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黒銀

ナイツ&マジック 10 ★★★★   



【ナイツ&マジック 10】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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第10弾の舞台は、空に浮かぶ広大な大地。噂に導かれ冒険心からやって来たエムリスとアーキッドは、辿り着くなり争いに巻き込まれてしまいます。混迷を深める空飛ぶ大地に、彼が現れます。
銀の光に蒼き刃。新婚旅行中の銀鳳騎士団団長、エルネスティ・エチェバルリアが。
空飛ぶ大地の戦いは活発化してゆきます。空には史上最強の対飛空船戦闘艦である飛竜戦艦。大地からは絶えたはずの超巨大魔獣、竜の姿が現れます。人とハルピュイア、飛竜と魔獣。
大地の支配者の座を巡り激戦が繰り広げられる中、エルネスティの眼前に思いもよらぬ因縁が現れます。
「できるならばあなたとは戦いたくなかったですが……。勝つか負けるか。
トイボックスマーク2、最期まで全て魅せて差し上げなさい!」
戦いの決着へと向けて、覚悟を乗せた蒼き騎士が空を翔ける――!

このあらすじの文章、なんでこんな自動翻訳みたいなんだ?
ともあれ、久々二年ぶりですか。アディがついにエルを落したというインパクトがすごすぎて、細かいところ忘れていたのですが、そう言えばエルたちが帰還した時にはもうエムリス王子とキッドは国飛び出しちゃってて、エルたちが帰ってきていたの知らなかったんだ。
前回の記事でも触れていましたけど、ほんとキッドが真っ当な主人公やってるんですよね。彼の誠実さと勇敢さと優しさのお陰でハルピュイアの氏族の一つと信頼を得られ、ハルピュイアと昔から友誼を結んでいたというシュメフリーク王国とも協力関係を結ぶことが出来たのですから。おまけに、ハルピュイアの娘さん二人にも懐かれちゃって。一人はお子様なのでどこまで女の子のそれなのかわからないですけれど、もう一人のホーガラはちゃんとした淑女ですし、気が強くて戦士としての誇りを持つ女性でありつつ、めっちゃキッドの事意識してて、アディが現れた時に妹と知らないが故にやたらとキッドとの関係を警戒して問い詰めてきた様子とか見ると、完全に乙女心全開でしたし。
いや、ほんとどうするんだ? エレオノーラ女王陛下がいるのに、いるのに!
まあそこは当人同士で何とか決着つけてもらうとして、いやまだホーガラに関してはキッドがまだまだ追い打ち止めかけそうな予感もあるんですよね。今、ホーガラは戦士として打ちのめされて密かにメンタル追い詰められてる最中で、それにキッドだけが気づきかけているという状況ですし。完全にフラグ、フラグw

ともあれ、あの飛竜戦艦が再び出現。とはいえ、前にこれを運用していたジャロウデク王国とは別口だったんですよね。ってか、そのジャロウデク王国の面々も久々に登場してきているし。あの【狂剣】グスターボが再登場してくれるとは思わなかった上に色んな意味で活躍してくれたのは嬉しかった。敵キャラとはいえ、あれほど個性的で特徴的でド派手なやつもイなかったもんなあ。ある意味イカレっぷりに関してはエルくんに匹敵するものがありますし。今回のエルくんとグスターボの遭遇戦からの激闘と、その後のあっさりさっきまで殺し合ってたのがなかったみたいにくつろいだお茶会してた様子なんか見てると、この二人明らかに同類だし! ここまでエルくんと同じ世界というか感覚で居られるキャラって、まず居なかったもんなあ。ほぼアディだけじゃない。
なんにせよ、ジャロウデク王国の派遣部隊、というか収奪出張部隊? グスターボたちに関しては少数部隊なんだけれど、それに飛竜戦艦を運用し大規模な飛行艦隊を持ち込んでいる北の強国パーヴェルツィークが浮遊大陸争奪戦に本格参戦したことで、これまで暴れに暴れていたイレブンフラッグスが一方的に叩かれ始め、いずれにせよ幾つもの勢力が首を突っ込んできた混迷の空になってきたのである。
エムリス王子とキッドたちは浮遊大陸に冒険しにきたのであって、資源収奪に来たわけではなく、シュメフリーク王国も原住民であるハルピュイアとの友誼優先なのですけど、他の勢力は浮遊大陸で発見された飛行艦の燃料である源素晶石の大鉱脈の奪い合い、ということで資源収奪戦争の様相を呈したわけである。
とはいえ、一方的に奪うばかりだったイレブンフラッグスと違って、パーヴェルツィークは強権的ではあってもハルピュイアに対しても一定の配慮はあったし、話し合いもできそうな余地はあったのですけど。
ってか、エルくんが絡まない間はわりと真面目に国同士の駆け引きとか信義のせめぎ合いとか真っ当なやり取りが進んでたんだよなあw エムリス王子も破天荒で大雑把なキャラなんだけれど、王子としてマトモでもあり義を見てせざるは勇なきなりの英雄でもあり、とキッドと合わせて実にちゃんと話を進めてくれてたんですけどねえ。
いや、別にエルくんがぶち壊しにしたというわけではないのだけれど。作中でもちらっと触れられているけど、エルくんって勝手にむちゃくちゃするのではなく、ちゃんと言質取ったり根回ししっかりしてフリーハンドを握った上で、誰も想像していない斜め上のレベルでむちゃくちゃやり始めるだけであって、ぶち壊しにはしないんですよね。いざ動き出すと、雰囲気とかこれまでの流れとか全部ぶち壊すけど。
というわけで、均衡をぶち壊したのは浮遊大陸に乗り込んできた各国の派遣隊ではなく、元から浮遊大陸に存在した謎の存在……というわけでもなかったのか、これ。まさかのエルくん因縁の相手が、それもごく最近因縁できましたばっかり、という相手の再登場である。しかも、交渉中に横からぶん殴ってくる形で。
そんな、みんなの尽力で整えられた舞台を盛大にぶち壊されたら、大混乱に陥ってしまったら、もうエルくんがどれだけ自由にやりたい放題やっても止めるやついないじゃないですかー。止める理由がないというか、免罪符を与えてしまったというべきか、エルくんを解き放ってしまったというべきか。
そして実に実に可愛そうなことに、その自由に解き放たれてしまったエルくんの機体には、交渉相手だったパーヴェルツィークの総司令官であり姫でもあったフリーデクント姫が助けられたついでに同乗するはめに。
あのエルくんの機体に同乗するはめに!!
死ぬる!
それまでは、峻厳にして英明、冷静沈着の氷の姫、という感じだったフリーデクント姫が典型的エルくんに巻き込まれ、えらい目にあってしまう人たちのパターン入りました。しかも、遠くから見ているだけじゃなくて、自分自身彼の機体に乗り込んでしまっているわけですからね。
死ぬる。
こうして一般人がエルくんの機体に乗っていると、彼がどれだけ意味不明な戦闘機動をして戦場を飛び回っているのかがその悲鳴とともによく伝わってくるのです。ってか、一人だけ出てる漫画が違うw
目まぐるしく全く予想できないというかわけわからない動きをするエルくんの機体に振り回されて、あぎゃーーとなってる姫様が同乗してくれているお陰か、いつもより尚更エルくんのはちゃめちゃっぷりが体感できるんですよね。
映像作品でもない、ただ文章として描かれているアクションを文字で追っているだけなのに、なんだかエルくんの機体トイ・ボックス2の動きが目で追いきれずに、辛うじて見える残像を必死で追いかけているような気分になってくるんですよね。うぉぉ、あっち飛んだ、いやこっち? どこ行った? なんでそこにいるの!? とまあそんな感じで。本を読んでて光景がありありと目に浮かぶ、という事はまあまあありますけど、ここまで動きが激しくて意識引っ張られて持ってかれて引きずり回されるのはちょっとなかなか経験ありませんでしたわ。凄かった、面白かった、読むジェットコースター体験である。
そして、エルくんにまったくお荷物が乗っている、という意識も配慮もないあたりがこの美少年め。どれだけぶん回しても平気でほんとにまったく気にしてないですからね。それでいて、姫様を助けるためという緊急避難の理由付けはしっかりしているし、当人からもちゃんとこういう行動とりますよー、と事前に許可と言質はとっているあたり、悪辣なのである。実際、どれだけむちゃくちゃされても、たしかに姫が事前に許し、また自身が彼に頼んだ行動でもあるわけですから、やめてーとは言えないんですよね。言わせないようにして好き勝手してやがる。そこまでしろとは言ってない、とどれだけ言っても暖簾に腕押しw
ただ機体の動きだけなら、肉体的にダメージ受けて精神的にPTSDになるくらいでまだ済んだのでしょうけれど、さらにそこからいきなり攻めてきた敵の正体と直面ですよ。しかもエルくんのお知り合い。同乗してるから否応なくお互いの会話が耳に飛び込んできて、そのあまりの突拍子の無さにむちゃくちゃさにデタラメさと伝説神話に至ろうかという規模の話に、姫様白目w
わけがわからない、意味がわからない、聞かなきゃよかった、もう質問とかするのやめようかな、と姫様がどんどん死んだ目になっていく姿に、なんかもう笑うしかなく。
全部終わったあとは、はい名物の遠い目をしたエルくん被害者の会新規加入者の出来上がりーである。こうなると、もう同情と共感で同志みたいな感覚になる不思議。確か、つい先程まで交渉決裂寸前で相容れぬ敵として目の前に立ちふさがりそうな雰囲気だったのに、雰囲気さん見事に消し飛ばされてしまいました、ご愁傷様です。

