徒然雑記

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GA文庫

やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく ★★★★   



【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく】 ふか田さめたろう/ ふーみ   GA文庫

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白金小雪。美少女だが毒舌家で「猛毒の白雪姫」と呼ばれる彼女をナンパから救った笹原直哉は、彼女が強がりと嘘で武装しただけのか弱い少女に過ぎないことを知る。
颯爽と助けてくれた直哉に一目惚れした小雪と、小雪のいじらしい態度に一目惚れした直哉。素直になりきれない二人は、お互いの「好き」を確かめるために少しずつ心を通わせていく。
WEB小説発、ハッピーエンドが約束された、甘々ラブコメディ。
帯での小雪さんの発言は明らかに強がりですね。
速攻でめっちゃ好きになってるじゃん!! チョロい。これはチョロい。
ただ、察しの良いを通り越してこいつ読心能力か異世界言語翻訳能力かニュータイプなんじゃないか、というくらい本当の気持ちを察する事の出来る主人公、直哉の方も最初はキツい言動とは裏腹に本当は優しくて恥ずかしがり屋な小雪を微笑ましく見守っているのだけれど、ある時に彼女へ向けられる自分の温かい気持ちが庇護欲や友情とは一線を画した、恋心だと気づくんですね。
他人にはやたらと察しがいいのに自分の感情には鈍感だったと言えばいいのか、それとも些細な自分の反応や彼女が他の男性と話しているのを見て焦る感情を抱いていることから、あれ?自分これ彼女のことを異性として好きだぞ!?と気づいた事にやっぱり察しがいいと言うべきなのか。
ともあれ、小雪の事好きだと認識した途端からの直哉の反応がまた、可愛いんですよ。
強がりを片っ端から直哉に笑顔で叩き潰されて本心指摘されて、ボロ出しまくってあわあわとすぐにポンコツになって赤面してしまう小雪も凄く可愛いのですけれど、好きと自覚した途端冷静さも何もかも吹っ飛んで、情熱のまま勢いで好きだー!!と告白してしまう直哉もこれ、男の子として非常に「かわいい」んですよね。
他人に対して察しがいい、というのはある意味上から目線にもなりがちになってしまう特技だと思うんですよね。本人がどれだけ善人だったとしても、先回りして相手の本意を掴んでそれに基づいて言葉を投げかけたり動いたり、というのはどうしたってマウントを取る、という事に繋がってしまいますしね。だからこそ、この直哉くんは温厚で控え目でありいつもにこにことしてあまりプレッシャーを与えないように心がけた態度をしていたように思うのだけれど、好きを自覚した途端、ほんとに年相応の余裕のない男の子になってしまったんですね。
まあ余裕なくなった、と言っても決して相手に対して暴走して無理やり押し通すみたいな余裕の無さではないのだけれど、いやもう小雪のこと好きすぎるだろう、というくらいに好き好き光線を出しまくって彼女の言動に一喜一憂して浮かれている姿が本当にいい男の子だなあ、と。
察しがいいものだから、小雪のキツい発言についても本意を絶対に間違えないから、喜ぶばかりだし。テンションずっと高いままだったぞ、この子。
そして、本当に遠慮なくグイグイ行きだすのである、この野郎w
まあ、友人であった頃も遠慮なくグイグイ行ってたのだけれど、好きを自覚した時に初っ端衝動のままに怒涛の告白で迫ってしまった為に、ただでさえキャパ無い小雪は速攻でHPがゼロになってパニックになって逃げ出してしまった挙げ句にしばらく恥ずかしさのあまり引きこもってしまったので、それはそれは反省して無理矢理の告白はせずに、グイグイ行きながらも感情任せに押しすぎない、という絶妙の塩梅で加減するようになるのですが、それでもグイグイ行くもんなあ。
そして、まんざらでもない小雪さん。というか、嬉しくてたまらない小雪さん。告白とかされると精神が虚弱すぎて死ぬけれど、それでもグイグイ来られてあわあわしながらもそれが嬉しい小雪さん。
完全に傍目、ラブラブカップルである。犬も食わないカップルである。もうまだ付き合っていない、という以外完全にカップルである。お互い、ちょっと好きすぎやしませんかね、この二人。

だがしかし、本作において最高にチョロいチョロインは小雪ではなかったのである。
何故かほぼ小雪と同じシチュエーションで直哉に助けられてしまった小雪パパ。彼が娘と付き合っている(付き合ってない)彼氏だと知らないまま、直哉の好青年っぷりに一目惚れし、喋れば喋るほど好感度が鯉の滝登り。そして彼が娘の彼氏(彼氏ではない)だと知った途端に、テンションMAX。
即落ち攻略完了である。
いや、完全に娘よりも堕ちるの早かったですよ、このお義父さん。小雪のチョロさは明らかにパパ譲りである。ママさん、わりとこのパパ落とすの簡単だったんじゃないだろうか。
妹ちゃんの方も、姉のチョロさを危惧していたため、仲良くなったという直哉の本性を危惧してちょっかいかけてきましたけれど、彼女の場合はチョロいというよりも物分りが良い、というタイプでしたし、シスコン気味だけれど決して独占欲が強いわけではなくて、むしろ姉が幸せになれば嬉しいというタイプなんですよね。というよりも、間近でラブラブしているのを見物しているのが楽しいタイプというべきか、ポップコーン片手に囃しながら観戦するタイプというべきか。
ともあれ、白金家に反対勢力は皆無、どころか既にパパさんは「お義父さんと呼びなさい(対面初日)」状態で、結婚前提のお付き合いという認識である(付き合っていない)。
まだ付き合っても居ないけれど、近々結婚予定という認識で家族友人関係者が一致してしまっているんですが、この二人。そして、当人同士もそれでまんざらではなく、毎日ほぼほぼ恋人さながらのイチャイチャっぷり。常に一緒だし、デートもするし、小雪の家には通うし、お互い下の名前で呼び合って悶てるし。
まだ付き合っていないだけで。
……お付き合いするって、なんだろう? 意味がゲシュタルト崩壊起こしそう。
なにはともあれ、この初々しくて素直になれないようで二人共思いっきり感情素直なラブラブカップル、見ていてほっこりする温かさで幸せのおすそ分けを頂いたような心地でありました。
これ、続いたとしてもひたすらラブラブイチャイチャしてるのを見せつけられるんだろうなあ。でもまあ、それが良し。

家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね? 2 ★★★☆   



【家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね? 2】 高木幸一/YuzuKi GA文庫

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文化祭でシンデレラの王子役をやることになった、真。奇しくも姫芽の学校でもクラスで演劇を予定し、シンデレラ役を姫芽がするという。
ならば一緒に練習せよという長女、宙子の提案に戸惑う姫芽。
また町内の運動会に草原家も参加することを宙子は宣言、二人三脚の練習を真と波月に命じた。
近づく真と姫芽、そして真と波月。姫芽の真への想いに気づいた波月は、三人で出かけることを提案する。
姫芽と波月の新たな魅力に触れ、真の胸にはある想いが過ぎる……。

「魔法は解ける。たぶん、どんなものでも。でも俺の気持ちは――」

高木幸一×YuzuKiが贈る甘く、もどかしい青春ラブコメ第2弾!

そりゃ近所の人にも怒られるよ、というくらい家の中が騒がしい草原家。ボリュームが、声のボリュームが大きい! というか、この子たちひたすら叫んでるでしょう、みんな絶叫するように怒鳴り合っているわけで、そりゃうるさいよ。美星ちゃんなんか、この子セリフの語尾みんな「!」ついてますよ!? ひたすらフルボリュームで声張り上げてますよ、この子。
でも美星ちゃんって不思議とセリフ読むと同時に声が聞こえてくるんですよね。これだけ明瞭に声をイメージしてしまったのは美星だけだったなあ。
それだけ自分の中の存在感も美星は際立っていたのですけれど、不思議とあれだけきゃいきゃい全力で突っ走るような騒がしさの塊みたいな娘だったのに、お子様という感じはしなかったんですよね。いや、お子様なんですけど。小学生丸出しの感情任せの勢いだったのですけれど。
でも美星って既に心映えは子供という括りをはみ出した「女の子」だったと思うんですよね。言動はまだまだ小学生というランクに甘んじていましたけれど、心意気は本気だった。真への気持ちは掛け値なしに女の子として本気だったんじゃないでしょうか。
その点、まだ真の方は見損なっているというか、侮っているというか、小学生としてしか見れていない気もするけれど、姫芽と波月の方はどうだろう。真にまとわりつく美星にまで噛み付いていたのは、彼女達のメンタルの余裕の無さなのか、それとも美星に対して潜在的な脅威を感じ取っていたのか。
いやマジな話、真打ちは遅れてやってくる、じゃないですけどさ。この子大人になったらどころじゃなく、中学生、思春期迎えたくらいで既にとんでもねー女になりそうなんですよね。波月も姫芽もグズグズしてたら、ガチで後ろから追いついてきてそのまま勢いよく真のハート奪い取って、姉二人を置き去りにしてぶち抜いて行きかねない「モノ」を持ってそうなんですよね。
パワフルさというか、とにかくロケット噴射し続けてるような勢いとスケールがものが違うのよね。まあ思春期を迎えてなお、このパワーを維持できるのか、という所もあるのですが。
話を聞く限り、姫芽も小さい頃はわんぱくを通り越したパワーファイターだったみたいなのが、今みたいにやたらと遠回りしたがる娘さんになってますし。
いやでも、姫芽ってちゃんと告ってきたり、キスしてきたり、と遠巻きにグズグズしていると思ったらいきなり突っ込んでくる所もあるので、決して引っ込み思案タイプではないと思うのですけれど。
むしろ、波月の方が姉妹を優先して自分は引っ込んでしまう、という性質を今回露骨にぶちまけることになってしまいました。むしろ、その動きがあからさますぎて、メインヒロインのストリームに乗ってしまったのは予想外だったんですよね。
真は決して鈍い方ではなく、むしろ家庭環境もあって他人の顔色を伺うこと、人心の細部まで見抜く観察力に秀でているので、彼女の抑えきれない好意には当然気づいていて、その気持ちに反応して自分の中でもそぞろに動く感情というか感覚があったはずなのですけど。
うーむ、真という男の子はどうも理屈っぽいというか、自分の中の感情にも他人からの感情にも反応が鈍い、というよりも感覚のままに動けなくて立ち止まってしまう所があるようなんですよね。
長年、自分を泥人形と規定してしまって、意図的に感性を鈍らせていたのを引きずってしまっている所もあったのでしょうか。
わりと敏感に他人からの感情を察知して受け取り、一方で自分の中でも反応良く感覚を感じ取っている様子が見受けられるのに、それをどうにも持て余しているように見えたんですよね。
生じた感覚をロジカルに具体的な言語化をせしめないと、それに基づいた行動を取れない、というのでしょうか。はっきりと理屈にしないと、固まって行き詰まってしまって取りあえずの反応対応を取れないという感じで。こういうの、不器用って言うんでしょうね。
なので、文化祭直前の時期に煮詰まっていた真に、加賀くんがしたアドバイスというのは真にとって実はかなり助かったんじゃないでしょうか。あの割り切り方の助言がなかったら、真の不器用さからして劇の本番に多大な影響を出してしまったでしょうし。
出番は決して多くはなかったですけれど、クラスメイトの加賀くん、何気に相当の「人物」だったんじゃないでしょうか。あの対人能力と観察眼はべらぼうだと思うよなあ。真に対してあれだけ踏み込んだように、他の人にも敢えて奥まで踏み込むようになれば、大失敗もするようになるかもしれないけれど、相当の出来物になるんじゃと感じさせるキャラでえらく興味深いと思わせてくれる子でした。
と、話を戻すと真ですよ。感情とか感性とか感覚って、究極的にはやっぱり言葉にし切れないものでもあると思うんですよね。それを無理矢理にでも言語化してしまうからでしょうか、真の言葉にはちと仰々しい面がある。クドいくらいあざとい側面がある。気持ちをそのままとりとめもなく言葉にして吐き出す事をせず、喋り言葉の域を逸脱して「台詞」めいた畏まった所があるというのか。
ちゃんとした形作りした言葉にしようとする所があるんですよね。
で、それに理屈という形に押し込めて結論を出そうとするからか、無理が出る。
自分の中に芽生えた感情を素直に受け止めた結果として、気持ちを消し去るなんて感じて生み出して今現在自分の中を駆け巡っている衝動を、そして波月と姫芽がその心の中でバチバチに弾けさせているものを無視した、出来るはずのない、出来ないからこそどうにもならなくなって気持ちがわやくちゃになって自分自身のコントロールを失ってかけてしまったものを、消し去るなんて言ってしまえるのだろう。
むちゃくちゃ言ってる自覚、あっただろうか。
傷つけまいとして、ひどく傷つける言葉だったんじゃないだろうか。好きという気持ちを消すとか、そのために家を出るとか。
不器用にもほどがある。誠実であり真面目であることは、果たして相手に寄り添っていると言えるのだろうか。
こういう相手には理屈じゃないのだ。気の感情をぶつけないと、有無を言わさずぶつけてぶつけて、感覚でわからせないとダメなのだ。だから、波月の大爆発は大正解で、多分このどうしようもなく愚直で感情を持て余してうまく反応できない男の子には、溢れんばかりの感情を常に波立たせ爆発させぶん回している草原家の四姉妹が、絶対に必要なのだろう。最適なのだ。最良の相手なのだ。だからこそ、寄り添える人たちなのだ。
思えば、真にとっての唯一の親友であった三島も、無軌道で理屈なんか欠片もない感情任せの男だった。
つまりは、そういう事なのだろう。

居場所を得て、家族を得て、好きな人が出来て、そうして彼の孤独は消え去った。
この先、家族の形や関係は変わっていくかもしれないけれど、姫芽が希ったように家族であるという事だけは決してなくならないのだろう。
草原家四姉妹の四人掛かりなら、この不器用ゆえにともすれば自己完結してどこかに行ってしまいそうな男を引っ捕まえていられるはずだ。
ぜひ、そうであって欲しいものです、うん。


ゴブリンスレイヤー 13 ★★★★  



【ゴブリンスレイヤー 13】 蝸牛くも/神奈月昇 GA文庫

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「迷宮の主、してみませんか」?
迷宮探険競技??それは至高神の大司教をはじめとした六英雄の逸話として有名な、死の罠の地下迷宮から続く試練。それをギルドは冒険者志望の者への訓練としたいという。
そしてその監修者として、銀等級の冒険者へと協力を依頼した。

(??悪辣だ)
受付嬢が驚くほどの罠が仕掛けられ、準備は進められていく。??

