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誉められて神軍

誉められて神軍 3.尾張名古屋は零で持つ ★★★★  

誉められて神軍3 尾張名古屋は零で持つ (講談社ラノベ文庫)

【誉められて神軍 3.尾張名古屋は零で持つ】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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一夜にしてファンタジー世界へと変貌した現代日本―各地に様々な勢力が割拠するなか、新宿市国軍中将・御神楽零は“誉めて伸ばす能力”を駆使し連戦連勝。着実に権力中枢へと昇りつつあった。そして近隣の有力国家“富士帝国”の宣戦布告を受け、零率いる新宿市国軍は雷帝こと十四代しおり子率いる富士帝国軍と交戦開始。激しい攻防を経て零としおり子は相討ちとなり富士山火口へ消えた…だが直後零が目覚めた場所は、よく知る現代日本の“舞姫道場”だった。高校生として旧知の仲間に再会した零は、世界の危機を回避するため、密かに動き出す。やがて知る日本ファンタジー化の真実とは!?さらに事態は急転直下、竹井10日が放つ独創ファンタジー戦記第3巻!
現実世界に戻ったあたりから、突然なんか話の回転が早くなってきたのでこれまさか、と思ったら3巻打ち切り、俺たちの戦いはこれからだー!じゃないですか!? うわぁ、なんでだぁ。
この零くんの面白堅いキャラクターや誉めて伸ばす能力、というものが竹井作品の中でもかなり面白い部類だっただけに、勿体無いもどかしいヨミ足りない!! このファンタジー化した日本のアリスソフト的な世界観もめちゃくちゃおもしろかったんだけれどなあ。
以前の「がをられ」シリーズが重層的な謎によって構築された世界観が、紐解かれていくことによってその壮大にして想像を絶するスケールを明らかにしていったように、本作もファンタジー化した世界の謎、それに関わる零くんの両親という因果など、現実世界に戻ったことで幾つもの謎を解く鍵が見つかると同時に、同じく現実世界の記憶を持っていた同士ともいうべきしおり子との合流、そして現実世界にてさらに積み重なっていく謎。とどめに、戻ったはずの現実世界がファンタジー世界に徐々に侵食されていくという危機的展開。同時に、零たちが居なくなった、というか元から居なかったように改変されたファンタジー世界の方でも、零のことを覚えている人たちを中心に動きが起こり、と物凄えいいところで終わってるんですよね。これ生殺しだ、生殺しだぁ。
零ちゃんの能力、誉めて伸ばすという能力はいわゆるドーピング、というよりもバフの類いなんだけれど、単純にステータスをあげるようなものじゃなくて、かなり柔軟性があって発想次第で効果の発揮のさせ方が幾らでもある、という代物で、さらに人物相手限定じゃなくて無機物にまで効果があるというもので、これやりたい放題というよりも本当に発想の勝負という感じでその使われ方、毎度面白かったんですよね。一応使用回数も決まっていて使い所も考えないといけないし。
題材もキャラクターもストーリー展開もネタも世界観も全部好みで楽しかっただけに、ここで強制終了というのは本当に残念です。残念です。

シリーズ感想

誉められて神軍 2.富士帝国への道 ★★★★  

誉められて神軍2 富士帝国への道 (講談社ラノベ文庫)