いやでもこれで実際パーヴェルツィークとの全面対決は避けられそう。でもそうなると、飛竜戦艦の製作者であるあいつはどうなるんだろう。一応、この戦いでシリーズ通してのラスボスが定まった感もありますし、あれとの本格対決になっていくのでしょうけど。今回はエルくん、実験機のトイ・ボックス2という、あれ実戦用じゃねえだろうという仕様の機体でしたから、本番はイカルガを持ってきてからでしょうしね。
次はさすがに2年は長いのでもう少し短い間隔で出してほしいなあ。


ナイツ&マジック 9 ★★★★   



【ナイツ&マジック 9】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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Kindle B☆W

ボキューズ大森海での騒乱を終え、銀鳳騎士団は巨人族と共に王都に帰還する。巨人族、そしてエルネスティを襲ったという第一次森伐遠征軍の末裔の存在は、フレメヴィーラ王国にとってまさに寝耳に水。突如もたらされた途方もない話に、もはや既存の価値観は通じず、王国は新たな時代へと踏み出していくことになる。そして銀鳳騎士団にもまた、巣立ちの時が迫っていた。此度の事件で銀鳳騎士団の影響力を重く見た国王リオタムスは、エドガー、ディートリヒ、ヘルヴィらが率いる各中隊を新たな騎士団として独立させるよう告げる。エルネスティの下に残る者、騎士団長としての道へ踏み出す者、新たに入団を目指す者―それぞれの想いを受けて銀鳳騎士団は形を変え、新たな飛翔の時が訪れる。

リオタムス王がご苦労さますぎる! 破天荒な先代と比べて地味というか堅実な現王さまだけれど、エルくんが持ち込んでくるトラブルは先代の頃よりも更にスケールアップしてるんで、大変極まるのである。今回なんて、大陸の歴史そのものを確実に変えてしまう案件ですものなあ。それを思えば、これだけの大業を堅実に受け止めて前に進めているリオタムス王はまこと名君なのでしょう。
……よりにもよってエルくんから「自重してください!」と説教される先代と比べるのがまあ間違っているのかもしれません。
でも、巨人族なんて存在にパニックにならずになんだかんだと受け止めるフレメヴィーラ王国の人々は、国ごとエルくんに毒されてる気がしないでもないですが。
これほど異なる種族と、初遭遇でこうやって友好を結び、将来の展望を語り合いつなぎ合う、という展開はなんとも眩しい限りです。こういう未知との遭遇はどうやったって衝突から始まってしまうもので、巨人族の戦士的好戦的な在り方からすれはそれは必定であったでしょうに。
エルくんがアディを連れてたとはいえほぼ単身で接触したのが、これ幸いになってしまったのか。

その意味では、後半の方ではキッドがエルくん以上に真っ当に主人公してるんですよね。久々に登場したと思ったら、いきなり主人公やりだしたからびっくりしたよ!
エルくんの一番弟子らしい破天荒さと、エルくんや妹と比べるとまだ落ち着いている常識人なところがうまいことブレンドされて、派手にやらかすけれど真っ当なところに収めるという良い主人公に収まってるんじゃないでしょうか。派手にやらかして派手に拡大させて着地すらさせずにそこから更に大気圏外に打ち出してしまうエルくんと比べるとまあ穏当である。
でも、いいのかキッド。なんか勝手に自分のヒロイン増やしちゃってるけど! エレオノーラ女王陛下はどうするのさ! 既に飛び出してった現状で激おこなのですが。
こうしてみるとキッドはかなり真っ当な部類なので、モテるのはわかるんですよねえ。それに比べてエルくんと来たらとてもついていける人間がいないだけにアディの独壇場ではあったのですが、この度ようやくアディがエルくんの捕食に成功して、結婚と相成ったわけですが……ぶっちゃけ何が変わったんだろうというくらい何も変わらんな、この二人は。それでもまあ、収まるところに収まったのはめでたい話です。

巨人族との友好宣言に森を開拓していく何世代にも渡って続いていくだろう大事業の始まり、という時代の転換点とも取れるイベントにワクワクをつのらせていたら、一方で畳み掛けるように浮遊大陸とそこで暮らすハルピュイアというまたぞろ新しい人種との遭遇、という冒険心を擽るイベントが巻き起こり、大航空時代の名にふさわしい大空を駆け巡る飛空艇同士の空戦まで勃発して、この一巻で盛りだくさんも良いところ。
巨人族の方、落ち着いたとは言え終わってなくて一緒に連れたまま浮遊大陸編まで突入してしまうあたりのごった煮感、正直大好きです。

しかし、ヘルヴィはちゃっかりうまいことエドガーの隣に収まったなあ。いやもう、アディが結婚するくらいなんだから、こっちの二人もくっついちゃっていいと思うんですけどねえ。エドガーの甲斐性次第か、こっちは。

シリーズ感想

ナイツ&マジック 8 ★★★★   

ナイツ&マジック 8 (ヒーロー文庫)

【ナイツ&マジック 8】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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Kindle B☆W

穢れの獣による襲撃から飛空船団を護り、ボキューズ大森海に墜ちたエルネスティとアデルトルート。
森に暮らす巨人族――カエルレウス氏族と出会った彼らはやがて、巨人族の間で起こる戦いの流れに飲み込まれていった。一方の銀鳳騎士団は飛空船団を再編成、森の奥深くを目指して進む。騎士団長を探す彼らの行動は森に様々な影響を及ぼしてゆき、ついに巨人族が最大氏族であるルーベル氏族が動き出すに至った。
圧倒的な力、さらに穢れの獣を引き連れたルーベル氏族の暴虐に立ち向かうため、エルたちは各氏族を糾合し諸氏族連合軍の立ち上げを計画する。小魔導師とともに空を行く二人は、道の途中で銀鳳騎士団と合流。その協力をもってついに諸氏族連合軍の結成を成し遂げたのだった。
銀鳳騎士団とエルくんとの再会、劇的なものになるのかと思ったら、全然別の意味で劇的だったよ!!
なんで、連絡手段が無いからって銀鳳騎士団の飛空船団を襲撃するんですか、このエルくんは!?
エルくんの方から攻撃しない、というのは良心的と言っていいんだろうかこれ。でも、森の奥深くまでわざわざ探しに来た団長様に襲われるとか、普通は思わんよなあ。ってかね、連絡手段がなかろうが、手振り身振りで意思の疎通を図ろうとか出来なくもないだろうに、嬉々として自分の騎士団と本気でやりあえるのってワクワクしましね、と突っ込んでいくこの銀髪、相変わらずぶっ飛んでイカレてる。
でも、そう言えばエドガーたち今の中隊長クラスの面々とエルくん、実際に剣を交えるようなことはしてないんですよね。学生時代からこっち、ずっと仲間としてやってきましたしねえ。昔と比べて、エドガーもディー先輩も別次元と言っていいくらい腕を上げているのを思えば、いっぺん本気でやってみたい、というエルくんのロボット脳も気持ちわからなくはない。
まあ銀鳳騎士団の連中も朱に交われば赤くなるじゃないけれど、完全にエルくんとベクトル一緒の頭おかしい集団になっちゃってるわけで。いきなり襲い掛かってきたエルくんの正体もすぐに察するし、襲われたこと自体みんな全然気にもしないし、いや普通もうちょっと怒るよ? なんか、当たり前みたいに受け入れちゃってるけれど、誰か叱らないの?! ダメだ、作品始まって以来、エルくんにはストッパー役って居た試しないんだった、そう言えば。
毎度おなじみやりたい放題である。
巨人編では、そのやりたい放題にも物資面などの制約もあり、さらに相方がアディしかいないという状況でけっこう不自由していたのだけれど、銀鳳騎士団と合流してしまうともう手がつけられないありさまに。こうしてみると、銀鳳騎士団ってエルくんにとってもなくてはならない存在になっているのがよく分かる。やりたい放題やるにも、必要なものはたくさんあるんですよね。それを、銀鳳騎士団はあらゆる面で、物資面でも支援体制としても戦力としても、一緒にはしゃいで大騒ぎする同類としても完全に賄い切ってるのよねえ。
まさに、銀鳳騎士団あってこそのパーフェクト・エルくんなのである。
これが西方諸国の標準的騎士団、と勘違いされてしまうと、西方諸国みんな大迷惑なんでしょうけれど。巨人同士の大戦争というさなかに喜々として飛び込んで、引っ掻き回して、大暴れして、色んな意味で全壊させていく銀鳳騎士団諸氏。
だから、騎士団規模でエルくんレベルの「やりたい放題」を当のエルくんと一緒にやらかしたら、えらいことになるって、というのを本国の手の届かないこの辺境でやってしまってる彼ら、いい具合に頭おかしいです。エドガー隊長、確か良識派だったはずなんだけれど、銀鳳騎士団での常識がもう染み込んでしまってて、何が変かわからなくなってないだろうか、このヒトもw

