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魔弾の王と凍漣の雪姫

魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア) 8 ★★★☆   



【魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア) 8】 川口 士/美弥月 いつか ダッシュエックス文庫

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再起を果たし、タラードとの戦いにも勝利したベルジュラック遊撃隊は、王都ニースに向かって進軍を開始した。
ティグルとミラ、リュディはレグナス王子の軍との合流をはかり、軍から一時的に離れる。
ファーロン王を捕らえて王宮を我がものとしたガヌロン公爵は、己の野望を押し進める一方、ティグルの故郷であるアルサスを焼き払うべく、軍を差し向けた。
悲壮な決意をもって戦うことを決意するウルスの前に、おもわぬ援軍が現れる。それは風を操るジスタートの戦姫だった。
バシュラル王子はレグナスを討ちとるべく動きだし、テナルディエ公爵もまた決断を下す。ブリューヌ王国を取り巻く状況が二転三転する中で、ティグルとミラは望む未来をつかむことができるのか。

ちょっとギネヴィア王女、自由すぎやしませんかね!? 前作・スピンオフを含めても、彼女ほど立場無視して好き勝手動いてた人、いなかったんじゃないだろうか。オルガだってあれ出奔じゃなくて武者修行という体がついてたはずですし。
こんな「乱入」としか言いようがない戦場横入りはなかなかないですよ。なんで此処にいるの!? と、彼女を知ってる人も知らない人も思ったでしょうねえ。この女、確実にロランをゲットして帰るつもりだ。
バシュラル王子は軍事的には常に圧倒していたにも関わらず、要所要所で邪魔が入りベルジュラック遊撃隊にもレグナス王子の本軍にも決定打を打てないままでいるうちに、情勢が変化していつの間にか劣勢に陥ってしまっていた、という振り返ってみると何でこうなった、というような展開なんですよね。
その要所を抑える形で援軍や後方撹乱やら、バシュラルを徹底的に邪魔したのがティグルだったわけだ。その僅かな差を押し切らないといけない時に押しきれなかったのは、バシュラルの限界だったのかもしれないけれど。彼には魔の手引はあったとしても、天分はなかったのだろう。天地人のうち、人がどうしても足らなかったんだなあ。タラードがいるだけでは足りなかったか。ガヌロンは協力者であっても潜在的には敵という認識は最後まで崩れなかった以上、バシュラルはずっと孤軍だったとも言えるし。それであれだけ大暴れできた、というだけでも彼としては本望なのかもしれないけれど。
彼の根源は、話を聞いた限りではやはり母への想いなんですよね。彼が傭兵になったのも、母を支え護るためだったという。その母が病で亡くなり、その直前戦場で戦士としては致命的な傷を負ってしまったバシュラルにとって、そこで人生は終わっていたはずだった。
それを運命の悪戯から命を繋ぎ、それどころか以前よりも増した力を手に入れてしまった。彼の中で燻っていた想いはなんだったのか。父親であるファーロンへの恨み、というほど父への執着はなかったように思う。でも、母との貧しい暮らし、病に倒れ相応の治療しか与えられなかった事への悔しさは、一介の傭兵ではなく王であったのなら母にもっと幸せを与えてやれたのではないか、という未練だったんじゃないだろうか。
でも、幼馴染から伝えられた母の末期の想いは、今のバシュラルの原動力だった野心の根源に、揺らぎを与えてしまった。果たして、母の願いを自分は無視してしまったのか。独り善がりだったのだろうか。
彼が自分の力を試し、やれるだけやってみたい、という真っ直ぐな我欲に殉じたのは間違いない。それでも、ロランやティグルと比べるとどうしても芯の強さに強弱があったように思える。彼の戦いは彼だけの戦いにすぎなかったわけだ。タラードはそれにこそ共鳴共感してたんだろうけど。
親孝行、できなかったんだなあ、彼は。

こうしてみると、主要登場人物の多くはまだ親が健在だったりするんですよね、本作。前作では既に亡くなっていたティグルの父やミラの母も健在で、リュディの父ベルジュラック公もレグナスの父であるファーロン王も子供達に未だ大きな影響を残している。
でも、なかなか親孝行って出来ない状況になってきてるんですよね。ガヌロンが、ファーロンを生かして人質にとっているのは彼の在り方からしてなんか不自然だなあ、とは思っていたのですが。人質なんてやり方に価値を見出しているような男ではなかっただけに。だから、何の目的でファーロン王を確保していたのかが明らかになった時は、深い納得がありました。いやガヌロンの目的は前回わかりましたけれど、方法がまさかそっちだとは思わんかった。
瀬尾さんの方が受肉した形で生き返ってたんで、普通に同じようなものかと思ってしまってた。

ちなみに、ザイアンもお父さんであるテナルディエ公が元気なんですけど、不思議とチマチマとポイント稼いで、親孝行してるんですよね、こいつw
あんまり出来が良くないと思ってた息子が、思いの外よく働くようになったのでちょっと期待するようになってしまった、ってそれなりに親としては嬉しいことなんじゃないだろうか。
でもザイアン、人間的に成長とか全然してないんですよね。いや、全然って事はないだろうけれど、あからさまに人間的に人格的に成長したという様子はなくて、相変わらず自分を大きく見せたがる見栄っ張りの人間の小ささ、小物っぽさは変わらないんですよね。
飛竜を駆って無双! という事もできず、結構ポカも多かったり締りがない結果になってしまったり、という事も多いのだけれど、わりといいところでそれなりに活躍するものだから、どうしても見直さざるを得ないという、どう扱えばいいんだこの男w
でも、憎めなさは際限ないことになってるので、このまま小物っぽいまま功績あげていって欲しいものです。

しかし、エレンとミリッツァまで介入してきて、いつの間にか戦姫みんなジスタートからこっちに来ちゃってるじゃないですか。戦姫、勢揃い! というには、なんかえらいなし崩しというか、いつの間にか集まってしまってた、という感じなのが若干微妙なのですがw
無事、リーザの記憶が戻ったのは良かったのですが、まさか右腕があんなところから出てくるとはw
記憶が戻ったおかげで、あの純真無垢な幼いピュアリーザがいなくなってしまったのは残念なのですが、そのあいだの記憶全部あるみたいですし……これはリーザ、いたたまれないよなあ、これ。
ただ戦姫勢揃いはしたものの、前作みたいにみんなティグルとイイ仲、という感じにはなってないんですよね。リーザもこれ、良い仲間にはなりましたけれどヒロインとしてはハズレちゃってますし。
その分、リュディがグイグイ来てるのとレギン王女が意外とかなりティグルにご執心なんですよね。まあレギン王女はちょっと後発すぎますけれど、リュディは現地嫁でもいいですよ、というスタンスなのでミラ一筋のティグルをして押し切られかねない勢いがあるんだよなあ。
最後のリュディにとって厳しい展開が、ティグルとの関係にどう影響してくるのか。

