド(騎士)
魔法ヶ沢 茜(魔法使い)
召喚寺 菊乃(召喚士)
盗賊山 恵(盗賊)
龍騎士原 月麦(竜騎士)
聖帝小路 美森(聖帝)
忍者林 瑠璃(忍者)
深雪・マッケンシー(魔剣士)
大名侍 鳴(侍)
大司教河 くるみ子(司教)
白亜・バーサーカー・ブレードフィールド(狂戦士)
吟遊院 芹香(吟遊詩人)
英雄崎凛(英雄)
巫女神愛菜(巫女)

……鳴ちゃん、仮にも七徳院のメンバーなのに普通の少女待遇ですよっ。作中でもツッコまれていましたが。でも、地産地消の月麦婆ちゃんもええんかい、って話ですし、現実世界だとくるみ子だって魔法少女福祉機構の事務総長に就任してますし、普通とはw

結局、力を与えてくれた相手も表記すると、

菜波・K・ブレードフィールド(騎士)神楽・ブレードフィールド
魔法ヶ沢 茜(魔法使い)マァリン
召喚寺 菊乃(召喚士)ナルメル・エベラーゼ
盗賊山 恵(盗賊)ジェルトロ・フルテッド
龍騎士原 月麦(竜騎士)アリシア・ドラグーン
聖帝小路 美森(聖帝)ギルガメス・センティア
忍者林 瑠璃(忍者)N
深雪・マッケンシー(魔剣士)エデン・リ・プライ
大名侍 鳴(侍)タリアス・ジョア、ナーシア・ファグナル
大司教河 くるみ子(司教)天后まおん
白亜・バーサーカー・ブレードフィールド(狂戦士)ミーロワース
吟遊院 芹香(吟遊詩人)リヴェド
英雄崎凛(英雄)ギルガメス・センティア
巫女神愛菜(巫女)サクラメント、ラプラスの魔

美森先輩なんか、登場した時聖帝ってなんだよ、サウザーかよ。と笑ったもんだけれど、聖デルタ王国の聖騎士王であるウィガレム・オーヴァーロード/巴御劔/ギルガメス・センティアはそれこそ聖帝と呼ぶに相応しい存在だったんだよなあ。まだ巴御劔の存在も何も出てない時期の登場だったんで、チラッと巴御劔関連してるのかな、とは考えたことはあったけれど、こういう形で関わってくるとは。
侍に関してはけっこう強引なこじつけだった気がするけれど、タリアスとナーシアに侍要素ってあったのか。彼らの師匠っていう白井・出雲守・璃貴―璃貴フロスト・ホワイトって、がをられでは登場してなかったはずですよね。東京皇帝の方では本人チラッと出てただろうか。
よくまあ、こんだけとんでもない存在集まってたなあ、とこうして並べてみると半笑いになってしまう。肩書だけ見ても、聖騎士王に全次元最強魔導師に大魔王に妖精女王に、と。召喚士の彼女も三大召喚士の一人ですし、七徳院No.100のNが、忍者のNだった、というのには吹いたけれど。この人、本名がニニスなんですよね。七徳院、さらっととんでもないの混じってるなあ。

こうして振り返ってみると、盛大に広げた風呂敷をちゃんとキレイにたたむに至る構成で、ある意味置き去りにしてきた第一部の舞台である“第83462仮想世界”の件にも決着をつけてるんですよね、これは本当にえらいと思った。
竹井ワールドの四方八方に広がりまくった世界観を、この「がをられ」ではだいぶ見える位置に引っ張り上げてくれたので、設定好きとしても非常に楽しい作品でした。菜波にはじまり菜波に至る、という観点においてはきっちり菜波がメインヒロインとして締めるところをシメてくれたのは素直に嬉しかったです。個人的には大名侍鳴党だったんですけれどね。神竜編での圧倒的なヒロイン度は、鳴ちゃんぶっちぎりでしたしねえ。
さすがにヒロインの数が数だけに、なかなか主張できない煽りを食った子も居ましたけれど、逆に考えるとこの登場人物の数を思うとよくこれだけみんなに存在感を失わないように出番与え続けられたなあ、と感心するところでもあり、あのテンポのよいギャグというか掛け合いも、みんなにセリフと出番を与え続けるには最適のシチュだったのかもしれません。神楽のおかん属性がラストらへんあんまり見られなかったのは微妙に残念でしたがw
既に新シリーズ【褒められて神軍】も開幕しているので、さっそくそちらの方も堪能しに行こうと思っています。
15巻という長期シリーズをあますことなく使い尽くしての大団円、文句なしの大満足でありました。あー、満腹満腹。がをがを♪

シリーズ感想

彼女がフラグをおられたら 少し疲れたわ…次の夏休みまで眠らせてもらうね… ★★★★   

彼女がフラグをおられたら 少し疲れたわ…次の夏休みまで眠らせてもらうね… (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら 少し疲れたわ…次の夏休みまで眠らせてもらうね…】 竹井10日/ CUTEG 講談社ラノベ文庫

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『栄光の神竜兵団』を率いて、故国を「天界」~異世界の侵略者から奪還したブレードフィールド公国王子・旗立颯太。国を挙げての祝祭が続く傍ら、再び現れたサクラメントの導きにより、自らの封印された過去と対面する。解き明かされる出生の秘密、“仮想世界”で颯太を学園へ誘った男の思い~あの日自らを縛った運命の真実とは!?そして旧世界以来の強敵ギルガメスと剣を交えた颯太は、運命を自在に操る“神竜”の能力に完全覚醒する。しかしその戦いは、来たるべき真の最終決戦への序章に過ぎなかった…「この世界には守りたい人達がいるんだ」愛すべき人たちの住まう世界を守り抜くため、颯太が選んだ危険な手段とは!?怒涛の夏休み編第15巻!
こっ、この伏線回収には驚いた。まじで驚いた!! だいぶ最初の方からチョロチョロとその姿を垣間見せながら、いまいちどういう形で、立場で、思惑で本筋に介入しているのかわからなかった聖帝小路美森の兄・隆守。そもそも本編がはじまる五年も前に他界していたという彼が、どうして颯太を学園に誘うことが出来たのか、仮想世界にどうやって介入していたのか、など重要な事柄に多く絡んでいる割に本人の存在が薄っすらとしていて実在しているのかすらあやふやで、とにかく謎だったんですよね。
だからといって、まさか颯太とこんな形で関わってるなんて。こればっかりは予想も想定もしていなかった。いやだって、時系列的にそんなことありえないし。ありえないでしょう!? だがしかし、本作の世界はそもそもそんな固定された時空の話でないということは、第二部が幕を開けると同時にその世界観とともに明らかになっていたわけで、これは固定観念に縛られてたなあ。だいたい、隆守さんという人はあくまで美森会長のお兄さん、というイメージが強かったですからね。まず美森会長やその母であるサンジェルマン伯というフィルターを通していたので、彼との直接の接触も殆ど無く、彼の思惑がまったくわからなかったのも相まって完全に死角に入っていた、と言っても良い。
しかし、いざ事が明らかになると今まで謎だった様々な事柄に一気に説明がついてしまって……いや、これは凄いわ。こんなに綺麗に一つの事実が明らかになるのに合わせて、バタバタと伏されていた世界の謎が詳らかにされていく展開はなかなか見たことがない。
少なからず度肝を抜かれた。

最大最強の敵として立ちふさがるギルガメス。他作品では頼もしい同盟者や友人枠であり、常に世界最強だった彼が敵として暗躍している、というだけで相当にびびってたんだけれど、どうも今回の行動に関しては茶パ・マーリン卿がこっちについてくれたように彼の仲間たちからすると、「……えー」てな感じだったようで、絶対存在二人を始めとしたワイルドカードばかりを揃えた神竜兵団を相手にするには数も質もまったく足りない感じで……聖騎士王さま、人望ねーw
いや、それだけ反対だったら反対で協力しないよ、と態度はっきりしている部下たちとの気安い関係の結果とも言えるのだけれど。それに、どれだけ今回悪辣なこと考えているのかと思ったら、ギルさんなんか普通にいつもの御劔さんで、神竜との決闘も因縁の対決というよりも親友同士のじゃれあいみたいもので、一度立ち会ってケリをつけたら、すっきりと後腐れなく敵対関係を解消して、普通に颯太の周りブラブラとふらつき始めたのは拍子抜けしたような安心したような……。
ジュジュライトさんは、あれ大魔王まおん先生にリベンジ食らわされるためだけについてきてしまったような(苦笑
確か、東京皇帝☆北条恋歌でジュジュライトさんにうっかり殺されかけたんですよね。あれ、根に持ってたんだ。そりゃ持つか。あの時残機1しかなかったみたいだし、殺されてたらマジ死んでたわけだし。あれはまおんの油断と東雲さんから貰った天剣による十億倍斬撃のお陰だったわけで、ガチでやるならまおん様の相手じゃないよ、というのを思い知らされることに。

