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西尾維新

憑物語3   

憑物語

【憑物語】 西尾維新/VOFAN 講談社BOX

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“頼むからひと思いに―人思いにやってくれ”少しずつ、だがしかし確実に「これまで目を瞑ってきたこと」を清算させられていく阿良々木暦。大学受験も差し迫った2月、ついに彼の身に起こった“見過ごすことのできない”変化とは…。「物語」は終わりへ向けて、憑かれたように走りはじめる―これぞ現代の怪異!怪異!怪異!青春に、別れの言葉はつきものだ。
やっぱりお風呂は普通の民家サイズのちっちゃいヤツだったんだ!! いや、拘る所そこじゃないだろう。拘るべきは妹とお風呂で流しっこ! という部分である。……問題はあれだな、なんで月火ちゃんだけなんだ、と。火燐ちゃんも一緒に入ってこそのコンプリート! ああいう家庭用の狭いお風呂は、二人が洗いっこして、残る一人が浴槽に、という構図が一番美しいのである。そりゃあ、火燐ちゃんくらい大きいと一緒に湯船に入るのは難しいだろうから、お風呂シーンは難しいのは理解できるんだが……え? 火燐ちゃんとお風呂シーンが無い理由がそれじゃあない? じゃあなんだってんだよ!! 幼女じゃないからか? 火燐ちゃんはもうギリギリ幼女じゃないからか? じゃあ月火ちゃんは幼女だっていうのか!? 正直、平気で家の中でパンツいっちょでウロウロする女の子は幼女で充分な気がするけどな。あれは、お姉さん属性の女性じゃないと意外にエロスを感じさせないシチュなのである。例えば、羽川翼とか、本巻登場している人の中では影縫余弦さんとかな。影縫さんは、あれは本気になったらエロいよ、きっと。すごっくエロいよ。羽川級だと自負している。
……あれ? 何のはなししてるんだったっけか。そう、新たな幼女枠として斧乃木余接が本格参入してきました、というお話だったっけ。この子もレギュラーになるからにはそろそろキャラ固めて欲しいところだけれど……固まってました? 今回。よくわからん。とりあえず、この子どれだけちっちゃいんだ? 幾ら大型のクレーンゲームの筺体でも、人間サイズの景品が転がりでてくるような取り出し口があるのか、これ? もしかして、忍最幼女バージョンよりも幼女なのか? アニメに出てきたときは、忍とおんなじ位だった気がするが。

……だから、なんで幼女の話ばっかりしてるんだ? と自問自答してしまうところだが、本編だって似たようなものなんだから感想だって似たようなものになってもいいじゃない、と開き直ったところで……おしまい!!

………いやいやいや、仕舞ったらダメでしょう。
話を差し戻そう。えっと、次は誰とお風呂に入るべきかという議題でしたね。

独りで入れよっ!!

はい、結論出ました。終了!!


……だから、お風呂の話じゃなくて。
幼女の話でもなくて……。

言うなれば、黒幕の話である。
ぶっちゃけ、誰かさんが思いっきりネタバレをメタにかましていた気がするが、敢えてあれがそのまま真相なんだろうな。隠すほどのことでも無さそうだし。ただ、目的がはっきりしない。何を目論んでいるのかがはっきりしない。はっきりしないまま、悪意だけがなまめかしく肌の上を這いずっていく。
非常に気持ち悪い。
常に先手を取られている感じだ。先手以前に既定路線を気が付かないまま歩かされている感じだ。それ以外の道をなかったコトにされているような感じだ。
そのへん、全部知ってる臥煙さんは、どう捉えているんだろう。
こうなってくると、ポイントはやっぱり羽川になるんだよなあ。彼女だけが常に最善を選択している。尤も、幾つもの手遅れが生じている以上、羽川の行動が最善なのかわからないし、最善であってすらここが限界、とも考えられる。
終いは、忍野が出てこないことには始まらないのだろうけれど。

そして、そろそろひたぎさんとのイチャイチャ成分が足らない!! もっとバカップルしようぜ。

西尾維新作品感想

悲鳴伝4   

悲鳴伝 (講談社ノベルス)

【悲鳴伝】 西尾維新 講談社ノベルス

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西尾維新史上、最長巨編――西尾維新がはなつ、新たなる英雄譚。地球の悲鳴が聞こえるか。

彼の名は空々空。
どこにでもいない十三歳の少年。
風変わりな少女、剣藤犬个が現れたとき、
日常かもしれなかった彼の何かは終わりを告げた。
ひどく壮大で、途轍もなく荒唐無稽で、
しかし意外とよく聞く物語は、
そんな終わりを合図に幕を開ける。
人類を救うため巨悪に立ち向かう英雄は、
果たして死ぬまで戦うことができるのか!?
うわぁ……また、なんつー悪趣味極まるものを書いたもんだなあ、と思わず感心してしまうほど、うん、悪趣味としか言いようの無い物語でした。近年、作者はわりと善性に寄り基づいた話ばかり書いてきていたので、このへんで一度ちゃぶ台ひっくり返したかったのかしら。
とは言え、この話は悪趣味ではあっても、人間の悪意とか醜悪さとか邪悪さを露悪的に見せつけて歪んだ悦を得るようなのとは、やっぱりちょっと違うんですよね。そういうダークさからは距離を置いているように見える。むしろ、酷さを滑稽に見せようとしている節すらある。戯言シリーズ、特に零崎編の悪徳やズレた倫理観も相当に滑稽な悪趣味さ加減でしたけれど、本作は正義のヒーローもののテンプレを微に入り細を穿つ形で善悪を鏡面反転させていくやり口といい、より悪趣味を洗練させたようにすら伺える。少なくとも、魔法少女リスカあたりから比べると、相当に洗練されている。
でも、一番肝心な部分では、愛と正義を貶めたりしないんですよね。どこがヒーローなんだ、英雄なんだ、と首を振りたくなるような主人公の在り方をして……悪の秘密結社が正義の味方を代行しているような醜悪な秩序の規律を前にして……それでも最後に浮かび上がってくるのは愛の讃歌なあたりに、西尾維新という作家の一貫性を見る事ができるのではないでしょうか。
情動が湧かず、感動することもなく、厳密な意味で感情すらないのではないかという主人公の空々空。彼には本当の意味で善悪などの概念も持たず、正邪の分別もなく、ただ周りに合わせて生きているだけの、空っぽの器だ。それも、底が抜けて何を注いでも満たされない空っぽの壊れた器である。そんな破綻した人間にも、愛はあったのだろうか。人が人を好きになる当たり前の想いが存在したのだろうか。ともすれば、彼に向けられた少女たちの愛情は、彼に何の影響も与えずに素通りしていってしまったようにも見える。でも、本当に彼の中には何も残らなかったのだろうか。そこに一抹でも愛の痕跡を探そうとする行為は無為の事なのだろうか。
感動を持たない人間に、愛は存在しないのだろうか。
そんなはずはない。殺人鬼にも、虚言使いにも、刀にも、完全体にも、裸エプロン先輩にも愛はあったのだ。ならば、心動かない英雄にもそれに相応しい愛の形があったはず。あったはずなのだ。
何より彼には、意志があり、恥を持ち、求める思いがある。ならば、それは心があるということだ。たとえ揺れ動かなくても、そこに心はあったのだ。心があれば、愛がある。演じた先に、真実はある。
彼は人類にとってのヒーローではなかったかもしれないけれど、一人の少女にとっては間違いなく英雄であり、ヒーローであり、位相が違ったとしても愛を交わした相棒だったのだろうと、そう思う。
だからこれは、大嘘でも戯言でもなんでもなく、紛うことなき英雄譚だ。一人の少女の悲鳴を止めた、小さなヒーローの物語なのだろうと、そう思う。

恋物語4   

恋物語 (講談社BOX)

【恋物語】  西尾維新/VOFAN 講談社BOX

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これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!

“片思いをずっと続けられたら――それは両想いよりも幸せだと思わない?”
阿良々木暦(あららぎこよみ)を守るため、神様と命の取引をした少女・戦場ヶ原ひたぎ。
約束の“命日”が迫る冬休み
彼女が選んだのは、真っ黒で、最悪の手段だった……。
<物語>はその重圧に軋み、捩れ、悲鳴を上げる――