あと、ミリッツァはこの娘、クリティカルに出歯亀しすぎでしょうw 興味津々のお年頃とはいえ、覗きすぎ!
もうティグルもミラもこの娘には見られてても仕方ない、くらいの覚悟がないと先に進めないぞ。多分、どこでイタそうとしてもこの娘空間転移で現れて覗いてそうですしw



魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア) 7 ★★★★   



【魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア) 7】 川口 士/美弥月 いつか ダッシュエックス文庫

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ブリューヌ国王ファーロンに、庶子ながら王子として認められた若者バシュラル。
彼はひそかな野望を胸に、『黒騎士』ロランを罠にはめ、レグナス王子の抹殺を狙う。
レグナスの護衛を務める女騎士リュディエーヌは、幼馴染みでもあるティグルらの助力を得てベルジュラック遊撃隊を結成、バシュラルと戦うも敗北してしまう。
リュディエーヌを、そしてブリューヌ王国の危機を救うため、ティグルは父の親友であるマスハス=ローダント伯爵に助けを求める。
彼の力を借りて、ティグルたちは再起を計るのだが、そのころ王都ニースでは、バシュラルを操る黒幕であるガヌロン公爵が恐るべき行動に出ようとしていた。
混乱の渦に呑みこまれようとするブリューヌ。数々の困難をティグルは突破できるのか。

ガヌロン、ついに動く! なんかもうガヌロンが敵サイドの主人公、とばかりに掘り下げられてるんですよね。こうしてみると、彼に限らずこのシリーズって前作のエレンがメインヒロインだったシリーズでは描ききれなかったキャラクターに光を当ててるんですよね。
早々に退場してしまったロラン然り。テナルディエ公とザイアン然り。早々に人事不省に陥ってしまったブリューヌ国王ファーロンや、シリーズ始まった時にはすでに亡くなっていたティグルの父であるウルクやミラの母であるスヴェトラーナ。シリーズの終わりにようやく出てきた新任の戦姫ミリッツァ。ギネヴィアやタラートといったメンツにもスポットが当てられ、またリュディやバシュラルといったこのシリーズで初登場となるキャラクターもそれぞれメイン級のヒロインにロランに勝るとも劣らない戦士と、見事に存在感を知らしめている。
これで戦姫たちが目立たなかったら本末転倒だけれど、ちゃんと病に倒れているサーシャ以外は全員出張ってきているもんなあ。戦姫を引退したヴァレンティナまで、情報担当としてちょいちょいいい仕事してくれてますし。

しかし、ガヌロンが最初に仕えたブリューヌ王国初代のシャルルに深い思い入れがある事は前シリーズから語られていましたけれど、ここに来てその詳細が深く掘り下げられる事になったわけですけれど……ちょっとガヌロンさん初代のこと好きすぎじゃね? しかもちょっとツンデレ入っているし。
盲信してるとか忠誠心の塊、とかではなく、口ではシャルルと呼び捨てにしているし、あくまで対等、向こうがうるさいから仕えてやった、みたいな素振りのくせに、実際の様子を見たらめっちゃ一途なんですよ。最初から最後までシャルルの王道に付き合い、その戦いに寄り添い、仲間たちが死んでいく中で唯一最期を看取り、その後も公爵としてブリューヌに仕え続けてたのって、これ間違いなくシャルルへの忠誠ですよね。魔物を食らってしまって人ならざるモノになってしまった時、シャルルの下から離れようとした時に、お前は何も変わっていないじゃないか、と引き止められてその後もそばに居続けることにしたのって、もう完全に魅入られちゃってるじゃないですか。
ガヌロンって、あの他者に対する残虐さ非情さはもう人間としての心を喪っていると思うんですよね。元からそういう人間だったとは思えないんですよね。ガヌロンの記憶から伺えるシャルルの言動からして、今のガヌロンのような人を人とも思わない残酷さ、嗜虐性、殺戮は好まないし、恐怖で派閥の貴族や民を支配するやり方も必要以上にやりすぎていて、初代を支えた名軍師としてのガヌロンにはそぐわないように思える。
魔物を食らったことで、徐々に身も心も魔物のようになってしまった、というのならそれも理解できるのです。他の魔物たちは、ガヌロンの事を食らった魔物とイコールに見ている事からもガヌロンという人間に食らった魔物が侵食して染め上げていても不思議ではないなあ、と思うんですよね。
しかし、ガヌロンは自分が魔物であることを否定し続けている。他の魔物たちを敵視し、彼らには決して迎合しようとしないまま、ブリューヌの貴族としてシャルルの後裔を見守り続けてきたことは、ガヌロンのシャルルへの忠誠と友情、思い入れを伺わせてくれるのではないだろうか。
でも、彼の中では幾ら見守っていても、シャルルに匹敵するような偉大なる王はついぞ今まで現れなかったんですよね。自分が仕えるに足る王は現れなかった。その絶望が、さらに彼の魔物化を推し進めたのか。
それとも、心も魔物になってしまっていたから、どれほどの名君が現れても認められなかったのか。自分の中のシャルルに並ぶ、上回る存在を受け入れられなかったのか。
彼の中でどれほどシャルルが美化されて特別な存在になってしまったのかは定かではありませんけれど、果たして本来のシャルルとガヌロンのイメージの中のシャルルとでは一体どれほど乖離してしまったのか。
自分の記憶の中のシャルルに囚われたガヌロンは、ついに彼の後裔に再来が現れることを諦め、シャルル当人を蘇らせることを願ってしまう。その果てが、本当の絶望である可能性など微塵も考えず。
王都を支配しながら、決して玉座には座らず、その横に立ち続け主君の復活を待つ姿は、彼の挙兵が野心ではなく拗らせた忠誠と友情と……懐旧にあることを如実に示していて、どこか切なく虚しく哀れに見える。
だが、いずれにしてもガヌロンの挙はただでさえ庶子バシュラル王子とレグナス王子の対立によって内乱状態に陥りかけていたブリューヌを一気に争乱へと向かわせるのであった。

ここで、ブリューヌ国内の各勢力が一気に動き出して、王都を目指して参集しはじめるのは情勢が加速し集束していく怒涛の勢いを感じられて、ワクワクしてくる。
それも敵と味方の簡単な二勢力ではなく、リュディとティグルとミラたち戦姫が集うベルジュラック遊撃隊に、ロランが合流したレグルス王子の軍勢。待ちの姿勢を覆して積極的に動き出したテナルディエ公の軍勢、ガヌロン一派でありながらガヌロンの思惑とはまた別の独自の考えを持って動いているバシュラル王子とタラートの軍。そしてついに動き出すエレン率いるライトメリッツ公国軍に、聖剣片手に一人乗り込んでこようとしているギネヴィア女王。いや、最後のギネヴィアさんはちょっと冒険しすぎやしませんか!? こっちには側近のリネット居ないのか、先回りして捕まえる人いなかったのか!? 意中のロラン卿をゲットするため、という目的もなかなか酷いと思うのですけどw

