船戸明里

Under the Rose (4) 春の賛歌5   

Under the Rose (4) 春の賛歌 バースコミックスデラックス

【Under the Rose (4) 春の賛歌】 船戸明里 バースコミックスデラックス


なんつぅ、エグい……。これまでもエグイ話だと思ってたけど、ここまでどん底に叩き込むのか。
ウィリアムによって、尊厳を粉々にすり潰されるレイチェル。
第十話は、ほぼ丸々、レイチェルは一人真っ黒く塗りつぶされたシルエットとして描かれる。それが恐ろしいほどに彼女の絶望を伝えてきて、言葉も出てこない。
これほど凄まじい表現法があったのか。
よくスラムダンクの最終話近く。まったく台詞無しで丸々一話が描かれた話があり、その迫力、表現の凄まじさに未だに話題に上りますけど、正直言ってそれに勝るとも劣らない凄まじさ。
それだけに、彼女が影から姿を取り戻したあの瞬間は、総毛立ちました。
あれほど敬虔な信徒として、なにより女性としての尊厳を粉々に打ち砕かれながら、あのメイドの傷跡を見た瞬間に闇を吹き飛ばし自身を取り戻したレイチェルの姿に、打ちのめされました。
これまで、この女性、あんまり好きじゃなかったんですよね。でも、これを見せられては、そんなこと言ってられない。
だけど、そんな彼女の魂の強さも、ウィリアムの前では薄紙のように破り捨てられる。
何度も、何度も、何度も、何度も。
辛うじて、アイザックやロレンス、自分を慕ってくる子供たちの笑顔や優しさに自分を保つものの、レイチェルの心はボロボロに切り刻まれちぎれ落ちそうになっていく。
もう、見てられないくらいの追い詰められよう。

しかし、アルバートはもう少し危うい人間だと思ってたんだけど……。彼に関しても、なにかその在り様というものが見えてきた気がする。彼は非情かもしれないけど、決して破滅的でも陰惨でもない。ある意味完結しているのが不安なんだけど、彼の守ろうとしているものを破ろうとさえしなければ、彼は味方として、友人として、親愛と信義をもって助けてくれる人なんだろう。
こういう人は結構怖いんだけどねえ。どれだけ親しくしてても、一度敵に回れば徹底的に冷徹に排除してくるだろうし。でも、味方である限りは本当に頼もしいタイプなんだよなあ。

一方のアンナも、彼女は彼女なりに取りつく島があるような気がするんだよなあ。ウィリアムの妨害さえなければ、もう少し歩み寄る要素があるような気がする。本人は過去に縛られているつもりなのかもしれないけど、もう過去を過去として今を生きる準備は、彼女の中には整っているような、そんな素振りは何度か垣間見ているわけですけど……。
なんにせよ、ウィリアムか……。
ライナスがなんか、角が取れてきててちょっとほっとさせられる。
レイチェルも、どん底まで追い落とされたことで、逆に視野や他人への理解の仕方が広がっている風情も見当たるし。
なんとか、事態が好転していかないものか。でないと、さすがに溺れて沈みそう。

