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0能者ミナト

0能者ミナト 9 ★★★★  

0能者ミナト (9) (メディアワークス文庫)

【0能者ミナト 9】 葉山透/kyo メディアワークス文庫

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Kindle B☆W
怪異を知る者でもにわかには信じがたい、神話上の存在。だが、それはいた。
身長2000メートル、超弩級の怪異。ダイダラボッチの出現は終末すら予感させるものだった。そのひと足で町が壊滅する。天災級の怪異に、公安調査庁、防衛省も動く事態に発展する。
防衛省幹部、幕僚らが居並ぶ席に、ラフな服装の青年がひとり。場違いな雰囲気をこれ見よがしに発散する湊である。人知が及ばぬ無敵のダイダラボッチに対し、湊は驚くべき作戦を提案する。それは神話を現代物理学で解明する、神への挑戦とも言えるものだった。
うほー、これはすげえ。ゴジラですら目じゃないじゃないですか。最大でも100メートルを超えるくらいのゴジラに対して、2000メートルですよ。富士山の中腹まで届くような巨身。大概の山なら山頂まで手を伸ばせば届くような。想像がつかん! でも、神話の描写を忠実に現実化するなら、このくらいになってしまうのか。神話パねえ!
と、普通ならこんなとんでもない存在を相手にする話となったら、怪獣特撮モノかモンスターバスターの話になってしまうと思うのですけれど、本シリーズの一貫して凄いところはこんなダイダラボッチみたいな相手ですら、ちゃんと怪異譚として、あくまで怪異を討滅する話になってるんですよね。現代物理学を駆使して怪異を討伐するくせに、怪異を決して現実的な生命としてのモンスターに引きずり降ろさない。怪異は怪異として、現代物理学のロジックで消し去るのである。これって難しい事だとは思ってたんですけれど、こんなダイダラボッチみたいな事例ですら、それを堅持してみせてくれたのには心から感心させられました。いやでも、実際にこれを倒した時の方法やダイダラボッチの解明された正体を考えると、むしろSF寄りにもなるのか?
面白いのは2000メートル級の大巨人が出現しながら、その巨体がもたらす目撃情報や被害が確定しないところなんですよね。これだけ見逃しようのない巨身でありながら、最初はそんなものが存在するのか、という段階から疑われ、パニックが広がっていくまでに若干の間があるわけです。これは、ダイダラボッチの存在ルールに関わる問題なのですけれど、ダイダラボッチ編が怪獣特撮モノになってしまわないロジックとしても、非常に巧妙に考えてあるんだよなあ。
いやしかし、このスケール感は凄いよなあ。2000メートルって、実在するとこんな風になるのか。

最近、話の展開上沙耶に対して厳しい試練が課せられるんですよねえ。湊も、あれでお子様二人を結構大事に……はしていないか、それでも雑には扱ってない……かなあ。甘やかさないという意味では優しく厳しいもんなあ……いや、全然そんな風には見えないけど。本当に見えないけれど。
箱入り娘だった沙耶や、ちやほやされて育ったユウキが色んな意味でたくましくなってきたのは、湊のおかげであるんだろうけれど、どうしても認めがたいですよねえ、うんうん。
湊のおかげでキャラ的に壊れちゃった人もいますし。理沙子とか、理沙子とか、理沙子とか。
あれだけひどい目にあわされておきながら、仲間はずれにされると拗ねるってこの人もたいがい面倒くさいというか、明らかに姪っ子の沙耶よりも精神年齢幼いですよねえ。その分、からかうと面白すぎるだけに、湊が会う度に弄り倒す気持ちもわからなくはない。孝元さんが、いつも何だかんだと一部始終を見物して堪能しているのもわからなくはないw

シリーズ感想

0能者ミナト 8 3   

0能者ミナト (8) (メディアワークス文庫)

【0能者ミナト 8】 葉山透/kyo メディアワークス文庫

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恐ろしい怪異が蠢く禁断の館。その最奥にいたものとは――元気に泣く人間の赤子だった。この異様な事件は解明されることなく、記録の奥底に眠ることになる。
赤子は立派な少年と少女に成長する。だが、そのささやかな平穏は破られる。赤子が怪異の子だという資料の流出。二人は追い詰められていく。
かくして退屈な依頼に殺されそうだった湊の登場である。なぜ怪異の館に赤子はいたのか。二人は本当に人間なのか。
不可思議な事象に湊の知性は驚くべき論理的解決を見出していく。だが見過ごした一つの可能性。それが恐るべき事態を引き起こすのだった!
さ、さすがに「メンデルの法則」まで適応されるとなると、じゃあ怪異って普通の生き物なの? という疑問が湧いてくる。遺伝子云々というルールに怪異も縛られるなら、それは怪異が幻想・超常の存在ではなく、既存の生命の系統樹に連なる存在なんじゃないのか、と。尤も、異類婚姻譚が成立する時点で怪異も既存の生命の範疇と考えて然るべき、という捉え方もあるわけか。
ただ、何れにしても無限令の試みは、怪異という存在に対するアプローチとしては御蔭神道と総本山のそれとは根本から違っていて、完全にオカルトの領域から外れた科学的なものなんですよね。そして、それが成立してしまっている時点で、この作品における怪異というものの見方そのものをひっくり返さないといけないのかもしれない。そうしないと、次の敵。無限令が対抗策を導き出そうとして叶わず、湊にその討伐を託すことになったラスボスっぽい大敵に対しては、そもそも立ち向かう事すら出来ないのではないだろうか。なんだか、それくらい無茶苦茶な大怪異みたいだし。
今回のお話は、怪異に対して湊が科学的アプローチで調伏していく、というこの作品における枠組みをやや逸脱した話だったと思うのだけれど、次のでっかい事件の前に、認識のパラダイムシフト、とまではいかなくても、今までよりもさらに柔らかく「怪異」という存在を捉えるためのワンクッションを置くための話だったんじゃないか、なんて想像すると、次がどれだけとんでもないスケールのお話になるのか自然とワクワクしてきてしまう。