リーザは引き続き記憶喪失のままなのですが、精神が子供帰りしたリーザの純真無垢さが眩しい!
これでティグルにべったりだったらアレなのですけど、ティグルは遊撃隊での仕事が忙しいのも相まってあんまり関わりなくて、主に面倒を見ているソフィーヤとどんどん百合百合しくなっていくのはなんともはや。おかげでソフィーヤもティグルにちょっかいかけてる暇なくなったもんなあ。
リーザの右腕が切り落とされてしまった件は、これで戦姫としてもう戦力外になるのかと思っていたら、そこまで軟弱じゃなかったか。というか、利き腕落とされてしまったにも関わらずリーザを見捨てない操雷の鞭「ヴァリツァイフ」、根っこはワンコなんだろうか、こいつ。








魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア) 6 ★★★★   



【魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア) 6】 川口 士/美弥月 いつか ダッシュエックス文庫

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ブリューヌ王国に激震が走った。自らを王の落胤であると名のる青年が現れたのだ。彼の名はバシュラル。厳重な調査の末にバシュラルは認められ、正式に王子となった。
そして、大貴族であるガヌロン公爵が彼の後見役となった。
ガヌロンの支援を得たバシュラルは各地を転戦して武勲を重ね、諸侯の支持を得ていく。ごくわずかな期間で、彼は次代のブリューヌ王となるレグナス王子に対抗しうる存在となった。
冬の終わりのある日、バシュラルはついにある行動を起こす。だが、そこに計算外の要素が現れた。
黒騎士ロランの守るナヴァール城砦から火の手があがったという知らせを聞いて急ぎ駆けつけたティグルとミラたち、そしてレグナス王子の腹心のひとりリュディエーヌである。
リュディエーヌと出会ったティグルは、ブリューヌの歴史を大きく変えるであろう出来事に自ら関わっていく。
人気シリーズ、急展開の第6弾。

セカンド幼馴染きたーー! あ、いや、ファースト幼馴染はティッタだから、サード幼馴染になるのか。
というわけで、サイドテールが眩しい公爵令嬢騎士リュディエーヌ・ベルジュラックの参戦である。前シリーズでは登場しなかった完全新キャラ。サイドテールと書いたけれど、これ結構複雑な結い方した髪型だぞ?
なんか既視感あるなー、と思いながら見ていたキャラデザインなのだけれど、そうか、リリカルなのはのヴィヴィオに似てるのか。スッキリした。
いやこの期に及んで新キャラ、しかも幼馴染って、と思ったけれどこれが遅れてきた最終兵器の様相を呈する強キャラでした。幼馴染と言っても、ずっと一緒に居たタイプじゃなくて毎年ある季節に遊びに来ていた来訪型なんですが、ティグルと一緒に山の中を駆け回っていたという意味ではミラと負けず劣らずで、色んな意味でミラの最大のライバル出現、なんですよね。
何よりキャラクターがいい。性格は明るく活発で前向き。ちょっとドジっ子な所もあるのは愛嬌で、
気性は素直で女の粘っこい所が全然ないんですよね。同性相手にも嫌味がなくて、ミラに対しても無邪気なくらい当たりが良くて、裏表がないものだから、ティグルに幼馴染全開で身近に親しく接するリュディにミラもモヤモヤするものの、どうしても敵意や対抗心を持てないという感じになってしまってるんですね。
戦士としての技量も相当のもので、竜具やそれに匹敵する伝説の武器こそ持たないものの技量に関してはミラも自分と同等以上、エレンと比べても引けは取らないのでは、と評価する強者で、女性キャラとしては最強格なんですよね。だから、ミラも同じ女性の身の上で自身を鍛え上げたリュディを騎士としてこの上なく認めている。おまけに自分の紅茶の趣味でも結構話が合って話題も尽きないし、ティグルとの距離感の近さもミラに見せつけようとするものではなくて、二人の世界を作らず自然にミラの方へも距離感詰めてきて気の置けない様子で接してくるのである。それも気を遣ってとか気を回してみたいな意識的なものではないんですよね。
ミラって、オルガにも入れ込んでたようにこういう純真で直向きで悪意とかまったくないタイプって弱いですよね。ミラ自身面倒見が良いタイプというのもあるんだろうけど。
リュディの方はこうしてみると、人間関係引っ掻き回しているようで、ミラがあれだけティグルと眼の前でイチャつかれているにも関わらず絆されてしまっているように、これ誰とでも仲良くなれるっぽいタイプなんですよね。グイグイと懐に飛び込んで、自分とだけじゃなくて周り同士を繋いでしまうような。何気にハーレムなんかだとヒロインたちのまとめ役みたいになりそうなポディションだぞ。
この物語においても、リュディってこうしてみるとティグルとあらゆる意味で相性ピッタリなんですよね。山に放つと帰ってこないティグルと一緒に山野を駆け回れる活動派だし、お姉さん風吹かせつつドジっ子要素でティグルも目を離せずにいてしまうタイプでお互い変に気を使わずそのままで過ごせる距離感ですし、同じブリューヌ国民であり、公爵令嬢として嫁にすればティグルの国内での躍進に寄与する立ち位置ですし。彼女の実家であるベルジュラック家というのはちょっと特殊な立ち位置の公爵家で、血を取り込むことに積極的であまり身分差とかはこだわらない所らしいんで、ヴォルン伯家でも結婚相手としては何の問題もないようなんですよね。
他国の貴人として、ティグルとは身分差だけではなく国の違いというものが大きく横たわっているミラとは、ハードルが全然違ってくるんだな、これが。ティグルが国を捨てずにブリューヌの貴族として生きていくなら、リュディエーヌこそが最上のパートナー足り得るわけで。
ミラとしては、リュディエーヌの登場はかなりショックなことだったんですね。
今回のブリューヌの内乱で自分がブリューヌの人間であることを強く意識しだしたティグル。これまで他国をめぐり、そこで自分の国を立て直そうという人たちと一緒に戦ってきた事も大きいのでしょう。外国で過ごすことで、自分の出自や故国をより強く意識するようになるケースはよくあるようですが、ティグルも今改めて自分の国について自分がよく見ようとしてこなかった事に気づき、自分がアルサスという自分の故郷だけではなく、ブリューヌという国自体に帰属意識を持っていることを自覚しだしているのである。
ミラと結ばれるため、という最大目標の他に、この故国ブリューヌという国を自分の手で変えていく、という事をこの内乱とリュディエーヌの誘いをきっかけに考え始めるんですね。
それは、ミラにとってある種のパラダイムシフトでもあったわけだ。これまではティグルが自分を射止めるために、武功を上げて立場を獲得して自分のいる所まで駆け上がってくるのを、期待して手助けして待ちわびていたのだけれど、リュディエーヌは公爵令嬢というティグルよりも立場が上の人間であるのだけれど、待つのではなく彼の隣に自分が駆け寄ることに躊躇する事がないのを知って、自分が彼の隣に立とうと自分から動こうとした事がないこと。今回ティグルが他国との内通を疑われたように、自分と仲良くすることによってティグルが被るデメリットがあったように、リュディと違って自分が彼に与えてあげられるものが、どれほどあるのか、という疑念。
こういう形でミラがティグルと自分の将来について、不安と心もとなさを抱いたのは初めてだったんじゃないだろうか。それは、ティグルがいずれ自分に矢を届かせてくれるという信頼と期待と愛情とは関係ない、ミラが自分自身に抱いたティグルと結ばれるに足る資質と資格への疑念だったわけですから。
即座に解消、とまでは行かないもののミラの憂いを晴らしてみせるあたりが、さすがティグル、といった所なのですけれど、今回のことはミラにとってもティグルとの関係を進める上で意識を変えるものがあったんじゃないでしょうか。
ティグルは、ミラに一途なんですけどねえ。