【誉められて神軍 2.富士帝国への道】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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とある事件により、一夜にしてファンタジー世界へと変貌した現代日本―割拠する勢力のひとつ、軍事国家・新宿市国の准将、御神楽零は“誉めて信ばす能力”を駆使することで、誰もが一目置く存在となった。
零率いる御神楽旅団の遠征中、「新宿市国にて叛乱発生」の報が届く。姉・ゼネットを伴い市国へ戻った零は、叛乱の首魁捕縛のため進撃開始。向かうは“茨城”―エルフの住まう深い森にて零と千歳、萌ら麾下の騎士や魔導師達が出会った“古代エルフの遺跡”の秘密が、皆を苛烈な(そのうえバブみとダダ甘に満ちた)運命へと誘う。戦い続くなか日本ファンタジー化の秘密に近づく零の前に、新たな敵も現れて…竹井10日が放つ独創的ファンタジー戦記第2巻!
似非ファンタジー日本、やっぱりこの混沌具合は見てて面白いなあ。
「地の精霊ノームの一族の里。つくば研究学園都市」!!
「つくばから秋葉まで、ドワーフの敷いた線路を走るトロッコ列車「つくばエキスプレス」
常磐道もドワーフが作った街道ということになってるし、茨木はエルフの里。北茨木はダークエルフの女子校があり、「あみプレミアムアウトレット」というエルフの神殿と化したショッピングモール。あみプレミアムアウトレットって調べたら実在するやんw
「ショッピングモールまで乗ってきた馬を繋ぐための馬繋場」、というパワーワードw
そのエルフの神殿であるショッピングモールに、今ゾンビの大群に追われて立てこもってるんだから、もうシッチャカメッチャカである。実に楽しい。
しかし、那須ハイランドパークがダークエルフの女子校になってるのか。まさに栃木と茨木の争いw
いやそれはいいんだが、なんで竹田城跡がエルフの神の城になってるんだ。竹田城跡は兵庫だぞ、兵庫。でも、空飛んで移動しているから兵庫から茨木まで浮遊してても不思議はないのか。一応日本全土を周回している、という事ちゃんと書いてあるし。いや、十分不思議だよ! ってか竹田城跡が幾ら天空の城だからって実際に飛ばすなよw ちなみに竹田城、西洋風の城になってますw 人呼んで風雲竹田城……。
それをいうと、牛久大仏も牛久女神像になってるんですが。
まだ登場してないけれどさり気なく一番ショックだったのが、サラリーマン傭兵団。きっちりスーツ姿で決めてる傭兵団なのかと思ったら、全員ネクタイ頭に巻いてるとか。ビジュアルが凄まじく恐ろしいんですが!

いきなりのクーデター騒ぎで、以前から目の上のたんこぶだった元帥二人が退場となってしまったので、案外あっさりと軍での出世の障害が取り除かれてしまったんですよね。もうちょっと権力争いまともにするのかとも思ったけれど。でも、どんどんと関東各地に足を伸ばして各勢力と接触を重ねていく以上、あんまり新宿市国内部でグダグダやっているのも展開が遅くなるということなのでしょう。各地に足を伸ばすたんびに、仲間も増えていってますしね(全員女!)
このあたりはシミュレーションゲーム的で実に楽しいのですけれど、やはり焦点となるのは「日本ファンタジー化の謎」ということなのか。嫌がらせしてくるモブキャラか、と思われていた諸見里元市長が思いの外重要なキャラクターということが明らかになってきたし、むしろ裏に潜ったことでフィクサーとして暗躍し始めてけっこうたちの悪い敵キャラっぽいのがわかってきたからなあ。銀英伝のトリューニヒトをさらに悪意と野望に凝り固まらせたみたいなキャラになってる。つまり、悪いw

ああ。奥州連合、案の定EUなのか。名前の理由付けが、奥州連合筆頭の竜騎士が騎乗する独眼の竜がエメラルドドラゴンなので、エメラルド連合→EUという無茶振りw

サブタイトルでは富士帝国が名前出ているけれど、本格的に相争うのは次回からなのね。というか既に富士帝国皇帝の雷帝様、登場してる時点で零くんに陥落してるじゃないかw
帝国を建国する前に零と会ってて、既にそこで仲良くなってるという始末。早い、そして易い! 次回富士帝国との本格開戦、そして速攻大ピンチとなってるけれどこれ絶対イージーモードだろうねえ、うんうん。

1巻感想

誉められて神軍 1.新宿市国 ★★★★   

誉められて神軍1 新宿市国 (講談社ラノベ文庫)

