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BUNBUN

カンピオーネ! ロード・オブ・レルムズ 2 ★★★☆  



【カンピオーネ! ロード・オブ・レルムズ 2】  丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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英雄界ヒューペルボレアの異常事態に立ち上がった勇者・物部雪希乃。
彼女はその異常の原因であり、英雄界で勢力を伸ばしつつある「神殺し」たちを討伐する旅を決意する。

雪希乃は六波羅蓮、鳥羽梨於奈を旅の伴にし、「神殺し」を探す中で、海賊に襲われている国に辿り着く。
海賊退治をした雪希乃たちは、その海賊が「神殺し」のひとり、羅翠蓮の手下だと知る。
罪なき民を苦しめる羅翠蓮を討伐するため、3人は海賊の本拠地へと乗り込む…。
そこで待ち受ける試練は想像を絶するものであった。

時を同じくして、英雄界は各地で不穏な動きが出ていた。
邪教カルト「反運命の教団」、裏社会を統べる組織「影追いの森」、英雄界の交通を牛耳る「旅人のギルド」…。
強大な組織同士の勢力争いの火種がくすぶり始める。

「神殺し」たちの力と覇権を懸けたバトルロワイヤルと、「神殺し」討伐に命を懸ける勇者の運命が交錯する!!

犬猿雉をお供に引き連れ、いざゆけ桃太郎の鬼退治。てな具合に、物部雪希乃が六波羅蓮、鳥羽梨於奈、あとステラを引き連れて世直しの旅よろしく剣をぶんぶん振り回して各地を収める神殺したちに挑んで回る、というのはなんというか、ドン・キホーテ的な滑稽さもあるけれど子供のヤンチャのような微笑ましさもあり、みたいな感じでなんともはや。
雪希乃の師匠であるラーマが桃太郎を名乗っていたのって、雪希乃のこうした世直し旅を暗示していたのでしょうか。それにしては、お供のはずの六波羅蓮が爆弾すぎるのですけれど。
雪希乃は世間知らずの迂闊者で、そこに粗忽乱雑短絡的と三拍子揃えた上にポンコツで未熟者、と剣腕こそ秀でているものの、カンピオーネと戦うにはあまりにも足りない娘さんなんですよね。魔王殲滅の運命を課せられた救世の勇者を名乗るには、あまりにもあまりにも未熟すぎる。
本物の神殺しとの格の違いを知らしめるには、護堂さんみたいなよくわからないけど意味不明に強い、という相手よりも翠蓮姐さんのように誰がどう見てもわけわからんくらいちゃんと強い、という正統派の相手の方が彼我の力量の差というのが明確に伝わるのでしょう。あれで翠蓮姐さんは理不尽だけど師匠として一定のルールを持っている人なので、ちゃんと相手してくれる人でもありますし。
これがヴォバン狼侯なんかだと適当に踏み躙って潰してしまうでしょうからね。ドニはドニで興が乗ってざくざく斬っちゃうかもしれないし。
ただ、なるほど雪希乃の資質が救世の勇者というよりもカンピオーネ寄りにあるとしたら、このあっけらかんとした雑な性格も相まって確かに、そう簡単に死なないし心も折れないしメゲないし闘争心も失いそうにないように見えてくる。
梨於奈ともいいコンビですし、まだまだ半端者で梨於奈と組んででないと抗し得なかったとはいえ、翠蓮姐さんを封じてみせたのは大金星でありました。まあこの女仙、封じられているという体でもひょいひょいと封じられたまま出てきちゃうんですけど。
そんな雪希乃の世直し旅ですけれど、どう考えても獅子身中の虫が傍にいるわけで。
純真な世間知らずの娘さんが、チャラ男の軽薄な態度に呆れ忌避しながらもその馴れ馴れしさにちょっとずつ慣れてきてしまった上に段々とちょっといいな、なんて思う場面がちらほらと出てきてしまって徐々に惹かれ出しているという様子は、完全に悪い男に無垢な少女が騙されて食い物にされそうな構図です。なんか微妙に背徳感が漂ってきたぞw

さて、英雄界に新たに乗り込んできたカンピオーネがまたひとり。黒王子アレクサンドルも見た目若いけどもう壮年か。ともすれば、神の正体の解体を剣をする能力を持つ護堂よりも、神話や神そのものの謎や秘密を解き明かすことを得意として趣味にしている探索者アレクが、この英雄界の混沌としながら何らかの意図が感じられる情勢を見て、探らないはずがなく。
今回はアレクが謎解きおじさんとなって英雄界を駆け巡って現状を紐解いていくぞ!
いや、おじさん扱いは本気で怒られるかもしれないけれど、彼も若い頃に比べると丸くなった、というのとは少し違うかもしれないけれど結構性格も練れてきた感もあるんですよね。青年時代はもっと刺々しくて対人対応ももっとザクザク斬るような感じがあったぞ。そもそも、護堂と顔を合わせて普通に雑談できる時点で、落ち着いたと言ってもいいんじゃなかろうか。
そう言えばアレクって、プリンセスアリスとはどうなったんだろうか。
ともあれ、アレクが追って見出した護堂の足跡と、そこから見出した半運命の気運によって魔王殲滅の盟約の大法が弱まっているという考察には瞠目させられた。これだけ神殺しが揃っているにも関わらず、雪希乃がさっぱりパワーアップしないのは彼女が未熟なだけが理由じゃなかったのか。なるほど。間近にひとりカンピオーネが侍っているにも関わらず、あの反応ですからね。
逆にそういう世界だからこそ、勇者というよりもカンピオーネとしての性質を持つ雪希乃が選ばれた、という鷹化くんの考察も面白く、やはり彼女が今後も騒動の中心になっていくのか。
あと、久々にエリカが登場。いやあ、大人になった彼女の美人なこと美人なこと。その上、ここで生き別れになった子供たちと再会していたのか。珍しくアレクが仰天する姿を見られたのは貴重でした。あんなあからさまに驚くキャラじゃないのに、まじでびっくりしてたもんな。


カンピオーネ! ロード・オブ・レルムズ ★★★★   



【カンピオーネ! ロード・オブ・レルムズ】 丈月 城/BUNBUN  ダッシュエックス文庫

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神殺しの集う異界。そこへひとりの勇者が――。 アテナによる地球滅亡を懸けた決戦を制した六波羅蓮たち。戦いの傷が癒えない中に、驚愕の報せが舞い込む。英雄界ヒューペルボレアの異変。そこに「神殺し」たちの影がうごめく。蓮たちの先が読めない冒険が始まる――。 その時、ひとりの「神殺し」が動き始めていた。「魔王」と称され「神殺し」として数々の功績を残す草薙護堂である。彼もまた異界での異変を耳にしていた。その足は異界へと向かっていた。蓮たちとの邂逅はあるのか…。 そして、異界の異常事態に対してそれを収めるために新たなる勇者が立ち上がる! 英雄界ヒューペルボレアにおける神殺したちの新たなる戦いと冒険の幕が開ける――!

護堂さん、16歳で神殺しになってからもう十数年、って年齢三十路前後ですか。いい歳じゃないですか。そして、言動がなんだかおっさんくさくなってない!?
ニュービーな神殺しである六波羅蓮との対面でも兄貴分というよりも若い蓮に対してロートル感が出ちゃってて、さて貫禄が出てきたというべきなのか。
ただもう行動原理が完全にカンピオーネなんですよね。今はお供も連れ添いも誰もいないから尚更に、根無し草でどこにでもふらりと現れては大混乱を引き起こす大迷惑存在そのものだったかつての同輩カンピオーネたちと同じような有様、有様になっているわけで。自覚あるのかなー。
権能も、かつてはウルスラグナ縛りみたいなものがあったのに、今となってはわりと奪い取った権能使い放題使ってますし。
まあ若い女の子に手を出すような節操なしではなさそうなので、そのへんはちょっと安心ですけれど。嫁さんたちも、いい具合に熟成された年齢になってるんですねえ、そう言えば。妹ちゃんがどれだけ女帝と化しているかが楽しみのような恐ろしいような。

さても今回のお話、というかシリーズは護堂さんが主人公というわけでもなく、さりとて六波羅蓮が引き続き主人公、というわけでもなさそうで、新たな魔王殲滅の勇者と相成った物部雪希乃でもなさそうで。あっちこっちから神話世界ヒューペルボレアに集った神殺しや英雄英傑どもで、オールスター感謝祭をやろうってのかこれ。主人公を特定しない群像劇。まさにオールスターキャストでお送りする劇場版、って感じなんですよね。
確か蓮くんが主人公の作品では、神話の原型となる世界ということで神様や神代の英雄たちが主体の世界だったはずのヒューペルボレアなんですが、興味をそそられるものがあれば遠慮呵責なく首を突っ込んでくるカンピオーネどもが、あちらこちらかの世界からたかってきたお陰で、もうこれヒューペルボレア乗っ取られてますよね。神殺したちの遊び場みたいになってるのですが。
まあ最初にやらかしたの、カンピオーネじゃなくて鳥羽梨於奈の妹の鳥羽芙実花ちゃんなんですけどね。厩戸皇子とセットで、と言うべきなんでしょうけれど。まあ好き勝手に土地こねくり回してリアルシムシティはじめちゃったお陰で、その真似をしていろんな面々が自分の好き勝手に土地を作り出して、自分の都市を築き始めちゃったものだから。
最新のヒューペルボレアの地図が、もはやテーマパークの案内図みたいになってるんですけど。ディズニーランドさながらに、各都市がアトラクションかイベントゾーンみたいになっとるしー。
とまあ、神話世界をそうやってわやくちゃにして好き放題しているお陰で、他の次元世界がえらいことになってしまっているようで。神話の原型となる世界ということは、ここが改変されると多次元にまたがる神話そのものが変わってしまい、人類史そのものがねじ曲がった挙げ句に煽りを食って幾つもの次元が消滅するという過程を辿ってしまっているわけか。
そりゃカンピオーネぶっころ!機運高まりますねえ。しかし、魔王殲滅前殺し、の運命さんは護堂さんがラーマくんを解放するためにサクっと殺っちゃったわけで……ああ、やっぱり元凶になっちゃってるじゃないですか、護堂さんてば。
お陰様で、新規魔王殲滅の勇者に選定された雪希乃ちゃんは、あからさまに勇者レベル1なんですね。アリアハンから旅に出た、という風体で。まあレベル1であれだけワケワカラン剣才を漲らせてしまっているのですが、本人がポンコツ粗忽者迂闊者だからなあ。彼女の世界、もろに滅びかかってるにも関わらず、本人にそこまで深刻さを感じないあたり、大物なのか頭空っぽなのか。どっちもあるんでしょうけれど。しかし、彼女自分の世界では敵うもの無しというばかりの無双状態にも関わらず、しかも神の末裔でほんと敵無しなのに、それでもまつろわぬ神にはほぼ敵わないし、カンピオーネ相手じゃあ子供扱い、というあたり、カンピオーネがわんさといる世界ってどれだけインフレ状態だったんだろう。護堂さんとこの世界ですよ。蓮くんの世界でも、梨於奈がやたらでかい顔してましたもんね。カンピオーネが君臨している世界そのものが、結構珍しいのでしょうしましてや複数のカンピオーネが徘徊している世界とか、ゴジラが生息している世界とあまり変わらないんだろうねえ。
とかく、居るだけで目立ちまくるカンピオーネの中で、神殺しであるという存在感を消せる六波羅蓮という子はかなり同類の中でも特異ではあるんですよね。さらに、裏に回って暗躍までしているわけですし。あの要領の良さはやはり曲者だよなあ。
しかし、カサンドラを女王に仕立てて、ちゃっかり自分の国作っちゃった蓮ですけれど、カサンドラとは懇ろになりつつ、婚約者の梨於奈の方はというとなんか人間に戻れなくなってるし、おもしろ枠のキャラになっちゃってません? 登場当初の傲岸不遜で偉そうなお嬢様はどこへいってしまったのか。いや、今も傲岸不遜で偉そうなのはさっぱり変わっていないのだけど、コメディリリーフになってるもんなあ。せめて人間に戻れないと、ヒロインにも戻れないですよ梨於奈さん。蓮くんの婚約者どころか、なんか勇者さまに食われかかってますし、恋愛的にw

他にも、まったく世界観の違うはずの【クロニクル・レギオン】の方から、リチャード獅子心王と黒太子エドワードまで参戦してきていますし。あちらの作品から、というわけではないのでしょうけれど、キャラクターや二人の関係性なんかはそのままでしたしね。このコンビ、お気に入りだったのね。
しかし、その二人の上に立つ新たなカンピオーネのテオドリックですけれど、今のところはあんまり目立った個性感じないんですよね。いや、他のカンピオーネたちが目立ちすぎて頭おかしい個性の持ち主ばかりなのもあるのですけれど、あんまり特徴的なものがまだ見えてきていないような。特にカンピオーネとしての強かさというかしぶとさというか、殺しても死ななそうな意味不明の生き汚さが。
っていうか蓮の支援あったとはいえ梨於奈と雪希乃の二人に苦戦しちゃってたらなあ。今回は顔見せ程度でもありますし、今後に期待というところでしょうか。

なにはともあれ、このごった煮感たっぷりのオールスターにはやっぱりワクワクしてしまいます。これからどれだけしっちゃっかめっちゃかになるのか、楽しみ楽しみ。
にしてもラーマくん、今は弟と一緒に護堂をファミリーネームにしてるのか。どんだけ護堂のこと好きなのかw まあ今度はその護堂を狙う雪希乃を送り出したりしているのですけれど。護堂の名前を彼女に教えなかったあたり、運命に任せてという感覚もあるのでしょうねえ。


神域のカンピオーネス 5.黙示録の時 ★★★☆  



【神域のカンピオーネス 5.黙示録の時】 丈月 城/ BUNBUN ダッシュエックス文庫

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ヒューペルボレアで繰り広げた太陽神アポロンとの戦いによってカサンドラを奪還した蓮たちは、芙実花と厩戸皇子を羅濠教主の下に残し、地球へ帰還の途につく。しかし、その際に「聖ヨハネの魂」に出会う。聖ヨハネは蓮たちに、地球滅亡の兆しがある、と告げる。聖ヨハネの警告を受け、地球に戻った蓮たち。地球はかつて無い程の異常気象に直面し滅亡の一途を辿っていた。その時、蓮の目の前に女神アテナが姿を現す―!!彼女は蓮に宣戦布告をし、地球に終末の時を迎えさせるべく、世界各地を駆け巡る!!蓮は、アテナと終末の時を阻止することが出来るのか…!?地球滅亡を懸け、「神殺し」とアテナとの決戦が始まる―!!

