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遠藤浅蜊

帝都異世界レジスタンス ★★★☆   



【帝都異世界レジスタンス】 遠藤 浅蜊/海苔 せんべい 宝島社

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時は大正。
開国以来西欧から流れ込んできた文化や亜人たちが日本に馴染んできた頃、東京各地に謎の半球形建造物「はむすぴあ」が出現する。
政府の研究機関や軍部の調査により、転移装置であることは判明したが、詳細は一切不明なまま。
ところが、華族・君小路家の娘にしてハーフエルフの少女エアルミアが利用すると、なぜか異世界へと繋がってしまい……。
果たして、エアルミアは「はむすぴあ」の秘密を狙う勢力から逃れ、真相に辿り着くことができるのか!?

エアルミアさん、お母さんがエルフのハーフエルフで華族のお嬢様なのだけれど、どうにもエルフの事誤解してるようなんですよね。いや、エルフという種族がどういう人達なのか詳しく語られてはいないのだけれど、母親のエルフは温厚な人だし途中で知り合う小説家のスオリンドルはやや変人だけれど明治大正の文人らしい変人具合で基本文型なんですよね。
でも、エアルミアが思い描いているエルフというのは、どうも森の王者ターザンとか首刈り戦闘種族アマゾネスとかそっちの類なんじゃないだろうか。なんか常在戦場とか言ってやたらと武術や腕力鍛えていて、いったい何と戦うつもりなんだというお嬢様の手習いの範疇を圧倒的に超えてしまってるんですよね。もうこれ、鎌倉武士の系列なんじゃないだろうか。なんか、やたら短気で喧嘩っぱやいし。何よりも、負けず嫌いが度を越してしまっていて、最初の転移事故で迷い込んだ密林にて最後にドラゴンと遭遇してしまうのですが、ドラゴンの出現にビビって何も出来なかったのがどうしても悔しかったらしく、再戦するためにもう一度転移しようと目論んでいたり、といやいやそれドラゴンは負けず嫌いを発揮するような対象じゃないでしょうに。
そういう、なんとも胸の内に爆発寸前のマグマを飼っているような危険生物な主人公がこのハーフエルフなのですけれど、さすがに気性は激烈に激しいとはいえ見境なしに噛み付くような狂犬ではなく、偶然肩を並べて一緒にサバイバルすることになったクラスメイトの香澄とひなとは戦友として大いに友誼を深めることになる。ドラゴンとの再戦も、自分の勝手なので巻き込むわけにはいかない、とこの件に関しては無理やり一緒に引きずり込む、なんて真似はしませんし。
……本作の作者の遠藤さんは【魔法少女育成計画】シリーズを手掛けている方なのですが、あのシリーズに登場するような似たようなキャラだと、無理やり強引に巻き込んで道連れにしそうだなー、とか思ったり。そういう観点からすると、本作のキャラってわりと突拍子のないところもあるけれど、基本的に相手の気持ちや事情を慮って配慮できたり、友人の心の内をちゃんと察して粋に動いたり、と結構ちゃんと思い通じてるんですよね。
……【魔法少女育成計画】シリーズだとこのあたり、見事なくらいにすれ違い食い違い独善独断自己完結に勝手な解釈、と意思の疎通もままならないが故に余計に酷い展開になってしまうケースが散見されるだけに、ちゃんと友達同士仲間同士気持ちを通じ合わせ、連携もうまいこといって、となっているのは妙に感慨深かったり。エアルミアもひなも香澄も【魔法少女育成計画】の方だと見事に頓死しそうだもんなあ。意志が強くてやるべきを見出している子が生き残るとは限らない作品なだけに。
ひななんて、臆病で小心者で引っ込み思案という小動物的な娘さんにも関わらず、その心意気たるやめっちゃ気合入っていて凄腕の弓術家というのもあって、あれだけ内気にも関わらず自分がみんなを守るのだという固い決意を最初から固めているあたり、非常に気持の強いカッコいい娘なんですよね。この娘が真っ当に奮い立ち要所要所でその気持の強さを見せてくれるのは非常に頼もしかった。ムードメーカーに徹してパニックや気持ちが落ち込みそうな場面で意識的に盛り上げようとしていた香澄も、すごく友だち甲斐のある娘だったんですよね。成金のお調子者でありながら、根底に冷静な眼を常に保っていて盛り上げ役や抑え役、先導役と様々な形で皆の支えになりつつ、一番エアルミアの炎のような性質を理解してくれていて、率先して付き合ってくれるの、ほんといい友達に出会えたなあ、と。エアルミアはその気質から回りに人が寄ってこず孤立しがちで、それをなんとも思っていないタイプなのですけれど、ひなと香澄とのトリオはほんといいチームでした。
と、三人だけではないんですよね。ここに漢オークなザーガットにニンジャ記者の百合子が加わり、なかなか意味不明な人種混合チームになっていくのですが……。
転移先での冒険譚、というよりもその転移装置である「はむすぴあ」を巡る陰謀劇に転移事故をきっかけに首を突っ込むはめになり、という展開で、そういえば肝心のこの「はむすぴあ」とは何なのか、という点については踏み込まないまま終わってしまった。ザーガットが転移先で体感した、自分のもう一つの人生、についても不明なままでしたし。
この世界で普通にエルフとかオークとかが存在する理由にも繋がってくるのだろうけれど、そのあたり仮説を導き出せるほどの情報もまだ出てきていないので、続編次第なのかしら。
……そういえば、最初に転移してしまった密林で出てきたグリフォンとドラゴン、両方ともエアルミアたちが遭遇した時点では彼女たちは存在も知らないはじめてみる謎の生物、という認識だったんだけど、エピローグ付近ではドラゴンとか四国の山奥に棲息している、とか普通に書かれていて、ん? となったんだけれど、これどういう事なんだろう。単にエアルミアたちが無知で知らなかっただけ? それとも、もっと異なる理由がある? かつてザーガットが向こうの世界で見たという赤く光った「はむすぴあ」。さらっとこちらの世界ででもはむすぴあが赤く光った、という記述もあっただけに、気になるといえば気になる。

遠藤 浅蜊作品感想

魔法少女育成計画「黒(ブラック)」 ★★★☆  



【魔法少女育成計画「黒(ブラック)」】 遠藤 浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい! 文庫

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市立梅見崎中学校、2年F組。女子ばかり、わずか15人だけで構成された奇妙な学級だが――
その実態は「正しい魔法少女」を育成するために作られた「魔法の国」肝煎りの特別クラスだった!
選ばれたエリート魔法少女たちは未来への希望に顔を輝かせるが、その陰には邪悪な意思が蠢いており……。
魔法少女スノーホワイトのサーガも、ついに佳境へ。「魔法少女狩り」の新たな獲物とは!?
スノーホワイトは健在なり!
正直、前回彼女が受けた仕打ちは修羅とかしたスノーホワイトをして、耐えられるもんじゃない。ラ・ピュセルやハードゴアアリスが願い思い描いた魔法少女を決定的に逸脱してしまった。罪を犯した、それは致命傷に等しい傷になってしまった、と思ったのですが。
それでもスノーホワイトは屈しなかったのか。
ただ前にも増して陰は濃くなっている感じはあるんですよね。小雪としての普通の少女としての日常生活は完全にドロップアウトしてしまいましたし、「魔法少女狩り」としてさらにダークヒーロー化が進んでしまった感がある。でも健気に本来の魔法少女、初めの頃の志を忘れずにその在り方を続けようという姿勢も保っているわけで、スノーホワイトの心は未だ折れていないのが伝わってくる。
一方で以前のようなほぼリップルだけと連絡を取り合ってた活動と違って、ある種のグループを作って徒党を組んでるんですね。フレデリカの企みの阻止やリップルの救出という大きな目的がある以上、協力者がいるに越した事はないですし一種のスノーホワイト派のようなものが出来上がりつつあるのが興味深い。デリュージが合流しているのもなかなか驚きだったけれど、まさかのシャドウゲールが一緒にいるのは仰天した。本来ならスノーホワイトは仇になっちゃいますもんね。ただ、シャドウゲールの今の状態がそれを許しているのか。正気に戻ってしまったときが怖いんだけど。スノーホワイトの方もよく彼女を傍に置いているもんだと思う所だけれど、彼女としてはシャドウゲールは罪の象徴なんだろうなあ。