そんな中、またひとり、冒険者志望の少女は剣を取る。??
そこに忍びよるは混沌の影……。

「小鬼どもになぞ、好き勝手させてたまるものかよ」
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第13弾!
TRPGするの!? 作中で!?
ゴブスレさんが槍使いと重戦士の兄ちゃん二人を誘って、飲み屋の卓でシート広げてTRPGはじめるシーンは、あの素晴らしい挿絵と相まってなんか感動すらしてしまいました。いやこの挿絵ほんと良かったんですよ。ゴブスレさんの前の衝立に貼り付けられたデータシートに、彼の手にはサイコロ。傍らにはルールブックが置いてあって、脇には注文して置かれた食べ物の類が寄せられていて、向かいでは平服の槍使いと重戦士が飲み物とペンシルを手に自分が動かすキャラクターを談笑しながら作っていっているシーン。シーンがギューッと凝縮されたような絵で、実に良かった。今回は他にも神奈月さんの挿絵、印象的なのが多かったなあ。特に好きなのが冒険者志望の女の子が、初々しい格好で不釣り合いな剣を引っさげながら、迷宮探検競技開催のお知らせが貼られた掲示板を見上げているシーン。
まだ冒険者じゃないけれど、でもいつ冒険が始まったかというのなら、この瞬間、というのを切り取ったような絵がねえ……良い。
つまるところ、ゴブリンスレイヤーが一生懸命になってプロデュースしようとしたものこそ、夢と希望を胸に冒険者を志す若者たちの、まさにその「機会」だったんですよね。
ゴブスレさんが得られなかったもの、いつか夢見ていたもの、だからこそ何よりも掛け替えのないものだと知っているもの。
ギルドが主催する迷宮探検競技のプロデュース、いわばダンジョンマスター役を依頼されて引き受けたゴブスレさん。ただの仕事という義務感などではない、彼の思い入れや意気込みが伝わってくる真剣さが、何というか受付嬢さんがハートに羽つけて羽ばたかせちゃうのもわかるくらいの、人らしさ、男の子の可愛らしさでありかっこよさだったんですよね。
ちょいちょい暴走して仕掛ける罠に凝りすぎてしまうのもご愛嬌。女神官ちゃんがすっかりゴブスレさんの思考仕様に染まっちゃっているのもご愛嬌。
より良きものを、これに挑戦する冒険者になりたい若者たちに実りある経験を与えられるものになるように、とただただ自分の価値観を詰め込むのではなく、受付嬢の意見をしっかりと聞き、また信頼するベテラン冒険者である槍使いと重戦士の二人にTRPGという形で机上演習での検証を手伝ってもらい、と彼の意気込みの強さ、言葉を変えるなら夢中になっている姿には、かつての妄執に捕らわれた気配は伺えない。
しかし、この作品のギルドって未熟な冒険者やそれ未満、それ以前の人たちも本当に優しいなあとしみじみ思う。その優しさは甘やかすとかじゃなくて、自立を促し生き残る手助けをする、という意味で。手取り足取り、手を引いて引っ張るものじゃない見守る強い優しさだ。
それはベテラン冒険者たちも同様で、彼らの若者たちを見守る視線の温かさには、見ていてこちらも心がホカホカしてしまう。そんなベテランたちにも駆け出しの頃があったのを、さらに年長古参のものたちは見知っているわけで、はじめて武器屋の暖簾をくぐってきた頃の駆け出しの槍使いや魔女の姿が回想の中でちらりと触れられるシーンは、味わいぶかいものがありました。あの妖艶な魔女にも小娘だった頃があったんだなあ。
だからこそ、あの嵐の名を冠する冒険者志望の女の子の将来が楽しみになるんですよね。
知らず、冒険者になる前に大冒険を繰り広げていた彼女。結局、彼女自身気付かないまま、自分は競技に参加しているだけと思い込んだまま、凄い冒険をくぐり抜けてしまった彼女。
ぼんやりとして鈍くさくて落ち着きのない素人丸出しの彼女だけれど、でも将来勇者に引けを取らない大物になりそうだなあ、と思わせてくれる勇姿、とも言えないへっぴり腰の大冒険でありました。
そして、そんな彼女の冒険を台無しにしないように奮闘し続けたゴブスレさん。不意のイレギュラー、競技そのものをぶち壊しにしかねないゴブリン要素の介入に、いつになくブチ切れ、ゴブリンを殺す事を優先するのではなく、競技の進行を守ること、競技に参加する若者たちの将来を守ることを優先して、1人ゴブリンを殺すゴブスレさん。
やってることはいつもの事なのかもしれないけれど、ゴブスレさんの心持ちが今回は全く違ったんですよね。ゴブリンを殺すために殺すのではなく、あの嵐の少女の冒険を守るために戦っていたゴブスレさん。良き、良き戦いでした。それもまた、ゴブリンスレイでありつつも、冒険を守るための冒険でした。
良い、生き方をするようになったなあ、ゴブスレさんは、本当に。
ラストで、次のお仕事についての話になって、いつもなら当然のようにゴブリンを殺す仕事を求めるゴブスレさんが、妖精弓手の誘いに素直に応えて、「冒険に、行こう」と。あのゴブスレさんが自分からそう言うラストシーンに、これ以上無い感慨を覚えるのでした。
ゴブスレさんだけじゃなく、王妹といい、受付嬢といい、ニュービーを脱しつつある若い冒険者たちといい、冒険者の道を歩き出したあの嵐の子といい、うん登場人物みんながイイ顔して、目に力強い光を宿して、良い生き方をしている、それがほんとに温かくも清々しい。


終焉を招く神竜だけど、パパって呼んでもいいですか? ★★★☆   



【終焉を招く神竜だけど、パパって呼んでもいいですか?】 年中麦茶太郎/にもし GA文庫

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境界領域ブルーフォレスト公爵領。
『人』と『魔』と『神』とが混在する、地上で最も危険で、熱気ある街。
十五歳にしてブルーフォレスト公爵領の現公爵を務める少年リヤンは、
最愛の『妻』レイと共に神々が気まぐれで起こす世界崩壊に今日も立ち向かっていた。

そんなある日、リヤンは戦場で保護した少女をワケあって家族に迎えることにしたのだが――
「パパって呼んでも――いいの」?
少女の名はアマデウス。人間の形をした厄災『終焉の神竜』という剣呑極まる存在だ。
しかし、子供を熱望していたリヤンたち夫婦にとっては、目の中に入れても痛くない愛娘に他ならない!
つまり、溺愛・不可避ッッッ!!!!
「あああ、娘の可愛さが致死量に達した!!」

家族も世界も守るため、天才魔法士――最強かっこいいパパになる!
ほっこり可愛く最強無敵な『父・娘』ファンタジー、ここに開幕!


かーーわーーいーーいなあもう!!
いやもうホントにカワイイぞ、この娘。なにこれもうどうしよう、可愛いかわいいカワイイ可愛い!!
リヤンとレイの若夫婦が出会った途端に悶死してしまったのもこれは無理ないです。だってホントに可愛いもの。素直でイイ子で元気よくて好奇心いっぱいでパパとママが大好きでとても可愛らしい満面の笑顔で笑ってくれて。そこにいるだけで、ほっこりですよ。パパママだけじゃなく、この娘と触れ合った人みんなが自然と笑顔になる可愛らしさ。
もう幸せの具現化なんじゃないだろうか。
そんな突然現れた少女アマデウスを預かることになったリヤンとレイは将来を近いあったカップル。実質的な夫婦であり、生涯を共にすることを願い合う連れ合いだ。
彼らが暮らす境界領域ブルーフォレスト公爵領は、神々が遊技場と定めた世界の最前線。神の玩具たちが降って湧いて、暇さえあれば世界を滅ぼそうとしてくる破滅の波打ち際である。
世界が滅びると定められた日をあらゆる種族が協力して乗り越えてから、二年。多大な犠牲を出して滅びを乗り越えた世界は、今なお終末の瀬戸際を歩いている。
リアンとレイは、かつて終末戦争を戦った戦士であり、特にレイは神々のもたらした設計図により作られた神滅兵器の生き残り。しかし、兵器であったが故に戦って戦って戦い抜いて壊れ潰えるはずだった存在であるが故に、子孫を残す機能を持たず自身を生存させ続ける力にすら欠けている。
でも、そんな二人は戦争前から出会い、恋をし、愛を育み、今こうして寄り添って今なお襲い来る滅びと戦いながら、途中で潰える運命の未来に抗っている。
めっちゃイチャイチャしながら、抗っている。
……バカップルである。もはや止めるものの居ない完全無欠のバカップルである。そこにこんな可愛い娘を放り込んでしまったら、どうなってしまうのか。
えらいことになってしまいました。
娘が可愛すぎるパパとママと、パパママが大好きすぎる娘の無限に加速するダダ甘生活のスタートである。隙あらばイチャイチャするパパとママであるが、そこに娘が加わることでかわいすぎる娘の言動に悶絶し猫可愛がりしまくって、そうして構うとなおさらに可愛い姿を見せてくれる娘にもはやテンションが筆舌しがたい状態になりつつ、娘を愛でるママ、あるいはパパの幸福そのものの光景に思わずキュンキュンしてしまい、流れるように再びバカップルのイチャイチャを開始して、そんな両親に娘もキャッキャと懐いてきて、さらに家族三人で好き好き大好き超アイシテルが終わらない。
いや、ほんと終わらないんですけど。無限連鎖か!!
元々子供は出来ないと、諦めていたわけじゃないのだけれど、可能性を手繰り寄せるために奔走する段階だった二人であったために、娘アマデウスの出現はレイとリアンにとっても授かりものだったんですよね。たとえ血が繋がらなくても、こんなにもパパとママが大好きな娘です。愛おしくてたまらない。
これだけなら、多幸感に浸っていればいいのですけれど、前述したようにリアンとレイの前途には大きな壁が立ちふさがっていて、二人で手を握りあいながら必死にそれを乗り越えようとしている所でもあったんですね。世界もまた、破滅の瀬戸際にあり、どこかみんなテンション高く神々の遊びに立ち向かってはいるのですけれど、そのテンションの高さの表裏一体のところにいつ世界ごと滅びてもおかしくない、という薄氷の感覚が横たわっている。
そんな中でのアマデウスとの出会いは、リアンとレイにとってさらに幸せを手にしているという実感を与えてくれるものであり、夫婦二人で未来を、という決意にさらに娘と三人で、というさらなる勇気を与えてくれるものだったんですね。
たとえ、その娘アマデウスが世界に終焉をもたらすために神が遣わした終末のドラゴンだったとしても。
幸いだったのは、アマデウスという少女を構成する魂が、本当にパパとママの事が大好きで、彼女を優しく迎え入れてくれたこの世界のことも大好きだったこと。たとえ世界を滅ぼすことになったとしても、それはこの娘の意思ではないという事でした。だから、リアンは何の憂いもなく、娘を守ることができる。娘を助けて世界を救える。
この若い家族は、どうしようもないほどの破滅を内包し、いつ訪れてもおかしくない終わりを傍らに携えている。それでも、彼らは自分達が一緒にたどり着ける未来を信じている。信じられるだけの幸せを、今三人一緒にいることで噛み締められているから。これを失わないためなら、どんな不可能だって乗り越えられると思えるから。それだけ、幸せ一杯愛情いっぱい、溢れるほどに止めどなく湧き上がってる三人だから。
これはそんな愛しき家族の物語。


七つの魔導書と再臨英雄 ★★★   



【七つの魔導書と再臨英雄】 年中麦茶太郎/まっちょこ GA文庫

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私をお読みください、賢者様。
本好き少年×魔導書お姉さん。永遠約束の魔術ファンタジー!
「あなたは伝説の賢者の転生体。再びあなたに読まれる日を二千年待ちこがれておりました。
さあ『私』と『私が集めた一万冊』をお読みください、最愛にして最強の我が主様」
スラム街に生きる少年アラステアは、美しき魔導書の化身エレフィールに出会い、告げられた。
そして前世の知識と魔力に覚醒し、魔法世界のエリート達を圧倒していく!
「こんな魔力と技術をなぜ子供が!?」
「読書量の違いですかね」
だが、エレフィールの忠誠は二千年間であぶない域に達しており……
「そ、れ、か、ら。現世では私を“お姉ちゃん”って呼ぶんですよ♪」
本好きな少年と魔導書お姉さんの前世超越ソーサリーファンタジー!
アラステアのスラム時代がこれまた凄まじい。幼い頃に娼婦の母がある日帰ってこなくなり、そこから一人で生きてきたわけだけれど、まさに地べたを這いずるような生活。まともな家も持たないストリートチルドレンであり、鉄くず拾いで辛うじて生き延びているだけで、これそのままだったら早晩力尽きて路地裏の片隅で冷たくなっていたんじゃないだろうか。
必死で生きながらえながらも、犯罪には手を染めず、でもだからこそ塗炭の苦しみにのたうちまわる生活。まだ子供であるのに笑顔もなく、生きることそのものが辛く、まともに生きている普通の人々と比べて薄汚れボロを纏い垢に塗れた姿はゴミのようで、その惨めさを俯き背を丸めてやり過ごす日々。
これは味わった当人にしかわからない辛さだったのでしょう。痛みなのでしょう。
アラステアのそこからすくいあげてくれたエレフィールへの感謝と親愛は、それこそエレフィール当人にすら察し得ないものでした。彼女が叡智の魔導書であり元女神であったとしても。
アラステアに、前世の記憶が無いというのも尚更に、エレフィールへの思いを純粋なものにしてるんでしょうね。逆にエレフィールにこそ、アラステアが前世の主人であるという前提が彼女を惑わせることになるのですけれど。
惑わせるというよりも、余計な引っ掛かりになってしまうというべきか。余計な雑念を取っ払ってしまえば、エレフィールもまたアラステアを引き取り彼と生活しだした日々の積み重ねによって、もう前世とか関係なしにこの少年のことを慈しんでいたにも関わらず、前世の関係が余分になってしまうのですよね。余分と言ってしまうと可哀想かもしれないけれど。前世での関係もまた彼女にとっては大切なものであったでしょうし。
ともあれ、そんな辛いなんてモノじゃない惨めで希望も何もない環境に居たからこそ、その中でエレフィールに最初に出会ったときに貸して貰った本で読んだ英雄という存在に、彼が憧れたのはすごく納得できるんですね。自分のような孤児と比べるべくもない、光り輝く英雄という存在。それがただ心のなかで思い描くだけしか出来ないものでも、絶望すらも抱くことが出来ず諦観に、惨めさに俯きただ生きるために這いずるだけだった日々の中で、そうした夢を思い描くというのは暗闇の中の小さくも確かな灯火だったのでしょう。希望にもならない、未来ですら無い、ただの想像であったとしても何もない苦しいだけの人生の中で、想いを馳せるという事自体が彼にとっては光だったのだ。
魔力を扱えるようになり、かつての賢者としての力を手に入れて、現実として英雄になれる立ち位置に立てたとしても、彼がこのとき思い描いていた英雄像への純粋な気持ちは、潰えるものではなかったのでしょう。何より彼はまだ12歳の幼いと言ってもいい少年。スレるにはまだ早い。
現実は、彼に全く他の追随を許さない野放図と言ってもいい力を与えてくれるのですけれど、掃き溜めの中で掴んだ光は、憧れは彼から純粋さを奪わず、また闇の中から救ってくれたエレフィールへの親愛は、彼に歩む道を踏み外させない方向性を与えることになるのである。
それが、アラステアとはまた別の形で孤独となり、自らの魔導書セレナと二人きりの関係にしがみつくことでようやく自らを維持していたミラという少女、と言っても先輩、に対して孤独から彼女をすくい上げる手を差し伸べることに繋がっていくのである。