ギルとの和解は、若干、天界軍の騎士団の連中が可哀想な気もしますが。ルシェ・アンチスペルの天帝復権によってリストラされた連中、ある程度リベンジの想いあっただろうに、あっさり黒幕の御劔・ギルさんとの対決終わっちゃいましたからねえ。いや、聖デルタ騎士団とガチでやりあうのは勘弁極まるのですけれど。
そう言えば、ここでギルガメスの別の名前として山風忍の名前が神楽から出てましたね。ポケロリ以来か。
さて、ラスボスかと思っていたギルとの対決が単なる前座であることが明らかになり、実はさらにヤバイものがグリモワールの中で眠っていて、それがついに目覚める、という世界崩壊の大ピンチが……。
何気に世界の真理編に入ると、他のヒロインぶちぬいて、鳴ちゃんが圧倒的に真ヒロインの風格を放ちだすんですよね。神竜に飲まれだす颯太の側で、彼の存在が変わっていくのを目の当たりにしながら、心を痛めながらも見守るしかなく、せめてとばかりに涙を浮かべながらそっと寄り添い続ける大名侍鳴。と、第一部のラストで思いっきりメインヒロインしていたのを、ここでもリピートしてるんですよね。なんという役得!!
実は従姉妹という事実が発覚して、気持ち悪い笑顔になってる菜波さん、大丈夫ですか!? 一応、菜波がメインだと思うんだけれどなあ。一応、前世からの運命の関係でもありますし。
そして、ついに復活した真・幼馴染の愛菜。どう考えても眞奈花・シャーマンズが巫女神愛菜とイコールだというのは間違いなかったんですけれど、同一人物とするにはおかしい設定になっててどうするんだ、と思ってたらここに来て一気に真実を引剥してきましたからね。劇的な復活、という意味では実にヒロインらしいのですが……。
でもやっぱり鳴ちゃんが圧倒的に一番、持ってかれてるぞ。

とか言ってるうちに、本当の新ヒロインは俺だ、とばかりにギルが颯太のパートナー位置に陣取り、ついにグリモワール世界への再突入へと。次が、シリーズ最終巻かー。果たして第一部クライマックスに匹敵するだけの大盛り上がりが期待できるか。長らく続いたシリーズだけに、どう収拾つけるのか実に楽しみです。この幾つもの作品を跨いだ世界観設定が面白くて大好きで大好物なだけに、なおさらに。
あのはじまりの旗の物語のやり直し、ハッピーエンド編が待ってるのかなあ、やっぱり。

シリーズ感想

彼女がフラグをおられたら ちがう水泳大会で出会えていたら、私達親友になれたかもね…… ★★★☆  

彼女がフラグをおられたら ちがう水泳大会で出会えていたら、私達親友になれたかもね…… (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら ちがう水泳大会で出会えていたら、私達親友になれたかもね……】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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イベントてんこ盛りっぷりに定評ある旗ヶ谷学園に、水泳大会の季節が到来した。仮想世界にいた頃の体育祭を思わせるおかしな種目がずらりと揃う祭典で、クエスト寮の皆さんに水着選びから競技のペアまでつきっきりの颯太―珍しく平穏な日々が続く一方、「世界の終わりが迫る」というグリモワールの予言を受けての、クエスト寮地下の探索は進んでいた。暗い地下洞穴にて“亡命政府”のメンバーが見つけたもの、同行した凛に降りかかった重大な危機…そして過去生の夢を見るようになった颯太に忍び寄る恐怖、仮想世界での記憶を取り戻した菜波の想いは何処へ!?故国奪還のため、颯太王子は「天界」支配下のブレードフィールド公国へ―躍動する14巻登場!!
これだけしっちゃかめっちゃか、賑やかに大騒ぎしていながら「嵐の前の静けさ」なのか。静かなのか!
いや、わりと凛くんのそれは重大なシリアス案件になりかねないヘヴィーな出来事だったはずなんだけれど、単にキャラ造りが変わっただけで処理されてしまっているあたり、さすが「がおられ」としか言いようがない!
ちなみに、凛くんの中の人は内にこもった分、実は表に出てしまった表成分よりも欲望を熟々と抉らせてしまっていて、エロスですね、いやらしいですね!

というわけで、国を追われて命を狙われながらの逃亡生活、となるはずがかなり呑気に旗ヶ谷学園で学園生活をエンジョイしながら、ホイホイと集めてしまった過剰戦力で故国奪還戦へとピクニック気分で挑むことになった颯太王子。天界軍に征服される、という地上の戦力ではどうにもならない超常の存在が相手だったのに、それに対してEXボスを集めて逆撃、とかけっこうズルいよ!?
栄光の神竜兵団、そのTOP8に新たに与えられることとなった称号・八岐大蛇。のちのち、七剣神に匹敵する栄誉ある称号になるらしいけれど、今回の奪還戦に参加したメンバーって、颯太を筆頭に、魔人ミーロワース
、大賢者マァリン、運命狩りエデン・リ・プライ、大魔王シャルロット・ホーリィ、元・妖精王女リヴェド、魔法少女福祉機構・新事務総長大司教河くるみ子、ブレードフィールド公国建国王神楽・ブレードフィールド、龍騎士アリシア・ドラグーン、七徳院No.0大名侍鳴、となるんだけれど……颯太を除いても9人居ますよ?
リヴェドとくるみ子はこの場合、魔法少女と妖精コンビということでセットだったんだろうか。それとも、五人揃って四天王というアレですか!?
魔法少女の相棒の妖精というとマスコット扱いが普通なんだけれど、リヴェドに関してはどうも単体戦力で大魔王クラスみたいなのよねえ。
公国に詰めてた天界軍の騎士たちも、三大召喚士の真紅のエベラーゼやジェルトロなど決して低い戦力でもないにも関わらず、タコ殴りである。
それはそれとして、元々前線向きじゃない鳴ちゃんはともかくとして、このクラスの中に混じると先代黒騎士の神楽さんが完全にお姫様枠な件について。あれぇ? 確か、この人第一部では黒幕感をたっぷり醸し出しながら暗躍して、前線に出てきても圧倒的な雰囲気出してたはずなんだけれど、今回の水泳大会でもひたすらポンコツなところばかりしか見せず、朱に交わりすぎて取り返しのつかないところまで来ちゃってるぞ!? その挙句に、ジェルトロとの戦いでのあの役回りである。お母さん、がんばれー!
あと、エデンさん、凛ちゃん並にキャラがブレてます。演じすぎ! ってか、もしかして淑女時代のエデンってそんなんだったの? 淑女の意味間違えてるよ!?

殆ど労せずブレードフィールド公国の奪回も成り、特に何事も無く楽しく遊ぶばかりだった水泳大会も含めて、今回はまるごと「嵐の前の静けさフラグ」扱いである。いや、故国奪還は第二部の怒涛の展開からの最大目標だったはずなんですけれど。凛くんの人事不省もかなり大事だったはずなんですけれど。それらもまとめて、静けさ扱いである。平和、だったのか、これで。となると、これからの波乱たるや相当なものになってきそうなんだけれど、聖騎士王の本格出馬が控えているのか、これ。

一方で、前世のSBD(スター・ブレイド・ドラゴン)とのちの聖騎士王ギルガメス・センティアとの出会いと因縁、そして友情が描かれると同時に、旧世界の滅びと菜波との前世からの縁、エデン・リ・プライという絶対存在の詳細やらあれやこれや、世界設定にまつわる話も盛りだくさんで……うん、なんだかんだで一応メインヒロインはやっぱり菜波になるんかねえ。仮想世界での記憶も、菜波は取り戻してしまったみたいですし。
颯太きゅん、それは普通に聞いてても告白とかプロポーズと間違えられても仕方ないですよ!?

あとがきでは、作者未踏の十四巻達成に関して話題にしてましたけれど、普通もう最近ではシリーズ二桁到達するのも珍しいですから、滅多ないですから。しかしそうか、【東京皇帝☆北条恋歌】で13巻完結だったんですねえ。このシリーズは冗談じゃなく20巻行きそう。

シリーズ感想

彼女がフラグをおられたら ここは修学旅行生に任せて、早く枕投げに行くのよ4   

彼女がフラグをおられたら ここは修学旅行生に任せて、早く枕投げに行くのよ (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら ここは修学旅行生に任せて、早く枕投げに行くのよ】 竹井10日/ CUTEG 講談社ラノベ文庫