さて、またぞろ何のつもりかわからない迂遠きわまる回りくどい暗躍をみせるピティ・フレデリカ。彼女が牢獄から出したカナは本人は何の目的で牢を出されて魔法少女学園に入学させられたか知らないし、本人としては普通に馴染もうとしているのだけれど、それこそがフレデリカの目的のような気もするし、本当に何を企んでいるのか。カナが魔法少女の変身状態を解かないのも随分と意味深な理由があるみたいだし。
折角の学園ものにも関わらず、誰も彼もがギスギスしていて胃を痛めている連中が多すぎるw それでいて大半が事なかれ主義に徹しようとしているのがなんともはや。魔法の国の派閥争いがそのままクラス内に持ち込まれている、と思われている事がこのギスギス感に拍車を掛けているのだけれど、校長や先生が考えているただの派閥争いというわけじゃなさそうなのも複雑怪奇な状況になってるんですよね。派閥の意向を汲んで動いている人は案外少なそうなわりに個人的に、或いは誰かの思惑で動いている者は結構居そう。実際、スノーホワイトが送り込んで情報を流して貰っている娘なんかもいるわけで。
一方でそういう後ろ盾に対して何の知識も感心も持たずにいる権力抗争とは関係ないド素人の魔法少女なんかもいるわけで、でもそういう娘たちも蚊帳の外に置かれているわけじゃなくて、フレデリカのような連中の思惑の中に取り込まれているのではないか、という様子もあって……。
と、権力抗争だけが問題ならそれはそれでシンプルではあるんだけれど、それ以上に人間性に問題があるやつが……メピスあんたのことだよ! 人間的にダメだったりおかしかったりイカレてたりという輩は今までも山程いたけれど、こいつの場合イキってる考えなしの乱暴者で無法者の狂犬というだけで、その上ド素人枠の方だし、こいつが居ないかおとなしくしているだけでこの学園ちゃんと纏まっちゃうんじゃないか、というくらい学級崩壊の特異点になっているように見える。そのわりに、みんなこの娘のこと庇うし当たり障りのないように接してるんですよね。そのおかげで余計に調子乗っている感じもあるし。気を使いまくってるテティがかわいそうすぎる。
カナのマイペースがうまいことメピスの懐に入り込む要素になっているけれど、どれほど怒ってない姿を見せても全然好感度は上昇しないよな、これ。

魔王塾関係者はある意味シンプルで人間的にも信用できそうなんだけど、どうもフレデリカの紐付きの可能性もあるので本人たちの意図しない所で、謀略の駒になっている可能性もあるし、兎にも角にもフレデリカの思惑が見えてこないとどうにも何がどうなっているのか見えてこないというのがもどかしい。ラストの戦闘用ホムンクルスの暴走も意図がわからないし。
その意味では、まさかのスノーホワイトご本人の介入というのは、友好な斬り込みになるかもしれないけれど、フレデリカの用意した盤上に乗ったとも言えるわけで、果たして彼女がゲームマスターなプランニングを盤上から破壊できるのか。なんにせよ、主役たる「魔法少女狩り」の堂々見参である。次巻がどう動くのか楽しみ。本編の続編は数年ぶりの久々だっただけに、次は早めにお願いしたいなあ。

シリーズ感想

魔法少女育成計画 episodesΔ ★★★☆  



【魔法少女育成計画 episodesΔ】 遠藤 浅蜊/マルイノ  このライトノベルがすごい! 文庫

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アニメ化された第1作から、最新作の『魔法少女育成計画QUEENS』、
WEBで連載中の『魔法少女育成計画breakdown』まで、
シリーズを彩る何十人もの魔法少女が所狭しと暴れ回っています!
ショップ限定特典として発表され、プレミア価格がついたショートストーリーも書籍初収録!
コアなシリーズファンはもちろん、アニメを観ただけの人でもたっぷり楽しめる一冊です!
当たり前のようにラ・ピュセルとスノーホワイトのコンビだと思いこんでいた表紙絵、お姫様抱っこされてるのって、スノーじゃないんだ! 思い込みをご指摘いただいたのですが、言われてみればスノーとは全然デザイン違うんですよね。
そして、肝心のお姫様抱っこされてる魔法少女が誰なのか問題。どうやらオリジナルストーリーを展開している漫画版の登場人物ステラ・ルルという子らしく、この子なんと……ラ・ピュセルと同じ男の子の魔法少女なのである!!
表紙絵デザインが倒錯的すぎる!!
シリーズ第一巻のだいぶはじめの方で脱落してしまったラ・ピュセルの人気は、シリーズが既刊10冊まで出ている現状において根強いものがあるけれど、ついに表紙を飾ってしまうどころか、男の子同士ですごい……しゅごい。
しかし、正体が男の子の魔法少女って、少ないながらも居るのは居るのかぁ。魔法の国ではどういう立ち位置になるのか気になるところだけれど、数が少なすぎて特に中枢近くには関与ないんだろうか。
スノーホワイトの「魔法少女狩り」と呼ばれだした頃の話もなかなかに壮絶。あの内気で大人しく、ラ・ピュセルに守られるだけのお姫様だったスノーホワイトが、泣いてばかりで戦うなんてことこれっぽっちも出来なかったあのスノーホワイトが、如何にして「魔法少女狩り」と呼ばれるほどの修羅へと自分自身を改革したのか。いわゆる過渡期がどんな風だったのかはずっと気になっていたのだけれど……そうなんだよなあ。彼女の場合、覚悟は最初のエピソードの段階でキマっちゃってるんですよねえ。躊躇う余裕も迷う余裕も弱い自分を叱咤するような余裕も小雪ちゃんにはもうなくて、その精神はあの地獄を生き残りやるべき事為すべきことを思い定めた時にはもう既に鋼へと化していたのか。
戦歴がほぼほぼ初っ端の段階でフルスロットルなんですよね、スノーホワイト。ラ・ピュセルとハードゴア・アリスの幻影見せられて、あの反応ですもんねえ。確かに自己分析通り、スノーホワイトは力も技も経験も足りていなくて、内心はずっと怖がってて、弱いままなのかもしれないけれど。
その弱さはもう彼女の足を引っ張らない。
そりゃ、監察の人もドン引きですわー。いやまあドン引きまではしてないんですけどね。そんな監察部の動きの鈍さに、さっさと見切りをつけちゃうスノーホワイトがまた極まっているというべきか。そんな鋼の精神の中で唯一リップルにだけ柔らかい気持ちを持っているのが、救いというべきなのか。

面白かったのが、魔王パム主催の魔王塾+外部参加ありの地獄サバイバル編。往年の強キャラたち、中には後の黒幕さんなんかも参加しているオールキャストな武闘祭なのですけれど、見所はその解説をしている魔王パムのひたすら常識的で良心的でマトモな内面描写。シリーズ通して未だに最強の魔法少女と謳われ続けている彼女ですけれど、その言動を見ていると何気にシリーズ通して一番の真人間なんじゃないかと思えてくるんですよね。それでいて、組織人としてのしがらみや派閥の長としての立場に悩んだり、自身の内心のみっともなさに恥じ入ったり、と頭おかしい人が多い魔法少女界隈の中で、この人のマトモさというのは特筆に値するんじゃないだろうか。あまりにマトモすぎて、あんまり能動的に動けず、その強大な力も自由に振るえなかったっぽいのは皮肉な話なのかもしれないけれど。
それでいて、しれっと能力的にとんでもないことやってたりするので、魔王とか称号得ちゃうんですよねえ。
シリーズ自体止まっちゃったのかと長らく新刊出ない状況に危惧していたのですが、どうやら新作も準備されているようで、ウェブ連載も続いてるんですねー。結構いいところというかエゲツないところで止まっているだけに、再開を期待しております。

シリーズ感想

魔法少女育成計画 QUEENS ★★★★☆  

魔法少女育成計画 QUEENS (このライトノベルがすごい!文庫)

【魔法少女育成計画 QUEENS】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい!文庫

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着々と進行するプク・プックの「魔法の国」救済計画。多大なリスクを孕んだその計画を阻止するため、そして囚われの身となったシャドウゲールを救い出すため、プフレは記憶を失ったまま起死回生の一手を打つ―。TVアニメ化された話題のマジカルサスペンスバトル『魔法少女育成計画』のシリーズ最新作がここに登場!「魔法の国」と自らの運命を賭けて、魔法少女達が激突する!