さて、今回のブリューヌの内乱には新たに庶子として王族にたったバシュラル王子という新キャラの登場があったのですが、ガヌロンを後ろ盾に表舞台に立った、という時点でこいつ傀儡かそれとも魔物の擬態か? と一旦は疑ったのですけれど、どうやら純粋な人間であり本当に王子であり、ガヌロンとは利用し合う関係以上のものではなく、彼個人としてはガヌロンのヤバい部分には気づいていて、いずれ袂を分かつつもりはあるようなんですよね。
それ以上に、元傭兵であり彼個人がロラン級の戦士というのが何ともはや。いやいや、ロランと互角以上ってこの世界で実質最強格ってことじゃないですかー。ミラたち戦姫よりも確実に上、複数人掛かりでも勝てず、って魔物じゃない人間相手だと初めてなんじゃなかろうか。
おまけに、アスヴァールから流れてきたタラードが仕官していて、弓の腕ではティグルに匹敵する上に指揮官としても最上級のこの男がロラン級の戦士にして指揮官であるバシュラル王子と組んでいる、ってちょっとヤバくないですか?
実際、ティグルはミラとリュディエーヌと共に戦って、最初は何とか逃亡。諸侯や騎士団をリュディが糾合して軍勢として戦った次の戦いでは、敗走の憂き目にあったわけで。
ミラが自軍を率いていなかったのと、ティグルが一勢を率いるだけの権限を持てずに指揮権を持てなかった、という点が大きいにしても、完全にバシュラル・タラードのコンビに敗北を味わわされる結果に終わったんですよね。このバシュラルの強敵感よ。
これ、こっちも早くロランと合流してのロラン・ティグルの最強コンビを組まないと対抗出来ないぞ。
このバシュラルも、ガヌロンから与えられたという形とはいえ、オートクレールという伝説の武器を携えているわけで、また伝説の武器持ちの英雄が現れたということなんですよね。
各国それぞれにレジェンド級の武具を携えた英雄たちが降り立ち、割拠するというなんか群雄伝の様相を呈してきて、前シリーズよりも戦記寄りのダイナミックな展開になってきたなあ。

しかしロラン卿、今回だけで二度も「ロラン暁に死す!」になりそうな死亡フラグ全開の展開を切り抜けたんですよねえ。ほんと、ロラン卿しぶとい!

そして、ソフィーに拾われたエリザヴェータが、記憶喪失のお陰で外面を全部引っ剥がされて根っこの部分の正義感たっぷりの優しいイイ子な所が思いっきり曝け出されてしまい、おかげさまでソフィーが思いっきりリーザに情が移ってしまって肩入れしてしまうことに。
記憶ないとここまで人懐っこいのかリーザってば。まさかここで、ソフィーとリーザがここまで親密なコンビになってしまうとは。記憶の方は早晩戻りそうな気配があるのだけれど、その前にエレンとも会っておいてほしいなあ。エレンの反応が面白いことになりそう。或いは、エレンの方からリーザに気づくことも可能になりそうだし、今のリーザなら。


魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア)5 ★★★★   



【魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア)5】 川口 士/美弥月 いつか ダッシュエックス文庫

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アスヴァール王国の内乱は、勝者となったギネヴィア王女が宝剣カリバーンを正式に継承し、父王の跡を継ぐ形で幕を閉じた。ティグルはブルガスの地で手に入れた黒い鏃にまつわる『魔弾の王』の足跡を追って、ミラたちとともにザクスタン王国へ向かう。ザクスタンでは王家と土豪が対立を深めており、各地で小さな争いが頻発していた。王都を目指して旅をしていたティグルたちは、雪の降る山中で因縁のある魔物ズメイに遭遇する。激闘の末にティグルと離れ離れになってしまったミラは、ヴァルトラウテと名のる土豪の娘に助けられる。彼女の傍らには、少女と呼んでいい年齢の戦姫の姿があった。山と森の王国で、ティグルとミラは新たな戦いに身を投じる。

ザクスタン王国で出会ったのは、14歳の最年少戦姫のオルガ・タム……14歳だったのか! ミリッツァが15歳なのでほんとに一番下じゃないですか。しかも、二年ほど自分のブレスト公国を出て放浪していたらしいので、戦姫になったの12歳だったんですね。子供じゃないの!
そりゃ、公国の運営とかそうそう上手くやれんわなあ。
前作でもオルガは戦姫になった直後に公国を出て旅に出てたんだけれど、実際に何があって自分が領主には相応しくないと思うに至ったのか具体的な話は出てきてなかったんですよね。なので、どちらかというと最良の領主とはというテーマに対して哲学的に悩んでるみたいな感じになってて、その解決もティグルを見初めてアルサスという領地を守るという明確な意識を持っていた彼を観察するために行動を共にするうちに、そのまま特に具体的な解決があったわけではなく流されてしまった感があったんですよね。
一方、今回はまず最初にあったのがミラだったからか、彼女が戦姫として立派に領主を務めている事もあって彼女に相談することに。その際、オルガの経験不足や潔癖な姿勢から起こしてしまったミス、失敗例などが話にあがって、なるほどなあ、と。
これは誰が悪いということではなく、本当に経験不足ゆえだったんですよね。ミラのように生まれが代々戦姫の家柄で、幼い頃から教育を受けていたわけじゃなく、傭兵として生きていたエレンや商家の人間だったというソフィーのように実地で経験を詰んできたわけでもない、遊牧民族の中で生きてきたわずか12歳の子供にいきなり公国の政務をやれ、と言われてもできんわなあ。
いや、それまで公国の運営を担ってきた文官の人たちも決してオルガを蔑ろにしていたわけじゃなく、むしろ幼い彼女を慮り気遣って尊重しすぎたことがまずかったのか。この娘、傍目こそ無口で無表情で何考えてるかわかりにくい娘なのだけど、凄く真面目で何事にも真剣で緩みがない娘なんですよね。いや、遊牧民族らしい自然体こそが本質なんだろうけど、慣れない環境で肩肘はって頑張っちゃったんだろうなあ。
でも、こういう娘、ミラからするとどストライクだと思うんですよね。真面目な子、シンパシーが通じると言うか、ミラってこの手の娘凄く相性いいんですよ、多分。なのでか、随分と親身になってオルガと接することに。
ミラの変化、ティグルと出会った事によって戦姫という枠組みにはめ込んだ自分だけではない、枠組みを広げて俯瞰的に余裕を持って違う視点から自分の立ち位置を振り返ることが出来るようになっていた事が、余計に悩むオルガに親身になれた要因なのかもしれません。
自分でもちょっと触れていますけれど、ティグルと会わなかったミラなら、戦姫としての責任を一時とはいえ棚上げして、放浪の旅に出てしまったオルガのこと、たとえ理由があったとしても未熟と断じて突き放しそうですし。代々戦姫を継いできた家柄ゆえのプライドが、そういうの甘えとして見たんじゃないかな、というのが前シリーズのミラからは伺えましたし。
その意味でも、ミラとオルガがこんなに仲良くなるのはちょっと意外なくらいで面白かった。こんな世話好きだったっけ、と思うくらいオルガの事可愛がってますし。妹みたいに思ってるんじゃないだろうか。この新しい関係性はなかなか新鮮で味わい深いです。

