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講談社タイガ

今昔百鬼拾遺 鬼 ★★★★   



【今昔百鬼拾遺 鬼】 京極 夏彦 講談社タイガ

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「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。しかも斬り殺されるんだという話でした」
昭和29年3月、駒沢野球場周辺で発生した連続通り魔・「昭和の辻斬り事件」。七人目の被害者・片倉ハル子は自らの死を予見するような発言をしていた。ハル子の友人・呉美由紀から相談を受けた「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は、怪異と見える事件に不審を覚え解明に乗り出す。百鬼夜行シリーズ最新作。
京極堂シリーズ、あるいは百鬼夜行シリーズか。京極堂と呼ばれる古書店店長を探偵役とした傑作ミステリー。そのスピンオフである【今昔百鬼拾遺】が三作、なぜか全部違う出版社から出まして。角川文庫の河童、新潮文庫の天狗、そしてこの講談社タイガからの「鬼」であります。
時系列的にどうやらこの「鬼」が一番最初らしく、河童よみはじめたところで引き返してこの「鬼」を読み始めた次第。本編のメインメンバーである中禅寺秋彦や関口先生といった面々はお休みで、本作は中禅寺秋彦の妹である敦子と、【絡新婦の理】に登場した女学生である呉美由紀が主人公となって描かれる。
戦後すぐに女性雑誌記者として活躍する敦子は、本編では快活で活発聡明な若い女性として描かれているのだけれど、この作品では周りにもっと年若い女学生たちが登場するせいかどこか落ち着いた女性として描かれてるんですよね。
もっとも、本人からすると若い女性特有のキャッキャとした女の子らしさとは無縁どころか苦手としていた、と述べているので落ち着いているというよりもアッちゃんからすると冷めていると自嘲しているのかもしれない。
兄貴たちと同世代以上の男どもからすると、妹キャラなアッちゃんは元気で才気煥発としたイキイキとした女性に見えるかも知れないけれど、彼女自身が主人公となってその内面が描かれると結構この娘もジメッと湿ってるところがあるんですよね。意外とコンプレックスも抱えているのか、自分ではあまり明るい性格ではないと思っているのか。作品の雰囲気自体どこか湿った雰囲気があるのは、敦子自体がどこかネガティブなちょっと気鬱な気分を催しているからなのかもしれない。今回はあの無理やり空気をネアカにしてしまう榎木津探偵はいらっしゃらないわけですしねえ。

そんな敦子に、美由紀から持ち込まれた相談は友人となった少女が辻斬りに斬り殺された事件のこと。ただの無差別辻斬り事件と思われたこの事件が、どうやら殺された少女の血統に刻まれた因縁が絡んでいるものらしい、という事が明らかになっていくことで現在逮捕されている男の容疑が怪しくなっていくのである。そして、その因縁とは「鬼」と呼ばれる存在と人斬りに使われた刀が関わってきて、と。表題の鬼へと繋がっていくわけですが……鬼ってその鬼かーー!!
妖怪「鬼」についてはすでに以前にうんちく語られたんでしたっけか。そもそも今回は京極堂当人は登場しないので、妖怪についてあれこれと薀蓄語ってくれる人はいないのですが、彼が敦子に語った「鬼とはないもの」、存在しないのではなく「無い」というものだという話が、最終的にこの「鬼」の話を締めくくる肝となるのですが、まずその前にここで事件に絡んでくる鬼の因縁、鬼の刀の「鬼」って妖怪の鬼じゃないですよね。
えーー、そっちかよ! と思いましたがな。新選組鬼の副長である土方歳三である。鬼の副長って、この時代……戦後すぐ昭和二十年代終盤で語られてたんだろうか。そもそも、当時の頃からそういうふうに言われてたんですかね。
現在の新選組人気の端緒となるのはやはり司馬遼太郎大先生の【燃えよ剣】あたりから、になるのでしょうけれど、作中で語られているのはみんな新選組というと、ああ鞍馬天狗の敵役?みたいな反応なんですよねえ。自分、鞍馬天狗が勤王志士って設定自体知らんかったですわー。そもそも、今の若い人たちは鞍馬天狗って名前自体知っているのかどうか。四十路の自分だって、直接見たことないですよ!? 
すでに自白している宇野という青年が犯人と固まりそうなところで、どうにも状況に違和があると引っかかっていた刑事の賀川に、敦子が情報提供のために接触したことでお互いの情報が擦り合わされることで新たな真実と新たな謎が生まれて、徐々に事件の、鬼の因縁の全体像が明らかになっていくところは、久々に京極堂シリーズを読んでるなー、という実感が得られて実に楽しかった。
ただ、いつもの明快な敦子さんと違って今回のどこかジメッとした敦子さんは話が回りくどいというか迂遠というか、もっとズバリと切り込んでもいいだろうというところで妙に話が回り道するあたりがあんまりらしくなかった感じはあるんですよね。
その分、若い呉美由紀さんがガンガン押し込んでくれた感はあるんですが。この娘、絡新婦の理に出てた娘というのは前述したのですけれど、正直殆ど覚えてなかったんですがなかなか面白い娘ですよね。一連の事件で鍛造されてしまったのか、事件で自分がやれなかったことへの後悔がいい方向に彼女を強くしたというのか。
ラストの事件の関係者たちへの啖呵は、実に見事なものでありました。言葉の伝え方、というものに関して敦子の兄である中禅寺秋彦のそれにかなり感銘を受けていて、あの人のようなとまでは言わないまでも、事件のときに上手く伝えられなかった後悔を、自分なりに上手く言葉で伝えられるようになりたい、と憧れめいたものを抱いていたっぽい美由紀さんですけれど、ラストの啖呵については敦子曰く、兄よりも探偵さんの影響が濃い気がした、という評価には思わず苦笑。美由紀さん本人も、「私、あんなですかぁ」って仰ってまあ。あんなってw いやまあ、榎木津探偵はどこからどうみても「あんな」ですけどねえ。
他の二作でも敦子と美由紀の二人がメインで出張るようで、引き続き近いうちに読破予定。