蓮とカサンドラ、こそこそチュッチュしすぎ! 梨於奈がいるところでも構わず、彼女が見てない後ろでじっと見つめ合ったり、ハグしたり、チュッチュしたりとイチャイチャイチャイチャ。
完全に二人の雰囲気作っているにも関わらず、全くその空気に気がついていない婚約者(笑)の梨於奈さん。後ろでチュッチュしているのにも全く気がついていない梨於奈さん。さすがです、さすがの恋愛リテラシーの低さに定評のある梨於奈さんである。
一方で、これ蓮とカサンドラはそんな梨於奈を出汁にして楽しんでますよね、これ。バレてはいけないというスリルを味付けにして、背徳感をスパイスにして、コソコソイチャイチャ。バレたらバレたで全然気が引けた様子もなく、むしろ堂々と見せつけてさらにイチャイチャ。
そんなのを見せつけられて、婚約者(笑)であることも論破されて、色んな意味でメタメタにされてしまう梨於奈さんが不憫、に対して思えないのがこのお嬢様のイジられ上手なところなのでしょうか。怒るよりも動転してしまってあたふたしているところが可愛らしくもあります。以前みたいに、蓮に対してサバサバした関係でいられたのなら、別に蓮とカサンドラがどうこうしようが関係なく動じる必要もなかったのにねえ。
あのチャラ男くんにまんまと落とされてしまっていたお嬢様キャラなのでした。

とかやってるうちに、アテナによって着々と滅亡の一途をたどる世界。物理的な破壊ではなく、これってもう神話的終末なものだから、人類にどうこう出来るたぐいの話じゃないんだよなあ。わざわざヨハネ黙示録の著者とされる聖ヨハネさんご本人が登場して、終末のはじまりじゃー! と宣言してもらうほどでしたし。
ここまでくるとアテナをどうこうする他ないのだけれど、ぶっちゃけここまで世界の破壊神にして新たな世界の創造神となるまで発展しきっちゃった神様相手だと、蓮じゃあ役不足感は否めないところがありました。彼、やっぱり歴代のカンピオーネと比べるといささかデタラメさというか無茶苦茶さというか、理不尽さや生き汚さが足りない感じだったんですよね。実際、死にかけた時もあっさり受け入れて死にそうになってましたし。蓮くんってどうも責任感とか使命感とか好奇心とか独善性とか、ガツガツした意志力や強い動機、目的意識に欠けるところがありましたから。その何物にも囚われない飄々とした流転の生き様こそが、チャラ男を自認する彼の特徴であり長所でもあったのでしょうけれど、果たしてカンピオーネとしてはどうだったのか。
おかげさまで、よりにもよってアイーシャ夫人なんていう決して触れてはいけない最終兵器に神殺し殺しの剣に修正力さんに運命力さん、という厄災そのものだったりカンピにとっての天敵、或いはカンピが天敵!な存在に総掛かりで支援してもらって戦うことに。
特に歴史の修正力さんとか、カンピオーネにいつも泣かされてガン泣きしながらシッチャカメッチャカにされた歴史を必死に修正してまわって、片っ端から台無しにされるという酷い目にあってるにも関わらず、今回は手を貸してくれたという器の大きさには敬意を抱いてしまいました。
しかし、よりにもよってアイーシャ夫人に手伝ってもらうとか、いくら切羽詰まってたからって。とはいえ、蓮のキャラってアイーシャさんとは何気に波長合うんですよね。彼女が何やらかしても蓮の場合気にしなさそうだし。
ただ、ラスボスがアテナだったのはなあ。アテナについてはどうしても護堂さんの好敵手というイメージが強いだけに、最後まで微妙にしっくり来ないなあ、という感覚がつきまとったような気がします。
さて、これで終わりかと思いきや、いや蓮が主人公のストーリーはこれで終わりみたいですが、さらにカンピオーネたちを総浚えしての新展開がある模様。
どう転んでも元凶がアイーシャさんになりそうなのは、色んな意味で流石すぎる。今回のシリーズで起こった事件もみんな根本を遡ると全部アイーシャさんに行き着くわけですし。とんでもないキャラを生み出してしまったものである。

シリーズ感想

神域のカンピオーネス 4.英雄界ヒューペルボレア ★★★☆   



【神域のカンピオーネス 4.英雄界ヒューペルボレア】 丈月 城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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女神イザナミの日本侵攻と黄泉醜女と呼ばれる凶悪ゾンビによる未曽有の危機を救った六波羅蓮たち。しかし太陽神アポロンに王女カサンドラを奪われてしまう。神々の遠い故郷ヒューペルボレアに向かったという情報をもとにふたりを追って、六波羅蓮と鳥羽梨於奈は未知なる神域の門を探す。鳥羽茉実花、聖徳太子、そして『謎の貴婦人』に助けられ、ついにやってきた世界。そこはほとんどの陸地が水没した“滅びたあとの世界”であった…!果てなき海を渡り、島から島へと巡る蓮。恐るべき障碍を乗り越えアポロンとカサンドラを探し出すことはできるのか―。新たなる「神殺し」との出会いが神域でのバトルを過熱させる!!

この主人公、あれだな、悪い男だな! 決していい加減な男ではないというのは、その軽薄な言動とは裏腹の姿からわかってはいるんだけれど、もうすでに婚約者がいる身でわりと平然と「こういう気持ちに順番つけるの、僕は嫌だな」とか言っちゃえるのはさすがにちょっとマズいと思うぞ。そこはまず、梨於奈の許可をとってからでないと。
その点、かの別世界の魔王様はエリカにそのへんの管理を任されてたというか舵を握られていたので奥の院に関しては比較的安定していたのですが。
でも蓮の口八丁はペロッと梨於奈くらいは真正面から承諾させてしまいそうですが。
その梨於奈さんといえば、王子様を待つ囚われのお姫様を地で行っているカサンドラと違って、愛しの婚約者さまに身代わりの生贄としてえらい目にあわされていましたが、まあこの娘もこれまで傍若無人にあれこれやらかして来た身ですから、ここいらでちょいとビシッと決して敵わない先達から指導いただけたというのも良い経験になったんじゃないでしょうか。まったく懲りてなさそうなところが、このお嬢様のさすがというところであいますが。
その梨於奈を弟子として鍛えることになったのが……またぞろ、狼公に引き続いて別世界から平然と現れてくれた白蓮王さま。案の定、天上天下唯我独尊なあのお姐さまであります。
バージョンチェンジして出ていたヴォバン公と違って、この人そのまま素で出てきたぞ。素で、というと物凄い大災厄として封印措置されてたあのプロの迷子もしれっと登場していましたけれど、あの調子だとこの作品中は封印されっぱなしなんだろうなあ、あれ。まあ、しれっと自分で封印なんとか解いてフラフラ最前線のど真ん中に迷いでてくる可能性もなきにしもあらずですけれど、そのときは世界滅亡待ったなしの状況なんでしょうねえ。
そんな世界滅亡させる気満々なのが、こちらの世界のアテネとアポロン。アテネに関しては前作カンピオーネでもだいぶページを割いて殆ど準ヒロイン的な立ち位置で活躍もしていたので十分その来歴については語られているのだけれど、アポロンに関しては前作でヴォバンの権能であったことからそれを通じて色々と興味深い内容が語られはしたものの、アポロンの神話をその原型から追う形での詳細な話は未だされていなかっただけに、今回は存分にアポロンについて語り尽くしたという感じである。やっぱり太陽神としての姿はほとんど見られることはなかったんだけれど、ヒューペルボレアをはじめとして彼の神としての歩みの話は興味深かった。内容に関しては作者独自解釈のトンデモ話、という作者自身のお墨付きではあるものの、こういう神の原型をたどる話というのは前作から実に楽しませてもらっている。
しかし、ヴォバンや翠蓮姐さんは魔王内戦の時のあれで飛ばされたというのはわかっているんだけれど、槍の女神さまはどういう経緯あってこっちのブランデッリ一族の守護神なんかやってるんだろう。

1巻 2巻 3巻感想

神域のカンピオーネス 3.黄泉比良坂 ★★★★  

神域のカンピオーネス 3 黄泉比良坂 (ダッシュエックス文庫)

【神域のカンピオーネス 3.黄泉比良坂】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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北欧神話の世界から帰還した蓮たち一行は、梨於奈との婚約話を進めるため日本の魔術組織「神祇院」の本拠地・京都を訪れていた。梨於奈の妹・芙実花も登場し、将来の家族と仲を深めていく蓮。だが京都に新たな空間歪曲が発生し神話の世界と繋がってしまう!!サンクチュアリ・黄泉比良坂―日本神話の世界を瞬く間に滅ぼした女神イザナミは日本へ侵攻、黄泉醜女と呼ばれる凶悪なゾンビたちで関西地方は溢れかえってしまう。未曾有の危機に為す術のない神祇院は、唯一神に対抗できうる“神殺し”六波羅蓮に日本を託すのだった…!女神イザナミ、英雄スサノオ、八岐大蛇…日本を舞台に新たなる神話級バトルの幕が上がる!!
ちょっ、神殺しさまに対してなんという対応を。
流石は神殺しやまつろわぬ神々の脅威に見舞われずに来た世界である。カンピオーネの世界の業界関係者なら真っ青になって逃げ惑うような対応を神殺しとなった蓮たちにやってしまう神祇院。神話世界の侵食に関しても認識が非常に甘いし、かなりぬるま湯に浸かってきたんだなあ、というのがよく分かる。カンピの正史編纂委員会は極めて優秀だったのに。
これは梨於奈が舐め腐ってしまうのも仕方ない。一見増長している風にすら見える梨於奈だけれど、あれで彼我の戦力分析は冷静極まるんですよね。自信満々だけれど、自分の能力の限界を見誤らないですし。あかんものはあかん、と割り切って暴走する心配はありませんし。
まあ、そんな彼女に見下されきっている、という時点でお察し、というところなのですが。それでも、日本の魔術組織として統制力を持つ神祇院は敵に回すよりも利用できるなら利用するのが一番言い訳で……、この点ではコミュニケーションの化物でもある蓮の方が交渉役として結構な役に立っている気がするぞ。結局、お飾りだった当主さまを絶対的な味方に引き入れた上に実権もたせたわけですから。
とはいえ、ある程度計算してそういう小細工できる人である一方、社会的だったり倫理的なものに対して極めて大雑把になれる、というのも神殺しの特徴なわけで、蓮って建前なんて全然気にしないというところで、カンピの護堂さんよりも質悪いんですよねえ。わりと平気で建築物や史跡もぶっ壊しちゃうしなあ。大阪がえらいことになってしまったじゃないですか。まあ大阪城くらいなら立て直しも容易かもしれませんが。あの城も頻繁に怪獣の類にぶっ壊されるところですし。
恐ろしいのは、相方である梨於奈もステラもイケイケドンドンで街や建物を破壊することに何の痛痒も感じないどころか、やっちゃえやっちゃえ、というタイプの人たちなんですよね。今回のパーティって、止める側の常識人タイプが一人も居ないw
どうやら霊媒であるらしい梨於奈の妹の芙実花はまだマトモなタイプのようですけれど、怖いお姉ちゃんに対して意見言えるような娘でもなさそうですし。
今回は日本が舞台ということで、出てくる神様・伝説上の人物もみんな和モノ、というわけでイザナミやスサノオはともかくとして、味方サイドに厩戸皇子と役小角というチョイスは渋くて好きです。役小角が賀茂氏の人というのは知らんかった。そう考えると、八咫烏を祖とする血統は日本の呪術を司る系統に位置している、というのもまんざらでもないのか。八咫烏の化身である梨於奈がめっちゃ胸そらしてドヤ顔しているのも、そこらへんの自負があるからなのね。
でもまあなるほど、そこまで梨於奈が自負を強くしているのなら、地元である大和こと奈良を差し置いて、京都が日本の都であり魔術の本拠を自称していることに、不満をいだいているのもわからなくはない。いやでも、この奈良県推しはなんなんですかねw 確かに、近畿圏の各府県はお互いわりと隔意持ってるところは無きにしもあらずですけれど。
さて、ズンドコ進展してしまった挙げ句に、早々に実家にご挨拶、というところまで進んでしまった蓮と梨於奈の婚約者関係。別に表向きだけ、というわけではなく、両者ともに乗り気というのが恐ろしい。いや、梨於奈はともかく蓮は微妙にどう考えているのかわからんところがあるのだけれど、結婚してしまうことに対して特に嫌がってる素振りもないからねえ。こうなると、ニコニコと見守っているカサンドラはともかくとして、ステラは穏やかならず。でも、そうか。ステラって体が小さくなっているということ以外に、人妻というハードルがあるのか! ステラ本人は全く気にして無くて浮気する気満々なようだけれど、蓮としては人妻相手はポリシーに反するようで……でも、いざとなったらまあいいか、で済ましそうな気もするんだよなあ、この男。
とりあえず、現代の軽トラックを乗り回して戦車戦車ヒャッハーしてるカサンドラさんが楽しそうでよかったです。一台くらいお持ち帰りさせてあげてもいいんじゃないですか?
とか言ってるうちに、そのカサンドラさんがえらいことになってしまったわけですが。やはり本作は梨於奈とカサンドラさんの二大ヒロインぷらすマスコットという構成で行くのか。