【誉められて神軍 1.新宿市国】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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とある事件により、一夜にしてファンタジー世界へと姿を変えた日本―ゴブリン、オーク、エルフに魔人…想像上の怪物達が我が物顔で跋扈する時代、人々もまた記憶を書き換えられ現代日本は過去のものとなっていた―割拠する有力政治勢力のひとつ、軍事国家・新宿市国。若き少尉、御神楽零は、謎の少女・火倶夜との出会いを経てとある力を手にする。それは“誉めて伸ばす能力”―生物無生物問わず万物に対し有効なこの力で、零は彼を公私に慕う姫鞠、千歳ら麾下の騎士や魔導師達(ほぼ女子)とともに、“元の日本を取り戻す”ための苛烈かつ孤独(でもときどきダダ甘)な戦いを開始するのだった―奇才竹井10日が挑む新境地ファンタジー戦記登場!!
イラストは前作の「がをられ」――【彼女がフラグをおられたら】から引き続きCUTEGさん。これは嬉しい。竹井10日キャラのほわほわ感にCUTEGさんのデザインぴったりでしたからねえ。
ちなみに、本作では「フラグ」はまったく機能していません。それこそ「やったか!」と発言したらちゃんとやっつけてたり、これでかとわかりやすい死亡フラグを立てても全く何事もなくスルーされるくらいには。
というわけで、フラグ能力は本作では全く存在せず、代わりに主人公の零くんが与えられた能力は「誉めて伸ばす能力」。ごめん、ちょっと舐めてた。単に誉めておだててヒロインの能力強化するだけの能力だと思ってたらこの能力、人間どころか動物、どころか無機物ですら誉めて伸ばせるのか! ってか、伸びるどころじゃないですよこれ。豚もおだてりゃ木に登るなんて言葉がありますが、零くんが誉めたら豚だろうが豚の貯金箱だろうが木にも登るし空も飛ぶんじゃなかろうか。少なくとも、古代の遺跡と化していた十式戦車がお前はやれば出来る子、という感じでほめたら完全稼動状態で復活するくらいには何でもありである。
と、さすがにそれだけ強大な能力だとちゃんと制限があって、一日三回まで。永続効果し続ける場合もあれば短時間で効果が切れる場合もあり、これは対象とシチュエーション次第だなあ。
主人公の零くんは、作者も書きやすいというほどなかなかイイキャラしてるんですよね。真面目でおバカというポンコツっぷりで、死んで腐った魚の眼をした系の主人公に比べると明るいしやる気にも満ちてるし、活動的ですよねえ。でも、颯太きゅんを「辛気くせえ主人公」なんて言わないでくだせえ、作者さま。事実なだけに、ザクザク突き刺さるからw
でもまあ、主人公がある程度真面目で優秀である反面、天然なボケボケ系になったせいか、天秤の傾きを調整するように、本作のヒロインたちってみんなある程度マトモ寄りになってるんですよねえ。「がをられ比較」ですが。比較対象が悪すぎるような気がしますが、まあ気にしない気にしない。
でも、がをられのヒロインたちの少なくないメンツが頭の天辺から足の爪先まで天然不思議ちゃんに染まっていたのに比べると、幼なじみで副官の姫鞠にしても、片腕となるだろう千歳にしても、珍しく極めて厳格な姉(ダダ甘)キャラのゼネットも、巫女系治癒術士の好ちゃんもなんとみんな「ツッコミ」ができる逸材なのだ! まあ、みんな隙あらばボケにも転じるので、いつも誰かがボケて誰かが突っ込むという全周囲ボケツッコミ攻防が叶うのである。まさにボケとツッコミの車懸りの陣である。
電気菩薩中尉だけは何気に微妙だけれど。ってか、電気菩薩って凄い名字だよなあ。そして、竹井作品でも屈指の母性愛系軍師幼女である。そうか、これが「バブみ」というものかーっ!!
まだ十二歳の幼子にも関わらず、溢れんばかりの母性で零くんを包み込むその包容力、思わずバブバブと言ってしまいそうな至れり尽くせりのお世話っぷり……ってか、これって「艦隊これくしょん」の第六駆逐隊駆逐艦の「雷」ちゃんの究極系ですよね。竹井作品では常々「お姉ちゃん」が担ってきたこの手のダダ甘やかしっぷりを、ついに幼女が奪取したのである。さすがは天才軍師電気菩薩萌……字面がいい具合に狂ってるなあ。
そう、世界観もいい具合にハチャメチャに狂ってて、富士帝国や新宿市国なんかはまだわかりやすいほうで、パラディン新撰組や「奥多摩は魔女」とかサラリーマン傭兵団とかもうあっちこっちにカオスな勢力が群雄割拠していて、このハチャメチャっぷりは、かの「戦国ランス」なんかを彷彿とさせるかも。日本の勢力図を眺めてるだけでも楽しくなりそうなので、是非とも次の巻では地図載せてほしいなあ。
どんどんと勲功をあげて出世街道を驀進している零くんですけれど、今回は汚い大人の権力者なんかも結構居て、真面目というと変だけれど本気で権力争いみたいな展開もありそうで、というか既に暗躍と横槍がはじまっていて、これは良い下克上の物語が楽しめそう。
しかし、今度の誉めて伸ばす能力も、カエサルに信長にアレクサンドロスにナポレオンがこの力で破滅している、なんて宣われてたけれど、がをられでも全く同じメンツがフラグ能力の使いすぎで破滅してたんだぜ、とサクラメントあたりが警告していたような記憶があるのは記憶違いだろうか。そうじゃなかったらあれだな、しょっちゅう色んな能力で破滅する面々だなあ、この人たちw

竹井10日作品感想
 
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