はぁぁぁぁぁぁ……。読み終わったあとのこのため息の重さ。何気に喪失感という意味ではシリーズ屈指だったんじゃなかろうか。これさ、スノーホワイトに対して厳しすぎやしないだろうか。彼女相手に限らないんだけれど、彼女に対する仕打ちというのはこれ酷いなんてものじゃないでしょう。たださえ魔法少女狩りなんて業を背負っている彼女に、これだけの罪まで背負わせて、いくら修羅とかしたスノーホワイトだっていい加減潰れるぞ。ただでさえ、リップルの件でいい加減ひしゃげ掛けていたのに、さらにこれである。ある意味リップルと同じ立場に立ったといえるのかもしれないけれど、今回の一件はラ・ピュセルやハードゴアアリスが願ったあるべき魔法少女としてのスノーホワイトを決定的に終わらせてしまったんじゃなかろうか。スノーホワイトが故人たちが願った魔法少女たり続けられなくなってしまったんじゃなかろうか。
これ、前回のリップルの絶望の繰り返し、いや重ね塗りじゃないか。
このシリーズの片方の支柱であったスノーホワイトがこんな状況に置かれてしまったのもどうしようもない絶望にも関わらず、それで済まさない作者の腐れ外道っぷりがもう泡吹きそうなくらい素晴らしいと言えばいいんですかもう!!

思えば、彼女は一度たりともブレなかった。迷わなかった。目的のために一切譲らなかった。その揺るぎなさは、やり口のダーティーさや手段を選ばなさからも真意がわかりにくい部分もあったのだけれど、振り返ってみると常に常にただひとつだったんですよね。ただただ、その娘を守るためだった。その為に他者を陥れ、権力を手に入れ、立場を作り、環境を整えようとしていた。
魔法少女たちはみんな迷い悩み苦しみながら自分の進むべき道を後悔や絶望をたたえながら追い立てられるように進んでいる。やがて、自らの意志で立ち上がりあるき出したとしても、そこにはいつだって七転八倒するような痛みを抱えながらのことだ。修羅とかしたスノーホワイトですらそれは変わらない。彼女がこの巻でもらした弱音は、地獄の釜のそこで漏らす悲鳴のようなものだった。
そんな中で、彼女だけは一切一切ブレることはなかったのだ。その揺るがなさは、ある意味シリーズに登場していた数々の悪役、黒幕たちと同じだったのかもしれない。敵の敵たる彼女たちは、嬉々としておのが嗜好や信念にすべてを傾けていた。
それと同等、匹敵するほどのゆらぎのない信念として、カノジョはそれを抱えていたのだと思えば、カノジョが味方であったというのはどれほどの安心感があったか。何を考えているかわからない、何を企んでいるかわからない、という要素は常にあり、決して信頼できる人物ではなかったかもしれないけれど、これもカノジョの言動を振り返って見るならばカノジョは常に約束を守り、親身ではなかったかもしれないけれど仲間となった相手の身の安全は常に守ろうとし、それが果たされなければ悔みを噛み締めていた。
振る舞いが悪しといっても、決して根からの悪ではなかったのだ。それもこれも、終わってみれば、の話なのかもしれないけれど、どれほど信じられなさそうな人物であっても、信じるに足る人物だったのだ。
であるからこそ、それが失われた時のこの絶望と喪失感は、今までに類を見ない。
彼女のファンだった。彼女の信徒だった。彼女が好きだった。故に、もう目の前が真っ暗だ。
最初から最後まで、自分勝手な人だった。好き勝手やりたい放題の人だった。相手の気持ちなんか考えてない、いや考えた上で無視してのける酷い人だった。控えめに言ってろくでなしだった。自分が良ければ良い人だったのだ。これで、自分を至上に置くような輩だったら、何の憂いもなく軽蔑できる人だったのに。しかし、最低である。最低のろくでなしだ。
プレミアム幸子の契約書は正しくその副作用を執行した。幸運のしっぺ返しは正しく作用した。あの子が一番大切に思っていた相手は、洗脳したプク・プックだったかもしれない。でも、それ以上に大切に思っていた相手がいた事は、しっぺ返しがあの子にとって最も無残で残酷なやり方でその相手に見舞ったことでも明らかだろう。
彼女にはその自覚があったのだろうか、なかったのだろうか。あったにせよ、なかったにせよ、わかっていたにせよわかっていなかったにせよ、残酷で無神経でろくでなし以外のなにものでもなかろう。

このシリーズ、さすがに以前ほどにザクザクと名前ありの魔法少女が死んでいくことは……いや、結構ザクザクとは死ぬんだけれど生き残りがわずか数人という有様にはならなくなってきたんですよね。かつての惨劇の生き残りが、レギュラーとして参戦するようになってから、生存強度は確かにあがっている。でもだからこそ、あれだけの惨劇を生き残った娘たちが、やっと生き残ってくれた娘たちが、それだけ思い入れがある娘たちが潰える時のダメージはこれまでの非ジャないんですよね。一人ひとりの死が痛切すぎる。痛すぎる。
それでもなお、受け継がれる意思があり、どん底から這い上がる進化があり、新たなる修羅の誕生があったりもするのだけれど……。
本作のサブタイトル「QUEENS」というのはきっと象徴でもあるんだろうなあ。復讐を超えて、引き継がなければ、成し遂げなければならない遺志がある。
ここに、女王は誕生した。それが何を成し遂げるか、魔法の国の暗示された終末と、暗躍するフレデリカにラズリーヌ。次巻、スタートからどう考えてもどん底に近いよなあ。まだ何人か意気軒昂な人たちがいるにせよ。
こうなると、もう誰が最後まで生き残るかも油断できなくなってきて、本当もう鬼畜すぎ!!