1巻 2巻感想

神域のカンピオーネス 2.ラグナロクの狼 ★★★★   

神域のカンピオーネス 2 ラグナロクの狼 (ダッシュエックス文庫)

【神域のカンピオーネス 2.ラグナロクの狼】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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新たなる旅の舞台は、北欧神話!
サンクチュアリ・トロイアから帰還した蓮と梨於奈は、結社カンピオーネスの本拠地バレンシアにてつかの間のバカンスを楽しんでいた。結社の力をさらに強めるために、蓮との"政略結婚"を提案されて動揺する梨於奈。
だがそんな二人の前に、「侯爵」を名乗る新たなる神殺しが出現! 圧倒的な力で蓮たちを退け、北欧神話の世界「サンクチュアリ・ミッドガルド」に通じる空間歪曲を発生させ、姿を消してしまう。彼の地に眠る魔狼フェンリルの復活と神話世界の崩壊「ラグナロク」を防ぐため、ミッドガルドに乗り込む蓮と梨於奈。だが、侯爵を名乗る神殺しには恐るべき能力と秘密があった……!!
雷神トール、戦女神ヴァルキュリエ、主神オーディン……新たなる敵と味方、神話世界の英雄が入り乱れる! 「カンピオーネ! 」の丈月城が贈る、"神話を旅する"究極のファンタジー、早くも第2巻!!
ヴォバン侯爵、間違いなくこの世界の神殺しじゃなくって、護堂さんところのヴォバン侯だ!! 性懲りもなく世界も神々も関係なくご迷惑をおかけしてる!!
カンピオーネ同士のバトルロイヤルとなった魔王内戦のラストで、異世界に吹き飛ばされたときにどうやらヴォバン侯爵は死んだっぽい描写があって、ついにあの爺さんも年貢の納め時だったか、と思うはずもなく、やっぱりというかわかってたというか、こいつらどうやっても死にそうにないし、たとえ死んでも死なないな!
それどころか、なんか肉体年齢若くなって復活して、気持ちも若々しくなっちゃってるし。いや、若かろうが老いてようが基本的にこの爺さんなんにも変わらず、ビーストモードなんだけれど。
いわゆるパンドラによる神殺し育成システムが生成されていないこの世界では、どうやら神殺しという存在は本当に希少なようで、史上においても殆ど記録にも残ってないっぽいんですよね。どの年代でも一人以上、場合によっては数人、作中においては七人も魔王が勢揃いしていた護堂さんの世界は、なんで滅びてないのか不思議です。しょっちゅうあっちこっちでまつろわぬ神が発生して大破壊起こしているわけですからねえ。
その意味では、神話世界と繋がってそちらの影響が現実世界にも及ぼされる、というこの世界の模様というのはわりと迂遠ちゃあ迂遠と言える。神話レベルの激闘もちゃんと神話世界でやってくれるので、現実世界の方にはそれほど直接的な被害は出ませんものねえ。いやまあ、災害レベルの被害は出るかもしれなくても、怪獣襲来レベルの被害がぽんぽこ出るよりはよっぽどマシ、という考え方で。
しかしそれも、ヴォバン侯爵が闊歩し始めるとどうなることやら。あっちの魔王さまはいるだけで大破壊だもんなあ。まあ、戦いの対象となるものが基本的に神話世界側にしかいないのなら、それほどえらいことにはならないか、と思わないでもないのだけれど、神話世界の住人がこっちに来られない、というわけではない、というのはラストで証明されちゃいましたもんね。世界同士のシンクロ、なんて遠回しは影響じゃなくても、神様の誰かが乗り込んできたらそれだけで偉いことになるわけですし。
果たしてそれに対抗するだけの力を、現行の魔術結社が持っているのか。梨於奈とかちゃんと力を発揮できれば下手な神獣よりもよっぽど強いみたいですし、ジュリオの所属するカンピオーネスもちゃんと切り札持っているみたいなので、なんとも言い難いのですけれど。ってか、カンピオーネスのあの守護女神って容姿とか武器とかからして、なんかあの人っぽいんだが。これも繋がりあるんだろうか。
とか言っているうちに、ずんどこ進展する蓮と梨於奈。そもそも蓮さんが護堂さんと別の意味で女慣れしすぎてる! 爺様の薫陶行き届いていた護堂さんと違って、蓮くんはそもそも女性観が全然違いすぎてヤバイw
遊んでいるわけじゃない、けどハードルがめちゃくちゃ低いんですよね。イタリア人か、この男。
軽いけど薄くはないので、梨於奈さん的にはどうなんだろうと思うところなんだけれど、アカン意味でブーストが掛かっちゃってる! そして梨於奈の思いっきりの良さというか割り切りの速さがイケイケドンドンに拍車かけてる! まさか、そこまで平々といってしまうとは。動揺し動転しながら受け身じゃなくて積極的に攻めまくる梨於奈という構図がまたなんとも妙味を感じさせて、それをさらっと受け止めてるのか受け流しているのか微妙なラインでキープする、キープというと言葉が悪いか、お楽しみあそばされている蓮くんが、実に悪い男である。こいつ、人生楽しんでるなあ。

1巻感想

神域のカンピオーネス トロイア戦争 ★★★☆  

神域のカンピオーネス トロイア戦争 (ダッシュエックス文庫)

【神域のカンピオーネス トロイア戦争】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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『世界は神々で満ちている』

神話の世界と繋がり、世界中に災厄をもたらす異空間「サンクチュアリ」。
ギリシア神話に語られるトロイア戦争の世界「サンクチュアリ・トロイア」と繋がった日本の神戸市には、様々な魔物が現れ、甚大な被害が出ていた。
事態収拾のため、日本最高の陰陽師にして神の生まれ変わりを名乗る美少女、鳥羽梨於奈が派遣される。
だが、彼女の「ご主人さま」六波羅蓮は魔術界で最も権威ある結社《カンピオーネス》に所属しながら、何の力も使えない"素人"だった。
逃げ足と口のうまさだけが頼りの蓮に呆れる梨於奈。しかし、蓮には「神の召喚」をも可能にする切り札があった……!
「必ず神話の筋書きを変えろ。必要なら――神さえも殺せ」

神々の王ゼウス、女神アテナ、英雄アキレウス……神々と英雄が入り乱れる世界で、蓮と梨於奈はおよそ人間には不可能なミッションに挑む。
任務のためには《神殺し》さえも辞さない、神域への挑戦が今はじまる! !
果たしてアテナのビジュアルは【カンピオーネ!】と一緒なんだろうか。絵師が違うのでそのへん判断しにくい。
どうやらこの世界にはパンドラはおらず、エピメテウスとプロメテウスの兄弟もいないらしい。いや、居ないことはないのかもしれないけれどカンピオーネの後援者として動いた彼らは居ない、というべきか。しかし、それでも神殺しが誕生する仕組みじたいは存在し、実際にそれを成し遂げた「魔王」は史上に幾人か存在する、というようで。まあ【カンピオーネ!】の世界のように常時何人もの魔王が世界に君臨している、なんてわりとえげつない状況ではないみたいですね。あちらの世界のように頻繁にまつろわぬ神が降臨して暴れまわる、という怪獣映画の世界みたいなことになっていないからこそ、とも言えるのだけれども。それでも、神話世界と直結してその影響がもろにこっちの世界にまで波及してくる、なんていう異世界災害が勃発している、というだけでもまあ大概である。
果たして、どれくらい【カンピオーネ!】の世界が関係してるのかは一巻の段階ではよくわからないのだけれど。平行世界、というのは間違いないみたいだけれど。ってか、二巻で「侯爵」なる人物の登場が示唆されているのだけれど、もろにあのひとだよね!という状況ではあるのですが。
さて、今代の神殺しであるところの六波羅蓮くんである。自称平和主義者でありつつも色んな意味で「魔王」そのものであった草薙護堂氏に比べると非常に軽薄というくらいには軽妙としていて、それでいて強かな立ち回りとウィットに富んだ物言いで物事を飄々と捌いていく姿は、なかなか掴みどころのないキャラクターであると言える。ぶっちゃけチャラい。それでいて、妙に信のおける雰囲気を備えていて、これはこれで王様の領域にあるといえるのかもしれない。敢えていうなら、ジョン・プルートー・スミスのごとき粋人、というと傾向にそぐうものがあるかもしれない。或いはドニのような自由っぷりといべきか。そんな彼と、在る種の自信の塊、不遜なる婦人である鳥羽梨於奈とのコンビは妙な丁々発止が噛み合う面白いコンビであると言える。ステラの存在もいいアクセントになっているというべきか。決して仲良しトリオ、ではないあたりが尚更に。
そんな彼らが乗り込むのは、ギリシャ神話群の一端にあたるトロイア戦争の世界である。もろに神界に属する神様たちがたくさん出てきたり、英雄英傑の類がわんさかと出てくるあたりまさに神代そのもので、とにかく真正面からぶち当たってぶっ壊せばとりあえずなんとかなるし、なんとかならなくてもぶっ倒す、という塩梅だったカンピオーネ!と違って、こっちの蓮くんはそこまで無茶苦茶出来るような神殺し具合にはなっていないので、今ある力と人脈ならぬ神脈を駆使してうまいこと立ち回っていくことになる。それは、神話の物語の登場人物の一人となってあるべき物語の流れに介入していく、ということでもあり、ちょっとした神話に対する二次創作みたいな展開でもあるんですよね。今回も、トロイア戦争において英雄ヘクトールが討ち取られたあとの展開にもろに介入して、本来あるべき話の流れをひっくり返していくわけですから。
しかし、トロイア戦争。あのトロイの木馬の逸話のある神話、考えてみると大まかにしか知らなかったんだよなあ。子供の頃に、子供向けの大雑把な話を読んだくらいで。わりとちゃんと読むと、ギリシャの神々の無茶苦茶さと、ギリシャの英雄たちの蛮族っぷりがもろに見えてきてしまって、わははは、ってなもんである。まあ客観的に見てあのギリシャ神話群の話の内容っていろいろとアレだもんなあ。まあ神話って往々にして程度の差はあれ、アレなんだけれど。
それにしても、世界変わってもアテナは常に敵役なのか。あの女神様はどうにもこうにも男前すぎて、なかなか味方にし辛いのもあるのかもしれない。それに比べてステラのポンコツぷりときたら……。アフロちゃん呼びじゃなくてよかったね。

丈月城作品感想

クロニクル・レギオン 7.過去と未来と ★★★★   

クロニクル・レギオン 7 (ダッシュエックス文庫)

【クロニクル・レギオン 7.過去と未来と】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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過去と未来、すべての因果が激突する!! 女皇照姫(じょおうてるひめ)と平将門(たいらのまさかど)の反乱を抑えきり、ついに皇都の覇者となった征継(まさつぐ)と志緒理(しおり)。衛青(えいせい)とも協力して陣営を整えていたが、ついにカエサルが皇都へ向けて出撃。数千騎のレギオンが迫るなか、潜んでいたカエサル派による奇襲で皇都は大混乱に陥ってしまう! 衛青、大英帝国のエドワード黒王子率いる軍団と、カエサル軍が激突するなか、総大将である征継はローマの切り札、神箭(しんせん)ジェベと対峙する。悠久の時を越えて導かれる前世の因縁。かつての盟友との決戦に征継のとった行動は……!? さらに、まだローマ軍には謎多き不気味な英雄、ブルートゥスが残されていた……。 過去と未来、英雄たちのすべての因果が激突する第7巻!!