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仮想世界での天使との最終決戦を共に戦い抜いた大名侍鳴。現実世界で旗立颯太と再会を果たした鳴は、あろうことか七徳院の新“No.0”であった。しかし密かに颯太の身を案じているようで―折しも旗ヶ谷学園は修学旅行の真っ最中。目的地の京都にて、古都にふさわしいのかふさわしくないのか全くもって不明な騒動を巻き起こす茜や菜波や菊乃に恵、さらには神楽や鳴までもが…!?京都での驚きの“再会”と“出会い”を経て、クエスト寮メンは第二の修学旅行先・パリへ向かう。花の都でまたもや颯太達を追い詰める強大な敵、現れた意外な味方、そして「旗ヶ谷学園に危機が迫る」という“グリモワール”の予知の真偽は!?波乱の二都物語を描く第13巻登場!!
思わせぶりに七徳院のマントをまとって現れた大名侍鳴、聖帝小路美森、大司教河 くるみ子の三人。そして、新たな七徳院の“No.0”へと就任したことを告げる鳴。じゃあ、美森会長とくるみ子はナンバー何なんだ!? と思ったら……単に鳴に合わせてカッコつけてマント借りて羽織ってただけかい!! 七徳院関係ないんかい!! 思わせぶりすぎた!!
鳴も、天界軍に制圧された七徳院から派遣された、ということで敵に回ったのかと思ったら、なんか即座にポンコツ化してるし。前No.0の神楽・ブレードフィールドのポンコツ化たるや凄まじいものがあったけれど、新旧揃って見事にポンコツ化してるし。神楽さん、もう黒幕然としたあの威厳あるNo.0の面影、もうかけらもないよ。あれとこれが同一人物なのか真剣に疑いたくなるくらい、普通の姉ちゃんになってるよww
京都からフランスはパリにハシゴするという、とんでもない修学旅行行程はこの際まあ「旗ヶ谷学園」ならアルアル、で済んでしまうんだけれど、それにしても思わせぶりに登場した鳴さんが旅行先でも普通にヒロインの座を掻っ攫っていった感である。第一部のクライマックスで、まるで正ヒロインであるかのように最終決戦でボロボロになった颯太の傍らに寄り添い続けた鳴だけれど、あの時のヒロインオーラはポンコツNo.0として復活してきた現実世界でも衰えていないようである。これに対抗するのが、生身の人間からロボ子化した忍者林瑠璃だというのだから、ヒロインの座をめぐる攻防も実に面白い様相を呈している。このツンケンしながらも颯太が気になって仕方がない瑠璃がめちゃくちゃ可愛いのね。健気で従順なアンドロイドモードもいいのだけれど、人間の方の瑠璃もこれいいんだよなあ。
さて、かの仮想世界でのクエスト寮の仲間たちも、ついに白亜が合流してきたことで全員勢揃い。颯太のSBDとしてのあの仮想世界で猛威を振るった力も、徐々に戻りつつあるという状況。
旅先で遊んでばかりいて、話が進んでいないように見えて、今回何気に怒涛の展開である。クエスト寮の仲間たちが集結するのと同じくして、あの「絶対存在」と呼ばれる者たちも次々と表舞台に現れ出したわけですよ。
くるみ子に魔法少女福祉機構事務総長の座を譲り渡して行方不明になっていた天后まおん。ミーロワースやマァリンをして相手にしたくない、と尻込みする彼女は、SBDと同じ絶対存在にして、魔界を統べる大魔王シャルロット・ホーリィである。
さらに、運命狩りと呼ばれる絶対存在「エデン・リ・プライ」が白亜の師匠として久々の再登場。
そして、どうやら颯太の最大の敵となりそうな人物がついに姿を表わすのであります。
聖騎士王ギルガメス・センティア……って、聖騎士王って聖デルタ王国の王様でしょ? 巴御劔のことじゃん!? あれ? 御劔さん、アッチ側なの!? 聖デルタ王国の宮廷魔術師であるマァリンがこっちにいるんで、天界に取り入ってたクリストフ・ブーゲンハーゲンはデルタ騎士団とは外れた怪しい動きをしてるのかと思ったら、デルタを離脱してたのはマァリンの方だったのね。天界騎士団のタリアス卿が、御劔さんの仮の姿なんじゃないか、と疑ってたんですが全然的外れだったよ。
ちなみに、巴御劔という人は同じ竹井10日作【東京皇帝☆北条恋歌】シリーズで主人公の盟友であり滅びかかっていた人類の守護者として、いろいろと助けてくれた人で、かなり頼りになる上に信頼できる人だったんですよね。それが、こっちでは敵に回るのかー。これは、天使なんか相手してるよりよほどキツいぞ。
ってか、デルタ騎士団敵に回ったらどうしようもないじゃん。
一応、天后まおんがこっちにつくということは、ミーロワースも居るし魔界もこっちよりか? 魔法少女福祉機構もくるみ子が新事務総長についてるし、こっち側なのかな。でも、前々から助けてジークリート・キンダーハイムの実家の会社のキンダーハイム・インダストリアル社って、聖デルタ王国の会社なんですよね。瑠璃のボディってエニグマシリーズの流れ汲んでるっぽいんだけど、どうなるんだ?
この世界にもあるっぽい八坂原機関も、あれ御劔さんメンバー入ってるしなあ。
ってか、もう主だった機関や組織には大概御劔さんや聖デルタの息が掛かってるんですよね。そもそも、神楽さんだって、一時期デルタ騎士団で黒騎士やってたって……ああ、あれは聖デルタ王国になる前の旧デルタ王国なのか。でも、現黒騎士は神楽さんの直弟子なんだよねえ。関係大有りなんだよなあ。
天后まおんに加えて、エデン・リ・プライまで味方として現れて、これって戦力過剰じゃない? と一瞬思いましたけれど、颯太の(SBD)含めて絶対存在三人揃えてようやく太刀打ちできるくらいなんだろうか、これ。
天界は、先帝ルシェ・アンチスペルの復権で完全に聖騎士王の勢力下に入っちゃいましたし……。ってか、ルシェ・アンチスペルこと東雲十狼佐さん、ガチで登場してきてしまいましたがな! 
ともあれ、これで役者が揃った、というところでしょうか。どうにも、大物が揃いすぎてえらいことになってる気がしますが。

シリーズ感想

彼女がフラグをおられたら 大丈夫、この体育祭は安全だから、絶対MVPを取れるわよ4   

彼女がフラグをおられたら 大丈夫、この体育祭は安全だから、絶対MVPを取れるわよ (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら 大丈夫、この体育祭は安全だから、絶対MVPを取れるわよ】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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『クエスト寮』は再建され、フラグ可視操作能力をも取り戻した旗立颯太。そこに元七徳院No.1・ミーロワースが現れた。体育教師として旗ヶ谷学園に逃げ延びた彼を加え、月麦や神楽とともに『ブレードフィールド公国亡命政府』が誕生する―折しも学園に再び“体育祭”の季節が到来。颯太はとあるきっかけから、忍者林瑠璃と命を賭した約束を果たさねばならぬことに。その約束とは“クエスト寮としての体育祭MVP獲得”だった!仮想世界の時と異なり戦力大幅ダウン状態のままいざ体育祭が開幕。復活した芹香や颯太同様フラグを扱う力を持つ凛達の助力は得たものの、颯太達は再びMVPをつかめるのか!?『がをられ』今ひとたびの体育祭編第12巻登場!!
ミーロワースが普通に体育教師として赴任してきてわらた。ガチムチすぎるw それに茶パことマーリン、あんた隠しキャラちゃうかったんかい。てっきり、若干味方寄りの中立キャラとして時々介入してくるくらいの立ち位置で振る舞うのかと思ったら、強引に亡命政府に引き込まれて当人も目を白黒させているうちに主要メンバーとしてがっちり食い込まされちゃってるしw この勢い任せの巻き込み具合は、大賢者相手にも通じるのか、恐るべしブレードフィールド空間w
いやでも、これで月麦ばあちゃんにミーロワースに、大賢者マーリンに神楽・ブレードフィールドと七徳院の精鋭と四人しかいないランク・アッパーファーストの一人が加わり、力を取り戻しつつあるSBD旗立颯太が集ったわけで、ちょっとみんなの気が大きくなって、なんとなく勢いで亡命政府立ち上げちゃうくらいにはその気になるよなあ……と、思ってたんですけれど。神楽さんのポンコツ化がひどすぎて、もうダメなんじゃないか、と思えてきた!! あの超絶クールでカッコ良かった七徳院No.0はどこいった!? 
体育祭再び、における神楽お母さんの見事な役立たずっぷりは、ある意味伝説になりそう。
ってか、此処に来て一気にバラバラだったメンバーの集結がはじまって、ワクワク感がいや増すばかり。で、でも忍者林瑠璃の再誕イベントの盛り上げっぷりに比べて、田中せりキャンが物凄い普通にさり気なく戻ってきてしまったのには、これまた笑ってしまった。いやいや、わりと早めに戻ってきてくれたのは嬉しいんだけれど、本当に普通に、呼び鈴押して普通に玄関からこんにちわするみたいに普通にするっと戻って来ちゃったよね! アイドルなのに。アイドルなのに! いいんですけど、田中いいんですけど。仮想世界では昔重要なターニングポイントで遭遇していて、お互い素性は知らなかった関係だったけれど、現実世界では、普通に昔からの友達だったのね……普通に友達だったのね。それはそれで良いことなんだけれど、アイドルになるきっかけが颯太にあった、というのはイイ関係なんだけれど。田中ぁw いやでも、仮想世界のときより颯太も、せりきゃんに友達ということで気安い気もするし、いいんじゃないだろうか。ここからここから。
でも、瑠璃の復活編に比べると、やっぱりメインはこっちだよなあ。瑠璃は、仮想世界でも颯太にとって一番身近で頼りになる相手であり、あの別れで心残りとなっていた相手でもあるから、やっぱりねえ。しかし、現実世界の瑠璃が普通の人間であった以上、もうあのアンドロイド瑠璃とは再会叶わないのだと覚悟していたものだから、このダブルルリルリにはちょっと興奮した。なにこの一挙両得な状態はw

そして、ラストにはついにかつてのクエスト寮メンバー勢ぞろいとなる、あの三人の衝撃的再登場。ある意味、ラストバトルのメインヒロインだった鳴の登場は大きいぞー。しかも、ちゃっかり神楽のものだった七徳院No.0を新しく任じられてるしw
まあ、メインヒロインについては菜波も着々とフラグを立てなおしているんですけどね。
とはいえ、今は天界軍に制圧されているブレードフィールドの七徳院メンバーとして現れた以上、単純に味方として来援した、とは行かなさそうだし、まだまだ二転三転しそう。

シリーズ感想

愛だ恋だを取り締まる俺に、春がやってきたので無秩序(カオス) 1 3   

愛だ恋だを取り締まる俺に、春がやってきたので無秩序 (1) (角川スニーカー文庫)