京極夏彦作品感想

虚構推理 ★★★☆   



【虚構推理】 城平 京/片瀬 茶柴  講談社タイガ

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巨大な鉄骨を手に街を徘徊するアイドルの都市伝説、鋼人七瀬。
人の身ながら、妖怪からもめ事の仲裁や解決を頼まれる『知恵の神』となった岩永琴子と、とある妖怪の肉を食べたことにより、異能の力を手に入れた大学院生の九郎が、この怪異に立ち向かう。その方法とは、合理的な虚構の推理で都市伝説を滅する荒技で!?
驚きたければこれを読め――本格ミステリ大賞受賞の傑作推理!

虚構推理とはなんぞや、とタイトルを聞くたびに疑問に思っていたので、なるほどそういうものだったのか……でも、推理……推理?
漫画【スパイラル】の人の新シリーズ、とは伝え聞いていたのでてっきり漫画シリーズの方が元だと思っていたのだけれど、原作はこっちでしたのね。とはいえ、自分が読んだ講談社タイガ版は新装版で元は講談社ノベルスから出ていて2011年の出版となっているらしく、8年前になるのか。
8年前というのは微妙なラインだけれど、ネット文化が主要なキーワードとなる本作としては多少現状のネット模様とは変わってきてるんですかね。まとめサイトが話題の中心となる、という構図自体が段々と過去のものになっていっている気もするのだけれど、そういうのには疎い方なのでちっと何とも言えないなあ。
人の想像力が怪異を産む、という設定は妖怪もののフィクションにおいてはもう十年二十年という蓄積を経た定番ともいうべき設定となっていますけれど、虚構によって現実へと現出してしまった怪異を、さらなる虚構によって非現実へと引きずり下ろす、という手法は……今までもあったかもしれないけれど、これほど真っ向にそれ自体を作品の根幹として持ってきたのを見たのは新鮮なものがありました。
まず厳然とした真実があり、事件の真相があり、それを全部調べ上げて承知した上で、その真実を虚構によって塗りつぶす。塗りつぶして、真実を虚構にしてしまう。定番の事件解決の真逆を行く手法なんですよねえ。確かにこれは面白い。

でも、まとめサイト程度であれだけの強度があれだけ短期間に発生してしまうのに、口裂け女や人面犬が生まれもしなかった、というのはネット過信しすぎじゃなかろうか。果たしてネット発信の情報について、どれだけの規模の人が心底「信じる」か。
それを言ってしまうと、琴子が発信した「事件の真実」群。あれも、あの書き出しに特に論拠となる証拠を出すわけでもなく、憶測と妄想を重ねるだけ重ねて何となく辻褄だけは合ってるっぽい、というだけの「語り」に掲示板ってあんな風に盛り上がるんですかね? あんな断言口調で事実のように想像を語られても、と自分最初あっけに取られてしまったのだけれど。実際、リアルタイムで掲示板に張り付いていると、その臨場感に載せられて入り込んでしまうものなんだろうか。
4つの仮説ならぬ虚構の物語を順番に渦中へと投じていく琴子。投じていく語りを前振り前座ならぬ、伏線あるいは仕掛け・トラップの仕込みとして最後に叩き込む虚構を場の真実としてしまうための補強材、或いは対峙するネットの向こうの黒幕に有無を言わせぬ一突きとするための構成に関しては、まさに見事という他なく。
未来を確定する能力同士の争いだからこその、決め打ちとも言えるんでしょうけどね。でないと、もう少し場は混沌としそうなものだけど。ああ、そうか。その能力の行使があるからこそ、虚言も真実だと信じられてしまう流れが確定されるのか。だったら、とにかくネタを投じるというのは至極正しいのか、なるほど。そして、それが信じられやすければやすいほど、つまり論理的で合理的でとりあえず辻褄あってりゃ大丈夫なのか。これは情報を発信する側の特権でもあるなあ。匿名で個人が発信できる、というのがネット文化に基づくものなんだろうけれど。
そもそも、七瀬さん当人やその関係者たちがあれだけ好き勝手人間関係から内面から勝手に語られているにも関わらず、実は一切一から十までまったく無関係のまま終わってしまう、というのもまたらしいというべきかなんというべきか。
紗季さんはこの様子だとこの回限りのゲスト出演ということになってしまうのか。レギュラーでも良さそうな立ち位置なのだけれど、九郎との関係は琴子が邪推するものと違って当人同士が結論づけちゃってる方があっているみたいだし。まだ好きなのに生理的に受け付けない、というのはお互いキツイよなあ。ただ、その場合によっては一生引きずりそうだった部分を、こうして再会して一緒に行動することによって、ケリをつけることが出来た様子なのは両人にとって幸いなことだったのでしょう。犠牲者となってしまった刑事さんについては、可哀想としかいいようがないけれど。
しかし、琴子のあのシモネタ好きはどうしたものなのかねえ。あれ、確実に九郎から忌避されている原因の一つだと思うんだけどw
九郎とのそれは良いコンビなのか、琴子がしがみついて離れないだけなのか。でも、一応恋人関係にはなってるんですよねえ……なってるのよね? 琴子の自称とか妄想じゃなくて……。