ああ、やることはちゃんとやってたんだ。そりゃあするよね。征継の素性からして女性の扱い方について我慢する、という文化はなさそうだし、そもそも抑制する必要性も理由もなにもないんだから。征継、オープン助平だし。
というわけで、女皇照姫の宮廷内クーデターにかこつけて、戦略的大転換を果たしてローマ帝国はカエサルの保護下から敵対していた大英帝国へとパートナーを取り替えた志緒理姫。ここで肝なのが、あくまで敵対のターゲットをカエサルのみに絞っていて、東ローマ帝国本国に関しては根回しをちゃっかり進めていて、カエサルを政治的にも戦略的にも孤立させてしまったところでしょう。謀略戦も然ることながら、こうした外交戦に関しても妖怪じみた辣腕さを見えた上に、宮廷政治においてもきっちり照姫の首根っこ押さえつつ、強硬手段で監禁、などという強引な手段に任せず、ある程度以上照姫の自由度を高めているあたり、加減をよく心得ているというか。実質、照姫はクーデター前よりも自身の勝手できる範囲は広がってるんですよね。おかげさまで変な属性はつくわ、けっこう志緒理とバチバチやりあってはいるんだけれど、ネガティブな方にどツボはまらなくなっただけでもだいぶマシなんですよね。照姫のキャラクターも相当面白いことになりましたし。以前が根暗で嫉妬深い小物っぽさからどうしても足抜けできない姫様だったことを思うと、これはもう一種の覚醒と言っていいくらいの変化ですし。あかん意味でも覚醒してる気がしますが。
これ、教育係の衛青将軍、苦労するでー。ただ、彼の場合その苦労を望んで買っているので、それこそ大船に乗せた気分なのですけれど。
徳川家康と天海という超大物政治家にしてネゴシエーターが手伝ってくれてる、というのも途方もなく大きかったんでしょう。ぶっちゃけ、徳川家康ってもっと信長とか秀吉みたいに召喚とか憑依とかされてもいい日本史上でも最強な偉人だと思うんだけどなあ。と、昨今の研究によって浮かび上がってる徳川家康の人物像を見るとそう思います。今回、ラストで美味しいところ持ってったのも大御所様だったしなあ。
こうしてみると、世界史上における最強クラスの将帥であろうジェベと征継の間に生まれた差、というのはそれこそ今世における充実感、だったのかもしれません。二度目の生に何を求めるのか。本作において活躍した復活者というのは、それぞれみんな今世に意義を見出し、また謳歌する人たちばかりだったんですよね。
どこか茫洋とした衛青将軍ですら、カエサルを裏切った理由を見てもわかるように前世における未練を今世で果たす道筋を見つけ、それに殉じたわけです。生きる目的を得、生きる楽しさを謳歌した。
その点、ジェベ将軍はそこに確固としたものを見いだせなかった。これはカエサルの抱え方の問題もあると思うのだけれど、飼い殺しみたいな真似をしてしまったからこそ腐らせてしまった、とも言えるんですよね。ジェベの将帥としての力量は一切衰えなかったかもしれないけれど、貪欲なまでの闘争心や野心、叶えるべき欲がなければ最後の最後の一線において及ばず開いてしまう差がある。
結局カエサルの致命となったブルートゥスの扱いにしても同様で、カエサルの弱点は同格たる英傑と肩を並べる、ということを知らなかった、というところにあるのかもしれません。黒太子エドワードは、ずっと獅子王リチャド1世と一緒に戦ってましたしね。征継もまた、前世から英傑たちとともに駆けるを人生としてきたわけですから、衛青将軍との息なんぞピッタリでしたし、共闘となったエドワード王子に対しても見事な任せっぷりでしたし。
皇帝の語源となったカエサルは、唯一無二の皇帝でありすぎたのか。征継の仮名となった土方歳三もナンバー2でしたし、衛青将軍もエドワードも何気に王にはならなかった人物。いわんや平将門なんぞは……アレはまた別の意味で王様ではありましたけれど。
それでも、偉大過ぎるカエサルを相手の闘争は、実に見ごたえのあるものでした。勝ち抜けたのは、これは愛の力と言っていいんでしょうかねえ。女の強かさのおかげ、とも言えそうです。
強かさばかりではなく、竜胆先生みたいに凄まじいデレっぷりなんぞも拝めたわけですが。いやあ、あのデレっぷりは凄まじかった。まさしく陥落じゃないですか。なんですか、あれ、もう本当にwww
もうちょっと日本を飛び出すスケールでのお話も見てみたかったですが、レギオンというシステムの面白さといい、最後まで楽しませていただきました。
レギオンシステムとか、あれ信長の野望形式のシミュレーションにも流用できそう。

シリーズ感想

クロニクル・レギオン 6.覇権のゆくえ ★★★★   

クロニクル・レギオン 6 覇権のゆくえ (ダッシュエックス文庫DIGITAL)

【クロニクル・レギオン 6.覇権のゆくえ】  丈月城/BUNBUN  ダッシュエックス文庫

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照姫と平将門の暴走により混乱を極める皇都東京。ついに全ての騎力を取り戻した征継は、志緒理と共に反撃の機をうかがっていた。だが京都遠征より突如折り返したローマ帝国の将軍・衛青が皇城を制圧、女皇を従え実権を握ってしまう!一方、水面下で征継たちと協力関係にある大英帝国軍は、関西方面で総大将・カエサルとの決戦に挑む。だが、ローマが新たに召喚した正体不明の英雄“ネモ”により、リチャード獅子心王が倒されてしまい…!?志緒理は起死回生を懸けて、江戸城址に眠る聖獣・大国主命を復活させ、新たな力とすることを試みるが…!?復活せし英雄たちの過去と現在がクロスする極大戦記、第6巻!
志緒理姫、ガンガン寿命削っていくなあ。この姫さんの凄いところは追い詰められて、他に選択肢がなく寿命を捧げるのではなく、ここぞという場面においてここで勝負かけなあかん! と、惜しげもなく自分の寿命を課金してしまえる勝負勘なのでありましょう。ガチャじゃないよ!? 運を天に任せているわけじゃあない。
一方で、大勝負を仕掛けておきながら自分がリスクを負うタイミングを追い詰められるまで慎重に取り回して温存してしまったのが照姫なわけですね。彼女に勇気や無謀がなかったわけではなく、これはもう生き馬の目を抜く生き方をしてきた志緒理と、飼い殺しにされてきた照姫の人生経験値であると同時に、志緒理の場合は心身を捧げ尽くせる相手と敷いて絶対的に信頼できる征継が傍らに居たのが大きいのでしょうなあ。これは、征継の真名がカエサルや黒太子のような王たるものたちではなく、大業を支えた功臣であったというのもあるかもしれません。それも、文字通り世界に覇をなしたチンギス・ハーンの臣下たる大将軍ですからな。男女としても君主としても、これほど稀有壮大な心持ちにしてくれる支えはないでしょう。
その意味では衛青将軍も同系統なんですよね。才能から人品からこれほど清廉にして鮮烈な人が歴史上どれほどいるものか。ただ、その外戚となりながら一族の権勢を高めることなく清廉に徹したことが、彼の一族の政治力を損なわしめてしまい、衛青将軍没後に一族が族滅させられたという事実が、彼に思うところを与えてしまっていた、というのはなかなかに予想外の展開でした。
彼のような人物が禄を食んでいたローマ帝国から離反して自由に振る舞い出す理由が想像つかなかったのですが、これはなんとも思わぬ方向から攻められたという意外感と同時に、衛青将軍の人となりが変貌してしまったのではなく、彼らしい清廉な在りようが変わることなくある種の稚気と後悔の発露だったとするのなら実に面白いところである。ってか、この期に及んで野心を滾らせるでもなく、ああいう涼やかな振る舞いを自然とこなしてしまう衛青将軍が好人物すぎて、なんかもう眩しい。
今回の行動を見ていると、決して腹芸や策謀を巡らすことの出来ない人ではなく、やろうと思えばスルッとこなせて、宮中の掌握の手際なんか見ても権力握ろうと思えばサラッと魔窟だろうと万魔殿だろうと仕切れてしまいそうな、このやり手風味たるや。本気で野心持ったら容易にカエサルとでも対抗できそうな君主になれてしまいそうなんだよなあ。それでも、根本的にその気にならない野心の無さが衛青将軍の根底であり、また魅力なんだろうけれど。この人が結果的にとはいえ敵に回らなくてよかったと心底思う。ってか、人類史における騎馬機動戦の最高峰にあたるだろう二人が両翼に侍るって、志緒理姫贅沢過ぎるくらい贅沢ですぜ。
とか言っている間に、カエサルの隠し玉であるネモ将軍の正体が明らかになって、ヤバさ待ったなしになってしまったわけですけれど。
あのネモ将軍の正体開陳、攻撃開始のシーンのイラスト、めっちゃカッコよかったですなあ。あれこそ、悠久の大地を駆け抜ける大将軍の姿でありますよ。ってか、浪漫だな。
衛青将軍の独自介入というイレギュラーに翻弄されながら、時間的にも戦力的にも瀬戸際を綱渡りしていく志緒理陣営なのだけれど、無い時間の合間を縫って飄々と志緒理姫をはじめとしたヒロインたちを喰っていっちゃう(性的)征継、まさに肉食の馬というかこいつユニコーンの一種なんじゃないだろうか。澄ましたスケベ馬。
挙句ついにアル中で女としてどうなの!? という有り様に徹していた竜胆先生にまで女の顔をさせてしまうという、やりたい放題だね!
しかし、一方でさすがはカエサルというべきか。志緒理がなんとか陣営を固めて権力と実動力を掌握していく一方で、着々と手をうち詰将棋のごとく見える手と見えざる手を同時に指し勧めていくこの政治家としても軍人としても人類最高の一柱たるを思い知らせてくれる手腕で。
逆にそうした頂上たる一柱だからこそのウィークポイントを攻めようとしている志緒理や大英帝国もまた、謀略戦では負けていないという、この政軍謀のあらゆるを駆使した鬩ぎ合いが大いにクライマックス感を高めてきている。
次回がラストというに相応しい盛り上がりだこれ。

シリーズ感想

クロニクル・レギオン 5.騒乱の皇都 ★★★☆  

クロニクル・レギオン5 騒乱の皇都 (ダッシュエックス文庫)