Under the Rose (3) 春の賛歌5   

Under the Rose (3) 春の賛歌    バースコミックスデラックス

【Under the Rose (3) 春の賛歌】 船戸明里 バースコミックスデラックス


なんなんだろう、この齟齬は。微妙に合わない歯車の歯のような、感情、想いの齟齬。それでも、ロウランド伯爵家という歯車はその齟齬を噛みつぶしながらも、回り続けていた。そこに、新たに現れた家庭教師レイチェルという新たな歯車。
時に歯車のズレがピタリと嵌まり上手く回り出す部分もあれば、逆にズレが破砕へと繋がり破綻が広がっていく。その繰り返し。
悲鳴をあげながらも、歯車は回り続けている。
キングの死、ライナスたちの家族への参入という大きな変化を迎えながらも、なおもいびつで破滅的で、それでも安定していたロウランド伯爵家の歯車は、レイチェルの出現で大きく揺れ動きだしたように思える。
レイチェルという歯車は決して大きくないはずなのに。
レイチェルという女性もまた、齟齬ばかりだ。表面的な情景から、自身の理想をロウランド家に透かし見て心躍らせ、またその真実の姿を見るや失望に埋没する。
牧師の娘という出自の彼女の倫理観は潔癖に近く、ロウランド家の人々との感覚のズレは大きい。これは、レイチェルがまだ登場しない時からロウランド家の物語を読んできた読者も同じで、レイチェルが抱くロウランド家への嫌悪や忌避感は、違和感として伝わってくるんですよね。
彼等家族がこれまで積み重ねてきた懊悩と、現在進行形で鬱積していく闇と光を見続けてきた身としては、彼女の背徳の家という表現は不快ですらある。よそ者が何を勝手で独善的なものの見方をして、と。
ただ、彼女の齟齬は非常にシンプルで分かりやすいんですよね。ロウランド家の人々が抱える闇は、さらに複雑でややこしく迷宮のように入り組んでその真の姿を見せることがない。おそらく、本人たちですらそれはわかっていないのだろうけど。もしかしたら、その複雑な暗部は表層に表そうとしたら泡のように溶けてしまうものなのかもしれない。それを見ようとしても、眼を眇めて闇の揺らめきを垣間見ることでしかその在り様を認識できない代物なのかもしれない。
なんにせよ、レイチェルがやがて正面から立ち向かわなければならないのは、真っ向から当たることのできないその闇の揺らめきなわけだ。
まだ、彼女はこのロウランド伯爵家の本当の病巣に気づきもしていないわけだ。でも、ミス・ピックとの対立や幼いロウランド家の子供たちと絆を深めていくことで、この家の光がどういったものかは徐々に分かり始めている。
彼女が、単なる家庭教師という役割から逸脱して、このロウランド家に何かをもたらす存在になるのか。そうした役割を担う認識と意志を宿そうとしていたその矢先に彼女がぶつかってしまうのは、この家のもっとも深く暗い負の意志。
想像を絶する展開に、ただ絶句するほかない。
闇に呑まれ、堕ちた彼女を待ち受けているものは……。
恐ろしいものほどその正体をはっきりと確かめたいという欲求に脅かされる。これは、きっとそういった類の傑作だ。


Under the Rose (2) 春の賛歌5   

Under the Rose (2) 春の賛歌

【Under the Rose (2) 春の賛歌】 船戸明里 バースコミックスデラックス


うあああああああ(絶句

なんか、導入が前の巻と一緒になってしまったけど、絶句するしかないですよ、これは。煮えたぎったコールタールのような凄まじい情念の描写に、絶息してしまう。
てっきり、主人公はライナスだと思ってましたけど、彼はあくまで「冬の物語」の主人公だったのですね。冬の物語はこの二巻でひとまずの終わりを迎え、春の賛歌という名を与えられた次なる物語が始まるわけですか。
それにしても、それにしても、これでもかこれでもかと容赦のない展開で、死にそう。ほんと、死にそう。
グレースの死の真相のあまりの残酷さに、ライナスが受けた衝撃はいかばかりか。まだこいつ、13歳なんだぜ? その所業のあまりの傲慢振りに忘れてしまいがちになるが、彼はまだ13歳の子供にすぎないのに。
なんでだろう。この物語に出てくる人達って、みんな根本的なところではまったく善良な人間のはずなのに。ロウランド伯爵家は、たびたび言われているとおり、この時代においては驚くほど開明的で、本来なら非常に過ごしやすい場所のはずなのに。
すれ違い? 時代? なにがこんなに、息苦しいんだろう。せめて、この冬の物語の終わりに、ライナスがアーサーの愛情を認め、受け入れてくれたことがとても重たい救いのように思える。いったん距離を置くことを選んだのだとしても。
人と人が分かり合うのはなんでこんなに難しいんだろう。その人の気持ちが、そのまま伝わったら、この家にこびりついている歪みや痛みの大半はすぐに消えてしまうはずなのに。
人の心は難しい。それを、一つ一つ乗り越えて、近づいていくことができるのか。冬の物語は、その方向を示して見せたのだと、今は信じたい。
そして始まる「春の賛歌」
主人公はレイチェル・ブレナン。家庭教師としてロウランド伯爵家に現れる牧師の娘。
打ち解けないロウランド家の子供たちに、彼女は真摯に向き合おうとするのだが……。