とはいえ、物語のインパクトとしては最後に出てきたラスボスであるアラステアの前世のお兄ちゃんとその奥さんの強烈なキャラクターになんかもう色々と持っていかれてしまうのですが。
まさに邪悪極まる人間でありながら、同時に信念の人でもあり努力の人でもあり、妻への愛に殉じる男でもあり、わりと本気で弟であるアラステアも愛していただろう兄上。感情としては弟を愛しているけれど、それはそれとして敵なのでぶっ殺す、という色んな意味で気が触れている在り方がどうしようもなく強烈なんですよね。ついでに奥さんの方も、突き抜けた悪女であり、突き抜けすぎたせいで純粋にすら見えてしまうという、なんというか突き詰めた似たもの夫婦?
敵キャラとしては、このインパクトの強さは美味しいの一言なのですけど、インパクト強すぎてそれまでのお話とか主人公たちの印象吹き飛ぶくらいだったのはどうなのかしら、思わず微苦笑してしまうほど。
ミラは途中から合流のヒロインとしてはアラステアからも大切にされていたし、何気にこの娘も年上組で乱暴ながらもショタっ子な主人公を可愛がる小さいお姉さんという感じで良いヒロインだったのですけれど、最後はお兄ちゃんに割りを食わされてしまった気がします。ってか、最後放置されちゃってて、あれで登場シーン終わりというのはちと可哀想なんじゃないかと。再登場しての挽回シーンがあると思ったのに。エピローグでも出番なかったし。これ再会場面、ちょっとどころじゃなく気まずいというか、あんまり立つ瀬が無いんじゃないだろうか、ミラちゃん。


年中麦茶太郎・作品感想

竜と祭礼 3.神の諸形態 ★★★☆   



【竜と祭礼 3.神の諸形態】 筑紫一明/Enji GA文庫

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“竜の杖”の依頼から季節はめぐり、冬。イクスは作杖のため、ある修道院へ向かっていた。
亡霊哭く“神の街”エストーシャ。魔法杖の祖レドノフの伝説が残るその街で、イクスは職人仲間と出会い、自らの職人としての在り方を見つめ直しはじめる。
その頃、故郷に戻るはずだったユーイはマレー教の勢力争いに巻き込まれ、ノバとともにエストーシャの神学会議に出席していた。異教徒ユーイを召喚した新派の狙いとは──。
レドノフの“究極の杖”は実在するのか。マレー教の、そしてルクッタの神とは。
謎の爆破予告で神学会議に動揺が走るなか、イクスとユーイの思惑が“星拝”の日に交差する。

杖職人たちの物語、雪と星の第3巻。
面白いもので、これって文章の筆致の質なんだろうか、冒頭から物語から伝わってくるのは静謐と言っていい静けさなんですよ。元々静かなお話だったのですが、舞台が冬となり雪がけぶる季節、そしてイクスたちが訪れた街は神の街と呼ばれる聖職者たちが集う場所であるせいか、行間からシンとした冷たいような痛いような静寂が伝わってくるのである。
イクスという人間自身、多弁ではなく物静かな男、というのもあるのだろう。彼らが招かれた場所が修道院という騒がしさから遠く離れた場所、というのもあるのでしょう。でも、登場人物の一人である見習い職人のシュノという子は黙っていたら死ぬのではないか、と思えるほどに益体もない事を喋り続けるえらい騒がしい子だったのですが、こういう子が一人常に居続けているにも関わらず、この静謐という印象は物語の最初から最後まで揺るぎないのである。
静かな世界、静かな物語、こういう印象を頭から強烈に突き付けてくるだけの色を、文章に込めることができるというだけで、この作者さんはある種の特異な才能の持ち主だよなあ、と思ったり。
今回はさらに主人公の一人であるイクスが、職人としての在り方により求道者のように踏み込んでいく、という話の中身にも大きな要素があったようにも思います。
図らずも、同時に同じ街で行われている教会新派の信仰規定の会議の中で、杖の職人を聖職者として教会に取り込むべきではないか、という話し合いが持たれているのですけれど、彼ら杖職人のより良い杖を作るために目の前の作業に没頭していく姿は、神に祈りを捧げる聖職者の姿に重なるようにも見えるのです。一方で、彼らが求めるのは杖という道具への探求であり、神の信仰とは全く異なるはずなのですけれど、そこにまた一神教の信仰論理が、何事にも神の意志、神の奇跡が介在するという論法が杖職人たちの在り方にまで入り込んでくるのである。果たしてそれは受容なのか、侵略なのか。
ユーイもまた、そうした教会新派内の信仰論争の中に放り込まれ、自分の立ち位置を模索するはめになっていく。彼女の場合、異教徒の姫であり敗残者であり虜囚にも似た存在、という立場もあって、元々難しい舵取りを求められる立場だったのですが、結局これって彼女生贄に等しい立ち位置だったんですよね。彼女自身、何も出来ないまま翻弄されるしかなかったはずの所から、ほぼ自力でその信仰論争、或いは教会新派内の政争においてプレイヤーとしての立場を、誰にも悟られないままスルッともぎ取ってみせたその手練手管たるや、いったいいつの間にそんなものを身に着けたのか。
彼女の目指すものが、いわゆる政治の世界にあるというのなら、頼もしいというべきか空恐ろしいというべきか。
図らずもユーイのピンチを目にしたイクスが仕掛けた論陣の、ある意味初々しいとすら思える素朴さを思えば、ユーイのそれは彼女自身の欲望もあいまって悪辣ですらあるんですよね。しかし、彼女としては最低限のあがきでしかなくもあるのですが。主導権を掠め取ったとはいえ、彼女が教会の尖兵という立ち位置に追いやられてしまったのは確かですし。でもユーイ、その立場を利用して将来的にイクスの身柄をゲットしようと図ったのは、さてどういう真意によるものなんですかね。というか、彼を欲した理由というのはなんなんだろう。個人的な感情? 或いは、彼が考案してしまった熟練の職人という存在を無為にする量産化の発想の確保のためだろうか。まあ、安易にどちらか片一方、なんてものではないのだろうけど。まあ彼が考案した杖の話を聞いたのはすべてが片付いた後なので、それはないのだけれど、イクスという杖職人の腕前と彼がもたらす魔法杖の強大さを求めていたのは間違いない、実際ユーイは明言しているし。
……でも、イクスが思いついてしまって彼自身、苦悩しているそれって、国家規模で見ても相当にやばい戦力となりかねないものなだけに、これを利用する目算を立てているのなら、ユーイの中でかなりの深度の野望みたいなものが湧いているのだろうか。
これだけ、身勝手に翻弄されて場合によっては処刑されかねない所に放り込まれた身としては、何も考えないわけにはいかないのだろうけど。
しかし、イクスのアプローチがまさかそっちの方向に行くとはなあ。師匠は、彼のような発想は出来なくても、彼がそっちの方向に向かってしまう事は想定していた、ということなのだろうか。魔力無しのイクスにしか出来ない発想。それはもう、究極の杖の向こう側、と言っていいのかもしれない。
しかしだからこそ、彼は職人としての柱を失ってしまった。彼の中の神を裏切ってしまった。
背信者二人、というラストシーンの表現は、なんとも胸を締め付けるものがあった。その罪は己のうちにあり、お互いに許しあえる関係ではない。いいじゃないかそれで、と許してくれる人も今の所彼らにはいないんだろう。彼らの救いは、どこにあるのだろう。少なくとも、彼らの前から竜は去り、彼らの中にはもう神は居ない。




転生魔王の大誤算 ~有能魔王軍の世界征服最短ルート~ ★★★☆   



【転生魔王の大誤算 ~有能魔王軍の世界征服最短ルート~】 あわむら赤光/ kakao GA文庫

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歴代最強の実力を持つ魔王ケンゴーにも、決して漏らせぬ秘密があった。
「転生前より状況がひどくない!?」
前世の彼は、伝説の不良だった兄と勘違いされ舎弟から尊敬を集めた、草食系高校生の乾健剛だったのだ!
今度こそ平穏に生きたいのに、より凶悪な魔族達に臣従され、いつ本性を見抜かれるかハラハラの生活を送るケンゴー。
だが命惜しさに防御魔法を極めれば無敵の王と畏敬され、ハーレムに手を出す勇気がないだけなのに孤高だと逆にモテ、臣下の顔色を伺えば目配りの効く名君だと絶賛の嵐で、第二の人生は順風満帆!?
これは己の強さも権力も持て余し、誤算続きで名声まで爆上げしてしまう、転生魔王のサクセスストーリーである!
ルシ子さん、傲慢の魔将なんだけれど嫉妬するわ憤怒するわ、色々と忙しい。というか、傲慢というよりただのツンデレなんですが。しかも、かなりダダ甘のツンである。
勘違いモノの常として、どうしても主人公がひどい誤解をされる事で本当の気持ちとか想いを蔑ろにされ、思い込みでこうと決めつけられて、相互理解が致命的に喪われているケースが目立つんですよね。結果として、主人公は持て囃されながらも本当の自分を見てもらえないまま実質的に孤立してしまっている場合が多いのですけれど、本作の場合は幼馴染のルシ子がちゃんとケンゴーのことわかってくれてるんですね。前世が人間だったのも知っているし、彼がヘタレチキンなのもよくわかっている。いつクーデター起こされて酷い目に合わされるか怯えながら、必死に魔王として繕ってヘタレがバレないように頑張っているのもずっと横で見ていてくれているのである。
口ぶりはキツいし積極的に魔将たちとの関係を取り持ったりなんかはしてくれないものの、秘密を自分ひとりだけで抱えていないだけでも随分救われるし、へこたれた時なんかは何だかんだと甘やかしてくれるし、頼めばツンツンしながらもなんでもしてくれそうなチョロい所もあって、こんな幼馴染居るだけで勝ち組だろう、こいつ。
神様、自分なんか悪いことしました? というのが口癖で自分の境遇嘆くケンゴーですけれど、ルシ子を幼馴染にしてくれただけで大ボーナスだと思うんですけどねえ。
勿論、自分の境遇こそ嘆きながらも、ルシ子こそが自分にとっていちばん大事なもの、という真実だけは見失っていないので、ラストでもその辺ケンゴーにとっての一線に繋がってくるんですよね。どれだけ草食系で小心者で臆病でも、触れてはならないものに手出しされたら戦争である。
ともあれ、これだけ深い理解者が傍に居てくれているというだけでも、周りからどれだけ勝手な魔王像を押し付けられても彼が孤独にはならないのだと安心できる。ルシ子だったら、どれだけ酷い状況に追い込まれても絶対に味方で居てくれる、とケンゴー自身無意識にですが完全に信じ切ってますしね。
とはいえ、他の魔将たちもやんやと囃し立てて、深読みや思い込みでケンゴーの事を超絶魔王と思い込んで尊敬し慕いまくってるのですが、よくよく個々の魔将たちのケンゴーに対する見解を聞いていると案外と的を外していない気がするんですよね。いや、サ藤は相当思い込み激しくて勘違いが進んでますけれど、マモ代なんかはケンゴーがヘタレなのもう見抜いていますし、他の連中もケンゴーのやろうとしている事、どうしてそうしようとしているかは誤解しているか自分の都合の良いように解釈しているものの、ケンゴーのやろうとしている事はちゃんとわかっている奴もいますし、今までの歴代魔王と違うケンゴーのやり方についても分かった上で非常に好意的に見ていたり、彼の魔王としての実績についても決して過大評価じゃなくて、実情を見て評価してたりするんですよね。ケンゴーはそんなつもりないんですけど、とか言いそうですけど当人からは分からない所で彼の魔王としての在り方が魔将たちに良い傾向をもたらしているのは確かなんですよね。
魔族的価値観から、ケンゴーの本心についてはまったく分かっていないにしても、魔王が自分達魔将をかなり気を使って大事にしてくれている事はみんな大体気づいてるのである。ケンゴー、ビビリながらも何だかんだと魔将たち、嫌いじゃないみたいですし、愛が重いとはいえ一途に慕ってくれる彼らのことは何だかんだと親しんでる節もあるんだよなあ。
それにしても嫉妬の魔将のチャラ男なレヴィ山くん、嫉妬するために他人のイイ所探しが得意、というのは実は相当にイイ奴なんじゃないのか?w

なんだかんだと和気あいあいな魔族陣営に対して、むしろ怖いの人間サイドですよ。聖女さまが完全に狂信者&ドMという救いがたい変態だったりするし、全体的に神の使徒という体で思想が操作されてる様子が伺えるんですよね。おまけに、唯一神が実在しているみたいですし、神の意向によって魔族との絶滅戦争が施行されているので、何気に和解の余地がなさそうですし。そもそも、天使なんて神の尖兵まで攻めてくるわけですから、はたしてケンゴーの人間との和平なんて目的は叶えられるのか。魔族はどんどん殺る気満々、神様も殺る気満々、妥協の余地が見当たらねー。
それこそ、魔王のもとに世界征服するのが一番手っ取り早い気がしてきたぞ。

自他共認めるヘタレチキンであるけれど、肝心なものは見失わず、なけなしの勇気の出しどころは間違えない。ビビリで臆病者だけど、だからこそ油断なく、守るべきを護り通せる実力を死にものぐるいで手にしている。そして、怒るべきときに怒れる一端の男なのだ。ルシ子がべた惚れなのは、決して理由なきものではないのである。そんな彼の手による世界征服、うん重ね重ねそれが正解に思えてくる。なんか唯一神、ぬるぬるグチョグチョ系の邪神の可能性も出てきたし。


りゅうおうのおしごと! 13 ★★★★   



【りゅうおうのおしごと! 13】 白鳥士郎/しらび GA文庫

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五人の少女が集う最後の一日。約束の13巻!