肝心のロボット。シルエットナイトも、一度大破してしまったイカルガを親方が予備機持ってきてくれたお陰で復活。ただ復活で済まないのがまたエルくんで。
合体だ!! ロボットらしくついに合体モードが登場してしまったぞ!! イカルガで到達点ではなく、さらにその先が出来てしまったのって、相当に恐ろしいんですが。
巨人族の新入騎士団員まで加えての凱旋というオマケつき。帰っていたエルくんたちを迎える王国の人たちの仰天っぷりが容易に想像できるんですが。って、エルくんの故国たるフレメヴィーラ王国なら、もうこれくらい慣れっこですか。あの国も相当おかしいなあ、うん。

シリーズ感想

ナイツ&マジック 7 ★★★☆  

ナイツ&マジック 7 (ヒーロー文庫)

【ナイツ&マジック 7】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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ボキューズ大森海へと乗り出したフレメヴィーラ王国飛空船団は、未知なる魔獣との遭遇により撤退を余儀なくされた。エルとイカルガは皆を護るべく奮戦し、無事に船団を逃がすも森へと墜ちてしまう。追いかけてきたアディも一緒に、二人は森の迷子となった。彼らを待ち受けていたのは予想だにしない出会い―『巨人族』との遭遇であった。巨人氏族同士の争い。普きものの大敵、穢れの獣。そして陰で蠢く小鬼族なる者たち―。巻き起こる戦いがエルとアディを呑み込んでゆく。孤立無援の二人は、しかしあきらめ止まることなどない。「ここで幻晶騎士を、作り上げます」生み出されるは驚天動地の異形の機体。争いの只中へと向けて飛翔する!
アディがいつもより倍増の勢いでキモいw
図らずも二人きりというシチュエーションに加えて、巨人族との交流の都合からエルくんから奥さんとして紹介してもらったお陰で有頂天極まってしまって、ほぼ終始げへげへ言ってるような始末で、女性としてアウトな顔しっぱなしだったんじゃないだろうか。彼女、メインヒロインなんだぜw
まあアディとしても、奥さん扱いも然ることながらこれだけエルくんと二人で一緒に居られる時間というのは子供の頃以来だったでしょうからね、気持ちはわからなくもない。最近までエルくん、ずっとヒャッハーしっぱなしでなかなかアディに構える時間なかったですからね。
一方で、ヒャッハーできなくなったエルくんはというと相当に鬱憤溜まっているようで。補給も修理もできない大森海の只中に取り残されてしまった以上、幻晶騎士には乗れない状態になってしまいましたからね。これほど幻晶騎士と関われない時間というのも、これを組み上げて以降なかったんじゃなかろうか。
というわけで、迷った先で出会った巨人の小さな氏族と交流を重ねながら、試行錯誤であるものを駆使して幻晶騎士を作り上げようとするエルくん。てっきり、巨人族に新たな幻晶騎士を作るための新技術を保有していて、みたいな話になるかと思ったらそう簡単にはいかなかった。まあ巨人族のあの質量を考えると、とても産業が発達しているとは思えないですもんね。消費資源が大きすぎて、少なくとも森のなかで暮らしているような種族では難しいものがあったか。
でも、ここで出会った巨人族は気のいい連中で、脳筋ではあるものの素朴で素直でまっすぐな気持ちのよい心根の持ち主であったわけですよ。まあ、脳筋な分、最初は殴り合わなきゃいけなかったわけですが。幻晶騎士使わなくても、生身で楽勝で巨人族の勇者と渡りあうエルくん。幻晶騎士乗りとしての無茶苦茶さに最近は目を奪われガチでしたが、そういえばこいつ生身でも変態機動の持ち主だったw
エルくん自身としてはロボットである幻晶騎士に騎乗しての戦いじゃないと納得行かないというか不満なんでしょうけれど。
ともあれ、巨人族の村に滞在しながら、そこで得られた素材で試行錯誤を繰り返すものの、どうにも上手く行かずに停滞していたさなかに、巨人族における古くからの掟を破って権力を握った大氏族と旧来の伝統を守ろうとする諸氏族との争いがエルくんたちをも渦中へと巻き込んでいく……というよりも、エルくんが積極的に首を突っ込んでいくことに。まあ、色々と触れてはいけない部分にあっちの大氏族が触れちゃったからなあ。ただでさえ幻晶騎士乗れなくてカリカリ来ていたエルくんの虎の尾を踏んでしまうことに。
この時点であちらの方をご愁傷様、と思ってしまう程度にはエルくんの色んな意味での酷さは身にしみてしまっていますな。そして、そんな奇妙奇天烈破天荒なエルくんのやり口に染め上げられていく、純朴だった巨人族さんたち。わりとヤバゲな武器まで供給されてしまって、巨人族たちがエルくんに魔改造されていく〜。
さらに、反撃を企てる中で、大森海の中に居るはずがなかった人間族のコミュニティーと接触し、そこの鍛冶の手を借りて、ついに現地供給応急型の変則イカルガ……カササギが誕生してしまう。ってか、このジオングに足は要らんとですよ、のノリがすげえw
ただ、これまでの新型機みたいに次世代型の最強機、というわけには行かない現地生産の無理やり動かした改造機なだけに、あのエルくんが苦戦することに。幻晶騎士に乗ってのこの手の苦戦はもしかして初めてだろうか、と思うくらい。
総じて、このようにエルくんがいつものようにやりたい放題出来ない手足を縛られたような状態だけに、動きとしてはやや停滞気味だったかも。それでも、これまで大らかに過ごしてきた巨人族にとっては劇的すぎる変転だったんでしょうけれど。エルとアディの騎士団に入れてもらって、もれなくかつてのアディとキッドのように順調に魔改造されていく巨人族の少年少女二人が可愛らしいやらご愁傷様やらw
特に、村を襲った悲劇によって急遽氏族を率いる羽目になってしまった幼き少女魔導師ってば、エルとアディに弟子入りしてしまったが為に、巨人族の魔導師としてはなんか完全に間違った方向に突進している様子がなんともはやww

まあエルくん大暴れは次回以降でしょうから、彼を舐めてる連中が食らうだろうしっぺがしがどれほどの規模になるか、実に楽しみである。

シリーズ感想

ディエゴの巨神 ★★★☆  

ディエゴの巨神 (電撃文庫)

【ディエゴの巨神】 和ヶ原聡司/黒銀 電撃文庫

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新大陸の発見に沸き立つ変革の時代。海洋国家スピネイア王国に住む青年ディエゴは、違法とされる陰陽術の研究を進めていた。そのことで彼は、力の出所を疑う謎の娘に襲われ、さらには神聖教会にも目を付けられてしまう。打つ手のないディエゴは、腐れ縁の友人アルバロと共に、新大陸遠征軍の船に乗り込むことを決める。
黄金の大樹がそびえ立ち、巨神が森を守る新大陸。そこで二人を待ち受けていたのは、水の檻に囚われた少女レラだった。遠征軍のホアキン船長の命令で、陰陽術を使い少女を檻から出す方法を探るディエゴ。だがレラの目覚めと共に、スピネイアで襲撃してきた娘ローゼンが現れる。彼女が駆るのは、森の巨神“タンカムイ”。ディエゴは海洋国家と原住民族との大いなる戦いに巻き込まれてゆくことになり――?

【はたらく魔王さま!】の和ヶ原さんがデビュー作以外で初めて手掛ける新作は、大航海時代の新大陸もの。と言ってもこの地球世界のそれではなく、別の世界の話ではあるんですがベースは殆ど史実を踏襲しています。海洋国家スピネイアはスペインですし、新大陸を発見した冒険家コロンはコロンブスですし。
そして、旧大陸人が一攫千金を求めて新大陸へと上陸すれば、起こるのは略奪と殺戮という侵略と収奪の歴史なのであるけれど、この新大陸の原住民はただやられるだけではなく、巨神という銃も何も通じない巨大兵器を持って侵略者たちに対抗し続けている、というのが現状。
そんな中、主人公ディエゴは長年続けていた異国の呪術の研究を教会に異端として目をつけられたことで、友人のアルバロと新大陸へと新兵応募にかこつけて逃れてきて、そこで旧大陸では気づかなかった、知らなかった様々な現実に向き合うことになるのである。
そう、これは個々人がそれぞれに抱えている夢と現実が対立し火花をちらし、そしてすり合わせていくという大航海時代というロマンとは裏腹の、己と世界の現実と向き合う話なんですよね。狭い世界を飛び出して、広い世界を知ることで逆に現実に向き合わざるを得なくなる、という話なのだ。その意味では辛辣な話でもある。でも、自分の世界に閉じこもっているだけでは決して得られることのできなかった見地でもあるんですよね。
主人公のディエゴは未知の呪術の研究に取り憑かれた、ある意味夢追い人ではあるんですけれど、その大きな望みの源泉は決して浮かれたものではなくて、むしろ切実で痛切で後悔と絶望から来るもので、雲をつかむようなものであっても、より良き未来を世界にもたらそうという大望であったんですね。しかし、その願いをもたらそうと彼が研究していた手段は、彼が望んでいた世界をもたらすどころか、むしろ破滅をもたらす代物であったのだという現実を、新大陸に渡って思い知らされることになるのである。ローゼンも、コロン提督もそれぞれの立場と考えで、自分の寄ってたつ世界を守ろうとする現実と戦う人たちであったのだ。その事実を前に、ディエゴもそしてアルバロも、新たに知ったこと、広がった自分の世界を元手にしてもう一度、自分の戦うべき現実を見定めていく。
こういう、自分の世界を変えることを恐れない、恐れてもなお前に進んでいけるのは若者の特権だわなあ。個人的には、色々と独学で学んだ陰陽術やコロンへの反発など拠り所となるものが最初からあったディエゴよりも、本当に何も持たないところから自身の努力で語学を学び、そして自分の知らなかった世界の残酷な事実を目の当たりにしてそれを素直に受け止めて、自分の欲と絡めつつもすごく善良な想いを胸に秘めながら、着実に自分の出来る範囲で、しかし範囲を広げようと頑張りながら、世界を変えていこうとしているアルバロの方がどちらかというと好ましかったですねえ。あの子がむしろアルバロの方に惹かれたのもなんとなくわかるのである。あれ、なかなか積極的なアプローチじゃないですか。アルバロ、撃墜されたんじゃね?
一巻でまとめたせいか、作者の微に入り細を穿つ情景描写や仕草の描写、丁寧な心の動きを描く心理描写など、やや影を潜めるか後半まで駆動が鈍い感じがしたのがちと勿体なかったかな。それでも、後半になってぐんぐんと物語が動き出したあたりはさすがである。
一応、これ一巻でキレイに完結してるっぽいですね。続編は話的にも出しにくいか。