人の抱える業の深さに、溺れそうだ。

Under the Rose 1 冬の物語5   

Under the Rose (1) 冬の物語    バースコミックスデラックス

【Under the Rose (1) 冬の物語】 船戸明里 バースコミックスデラックス



………うあぁっ(絶句

これは、マジすげえ。なに? これ。
泥沼というのも生ぬるい、重油の海をも連想させるドロドロに重たく渦巻く情念の海。
重たい。感情が重たい。潰れて息ができないみたいだ。漫画読んでてこんな気分を味わわされたのは初めてかも。
時代は十九世紀後期。ヴィクトリア朝イギリス。
引き取られた父であるローランド伯爵の邸宅で独り母グレースの死の真相を追い求めるライナス・キングの彷徨。
いや、もうこれはマジで凄すぎた。たまんない。震え上がった。冗談じゃないよ、洒落にならん。これどう考えても稀代の傑作じゃないか。信じられん、参った。
こんな漫画があったんか。いや、参った。参った。勘弁してくれ。
野心とか企みとか謀とか名誉とか、そんな所じゃない。闇はそんなところにはない。ただ、生きることに、これほどの闇が満ち満ちているってのか。
たまらんなあ。死にそう。うわあ。

流血女神伝 喪の女王 8  

流血女神伝喪の女王 8 (8) (コバルト文庫 す 5-63)

【流血女神伝 喪の女王 8】 須賀しのぶ/船戸明里 コバルト文庫


………………。

………………。

「完」の文字を目の当たりにして、図らずも涙があふれてきました。
今まで、感動やら悲しみで泣いたことは何度もあったけど、感無量という感慨で涙が込み上げてきたのは初めてだったなあ。

第一巻がこの世にい出て約8年。全27巻。カリエという少女の波乱万丈の人生を中心に描かれた人と神の物語は、これにて完結を見ました。
本当に、本当に感慨深い。
感無量という言葉以外思い浮かばない。

……はあ。

なんか、しばらくため息しかでてきませんわ。
『おまえの人生は波瀾万丈すぎて面倒だ』ってね(笑)
感想書こうにも、こう胸が一杯で何を書いたらいいのかわからないくらいの満足感。
時代の激流の中、みんなみんな精一杯必死に生きたその生き様に、ちょっと酩酊しています。
なんか、何書いてもネタバレになってしまいそうで、というよりも書くことで手のひらからこぼれて行ってしまいそうで、全然感想になってないんだけど、このままギュッと胸に抱きしめてしまいたいと思います。


ドミトリアス、グラーシカ、バルアン、レイザン、イーダル、ミュカレウス、ロイ、ギアス、トルハーン、ソード、オレンディア、サラ、サルベーン、グラーシカ、ネフィシカ、リネ、アルガ、フィンル、タウラ。
そして、エディアルドにカリエ。

最終巻だけでも、主要人物だけでもこれだけ、これまで続いてきた27巻を振り返れば、いったいどれほどの人々がこの作品の中を駆け抜け、死んでいき、生き抜いていったのか。
神々は地より去り、これよりはただ人だけが世界を紡ぐ時代が訪れる。

さようなら、女神。
さようなら、残酷で心優しい母よ。


最後まで、カリエはカリエでしたね。それが、無性に嬉しかった。エディアルドとの結末は驚きと同時に、すんなりと胸に収まりました。
洗濯物は取り込んだらたためって、あんたたちったら、ねえ(笑


ああもう、素晴らしかった。素晴らしくて、素敵で、悲しくて、楽しくて、辛くて、苦しくて、爽快で、気が遠くなるような、人間の抱くあらゆる感情を凝縮して一気飲みするような凄い、凄い作品でした。
一人の少女の物語であり、母親の物語であり、神々の物語であり、大河ファンタジーであり、歴史小説であり、群像劇であり、
私のかけがえのないバイブルの一つでありました。
墓の下まで持っていきたいと思っているいくつかの本の中の、これは確かな一つです。

まだ読んでない人、27巻という大長編ですけど、絶対に絶対に後悔はさせません。
一度手にとってさえいただければ、そこからはもうカリエという少女が貴方の首に縄つけて無理やりにでも引っ張り込んでくれます。そうなれば、あとは夢中になってこの流血女神伝という奔流の中をアップアップと溺れながら最後まで泳がざるを得ないでしょう。
ご愁傷様です。

最後に、作者の須賀しのぶさんに、この物語を最後まで読ませていただけたことに、ただひたすら感謝を。
それから、子供世代の話に期待を膨らませつつ、もうしばしこの胸いっぱいの感慨にひたらせていただきたいと思います。

流血女神伝 喪の女王 7  

流血女神伝喪の女王 7 (7) (コバルト文庫 す 5-62)

