講談社ラノベ文庫

彼女がフラグをおられたら 冥土の土産よ、最期に卒業式のことを教えてあげるわ ★★★★☆  

彼女がフラグをおられたら 冥土の土産よ、最期に卒業式のことを教えてあげるわ (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら 冥土の土産よ、最期に卒業式のことを教えてあげるわ】 竹井10日/ CUTEG 講談社ラノベ文庫

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破滅へのカウントダウンから世界を救うべく、元凶たる“グリモワール”内の仮想世界へとダイヴした颯太と親友ギルガメス。孤独な戦いの果てに颯太が辿り着いたのは“第83462仮想世界”―死亡フラグに怯える自分を癒やしてくれた少女達と過ごした、あの懐かしい場所だった。心ならずも去った日々が再び始まり、順調に時は過ぎてゆく…進級、出会いと別れ、後輩の登場―喪われたはずの毎日が颯太を満たすにつれ、次第に颯太は“現実世界”に生還する意欲を失っていく…この仮想世界には「彼女」がいないのに、だ!!そして迎えた卒業式当日、颯太に巻き起こった驚愕の出来事とは…!?史上最高最大のクライマックス、シリーズ最終第16巻!
芹キャン、頑張った、頑張ったよ。他の子たちが自分から最後の一歩を踏み込まなかった中で唯一芹キャンだけが思い切ったわけだ。その勇気は評価に値する。お付き合いが結局上手く行かなかったのはもうタイミングが悪かった、としか言いようがないしなあ。お互いの生活リズムのすれ違いだもんなあ。というよりも、お互いにもっと図々しくあればよかったというべきか。そのへんはむしろもっと大人になっていればすり合わせられる経験値だったんだろうけれど。
暗黒の夢の卵を浄化する過程で発生してしまったトラブルによって、あの懐かしい第一部の舞台であった“第83462仮想世界”に取り込まれてしまった颯太。平穏すぎる幸せな生活に、外の世界に脱出するという意識そのものを封じ込められていく颯太。一方で、現実世界ではギルガメスが中心になって颯太救出のために皆が奔走することになるのだが……ギルくんこと忍くん、さすが原典の主人公であるだけあってかちゃんと出てきた途端に凄まじい存在感である。相棒の中の相棒、というオーラを出しまくってる。確か、事前の話では彼こそが最大の敵となるはずだったのに、やっぱり彼はどの作品においても主人公の相棒枠、というか凄まじく頼りになる支援者枠なのよねえ。東京皇帝でもそうだったし。まあこの熱くてカッコイイ男が悪役なんてやれるはずもないのだが。
ってか、颯太に「自分が認めた唯一の男」と言われて、めちゃくちゃ奮い立ってしまうところなんてもう侠気の塊みたいなもんじゃないですか。友を助けるために恥も外聞もなく、誇りも捨て去り同じ絶対存在のエデン・リプライをはじめとする皆々に助けを請うギルガメス。まあ、エデンや大魔王まおん先生からして、みんな颯太のためなら否応もないのだけれど。
しかし、ラストにヒロインたちがその名前に由来する魔法使いや騎士といった職業に纏わる能力を発現して颯太を助けることになる、というのはシリーズ当初から容易に想像できてはいたんだけれど、元々備わっていた力がーー、という展開だと思ってたんですよね。それが、該当する力を有する強大な存在から力を借り受けて、という形になるとは想像もしていなかった。
それも、この一時的に力を貸与できる戦乙女という黄道器の機能は「普通の少女」でなければならないというものなんですけれど……。

菜波・K・ブレードフィールド(騎士)
魔法ヶ沢 茜(魔法使い)
召喚寺 菊乃(召喚士)
盗賊山 恵(盗賊)
龍騎士原 月麦(竜騎士)
聖帝小路 美森(聖帝)
忍者林 瑠璃(忍者)
深雪・マッケンシー(魔剣士)
大名侍 鳴(侍)
大司教河 くるみ子(司教)
白亜・バーサーカー・ブレードフィールド(狂戦士)
吟遊院 芹香(吟遊詩人)
英雄崎凛(英雄)
巫女神愛菜(巫女)

……鳴ちゃん、仮にも七徳院のメンバーなのに普通の少女待遇ですよっ。作中でもツッコまれていましたが。でも、地産地消の月麦婆ちゃんもええんかい、って話ですし、現実世界だとくるみ子だって魔法少女福祉機構の事務総長に就任してますし、普通とはw

結局、力を与えてくれた相手も表記すると、

菜波・K・ブレードフィールド(騎士)神楽・ブレードフィールド
魔法ヶ沢 茜(魔法使い)マァリン
召喚寺 菊乃(召喚士)ナルメル・エベラーゼ
盗賊山 恵(盗賊)ジェルトロ・フルテッド
龍騎士原 月麦(竜騎士)アリシア・ドラグーン
聖帝小路 美森(聖帝)ギルガメス・センティア
忍者林 瑠璃(忍者)N
深雪・マッケンシー(魔剣士)エデン・リ・プライ
大名侍 鳴(侍)タリアス・ジョア、ナーシア・ファグナル
大司教河 くるみ子(司教)天后まおん
白亜・バーサーカー・ブレードフィールド(狂戦士)ミーロワース
吟遊院 芹香(吟遊詩人)リヴェド
英雄崎凛(英雄)ギルガメス・センティア
巫女神愛菜(巫女)サクラメント、ラプラスの魔

美森先輩なんか、登場した時聖帝ってなんだよ、サウザーかよ。と笑ったもんだけれど、聖デルタ王国の聖騎士王であるウィガレム・オーヴァーロード/巴御劔/ギルガメス・センティアはそれこそ聖帝と呼ぶに相応しい存在だったんだよなあ。まだ巴御劔の存在も何も出てない時期の登場だったんで、チラッと巴御劔関連してるのかな、とは考えたことはあったけれど、こういう形で関わってくるとは。
侍に関してはけっこう強引なこじつけだった気がするけれど、タリアスとナーシアに侍要素ってあったのか。彼らの師匠っていう白井・出雲守・璃貴―璃貴フロスト・ホワイトって、がをられでは登場してなかったはずですよね。東京皇帝の方では本人チラッと出てただろうか。
よくまあ、こんだけとんでもない存在集まってたなあ、とこうして並べてみると半笑いになってしまう。肩書だけ見ても、聖騎士王に全次元最強魔導師に大魔王に妖精女王に、と。召喚士の彼女も三大召喚士の一人ですし、七徳院No.100のNが、忍者のNだった、というのには吹いたけれど。この人、本名がニニスなんですよね。七徳院、さらっととんでもないの混じってるなあ。

こうして振り返ってみると、盛大に広げた風呂敷をちゃんとキレイにたたむに至る構成で、ある意味置き去りにしてきた第一部の舞台である“第83462仮想世界”の件にも決着をつけてるんですよね、これは本当にえらいと思った。
竹井ワールドの四方八方に広がりまくった世界観を、この「がをられ」ではだいぶ見える位置に引っ張り上げてくれたので、設定好きとしても非常に楽しい作品でした。菜波にはじまり菜波に至る、という観点においてはきっちり菜波がメインヒロインとして締めるところをシメてくれたのは素直に嬉しかったです。個人的には大名侍鳴党だったんですけれどね。神竜編での圧倒的なヒロイン度は、鳴ちゃんぶっちぎりでしたしねえ。
さすがにヒロインの数が数だけに、なかなか主張できない煽りを食った子も居ましたけれど、逆に考えるとこの登場人物の数を思うとよくこれだけみんなに存在感を失わないように出番与え続けられたなあ、と感心するところでもあり、あのテンポのよいギャグというか掛け合いも、みんなにセリフと出番を与え続けるには最適のシチュだったのかもしれません。神楽のおかん属性がラストらへんあんまり見られなかったのは微妙に残念でしたがw
既に新シリーズ【褒められて神軍】も開幕しているので、さっそくそちらの方も堪能しに行こうと思っています。
15巻という長期シリーズをあますことなく使い尽くしての大団円、文句なしの大満足でありました。あー、満腹満腹。がをがを♪

シリーズ感想

魔王、配信中!? ★★★☆  

魔王、配信中!? (講談社ラノベ文庫)

【魔王、配信中!?】 南篠豊/れい亜 講談社ラノベ文庫

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『はいどうもおー! みなさんこんばんは、魔王でっす!』
『わこつ』『ばんわ』『魔王さん今日もかわいい』『死ねクソ魔王』
勇者の息子である日下勇真の家には、引きこもりの魔王がいる。その名はイスティ。一度勇者に滅ぼされながらも復活し、息子である勇真に復讐せんがために現れるが、機嫌の良くなかった勇真に一瞬でボコられ、そして日下家に引きこもってしまったのだ。
そんな魔王は、爆死ガチャ生放送や他の生主に喧嘩を売るなど、引きこもりのリア充として生き生きと活動していた! 状況を苦々しく思っていたら、ある日魔王がとんでもないことを提案して――!?
生放送は危険がいっぱい!? 炎上上等コメディ、開幕!
ついにMMDにまで手を出す作品が出てきたかー。たった数分の動画を作るだけでどれほど魔窟にのめり込むことになるのか、見る専からするとややも身につまされる。でもキャラと言いオリジナルと内輪ネタばっかりだと、よっぽど動きが凄くないとMMD大会でもなかなか注目されなさそうであるが。
ともあれ、これは血反吐を吐きそうな凄惨極まる作業を一緒に行って一つの作品を創ろうとすることで、一度見失ってしまったコミュニケーションの方法を模索し、関係を取り戻そうとする破綻した兄妹の物語なのである。
実のところ、魔王イスティって停滞した状況を動かすための化学反応の触媒であり、きっかけであり、賑やかしであって、メインはあくまで勇真と雪凪なんですよね。ポンコツすぎるイエティとの掛け合いのリズムの良さが常に空気を循環させてくれていて、イスティはイスティで重要な気がするポディションなんですけどね。このどうしようもない娘がどうやってリアル魔王やっていたのか、どう想像しても具体的なイメージが浮かんでこないのであるが。まあどう考えても、どうしようもないろくでなし魔王だったのだろうけれど。それでも、肝心なところで活を入れてくれたり、とシメてくれるところはシメてくれる……のかなあ。

家族が引きこもり、という話は数あれど、家の中に二人も引きこもりがいるというダブルス状態な有様の一家はなかなかに珍しいだろう。しかも、両親は家を離れていて家事やらなんやらはナッちゃんおばさんという謎のオネイサンが取り回しているという……このお姉さん結局作中各所で大いに語られながら結局登場しなかったのだけれど、ナニモノなんだろうか。控え目に言っても天使か女神のたぐいかと思ってしまうくらいこの行き詰った家庭を支えてくれてる人なんだが。
それはともかくとして、焦点は繰り返しになるが兄と妹のすれ違ってしまって噛み合わなくなってしまった関係の修復なのである。最初、勇真が妹雪凪をあれだけ溺愛しながらも長年一緒に食事をとるどころか会話もままならないくらい没交渉、という状態に、なんでそこまで断絶しているんだろうという違和感みたいなものは感じていたんですよね。ある種過剰なくらいの、触れれば壊れてしまう砂の人形でも扱うような、妹に対する過敏な対応。それも、儚げなメンタル細そうな雪凪のキャラクターにそういう対応もまあ当然か、と思うようになりながら読み進めていったのだけれど、雪凪が過去に引き起こした彼女が引きこもるきっかけとなる事件の内実が明らかになるに連れて、覆い隠されていた錯誤が浮き上がってくるのだ。
妹と、そして兄に刻まれてしまったトラウマ。それが故に、お互いへの接し方を間違い続けて後戻りできなくなってしまった二人。それを、イスティがくれたきっかけを期になんとか修復しようとして、二人で頑張って、そして余計にどツボにハマってしまう悪循環。イスティを始めとしたMMD作品を作るために集った面々がうまいこと賑やかしてくれるので、重苦しいだけの雰囲気にならずに済むものの、親しいもの同士であるが故の難しい人間関係、というものを丁寧に描写した地面の固い踏みしめ甲斐のある物語でした。
でも、兄妹二人にあまりにスポットを当ててしまったので、作者も語っていますがラブコメ要素は一切これっぽっちも存在しないのはなかなか清々しいくらいで、これはこれで中途半端なことはせずに思い切ってよかったんじゃなかろうか。イスティやシルファはヒロインとしては話にもならない論外なので、若干オラついてるぼっち仲間の奏多あたりしかヒロインとして機能しそうなキャラいなかったもんなあ。奏多のやさぐれてる荒っぽい態度とは裏腹に、気軽に家までご飯食べに来たりぼっち同士学校でもいつも一緒にいる一方で趣味とか秘密にして必死に隠しているあの距離感のとり方の危なっかしさは、なかなかに可愛らしかったですし。
まあ肝心の勇真が実質妹しか眼中にありません状態だったからなあ。それも、雪凪との関係が修復され妹たちの引きこもり状態が解消されたとき、果たして他にまで眼が向くことになるのか。続編あるかどうかわからないけれど、どの方向性に描かれるのかは非常に興味深い。

南篠豊作品感想

彼女がフラグをおられたら 少し疲れたわ…次の夏休みまで眠らせてもらうね… ★★★★   

彼女がフラグをおられたら 少し疲れたわ…次の夏休みまで眠らせてもらうね… (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら 少し疲れたわ…次の夏休みまで眠らせてもらうね…】 竹井10日/ CUTEG 講談社ラノベ文庫

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『栄光の神竜兵団』を率いて、故国を「天界」~異世界の侵略者から奪還したブレードフィールド公国王子・旗立颯太。国を挙げての祝祭が続く傍ら、再び現れたサクラメントの導きにより、自らの封印された過去と対面する。解き明かされる出生の秘密、“仮想世界”で颯太を学園へ誘った男の思い~あの日自らを縛った運命の真実とは!?そして旧世界以来の強敵ギルガメスと剣を交えた颯太は、運命を自在に操る“神竜”の能力に完全覚醒する。しかしその戦いは、来たるべき真の最終決戦への序章に過ぎなかった…「この世界には守りたい人達がいるんだ」愛すべき人たちの住まう世界を守り抜くため、颯太が選んだ危険な手段とは!?怒涛の夏休み編第15巻!
こっ、この伏線回収には驚いた。まじで驚いた!! だいぶ最初の方からチョロチョロとその姿を垣間見せながら、いまいちどういう形で、立場で、思惑で本筋に介入しているのかわからなかった聖帝小路美森の兄・隆守。そもそも本編がはじまる五年も前に他界していたという彼が、どうして颯太を学園に誘うことが出来たのか、仮想世界にどうやって介入していたのか、など重要な事柄に多く絡んでいる割に本人の存在が薄っすらとしていて実在しているのかすらあやふやで、とにかく謎だったんですよね。
だからといって、まさか颯太とこんな形で関わってるなんて。こればっかりは予想も想定もしていなかった。いやだって、時系列的にそんなことありえないし。ありえないでしょう!? だがしかし、本作の世界はそもそもそんな固定された時空の話でないということは、第二部が幕を開けると同時にその世界観とともに明らかになっていたわけで、これは固定観念に縛られてたなあ。だいたい、隆守さんという人はあくまで美森会長のお兄さん、というイメージが強かったですからね。まず美森会長やその母であるサンジェルマン伯というフィルターを通していたので、彼との直接の接触も殆ど無く、彼の思惑がまったくわからなかったのも相まって完全に死角に入っていた、と言っても良い。
しかし、いざ事が明らかになると今まで謎だった様々な事柄に一気に説明がついてしまって……いや、これは凄いわ。こんなに綺麗に一つの事実が明らかになるのに合わせて、バタバタと伏されていた世界の謎が詳らかにされていく展開はなかなか見たことがない。
少なからず度肝を抜かれた。

最大最強の敵として立ちふさがるギルガメス。他作品では頼もしい同盟者や友人枠であり、常に世界最強だった彼が敵として暗躍している、というだけで相当にびびってたんだけれど、どうも今回の行動に関しては茶パ・マーリン卿がこっちについてくれたように彼の仲間たちからすると、「……えー」てな感じだったようで、絶対存在二人を始めとしたワイルドカードばかりを揃えた神竜兵団を相手にするには数も質もまったく足りない感じで……聖騎士王さま、人望ねーw
いや、それだけ反対だったら反対で協力しないよ、と態度はっきりしている部下たちとの気安い関係の結果とも言えるのだけれど。それに、どれだけ今回悪辣なこと考えているのかと思ったら、ギルさんなんか普通にいつもの御劔さんで、神竜との決闘も因縁の対決というよりも親友同士のじゃれあいみたいもので、一度立ち会ってケリをつけたら、すっきりと後腐れなく敵対関係を解消して、普通に颯太の周りブラブラとふらつき始めたのは拍子抜けしたような安心したような……。
ジュジュライトさんは、あれ大魔王まおん先生にリベンジ食らわされるためだけについてきてしまったような(苦笑
確か、東京皇帝☆北条恋歌でジュジュライトさんにうっかり殺されかけたんですよね。あれ、根に持ってたんだ。そりゃ持つか。あの時残機1しかなかったみたいだし、殺されてたらマジ死んでたわけだし。あれはまおんの油断と東雲さんから貰った天剣による十億倍斬撃のお陰だったわけで、ガチでやるならまおん様の相手じゃないよ、というのを思い知らされることに。