シリーズ感想

魔法少女育成計画 episodesΦ ★★★☆  

魔法少女育成計画 episodesΦ(エピソーズ・ファイ) (このライトノベルがすごい! 文庫)

【魔法少女育成計画 episodesΦ】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい!文庫

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第一作『魔法少女育成計画』から『ACES』までに登場した、シリーズを彩る何十人もの魔法少女をぎゅぎゅっと詰め込んだ短編集第2弾!少女達の知られざる活躍に、平穏かつコミカルな日々、本編で発生した事件の思いもかけない裏側まで、見逃せないエピソードをどかんと11編収録しています!『魔法少女育成計画』の世界にどっぷりと浸りたい方必携のこの一冊、ぜひ本編と合わせてお楽しみください!
だ、駄目だ。魔法少女、あんまりにも沢山いすぎて本編参照しながらでないと、この娘誰だっけとか、覚えていてもどういう活躍をしてたんだっけ、と思い出せない。まだ、最初の短編集だと対応作が少なかったからなあ。
意外と、偽魔法少女(?)の魔法少女戦隊は属性色分けがしてあるせいか、ちゃんと覚えられていたのが何ともはや。
でも、やはり死亡退場した魔法少女たちのエピソードは、在りし日の平和な日常編だけに今回もグッと来るものが多かった。特に、最近の作品は前のめりに自分のなすべきことを貫いて死んでいく娘たちも多かっただけに。
一方で、後日談として生き残った娘たちが喪失感を抱えながら、再び訪れた日常を過ごしていく様子も胸を打つんですよねえ。ふとした瞬間に自覚する欠落に影を落としながらも強く生き続ける人もいれば、自分の行動によって命を落としてしまった少女たちを思い、後悔に苛まれる娘もいる。
在りし日の少女たちの輝きと、その輝きの喪失によって訪れた虚、それを踏まえて悲しみを乗り越え、寂しさを生き残った者たちで共有しながら先へと進んでいく。前日譚と後日譚の描き方としては、前回の短編集もそうでしたけれど、威力タップリなんですよねえ、このシリーズ。生き残った娘たちも、もう居ない娘たちも、もっともっと好きになることが出来る。
しかし、その中でもやはりスノーホワイトのそれは、群を抜いているというか、際立っているというか。彼女の生き様は激烈でありながら、地に足がついていて、いやはや凄いわ。

一番好きなエピソードは、あれですね。魔法少女として役に立たない能力を持ってしまい、立場的にも日陰モノとして扱われ、色々な意味で瀬戸際を歩いてかつての魔法少女になった頃の目の輝きを失いながら、集って愚痴を言い合う四人の魔法少女たちによる、思いもよらぬ人助け、魔法少女の初心に帰るような役に立たない能力を駆使しての、人命救助。こういうの、好きだわ。
あとは、袋井魔梨花さんの空気読むスキルでしょうw バトルジャンキーとして、戦闘狂の集まりである魔王塾ですら追い出されたアウトサイダーの彼女の、意外な社交性。そうか、変身を解いた同士の最初の遭遇でスノーホワイト、ガチで袋井さんに気づいてなかったからあの対応だったのか。あとで、名前聞いて正体に聞いて飲んでたもの吹き出すスノーホワイトさんw あの鉄面のスノーホワイトに飲み物を吹かせるなんて、さすがだぜ袋井魔梨花。
いやなんか、マジでこの二人、懇意になりそうでちょっとウキウキしてる。

さあ、アニメ化も近づいてこっちもワクワクですよ。どれほどの阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられるか、視聴者の悲鳴が鳴り響くのかを想像するとw

シリーズ感想

魔法少女育成計画 ACES4   

魔法少女育成計画 ACES (このライトノベルがすごい!文庫)

【魔法少女育成計画 ACES】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい!文庫

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盟友リップルの行方を探しながら、「魔法少女狩り」としての活動を続けるスノーホワイトに、「魔法の国」の国の中枢たる「三賢人」の一人から呼び出しがかかる。指定された屋敷に赴いたスノーホワイトを待ち受けていたのは、高貴そうな雰囲気を身に纏った、幼い外見の少女だった。少女はスノーホワイトに、とある魔法少女の護衛を依頼するが――。
話題沸騰のマジカルサスペンスバトル、ますます絶好調!
ついにこの作品もアニメ化かー。特に一巻はああ無情、ああ無情という惨劇の数々に未読の人が阿鼻叫喚となるのが想像できて、ゾクゾクしますねw
久々のスノーホワイトさん主役回。これまでちょくちょく再登場していたものの、どちらかというと助っ人枠であり物語の主体となるグループは別に居たのだけれど、今回はほぼメインに座っての進行である。もう、貫禄がパないのね。歴戦の戦闘のプロ、という雰囲気がひしひしと伝わってくる。孤高でありながらディスコミュニケーションではなく、けっこう同行するメンバーに対する気配り、心配りもきっちりしているので、この物凄い頼りになる感がパナイのー。強さと優しさが併存している、まさに主人公たる魔法少女。しかし、だからこそこの作品はそうした主人公に苦行を強いていくことに労を惜しまない。
それでも、今回の話を見ていると、ある程度選抜というか整理は終わって、メンバーが整った、という感じがするんですよね。これまで、一話ごとに発生していた魔法少女たちの殺戮劇を勝ち残り生き残ったサバイバーたち。身も心もボロボロになりながらも、それでも生命を使命を祈りを願いを託され、生き残った魔法少女たち。まさに厳選された彼女たちによって、この魔法の国の一番奥底でうごめいているおぞましい核心に至る物語が動き出したように見える。
ここからは、流石にこれまでのようにザクザクと人死は出ない気がするんだけれど、それでも新規参入キャラは容赦なくこぼれ落ちていく可能性は高いので、要注意ではあるのだが。
ぶっちゃけ、かろうじて生き残った面々がこの期に及んで無残に脱落されると、こっちのダメージがもう立ち直れないレベルに達してしまいそうで、いろいろたまらんのですよね。それでも、物語上必要があるなら死は免れない展開もあるのでしょうけれど、このあたりの取り扱いは難しいですぜえ。
そこ、逆を取って生きてさえいればいいんでしょう、と言わんばかりのむしろ生き地獄、を嬉々と味わわせようとしてくる、なんてえげつない真似をしてきたりもするので、油断は禁物である。スノーホワイトとリップルは地獄行だよなあ、これ。敢えて自ら復讐のために地獄の道を行こうとするプリンセス・デリュージみたいな子もいるし、プフレを守るためにドツボにはまりつつあるシャドウゲールみたいな子もいるし。生き残ってなお、過酷すぎる魔法少女業を続けている子たちである。もうこれ、プフレに頼るしかないのか。彼女は悪人だし外道の類なんだけれど、それでも筋は通すし味方として動いてくれるならこれほど頼もしい人もいないので、表のスノーホワイト、裏のプフレという風に構えれば、かなり安心出来るんだけれど……。なにしろ、相手があらゆる意味で腐りきった連中だもんなあ。魔法の国って、もう根本からブラックすぎやしませんか!? 旧ソ連もびっくりですよ。
エピソードとしては、この一巻で前哨戦。ある意味プロローグでしかなかったのか。読んでるこっちも陽動に振り回され、まさかあっちが本命とは夢にも思わず。これは、荒れるぞ。

シリーズ感想

魔法少女育成計画 JOKERS 3   

魔法少女育成計画 JOKERS (このライトノベルがすごい! 文庫)

【魔法少女育成計画 JOKERS】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい!文庫

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今度のバトルは「魔法少女」vs「人造魔法少女」!
己の存在理由をかけて刃を交える少女たち。裏で糸を引くのは、破滅の悪魔か、それとも囚われ人の解放者か。
話題のマジカルサスペンスバトルの新章スタート!

加賀美桜は平凡な少女で、桜が変身する「プリズムチェリー」は平凡な魔法少女だった。
平和な町で、地味な魔法を使い、淡々と人助けを続ける日々に倦んでいた桜は、ある日クラスメイトの青木奈美から声をかけられる。
「加賀美さんさ、魔法少女だよね? あたしもなんだ――」
非凡な魔法少女「プリンセス・デリュージ」との出会いによって、桜の運命が動き始める……!
話題沸騰のマジカルサスペンスバトル、新章スタート!
これ、プフレがどこまでわかった上で行動してるか、だよなあ。見方によっては、フレデリカの魔の手を逃れたとも言えるし。彼女の最優先基準がシャドウゲールなら、ここらへんで親友の精神的なガス抜きが必要だったと考えててもおかしくはないんですよね。他の黒幕と違って、プフレはガワだけじゃなく心の方も慮れる人ですし、そろそろシャドウゲールが自分の悪事に対して色々と擦り減らしているであろうことに気づいていなかったとも思いたくないし。
それに、プフレがフレデリカの危険性について見誤っているとは思いたくないんだよなあ。フレデリカに科せられた「約束」の穴については、ウェディンがどのように死んだかをちゃんと調査していれば、見ぬくことは不可能じゃないと思うんですよね。
さて、「プレイヤー」として誰が一番抜き出ているのか。今のところはフレデリカが主導権を握り続けているように見えるけれど……。あれ、シャドウゲールが渡した記憶情報って、フレデリカについても入ってるんじゃないか?