と、その前に今回のお話だけれど、このオッサン、ほんとに信用出来ないよなあ。最近、度々本気で余裕ないケースがあったんで、今回もついつい信じこんでしまったのがなんだか悔しい。まあ、今回については湊が云々というよりも、スズという少女の度胸と肝の据わり方が並外れていた故、と割り切った方がいいのでしょう。実際の状況時における彼女の立ちふるまいはもとより、追い詰められても思いもよらぬ事が起こっても、動転してパニックにならず、あっけらかんとしていると思えるくらいブレないメンタル面の強さが運も結果も手繰り寄せたように思える。勿論、イチや沙耶のような信じられる相手、心から寄りかかれる相手が居たからだろうけれど、芯の強い女の子は格好いいわ。
沙耶も身近の歳の近い子がこういう生き方しているのを見て、何らかの影響を受けないものだろうか。世間ずれしてないのに、スズときたら一足先に……だもんねえ。……むしろ、関係ないけど理彩子の方が焦りそうで笑える。
何にせよ、今回の一件、湊の詐術では、御蔭神道や総本山という古く特殊であるがゆえに選良意識が悪い方に拗れた一面がある組織に対して、痛烈にしっぺ返し、というよりも、その一方的な見方がどれほど醜悪で愚昧でしかないかを身をもって知らしめる、という意味で実に痛快でした。御蔭神道や総本山も、決して腐りきった組織などではないのが、ちゃんと歪みに対しては自戒自浄が働きそう、というのもよくわかりましたし。単にやり込めるのではなく、組織を良い方向に向けさせる、なんてことを湊が果たして意識していたかはわかりませんけれど、口の悪さや態度の悪さと裏腹に、湊って案外……だもんなあ。

それにしても、ラストの湊と理彩子と孝元が毎回会合、というか集まって駄弁ってる喫茶店、いい加減利用するのも憚れるくらい、怪しい振る舞いしまくってるけれど、湊はもとより理彩子も孝元も気にせず毎回利用……というか、巫女服と僧服来たまま利用している時点で、わりと二人も大概なんだよなあ。
店側も大変である、これ。

シリーズ感想

0能者ミナト 73   

0能者ミナト(7) (メディアワークス文庫)

【0能者ミナト 7】 葉山透/kyo メディアワークス文庫

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七人ミサキ―入れ替わる魂を求め永遠に彷徨う、悪夢のような怪異。三年前、孝元が助力を求めたのは、今と変わらず横柄で奔放な湊だった。依頼人を守るために汲々とする総本山の手練れをよそに、まったくやる気を見せない湊。すでに悪命高い“零能者”に、僧達は忌々しげな態度を隠さない。だが、湊の自由な発想とアプローチは次第に皆の心を捉えていくのだった。連鎖する呪い、そしてその数の多さ。永遠に途絶えることがないという怪異に、湊は思いもよらない方法で迫る。
孝元さんの人の良さって、場合によってはコイツ黒幕なんじゃないのか、と疑ってしまうくらいのレベルなんだけれど、この人ホントに素でこれなんだもんなあ。せめて並外れたお人好しなだけで、他は無能力のろくでなし、だったらダメ人間属性の女性がひっかかりそうなんだけれど、むしろ逆に有能で何でも卒なくこなしてしまう、というのは一種の嫌味になってしまうんだろうか。あの時計占いを見ると、意外と食わせ者なんじゃないか、と思えてくるけれど。
しかし、孝元のお人好しさはミナトの無軌道の原因なんじゃないか、とすら思えてくる。ミナトの孝元への接し方って、もうこれ警察に通報してもいいレベルですよね。よくまあこんなのと平気で付き合ってるなあ。