ギルとの和解は、若干、天界軍の騎士団の連中が可哀想な気もしますが。ルシェ・アンチスペルの天帝復権によってリストラされた連中、ある程度リベンジの想いあっただろうに、あっさり黒幕の御劔・ギルさんとの対決終わっちゃいましたからねえ。いや、聖デルタ騎士団とガチでやりあうのは勘弁極まるのですけれど。
そう言えば、ここでギルガメスの別の名前として山風忍の名前が神楽から出てましたね。ポケロリ以来か。
さて、ラスボスかと思っていたギルとの対決が単なる前座であることが明らかになり、実はさらにヤバイものがグリモワールの中で眠っていて、それがついに目覚める、という世界崩壊の大ピンチが……。
何気に世界の真理編に入ると、他のヒロインぶちぬいて、鳴ちゃんが圧倒的に真ヒロインの風格を放ちだすんですよね。神竜に飲まれだす颯太の側で、彼の存在が変わっていくのを目の当たりにしながら、心を痛めながらも見守るしかなく、せめてとばかりに涙を浮かべながらそっと寄り添い続ける大名侍鳴。と、第一部のラストで思いっきりメインヒロインしていたのを、ここでもリピートしてるんですよね。なんという役得!!
実は従姉妹という事実が発覚して、気持ち悪い笑顔になってる菜波さん、大丈夫ですか!? 一応、菜波がメインだと思うんだけれどなあ。一応、前世からの運命の関係でもありますし。
そして、ついに復活した真・幼馴染の愛菜。どう考えても眞奈花・シャーマンズが巫女神愛菜とイコールだというのは間違いなかったんですけれど、同一人物とするにはおかしい設定になっててどうするんだ、と思ってたらここに来て一気に真実を引剥してきましたからね。劇的な復活、という意味では実にヒロインらしいのですが……。
でもやっぱり鳴ちゃんが圧倒的に一番、持ってかれてるぞ。

とか言ってるうちに、本当の新ヒロインは俺だ、とばかりにギルが颯太のパートナー位置に陣取り、ついにグリモワール世界への再突入へと。次が、シリーズ最終巻かー。果たして第一部クライマックスに匹敵するだけの大盛り上がりが期待できるか。長らく続いたシリーズだけに、どう収拾つけるのか実に楽しみです。この幾つもの作品を跨いだ世界観設定が面白くて大好きで大好物なだけに、なおさらに。
あのはじまりの旗の物語のやり直し、ハッピーエンド編が待ってるのかなあ、やっぱり。

シリーズ感想

リア充になれない俺は革命家の同志になりました 1 ★★★★   

リア充になれない俺は革命家の同志になりました1 (講談社ラノベ文庫)

【リア充になれない俺は革命家の同志になりました 1】 仙波ユウスケ/有坂あこ 講談社ラノベ文庫

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“スクールカースト”とは、誰が作るわけでもなく気がついたときには自然と構築されている不思議な階級。その最下層に位置する白根与一は図書部に入るよう命じられる。図書部の廃部にハンストで抵抗する問題児を止めるための人数合わせ(と監視役)とのこと。どんなおかしな奴が待っているのかと恐れながら部室に行った白根だが、彼を待っていたのは純真可憐な黒羽瑞穂と名乗る美少女。しかし口を開けば過激思想発言が止まらない危険人物でもあった。その中に掲げられたスクールカースト紛砕計画に白根は心を動かされ、気がつけば彼女の理解者に?カースト一軍のリア充で黒羽の幼馴染み・中禅寺さくらを交え、おかしな図書部の活動が始まる!!
彼女は真っ赤なコミュニスト。マルクス主義者の革命家としてスクールカーストという階級社会を粉砕するために戦うのだ。いざ、闘争の幕が開けん。
という、古今まれに見る危険人物がヒロインなわけだけれど、暴力革命の否定と真なる平等を目指そうという姿勢はテロリズムとは一線を画しているはずなんだけれど、時々激高すると手段を選ばなくなるので危ういというと危うい。
いや、変な子だなあ。なにをどうやったら、マルクス主義へと走ってしまうのか。動機に関しては明白なんですよ。ものすごくわかりやすい。一番大切な友達と対等になりたい、というごくごく私的な理由が彼女の原動力なのだ。彼女の家の事情、家庭環境、そして親友である中禅寺さくらの家との関わり方を思うと、瑞穂が忸怩たる思いを抱えてしまったのはわからないでもないのだけれど、そこで相手の拒否や自身の卑下ではなく、自分と彼女の関係を歪める立場そのものを敵として捉えて階級社会そのものを撃滅せんと志した、というのはやっぱりぶっ飛んでいる。彼女の天才性の一端であるのかもしれないが。
尤も、階級というものを一方的に気にしているのは瑞穂ばかりで、さくらの方は全くと言っていいくらい気にしてないんですよね。それを瑞穂の空回りと言ってしまうのは酷な話で、むしろさくらという少女の特異性なのだろう。そんなさくらの在り方が、彼女をスクールカーストという階級社会の女王として成立させている要因といえるのだけれど、彼女を頂点として形成されているカースト制度の住人である普通の生徒たちは、もろにそのカーストの影響下にあるわけで、そんな社会の在り方に不遇を強いられたり、理不尽を与えられていたりする人たちにとっては、やはりどうしたってさくらは倒すべき社会の象徴でもあるわけだ。
親友であり天敵であり一番大事な人であり、そして倒さなければならない敵。その矛盾に溺れながらも、瑞穂はさくらと対等になるために戦うのだけれど……皮肉なことに、さくらから見ると瑞穂の存在、彼女の備え持つ固有の天才性というものが自身と瑞穂を対等とするのを妨げている要因なんですよね。
二人の抱えている相手に対するコンプレックスが、見事なほど噛み合っていない。そして、相手の乗り越えるべき部分と考えている要素を、当人はまったく認識すらしていないのだ。瑞穂は自身の天才性に何の価値も意義も見出しておらず、無意味に思っているどころか自分が天才であるという事実すら認識していない。一方で、さくらはさくらで自分が立っている資本家階級という立場について、全く認識していない。自分と瑞穂の家に家格の差があり、金銭の貸与まであり、貧者と富者という格差があることすら、意識していない。
悲しいまでにすれ違い、打破すべきと考える部分が噛み合わず、真っ向からぶち当たることすら出来ないでいるのだ。そして、そのことに二人は全く気がついていない。
二人が決して面と向かって対立せず、関係が破綻しなかったのは、瑞穂があくまで立場に対して攻撃的であってさくら個人には親友として接し続けたことと、さくらが瑞穂の圧倒的な天才性に逆らわず反発せず憎まず恐れず、ただ寂しそうに遠くて届かないものとして諦めていたから、なのだろう。個人同士として、二人は親友で在り続け、お互いを大切に思い続け、しかしこれっぽっちも重なっていなかったのだ。
二人を比べてみると、瑞穂の方は革命家になってでも自分とさくらが親友であることに実を持たせようと努力しているのに対して、さくらの方は完全に諦めている分、瑞穂の方がまだ前向きに見えるんだけれど、さくらの抱えている痛みを、さくらが瑞穂を見る目の意味をまるで察していないのを見ると、ヒドイ空回りをしているなあ、と痛ましくなってくるんですよね。瑞穂がどれほど、目標を叶えて対等になった! と叫んでも、さくらの方はこれっぽっちも瑞穂の言葉の意味を、その闘争の意味を理解しちゃいないのですから。それの、どこが対等なのか。履き違えている、勘違いしている、自分がどれほどさくらを傷つけているかまるで気づいていないその鈍感さが、なんとも愚かしく……愛おしい。
ぶっちゃけ、これ読んでて思ったのは、主人公は何をしてるんだ、というところなんですよね。この物語のベースはどうやったって、瑞穂とさくらの物語なんですよ。しかし、瑞穂に諦めるのでもただ受け入れるのでもなく、戦うという方法を、意思を、勇気を与えたのはかつての白根与一であり、今でも瑞穂の中では彼は「英雄」なのだ。
その英雄は今なにをしているのか。うん、瑞穂の革命の手伝いをするのはいいんだ。ヒロインの意思を支え、勇気を助け、その背を押して、その志を導いて……。
それはいい。それは主人公として間違っていない。危なっかしい瑞穂のやり方、在り方を上手く辻褄合わせて、現実に沿わせて、修正してやって、戦いを続けさせる、目標を叶えさせて喜ばせてあげる、革命を成功させて、対等と彼女が考える結果をもたらしてあげる。それ自体は、実に主人公らしい。
でもさ、それでいいの? 瑞穂の目的は叶うかもしれないけれど、彼女が考えている決着が彼女が求めている結果をもたらさないとしたら、彼女をそのまま進ませてしまっていいの?
さくらは、ずっと寂しそうに笑ったままだよ? さくらは、瑞穂の闘争の意義も、勝利の価値も、何も知らないよ。気づいてないよ、理解なんかしちゃいないよ?

そう、この物語はまだ登場人物の誰も、自分たちが抱えている問題も矛盾も気づいていないのだ。致命的な破綻へと、ただただ突き進んでいるだけなのだ。
与一は、全体像を勿論把握していないけれど、さくらと瑞穂を離してはいけない。何としてでも、一緒にいるように仕向けなければならない、とあれこれ工作をしているあたり、本能的に自分がしないといけないことについては察しつつあるんですよね。あとは、それをどれだけ論理的に具体化して行動指針へと転換できるか。今のまま、何となく零れ落ちそうなところをフォローしていくだけじゃあ、破綻する。二人のヒロインの向いている方向を、きちんと当人たちの分かる言葉で、理解できる価値観で、整えて向き合わせないと。
これって、革命で現状を粉砕するだけの簡単なお仕事じゃないんですよね。本当の意味で話し合い、理解の埒外にあるもの同士を同じ地平に引きずり落として理解させ合い、和解させなければならない。
事が損益ではなく、友情にまつわるものだけに、政治的妥協なんぞ許されない。地上最強の難事である。果たして、主人公与一はこれを成し遂げられるのか。ヒロインとともに革命を成功させるよりも、よっぽどハードミッションなだけに、顛末がどう転がっていくのか、実に興味深い一作のスタートでありました。

アルティメット・アンチヒーロー 4.究極の個 ★★★☆  

アルティメット・アンチヒーロー4 究極の個 (講談社ラノベ文庫)

【アルティメット・アンチヒーロー 4.究極の個】 海空りく/Nardack 講談社ラノベ文庫

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東京生存圏を飲み込んだ漆黒の霧。ミカエルに敗れた焔が最期の力を振り絞って行った魔術により、人類はその霧の迷宮最深部に転移していた。だが、天使たちの行軍は止まらない。その数実に十四万の軍勢は、着々と人類のもとに足を進める。“邪神使い”神代焔という最高戦力無しに、いかにして天使の軍勢と相対するのか―絶望に沈みかける人類。だがそれでも、純華は守るべき人々のために立ち上がる。そして、妖精族たちの協力も受け、人類は再び戦うことを決意した。生きるために。守るために。最期まで絶望に立ち向かい、未来を手に入れるために―。いずれ救世主と全ての人間に讃えられる少年が紡ぐ常勝無敵ファンタジー、最終決戦の第四弾!

焔、実は生きてましたパターンかと思ったらガチで死んでたんか!!
圧倒的な力を持った神代焔の存在は、どれほど制約に縛られていようと最終的には全部やっつけて助けてくれる、という安心感。悪く言えば緩みや甘えがあったわけだけれど、その彼が消え、残されたのは僅かな戦力。そして、相手は強大な力を持った天使の軍団14万。
人類滅亡待ったなし、の状況下でそれでも挫けず絶望せず、最期の最期まで抗ってやる、という不屈の闘志を純華たち僅かな戦士たちだけではなく、一人ひとりの兵士までが滾らせて戦いぬく展開にはやはり燃えるものがある。結局焔が助けてくれるんだろう? という読んでるこっちの姿勢を裏切るように、魔王に匹敵する上位階梯の存在である大天使たちを次々と劣る戦力、低い存在階梯、僅かな力を束ねて撃破していく、この弱き者たちが死に物狂いで強大な敵を打ち破っていくジャイアント・キリングは、この作品の魅力であった圧倒的な力で敵を蹂躙していく、というそれを見事にひっくり返して突き破ってみせたのだから、面白いなあ。
だいたい、クトゥルー神話の邪神たちを主人公サイドが使役する、というのはまあ珍しくはないんだけれど、あくまで道具として使役するとか、わりと人類に好意的な良い邪神さんたちと協力して、という流れであって、東京の市民全員を邪神の信者に見立てて、何万人もの信者で行った儀式で大召喚、邪神降臨! ってそれ、どう見ても敵の邪悪な組織がクライマックスにやらかす惨劇ラストバトルのはじまり、みたいなノリだから! 間違っても、味方がやるもんじゃないから!
うんまあ、東京が邪教の巣窟で人類の敵と言われても、これは反論しづらいぞ(笑

主である神代焔を失って戦いから背を向けた法の書(リベル・レギス)を、純華が新たな主として認めさせる展開といい、妖精女王と人類の共同戦線を橋渡しし、絶望して一度は膝を折った仲間たちを奮い立たせ、諦めた大人たちの心に火をともし、と振り返ってみると星河純華の今回の活躍たるは八面六臂の大活躍で、焔不在のなか完全に主人公を担ったんですよね。
だからこそここまで盛り上げておいて、最後にやっぱり神代焔が……となると、結局彼頼みか、となるところを、焔が本当に死んでいた、という事実を交えてこの設定に持ってきたのは、なかなかに上手い使い方だったんじゃないだろうか。
あまりにもスケールが大きすぎる一方で、神代焔があまりにも強すぎるために制約もまた強すぎて、なかなかフットワークが軽く、と行かず痛快さにもどかしさがつきまとうシリーズでしたけれど、純華が頑張ったんでそこは目一杯ほめてあげたい。

シリーズ感想

クロックワーク・プラネット 3 ★★★★   

クロックワーク・プラネット3 (講談社ラノベ文庫)

【クロックワーク・プラネット 3】 榎宮祐・暇奈椿/茨乃 講談社ラノベ文庫

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―全部、全て、何もかも、壊れた。死んだ地球のすべてが、時計仕掛けで再現・再構築された世界―“巨大兵器”が放った電磁場が、あらゆる時計仕掛けを否定する。自動人形も、全身義体も、区画・秋葉原さえも帯磁し静止する中、ただ人だけは一〇〇〇年前から変わらず、変われず、蠢き続ける。保身、欺瞞、虚偽、理想―空転する閣議と、国家非常事態宣言。“人々の総意”による破滅を前に、ナオトは嘲笑う。「行こうぜマリー、邪魔する奴は全部ブッ潰せばいい―!」現実は空想を超える!今一度、あの奇跡を証明しろ―!榎宮祐×暇奈椿×茨乃が紡ぐオーバーホール・ファンタジー第三弾!
ああ、歯車が噛み合った。
唐突に現出したミッシング・リンクの天才たるナオトと、人類の最果ての限界に到達した天才であるマリー。非連続性の中に浮くナオトと、連続性の到達点であるマリー。二人の天才はその立脚点のあまりの違いから、これまで相容れること無く、協力はしてもそれぞれ独立した歯車として動いていたんですよね。その力学は決して噛み合わず、同じ方向を向いていても、作用しあう事はなかったのだ。規格が合わない、論理が合わない、法則があわない、意味が合わない。その凄まじさをお互い認識し、それ故に憧れ焦がれ嫉妬し憎みすらしながらも、決して届かないもの、相容れないもの、歯車の歯は決して噛み合わないのだと、理解していたのだ。納得していたのだ。受け入れてすらいたのだ。
それが、常識だった。常識的な考えだった。
なんて、バカバカしい。
その常識を超越して、人類の範疇を飛び出してしまったのが彼らだったというのに。自覚なく、人の領域を逸脱してしまっていたのが、彼らだったのに。もはや、神とすら謳われるに至ってしまったハグレモノであったのに。
何故、常識を受け入れてしまっていたのか。
噛み合わないのなら、合うように壊せばいい。理解できないのなら、理解できるように破綻させればいい。連続していないのなら無理矢理に繋げればいい。到達点に至ってしまってそれ以上乗り越えられない壁が現れたのなら、そんな壁ワープしてすり抜けてしまえばいい。飛躍せよ、解釈をひっくり返せ、すべてを否定し受け入れろ。答えはすでにそこにある。天才とは、真理をつかみとる者の事を言う。
ついに、ブレイクスルーを迎えたマリー。そして、足りない欠落を埋めきったナオト。二人が足りないものを伝え合い、すり合わせ、壊し合って埋め合った時、噛み合うはずのない歯車が、完全に合致した。単独で、人外魔境の領域だった二人が完全に噛み合った時、生じた現象はまさに人の御業を遥かに超える、神の領域へと加速する。
これは、マリーが人類の限界を超えたと同時に、人という存在の理解の範疇の外に居たナオトが、人の領域へと降りてきた、とも言えるんですよね。前巻まで、どうしても彼の思考についていけないものを感じていたのだけれど、繋がった、ようやく繋がった。人間の枠内から外れ、人の心からも外れ、非連続性に孤立していた
ナオトの心が、ようやく人間に繋がったのだ。マリーが、届かせてくれた。ふたりとも、明らかにもう人間の領域外へと突破してしまったのだけれど、彼らの到達した地点にはちゃんと道が続いているのである。行こうと思えばいける、という可能性をつなげてみせてくれたのである。彼らだけが特別であるように見えるけれど、続こうと言う思いを失わなければ、そこにたどり着けるのだと、人の限界点をさらに先へと進めただけであるのだと、それを示してくれたのだ。
彼らだけが凄いのではない。もっと純粋に、人の可能性とはここまで凄いのだ、というのを二人の歯車の合致は、証明してみせてくれたのだ。
正しく、マリーは人類の可能性の代表を担い続けている。彼女のブレイクスルーは、人類のブレイクスルーなのだ。それを、どれだけの人が理解しているかわからないが、少なくとも彼女を先生と仰ぐ技術者集団たちは、正しくそのことを理解しているようで、安心できるし頭が順調におかしいと思う。
黒幕みたいなのが出てきたけれど、こういう輩はグチャッと爽快につぶしてほしいなあ。すべてを掌握し、すべてを見下してせせら笑って偉そうにしているやつほど、潰れたカエルのような声で鳴かせてほしいものである。

1巻 2巻感想

電波な女神のいる日常 3 ★★★★   

電波な女神のいる日常3 (講談社ラノベ文庫)

【電波な女神のいる日常 3】 望月唯一/しもふりおにく 講談社ラノベ文庫

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二学期が始まった九月。夏休みのチア勝負の余韻が残る中、セレナに一つの依頼が入る。夏祭りでの彼女の演奏が、今をときめく超一流アイドル・星庭天音の目に留まり、彼女のステージメンバーに選ばれたらしい。プロのミュージシャンと繋がりを持つのは、布教活動的にもプラスになるだろう。そう思ってOKしたセレナと俺だが、アイドルらしく自由奔放な性格の天音に俺は振り回されてしまう。さらに、俺はとあることに気づく。天音がふとしたときに見せた、身体を纏う光。それは、セレナの魅了の力と同じもので―。「私が一番安心できるのは、智希君だから」電波な女神様、ついにアイドルデビュー…!?ハートウォーム学園神様ラブコメ第三弾!