三段リーグ最終日の翌日。
『史上初・女性プロ棋士誕生!』の報に日本全土が沸き立つ中、雛鶴あいは関西国際空港を訪れていた。
親友の水越澪が海外へ旅立つのを見送るために……沈みがちになる気持ちを隠して明るく振る舞うあい。
意外な人物との再会をきっかけに、事態は思わぬ方向へと動き出す。

「最後に一つだけお願いがあるんだ」

同じ頃、あいの師匠である八一は東京の病院にいた。満身創痍で眠り続けている銀子の傍らに……。
あい、澪、綾乃、シャル、そして天衣。五人の少女が集う最後の一日を描いた、約束の13巻!!
飛び方を覚えた雛鳥は今、大空へと羽ばたく――
水越澪、この娘まだ小学生なのだけれど、既に一廉の人物よなあ。
ドラマCDなどの特典を小説に書き下ろした短編集であり、JS研の少女たちの別れを描いた13巻。
短編のほうがもう酷くて、なにがって師匠のロリコンがガチすぎて、この竜王ガチでロリコンなんじゃないのか!? と、疑いたくなるのですけれど、よくよく見るとどちらかというとシャルちゃん限定なんですよね。特別扱いはシャルちゃんのみ! つまり、こいつロリを通り越してペドなんじゃないかと。本来なら年齢的にロリ歓迎、のはずのあいちゃんまで真性であるのを垣間見せてしまう師匠に、かなり必死になって矯正を促しにかかってますし。

まあそれはさておき、本編はJS研の仲間でありムードメーカーであり皆をつなぐ鎹でもあった水越澪が、親の仕事の都合で海外に移住する事になり、その見送りにJS研のみんなが空港まで小学生だけで訪れる、というお話。保護者となる面々はちょうど皆、銀子のプロ昇段と八一の帝位戦のために上京することになり、同世代だけで別れを、という塩梅になってたんですね。ある意味、大人の介入を許さずに子供たちだけで彼女らの世界だけで、本心からぶつかりあえる最後の機会だった、という事なのでしょう。
折しも、あいは銀子がプロになるという決定的な差を見せつけられると同時に、どうやら八一と師匠が付き合い始めたことも察していて、落ち込んでいる最中でした。そこにトドメと言っていい親友であった澪との別れが重なって、かなり凹んでたんですよね。
この娘たちはまだ小学生なのですけれど、彼女らの将棋に対するスタンスはもう遊びじゃなくなってる、というのは10巻での彼女らが主役となる話で見せてくれていました。
でも、それからここまで銀子の奨励会での話を中心に描くことで、将棋に生きる棋士たちは真剣とか本気を通り越して、もう魂まで将棋で染め上げられるような人生そのものを将棋で埋め尽くすような、存在自体が将棋のためにあるような、そんな壮絶すぎる生き様を見せつけてくれていました。
果たして、彼女たちはどうなのでしょう。まだ子供だから、小学生だから、というのは将棋に関しては言い訳にならないんですね。将棋という生き方は、既にもう小学生の頃には自分自身で刻み込まなければならない。それをすぎれば、遅いくらい。あいですら、デビューは遅かったと言えるくらいなのですから。
また奨励会では椚 創多が既に小学生でありながら、壮絶な闘争をくぐり抜けて恩人とも尊敬する人とも兄とも慕う人の首を泣いて切り落とすような、棋士としての生き方を体現している。
遅いなんて事はもうないのです。
彼女たちの中で、唯一天ちゃんだけは、最初から既に魂は棋士として完成していました。彼女はもう既に棋士として生きていて、死ぬまで棋士として在り続けるでしょう。
そんな彼女が何気に一番認めていたのが、澪だったんですね。もし、澪以外のJS研の他の誰が旅立とうとしていても、果たして天ちゃんは見送りにきたでしょうか。いや、この娘なんだかんだと優しいから見送りくらいは来るかも知れませんけれど、なんだろうあんな風に相手を対等に認めて、選別を送るような関係になれていたのは、澪だけだったような気がします。
ってか、天ちゃんが小学生の段階で既にイイ女すぎて、この娘相手だとロリコン扱いにはならないんじゃないでしょうか。精神年齢が大人すぎるし、中身がイケ女すぎる。なんなんだこの生き方あり方から尋常じゃなくカッコいい小学生女子は。正直、銀子の抜けた後の女流棋士の界隈を、天ちゃんが席巻を通り越して蹂躙していくの、目に浮かぶようなのですけど。

あとで澪が見せた、将棋に対するスタンスは、本物でした。将棋に生きる、呼吸が出来なければ死ぬように将棋を息を吸い息を吐くように指し続ける。そんなそれ以外のすべてを投げ打つような、将棋へののめり込みをこの娘は見せてくれたんですね。
もうこの娘は、本物の棋士だったのです。たとえ海外に行ったとしても、彼女は何らかの形で女流棋士として戻ってくる、それを感じさせる本物の本気でした。
いや、作中での表現を借りるならば「強烈な努力!」というものでしょうか。

シャルはまだ幼く、綾乃は周囲と比べての自身の才能への疑問を抱き、そしてあいは将棋と出会った時間の短さ、経験の浅さから、まだ「うつつを抜かす」状態だったと言えるでしょう。
あいに関しては、ずっともどかしくもあったんですね。この娘の才能はとびっきりで、完全に人類とは違う将棋星人の構造をしていて、しかしその魂は将棋に染まっていなかった。
これまでも、将棋に対して本気になろう、と思うだけの痺れるような体験を、燃えるような熱量を、死にたくなるような悔しさを、感じてきた経験してきたのは確かです。そのたびに、この娘は将棋に対して深く深く向き合い出していたと思います。真剣だったでしょう、本気だったでしょう。
でも、まだ将棋に魂を侵され切ってはいなかった。才能とは裏腹に、その心根は線引されたコチラ側。まともな「人」の領域の側に立っていた。
そんな彼女に対する澪の見せたくれた生き様は、あいに語りかけてきた別れの一局は、言葉に尽くせないほど沢山の、想いを届けてくれたのでした。これほど強烈な叱咤激励を、他に自分は知りません。小学生の女の子が、同じ小学生の女の子に送る激励としては、あまりにも強烈でした。人生のターニングポイントとすら言えるほどの重さ。生涯の生き方を決定づけるほどの、強い強い意志の付与。
凄いなあ、人間年齢なんて関係ないですよ。心からの叫びは、こんなにも深く強く響くのか。
友情の真髄とは、まさに斯くの如し。

少女たちの、旅立ちの時である。これは彼女たちが一人の棋士として立つ日であり、師匠の庇護からも飛び出す巣立ちの日ともなるのでしょう。


さて今回は感想戦はなく、銀子が眠る病室での一幕である。
とりあえず、お燎と万智さんのナースコスプレは何だかんだとエロすぎやしませんかね?
ただ二人の騒がしさは、あれはあれで清涼剤なんですよね。ライバルとして友人として、この二人は得難い人なんだよなあ。でも、プロになるともう銀子は対戦出来ないのか。
……将棋に関しては、もう八一の存在感ってあの「名人」に勝るとも劣らないようになってるんだなあ。身近な親しい人ですら、将棋に関わるものなら感じざるを得ない「威」。風格が、もうこの青年には備わっている。
それはそれとして、弟として妹として八一と銀子は桂香さんには一生頭あがらんのでしょうね、これ。



処刑少女の生きる道(バージンロード) 4.赤い悪夢 ★★★★   



【処刑少女の生きる道(バージンロード) 4.赤い悪夢】 佐藤真登/ニリツ GA文庫

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「メノウちゃんが死んじゃうくらいなら世界なんて滅んでもよくない」?
アカリとモモが消えた。信頼する後輩の裏切りに混乱するメノウは、教典から響くサハラの声に悩みつつも2人を追跡しはじめる。
その頃、アカリとモモは、衝突を繰り返しながらもメノウからの逃亡を続けていた。絶望的にウマが合わない2人による、異世界人×処刑人補佐の禁忌のタッグ。しかし、“メノウ第一主義"な2人がなぜか逃亡中に始めたのは、モモによるアカリ強化スパルタトレーニングで――?
交錯する異世界人、「第四」、そして第一身分。少女たちを待つのは希望か絶望か――。彼女が彼女を殺すための物語、赤に染まる第4巻!

混ぜるな危険、の典型的……いや、見事なくらいの傑作例というべきか。モモとアカリの相性が素晴らしく悪すぎる! 
険悪で仲が悪い、どころじゃないじゃないですか。二人が一緒に居るシーン、ほぼすべて罵倒で埋め尽くされてるんですけれど。ひたすら罵り合い煽りあいマウントを取り合いながら、他のことをしているという感じで、移動している時も食事している時も観光している時も暴漢に襲われている時も逆に暴漢を襲っている時もひたすら罵り合ってるこの二人。いやちょっと黙ったら? と、思うほどお互い無視せず、ちょっとでも会話が途切れると別のメノウネタで突っかかる、というループである。
というか、殆ど話題がメノウだけで埋め尽くされているあたり、二人ともメノウ好きすぎてキモい。
ほんとに嫌いなら無視し合えばいいのに、メノウネタを出されると無視出来ないんですよね、二人共。おかげでやってる事はノーガードの殴り合い。そして牽制フェイントこそ介在するものの、攻撃狙いは殆ど急所。お互い、急所狙いすぎ!! 急所ばっかりエグリすぎ!
自分へのダメージも顧みず、ひたすら相手に痛撃加えられるなら自爆気味の自分も致命傷を負いかねないネタでも構わず叩き込む殺意の応酬である。
それでいて、メノウ命メノウ至上主義は完膚なきまでに一致しているので、行動原理はほぼ一緒、思考パターンもほぼ一緒、なので共感度は留まる所を知らない勢いで高くなる。果たして、これは意気投合していると言えるのだろうか。
今まで考えてみると、自分以外で一番メノウに近しい存在という意味でお互いを察知しながら直接対面せずに、遠回しに牽制や嫌がらせなんかをするくらいだったのが、こうして顔を突き合わせてしまったわけで。まさに不倶戴天、同じメノウを戴けず、なのだけれど同時に同志である事も否応なく実感してしまうわけですよ。これ、一応仲良くなってるんだろうかw
ともあれ、このモモとアカリのコンビは相乗効果で思わぬ面白コンビであることが発覚してしまいました。いやこれは予想外の化学反応。

一方で、置いてけぼりをくらったメノウ。即座にモモの残した妨害……持ち金全部盗んで持ち去る、という悪辣な妨害をクリアして追撃に移るあたり、モモよりも遥かに上手なんだけど、これって結局姫ちゃまに身売りしたってことですよね。男装執事メノウ、ごちそうさまでした。モモとアカリが血の涙と鼻血を出して見れなかったことを悔しがるコスプレである。
そんなこんなしているうちに、同じ街に集まってしまった万魔殿とマノウに第四身分の盟主、そしてメノウの師匠「陽炎」との遭遇を通じて、幾つもの真実に行き当たってしまうメノウ。
ただ、思えば彼女の中で変化は既に3巻で生きたいと願った時にはじまり終わっていたのではないだろうか。3巻の身体を起こしながら、降りかかる光に眩しげに手をかざす姿は思えば、メノウ自身の中からはじめて生まれた願望を、受け止める姿だったのではないだろうか。
ならば、この4巻の膝に手を置き、伝う汗を拭いながら線路の先を見据える姿は、新たに見つけた道を歩みだす、その仕切り直しの瞬間を切り抜いた姿と言えなくはないだろうか。
メノウの前に突き出された幾つもの真実。魔導が生み出される方法、アカリがなぜ見逃され続けたのか、そしてアカリがすべてを知っていてメノウを救おうとしていた事。
メノウは死にたくないと思った。生きたいと願った。それは、いつだって他人の色に染められていた「白」であるメノウにとってはじめて自分の根源から湧き出した想い。
メノウが知った幾つもの真実は、彼女の奥から湧き出した想いを前に踏み出させる後押しになった。彼女の想いをどう叶えればいいのかを示す、道筋になったと言っていい。それが正しいか間違っているかは、メノウにとっては師匠の下す罰によって定まるのだろう。彼女と戦い、生き残れればそれはきっと……。
メノウは言われた通りに生きる道を見つけた。生きてきた意味を見つけた。その先にあるのはアカリと共にゆく幸福な破滅なのか、それとも……。

いずれにしても、終わりは近いに違いない。



落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)18 ★★★☆   



【落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)18】 海空りく/をん  GA文庫

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「貴方には誰も殺させないッ! ! 」

《大炎》天童は討伐されたものの、いまだ首都東京は米軍の侵攻に対する防衛戦の只中にあった。

日本側の主戦力《世界時計》新宮寺黒乃をもってしても対処しきれない米軍の圧倒的物量。だが土壇場での黒乃の決意と選択は過酷な運命を打ち破る契機となり、増援として駆け付けた一輝やステラ、刀華ら最精鋭の学生騎士たちは、状況を覆すべく戦場で刃を振るう。

一方、かつて月影らが《解放軍》本拠地で遭遇した《超人》エイブラハムは《大教授》アイランズと共に不気味な策動を始めていて――!?

世界の命運を決める最後の戦い、その始まりを告げる第18弾!


黒乃理事長、これはKOKリーグ初のママさんプロの誕生、という事になるんだろうか。他にいないよね?
魔人に覚醒することで、家族との平穏な生活が失われる危険性に二の足を踏みリーグから現役引退した黒乃さん。その後、破軍学園の理事長に就任して一輝を引き立てる事になるのだけれど、まあ魔人化の実情を思えば、躊躇するのもわかるし。子供が生まれたのに命がけを通り越して自分の生き死にまでベットするような戦いに身を投じる事を忌避するのもよくわかるんですよね。
しかし、戦争が起こってしまえば家族を守るためにも最前線に立たなきゃならない。ここで魔人化は必然だったのでしょう。でも、強いられて仕方なくではなく、夫や娘と真摯に話し合って家族を守るため、家族にカッコいい姿を見せるために。と家族は足かせなんかじゃなくより自分に力を与えてくれる存在であると証明するために、もう一度KOKのプロリーグに復帰することを決意する下りは素敵なものでした。黒乃理事長にとって、一度の引退は回り道じゃなくてより強くなって戻ってくるための路であったのでしょう。
というか、魔人化した黒乃さんってデタラメすぎるんですけどw 寧々先生もたいがい無茶苦茶だけれど、黒乃さんの方もうこれわけわかんなくないですか!?
ただ超人エイブラハムはちょっと残念だったなあ。超人(ザ・ヒーロー)の二つ名の通りに彼はアメリカンヒーローの具現化みたいなものだと思っていたので、そのまさに人を超えた存在として存分に立ちふさがる大きな壁になって欲しかった。偉大にして強大な敵であって欲しかった。
小物化みたいな事になってしまうのも困るんだけれど、エイブラハムの正体があんな形になってしまうと確かに敵としてはさらに脅威であり、たちの悪さについては他の追随を許さないんだろうけれど、個の格としては存在感限りなく薄くなってしまったんですよね。言わば十把一絡になってしまったとでも言うのか。
これだと、かつて彼にメタメタにやられてしまって長年復仇のために鍛え続けた末に、今回リベンジを果たした黒鉄王馬が、折角の見せ場だったのに結果として王馬くん関係ないところでなんか残念なことになってしまったのでした。まあ、王馬自身、エイブラハムの事は見切ってしまって正々堂々と戦うべき敬すべき敵にあらず、ともう見下しての勝利でしたしねえ。

まあこうなってしまうと米国そのものが戦力的にも頭の中身的にも底の浅い敵になってしまって、日本最大の危機なんて状況になっていたわりに、歯ごたえのない事になってしまったなあ、と。
物量の恐ろしさというのは、本来こんなものじゃないはずなんですけどね。
これだと、前回の大炎の方がよほど畏怖すべき脅威だった気がします。だからこそ、刀華会長の勝利が輝くのですけれど。
しかし、これが丸々前座だった、と思えば見た目派手なドンパチは花火としては十分だったのではないでしょうか。本当の黒幕、というにはすでに今回出まくってましたけれど、米国に縛られない彼個人の野望のもとに、ステラがついに古典的正統派さらわれヒロインになってしまったので、ラストは王道の王子様救出劇になるのでしょうか。なんか、状況的に寝取られそうという危険が備わっているあたりが、別の意味で切迫感を押し付けてきますけどw
まあ、このヒロインさま、ショタ化した恋人を風呂場に連れ込んで存分にショタを堪能してしまうド助平なヒロインさまなので、ちゃんと正統派さらわれヒロイン全うできるのか怪しいのですが。



天才王子の赤字国家再生術 7~そうだ、売国しよう~ ★★★★   



【天才王子の赤字国家再生術 7~そうだ、売国しよう~】 鳥羽 徹/ ファルまろ GA文庫

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ディメトリオ皇子とその家臣達は、会議の場で困惑していた。
(どうしてこいつがいるのだろう)
会議に参加しているナトラ王国王太子ウェインも思っていた。
(どうして俺がここにいるんだろう)
三皇子のいがみ合いで長らく膠着状態が続いてきた帝国の後継者争い。だが、長兄ディメトリオが戴冠式を強行するため兵を挙げたことで、状況は大きく動き始める。
ロウェルミナ皇女から協力要請を受けたウェインは帝国に向かうが、なぜか一番勝ち目が無さそうなディメトリオ派閥に参加する羽目に!?
「だが、最後に笑うのはこの俺だ」
謀略と戦乱が渦巻く第七巻!