青春は、きみに恋するためにある。
ほんとに大嘘ばっかりだな!! うん、まあわかってた。わかってたよ。わかってたよね? 一応確認。うんうん、囮物語の感想でも信用するなかれ、とちゃんと注意してあった。良かった、記憶違いじゃなかった。
という訳で、どうせあんなラストシーン、まんまやるはずないじゃない、とは思っていたものの、はてさてどうやって決着を付けるのかしら、とは首をクリクリ傾げていたのでした。ぶっちゃけ、撫子をどうにか出来る人って全然思い浮かばなかったんですよね。主人公とメインヒロインの阿良々木くんとガハラさん、そして忍ではどうしようもないどころか悪化させるしかないことは既に囮物語の方で明らかになっていました。ここで期待をかけるべきはバサ姉か、とも考えたのですが……この人ってあまりにも正しすぎて、逆に間違っちゃってる子を正すのって難しい立場に居るんですよね。微妙に言葉が届かない。撫子の方が聞きたがらないというのもあるだろうし。今になって思うと、バサ姉の前から脱兎のごとく彼女が逃げ出していたのは、本能的に彼女の正当性を忌避していたとも受け取れる。しかも、それらの不都合をバサ姉は恐ろしく正確に承知している節がある。
じゃあ誰なのか。今更忍野のおっさんが出てくるのも違うしなあ、という感触もありましたし、本当に全然思い浮かばなかったのでした。何かこう、思いも寄らない形で決着してしまうのだろうか、とすらも考えていたり。
だから、今回の語り部があの人。貝木泥舟になるなんて、予想の埒の外の外。正直、かなりびっくりしました。
しかも、その介入の原因がよりにもよって戦場ヶ原ひたぎによる千石撫子を騙してとの依頼から。偽物語においては、阿良々木くんを監禁してすら、貝木から遠ざけようとしたほどこの詐欺師を忌避していた彼女から、彼女の方から貝木に接触を図るなんて。
まったく、やってくれます。
しかも、今回はちゃんと戦場ヶ原ひたぎの物語になってるんですよね。ガハラさんについては阿良々木くん視点のこれまでの大半のシリーズに、バサ姉視点の猫物語から既に彼女のキャラクターは分かった気になってたつもりだったのですが、貝木という壁に隔てられしかし過去によって繋がった人物からの視点や、そんな貝木との二人きりの接触から浮かび上がるガハラさん像というのは、今までと違う側面も見えてきて、非常に興味をそそられるないようだったと言えます。
特に、貝木との関係はこれまで認識していたものと大きく異なっていたようで。いや、正式、というか公式には今まで通りの認識でいいのだろうけれど、表向きと真実と真相は全部異なっているものだし、見ている方向から浮かび上がってくるものも全然違ったりするもの。そういう意味では全部大嘘である、という最初の貝木の念押しは読了後にこそよく心に据え置いていた方がいいかもしれない。何事も、嘘にしておいた方がいいこともあるということで。平穏平和は決して真実によって構成されるものでもなく、嘘によって保たれることもある。
ならば、それでいいじゃない。
……こうなってくると、偽物語でガハラさんが阿良々木くんを監禁して貝木に接触させまいとした件も、別の側面が見えてくるんですよね。なんかこう、乙女心だよなあ。全部嘘だけど。
でも、そうかー、うん。ガハラさんと阿良々木くんとの間って、嘘や秘密や隠し事がたくさんあるわけだけれど、むしろその方がいいのかもしれないなあ。二人の関係って結構ゴタゴタしていて、結構気を使ったり、神経細やかにならなきゃいけないところが多かったりして、その点阿良々木くんが忍やなんかと築いている心身一体なベタベタすぎるくらいの関係に比べると、かなり難しい部分があるんですよね。お互いに努力し続けていかないと続けていけない面が大きい。多分、バサ姉やシスターズ、真宵や或いは神原ですらもしちゃんと付き合う段になれば楽な関係を築けたように思う。すごく続けていくのが簡単な、気負わずに済むような、そんな自然な関係。それに対してのガハラさんの難度というのは、段違いだ。
でも、だからこそこの二人の恋人関係というのは余人に代えがたいものがある。なぜ阿良々木くんが彼女を選んだのか、彼女でなければならなかったのか。ガハラさんがどうして阿良々木くんじゃ無きゃダメだったのか。その一番重要なポイントがそこにあるんじゃないだろうか。
ふぅん、なるほどなあ。今回の話を通して、なぜ二人がベストカップルであるかの所以が腑に落ちた感じだ。これまでは疑問を感じる余地もなく、前提として当然のごとく二人の関係は鉄板だ、という風に捉えていたのだけれど、二人の関係に対する信頼、信仰にしっかりとした足場、土台が出来たような印象だ。ドッシリと、ね。

あれ? そんな話じゃなかったような気もするな。貝木が撫子を、つまり大人が子供をちゃんと叱って導いてあげる、という単純化するとつまりはそんな話だったわけだが、視点変われば見えてくる人物像もまた変わってくるということで、それだけは抑えておいて間違いはないかと。阿良々木くんは柔軟な方なんだが、それでもまだまだ若い一個人となれば限界がある。本当のラスボスがついにその尻尾を覗かせてきたからには、最後は主人公が決めてくれると信じているが。でも、このシリーズはどう転ぶかわからないからなあ。
それでも、意外と最後は正当に締めてくれると思う。最後の最後は王道だって奇策になるものね。

西尾維新感想

鬼物語3   

鬼物語 (講談社BOX)

【鬼物語】 西尾維新/VOFAN 講談社BOX

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少女と童女と幼女に囲まれて、阿良々木暦さんのテンションはマックスだぜ!! ……そろそろ阿良々木くんは正式に逮捕された方がいいんじゃないだろうか、と危惧するやら心配になるやら。
なんでこの人、小さい女の子と接しているとこんなに加速度的に人格が壊れていくんだ? 他の時の阿良々木くんはまだしも落ち着いているような気がするのは気のせいか……気のせいな気がしてきた。阿良々木くんは大概こんなだったような気がしてきた。
やっぱり捕まった方がいいんじゃないか?
というわけで、今回は阿良々木くんが人間でも妖怪でもない謎の「ナニカ」に追われるという危機的状況を利用して少女と童女と幼女相手にチュッチュチュッチュとセクハラしまくるという、人間として終わっている回でありました。吸血鬼としての能力を殆ど失って人間同然になってしまった状態にも関わらず人間として終わっているとは此れ如何に?
ってか、阿良々木くん、素で忍にキスしやがったな。今までも妹たちをはじめとして結構チュッチュしている阿良々木くんだけれど、一応何だかんだとキスする理由はつけてたんですよね。それが、忍へのそれは特に理由も何もなくナチュラルに、それこそ恋人へのスキンシップみたいにしちゃってたような……結構びっくりした。
考えてみたら、この【鬼物語】の時系列は【傾物語】の長い旅から帰ってきた直後なんですよね。やっぱり忍との関係は以前よりもなお親密になってるんだろうか。二人の関係については、化物語シリーズとは何の関係もない著者の別作【少女不十分】の作中にてざっくりと一言で明快にされてしまっているので、誤解のしようもないのだけれど。
ガハラさんも大変だなあ、これ。

阿良々木くんのロリセクハラ以外の話となると、ここで忍がキスショットだった頃の、阿良々木くんの前の一人目の眷属を作った時の話を忍自身が独り語りしてくれるのだけれど……阿良々木くんが忍って話すの下手くそだよな、とぶっちゃけてるのにうなずいてしまうくらい、忍の語りはあんまり面白くなかったっ! 語りようによっては面白おかしく聞く人を楽しませるような話にできなくはないと思うような内容だったのだけれど、忍ってばエンタテインメントをまるで意識してなかったからなあ。肝心の一人目の眷属がどんな人物だったのかも、忍の語りからはよく分からなかったよ。人格とかキャラクターとか、さっぱり。さてもロマンスを期待していたとは言わないけれど、むしろそれについては期待したくなかったと言ってもいいけれど、これほどそっけなく扱われてしまうと阿良々木くんじゃないけれど同情が湧いてきてしまう。とは言え、相手の怪異殺しも別に忍と仲が良かったわけでもなく、そもそも二人の間には友情も愛情も親愛も何もなかった、せいぜい知人程度の間柄だったようなのでロマンスどころかドラマチックな展開の一つも存在しなかったのは、ちと拍子抜けであった。
もっとも、忍の語りがどこまで真実かどうかはわからないけれど。あれで忍って気にしぃな所あるっぽいし、実は一人目と自分が親密だったなんて自慢だか懐旧だかを交えた話をしてしまうと、阿良々木くんが拗ねてしまったり、自分との間に距離感が生まれてしまったりしたら嫌だなあ、とわざとそっけなく話していたりしてたら、それはそれで可愛らしいんですけどね。さすがにそれはないかなあ。

ラストの展開には愕然……真宵がデレた!? 噛みました、と誤魔化せないくらいに真っ向勝負でデレやがった。あれ? ここまで直球に告白したのって、ガハラさん以来じゃない?
なんだかびっくりしたまま終ってしまったので、実感も何もなく、ぽかんと突然生まれた空白を見つめるのみ。
え? これは本当なの? 
忍野扇が何者か、というのも含めて、何ともはっきりしないまま終わってしまった話しだった。モヤモヤだがね。扇ちゃんといえば、真宵について決着が着いたみたいな事を言いながらも、念押しするみたいに二回繰り返してたのがちと気になった。

西尾維新作品感想

少女不十分4   

少女不十分 (講談社ノベルス)

【少女不十分】 西尾維新/碧風羽 講談社ノベルス

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悪いがこの本に粗筋なんてない。これは小説ではないからだ。だから起承転結やサプライズ、気の利いた落ちを求められても、きっとその期待には応えられない。
これは昔の話であり、過去の話であり、終わった話だ。記憶もあやふやな10年前の話であり、どんな未来にも繋がっていない。いずれにしても娯楽としてはお勧めできないわけだが、ただしそれでも、ひとつだけ言えることがある。
僕はこの本を書くのに、10年かかった。
「少女」と「僕」の不十分な無関係。

ほぉーー! ほぉーー! ほぉぉーー!
なるほど、これは新境地だなあ。
記憶にある限り、西尾維新という作家がこういう話を書いたという覚えはない。自伝的な小説、という意味じゃないですよ。偽悪的でも享楽的でも退廃的でもない、不真面目でもなく巫山戯てもおらず、楽しそうでもなくかといってつまらなそうでもなく、ひどくコツコツと、或いは訥々と、真剣に神妙に慎重に、勢いだけは変わらずに一気に綴り上げたような、言うなればエンターテインメントたるサービスを一切考えないように築き上げた作品だ。
「西尾維新、原点回帰にして新境地の最新作」「この本を書くのに、10年かかった」というえらく派手とも言えるキャッチコピーは、読む前に受け取っていた西尾維新本人の執筆に関するものではなく、実は中の人の語り手の事だった、というまたやられた! という毎度おなじみ受け手を翻弄する作為タップリの宣伝文句だったわけだけれど、あながち詐言とも言えないのかもしれないと、読後に思うようになったのでした。
10年目の区切りだったからこそ、化物語シリーズやめだかボックスの原作など、作家として走り始めて今アブラの乗り切った状態で多くの進行中の作品を抱えている今だからこそ、外に弾けるように広がる話ではなく、真逆とも言っていい内へ内へと凝縮して圧縮して内圧で爆ぜてしまいそうな密度を得た小さな事件を手がけてみたかったんじゃないかと感じたんですよね。
あとがきでも、それらしきことに触れてますしね。振り返ってみれば、二期に入ってからの化物語シリーズも、あれもこれもと様々なスタイルを試し切りするかのような、餓狼じみた意欲を、貪欲さを感じていましたっけ。その迸りの一つの突端がこれなのかも。心なしか、猫物語の方向性に似たものも感じましたし。
まさにそれ新境地。であると同時に原点回帰とも語れてるんですよね、これ。その通り、この物語、ラストには「彼」という小説家が語り部としての魂を実装してしまう起因となる出来事が待っているのですが、果たしてこの原点回帰は「彼」だけのものなのか。
見つめ直してわかりやすい具体的な形の「原点」が「思想」が、「望んだ在り方」なんてものがあるほど、人間なんて具体的な生き物じゃないし、「彼」が、そして「中の人」も曖昧模糊の不定形で在らんとするのはしつこいほど作中でも語られているわけですから、これが回帰した原点という結論だ、なんてちゃんちゃらおかしい話ですけれど、でも内へ内へと潜った末に出てきた一つの確かな「物語」であるのは間違い無いと思うのですよ。
これが小説である以上、なにも内包していない「大嘘」であるはずがない。
ならば、ここで語られる作品のスタイルへのスタンスが、作者が自身の作風をかえりみて導きだした答えの一つという名の「物語」であるというのは、少なくとも「嘘」じゃないはずなのだ。だったら、これを読んで「ふーん」とほくそ笑んだりして見せて、わかった風にクビを上下に振ってみるのもまあ悪くないんじゃないですかしら?