【クロニクル・レギオン 5.騒乱の皇都】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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征継の記憶を取り戻すため、皇都東京への訪問を決意した志緒理。だが、時を同じくして皇都東京では女皇照姫が災厄の英雄・平将門を復活させてしまう!!将門の率いる二千騎ものレギオン“零式”により、武力で実権を握る照姫だが、将門にはさらにおそるべき秘密が隠されていた…!!志緒理と共に皇都入りした征継は、ついに記憶を取り戻す鍵となる人物、神君徳川家康と邂逅を果たす。だが家康の放つ意外な言葉に迷いを感じて…!?いっぽう虎視眈々と巻き返しを狙うエドワード率いる大英帝国も、ある密約をもとに次なる計画を立てていた…。幻想と歴史がクロスする覇道戦記、混沌と激突の第五巻!!
志緒理姫、黒い、黒いよ! 闇堕ちしかかっている照姫を助けるどころか、むしろ煽りに煽り倒して闇落ちを促進させようという容赦なさには惚れ惚れしてしまった。政敵でもあり、性格的にも感情的にも相容れない不倶戴天と言えど、イイ性格してますわー。思慮が足らず、感情的でコンプレックスにゆがんでしまっている照姫では、ちょいと役者が違い過ぎますなあ。将門公を呼び出して、調子乗っちゃってる照姫をこの場合哀れんであげるべきなのでしょうけれど、この姫様も小物なんですよねえ。小物らしい味わいのある人ではあるのですけれど。小物であるからこそ、考えが浅く感情任せなぶん、コントロールしやすく利用のし甲斐がある一方で、小物であるからこそ英雄・賢人の想像の埒外とも言える理に合わない暴挙を易易とやってのけてしまう。愚者ではあるのですけれど、舞台上の役者としては意外なほど存在感があるキャラクターなんですよねえ。
世界は英雄だけで動いているわけではない、というのを示しているキャラなのかも。
しかし、将門公はもうこれ完全に人間じゃないじゃないですか。まともな人格が残ってなさそう、という意味においては正しく怨霊のままなんですよね。そして、その装束は旧陸軍の軍服。将門公というと、軍服姿が思い浮かんでしまうというのは、帝都物語の影響凄いなあ、と思う次第。
さて、この悪霊を侍らして如実に精神を汚泥に浸しつつある照姫を、志緒理姫は煽りに煽り倒して混乱をもたらそうとしているのですけれど、一方でカエサルはこれどうするつもりなんでしょうね。この超絶自信家は、わりと行き当たりばったりだからなあ。彼の人生、概ねそんな感じであるのは作中でも描かれていますけれど、それでなんとかなっちゃうのがこの人の凄いところで。色々と想定はしてるんでしょうけれど、想定外の事が起こっても本気でなんとかなるだろう、と思ってるっぽいのよねえ。かと言って、ラストのあの出来事については流石に想定外にも程がある気がするけれど。
いや、実際これについてはびっくりさせられたんだけれど、この人がどう動くのかというのは予想がつかない分、ドキドキさせられる。
予想外というと、征継の選択も予想外だったなあ。順当に、英傑としての過去を取り戻してカエサルやエドワードなどと伍していく、と思っていたのだけれど。
なるほど、彼が過去を取り戻そうとしていたのは強くなるためで、なぜ強くなろうとしていたかというと、志緒理たち愛する女性たちのため、という極々シンプルな目的だったんですよね。それが、強くなったはいいが過去を取り戻したおかげで、彼女たちを守るために不必要なしがらみを得てしまったり、彼女たちを大切に思わなくなってしまうのなら、本末転倒。それならば、過去の記憶など不要、と言ってのけて揺るぎもしない征継の漢っぷりは、そりゃもう前世の記憶なんぞなくても稀代の英傑そのままですわー。
なぜ、土方歳三の再来などと呼ばれ、彼の刀やレギオンも引き継ぐ、という余分な要素を兼ね備えているのか、以前から不思議だったのですが、今回の選択とさらに神君家康公からも新たに頂いたモノを見て、大いに納得させられた次第。なるほど、過去の英雄の復活者でありながら、彼はこの時代における橘征継という新たな英傑として誕生しようとしているのか。

それにしても、そろそろレギオンを運用するための霊液補充のため、という建前名目を脇において征継さん、女性陣に手を出しはじめたなあ。

シリーズ感想

クロニクル・レギオン 4.英雄集結 ★★★☆  

クロニクル・レギオン4 (ダッシュエックス文庫)

【クロニクル・レギオン 4.英雄集結】 丈月城/BUNBUN  ダッシュエックス文庫

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箱根での決戦を制した征継たち新東海道軍は、着実に日本での存在感を増していた。だが、そんな志緒理の躍進を好ましく思わない現女皇・照姫は、志緒理への対抗心から恐るべき復活者を新たに召喚していた!!一方、間近に迫ったミスコンに志緒理、立夏までもが出場することになり、学園祭は大波乱!!さらにミスコンで征継が不在の隙をついて、大英帝国軍の獅子心王リチャード一世がついに箱根奪還に乗り出してきて!?列強国の思惑が入り乱れる中、皇国日本の運命を担う復活者・橘征継は何を思う…!?復活せし英雄たちと美少女が繰り広げる極大ファンタジー戦記、かつてない衝撃でおくる第4巻!!
男風呂のなんという密度の濃さよw
いやマジで、本当に濃い。この作品に登場する男のキャラクターって、比喩抜きで歴史上の本物の大英傑、大将軍ばっかりなんですよね。それも、一つの戦史で主人公やラスボスを担うレベルの。超大物で一筋縄でいかない食わせ物ばかり。そういうキャラがたくさん登場する戦記モノ、というのは決して珍しくはないのかもしれませんけれど、本当にラスボスしかおらず余人を交えずヤンヤと暴れてる作品はさすがに見当たらないんじゃないかなあ。歴史上の偉人達が一処に集まって暴れまわる作品群でも、ある程度役割分担があり、駒として動くキャラクターなども居ますからね。
でも、本作の復活者たちと来たら、それぞれ好き勝手に思うがままに、もしかしたらかつての自分の時代の頃よりも自由に、その英傑としての有り様に耽溺してるんですよねえ。誰かの思惑に理不尽に動かされるのではなく、思うように動いている。一人ひとり、ラスボスみたいな在り方してる連中が、です。
それは、狗と呼ばれる橘征継も、純粋に将帥として上意下達に徹していた衛青ですら同等で、それぞれ狗であること、従順であることを思う存分闊達に楽しんでいる。
この作品の恐るべきは、男キャラにそういう連中しか、「しか!」いない、という所なんですよ。だから濃い。なにをするにも、濃くて大仰であり優雅であり遊戯のようですらある。正しく、英傑たちの遊技盤として、世界が成立してるのである。
だからこそ、征継にしても大英帝国軍との闘争と学園祭でのミスコンに存念の比重をつけようとしていないわけである。日常を大事にしよう、という観念すらなく、まったく自然に戦争とミスコンが同等なんですなあ。
こういう有り様は、リチャード1世やエドワード、衛青やカエサルも似たようなもので、だからこそ今のような戦争が成立している、と言ってもいいのでしょう。
その意味では、女皇・照姫の呼び出した復活者は異質のものとなりかねないファクターなのだけれど、果たして「彼」がどのような存念を持ってこの世に現れ出でたのか、作品の方向性そのものに対する大きな刺激となりかねないだけに、非常に興味深い。
興味深いというと、照姫の呼び出した復活者と、ラストに征継の前に現れた復活者はけっこう関わりが深いんですよね。そのあたり、決して無関係には進行していかないでしょうし、さてどう関わってくるものか。
という以前に、あのラスト登場の復活者には驚愕させられました。同時代において、まさに頂点に立つ大英傑にも関わらず、どうしてもこの人って現代やら異世界に復活させてもらえることのない偉人でしたからねえ。
近年、あまりイメージが良くなかった、というのもあるのでしょうけれど、最近ちょっと評価の筋が変わってきてるようなんですよね。自分なんかも、かなりこの人に関しては印象がガラッと変わってきてる最中なので、この参戦はとてもおもしろく感じてます。

しかし、征継と女性陣の儀式はあれですよね、もうどう見ても普通にナニするのと変わらんノリというか雰囲気ですよねえ。いや、ここまでするならもう普通にイタしてても構わない気もするんですけれど、そんなに建前が大事か!(笑
征継さんはあれですよねえ、女好きなのにそのへん淡白というか、誘い受けを楽しんでいるというか、女性陣が恥ずかしがりながら求めてきつつ、一線を超えるのは意地張って我慢しているのを、めっちゃ堪能して味わってますよねえ。なんというイジメっ子w さすが、女性を尊重しながら甚振るのが得意なだけあります。すごいね!

シリーズ感想

クロニクル・レギオン 3.皇国の志士たち3   

クロニクル・レギオン  3 (ダッシュエックス文庫)

【クロニクル・レギオン 3.皇国の志士たち】 丈月城/ BUNBUN ダッシュエックス文庫

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獅子心王リチャード一世の襲撃から辛くも駿河を守り切った征継たち。だが息つく暇もなく、大英帝英軍が東海道地方の州都・名古屋を陥落させてしまう!壊滅状態の東海道州を立て直すため、東海道総督の座を立夏が継承し、駿河を臨時州都とした新東海道将家が成立。さらに皇女志緒理は歴史の表舞台に立つため、東方ローマ帝国の大元帥カエサルをも巻き込んだ大胆な賭けに出る!ついに軍の中心に躍り出た志緒理。腹心の将として、新東海道軍特務騎士団「新撰組」の副長に就任した征継。そしてローマが呼び寄せた謎めいた新たな復活者…。大英帝国軍指揮官・黒王子エドワードが本陣を講える箱根にて、ついに両陣営が全面衝突する!
征継の正体、ついに発覚! というのは正確ではなくて、竜胆先生の啓示と志緒理の推測に基づくヒントから、なんだけれど、あそこまで書いたらわかるよ!!
しかし、これはまた意外なところ突いてきたなあ。これ、その方面の歴史について調べてる人でないと、まず一般的な知名度は無いに等しいんじゃなかろうか。ちなみに、私は知りませんでした。ただ、戦歴をみると尋常じゃないですね、この人。英傑のお歴々に全く引けをとっておりません。というか、これ冗談じゃなく史上もっとも世界の広範囲で戦った将軍なんじゃないでしょうか。パッと思い返しても、これに比肩するのって東はノモンハンで関東軍いわして、西でドイツ軍相手にドンパチやってたソ連のジューコフ将軍くらいしか思い浮かばないんですけど。
航空機が存在する近現代ならまだしも、馬しか移動手段がない時代でユーラシア大陸の東西でこれだけ戦って勝ちまくった、というのは史実でなかったら盛りすぎじゃないか、と疑いたくなるような戦歴じゃあないですか。
これだけ縦横無尽に大陸を駆けまくった、途方もなくだだっ広い戦争をやっていた人が、極東の島国の、それも東海道の狭っ苦しいところでチマチマと戦っている、というのも何だか違和感を催すところなんですけどね。
それをいうと、騎馬民族相手に大遠征した衛青にしても、十字軍で中東まで攻め入ったリチャード一世にしても、はるばるガリア征伐を行ったカエサルにしても、とにかく戦域がワールドワイド、なイメージがある英傑ばかりなので、ちょーっちこの戦場のスケールは狭っ苦しい感じはなきにしもあらず。
ただ、その限定されたフィールド、制限された駒の数、それ以外にも戦争のルールが定められているなど、様々な制約がある状態でありながら、各人ともにその制約をむしろ楽しみながら伸び伸びと楽しく戦争をやっているなあ、という感もあり、あまりエドワードも征継も戦争狂のリチャード一世を笑えないんじゃないだろうか、これ。征継なんか、この内戦と文化祭のミスコンを同列に置いて楽しんでいる節もあるし。楽しんでいる、と言ったらおかしいのかもしれないけれど、責任感や義務感、或いは野心で戦っているのとは違うっぽいですし。天衣無縫というか、何事にも囚われない自由さ、というか。好きにやってるなあ、という風なんですよね。強いていうなら、女の為、皇女志緒理の望みを叶えるため、というのがらしいのかも。
この辺の粋さ、については土方歳三とはまたひと味ちがうんですよね。しかし、日本の復活者って真田信繁とか楠木正成か、これに土方歳三を加えても、なんでこう、滅びの美を飾った人たちばかりなのかしら。日本人、こういう人ら、好きだから仕方ないのかもしれませんけれど。考えてみたら、九郎判官もそうだわなあ。

しかし、征継がやはりこれだけ楽しそうに見えるのも、三人もの美少女を侍らしているからなんでしょうなあ。姫や妹に加えて、颯爽とした武人である立夏さんまでお手つきにしてしまって。それは手段として必要だから、という建前があるはずなんですが、この主人公建前なんかあまり気にせずに、かなり素直に女の子の素肌をぺたぺた触るのを楽しんでるんですもん。男の欲望に正直、というかなんというか。変に繕ったり誤魔化したりしないあたり、女慣れしているなあ、というのが良く伝わるのです。一方で、ガツガツしない余裕もあるから、女性陣に無理は強いませんし、愛でている、というのが一番ふさわしい表現でしょうか。
戦いにおける生と死の瀬戸際を悠々と綱渡り、強敵と槍を交わし策をぶつけあう楽に興じ、その合間に可愛い女を愛で、ついでに学生としての日々を堪能する、と。
……人生、謳歌してますなあ、征継さん。うん、補給は大切大切。これは絶対に疎かにしてはいけません。

シリーズ感想

クロニクル・レギオン 2.王子と獅子王4   

クロニクル・レギオン2 王子と獅子王 (ダッシュエックス文庫)