しかし、今回は終わってもきちんとネタばらしというか、全体の構造図を解説してくれなかったので、誰がどの後ろで糸を引いていたのかがわかりにくくて、スッキリしませんでしたね。一応、情報の材料は揃っているので、全体図の想像はつくのですが。
今回のスタイルは、閉所空間からの脱出ゲーム。わらわらと襲い掛かってくる敵と戦い逃げながら、閉じ込められたダンジョンから脱出を図ろうとする今回のお話は、襲ってくる敵をがある意味「異形の怪物」的なものとして捉えるなら、映画の「エイリアン」とか「バイオハザード」みたいなパニックホラーと見てもいいのかもしれない。揺るがぬ主人公として、今回はスノーホワイトというぶっとい柱が戦闘の中心としても物語の中心としても、ドンと座っているわけですし。
「魔法少女狩り」として恐れられるスノーホワイトの活動はこれまでも語られてきましたけれど、実際にこうやって戦っている姿を見ると、あの初めての戦いのころ比べて別人に近いですよね。このクレバーさといい、不屈の精神といい。そしてあの能力は、主人公サイドで使われると無茶苦茶勝手良すぎて困るくらい。
でも、今度もさらにうわ重ねされるようにインフェルノにあんな願いを託されてしまうと、背負っているものが重すぎて潰れてしまわないかと心配になります。そのセーフティーだったはずのリップルがあんなことになってしまっているわけですし。でも、リップルについてはスノーホワイト、薄々気づいていたのかな。あの娘を見た時の動揺って、結局なんの解説もなかったけれど、どうも異様でしたし。
生き残れたのが結局あれだけだった、というのもスノーホワイトが一緒に居ながら、という惨憺たる結果で、いったい踏みにじられた願いはどれだけ積み上げられたのか。自分のやれることをやって満足して逝った娘もいるけれど、大半が一方的に冒涜され、陵辱され、祈りも何も踏み躙られて悔しい思いを抱えながら潰されたようなものだもんなあ。
まあ、いつものことですが。
でも、そろそろ。そうやって死んでいった娘たちの生き様と死に様を抱えたまま、生き残り今もじっと心の傷の痛みを抱えたまま、惨劇を引き起こしたものに対しての復仇の念を抱いている娘たちが一定数溜まってきた気がするんですよね。スノーホワイト、プフレのようにそれぞれ違う道を歩みながらも、既に動き出している娘たちも居るのだけれど、何というかそろそろ、個々ではなくて、グループとなってもおかしくないような……。

あと、これは余談なのですけれど、袋井さんって周囲からは凄まじくdisられて、魔法少女界隈ではワースト、最悪の外道みたいな扱い受けているのですけれど、別に全然ろくでなしでも外道でも悪人でもなかったような気がするんですけどね。極めて先鋭的なバトルジャンキーですけれど、武闘過激派の魔王一門だったらむしろ馴染みそうなキャラなんだが、魔王派ってあれ単なる体育会系保守派の集まりに過ぎなかったんだろうか。人事目的の派閥っぽい側面もあったみたいだし、純粋なバトルジャンキーはむしり邪魔者扱い、という感じだったんだろうか。

シリーズ感想

特別編集版 魔法少女育成計画 3   

特別編集版 魔法少女育成計画

【特別編集版 魔法少女育成計画】 遠藤浅蜊/マルイノ 宝島社

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奇跡のソーシャルゲーム『魔法少女育成計画』によって魔法の力を与えられた十六人の少女たち。ある日、彼女たちに「増えすぎた魔法少女を半分に減らす」という一方的な通告が届き、無慈悲な生き残りレースが幕を開けた……。話題沸騰中の作品が特別編集版となって登場! シリーズ第一作『魔法少女育成計画』に加え、書籍未収録だった中編『スノーホワイト育成計画』を収録。さらに描き下ろしミニポスター、イラストギャラリーなど、お楽しみ要素満載でお届けします!
あれ? 【魔法少女育成計画】って第一弾は前後編で出たんじゃなくて、一冊完結でしたっけ。ということは二巻をまとめた形式ではなかったのか。勘違いしていた。
そうなると、ほぼお得な要素は中編の【スノーホワイト育成計画】と掌編が読めるというだけで、単行本化ということで値段も倍近くになっているし、積極的にコチラをおすすめ、というのはなかなか言い難いですね。
相変わらず、何度読んでもトップスピードの一件がダメージデカすぎる。後々まで彼女の影響はリップルに色濃く残るのだけれど、犠牲という意味では他の子よりもあまりにも重いんですよね、キツい。
肝心の【スノーホワイト育成計画】ですが、本編後から【restart】までに何があったか、スノーホワイトさん別人みたいになっちゃっているのですが、その間に何がありスノーホワイトがどう変貌していったのかが描かれたのが【スノーホワイト育成計画】のそれである。
シリーズの中でも屈指のおぞましいクズが語り部になっているのですが、こいつの人心操作術は当人が自分の歪みを認めた上で染まりきっている分、本当に気持ち悪くて仕方がない。スノーホワイトは、【restart】で再び登場した時にその変貌ぶりがかなり踏み外してしまった感があって心配してたんだけれど、こいつにこれだけ誘導されてしまったとなると、そりゃ歪んじゃうわなあ。幸いにもギリギリの所で最悪は回避したものの、影響はバッチリ残ってしまったようで、元々最初の事件でブレーキが壊れ気味だったところに、アクセルを踏み抜くのを躊躇わないブレのなさがハマってしまった感があり、これは相当に危ういわ。
これはなるほど、リップルが相当にストッパー役として頑張っていたことが伺える。ただ、だからこそリップルもこのスノーホワイトをサポートするために余計に頑張らざるを得なくなった面もあるわけで、【limited】でああなってしまう遠因にもなってるんだよなあ。そしてその原因がこのクズ野郎ということになると、こいつ自分が撒いた種をまわりまわって自分でちゃんと収穫しているのが、なんだかすごく腹が立つ。決して十全こいつの思惑通りというわけではなく、かなり偶然が作用しているだけに尚更に。
いい加減悪意と腐敗が、息をするのも苦々しいほどの濃度になっているので、一度こうスッキリする話が欲しいところです。まあそういうスパッと爽快さを感じる展開は、このシリーズではあり得ないんでしょうけれど。

遠藤浅蜊作品感想

魔法少女育成計画 limited (後) 4   

魔法少女育成計画 limited (後) (このライトノベルがすごい! 文庫)