ちなみに、名前の出てきた作品の元ネタ、結構読んでないっぽいのが多くてショック。というか、本になってないのもありますよね、これ。そもそも、実際に書かれているのかいないのかも知らないのがあるんだが。
そんでもって、ここで語られたとおりだとすると、忍野忍って阿良々木くんに直球で「そう」だったのか。「そう」であっても変化球かと思ってた。ありゃやこりゃこりゃニヤニヤじゃんよw

囮物語4   

囮物語 (講談社BOX)

【囮物語】 西尾維新/VOFAN 講談社BOX

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100パーセント首尾よく書かれた小説です。――西尾維新

“――嘘つき。神様の癖に”
かつて蛇に巻き憑かれた少女・千石撫子(せんごくなでこ)。阿良々木暦(あららぎこよみ)に想いを寄せつづける彼女の前に現れた、真っ白な“使者”の正体とは……?
<物語>は最終章へと、うねり、絡まり、進化する――
これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
かみついて、君を感じる罠の中。
撫子がラスボスラスボス言われてたのはそういう意味と違うから!!
いや、違うくはないんだが、阿良々木くんとガハラさんが付き合うにあたっての最大にして最後の障害となるだろう魔性の女として、撫子さんはラスボス扱いされていたのだから、概ね間違ってはいないんだが。
それでもこんな文字どおりにラスボス化してどないすんねん!(爆笑

意外といえば意外すぎるくらい意外な展開なわけだが、一人称によって明らかに、あからさまになった撫子ちゃんの実態にしてキャラクターたる在り方については、これはあんまり意外の念はなかった。というよりもむしろファーストインプレッションで感じた通りの千石撫子で、むしろ安心したと言っていい。そうだよなあ、撫子ってそもそもがこんな子だったんだよなあ。
いやね、アニメで描かれた撫子ちゃんがあんまりにも可愛かったんで、最初の印象とえらい錯誤があったもんだから結構彼女については困惑してたんですよね。そもそも、最初の【化物語】が出た当初は、撫子の人気ってそんなになかったどころか、だいぶ下の方だったはず。それがアニメであのブレイクですよ。実際可愛かった、うん。花澤香菜さんは凄いのう。それに加えて、【偽物語】でもちょいと思いの外アグレッシブで能動的な一面を見せてくれてたので、千石撫子というキャラについてのイメージがだいぶ傾いていた訳ですが、ここで原点回帰したと言ってもいいんじゃないでしょうか。
そうなんだよなあ、この子面倒臭がりなんだよなあ。割と大事だったり肝心なところだったり重たい判断や決断が必要になるところほど、面倒くさくなって放り出しちゃう子だったんだよなあ。
ダメ娘ちゃんである。究極的にダメ娘ちゃんである。比類無きダメ娘ちゃんである。
だめだめだー。
駄目というよりも堕女、と書いたほうが漢字的に正しいんじゃないかと思うくらいのダメっぷりである。そのダメさ加減が可愛いのだ、撫子ちゃんの魅力だと豪語する人も多々居らっしゃるでしょうが、ダメなものはダメなのであります。よくまあこの子、ファイアーシスターズの二人が友達でいたもんだなあ、と思う。火凛ちゃんはともかく月火ちゃんなんて天敵っぽいのに。だからこそ、撫子は月火を怖い怖いと言ってたのかもしれないけど。実際、今回ジャッジ下されちゃってましたし。今回の撫子ちゃんと他の女性陣との交流を見ていると、女っ気が強い人の方が撫子に対して拒絶反応強いことが何となく見えてくる。火凛や神原駿河みたいにボーイッシュで天然無意識でのことは兎も角、意識的に異性に対して女性的な思考でアプローチするようなタイプとはかけ離れている彼女たちは、撫子とは仲がいいくらい。月火や羽川翼みたいな、性差をどっか超越した高みから見下ろしてたり飛びかかったり襲いかかってりするようなタイプは、撫子に対してわりとロジカルに徹している。或いは撫子にとってはこのカテゴリーの女性が一番苦手で天敵なのかもしれないな。そして、これが純然として女として在るタイプ。忍(意外かもしれないが、常識的一般的ではないにしても、彼女は傷物語の頃から一貫して女のサガ剥き出しである)や戦場ヶ原ひたぎは面白いくらいに撫子が生理的に受け付けないようで、完全に敵視と嫌悪の対象だ。
まあ同性には嫌われるタイプであるのだろう。撫子自身もそれを承知しながらそれを改善する意志が(面倒くさいのだろう)皆無に近いから、余計に悪循環で悪化するという流れである。
面倒臭がりなのに怠惰でないのがまた性質(たち)が悪い。いやそれとも、深刻に怠惰だからこそ、状況が悪化に悪化を重ねて余計に面倒くさいことになっていく事を承知の上で、目の前の面倒くさいことを放置して最悪を招いてしまうのだろうか。どうも、彼女が徹頭徹尾面倒臭くなってしまうのは人間関係の調整であって、それ以外は仕方なくとなったら動くのかも知れない。呪いを解くために蛇を捕まえて回ったりとわりと大変なことを一人でやってましたしね。あれかて、友達との仲を改善して呪いをといてもらおうとする方が簡単だったはず。今回のラストの破綻っぷりを見ても、ちゃんと相手と向きあって関係を改善するよりも、全部わやにしてしまう方を簡単に選んでしまうあたり、彼女の「面倒くさい」がどのあたりに重きをおいているか分かる気がする。
あー、こういう時こそ一番頼りになるのがバサ姉だってのに、こういう時だからこそ居ないんだよなあ。月火ちゃんは概ねデストロイするだけで投げっぱなしのままアデューしてしまいそうだし、ガハラさんに至ってはとてつもなく頼もしいものの、頼もしいだけで頼りにはならないんだよなあ。というか、頼りにしてしまうと取り返しのつかないことに漏れ無くなってしまいそうで、頼みするのは怖すぎるのである。
忍? あれはそれこそ人類最強並に世界最強だけれども、さり気無く際限ないドジっ子だというのが判明してる以上、色々な意味で危なさ過ぎる。今回だって何気に彼女が状況を致命的に悪化させたような気がするぞ?

まあお陰さまでどえらいことになってしまったわけだが……あの次回予告だか次回予定だか知らないあの光景を鵜呑みにするのはどうかと思うぞ。予定は未定。ジャンプの次回予告ほどアテにならないものはないと申します。あれはあれで燃える展開だと思うけれど、そのままああいう話になると信用してしまうには、いささか西尾維新という作家とはデビューからこっち付き合い過ぎてしまっているのでした。
あれだけ丁寧に卓袱台の上に椀を並べられると、もうひっくり返すために並べてるとしか思えませんてw


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花物語4   

花物語 (講談社BOX)

【花物語】 西尾維新/VOFAN 講談社BOX

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悪マーセント趣味で書かれた小説です。――西尾維新

“薬になれなきゃ毒になれ。でなきゃあんたはただの水だ”
阿良々木暦(あららぎこよみ)の卒業後、高校三年生に進級した神原駿河(かんばるするが)。直江津(なおえつ)高校にひとり残された彼女の耳に届いたのは、“願いを必ず叶えてくれる『悪魔様』”の噂だった……。
<物語>は、少しずつ深みへと堕ちていく――
これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
君を知り、解きはなつための物語。
はーーーー。【猫物語(白)】があれで、【傾物語】があんなんで、【花物語】がこんな作品って、西尾先生は一連のシリーズを全部違うジャンルで書こうとでもしてるのか?
【傾物語】がご存知のようにあんなとんでもない内容の話になっていたので、いったい次の【花物語】はどうなるんだと戦々恐々としていたのだけれど、まったく逆方向に直球できたってなもんだ。果たして、作者がここまでひねくれることなくねじ曲がることなくヤサグレることなく、真っ当に、まっすぐに、愚直なくらいに折り目正しく背筋を正してこのテーマについて描いたのって初めてなんじゃないだろうか。勿論「これ」については作者はこれまでも「これ」をこそ描くことに心血を注いできたと言えるのですが、なんちゅうか独特の表現や遊び、奇をてらい、諧謔、アイロニーをまぶして描いてきたものだから、こうも率直に描かれてしまうとむしろ面食らってしまうくらい。しかし、今回はその率直さ、素直さこそが主眼に置かれていたのだろう。【花物語】なんて麗しいタイトルをつけたのも読み終えた今となっては理解できるような気がする。つまりは、気恥ずかしくなるくらい徹底してそういう話を書くつもりだったのだ。
一見してこれは<悪魔>の話なんだけれど、それ以上に<少女>の話になるんだよなあ。

さて、今回は【猫物語(白)】の羽川翼にひき続いて語り部は阿良々木くんではなく、神原駿河が担当する。羽川の時も一人称で随分と印象が変わったものだけれど、神原の場合も他人の見る目と本人が思い描く自分とのギャップに驚かされることになる。あれで、中身は相当テンション低い子だったんだなあ。色々やらかした過去の傷もあってか、自虐傾向もかなり強い。傍目には何も考えていない楽観主義者にみえるけれど、非常に神経質で繊細で内罰的で、鬱々と内に篭って悩んでしまっているようだった。とはいえ、今巻でも内面描写を排して客観的に彼女の実際の言動を追って見ると、確かにいつもの神原なんですよね。そして、彼女のこうした陰の部分は猿の手の暴走時や、撫子の蛇の事件の際の神原の言動などを思い返してみると、なるほど彼女の内なる形がこんな風だったのなら、あれらの時の神原駿河の姿はあるがままだったんだな、と納得出来るのだ。
でも、決して神原って難しい子じゃないですよね。少なくとも、自分で思っているよりはややこしくないと思う。人間って思考に耽ると自分のことについても自分を取り巻く環境のことについても、自分自身がウンザリするほどネガティブな方向に陥ったり、自縄自縛のこんがらがった考えに囚われたりすることは珍しくないんだけれど、問題はそれが表層にまで現れるかどうか。現実の当人の在り方に反映されているかというと、意外とそうでもない。
神原は盛んに他人の目から見た「神原駿河」と、神原駿河が知っている本当の「神原駿河」には大きなギャップがある、とのたまっているけれども、実のところ神原が思い描く自分自身が現実の「神原駿河」かというと、決してそうじゃない。自分のことは自分自身が一番良く知っている、などというけれど、自分自身のことなんて一番客観性から程遠い主観の中心核じゃあありませんか。得てして、案外と、他人の目から見た「自分」が、現実の「自分」を反映しててもおかしくはないでしょう。それは演じている姿などとうそぶいても、演技と本音の境目なんて有って無いようなものじゃあありませんか。
本当に内外のギャップがでたらめに破綻し、自分も他人も実際の「その人」がわからなくなりかけてたような特異な事例は、それこそ「羽川翼」みたいなのを言うのでしょう。その点、神原駿河は彼女自身が思い描くよりも遥かに健全で、裏表が少なく、彼女を知る周りの人は「神原駿河」を誤解も勘違いもしていないように思います。
つまるところ、起点にして発端にして根底であり基礎部分たる所がいかにウジウジしていようとも、そこから成り立っている神原駿河は、彼女自身が思っているよりも遥かに周りが思い描いている神原駿河でした、という事ですね。って、要約したつもりが余計にこんがらがったよっ。
まあ、若くて青いってことですなあ。ある意味、羽川よりもよっぽど真っ当に自分探しをしてるんじゃないでしょうか。その自覚があるのかはともかくとして。