ロワとウェインが仲良すぎて、ほんとなんだコイツらw
ウェインに協力要請しておいて帝国に招き入れておきながら、速攻で自分の所に着く前にとっとと陥れるとか、ロワさんウェインの事好き過ぎるでしょう。
相変わらずなんでだー! と頭を抱えながらロワが何かしてくるのに備えてちゃんとカウンター仕込んでるウェインもウェインなんだけど。君ら、相手が絶対仕掛けてくると信頼した上で嬉々として謀(はかりごと)を投げつけ合ってまあ、なんというか海辺で水を掛けあってキャッキャとはしゃいでいるカップルか!
ロワもウェインも相手への悪意とか黒い感情とか皆無なんですよねー。これだけ後ろ暗い気持ちも悪意も善意も皆無で、めっちゃ楽しそうに相手を陥れようとするの、もう仲良しか!てなもんである。
だって、本当に楽しそうなんだもの。ウェインって誰彼相手問わず四六時中謀略を張り巡らせてるタイプのヤベー人間ですけれど、別に謀略そのものを楽しむ質でも相手を陥れる事に喜びを感じるような性癖の持ち主ではありません。でも、ロワ相手のときはやたら楽しそうなんですよね。
勿論、本気ではあるのですけれど二人してどこか通じ合っている。お互いに盤面を挟んで向き合って駒を指しあう盤上遊戯に興じているかのような、思いっきり遊んでいるかのような。
二人して相手を崖っぷちに追いやって蹴落とそうとドタバタ走り回った挙げ句、二人してやべー事になったら途端にこれまで相手を蹴り落とそうとしていたのをなかったかのように、息ピッタリ以心伝心で見事な連携での共闘を見せた、と思ったら危地を抜けた途端に事前に仕掛けていた相手を出し抜く謀略を発動させて「ざまぁ!」とドヤ顔する始末。
お互い、ドヤ顔して相手に「ぐぬぬ」と悔しがらせるためにやってんじゃないか、というどこか子供っぽい稚気があるんですよね。なので謀略にありがちな陰湿さが殆ど感じられない。だからこそ、遊んでいるように見えるし、君たち仲良すぎ! となってしまう。
まあ、三人の皇子はいい面の皮である。ウェインもロワも自分自身も駒として盤上にあがってはいるのだけれど、実際の所三人の皇子はロワとウェインの対局の駒としてイイように好き勝手に振り回され利用され、結局二人の蹴り落としあいの煽りを食ってこの三人の皇子が崖下に転がり落ちていったわけですから。
とはいえ、変な遺恨は残さないのがウェインらしくて、あれだけ散々利用したとも言える第一皇子のディメトリオに恨まれる事なく、むしろ彼を捕らえていた柵、或いは呪いのようなものを解くきっかけを与えてるんですよね。駒として利用しながら、不思議とウェイン王子って相手のことちゃんと人として相対している所があるのが面白い。
しかしロワはあれですねー、詰めが甘い。言葉としては変なんだけど、勝負に勝って勝負に負けた、みたいな。目的は達したはずなのだけれど、ディメトリオの最後の一指しのお陰で目も当てられない負債を抱えさせられた上での目標達成で、むしろロワさん涙目みたいな。
結局、ウェインにも毟られること決定で、帝国の後継者レースという観点では見事に皇子三人を出し抜いて勝負に勝った! はずなのに、ディメトリオには最後に出し抜かれ、ウェインには美味しいところ持ってかれる事になり、勝負に勝って「ぐぬぬ」なロウェウミナ皇女、なんかもうロワだなー、という愛嬌があってこの娘ほんと好きです。
まあウェインが毟り取った功績、ちゃっかりフラーニャが立てた功績に仕立ててるあたり、ただでは転ばぬ皇女様である。

そして、ウェインとロワがバチバチと張り合って遊んでいる一方で、ナトラ王国の妹姫フラーニャがウェインの言う通りに動くだけではなく、自分で考え独自に動き出してるんですよね。マスコットではなくちゃんとした王族として兄を助けたいという想いからであると同時に、兄に縛られない独自の派閥を持とうとしはじめている所に、この妹姫さまの急激な成長を感じさせられる。
フラーニャに関してはウェインとは別のアプローチから「フラム人」問題に関わってきそうな気配もあるんですよね。彼女が聞いた、かつて西側にあったとされるフラム人の国、そしていつか現れるとされるフラム人に百年の繁栄をもたらすとされる赤い髪のフラム人の英雄の伝説。今後物語のなかでフラーニャがどんな役割を帯びていくのか、興味深いところです。

次回、舞台は再び西側へ。何だかんだと友情と親愛と信頼あるロワとは異なる、人面の妖怪どもの巣窟である選聖侯らが一同に集う選聖会議に参加することになったウェイン。さあ荒れも荒れたり激動波乱の幕開けだ。



俺の女友達が最高に可愛い。2 ★★★★   



【俺の女友達が最高に可愛い。2】 あわむら赤光/mmu GA文庫

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バイト先の女友達も最高に可愛い!?
「お前、俺のこと好きだったの!?」
中村カイ、16歳。人生で初めて女の子から告白され、しかも相手は美少女――仲良くしていたバイトの後輩、アニメ大好き布袋琴吹さん!
青天の霹靂とも言えるこの事態にカイの頭は大混乱。琴吹は嫌いではないが「友達として好き」と「異性として好き」の境目はどこにある!?
一方、琴吹は果敢な猛アタックで、
「でしたら、まずはお試しデートで」
と、絶妙な提案を持ちかける。豆腐メンタルなはずの後輩の、懸命かつ健気なアピールをカイも無下にはできず、お試し交際してみることに。
そして始まる、人生初ガチデート。でもその場をジュンに見つかり――
ピュアフレンドラブコメ第2弾!!
おぅおぅおぅ、くっそ可愛いなあこの後輩ちゃん!
まずこの表紙絵が最高じゃないですか? これほど表情豊かでキャラクターが伝わってくる日常のワンシーンを切り取ったような表紙絵はなかなか見ないですよ。
お試しデートってラノベのラブコメではなかなか実行まで漕ぎ着けられないコンテンツなんだけれど、あっさり何の障害もなくデートまでたどり着けた上でちゃんとデートとして二人で一日中存分に楽しめた、という所に中村灰という少年のラブコメ主人公としての類を見ないポテンシャルを感じるのだ。
この子、一般的なラブコメ主人公と戦っているステージの種類が違う感じなんだよなあ。ラブコメ的環境や人間関係に対しての当事者意識というか視点が一般的なそれとどっか違うんですよね。自分の中のロジックというか。恋愛が面倒くさいという考え方自体は珍しくないと思うのだけれど、それを女の子と接する事が面倒くさいとイコールになっていない、或いは同世代の女性に対しての接し方が熟れていて意識の壁を持っていないというか。
よっぽどジュンに女の子との接し方を鍛えられたのか。いや、そもそもジュンとこういう関係になれた時点で女性への接し方が違うんですよね。決して相手を女として見ていないわけじゃなく、ちゃんと異性として認識している所なんぞも顕著だし、凄く尊重もしているし。馴れ馴れしいわけじゃないんだよなあ。
それは藤原怜奈との関係でも見られるところで、彼が女性と「友達」を出来る資質なのだろう。
でもこういう男の子って、女性の側からしても負担が少ないと言うか楽なんですよね。いや、楽どころか男に対して、というか他人に対して接するのに問題を抱えていたり色々と気を回したりしてエネルギーを使ってるタイプとか逆に圧を与えたりするタイプの女の子からすると、中村灰って子はちょっと特別感があるのかもしれない。
中でも布袋琴吹という娘にとってこのバイト先輩は、自分のクソザコメンタルに基づく結構面倒くさい言動を十全理解してくれた上でパーフェクトに対応してくれて、無理することなく自分の趣味とも相性良く、つまり何の負担も感じずひたすら楽しく一緒に過ごせる異性って、人生において一度出会えるか否か、というとんでもねー神物件に見えると思うんですよね。楽どころか、面倒くさい自分をあるがままありのまま見えてもニコニコと楽しそうに受け止めてくれる。そりゃあ、好きになるよねえ。
多分、琴吹という娘もカイとそんなに変わらないレベルで、恋愛とか面倒くさいと思うタイプだと思うんですよね。でも、そんな面倒くさい諸々が全く気にならなくなるのが、異性を好きになるという事。恋愛感情なのでしょう。面倒くさいことが、楽しくすらなるのが恋なのでしょう、夢中になるって事なのでしょう。
しかし、それはどうしたって琴吹からの一方通行に過ぎなかった。
多分、カイにとっての女友達が琴吹だけだったら、彼女と過ごす楽しさは恋愛を面倒に感じる思いを内包していても手放せないものだったでしょう。面倒を踏まえても恋人になる事に否はなかったんじゃないでしょうか。
でも、カイにはもうジュンが居た。ジュンと過ごす時間こそ彼にとって一番であり、何よりも優先される事だった。彼の人生にはもうジュンという存在が欠かせないものになってしまっていたのだ。
それを、布袋琴吹は知ってしまった。自分が彼と恋人となることを望んでも、カイは必ずジュンと友達として一緒にいる時間の方を選ぶだろうという事も、それが選べないのならジュンと一緒に居られなくなるのなら、自分と恋人になる事自体を断ってくるだろう事も。
琴吹はわかってしまうくらいには、このバイト先輩が自分を理解してくれるのと同じくらい、彼の事を理解していたが故の、懊悩の始まりであった。
懊悩の末に、琴吹はカイにジュンと過ごす時間よりも自分を選ぶメリットを、恋人になる事で得られるものの魅力を提示することで、体当たりの自己PRで訴えてくるのだけれど、それは相手にも自分にも1か0かを強いる強硬策だったんですね。否応のない選択の強制は、全部を得るか全部を失うかのハイリスクハイリターンで。同時に今のカイに対しては無謀の特攻でしかなかったのである。
それだけ、琴吹も切羽詰まってたんですね。クソザコメンタルからさらに余裕が失われてはそりゃあ玉砕必至をいい考えと、必殺の攻撃と思ってしまうかー。
カイはよく致命的になる前にインターセプトできたものである。いや、本来なら琴吹のそれは一線を越えたと言える段階だっただけに、カイは琴吹が自分から外そうとしたハシゴを捕まえて下ろしてあげたとも言えるんですよね。バッサリと切り落とすことも何も考えずに流される事もせずに収められたあたりは、やはりこの男ちょっとモノが違う部分があると思います。
それでも、クソザコメンタルにとって自分の暴走を気付かされるというのはダメージが大きいのは事実。なけなしの勇気を特攻に費やしてしまって、この気まずい状況をもう一度自分からなんとかする気力が琴吹にあるはずがなく、まあ動けなくなっちゃいますよね。
それに対して、速攻で連絡取ろうと自分から動いてるカイはほんとこいつ偉いです。でも、どれだけ連絡取ろうとしても全然反応なくてめげてしまうのも当然ちゃ当然なんですよね。
そこで諦めてしまうのか。このまま気まずいまま自然消滅してしまうのか。所詮はバイト先で一緒なだけの学校も違う年齢も違う者同士。そのバイト先でも指導役だった前までと違ってシフトもだいぶ重ならなくなっている現状、そのままズルズルと現状を続けていけば、お互い二度と前みたいな気安い関係には戻れなかったでしょう。
それでいいのか。それでなくなってしまってもいいのか。布袋琴吹と過ごす時間は、無くしたくないと思えるだけの楽しい時間だったのか、琴吹はなくしたくない大切な友達だったのか。
それをわからせ思い出させてくれるのが、背中を押してくれるのが、ここぞとばかりのジュンの親友ムーブなんですよねえ。
ただ一緒に居て楽しいだけじゃない、以心伝心ってのは遊びだけじゃなくほんとに真剣で必死な状況で心を重ねてくれること。その意味でも御屋川ジュンという少女は中村カイにとっての唯一無二なのだろう。
友情も恋も、タイミング次第で簡単に失われてしまうものでもある。ちょっとしたすれ違いで遠ざかってしまうものでもある。それを自分から離さないように

そうしてカイと琴吹は気まずい関係を解消でき、元の位置まで戻った上でコスプレという趣味を通じてより親密に打ち解けた友達として仕切り直し、また琴吹はジュンと本気で遊ぶことで友達として縛られずに楽しく過ごすのが今の自分にもぴったり合うものだと認めて、ジュンと遊ぶのはカイと一緒に過ごすのと同じくらい楽しいと受け入れることになる。