ジンカン 宮内庁神祇鑑定人・九鬼隗一郎 ★★★☆  

ジンカン 宮内庁神祇鑑定人・九鬼隗一郎 (講談社タイガ)

【ジンカン 宮内庁神祇鑑定人・九鬼隗一郎】 三田誠 講談社タイガ

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呪いを招く特殊文化財を専門とする、神祇鑑定人・九鬼隗一郎。就職活動に失敗した夏芽勇作の運命は、彼と出会ったことで、大きく変化してしまった。魔術に傾倒した詩人・イェイツの日本刀、キプロスの死の女神像、豊臣秀吉が愛した月の小面。実在する神祇に触れ、怪奇な謎を解くうち、勇作自身の秘密も引きずり出されてしまう。呪いと骨董と人の想い。相棒が導き出す結末は…!
冒頭から全裸で登場したから、というわけではないのでしょけれど、九鬼さんのこの匂い立つような男の色気が凄まじい。四十前後の年齢ながら引き締まった肉体に鬼瓦のような容貌、そこに眼帯が片目を覆っている。いわゆる優男が醸し出す色気ではない。
だが、男臭いというとまた異なるのである。その物腰は静謐で美しく、言葉遣いは年下の後輩にも丁寧で誰に対しても礼儀正しい。所作や振る舞いそのものに整った美しさが感じられるのである。
女だから男だから、という性別関係なく、思わず魅入ってしまうような何かが感じられると同時に、その深奥まで引きずり込まれそうな山奥の湖のような神秘性すらも感じられてしまう。
かと言って、近寄りがたい人物かというとそうでもなく、表情はあまり変わらないながらも勇作くんの印象だと思いの外感情豊かでその端々から垣間見えるそうで、昼食を取っているシーンなどなるほど黙々と食べているようで何気に一つ一つの食材、料理の品の味や見た目を堪能して楽しんでいる様子が伺えて、ある種の可愛げすらも感じ取れる。
しかし、かと言って人畜無害の人物かというと、当然のごとく正反対なのであろう。彼は誠実である、依頼人や関係者の身の安全に気を配り、最悪を避けるようにきちんと立ち回り、一方で法や業界のルールを逸脱すること無く、秩序に反すること無く事件を収めていく。
でも、恐ろしい人物なのだ。特殊文化財というモノに魅入られ、それを最上至上として他を顧みることなく動けてしまう男なのだということを、勇作は彼とともに事件を解決する過程でそれを実感していくことになる。
魔術とは、呪術とは、呪いとは、すべて思い込みの産物である。
と、九鬼さんをはじめとした深くこの業界に関わる人々はそう明言して憚らない。その上でこうのたまうのだ。
そのような「思い込み」に頼らざるを得ないほどに追い詰められたり、深淵に嵌った人々に対しては同じくその思い込みを介した仕儀によってしか解決できないことがある、と。
魔術の実在の定義ってのは、こうしてみると解釈一つ、立ち位置一つでこうも変わってくるものか、と深くうなずかされる。魔術が実際に存在するか、なんて本当に視点一つなのだろう。現実においてだって、考え方によっては魔術に定義されるであろう事はいくらでも存在するのだ。安易に超常のものと捉えてしまうには、魔術という枠組みはあまりに広く底なしなのである。
それでも、理を以って語れるからこそ「術」なのであり、その解体もまた理を以って成せるのである。その理が、常識の範疇にとどまっているかはいざしらず。
このあやふやにして否定も肯定もせず、いやどちらもしているのか。この思い込みによって成立し、だからこそ現実にすら作用しているこれら、各事件における特殊文化財が巻き起こす、或いはそれに囚われた人々が織りなす出来事は、なればこそ面白く興味深く。関わる人々の踊り狂う様がまたゾッとするような人間模様になっていて、唆らされるんですよねえ。
また、その呪によって悪いことばかりが起こるのではなく、地下アイドルのあの娘が知らず成立させていたように、言祝ぎに値することまで起こってしまっていたりするわけで。
最初の刀剣にせよ、女神像にせよ、そして最後の月の小面にせよ結局は人間の想いが道具のありようを決定づけているわけで、さて道具に人間が振り回されているのか結局人間が道具を振り回しているに過ぎないのか。いずれにせよ、それを引き起こす特殊文化財に九鬼さんがああものめり込んでしまっている、というのは理解出来るし、彼がそれを制御するために自分を枠組みの中に置いている、という理性は尊敬に値するのである。確かに、ついていくの大変だろうけどなあ。
いずれにしても、この「魔術」という概念に対する地に足の着いた解釈やアプローチからの、おどろおどろしい特殊な現象の発生、その根源に潜む人間模様を描き出し、そこに人間讃歌めいた肯定を……人間の悪しき部分を浮き彫りにさせながらも、最終的に人の善性や信じるに足る部分を描き出すところなんぞは、三田誠先生らしさが刻み込まれている作品でした。歯ごたえのある面白さだった。