さて、この【花物語】。時系列的には最後発になるのでしょうか。以降の作品はまた時間を遡るようですし。なんかコイツ誰だよ、というようなのが普通に居たし。いや、マジで誰ですよ。
相変わらず面白いのが阿良々木くんである。羽川視点の時もそうだったけど、端から見る阿良々木ってなんかこう……すごいっすよね(笑 筆舌に尽くし難いとでもいうのか、何やら有り得ない存在感を感じさせる。一般生徒の間でも伝説と化しているようだし。なんの伝説なんだろう。
そもそも、高校を卒業したあとの阿良々木くんがいったいどんなニューライフを送っているのか、という一番興味をソソラれる事案で、もっともピックアップして描かれていたのが妹とのただれた関係、ってのはどういうことだよ! 君、ちゃんと彼女いるんだから、普通にイチャイチャしてなさいよ。なんでカリンちゃんとイチャイチャしてるんだよ。というか、マジでスキンシップの度合いというか深度が以前よりも悪化してるんだが。犯罪的になってるんだが。中学生相手にやっちゃいけないことは、高校生相手にもやっちゃいけない、という当たり前の事実に気づいていなさそうな阿良々木くんが、そろそろ戦場ヶ原さんに刺されないか不安です。現在進行形で刺されてないか?
しかし、変態に磨きをかけつつも、実際に登場してくれると彼が神原にとって頼もしいを通り越し、精神的支柱とも言うべき先輩であることを改めて認識させられる。なるほど、ここまで神原にとって影響力があるってとなると、冒頭で阿良々木とガハラさんが卒業してしまい、自分一人が学校に取り残されてしまったことに彼女がへこみまくり、ブルーになるのもよくわかる。これほどとてつもない「安心」をくれる人から離れてしまう、というのはややも不安定な神原にとっては実際にそうなって初めて実感する、足元のおぼつかない不安、だったんだろうなあ。
こうしてみると、神原もかなり依存傾向の強い子だったというのがよくわかる。だからこその、この物語なんだろう。
季節は春。様々なものが入れ替わり、立ち代わり、過去が去来し遠ざかり、新しい生活が始まる季節。だから、これは少し遅咲きの、神原駿河の卒業の物語だ。

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傾物語 (講談社BOX)

【傾物語】 西尾維新/VOFAN 講談社BOX

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100パーセント修羅で書かれた小説です……。――西尾維新

“変わらないものなどないというのなら――運命にも変わってもらうとしよう”
迷子の小学生・八九寺真宵(はちくじまよい)。阿良々木暦(あららぎこよみ)が彼女のために犯す、取り返しのつかない過ちとは――!?
<物語>史上最強の2人組(ツーマンセル)が“運命”という名の戦場に挑む!
これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
君の影、探してまよう帰り道。
あひゃひゃひゃはや、ぐへっ、げほげほ、くひゃひゃひゃひゃッ。
んなアホな!!

いやいやいや、もうなにこれ、アリなの? こんなのアリなの? 修羅で書いたらなんでこれになるんですかよ!? これに到るまでの理屈がわからない、筋道がわからない、意味が分からない(爆笑
やられたとか、予想の斜め上を行くとかの段階を通り越して、あり得ない。まさか、こんな話になってるなんて、予想した人居ないでしょう。居てたまるかっ!!ww

ああもう、猫物語を読んで、この第二期シリーズの傾向みたいなものを読み切っていたつもりになってご満悦に浸っていた自分を、それこそ側溝にでも蹴り落としてやりたい気分だ。勿論、このまよいキョンシーでは、八九寺が語り部になっている、などと思っていた訳ではなく、二期に入ることでキャラクターに与える方向性みたいなものの施策方針みたいなものを捉えた気になってたんですよね。その上で、まず前提として二期には一本のでっかい幹となる物語があるものなのだと、思い込んでいた。
それが、これだもんなあ。
ねえよっ、マジで!!(笑

でも、冷静になって観直してみると、実のところ決して的外れの勘違いをしていたわけじゃないんですよね。こんな突拍子も無い展開にも関わらず、少なくとも八九寺については羽川と同じような結論が出てしまったんじゃないでしょうか。否、すでに彼女に取って結論と結果と結末が出ていたからこそ、こんな展開になってしまった、と言えるのかも知れない。余談なんだよなあ、全部余談。結局、八九寺については阿良々木くんの中で決着が着くかどうか、それだけが問題だった気がする。だからこそ、この傾物語は阿良々木くんが八九寺と全く関係ないところで八九寺の為に七転八倒して無茶と馬鹿と大失敗を繰り広げた挙句に、やっぱり八九寺と関係ないところで終わった物語となってしまったのだろう。元の木阿弥とも言えるし、一周回って元の所にもどってきてしまったとも言えるけど、まあなんだね、阿良々木くんにとって八九寺はロリでないと許せない、というわけでないのだと分かっただけでも、それは多大な収穫と言えるに違いない……ん?

というわけで、この話は八九寺と全く関係ない話にも関わらず、まさに彼女の為という点に集約されているという、話の展開も訳がわからないなら話の前提すらも訳がわからないという、素っ頓狂極まるイカレた話になってしまっているのだが、巷で騒然となっているように八九寺の為の話でありながら、同時に忍と阿良々木くんの二人のお話にもなってるんですよね。焦点は、まさに忍と阿良々木くんの人間関係の再確認。おいおい、先に予定されている「しのぶタイム」はじゃあどうなるんだよ、ってくらいに二人でイチャイチャしまくっている。多分、鬼物語では忍個人の内面や存在そのものに斬り込んでいく話になるんだろうけど(実際本が出たら的外れなこと言ってたなあと赤面するんだろうな)。
しかし、こんな話だったからこそ、阿良々木くんにとって忍が如何に他の娘たちと隔絶した、本当に特別で、嘘みたいに特別で、あり得ないほど特別な相手なのだというのがよく分かる。一緒に死ぬと誓った相手が一緒なら、過去でも現在でも未来でもなく「終わり」を誓った相手だからこそ、たとえ世界が滅びていても二人は二人であり続ける。「終わり」を誓い合うというのは、安心を約束されているとも言えるからだ。一心同体とは、まさにこのふたりのことを言うのだろう。
そして、その誓いが壊れてしまった時こそ、本当の絶望が訪れたのだ。

にしてもだ、ほんとにもう、なんでこうなったんだ? 幾ら何でもそこに至るまでの流れが酷過ぎるんだが。阿良々木くんも、初期のクールな阿良々木くんなら、破天荒でもそこそこに腰の座った阿良々木くんなら、こんな顛末は引き起こさなかったんじゃないか。そう考えると、忍のキャラクターの崩壊に匹敵するくらいに、阿良々木くんもまたシッチャカメッチャカになってるのかもしれない。なんか、さり気無く阿良々木くんのキャラが壊れ始めた原因らしきものが明かされちゃってた気がするが、そのままスルーしてあげるのが気遣いな気がしてきたw
なんだかんだと大スペクタクルで、阿良々木くんと忍の二人っきりの、二人ぼっちの、なんとも雰囲気のある話になってしまっていたけど……やっぱり、そこに到るまでの展開って、殆どギャグ漫画だよなあ。いいのかこれ、と頭抱えたくなるぞ。色々と軽々と飛び越えすぎだ。いいぞもっとやれ、と言いたくなるけど、本当にもっとやられるとどこまで行くかわからないので、黙って付いていきゃあ、訳の分からない三千世界の果ての隅っこにまで連れて行ってくれそうなので、わざわざ声をあげて言わんでもいいでしょうww

で、だ。
そろそろ、阿良々木くんの八九寺への所業が、犯罪紛いとか殆ど犯罪とか現行犯確実を通り越して、普通にアウトになってる気がするんだが。
おいてめえ、小学生を部屋に連れ込んでなにをした!!?
一部始終を見ていたらしい忍の発言から推察される情景が、明らかに一線をダイナミックに飛び越えすぎてるんですが!?

化物語(上) 化物語(下) 傷物語 偽物語(上) 偽物語(下) 猫物語(黒) 猫物語(白)

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猫物語 (白) (講談社BOX)

【猫物語(白)】 西尾維新/VOFAN 講談社BOX

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“何でもは知らないけれど、阿良々木くんのことは知っていた。”
君がため、産み落とされたバケモノだ。
完全無欠の委員長、羽川翼は2学期の初日、1頭の虎に睨まれた――。それは空しい独白で、届く宛のない告白……<物語>シリーズは今、予測不能の新章に突入する!
これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!