この主人公、ちょっと女の子とのコミュニケーションの距離感が近すぎやしないか!? 言動が友達としての一線を自覚なく越えすぎてるような気がする。え? そんなセリフ言っちゃっていいの? とぎょっとするようなことも割と平気で口にしちゃってるし。
言われる方の女の子、セレナも美桜もそしてこの巻で親しくなる天音も、勘違いするような娘じゃないんだけれど、これだけプライベートスペースに踏み込まれると、そりゃ覚悟完了しちゃいますよ。それぞれ、傑物と言っていいくらいの女傑なだけに。
むしろ、これだけメンタル的に自立して相手と対等たろうとする女性じゃなく、もっと勘違いしやすく寄りかかるタイプのヒロインだったら、修羅場がえらいことになってた気がします。ってか、みんなここまで踏み込まれて、関係性がはっきりしない状態をそれでも良し、と受け止めてくれているのは相当甘いと思うんですけどねえ。
美桜にしても、フェアプレイ精神がすぎるんじゃないだろうか。距離感が、もうそれ恋人じゃないとダメだろう、という状態にも関わらず、そのまま引っ張りながらセレナや天音とも似たような距離感で接し続けるというのはけっこう酷な話ですよ。
この巻を単体として見る限りでは、星庭天音というヒロインの魅力を丹念に掘り下げた、その発端からセレナに触発された問題の発生、そして解決に至るまでのドラマは見応えたっぷりで実に面白かったのだけれど、シリーズ全体を通してみると、どうしてここで新たなヒロインにそこまで労力を傾けなければならないのか、という不満も生じてくる。今回、美桜はほとんど蚊帳の外で支援者として立ち回りながらも本編にはほとんど絡んでこなかったし、これがシリーズ最終巻となると尚更にヒロインとの関係を構築するだけ構築して、結局決着をつけないまま、というのもすっきりしないものがあるじゃないですか。
ってか、どう見てもド本命が美桜にも関わらず、セレナとの関係も精算しないまま継続し、そこにさらに天音という新要素も加えてしまって、収集つかずですよ。これ、女性三人ともマジな上にガチなんですよね。だからこそ、今のところ均衡が保ててるといえるのかもしれないですけれど、逆に言うといざ崩壊した時の修羅場がそこらへんのチョロいヒロインどころじゃなくて、ガチの泥沼の戦争になりかねない恐ろしさがつきまとうわけで。
ある意味ここでぶん投げたのは、賢明だったのかもしれない、とすら思ってしまうと同時に、その後のライトノベルらしからぬ本気の修羅場も見てみたかったという怖いもの満たさもくすぐられるところであります。
ちょっとこの作者さんに関しては、ヒロインひとりに絞ってのガチのラブストーリーとか見てみたいなあ。

シリーズ感想

遠野誉の妖怪騒動記 2 ★★★   

遠野誉の妖怪騒動記2 (講談社ラノベ文庫)

【遠野誉の妖怪騒動記 2】 幹/しきみ 講談社ラノベ文庫

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自称妹の妖怪三人娘と穏やかな日々を送っていた誉だが、小春たちは家出してここに留まっているため、追っ手がやってくる事も気がかりであった。家出の理由は親の決めた結婚に反発するモノ。ある時その破談に協力するという天狗の覚海が小春たちを訪ねてきた。彼らはどう見ても怪しいが、利害は一致している。悩む小春に誉は親との和解を進め、小春もそれを受け入れ覚海達の誘いを断った。だが彼らの真の目的は破談のその先にあり、小春を無理矢理さらって逃げようとする。戦闘能力の低い妹達が小春を取り戻す方法は、誉に隠された力を使う事!?誉の正体を知っても小春はまだ「お兄ちゃん」と呼んでくれるのだろうか…!?
結局、このシリーズも二巻で打ち切りかー。とりあえず話をまとめるために、かなり無難な筋立てになっているのが残念といえば残念。無難というよりも、テーマを掘り下げる余裕がなかった、というべきか。時代の変容から取り残され滅びの道を歩みながらもそれに気づかず形骸に固執し続ける純妖怪と、人の社会の中に溶け込んで融和を図る妖怪たち、両者の象徴が山ン本五郎左衛門と神野悪五郎であり、山ン本の係累である小春たちと、当代神野悪五郎であった誉との家族としての共同生活が、裏に様々な思惑があったとはいえ相反する妖怪という存在が有している時代に対する2つの大きな流れを一つに融和させる、妖怪という種そのものの大きな時代の転換点が、この小さな家族に集約されてたんですよねえ、この話。人側の退魔師の団体所属である幼なじみの音々も、人と妖怪の関係という象徴としてかなり意味ある配置でしたし。彼女たちが退魔師としては、特別でもなんでもない極々平均的なレベルの組織だった、というのも特別枠ではなく平凡だからこそ、妖怪に対する人間側のスタンスを象徴するような感じでしたし。
そういう大きなくくりとは別に、家族という関係の大事さや掛け替えのなさも、それぞれ両親を失っていたり、親と意思疎通を欠かしていてすれ違っていたりする中で、改めて確認するようなアットホームなエピソードを絡めつつ、その家族の絆やあったかさこそが、凝り固まった形骸を打破するきっかけや原動力になったりとか、音々姫がものすごいラブ寄せしたりとか……掘り下げ関連付けて話を練り上げて昇華していくための仕込みやらやりたいテーマみたいなものは、すごく伝わってきたんですよねえ。いろいろやりたかったんだろうなあ、というのがわかっただけに、それをとりあえずサラッと撫でる感じで全部盛り込んできたのはさすがと思いつつも、グリグリと奥の方にねじ込んで結べなかったのは、やっぱり未練が残るところなんだろうかなあ。
この作者さんの話は、いっぺんじっくりと長めのスパンで練り込んだものを読んでみたいんだけれど、往々にして2巻で打ち切られてしまうので、ほんと消化不良気味なのよねえ。もっと長いシリーズ読ませてください、ほんとに。せめて三巻。三巻あれば、最初の【神様のお仕事】くらいの深度までは仕上がると思うだけに。

幹作品感想

異世界で学ぶ人材業界(リクルート) ★★★★  

異世界で学ぶ人材業界 (講談社ラノベ文庫)

【異世界で学ぶ人材業界(リクルート)】 北元あきの/草田草太 講談社ラノベ文庫

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高校生の少年・神戸秋水は異世界に召喚された――。それも、世界を救う勇者として。だが、召喚プログラムの誤作動により、彼が継承するはずだった勇者の能力は、100人の少女たちに散らばってしまっていた! 秋水が元の世界に帰るには、その少女たちとキスをして勇者の能力を取り戻す必要があるらしい。そして秋水は、彼を召喚した人材コンサルタントの少女・ノアとともに、異世界で人材募集を行うことになる。ターゲットは100人の女勇者――!?
「この業界では無理と書いてチャンスと読む」「嘘つけ!」
「返事は『イエス』か『はい』しかないのよ」「それ同じだからな?」
友情・勝利・圧倒的成長! 異世界キャリアアップファンタジー!
作者の北元あきのさんというとMF文庫Jにて【竜王女は天に舞う】シリーズや【聖黒の龍と火薬の儀式<パウダーキス>】という冒険ファンタジーや現代異能モノ……と、見せかけて裏社会やスパイや工作員、マフィアや暗黒街に情報機関、陰謀暗謀謀略戦に諜報戦、非正規作戦に暗殺謀殺口封じ。汚い仕事ならなんでもござれ、のいわゆる「ノワール」モノを手掛ける旗手でありました。昨今、これだけ社会機構のダークサイドを描ける作家さんってラノベ業界ではほんと見当たらない希少人材だったんですよね。それが、レーベル変わって今度は100人の女勇者を集めてキスするとか、どんな話になるのかと思ったら……。
黒い、これはやっぱり黒いですよ!! 真っ黒けっけもいいところ。同じ黒でも「ノワール」じゃなくて「ブラック」。ブラック業界の話じゃないですかーー!!

異世界に召喚されるのはまあいいでしょう。そこで、やたらめったら無茶ぶりされたり悲惨な境遇に追い詰められたりするケースも散見されます。でも、召喚された先がいきなり借金返済が滞っていて起死回生を目論んでやらかした企画が低予算短納期のデスマーチのあげく見事に失敗して(勇者召喚のプログラムバグ)、肝心のプログラマーは遁走。ちなみに企画のクライアントはこの国の最高権力者で、借金してる先は犯罪結社紛いの闇金、という零細人材コンサルタント会社だった、というのは数ある召喚事故の中でも最高ランクにあげられる事案じゃないでしょうか。
異世界に召喚されたらブラック企業で働かざるを得なかった(逃走不可)……とか、どんだけですかぃ。

いやうん、本作は決してブラックな業界のブラックっぷりを笑わそうとしてドン引きしてしまうような内容ではなく、ヒロインのノアの人材コンサルタントという仕事に対する想いの強さ、人と人とを結びつける仕事に対する夢や希望、その素晴らしさに賭ける力強い熱意、そんな姿に主人公が感化されていくという実に前向きな話なんですよ、多分。とても大変な仕事だけれど、とてもやりがいがあって楽しい仕事なんだ、という内容なんですよ……多分。

……すまん、無理だ。仕事失敗したら、借金で首が回らなくなって泡風呂の沈められるか内臓裁かれる瀬戸際の境遇を日常的に背負いながら、仕事楽しいですよ、やりがいありますよ、お金とかイラないですよ、とか笑って言えるほどレベル高くなれない、無理!!
案件が競合した相手から、事務所に投石やら事務所荒らしやら挙句に誘拐監禁されて非合法の暗部な部署と鉛弾の応酬しないといけない仕事で、いやあやりがいあって楽しいですっ♪って言えないから、無理だから! 大変、ってレベルじゃねえ!!

だいたいさ、召喚先で出会ったヒロインが美人なはずなんだけれど、過労で十代のはずが随分と年嵩に見えるまでくたびれてみえるとか、下着3日変えなくても平気とか、仕事出来るならお金とかいらないです、とか大丈夫じゃないよね、だいぶダメだよね!?
仕事が大好きで趣味は仕事、人生は仕事、寝ても覚めても仕事仕事。仕事ラブ! って、もう末期的なワーカーホリックじゃないですかー。
おおう……(顔を覆う)。

まあね、うん。こういう仕事命な人が一定以上いるからこそ、社会だの経済だの業界だのってのは成長していけるんですよね。こういう人たちだからこそ、動かないはずのものを牽引していけるんでしょう。増してや、ノアって子は冷徹で情なんて欠片もない無残で残酷な現実ってやつに、絶望すること無く夢を見続けている。自分の仕事に誇りを持って、自分が成すことに意義があり、誰かに何か大切なものを届けることが出来る、幸せをもたらすことが出来ると信じている。その胸にたぎらせる炎を絶やすことなく、熱量を減じることなく、信じて、突き進んでいけている子なわけです。そんな子を貶すことなんて出来ないし、蔑むなんて以ての外。その姿勢を賞賛し、褒め称え、額縁に入れて飾るべきでしょう。
ただし、その価値観は同類項にだけ限定してくれ。
それを当たり前だと勘違いして人に押し付けだすと、見事にブラック企業の誕生である。普通は無理なの、そのレベルは余人では軽くぶっ壊れるの。心も体も破綻するの。
このノアという子は、見事に自分のそれが特別ではなく常識だと思ってるみたいなんだよなあ。それは、最初に就職した企業の教育方針が見事に根付いちゃってるからなんでしょうけれど。
その意味では、召喚した神戸秋水くんは見事にあたりだったわけだ。どれだけ追い込んでも壊れないどころか、叩けば叩くほどより強力になって成長していく、その上ノアの理念と熱意に共感し同調し親和してしまう全く似たような人種だったわけで。
お互い、足りないところを補い合えるマッチングだったんですよね。ノアって、あれだけ土壇場の交渉苦手にしてて、よくこれまでやってこれたなあ、とちと感心してしまう。
てか、秋水だってあんた高校生のくせに、ネゴシエーションがえげつない上に場当たりもいいところで、営業的交渉法というよりも、四方八方から銃口を突きつけられながら掛け金そのものを釣り上げだまくらかしながらやる、アレな方の交渉法っぽいんですよねえ。香港の黒社会とかの出身ですか!?
……でさあ、企画が通ってクライアントから用意された準備金を、右から左で全部借金の返済にあてて、資金ゼロから企画スタートって、自転車操業どころじゃないんじゃないですかね!?

夢も希望もあるけれど、それはキラキラ輝いてるけれど、果てしなく黒く輝くブラックな星ですねぇ、これって。
異世界のリクルート業界が怖すぎるww

女勇者とか、欠片も出ませんでした、うん。いや、欠片は出てるんですけどね、キスとか100人の女の子が云々、なんてキャラルンとした雰囲気や萌え萌えーという和やかさは欠片もなく、実に殺伐とした良い話でした。いい具合に心が荒みます、実に滑らかに神経がヤスリに掛けられます。なんて素敵なお仕事でしょう、うわははは、は。

しかし、やっぱりあのドゥーハンさんって、ノアの過去語りに出てきた人材コンサルタントなんでしょうねえ。彼女の憧れであり目標であり、彼女をこの仕事に導くことになった人物の成れの果てを前に、あれだけ毅然と自分の生き様を揺るがさないノアは、やっぱり凄いわ。こればっかりは素直に感心する。もう後戻りできないまでに固まっちゃってる、とも言えるんだろうけれど。
妥協も出来ず諦めることも出来ない、というのは実に破滅的であるんですよね。北元さんの描くヒロインの魅力というのは、どの作品でもまずもって「破滅的なまでに一途」「一途さ故に破滅することを厭わない」というところにあるので、ノアもまた種類は違うとはいえこの系譜なんだなあ。
うむ、面白かった。

北元あきの作品感想

彼女がフラグをおられたら ちがう水泳大会で出会えていたら、私達親友になれたかもね…… ★★★☆  

彼女がフラグをおられたら ちがう水泳大会で出会えていたら、私達親友になれたかもね…… (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら ちがう水泳大会で出会えていたら、私達親友になれたかもね……】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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イベントてんこ盛りっぷりに定評ある旗ヶ谷学園に、水泳大会の季節が到来した。仮想世界にいた頃の体育祭を思わせるおかしな種目がずらりと揃う祭典で、クエスト寮の皆さんに水着選びから競技のペアまでつきっきりの颯太―珍しく平穏な日々が続く一方、「世界の終わりが迫る」というグリモワールの予言を受けての、クエスト寮地下の探索は進んでいた。暗い地下洞穴にて“亡命政府”のメンバーが見つけたもの、同行した凛に降りかかった重大な危機…そして過去生の夢を見るようになった颯太に忍び寄る恐怖、仮想世界での記憶を取り戻した菜波の想いは何処へ!?故国奪還のため、颯太王子は「天界」支配下のブレードフィールド公国へ―躍動する14巻登場!!
これだけしっちゃかめっちゃか、賑やかに大騒ぎしていながら「嵐の前の静けさ」なのか。静かなのか!
いや、わりと凛くんのそれは重大なシリアス案件になりかねないヘヴィーな出来事だったはずなんだけれど、単にキャラ造りが変わっただけで処理されてしまっているあたり、さすが「がおられ」としか言いようがない!
ちなみに、凛くんの中の人は内にこもった分、実は表に出てしまった表成分よりも欲望を熟々と抉らせてしまっていて、エロスですね、いやらしいですね!