そこから、布袋琴吹という娘が本当は何を考えて動いてたかは描かれていない。ただ行動だけが描かれる。友達として、カイと再スタートした琴吹。でも、彼女の本心はどこにあるのだろう。
きっと、好きという気持ちはなくなっていないだろう。あの感情はなくなるものではない。封じ込められるものでもない。ならば戦略転換か? 強攻が文字通り自爆特攻になりかけたのを反省し、友達という立場からの浸透戦術で徐々に自分の存在をカイに刻み込んでいく方針に転換したのだろうか。
友達として、まずカイにとってのジュンを上回る。それは、カイとジュンの様子を見て自分もあんなふうに先輩となりたい、とベッドの中で悶え転がった琴吹の様子を思い返せば、決してなくはないと思うんですよね。
でも、恋人はまだ無理で友達のままがより楽しいというのも嘘じゃなく、本心でもあると思うんですよね。今の自分では、カイの恋人にはなれない。なれるところまで、彼の心の居場所にたどり着いていない。
でも、琴吹が現状の友達関係を維持していくだけのつもりじゃないのは、ラストシーンからも伺える。友達という枠組みのまま、実際のカイと自分の友達関係の内実をどんどんと更新していくつもりなんじゃないだろうか。先へ先へと進んでいくつもりではなかろうか。
閾値を超えるのを虎視眈々と待つ、という風に。
でも、ジュンとカイの関係はその閾値を最初からぶっ千切ってる関係でもあるんですよね。既にもう、望めばどこまでもいけるだけの到達してしまった関係の深度でもある。だから、二人は現状維持で満足していて、友達という関係に対する固定観念やジュン兄の王子先生がマメに設置する制止ラインの範疇で収まっているとも言える。時々、無意識に友達関係というレベルを振り切った行為をナチュラルにしてしまっているけれど、友達という関係の標準点は早々変わらなかったと思う。
でもむしろ、琴吹がぐいぐいと友達のまま友達ならこれも普通、という行為を先に進めていってしまうなら、この友達の標準が変わっていく。ジュンとの関係もじゃあ友達なんだからこれくらいしてもいいよね、という具合に心理ハードルがなくなっていく可能性は否めない。
既に膝枕とか恋人もかくやという行為を平然としてる二人に琴吹が負けずに追いすがった場合、ジュンとのそれがほんとなんでもありになりそうじゃないですか。
琴吹との友達関係強化は呼び水、或いは火に注ぐ油、既に通常と全く異なるレベルの違う友達関係がこれも自分たちのような友達同士ならありというバイアスになるんじゃないか。
ジュンとカイの友達関係の、さらなる起爆剤として刺激とか対抗意識によるエスカレートではなく、友達同士ならこれくらい当たり前という意識の基準範囲の通常からの逸脱、つまり二人にとっての自然がもっともっと深い所に行ってしまうのを期待してしまうのだ。
まあそうなると、琴吹ちゃんも同様にとんでもない深みに一緒にハマっていく事になるので、ほんとこれどうするんだ、という人間関係になってしまい兼ねない期待なのだけれど。
いやしかしこれほんとに、着地点どのあたりに見据えてるんでしょうね。はたして、友達を最後まで貫いて友達関係の新たな地平を切り開くのか、それとも恋愛は面倒という意識をぶち破るくらいの好きを芽生えさせて、やっぱり友達ではいられなかったというランディングにするのか。
いずれにしても、この子たちが本当に心から望んで喜べる結末が見れたらなあ、と思います。個人的には行き着く所まで逝ってしまったアブノーマルなまでの友達関係の成れの果てを見てみたいという歪んだ願望ガガガw




邪神官に、ちょろい天使が堕とされる日々 ★★★☆   



【邪神官に、ちょろい天使が堕とされる日々】 千羽十訊/えいひ GA文庫

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かつて神々の覇権戦争があった。
その戦いで破れ、神格奴隷となった天使、チェルシー。
その主となったのはヤルダバオト教団の不良神官ギィだった。
ギィは本来は隷従させるべき神格奴隷、チェルシーを綺麗に着飾らせ、一緒に食事を楽しみ、寝床を供にし、旅をする。
「――構え! 慰めろ、そして、甘やかせ、主さま!」

そんななか、教団の《英雄》アウグストの仕事を手伝うことになったギィとチェルシー。
その討伐対象のイフリートたちの潜むラグナロク古戦場には神の陰謀と、裏切りが待っていた――。
不良神官と彼に甘やかされる天使が紡ぐファンタジー開幕!
チェルシーが好きすぎてだだ甘やかす邪神官に、ギィが好きすぎて甘えまくる堕天使というイチャイチャカップル。
いやこれ、ちょろいのって天使の方じゃなくてギィの方じゃね? チェルシーに骨抜きにされてるのって主さまの方じゃね?
ギィが歩んできた来歴を見ると、その絶望から人の道を外れかかった彼を別の意味で堕としたのってチェルシーだったわけですし、おそらく再会したあと夢中になってたのもギィの方なんじゃないのかな、これ。
チェルシーの方が再起動してからどんな風に堕とされたのかについては具体的には描かれていないので想像する他ないのだけれど、どうも最初からだだ甘やかしたんじゃないだろうか、これ。今でもそうだけど、求められたら基本チェルシーに対してはなんでもしてあげそうな青信号な雰囲気ありますし。
今のチェルシーが結構生意気な口聞いて偉そうな素振りを見せるのもその名残というか、ツンデレのツン期が通り過ぎて今デレ期の真っ最中みたいな風に見えるのも、そういう事なんじゃないだろうか。
そう考えるとタイトルの「堕とされる日々」も、日々甘やかされて堕落していく(現在進行系)と見ればなるほどなあ、と。もう甘やかされすぎて、ギィ中毒みたいになってるのも宜なるかな。
でもちょっと生意気な態度取りながら、甘えまくるの堂々と周りにも隠さないでベタベタしてくるのって、なかなか最高じゃないですか? 
でも、だからこそ彼女がこうなる馴れ初めは見たかったかなあ、と。結構日常シーンで甘え甘やかし、のシーンはたくさんあるし戦闘シーンなどでもお互いが何よりも大切で信頼しあっている、というシーンも多いのだけれど、ズキューンと思わずのたうち回ってしまうようなクリティカルなシーンがあんまりなかったんですよね。既に完成してしまっている二人の関係であるが故に、深く踏み込んでこの二人の関係について掘り下げていく場面が実は少なかった、ような気がします。
ギィの最終の切り札とチェルシーの能力との呼応、彼と彼女の過去が繋がっていたとされる展開についても、それぞれ過去に重要な意味を見出している描写はあったのだけれど、それを盛り上がりに繋げられていたかというと、ちょっとかみ合わせが乏しくて伝導率が低かったような感じがして、ちょっと勿体なかったかなあ。
個人の掘り下げとしては、途中で合流した神格、魔王なるアストリッドの方が彼女の願いがシンプルだった分、幼女ミリアムとの交流やギィたちとの信頼構築を通じて、彼女の得る喜びやギィたちと一緒に戦う目的意識がはっきりしていく過程が一連なりで描かれていたので、アストリッドが一番描けていたんじゃないかなあ、と。
しかし、アストリット見た目魔女っ子なのに思いっきり伝承的正統派魔王なのね。ってか、あの帽子地道に自分で働いて購入した、というあたりにそれでいいのか神様、という微苦笑が浮かんでしまった。
でも、それこそが神々の戦争が終わったあとの零落した神たちがより人間の側に近づいた、という証拠にもなっているのか。アストリッドはその他にも魔王になってから人間の剣術を学んだとも言うし、かつて神であった頃よりもよほど人に近づき人を理解し、人に寄り添ってるんですよね。
これは他の神格たちも同様で、かのイフリート然り、かつて神の人形で感情など持たなかった天使のチェルシーもまた、堕ちてしまったことで、或いはギィのものになったことで感情を得て人の心を得てしまっている。

かつてあった神々の覇権戦争において、敗残した神たち。その多くは消滅し、残った者たちも穢され神としての階位を奪われ、零落しもはや魔なるものに貶められてしまった。
他の神々を排して人間の神に君臨したのはヤオダバオトなる神。それが人を支配し、君臨している。
面白いことに、この聞いたこともないヤオダバオトという神以外は、全部地球の既知の神様たちなんですよね。チェルシーやアストリッドもまたその真名は聞いたことのある神の名であり天使の名前なんですよね。
それどころか、神々の大戦では他の神話全部を敵に回す事がよくある唯一神……父なる神もまた本作では既存の神の側に立って……敗れてたりするわけで。これ、ガチでオールスター神様連合VSヤオダバオトだったっぽいんだよなあ。そもそも、これ異世界じゃなくて舞台、地球がベースの世界という可能性も無視できないんですよね。普通の一般人の間で戦乙女ブリュンヒルデの炎の館の逸話なんかが話として通じてたりするし。
そんな中で、ヤオダバオトだけが異質というか異物なのである。おまけに、話を聞く限りどう見ても邪神の類だし。人間種族にとってもどう考えても良い影響を与えるモノではないし。
世界観そのものにも興味惹かれるなあ、これ。
今回の敵が、本来人としての心を持ちながら、ヤオダバオトに繋がることで人としてハズれてしまった相手だった一方で、かつて神や天使といった人と立つ世界を異にしていた神格たちが、戦争に敗北し零落したことでむしろ心の有り様から人に近づき、人に寄り添い、より人らしく人を愛する存在になってるんですね。それは、果たしてどんな意味を持つ対比であるのか。
神々同士の戦争から、唯一残った神からヒトとヒトに寄り添ったかつての神々の手によって人の世界を取り戻す戦いへ。うまく「乗せ」られたらスケールもデカいダイナミックな物語になりそうで、その意味でもワクワクしてきますね。
個人的には、アストリッドがミリアムに送った言祝ぎが。それも最初は難しい言い回しだったのが幼いミリアムにわかんない、と言われてうんうん唸って考えて言い直した言葉の、そのシンプルに優しさと愛情が注がれたセリフがほんと好きでした。あれ、一発でアストリッドというキャラクターが持つ魅力を凝縮した感があります。この巻の中ではこのちびっこおねーちゃんが一番好きになりましたよ、うん。


追記:ヤルダバオトって調べてみたら、グノーシス主義における偽神の名前なんですね。グノーシス神話を鑑みての、狂った神としての登用なのか、なるほど。

千羽十訊・作品感想

竜と祭礼 2.伝承する魔女 ★★★☆   



【竜と祭礼 2.伝承する魔女】 筑紫一明/Enji GA文庫

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王都の護りの要「杖壁」が何者かに解かれた。魔法杖職人見習いであるイクスは、姉弟子のラユマタに半ば押し付けられるかたちでその犯人の調査に臨むことになる。

調査の協力者は、竜の杖を持つユーイと同級生のノバ。わずかな手がかりをもとに調査を進めていくうちに、3人はとある村にたどりつく。
その村で自らの出生を知るイクス。「善い」杖を携え、生き方に迷うユーイ。そして、村外れの森に住むという不死の魔女。各者の思惑が交錯するなか、村の収穫祭で明かされる真実とは……。

竜が消えても、物語は続く。竜の魔法が残されたこの世界で――。杖職人たちの物語、待望の第2弾。

イクスはまだ、杖を作れないでいる。いや、作ろうとしないのか。
先の話でイクスの魔力無しという出自は決して杖職人としての致命的な欠陥ではなく、むしろ才能なのだと師が遺した言葉を聞いた彼だが、それで自身の呪縛が解けたわけではなかったのだろう。
生まれてこの方、物心付く頃には杖職人の見習いとして働いていた彼にとって、生来の魔力無しという体質は人生の憂いであったろう。ずっと思い煩ってきた欠落であり、どうしてこのような体質で生まれてきたのか、ずっと疑問を抱いて生きてきたはずだ。それは、自分がどこでどのようにして生まれ、師の下に預けられる事になったのかという出生の疑問にまで遡るモヤモヤだったのではないだろうか。
それは才能だ、などと言われてはいそうですかと喜べるほど、彼も素直ではないだろう。
納得が、すぐに行くわけではない。踏ん切りがつかない、というだけでも立ち止まってしまった今を動かせずに居る理由としては無視できないものだろう。

思えば、なるほど。姉弟子ラユマタはそれこそ本当に全てを承知していたのかもしれない。前作でも亡くなった師はすべてを見通して準備を施していたようだったが、あの師をしてこの弟子あり、ということか。そもそも、久々に顔を合わせて最初の一言が、杖を作っていないらしいな、という確認であり、別れ際の言葉が最初に作った杖を憶えているか、という問いかけだ。
この弟弟子への依頼の真の目的がなんだったのか、透けて見えるかのようではないか。
もっとも、それに気付かされるのはすべてが通り過ぎた後なのだけれど。

これは、イクスのルーツを辿る旅だ。不死の魔女を探し、その伝承を解き明かすフィールドワークが魔女の噂を辿るうちに、訪ね歩き書を調べて回る中でイクス当人との関わりが垣間見えてくる。それは彼の出生に、そして杖職人としての最初の仕事に、つまり彼の在り方のルーツへと遡っていく旅でもあったのだ。
語られる魔女の不死とは、いったい何なのか。人を食う魔女という噂は本当なのか。彼らは幾つかのツテを周り、魔女に関わりがあると思しき人を訪ね、そして噂の魔女が暮らすという深き森に隣接する村へと直接赴くことになる。そこでは、各地で同時期に行われる収穫祭「肉囲」がはじまろうとしている。他所の土地と違うのは、その村の祭りには魔女が現れ人を拐って喰っていく、という話があること。それは昔話ではあっても、決して届かない遠い過去のお伽噺などではなく、村の少なくない人が実際に魔女を目撃していて、かつて赤子が本当に攫われて、そして今もなお森の中で魔女に会って親しく言葉をかわした事がある者が住んでいる、ということ。
そこにあるのは、かつての竜のような消えゆく伝説などではなく、今も渦巻く噂と事実の不確定の混在だった。
錯綜する話の中から、土に埋もれた遺跡を刷毛で丁寧に払うように真実を掘り起こしていくイクスたち。そうして現れてくる真実の姿の中には、どうしてかイクスの過去の断片もが埋もれていて、自然と彼は自分自身のルーツを辿っていく事になる。
彼は、自分の根源を知ることによって納得を得られたのだろうか。少なくとも、はじまりの一歩を進み出すことなく途切れてしまった最初の杖の制作を、彼はようやく終わらせることが出来た。
区切りは、つけられたのだろう。

そう、これは区切りをつけるというお話でもあったのか。ユーイは自分が為すべき道を見出し、ギデンズは長年忸怩たる思いで引きずりつづけた自分の想いに否応なくケリを付け、カミラは自分が犯した罪に区切りをつけた。図書館長のマリも、あの告白によってあの日背を向けたままだった自分に区切りをつけたのだろう。魔女もまた、自身に区切りをつけもう一度愛娘に会いに行く事になった。
区切りをつけて、新しくをはじめる。それは輝かしい未来が待っている、というばかりの事ではない。終わりを受け入れるということでもあるし、その歩む先に苦難や諦めが待っているとわかっている事すらもある。
それでも人は、自らに区切りをつける。今までの自分と、その次の自分を分け隔てて、ようやくその次へと進み出すことが出来る、そんな生き物なのだろう。そうした区切りを越えてなお、伝承されるものがある。伝えたい思いがあり、届かせたい気持ちがある。
イクスには、それが伝わっただろうか。イクスは、ユーイに伝えられただろうか。さて、どういう意味だったのか。
雄弁ではない物語の中で、そんな疑問に思いを巡らせる。それもまた、得難い余韻なのだろう。

とりあえず、ノバが腹ペコキャラだというのは、伝わった。伝わったぞ?