【魔法少女育成計画 limited (後)】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい! 文庫

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追う者と追われる者。狩る者と狩られる者。結界で限定された空間を舞台に、魔法少女達の命を賭けた“追いかけっこ”が繰り広げられる。次々と倒れていく魔法少女達。刻々と近づくタイムリミット。状況は常に変化し続け、三つの陣営の思惑は入り乱れる。敵味方の立場さえも激しく入れ替わる血みどろの戦いの果てに、最後まで生き残るのは、そして目的を遂げるのは誰なのか?話題のマジカルサスペンスバトル、第三幕の完結編!
やっぱり、前半は嵐の前の静けさでした。
考えてみると、前2幕と比べて今回は「ゲーム」ではない分、「死」が前提として準備されている環境ではありません。最初のバトルロワイヤルにしても、二回目のデスゲームにしても、ゲームマスターが居てそのGMが用意し強要してくる「死」という脱落をどうやって回避するか、という状況でした。ところが、今回はゲームではないのでGMが(一応)居らず、参加者全員が状況をコントロール出来ないまま渦中にあり、さらに「死」が目標ではなくあくまで結果に過ぎない以上、生存したままこの状況をくぐり抜ける手段や可能性は幾らでもあったわけです。
つまり、どれだけ陰惨で血生臭く悪意に塗れていても、今回の状況は限りなく普通のバトルものに近しい設定でした。前半の死者ゼロという展開は、第三勢力の乱入という要素がまだなく、状況が定まっていなかったとはいえ、死んでいくことが前提の状況ではなかった、というのが大きいと思われます。
だからこそ、ちょっと迂闊にも心に油断を持ってしまっていたんですね。普通のバトルものだと、どれだけバタバタと死人が出たとしても、大切な人を喪ってその遺志を継いだり、辛酸を嘗め外道を目の当たりにしたことで心を改め強い決意を秘めるようになった、などといった生存フラグを立てたキャラは最後まで生き残るものなのだと、思い込んでいたのでした。この作品が、悪名高い【魔法少女育成計画】であることをつい忘れてしまって……。
この三幕、通常のバトルものの枠組みに則って話を進めておきながら、最後にまとめて生存フラグなぎ払いやがった!!
お陰で、魔法少女の死に対するショックは、先の2幕よりもかなりグサリ、と深く突き刺さった気がする。第一幕の、まだ魔法少女の死に様に慣れていなかった頃のショックにかなり近いものを喰らってしまった。もう生き残るだろう、と安心していた所に死角からクラッシュ、だったからなあ。
しかも、今回の一件、ゲームマスターは存在しないものだと思い込んでたら……居たよ、居やがったよ。ある意味、これまでで最も練達の指し手だったかもしれない。彼女、これをゲームにせずにあくまで目的を達するための作業に徹していたからなあ。ちょっと前二幕までのGMとは役者が違ったんじゃなかろうか。立ち位置からして全然違うのだけれど。彼女にあるのは、悪意でも享楽でもなく、善意ですら無く、純然たる理性と秩序と公正さ、なんですよね。ライトスタッフ、とすら言っていいかもしれない。恐るべきは、自身駒としてゲームに放り込まれた経験がありながら、他者を駒として消費し、必要に応じて抹消することを厭わない冷徹さか。
これで、ちゃんと情のある人でもあるので、ちゃんと「身内」の保護については注意していた、と思いたいけれど、さてどこまで手が届いていたものか。実際、ちゃんと生き残っているのを見る限りは……どうなんだろう。
そして、あの人物の生存は彼女の唯一の瑕疵であり、あとあと致命的な事になりかねない最悪の見逃しであったんじゃないかと危惧せざるを得ない。

そして、ラストの展開は喜ぶべきなのか、戦慄するべきなのか。かなり複雑な心境になってしまった。まだ、道が途切れず続いている、というのはきっと喜ぶべきで、実際道が途切れたと思った時にはかなり凹んでいたので、良かったと言えばよかったんだけれど、思いっきりルート変更しちゃったからなあ。
それでも、まだ可能性が続いていると思えば。助けて、スノーホワイト!!

シリーズ感想

魔法少女育成計画 limited(前) 4   

魔法少女育成計画 limited (前) (このライトノベルがすごい! 文庫)

【魔法少女育成計画 limited(前)】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい! 文庫

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「あなた達は魔法の才能を持っているのよ」放課後の理科準備室に現れた妖精は、そう告げると、室内にいた女子中学生達を魔法少女へと変えてしまった。「魔法少女になって、悪い魔法使いからわたしを助けて!」まるでマンガやアニメのような展開に、色めき立つ少女達。誕生したばかりの七人の魔法少女は、妖精に協力することを約束するが…。話題のマジカルサスペンスバトル、ついに第三幕スタート!
バトルロワイヤルにはじまり、続いてはデス・ゲーム。そして今度はリアル鬼ごっこ! と見せかけて、これってモロにスパイスリラーじゃないっすか!! 魔法少女を某国のスパイとか工作員に置き換えたら、まんまスパイ・サスペンスの出来上がりである。
長年行ってきた不正が発覚し逃亡した犯罪者を追いかけるために派遣された捜査官。しかし、人間界に逃げ込んだその犯罪者たちを追うために、外務部や人事部など他のセクションから「協力者」が送り込まれてくる。そして、犯罪者ごと街は封鎖され、脱出不可能になってしまう。あからさまに怪しげなこの干渉の意味は何なのか。逃げている犯罪者は、どこかの部署の重大な秘密を握っているのか、はたまたこの逃亡劇は初めから「裏」の意図があったのか。
セクショナリズムからくる疑心暗鬼に手足を縛られながら、ぎこちない協力体制で犯罪者たちを追う魔法の国のエージェントたち。一方、逃げた犯罪者は事情を知らぬ無自覚な魔法少女を大量に生み出し、正義の魔法少女のつもりの彼女らを駒とし盾として追撃者への反撃を開始。さらに、魔法の国の反体制勢力が刑務所から伝説的な超危険人物を脱獄させ、その一団は第三勢力としてこの封鎖された街へと介入してきたのであった。
とまあ、今回の粗筋をぶっちゃけてしまうと、まさにこんな感じである。同じ魔法の国内部でも、セクションによってすさまじい駆け引きとテリトリー争いがあり、泥沼の足の引っ張り合いが繰り広げられている様子が伺える。場合によっては、謀略・陰謀によって死人もダバダバ出ていそうな雰囲気。さながら、冷戦中の旧ソ連のセクショナリズムもかくや、という有り様である。魔法の国とやら、相当のブラック国家じゃあるまいか。
そんな中で、無茶しがちな友人スノーホワイトを援護するため、組織の中で出世しようとしているのが、1巻より久々に登場のリップルさん。あの社会不適合者だった彼女が、今や真面目に研修を受ける社会人である。立ち居振る舞いはかつての相棒に倣っているというのだから、今は亡き彼女の流星のような生き様は相棒によって受け継がれている、そう思えば、少しでも心慰められようというものだ。あれから随分と魔法少女は死んだけれど、その中でも彼女の死は未だに痛みを伴い忘れられない傷跡だけに。

さて、そんな様々な生き様を示している魔法少女たちの中には組織の猟犬として働くものや、それこそサラリーマンとして組織の歯車となって生活している者もいる。給料があがればテンションあがり、ちょっとオシャレに凝ってみたり、とそこいらのOLと変わらない生き方をしている魔法少女も、魔法少女を仕事、魔法の国の公務員と考えれば存在して然るべきもの。専任魔法少女として戦闘方面とはあんまりかかわらずに生きてきた7753も、そんなOL魔法使いの一人である。それが、何の因果か、スパイアクションさながらの、セクション同士の駆け引きの結果生まれた汚泥のような現場に、偶然かそれとも誰かに意図によるものか、研修対象のリップルと共に放り込まれてしまったのでした。ある意味、一番可哀想な人である。
とはいえ、直属の上司の誘導もあってか、現状彼女が一番イニシアティブを握っているのは面白いところ。7753当人は何が何だかさっぱりわからずまったく埒外に置かれてしまっているのに、気がつけば事態のど真ん中である。
この直属の上司という人も、以前登場した人なんだろうか。どうも、かなりのやり手なのは間違いなさそうなんだが。