というわけで、国を追われて命を狙われながらの逃亡生活、となるはずがかなり呑気に旗ヶ谷学園で学園生活をエンジョイしながら、ホイホイと集めてしまった過剰戦力で故国奪還戦へとピクニック気分で挑むことになった颯太王子。天界軍に征服される、という地上の戦力ではどうにもならない超常の存在が相手だったのに、それに対してEXボスを集めて逆撃、とかけっこうズルいよ!?
栄光の神竜兵団、そのTOP8に新たに与えられることとなった称号・八岐大蛇。のちのち、七剣神に匹敵する栄誉ある称号になるらしいけれど、今回の奪還戦に参加したメンバーって、颯太を筆頭に、魔人ミーロワース
、大賢者マァリン、運命狩りエデン・リ・プライ、大魔王シャルロット・ホーリィ、元・妖精王女リヴェド、魔法少女福祉機構・新事務総長大司教河くるみ子、ブレードフィールド公国建国王神楽・ブレードフィールド、龍騎士アリシア・ドラグーン、七徳院No.0大名侍鳴、となるんだけれど……颯太を除いても9人居ますよ?
リヴェドとくるみ子はこの場合、魔法少女と妖精コンビということでセットだったんだろうか。それとも、五人揃って四天王というアレですか!?
魔法少女の相棒の妖精というとマスコット扱いが普通なんだけれど、リヴェドに関してはどうも単体戦力で大魔王クラスみたいなのよねえ。
公国に詰めてた天界軍の騎士たちも、三大召喚士の真紅のエベラーゼやジェルトロなど決して低い戦力でもないにも関わらず、タコ殴りである。
それはそれとして、元々前線向きじゃない鳴ちゃんはともかくとして、このクラスの中に混じると先代黒騎士の神楽さんが完全にお姫様枠な件について。あれぇ? 確か、この人第一部では黒幕感をたっぷり醸し出しながら暗躍して、前線に出てきても圧倒的な雰囲気出してたはずなんだけれど、今回の水泳大会でもひたすらポンコツなところばかりしか見せず、朱に交わりすぎて取り返しのつかないところまで来ちゃってるぞ!? その挙句に、ジェルトロとの戦いでのあの役回りである。お母さん、がんばれー!
あと、エデンさん、凛ちゃん並にキャラがブレてます。演じすぎ! ってか、もしかして淑女時代のエデンってそんなんだったの? 淑女の意味間違えてるよ!?

殆ど労せずブレードフィールド公国の奪回も成り、特に何事も無く楽しく遊ぶばかりだった水泳大会も含めて、今回はまるごと「嵐の前の静けさフラグ」扱いである。いや、故国奪還は第二部の怒涛の展開からの最大目標だったはずなんですけれど。凛くんの人事不省もかなり大事だったはずなんですけれど。それらもまとめて、静けさ扱いである。平和、だったのか、これで。となると、これからの波乱たるや相当なものになってきそうなんだけれど、聖騎士王の本格出馬が控えているのか、これ。

一方で、前世のSBD(スター・ブレイド・ドラゴン)とのちの聖騎士王ギルガメス・センティアとの出会いと因縁、そして友情が描かれると同時に、旧世界の滅びと菜波との前世からの縁、エデン・リ・プライという絶対存在の詳細やらあれやこれや、世界設定にまつわる話も盛りだくさんで……うん、なんだかんだで一応メインヒロインはやっぱり菜波になるんかねえ。仮想世界での記憶も、菜波は取り戻してしまったみたいですし。
颯太きゅん、それは普通に聞いてても告白とかプロポーズと間違えられても仕方ないですよ!?

あとがきでは、作者未踏の十四巻達成に関して話題にしてましたけれど、普通もう最近ではシリーズ二桁到達するのも珍しいですから、滅多ないですから。しかしそうか、【東京皇帝☆北条恋歌】で13巻完結だったんですねえ。このシリーズは冗談じゃなく20巻行きそう。

シリーズ感想

電波な女神のいる日常 2 ★★★★  

電波な女神のいる日常2 (講談社ラノベ文庫)

【電波な女神のいる日常 2】 望月唯一/しもふりおにく 講談社ラノベ文庫

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夏休み。セレナとの生活にも慣れてきた俺だが、ある日実家から戻ってくるよう言われてしまう。だが、セレナを引き留めておいて、自分は実家が直ったらさよならというわけにはいかない。すると独り立ちの条件として親から出されたのは、仕送りなしでの生活だった。そこでお金を稼ぐ必要が出た俺は、美桜のアイディアで、テレビ番組の賞金獲得を目指すことになる。種目は―チアダンス。セレナや美桜の協力のもと、俺は彼女たちのマネージャーを務めるが、ライバルに回った里崎が色仕掛けをしてきたり、それを見たセレナや美桜がなぜか機嫌を悪くしたりで…!?女神様と幼馴染とクラスメイトがチア勝負!?ハートウォーム学園神様ラブコメ第二弾!
こ、これは……セレナさん、女神様、これはちょっとあかんのとちゃいますか!? 一生懸命割ってはいろうとしていますけれど、智希と美桜の関係ってただの幼馴染の範疇を完全に超えちゃってるんですよね。一度、深く拗れた末に中途半端な状態で固定されてしまったせいか、お互いにもどかしい想いをしながら関係を持て余してしまっている。肝心なのは相手のことを物凄く大切にしてる、という所がブレてないことでその気持をどう処理していいかがわかってないんですよね。相手との距離感、そしてスタンス。なまじ美桜も智希も年齢のわりには大人びていて、しかも誰にも寄りかからない自立した、一人で完結しているタイプの人間だけに、中途半端な状態でも壊れず破綻せずに今までズルズルと来てしまったんだろうけれど、中途半端であるが故にお互いのことを半端無く意識してしまっているわけである。幼なじみ特有の、空気のような馴染んだ存在、という要素をはらみつつも、いて当たり前、ではなくて常にその存在を、動向を、息遣いを測りながら、感じながら、意識しながら今まで生きてきたわけである。言わば、その人生の少なくない部分を相手の存在が占めてしまってるんですね。
これを、ただの幼なじみと言うには無理がありますよ。そもそもの熱量が全然違う。
それでも、セレナが現れるまではいびつな状態で停滞していたのでしょうけれど、セレナという起爆剤が二人の人生の中に割って入ってきたおかげで、いびつな安定性は致命的なまでに崩れてしまった。特に、智希が自覚的に二人の間にわだかまっていた瑕疵を解消しようと動くようになってしまった。
お互いに、相手をかけがえのない大切な存在、と思えばこそ保ってきた距離が、大切であるが故に距離をあけていられなくなってきたのである。
あまりにも、智希にとって美桜って娘は特別すぎるんですよね。扱いが、他の女性陣と一段違ってしまっている。それは、セレナですらも同様であるように見えるわけです。智希はセレナに対して物凄く親身になって面倒見てて、彼女が背負ってきたものを自分も一緒に背負ってやろうとしているけれど、それがセレナという娘に対する特別扱いかどうかは、ちと疑問なんですよね。智希の生き様からして、クラスメイトの里崎や後輩の詩乃がもしセレナくらい困ってたら、同じように助けるんじゃないかと思うんだけれど、あの泣いていた美桜を掻き抱いて抱きしめたように、セレナや他の娘を抱きしめてあげられるか、というとどうなんだろうね、とね。胸で泣かせてあげることは出来るかもしれないけれど、あんな風に抱き寄せられるか、掻き抱いてあげられるか、というとね……。そもそも、セレナを助けようと思った智希という人間を形作ったのが美桜の存在ですからねえ……。
ってか、夏祭りの際の二人のやりとりって告白以上の熱々っぷりなんですよね。これ、無理でしょう。
女神さま、負け戦です、引き立て役です、ってかキューピットな役回りですよ、それw
メインヒロインは、セレナと美桜の二人ですけれど、これは2−8くらいの戦力差がありそうだなあ。同居、同棲のアドバンテージがセレナにあるとしても、むしろ朝から晩まで一緒にいることで、智希の日常生活の色んな細かい部分に美桜の影をセレナは感じてるみたいですし、厳しいところです。
今回は、助演の里崎女史と詩乃のサブヒロイン勢の活躍、というか存在感も目立ってましたねえ。ってか、里崎さんが色々と精力的で便利すぎるw 詩乃の方は女子力が欠片もないマイペースなやんちゃっぷりが、後輩として可愛いんですよねえ。アホの子ほど可愛い、というやつか。

雛菊こころのブレイクタイム 1 ★★★☆  

雛菊こころのブレイクタイム1 (講談社ラノベ文庫)

【雛菊こころのブレイクタイム 1】 ひなた華月/笹森トモエ 講談社ラノベ文庫

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伊莉也は実家の喫茶店に現れた美少女に思いを馳せていたが、再び会う事も叶わずにいた。進学した高校では勉学に追われ友人作りに乗り遅れたりと、少々ブルーな毎日…。そんな時、生徒の悩みを聞いてくれる“お雛様”の噂を耳にする。その人物こそ、伊莉也が思い焦がれていた少女・雛菊こころだったのだ。
不思議な縁から相談事にやってきた生徒にコーヒーを入れる役目を仰せ付かった伊莉也。バレー部の部長や恋に悩む上級生、こころのライバルや生徒会長まで!様々な相談事をこころはちょっとした心理学を用いて解決していく。しかし、こころが相談室を開いた理由にはある過去が関係していた!?

こころさん、本格的に心理学を学んだというわけでもなく、あらすじの通り本当にちょっとした心理学の応用でのお悩み相談で、持ち込まれる悩みも深刻な事件性のあるものではなく、学生生活の中で生じる少年少女たちの行き詰まり、という等身大のものなんですが、変に背伸びしないことで「お雛様」と呼ばれる雛菊こころをハジメとして、お悩み相談室の面々に特別感を持たせずに年頃の子どもたちの奔走を描けてたんじゃないでしょうか。と、言ってもこころさんの洞察力は大人顔負けなのですけれど、小難しいことを言わず自分のできる範囲にとどめているのは好感が持てます。逆に言うと、複雑怪奇な因果が絡まった事件や人間の暗黒面に踏み込むような、悪路を踏破できるようなパワーや技術があるかは怪しい所なのですけれど、人の悩みを解決する話なのに底が浅いという印象を持たせないラインを維持して、さわやかな青春モノに仕立てているあたりに、作者の絶妙なバランス感覚が伺えます。最終話で、これまでこころさんを訪れてきた相談者たちが自然に手を貸してくれる展開など、人と人との繋がりに関してなかなか考えさせてくれましたし。あれって、安易とも取れるんだけれど、人との縁というのはそんな難しく簡単に繋がるもので、それは案外と強固だったり親身だったり運命的だったりするものなんだとすると、友達が出来ないと軽く悩んでいた主人公の伊莉也をはじめ、人間関係で頭を悩ませていた当の相談者たちのことも照らしあわせて考えると、なんだか面白いものだなあ、と思うわけです。
まあ、友達できないとか悩んでるこの主人公、ちゃっかりクラスメイトの女の子と仲良くなって一緒にお昼食べてたり、こころさんの所に積極的に居座ったりとその行動力見ると、友達できないとか信じられない人間力なんですけどね!!
そして、他人のことには色々と気が回るくせに、お互いに関してはさっぱり見えていない主人公とこころさんのメインの二人。これだけ一生懸命サインを出し合っているくせに、それをお互い綺麗にスルーしまくっている、というのも微苦笑してしまうのだけれど、これも若さかw

紙透トオルの汚れなき世界 ★★★   

紙透トオルの汚れなき世界 (講談社ラノベ文庫)

【紙透トオルの汚れなき世界】 石川ノボロヲ/ののの 講談社ラノベ文庫

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「ちょっと世界を滅ぼしに行ってくる」そういってヒートテッ…いや魔装服に身を包んだ兄を送り数時間後。いろいろ心理的ダメージを受けた俺、里谷リトは奇妙な少女と出会う。少女の名は紙透トオル。彼女は差別と偏見に満ちたこの世界を作り替えようとしている少女だ。そんなバカなと笑う俺に、彼女は『奇源』と呼ばれる超能力を見せてくれた。そして世界を変えることのできる『夢の木』という神木が、この街のどこかにあるらしい。確かにこの世界は汚れているかもしれない。でも本当にそれでいいのか?俺は彼女の願いを叶えてあげたいのか、それともいったいどうしたら…!?恋と未熟と不思議が交差する第4回ラノベ文庫新人賞大賞受賞作品!
なるほどねえ、里谷リトは主人公であると同時に、みんなにとってのヒロインでもあったのか。いや、主人公であるよりもヒロインであることの方が物語においては核心となっている、というべきなのか。本作では主人公として彼の視点から物語は描かれていますけれど、なーんか妙な感触があったんですよね。誰からもすぐに好かれ、信頼される信義に基づいたコミュニケーション能力。どれほど落ち込んでいる時でも、困っている人を見かけたら心から笑顔を浮かべながら手を差し伸べることの出来る善性。そうやって関わりを増やしていく様子は、実に主人公らしくはあるんですけれど、面白いことにグイグイと相手に対する関心、興味、好意などを押し込んでくるのは、むしろリトではなく、リトに関わる人たちの方なんですよね。リトも適度に相手側に踏み込んでいってはいるのですけれど、食い付きという点では相手側のほうが圧倒的に強いわけです。その押しの熱量のギャップが、リトを面白い主人公だな、という印象に導いていたのですけれど、なるほど彼をヒロインとして捉えるとこの人間関係の矢印の方向と大きさと勢いの偏差にも納得がいくというもの。
そして興味深いことに、彼に食いついていく人たちはそれぞれに、結構な浅ましさを曝け出して行ってしまってるんですよね。リトって子は、まあ良い子なんですよ。誰も彼に悪い印象を持たないであろうくらいには。もちろん、ズルい部分やちょいと軽々しすぎるところなどもあるのだけれど、そういうも人間味がある、という意味で無菌の善人ではない、濃淡のある鮮やかな綺麗さを持つ子なんですよね。
小夜子さんが、予防線引いて一歩引いちゃったのはそのあたり、なのかなあ。こういう子を前にしてしまうと、普通の子はやっぱり汚れが目についちゃうんでしょうね。その能力から人間分析に長け、自分に対する評価も辛い小夜子さんからすると、尚更に。
他の人達はわりとそのへんの自覚症状は薄いか無いに等しいんだけれど、自分で気づいてないだけで登場人物みんな、少しずつ汚いモノを曝け出してしまってる。他人に対する無神経さとか、世の中に絶望しているくせにその世の中舐めてるところとか、他にも様々、他人を傷つけ痛めつけている部分がにじみ出てるんですよね。それが、何とも生々しい。リトは、そういうのを怒った上で引っくるめて受け入れてくれるんで、他人にとっては心地いいのかもしれません。同時に、無責任に何でもまるっと受け入れてくれるほど適当でもないので、信頼も出来るのです。
小夜子さん、本気でリトくんに惚れてるんでしょうね。無責任でないからこそ、一度、なし崩しにでも負わせてしまえば最後まで背負ってくれただろうに、わざわざ事前に前置きを挟んじゃうんですから。それとも、女心としてはそこは無責任でいて欲しかったのか。いや、ガチで惚れているからこそ、恋情愛情好意が全部磨り切れて責任感だけになってしまってほしくなかったのか。
二人のラブラブっぷりは、見ていてニマニマと相好が緩んでしまう甘やかで微笑ましいものだっただけに、小夜子さんの逃走とリトの傍観は口惜しいものがあったんだけれど、重い女って自分にも重いのねえ。
次の主役はどうやらその肝心な小夜子さんらしいので、是非にこの一度ぶった切ってしまった赤い糸を繋ぎ直してほしいものです。そう、主役はトオルちゃんみたいな小娘じゃあなく、あんただよサヨコさん。

「地下鉄に乗るっ」シリーズ 京・ガールズデイズ 1.太秦萌の九十九戯曲 ★★★☆  

「地下鉄に乗るっ」シリーズ 京・ガールズデイズ1 ~太秦萌の九十九戯曲~ (講談社ラノベ文庫)