家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね? ★★★★   



【家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね?】 高木幸一/YuzuKi GA文庫

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「そこ、部屋を裸とか下着で歩かないっ!先輩を誘惑しないでっ!」

天涯孤独となった高校生、黒川真は、なぜか4姉妹と住むことに――。
小説家の長女、「きみは生理的にOK」と、クールな高校生の次女、元気いっぱいで、真になついてくる小学生の四女、そして――。

「あ、あのっ!あ、あたし……、黒川先輩のことが……好きです」
「君にはふさわしくないよ。俺は」

中学の卒業式に告白をお断りした後輩が三女だった!?
真面目で堅物な後輩、姫芽は同居に対してツンツン。真の方も一緒に住むことに気まずさを感じる(ですよねー)。

誘惑の多い同居生活と過去の恋。甘く、もどかしい青春ラブコメ開幕!

「家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね?」というタイトルは、その語り口からも軽いタイトルのように見える。起こり得るだろう問題をとりあえず見なかったふりをして、なんとなく勢いで上手くいくような。楽しさ優先で、深刻さとは無縁なように。
でも実際は、そんなドタバタホームコメディとは大いに様相を異にしている。
このタイトルは、この言葉はさながら胸の奥から絞り出すようにして吐き出された希求の願いだ。家族を欲する、祈りのような言葉だったのだ。

両親を早くに喪い、引き取られた祖父とも折り合い悪く突き放されるように必要最低限の接触しかなく、その祖父も高校入学と同時に急死してしまい、親戚たちも引き取り手なくたらい回しにされて、生活も住む所も見通しが立たず途方に暮れていた彼を引き取ったのが、遠縁に当たる草原家の宙子さんであり、彼女と共に暮らす四人の姉妹たちでした。
彼女達もまた、両親を喪って宙子が親代わりに身を寄せ合って暮らしてきた人たち。そんな中に突然放り込まれた真。挙げ句、三女の姫芽は中学時代の部活の後輩で、卒業式の時に告白されて振ってしまったばかり。ああ気まずい、居た堪れない。
それでも、彼女達は真を受け入れてくれる。それは同情や優しさで無理を押して受け入れてくれたのとは少し違っていた。彼女達は本当はそんな無分別な優しさとは無縁の、姉妹達だけで生きてきた者たちらしいリアリストだ。彼女達は自分たち家族のことを、凄く真剣に見つめながら考えて生きている。必死というほど切羽詰まっていないけれど、両親という保護者がいない環境で彼女達が寄り添って生きていく、という事は決して安易に過ごしていては成立しないものなのだ。
それでなお、彼女達は真を受け入れた。同情や優しさで受け入れるほど彼女たちには余裕はない。打算や家事担当として仕方なく、というほど姉妹だけで暮らしてきた環境に異物を取り入れるほど切羽詰まっても居ない。

それでも、個人的に真に対して複雑な感情がある姫芽以外が、連れてきた宙子以外の美星と波月が彼を受け入れたのは、熱に浮かされた真の口から溢れた魂からの言葉が、届いてしまったからだろう。
両親を喪い、姉妹が居るとしても家族を亡くした虚を間違いなく抱えているこの姉妹たちの心を揺さぶる傷を、目の当たりにしてしまうだけの痛みが、あの時の真の言葉には刻まれていた。

あれは、自分にとっても衝撃だった。胸を打つ一言だった。彼の抱えていた孤独を思い知らされる願いだった。どれほど、黒川真という少年が深い深い孤独の底で生きてきたのかを痛切に伝えてくれるシーンだった。
あれで、この作品の方向性を刻まれた気がした。

彼はボッチではない。少ないながら心許した友達が居て、部活でもよく活動していて、学校生活は無難に過ごしている。でも、ボッチではない事は孤独ではない、とはまた違うのだろう。
彼には家族が居ない。居たことがない。物心がまともにつく前に両親は亡くなり、駆け落ち同然に結婚した二人は親族からは縁を切られていて、彼を引き取った祖父もまた親族からは浮いた存在だった。その祖父は、真に愛情を注いだ様子はない。本当は大切に思っていた、なんて裏もなさそうだ。幼い孫に祖父が吐き捨てた言葉は、今なお真を蝕む傷跡となって彼の孤独感を奈落に突き落としているかのようだ。彼の人生に、今まで家族という存在は居なかった。でも、彼に家族は必要なかった、なんて事は絶対にないのだ。
だから、彼が家族を欲することを誰が否定できようか。祖父の言葉に呪われて、どれほど自分から背を向けようとも、あの時高熱に朦朧としていたからこそ、魂の底からの願いがこぼれ出たのだと思えば、それは祈りに近い希求であったのだ。

そんな彼だからこそ、彼女達は受け入れた。多分、そんな彼だからこそ相応しかったのだ。欠損を埋め合うのに、足りないものを満たすために。必要であったから。
でもそれは傷を舐め合うようなそれとも違うんですよね。家族を増やすのは、そんな後ろ向きの行為とは違う。もっと前向きで、より豊潤に生活を潤すもののはず。
それを一番に率先してやっていたのは、末っ子の小学生の美星で。あの美星とのデート回。あれは正直凄かった。あれ、真に死んだパパの面影を重ねているようで、全然違うんですよね。きっちりパパと真の事は分けて捉えていて、でも真の存在に新しい家族を迎えた喜びを覚えている。いや、この娘が姉妹の中では一番包容力があるかもしれない。積極的に、どこかまだ途方に暮れていた真を家族として引っ張って迎え入れてくれたように思う。元々波月曰く、美星は天才肌だと言うけれど、そういうの抜きにしてもこの娘大人になったらとんでもないイイ女になるんじゃないだろうか。既に小学生の段階でその傾向が出まくってるんですが。
そして波月とのデート。ここで彼女が語ってくれるのは、現在の姉妹達のこと。プロフィールもなんだけれど、もっと踏み込んだ姉妹ならでわの視点、いや普通の姉妹ではなかなか踏み込まない所まで、姉妹だけで生きてきたからこそより深く見つめてきた姉妹たちの姿、本質を訥々と流れの中で語ってくれる。家族になるからこそ、教えてくれる領域とでも言うべきか。
でもやっぱり、他の姉妹のことは語れても自分自身の事はなかなか語れるものじゃない。自分のことは自分ではわからないし、納得できないものもある。でも、そんな自分では見えない自分の姿を、姉妹の話を聞きながら真は外からの視点で、いや家族からの視点で波月の問いに答える形で応えるんですね。彼を受け入れながらもちょっとボーダーを引いていた波月が、そのボーダーを大股で跨ぎ越えてグイッと真の事を正面から見据えたのはこの時だったんじゃないでしょうか。
そして、部活でも親しい後輩だった姫芽。多分、友人たちを除けば一番身近で心を開いていたのが彼女だったのでしょう。だからこそ、大いに拗れてしまっていたとも言えるのでしょうが。
近いからこそ、すれ違ってしまった時にお互い直視できなくなってしまう。彼女にあったのが、憧れであり好意であり恋情であったのも、余計に新しい家族になるんだと現れた真に冷静で居られなかったのでしょう。
お風呂場の一件で、姫芽の中に根付く恐れを払ってくれたのは果たして家族としての真の存在だったのか、想う異性としての彼だったのか。身内として受け入れることが出来ても、振られた時の誤解が余計に彼女を苛んでいく。その誤解の元が、振られた原因が真の孤独の起因となる祖父の呪いだなんて知らないから尚更に。
結局、彼の呪いを祓うのは彼に本当の家族を与えてあげるのがまず必要で、姫芽としてはこれどうしたって迂回ルートなんだよなあ。いや、迂回しているようで自分のフィールドに引き込んでいるとも言えるし、真相を知った途端にためらわず突貫したあたり、この娘もこの娘でイケイケドンドンな長女や末っ子と同じ姉妹だなあ、と思ってしまった。真面目で堅物で頑固だけれど、少なくとも積極性に掛けては他の姉妹にも負けていないや。

エピローグで繰り広げられた大騒ぎは、お客さんではない本当の家族らしい遠慮なしのじゃれ合いで、欠けたるをピッタリと埋め込んだような満了の賑やかさ。そこで響く楽しそうな笑い声に寂しさを偲ばせる空虚さはもう見えない。
この四姉妹プラス1の在り方の肖像がこれからどう変わっていくかはわからないけれど、少なくとも彼らはもう本物の家族で、これからもそれは変わらないのだろう。
とてもあたたかく胸に沁み入る素敵なホームドラマでした。すごく、よかった。

高木幸一作品感想

友達の妹が俺にだけウザい 2 ★★★   



【友達の妹が俺にだけウザい 2】 三河ごーすと/トマリ GA文庫

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青春など人生の無駄。そう切り捨て効率的な日常を送りたい俺・大星明照は、無駄の塊のような陽キャ女、友達の妹・小日向彩羽にあの手この手でウザ絡みされる日常を送っていた。だがそんなウザくも平穏な日々は、俺の従姉妹にしてニセの彼女・月ノ森真白によって破られる。真白が起こした波紋に揺れる俺達。そこに、さらに新たな危機が訪れた。同盟の要・巻貝なまこ先生がまさかの大スランプ。しかも彩羽と真白の様子もおかしい。さらには何故か菫が〆切を守り始め…!?大反響で重版続々のいちゃウザ青春ラブコメ、大波乱の第2巻!

ウザくなくなったらなくなったでウザくないのがウザイって、どうあってもウザいのな! そんなにウザいの好きか!
いやもうこれ、見事にサークルクラッシュに向けて順調に破綻していってませんかね? 起こっているトラブルの大半が、サークル内の恋愛問題に端を発しているわけですし。ややこしいのは、その問題の要の一つである真白が、巻貝なまこだと誰も知らない所か。
でも、真白のスランプも彩羽のスランプも明照への恋愛感情が募った結果として今までの調子が変調してしまったわけですから、人間関係が元のトラブルって事になるんですよね。
肝心の明照は、一応ちゃんとプライベートは線引して【五階同盟】のプロデュースを優先しようとしているのは悪いことじゃない、どころか【五階同盟】のリーダーとしてちゃんとしているとは思うんですけどね。なまこ先生のスランプなんか、正体知らなかったら原因もわからんだろうしどうしようもないっちゃないのですから。
ただ、これだけプライベートが仕事に影響を及ぼしてしまうとなると、【五階同盟】のプロ化を目指している明照としてはちょっと大変なんじゃないか、と心配になってしまいます。幾ら有能敏腕プロデューサーとはいえ、明照もまだ高校生。自分が当事者である人間関係を彼が一手に調整できるかというとちょっと負担が大きすぎるんじゃないだろうか。メンバーのメンタルカウンセリングまで面倒見なきゃいけないとか。彩羽の兄の乙馬は頼りになると明照は思ってるみたいだけど、彼は彼で妹のこと明照に丸投げして任せっきり。ちと全体的に他人事というか当事者意識あまりなさそうなコメントが多い気がしますし、唯一の大人の菫はスケジュール管理から何から全部明照に頼りっきりどころか、余計な問題まで持ち込んでくるし。
いやこれ、一人に負担かけすぎじゃなかろうか。なまじ、それを大概こなしてしまう明照の万能性が原因なんだろうけど。
明照が、クリエイターたちが自分の力を十全振るえる環境を用意するために奔走しているのに対して、果たして当のクリエイターたちは果たしてどこまで明照の本気に対して、本気になれているだろうか。
彩羽は自分の不安定な気持ちにとりあえずとは言えケリをつけ、徹底して現状を維持する事に務めた上で、自分の正体を身内に明かして本気で演技に向き合う覚悟を見せたけど……。
いやでも、最後の演劇部の代役は、彩羽の分はともかくとして明照まではちょっとやりすぎだったんじゃないだろうか。これもう乗っ取りじゃないですか。彩羽の本音を真白が目の当たりにする、という意味では必要だとなったのかもしれませんけど、それまでの特訓とか意味なくなっちゃうし、これ演劇部の成果になるんだろうか。
翠まで出られなくするのは、ほんとにやりすぎだったように思う。

しかし、彩羽と乙馬の母親のポディションは予想外だった。これ、単に説得して終わり、じゃ済まないじゃないですか。そこまで子どもたちの進路を縛る権利は親には無いわけで、最悪家出てしまえばいいじゃない、という感覚だったのだけれど、これだと家と縁切って活動しようとしても徹底して潰され兼ねないわけで。いっそ、日本捨てて海外出てしまうだけのモノがあればいいんでしょうけど、さすがになあ……。


お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 2 ★★★   



【お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 2】 佐伯さん/ はねこと  GA文庫

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自堕落な一人暮らしの周と、“天使様"とあだ名される学校一の美少女・真昼。関わりのなかった二人だが、ふとしたきっかけから交流が始まり、食事をともにするようになっていった。
年越しを一緒に過ごし、初詣に赴き、バレンタインの煩わしさを受け流していく日々。不器用ながらも温かい周の態度、周の両親や友人との関わりのなかで、冷え切っていた真昼の心は少しずつ溶かされつつあった……。
「小説家になろう」で絶大な支持を集める、可愛らしい隣人との甘く焦れったい恋の物語、第2弾。

もはや完全に新婚夫婦である。二人一緒に家でくつろいでいる時の生活感がもう地に足が着いちゃってるんですよね。家に帰って相手が居るのが当たり前、みたいな。イチャイチャするのも浮ついて落ち着かないという所がなくて、一緒にいるのが当たり前で自然に寄り添ってみたいな穏やかに上昇していく熱量なのである。
年末年始も実家に帰らず、二人で水入らず。真昼がおせち作ってくれて、年越しそばも一緒に食べて、正月もまったりと二人で過ごして、と何処をどう見ても、どの場面を切り取っても完全に新婚夫婦なのである。
おまけに、三ヶ日の間に周の両親が遊びに来て、という展開も新婚夫婦の家に両親がお正月に様子見に来て一緒に過ごす、というシチュエーションですし。お嫁さんに着せるために着物持ってきて、新しく出来た娘を着せ替え人形にして喜ぶお義母さん、というシチュエーションですし。そのあと一緒に初詣、ってだからもう完全に「家族」のイベントなんですよねえ。