さて、お話は「七人ミサキ」と、一夜にして、どころか目撃者がいる前で一瞬にして村人が消え去った村の謎の二編から。

最近、七人ミサキをお題にした話をよく見かけるんだけれど、つまるところそれってミナトが言っているようにそれだけ七人ミサキがメジャーな怪異、と言う事になるのか。ただ、普通の怪異と比べても危険性は段違いに高い気がするけれど。この作品の七人ミサキだと、一度狙われると場所を問わずに襲ってくるようだし。それにしても、年間二千人近い犠牲者が出てる、というのはとんでもない話だ。怪異の犠牲者数としては並外れてるんじゃないだろうか、これ。
だからこそ、現れたものを1つずつ潰していくというこれまで通りの対処療法ではなく、ミナトが企画したのが根本的な削減策だったんだろうけれど、その方法が素数ゼミの話を元にした生物科学的なアプローチ、というのが厳然と実在する怪異に対して科学的な方法で対処する霊能力を持たない0能力者ミナト、らしい方法で、そう言えばこの作品って、そういう話だったなあ、というのを思い出した。いや、最近って物語性がだいぶ濃くなったせいか、怪異を科学的に退治する、というテーマがあんまり印象に残ってなかったんで。
でも、素数ゼミの淘汰の理論は理解出来てるんだけれど、それを七人ミサキに当てはめてもセミと同じように淘汰しあって減っていく、というのがよくわからなかったんですよね。幽霊に生存競争って当てはまるのか? 理解力の乏しさを痛感した。
この話での犠牲者となる女性について、ミナトが殊更胡乱な目で見ているように見えたのは、確かに彼女自身の人格に問題があったのは間違いないにしろ、多分にミナトの罪悪感が含まれていたようにも見える。良心の咎めを少しでも宥めるために、この女はろくでもないやつだ、と強調して思い込もうとしていたような……。
結果として、彼女を切り捨てる形になってしまったわけですしね。こういう事に一切罪悪感を感じない男なら生きるのも楽なんだろうけれど、多少なりとも感じるくせに小を切り捨てる真似が出来てしまうのが彼の苦しいところなんだろう。その意味でも、孝元みたいな優しい人と理沙子みたいな口うるさくも律儀な人が離れずそばにいてくれたというのは、思っていたよりもずっと大きな意味を持つのかもしれない。

そしてもう一遍の「化」。
いやもう、なにこの仔狸。可愛さが凄まじいんですけれど!! この子がミナトの事務所のマスコットになってくれてレギュラー化したら、この作品自体が人気爆発しそうな凶悪な可愛さだったんですけれど。あまりに可愛すぎて、ミナト以外のキャラクターが蕩けきってまともな話にならない気もしますけれど。
この人が消え去ってしまった村の真相については、過去に起こった災害の話なんかからも概ね予想がついていたんですけれど、実際の真実はそんな予想を軽々と上回る、いっそ壮絶と言っていいくらいのものでした。
動物の恩返し、というのは昔話の定番だけれど、ここまで凄絶極まるものはちょっとお目にかかったことがない。ただ、自分の命を捧げて報いるよりも過酷で想像を絶するような時間を費やして成し遂げた、たった一匹の小さく健気な怪異がつくりあげた本物の楽園が、ここに在り、そして役目を終えて潰えたわけだ。
なんとも胸が一杯になるお話でした。ほんと頑張ったね、お疲れ様でした。

最後に掌編の「占」
腐れ縁を拗らせたミナト、理彩子、孝元の大人三人組の益体のない雑談話。これ見てると、ほんとにいいトリオというか、良い友だちなんですよね、この三人。……良い友だちなのかどうかは言い切る自信がないけれど。でも、あのミナトが縁を切らずになんだかんだと付き合い続けてる、他の二人もミナトと距離を置くこと無くなんだかんだと付き合い続けてる、という時点でもう、言い訳できないんですよね。まったく、困った大人たちである。
時計占いの話は、これ自分も当てはまるなあ。ミナトと理彩子のコンビに逆襲されてへこまされる孝元さんが、微妙に可愛かったですw

シリーズ感想

0能者ミナト 6 4   

0能者ミナト (6) (メディアワークス文庫)

【0能者ミナト 6】 葉山透/kyo メディアワークス文庫

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とある寒村で、青年と家畜が惨殺される事件が起こる。事件に“怪異”の存在を嗅ぎ取った御蔭神道は、高校生ながら英才と称される水谷理彩子を派遣する。彼女が現場で出会った発見者は少し年下に見える少年だった。殺人現場を見ても落ち着き払い、冷静すぎるぐらい論理的な少年―九条湊に戸惑う理彩子。いつの間にか理彩子は少年のペースに引き込まれていくようになり。湊と理彩子が出会い、初めて“怪異”に挑むことになった事件とは?葉山透が贈る現代の伝奇譚。
珍しくスーツなんて着て真面目な顔をしているから、これが少年時代の湊なのかと読む前まで思っていましたけれど、本文を読むとどうやら今現在の湊と考えて間違いはなさそうだ。つまりは、珍しくこういう格好をしてこういう表情をしているシーンがあるんですよね。
というか、あらすじ読んでたらてっきり今回は理彩子との出会いとなった昔の事件を中心に送る過去編かと思ったら、過去はあくまで起因でありそこから派生してきた現在の事件がメインとなるお話でした。とは言え、すべての起因となるこの件の事件は、湊と理彩子が出会った、という点でも重要で、怪異という存在を湊が知ることになるという意味でも重要でありましたが、それ以上に湊が自分の生き方を見出す事件でもあったわけです。
というのも、どうもこの事件に遭遇するまで湊は自分の本質と表向きの人様との接し方にかなりの齟齬を抱えていたようなのです。しかも、彼は明らかにマトモではない自分の本質に対して、相当の忌避感を感じていたようなんですね。自分は、どうしようもない人でなしなのではないか、と。
そんな九条湊の自己不信を一掃してくれたのが、この件で関わる事になった一人のベテラン刑事の助言だったのです。
その後、湊とその刑事は一度も会うことなく十年近い月日が流れたものの、現在で起こった再び件が起因となる事件によって、湊がどれほどその刑事に感謝と恩を感じていたのかがわかることになります。まあ、そんな自分の生き方を見出す助けとなってくれた恩人と、交流するでもなく十年余を過ごしてしまうあたりに湊という人物の面白さが伺えますが。ある意味、湊をこんなろくでなしの悪党にしてしまったのはこの刑事さんとも言えるんですけれど、あのまま湊が自分の本質と折り合いをつけられず、また自分の中の人間性を信じられないままだったとしたら、果たしてどんな人間になっていたのか。少なくともろくでなしどころか本当の人でなし、根本から歪んだ悪意の塊みたいになっていたのではないかと思うと、かの刑事がくれた言葉がどれほど重く大きく温かかったか、年月が経ったからこそ大きく感じる事が出来るような気がします。
まあいずれにしても、少年時代の湊の屈折っぷりと、さらに刑事さんの目を通してみた湊の姿を見ることで、ようやくこのろくでなしの本質を見極められたような気がします。いい加減、どこまでが本気でどこまでが本心か、さすがに悪い人ではないとは確信できていたものの、良い人でないことは絶対的でしたからねえ。どこかでが作り物で、どこまでが本当の心のうちか、その測り方もようやく感覚として捉えられる感じになってきました。
とはいえ、湊が理彩子の事をどう思っているか、までについてはいささか判断の難しいところなんですが。いやいや、この話読むまでお互い本気で相手のことを異性として微塵も意識していないんじゃないか、とわりとマジで思っていたんですが……、ちょっとそうとも言い切れなくなってきたなあ。まあ、理彩子さん、年齢的にかなり瀬戸際なんで、孝元さんかコイツしか身近に居ない以上、選択の余地がない気もするんですが、湊の方が何考えてるかわかんなかっただけに、やっぱり気配感じてなかったんですよね。それが、この出会いのきっかけとなった事件にまつわる騒動によって、湊の本質の奥のほうがむき出しになると同時にそれを見守る理彩子の態度が非常に包容力があるというか、理解と共感を交えたものだっただけに、ちょっと今までと違う特別な距離感を感じたりもしたんですよね。その上で、あのエピソードですから。沙耶はちょっと、まだ湊にとって女じゃなくて子供なんだよなあ、かわいそうながらも。