【「地下鉄に乗るっ」シリーズ 京・ガールズデイズ 1.太秦萌の九十九戯】 幹/賀茂川 講談社ラノベ文庫

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連休直前に送られてきた『京都・パワースポット巡り』の案内。写真撮影が好きな太秦萌は幼馴染みの松賀咲と小野ミサと、このイベントで思い出作りをしようと考えた。パワースポットを巡りきると願い事が叶うというのにも心惹かれていたが、今まで三人で市内観光をしたことがなかったのだ。張り切る萌の前に、イベントの案内役だという自称“精霊”の都くんが現れた。萌たちは都くんに色々な意味合いで妖しい巫女の元へと連れて行かれる。巫女はイベントの本当の目的を語り始めた。これはいくつかの試練を乗り越えなければならない神聖な祭なのだと。果たしてどんな苦難が待ち受けているのか…!?元気ハツラツ★ガールズストーリー!!
作者の幹さんと言えば、【神様のお仕事】シリーズなどを良作を手がけてきた人なのだけれど、その人がノベライズ。しかも「地下鉄に乗るっ」シリーズって……聞いたことないんだけれど、なにこれ? と、思ったら、本作に出てくる幼馴染三人娘が京都市営地下鉄PRキャラクターなんですか。そりゃあ知らんわ。読み終わってあとがき読むまで、これが企画物という背景も知らなかったのですが、まずキャラクターありきで、バックストーリーとかもなかったと思うんだけれど、そういう所が引っかからずに素直に物語に入っていけたので、改めて振り返ると上手いこと作品世界を構築してたんだなあ、とちょいと感心してしまいました。太秦萌と、他の二人の関係からして何もなかったはずですしね。制服からして違うのだから、同じ学校の生徒にも出来ず、どうやって一緒に動かすのか、というところから考えねばならなかったはずなのですけれど、バラバラの学校に通う幼馴染同士、というところからスタートさせて、そこから三人が一緒に京都巡りをする理由とこの物語の着地地点までうまいこと繋げてるんですよねええ。オリジナルキャラとなる白河澄の存在も、彼女らの京都巡りのコンセプトに上手いこと合致させて、自然に流れの中に加わる形になってましたしねえ。
神様の領域に片足をつっこみ、普通の人が見えない八百万の世界が混じり入った現実の京都で様々な賑やかなイベントに巻き込まれながら、京都各所の著名なスポット、或いは穴場の名所、地元の名物なんかをめぐっていくわけだけれど、話を読み進めていくと自然に京都の情報が頭のなかに滑り込んでくる。物語は添え物で観光案内の情報を羅列するのがメイン、というのでは全然なくて、あくまで物語が主眼であり、それを楽しんでいたら自然と……という風に出来ているんで、観光案内としても実にお見事。観光情報ばっかり強調されて目の前に押し出されてもつまらないですし、読み飽きちゃいますもんね。その点、本作は観光案内というコンセプトを意識せずに、純粋に最後まで物語として面白かったですし。
でも、地下鉄にはそんなに乗ってなかったような…(笑
ちなみに、世界観についてはやはり幹さんの一連のシリーズと共通しているようで、八百万の神様や妖怪たちも一般人には見えないながら、ちゃんと地元に根を張って存在している世界のようで、その点でも入って行きやすかったのかな。多分、この作品内では神務省とかもあるんだろうなあ。狐面の巫女さんも、そっち関係の人だろうし。

幹作品感想

二線級ラブストーリー4   

二線級ラブストーリー (講談社ラノベ文庫)

【二線級ラブストーリー】 持崎湯葉/籠目 講談社ラノベ文庫

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高校二年生の松尾家之助は、親友で生徒会長の完璧超人一ノ瀬秋、憧れのクラスメイトで書記の月本紗姫とともに生徒会に所属し、平凡ながらも楽しい高校生活を送っていた。そして家之助は紗姫への想いを自覚する。だが、どうやら紗姫は秋のことが好きな様子。どうすべきか悩む家之助だったが、そんなさなかに秋のとんでもない秘密を知ってしまう!その結果、家之助の、紗姫のそして秋の想いは複雑に絡み合って―?第3回講談社ラノベチャレンジカップ“佳作”受賞作、華麗に登場!
ちょっちょっちょっ……!?(爆笑
いやいやいや、これは参った。途中まで、男装していた親友の秋と、好きな女の子の紗姫との微妙な三角関係を繊細に描いていく青春ラブストーリーだと思ってたのに、まさに秋の性別を家之助が知ってしまった瞬間から、完全に予想の斜め上を行く展開に。どこが二線級だよっ、これこそ一線級だよ、というか一線超えちゃってるよww
思えば、青春ラブストーリーの三角関係というのは、現状維持思考なんですよね。どれだけ穏便に、これまでの関係を損なわないように傷つかないように傷つけないように気を遣いながら、それでも募る想いを抑えきれず変化を迎えてしまう。そんな細やかな感情や気持ちの綱引きの末に、誰かが決定的な一線を越えることで激動の展開が始まる、そんなのが三角関係の定番パターンなんでしょう。
ところが本作と来たら、実質三角関係がはじまった途端に、なりふり構わず一線を越えて来やがったのである。これだけ恋敵の気持ちを踏みにじっても自分の気持ちを押し通す! 恋愛はキレイ事じゃない! と初っ端から開き直った姿勢で来られると、笑ってしまうやら圧倒されてしまうやら。
そのどぎついキャラクターでコミカルな事になってるけれど、秋にしても紗姫にしてもえげつないといっていいくらい酷い事してますしね。それも、相手は恋敵ではあっても自分を好いてくれている相手である。自分に抱きついてくる相手の顔面に蹴りを食らわせながら、その反動で自分の好きな人に抱きつこうとするような有様なんですよね。二人の女子のあまりにも強烈にして強固な恋心を前に、しかし家之助も引きずられるように彼女たちと同じ選択をしてしまう。これ、秋は絶対に自業自得だと思うんだけれど、男が女にしてしまうのはダメなのか、そんなことないよね? 男だって心繊細だもん。
どれだけ酷いことをされても、好きな気持ちは止まらない。決して振り向いてくれないトライアングル。ドン引きしてしまうレベルの肉食性を見せてくれた秋と紗姫だけれど、その本性むき出しのがむしゃらさは恋に対する本気の証でもあり、やってることは相当なんだけれど嫌悪感なんかはなくて、むしろゾクゾクするような味わい深さが。
この点、紗姫の悪魔の提案に乗ってしまった家之助は、その恋の情熱の持って行き場所を自分の意思で決められず、流されてしまった為に随分モヤモヤを引っ張ってしまったのだけれど、その分彼の本気を出す方向を、自分で決めた方に向けて突っ走り出してからは痛快でありました。いや、なんにも解決していなくて、一方通行の三角関係という構図は一切変わっていないのだけれど、彼の自分の恋は貫き通しつつ、しかし誰かを傷つけても構わないような格好わるい振る舞いはしない、という決然とした姿勢は歪でギスギスして泥沼化しはじめていた三角関係を、すっきりと後腐れのない、真っ向勝負へと変えてしまったんですよね。ここの家之助はなかなか男前だったなあ。
自分の醜い面をこれでもと曝け出して、ぶつかり顔を背け合いうつむいてみっともなくしがみつくばかりだった関係が、しかし皆がそれぞれの醜悪さを受け入れ飲み込んで、向き合った先に見えたものは、恋というものがやっぱりキラキラとした綺麗で素敵なものだった、という事実。誰かを好き、という気持ちの輝きと同等に、自分を好きで居てくれる人が居る、という事の素晴らしさ。
これは家之助、男を見せたと同時に、一兎を追って二兎を得そうな雰囲気じゃありません?

影のMVPは、勿論妹の芽衣でしょう。不甲斐ない兄貴の相談に親身になって乗ってあげて、色々とフォローしてまわり、へこんで落ち込む兄貴を励まし、と七面六臂の活躍。わりと自由人の気風の娘なのに、もう暴走しっぱなしの秋や紗姫の煽りもくって、苦労しっぱなしでしたしね。うん、頑張った、頑張ったよ妹! そして、これからも頑張れ、あの人達は概ねダメだw

彼女がフラグをおられたら ここは修学旅行生に任せて、早く枕投げに行くのよ4   

彼女がフラグをおられたら ここは修学旅行生に任せて、早く枕投げに行くのよ (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら ここは修学旅行生に任せて、早く枕投げに行くのよ】 竹井10日/ CUTEG 講談社ラノベ文庫

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仮想世界での天使との最終決戦を共に戦い抜いた大名侍鳴。現実世界で旗立颯太と再会を果たした鳴は、あろうことか七徳院の新“No.0”であった。しかし密かに颯太の身を案じているようで―折しも旗ヶ谷学園は修学旅行の真っ最中。目的地の京都にて、古都にふさわしいのかふさわしくないのか全くもって不明な騒動を巻き起こす茜や菜波や菊乃に恵、さらには神楽や鳴までもが…!?京都での驚きの“再会”と“出会い”を経て、クエスト寮メンは第二の修学旅行先・パリへ向かう。花の都でまたもや颯太達を追い詰める強大な敵、現れた意外な味方、そして「旗ヶ谷学園に危機が迫る」という“グリモワール”の予知の真偽は!?波乱の二都物語を描く第13巻登場!!
思わせぶりに七徳院のマントをまとって現れた大名侍鳴、聖帝小路美森、大司教河 くるみ子の三人。そして、新たな七徳院の“No.0”へと就任したことを告げる鳴。じゃあ、美森会長とくるみ子はナンバー何なんだ!? と思ったら……単に鳴に合わせてカッコつけてマント借りて羽織ってただけかい!! 七徳院関係ないんかい!! 思わせぶりすぎた!!
鳴も、天界軍に制圧された七徳院から派遣された、ということで敵に回ったのかと思ったら、なんか即座にポンコツ化してるし。前No.0の神楽・ブレードフィールドのポンコツ化たるや凄まじいものがあったけれど、新旧揃って見事にポンコツ化してるし。神楽さん、もう黒幕然としたあの威厳あるNo.0の面影、もうかけらもないよ。あれとこれが同一人物なのか真剣に疑いたくなるくらい、普通の姉ちゃんになってるよww
京都からフランスはパリにハシゴするという、とんでもない修学旅行行程はこの際まあ「旗ヶ谷学園」ならアルアル、で済んでしまうんだけれど、それにしても思わせぶりに登場した鳴さんが旅行先でも普通にヒロインの座を掻っ攫っていった感である。第一部のクライマックスで、まるで正ヒロインであるかのように最終決戦でボロボロになった颯太の傍らに寄り添い続けた鳴だけれど、あの時のヒロインオーラはポンコツNo.0として復活してきた現実世界でも衰えていないようである。これに対抗するのが、生身の人間からロボ子化した忍者林瑠璃だというのだから、ヒロインの座をめぐる攻防も実に面白い様相を呈している。このツンケンしながらも颯太が気になって仕方がない瑠璃がめちゃくちゃ可愛いのね。健気で従順なアンドロイドモードもいいのだけれど、人間の方の瑠璃もこれいいんだよなあ。
さて、かの仮想世界でのクエスト寮の仲間たちも、ついに白亜が合流してきたことで全員勢揃い。颯太のSBDとしてのあの仮想世界で猛威を振るった力も、徐々に戻りつつあるという状況。
旅先で遊んでばかりいて、話が進んでいないように見えて、今回何気に怒涛の展開である。クエスト寮の仲間たちが集結するのと同じくして、あの「絶対存在」と呼ばれる者たちも次々と表舞台に現れ出したわけですよ。
くるみ子に魔法少女福祉機構事務総長の座を譲り渡して行方不明になっていた天后まおん。ミーロワースやマァリンをして相手にしたくない、と尻込みする彼女は、SBDと同じ絶対存在にして、魔界を統べる大魔王シャルロット・ホーリィである。
さらに、運命狩りと呼ばれる絶対存在「エデン・リ・プライ」が白亜の師匠として久々の再登場。
そして、どうやら颯太の最大の敵となりそうな人物がついに姿を表わすのであります。
聖騎士王ギルガメス・センティア……って、聖騎士王って聖デルタ王国の王様でしょ? 巴御劔のことじゃん!? あれ? 御劔さん、アッチ側なの!? 聖デルタ王国の宮廷魔術師であるマァリンがこっちにいるんで、天界に取り入ってたクリストフ・ブーゲンハーゲンはデルタ騎士団とは外れた怪しい動きをしてるのかと思ったら、デルタを離脱してたのはマァリンの方だったのね。天界騎士団のタリアス卿が、御劔さんの仮の姿なんじゃないか、と疑ってたんですが全然的外れだったよ。
ちなみに、巴御劔という人は同じ竹井10日作【東京皇帝☆北条恋歌】シリーズで主人公の盟友であり滅びかかっていた人類の守護者として、いろいろと助けてくれた人で、かなり頼りになる上に信頼できる人だったんですよね。それが、こっちでは敵に回るのかー。これは、天使なんか相手してるよりよほどキツいぞ。
ってか、デルタ騎士団敵に回ったらどうしようもないじゃん。
一応、天后まおんがこっちにつくということは、ミーロワースも居るし魔界もこっちよりか? 魔法少女福祉機構もくるみ子が新事務総長についてるし、こっち側なのかな。でも、前々から助けてジークリート・キンダーハイムの実家の会社のキンダーハイム・インダストリアル社って、聖デルタ王国の会社なんですよね。瑠璃のボディってエニグマシリーズの流れ汲んでるっぽいんだけど、どうなるんだ?
この世界にもあるっぽい八坂原機関も、あれ御劔さんメンバー入ってるしなあ。
ってか、もう主だった機関や組織には大概御劔さんや聖デルタの息が掛かってるんですよね。そもそも、神楽さんだって、一時期デルタ騎士団で黒騎士やってたって……ああ、あれは聖デルタ王国になる前の旧デルタ王国なのか。でも、現黒騎士は神楽さんの直弟子なんだよねえ。関係大有りなんだよなあ。
天后まおんに加えて、エデン・リ・プライまで味方として現れて、これって戦力過剰じゃない? と一瞬思いましたけれど、颯太の(SBD)含めて絶対存在三人揃えてようやく太刀打ちできるくらいなんだろうか、これ。
天界は、先帝ルシェ・アンチスペルの復権で完全に聖騎士王の勢力下に入っちゃいましたし……。ってか、ルシェ・アンチスペルこと東雲十狼佐さん、ガチで登場してきてしまいましたがな! 
ともあれ、これで役者が揃った、というところでしょうか。どうにも、大物が揃いすぎてえらいことになってる気がしますが。

シリーズ感想

遠野誉の妖怪騒動記 1 3   

遠野誉の妖怪騒動記1 (講談社ラノベ文庫)

【遠野誉の妖怪騒動記 1】 幹/しきみ 講談社ラノベ文庫

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両親が残してくれた洋館に一人残され、慎ましやかな生活を送っていた遠野誉のもとに、突然知らない少女が妹と称し現れた、しかも三人も。特に小春は兄妹に対しておかしな認識を持ち、一日中誉にベッタリ。その光景に違和感を持つ者はおらず、オタク上級者の先輩は「ギャルゲー設定に目覚めたか!」と盛り上がる始末。困惑する誉の前にやっと現れてくれた理解者は幼馴染の御玉音々だった。彼女が陰陽師であったことも初耳の誉だが、更に妹たちは妖怪だと聞かされる。妹を演じる妖怪娘たちの目的を問うと、彼女らを誉のもとに送り込んだ者が居たことが判明する…。誉の周囲で妖しい陰謀が渦巻き、穏やかだった日常は闘いの生活へと変貌する!?
しがらみにも御役目にもルールにも縛られる必要はない。それが正しいと信じたのなら、正しくなくても大切だと思ったのなら、それを貫けばいい。というと無法になってしまうんだけれど、前例に拘ることが秩序の維持につながるわけじゃないんですよね。時として前例を無視して柔軟に対応することで、破綻から脱し障害を乗り越えることが出来る、というのを示したのが前前作の【神様のお仕事】であり、前作の【ユア・マイ・ヒーロー】だったわけなんだけれど、実のところ判断を試されそうなのは主人公の誉氏ではなくて、御玉音々の方っぽいのよねえ。誉の方は、その手のしがらみから根本から解き放たれているようなんですよね。その出自のせいなのか。これまでの作品の主人公が「神様」「ヒーロー」であるのに対して、今度は「魔王」となるのですから、そりゃ秩序を守る立場ではないもんなあ。彼の揺るぎのない流されっぷりは、芯が無いのではなく真芯があってその他は鷹揚としているから、という風にも見える。普通、いきなり朝起きたら見知らぬ妹達が以前から居るように家でくつろいでたら、どれほど肝が据わってても混乱したり動揺したりするものなのに、動じる素振りすら見せずに成り行きに任せてしまったあたり、なんて気合の入った流され方だろうと逆に感心させられたほどだもの。
でもなるほどなあ、この超然とした態度は、神様のたぐいと似ているといえば似ているわけで、ちょいと俗から踏み外してるわな。音々さんが若干ストーカーっぽく密着するほど目が離せなくなってしまったのもわからなくはない。わからなくはないけれど、御剣家の妹もかなり病んでたきらいがあったのを考えると、護三家の女性陣は概ね並外れた執着心の強さの持ち主なのかもしれない……やあ、でもデビュー作の巫女さんが一番なんだかんだと病んでたのを思うと、この世界の女性の半分くらいはヤンデレ気質があるのかもしれないなあw
まあどう考えても、音々姫さまが幼馴染よりも家の御役目を優先するとは思えませんけれどね、これっぽっちも。自分の人生の大半を、誉のために費やしちゃってるのを見てしまうと、どう考えても千鳥とか茜サイドのヒロインですw

しかし、誉の正体となる妖怪って、マイナーなのかメジャーなのか微妙なところですよね。【うしおととら】には出てましたけれど、【稲生物怪録】を知っている人なら、というレベルの知る人ぞ知る、という知名度なのか。
むしろ、正体が気になるのはオモイカネ様の巫女さんの方なんですけどね。あの人、絶対何かしらの背景というか設定がございますよ。

幹作品感想

彼女がフラグをおられたら 大丈夫、この体育祭は安全だから、絶対MVPを取れるわよ4   

彼女がフラグをおられたら 大丈夫、この体育祭は安全だから、絶対MVPを取れるわよ (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら 大丈夫、この体育祭は安全だから、絶対MVPを取れるわよ】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