【クロニクル・レギオン 2.王子と獅子王】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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大英帝国軍の侵攻を橘征継が退けてから3日―依然として駿河に閉じ込められながらも、皇女志緒理と征継は秘かに反撃の機会をうかがっていた。一族秘伝の銘「九郎判官義経」の継承に初音が成功し、戦力を整える征継たちだが、大英帝国軍の黒王子エドワードによって箱根が陥落されたとの報せが入る。さらに、獅子心王の呼び名を持つ伝説の英国王・リチャード一世が増援として皇国日本の地に降り立つ!真紅のレギオンを率いる伝説の大英雄に、未だ記憶の戻らない征継と志緒理の戦略とは!?悠久の時を越え、ついに復活者どうしの戦いが幕を開ける!!幻想と歴史がクロスする覇道戦記、極大スケールの第2巻!!
【獅子心王】のイメージが、ガラガラ崩れていくぅ。こ、こんなヤンチャな人だったのか。いやあ、自分の剣にエクスカリバァァァ!!と名付けて喜んでた人というのは知ってたけど。わりと残念よりのドリーマーな人だというのは知ってたけど。……何気に史実に近いキャラクターなんじゃないのかこれw
でも、リチャード一世がイングランド王でありながら、どちらかというとイギリス人じゃなくてフランス人という話にははっとなりましたね。イギリスには半年ほどしか滞在せず、殆ど国王としての業績は残していない、というのは知識としてありましたけれど、英国王というレッテルをそのまま当てはめて考えていたので、この偉人をフランス人として考える意識は皆無だったなあ。これはなかなか既成概念に囚われてる、という話ですよ。
そうなると、十字軍でのフィリップ2世との不仲も英国と仏国という括りじゃなくて、フランス王とプランタジネット家との悶着に焦点を当てて見た方が……と、本作と話がずれてきた。
でも、獅子心王がイギリスにおける屈指の英雄王というのは間違いない話で、その大人物が同じく英国屈指の英雄である黒王子エドワードと幕を同じくして戦う、というのは大英帝国的に見てもドリームチームの極みなんだろうなあ。しかも、ネルソン提督までついてるんですぜ。
これは敵わんですよ。
と、思ってたんですが、このメンツを相手にしながらの征継の戦い方が実に面白い。軍師のように立ち止まって熟考して策をひねり出すのではなく、しかし猪武者のように何も考えずに突き進むのでもない、ひたすら馬で駆けまわりながら状況を動かし、そこで生じた隙目掛けて躊躇なく斬りこむような感じなんですよね。待ちではなく、まず自分から動く。そうして相手も引っ張りこんで動かして、全体を流動的にして思惑を定まらないようにする、という感じで。攻めるのも物理的だけじゃなく、精神的にだったり、相手の性格を利用したりだったりと計略も用いていて、硬軟合わせてる感じだし、とにかく戦闘勘がずば抜けてる感じなんですよねえ。これは、騎兵指揮官によく見る特質というべきか。
征継の正体についての情報については、今回もポロポロとこぼれ落ちていっているのだけれど、実はかなりの女好きだったり、攻城戦、というか恐らく城塞都市の類を数えきれないくらい陥落させている経験といい、的は絞られてきていると思うのだけれど。
正直、過去の偉人が本当にそのまま蘇ってしまうと、倫理観とか人権意識とか古代から近世に至るまで相当アレだったりしますし、英雄のたぐいというのはそれこそわんさと虐殺の類をやらかしている人たちでもあるので、ある程度人倫面はソフト化してるはず。でないと、この作品のヒロインさんたち、ガチで貞操のピンチですから!!
既に今の段階で征継はかなりの肉食であることが発覚しているだけになおさらに。なにやら、一定の自分ルールはあるみたいだけれど、一般的に見て相当の節操なしなのは間違いないし。ってか、気に入った女性に片っ端からプロポーズしてないか、この男w
実はかなり乙女だった志緒理さまといい、ミーハーである事がバレバレな立夏さんといい、いつこの男の毒牙にかかってしまうか。既に、今の段階でペロペロ舐め回されてる気がしますが。
そして、今回の目玉は義妹である初音の色んな意味での無双でしょう。いやあ、ここまでかっ飛ばした女性キャラも滅多ないですよ。気持ちいい。見ていてスカッとするような竹を割ったような性格なんですが、それにしてもサッパリしてるよなあ。割り切りが早いというか、決断に躊躇がないというか。それでいて、脳筋という風でもないんですよね。即断即決に、常に清涼とした雰囲気が寄り添っている。これも一つの女傑だわなあ。
志緒理さまといい、立夏さんといい、よくまあこうも三種三様の女傑を取り揃えたものです。まだまだ三人共、全力で活躍できる場が与えられたかというと、まだもう少し見せ場が欲しいところなんですが。うん、それをいうと主人公の征継も、今のところ、戦力的にずっと劣勢なまま綱渡りを強いられているので、一度ガチンコでやりあえる舞台をみたいですねえ。

1巻感想

クロニクル・レギオン 4   

クロニクル・レギオン (ダッシュエックス文庫)

【クロニクル・レギオン】 丈月城/BUNBUN  ダッシュエックス文庫

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皇女は少年と出会い、反逆を決意した――。
時は20世紀末。極東の島国『皇国日本』は古代ローマの世より甦った英雄カエサルの手で攻略され、隣国『東方ローマ帝国』によって事実上支配されていた! カエサルを最強の征服者たらしめる力の名は『レギオン』。それは列強諸国がこぞって主力兵器とする神秘の軍団、有翼巨人兵の軍勢である。
皇国日本の皇女・藤宮志緒理は日本の覇者になるという野心を胸に秘め、ついに行動を起こす。皇女が腹心の将として選ぶのは一見何の変哲も無い高校生・橘征継。しかし彼もまたいにしえの世より甦った武人、大英雄カエサルと同じ偉大なる復活者『レガトゥス・レギオニス』であった……!!
復活せし英雄達と美少女が奏でる極大ファンタジー戦記、開幕!!
相変わらず、グローバルで雄大な世界観にはワクワクさせられる。やっぱりこう、話のスケールが大きいと男の子としてはトキメキが違うんですよね。設定も盛りだくさんで、レギオンや復活者など、それ一つ一つでシリーズ一編作り上げられるであろう要素をこれでもか詰め込むこの山盛り感は、ヨダレが垂れてくるというもの。
そして肝心要のヒロインたちは、トビっきりに可愛いのは大前提として、それぞれがもう一廉の「人物」なんですよね。特に志緒理姫ときたら黒幕志望の野心家であり、威風堂々とした為政者であり、既に姫というより女王の風格の持ち主。そう、この娘、王様なんですよね。しかし、突っつくと初心なところもある姫でもある。政治や謀に関しては獰猛な狼のように鋭く猛々しい一方で、女の子としては隙も多く、結構容赦なくツッツいてくる征継に対してあたふたと翻弄されるあたりは、非常に可愛らしい人で、もう素晴らしい。動揺しながらも結構積極的だったりするところは、何気に甘え上手なのかもしれません。
その突っついてくる側の橘征継はというと……この人、丈月作品の主人公の中でも一番すけべえというか、女好きなんじゃないか? あまり熱を感じさせないクールな言動で、平然と女が好きみたいだ、と公言するあたりとか、わりと遠慮無く志緒理に迫ってるあたりとか。王様や竜殺しとはまた別のベクトルの助平さであります。
しかし、その征継の正体というと……これ、その国にはその国由来の復活者、という決まり事はちゃんとあるんだろうか。カエサルや、大英帝国の復活者を見ていると、一応その原則には沿っているようなのだけれど、となると征継の正体って既に名前が出てしまっているあの人、ということになるんだけれど、ちょっと露骨にすぎるんだよなあ。
さすがに土方歳三は、いくらこの世界では救国の英雄になっているみたいだけれど、カエサルや黒騎士レベルの偉人に対すると格落ちが否めないのでちょっとどうよ、と思ってたら、違ってて安心したようなちょっと残念なような。近現代の人間だと日本人に限らず、ちと時代的に近すぎて、威光が足りないんですよね。
とはいえ、日本人でこのレベルに対抗できる名前の格となると、やはり少ない。実力能力に関しては戦国時代や南北朝の騒乱期など、探せばなんぼでも化け物クラスはいるんだけれど。
明らかに大陸の騎馬民族か、或いは逆に騎馬民族を北伐などで下していった中華の名将のいずれか。中央・西アジアや中東、東欧州にも騎馬軍団の名将勇将は数知れずいるので、挙がる名前は尽きないわけですが。
それでも、かのカエサルや黒騎士卿を相手にするには生半な人物では太刀打ちできそうにないんだよなあ。これ、二人共本当に人類最高峰といって全く過言ではない英傑なわけですし。
しかし、この騎士侯はレギオンを召喚して軍団として運用出来る、というシステムは面白いなあ。いわゆる信長の野望とかのシミュレーション的な戦争形式を実地でやるようなものですし、レギオンにもそれぞれ呼び出した騎士侯の所属する国や、その個人にあわせた個性があるあたりも非常に面白い。
満を持して、というべきか、イラスト担当にBUNBUNを持ってきてくれたのは嬉しい限り。とにかく、とびっきりに楽しみなシリーズの開幕ということで、大盛り上がりに期待。

丈月城作品感想

薔薇のマリア 20.I love you.[noir] / 21.I love you.[rouge]5   

薔薇のマリア20 .I love you.[noir] (角川スニーカー文庫)

【薔薇のマリア 20.I love you.[noir] 】 十文字青/BUNBUN 角川スニーカー文庫

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“原子の極大魔術士”キング・グッダーに導かれ、九頭竜型超弩級飛行戦艦マキシマムAMドラゴンに乗りこんだマリアたち。危険から脱したと安心する間もなく、グッダーは大量のエルデン市民を乗せたまま地獄へ逆侵攻する。目指すは“世界の終わり”。そしてそこにいる地獄の支配者である帝王を倒すこと。成功すれば悪魔の統率が乱れて侵攻が止まると信じるマリアたちは、最後の力を振り絞り、またしても過酷な道をゆくのだが―。



薔薇のマリア 21.I love you.[rouge] (角川スニーカー文庫)

【薔薇のマリア 21.I love you.[rouge]】 十文字青/BUNBUN 角川スニーカー文庫

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ついに“世界の終わり”に到達したマリアたち。だが、地獄帝王の御所“終わりの果て”はいまだ遠かった。繰り広げられる悪夢のような戦い。死力を尽くして突き進む仲間たち。現実が引き裂かれ、叫び声は途切れ、溢れ返り涸れる涙、その行く先に待っているものとはいったい―!?すべての謎が明かされ、世界の真実がもたらされるとき、マリアたちは究極の選択を迫られる!ロングヒットファンタジーシリーズ、ここに堂々完結…!!

死ぬ、死ぬ、死んでいく、みんなが死んでいく。戦って戦って、戦い抜いて死んでいく。生きようと足掻いて足掻いて、死んでいく。生きようとして、生きようとして、生き残ろうとして、死んでいく。自分が生きるために? そうだろう、そうでもある。でもそれ以上に、みんなで生きるために戦って、その結果として死んでいく。
その死は路傍の死なのか。無意味な死なのか。何事も成し得なかった死なのか。失敗してしてしまった結果なのか。
違うだろう、絶対に違う。彼らの死は無駄死なんかじゃない。悲劇であり、惨劇であり、悲しみ涙すべきものであっても、それは決して無為なものではなかったはずなのだ。
彼らは絶望と戦い、生きて生きて、生き抜くために死んだのだ。
それをどうして無駄と言えよう。どうして、紛い物などと言い切れる。
ポロリポロリと掌の上からこぼれ落ちていくように、殺されていく人たち。だけれど、彼らが最後に伸ばした手は、まだ生きている人たちの足を掴むためではなく、並べてまだ生きている人たちの背中を押すようにして果てて行ったのだ。
先へ。未来へ。
それはもう歩けなくなるような絶望を押しのけるように、生きることを託すように、頑張れと応援するように。
誰もが、一度も足を緩めず、命あるかぎり駆け抜けていった。
これほど、生き足掻くために、生きるために戦って、死んで、生き抜いていった戦いを私は他に知らない。
それどころか、このシリーズが始まって、終わるまでのすべての生と死に、意味があったのだと。いや、SIXの言葉を借りるならば、意味なんかなくても意味を持たせることはできるし、意味を持たせられるってことに意味があるんだってことを、戦いが終わったあとのエピローグの光景を前にして、思い、感じ、胸に染み入る。

世界の真実は、想像を超えていた。このあまりにも生々しく、ダイナミックで匂いすら立ち込めているような、生きることも死ぬことも、あまりにも苦しげで悶えるようだったこの世界の真の姿が、まさかそんなところにあっただなんて、想像だにしなかった。
凄すぎるだろう。
まさか、まさか、よりにもよってこの世界観が、そういう事だったとは。思えば、トマトクンその人が登場時からその存在を以って証拠を提示し続けていたのかもしれない。その名前からして、考えてみれば証拠そのものなのだ。それでいて、彼こそがその厳然とした真実ではなく、自らが感じた末に選びとった真実を身に纏っていたからこそ、気付かなかったのかもしれない。
誰よりも、彼はこの世界で人々と共に生き、愛していたからこそ、読んでいるこっちも、それを疑いもしなかったのだ。
だからこそ、圧倒される。圧巻じゃないか。改めて見れば、同類項の作品は今や多々あふれている。だが、これほどのスケールを打ちたて、その視点を外から挿入されたものではなく、内から生まれたものに寄って描き出した作品が存在しただろうか。単なるファンタジーじゃなかったのだ。なんてこった。十年前だぜ、このシリーズはじまったの。最初、ウィザードリィ互換だって言われてたんだぜ。
まさか、そっちじゃなくてこっちだったとは。
そして、当初からの謎とされていたマリアの性別についても、ついに明らかにされたわけだけれど。これについては想像していた通りだったのだけれど、マリアがそうであった理由がまた度肝を抜かれる内容で、まさかそんな意味があったのか、と。いやでも、この段階でマリアが自発的に頑張ってなかったら、あの場面でマリアがあそこに在る要素なんて殆どなかったんじゃ……。キンググッダーとか、ジュジとか、その辺手配りちゃんとしてたんだろうか。