和ヶ原聡司作品感想

ナイツ&マジック 6 ★★★★   

ナイツ&マジック6 (ヒーロー文庫)

【ナイツ&マジック 6】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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「お前たちは、この世に一匹たりとも生かしておかない! 」――不倶戴天の仇敵と巡り会ってしまったエル。新たな死闘が今、始まる。

西方諸国における戦いに勝利した銀鳳騎士団は、故郷へと凱旋を飾っていた。
勝利と共に彼らが持ち帰った最新の飛行機械・飛空船を前に、国民は大いに湧き立つ。
しかしそんな盛り上がりなど目もくれず、エルは独自に飛行型幻晶騎士の設計へと着手していた。
数多の苦労を突き抜けて、幻晶騎士を空に飛ばすことに成功する。
飛空船を手に入れ『飛翔騎士』が誕生したことにより、大空への道は開かれた。
やがて飛翔騎士のみで構成された騎士団、紫燕騎士団の設立と成功を契機として、王国の興味はある一点へと収束してゆくのだが―――。
飛んだーー!! 飛空船の登場からまだ間もないのに、瞬く間に空飛ぶ幻晶騎士を作り上げるエルが率いる銀鳳騎士団。いや、そっちの暴走っぷりが凄まじすぎて目立たないけれど、幾ら銀鳳騎士団が解析した資料が揃っているとはいえ、速攻で飛空船を実用化しある程度組織編成をやっちゃうフレメヴィーラ王国も相当だからね! さすがはエルくんを埋もれさせずに好き放題させた国というべきか、国としての機動力が尋常じゃないんだよなあ。そもそも、他所の国と争うよりも魔獣の侵食を防ぐ人類の壁として常に臨戦態勢であり続けたお国柄故の、縦割り構造じゃない風通しの良さが並じゃないんですよねえ、この国。いや、以前にエルくんが盛大に硬直化していた組織に風穴ぶちあけて、何より意識改革しちゃったのが大きな要因ではあるんだけれど、素養がなかったら無理だもんねえ。
ただ、エルくんの見境のない暴走グセが国ごと感染してしまったせいか、銀鳳騎士団みたいなデスパレード上等じゃないけれど、フレメヴィーラ王国にある種の落ち着きの無さというか狂騒が途絶えずずっとテンションあがったまんま、みたいな雰囲気が後半の慌ただしい遠征計画に繋がってしまったのを思うと、良し悪しもあるよなあ、と。国の成長期にはこのような狂騒こそが必要なので、遠征計画自体は無駄でもなかったし、拙速が悪かったとも思わないのだけれど。時として勢い任せは必要だもんねえ。
でも、それでその狂騒のメインエンジンを失ってしまっては元も子もないんですよねえ。少なくとも最悪の予想に対するリスクヘッジはもうちょっと考えておくべきだったのでしょう。なんだかんだと、エルくんにまるっきり頼り切りになっていた、と言われても仕方ない。
だからこそ、ラストの銀鳳騎士団の仲間たちが独自に動き出した展開には思わず拳を握りこんでしまうような意気を感じたのですけれど。エルくんの暴走に振り回され、必死に付き合い、いつしか一緒にはしゃぎ回る仲になっていた各中隊長達。もうみんな、一人ひとり一角の人物になってたんですよねえ。今回、銀鳳騎士団からの独立の話が持ち上がっていたけれど、ちょい特殊なヘルヴィーはともかくエドガーとディートリヒはどこいっても騎士団長やれるくらいの貫禄や威風は出来上がってましたもんねえ。ディートリヒさんは、始めの頃の線の細い印象はどこへやら、愚連隊のボス的なちょっと騎士団長って感じじゃなくなってますけれど、頼もしさではエドガーに負けず劣らずでしたし。
暴走する牽引役がいなくなってこそ真価が問われる暴走軍団・銀鳳騎士団。ちょいと今回は飛翔騎士の登場や異動話とかで真っ向の活躍がなかっただけに、次の魔獣領域へのカチコミは期待してますよー。

一方でエルくんはというと、人間相手には無双だった彼ですけれど、何気に今までで一番のピンチ、文字通りの絶体絶命だったのかー。そもそもフレメヴィーラ王国の国是が対魔獣戦にあったのを久々に思い出しました。ってか、もう普通に戦場の舞台が空になってて、戦闘機さながらの飛翔騎士に航空母艦……いや空中要塞かこれ、みたいな飛空船まで登場して、この世界観に率先して自分から喧嘩売っていくスタイルはまったく衰えませんなあ。
ラストえらいこっちゃ、なことになってもまったく変わらず楽しそうに暴走するエルに、何気に二人きりの状況にテンションあがりまくってるアディに、とこの二人、人類領域からかけ離れた魔境に取り残されてサバイバル、という悪夢のような状況をまるで一顧だにしてないなー。ほんとに楽しそうに生きてて何より!!

シリーズ感想

ナイツ&マジック 5 4   

ナイツ&マジック 5 (ヒーロー文庫)

【ナイツ&マジック 5】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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ジャロウデク王国による侵略行為に端を発した大西域戦争。
緒戦において滅亡の憂き目を見たクシェペルカ王国だったが、銀鳳騎士団の力添えにより再興を成し遂げた。
一方、ジャロウデク王国においては、戦いの中に倒れた第二王子クリストバルの仇をとるべく老兵ドロテオが動き出していた。
彼は未曾有の巨大兵器『飛竜戦艦』を駆り、新生クシェペルカ王国へと襲い掛かる。
西方では絶えたはずの、竜の姿を模した巨大兵器は猛威を振るい、新生王国を再び窮地へ追い詰める。
度重なる脅威を前に、女王エレオノーラの意を受けた銀鳳騎士団長エルネスティは騎士団を率いて戦場へと向う。
彼らを待ち受けていたのは、燃え上がる城砦と、炎吐く巨大な竜であった。
大空を舞台に、鬼面六臂の鎧武者と飛竜戦艦の、戦いの幕が切って落とされる――。
一年ぶりの新刊は、これ以上ないくらいエルくん

やり・たい・放・題!!

え? 今までもそうだったじゃないかって? うん、その通りです。だから、毎度おなじみやりたい放題!!
とはいえ、今回はジャロウデク王国側にもエルくんと同じ方向にどっぷり浸かったマッドサイエンティストがエルくんの新技術に刺激されて、どんどん対抗策を練り技術革新を進めてしまった結果、飛竜戦艦などというこれまた時代を隔絶した新世代兵器を生み出してしまったものだから、相乗効果でえらいことに。どえらいことに。
エルくん一人でやりたい放題やられてもとんでもないことになるのに、両方でしのぎを削りながらやりたい放題されてしまった日には、見事に阿鼻叫喚の地獄絵図である。さすがに今回の相手にはエルくんも楽勝とは言わず、イカルガを駆りながらも結構苦戦することになるんですけれど……エルくん自身は強大な大型強襲兵器に人型兵器で立ち向かうというシチュエーションに大興奮、狂喜乱舞、あんたちょっとワクテカしすぎ!! 苦戦しているはずなんだが、もうキャピキャピしながらはしゃぎまわっているようにしか見えない不思議。
クシュペルカ王国サイドの人たちの唖然とした姿に苦笑して、もはやエルくんの常態に慣れきってしまっていてあの目も当てられない姿にすら、まあいつもの事よ、と受け入れてしまっている銀鳳騎士団の面々の達観ぶりには冷や汗をかく始末。なんか、銀鳳の連中もいい加減末期よなあ。同じ穴のムジナになってしまっているというかなんというか。ディートリヒの部隊の連中なんか、もうヒャッハー軍団にしか見えないし。
最終的に、クシュペルカ王国の人たちも若干毒されてしまっていたような気もするけれど。エレオノーラの英断とはいえ、防御を捨てて全軍総出撃で殴り込みとか、ちょっと箍が外れてましてよ? でも、エレオノーラは本当に成長して一端の王女様になりましたわ。守られることで強くなる人も居るのよねえ。これ、完全にキッドとフラグ立ってるんですけれど、キッドはどうするんだろう。というか、エルくんたちはキッドをどうするつもりなんだろう。なんか、目算はあるみたいだけれど。エレオノーラは女王様になるわけですしねえ。一応、キッドも貴族の端くれなので、アクロバットすればなんとかなるのかしら。難易度でいうと、獅子王子と従姉妹の娘の方がすんなりと収まりそうだけれど。
今回はさすがに激闘につぐ激闘だったせいか、ワンオフの幻晶騎士は軒並み全壊してしまったんですが、これって新型機開発のフラグですよね? グスターボが幾ら凄まじい剣腕の持ち主で、乗っていた幻晶騎士も特別製だったとはいえ、エルくんの肝いりで作った幻晶騎士のワンオフ版が壊されちゃたわけですから、そこはそれ、イカルガほどの無茶苦茶さは無理だけれど、やっぱり無双出来るくらいの新型機はエドガーやディーには作ってあげて欲しいものである。あと、キッドもそろそろ一人乗りの機体乗って欲しいじゃないですか。