【愛だ恋だを取り締まる俺に、春がやってきたので無秩序(カオス) 1】 竹井10日/さいさい 角川スニーカー文庫

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愛だ恋だが取り締まられる近未来―学生捜査官の片城統吾と砂田橋天音は、恋愛テロ予告があった嬬恋学園に潜入することに。元恋愛警察の鳩屋菫子を巻き込み捜査に励む2人だが、超マイペースなクラスメート恋ヶ窪恋姫に振り回され、思うように進まない。それどころか恋姫からのご指名で七夕祭の彦星役に統吾が抜擢され、まさかの禁じられた恋愛フラグ乱立の予感!?
友情だからノーカンです!! とりあえず建前友情にしておけばそれで押しきれるあたり、チョロすぎるw
いや、この場合は恋ヶ窪恋姫の厚顔さを褒めればいいのか。
毎度おなじみの竹井10日ワールドで、この人の独特の掛け合いを好きな人ならば充分お楽しみいただける内容です。直球で愛だの恋だのをテーマにしているせいか、というか恋愛が取り締まられている世界なのに、竹井作品の中でもかなりガンガンラブ寄せしてる気がするぞ。逆修羅場、とか言ってる「がをられ」と違ってこっちの女の子らはかなり積極的で直接行動にも打って出てるし。いや、だから恋愛っぽい事をしたら即逮捕なのに、逮捕なのに。天音さん、あんまり敏腕じゃないんじゃないですか!? いわゆる銭形のとっつぁん型の有能さか。
とはいえ、恋愛メインのラブコメかというとあんまりそういうふうでもなく、むしろ「無秩序(カオス)!」の方が前面に出てきている気がする。いつもカオスじゃないか、という説は聞き流すとして。
メインヒロインは誰なんだろう。一応、天音と恋姫が主力っぽいのだけれど、立ち位置的にも二人は東京皇帝の来珠と恋歌に互換すると見ていいか。ただ、恋姫が東京皇帝の北条恋歌やがをられの魔法ヶ沢茜みたいなゆるふわ癒し系天然娘、と見せかけて恋歌さんよりも黒そうなのがなかなか際どいキャラをしてて面白い。無害を装いながら、これ相当の劇薬だぞ。
個人的には聖帝小路美森会長系統のガンガン動きまくるチョロインの菫子さんが好みなんですけどね。この人もやり手なのは間違いないんだけれど脇が甘そうというか、搦め手で攻めながら肝心な所で…肝心なところでなくてもポカしそうな、しかし構わず強行突破しかねない身も蓋もないアグレッシブさがなんか好きなんですよねえ。ある意味この人も単体でカオスだしw

二巻も既に購入済みなので、このまま直行。

竹井10日作品感想

彼女がフラグをおられたら こんな床が抜ける寮にはいられない、私は角部屋に帰らせて貰うからね! 4   

彼女がフラグをおられたら こんな床が抜ける寮にはいられない、私は角部屋に帰らせて貰うからね! (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら こんな床が抜ける寮にはいられない、私は角部屋に帰らせて貰うからね!】 竹井10日/CUTEG  講談社ラノベ文庫

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『天界』による、ブレードフィールド公国への攻撃から辛くも逃げ延び、日本へ戻った旗立颯太。故国を追われ寄る辺なき身となった颯太が戻る所は、あの「クエスト寮」―仮想世界での再建前と同じ荒廃したままの懐かしい場所にて、再会なった菜波、月麦、駄メイド・眞奈花との生活が始まった。家出してきた茜も合流し寮の再建も進み、以前と同じような日々が過ぎる頃、かの七徳院の支配者・No.0が颯太達の前に傷ついた姿で現れた!月麦の勧めもあって旗ヶ谷学園に編入したNo.0は、意外な素顔を見せ始め…そんなある日ついに颯太は英雄崎凛と再会する。しかし現実世界での凛には驚きの秘密があった!?第2部突入の『がをられ』いよいよ11巻登場!
第二部の現実世界編に入ってから、もう驚きの展開ばかりで仰天しっぱなしですよ。マジで仮想世界編は世界の真理の足掛けに過ぎなかったんだなあ。
初っ端から、この世界の日本の総理大臣が新沢靖臣だった、というのにひっくり返りましたがな。臣くん、なに総理大臣とかなってんの!!??
「臣くん」と言えば、覚えている人も居るでしょう。竹井10日という人をシナリオライターの頃から知っている人からスレば、っまさに原点。この人のデビュー作である【秋桜の空に】の主人公がこの臣くんなのです。妹でないものなどヒロインに非ず、という風潮すらあった妹萌えが全盛期の時代に、姉萌えという新風を吹き込んだあの【秋桜の空に】の主人公なのです。もちろん、奥さんは「だぞっっっっっ!」の人なんですよね?

なんやかんやでクエスト寮も復活し、菜波たちと再びあの寮で暮らすことになった颯太。さすがに、仮想世界のように菊乃や恵までは一緒に暮らす、とまでは行かなかったものの、段々と仮想世界で巡りあった人たちともこの現実世界でも再会していく流れはじんわりと胸に来るものがある。現実世界でも、旗ヶ谷学園の生徒たちはイイ連中ばっかりだなあ。
そして、新装相成ったクエスト寮に新たに加わったメンバーは、まさかの七徳院No.0の神楽・ブレードフィールド。彼女が量産型忍者林瑠璃と戦うシーンはあれ、アニメリスペクトなんだろうか。こっちでは色々ハンデがあってNo.0の方がやられてしまうんだけれど。
ブレードフィールド公国の建国王でもある神楽の知らざれる歴史が語られるのだけれど、これがまた壮絶な話で……異世界の、しかも旧デルタ王国の騎士だったとは。しかも、元黒騎士!! さらに、神竜(SBD)に運命を改変させられたものだったという、そりゃもう凄まじい経歴で。神竜のSBDの意味がここで語られているのだけれど、これもまたビックリというかなんというか。あれ? さらっと登場してましたけれど、ちゃんとセリフありで巴さんが登場したのってこの作品では初めてじゃなかったでしたっけ? 他にも、黒騎士ゼルヴァーン・クレッツベルンが神楽の直弟子だったというのは初情報? 黒騎士関連はちょっと訳わからん形に錯綜してるので、少なくとも神楽の歴史上の位置関係が判明したのは良かった。あの最終決戦で颯太が来た黒い鎧は正しく黒騎士の鎧だったんだなあ。
そして、クエスト寮の一員となった途端に、すみやかにポンコツ化してしまうのは、かの偉大なる神楽・ブレードフィールドも変わらぬ運命だったようで、運命だったみたいで……新お母さんキャラだーー!!
こっちにはリセエールが居ない分、お姉ちゃんキャラが豊富なのに対してお母さんキャラが致命的に存在しなかったのに、ここにきてお母さんキャラの登場ですよ! まさかここでも「お母さんじゃない!」が聞けるとは思わんかったw
いや頼もしいのかそうでないのか。まあ幾らポンコツ化はしても、お母さんキャラは頼もしいですよ、大丈夫大丈夫。
さらに、クラスメイトの良い奴代表みたいな存在だった「茶パ」の、意外すぎるとんでもない正体。これは、隠しキャラとしては最強すぎやしませんかね。リセエールよりも格上ですよ。四人しかいない、クラス・アッパーファーストともなると。

そして、トドメともいうべき衝撃にして驚愕が、現実世界における英雄崎凛との再会、ではなく彼女が持っていた異能力。そう、現実世界でもあのサクラメントは暗躍していたのである。そして、仮想空間に構築された世界にのみ存在すると思われたあの能力が、この現実世界でもまた存在していたのだ。
フラグ操作能力。
この作品にして物語における最大の鍵となる、あの力が再び姿を現したのだ。

激動の展開は一時たりとも止まらない、どころかこれでますます加速していく事になるのだろう。なんかいつの間にか、魔法少女福祉機構の事務総長も交代してるし! 聖帝小路久美子さんことサンジェルマン伯が関係してるんだろうけれど、大魔王はどうしたんだ!?

シリーズ感想

彼女がフラグをおられたら この船旅が終わったら、私、お姫様になるの4   

彼女がフラグをおられたら この船旅が終わったら、私、お姫様になるの (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら この船旅が終わったら、私、お姫様になるの】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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世界の存亡を懸けた“天使”との戦いを、自らの“死亡フラグ”をもって勝利に導き、旗立颯太は“現実世界”に帰還した―クエスト寮のみんなと過ごした日々の記憶を携え、舞い戻った世界でも旗ヶ谷学園に入学した颯太。茜や菊乃に恵達、懐かしい人々と再び同じクラスになり、学園生活を再開して間もなく、突然あの『ブレードフィールド公国』から招請が届く!
仮初めの“婚約者”として茜を伴い旅立つ颯太。彼の地で再会した菜波、行方不明の幼馴染みに生き写しの少女・眞奈花との出会いが、王子たる旗立颯太・ブレードフィールドにもたらす運命とは?そしてフラグ可視操作能力を喪った颯太は新たな試練をどう戦い抜くのか?激動の第2部ここに開幕!!

激動すぎるよ! 超激動すぎるよ!! 仮想世界から現実世界に戻ってきたら、そこはファンタジーが幅を利かせている世界でした、てなもんじゃないですかっ!
仮想世界という箱庭から出たら、そこは竹井ワールド真っ盛りでした、ということなのね。
ともかく、初っ端から件の謎の人物だった颯太の実の姉の正体が、アニメの通りに菜波だったというのが発覚。いやいや、なんであんな外国人然とした菜波がお姉ちゃんやねん、と思ったら、二人の父親はブレードフィールド公国の公太子であるエリヤ殿下。って、それだと颯太も公国の王子様って事じゃんか!!
現実世界では、エリヤ殿下は国内情勢の悪化に伴い菜波の母親を連れて日本に隠れ住んでいて、そこで菜波と颯太を一般家庭の子息として育てていた、と。なんと、現実世界の菜波はお姫様喋りじゃなく、普通の女の子喋りだったのだ! まさに、アイデンティティの崩壊ッ、というとお姫様喋りだけがキャラの特徴みたいになってしまうのでそんなことは言わないけど……実際、あんまり気にならなかったし。
んでも、本当に菜波と颯太に血の繋がりがあるのか、についてはまだ微妙な段階なんですよね。エリヤ殿下は颯太についてまだ話す事が残っていたみたいだし。プリ・カグの事故とその後の天界侵攻によって有耶無耶になってしまうのですが。でも、菜波もその辺昔から疑ってたみたいだしなあ。
それに、菜波は昔から、颯太も仮想世界での菜波の告白をこっちまで引きずって、お互いかなり意識してしまってるし。姉弟なのに、意識しちゃってるし!!
クエスト寮の颯太くん応援同盟が、現実世界ではなし崩しに崩れてしまった以上、譲り合い逆修羅場が発生する余地がなくなってしまった今、茜が壮絶に捲くりをかけてトントンと婚約者(仮)の立場まで手に入れてしまったのだけれど、関係としてはむしろ重点は菜波とのそれの方に置かれてるんですよね、これ。茜のあれは、どうしても抜け駆け、という印象を拭い切れないしなあ、これ。
だいたいね、竹井10日作品において「姉」というのはそれだけで「勝利フラグ」であり「正統フラグ」なのですよ。むしろ、菜波はこれまで欠けていた「メインヒロイン」としての資格を実姉となることで手に入れたと言ってもいい。
まあ逆に言うと、そのくらいの強化を得ないといけないくらい強力な新キャラ「真・幼なじみ」が登場してしまったのですから。登場した途端に退場して、装いも新たに新登場してしまったのですが。新登場してさらに新登場とはこれいかに。巫女神さんとシャーマンズさんは、別人扱いではあるんですけれど。
しかしそうか、あの瑠璃の中の人こそ、この巫女神愛菜だったのか。そして、眞奈花の圧倒的雪絵臭(笑
当面は、プリンセス・カグヤ号の沈没事故で行方不明になった愛菜の行方を探すことが目的となるのか、と思ってたらそれどころじゃない展開が待っていたわけですけれど。