……いや、これは凄いわ。
いい意味でも悪い意味でも、このシリーズって悪ふざけ、が利いてたんですよね。趣味で書いてます、というのが良く分かる、とても楽しんではしゃぎ回って描かれている物語だったのです。
それが、この【猫物語(白)】では様相を全く異にしている。
真剣勝負だ。
会心、じゃないのか、これは。筆者はこれまでも、人が成長し変わっていく物語を幾つも綴ってきたけれど、ここまで散逸させず集約して一人の人間を対象とし、その人となりを解体し暴きさらけ出した上で、その本質を損ねないまま変えないまま変わらせないまま、根本から一皮剥けさせ閉塞を打ち破り一変させ素敵な成体となる瞬間までを最初から最後まで余すことなく一から十まで、そう筆者風に言うなら「十全に」、寄り道せずに完璧に描ききったのは初めてなんじゃないだろうか。
会心、に見えた。会心、としか思えなかった。
穴という穴を埋め尽くし、隙間という隙間を塞ぎきり、欠落という欠落を塗り潰す。真っ白で何も無い虚ろに、取り外したものを詰め込むこととなる、これは<本物>と呼ばれた羽川翼が本当の<本物>になる物語だ。

まずはまさかのヒロイン視点。この【猫物語(白)】は完全無欠に一から十まで、羽川翼の視点によって描かれる。
だからこれは、羽川翼の物語であって、阿良々木暦のそれではない。
だからこれは、本当の意味で、自分で自分を助けるための物語である。
多くの手助けを彼女は与えられるけれど、それを力に変えて羽川翼を助けるのは、彼女本人なのだ。何でも知っている羽川翼は、知っていることなら何でも知っている羽川翼は、だけれど、それとも「だからか」、自分のことは何も知らない、知らなかった。なんにも知らない「羽川翼」でしかなく、だからこそこれは彼女が彼女自身の事を知るためのお話だ。自分のことを知らなければ、自分がどうしたいのか、どうなりたいのかも分からない。自分がどういう有り様なのかを知らなければ、自分を哀れむことすら出来ないのだから。
まず彼女は言葉面だけじゃなく、自分が知ってることしか知らない、という事を認めなければならなくなる。それを認めなければ、他人の話は聞けないものね。人は、自分の知っている事ならついつい聞き流してしまうものだから。だから、今までの羽川翼は自分についての他人の論評を聞いてはいても聞きとどめてはいなかった。何も考えなかったし受け止めなかった。
そんな彼女に大きな一石を投じる事になるのが、我らがヶ原さんなのである。

新生ヶ原さん。阿良々木くん曰く、夏休み以来異様なほど可愛くなってしまったという阿良々木くんの彼女さん。そんな話題を振っておきながら、肝心の更生ヶ原さんはとんと登場せず、怪異よりも不確かな未確認生物として、その名望だけが飛び交い噂が噂を呼び想像を絶するアンタダレ?なイメージにまで膨らんでしまったヶ原さんが、満を持して登場なのでした。

このヶ原さん、やっべえ!!

なにこのかわいい生物!?

あ、阿良々木くん不在の状態でこれって、阿良々木くんを前にした時の彼女さんはいったいどのレベルにまで達してしまうというの? というか、羽川にベタベタするヶ原さんが異様にヤバいんですがw
ヶ原さんってもっと羽川に対して苦手意識を覚えている、という印象だったのだけれど。阿良々木くんの視点からするとそんな感じだったし、実際調教されてます、てな感じだったんだけれど、むしろこれ囲ってますよね。めちゃくちゃ好きですよね、羽川のこと。むしろ食われてたの神原じゃね? と思うくらい羽川に対するヶ原さんの態度がヤバいんですがww
な、なるほどなあ、ややも病んでる時代の顔がチラチラと垣間見えるとはいえ、元々のヶ原さんのキャラクターがこんなのだったとしたら、中学時代など陸上部でカリスマ的な人気を誇っていた、といのもよく理解できる。これは、みんなから好かれるわ。
阿良々木くんに面通しされたファイヤーシスターズの二人も、ヶ原さんには悪い印象をウケなかったようで、なにより。というか、既に火燐ちゃんはヶ原さんの手玉に取られてしまってるんですが。すげえ、完全に操縦しきってるw
しかし、羽川やヶ原さんの眼から見ても、姉妹の兄ちゃんへのラブラブっぷりは異常なのか。今語られる火燐と月火のカレシも、本人たちの言によると「兄ちゃんみたいな人♪」らしいからな……おいおい。

その肝心の阿良々木くんといえば、なんか別口の大事件に巻き込まれているようで、ほんとに全然登場せず。羽川が自分探しの旅の前に探すべき自分を捜しているこの時、いったい阿良々木くんの元で何が繰り広げられていたのか、については他のヒロインがメインの話の時に描かれることになるんだろうけど、この調子だとそれぞれの話で断片的に描かれる事になりそうな気もするなあ。何となくこの後の第二期シリーズは、ぜんぶヒロイン視点で描かれそうな気もするし。と見せかけて今まで通りだったり、語り部がタイトルコールのヒロインじゃなかったり、という可能性もあるので油断できないが。

羽川翼というキャラクターの全てが彼女自身の手によって余すことなく詳らかにされ、これまでの積み重ねを踏まえた上で破却され、再構成され、決着させられる本作は、まさに羽川翼大全と言えるのだろう。
そして、他の話の時のように(上・下)巻編成になっていないように、話としては対でなく連続していない猫物語(黒)と(白)だけれど、問題を全部先送りにした(黒)に対する答えがこの(白)だったのだとすると、やはり順序としてはこの並びが正しく必然だったように思う。
今までと違うというセカンドシーズンのスタートを印象づける、一番手としても。前日譚を終えて、先へと進む物語の話の号砲としても。

傑作である。


にしても、此処で描かれる阿良々木くんのカッコ良さは、阿良々木くんが見たら恥ずかしくて憤死しそうなほどカッコいいな!!
本当に比喩なく白馬の王子様みたいじゃないか。
……なるほどなあ、なんで阿良々木くん、こんなに不在なのかよくわかった。ヒロイン視点となったら容易に阿良々木くん、出せないのがよくわかった。
ヒロインの眼から見た阿良々木くんなんて……なんかもういろんな意味で直視できないに違いない!!(笑

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猫物語 (黒)4   

猫物語 (黒) (講談社BOX)

【猫物語(黒)】 西尾維新/VOFAN 講談社BOX

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あははは、この筆者はもうっ(苦笑
この猫物語は傷物語と化物語の間の話であり、散々匂わされてきたゴールデンウィーク期間中の羽川翼の化け猫話なのだけれど……時系列の上ではあってはならないネタをわかった上で見せつけるみたいに踏みにじって行きやがる(爆笑
ある意味メタ的であるんだが、筆者と読者のわかった者どうしのお約束のようなものでもあり、やれやれ困った話だぜ、とニヤニヤ顔で飲み込んじゃえるものなんですけどね。
アニメ化されてから最初の新刊ということでどれくらいアニメネタが入ってくるかと思ったら、途方も無い規模で入ってたよッ! しかもその上、アニメ化出来るならしてみろと言わんばかり(というか実際言ってる言ってる!)放送コード限界に挑戦するようなネタをこれ見よがしに投入してくる始末。面白がってる、完全に面白がって楽しんではしゃぎまくってるよこの人ww
具体的には「もうお兄ちゃん、妹のおっぱい触りすぎ!」。阿良々木くん、妹の胸触りすぎである。というか月火ちゃん、露出しすぎ! 脱ぎすぎ! 自重自重!!
確か阿良々木くんの言によるならば、彼と妹との関係というのは偽物語でちょっと仲良くなるまでは非常に険悪極まりないものだったはずなんだけれど……この男は妹に関してはさらりと平然にうそをつくよなあ。なにが冷戦状態だよ、めっちゃ仲いいじゃないか! というか、前半ほとんど月火ちゃんと半裸で下着について熱く論争したあげくにいちゃいちゃスキンシップしまくるという恐ろしい話だったよ! 中学生の妹相手になにをやってるんだこいつは!?
ついでに火燐ちゃんもさりげなく脱がしてるしさ。どうせここまでアニメ化なんてしないだろう、ふふーーんと嘯きながら本心ではいつでもアニメ化していいように、シスターズを脱がしにかかるとはなんという深慮遠謀鬼畜!!
マジでアニメからいきなりここに突っ込んできた人は、阿良々木くんの変態鬼畜っぷりに面食らうんじゃないかなあ。化物語の時も、あの時点で相当だったのに、巻が進むに連れて洒落にならないレベルの高さになってきてるからなあ。今や、もう全開時の神原と正面から戦えるレベルだよ!

と、妹ちゃんとイチャイチャするのがメインだったんじゃないかと疑いたくなるような本作でしたが、ここではしゃいでおかないと後半の凹みようはマジでダメージ大きかったかもしれない。
羽川の家庭の事情、想像以上だったよ。羽川の家に忍び込んで中の様子を確認した阿良々木くんが衝撃のあまり月火ちゃんに泣きついたのもわかるくらい、胃の腑の底がつめたーーくなるような、ものすごく嫌な感じだった、あれは。
でも、忍野のおっさんの羽川の両親も羽川の被害者、という言い分もわからなくはないんですよね。今考えると、化物語の時の羽川というのはヤバいときに比べるとほんとに安定してたんだなあ、というのがわかる。ギリギリ瀬戸際の羽川の危うい雰囲気って、今まで出てきた怪異の中でもトップクラスのヤバさだったし。あの家族は、羽川の怖くて不気味で気持ち悪い部分、異常である癖に普通であろうとする歪みであり矛盾であり軋みである部分を常に日常的に喉元に突きつけられてたとするのなら、確かにきっついわ。

でも、この時の羽川の境遇と軋みを知っていたら、後々化物語で羽川が再び猫化したとき、その原因が自分への恋心だと言われて阿良々木くんが信じられなかったのも無理ないかもしれないなあ。阿良々木くんが見た羽川と両親との軋轢は、マジで異常だったわけだし。それを十年十五年と味わい続けたストレスと、自分への恋と失恋のストレスが同じと言われても、阿良々木くんとしちゃあ信じたくなったんじゃないだろうか。色々とたまらんわ。
それに、この時に阿良々木くんは自分の羽川への想いが恋じゃない、と断定しちゃってるわけだしねえ。
……多分にその原因は月火ちゃんのような気がしないでもないが(w
障り猫にまつわるゴタゴタで羽川への認識に大きなパラダイムシフトがあったとはいえ、阿良々木くんが羽川への想いを大上段に据えてしまったのは、密かに自分は羽川に恋してるんじゃないかと疑っていた阿良々木くんの認識を月火ちゃんがしっちゃかめっちゃかに歪めちゃったために、そもそものスタート地点がネジ曲がってしまった、というところは無視できないんじゃないかとw 羽川のおぱーいを揉みたいのも恋だったのに!!