さて、舞台はアスヴァールからザクスタン王国に。国が変われば自然も変わり、国情も変わってくる。漫遊記みたいになってきたなあ、と思いつつ国をまたぐたびに景色が変わるのもまた何とも楽しい味わいで。ザクスタン王国は前作でも戦争してたりしましたけれど、実際にザクスタン本国に足を踏み入れることは……あったっけ。ただあったとしても軍勢を率いての進軍、という形だったと思うので国の中を実際に歩いて周りを見渡し、匂いを嗅いで人々の生活の様子を眺めて、という風情ではなかったですからね。このアスヴァールとはまた違う深い森の国の様子はなかなか情緒的なものがありました。人狼、と呼ばれるあやしい存在の噂がまた拍車をかけるのですが。
それに、国の体制も他と違って王家の力が非常に弱く、土豪と呼ばれるこれもう独立勢力ですよね、公然と王家と張り合ってる勢力と常に小競り合いしてるような情勢で。
そんな中で、魔物との交戦によって別れ別れになってしまったティグルたちとミラ。はからずも、王子と行動をともにするようになったティグルたちと、土豪連合の主力を担うヴァルトラウテという若き女主人に保護されたミラ。なんか、ロミオ&ジュリエットな様相も呈している状況のなかに首を突っ込んでしまう。ジュリエットがまた勇ましいんですけどね。勇ましいと言っても性格的には理性的で、むしろ家のしがらみに囚われているというべきか。先代の父を王家とのトラブルで喪ってしまったが故に、余計に土豪としての立場にこだわってしまっているというべきか。心情としては王子の側にあるのに、自縄自縛になっていた所にミラとオルガという外の人間であるからこそ胸襟を開けて話せる友人と出会えて、想う所変わっていくという感じでしたね。
同じく領主としての悩みを抱えるオルガに、自分と同じ女領主として戦士として堂々と振る舞いつつ恋にもまっすぐ生きているミラ。影響を受ける、という意味では実に効果的な二人でありましたし。
王子の方はひたすらいい人で、こいつ大丈夫かと思うくらいお人好しなんですよね。ただなよなよしてるし戦う力はないものの、無力さに打ちひしがれて縮こまらずどんどん行動に出る気力があり、聡明でもあり、彼を侮らずに脇を固める人材がいたら見違える気配はあるんですよね。実際、ティグルが協力することで一気に状況を打破できたのは、彼の手腕でもありましたし。何より、あの一途さは好感を持たざるを得ないですわ。

しかし、魔物側の思惑も相変わらずまとまっていないというか、個人個人で勝手に動いているというか。最終目的は一緒のはずなんだけれど、やはりこのシリーズの最大の敵はミラの祖母の体を使っているズメイ、ということになるのか。今回の人狼と呼ばれる人の意識を失わしめ徐々に怪物に変えてしまう存在も、ズメイの仕込みだったわけですし。
このザクスタンでは、宝剣バルムンクが登場してきましたけれど、どうもこの剣は一筋縄ではいかなさそうな気配があるんだよなあ。なんか、危険視されて封印されてたみたいだし。今の所、ヴァルトラウテが使ってるけれど特に怪しい影響はないんだが……。

ところでこれ、結果的にザクスタン王国、中央集権化が進みそうなんだけど、隣国であるブリューヌ的には大丈夫なんだろうかw ティグルくん、思いっきり手助けしちゃってるけど。

さて、前回えらいことになってたリーザですけれど、途中で彼女に呪いかけてた魔物の婆ちゃんが呪いが解かれちゃった、という話をしだして、その流れであいつ死んだわー、みたいな話になってて、マジかー! と結構焦ってたんだが、どうやら生存はしていたみたいで……。
でもこれ、まさに前シリーズと真逆の立場になっちゃってませんか、リーザさん。残念ながら拾ってくれたのティグルではない、という時点で不憫度はまったく解消されてないのですが。どうもソフィーが引き取ってくれそうなので、変なやつに拾われてない分まだマシなのかもしれませんが。

そして、なんかもう登場するだけで面白くなってきたザイアンくん。お父さんに怒られるの巻。竜の世話係の娘が理不尽な目にあった、と勘違いして父親への恐怖も忘れて激高するなど、なかなか良いところも見せてくれましたけれど、オチがやっぱりザイアンくんでナイスザイアンw
いやでも、ザイアンくんちょっとチョロすぎませんかねw 勝手にどんどん侍女のアリエットへの好感度あげてってるんですが。多分、アリエットの方は別に好感度あがってないぞw


魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア)4 ★★★★   



【魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア)4】  川口 士/美弥月 いつか ダッシュエックス文庫

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エリオット王子を利用してアスヴァールの内乱に介入すべく派遣されたティグル、ミラ、ソフィーたちジスタート軍は、暴虐の限りを尽くしていた魔物・トルバランを討ち取り、港町デュリスの解放に成功した。が、王子の急死という予期せぬ事態の発生により、急遽、ギネヴィア王女を総指揮官とするアスヴァールおよびブリューヌとの連合軍を結成して、ジャーメイン王子と対峙することに。ジャーメイン王子の勢力圏へ橋頭堡を築くために港町マリアヨを目指す連合軍だったが、待ち構える敵の船はこちらの倍以上。圧倒的劣勢の中、アスヴァールの覇権を巡る戦いの幕が上がろうとしていた。

ミリッツァちゃん、この娘いい性格してるわー。性格というか、おませさんというかエロ小娘というか。エザンディスの瞬間移動能力をヴァレンティナとは別の意味で悪用してやがるw
しかしヴァレンティナ、この世界線でも他の戦姫たちから嫌われてたのかー。どうせ寿退社した件で他の戦姫たちにマウント取りまくったとかそんなんじゃないのか?