しかし、クエスト寮の面々もだいたいバラバラになってしまい、再会した娘たちもあの仮想世界の出来事は覚えていないので、以前と同様の笑顔を見せてくれてはいても、やっぱり寂しい思いを隠せなかった中で、仮想世界そのままの記憶を持った月麦婆さまとの再会は嬉しかったなあ。あのクエスト寮の日々が幻ではなかった事が実感できて。
ただ、鳴の存在がこの現実世界では確認できなかった、というのが思いの外衝撃だったわけですけれど。そうか、七徳院の上位ランカーは全員そのまま仮想世界にダイブしているのかと思っていたのだけれど、そういうわけでもなかったのか。仮想世界では、七徳院ランカーの最盛期の姿が顕現していた、と婆様は言っていたけれど。
それに、現実世界で登場した瑠璃の存在であります。こちらの瑠璃はロボットではなく、ちゃんとした人間の瑠璃という女の子。しかも、なんだかかつての颯太と同じような絶望に似た鬱屈を抱えているようで、どうしたんじゃ瑠璃っぺ!!


第一部の最大の謎だった誰も覚えていない謎の颯太の姉、の正体については「菜波」である事がわかったのだけれど、No.0の話だと何故菜波と颯太がどの仮想世界でも引き剥がせなかったのか。何故、菜波にだけフラグ処理が働かなかったのか。など、二人の関係についての謎は引き継がれたままなんですよね。
さらに、颯太を学園に導き、裏で様々な画策をしていたっぽい聖帝小路隆守の存在は引き続き謎のまま。
聖帝小路家については、母親である聖帝小路久美子の正体がサンジェルマン伯爵であり、どうも仮想世界ではなく現実世界からダイブしていたっぽい人である上に、大魔王の親友という怪しいポディション。
それに、隆守が接触していた魔法少女ジークリート・キンダーハイムのキンダーハイム家ってキンダーハイムインダストリアル社らしいんですよね。あの東京皇帝シリーズで散々名前を聞くことになった「エニグマ」作ってた。
忍者林瑠璃って「エニグマ」シリーズなんじゃね。中に「魔導石」入ってたし。という話を耳にした時にはさすがに愕然としましたけれど。

つーわけで、第一部のクライマックスで天使たちの量子コンピュータ群ネットワークへの電子侵攻、なんてのに驚いてたら、それどころじゃない、天界そのものの地上介入である。
いや、既に大魔王であるシャルロット・ホーリィこと天后まおんが率いるところの魔術師シンジケート「魔法少女福祉機構」のエージェントが出張ってたり、「運命狩り」エデン・リ・プライが堂々と大手を振って活動していた時点で、この手の存在はもう居て当然と思うべきだったんだろうけれど、ここまでガンガン前に出てくるとまでは思わなかった。竹井節全開じゃないですか。
しかし、どういうことだ? 前回の神界による天使の電子侵攻を促したのも、今回の天界によるブレードフィールド公国侵攻を促したも、思いっきり「デルタ聖騎士団」の人じゃないですか。え? 今回、デルタ聖王国って敵なの? それにしては、聖騎士王さま関係周辺の動きが食い違ってる気がするんだけれど。
あと、天界の先代天帝のルシェ・アンチスペルって……これって東京皇帝の東雲十狼佐さんですよね。そういえば、前に天界の天帝やってたみたいな話あったけど……。
それと、天界の騎士団長の一人のタリアス卿がなんかものすごく怪しいんですけれど。再来じゃなくて、当人じゃないのか、これw

ともあれ、第二部スタートから怒涛すぎる展開を迎えて、もはやこれ最後まで止まる気なしですよね? まだ再登場していないメンツも含めて、まだまだこれで序の段のはずなので、いったいどこまで駆け上がっていくのやら。テンションの落とし所が見つからないよ!

シリーズ感想

彼女がフラグをおられたら 世界の真理など、私一人で充分だ4   

彼女がフラグをおられたら 世界の真理など、私一人で充分だ (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら 世界の真理など、私一人で充分だ】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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2月14日、聖バレンタインデー。茜や鳴たちクエスト寮女子メンは颯太に渡すチョコに思いをはせ、乙女の決戦の到来を待ちわびていた―しかし当日、誰もいないクエスト寮にただ一人、颯太の姿が!?女子全員の部屋のドアノブに、直接手渡すことの出来なかったチョコを下げていく颯太…伝えられなかった大きく重いメッセージと、限りない感謝の思いを込めて―避け難い運命の奔流が颯太を飲み込み、ついに動き出す!ようやく明かされる“賢者の石”の正体、そして“世界の真理”とは?屹立する巨大な“死亡フラグ”を打ち破り、途方もなく強大な敵に孤独な戦いを挑む颯太は生き残り、彼女たちの元に戻ることはできるのか!?空前絶後の急展開、第9巻登場!!
たっ、たっ、魂消た! ブッタマゲたーー!!
マジか、なにこれ、すげえ!! 急展開どころか、超・展・開!! である。がしかし、いきなり前後の脈絡なく唐突に、と感じさせずに、むしろ「なんてこったっ、そうだったのか!!」と腑に落ちる感すらあったのは、相応の布石がちゃんと敷かれていたからなのだろう。大名侍鳴が初めて正体を明かした時に颯太に見せた平行世界。あれなんぞ、その布石のわかりやすい最たるものですもんね。平行世界があるのもさることながら、どうして鳴がそれを颯太に見せることが可能だったのか。世界の真実と七徳院の「世界監視組織」を標榜する意味が、これ以上無く明快に示されたわけですから。
それにしても、今回ぶっちぎりでヒロインしていたのはこの鳴さんでしたね。そもそも、彼女が颯太に攻略されたのは、颯太の死亡フラグに犯されながら生きる姿勢に心奪われたからで、その意味では今回の颯太のフラグ能力に起因するエピソードでは、一番心身ともに颯太と同じステージに立ち、彼の生き様に共感して彼の苦しみを正確に理解している鳴は、この場面においては一番メインヒロインとしてふさわしかったのではないでしょうか。
泣くのを必死に我慢しながら、同じくじっと感情を堪えている颯太にスープを食べさせている鳴のシーンは、竹井さんがここぞという時に持ってくる、普段の騒がしさが嘘のような、静謐な雰囲気の流れるシーンでねえ、もうヤバかった。
それ以上にヤバかったのは、やはり魂ある人形である瑠璃の、その魂を捧げる儀式と、プレミアム・アンブリエル号の事故の真実でしょう。特に、あの豪華客船の事故の真実がいかなるものだったのか、なぜ颯太だけが生き残り、彼に巨大な死亡フラグが植え付けられ、世界から虐げられ絶望にくれることになったのか。ここで明らかになった真実が、もうたまらんかった。これはズルいよ、泣いちゃうよ。極小数の勇気ある人達の決断、ではなくてそこに居た人たちプレミアム・アンブリエル号の乗員乗客全員の気高き意思、人という存在の選択に、完全に泣かされてしまった。そして、記憶を消されようとなお、約束を守った少女たち。彼女たちのトチ狂ったような颯太への構い方も、あの必死に紡いだ約束を果たしていたのだと思うと……それに、颯太へのエールも、単にその場のノリだけじゃなかったんだなあ。

いやしかし、それにしてもこの「世界の真実」には驚かされた。仰天、とすら言ってもいいかもしれない。それくらい魂消る展開だったからこそ、そちらの超展開に気を取られてしばらく違和感に気が付かなかった。竜騎士原月麦ばあちゃんの真の姿にも度肝を抜かれて、頭がそっちに行っちゃってたもんなあ。婆ちゃん、ハッスルすしぎ、その格好!
うん、ともかくおかしいんですよ。ぶっちゃけ、この「世界の真実」だけでは説明がつかない部分がまだ幾つも散在しているのである。すべてが仮想世界の出来事だから、で納得しようとしたらおかしいことになる。そもそも、天使客船からして、内部からのバグの発生ではなく、外部からの侵攻であるからして、すべてがグリモワールが生み出した量子仮想世界の出来事だから、では片付けられないのである。いわば、あの無数の並行世界によって彩られた仮想世界の出来事は、世界のすべてではなく、むしろ単なる舞台の一つにすぎなかったわけだ。それどころか、扉の一つに過ぎなかったとも言える。
今回の最大の仕掛けは、この二重扉だったのかもしれない。
真理に辿り着いたと思って開いた扉は、その入口にすぎなかったのだから。最奥に至る扉は、まだ見えてすらいない。
そもそも、あの「魔法少女福祉機構」なんか、仮想世界内で生み出された存在じゃなくて、むしろ天使と同じく外側から侵入していた存在っぽいし。
なぜ、颯太の実の姉の存在がこの期に及んでふせられているのか。なぜ、菜波にだけ、当初颯太のフラグ能力が通じなかったのか。どころか、菜波についてはフラグが立ったのは一度だけ、あの告白シーンだけっぽいし。颯太の神竜としての力を考えるなら、菜波のそれの不自然さは際立っている。
というか、そもそもあのプレミアム・アンブリエル号で起こった出来事からして、どういう位置づけなのか錯綜してるんですよね。カグラ号の事故があったから、颯太は仮想世界に介入することになった、とNo,0は言っていたけれど、それが本当の発端でありスタートだったのかというと……微妙に怪しい。
そう、まだ謎は有り余るほど残されている。そして、あとがきでは、ここまでの第一部は第二部の為に用意されていたようなものだ、という担当編集の言葉が書き記されているように、ここがまさに「入り口」「スタート地点」、ようやくこの物語の本当の姿が明らかになる準備が整った、と言っちゃっていいのかもしれない。
ちょいと、テンション上がっちゃって落ちてこないんですけど!!