ともあれね、エピローグで全部報われた気がする。無茶苦茶たくさん死んだけれど、死んじゃったけれど、死んで欲しくない人もあまりにも沢山死んじゃったけれど、悲しかったのだけれど、それでもエピローグで、生き残った人たちの生きて頑張ってる姿を見たらね、これまで死んだ人の死は、何一つ無駄じゃなかったんだって……思うことが出来た。コロネとかね、ルカとかね、消息不明だった子たちのことも、ちゃんと書いてくれて、泣きそうなほど嬉しかった。ユリカやサフィニアが、ベティたちが幸せになれたのも、本当に嬉しかった。
生きてるよ、貴方達は紛い物なんかじゃない、確かに生きて、輝いてるよ。どこにも嘘なんてない、それをこれ以上無く、この物語をもって、戦いをもって、証明してみせたのだ。ディオロットが何を見つけ、何に希望をいだいたか、今実感している。これを守りたかったのか、これと生きたかったのか。
弱くて儚いマリアローズ、しかし勇気を持って戦い生きたマリアローズ。
Brave Heart of RED ROSE
薔薇のマリアよ。
あなたが得た生と愛の物語に、ただただ感謝を。素晴らしい物語に、ありがとうと、言い置きたい。
大好きなシリーズでした。


シリーズ感想

薔薇のマリア 19.たとえ明日すべてを失うとしても  

薔薇のマリア    19.たとえ明日すべてを失うとしても (角川スニーカー文庫)

【薔薇のマリア 19.たとえ明日すべてを失うとしても】 十文字青/BUNBUN 角川スニーカー文庫

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マリアたちの決死の敢行で“獄の獄”から完全復活を遂げたトマトクン。激戦のシャッコーに舞い戻ると、かつてない強さで悪魔たちを押し戻していく。そんな中、宙に浮かぶエルデンと共に、伝説の魔導王が姿を現し!?一方、幾万もの悪魔に取り囲まれ、防戦一方のワールオックの孤城に、アジアン率いる昼飯時の援軍が近づいていた。そのわずかな希望に城内の戦士たちは息を吹き返し、秩序の番人がついに攻勢に出るのだった!
伝説のディオロッド復活で、悪魔の構成で全滅しかかっていた人類の逆襲のターンだ!! と思っていた時期がありました。ありました。
あかんがなーーー!!
いや、もうあかん、こらあかん!というギリギリの瀬戸際でワールオックにZOOが帰ってきた時は一気に流れが変わるかと思ったし、実際復活したトマトクンはじめとしてZOOの面々の活躍ときたら八面六臂じゃ足りないくらいだったんだけれど……あかん、あまりにも凄惨で登場人物も死にまくったお陰で全然助かった気がしない!!
とてもじゃないけど、反撃開始という感じじゃなかったですよ。溢れかかった破滅が、ようやくZOOの参戦でギリギリ堰き止められた、という感じでしたから。
結果から見ると、確かに陥落必死だった悪魔の万軍を辛うじて退けて、一息つけたんですけれど絶望感の晴れなさは凄いですわー。なんか一時的に凌いだとしても、ジリ貧にしかならないという先行きのなさ。もうね、場面場面で今までシリーズの中でその姿を垣間見てきた名付きのキャラクターたちがガリガリ削られるみたいにしてどんどん死んじゃっていくわけですよ。そりゃもう、ザックザックと死んでいくわけですよ。こんなん、何度か繰り返してたらそれだけで誰もいなくなっちゃうんじゃないかという勢いで。ついこの間まで誰も死んでいなかったアジアンの昼飯時ですら、雪崩を打って有力どころがポンポン死んじゃっていくんですから。秩序の番人やチーロファミリーも全く同様のありさまで。
それでも、あちらこちらで散らばっていた面々が、一処に集ってエルデンに乗れたのだからこれでなんとか……と思ったら、即座にエルデンあんなことになっちゃうしさ!! 速攻すぎるよ!! エルデンに帰ってきたという感慨に浸りきる暇もなしだよ!!
それでも、絶望に浸りきらないのは恐るべきことに、戦慄スべきことに、誰も、誰もこの悪夢にして煉獄さながらの状況で絶望していないからなのだろう。諦めなど欠片もしていないからなのだろう。最後の最期まで戦って戦って生き残ろうとすることを、仲間を助けることを誰も諦めていないからなのだろう。この凄まじいまでの消耗戦の果てで、命がポロポロと簡単にこぼれていく中ですら、誰も諦めていないからなのだろう。
なんか、泣けてきたよ、ほんとに。
今回なんかさ、ついに荊王までが。彼、超人的な面々と比べたら強いって言っても常人の領域だったはずなのに、凄絶なまでの死線を繰り広げて守るべき小さな弱い生命たちを守って逝ってしまったのです。飛燕が一人、別れを噛みしめるシーンには、打たれたなあ。いいコンビだったもんなあ。
一方で、生きて再会することの出来た恋人たちもいるわけで。アジアンとマリアについてはもうごちそうさまとしか言いようがないんだけれど、今回それ以上になんともニモニモさせられたのがやっぱりダリエロとベティなわけでして。ベティってアジアンのこと完全に割りきっちゃったよね、これ。アジアンへの対応とくらべて、ダリエロへのあの反応なんですか?
そして、フラグ立てた途端にえらいことになってしまった陛下。へいかーーー!! いや、大丈夫だと思いたいけど。この人類絶滅戦争のMVPは、どう考えてもこのファニー・フランク陛下だもんなあ。この人だけは死なせたらあかん!!

あとがきによれば、ついにこの薔薇マリも次の二十巻にて幕引き。もうそんなに経つのか、このシリーズも。今なおこのシリーズこそ十文字青という作家のプライマリーにして根源であり、切先であると思えるだけに、その完結には特別な想いが駆け巡る。結局、マリアの性別は何なのか。マリアのうちにある秘密ってなんなんだろう。とか、色々気になってる謎や安否が気になる人とかたくさんあるんだけれど、なるべく沢山回収しつつ、全部べろりと堪能して大の字になれるといいなあ。ただただ楽しみで寂しいよ。

シリーズ感想

ニーナとうさぎと魔法の戦車 63   

ニーナとうさぎと魔法の戦車 6 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ニーナとうさぎと魔法の戦車 6】 兎月竜之介/BUNBUN スーパーダッシュ文庫

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ニーナの憧れの歌手・リディアがアンフレックでコンサートをすることに。幼い頃に野良戦車によって全てを奪われた彼女の、平和を訴える歌声は世界中から賞賛されていた。そんなリディアのコンサートへの出演依頼が、ラビッツの元に舞い込んできた!手の届かない憧れの存在に会えると聞き、喜びを隠しきれないニーナだったが『白い歌姫』とも呼ばれる世紀の歌い手は、実はとんだわがまま娘で…。ステージに立つことになったラビッツは、とんでもない衣装を着せられたり、慣れない歌に苦労したりと大騒ぎ!しかし、コンサートの影では、ある陰謀が進行していて…。
平和って難しいんですよね。スプライカが貫こうとした平和を守るための悪は、やっぱり平和を言い訳にしているだけと思うんですよね。でも、言い訳する余地すら与えられなかったらこういう仕事は精神的に耐えられるはずもない。奉仕には、それ相応の意義が見いだせないとどれだけ強靭に精神を鍛えあげていたって耐えられるもんじゃない。
平和に対する理想と現実は、何時だって対立するもので、そこに妥協は存在しないし相容れぬものではありません。妥協が混じれば、理想も現実も価値と効果を喪ってしまう。しかし、そのどちらもが平和には必要不可欠なもので、一番利口なのはお互いを尊重して、好意的な無視、或いは適度のお互いの利用に留めて住み分けすることなのでしょう。
今回の悲劇は、まさにこの平和への理想と現実が、住み分けできない一所で両立してしまったことにあるのでしょう。リディアの歌姫としての活動がもっと無力なものだったら、スプライカたちの工作員としての活動がもっと微々たる些細なものだったら、両者の在り様は併存できたのかもしれません。しかし、両者の活動は今や国際情勢そのものに大きな影響を与えるものとなってしまいました。もはや、そのどちらかを打ち捨てなければならない状況になってしまっていたのではないでしょうか。
と、マクロな視点から破綻の原因について言及するとこういう見方になるのですが、もっと個別の人間に焦点を合わせると違った見方が出てくるような気がします。
個人的には、リディアが反抗を決意したのは、スプライカの思想が先鋭化しすぎたところにあるようにも見えるんのです。言い訳に固執しすぎて、リディアとスプライカが共有できていた平和への思想が致命的にズレてしまった。というよりも、スプライカが原点を見失いつつあり、スプライカという個が失われようとしている事に耐えられなかったのではないかと。
リディアは、この娘は理想家ではありますけれど、同時に非常に現実主義者なところがあって、だからスプライカが一線を越えなかったら、わりとこのままスパイ活動を内包しながら音楽活動を続ける事に忸怩たるものを抱きつつも否はなかったんじゃないかな。
リディアが止めたかったものが何なのか。それに注目すると見えてくるものは色々とあるのではないでしょうか。

スプライカのような平和維持の手段は大手を振って罷り通るものではありませんし、それが正しいと公に認めてしまってはいけないものです。対峙すれば阻止され、打倒されて然るべきものなのでしょう。しかし、全否定だけはされるべきではない。悪しきを全部否定する潔癖さは、のちのちより大きな惨劇を招くばかりです。この作品は現実が招き寄せる主に戦争や国際間対立がもたらす悲劇についてガンガンと恐れず書き連ねながら、こうした必要悪については、実はかなり繊細に扱っているフシがあるんですよね。悪を認めてはいけない、美化してはいけない、しかしそれを根こそぎ否定してはいけない。そんな風に。
スプライカの最期は先鋭化しすぎた部分については討滅されつつ、しかし和解なく彼が生き方を貫いたという意味でどこか象徴的だったような気がします。
平和を思う心は万人にあるもの。街の平和、国の平和、世界の平和。全体を見て平和を守ろうとする事は決して間違っているとは思いません。しかし、だからこそ一番原点、根本の部分において平和を願うのが自分という個であることを喪ってはいけないのだと思います。個を失った歯車がどれだけ平和を訴えても、そこに響くものはありません。リディアが戦場に響かせた歌声は、言い訳に逃げて引きこもった個としての心を容赦なく打ち据えました。まったく、厳しいことこの上なしです。彼女の歌は、そう考えると闘争の歌だなあ。

シリーズ感想

薔薇のマリア 18.光の中できみが笑う今は遠くて4   

薔薇のマリア    18.光の中できみが笑う今は遠くて (角川スニーカー文庫)