さて、アスヴァール内乱編は本格的にギネヴィア立志伝という体の戦記モノに。後ろ盾を持たないギネヴィアが頼らざるを得ないのは、ブリューヌ軍とエリオットの死によってギネヴィアに乗り換える事にしたジスタート軍という外国軍という状況なのだけれど、地元に基盤がないというのが逆に今のアスヴァールの状況では差し引きプラスに働いた、というべきなのか。
大陸派と島派の対立構図が激化している現状では、どちらの諸侯とも縁を繋いでこなかったギネヴィアはフラットな立場で扱えるということなのだけれど、勿論扱いを間違えると父王のようにバランスを重視しすぎて何も出来なくなってしまうか、内部対立を激化させて組織集団としての体をなくしてしまうか、のどちらかなのでギネヴィアの手腕とカリスマが問われることに。
こういうケースだと、外国軍であるブリューヌとジスタートは傀儡とならずとも主導権を握って権益や利益を確保しまくり、自国に都合の良い政権を誕生させようと尽力するものなんだけれど、何しろブリューヌ側の指揮官は清廉な騎士であるロランだし、ジスタート側も寝技は得意だとしても悪辣ではないソフィとミラなだけに、ほんとに純粋な支援軍みたいになっちゃってるし。
勿論、ギネヴィア政権が誕生したらその功績からアスヴァールには多大な借りを貸し付けることになるんだろうけど、良心設定になるんだろうなあ。

ともあれ、後手後手に回ってしまったジャーメイン。さらに疑心暗鬼を募らせて信望を喪っていってしまったのも相まって、戦況はギネヴィア有利に。海戦での大勝がきっかけだったとはいえ、なんとか島派・大陸派を取りまとめて戦略も堅実に進めて間違わなかったギネヴィアの手腕は大きかったのではないかと。この点、ギネヴィアを侮ったジャーメインの失点ですね。この内乱がはじまるまでギネヴィアを眼中に入れていなかったのも、それまでのギネヴィアの自由気ままな振る舞いを見ていればわからないでもないのですけれど、内乱始まってからのギネヴィアの動きを注視していれば、もう少し積極的に動けたのかもしれません。戦姫や黒騎士ロランの輝きに目を取られてギネヴィア本人の資質に目を曇らせてしまった、とも言えるのかもしれませんが。

しかし、まさかのザイアンくん登場参戦ですよw
相変わらず性格ネジ曲がってますけれど、仲良くはなれないけれど信頼はできる、というくらいに成長したんじゃないでしょうか。人間的な余裕が出来た、というべきか。あれで出来たの? と言いたくなる所だけれど、昔のザイアンなら飛竜にちょっかいかけようとした子供を止めることすらしなかっただろうしなあ。あの若干飛竜に舐められてる竜との関係は愉快なんだけど、もうちょっと頑張れと応援したくもなりますなあ。

一方でひとりえらい目にあってしまうリーザさん。この娘、相変わらず貧乏くじ引いてるよなあ。仮にも戦姫が暗殺者紛いの仕事を請け負っているという時点で、他の戦姫よりも公国の王としての立場苦しいんじゃないだろうか。他の貴族からの要請を断れない、という事でもありますし。
しかし、あのラストの展開はどう持っていくつもりなんだろう。ギネヴィアとしても、今回の一件は変な形でボタンを掛けてしまった気がしないでもないですし。なんか変なスイッチ入ってません?
リーザもまさかあれで、とはならないでしょうけど。むしろ、彼女の右手の問題が早く解決するきっかけになればいいのだけど。ってか、この世界でもリーザってばエレンにボコられて例の力望んじゃったのかしら。

今回はロランとがっつり組んでのタッグ戦、みたいな形になっていたティグルですけれど、この二人の相性ってもしかしたら戦姫たちよりも上なんじゃないだろうか。息ピッタリすぎやしませんかね!?
ってか、ロランのデタラメっぷりがホント凄いんですけど。こいつ、人間か!?
そんなロランが前衛にいたら、後ろからティグルがやりたい放題なんですよね。もちろん、竜具を使う戦姫たちとティグルのコンビはその竜具の能力や黒弓との相乗効果も相まってバッチリ以外の何者でもないのですけれど、ロランとティグルのそれは虎に翼、という感じすらしたんですよねえ。
二人共、純粋に技量が噛み合った結果、なのかもしれませんけど。にしても、繰り返しになるけどロランがバカ強すぎるw

シリーズ感想

魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア)3 ★★★★   



【魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア)3】 川口 士/ 美弥月 いつか  ダッシュエックス文庫