この火照りを冷ましてなるものか、と怒涛のように第二部スタートは連撃仕様、間をあけずに二ヶ月連続刊行で来月登場である。参ったっ、このがをられ、ここまでまくりあげてくるとは想像してなかっただけに、ちょっとやべえですよっ、ですよっ!

シリーズ感想

彼女がフラグをおられたら 今までこの初詣のお守りのお陰で何回も命拾いしたんだ、これ貸してやるよ3   

彼女がフラグをおられたら 今までこの初詣のお守りのお陰で何回も命拾いしたんだ、これ貸してやるよ (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら 今までこの初詣のお守りのお陰で何回も命拾いしたんだ、これ貸してやるよ】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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衝撃の聖夜を過ごした颯太と菜波。だが二人の様子がおかしいと気づいた茜たちの策のおかげか、颯太と菜波は再び元の関係に!?同様に颯太と菊乃も“姉弟”の絆をさらに深めたようで、白亜に芹香に凛たちみんな、それぞれが“○○らしく”やらかしつつも何とか無事年越しを迎えた。年が明け初詣ついでにそれぞれの実家に挨拶回り。その際の茜の実家での“事件”をはじめ、清々しいほど騒々しいクエスト寮メン揃っての冬休みは期待通りのお祭り騒ぎ連発であった。一方、その渦中で美森の母と対面した颯太。彼女こそが颯太に関わる巨大な“謎”に最も近い存在であるらしい!?―華やかな出来事の背後で忍び寄る最大の危機。運命の疾風吹き荒れる怒涛の年末年始編!!
婆さまーー!? なんてこった、婆さま、本格的にボケてたのか。いや、明らかに婆さまの存在っておかしかったのに、そういうもので納得してしまっていたんですよね。んなはずないじゃん!! いやだがしかし、学園のみんなも普通に受け入れてたもんなあ。お母さん世代でも同級生だったって、おかしいじゃんおかしいじゃん。なんでみんな不思議に思わないんだろう、と思うんだけれど、この世界の人間は根本的なところに疑問を浮かべないアーパー人類なので仕方ないのである。
でも婆様のあの口調って婆様だからじゃなくて、方言だったのか。どこの国の方言だよ。ってか、日本人じゃないじゃん!!
不老長寿といえば、以前に指摘されていたサンジェルマン伯の正体は美森会長その人ではなく、その母上だったことが明らかに。しかも、魔法少女福祉機構の創設に関わったというのだから、この人こそが世界の真理に繋がる人物なのは明らかなのだろう。それ以上に、彼女の息子であり、美森会長の兄上の存在がまた謎めいてきたのだけれど。
とまあ、世界の真理にまつわるお話が着々と進行していく一方で、クエスト寮の面々の人間関係も刻々と変化を迎えている真っ最中。まさかの菜波のフラグ起立に伴い、颯太と菜波の仲はギクシャクしっぱなし。それは逆に甘酸っぱい波動を伴ってもいるんだけれど、颯太がこれだけ意識してしまうのは驚いたような納得のような。なんだかんだと、颯太にとって菜波の存在というのは最初からかなり特別だったんですよね。他のクエスト寮の面々と異なるスタンスを菜波が堅持し続けていたからこそ表面化しづらかったとも言えるし、だからこそ颯太も菜波への意識を育て続けていたとも言える。
一方で、茜への意識の変化も、颯太のそれは顕著であって、何となく菜波と茜が突出してきた感がある。それにともなって、というわけでもないのだろうけれど、クエスト寮名物の譲り合い逆修羅場も新たな段階に。これまでの譲り合い逆修羅場には、ちょっと過剰なくらいの「遠慮」が込められていたのだけれど、みんなの意思統一で
二人きりの時はもうちょっと積極的に行ってもいいんじゃよ? という協定が結ばれることに。何気にこれは大きな変化ですよ?
今回の最大のツボは「譲らないでください」w
あと瑠璃が、回を重ねるごとにロボから人間らしくなっている……のではなく、逆に機能がおちてポンコツになっていっている可能性が(笑
シリーズ感想

東京皇帝☆北条恋歌 134   

東京皇帝☆北条恋歌13 (角川スニーカー文庫)

【東京皇帝☆北条恋歌 13】 竹井10日/高階@聖人 角川スニーカー文庫

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「みんなで、新しい世界を作ったんだよ。だから、また、会えるよ」
進化の塔の最終到達点で急成長した衛梨珠(主に胸が)と再会した恋歌と一斗。北条皇斗としての人生、新世界や進化の塔で垣間見たもの、そして彼らを待ち受ける未来。すべてを受け入れた一斗は彼にしかできない決断を下すため、帝国暦82年10月へと舞い戻る。恋歌も来珠もゆかり子も夕鶴も四菜も雪絵も!オールキャラ総出演で贈る、これが最後の東京こうていわっ!
東京こうていわ!! 全然関係ない話なんだけれど、「ブラック・ブレッド」のアニメ第二話で聖天子さまが画面に登場したシーンで、「皆さん、東京こうていわ」と聖天子さまが挨拶するシーンが思い浮かんでしまって、独りでウケていました。もう聖天子さまが登場するたびに「東京こうていわ」が思い浮かんじゃうじゃないか、どうしてくれる。
そんなこんなで、東京こうていわは永遠です。この挨拶、竹井作品で永遠に続けられそうな気もするけれど。
さて、ついに長きに渡った東京皇帝☆北条恋歌もこれにて最終巻。死んだ魚みたいな腐った目をした主人公、一斗も今となっては立派な一廉の男になってしまい、いやもうどうしてこうなった、と唖然とするばかり。本気でちゃんとした立派な男子になったもんなあ。
それだけ人格が変わるほどの成長を促されるには、相応の人生の変転が彼には起こったわけだけれど……終わってみてこれまでのこの作品の足跡を振り返ると、とんでもない壮大な物語が繰り広げられてたんですよね、なんか振り返るたびに唖然としてしまう作品だったと言わざるをえない。はっきり言って、これだけ紆余曲折あると、細かく何があって、どの出来事に何がどう関係しているのか、とか全然把握できていないんだけれど、クライマックス入ってからの怒涛の伏線回収を眺めていると、どうもあらかた本当に回収してるっぽいんですよね、伏線。精神が入れ替わったり、過去から未来へと時間を飛び回った挙句に、無数のパラレルワールドを何人もの一斗があっちこっち世界を跨いで行き交ったり、と果てしなく複雑な肯定をたどりまくった挙句に、人間関係も錯綜しまくっているものだから、大筋にしがみついているのが精一杯。一度、改めてシリーズ最初から全部通して読んでいないと把握は難しいかもしれない。しかも、いちいち細かくチャート、誰がどのシーンで誰と出会い、どんな言葉を交わして、どんな関係を紡いだのか、というのをチェックしないと全体の掌握は難しいかもしれない。何しろ、どう考えてもギャグシーンでしかないだろう、というユルユルの展開も何気に重要なシーンだったりするんだから。
でも、前巻あたりからの伏線回収で、概ねスッキリ謎らしい謎は解明されていっているので、ちゃんとチェックすればわからない、ということはないはずなので、純粋にワクワクしながら読み通せるんじゃないだろうか。十三巻も竹井節を一気読みしたら頭おかしくなりそうだけれど。

しかし、最終巻に至って一番瞠目させられたのが、何よりも来珠のデレ期到来である。マジで来珠がデレてるのである。世界が滅んでも絶対に素直にならずにあまのじゃくに拗ね倒すと思ってたあの来珠が、マジでデレデレなのである。それを見れただけでも、ここまで東京皇帝にお付き合いした甲斐があったかもしれない。
そして、巴御劔のなんという便利キャラ(笑
それでも、この人はこれだけ世話好きで友好的にも関わらず、手を貸す場面と手控える場面を心得ている人なので、全力で支援してくれるにはされる側、この場合では一斗にちゃんとした自身の足で踏み出す意思と力がなければ、おんぶにだっこの子供扱いの支援はしてくれなかったと思うので、これだけ手をつくしてくれたということは、一斗がちゃんと対等の独り立ちした友人としての立ち姿を見せた、ということでもあると思うので、非常に価値がある事なんだと思うよ。