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『クエスト寮』は再建され、フラグ可視操作能力をも取り戻した旗立颯太。そこに元七徳院No.1・ミーロワースが現れた。体育教師として旗ヶ谷学園に逃げ延びた彼を加え、月麦や神楽とともに『ブレードフィールド公国亡命政府』が誕生する―折しも学園に再び“体育祭”の季節が到来。颯太はとあるきっかけから、忍者林瑠璃と命を賭した約束を果たさねばならぬことに。その約束とは“クエスト寮としての体育祭MVP獲得”だった!仮想世界の時と異なり戦力大幅ダウン状態のままいざ体育祭が開幕。復活した芹香や颯太同様フラグを扱う力を持つ凛達の助力は得たものの、颯太達は再びMVPをつかめるのか!?『がをられ』今ひとたびの体育祭編第12巻登場!!
ミーロワースが普通に体育教師として赴任してきてわらた。ガチムチすぎるw それに茶パことマーリン、あんた隠しキャラちゃうかったんかい。てっきり、若干味方寄りの中立キャラとして時々介入してくるくらいの立ち位置で振る舞うのかと思ったら、強引に亡命政府に引き込まれて当人も目を白黒させているうちに主要メンバーとしてがっちり食い込まされちゃってるしw この勢い任せの巻き込み具合は、大賢者相手にも通じるのか、恐るべしブレードフィールド空間w
いやでも、これで月麦ばあちゃんにミーロワースに、大賢者マーリンに神楽・ブレードフィールドと七徳院の精鋭と四人しかいないランク・アッパーファーストの一人が加わり、力を取り戻しつつあるSBD旗立颯太が集ったわけで、ちょっとみんなの気が大きくなって、なんとなく勢いで亡命政府立ち上げちゃうくらいにはその気になるよなあ……と、思ってたんですけれど。神楽さんのポンコツ化がひどすぎて、もうダメなんじゃないか、と思えてきた!! あの超絶クールでカッコ良かった七徳院No.0はどこいった!? 
体育祭再び、における神楽お母さんの見事な役立たずっぷりは、ある意味伝説になりそう。
ってか、此処に来て一気にバラバラだったメンバーの集結がはじまって、ワクワク感がいや増すばかり。で、でも忍者林瑠璃の再誕イベントの盛り上げっぷりに比べて、田中せりキャンが物凄い普通にさり気なく戻ってきてしまったのには、これまた笑ってしまった。いやいや、わりと早めに戻ってきてくれたのは嬉しいんだけれど、本当に普通に、呼び鈴押して普通に玄関からこんにちわするみたいに普通にするっと戻って来ちゃったよね! アイドルなのに。アイドルなのに! いいんですけど、田中いいんですけど。仮想世界では昔重要なターニングポイントで遭遇していて、お互い素性は知らなかった関係だったけれど、現実世界では、普通に昔からの友達だったのね……普通に友達だったのね。それはそれで良いことなんだけれど、アイドルになるきっかけが颯太にあった、というのはイイ関係なんだけれど。田中ぁw いやでも、仮想世界のときより颯太も、せりきゃんに友達ということで気安い気もするし、いいんじゃないだろうか。ここからここから。
でも、瑠璃の復活編に比べると、やっぱりメインはこっちだよなあ。瑠璃は、仮想世界でも颯太にとって一番身近で頼りになる相手であり、あの別れで心残りとなっていた相手でもあるから、やっぱりねえ。しかし、現実世界の瑠璃が普通の人間であった以上、もうあのアンドロイド瑠璃とは再会叶わないのだと覚悟していたものだから、このダブルルリルリにはちょっと興奮した。なにこの一挙両得な状態はw

そして、ラストにはついにかつてのクエスト寮メンバー勢ぞろいとなる、あの三人の衝撃的再登場。ある意味、ラストバトルのメインヒロインだった鳴の登場は大きいぞー。しかも、ちゃっかり神楽のものだった七徳院No.0を新しく任じられてるしw
まあ、メインヒロインについては菜波も着々とフラグを立てなおしているんですけどね。
とはいえ、今は天界軍に制圧されているブレードフィールドの七徳院メンバーとして現れた以上、単純に味方として来援した、とは行かなさそうだし、まだまだ二転三転しそう。

シリーズ感想

IE イマジナリーエフェクト 2.覚醒の夜4   

IEイマジナリーエフェクト2 覚醒の夜 (講談社ラノベ文庫)

【IE イマジナリーエフェクト 2.覚醒の夜】 南篠豊/羽鳥ぴよこ 講談社ラノベ文庫

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空白症候群によりスフィアを持ってしまった、10代の少年少女たちのみが集められた枝誓館学園へと入学した無燈霞。クラスメイトの籃咲千華や七曇八生、さらにはルームメイトの轟胆力也らと協力し虚の夜宵の攻略を目指すことになる。最初の関門である十の門番に苦戦するも、千華の固有能力と霞の機転により虚獣を倒し、第一階層の鍵―アイの門晶を手に入れる。気をよくし、全員分の鍵を手に入れるべく再度戦いを挑むが、そこにライフルで武装した二人組が乱入して―!?空白を抱えた少年たちが明日を目指し戦う、学園バトルファンタジー、霞の能力が解き放たれる第2巻!
いいねいいね、私、こういう一見して普通に見えるけれど、中身はぶっ壊れている人格異常者タイプの主人公って大好き。大好物。
しかも、その手のキャラクターって往々にして設置型の地雷みたいなタイプが多くて、だいたい受け身なパターンが多いんですけれど、この主人公の霞ときたら自分の異常性に自覚があるにも関わらず、それを歯牙にも掛けておらず、尋常でないほどアグレッシブに暗躍しまくるという恐ろしさ。
凄いよね、本来なら躊躇すべき危険地帯、触れてはならない禁忌の領域を平然とした顔で横断歩道のように渡っていきやがる。その秘密を知ることは、すなわちいつ抹殺されてもおかしくない、その領域に踏み込めばある日突然失踪し、そもそもそこに居なかったことにされるかもしれない。それがどれほど危ういことなのかを理解しながら、そんな真実、世界の秘密、悪意の領分に触れようとするのなら、相応の覚悟、というものが普通はあるものだし、恐れに類する感情が押し殺そうともうちに秘めようとも存在自体はしているはず。
なのに、この霞という少年にはそれが一切ない。躊躇も、怖れも、覚悟すら必要としていない。本当に簡単に軽々と、これほどまでの秘密や情報を道具として利用するのだ。それを目の当たりにした相手が、例外なく顔を青ざめさせて恐れ慄きながら、絶句するのも無理は無い。自動車が行き交う道路で、赤信号の横断歩道をニコニコ笑いながらコチラに向けて渡ってくる人間を見たらどう思うか。地雷原の只中を無造作に歩いてくる人間を見たらどう思うか。雑に扱うと爆発する爆弾でお手玉している人間を見たらどう思うか。車に轢かれない自信はあるのだろう、地雷を踏まない確信はあるのだろう、爆弾を爆発させない手応えがあるのだろう。それでも、成せる、危機を回避できる自信や確信や理解や感触があったとしても、その危険性について全く頓着していないかのような態度を取られたら、感じるのは理解できない未知への、異常性への恐怖だ。
ゾロリ、と彼はその人皮の下に秘めていた異常性をむき出しにしはじめた。
霞はその主体性の希薄さ、自己の薄さを1巻当初からじわじわと滲ませていたんだけれど、その自意識の薄さが故にここまっで危ないやつ、という風には見えなかったんですよね、そのときは。その主体性を、千華への依存によって埋めていく分には、千華は苦労するかもしれないけれど、彼女を尊重している間は大丈夫かな、と思ってたんですよ。
完全に予想外だったのは、彼の優秀さが並外れすぎていて、起こってしまった状況を見事に片付けていく「対処型」ではなく、万難を排してお膳立てを先にしてしまうタイプだった、という事なのでしょう。方向性を得て目標を見定めた彼の行動たるや、まさしくブレーキのついていない点火されたロケットの如き、である。
おっそろしいことに、この男、千華が目指す目標を叶えるために、彼女が気づかないうちにその目標に至るまでの道筋を、切り拓き均して舗装しきってしまうつもりのようなのだ。準備を整える、どころの話ではない。千華が気がついた時には、案内標識付きの信号もついていない専用道路が出来ていかねない。そして、それを為すためならば、一切手段は問わないと来た。暗躍、暗躍、暗躍である。やることなすこと、真っ黒である。腹黒軍師も真っ青である。オーベルシュタインばりの悪辣さである。そして何より、その行動規範に人間味が見当たらない。悪意があれば、まだマシだった。悪魔と罵れるほどの邪さがあればまだ良かった。そこに欲望や妄執があるのなら、それを人間性と言い募れたのだろう。
彼が化け物と言われるのは、強いからではない。謀に長けているからでもない。その精神の異常さを完全に制御して操りながら、しかしその異常さ故に正気を逸脱して完全に暴走しているからこそ、こいつは、人の皮を被った本当の意味での化け物なのだ。
こういう、どう見ても主人公じゃなくて敵役だろう、というキャラクター設定は本当に大好物で、それがここまで野放図に誰にも手綱をひかれず、首輪をつけられず、自由に思う存分壊れたまま突っ走っているさまを見てると、楽しくて仕方がなくなるのです。どうみても、破滅という奈落への直滑降を、嬉々として滑落していく姿は、もう背筋がゾクゾクしてしまいます。いったい、ここまで破綻させてどうやって、リカバリーさせるつもりなんでしょう。千華に、「これ」が止められるのか? 生半可な止め方では納得出来ないイカレ様ですよ、これ。いやあ、ワクワクしちゃうなあ……参った参った。

1巻感想

アルティメット・アンチヒーロー 2.妖精女王と百万の敵3   

アルティメット・アンチヒーロー2 妖精女王と百万の敵 (講談社ラノベ文庫)

【アルティメット・アンチヒーロー 2.妖精女王と百万の敵】 海空りく/Nardack 講談社ラノベ文庫

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神代焔は神すら従える大魔術師でありながら、とある事情により一学生として新東京魔術学園の実習小隊に配属されていた。ある日、任務中に現れた悪魔を倒したところ、クラスメイトのちこりが一人の少女を拾ってきた。彼女は自らを『妖精族』の女王エルフィーナと名乗り、人間界への移住を求めて交渉に来たらしい。――この世界に悪魔が現れるようになってから一世紀。人類が初めて魔界の住人と敵意のない交流をもった最初の瞬間である。しかし、当然ながら人類とエルフィーナとの交渉はうまくいかない。そこで焔がとった手とは……!? いずれ救世主と全ての人間に讃えられる少年が紡ぐ、敵も味方も誰一人ついて行けない常勝無敵ファンタジー第二弾!
人類側の指導者たちが、政治家とかいう以前にただのチンピラヤクザなんですがw
いや、前巻で連中がろくでなしのゲス野郎だというのは嫌というほどわかってたんですけれど、いくらなんでも品性下劣すぎるでしょう。考え方がヤクザやマフィアだの以前の問題で、頭の悪い不良レベルなんですよね。
とにかく言葉をしゃべるだけでも不快、息をしてるだけで怒りを感じてしまうようなクズ野郎たちなので、彼らにある程度でも好きにさせてしまう焔のやり方というのは、どれだけ彼が無敵に近い力を持っていても、いやだからこそか、痛快さよりもストレスが溜まっちゃうんですよね。彼のスケールというのは、本当に常識レベルをはるかにぶっちぎっていて、その振り切り様は実に面白い。オーストラリアさんに謝れ、というレベルのリアル地球が大ピンチ(物理)な暴れっぷりは、もう思わず笑っちゃうほどで、いったいどこまでやってしまうのか、という果てしなさには素直にワクワクさせられるのだけれど、だからこそ、だからこそストレスたまっちゃうんですよ。
ぶっちゃけ、彼にぶっ倒してもらいたいのは、泣かせて悲鳴をあげさせて生きてることを後悔させてぶちのめして欲しい、勧善懲悪の悪として倒されて欲しいのは、むしろ魔王なんかよりもあの人間たちの方なわけですよ。なのに、なんで焔は連中に好きにさせるのか。彼が人間という種に慮っているのは理解できるんですけれど、その人間種に配慮する基準をあの指導者連中に据え置くというのは、腹に据えかねるものがあるんですよね。そいつらに慮ることが、人間社会に慮ることとは違うだろう、と。焔が邪悪なる神々を使役する存在として恐怖されるのは、それはそれで仕方ないのでしょう。でも、怖がられ嫌われ憎まれるのなら、それに相応しい振る舞いをちょっとはしてもいいんじゃないでしょうか。どうも、彼は対等に接するべき相手を間違えている気がしますし、それが故に侮られて舐められてしまっている気がします。それが彼一人にだけ負債となってかかるなら、それは彼自身の選択として仕方ないのでしょうけれど、どうも彼に心を寄せる人たちに余計な負担が掛かっている感じで、それがなんか納得いかないんだろうなあ。
あと、純華は焔と対等になると吠えたからには、今回の相手くらいは一人でなんとかして欲しかった。今のままだと、やはり口だけになってしまいそうで、果てしないなあ。

1巻感想

彼女がフラグをおられたら こんな床が抜ける寮にはいられない、私は角部屋に帰らせて貰うからね! 4   

彼女がフラグをおられたら こんな床が抜ける寮にはいられない、私は角部屋に帰らせて貰うからね! (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら こんな床が抜ける寮にはいられない、私は角部屋に帰らせて貰うからね!】 竹井10日/CUTEG  講談社ラノベ文庫

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『天界』による、ブレードフィールド公国への攻撃から辛くも逃げ延び、日本へ戻った旗立颯太。故国を追われ寄る辺なき身となった颯太が戻る所は、あの「クエスト寮」―仮想世界での再建前と同じ荒廃したままの懐かしい場所にて、再会なった菜波、月麦、駄メイド・眞奈花との生活が始まった。家出してきた茜も合流し寮の再建も進み、以前と同じような日々が過ぎる頃、かの七徳院の支配者・No.0が颯太達の前に傷ついた姿で現れた!月麦の勧めもあって旗ヶ谷学園に編入したNo.0は、意外な素顔を見せ始め…そんなある日ついに颯太は英雄崎凛と再会する。しかし現実世界での凛には驚きの秘密があった!?第2部突入の『がをられ』いよいよ11巻登場!
第二部の現実世界編に入ってから、もう驚きの展開ばかりで仰天しっぱなしですよ。マジで仮想世界編は世界の真理の足掛けに過ぎなかったんだなあ。
初っ端から、この世界の日本の総理大臣が新沢靖臣だった、というのにひっくり返りましたがな。臣くん、なに総理大臣とかなってんの!!??
「臣くん」と言えば、覚えている人も居るでしょう。竹井10日という人をシナリオライターの頃から知っている人からスレば、っまさに原点。この人のデビュー作である【秋桜の空に】の主人公がこの臣くんなのです。妹でないものなどヒロインに非ず、という風潮すらあった妹萌えが全盛期の時代に、姉萌えという新風を吹き込んだあの【秋桜の空に】の主人公なのです。もちろん、奥さんは「だぞっっっっっ!」の人なんですよね?

なんやかんやでクエスト寮も復活し、菜波たちと再びあの寮で暮らすことになった颯太。さすがに、仮想世界のように菊乃や恵までは一緒に暮らす、とまでは行かなかったものの、段々と仮想世界で巡りあった人たちともこの現実世界でも再会していく流れはじんわりと胸に来るものがある。現実世界でも、旗ヶ谷学園の生徒たちはイイ連中ばっかりだなあ。
そして、新装相成ったクエスト寮に新たに加わったメンバーは、まさかの七徳院No.0の神楽・ブレードフィールド。彼女が量産型忍者林瑠璃と戦うシーンはあれ、アニメリスペクトなんだろうか。こっちでは色々ハンデがあってNo.0の方がやられてしまうんだけれど。
ブレードフィールド公国の建国王でもある神楽の知らざれる歴史が語られるのだけれど、これがまた壮絶な話で……異世界の、しかも旧デルタ王国の騎士だったとは。しかも、元黒騎士!! さらに、神竜(SBD)に運命を改変させられたものだったという、そりゃもう凄まじい経歴で。神竜のSBDの意味がここで語られているのだけれど、これもまたビックリというかなんというか。あれ? さらっと登場してましたけれど、ちゃんとセリフありで巴さんが登場したのってこの作品では初めてじゃなかったでしたっけ? 他にも、黒騎士ゼルヴァーン・クレッツベルンが神楽の直弟子だったというのは初情報? 黒騎士関連はちょっと訳わからん形に錯綜してるので、少なくとも神楽の歴史上の位置関係が判明したのは良かった。あの最終決戦で颯太が来た黒い鎧は正しく黒騎士の鎧だったんだなあ。
そして、クエスト寮の一員となった途端に、すみやかにポンコツ化してしまうのは、かの偉大なる神楽・ブレードフィールドも変わらぬ運命だったようで、運命だったみたいで……新お母さんキャラだーー!!
こっちにはリセエールが居ない分、お姉ちゃんキャラが豊富なのに対してお母さんキャラが致命的に存在しなかったのに、ここにきてお母さんキャラの登場ですよ! まさかここでも「お母さんじゃない!」が聞けるとは思わんかったw
いや頼もしいのかそうでないのか。まあ幾らポンコツ化はしても、お母さんキャラは頼もしいですよ、大丈夫大丈夫。
さらに、クラスメイトの良い奴代表みたいな存在だった「茶パ」の、意外すぎるとんでもない正体。これは、隠しキャラとしては最強すぎやしませんかね。リセエールよりも格上ですよ。四人しかいない、クラス・アッパーファーストともなると。

そして、トドメともいうべき衝撃にして驚愕が、現実世界における英雄崎凛との再会、ではなく彼女が持っていた異能力。そう、現実世界でもあのサクラメントは暗躍していたのである。そして、仮想空間に構築された世界にのみ存在すると思われたあの能力が、この現実世界でもまた存在していたのだ。
フラグ操作能力。
この作品にして物語における最大の鍵となる、あの力が再び姿を現したのだ。

激動の展開は一時たりとも止まらない、どころかこれでますます加速していく事になるのだろう。なんかいつの間にか、魔法少女福祉機構の事務総長も交代してるし! 聖帝小路久美子さんことサンジェルマン伯が関係してるんだろうけれど、大魔王はどうしたんだ!?