しかしこのジンカン。宮内庁神祇鑑定人という名義からしても、ちゃんとした宮内庁の職員の話なのかと思ったら、元は宮内庁の部署だったにも関わらず、現代における組織とか予算とかの問題から組織外の放り出された外部の「宮内庁指定業者」なのである。下請けである。
どの業界も世知辛い世の中でありますなあ。

三田誠作品感想

閻魔堂沙羅の推理奇譚 ★★★☆  

閻魔堂沙羅の推理奇譚 (講談社タイガ)

【閻魔堂沙羅の推理奇譚】 木元 哉多 講談社タイガ

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俺を殺した犯人は誰だ?
現世に未練を残した人間の前に現われる閻魔大王の娘―沙羅。赤いマントをまとった美少女は、生き返りたいという人間の願いに応じて、あるゲームを持ちかける。自分の命を奪った殺人犯を推理することができれば蘇り、わからなければ地獄行き。犯人特定の鍵は、死ぬ寸前の僅かな記憶と己の頭脳のみ。生と死を賭けた霊界の推理ゲームが幕を開ける―。

閻魔様というと、最近だと【鬼灯の冷徹】の閻魔大王さまがデフォルトになっているので全然怖い印象ないのだけれど、時々娘に仕事代わってもらってる、と言われたらよくありそう、と思ってしまう。冷静に考えると裁判官が身内に代理頼んでサボってるのってどうよ、というところなのだけれど。その娘さんときたら、けっこう恣意的に強権振りかざしているし。
口では関心ないふりをしておきながら、実際のところ被害者たちに自分の死が自然のものではない、という事実を気づかせるような誘導をしている節がありましたし。閻魔あい……じゃなかった、沙羅が何も言わなかったらどの人も何も気づかず天国に行ってたでしょうし。
犯人わからなかったら地獄行き、なんてリスクを提示はしていますけれど、結局誰も地獄行きにならなかったからなあ。一人くらいは地獄行きになるかと思ったけれど。冒頭のシーンからすると地獄に落ちた人もいるっぽいけれど。
普通のミステリーと違うところは、探偵役が被害者本人というところなのでしょう。何しろ、殺された当人なので、犯人に行き当たるだけの情報は既に得ている、ということで情報収集活動は一切抜きで、制限時間十分で自分の記憶を回想してそこから真相へと至ることが求められる。
え? 十分とか無理じゃね?
と自分なら焦って何も思い浮かばなくなりそうなのだけれど、本作に描かれる四人の登場人物たちはみんな脳みそフル回転で着実に記憶だけを頼りに真相へとたどり着いていくのだから偉いものである。
まあそこまで複雑な謎があるわけではないので、ミステリーとしては簡単な類なんだろうけれど、逆に当事者としては記憶だけを頼りにって結構ハードル高そうなんだけどなあ。しかも十分。
さすがに金田一少年の事件簿みたいな計画殺人ではなく、登場人物の大半も決して悪人ではないので自分への悪意をたどっていくというやってみるとしんどいだろう真似をせずに済んでいるのも大きいのだろう。特に、最初の事件は盛大に殺人されているのだけれど、それ以外の三編はまた色々と趣向が違っていますからねえ。
ともあれ、被害者たちの死によってむしろ周りの人たちにも多く不幸が訪れる結果を思えば、彼らが地獄行きのリスクを賭けて脳髄を絞って考えただけの甲斐はあったのでしょう。自分が助かるため、というところに留まらない善意が各編から伺えたのも読後の感触の良さの要因なのかもしれません。
一番面白かったのは、やはり主人公が破天荒すぎる第四話でしたね。いやもうこういう人、関わるとめちゃくちゃ大変で大半の人は耐えられないのだろうけれど、そういうもんだと受け入れられたり、慣れたり、同じタイプだったりするとこう得難い相手になっちゃうんでしょうかね。自分はもう絶対ごめんですけれど。
にしても、生き返らせてハイ終わり、ではなくいちいちちゃんとフォローや救援をまめにしてくれている沙羅さん、ほんと行き届いてます。なんかサディステックで冷たい感じの人を装っていますけれど、イイ人認定でいいんじゃないでしょうか。

バビロン 3.―終― ★★★★☆   

バビロン 3 ―終― (講談社タイガ)

【バビロン 3.―終―】 野崎まど 講談社タイガ

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日本の“新域”で発令された、自死の権利を認める「自殺法」。
その静かな熱波は世界中に伝播した。新法に追随する都市が次々に出現し、自殺者が急増。揺れる米国で、各国首脳が生と死について語り合うG7が開催される!人類の命運を握る会議に忍び寄る“最悪の女”曲世の影。彼女の前に正崎が立ちはだかるとき、世界の終わりを告げる銃声が響く。超才が描く予測不可能な未来。
「終」って、そういう意味だったのか! そんな意味だったのか!!!
単にこのシリーズが終わるという意味での「終」であるとしか想像していなかっただけに、この巻がシリーズ完結ではない、と聞いたときは「?」が浮かぶばかりだったのですが、そういうことだったのか。振り返ってみると、このバビロンのサブタイトルはどれも一文字でありながら、強烈なほどにその巻において語られるべきすべてを集約した一文字になってるんですよね。