あと、忍、しゃべりすぎ!! あんた、偽物語まで沈黙に徹してたはずなんじゃないのかよ! 全部阿良々木くんの幻聴にして無理やり押切やがったーー!!(爆笑
こうして見ると、忍は阿良々木くんに甘すぎるよなあ。忍野もそりゃあ呆れるわ。誰が一番の正統のツンデレかはこれで解ってしまったんじゃないだろうか。ヘルメットとゴーグルなんてその最たるものじゃないか。

障り猫と羽川の物語はこのゴールデンウィークでまるっと先送りにされて、化物語の最後である程度かたがつき、ついたように見せかけてその後もズルズルつづいているのだが……こよみハーレム自重すれ(笑
果たして次回作の猫物語(白)って、どういう話になるんだろう。この後三ヶ月おきに、かくヒロインをメインにした続編が刊行されるという凄まじいことになってるんだが、話がどう展開するかはさっぱり予想つかないんですよね。楽しみであるということに疑う余地はないんだが、シスターズがメインの巻が無いものだから、実は全部の巻で半分くらいシスターズとイチャイチャしてます、みたいな話になったらどうしようという不安は隠しきれ無い!! 不安じゃなくて期待じゃないかという話もあるけれどw

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零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係4   

零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係 (講談社ノベルス)

【零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係】 西尾維新/竹 講談社ノベルス

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ふむ。
実のところ零崎人識と無桐伊織の二人については、異性関係に発展する要素があるのかと勘ぐっていたのだが、これを読む限りでは純粋な意味で兄妹である。少なくとも、人識の方からは。伊織はよくワカラナイ。この子は素直でイイ子であるわりに、その心底に迷彩が掛かっているという、ある意味実に女の子らしい娘なので、人識に懐き、親しみ、頼りにし、翻って自分が付いてなきゃなー、と考えているのはわかるのだけれど、それがどういう感情と人間関係に基づいたものなのか、はてさて。
これまで、自分の家族は双識の兄貴だけだと明言してきた人識。ある一時期、もしくはある一瞬、とある少女を家族のように思っているのだと吐露したことはあったけれど、概ねこれまで人識にとって家族と呼ぶべき人はたった一人だったわけだ。
そしてそれから、人識が家族について言及することはなかったわけだけれど、唯一の家族だった双識と死に別れた後も、人識はどうやら天涯孤独、にはならなかったようだ。
双識が死んだ当初は、人識も自分が天涯孤独になったと思っていたようだったけれど、新しく出来た妹を放っておけなかった時点で、具体的には一度置き去りにしながらついつい心配になって戻ってきてしまった時点で、もう彼の中では伊織の存在は逃れられない妹だったわけだ。
両手を失い、慣れない義手で日常生活にも四苦八苦する伊織の面倒を甲斐甲斐しく見る人識の、伊織の立場が危うくなったとき、ごくごく自然に彼女を庇おうとした人識の、その態度ときたら面倒見のよいお兄ちゃんそのものである。見習ったわけでもないだろうし、変にちょっかいを掛けず、追い回さず、あくまで伊織を立てて無闇矢鱈とおせっかいをやかない点では全然似ていないのだけれど、それでもその面倒見の良さは不思議と双識と重なって見える。
同時に、この風来坊で自由人で寂しがり屋の殺人鬼を、気にかけ追いかけ付き纏い、それでも閉じ込めず縛らず在るが儘に受け入れる、という意味では伊織もまた、作中で語られるとおりに、零崎双識の後継者なのだろう。
亡くなり果てても、彼の魂はしっかりと二人の弟妹に受け継がれているわけだ。

一方でこれは、今は亡き石凪萌太と闇口崩子のもう一組の兄妹の物語でもある。
生前、萌太は幼い頃から闇口の殺し名の宿命から妹を庇い続け、さらには父親の存在から妹を守るために新しい世界に彼女を連れ出し、崩子に帰るべき家と大切な人達との出会いをもたらした。
今や彼女を愛してくれている人がどれだけいるか、崩子を無断で連れ出した哀川さんに対して、恐ろしい数の恐ろしいメンツから恐ろしいまでのバッシングが発せられた挙句に人類最終が送り込まれてきた、という事実を見れば明らか、自明である。
そして彼は、自分が死んだ後ですらもなお、崩子のことを守り続けた。自分がいなくなったあとも、彼女がしっかりと生きて行けるように。
その無辺の愛情はどこからくるのだろう。お兄ちゃんとは、これほどまでに年下の弟妹を愛してあげるのが普遍的なんだろうかね、この物語の世界は。
理澄に対する出夢にしても、玖渚友に対する直くんにしても、どのお兄ちゃんも、過保護なくらい過保護じゃないか。
そういえば、原作やってる漫画の「めだかボックス」にしても同様の傾向が(笑

思えばコレ、戯言シリーズの世界観の時系列では、最終巻以降の時代を描いた唯一のアフター作品なんじゃないだろうか(他、なんかあったっけ?)
思いがけないハッピーエンドで終わった件のシリーズ、その後のお話でもみんな、それなり以上にしっかりと、前向きに、幸せ的な方向性で生きているのを確認できて、何ともホッとさせてもらった。
人識の身に起こっていることは気がかりだけれど、彼が独りでないのなら、それはきっとたいしたことではないのだろう。

にしても、哀川さんと真心ちゃんは、二人して行き着くとこまでイッちゃってるなあ。人類ってなに? と深刻に疑問を覚えてしまう存在だ。なんか、今更にして今にして、ようやくこの二人が同一で、同系列で、きょうだいで、おやこ、なんだと得心できた。似てるよ、うん。

匂宮出夢との関係  零崎双識との関係

零崎人識の人間関係 零崎双識との関係4   

零崎人識の人間関係 零崎双識との関係 (講談社ノベルス)

【零崎人識の人間関係 零崎双識との関係】 西尾維新/竹 講談社ノベルス

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戯言ワールドのキャラクターたちの多くが自己規定と言う檻に縛られて生きていた中で、肝心の零崎人識くんはどうだったのかというと、彼は逆に確固とした自己規定というモノが無い人間と言っていいかもしれない。つまり、彼は自己の中に拠り所となるものをモテなかったわけだ。
それが良しだったか悪しだったかは、何とも言えない。だが、ある一定の時期までは、彼はその在り方のまま、自分という存在に対して真の意味で自由となろうとしていた。
自分の存在以外に、拠り所となるものを持とうとしていたというべきか。
中学生の彼は、殺人鬼たる零崎人識である自分と一般人である汀目俊希を使い分けて生きていたわけだが、その状態は同じく殺し屋・匂宮出夢と探偵・匂宮理澄という兄妹の人格を使い分けていた出夢とは決定的に異なっている。
中学の頃の彼は、殺人鬼と一般人、本来両立し難い両方の自分が混在する事に戸惑いながらも、手探りでそんな自分を受け入れようとしていた。
その拠り所となっていたのが、曖昧で正体の判然としない人識をワカラナイままそのまま受け入れてくれる兄・双識の存在であり、この中学時代、人識の中で最も大きな存在としてリソースを傾けつつあった、匂宮出夢との人間関係だったわけだ。
ところが、匂宮出夢との関係は最悪の形で破綻してしまう。彼女は最悪の裏切りを以て、構築されつつあった人識のパーソナリティを完膚なきまでに粉砕してしまったのだ。一般人・汀目俊希としての彼は完全に滅却され、内にも外にも拠り所を失った不安定な零崎人識という殺人鬼みたいなモノだけが置き去りにされ、路傍に晒されてしまったわけだ。
この時期の人識がもっとも自由で全盛期であり、すなわち自暴自棄だった、と言われる所以である。
そしてこの巻は、糸の切れた凧のように自暴自棄に漂流する零崎人識が、唯一残された絆であり拠り所である兄・零崎双識との関係に基づいて、裏切同盟――呪い名6名による連合軍との死闘に勤しみ、肉体的にボロボロになりながら、逆にボロボロだった精神を立て直していく物語である。
同時に、失われた出夢との関係が、人識の中で大切なものだったと認め、受け入れるための物語であり、繋がりが絶たれてしまった今もなお大切なものであり続けるのだと理解する物語でもあったのだろう。

殺人鬼・零崎人識の、少年時代の終りである。


匂宮出夢との関係 無桐伊織との関係

零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係4   

零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係 (講談社ノベルス)

【零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係】 西尾維新/竹 講談社ノベルス

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実存を立証し続けなければならない人生というのは大変だなあ。
戯れ言シリーズの世界における登場人物たちというのは、多かれ少なかれ「〜でなければならない」と自らを縛って生きている人たちが多い。そうしなければ、存在し続けることが出来ないのだと信じ込んでいるかのように、だ。
悲劇なのは、その信仰があながち思い込みではない点にある。裏の社会に住まう者も、表の世界で生きる一般人であろうと、その深刻さはあまり変わりが無く、過酷な日常を生き抜く上で彼らの「自分は〜〜でなければならない」という規定は、埋没し脱落し希死念慮に陥りそうな自らを支える拠り所として機能していると言える。
だが、ある程度事実真実に基づいた信仰とは言え、「〜〜でなければならない」という自縄自縛は決して絶対のものではない。それを逸脱し、乗り越え、踏み越え、捨て去り、置き去りにして、自らを縛る戒めから解き放たれることは決して不可能ではないし、それが自身の破滅を意味しているわけでもない。
事実、興味深いことにこの世界のキャラクターたちの中で、順当な幸福を手に入れるのは、こうした自己規定を克服した人々というパターンが多いのだ。
主人公の一人である戯言遣い然り、死線の青然り、赤色の人もそうだろうし、この巻じゃないけれど、崩子ちゃんもその該当する一人になるのだろう。

そして、恐らく彼女もそれを為せる可能性を、本当に心の間近までたぐり寄せていたはずだったのだ。
――匂宮出夢。
敢えて彼女と呼ぼう。自らを男の人格だとうそぶいているが、妹と混ざりかけていた云々を抜きにしても、出夢のメンタリティというのは女性のものだと思う。
彼女は零崎人識との関係が深まるに連れて、これまで自分を成り立たせてきた自己規定が決して真理でも絶対の命題でもないのだと気づかざるを得ない状況へと追い込まれていく。
自分を成り立たせてきた柱を打ち砕かんとする衝撃を前に、彼女は呆然と立ちすくみながらも、その破壊を受け入れる勇気を、人識との交流の中で芽生えさせ、奮い立たせようとしていた。
あとは、未知へと踏み出し、これまで自分を守ってきた殻を脱ぎ捨てる、その一歩を待つだけだったのだ。あとは、自覚するだけだったのに。