【流血女神伝 喪の女王 7】 須賀しのぶ/船戸明里 コバルト文庫


これは殆ど確信に近い予想なんだけど、流血女神伝――すなわちカリエの物語は次で最終巻かもしれないけど、この世界の物語は引き続き新シリーズとなってはじまるはずですよね?
なにしろ、ルトヴィア、ユリ・スカナ、エティカヤの三国を巡る混乱は拡大こそすれ、収縮する様子は一片たりとて見られないのですから。
いやそれよりなにより、今巻は特に何ですけど次世代を見越したかのように、たくさんの子供たちが顔をのぞかせているんですよ。ネフィシカとサルベーンの子であるフィンルに、バルアンの姫、スゥランやナイヤの娘ジィルヤ。カリエがエティカヤに残してきた息子アフレイム。女神の力を色濃く宿しているセーディラにビアンの子、次期ゼカロ公爵のユーディアヌス。ドミトリアスとグラーシカとの間に生まれたイエラとエアリシア。
まだ幼い彼らの間にも既に様々な出会いと因縁、想いや感情が交わされ育まれはじめている。着々と、次のシリーズの主人公たちが眼を覚まし始めているように見えます。
でも、これは大穴狙いの予想なんですけど、もし次のシリーズがあるとしてその主人公は誰になるのかと考えたら、それってカリエの子供であるアフレイムやセーディラじゃなくて、今回初登場したザカール人の少女、リネなんじゃないかと。
だってこの子、カリエそっくりじゃない(笑
能天気で聡明で人懐っこくて感情豊かで行動力があってなにより明るくて優しくて、そしてお金大好きという将来絶対それで躓きそうな欠点を持ってるところとかw
それ以上に、この娘なんか図太そうだしめげなさそうだし根性ありそうだし、何よりやたらとどんな環境でもいつの間にか馴染んでしまいそうなしぶとそうなところとか、もろにカリエの後継者っぽいんですけど(笑
むしろ、国家同士の争乱や神々の思惑の中心に立つことになるだろう王侯の子供たちやセーディラたちよりも、そんなかれらとは近しくも少し外れたところにいるリネの方が、もしかしたら主人公として適格なんじゃないかなあ、と思った次第。まあ、この娘のこと、一発で気に入ってしまった、というのも大きいわけですけど。

とはいえ、次世代に行く前に現状、国としての屋台骨が朽ち、滅びようとしているルトヴィアや、ネフィリカ新女王即位から徐々に不穏な気配が見え始めているユリ・スカナ、孤高の覇道を突き進むバルアンの下、刃を研ぎ澄ませるエティカヤと、国際動向は沈静化するどころかもはや激発寸前で、カリエの物語は次で終わるのかもしれないけど、こっちは果たしてどう区切りをつけるのかと、まったく先の見えない状況で。
皇帝ドミトリアスが暗殺者によって重体にされた時にはとうとう完全に終わったか、と思われたルトヴィアなんだけど、ここに来て、ドーンがザカリアの使徒となり復活後ある意味開き直り、ユリ・スカナから帰還したグラーシカが皇后としても一人の女性としても見事に一皮剥けて、なにやら一縷の望みが出来てきた気がするんですよね(とはいえ、例の修道院で萌芽しつつある悪夢は、そんな希望すべてを粉々にしてしまいそうですけど)
ネフィリカも、カリエの尽力のお陰でどこか彼女本来の性格を取り戻しつつあるし(と言っても、イーダルという今回もうどうしようもないほど壊れた内面を露わにした最悪の要素と、ネフィリカの心の支えとなりつつあったカリエがいなくなることで、女王の心がどう変化するかわからんし)
いやはや、いったいどうなるんだろ。

しかし、グラーシカは本当に一皮剥けましたねえ。これまではとても勇ましく格好良い女性ではあったんですけど、女性としての魅力にはいささか難があったのですが……


「どうだ。そろそろ私に惚れたか?」
「何を言ってるんだ、君は」
「まだか。おかしいな。やはり、もう少し強引に迫ったほうがよいのか?」

「よいか、私に惚れたらすぐに言うがよい。そのときはすぐにそなたの寝室に行くのでな」


いやはや。あのグラーシカが。あのグラーシカがこんな台詞を吐く日が来るとは。
萌えちゃったじゃないか!!
グラーシカにこんな形で『きゅん』とさせられる日がくるとは思わなかった。なんて嬉しい誤算www