「―終―」

まさに、シリーズの行方を決するかのような一文字である。

そもそも、いきなり冒頭から舞台が日本ではなくアメリカ合衆国へと飛んでしまって、いったい何が始まったのかと面食らわされたところからグイグイと引っ張り込まれてたんですよね。
まず最初のサプライズ。「うぇ!?」と本気で混乱したそれは、まさに意表を突かれたという他ない驚きでした。
本巻の主人公は、アメリカ合衆国大統領。うん、これまで様々な媒体で様々な「プレジデント」を見てきましたが、この大統領はちょっと今まで見たことがない人だった。
そして何より、「凄い」人だった。アメリカの大統領がこんな人だとは、というよりも人類における政治媒体の指導者として、こういう人が選ばれたというのは途方もないことなんじゃないだろうか。
最強でも最高でもない大統領で、側近からも政治家として完全に失格、とまで言われる人であり、自他共認める凡人なのだけれど、ともかくこの人が指導者だというのは本当に凄い。この人が指導者として機能しているという時点で、アメリカという国家機構の凄まじさに敬服してしまう。これだけの人を国家元首として活かせるって、このヒトが国家元首として力を発揮できる人材とシステムがある、というのはちょっと憧れてしまうくらいに凄い。
でもなにより、この大統領が凄い。どうやったって、アメリカの大統領って東海岸の上流階級とかマッチョイズムの権化とかその方向なんだけれど、この大統領は既存の大統領像を根底から覆しているにも関わらず、非常にアメリカ的とも言える人物なんですよね。インテリジェンス、或いは思慮深さか。アメリカという大国における象徴ともいうべき「力」ではなく、フロンティアスピリッツという前に進む意思や性急さでもなく、成功を掴むアメリカンドリームという上昇志向でもなく……。
新しい国であるが故のしがらみの無さ。大きな国であるが故の懐の広さ。寛容さ。思慮深さ。最善を選択しようとする貪欲さ。そう、人は考える葦である、といったのはパスカルでしたか。最大にして最新の人造国家であるアメリカの頂点である大統領が、まさに考える葦である、というのは実になんというか、まさにアメリカの一面を体現しているようじゃないですか。
そして「考える人」と呼ばれる大統領は、一連の「自殺」が法的に権利として認められる世界的な流れに対して、まったく違う側面からアプローチすることによって、恐らく人類の中でも最も、今起こりつつ在るパラダイムシフトの本質へと近づいたはずなのである。
人としても、素晴らしい人だった。ほぼ闇落ちしかけていた正崎を人へと戻したのは間違いなくこの人の言葉であり思慮であり心である。どう考えても、この人が政治家であるということが信じられないくらいなんだけれど、この人を大統領に選んだ、というだけでこの世界におけるアメリカ合衆国は信じがたい奇跡を成した傑出した国家として人類史に語り継がれるだろう。
彼は、考える人は、人類文明の可能性そのものだった。

なぜだ!? 何を見た!? 何を知った? なぜ、そこに至ったんだ? わからないわからないわからない。その思慮の果てがその答えなのか? 人の可能性は、人間が人間である根源が、敗北したということなのか?
わからない。理由は、原因は、意味はあるはずなのだ。ただの理不尽なんかじゃない、確かな因果があるはずなのだ。
一つ一つ、紐解かれていく。なにが善くてで、なにが悪いか。その一つの定義があがった。だからこそ、蛇よ。バビロンの大淫婦よ。智慧の実の味を、その甘美さとは何なのかを、次でこそ語ってくれ。
でなければ、これほどの「悪」を許せるものか。終わって、たまるものかよ……。

野崎まど作品感想

おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱 ★★★★   

おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱 (講談社タイガ)


【おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱】 オキシタケヒコ 講談社タイガ

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「ひさしや、ミミズク」
今日も座敷牢の暗がりでツナは微笑む。山中の屋敷に住まう下半身不随の女の子が、ぼくの秘密の友達だ。彼女と会うには奇妙な条件があった。「怖い話」を聞かせるというその求めに応じるため、ぼくはもう十年、怪談蒐集に励んでいるのだが……。ツナとぼく(ミミズク)、夢と現(うつつ)、彼岸と此岸が恐怖によって繋がるとき、驚天動地のビジョンが“せかい”を変容させる――。