相変わらず、怪異への存在を明確に認めつつも、そこから科学的にアプローチしてみるという発想の枠の外を行く湊の行動は、面白いんですねえ。神道の連中も驚いていましたけれど、確かに生まれて予言を残すとすぐ死んでしまう「件」の、その死因について調べよう、という発想にはなんと! と意表を突かれましたし。なかなか、そういう着眼点にはいかないもんなあ。「件」の正体についてはぶっとびながらも、件の能力を考えるとそっち方面に行くのはいっそ当然か、とも思えてくるのですが、むしろそこに件という個体の悪意がある、というのはぞっとする話である。あそこまで無機的、或いは自動的な装置のような存在に、あそこまで生々しい悪意が付随しているというのは、かなり気持ち悪いですよ。
いや、それ以上に気持ち悪かったのが、件の倒し方の元になったてんかんを治す手術法ですがな。いやいや、マジであんな治療されてたんですか? ホラーどころじゃなくゾッとさせられたんですけれど。
いやあ、これはエグいわ。

残念ながら今回は孝元さんは登場せず、湊と理彩子、そして孝元のトリオ結成の話はまだ未公開、ということになってしまいましたが、これまで得体のしれなさばかりが深まっていた湊という人間の真実にかなり迫るお話で、興味深いと同時に面白かったです。

葉山透作品感想

0能者ミナト 5 4   

0能者ミナト〈5〉 (メディアワークス文庫)

【0能者ミナト 5】 葉山透/kyo メディアワークス文庫

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完璧な降霊術で人を集める『彼岸の会』。天性の法力を持つユウキは直感し、降霊術がまやかしだと糾弾する。だが、主催者の士道骸に手玉に取られてしまうのだった。この男、総本山から野に下った切れ者で、まったく隙がない。かくして、業界ではいかさま師と揶揄される湊の出番である。0能者対詐欺師の稀に見る攻防は、騙し合いの熾烈な駆け引きへと発展していく。霊を降ろしている様子はないのに、霊と完璧に対話してみせる。その矛盾を湊はどう解体してみせるのか。
0能者VS詐欺師って、やってることは完全に詐欺師VS詐欺師のシロサギVSクロサギじゃないですかww
今回は短編一話、中編一話の二話構成。何気に短編のほうがとんでもないのと戦ってる気もするんですが。
第一話の短編「石」は、とある町で開催されている「大幽霊妖怪展」という博覧会に展示してある「夜泣石」を調べに来たユウキと沙耶の奮闘編。
珍しく、湊が居らず沙耶とユウキの子供二人組で、起こった事件を解決することになる。二人共霊能者としてはすこぶる優秀なために、生半な相手なら力技でねじ伏せることも可能なはずなんだけれど、こういう時に限って相手は力でねじ伏せられるような相手じゃないんですよね。特にユウキなんて異能バトルもので主人公でも中ボスでも張れるような天才くんなのに。何気に、今回は沙耶も大立ち回りしていますし、アクション的にも派手な回だったような気がします。とは言え、そうした直接的な攻撃でどうにかなる相手ではなかったので、いつも思わぬアプローチから攻略法を導き出す湊さんがいない以上、代わりに沙耶が相手の素性や能力を見抜き、対処法を考えざるを得なくなるのでした。以前の彼女たちならばここで思考停止してしまいかねないのですが、湊の助手として根底からの発想の転換や、古い時代には未知の現象だったとしても現代においては解き明かされた物理現象であったケースなど、幾度も霊能者としての自分の中の常識をひっくり返されてきた経験が、ここで生きてくるわけです。若いが故に、古い考えにとらわれないとも言えますけれど、この子たちもちゃんと柔軟な思考を育てていたんだなあ。
正直、あんな録音で再現できるのか、とも思ったけれど、過去の伝承においても犬追物で代用できているからには、細かい周波数とかは問わないでいいんだろうな。しかし、夜泣き石の本当の正体が……、というのには素直に驚いた。こいつは相当にヤバい案件だったんじゃなかろうか。