ちなみに、やっぱり圧倒的ヒロインだったのは雪絵でした。一斗ちん、完全に特別扱いじゃないか、雪絵のこと。なんという愛人属性(笑
いやでも、ほんとに雪絵たち八田姉弟がちゃんと報われてくれたのは良かったよ。
そして、一際包容力をみせたのが、あの落ち着きのない恋歌さんだった、というのは彼女もあれでまたちゃんと成長していたんだなあ、と……唖然とさせられるところでありました。ゆるふわ恋歌も成長するんだ、バカな。まあ、四菜のどう頑張ってもヒロイン力が湧き上がってこない可哀想なキャラの不憫さに比べれば、恋歌が成長しようがしまいがわりとどうでもいい話。恋歌の読み方もかなりどうでもいい話だった気がするんだが、もしかして重要だったのか、あれw

最初の頃から、本作は西園寺一斗が東京皇帝になるまでのお話である、とされてきましたけれど、随分と終盤までどうやってこんな少年が東京皇帝の座に就くんだか、と眇めて見ていたものですけれど、まさかこんな立派な形で皇帝位に就くことになるとは、なんか感動すら湧いてきましたよ。絶対、もっとイレギュラーな形、或いは突飛なシチュエーションで無理やり収まってしまうんだろうなあ、とか、辻褄合わせ的な意味合いの普通の意味とはズレた形で皇帝になるとか、そういう想像ばかりしていましたから、こんな真っ当な形で即位できる話になっていた、というのは正直、凄いと思った。
まさか、この作品そのものが、あとがきで書かれていたようなシロモノだった、というのは想像の埒外でしたけれど。ってか、本作の書き方がそういう形のものだった、というのなら作者の他のシリーズはなんなんよ(笑
もしかして、全部安藤さんが書いてるのか!? それはそれで、ちょっとワクワクしてしまうのですけれど。

ともあれ、超大作となった【東京皇帝☆北条恋歌】もこれにて見事に完結。終わってみると、やっぱり感慨深いです。あー、楽しかった。

シリーズ感想

東京皇帝☆北条恋歌 12 3   

東京皇帝☆北条恋歌12 (角川スニーカー文庫)

【東京皇帝☆北条恋歌 12】 竹井10日/高階聖人  角川スニーカー文庫

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「ようこそ、進化の塔の最深部へ」莫大な犠牲を払い辿り着いた先にいたのは、「東の門番」を名乗る東雲十狼佐だった。彼女に導かれ帝国暦1年の京都へ向かった一斗と恋歌は、世界を取り戻すための試練に挑む。しかし最後の門で2人を待ち構えていたのは、一斗を名乗る人物で!?本編はシリアスモードだけど、短編は今回もゆるゆる!雑誌「ザ・スニーカー」掲載時に話題沸騰となった、東雲のあの短編がついに文庫版に収録。
この人の作品は「シリアスってどういう意味だったっけ」と深刻に首をひねってしまうこと度々なのだけれど、今回に至っては本当に概ねシリアスだったんじゃないだろうか、概ね、ね。
いやしかし……今回ってば怒涛の伏線回収だったですよ、でしたよ。これまで謎だったり意味不明だったりした事柄が、あらかた明示され解体され解明されあからさまにぶちまけられて説明されてしまったんじゃないだろうか。時系列と世界線が入り組みすぎてわけがわからなくなっていた人物相関についても、かなりスッキリと分かりやすく提示された気がする……気がするだけで気のせいかもしれないけれど、実は分かった気になっただけで本当はそんなにわかってなかったんだぜ、という可能性もあるんだが、そんな気分になれたんだから良かったじゃないか、良かった良かっためでたしめでたし。
で、終わってしまったらいけないんだけれど。なにしろ、本編終わってないし。終わってないよね? そもそも、これって何を最終目標にしていた話だったのかをついつい忘れがちの忘却の彼方にうっちゃってしまってるんだが、なんだったっけ?
一応あれですか? みんな死なずに世界も滅びずにハッピーエンドを迎えればいい、ということなんですよね? 言葉にしてみると平易な最終目標だけれど、何しろ登場人物が片っ端からあさっての方向を向きながら明々後日の方向に突っ走って本道を逸れっぱなしなものだから、ついついどんな話だったのか意識の上から飛ばしてしまうのである。そもそも主人公の一斗少年からして、精神的に枯死していてまともに動きも思考を働かせもしない人物だったからなあ。最近になってようやく自発的行動を開始してようやく主人公らしくなってきたけれど、最初の頃は精神的に死んでいるのが売りみたいな主人公でしたから……って、どんな主人公だよ。

ともあれ、平行世界が軒並みアウトを喰らい、どの世界の一斗も数百、数千歴史を繰り返しても失敗し続けた中で、ようやく今回最終局面に辿りつけた、その要因こそが東京皇帝北条恋歌の存在であった……恋歌さま、マジヒロイン! というには、いささかこの娘だけシリアス成分が圧倒的に足りないどころか必然的にマイナスを保っているのだけれど、このマイナスこそがクリア要因だった、ということなんだろうなあ。こればっかりは、他の娘さんでは無理だったのか。そりゃ、ここまでアーパーすぎるアーパーは、いくらアーパー揃いのヒロインの中でもいなかったし、恋歌さま図抜けてたし。
ヒロイン度としては、雪絵がある意味圧倒的だし、十郎佐さんなんか短編含めてクリティカル決めてたし、ユカリ子さんは常に侮れない位置を不動で占めてましたし、恋歌さんマジコメディ枠。
……あれ? 婚約者の来珠さんは? ご不在ですか? ……不憫!!

ともあれ、怒涛の勢いで広げまくっていた大風呂敷を畳みに掛かったクライマックス12巻。え? 次で完結なの?? なるほど、その御蔭でそのせいか。ぶっちゃけ、風呂敷広げすぎててたたむつもりなんかさらさら無いとすら思っていたので、ここまであれこれ事細かに謎だった部分を明らかにしてくるとは思わなかっただけに、次々と明らかになっていく真相はなかなかに痛快でありました。面白さに勢いはつきものだよね♪ 
というわけで、このままの勢いで最終回だ!!

シリーズ感想

彼女がフラグをおられたら こんな風にみんなと学園祭の話をしたの、初めてだな3   

彼女がフラグをおられたら こんな風にみんなと学園祭の話をしたの、初めてだな (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら こんな風にみんなと学園祭の話をしたの、初めてだな】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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学園祭の季節がやってきた!一週間ぶっ続けで行われる旗ケ谷学園最大のお祭りに、菜波や颯太や茜たち1年F組は「焼きそばお化けメイド喫茶」なる奇っ怪な模擬店を企画。一方クエスト寮の催しは“演劇”―新転校生・白亜執筆の脚本はラブシーン満載、その相手は全て颯太という超展開だが、ヒロイン役の女子達の期待はMAXに!?徹夜の泊まり込み準備はじめ非日常の連続にずっとこんな毎日が続けと誰かが念じたかはさておき、学園祭初日の華「ミス旗ケ谷コンテスト」にも、美少女揃いのクエスト寮女子メンみんなが出場することになりさらに大忙しの颯太。だがその影で彼を取り巻く“事態”も静かに進捗しつつあった!大人気イチャコメ第5巻夢の学園祭編。
ブレードフィールド公国を訪れ、そこで事件に巻き込まれたことでついに物語の核心に突入した!? と思ったら、普通に帰ってきました……お・か・え・り・な・さ・い! しかも、白亜付きである。とんでもなく重たいものを引っさげて帰ってきやがった。持ちネタ「天然」「重たい女」です、よろしくお願いしますよろしくお願いします。ヒロイン=芸人というのが竹井ワールドの共通認識なので、どのヒロインもそれぞれ「振り」に対して適切なキャラ特有の個性ある「返し」を行わないと容赦なく売れなくなっていくという厳しい世界なのである。吉本新喜劇か、この作品わw
定番の譲り合い劇場ももはや学園でも評判の名物劇場と化していて、オチを無関心な菜波が全部持っていくというのもお決まりのパターン。お決まりなんだけれど、毎度毎度譲りあった挙句に見事に菜波に颯太のパイが回ってくるのは大したものだなあ、と少々感心してしまった。これも運命ってヤツなのだろうか。個人的にはそろそろ菜波にもちょっとデレてほしいところなんだけれど、彼女がデレてしまうとオチとして機能しなくなってしまうので難しいところである。でも、何だかんだとイベント各位にはきっちり参加しているあたり、菜波も満更じゃないのかしら。
そんな颯太を中心に繰り広げられるクエスト寮の面々のドタバタラブコメを眺めている学園のみんなの視線の生暖かいこと生暖かいこと。いや、そこまでぬるい目で見なくても、と思うくらいに生暖かいんですよね。なにこの空気w
とまあ、表では相変わらずヌルい空気で白亜が加わってもラブコメが進展も進捗もなくゆるゆると揺蕩っている一方で、裏側ではブレードフィールド公国の一件を機に着実に刻々と状況が進行している模様である。いきなり「魔法使い」なる存在も登場してきて、あからさまに不憫枠なのはまあ置いておくとして、ブレードフィールド公国の七徳院を主軸として展開してきたサクラメントにまつわるあれこれに対しても、外からの視点というかアプローチも加わってきて、徐々にその全貌が明らかになりつつある。と言っても、まだまだ何が何だかさっぱりわからないのであるけれど、壮大な仕掛けが歯車じかけの機械のようにカチリカチリと動いている様子がかいま見えて、なかなかワクワクさせてくれる。忍者ロボ娘のあの秘密にはかなりビビらされましたし。なに? ガチシリアス? こういう引っ張り方が竹井さん、上手いんだよなあ。ほんとになかなか見せてくれないんですけれど。微妙に一人だけ役職が意味不明なところがあった生徒会長、聖帝小路美森。彼女については重要そうな立ち位置のくせに前回のブレードフィールド公国来訪では置いてけぼりにされて、かの公国に伝わる重要なお伽話にも該当するような役職が見当たらず、はてなマークが浮かんでいたのだけれど、魔法使いサイドから思わぬ関連が浮かび上がってきて、美森会長自身はまったく感知していないようなのだけれど、また随分と危なっかしいところに知らないうちに立ってるっぽくて、なんだか心配になってきた。そのうち、美森会長回とかあるんだろうか。あんまりこの作品、誰か特定のヒロインの担当回とか無いんだけれど。

竹井10日作品感想

彼女がフラグをおられたら ここは俺に任せて、お前は夏休みを満喫しろ3   

彼女がフラグをおられたら ここは俺に任せて、お前は夏休みを満喫しろ (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら ここは俺に任せて、お前は夏休みを満喫しろ】  竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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待望の夏休み突入! 帰省する場所がない旗立颯太は、菊乃、次いで茜の実家にお邪魔することになった。結局そこに凜や恵や鳴たちも合流。お馴染みのクエスト寮メンバーによる大騒ぎの夏休みが始まる! だがそこには菜波の姿が無い!? 故国へ帰省中のため「颯太くんとの夏休み」に加われない菜波を案じて、一行は菜波の国・ブレードフィールド公国へと向かう! 彼の地では颯太を宿命的な出会いが待っていた~菜波の妹・白亜、そして七徳院の“No.0”~さらには公国内部に蠢く謀略に巻き込まれ、颯太は新たな“力”に目覚めていく!