【薔薇のマリア 18.光の中できみが笑う今は遠くて】 十文字青/BUNBUN 角川スニーカー文庫

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苦難の旅を乗り越え、城塞都市シャッコーでZOOの仲間たちとようやく再会したマリアローズ。しかし、トマトクンは死の淵にあった。ボロボロの身体には治療の効果もなく、もはや最期の瞬間まで見守ることしかできないのかと思われた時、彼を救う最終手段が提示される。そのわずかな希望を手に入れるには異界の最深部“獄の獄”に行く必要があると告げられ―トマトクンを救うため、マリアと仲間たちはさらなる苦難へ突き進む。
ただでさえ地上が地獄の釜をひっくり返したようになっている中で、トマトクンを助けるために本物の地獄のその最奥、「獄の獄」に潜ることになったZOOの面々。何よりも感慨深いのが、この余りにも過酷な探索行がマリアたちの独断でトマトクンを助けるために突入したものではなくて、トマトクンからZOOの仲間たちに乞うたものだった、ということでしょう。トマトクンという存在は、これまで仲間であるリーダーであるという以上に、ある種の庇護者みたいな雰囲気があった事は否めない。ジョーカーやトワニングのようにあくまで対等、という人もいるにはいたけれど、みんなどこかしらでトマトクンに対して頼りにして寄りかかる部分はあったし、トマトクンの方もその来歴もあってか、今世に出来たこの大切な仲間たちを自分が守らなければならない、という観念があったように思う。それが、身体が持たずに崩壊しようという瀬戸際になった時に、決死行に等しい獄の獄への突入を自分を助けるために、守ろうとしていた仲間たちに頼り、すべてを託そうとしたトマトクン。その決断にこそ、彼が今のZOOの仲間たちをどれだけ大切に思っているかが、逆に伝わってきた気がします。そこまでして、一緒に居たかったのでしょう。この仲間たちとまだ生きたかったのでしょう。そして、自分のすべてを託すまでに、この地獄行を誰も死なずに成し遂げてくれると仲間たちを信頼したのでしょう。その気持が、なんだか嬉しかったなあ。
多分、マリアたちも嬉しかったのでしょう。一も二もなく、「獄の獄」への突入を決断するZOOの面々。いつもは心にもない愚痴や文句でストレスを発散するマリアも、今回ばかりはそれすらもなく、それどころか今は別の場所にいるカタリにすら思いを馳せ、はっきりと口にはしないものの、この一団となったZOOの中に今カタリがいないことを惜しみ、あとで自慢すらしてやろうと思っているあたりに、マリアにとっての、ZOOにとっての、この冒険がどんな意味合いを持っていたのかが透けて見えるような気がします。
相変わらず、無力なのに自分が皆を先導し、指示を飛ばすサブリーダーとしての役割にプレッシャーを感じ、押しつぶされそうになっているマリアですけれど、それでも以前と比べるといつまでもぐだぐだと凹まないし、仲間たちの目を必要以上に恐れないあたり、成長したというか、昔と比べると仲間たちとの信頼関係が段違いになったよなあ、と感慨深い。ユリカが的確なタイミングでフォローを入れたり、と周りの連中もマリアのメンタルをよく理解し補えるようになってて、実のところ信頼値としては当初からこのクランは高止まりして変わってないと思うんだけれど、お互いをフォローしあう機能性連携力という意味ではほんと、素晴らしい高みまで至っている。
敵は高レベルの悪魔や天使、バケモノばかり。最終ダンジョンどころか、ゲームの全クリ後にオマケで用意されているような隠しダンジョンと言ってもいいような難所であり、最大戦力であるトマトクンが完全に戦力外で、トワニングも彼を背負って戦力外、トマトクンを治療しなきゃいけないために定期的に安全を確保しなきゃいけない、という状況にも関わらず、確かにかなり瀬戸際ギリギリではあるんだけれど、実際はかなり安定感のある行程だったように思う。マリアが判断を迷わないと、たとえ誤断があってもパーティーとしては安心感があるんですよね。はっきり言って超人揃いになってしまったこのパーティーですけれど、マリアという核であり頭が存在してこそこれほど強力になれる、と改めて見せつけられたような気がします。
それでも、この「獄の獄」は余りにも地獄の底の底すぎて、今のZOOをしても突破できない場所であったのですが。あの最終関門は無理ゲーすぎるでしょう!
もうね、そこでマリアが何の躊躇いもなくあの決断をしてしまったことが、なんか衝撃的でした。ショックだった、というのとは違って、ただただインパクトだった、とでも言うのでしょうか。その行為に対して何の感想も思い浮かばないまま、無色の衝撃が通り抜けていった、というか。それだけはやっちゃいけないだろうとか、それしか仕方がなかったとか、そういう考えもなんか塗り潰されてしまって。なんとも不思議な感覚でした。だから、それを止めてひっくり返すのは、やっぱりトマトクン以外居なかったんでしょうね。マリアにとってのトマトクンの大きさがそれを為したのなら、それに対して何かを物申せるのも行動できるのも、トマトクンの大きさだけだったのでしょう。
これが、存在感ってやつだわなあ。
だからこそ、復活したトマトクンの巨大さが、より実感できるわけで。
本物のディオロット・マックスペインの復活に、何か体の芯から身震いするような興奮が沸き上がってきました。この地獄の蓋が開き、人間と悪魔が闘争を繰り広げる阿鼻叫喚の地獄絵図に、ついに光が差し込んだような。

今なお各地で悪魔の侵攻に抵抗を続ける人類各位。その勇戦は、相いれぬはずの宿敵同士を結びつけ、また新たに幼い命も産み出すに至っている。
ジョーカーが守る城塞都市シャッコーこそ陥落の危機を迎えているけれど、それこそ底の底はここだった、と信じたい。

十文字青作品感想

ニーナとうさぎと魔法の戦車 53   

ニーナとうさぎと魔法の戦車 5 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ニーナとうさぎと魔法の戦車 5】 兎月竜之介/BUNBUN スーパーダッシュ文庫

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愛機・ラビット号の砲身がニーナの魔力に耐えきれずに折れてしまい、その買い換えの費用を稼ぐため、アンフレック一周の賞金レースに出場することになったラビッツ。そんな折に出会った天才発明家にして大金持ちの青年社長・コルノがラビッツのメイド・サクラに一目惚れする。レースの主催者でもある彼は、規定の10倍の賞金とサクラとの結婚を賭けた勝負を提案するが、これをサクラが受けてしまう!絶対に負けられないラビッツに、コルノの新型戦車と、それに搭乗するドロシーの過去を知る凄腕レーサーが迫る!結婚・賞金・因縁!?全てを賭けたレースが開幕する。
戦車でレース、という発想が凄いなあ。単純にレースとしての面白さもさることながら、あくまで戦うための兵器だった戦車を「競争」に用いることで、戦争が終わり平和な時代になったのだという実感をもたらしている。これまで、このシリーズは戦争の残滓を引きずるような、まだまだ傷跡から血を流している「戦後」を意識させるエピソードを主軸に進んできていたのだけれど、前回辺りから段々と戦争の時代が過去になろうとしている過渡期が描かれる段階に突入してきたような気がするんですよね。戦車がレースに使われ、レース専用の戦車が現れる、という出来事も去ることながら、サクラの結婚話と失ったものの話。戦中時代における有能な指揮官としてのドロシーの在り方と、現在の彼女との変化など、今が平和な時代に落ち着きありつつあるのだ、という感覚が読み進めるうちに無意識のうちに染み通って伝わってくるのです。これは、最初からもう平和が訪れていた世界ではなくシリーズの当初から戦争を引きずった悲しく痛々しいエピソードが続いていたからこそ、空気の変化がより実感を伴って伝わってきたんだと思うのです。
しかし、サクラさん、今回の話は決して悪い話じゃなかったと思うんだがなあ。いや、確かにあの段階では断って勝負に持ち込むことは何もおかしくはないと思うんですよ。社長、余りにも強引、というか感覚的すぎて何も考えてませんでしたし。ただ、ラストのプロポーズは本当に良かっただけに、あそこは受けちゃってもサクラさん、幸せになれたんじゃないかなあ、と。でも、社長もこれで諦めないで努力し続ければ芽は絶対あると思うんですよね。イイ男なだけに、むしろサクラさんを諦めずに頑張って欲しいとすら思う。彼なら、ラビッツのメイドさん辞めろとは、もう言わないでしょうし。サクラさんも、過去はもう引きずっていない様子でしたしねえ。

社長のあのお金がすべての基準になる、という考え方は一概に間違っちゃいないと思うんですよね。というか、才能や能力さえあれば評価される、何て事はどうしたって難しいし無理な話なんですよね。優れた製品や、素晴らしい作品がただそれだけで評価されるわけじゃありません。兎に角、その対象について知って貰わないと始まらないんですよね。そのために宣伝は必要だし、情報を広めてくれる人や組織、団体に認識してもらい受け入れて貰わなければならない。その為には交渉や金銭というのはどうしても必要になってきますし、そこに必要な能力や才能というのは、その人が認めて貰いたい才能や能力とはまた別だったりする。古来より後世に名を残す天才クリエイターが不遇を託つ事が多かったのは、結局評価を広める才能を持たなかった、或いはその能力を持つ人が側に居なかったからなんでしょうね。その意味では、コルノ社長には副社長という存在が居ました。副社長は、もっと自信をもつべきだったんだよなあ。自分のやったことが決して社長の才能を貶める事ではなかったんだ、と。でなければ、コルノに引け目を持ってしまって苦言を呈する事が出来なくなるなんてこともなかったはず。コルノ社長は、このレース間だけ見てても、サクラやカレンの忠告やお説教をちゃんと聞き分けていましたし、言われたことが間違ってさえいなければ聞く耳は幾らでも持っていたわけですから。と、その割に副社長の悲鳴や文句はスルーし続けていたみたいですけどw まあ、ちゃんと誠意と信念を持って体当たりしてりゃあ、というお話。今からでも、全然遅くはないんですけどね。むしろ、紆余曲折合った分、これからはより深い信頼と友情を持って忌憚ない意見を戦わせることの出来る関係になれたのですから、回り道だったとしてもよりよい道に入ったと思えばいいのかもしれませんね。やり直せるということは、いいことですよ。このシリーズではやりなせずに潰えてしまった人も少なからずいるのですから。

シリーズ感想

ニーナとうさぎと魔法の戦車 43   

ニーナとうさぎと魔法の戦車 4 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ニーナとうさぎと魔法の戦車 4】 兎月竜之介/BUNBUN スーパーダッシュ文庫

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クーがラビッツを離れる!? 素直になれないエルザは…?
私立戦車隊・ラビッツの動力手・クーに届いた一通の手紙。
それはあこがれの先輩・エミリアからの国立学園への復学の誘いだった…!
願ってもない知らせに素直に喜びを表すクー。
しかし、復学するためには、当然ラビッツから離れなければならない…。
一方、学園の新入生歓迎祭に招かれたラビッツ一行だったが、エルザはエミリアの貴族としての矜恃に打ちのめされることに。
さらにクーのエミリアへの強い好意を見せつけられたエルザは、クーにひどい言葉を投げつけてしまう!?
第9回SD小説新人賞大賞シリーズ、第4弾!!
……あれ? なんで女同士って結婚できないんだったっけ? と素で思ってしまうほどにエルザとクーがラブラブすぎる! なんじゃこりゃ〜〜〜(笑
凄いなこれ、なんでかわからんのだけれど、このシリーズの女性同士のラブラブっぷりって、あんまり百合とか同性愛って感じがしないんですよね。偶々両方が女性同士だっただけの、極々当たり前の燃え上がる恋! に見えてしまう。それも、どちらかが男役、ってな訳でもないんだよなあ。クーもエルザもあくまで女の子としてのキャラに徹しているんだもの。……ふむ、よくよく見ると彼女らの関係を恋愛と呼んでしまうのも違うのかもしれない。当人たちはラブラブな空気を醸し出しているものの、どちらかというと二人の関係って親友関係の延長線上、一心同体比翼の鳥にまで昇華させてしまったものであるとも見て取れるんですよね。それが恋とどう違うんだ、と言われると口ごもってしまうのだけれど、チューまでしてどうなのよ! と言われるとごめんなさいその通りです、と謝ってそのまま続けてください、と促してしまいそうになるけれど。それに、二人の間に男が介在する余地の方もさっぱり許されなさそうですもんねw もはや夫婦同然だもんなあ、この二人。両方嫁、って感じなのが凄すぎる。
という訳で、極論するならば一巻丸ごとクーとエルザの痴話喧嘩して仲直りして結婚へと至るお話でした……それ以外どう言えと?w
痴話喧嘩って、傍から見てると辟易させられるよなあ。それって結局、惚気られてるのと一緒ですもんねえ。クーに昔の女が現れて、エルザが無様に嫉妬してそれにクーが過剰反応して、お互い引っ込みがつかなくなって大激突……そのくせ、エルザは後悔しまくるわ、クーも憧れの先輩の身近に接しながらエルザに未練タラタラだわ、と……はいはい、ご馳走様ご馳走様。
いつもは素直で健気なニーナとアリスが揃って呆れ果てるのも無理ないかと。無理ないよなあ。この娘ら年少組は年少組でちょっと仲よすぎるんですけれど。なんでこのちっちゃいカップルの方が退廃的でインモラルな雰囲気を醸し出しているのか謎であるw

んで、痴話げんかの果てに、アレですよ。チューですよ。できすぎでしょう、あんたらお伽話の王子様とお姫様かっちゅうねん。今時、王子様のキスでお目覚めとか、見たことないわ〜。素でやりやがったw
もうお前ら結婚しちゃえよー、とか思ってたら、よしあたしらもう結婚するーー! とまで言い出すし! 言い出しちゃうし! はいはい、おめでとうおめでとう。もういいじゃん、女同士でだって、結婚したけりゃしちまなさいよ。OK出して、エライ人。でないと、うちゅうのほうそくがみだれるから。もう乱れてるから。何言ってるか自分でもわからなくなってきたけれど、惚気話なんざシラフで聞いていられない、況や感想をば。というこれもひとつの教訓である。

1巻 2巻 3巻感想
 
12月6日

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11月20日

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11月18日

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11月12日

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11月11日

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11月10日

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11月9日

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