彼女は、最悪と出会ってしまった。

そうして、未来の可能性は無造作に毟り取られてしまったわけだ。
運が悪かった? 彼とここでであってしまうのは運命だった? そんな言葉で片付けられてしまうには、割り切れなさ過ぎる。摘み取られた可能性があまりにまぶしすぎて、胸を掻き毟られるかのように切ない。
こうして出夢は、往くべきだった道を外れ、同じ道を行くはずだった人識はワケも分からず一人置いてけぼりにされ、結果空っぽになりながら人識もまた、道なき道へと転げ落ちていく。
ただただ、原因となった男が呪わしい。

あれは、確かに「最悪」だ。

零崎双識との関係 無桐伊織との関係

偽物語(下)5   

偽物語(下) (講談社BOX)

【偽物語(下)】 西尾維新/VOFAN  講談社BOX

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やっべえ、これはやっべえよ。火憐ちゃんがマジ可愛いんですがッ!
上巻で、阿良々木ハーレムの面々を津々浦々と梯子して遊んでいた弊害か、肝心のメインヒロインであった火憐との掛け合いがめっきりと少なくなってしまい、初登場にも関わらずなんか印象薄かった背の高い方の妹様だったのですが、この下巻ではその分を取り戻すようにどっぷりしっとりと、火憐ちゃんとの掛け合いを堪能させていただきました、ええさせていただきましたとも。
誰だよ、上巻で妹には厳格に接するのだ、とか偉そうにのたまってた兄者は。阿良々木、てめえほんと口だけじゃねえか。何が厳しく接スルダ。何が妹たちとはあんまり仲が良くないだ。
…いかん、今回のこいつの乱行を黙々と追っかけてると、あの天上の変態こと、神原さんが至極まともで常識的な人に思えてきた。あいつ、変態だけど、ちゃんと我慢するもんな。阿良々木くん、一切我慢しないもんな。口では自分が一番常識的みたいなこと言っといてからに、一番無茶苦茶してやがるじゃないか、この野郎。
わりと理性が飛ぶの早いし。
今回、中学生の姉妹と小学生にしでかしたセクハラの数々を箇条書きにしてしまうと、論理的にこいつが性犯罪者だというのが立証されてしまうので、やめておこうと思ってしまうくらいに、ヤバいよ、阿良々木くん(笑

妹のおっぱい、ぷよぷよ七連鎖とか、もう自重してくださいw 如月千早の中の人のぷよぷよソングが頭の中を重奏してしまったじゃないか。
しかし、火憐ちゃんがこれほどのエロ要員としての類い稀なる素質を有していたとは、まったく自分の目がどれほど節穴だったかを思い知らされる勢いだゼ。
歯磨きシーンなんか、月火が現われなかったら、あれマジでどうなってたんだ?

「いいよ、兄ちゃん」


だからなにがイイんだよ!! 他に解釈のしようがない完璧なもうマルっとオッケーサインじゃないっすか。スイッチ完全に入っちゃってたじゃないっすか。そして、二回戦をおねだりする火憐ちゃんが可愛すぎたんですが、おかげさまでドウシテクレルッ!
ちなみに、【こころナビ】の昔より、私にとって「兄ちゃん」の認証こそ、至上にして至高の認証であることをここに表明しておこう。
何気に最後、兄ちゃんに言われたことを頑なに守ってた火憐ちゃんに、一番キュンと来た。ちくしょう、純粋一途でまじ可愛いじゃないか。
最初、妹をちゃん付とか変なのーとか思っててごめんなさい。火憐ちゃんは火憐ちゃんが一番だよ、ほんとに。

と、火憐ちゃんがピックアップされるのとは対照的に、本来のメインヒロインであるところの月火が、今回は逆にまったく目立っていないという羽目に(苦笑
ある意味、今回の一件で彼女がメインとなる事件でありながら、彼女がほぼ蚊帳の外に置かれてしまったというのは、まったく兄貴である所の阿良々木くんが、ほぼ完璧にお兄ちゃんとして妹を守り切ったという証左とも言えるので、これはこれで阿良々木くんを褒めるべきなんだろうけど。
うん、今回の阿良々木くんの見事なお兄ちゃんぶりには、感動すら覚えた。これぞお兄ちゃん。変態だろうと人間失格だろうと、妹にどれだけセクハラしようとも、これだけかっこいいお兄ちゃんぶりを見せてくれたら、文句言えねえなあ。
ファーストキスを奪われて、おっぱい揉まれて踏まれて、裸にされて着せ替えさせられても、文句言えねえなあ……いやいや。

「もうお兄ちゃん、妹のおっぱい触りすぎ!」


これはもう、何十年単位で後世に語り継がれる名言だよね。百年後、きっと教科書とかに乗るんだぜ。大学の国語の試験とかに遣われるんだぜ。

しかし、欠かさず八九寺イジリをして、シスターズにセクハラしてと、今回は他のヒロインズはほとんど登場しなかっただけに、一貫してロリコンだったね、阿良々木くん。
キャラが更生してしまったガハラさんが、具体的にどんなあり様になってしまっているのか(デレドロ?)、具体的に見てみたかったところだけど、その辺は次回作以降で目の当たりにできるのかしら。
アニメ化に関しての八九寺との掛け合いがメタすぎて、吹くとか吹かなかったとか。

さり気に嬉しかったのは、忍との相棒関係がこれでもかと強調されてたところですなあ。不思議で強固な信頼によって結ばれた、生涯のパートナー。以前語っていた償い合うような関係じゃなくて、お互いをとても大切に思っているような描写が端々に刻み込まれてて、うん、良かったなあと、嬉しく思ったわけですよ。彼女が相変わらずブッチギリで最強であるのをきっちり証明してくれたのも良かった。やっぱり、この子は無敵で痛快無比でないと。


ちなみに、プリキュアは初代が至上というのには同意せざるを得ないが、実のところ今放映してるフレッシュプリキュア!も、かなり面白いという点は強く主張したい。イース様万歳!!

偽物語(上)5   

偽物語(上) (講談社BOX)

【偽物語(上)】 西尾維新/VOFAN 講談社BOX


一応、アララギ君の双子の妹たちが話のタネの物語のはずなんですけど、完全にあららぎハーレムですね♪
これを読むと、まだ前前作の化物語はまだ一応物語の体裁を保っていたんだと分かる。さすがは趣味200パーセント。もはや完膚なきまでに掛けあい漫才本。アララギ君が、これまで登場したヒロインたちを梯子して掛けあい漫才倒していくそのさまは、戦慄すら覚える倒錯振り。
とりあえず、女子中学生の家にフラフラと一人で遊びに行くな高校三年生ww

これの感想書くとなると、どうしてもキャラクターの感想になっちゃうんですよね。究極のキャラ小説だけある。
さて、メインヒロイン戦場ヶ原ひたぎのあの輝きっぷりは、なんなんでしょうね、あれ? アララギ君を監禁して虐げまくっている時の、あの楽しそうなこと楽しそうなこと。まるで欲しくてたまらなかったプレゼントを貰えてはしゃぎまくってる子供みたいで、なぜだか無性に微笑ましい気分に陥ってしまい、思わずニコニコと優しい笑顔で見守ってしまいましたよ。
やってることと言えば、監禁で虐待なのにな!(笑

しかし、こうやってヒロイン衆がまとめて登場すると顕著に、如実に浮き彫りになってしまうのだけれど。ひたぎってブッチギリでアブナいなあ(笑
ヒロインみんなぶっ飛んでいるけど、ひたぎはコミュニケーション自体が綱渡りと言うか、熱した火箸でチャンバラ三昧みたいな?
あれはあららぎ君でないと付き合えんわー。

そして、そのちゅららぎ君が一番輝いているのは、小学生にセクハラしているとき、というのは、こいつなんとかしないと。
あららぎ君が恋愛感情的に一番好きなのはひたぎというのは十分納得いくんですけど、単純に<好き>という括りで判別するなら、この野郎が一番好きで好きで、ちょっと正気を失うくらいに好きでたまらないのって、89寺ですよね? ワンコやぬこに対する接し方としてならともかく、それは人間相手にやると、というか小学生の女の子にやると本格的に変質者です。アホかー!
そのうち、家に連れ帰って飼いたいとか言いだしそうで、続編が怖い。
この監禁カップルめ。

何気に、今回一番地味にうれしくなってしまったのが、忍との和解だろうか。これがために傷物語があったのかと思ってしまうくらいに。正直、まともに喋ることができないくらいに人格が劣化してしまったのかと思っていたので、今回しっかりと以前のような姿を見せてくれたのは嬉しかったです。この二人の複雑で微妙ながらも誰よりも強い繋がりは、掛け替えないものでしたからねえ。

そして傷物語ではキスショットに並ぶメインヒロインだった羽川だけど、失恋を契機に、かなーり変わった感あり。とりあえず、ビジュアル面での変化は、ぜひ挿絵なり口絵なりで見せてほしかったですよ。
なんというか、以前はまだ不器用さというか純情可憐で繊細な部分もあったような記憶が無きにしもあらずだけど、今となってはなにこのタフネスガール?てなものである。
何度も彼女のことを<本物>と評しているけど、確かにもう完膚なきまでに隙のない、粗もない、完璧な本物に成長しちゃった感あり。あれは手に負えん。
それでいて、本命のあららぎ君を逃してしまったのは、彼女の<本物>であるが故、だったのか。

掛けあいという意味でなによりも楽しかったのは、やはり神原とのやり取りでしょうか。頭空っぽにして楽しいんですよね、あのエロ後輩との掛け合いは。
自他ともに認める下ネタ好きの変態でありながら、妙なところでノーマルというか、登場人物の中でもこいつ一番常識人じゃないのか? と思わせるところがあって、そこがやたらと大きな隙、脇の甘さみたいになってて、あららぎ君との漫才の攻め受けがクルクルと変わって、面白いんですよね。
結構ビジュアル面も女の子らしくなってるようなので、彼女のデザインも所望のこと。

さて、肝心の妹二人ですが、文化包丁の方は下巻の方が主体らしいのであんまり目立たず。
おっきい方も、あんまり強烈な印象ないなあ、なんでかなあ? と思ったんだけど、そうだ漫才が少ないんだ(w
このシリーズのメインである惚けた掛けあいが、この兄妹間ではあんまりなかったわけですわ。この兄ちゃん、妹に対してはけっこう厳格だかんなあ。
その分、お兄ちゃんお兄ちゃんしているわけですけど。正直、この男がここまで兄としての本分を常時有しているとは思わなかった。
ひたぎじゃないけど、かっけええ。
こんなのちゅららぎくんじゃねえ、ってくらいに。