驚くべきことに、前編では誰も死なない(実際は一人、合流前に捜査員の一人が殺されているが)まま次回に続いてしまったが、伝説の凶悪犯罪者たちの介入に加えて、新規魔法少女たちの中にどうやら黒幕が混じっているようで、裏切り者は、スパイは誰だ!? という要素もあり、さてこれは一気に雪崩を打って血が流れそうな予感。普通なら7753とリップルは安全枠に思えるんだけれど、この作品の場合そういう既存の概念は捨てて掛かった方が良さそうな気配もあるわけで、希少な前作までの生き残りであるリップルだってそうそう油断は出来ないぞ。意外とハリウッド映画だと、前作の生き残りがサクサクと死んでしまうんですけどね。あれは、でも萎えるんだよなあ(苦笑

シリーズ感想

魔法少女育成計画 episodes 3   

魔法少女育成計画 episodes (このライトノベルがすごい! 文庫)

【魔法少女育成計画 episodes】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい! 文庫

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『魔法少女育成計画』『魔法少女育成計画restart』で、過酷な死のゲームを繰り広げた魔法少女たち。そんな彼女たちに魅せられた読者の声に応えて、本シリーズの短編集がついに登場! 少女たちのほんわかした日常や、不思議な縁や、やっぱり殺伐とした事件などなど、エピソード山盛りでお届けします! 本編と合わせて楽しんでいただきたい一冊ですが、この本からシリーズを読み始めるというのもアリ、かも!?
いやあ、むしろこの本からシリーズ読み始めた方が精神的ダメージ大きいんじゃないかな。とは言え、黒幕もネタバレされてしまっているので、あんまりオススメは出来ませんが。
という訳で、【魔法少女育成計画】【魔法少女育成計画restart】にて登場した魔法少女達一人ひとりにスポットを当てた短篇集。在りし日の魔法少女達を描いた物語。作中では早々に退場してしまったり、その背景も明らかにならないまま退場してしまったり、という娘たちも多かったので、改めてこんなふうに一人ひとりを掘り下げていってくれるのはありがたい限り。そのトップバッターが「ねむりん」というのは、やはりまともにセリフもなく一番最初に見せしめみたいに退場させられてしまった彼女については救済が求められていたのかしらん。何気に重要な働きをしていたことに驚き。ある意味、概念存在みたいになってるんじゃないか、これ。
本編では傲慢で嫌なやつでしかなかったルーラが、平時では居丈高でも親切で面倒くさくても投げ出さない娘だったり、マスクド・ワンダーが元はガリ勉で遊びも解さないやや破綻した人格の持ち主だったり、と本編読んでいるだけではなかなか窺い知れない魔法少女達の素顔なんかも見れたりして、かなり印象が変わった娘も多かったりする。
そんなゲーム、試験が始まる前の日常風景を描いた中で、やはり一番ダメージ大きかったのはトップスピードですねえ。今回、表紙も飾っている彼女。本編で彼女がどうなるか既に知ってしまっているだけに、余りにも幸せそうな新婚生活を見せられると、そりゃもうへこむへこむ。もう、幸せの絶頂だったんだよな。それが、何の因果かあんなことになってしまって。特にお腹の中に赤ちゃんが居た、というのが重ね重ね凶悪すぎる。いい旦那さんじゃないですか。この人が、妻もお腹の中の子も突然訳もわからない原因で喪ってしまった時の絶望に思いを馳せると、本当に落ち込んでしまう。当人も素晴らしくイイ女だっただけに、きっついなあ。
【restart】本編では、過去に何があったか結局わからないままだった、茜や@娘々についても彼女たちを見舞った惨劇が何なのかを予想させる、まだ何の憂いもない幸せだった頃の話が描かれている。殆ど正気を失っていてクラムベリーへの復讐に狂っていた茜がなぜそこまで狂気に侵されてしまったのかも、あれを見たら納得できる。あれを壊されたのだとしたら、もう正気なんか保っていられないだろう。
もうねー、どの魔法少女の娘たちも何だかんだとそれなりに、或いはそれなり以上に魔法少女としても日々を生きる一般人としても上手くやってたんですよね。ややアウトロー入ってる娘たちも居ましたけれど、余計なことをされなければ、何も問題なくやれてたし、幸せで居られたのに、こういうの読まされるとさらに魔法少女達を踏みにじったクラムベリーたちへの憤りは収まるどころか増すばかりです。
せめてもの救いは、生き残ったプフレたちが和気あいあいとやれていることくらいでしょうか。同じく生き残ったスノーホワイトは、あの娘はどうも人生をやや踏み外してしまった感があるので、せめてプフレとシャドウゲールとクランテイルがこのまま良き人生を歩めれば、と願うばかりです。

シリーズ感想

魔法少女育成計画 restart(後) 4   

魔法少女育成計画 restart(後) (このライトノベルがすごい!文庫)

【魔法少女育成計画 restart(後)】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい! 文庫

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ひたすらに激化していく、囚われの魔法少女たちによる生き残りゲーム。残酷かつ一方的なルールの下で、少女たちは迷い、戦い、一人また一人と命を落としていく。警戒すべきは姿の見えぬ「マスター」か、それとも背後の仲間たちか。強力無比な魔法が互いに向けられる時、また一人新たな犠牲者が生まれる――。話題のマジカルサスペンスバトル、第二幕の完結編! 最後まで生き残る魔法少女は、いったい誰なのか!?
なるほどなあ、前回感じたこのゲーム全体に漂っていた違和感の正体はそういう事だったのか。

一応これ以上書くとネタバレになるので、収納しておこう。

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魔法少女育成計画 restart (前)3   

魔法少女育成計画 restart (前) (このライトノベルがすごい! 文庫)

【魔法少女育成計画 restart (前)】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい! 文庫

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「魔法の国」から力を与えられ、日々人助けに勤しむ魔法少女たち。そんな彼女たちに、見知らぬ差出人から『魔法少女育成計画』という名前のゲームへの招待状が届く。先に進むたびに大きな自己犠牲を要求する、理不尽なゲームに囚われた十六人の魔法少女は、自分が生き残るために策を巡らせ始める……。話題のマジカルサスペンスバトル『魔法少女育成計画』に続編が登場! 新たな魔法少女たちの生き様に刮目せよ!
……あれ? なんだこの違和感は。前回の魔法少女たちの殺し合いバトルロイヤルから参加者の魔法少女たちも一新されて始まってしまったのは、オンラインRPGに似た仮想世界におけるデスゲーム。とは言え、前回のように強制的に人死が出る仕様ではなく(少なくとも最初は)、まず四人パーティーを組んでクエストを進めていき、他のパーティーとも協力が可能、というゲームをクリアするにもわざわざ殺しあう必要はない設定になっている。
にも関わらず、何者かによって思わぬ形で命を落としていく魔法少女たち。形としてはデスゲームになっているけれど、状況はクローズドサークルにおける殺人ミステリーと言ってもいいだろう。一体この中の誰が犯人なのか。その犯人は一体どうやって被害者の魔法少女を殺したのか。このデスゲームを主催している謎の魔法少女「マスター」とは一体どういう関わりがあるのか。魔法少女の中に探偵タイプが居るように、今回の話は誰が犯人で、一体どんな動機が、という展開なのだと思われる……今のところは。
でも、なんか変なんだよな。凄い違和感が残ってる。というのも、どうも最初から正気を逸している節があった侍型魔法少女の言動である。彼女はどうも「音楽家」……そう、前回の黒幕だった魔法少女の存在を執拗に追いかけている素振りがあったのである。しかし、このアカネなる侍の魔法少女は、前回のバトルロイヤルには存在していなかった。この侍魔法少女は、その怪しい言動で謎を残したまま早々に脱落してしまう。幾らなんでも早すぎる脱落だ。この少女の存在は、意味がわからない。
そして、もう一人……@娘々という中華風の魔法少女である。この子もまた、途中までは普通にしていたにも関わらず、仲間を失って精神的に不安定になった時に、突然意味不明の発言をしているのである。その内容を鑑みると、@娘々という魔法少女は彼女のものではないような記憶を思い出しているのである。そして、その記憶はやはり前回のバトルロイヤルに関わりがあるようなのだ。
……今回参加している十六人の魔法少女のうち、既に何人かは変身を解いた後の日常での正体とその様子を描写されている。この子たちは、恐らく描かれた通りの素性なのだろう。しかし、未だ変身を解いた後の姿が描かれていない面々については……非常に強い疑惑が募っている。この内の何人かは、果たして「今も生きている魔法少女」なのか?
何やら、目に見えている範囲でのこと以上に、このデスゲームには裏側が存在しているような気配がして止まないのだ。となると、この前回に比べて微妙にヌルいような設定のデスゲームも、現状のままでは進むまいて。
その意味では、非常に美味しい所で止められてしまったと言える。これは続きはよお、と叫ばざるを得ない。
……車椅子少女は、あれ実は結構イイ子、という流れですよね、うん。
あと、前回の生き残りであるスノーホワイトがかなり精力的に正義の味方として活躍しているようで、通常ならゲームに巻き込まれて根幹に辿りつけない今回の魔法少女たちの代わりに、裏のシステムを攻略してくれる役、と見るのがいいんだろうけれど……果たして、素直に正義の味方として機能してくれるのかどうか。