なんか、やってはいけない切磋琢磨、マッドサイエンティスト同士の化学反応の結果か、とんでもない上げ底がなされてしまった技術革新が、さらに大規模な技術流出を伴って、ラストの展開はどえらいことになってるんですけれど。この世界観、いったいどこまでぶっ飛んでいくのか。これはこれでワクワクするですねえ。

シリーズ感想

メサイア・クライベイビィ 3.永遠を捨てる者4   

メサイア・クライベイビィ 3 永遠を捨てる者 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【メサイア・クライベイビィ 3.永遠を捨てる者】 八針来夏/黒銀 スーパーダッシュ文庫

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帝国打倒の旅の途中、とある少女を誘拐犯から救い出したセレス達。少女の名はスーシャ=オラーニエ。惑星ウルヴァシーの大統領の娘として生まれたスーシャには、ある重大な秘密があった。少女を巡り帝国の魔の手が伸びる中、セレスは誰も殺さずに内戦を終結させるという前代未聞の一大奇跡に挑む…!!泣き虫の救世主が贈る超ド級スペースオペラ、ますます絶好調の第三巻!!
これって、救世主に世界が、宇宙が救われる話というよりも、むしろ救世主であるセレスが人の持つ愛という感情に救われていく話なのかもしれないなあ。勿論、支配侯という精神生命体の脅威に対して、人類の範疇を超えた力を持つセレスの存在はまさに救世主のそれなのだけれど、そんな彼に対して人類は常に彼に救われるに足るだけの価値を示し続けている。
リューンやミカといった身近な人間だけではなく、セレスが出会った人間たちは、それが生身の人間だろうと遺伝子改造されたものだろうと、それこそ機械生命体という人ならざる存在だろうと関わらず、皆が人という種に希望と感動を抱かせるだけの愛の形を見せてくれる。それは親子の愛情だったり、仲間への愛情だったり、種を違えた友情だったり、と様々な形ではあるものの、まさに生命の賛歌と呼ばれるものだ。そんな愛によって生かされ、支えられ、励まされ、救われたセレスは、だからこそ宇宙を破壊しかねない凄まじい力を有しながら、同じように人を愛し、人のように泣きじゃくる。そして、そんな人の最も素晴らしい在り方である愛情を理解せず、一方的に踏みにじる敵を許さない。
今回のように貧富の差も絡んだ戦闘適応種と知性調整体という異なる階級たちの不平不満が募った上でのいがみ合い、という人の憎しみと怨み、そして各々の正義が絡んだ問題は、人の醜さが露呈する問題であり、感情が絡むが故に余計に悲惨になる話なのだけれど、だからこそそんな問題に対して裏から介入し、余計に問題を煽り拗らせ破綻へと差し向けようという悪意は度し難く、だからこそそれを犠牲を出さずに収めようという行為は尊いのだ。力があるから、何でも解決できるのではない。それを何とかしたいと切実に、必死に、身を粉にして奮闘する想いがあるからこそ、その根本に大切な人に幸せになって貰いたいという切なる愛情がこもっているからこそ、奇跡は起こる。セレスの力は、まさにその願いと祈りによって振るわれる聖剣であり、だからこそ愛が無ければ単なる破壊の力に過ぎず、それは救いも何ももたらさない。
セレスを救世主足らしめているのは、間違いなく彼に救われる人間たちが優しくも強い愛によってもたらした力であり価値なのだ。
一騎の機械生命体が幼き少女との交流の中で芽生え育んだ愛という感情が、回りまわって一つの星で吹き出しかけた人間同士の憎悪を吹き払い、この宇宙に蔓延る支配候という邪悪の存在を公のものとし、人類の敵とされて歴史の闇に消えた機械生命体の大勢力を、再び人類の絶対の味方として呼び戻す事に成功したのだ。
救世主セレスの誕生以上に、このウルヴァシーでのカイという機械生命体の示した光は、宇宙の歴史におけるターニングポイントだったのかもしれない。
このシリーズは、読めば読むほど人間って捨てたもんじゃない、という温かくも熱い気持ちにさせてくれる。その感動が、思わず目尻を熱くさせる。この物語で流される涙は、思わず溢れだしてくる涙は、悲しみのそれよりも嬉し涙や感動の涙の方がきっと大いに違いない。
さあ、ついに人類の態勢が整い始めた。人類の希望は、今此処に剣を掲げ、続々とその下に人の持つ愛と希望と可能性の素晴らしさを知っている者たちが大挙として集ってくる。
反撃のはじまりだ。

一巻 二巻感想

メサイア・クライベイビィ 2.それは銃弾より尊く強い5   

メサイア・クライベイビィ 2 それは銃弾より尊く強い (集英社スーパーダッシュ文庫)

【メサイア・クライベイビィ 2.それは銃弾より尊く強い】 八針来夏/黒銀 スーパーダッシュ文庫

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惑星サデュアルで支配侯を退けたセレスは、リューン達と共に次なる目的地「惑星アンダーツリー」を目指す。旅の途中で出会った学士・ソフィーヤと親交を深めるセレス達だが、そこに帝国要人暗殺部隊「ハービンジャーズ」が襲いかかる!!惑星ごと巻き込む理不尽な暴力を前に、セレスの絶大な異能が煌めき始める…!!泣き虫な救世主と巨乳姫君が贈る超ド級重力バトル、新たな巨乳も登場してスケールアップの第二巻!!
表紙は機械生命体のレイコと、ミカ・ヴァレナス。読み終えた今となっては納得の看板二人である。新たな巨乳の登場とか何とか謳っているけれど、実際の主役は間違いなくレイコですからね。
1巻では主人公のセレスを始めとして、主だった登場人物が流す様々な意味の、想いの込められた涙の熱さに、物語そのものの熱さを転写したような描き方をされていたこの作品ですけれど、この二巻ではもっとダイレクトに、今度は読んでいるこっちに涙を流させるような、魂を震わせるような熱い熱い展開の連続で、もう参った。泣くよ、泣いちゃうよ。もう、物凄い感情移入しちゃったよっ!
そう、本作って今どきでは珍しいぐらい、胸ぐらを掴んで揺さぶるみたいに登場人物たちの激しい感情の揺さぶりに共感させられるんですよ、感情移入させられるんですよ。特に、今回は機械生命体たちです。支配侯によって造物主たる人間たちを裏切るはめになった機械生命体たちの無念、憎悪、憤激、絶望。機械に過ぎなかった彼らに心が、感情が生まれてしまうほどの、悔しさ!! 感情が生まれてしまったが故に、造物主である人間たちから蛇蝎のように嫌われ、悪魔のように恐れられるようになってしまった哀しさを抱えながら、それでも人類の為に陰ながら奉仕し、支配侯と戦い続けた悠久の日々。
理解を得られることなどもう期待もせずに居た果てに、ついに真実に辿り着いた人間たちから捧げられる感謝の気持ち、セレスに抱く機械の分を超えた家族としての愛情、そして機械と人間という主従の関係を越えて育まれた友情という名の愛を手渡され、堪え切れないほどのあふれだすほどの歓喜に、打ち震える瞬間。
もう、レイコが持て余す感情の一つ一つに、切なくて、苦しくて、胸を打ち、良かったねともらい泣きして、泣けてきてしまう。
彼女たち機械生命体たちだけじゃない。この宇宙に蔓延る理不尽の中で足掻き藻掻いている人たちはどこにでもいる。それは、セレスたちと対立する帝国軍の人間も同様だ。帝国要人暗殺部隊「ハービンジャーズ」の面々も、敵役として登場するものの、彼らもまた「理解」されぬ理不尽の中で戦っている。誰も彼もが、無念を飲み下し、涙をこらえながら理不尽に打ちのめされつつ戦っているのだ。その彼らの悔しさが、無念がひしひしと伝わってきて、泣けてくる。
だからこそ、その無念が理解され、共感され、手を差し伸べられ、理不尽が打ち破られる瞬間が、この上なく輝かしいのだ。誰かに、自分のことを理解して貰えた時ほど嬉しい事はない。たとえそれが敵対する相手だろうと関係ない、愛する人とならば尚更だ。胸が一杯になって、爆発するように歓喜が湧き出し、嬉しさのあまり泣けてくる。
やっぱり、泣いてしまうのだ。
その力、破壊のためではなく、理解しあうために振るう者。理不尽を打ち破るために戦う者。人が、悔しさや哀しさに泣くのではなく、嬉しさに泣くことが出来るように、わがままを貫く者。卑劣で邪悪で呪わしいものに、涙の報いを与える者。これこそ、勧善懲悪の極みじゃあないですか。
メサイア・クライベイビィ―泣き虫の救世主ヒノ・セレス。その伝説の始まりが第一巻だとしたら、彼が自分の生き方を見出し、その戦う姿を目撃した多くの人々が共感を、勇気を、高揚を得た……宇宙に住まう善き心持つ人々の心に、炎が灯った転換点こそが、この二巻なのでしょう。その滾るような熱さにも、なんだか泣けてくる。
これこそ、熱い熱い、炎のように燃えたぎる愛の讃歌である。素朴な善の英雄譚である。人と人が分かり合う喜びの物語である。
心震わせる感動に、涙せよ。笑って泣けて痛快さに体の芯から熱くなれる、最高の一作でした。
うん、最高、ほんと最高ッ!