待望の夏休み突入! 帰省する場所がない旗立颯太は、菊乃、次いで茜の実家にお邪魔することになった。結局そこに凜や恵や鳴たちも合流して大騒ぎの夏休みが始まる! だがそこには菜波の姿が無い!? 故国へ帰省中の菜波を案じて、一行は菜波の国・ブレードフィールド公国へ……彼の地では宿命的な出会いが待っていた~菜波の妹・白亜、七徳院の“No.0”~さらには公国内の謀略に巻き込まれ、颯太は新たな“力”に目覚める!
おおっ、いきなり話が物語の核心部分に突入しだしたぞ!? というか、この作品に核心云々を語れるようなバックグラウンドがあるのを忘れるところだった。大名侍鳴の登場とか、それっぽいところはあったけれど、あのへんはもう新キャラ登場というくらいにしか見えなかったからなあ。
しかし、竹井10日という人は話がギャグ側に振れているときはトコトン巫山戯倒しているにも関わらず、その舞台となる物語の構造を見ると、異様なまでにガチでハード路線なんですよね。時間軸をも横断するコアな世界観の歯応えが半端無いんだ。これは【東京皇帝☆北条恋歌】【ここから脱出たければ恋しあえ】でも同様なので、この人の作品傾向そのものでもあると言えるし、若干つながっている気配もあるので、そのスケール感は侮ってはいけない。
やってることはギャグばっかりなんですけどね!! いやもうホントに。
というわけで、運命に導かれたように、或いは単なるノリと勢いで菜波が帰省しているブレードフィールド公国に夏休みを利用して遊びに出かけた颯太たち。勢いだけで海外旅行って……羨ましいなあ。おのれ金持ちめ。全員パスポート持ってたのかよ、と妬み混じりにツッコんだり。
そんな押しかけ当然に訪れたブレードフィールド公国で菜波の妹である白亜と出会い、また公国に伝わる古い神話を知ることになる。まるで、今の自分達の運命を予兆しているかのようなお伽話を。
こうして見ると、やっぱり本作のメインヒロインって菜波になるんですかしらねえ。扱いが完全に特別ですし、立ち位置そのものも明らかに他の娘さんたちとは違いますし。役割として姫と騎士の両方を担っている、というのも特異ですし。
しかし、お伽噺の中で出てきた名前の中で、魔剣士と吟遊詩人だけ誰かわからなかったんだけれど……登場人物振り返ってみると、魔剣士って深雪・マッケンジー先生なのか。なんというこじつけw しかも、この先生あんまり登場してないから印象ないんだけれど。
それから、残るは美森生徒会長なんだが、この人は聖帝小路という名前の通り、あくまでサウザー様であって吟遊詩人じゃないですよね? もう一人新しいキャラの登場が控えているのか、それとも美森会長にも特別な役割が待っているのか。あと、白亜のミドルネームがB――バーサーカーってのはなんなん!? 狂戦士!? この天然、狂戦士なのか!?
まあ今のところ名前から来る役名と、その人物のキャラはまったく関係ないみたいなので、狂戦士と言っても別に正気を失って暴れだすみたいなことは全然ないんですが、それにしてもバーサーカーw
世界監視機構を陰で標榜する七徳院の存在が、ナンバー0の登場とともに本格的に浮き彫りになり、それにともないプレミアム・アンブリエル号事件を始まりとする幾多の謎もまた、あのサクラメントの再登場とともに混迷を深めていく。世界の謎を解き明かせ、という意味でのミステリーとしてもこれはだいぶ盛り上がってきたんじゃないでしょうか。

ところで、なんかアニメ化フラグが立ちました! とか言ってますけど、そのフラグ、ポキッとかいって折れたりしないでしょうねw

1巻感想

東京皇帝☆北条恋歌 10 3   

東京皇帝☆北条恋歌 10 (角川スニーカー文庫)

【東京皇帝☆北条恋歌 10】 竹井10日/要河オルカ 角川スニーカー文庫

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皇泉学園に新たな転校生がやってくる。北条恋歌、八田雪絵、エニグマ二式の3人である。制服姿で年甲斐もなくはしゃぐ雪絵(22)にツッコミつつ、新世界の謎を解くべく彼女たちと共に“進化の塔”に挑む一斗だったが、その前に一人の人物が立ちはだかる!一斗の恋人になったゆかり子である。他の女の子と仲良くする一斗に拗ねるゆかり子と、それに対抗する恋歌と雪絵。さらにそこに雫や魔界から帰ってきたリセエールまで加わって。
他のシリーズは順調に出ているのに、これだけ随分と間が空いているなあ、とは思っていたのですが、絵師の要河オルカさんの方が体調不良だったのですか。結局、これまで書き溜めていた分のイラストで本巻を凌ぎ、次回以降は高階@聖人さんがイラストを担当することに。この人、オルカさんのお兄さんなんですね。そう言えば、そんな話を以前にしていたような。このシリーズの絵はオルカさんというイメージがくっきりと焼き付いているので、下手な人選では作品のイメージ自体崩れかねないところですけれど、高階@聖人さんなら大丈夫か、とちょっと安心。オルカさんの復帰が叶えば一番なんですけどね。
というわけで、久々にしてついに二桁到達の十巻。久々なんで、話がどこまで進んでいたか若干忘れていて読み始めはいささか戸惑ってしまった。だって、あれだけ過去と未来が錯綜して居る上に時系列上の事実関係があれこれ食い違って、どうなってんの? という状況でさらに現代もおかしなことになっていて、という風に複雑に入り組んだ状況でしたからね。
どうも、このへんなことになってしまっている現代も、平行世界じゃないことがお母さんことリセエールの帰還や、一斗と同じ世界の記憶を取り戻す人たちが若干名ながら現れだしている状況から確定しつつあり、だからこそこれどうなってんの? という謎が謎を呼ぶ展開になっており、その上でそんなことはまあさておいて、と言わんばかりにゆかり子さんがガチ恋人として大暴れであり、新興勢力にして圧倒的な存在感を示す雪絵の二大巨頭の台頭によってラブコメ戦線異常あり? 恋歌さまは刺身のツマです……いや、マジで。
ガチ恋人になってしまったゆかり子さんの恋人力たるや、その面倒くささも含めて直球直球、ひたすらど真ん中めがけて放り込むストレートで、一斗があれだけ絆されてるのを見るのは初めてだ。挙句、これは愛だ! なんて事まで言い出す始末。一斗卿、はために見てもそれかなりデレデレですよ? 元々、ゆかり子元帥は一歩引いた立場のくせに、実際問題一斗との相性は抜群なところを見せていたので、この展開はアリアリなんですが……その前に敢然と立ちふさがるのが八田雪絵(22)である。
一斗の態度が、雪絵相手だけ全然違う、違いすぎる!! ゆかり子相手の時とはまた違う、完全に心を許した接し方で、この少年が他の女性相手には絶対に見せたことのなかった姿なんですよね。一斗卿、キャラ違う、雪絵相手の時だけキャラ違う!
まだ、この一斗の態度だけなら凄い差が開いてる! と驚愕するだけだったのですが、愕然とし戦慄させられたのが……あのヤンデレ妹である夕鶴が。兄に近づく女は皆殺しと書いて鏖殺! と言わんばかりの狂乱バーサークだったあの夕鶴が、雪絵に対してだけ、兄との関係を認める素振りを見せた上に、兄をよろしく、とまで言ってのけたのである。
世界の法則が乱れる!!
いや、ありえんでしょう。夕鶴が許す女が現れるなんて。
恐ろしいまでの別格。そして、いつの間にかその他扱いの恋歌さまに、もはや空気な来珠。そして、雪絵(22)が生徒になってるのに、此方は先生として隔離されてしまってる美文さん。あばばば。
もうゆかり子さんか雪絵(22)でファイナルアンサーでいいですよ、いいですよ。
と言っている間に、まさかのお母さんことリセが参戦フラグを立てている始末。リセまで入ってきたら、ますます皇帝と宰相の立場がなくなっていくな♪

世界の謎と恋愛関係があっちもこっちも混迷を深めるさなか、行方不明になっていた四菜がもたらした情報は核心となるかもしれない、しかしさらに謎と混乱を深める展開に。
わりと引きが凶悪なので、次回はなるべく早く送り出して欲しいところである。

竹井10日作品感想
 
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