そしてもう一つ嬉しくて、そこはかとなく胸が締め付けられたのが、オレンディアとランゾット・ギアスの二十年ぶりの逢瀬。
まさか、ここでこの二人の再会を読まされるとは。
なんだよ、ギアス提督。あんた、やっぱり彼女のこと好きだったんじゃないか。
愛の形は色々あるんだろうけど、この二人の愛情はなんだろうね。これが、海の男と女の一つの果ての形、ってやつなのかねえ。
お互い、それで満足してるみたいだから野暮はいわないけど。

でも、だからこそあのオレンディアに知らされる悲劇の始まりは、ひどいよなあ。どう考えても、オレンディアだって無事に済まなさそうだし。
もしかしたら、おそらく命長くない提督よりも彼女の方が先に、なんて暗い予想もしてしまうわけで。
それでも、彼女にとっては悔いのない精一杯生きた人生になるんだろうか。

より多くの人の幸せを願いつつ、でも難しいんだろうなあ、と複雑な溜息をつきながら、最終巻を待ちます。あとがきによると十一月?


ちょっと嬉しかったことその2.
おそらくカリエの人生において、一番の親友であるだろうナイアが、久々に登場してやっぱり昔どおりのナイアでいてくれたことが、なんだか無性に救われた気分に。ちゃんと、カリエのことも分かってくれてて……よかったなあ、カリエ。

流血女神伝 喪の女王 5  

流血女神伝喪の女王 5 (5)
【流血女神伝 喪の女王 5】 須賀しのぶ/船戸明里 コバルト文庫
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 この娘はまったくもう(苦笑
 いや、もう子供を二人も儲けている以上、娘なんて呼ぶのは相応しくないんだろうけど、この娘は本当にいい意味で変わらない。
 カリエを直接知らないネフィシカやその旦那。カリエが一番打ちのめされて弱っていた時期に一番密接に関わったイーダルなんかは、カリエを完全に誤解してるよなあ。特にネフィシカ新女王なんか、完璧に誤解してる。
 ネフィシカは、カリエを次々に襲い掛かってくる運命に嵐に翻弄され、為す術もなく周りの人間に利用され、流されてきた哀れでか弱い女性と思っているようだけど。
 こいつは、その運命の大嵐に流されるどころか、クロールやバタフライとかで泳ぎきってきた女だぞ(笑
 確かに結果的に流されたとしても、彼女は決して流されるままにはなろうとしなかった。
 カリエの凄味は、どんなに悲惨な目にあっても絶望しても、さっさと泣いて落ち込んで当り散らして、とっとと立ち直ってしまうところだろう。とにかくめげない挫けない。人並みに落ち込んだり悪い想像に囚われたりと、決して物事に動じないメンタリティの持ち主ではないだけに、その立ち直りの速さは際立って見える。
 今回だって、ネフィリカに身柄を確保され、娘とエドに魔手が伸びようとしている状況に冒頭は絶望し打ちひしがれていたにも関わらず、いざ肝を据えて負けるかこんにゃろー、と開き直った途端、囚われの身にも関わらず自分の出来る範囲からやれることをやろうとし、状況を組み立てていっている。
 とかく、この若い身空で並みの人間が七度生まれ変わっても経験できないような怒涛の変転を乗り越えてきたカリエである。このホオジロザメのような女を自分の同類だと舐めてると、ノド笛食いちぎられますぜ、ネフィリカ女王。

 一方、サルベーンは……自分の業に取り込まれてるよなあ。彼の迷走に関しては、エドの指摘があまりにツボをついていて、なんとも苦笑してしまった。面白い事に、この期に及んでもサルベーンと最も人間的に相性が良かったのはエドだったということなのだろう。
 エドと対面した途端、あの一番内面的にスッキリしていた頃のサルベーンに戻ってたし。ごちゃごちゃ考えすぎる面を、エドに単純明快一刀両断に切って捨ててもらうことが、複雑に考えすぎて泥沼に嵌まってしまうサルベーンにとっては一番良かったのかもしれないねえ。
 ラストの展開は衝撃的ではあったものの、あのままで終わらないと思うのでまだ気持ちとしては保留扱い。
 ドーン兄も遂に偉い事になってしまったし。
 流血女神伝も、クライマックスに至ったんだけど、これからどうなるのかがまるで想像できんのが、ハラハラドキドキである。
 

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