化物語アニメ化、素直にとても楽しみなわけですけど。
作中であれだけ言われたら、もうダンシングEDは出来ないですよね?(苦笑




傷物語5   

傷物語 (講談社BOX)

【傷物語】 西尾維新/VOFAN 講談社BOX


アニメ化も決まった件の【化物語】で、幾度か触れられていた吸血鬼「忍」との馴れ初めであり、忍野メメとの出会いであり、羽川翼との友情の始まりを描いた前日譚。
こう言っちゃなんだけど、羽川が油断してたのはこれ仕方ないよなあ。春休みにこれだけの非日常を阿良々木と共有してたんだから、そりゃあ油断する。
まさかいきなりポッとでの戦場ヶ原ひたぎなんていう女に電光石火で持ってかれるなんて、夢にも思わんかっただろう。【化物語】を読んだ時は羽川ちゃん、そりゃあたらたらしてたあんたが自業自得だ、と思わないでもなかったんだけど、実際油断だったんだろうけど、あんだけの大事件に首を突っ込んで、友達いない阿良々木とあんだけ仲良くなって、しかもあげくにあれこれとエロいことをされて、具体的に言うとパンツ二回も見られて見せて、眼の前でパンツ脱いであげちゃって、ノーブラの胸を揉まれそうになってエロエロな言葉責めをされて、ブラまで持ってかれたとなったら、そりゃあ油断するサア。
普通、そこまでやられておきながら、トンビにアブラゲさらわれるとは思わんですよ(笑
というか、あそこで阿良々木くんがヘタレこかないで揉むもの揉んでたら、歴史変わってたんだろうな、うんうん。
委員長、あんたはあそこで強引にも揉ませるべきだったのだよ、まる。

思えば、【化物語】における吸血鬼「忍」と阿良々木の関係というのはあまりに意味深すぎて、計り知れないものがあったんだけど、なるほどこういう顛末だったのか、と頷くしかない。
この【傷物語】を読んでから【化物語】の彼と彼女のやりとりを見返すと、かなり印象変わってくる。阿良々木の「忍」への態度は大袈裟すぎるものがあるとすら感じていたんだけど、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと阿良々木暦が辿った変遷と結末を思えば、彼が彼女にああした想いを抱くのも、なるほどそういうものなんかもしれないなあ。
誰もが不幸になるしかなかったバッドエンド。でも、忍野の言い分を借りるなら、これはそれなりにバランスの取れた結末だったのでしょう。
実際、バッドエンドで終わったこの物語は、だけど【化物語】へと続いている。その結末は不幸でしかなかったとしても、取り返しのつかない終極ではなかったわけだ。ならば、バッドエンドであり続けるわけでもない。実際、阿良々木は戦場ヶ原ひたぎと出会い、キスショットは忍となりつつも阿良々木のそばに居続け、羽川翼は育みつつあった恋を友情と引き換えに喪うというそれぞれが受けた不幸から、さらなる変化を迎えつつある。
なら、この結末もそう悲観するものでもないのだろう。決してハッピーエンドでないのだとしても。
相変わらずの真実が何度もひっくり返る怒涛の展開に、気持ちの良い酩酊感。
堪能し、楽しんだ。すなわち、最高に素晴らしかったということだ。
素直にアニメ化も楽しみにしておこう。

零崎曲識の人間人間  

零崎曲識の人間人間 (講談社ノベルス ニJ- 21)

【零崎曲識の人間人間】 西尾維新/竹 講談社ノベルス


とりあえず、零崎舞織こと無桐伊織が久々に堪能できたので大満足ですw
初登場作品の人間試験以来じゃないかしら、こんなに伊織ちゃんが登場してくれたのは。と言っても、この本の一話だけなんですが。
なんだかんだと人識とはよろしく…ええ、よろしくやってた模様で。元の家族を失い、新たにできた兄を失い、両手まで失っての逃避行の日々。つい先日までただの女子高生だった伊織にゃヘヴィすぎる状況なのでもっと暗い雰囲気なのかと思いきや、ほんとによろしくやってた模様で。むしろ、一緒にいる人識くんの方が気にしてるくらいで。
なーんか、思ってた以上に人識は伊織のこと大切にしてるんだよなあ。本人は双識から託されたからだの、もっと突き放したクールな関係を気取ってますけど、やってること見たらめちゃくちゃ大切にしてるじゃないですか。もともと、実は世話好きだったりする子でしたけど、いーちゃん相手の時と比べても、身が入ってるというか親身になってるのがわかる。
自分では偽装のつもりで曲識に告げた「恋人」という関係。傍から見てるとそれ、偽装とも言えないですよ、これじゃあ。伊織の方は、まったくまんざらじゃないみたいですし。
曲識のセリフじゃないですけど、人識は変わったよなあ。最初に出た頃のなにしでかすかわからないヤバい雰囲気は鳴りを潜めて、抜き身だった刃が鞘に収まったような安定感を感じるようになりましたよ。見てて、危なっかしさみたいなのが消えた。
いーちゃんも本当にイイ方に変わりましたけど、この人識もイイ方に変化したもんだ。本人にはあんまり自覚ないみたいだけど。

それにしても、人識はまず置いておいて。零崎一賊って殺人鬼である以外はみんな意外と人間的、人格的に真っ当な人が多いですよね。ってか、双識にしても、軋識にしても、本編の主人公(?)たる曲識にしても、変態的なところはあるにしても、破綻度で言えばこの戯言使いシリーズに出てくる人間の中では本当に真人間に近い人ばかりのように見える。喜怒哀楽にも欠損なく、親しきヒトを慮り、優しさを忘れず、友情を大切にし、家族を守る。
ほんと、なんで殺人鬼なんだ? と思うくらいに。

さて、次回は本命、零崎人識の物語。戯言シリーズのもう一人の主人公格のお話ですし、なにより伊織にいじられ振り回される人識が存分に堪能できそうで、楽しみ楽しみ。
……いまさらバッドエンドみたいなのは無しですよ?

…って、人識の話ばっかりしてしまった。曲識主人公の本なのにw

西尾維新文庫ってなんだよ講談社!(笑  

クビキリサイクル

結局のところ、西尾維新の代表作といったらこの戯言シリーズなわけで。
文庫化されるみたいなので、これを機にどうですか?
しかし、講談社文庫にも関わらず、イラスト竹氏のままで来たかー。えらい。

刀語 第十二話 炎刀・銃  

刀語 第十二話 炎刀・銃 (エントウ・ジュウ) (講談社BOX)

【刀語 第十二話 炎刀・銃】 西尾維新/竹 講談社BOX


読了。
なんとなく、完走、という言葉の方がしっくりと来るような読後感。
12か月連続刊行という長丁場。最初の頃はその値段の高さと、内容の薄さに何度か放り出そうかと迷ったものですが、中盤を超えた頃にはとがめと七花のコンビにも愛着を覚え、結局最後まで二人の旅路に付き合ってしまいました。
彼らの旅の結末は、本編をご覧じてもらうとして。
うん、やはり作者にも、読者にも、主役の二人にも、完走ご苦労様でした、と云い添えるのが一番しっくりくるような語り締め。
ある種の無常観と切なさ、それでいて主人公の成長と淡い希望の光を伴った、なんとも胸に残る終わり方で。
本当に、戯言をああいう形で終えてからの西尾維新氏の作風は、厳しくも優しいものになったなあ。

とがめも好きだったんだけど、最後の七花と絡む素の顔の否定姫が意外なほど快活で可愛かったのには、不意打ちされた。やられた。
西尾維新の書く女の子って、どいつもこいつもなんだかんだでカワイイんだよなあ、悔しい。

化物語(下)  

化物語(下)
【化物語(下)】 西尾維新

正直に申し述べよう。
この化物語の上巻を読んで後、ふと一つの可能性に思い至ってしまい、下巻が手元に届くまで、私は恐れ戦き部屋の隅でガタガタ震えていた。
もしかして、梯子を外されてしまったんじゃないか、と。
藤川球児の火の玉ストレートのごとき、好みど真ん中ストライクなキャラクターたち。そんなキャラたちが良い心栄えで良い決意をし、良い行動を取り、良い結末を引き出す。
そんな気持ちの良い物語だった化物語の上巻。

案の定、私は当初なんの疑いも無く、下巻もその流れが続くのだと思っていた。待っているのはハッピーエンド。
だが、ちょっと待て。傍と思い至ったわけだ。
この話を書いているのが、西尾維新という作家だという事実に。

ゾォッとなった。

代表作である戯言シリーズがどういう過程を辿り、どういう結末へと至ったか。あのエンドへと至るまで、殆どの人はあの物語の結末を救いもなにもない悲惨なものだと想像していなかっただろうか。
結果として、その予想は見事に覆されたわけだが。
ふと、思ってしまったわけだ。

この化物語、まさか戯言シリーズとは真逆の展開なんでないんかい?

ハッピーエンドを疑いもせず下巻を手に取ったのが運の尽き。待ち受けていたのは…………。
脂汗がダラダラである。
戯言シリーズは、ある意味どんなキャラだっていつどこでどんな悲惨な末路を辿るか分からないのが前提だったわけで、誰がどこで潰されようとある程度覚悟のようなものは出来ていたわけです。
哀しくても辛くても、それは予期されたものでした。
が、しかし。

この化物語にゃ、そんな覚悟は用意してねえ!!

もはや手遅れ。既に戦場ヶ原ひたぎも神原駿河も八九寺真宵も阿良々木暦も、すっかりスルリと心の棚にお住まいになっている。定住である。
こうなっては誰が消えてもミランシャ度100パーセントの恐怖。
正直、下巻を手に取るまで本気でかなりビビっていた感は否めない。

まあ、杞憂だったわけだが


あとがきを読む限り、本作はかなり作者の趣味に寄ったものだったらしい。あのダラダラと続くキャラ同士の会話の、妙にノリノリな内容なんて、なるほど好き勝手書いてますよね、垂れ流しですよね、てな感じがして非常に納得だったわけですが。
別に垂れ流しは垂れ流しで、面白けりゃそれはそれで万事OKなんですよね、私としては。そして、最高に面白かったわけですから無問題でエクセレントなわけですよ。

しかし、趣味で好き勝手書いた話がこういう気持ちのいい善性に満ち満ちた話であったというのは、西尾維新の今後を追うにしても色々と興味深い話である。
まあ今回の化物語で、私はこの人、さらにさらに好きになりましたけどね。
 
12月6日

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11月10日

(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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