1巻感想

ナイツ&マジック 4 4   

ナイツ&マジック 4 (ヒーロー文庫)

【ナイツ&マジック 4】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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西方諸国に、鉄と炎の嵐が吹き荒れる。西方随一の大国であるジャロウデク王国が、突如としてもうひとつの大国クシェペルカ王国へと宣戦を布告した。押し寄せる黒鉄の騎士、さらには未曾有の航空兵器までもが投入され、クシェペルカ王国は滅びの時を迎える。その渦中へと、フレメヴィーラ王国第二王子エムリスはクシェペルカにいる叔母を助けるために飛び込んでゆく。同行したエルネスティ率いる銀鳳騎士団の前には、彼らが作り出し、彼らしか持っていないはずの最新技術を用いた幻晶騎士が敵として立ちはだかった。その正体に気付いた銀鳳騎士団は、ジャロウデク王国への敵意を確かとする。敵を倒し友邦を取り戻すため、エルネスティは鬼面六臂の鎧武者を駆り、銀鳳騎士団へと命を下す。「囚われのお姫様たちを、奪い返しに行きましょう」と――。
やばいよやばいよ、エルくんがこええ! この子、完全に戦争を楽しんでるわー。それも、自分の所業に無自覚なタイプではなく、どうみてもマッド寄り。まあ、考えてみると最初からこの子は一貫して「これ」だったわけで、いまさら戦争ごときでスタンスを変えるはずもないのか。
むしろ、この無邪気な竜の子に好き勝手させるだけの懐の広さと遊び心を持ち合わせたフレメヴィーラ王国の器の方が恐ろしく感じてしまう。エルくんに感化されたから、といえばそれまでだけれど、感化される余地が国体にもそこに住まう人たちにも最初からあったからこそ、エルくんと一緒になってはしゃぎ回る狂乱国家が出来てしまったわけで、素養はあったんですよ、素養は。それが、魔獣番と呼ばれる特殊な在リようにあったのかはわかりませんけれど、もし他の国家だったらもっとエルくんを掣肘する方向に行くか、止めきれなくて振り回される形になってたはずなんですよね。まさか、国を上げて一緒にお祭り騒ぎで暴れだすとか、普通の国ならないからw 幾ら染まってしまったとはいえ、あのエルくんの無茶苦茶さに平気でついていってるんだから、実はエルくんと同じレベルでフレメヴィーラ王国は「おかしい」です。
言わば、ジャロウデク王国は、竜の巣に手を突っ込んでしまったんですな〜〜。
え? フレメヴィーラ王国そのものには手を出していないって? 国防というのは、自分の領地だけ守ってればいいものじゃありません。自分の国に直接手が伸びてくる前に手を打っておくのが、防衛の基本。その意味では、フレメヴィーラの国王陛下は出し惜しみもせず、決断も速いんだから頼もしいよなあ。

面白いのは、技術革新の速度がそのまま戦争の進行速度の激化に繋がってるところなんですよね。このクシェペルカ王国をめぐる戦争の推移、どれだけ短かったんですか。王国の崩壊とそこからの盛り返しのスパンが異様に速い。それもこれも、威力と速度の増大がそのまま事態の激化に直列しているのである。ジャロウデクの飛行船然り、銀鳳騎士団の馬型騎士然り。まさか、この段階で空挺戦術が出てくるとは。そりゃ、クシェペルカも短期で崩壊しますわ。何しろ、街道を塞ぐ砦も、本丸を防衛する城の壁も、二次元的な防衛設備は殆ど関係なくなるわけですし、伝令が行き交うよりも早く襲ってくる機動速度は、体制を整える暇も与えてくれませんし。その上、空挺によって降りてくる戦力が、通常の戦力が太刀打ちできないもの、となったらそりゃ抵抗もなにもあったもんじゃないですよ。
ところが、この空挺戦力も、機能するのは制空権が確保出来ていてこそ。まあ、まさかこんなに早く飛行船を落とす手段を用意してくるとは思わないだろうから、そりゃあ戦力集中しちゃうよなあ。実のところ、空挺戦力というのは正面決戦よりも、戦略単位として使うのが有効なんだけれど……いや、この仕掛なら使いドコロはここ、と判断するのは無理ないわ。司令官だったジャロウデク王国の第二王子は、責められませんよ。この展開を予想しておけ、というのは厳しすぎる。それを言うと、シャロウデク王国の侵攻を迎え撃ったクシェペルカ王国も、判断ミスらしいミスは犯してないんですけれどね。両者に何が足りなかったか、というと相手の手札を全部さらけ出させる情報力が足りなかった、というべきか。それも、国家機密やエルくんの頭の中を暴き切れ、というのは酷な話なので、何が問題なのかというと、戦争を激化させたのは、殆ど全部エルくんのもたらしたブレイクスルーなんですよねえ、まあ怖い。当人はといえば、ロボット同士で戦争できて、大はしゃぎ、という様相なのですが。まあ、ジャロウデクにも、飛行船を開発した危なそうなマッド開発者が控えているようなので、そのうち阿鼻叫喚の開発競争になっていきそうですが、やっぱり怖い。
そんな中で、あちらこちらでラブロマンスも出来上がってきましたよ。エドガーとヘルヴィーは完全に出来上がってますし、キッドにもついにお姫様が登場してしまいましたし、エムリス王子も従妹の子といい雰囲気だし。
キッドなんか、身分違いじゃ、と一瞬思ったんだけれど、よく考えたら彼も大貴族の子息なんだし、そこまで身分違いじゃないんだなあ。
他のカップルと比べると、エルくんとアディのそれは妙に微笑ましく見えてきてしまう。いやでも、年頃の男女としては明らかに変なんだけれどw
大西域戦争はまだはじまったばかり。実のところ、エルくんたち銀鳳騎士団が暴れまわったとはいえ、フレメヴィーラ王国自体は関与していないふりをしているので、本格参戦はしてないんですよね。というわけで、大事になるのはむしろこれから。次は早い目に読ませてほしいなあ。

1巻 2巻 3巻感想

メサイア・クライベイビィ 〜救世主はよく泣く〜  

メサイア・クライベイビィ 〜救世主はよく泣く〜 (スーパーダッシュ文庫)