第二話の「詐」はあらすじにもある通り、イカサマで信者から金を巻き上げる詐欺師との対決編。とは言え、本作は本物の怪異を現代の知識で攻略する、みたいな方策でまかり通るお話だけに、完全にイカサマではなくそこには降霊術とは違うものの本物の怪異・異能が関わってくる。彼岸の会の代表が総本山の出身者である以上、本物に対する知見も多く有しているわけですしね。
まあ、このイカサマの正体についてはそれほど複雑に入り組んでおらず、ある程度見てたら気づく事が出来るでしょう。ということは、あとは湊の悪辣で陰険で詐欺師をもだまくらかす手練手管を堪能するだけであります。
でも、ユウキや沙耶もこの頃は湊に任せっぱなしでその後をついてくるだけではなく、自分の考えで積極的に動くようになってきているのには目を細めたくなる。湊の武器となったものも、なんだかんだと沙耶が手に入れてきたものを活用したものでしたしね。
それと、あとから出てきたあれは、なんか【うしおととら】リスペクト、って感じでしたよね。キャラクターがまんまアレの通りでしたし。あの話はうしとらでも傑作だっただけに、結構感慨深い。お前は其処で乾いてゆけ。
攻略法は、凄まじいばかりに湊らしくありましたけれど。でも、この時は湊も相手の襲来は唐突すぎて何も準備していなかったはずですし、よくまあ徒手空拳でねじ伏せられたものです。あれの攻略法として伝えられているものとは、まるで真逆を行くやり方であったのは、やっぱり面白いなあと溜息をつかされるところですけれど。

さて、次回は満を持して、といいましょうか、理沙子と孝元に湊を含めた大人トリオにスポットがあたる可能性が高いそうで、過去編でも現代で改めて三人が組んで事件を解決するにせよ、これは素直に楽しみです。

葉山透作品感想

0能者ミナト 44   

0能者ミナト〈4〉 (メディアワークス文庫)

【0能者ミナト 4】 葉山透/kyo メディアワークス文庫

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 豪華客船に現れる船幽霊。柄杓で水を撒くだけの時代錯誤な怪異に巨大な船を沈められる訳がない。湊が依頼を受けたのは言うまでもなく──クルーズを楽しむためだった。
 ユウキと沙耶は湊に見切りをつけ、早々に事件を解決。これで大っぴらに遊べるとばかりに、湊は泥酔しカジノで暴れボヤ騒ぎまで起こす始末。
 だが、怪異は終わっていなかった。巨体を誇る豪華客船が傾き始めたのだ。裏に潜む本物の怪異の仕業か? 転覆寸前の極限状況の中、湊の科学的推理が始まる!
理沙子姉、あんたって人は……(苦笑)
この人、なんか回を重ねるごとに馬脚を現してってるよね。初登場した時はびしっと決めたクールで知的な出来る
美人さんだったのに、もはや完全に生き遅れ残念美人である。
一冊丸ごと使った長編だったのに、理沙子姉さんがオチで全部持って行ってしまったというのはなんともかんとも。
腹抱えて大爆笑してしまったじゃないかw

さて、今回は豪華客船を舞台にした大スペクタクル巨編、と言っちゃっていいんだろうか。映像的にはハリウッドのパニック映画クラスの事は起こっているので、決して間違っては居ないはず。シリーズ通して初めての、一冊丸ごと使った長編になっていますしね。
今回の肝は、柄杓で掬った水を撒くだけの怪異「船幽霊」が、どうやって5万トンクラスのクルーズ船を転覆寸前にまで追い込んだのか。前提として発生している船幽霊は数体。単純な物量で沈めにかかってるわけじゃない、という点を踏まえて、この謎を解いていかなければならない。
この豪華客船で船幽霊が目撃された、という話から湊たちに依頼が舞い込む以前に、実は一隻、巨大タンカーが謎の事故を起こして沈没しているのですが、このしらなみ丸の事件がまた、今回の一件に上手く絡んでくるんですよね。このしらなみ丸に絡めた思考の誘導の仕方は、後から考えてみれば見るほど見事の一言につきる。原因と因果の逆転とでも言うべきか、面白いくらいに綺麗にミスリードさせられてたんですよね。
これには、湊も発想の転換に至るまで、珍しいくらいに事件の謎の解明に手間取っているあたりに、今回の一件の巧妙さが伺えるのではないだろうか。尤も、巧妙とは言っても、結果としてそういう形になっただけで誰かの意志や目論見が介在したわけではない、真に偶然の産物だったことが湊の思考を制限し、事態をギリギリまで悪化させてしまった要因になるのではないだろうか。まったく、悪魔に魅入られたような状況だった。
しかし、船幽霊の特質については、ちょっと笑ってしまってすらあったんだが。確かに、船幽霊の由来を考えたら、彼らが彼らなりに全力を賭しているのはわかるんだが、そういう知恵の回し方はしないでほしいなあ(苦笑
その理論からすると、むしろ迷信や無知に縛られていた古い時代の幽霊よりも、科学によって蒙を啓いた現代人の幽霊の方が、相当に厄介になってしまうぞ。
湊については、感心させられたのが、むしろ謎をといた事よりも、乗客のアフターケアにまで心配りをしたことでしょうね。ここが、彼が単純な探偵役なんかじゃなく、同時に偽悪者である事の証左なんでしょうね。事件そのものは、謎を解き明かした時点で解決し、客船転覆の危機も回避できたのですから、仕事自体はそれで終わりでも良かったはずなのに、乗客のメンタルケアまでキチンと請け負って、豪華客船の旅という夢の様なひと時を壊すこと無くこの一件に幕を下ろしたわけですから。
それに合わせて、先のタンカー沈没事件の犠牲者であり船幽霊になってしまった船員と、その恋人との哀しくも穏やかな別れには、切なさに胸を締め付けられ、ふうと吐息をついたのでした。