作者のオキシタケヒコさんは、ガガガ文庫で【筺底のエルピス】シリーズを出している人で、伝奇調の物語に本格的なSFをハイブリッドさせた作品が特徴的だったんですよね。
本作も、当初は過疎化が進む逼塞した田舎の村に今なお続いている旧家の因習が主人公を絡め取り、という古い時代の怨念が襲ってくるタイプのホラーかと思ってたら、これがどんどんと様相を変えてくるんですよね。
若い人たちがどんどんと地元を出ていき、徐々に枯れつつありながらもずっと変わらない景色の中で、十年もの間座敷牢にとらわれている少女の元に通い続けた「ミミズク」。出会ったときはまだ子供だった主人公も、座敷牢の少女ツナも、十年経った現在ではもう20を越えた大人になっているのだけれど、同年代の子供たちがみんな都会に出ていってしまった中で、変わらぬまま同じ時間を続けている彼らはまさに停滞、止まった時間の中に居るようなものだったのが、一人の怪しげな男……ホラー雑誌の編集者を名乗る男の登場によって、劇的な変化が……いや、今まで薄暗い闇の中に溶け込んでいて見えていなかった事実が白日のもとに浮き彫りになっていくのである。が、その見えてきた事実というものが予想と全然違っていて、理解したと思ったその新事実も実は一つの側面に過ぎず、次の瞬間にはまったく様相を異にする事実を突きつけてくることになって、まさに真実が二転三転していくのである。それにともなって、幾人かの登場人物の印象もガラっと変わることになって、最初のインパクトがどれだけイメージを強固に固定していたのかを思い知らされることになる。
物語のジャンルそのものも、ストーリー展開が進んでいくに連れて、ひっくり返されるたびに違うものへとクルリクルリと看板を変えられていくようなもので、自分が何のジャンルの本を読んでいたのか見事に混乱してくるのである、これが。
気がつけば、なるほど「オキシタケヒコ」の作品だ、とうなずかされるわけだけれど、このめまぐるしいまでの世界観を覆うベールがひらりひらりとほどけ落ちてくかのような展開には、正直グイグイと引き込まれた。最初のある種の怖いもの見たさ、というか本当に怖いものからは目をそらすことができない、みたいなゾクゾクするような「恐れ」が、ある時みごとに「解体」されて、なんだそういうことだったのか、論理的科学的なルールに基づく解放感に安堵した、と思った途端まったく別の理解不能の未知。オカルトの領域にクビまで浸かっているかのような感覚に溺れ、ところがところが……といった感じで、立ってる地面の感覚が劇的なまでに変化し続けるんですよね。ところが、でもそれがあやふや感が増していく、というわけではないんだなあ。秘されていた事実、見ないようにしていた本当のこと、が確かに明らかになり続けているのは間違いなく、着実に前に進んでいる実感、知るべくを知り得ているという納得、たどり着こうとしている感覚がどんどん足元を確かにしてくれるのである。
そして、そうやって見えてくるものは決して悪いものではなかったんですよね。恐れてみないようにしていたものは、決して枯れ尾花なんかじゃなく、想像を遥かに超える凄まじいものであったのだけれど、でもそれは知らずにいればよかったものじゃあなかったんですよね。知って良かったと思えるものだった。知ることが救いだった。
そうして気づけば、辿り着いた場所は、勇気を振り絞って掴んだものは……暗く閉ざされた座敷牢のそれとは程遠い、風と陽の光をたっぷりと感じられる、停滞ではなく、明日へ歩いていける場所だったのである。
陰鬱なホラーだと思っていた物語が、こんな素敵で爽やかな締めを迎えられるとは。振り返ってみると、ミミズクが居候している叔母夫婦をはじめとして、何気に登場人物って良い人ばかりなんですよねえ。
ツナの結末もまた、人の想いがもたらしたものと思えば、人間捨てたもんじゃないと思える話でした。
……【筺底のエルピス】も願うならば、良き人が報われる話になってくれればなあ、と思うばかりである。続刊はいつ出るんだろう……。

オキシタケヒコ作品感想

アンデッドガール・マーダーファルス 1 ★★★☆  

アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)

【アンデッドガール・マーダーファルス 1】 青崎有吾/大暮維人 講談社タイガ

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吸血鬼に人造人間、怪盗・人狼・切り裂き魔、そして名探偵。
異形が蠢く十九世紀末のヨーロッパで、人類親和派の吸血鬼が、銀の杭に貫かれ惨殺された……!? 解決のために呼ばれたのは、人が忌避する"怪物事件"専門の探偵・輪堂鴉夜と、奇妙な鳥籠を持つ男・真打津軽。彼らは残された手がかりや怪物故の特性から、推理を導き出す。
謎に満ちた悪夢のような笑劇(ファルス)……ここに開幕!
たとえ、容疑者や被害者が人間じゃない人外の怪物だったとしても、その怪物が人間にはなし得ない力を持っていたとしても、きちんとしたルールが提示さえされていればミステリーは成り立つのだ。
その点を考え見ると、なぜ最初の事件において吸血鬼という怪物が犠牲者となり、また容疑者として取り上げられることになったのかも容易に理解できるのです。吸血鬼ほどその能力と制約が知り尽くされた怪物も他にいないですからね、怪物が対象のミステリーの最初の題材としてとりあげるに、これほど基本的で便利で紹介しやすいものもない。また、その制限の多さ、厳密さについてもファジーさを許さないものがありますし、導入編としてこれほど扱いやすいものもない。
事件の真相も、使われたトリックもミステリーとしては非常に古典的というかオーソドックスなものである。あまりに有名すぎて、実際にこの手法が使われたミステリーって何気にはじめて読んだ気がするんだが(あったかもしれないけど覚えてない)、それに吸血鬼の特性と制限という要素を加えることでミステリーの古典の良さと怪物が跋扈する怪奇譚としての雰囲気が見事にブレンドされているのである。
ところが、だ。面白いのが、この雰囲気を劇薬のようにして引っ掻き回しているのが、主人公である輪堂鴉夜と真打津軽という怪しさ極まる東洋人コンビなんですよねえ。彼らにメイドの静句を含めた三人は一応日本人なんだけれど、もう胡散臭さが極まってるんですよね。十九世紀末のヨーロッパという舞台に、異形や名探偵に怪盗紳士が活躍する世界観に対して、ガチで喧嘩を売るかのようなこのトリオの存在感。ノックスの十戒の中国人を意識しているんじゃないか、というこの東の最果てから来た奇妙にして最も怪しく胡散臭い謎の異邦人たちがよりにもよって探偵役として事件を解決していくのだ。
これこそ笑劇(ファルス)ってなもんだろう。
ともあれ、これほど強烈で劇薬のような存在感を示す三人を主人公にした理由は大いにあるんですよね。それが垣間見えるのが、フランケンシュタインの怪物の系譜に連なる人造人間、彼に纏わる殺人事件である。
この作品の特徴にして魅力にして売り、というのは実のところ女探偵・輪堂鴉夜の奇天烈さでも、吸血鬼や人造人間という怪物たちが跋扈しているところでもなく、第二話のこれなんでしょう。
名探偵VS名探偵!!
この殺人事件を担当することになったベルギーのとあるキレ者の髭がオシャレな警部との丁々発止。作中でもちゃんと名前が出てこなくて愛称で呼ばれる彼こそ、誰もが知る……あの人なのである。
そうだよなあ、世界的な超有名人を相手にするなら、生半可な存在感ではたとえ主人公だろうとあっさり見せ場を駆逐されかねない以上、そりゃもう劇薬みたいなものをぶっ込まないと。
なにしろ、かのシャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパンの名前も普通に飛び交っている世界である。そんな世界に我が物顔で乗り込んでいく東洋の怪しい探偵コンビ「鳥籠使い」。その謎解きは実に正統派なミステリーにも関わらず、なんともゲテモノ感があり、このごった煮感満載の世界観にはどうしたってワクワクしてしまうじゃないですか。
まー、ラストの黒幕というか悪役集団の名乗りには、いや盛りすぎじゃね? と笑ってしまいました。これはあれですよねえ、映画の「リーグ・オブ・レジェンド」みたいなものなのか。こういうクロスオーヴァーは基本大好物なんですけどね。