【メサイア・クライベイビィ 〜救世主はよく泣く〜】 八針来夏/黒銀 スーパーダッシュ文庫

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人類が重力テクノロジーを発達させ、広大な宇宙に生息圏を広げて数千年。銀河の侵略者「帝国」により滅ぼされた故国奪還を目指す姫君リューン=サデュアルは、一人の少年と出会う。少年の名はヒノ=セレス。後に銀河中で“泣き虫な救世主”(メサイア・クライベイビィ)と呼ばれることになる、人類最強の重力制御能力者だった…!
 「あ、あの……ご、ごめんなさい。わらわ、おっぱい押し付けてごめんなさい」
「……さては君、馬鹿だろ?」
 泣き虫な救世主と巨乳姫君が贈る、超ド級重力バトルスペースオペラ、堂々開幕!!
この物語の主人公であるセレスは、サブタイトルにもあるとおり、実際に良く泣く。決して弱虫で泣くことしか出来ないような子ではなくて、生まれ育った特殊な環境のせいで、感情の発露がそのまま涙腺を刺激してしまう為に涙が出てしまう、という理由なのだけれど。でも、そのせいか彼からはダイレクトに涙を通して生の感情が伝わってくる。悔しさ、嬉しさ、悲しさ、恥ずかしさ、怒りと喜び。子供のような生の感情が涙を通してこぼれてくるのだ。それは、死人谷という人間が人間らしく生きることの出来ない世界の中で生まれ育った一人の少年が、泣くことで生まれ変わり「人間」そのものになっていくかのようなのである。
彼に限らず、この物語の主要な登場人物には「泣く」という行為が常に寄り添っている。愛する人達の行く末を想い涙するバリル翁。絶望に、悪夢に、悲嘆にくれるリューンの涙。機械生命であるが故にどれほど泣きたくても涙を流せないレイコ。そして自分の意志も自由も奪われて、唯一涙だけが囚われた心からこぼれ出すリザ。
泣く、という行為には、無意識にあふれだす涙という存在には、どれほどの心が込められているのか。どれほどの愛情があふれているのか。
愛ゆえに泣く、人だからこそ泣く。喜怒哀楽あらゆる感情に、涙という雫は寄り添っている。嬉しい涙をながすため、悲しみのために流される涙を止めるため、泣くことの意味と価値を誰よりも知っているからこそ、ヒノ=セレスは救世主として戦う事を選んだのだ。これほど、人間らしく尊い戦いがあるだろうか。
戦う相手は、涙の意味も価値も知らない、泣くことをそもそも知ることのない悪意の結露、愛を知らぬ真なる邪悪。人が人であることを根底から否定するすべての意志ある者たちの大敵。
まさに、宇宙を股にかける壮大な戦いの物語なのだ。相変わらず、この作者が描き出す思わずワクワクと胸が高鳴るようなスケール感は健在で、銀河武侠モノという前作のようなジャンルにはさすがに行けなかったみたいだけれど、もう根本的にそういう作風なのか、やっぱり人心の心構えというか、人間同士の親愛のつながり方が武侠ものっぽいんですよね。そこに愛があり、義があり、誠がある。プラスしてド派手にして躍動感あるエンタメ要素タップリの演出が敷き詰められていて、読んでて楽しいのなんの。
リューン姫さまのちょっとすっとぼけたキャラに、セレスとの初々しくも瑞々しいラブコメに、ヒョイッと玉を転がすように笑わせてくれるテンポの良いギャグに、と情感に訴えるテーマ、壮大なスペオペ要素だけじゃなく、軽妙なコメディタッチの部分も大変おもしろく、いい意味で隙のないさすがと思わせてくれる絶品でした。
ちょっと1巻である程度話をまとめるためか、慌ただしい展開や進展もあった感じだけれど、もしシリーズ化するならそのへんも落ち着いてくるんじゃないかな。キャラもすでに出揃ってますし。
テッカイオーが打ち切りとなると忸怩たるものがあるんですけれど、せめてこっちは頑張ってほしいなあ。応援してます。

八針来夏作品感想

ナイツ&マジック 2・34   

ナイツ&マジック 2 (ヒーロー文庫)

【ナイツ&マジック 2】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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安全だったはずの演習中、突如現れた師団級魔獣ベヘモスの襲撃を何とかしのいだ、エルネスティをはじめとしたライヒアラ騎操士学園の学生たち。
戦いは終わり、彼らは平穏な日常に戻ってゆく――はずが、エルネスティの日常は平穏ではありえない。
国王から無茶振りを受けたことにより、彼は幼馴染から学生たち、さらには学園そのものまで巻き込んだ大暴走を始める。
その果てに彼は世界の常識すら踏み越えて、ついに新たなる幻晶騎士を生み出すにいたる。
異形の知識によって形作られる、強力な力を秘めた新型機。その力をめぐって様々な人間が動き出す――。



ナイツ&マジック 3 (ヒーロー文庫)

【ナイツ&マジック 3】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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異世界の記憶を持つ少年エルネスティは、ロボット好きという趣味が高じるあまり、新型幻晶騎士テレスターレを生み出した。
彼の身を案じた国王アンブロシウスは、彼の護衛として、またその力を生かすために銀鳳騎士団の結成を命じた。
騎士団を率い、エルネスティは今日も元気に暴走する。
作り上げる新型機は、もはや人型ですらない半人半馬の異形の騎士。さらには新型推進器まで開発し、挙句空まで吹っ飛ぶ始末。
どこまでも止まらない彼の爆走は、やがてフレメヴィーラ王国全土へと大きな変化を与えてゆく。
そんな折、アンブロシウスは彼と交わした、とある約束を果たす決意を下していた。
自身が求める最大の秘密を前にして、エルネスティは期待に胸を高鳴らせる。
しかし同時に、彼は衝撃の事実を告げられた。「秘密を守る隠れ里に、大きな危機が迫っている」と――。


うははは、すげえすげえ、たったひとりのブレーキ知らずの暴走が、彼個人のものじゃなく周りを巻き込んでの大暴走になってきた。エルが狡猾というか強かというか上手いな、と思うのは彼が提示するものは決して荒唐無稽で彼個人しか手が出ないものじゃなくて、その概念さえ飲み込めばだれでも理解できて、しかも実践出来るものなのである。つまり、誰でもやろうと思えば手が出る範囲に、ちょこんと餌置いていきやがるんですよ。今まで食べたことのないようなご馳走を、目の前に置かれて我慢できる奴がいるだろうか。
いや、ほんとに感心してしまった。最先端を突っ走りながら、エルって常に後続との距離を図っていて、他を置いてけぼりにする、という事はしないんですよね。プレゼンテーション能力の高さはたびたび言及されていますけれど、企画段階から量産性や汎用性などもちゃんと重要な要素として取り込んでいるあたり、ただの技術バカとは一線を画しています。そのくせ、そのあたりの実用化に向けての細かいあれこれを他所に丸投げして、自分は新開発にかまけてしまうところなんぞ、強かもいいところです。組織というものの扱いが尋常じゃなく上手い。それでいて、その野心はひたすら「趣味」に向かっているのだから、面白い。
この作品の気持ち良い痛快さは、ひたすらにエルという主人公にあります。でも、ただ彼の凄さに酔いしれるのとはまた違うんですよ。いわゆる「俺TUEEEE」系主人公にありがちな、崇拝や無辺の好意を集めるのとはまた違って、彼への作中の登場人物たちの見方は、まず第一に手綱の取れない問題児以外の何者でもありません。みんな困ったどうしようもない子を見るような目で彼を見ています。と、同時に彼への視線は年齢や立場を越えて、みんなが慈しみに溢れてるんですよね。そして、これは、読んでいるこちらの気持ちとシンクロしていると思うのですけれど、エルが次は何をしでかすのか、何をやらかしてくれるのか、とみんなが目をキラキラさせてワクワクしているのです。しかも、作中のキャラたちはエルの暴走を見ているだけじゃなくて、エルを知れば知るほど彼の暴走に対して、我も我もと一緒になって大はしゃぎして参加し出すのです。最初は学園のみんなが。続いて国王陛下をはじめとする国の重鎮たちが、エルのしでかす数々の出来事に度肝を抜かれ、でもそれが彼一人のお祭りではなく、自分たちも頑張ればそれに加われる、一緒になってこのワクワクする見たことのない景色を楽しく共有できるのだと気づいた瞬間、我先にそのお祭りの中に飛び込んでいくのです。
なんて、楽しそうなんだろう。なんて、嬉しそうなんでしょう。1巻の終わりに、エルの突出しすぎた特異性を聞きおよび、その危険性に思いを馳せ眉根を寄せていた国王陛下の、2巻、3巻での爺のくせに年甲斐もなく童心に戻ったみたいなはしゃぎようを見てしまうと、ついつい笑みがこぼれてしまいます。
ってか、孫と本気でおもちゃの取り合いをするなw
それだけでなく、本来ならエルに否定的だった、秩序を乱すものには容赦なく牙をつきたてようとしていた保守派の公爵が、頑迷で地位にしがみつこうとしていた王立工廠の長が、無邪気で強かなエルの暴走に感化され、胸の奥から湧き立ってくる「ワクワク感」に身を任せて本分を思い出し、奮い立っていく姿の、なんと痛快なことでしょうか。
誰も彼もが自分の出来ることをひたすら磨き上げ、高め、鍛え上げ、エルの大暴走に遅れまいと、目をキラキラさせながら夢中で楽しそうに頑張りまくる姿が、素敵で仕方がないです。
エルの全身全霊の「趣味」への突貫に巻き込まれ、熱気に包まれた国全体のフィーバーっぷりが、読んでいてもこっちのテンションまであがってしまって。ワクワクしっぱなしでした。
さて、これは早々に次を出してもらわないとこらえきれんですね。3巻が出たのが去年の九月、とだいぶ間があいてしまっているので、そろそろ予定もあがらんかしら。

1巻感想

ナイツ&マジック 1 4   

ナイツ&マジック 1 (ヒーロー文庫)