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ライトメリッツを襲ったアスヴァール軍を撃退し、エリオット王子を見事に捕らえたティグルたち。ジスタート王国はエリオットを利用して、アスヴァールの内乱に介入することを試みる。遠征軍の指揮官に任命されたのはミラとソフィーの二人だったが、その人選にはいくつもの思惑があった。
同じころ、アスヴァールの王女ギネヴィアは、自らの野心をかなえるためにブリューヌ王国を訪れていた。ブリューヌは黒騎士の異名を持つロランに、あることを命じる。
野心家たちが入り乱れ、混迷渦巻くアスヴァール島で、ティグルとミラの前に新た
な強敵が立ちはだかる。戦いの先で二人は何をつかむのか――。
アスヴァールって前作では特に元ネタがどこに国とか意識していなかったのだけれど、今回はハッキリとイングランドがモデルとわかる描かれ方になっている。とはいえ、大陸側に領地を得る過程など歴史的推移に関してはイングランドのそれとはだいぶ違っているので、史実のイングランドと重ねて考える必要などこにもないのでしょう。ただ聖剣カリバーンが実在し円卓騎士団がかつて存在したというのはかなり重要になってきます。
このシリーズだとジスタートの戦姫たちが携えている竜具とティグルが持つ「黒い弓」以外にも魔物に対抗できる伝説の武器が各国に一つ以上はあるみたいなんですよね。いや、実際に国ごとにあるかはわからないのですけれど、ブリューヌには現在ロランが所持しているデュランダルがあり、こっそりギネヴィアがくすねていたカリバーンと、色々と登場してくるんですよね。そして、それらは実際に得意な力を秘めていて、魔物たちと相対せる力を持っている。ギネヴィア王女は前作ではタラードが下剋上した時の旗印というか神輿という扱いで特に自己主張していなかったのですが、今回のシリーズでは兄弟の争いに割って入る形でブリューヌに助力を求めて女王として立つために第三勢力として名乗りを上げて、さらにカリバーンの所持者として戦場に立つことに。前は立ち絵すらなかったのに、今回は挿絵にもバンバンと登場して戦姫はジスタートの専有ではありませんぞ、とばかりに大活躍。泳げなくて溺れるロランを自ら海に飛び込んで助けたり、と活発に動いてますし何やらロランにご執心。さらに彼女に指針を与えたのが昔ブリューヌを訪れたときに出会ったティグルのお父ちゃんというのだから、ティグルにも縁があるわけで面白いポディションになってきてるんですよね。
ジスタート側は前回ライトメリッツにちょっかいかけて捕えたエリオット第二王子を傀儡にして後押ししアスヴァール王に仕立てようと、ミラとソフィーの軍を派遣させたわけですけれど、ブリューヌ側も王様がけっこう積極的に動いていて、ギネヴィア王女を支援してロランたちの騎士団を送り込んで来てるんですよね。彼女が女王になればよし、そうでなくてもガヌロンの暗躍の裏付けを取りにかかっているところなど、ブリューヌ王がかなり意欲的なんですよ。この方、元気だったらこんなに政略にも謀略にも手を伸ばせる人だったのか、と感心する次第。
とはいえ、現状ミラについているティグルとしては、アスヴァールの地で故国と対立する陣営に立ってしまったわけで、これ困るよなあ。
幸い、魔物トルバランが暴れまわっていたお蔭で渋々共闘しなくてはならなくなったエリオット王子側とギネヴィア王女側。でも、トルバランが動き出してなかったらティグルとしては非常に苦しい立場に追い込まれてたんじゃないだろうか。とはいえ、ティグルの行動もブリューヌ王の指示でもありますし、王命に違反しているというわけでもないんですよね。その点を押し出してティグルってばミラの元から離れる気は一切なかったようですけれど。ミラの味方をし続ける、という点に関してはティグルはどう情勢が変わっても譲らない覚悟はあるようで。ある意味ブリューヌという国もアルザスという故郷も、今のティグルにとっては重くはあってもミラよりは軽い、という比較になってるっぽいなあ。親父殿が生きていて、弟が生まれているという前作からの変化が、ティグルの気持ちを想像以上に軽くしているように見える。
しかし、エリオットはあの退場の仕方はなかなかひどいと言うか可哀相というか。さらっと彼なりの王になりたい動機やギネヴィアにはちゃんと告げなかったけれど、王位を得たらどういう国を作るかというものに伝統を廃してやりたい指針を持っていたようなので、それを誰にも告げず知られず秘めたまま、結構雑に退場させられたのはなんとも無残な話であります。これ、何気にミラとソフィの失態として本国から怒られちゃうんじゃなかろうか。まー、ジスタート王がどれだけ本気だったかどうかだけど。
しかしトルバランはこっちでもやはり強大な敵でした。変な異能ではなく、純粋に化物としてのパワーで押してくる、ってレベルを上げて物理で殴るそのものなので、ちょっとどうしようもない所ありますもんね。しかも、トルバランの特性として竜具を眠らせてしまう、というのがあるのでこっちの特殊能力で押し切るという手段がとれないですし。
デュランダルを装備したロラン、という人類最強の近接戦闘型人間がいなかったらまともに太刀打ちすら出来なかったんじゃなかろうか、今回。前作ではついに実現しなかったロランとティグルの同じ戦場、同じ敵を前にしての共闘、という夢のタッグマッチが見られたのは感慨深いにも程があります。剣のロランと弓のティグルのタッグってそれもう無敵じゃないですか。
それですらもトルバラン相手だと負けそうになったわけですから、どれだけ強かったんだ、というところ。ロランが為すすべなく吹き飛ばされる場面とか想像だにしなかった。

前作ではアスヴァール王になったタラードだけれど、今回は今も第一王子の麾下にいるようで。おとなしくしているようなタマではないですけれど、ギネヴィアはカリバーンの力もあって自力で女王へと登極しそうな勢いですし、傍らにはすでにロランを配しているわけで、タラードはどうなるんだろうホント。
そして、竜を乗りこなせるようになりつつも、竜騎士ドラゴンライダーになったらなったで意外と実際に竜に乗って戦うって難しいというか戦いようがないことに気づいて愕然とするザイアンくんw
竜に乗っての偵察って何気に戦局に重要な価値をもたらしそうな兵科ではあるんですけれど、公爵の御曹司が担うのって確かに微妙ではあるんだよなあ。テナルディエ公爵が危惧しているように、かなり危険でもありますし。どうするんだ、ザイアンくん!

シリーズ感想

魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア)2 ★★★★   



【魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア)2】  川口 士/美弥月いつか ダッシュエックス文庫

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ブリューヌ、ジスタート連合軍によるムオジネル侵攻は、失敗に終わった。アルサスに帰還したティグルだが、国王からの密命を受けてジスタートへ向かう。愛するミラとの再会を無事に果たし、オルミュッツを訪れたティグルを、新たな出会いが待ち受けていた。ミラと険悪な間柄で知られる戦姫“銀閃の風姫”エレオノーラが来ていたのだ。一方そのころ、北西の王国アスヴァールは、ジスタートに野心の牙を向けようとしていた。そこには、戦による混乱と流血を望むブリューヌのガヌロン公爵と、そして魔物の影があった。黒弓と竜具に導かれるティグルとミラの運命は。新たな魔物との戦いが幕を開ける!
前作のメインヒロインであるエレン、ミラがヒロインとなったこちらのストーリーでは領地同士の繋がりも乏しいし、今回はしばらくは疎遠という形で行くのかなー、と思ってたら第二巻で速攻ガッツリ絡んできた。
もともとミラとはライバル関係だし、アルサスとエレンのライトメリッツも隣国と行っていい距離だし関わり合いにならないほうがおかしいか。いやでもね、前回のメインヒロインだけあってエレンとティグルってやっぱりべらぼうに相性いいんですよ。初対面で意気投合してしまうくらいには。しかも、身持ちの固いミラと違ってエレンてばやたらと全裸登場する始末。いや、エレンさんてばティグルに裸見せすぎじゃないですかね!? もうこれエロス担当ヒロインじゃないですかー。
ミラが思わずやきもきしてしまうのも無理からぬところでしょう。ただでさえ、ティグルとは表立って付き合えない身分差の恋ですものねえ。ティグルが一途で居てくれているからいいものの。これに関してはミラからはどうしようもなくて、ティグルが身を立ててくれないとどうにもならないですからねえ。それに、ある意味一代の戦姫だったエレンと違って、ミラのところは代々が戦姫を継いでいる家柄というのが、ティグルとの婚姻を面倒なことにしているわけで。ティグルも軽々には婿入りとか出来ない立場だもんなあ。親父殿が健在で幼く腹違いとはいえ弟がいる、というのは前作と大きな違いではあるものの……。下手に出世してしまっても、そうなると所属している国が違うという壁が隔ててしまうわけで、いやこれ前作よりかなりヒロインと結ばれるハードル上がってるなあ。
おまけに、魔物との戦いが本格化しはじめたこともあって、ティグルには早々に後継者、子供を作ってくれないと困るという話が持ち上がってしまい、これはまた形は変わってもまたぞろ嫁さんたくさん出来てしまうパターンなのか。
国内情勢も、ティナルディエの嫡子であるザイアンが生きてて竜騎士になるべく頑張ってたり、黒騎士ロランがバリバリ現役でファーロン王もガヌロンから手出しされていないのか健在と大きく異なっていたけれど、ここで国際情勢の方も前作とは大きく様相を異にしてきてアスヴァール王国の内乱もギネヴィア姫の動きが大きく変わっていて、これ成り上がったタラードどうなるんだろう。