と、一部に哀しい決着を迎えながらも、概ね明るくどこか皆の心が重なるような、一連なりの映画を見終わったような感慨に浸っていたのに……続く閑話で、あの理沙子姉さんが全部オトしてくれやがって、もうこの人はw
いや、彼女は被害者なんでしょうけれど……湊にネタ提供しすぎなんですよ! あんたがネタ出さなかったら、湊だってそんなにおちょくれないんだからw
しかし、本作メディアワークス文庫で、挿絵なんて無いに等しいのに、なんでピンポイントで沙耶のあの姿をピンポイントでイラスト化してるんだよ(爆笑
カラーの振袖姿とのギャップがまた……。こうなったら、理沙子姉さんの例のドヤ顔の御姿も見てみたかったw


1巻 2巻 3巻感想

0能者ミナト 3 4   

0能者ミナト〈3〉 (メディアワークス文庫)

【0能者ミナト 3】 葉山透/kyo メディアワークス文庫

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 死なない死刑囚を殺して欲しい。まるで、矛盾しているかのような奇妙な依頼。
 九条湊が対面を果たした死刑囚は物静かで端整な面立ちの青年だった。だが、その本質を知れば慄然とする。不死者ゆえか、死を愛する殺戮者。しかも、あらゆる方法をもってしても蘇るというのだ。
 自分の死が楽しめないから殺すのだとうそぶく青年。いかなる怪異が不死をもたらしたのか、本当に殺すことはできないのか?
 異端者、湊の知性がその謎に挑む!

湊の悪口雑言って、どうも軽いというか悪意や下品さを無理やり込めようとして失敗しているみたいな感じがして、苦笑しか浮かんでこないんだよなあ。たまに垣間見せる誠実さや真摯さ、優しさのこもった言葉に比べると、借り物の言葉にしか聞こえないのだ。つまるところ、あんまり上手じゃない偽悪趣味の露悪主義者、と言う事なのだろう。尤も、その借り物の言葉をマシンガンのように吐き出すことに全く臆面も無いので、初対面などの慣れない人はやっぱり忌避感や嫌悪感をいだいてしまうのだろうけれど。実際生活態度はろくでなし以外の何者でもないですし。でも、逆に慣れさえすれば簡単に無視して流せる、とも言える。沙耶もユウキも、もういちいち反応しなくなってきてますもの。
そんな三人が挑むのは、不死者の死刑囚を殺して欲しい、という依頼。ぶっちゃけ、殺人依頼である。それを承知した途端に、策を弄してとっとと二人の子供たちを依頼から遠ざけようとするあたりに、湊の人品というのが自然と滲み出てしまうんですよね。だから、どうしてもこの人の態度には微苦笑が浮かんでしまうのである。まあ、逆転して真面目で清廉な態度をとられても、それはそれで困ってしまうのでしょうけど。沙耶もあれで、湊が真人間になったら最初は喜んでも、そのうち居心地悪くなって混乱しだしそうだ。彼女、微妙にダメ人間属性っぽいし。
さて、肝心の死刑囚の不死の原因は、これはまったく予想外の内容で。いや、このシリーズ、怪異の原因についてはいつもちゃんとオカルト側に寄っているので、完全に予想外というわけじゃなかったんだが、ここまでスケールの大きい話だとは思わなかった。そんでもって、このシリーズの面白さは、原因が完全にオカルトだったとしても、その解決、退治方法は科学的な方法に徹しているところなんですよね。不死に纏わるルールを科学的に解釈解体した結果の医学的処置には、もうビックリ感嘆である。そんな発想で覆せるのか!!