バビロン 2.―死― ★★★★★   

バビロン 2 ―死― (講談社タイガ)

【バビロン 2.―死―】 野崎まど/ざいん 講談社タイガ

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64人の同時飛び降り自殺――が、超都市圏構想“新域”の長・齋開化(いつき・かいか)による、自死の権利を認める「自殺法」宣言直後に発生!
暴走する齋の行方を追い、東京地検特捜部検事・正崎善(せいざき・ぜん)を筆頭に、法務省・検察庁・警視庁をまたいだ、機密捜査班が組織される。
人々に拡散し始める死への誘惑。鍵を握る“最悪の女”曲世愛(まがせ・あい)がもたらす、さらなる絶望。自殺は罪か、それとも赦しなのか――。


…………。

いやまて、三点リーダーはマズい。点線にしか見えない。点線怖い、点線怖い。
何から言葉にすればいいのかわからず、思わず……からはじめてしまったのだけれど、おかげであれの光景がぶり返してきてしまって、ようやく落ち着いてきた精神がまたぐちゃぐちゃに轢き潰される。
まだちょっと、動揺が収まっていない。第一巻のクライマックスにも度肝を抜かれたけれど、この二巻のラストには完全に心をすり潰された、と言って過言ではない。どうすんだよ、これ。正崎さん、再起不能だろこれ。

第一巻のラスト。あの、新域都庁からの64人の生中継同時飛び降り自殺事件。あまりといえばあまりにファナティックな光景。あの瞬間から、凄まじく読み応えの有る検察を主役としたサスペンス小説が野崎まどのあの独特の世界に飲まれてしまった、と感じたのだけれど、この二巻は再び検察、いや法治という観点からの自殺法という新たな提言と法解釈の問題に絡めながら、果たして齋開化は罪に問えるのかという問いかけに主軸を置きつつ、正崎をボスとした法務省・検察庁・警視庁を跨いだ機密捜査班が編成されて、一人ひとりが名うての叩き上げ捜査官であり、また組織の枠に捕われない「独立」した狼たち、という極めつけの精鋭たちによる捜査と追求が行われ……、というまた再び検察サスペンスとしてのドライブ感ある物語へとスライドしていったんですよね。
自殺法というセンセーショナルな提言。急増する自殺者数。自殺教唆の証拠どころか痕跡の欠片すら見つからない64人の自殺者たち。そもそも、自殺を取り締まるということが法的に可能なのか。
これまでの法律では解釈が叶わない、「死」という現象に対する新たな向き合い方の可能性に、法の違反を摘発する立場にある法律関係者たちは、顔を寄せ合って討論を繰り返し、自分たちの倫理観に根ざした正義に基づいて、捜査に血道をあげるのですが……。
当然のように、世論もこの自殺法については否定的を通り越して、拒絶的であり支持率もほんの微数。そんな絶対不利の状況でありながら、行方をくらましていた齋開化は新域の議員選挙の開催を宣言。事態は混迷を深めていくのであります。

正義とは何なのか。
自殺という自らの死を決する行為に対する是非。
これらに関する価値観というものは、普遍のものであり、それは揺るぎのないモノとしてこの物語のさなかでも語り続けられます。正義とは何か、それは正義を問い続けること。たとえ正義とは何かを悟った気がしてもなお、その正義を問い続けること。正崎検事は新たに補佐官となった瀬黒に自身の正義をそう語ります。それは人間にとってもっとも素朴な正義の在り方。
そして、公開討論会の中で自殺法反対派の議員たちが語った自殺という行為を法で制度化することに対する否定的な意見。これもまた、主観的客観的社会的経済的、あらゆる観点から説得力の有る正論が語られ、これらの価値観の揺るぎなさは証明されたかのようでした。