シリーズ感想

サービス&バトラー 3 3   

サービス&バトラー3 (講談社ラノベ文庫)

【サービス&バトラー 3】 望月唯一/成沢空 講談社ラノベ文庫

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俺が陽菜お嬢様の執事に就いてから三ヵ月が経とうとしている。彼女の執事兼コーチとして働くことになり、所属する第二テニス部と古巣である第一テニス部との抗争などを乗り越えて、今ここに至るわけだ。だが、俺たちが引退したあとに残される後輩の珊瑚のことを考えると、いつまでも第一テニス部と対立したままではいられないだろう。そして俺たちは、珊瑚を――彼女の未来を賭けて、全国レベルの先輩率いる第一テニス部と勝負をすることになるが……!?
「俺もそろそろ着替えるから、珊瑚は着替えを見守っててくれ」
「はい、分かり……ませんよ! 先輩は無限に変態ですね!」
テニス×執事×お嬢様な学園ラブコメ、クライマックスの第三弾!
アンスコがどうしても縞パンにしか見えない! ちょっと激しく動くとポロリしてしまいそうなゆるい胸元といい、このテニスのユニフォーム、エロすぎでしょう。こんなのと男女混合ダブルスとか、目移りして冷静に出来ないですよ。
というわけで、メインヒロインの三人目藤原珊瑚の当番回。ドロップした芹葉や怪我した水瀬と違って、珊瑚についてはまだ本気でテニスで頂点目指しているのに、このまま第二テニス部に入ったままで大丈夫なんだろうか、と危惧していたのだけれど、彼女の話はやはりその辺りの件が中心となりましたか。彼女しか一年生が居ない事も含めて、いったいどうするのか、と。
これはもう、第一テニス部と和解する方向しかなかったのですけれど、これまであちらが第二テニス部に対してやってきたことは到底見逃せる事じゃなかったですからね。どう割り切りをつけるかが問題だったのですが、まあ第一テニス部側にもそうおうの理由と理念があった、として歩み寄るしかないわなあ。少なくとも、珊瑚の兄貴であり水瀬の友人である修一が第一テニス部に居る、と言うことで和解の筋道が残っている分無理はしなくて済んだのだけれど、幾ら後から実は悪くなかったんだよ、と言われてもわだかまりを晴らすのは難しいんですよね。もやもやはどうしても残ってしまう。女性部長を引っ張り出してきて、正面対決でそういうのを吹き飛ばす流れだったんだろうけれど、流石に一気に払拭、とは行かなかったんじゃないかな。
わりと試合のシーンを濃い目にやって、水瀬の試合巧者っぷりを堪能出来たんですけどね。
こういうのは日照田先輩含めて第一テニス部との交流が徐々に進んでいけば解消していけるものなんだろうし、シリーズが続けばそうしたエピソードも積み上げていけたのだろうけれど、残念ながらシリーズここで終了なのね。ようやく全員当番回が済んで、ヒロイン全体にスポットを当てた話に進めるだろう、と思ってたのに。どうしても当番回だと、他のヒロインの出番が限定されてしまって、存在感がなくなってしまってましたからね。特に、陽奈お嬢なんか、第一巻でメイン張っただけで、2巻と3巻では居たっけ?と思うほど存在感薄かったからなあ。
個人的には芹葉がメインヒロインだったので、もっと彼女の出番が見たかった。

1巻 2巻感想

ユア・マイ・ヒーロー 2.千早ぶる神3   

ユア・マイ・ヒーロー2 千早ぶる神 (講談社ラノベ文庫)

【ユア・マイ・ヒーロー 2.千早ぶる神】 幹/ぶーた 講談社ラノベ文庫

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神を創生する千早計画―まだそれは未知であり開発途中であるが、手にすれば世界を操る可能性を秘めていた。それを封じた宝珠は星宮市で保管されていたのだが、ある人物が宝珠を盗み出そうとする。その人物に雇われたのは桁違いの霊力を操る霊能者達。万能な天剣を持つ八雲でも歯が立たず致命傷を負い、やすやすと宝珠を渡してしまうことに!皆が苦戦していた犯人確保に加わったのは、家出した八雲を捜し追いかけてきた妹の茜。彼女は兄と違い才ある剣豪だったが、謎のロシア美女の手に落ち、窮地に追い込まれる。神を創生し操る千早計画の全貌、そして茜の正体とは!?神を殺めるミッションを課せられた、アクションファンタジー第2弾!
苦悩する天才たち。あれほど才に恵まれた巫女である聖でさえも、規格外の存在を目の当たりにしたことで自己肯定出来なくなり、八雲と組んでこの街で作戦行動に入るまで迷いの中に居たように、隔絶した剣才を蓄えた茜もまた、エージェントとしては失敗を重ねて落ちこぼれの烙印を押されかけ、苦悩し続けていたという。
才能の無さ故に苦しみ、実家を飛び出して地べたを這いずるようにヒーロー足らんと努力し続けた八雲だけれど、決して才があるから順風満帆な生き方が出来る、というわけでもないことが、八雲の二人の「妹」の苦悩がそれを示している。そして、彼女たちにとっては才能のない落ちこぼれであるはずの八雲こそが、何者にも代えがたい「ヒーロー」であったのだ。
才はなく力も弱い。どれだけ足掻こうとも、本物の天才との間には越えがたい壁がある。それでも諦めず、歪まず、弱い自分が出来うる事を全部拾って、頭を使い、強かに立ち回り、クレバーに勝ちを拾っていく。それも、ただ勝つことに拘るのではなく、目的を達する事に徹するのでもなく、ヒーローとして悪いやつをやっつけ、助けなきゃいけない人を絶対に助ける、そんなヒーローに、彼は成らんとしているのだ。
数々の名だたる英雄を育ててきた、零落した女神のクロの目は確かだったのでしょう。英雄とは天才にあらず、すなわち「イイ男」ってなもんだ。あらすじには茜の正体云々言っているけれど、むしろ正体に驚かされたのはクロの方である。どっかの元神様であることは既に前巻で言及していたけれど、さすがにこの正体については見識の及ばぬところであり、同時に英雄の教育者としてはなるほどと深く首肯するものでありました。
ってか、日本の神様は全盛期とばかりに大いにはしゃいでいるのに海外の神群の中には既に信仰を失って滅び去ってしまっているものもあるのか。海外は海外で、地元の神様たちがそれぞれに威光を示しているのかとも思っていたけれど。
しかし、現人神になるというのは掛け値なしに人間の枠組みを超える禁忌だったんだなあ。精神が明らかに狂乱しちゃってるじゃないか。人が人以上の存在になるというのは、精神構造から価値観から根本的に変わってしまうというのが当たり前であり……前作の主人公はあれ、なに平然と「朝起きたら神様になってました」みたいな感じで神様にクラスチェンジしてたんだろう。そりゃ、当初他の神様たちや巫女さんたちに警戒されるわけだわ。それ以上に、千鳥がどれだけ危ない橋を真人に渡らせていたのかを今になって目の当たりにして、冷や汗が出てくるじゃないですか。あんた、一つ間違えたら真人くん、こうなってたのよ? どれだけ、自分の人を見る目に自信があったんだか、自分の能力を信じていたんだか……単に恋は盲目だったんじゃ、と思うと乾いた笑いが……。いやはや、今代の現人神さまは、実際偉大な方だったのですなあ。
一方で、此方の主人公にして英雄候補も、何気に尋常じゃないですよね。才能がなかろうと、弱かろうと、助けてと呼ばれたら即座に現れてくれる人ほど、ヒーローに相応しい人は居ないでしょう。
全然スマートじゃないけれど、バタバタと落ち着かずにクールとは程遠いけれど、二人の天才少女が心から憧れるヒーロー見参此処にあり。
惜しむらくは、この二巻でこのシリーズ終了という所でしょうか。せっかく、せっかく八雲の聖にクロに、そこに茜が加わって、ある意味パーティーとしてもラブコメとしても三人と一匹で完成形を得たというのに。ある意味こっからスタートと言っても過言ではなかったのに、勿体無いなあ。
前作から考えても、ほんと話の見せ方、キャラの見せ方、語り口など上手いんですよね。練りこめば練り込むほど味も出てきて、長期シリーズ向きの作者さんなのに。一度、じっくりと長いの書かせてあげて欲しいのです。

1巻感想

アルティメット・アンチヒーロー 常勝無双の反逆者4   

アルティメット・アンチヒーロー 常勝無双の反逆者 (講談社ラノベ文庫)

【アルティメット・アンチヒーロー 常勝無双の反逆者】 海空りく/Nardack 講談社ラノベ文庫

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神代焔はかつて世界中の軍隊を滅ぼした魔界からの侵略者《魔王》をたった一人で討伐した英雄だ。しかし彼はあまりの強さに権力者達から疎まれ『反逆者』の濡れ衣を着せられ社会から追放される。それから数年後、焔は訳あって魔術師学校に入学し『お荷物小隊』と揶揄される少女達の面倒を見ることに。少女達を導き瞬く間に学園最強の小隊に成長させる焔。彼の強さと優しさに心惹かれていく少女達。だが世界に再び《魔王》が襲来するとき少女達は知る。『本物の最強』にとって仲間とは戦友ではなく、守るべき弱者でしかないのだと! いずれ救世主と全ての人間に讃えられる少年が紡ぐ、敵も味方も誰一人ついて行けない常勝無敵ファンタジー開幕!
リアル・マスターテリオンじゃないか、こやつ! ガチでシャイニング・トラペゾヘドロンとか使えそうなんですけどっ!
ぶっちゃけ、その実力たるやラスボス級で主人公として備え持つ力としては完全に反則である。いや、ほんとに【斬魔大聖デモンベイン】の大敵たるマスターテリオンがそのまま主人公サイドで出てきた、と考えてもらって間違いはないくらい。つまるところ、存在からしてデウスエクスマキナなわけです。
そんなんを主人公にして話が成り立つのか、どんな展開にしようとも緊張感が保てないんじゃないか、と思われても仕方ない所なのですけれど、よくよく読んでいるとこの物語の主人公って神代焔であるように見えるんだけれど、実のところ焦点があてられているのはヒロインの星河純華の方なんですよね。それが明確になるのが、焔の真の実力が明らかになり、彼が人間の想像を絶した隔絶した存在だと目の当たりにした上で、彼女が決意を固めた瞬間である。
あの瞬間から、この物語の真核は焔が権力者たちの悪意や魔界の侵攻を問答無用でぶっ飛ばしていくという痛快無双というところではなく、人類が本来望んでも絶対に届かない領域、地上から手を伸ばして月に触ろうとするような行為を本当に成し遂げようとする一人の少女の、血反吐と涙に塗れ何度も心折れ挫折しそれでもがむしゃらに辿り着こうする、その泥臭いまでに無様で美しい姿へと定まったのである。
本作は、厳密には焔は教師や教官という役職についたわけじゃないけれど、その無限に近い知識と実力を活用して、預けられたチームの少女たちを教え導く役割を与えられているので、広義には最近とみに増えている教官モノにあたるのだと思うのだけれど、面白いことにアプローチは逆なんですよね。
いわゆる主人公が教官役としてヒロインたちを教え導く教導者としての立場に立つジャンルである教官モノは、概ね生徒たちは影響を与えられる側でしかなく、師弟としての上下関係が固定されてしまってるんですね。ここに異性間の感情が交じることはあっても、少なくとも実力については追随者に過ぎず、教官役に認められることに喜び、その指導によってメキメキあがっていく力に充実感を得て、その影響下に収まり続けることに満足して、すでに完成されている教官役の主人公の価値観を覆すような事もまずないわけです。
逆に、生徒の側から教官役を担う、既に完成してしまっている主人公に対して決定的な影響を及ぼす、それこそ価値観や考え方、在りようを根底からひっくり返すような、強烈な……攻撃的と言っていいくらいのアプローチがあるケースは本当に滅多と見ない。覚えている限りでは、すえばしさんの【祓魔科教官の補習授業】くらいか。あれも、まだヒロインが決意を固めるというスタート地点に立ったところなのだけれど。
そして、この作品もその数少ない一作になりそうなんですよね。既に完成品である人物を、根本から作り変えるだけの、必死で懸命でがむしゃらで一途な……思いの篭った挑戦の意思を、挑む決意を、純華はこの1巻を以ってスタンバイしたのでした。
しかし、寄りにも寄って、同じ教官モノの中でも特に隔絶した能力を持つであろう焔に対して、あれだけの啖呵を切ってみせた純華は、文句なしにカッコ良い惚れ惚れするようなイイ女ですよ。いやなるほど、中途半端はいけないよなあ。高みへと昇るというのなら、人類最強程度じゃ小さい小さい。頑張れば届いてしまう程度の高みなら価値はない。やるなら、これでもかこれでもか残虐なほどに積み上げた絶対無理筋の領域を用意して、じゃあここまで辿り着いてみろ、と指し示してこそ、其処へ至ろうとする意思と過程に価値が生まれるというものだ。
マスターテリオンと称されるほどのハードルあげまくった焔の実力は、無双する為に用意されたものじゃない。ただただ、星河純華の為に用意された、と見るべきだろう。だからこそ、この作品の本当の主人公は誰であるか、は常に問い続けながら見守るべきであろう。さて、彼女に感化される娘があとどれだけ増えるだろうか。そうなれば、焔は正しくマスターテリオンとしてラスボスの座に腰を降ろせるのだろう。その日が、まことに楽しみである。

海空りく作品感想

銃皇無尽のファフニール 1.ドラゴンズ・エデン3   

銃皇無尽のファフニール1 ドラゴンズ・エデン (講談社ラノベ文庫)

【銃皇無尽のファフニール 1.ドラゴンズ・エデン】 ツカサ/梱枝りこ 講談社ラノベ文庫

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突如現れたドラゴンと総称される怪物たちにより、世界は一変した―。やがて人間の中に、ドラゴンの力を持った“D”と呼ばれる異能の少女たちが生まれる。存在を秘匿された唯一の男の“D”である少年・物部悠は、“D”の少女たちが集まる学園・ミッドガルに強制的に放り込まれ、学園生の少女イリスの裸を見てしまう。さらに生き別れの妹・深月と再会した悠は、この学園に入学することになり…!?
「本当にどうしようもなくなったら、俺がイリスを―殺してやる」「信じて…いいの?」
最強の暗殺者になるはずだった少年と、落ちこぼれの少女が繰り広げる、“たった一つの物語”が幕を開ける―!アンリミテッド学園バトルアクション!
これはまた、切り売りする対価がエグいなあ。しかも、現状その対価と引き換えに与えられる報酬が、失うものに値するかというとかなり微妙なところ。得られたものを活用して引き寄せるに至った結果を見るならば、辛うじて、というところか。
それに、悠当人は対価によって被る損失は自分一人のもの、と思い込んでいるようだけれど、実のところ彼が喪ったものによって煽りをくっているのって、深月の方なんですよね。ラストの展開はなかなかショックだった。彼女がまったく気がついていないところで、彼女の人生そのものを形作っているかもしれないものが、跡形もなく損なわれてしまったかもしれないわけですから。
あれ、場合によっては深月が絶対的なメインヒロインだったかもしれないんですもんね。悲惨なのは、起こってしまっている事態を、彼女自身はまったく知らないというところ。これは、残酷ですよ。時限爆弾としては、かなり強力なシロモノである。爆発した時の惨状は今から寒気がしてくる。
しかし、主人公以外の全員が大火力の対ドラゴン兵器であるのに対して、主人公だけが対人専門、しかも暗部寄り、というのはDたちが置かれた環境を鑑みても、主だったストーリーは対ドラゴン戦と同じくらいの比重で、人間サイドの悪意や政治的意図から繰り出されてくる陰謀の手を、主人公が防ぐというボディガードの話になるんだろうか。実際、この第一巻で既に組織間のゴタゴタからミッドガルに襲撃が行われちゃってるし。
さすがに毎回、悠が対価を切り売りしていてはすぐさま破綻しちゃうだろうし、基本的には対ドラゴン戦と対暗殺者戦は分担、ということになりそう。
まあ既に6巻まで既刊が出ているので、読んだほうが早いのですけれど。
個人的には、イリスよりも深月応援隊だな。幾らなんでも、このままでは可哀想過ぎる。