二話での夢魔の話も、解決法から夢魔の正体の解体まで、その発想はなかった! のオンパレード。これは、人が夢を見るという現象に対する研究が事細かに進んでいる現代ならではの、しかし科学信奉者にもオカルト従事者にも決して辿りつけない発想であり、技術の利用法である。うーん、めちゃくちゃ面白い!
しかし、沙耶にとって理沙子という叔母はそういう対象だったのか。人間、純粋に尊敬しているように見えても腹の中、或いは無意識の領域では色々と思うことはあるんだなあ。まあ、沙耶の性格からして、理沙子みたいなタイプは確かに理想像からちょっとどころじゃなく外れてるのは確かだ。それに理沙子がまったく気づいていなかったというのは笑い話でありますけど。ご愁傷様というべきか、それなりに自業自得というべきか。いやでも、沙耶ってやっぱりダメ人間とかアクが強すぎるタイプの人の方が相性良さそうなんで、沙耶の理想像は置いておいて、今の理沙子が一番沙耶と良い関係で居られそうなので、結局今のままが一番なんでしょう。さすがに理沙子、キャラ変えるには薹が立ってしまってますしw

チラッと、湊と理沙子、孝元たちの間に過去に大きなナニカがあった、という件についに触れたこともあり、そろそろ過去の事件にスポットが当たるのかしら、と期待してみたり。まあ、理沙子と湊がいい関係だった、というのは今回の話を見るかぎり、全然無さそうでしたけど。いやあ、まったく似合わないし、この二人w

1巻 2巻感想

0能者ミナト 24   

0能者ミナト〈2〉 (メディアワークス文庫)

【0能者ミナト 2】 葉山透/kyo メディアワークス文庫

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 江戸時代──寛延年間に村人すべてを殺戮したという怪異「鏖」。長く封じられていたはずのそれが、眠りから覚めた。総本山、御蔭神道の名だたる手練が犠牲となり、関係者を震撼させていた。
 へそ曲がりで有名な九条湊の仕事を選ぶ基準は、「面白いかどうか」だという。人を跡形もなく吹き飛ばす、前代未聞の怪異──だが湊の腰は重い。皮肉げに「解決してみせるが、期待はするな」と不可解な言葉を放つ湊。
 実はこの事件には恐るべき秘密が潜んでおり──。事態は驚くべき展開を見せていくのだった!
この作品の面白いところは、妖怪、怪異の正体そのものを科学的に解き明かしてそんなものは存在しない、と証明するのではなく、まず怪異という存在は実在し、それらが訳の分からない原理を以て異能の力を発揮する事自体はそのまま前提として認めた上で、怪異の使う能力の効果そのものについては不可思議な妖術と思考停止せず科学的に解析してみせ、対処して見せるところである。
今回の「鏖」についても、どうやってそんな現象を引き起こしているんだ、という点については言及してないんですよね。ただ、その現象が科学的に分析して、物理的にいかなる現象が起こっているのかを調べ上げていく。このあたりの、科学と非科学のバランス比率があまり他の作品では見ないところで止まっているのが興味深い。
短篇連作形式だった一巻と違い、この二巻は丸々一冊、「鏖」という大怪異と対決する話となっている。と言っても、内実は人間同士の悪意と邪念が渦巻き、「鏖」の正体を調べるのにも邪魔ばかり入って障害だらけ、という体たらくなのだけれど。
御蔭神道も総本山も退魔集団であると同時に仮にも宗教団体にも関わらず、やることなすこと低俗なんですよね。ミナトもそりゃもう偽悪趣味が高じすぎて碌でも無い人間にしか見えないし、実際かなり碌でも無い野郎なのですが、それでも上役連中に比べたら随分とマシです。湊に対して、沙耶が何度もめげながらも尊敬してやまず、ユウキが軽蔑と反発を抱きながらも付き纏っているのも、あれで本家総本山の人間と関わっているよりも真っ直ぐに立てるという感触があるからなのかもしれません。根性ネジ曲がって固まってしまいますが、あれで湊は根本のところは清廉で優しいっぽいですからね。まあ、若い頃は演技だったのだとしても現在はもうホントにろくでなしですけど。
鏖の正体とその能力については、まったく予想しておらず驚かされた。途中、正解に近いヒントが出されていたにも関わらず、鏖がもたらす災厄のとんでもない規模と破壊力とそれが結びつかず、関連性があると分かってもその方向性が完全にズレてたからなあ。今回湊もあんまり余裕がなかったのか、地道な調査で「鏖」の正体を解き明かすヒントを手に入れてきた沙耶に、皮肉も何もなく素直に褒め言葉を与えてたのには思わずニヤニヤしてしまった。沙耶は純真な分、湊みたいな人間から素直な賞賛を与えられたら、調子乗るぞ(笑
ラストは人間たちの醜い姿とは裏腹の結末に、なんとも切ない思いに……。湊が性格曲がって世を斜めに見るようになったのも、こんな事件ばかり見てきたなら仕方ないのかなあ。それでも湊が世に背を向けてしまわなかったのは仲間である孝元と理彩子が居たからなのでしょうが。閑話の三人の話は昔の三人の関係が透けて見えて面白かったです。理彩姉、一巻で出てきた時は堅物にみえたのに、随分と壊れてきたなあ。元々こういう人だったのでしょうけど、若い頃から湊に良いように弄られからかわれ騙されてた挙句、鬼とかして湊を追いかけまわしていたのが容易に瞼の裏に浮かんでしまう。ふん、まあ外車なんぞ乗り回しているのが悪いんだw

0能者ミナト3   

0能者ミナト (メディアワークス文庫)