そう、揺れない大地が揺れるからこそ、地震が災害たるように。
齋開化の口から語られていく言葉は、揺るがないはずの価値観を、まるで地面が縄の切れかけた吊橋に変わってしまったかのように、激震させ、覆していくのである。
そうして、足元が覚束なくなりフワフワと心が定まらなくなったその時を狙いすましたかのように、とある作戦を結構しようとしていた正崎たち捜査班を、人としての善を貫こうとした彼らを悪夢が包み込むのである。
現代サスペンスで、こんな、こんな展開がありえるのか……?
この、この、この絶対悪を。正義だの善だのといった拠り所を、あっさりと塗りつぶして犯してすりつぶしていく本物の悪を、なんと言えばいいのか。
そう最悪だ、最悪だ、これを最悪と言わずしてなんというのか。
最も、最たる、悪なのだ。

凄惨なまでの絶望に、心がぐちゃぐちゃに轢き潰された。なんだこれは、なんなんだこれは。茫然自失して吐き気に目の前がグルグルとまわっている。
ヤバイ、これはもう、本当にヤバイ。これは文字で出来た劇薬だ。危険すぎる。危ないすぎる。そうして、往々にしてこの手の劇物は、尋常ならざる面白さなのだ。
畜生、こんなに胸糞悪いのに、めちゃくちゃ面白すぎてどうするんだよ、これ!?
次の巻、三巻はこれどうなるんだ? どうするんだ? もう、正崎さんが耐えられないんじゃないのか!?

1巻感想

バビロン 1.女 ★★★★☆  

バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)

【バビロン 1.女】 野崎まど/ ざいん 講談社タイガ

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東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社と大学が関与した臨床研究不正事件を追っていた。その捜査の中で正崎は、麻酔科医・因幡信が記した一枚の書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚混じりの異様な血痕と、紙を埋め尽くした無数の文字、アルファベットの「F」だった。正崎は事件の謎を追ううちに、大型選挙の裏に潜む陰謀と、それを操る人物の存在に気がつき!?
ぐわぁ、すげえ。この進めば進むほどズブリズブリと足の抜けない沼にハマっていく感覚。謎を追えば追うほどに自分の立っている地面がぐらついていき、常識が剥がれ落ちていき、正気が削れ落ちていき、どこに向かっているのかわからなくなっていく、闇の奥へ奥へと引きこまれていくかのようなゾッとするような、それでいて惹きつけられる物語の没入感。これは紛れも無く野崎まどワールドだ。
一枚一枚、真相へと近づいていくほどに濃くなる闇。ようやく明らかになったと思われた真実は、途方も無く巨大な権力の腕による逆らいようのない囲いであり、正崎では正義とも悪とも断じ得ないより良い未来を掴みとろうとする思想と信念の賜物だったわけだ。その真実ですら、正崎にとっては戦いようのない、戦うべきかも判断できない巨大な力の渦だったのだけれど……でも、それでも正崎の理解できる世界だったんですよね。手の届かない高く遠い世界の話でも、ちゃんと見て聞いて理解できる世界の話だった。
ところが、彼が追っていた事件は、辿り着いたと思われた真相は……当たりでもありハズレでもあったのだ。掴んだと思った真実のその当事者・関係者たちも関知していない、本当の闇がうごめいていることを正崎は知ることになる。決して理解できない、得体のしれない人智を超えた、正気を逸した、人間の持つ共通理念を逸脱してしまった、超越してしまったものの存在に行き当たってしまう。
理解不能の、未知なるものの恐怖。
あの、ガラガラと正気が崩れていくようなスペクタクル。ただのどんでん返しというには、あまりにも不気味で異常な事件は、まだなにも始まっていなかった、これから始まるのだ、という事実を否応なく突きつけてくる、この
怒涛の盛り上がり。もう、すげえところで終わったわ、第一巻。
東京地検特捜部の腕利き検事を主役として、決して大きいとは言えない医療薬品にまつわる事件の捜査をするうちに、得体のしれない資料を発見し、その持ち主を訪ねていけば当人は自殺体で発見され、とどんどんと巨大な闇が横たわっているだろう都市の暗部に切り込んでいく、サスペンスものとしても非常に読み応えのある作品として読み進めて行ってたら、これだもんなあ。
ほんと、読者の目線の持って行き方というか、ストーリーテリングというべきか、物語の誘導と引っ張り方、盛り上げ方がやっぱり抜群に上手いんですよね。いつの間にか、心をがっしりと鷲掴みにされて、時間を忘れて夢中で読んでしまっている。気がつけば、足の届かない沼に引っ張りこまれてズブズブと沈んでいく。人間の本性というものを、丁寧に丁寧に解体されて、細かくバラされたパーツが綺麗に並べられていくのを、瞬きするのも禁止されたように凝視させられ、目に焼き付けさせられる。
この、ゾッとするような快感は、野崎作品ならでは、と言っていいのでしょう。そろそろ2巻が出るということで、積んでいた本作を手に取りましたが、いやもう、参った。
案の定だ。めちゃくちゃ面白え……。

野崎まど作品感想
 
1月21日

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