 

7月4日

松本直也
(ジャンプコミックス)
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稲垣理一郎/Boichi
(ジャンプコミックス)
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藤本タツキ
(ジャンプコミックス)
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阿賀沢紅茶
(ジャンプコミックス)
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マポロ3号
(ジャンプコミックス)
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yatoyato
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土田健太
(ジャンプコミックス)
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橋本悠
(ジャンプコミックス)
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辺天使/津田穂波
(ジャンプコミックス)
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伊藤砂務
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三条陸/芝田優作
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稲岡和佐
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有馬あるま/フカヤマますく
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田中靖規
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岩田雪花/青木裕
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堀越耕平
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古橋秀之/別天荒人
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神江ちず
(角川コミックス・エース)
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路生よる/藤堂流風
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蝉川夏哉/ヴァージニア二等兵
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三上康明/田中インサイダー
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7月1日

紙城 境介
(角川スニーカー文庫)
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メソポ・たみあ
(角川スニーカー文庫)
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ナナシまる
(角川スニーカー文庫)
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shiryu
(角川スニーカー文庫)
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あまさきみりと
(角川スニーカー文庫)
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ミヤ
(角川スニーカー文庫)
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榊一郎
(HJ文庫)
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たすろう
(HJ文庫)
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シクラメン
(HJ文庫)
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かみや
(HJ文庫)
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ぎんもく
(FUZコミックス)
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晩野
(FUZコミックス)
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明地雫/霜月緋色
(HJコミックス)
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森山ゆっこ/はむばね
(HJコミックス)
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黒野ユウ/遠野九重
(B’s-LOG COMICS)
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大和田秀樹
(近代麻雀コミックス)
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6月30日

之 貫紀
(エンターブレイン)
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kawa.kei
(エンターブレイン)
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槻影
(エンターブレイン)
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白水 廉
(エンターブレイン)
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丸山 くがね
(エンターブレイン)
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鹿角フェフ
(GCノベルズ)
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力水
(モンスター文庫)
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蒼井美紗
(Mノベルス)
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よねちょ
(Mノベルス)
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あきさけ
(Mノベルス)
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唐澤 和希
(ヒーロー文庫)
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中野 在太
(ヒーロー文庫)
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新城一/海月崎まつり
(KCx)
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キダニエル/四葉夕卜
(KCx)
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6月29日

榊 一郎
(講談社ラノベ文庫)
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弥生 志郎
(講談社ラノベ文庫)
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雨宮 和希
(講談社ラノベ文庫)
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虎走 かける
(講談社ラノベ文庫)
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謙虚なサークル
(講談社ラノベ文庫)
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深山 鈴
(Kラノベブックス)
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右薙 光介
(Kラノベブックス)
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火事屋/蛙田アメコ
(ライドコミックス)
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真鍋譲治/すかいふぁーむ
(ライドコミックス)
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伊吹 亜門
(星海社FICTIONS)
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柴田 勝家
(星海社FICTIONS)
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6月28日

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6月27日

浦上ユウ
(電撃コミックスNEXT)
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猫夜叉/亀小屋サト
(電撃コミックスNEXT)
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たくま朋正/伊藤暖彦
(電撃コミックスNEXT)
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綾村切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)
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結城鹿介/髭乃慎士
(電撃コミックスNEXT)
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幌田
(まんがタイムKRコミックス)
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6月25日

十文字青
(オーバーラップ文庫)
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鬼影スパナ
(オーバーラップ文庫)
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迷井豆腐
(オーバーラップ文庫)
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篠崎 芳
(オーバーラップ文庫)
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寺王
(オーバーラップ文庫)
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御鷹穂積
(オーバーラップ文庫)
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メグリくくる
(オーバーラップ文庫)
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雨川水海
(オーバーラップノベルス)
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江口 連
(オーバーラップノベルス)
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和島 逆
(オーバーラップノベルスf)
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KK
(オーバーラップノベルスf)
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雨川透子
(オーバーラップノベルスf)
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6月24日

芝村 裕吏
(MF文庫J)
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志瑞祐
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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月見 秋水
(MF文庫J)
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三月みどり
(MF文庫J)
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花間燈
(MF文庫J)
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衣笠彰梧
(MF文庫J)
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常世田健人
(ダッシュエックス文庫)
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ジルコ
(ダッシュエックス文庫)
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疎陀陽
(ダッシュエックス文庫)
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九十九弐式/すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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甘岸久弥
(MFブックス)
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yokuu
(MFブックス)
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天ノ瀬
(MFブックス)
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ラチム
(MFブックス)
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櫻井 みこと
(MFブックス)
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御手々 ぽんた
(MFブックス)
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支援BIS
(KADOKAWA)
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藤也卓巳
(あすかコミックスDX)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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横田卓馬/伊瀬勝良
(角川コミックス・エース)
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ぶんころり/プレジ和尚
(角川コミックス・エース)
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蛍幻飛鳥/志瑞祐
(角川コミックス・エース)
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水無月すう
(角川コミックス・エース)
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鈴見敦/八又ナガト
(角川コミックス・エース)
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御宮ゆう/香澤陽平
(角川コミックス・エース)
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人生負組
(角川コミックス・エース)
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ZUN/水炊き
(角川単行本コミックス)
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神地あたる/白米良
(ガルドコミックス)
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黒杞よるの/雨川水海
(ガルドコミックス)
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村光/ベニガシラ
(ガルドコミックス)
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七六/鬼影スパナ
(ガルドコミックス)
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天羽銀/迷井豆腐
(ガルドコミックス)
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白砂/麻希くるみ
(ガルドコミックス)
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木乃ひのき/雨川透子
(ガルドコミックス)
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6月23日

日向夏/ねこクラゲ
(ビッグガンガンコミックス)
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押切蓮介
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小林湖底/りいちゅ
(ビッグガンガンコミックス)
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深見真/真じろう
(ビッグガンガンコミックス)
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金田一蓮十郎
(ヤングガンガンコミックス)
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佐藤真登/三ツ谷亮
(ヤングガンガンコミックス)
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萱島雄太
(ヤングガンガンコミックス)
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優風
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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6月22日

浅草九十九/和ヶ原聡司
(MFコミックス アライブシリーズ) Amazon Kindle B☆W DMM


安里アサト/シンジョウタクヤ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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中山幸
(MFコミックス アライブシリーズ)
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三ツ矢だいふく
(MFコミックス アライブシリーズ)
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内藤隆/榎宮祐
(MFコミックス アライブシリーズ)
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花鶏ハルノ/相川有
(MFコミックス アライブシリーズ)
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久真やすひさ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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衣笠彰/紗々音シア
(MFコミックス アライブシリーズ)
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フジカワユカ/理不尽な孫の手
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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藍屋球/アネコユサギ
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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クマガエ/宮澤ひしを
(イブニングKC)
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カルロ・ゼン/石田点
(モーニングKC)
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泰三子
(モーニングKC)
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ハナツカシオリ
(モーニングKC)
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瀬下猛
(モーニングKC)
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NICOMICHIHIRO
(モーニングKC)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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藤近小梅
(ガンガンコミックスJOKER)
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田代哲也
(ガンガンコミックスJOKER)
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柊裕一
(ガンガンコミックスJOKER)
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村田真哉/速水時貞
(ガンガンコミックスJOKER)
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都月景/いふじシンセン
(ガンガンコミックスJOKER)
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殿ヶ谷美由記
(ガンガンコミックスpixiv)
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6月20日

風間レイ
(TOブックス)
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ほのぼのる500
(TOブックス)
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楢山幕府
(TOブックス)
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リッキー
(TOブックス)
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こりんさん
(GCN文庫)
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武田すん
(ヤンマガKCスペシャル)
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ペトス/橋本カヱ
(ヤンマガKCスペシャル)
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千田大輔
(ヤンマガKCスペシャル)
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Cuvie
(チャンピオンREDコミックス)
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小坂泰之
(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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6月19日

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6月17日

上遠野浩平/カラスマタスク
(ジャンプコミックス)
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野田サトル
(ヤングジャンプコミックス)
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二宮裕次
(ヤングジャンプコミックス)
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原泰久
(ヤングジャンプコミックス)
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双龍
(ヤングジャンプコミックス)
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深川可純/広報広聴課ゾンビ係
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ/横槍メンゴ
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ
(ヤングジャンプコミックス)
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中山敦支
(ヤングジャンプコミックス)
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光永康則/入鹿良光
(ヤングジャンプコミックス)
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ソウマトウ
(ヤングジャンプコミックス)
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中村力斗/野澤ゆき子
(ヤングジャンプコミックス)
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峰浪りょう
(ヤングジャンプコミックス)
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畑健二郎
(少年サンデーコミックス)
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山田鐘人/アベツカサ
(少年サンデーコミックス)
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コトヤマ
(少年サンデーコミックス)
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松江名俊
(少年サンデーコミックス)
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熊之股鍵次
(少年サンデーコミックス)
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栗山ミヅキ
(少年サンデーコミックス)
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高橋留美子
(少年サンデーコミックス)
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草場道輝/高谷智裕
(少年サンデーコミックス)
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福井セイ
(少年サンデーコミックス)
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安西信行
(少年サンデーコミックス)
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新井隆広/青山剛昌
(少年サンデーコミックススペシャル)
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日向夏/倉田三ノ路
(サンデーGXコミックス)
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麻生羽呂/高田康太郎
(サンデーGXコミックス)
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池澤真/津留崎優
(裏少年サンデーコミックス)
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山田 リツ
(裏少年サンデーコミックス)
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寺嶋裕二
(講談社コミックス)
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三宮宏太/西田征史
(講談社コミックス)
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ヒロユキ
(講談社コミックス)
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福留しゅん/天城望
(フロースコミック)
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伊吹有/葉山湊月
(フロースコミック)
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羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
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三河 ごーすと
(富士見ファンタジア文庫)
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桜生 懐
(富士見ファンタジア文庫)
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陸奥 こはる
(富士見ファンタジア文庫)
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高橋 びすい
(富士見ファンタジア文庫)
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恵比須 清司
(富士見ファンタジア文庫)
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三原 みつき
(富士見ファンタジア文庫)
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あボーン
(富士見ファンタジア文庫)
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白井 ムク
(富士見ファンタジア文庫)
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綾里けいし
(ガガガ文庫)
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カミツキレイニー
(ガガガ文庫)
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伊崎喬助
(ガガガ文庫)
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平坂 読
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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緒二葉
(ガガガ文庫)
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川上 稔
(電撃の新文芸)
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美浜ヨシヒコ
(電撃の新文芸)
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草薙 刃
(電撃の新文芸)
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時田 唯
(電撃の新文芸)
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6月16日

樋口彰彦
(マガジンエッジKC)
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松岡健太
(マガジンエッジKC)
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さとうふみや/天樹征丸
(講談社コミックス)
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あだちとか
(講談社コミックス)
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和武はざの
(講談社コミックス月刊マガジン)
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6月15日

石田リンネ(富士見L文庫)
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猫田パナ(富士見L文庫)
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佐々木禎子(富士見L文庫)
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仲町鹿乃子(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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鍋敷(アース・スターノベル)
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LA軍(アース・スターノベル)
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天然水珈琲
(アース・スターノベル)
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西尾維新(講談社文庫)
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葛城阿高(ビーズログ文庫)
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ぷにちゃん(ビーズログ文庫)
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小田ヒロ(ビーズログ文庫)
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綾河ららら
(サーガフォレスト)
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バッド(サーガフォレスト)
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真安一(サーガフォレスト)
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カヤ(サーガフォレスト)
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コイシ/緑黄色野菜
(コロナ・コミックス)
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よこわけ/やしろ
(コロナ・コミックス)
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わかば/白露雪音
(コロナ・コミックス)
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小田山るすけ/たつきめいこ
(コロナ・コミックス)
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6月14日
ふか田さめたろう
(GA文庫)
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星奏なつめ(GA文庫)
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冬坂右折(GA文庫)
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白石定規(GAノベル)
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星崎崑(GAノベル)
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えぞぎんぎつね
(GAノベル)
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三木なずな
(GAノベル)
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カイシャイン36
(GAノベル)
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よっしゃあっ!
(GAノベル)
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6月13日


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6月12日

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6月10日

荒川弘
(ガンガンコミックス)
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天那光汰/梅津葉子
(ガンガンコミックス)
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おーしおゆたか
(角川コミックス・エース)
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猫田ゆかり
(角川コミックス・エース)
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リムコロ
(角川コミックス・エース)
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冥茶/萩鵜アキ
(角川コミックス・エース)
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浅野りん/ヤングエース編集部
(角川コミックス・エース)
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春花あや
(角川コミックス・エース)
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経験値/TYPE−MOON
(単行本コミックス)
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佐島勤/おだまさる
(電撃コミックスNEXT)
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古宮九時/越水ナオキ
(電撃コミックスNEXT)
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ベキオ/ていか小鳩
(ガンガンコミックスONLINE)
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森田季節/シバユウスケ
(ガンガンコミックスONLINE)
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顎木あくみ/みまわがお
(ガンガンコミックスONLINE)
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加藤衣緒
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/夏海ケイ
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/刻夜セイゴ
(ビッグガンガンコミックス)
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飯島浩介/汐里
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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イノウエ
(サンデーうぇぶりSSC)
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こじまたけし
(サンデーうぇぶりSSC)
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白井もも吉
(サンデーうぇぶりSSC)
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オジロマコト
(ビッグ コミックス)
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サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん
(裏少年サンデーコミックス)
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田村由美
(フラワーCアルファ)
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もこやま仁
(裏少年サンデーコミックス)
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影崎由那/川獺右端
(アース・スターコミックス)
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相模映/吉田杏
(アース・スターコミックス)
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となりける/shiryu
(アース・スターコミックス)
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ユンボ/風楼
(アース・スターコミックス)
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秋乃かかし/裂田
(アース・スターコミックス)
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東崎惟子(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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和ヶ原聡司(電撃文庫)
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白金透(電撃文庫)
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鎌池和馬/冬川基
(電撃文庫)
Amazon B☆W


佐島勤(電撃文庫)
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二月公(電撃文庫)
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鏡遊(電撃文庫)
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真代屋秀晃(電撃文庫)
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周藤蓮(電撃文庫)
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瀧岡 くるじ
(カドカワBOOKS)
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小田 ヒロ
(カドカワBOOKS)
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壁首領大公
(カドカワBOOKS)
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七夕 さとり
(カドカワBOOKS)
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KK(カドカワBOOKS)
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うみ(カドカワBOOKS)
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ふか田 さめたろう
(宝島社)
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魔石の硬さ
(TOブックス)
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ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
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地雷酒(TOブックス)
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サンボン
(TOブックス)
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蒼月海里(角川文庫)
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椹野道流(角川文庫)
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森見登美彦/原案:上田誠
(角川文庫)
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桑原水菜(角川文庫)
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仁木英之(角川文庫)
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6月9日

石塚千尋
(講談社コミックス)
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荒川弘/田中芳樹
(講談社コミックス)
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奈良一平
(講談社コミックス)
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小玉有起
(KCデラックス)
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横田卓馬
(シリウスKC)
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高田裕三
(シリウスKC)
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長谷川三時/七烏未奏
(シリウスKC)
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ヤスダスズヒト
(シリウスKC)
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村上よしゆき/茨木野
(シリウスKC)
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K9/小林裕和/支援BIS
(シリウスKC)
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冬葉つがる
(シリウスKC)
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樋野友行/瀬戸メグル
(シリウスKC)
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刀坂アキラ/加茂セイ
(シリウスKC)
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光永康則
(シリウスKC)
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西田拓矢/海空りく
(シリウスKC)
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松琴エア/はにゅう
(シリウスKC)
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原口鳳汰/カラユミ
(KCデラックス)
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山本やみー/門馬司
(KCデラックス)
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一二三
(KCデラックス)
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がしたに/MITA
(KCデラックス)
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うかみ
(KCデラックス)
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エターナル14歳/御子柴奈々
(KCデラックス)
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桜野みねね
(BLADEコミックス)
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森野きこり
(BLADEコミックス)
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6月8日

かみはら(早川書房)
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西尾維新(講談社)
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ちんねん/能一ニェ
(BRIDGE COMICS)
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佐藤二葉
(星海社COMICS)
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山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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稲葉光史/山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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6月7日

泉光
(アフタヌーンKC)
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TNSK
(アフタヌーンKC)
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水瀬るるう
(まんがタイムコミックス)
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琴子/TCB
(ガンガンコミックスONLINE)
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枢呂紅/優月祥
(ガンガンコミックスUP!)
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雨後一陽/とちぼり木
(ガンガンコミックスUP!)
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西島ふみかる/白縫餡
(ガンガンコミックスUP!)
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雨沢もっけ
(ガンガンコミックスUP!)
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ふか田さめたろう/松元こみかん
(ガンガンコミックスUP!)
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えぞぎんぎつね/春夏冬アタル
(ガンガンコミックスUP!)
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リキタケ/三木なずな
(ガンガンコミックスUP!)
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琴子
(SQEXノベル)
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猫子
(SQEXノベル)
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平成オワリ
(SQEXノベル)
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榛名丼
(SQEXノベル)
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蝉川夏哉
(宝島社文庫)
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貴戸湊太
(宝島社文庫)
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