【0能者ミナト】 葉山透/kyo メディアワークス文庫

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 科学が隆盛を極める現代。だが、その片隅にひっそりと息づく異形のものたちがいた。存在を知る一部の者たちは、それを「怪異」と呼んだ。
 当然、怪異を相手にする生業もある。修験者、法力僧、呼ばれ方は様々だが、その中でひと際変わった青年がいた。九条湊──どこか斜に構えたクセのある青年だが、彼が同業者から疎まれているのはそこではない。霊力、法力、神通力、彼はそんな力を一切持っていない。それにもかかわらず怪異を倒すという。その手腕は驚くべきものだった──。
 葉山透が贈る、現代の伝奇譚が登場。
これ、十分電撃文庫本隊でも通用する怪異討伐譚だと思えたんだが、なんでメディアワークス文庫から出したんだろう。あれか? ミナトがライトノベルの主人公としては薹が立っているからなんだろうか。まだおっさん呼ばわりされるには早い年齢だと思うんだけどなあ、と述懐してしまうのは自分がもうおっさんと呼ばれても仕方ない年齢だからなのかしら。

九条湊──どこか斜に構えたクセのある青年、などとあらすじでは紹介されているが、いったいどこが「どこか」なんて慎ましやかさ漂う形容詞がつく斜の構え方なのだろう。もはや彼の性格の悪さは斜めを通り越して直角である。兎に角口が悪い、悪意をひけらかすことに快感すら覚えているかのような辛辣で攻撃的な姿勢は、社交性に著しく欠けていると言っていい。ただ、その人間性がそのまま外装通りなのかというと、どう見ても態度の悪いさは自分自身を守るための鎧であるようだ。言わば、悪ぶって見せることで生来の善性を懸命に覆い隠そうとしている、とでも言うのか。端的に言うと、善人呼ばわりされることを虫酸が走るほど嫌っているひねくれ者の照れ屋さん、などと言ってしまうと怒られるか。ただ、彼のようにいい加減三十路近くまでなってくると、いい加減口の悪さも性格の悪さも演技ではなく充分地になってしまっているようだ。若い頃ならまだ垣間見えただろう可愛げ、というものが哀しいほど喪失してしまっている。この歳までこの性格なら、きっと老いてもこうなのだろう。その意味では、主人公の成長譚とは成り得ない作品であることは確かだ。周りの人間は彼の在り方をそういうものだと苦笑しながら受容する者に限られる事になる。旧友であるあの二人は、彼に幻想を抱くことを止め、期待を抱かず、しかしそんなミナトの内面をちゃんと把握して、その好ましさにのみ焦点を当てているのだろう。ミナト本人からすると、この二人は特に苦手な部類の人間なんだろうなあ、というのが二人へのやりにくそうな接し方を見ていると何となく伝わってくる。ただ、苦手なのと嫌いなのは全然別の話なんだなあ、というのもミナトの態度を見てるとよくわかるのが面白い。
さて、新たに彼につきまとう事となった二人の若者たち。沙耶とユウキがそんなミナトの旧友二人、叔母と保護者と同じ心境に立てるかというと、まだまだ幼く潔癖で世間知らずな子供たちにはミナトの在り方というのは我慢ならないものがあるのでしょう。ついつい反発と軽蔑を抱いてしまう。でも、それでもついついミナトにつきまとい、彼に期待を抱いてしまうのは、自分たちにないものを彼に感じているから。それは憧憬でもあり怖い物みたさでもあり、悪や汚れへの好奇心であり、自分たちと見ている世界が違う大人への関心でもあるのだろう。そして、純粋にして敏感な子供たちは、ミナトという人間の本質的な善性を感覚として捉え、信じているのだ。だからこそ、期待し夢を見てしまう。さても、ミナトからすれば鬱陶しいお荷物だ。なのだが、何だかんだと幼い彼らを見守る彼の目に、年長者としての優しさを感じてしまうのは決して勘違いではないのだろう。他者を必要としていないはずの男なのに、他人を遠ざけようと仕向けながら本当の意味で突き放す事はしない、なんとも不思議な男である。

さて、そんな男が解決するのは二つの事件。封印を破られた事によって蘇った零落した神の討伐と、呪詛の大家を襲った呪いの解呪である。面白いのは、この物語、怪異や呪術の存在を否定するのではなく、厳然と実在するものとして扱いながら、全く何の魔的な力を有さないミナトがこれらを智によって解決していく所なのだろう。
考えてみると、神だろうと魔術だろうと、実在するならそこにはある程度、現実としてのルールも通用するって事なんですよね。霊的なものには霊的なもので対処しなければならない、というルールなんぞどこにもない。それにこだわるのは所詮は思い込みに過ぎないわけだ。科学が発展し、物理法則の多くが解明されている現代は、古の昔と違って知識と技術によってこれまで同じたぐいの力によってしか太刀打ち出来なかったものにも対抗出来るようになったわけだ。でも、それは同時に古き力を有した者たちにとっては存在意義の否定にも掛かるもの。ミナトのやり方が嫌われるのは当然といえば当然なんだろうなあ。しかし、力に同じ力で抗するには限界もある。嫌われながらも彼に頻繁に依頼が舞い込むのは、有用性もまた認められているという事だ。尤も、ミナトは魔術の類を別に否定しているわけではなく、使えるのなら助手として沙耶やユウキの力も利用する事を躊躇ったりしないわけで、単に使えるものは何でも使う、というだけのことなんだろうなあ。それはそれでいやらしい、と嫌われる理由なのかもしれないが。

明らかに続きがある、という次の事件を匂わす終わり方だったので、あんまり間をおかずに続編、出してほしいなあ。面白かったですし。
それに、どうやら【9S】もあのまま放置ではなく、ちゃんと続きを出してくれるようなので、良かった。
 
12月3日

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