【ナイツ&マジック 1】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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とある一人の日本人が事故でこの世を去った。彼の魂は、異世界において『エルネスティ・エチェバルリア』として転生する。しかも、前世である日本人としての記憶を受けついだまま。エルの趣味嗜好も前世に倣ったものだった。彼は前世に続いて極度の『メカオタク』であったのだ。そんな生まれ変わった世界で、実在する巨大人型兵器である幻晶騎士と出会ったエル。彼は狂喜乱舞しながら、その操縦者となるべく行動を開始する。この世界での幼なじみを巻き込みつつ、メカオタクとしての暴走は続いていく―。
小説投稿サイト「小説家になろう」で大人気のロボットファンタジーがついに書籍化。メカオタクだった青年が、転生し、思う存分本物のロボットを操る。
部屋をひっくり返してたら発掘出来たので、機が到来したのだ! ということで、長らく積んでたのを読むことが出来ました。
……お、面白いなあ、これ!!
うん、なるほどこれは人気になるはずだ。この類のお話はそれこそ掃いて捨てるほど沢山湧いて出てますけれど、その中でもほんの一握りに分類されるだろう本物であり、何より「痛快」を旨とするこのカテゴリーの本分をこれでもかと貫き通した、まさに快作と言っていいんじゃないだろうか。
何よりやっぱり主人公がいい。重度のメカオタク、ということで新たな人生をひたすら趣味に費やしまくってる彼ですけれど、その無邪気さと人当たりの良さが不快とは程遠いキャラクターで、容姿もあいまってか性格も含めて凄く可愛らしいんですよね。それでいて、暴走しがちだったり腹ぐろだったり、結構イイ性格しているのも逆に微笑ましかったりして。頭がいいのに小賢しくない、ロジカルなのに理屈っぽくない、こういうキャラ、なかなか難しいんだけれどなあ。でも、とにかく目をキラキラさせて一つのことに夢中になってる子を見ていて不快には思いませんよね。
彼のそうした姿勢は、周りの子たちも感化して、大きく広がっていくわけですけれど、主人公のエルが「崇拝」されるのではなく、ちゃんと友達として、生徒として、後輩として、好かれて一緒に頑張ろう、という流れになっていくのは、見てても気持ちよかったです。そのあたり、微妙に気持ち悪い人間関係になっていくモノも少なからずありますし。
そして、巻ラストの大激戦、痛快にして燃える要素タップリ。これぞ、ロボットものだわなあ。とはいえ、ロボットはロボットでも近未来じゃなくて、ファンタジー世界なのですけれど、メカヲタとしてはそっちでも構わないんだろうか。まあ、幻晶騎士はちゃんとした理論と、技師によって成り立っているものみたいなので、ファンタジー世界のものとはいえ、キチンとロボットしているので、構わないのか。
ともあれ、最後までワクワクしながら読むことが出来ました。うんうん、面白かった。早速、続刊入手済み。続き読みます。


聖剣と魔竜の世界 1 3   

聖剣と魔竜の世界 1 (オーバーラップ文庫)

【聖剣と魔竜の世界 1】 サイトウケンジ/黒銀 オーバーラップ文庫

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「これから『聖剣と魔竜の世界』を始めましょう」

12月24日午後10時。平和なクリスマス・イブの夜、全世界は『魔竜姫』を名乗る美少女・アーリにより宣戦布告された。
後に『魔竜宣言』と称されるその宣言は、平穏をモットーにする主人公カガリの生活を一変させる。
カガリの住む『美影開発都市』に襲い来る『六皇魔竜(ゼクスドラグナー)』。
それを倒すために集まってくる『聖剣』こと可愛い美少女たち。
否応がなく混乱に陥る街と生活を守るため、カガリは美少女たちを『聖剣』として携え『魔竜』と戦うことに――!
最高に刺激的でハイテンションなバトルが、ここに開幕!
ああ、やっぱりこの作者さんって敵味方に分かれていても別に仲良くしてたっていいじゃない、という作風の人なのか。この人がシナリオを手掛けたゲームはやったことないんだけれど、MF文庫Jの【101番目の百物語】と漫画原作の【トリニティセブン 7人の魔書使い】が普通にそんな感じで敵対していても普通にキャッキャウフフしていたので、概ねそういう仲良しな雰囲気で押す人なのかなあ、と思っていたら案の定本作でもちゃんと魔竜と聖剣が普通に仲良くしてました……いやいや、全然普通に、じゃないですじゃないです。
みんな魔竜と聖剣が不倶戴天の敵同士、ということを承知しつつも、それはそれこれはこれ、という感じで日常生活の方では仲良しこよししているのですが、なんでだろう、グダグダじゃないんですよね。これは、この人の作品見ていつも思うんだけれど、とても不思議。ゆるゆるなわりに緊張感がないわけでもなく、意外とハードな雰囲気は残っていたりするものの、だからと言って殺伐とするわけでもなく、妙な微笑ましさが常に付き添ってる感じで、何だかんだとこの緩い空気感がかなり好きだったりします。
個人的には主人公は先に上げた二作の主人公みたいに「イイ性格」をした自分のペースで周りを引っ張りまわすタイプの方が好きなのですが、本作の主人公であるカガリはわりと苦労性だなあ。常識人な部分が強くて、その為かかなりツッコミを強いられる立場に立たされてる気がします。突っ込んだらある程度それで気が済んじゃってるあたり、実はこやつもそれなりに大まかな性格な気もしますけど。

さて、ラスボスを自認して登場したアーリですが、さすがにラスボスらしく背負う魔竜は他のファンタジーなどでもラスボスを任せられるほどの大悪竜。つまり、本当にシリーズのラストに満を持して現れるような竜だけに、もうちょっと勿体ぶってくれても良かったかも。だって、六皇魔竜(ゼクスドラグナー)を引き連れて、って連れてきてないから。せっかくの大幹部六人衆がいるのに、本人ウキウキで先乗りしてきたら聖剣とガチ戦いになっちゃって、幹部集まる前にラスボス出るはめになっちゃったとか、ある意味残る四人の幹部連中が知らん間に遅刻扱いになってしまって可哀想というか何というかw
まあ今回はさらに後ろで暗躍する黒幕の謀略で無理やり引きずり出された感があるので本人が勇んで突っ込んだわけではないので仕方ないと言えば仕方ないのですが、悪役を自認するならもうちょっと様式美を守りましょう。いい意味でも悪い意味でもフットワークの軽すぎるラスボスであります。というか、チョロすぎるラスボスというべきか。敵としても味方としてもヒロインとしてもラスボスとしてもチョロすぎるw
いやまあチョロいとか言い出すと、アーリだけじゃなくて概ね全員チョロいんですけど、主人公含めて。全員チョロいからこそ、この軽やかさなのかもしれませんが。しかし、そんなチョロい彼女ですけれど、悪竜として倒される悪として立つ覚悟だけは本物なんですよね。なんだってまた、彼女がそんな覚悟を固めて世界に宣戦布告するに至ったかの理由については今のところまだ明らかにされていないわけです。裏で暗躍する物も、カガリの過去に絡んで居るようですし、本格的に話が動き出すのはある程度役者が揃ってからか。
なんか、物凄い黒幕的な悪い顔をしてCパートに出てきた人たちが居ますけれど、流れから言ってどうせこの人達も「じゃじゃーん、実は私達が黒幕だったのですた!」「な、なんだってーー!? ずっと俺たちを騙していたのか!! ショックだ! あ、それはそれとしてこの後放課後遊びに行くんだけど、一緒に行く?」「おー、うんうん、行く行くー♪」みたいな流れになるんだぜ。そんな緩さを信じてるw

サイトウケンジ作品感想

白銀の救世機(ゼストマーク)4   

白銀の救世機 (MF文庫J)

【白銀の救世機(ゼストマーク)】 天埜冬景/黒銀 MF文庫J

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「応えて! ゼストマーグ! あたしの想いを力に変え、勝利へ導いて! ! 」
突如として現れた謎の生命体・XENOに支配された世界。人類は感情を失った生物、ゼノイドへと進化を遂げ、生き残っていた。落ちこぼれの少年、アルツはゼノイドとして生き残るための選別試験の途中、コールドスリープしていた旧人類のナユキと救世兵器『ゼストマーグ』と出会い、自分と世界を変える戦いに巻き込まれていく……。《――時は来た。『白銀新生』の扉を開け――》新人賞最優秀賞受賞作家が贈る、絆で闘うヘヴィバトルアクション、堂々スタート!
これはなかなか熱いロボットもので面白かった!
何より、コールドスリープで過去から未来世界に放り込まれたのが男の主人公ではなく、メインヒロインだったというのがスマッシュヒット。最近の傾向だと、ここで異邦人たる存在を主人公に宛がうのが常ですもんね。それを、逆にヒロインによってもたらされた失われた新しい価値観に主人公が衝撃を受け、そこから主人公に足る自我を確立していく、というアプローチは良かったなあ。何も知らず、自分が壊れた出来損ないだと思っていた何も持たない主人公が、貪欲に好奇心をむき出しにして、見当違いの突拍子もない勘違いも起こしながらも、純真なくらいに一生懸命に今の進化した人類が失ってしまったものを、熱い感情を有した少女から得ようとしていく様子には素直に応援を送りたくなってくる。もともと感情というものがない存在であるが故に、感情や熱い想いへの渇望は一途で、同時に表裏もなく真っ直ぐで健やかなんですよね。そして、学んだものを自分なりに噛み砕き、善きところも悪しきところも踏まえた上で、それをかけがえの無いものとして自分のものとし、何も知らない幼い存在でもなく出来損ないの壊れた無力な存在としてでもなく、過去から託された温かい想いによって、自分の存在意義を見出し、強い意志と希望を抱き多くの人の光となるような存在へと、それこそ過去から放り出され迷い子のように彷徨っていた孤独な少女の心をも照らすような、実に主人公らしいイイ男へと、格好良いヒーローへと、悩み苦しみながらもブレずに成長していく様子は、胸のすくような有り様でした。
まだまだ荒っぽい構成ですし、世界観の構築にもゆるい部分は多々あるのですけれど、それでも独り善がりにならず拳を握って盛り上がれる面白い話を魅せたいという強い意識を感じさせる、グイグイと読ませる魅力的な物語だったとおもいます。
仮面の男はいくらなんでもやりすぎだと思うけどね(苦笑
あと、妹のヤンデレ具合が怖すぎる。感情ゼロからいきなりそれって、ヤバすぎですw
 
11月26日

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