1巻感想

魔法少女育成計画 4   

魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)

【魔法少女育成計画】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい! 文庫

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大人気ソーシャルゲーム『魔法少女育成計画』は、数万人に一人の割合で本物の魔法少女を作り出す奇跡のゲームだった。幸運にも魔法の力を得て、充実した日々を送る少女たち。しかしある日、運営から「増えすぎた魔法少女を半分に減らす」という一方的な通告が届き、十六人の魔法少女による苛烈で無慈悲なサバイバルレースが幕を開けた……。第2回「このラノ」大賞・栗山千明賞受賞作家の遠藤浅蜊が贈る、マジカルサスペンスバトル!
うん、そのうち誰かが絶対に書くと思ってたよ、「魔法少女バトルロワイアル」。あの【魔法少女まどか☆マギカ】のインパクト以来、ここまでそれ系の作品がほとんど見当たらなかった事の方が不思議なくらい。
とは言え、バトルロワイアルというスタイルは昔からありますし、何より「魔法少女たちが血で血を洗う殺し合いを繰り広げるバトロワ」というジャンル自体、【アンチ・マジカル 魔法少女禁止法】という先駆にして金字塔が存在するのですが。あちらは、「魔法少女版ウォッチメン」という触れ込みでしたけれど。
さすがに「魔法少女モノ」というジャンルそのものを主題として舐り尽くした大怪作であった【アンチ・マジカル】に比べれば、本作はあくまで「魔法少女」というのは装いを彩る宝飾品のたぐいであり、主眼はあくまで魔法少女同士の潰し合いなんです。でもだからこそ、なかなかその「バトル」の部分でいい具合にエンタメしてるんですよ。16人いる魔法少女をそれぞれわかりやすくキャラ付けし、その上で一捻りした上で、そこから魔法少女らしからぬ生々しい有様を露呈させていき、これが夢も希望もないどうしようもない只のむごたらしい殺し合いでしかない現実を突きつけていく。この戦いが起こった背景からして軽薄で尤もな理由らしい理由もない空っぽの原因なんだけれど、それを薄っぺらいと判じるかその虚ろさこそが妙なのだと捉えるかは人それぞれだろう。自分は、この憎むより前に呆れてしまう軽薄な悪意は、この無意味な戦いにこそ相応しいと感じましたが。

決して、それぞれのキャラクターを深く掘り下げるといった風情じゃないんですけれど、そのいちいち立ち止まって一人一人の奥底までじっくりと覗きこむやり方をせず、ちょっと乱雑なくらいのスピードで、一気呵成に足を止めずに突っ走った手法は、ややも慌ただしい感があるのは否めないけれど、それでも飽きさせずに畳み掛けるという意味でも実に効果的だった。人死に対して情緒的な演出を排し、どこか淡々と機械的に処理していく描写も、それぞれの死の無為さを引き立てていたのではないだろうか。
ぶっちゃけ、こう「巧い!」と思わせるような作りじゃないんだけれど、如何に読者を楽しませるか、の指標をあれもこれもと欲張らずに限定してそこに集約する質実剛健とした作りは、かなり好みなんですよね。
バトルの展開もなかなか予想もつかない顛末が続出し、二人目の脱落者からこっち、まったく先の展開が見通し立たなかった。なんと!? と驚かされる展開が続出したのも楽しめた要因の一つだったと思われる。

ベタだけれど、好みはやっぱりリップルだよね?
うん、素直にこれは面白かったです。

美少女を嫌いなこれだけの理由3   

美少女を嫌いなこれだけの理由 (このライトノベルがすごい!文庫)

【美少女を嫌いなこれだけの理由】 遠藤浅蜊/黒兎 このライトノベルがすごい!文庫

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完璧な外見と不思議な能力を持つ種族「美少女」が、人間と共存している世界。素性こそちょっと訳アリだが、基本はごくごく普通の男子高校生である亜麻野雄介は、ある日唐突にふたりの「美少女」の訪問を受ける。熱心な説得を受け、また報酬につられて、田舎町の「簡易美少女局」のサポートマネージャーに就任してしまった雄介。可愛くてミステリアス、身勝手で能天気、そんな老若男女の「美少女」たちに振り回される日々が始まった……! 第2回『このライトノベルがすごい!』大賞・栗山千明賞受賞作!
なにこれこわい
あははは、こりゃ参った。いい具合に発狂した世界設定だ。人類とは別に「美少女」なる種族が居る、という所まではどうってことないのだが、「美少女」なのに女だけの種族ではなく、ちゃんと男女の性別があり、老いもあるのだという。見た目、美少女のまま。だから、中年のおっさんの美少女も居れば、枯れた爺の美少女も存在する。
実際、この物語の中心となって動くサブリナは、見た目幼女の金髪ドリルツインテールの美貌麗しい吸血鬼属性の美少女にも関わらず……実年齢四〇代に差し掛かろうという中年のおっさんなのである。
オッサンなのである!!
サブさん、まじおっさんなんだよぉ。もう言動がね、加齢臭漂ってくるんですよ。しかも出来る大人じゃなくてうらぶれた場末で酒臭い息吐いてとぐろを巻いているような、スレたおっさんなんですよぉ。
もうどうしろと。
これで傍目だけは「美少女」なものだから、読んでるこっちは美少女かおっさんかどっちに焦点を合わせていいかわからず混乱弥増すばかり。この違和感たっぷりのシュールすぎる世界観に心が不安定になってきて、もうなんだか笑えてくるのだ。
やっていることも世界の危機だとかいう大きな出来事とは程遠い、美少女の供給過多によって爪弾きにされた末に地方都市の隅っこで本局からのリストラに怯え、監査の人の目の恐々としながら、なんとか仕事を確保しようとドサ回るという、不況下の社会の縮図を見るような世知辛いお話なのである。
いや、でもその世知辛さにため息をつきながらも、グチグチ言いながらもそもそ頑張る姿やおっさんが年甲斐もなくウブな反応みせもって恋にうつつを抜かしたりするのがまた面白いんだが。
……これ、おっさん萌え、という事になってしまうんだろうか。サブさん可愛いなあ、と思ってしまった自分に軽く絶望感がw だが男だ。
呑気なのか朴訥なのか境目がわかりづらい訥々とした語り口もあいまって、妙にアットホームな雰囲気が漂っているのも妙に心地よい。
いやあ、まったくもって奇妙で奇っ怪極まる設定の上に牧歌的(?)で地に足のついたような勘違いをさせられる話が繰り広げられる、何だかほんわかするのに悪酔いさせられたような微妙な感覚がやたらと面白い、ともあれ変な作品でした。
今回の受賞作品の中では、これが一番好きだなあ。
 
12月3日

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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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