ムネジオル王国の方でも、ダーマードがなんか第二の主人公みたくアイシェ姫をヒロインにして独自のストーリーを展開していて、こっちも目が離せない状況になってるんだよなあ。
もう一人、戦姫ミリッツァも今回ミラにもティグルにも会わないまま、一人でアルザス訪問したりと動いている様子が描かれていて、ある意味ソフィよりも重要な役どころなのかもしれない。

あ、ルーリックもちゃんと登場してくれましたが髪があるルーリックって新鮮w

シリーズ感想



魔弾の王と凍漣の雪姫 ★★★★   



【魔弾の王と凍漣の雪姫】 川口 士/美弥月 いつか ダッシュエックス文庫

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弓は臆病者の武器。祖国でそういわれ続けてきた少年は、少女の言葉によって己の進むべき道を見いだし、守るべきものを得た。二年後、ブリューヌ王国はジスタートと同盟を組み、大国ムオジネルと開戦する。ティグルは病に伏せた父ウルスに代わり、初めての戦場へと向かった。戦争は順調に進んでいるかのように見えたが、奇襲を受けブリューヌ軍は戦線崩壊する。敗足するティグルの部隊。その窮地を救ったのはオルミッツ公国の戦姫、リュドミラだった。二年ぶりの再会を喜ぶ二人。しかし、その行く手には新たなる戦いが待ち受けていた。戦乱の世を舞台に、伝説の時代より続く闇の勢力との戦いが、今はじまる!!
MF文庫で展開された【魔弾の王と戦姫】シリーズの完全IFシトーリーとなる本作。リュドミラをメインヒロインに完全新作として展開されることになったのですが……ティグルがエロ小僧になってるー!
いや、見境なく女好きというわけではなく、幼い頃に交流のあったミラ一筋なんだけど、若さ故の欲望に対してかなり素直になっているというか、このエロ小僧め! 一方のミラの方もそんなティグルにだだ甘なんですよね。
前シリーズでのティグルがエレンと結ばれるまでかなりストイックで恋愛ごとからは本人的には後回しにしていたことから考えると、身分差のあるリュドミラと結ばれるために功績をあげようと意欲を燃やしているティグルは、何とも新鮮というかミラに一途な恋に燃える情熱的な男になってて、かなりキャラ違うんですよね。
最初は戸惑っていたのですけれど、考えてみると前作のティグルが早くに父ウルクを亡くしてアルザスの領主として責任ある立場となり、常にアルザスの事を最終盤に至るまで自分の中の最重要に位置させて動いていたのを考えると、本作ではウルクが生きていることで領主という責任や立場から自由になり、一人の青年として生きていることがこの違いになっているのか、と思い至ることでストンと腑に落ちたわけです。何気に、ティグルに年が離れているとはいえ弟が出来ているというのもポイントかと。いざとなっても、ちゃんとアルザスの後継者が他にいるという安心感は大いに軛を断つものですし。
これはヒロイン側のリュドミラの方にも該当していて、前作では早世していた母で戦姫だったスヴェトラーナが戦姫は引退したとは言え、元気に健在しているというのも大きいんですよね。ティグルと同じく彼女も若くして後ろ盾となる母を亡くし、公国を引き継いで背負って戦っていたわけですから、色々と自由にならない部分もあったし精神的にも決して余裕があるわけではありませんでしたからね。それでも立派に戦姫であり公王をやってのけていたのですが、この立派という部分に縛られたところも大きかったかと。その意味では、戦姫を継いでいるとはいえこっちのミラは自由度がマシていますし、幼い頃にティグルと過ごしたことでミラに本来あった冷厳さが削がれて人格的にもすごく柔らかくなった、というのは周りの人からの評価でもあるようですし。
まあ、あのミラとはまたぜんぜん違う姉御肌のラーナ母さまが後ろでドーンと控えていてくれたら、ミラもやりやすいですわ。そのやりやすい分をティグルへのだだ甘っぷりに随分とつぎ込んでいるようですけれど。
ビジュアル的にも髪伸ばしているせいか、随分印象は異なってしまいましたが、甘やかしつつもきちんと厳しくするところは厳しくするあたりは、ミラらしくてそこらへんは変わってないんですよねえ。川口作品とは長いお付き合いとなる絵師の美弥月 いつかさんですが、やっぱりこの人と八坂ミナトさんは、川口士作品にはなくてはならないパートナーだなあ、と実感しております。

他にも色々と歴史が変わっている世界観ですけれど、一番の仰天部分はやはりヴァレンティナ様でしょうこれ。大鎌の竜具・虚影エザンディスは、前作でも最後に出てきたミリッツァに既に引き継がれてて、本作でもミラ以外に登場する戦姫としてミリッツァ大活躍だったのですが、その前の持ち主であるところの、そして前作ではラスボス級の黒幕として暗躍していたヴァレンティナが……なんか本作では既にえらいことになってしまってるんですがーーー!!
爆笑してしまいましたがな。
もしかして、前作で彼女を駆り立てていた野心も、一つ間違えればこれしきのことで満たされて幸せになっちゃってたのかもしれないのか、と思うとなんとも擽ったいようなおもはゆいような。
いやもういいんですけどね。これはこれで、もうティナ様ご満悦のようですし全然いいんですけどね! にしても、相手って誰なんだろう。

黒騎士ロランが早くも登場しティグルと交流を持ったり、魔物が早速現れて交戦することになったり、ティナルディエ公の方も相変わらず真っ黒だけど以前とはまた違う歴史を辿りそうだったり、ブリューヌ国王ファーロンが精力的に動き回ってて実に名君っぽかったり。
前作はあれでかなり完成された物語で、これをどうイジって新しいストーリーを構築するんだろうと疑問に思っていたんだけれど、これはちょっと期待以上に別物の面白い英雄譚、戦記物になりそうで読む前より読んだあとの方がワクワクしています。
ダーマードが相変わらずいいキャラしていて、またぞろ彼がティグルの相棒になりそうなのが嬉しかったり。前作から好きだったもんなあ。何気にダーマードのヒロインっぽいお姫様も出てきていて、ニヤニヤしてしまった。あと、相変わらずムネジオル王国の王弟クレイシュが強キャラ過ぎてドキドキしますわ。こと軍の指揮官としてはこの髭親父がやっぱり最強なんじゃなかろうか。何度繰り返しても、軍勢を押し返したり判定勝利は得られてもこの人を討ち取るとか軍勢を撃滅するとかのイメージが湧かないんですよねえ。
前作のメインヒロインであるエレンもちゃんと登場。良かった、違う戦姫にはなっていなかった。そしてやっぱりミラと仲悪い! 今回はティグル、ミラに一途っぽいので前作のようにハーレムとはいかなさそうなんだけど、果たして他の戦姫たちとはどんな関係になるんでしょうねえ。そこはちと気になるところであります。特にエレンに対しては。
ともあれ、新シリーズ期待以上で実に先が楽しみです。

川口士作品感想
 
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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