その「家族」という関係を一切与えてもらってこなかった真昼にとって、一緒にいてくれる周と自分を「娘」のように可愛がってくれる彼の両親とすごす時間というのは、本人にしかわからない感慨があったのではないでしょうか。それは彼女の傷を癒やしてくれるものであり、同時に自分が持たざるものだという事を思い知らされるという事でもある。改めて自分の親たちから、要らない存在として扱われた時に傷つく痛みは、本当の家族の温かさを知ってしまった今となっては本当にツラいものだったでしょう。
いい加減、周は中途半端な真似をしている場合じゃないと思うんですよね。
彼の駄目なところは、予防線を引きすぎる所なのでしょう。自分と真昼はそんな関係じゃない、と自分にも言い聞かせ、他人にも吹聴する。そうやって遠回しに今の関係を守ろうとしている。
今の関係が心地よくて離したくないから、今のママを維持したいというのならそれはそれでいいのです。それは一つの彼自身の決断であり選択なのですから、たとえ先延ばしだったとしても自分の意志で考えて決めているのなら。
でも、周って常に自分だけじゃなくて真昼の気持ちを言い訳にして予防線張ってるんですよね。真昼は自分との関係をそんな風に思っていない、とか異性として捉えていないとか、彼女がそう言ったわけでも態度で示したわけでもないのに、そう思ってくれてた方が都合が良いから真昼がどう考えているかを勝手に決めつけて、だから今のままでいいのだ、みたいな感じで現状維持にかまけている。そういう所、男らしくないと思ってしまうんですよね。その意味では、ダメ人間になってるとも言えるのかもしれません。
こんな新婚生活同然の日常を男と過ごしていて、そいつをただの信頼できる人と見ているだけで異性として意識してない、と捉える方がどうかしてるんじゃないでしょうか。彼女はもうはっきりと態度示してると言えるんじゃないの?
真昼の家庭環境を知った今となっては、彼女が何を欲しているのか、何を恐れているのか、彼にもよくわかっているでしょう。自分の気持ちも今更知らないふりできないでしょう。
いい加減、ちゃんとするべき頃合いなんじゃないでしょうかね。


城なし城主の英雄譚 2.彼女の愛が止まらない! ★★★☆  



【城なし城主の英雄譚 2.彼女の愛が止まらない!】 阿樹翔/八葉 GA文庫

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「レオンくんの希望、守りと仕掛けの対処が得意で……えっちな女の子だったわよね? 雇ってくれる?」

中型古城に挑み人員の不足を感じたレオンは、一人の傭兵少女を雇う。
彼女――アリスティアは、危うい言動と、露出度高めな真紅の衣装で誘惑を振りまく竜人の女の子。
しかしその実力は本物で、レオンとすぐに完璧な連携をとりはじめる。
心強い彼女の加入に、中型古城の攻略も目前と息巻くレオンだが――。

「アタシねぇ、彼女が欲しがってるモノを奪うの、大好きなのよ」

実はアリスティアは、とある少女への歪んだ執着から、レオンに接触してきており……!?
剣と魔法の英雄譚第二弾!
前回攻城戦で盛大に敵対したヴェルナーとも遺恨も全く無く、仲良くやれるのかー。前の巻では主人公のレオンの事を好人物と評したけれど、こうしてみると本作に出てくるキャラクターって男女問わず大方好人物なんですよねえ。性格も真っ当で人格的にも優れていて。
鬼人の桜子なんかは戦闘狂のきらいはありますけれど、基本的にちゃんと話は通じるしむしろ善人の傾向があるいい子なので、自分の性癖で迷惑かけた分には申し訳無さを隠さないくらいにはマトモなんですよね。
その意味では、実のところ今回のキープレイヤーであるアリスティアも、あれでマトモ、というのは変かもしれませんけれど非常に素直で自分の在り方にまっすぐ、とも言えるんですよね。
好きな人ほど虐めたい、苦しめたいと感じてしまう性癖の持ち主で、その在り方は歪んでいるとも言えるのですけれど、それは生来生まれ持った精神の在り方であって拗らせているわけじゃないのです。
オリヴィアが幼少の頃に彼女と仲良くなって、今も彼女を友達だと想っているというのも決してアリスティアに悪意があったわけじゃないというのが伝わっていたからなのかもしれません。アリスはアリスなりに思いっきり好意をむき出しにして、彼女なりの価値観でぶつけていたわけですからね。普通はそれに耐えられるものではないのだけれど、オリヴィアは素が図抜けていたからそれを全部そのまま好意として受け止められてしまったんだなあ、と。
しかし、その好意の攻撃がオリヴィアだけじゃなく周りの人たちにまで及ぶようになってしまっては、オリヴィアとしてもそのまま受け止められてはいられなくなってしまう。
終わってみれば、これはお互いをちゃんと友人と想いあっている二人が、これからも友だちでいるための妥協点をすり合わせるために必要な儀式だったのかもしれません。アリスティアも自分の在り方をこれっぽっちも悪いものだと考えてはいないのだけれど、それを絶対のものとして押し付けようとまでは思っていなかった時点で、悪い子じゃないんですよホントに。自分以外の人たちの真っ当な価値観を、理解も出来ないしまったくわからない伝わらないのだけれど、それが自分以外の人たちにとっては大切で譲れないものであることもわかっている。簡単に自分を引っ込めて自分の価値観を間違ったものなんて区分に貶めるつもりなんてサラサラないけれど、友達でいたいから尊重はするよ、というラインを見極めるためであり、理解できないオリヴィアたちの価値観を理解したいという気持ちの現れでもあったんでしょうね。オリヴィアたちが好きすぎて、アリスのやり方で突貫してしまった、というのもあるのでしょうけれど。それに、それほど期待もしていなかったかもしれない。一方的で終わる覚悟はしていたはず。それをオリヴィアは、今になってもちゃんと受け止めて、さらに自分を理解すらもしてくれようとしてくれた。理解する努力をすると言ってくれた。また友達になりたいと言ってくれた。こうして、歩み寄れる関係ってのはいいですよねえ。これもまた友情だ。

さて、竜人の問題児のアリスティアはこんな感じでしたけれど、最初の登場時に盛大に問題児として現れたリシアは、というともうこの子トラブルメーカーの気配欠片も残ってないんじゃないだろうか。荒ぶっていたのは一巻の最初の方だけで、中盤からもう聡い様子を見せていましたけれどこの二巻ではさらに器をデカくしたようで、トラブルメーカーどころか人間関係ゴタゴタしかけた即席チームで、孤立しかけたミネットをすごくなめらかに彼女が負担に思わない形でフォローして、トラブルなりかけた面々との間を取り持ってみせたり、オリヴィアにも色々と助言してたりと何気に人間関係の潤滑油になるような振る舞いを見せていて、非常に頼りがいのある姿となってるんですよね。
一方でヒロインとしても明るく素直で結構家庭的だったり家事の得意さを見せつけリ、お洒落も普通にこなしたり、とデートでは本当に普通にデートしていて、普通の女の子らしい振る舞いは胴のいったものですらありました。なにこの可愛げしかない生き物わ。
戦闘面でもひたむきに努力重ねて新しい大技を習得していたり、公私ともに隙なくスキルアップしてるんですよね。これもう正妻の貫禄すごいんじゃないだろうか。レオンのパートナーとして揺るぎない威風を見せている気すらします。
ほんと、レオンに対するものだけじゃなくて、どんな相手にも人当たり良くて何だかんだと誰とでも仲良くなれてて、信頼もされてて、とどこに問題児だった影が残ってるんだろうというくらい。

レオンがどうして城主として登録できないのか、という謎にもがっつり踏み込んできましたし、何よりメイン・サブ問わず出てくる登場人物みんなキャラがよく立っていて、面白かった。
これは先々も期待大のシリーズです。






世間の価値観とのギャップを抱えている。

カノジョの妹とキスをした。 ★★★★   



【カノジョの妹とキスをした。】 海空りく/さばみぞれ GA文庫

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カノジョの生き別れの妹がトツゼン自分の義妹に!?

俺が人生で初めての恋人・晴香と、交際一ヵ月にしてやっと手を繋げた日、親が再婚し晴香そっくりな義妹が出来た。名前は時雨。似てるのも当然。時雨は家庭事情で晴香と離ればなれになった双子の妹だったのだ。

「情けない声。ホント可愛いなぁ、おにーさん」
「いけない彼氏さんですね。彼女と手を繋いでいる時に双子の妹のことを考えるだなんて」
「顔も体も彼女と同じ妹にドキドキしちゃうのは仕方ない。おにーさんは悪くない。悪くないんですよ」

淡い初恋に忍び込む甘い猛毒(あいじょう)。
奥手な恋人にはとても教えられない、小悪魔で甘えん坊な義妹との甘々“不”純愛ラブコメ――開幕!

これガチのやつだ。ガチの修羅場ものだ。
それも軽い気持ちの浮気ものではなく、溺れ堕ちていく不倫ものだ。結婚してないのに不倫というのは正確には違うんだろうけれど、人生そのものを踏み外すだろう深度の不義密通を称するのに浮気程度じゃ全然足りない気がするんですよね。浮いてない、浮ついてるドコロか泥沼に飲み込まれ誰にも明かしてはいけない闇に堕していく。
これ、ライトノベルという界隈でここまでガチなやつ描いた作品あるんだろうか。自分、ちょっと思いつかないですよ。ノベルゲームだとホワイトアルバム2とか君が望む永遠という凄まじいレベルの傑作があって、そりゃもう凄まじい高レベルのドロドロの修羅場が繰り広げられてたりするのだけれど、ライトノベルでこれほどのガチの人生踏み外すレベルの浮気をテーマにした作品は……ねえ?
それだけに、ちょっとゾワゾワっとするほどこの展開には興奮を覚えている。
小悪魔風で初対面の義兄をからかい倒す義妹の時雨だけれど、決して面白半分で義兄の博道にちょっかいを掛けて浮気しよう、ってわけじゃないのだ。むしろ、ギリギリまで久々に再会した姉と義兄のカップルを応援していて、二人が上手くいくようにアドバイスなんかもしているし、自分の存在が邪魔にならないように自身を穢してでも引き下がろうとすらしていたのだ。
それが逆に、彼女の……時雨の本気さを伝えてくれる。愛する姉を裏切ってでも、誰しもが笑ってすごせるだろう幸せを踏みにじってでも、彼女は欲しくなってしまったのだ。
恋してしまった人の一番を。
だから、時雨は他に何もいらなくなってしまったのだ。表で堂々と一緒に過ごせる恋人という関係も、周りから祝福してもらえるだろう結婚というゴールも、陽のあたる場所を諦めて、幸福すらも求めずに、表立った恋人や妻という立場は姉に譲っても、構わなかったのだ。
そんなものに価値を見いだせなくなってしまった。自分にとっての唯一無二を見つけてしまったから。
ただ一つ恋してしまった義兄の心だけ手に入れられれば。
彼の心の奥底に、一番深いところに自分の存在が刻みつけられれば、それでいい。いつ何時でも姉と幸せに過ごす最中でも常に自分の存在を意識して離せなく消せなくなるように。

そうして一つ一つ、男の体と心に刻み込んでいく。言葉で、唇で、その舌で、舐めるように甘い毒を塗り込めていく。理性も倫理もなにもかも、ドロドロに溶かしていく。恋という情念に、溺れていく。

そのどうしようもないありさまを、人は「堕落」と云うのだ。

はたして、この純朴だった主人公の少年がどこまで堕ちていくのか。この一途な不純愛がどんな末路を辿るのか。胸がキリキリと締め付けられるような感覚と背徳から湧き上がってくるワクワク感に、随分とまあえらい気分を味わってる。これを期待と呼ぶには、まったくもって不徳で不純ではなかろうか。
でも「期待」しちゃうのよ。たまらんッ。



痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった ★★★☆   



【痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった】 ケンノジ/フライ GA文庫

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「諒くん、正義の味方みたい」
高校二年生の高森諒は通学途中、満員電車で困っている幼馴染の伏見姫奈を助けることに。そんな彼女は学校で誰もが認めるS級美少女。まるで正反対の存在である姫奈とは、中学校から高校まで会話がなかった諒だったが、この件をきっかけになぜだか彼女がアピールしてくるように?積極的に行動を移す姫奈、それに気づかない諒。「小説家になろう」の人気作―歯がゆくてもどかしい、ため息が漏れるほど甘い、幼馴染とのすれ違いラブコメディ。本作は幼馴染との恋模様をストレス展開ゼロでお届けする物語です。

ちょっと待って? なんで幼馴染だと知れ渡ったら特定の男の子と親密にしていたことのない姫奈とあれだけいつも一緒に居ても気にされなくなるの!?
そりゃ、高校入った直後からいつも一緒にいるなら、セットで認識されるかもしれないけれど、今までずっと疎遠でろくに接触してこなかったのが、突然一緒にいるようになったんですよ? それが、元々幼馴染だったとわかっただけでなんで警戒されなくなるんだ? 普通、付き合い出したとしか見えないじゃん。この世界では幼馴染って絶対に付き合わない、恋人関係に発展しない存在だとでも思われてるんだろうか。幼馴染は負けヒロインというのが常識になってる世界なんだろうか。
なんだか納得いかないぞ!?

それはそれとして、中学からずっと疎遠で関係が途切れてしまっていた幼馴染の姫奈を、通学中の満員電車の中で痴漢から助けたことで再び話しをするようになった高森諒。
……ってかこれ、また話をするようになったどころじゃないですよね? しばらく疎遠になっていた間の時間がすっ飛んでしまったかのように、直後から物理的にも精神的にも距離感ゼロでベタベタと引っ付くように諒につきまとう、付きまとうというと印象悪いかも知れないけど何かとあれば一緒にいるようになる姫奈。
普段クラスメイトに見せている余所行きの顔を脱ぎ捨てて、ちょっと幼いくらいの気を許しきった素顔で接してくる、どころか登下校も他の人の誘いを断り一緒にしたがり、家にまでついてくる。どころか言葉に出して好き!と囁いてくる。
はいもうこれどこからどう見ても、好意満天ですよ。スキスキダイスキもう辛抱たまらん状態ですやん。これはもう勘違いのしようも誤解のしようもどこにも見当たらないのですけれど……。うん、これを気が付かないというのはありえないですね。
でも、逆にですよ? 小学校以来久々にまともに喋るようになった途端にここまであからさまにグイグイ来られたら、逆にちょっとのけぞってしまうんじゃないでしょうか。「え? なにこれ? どういうこと?」と好意があからさますぎて、警戒してそのままの意味で受け取るのを躊躇してしまう、腰を引いて様子を見てしまう、というのはこれあり得るんじゃないでしょうか。と、思ってしまうくらいにはいきなり突然に好感度がカンスト状態なんですよね。
とは言え、見ず知らずの美少女からいきなり一目惚れしましたとばかりに付きまとわれるのと違って、相手は幼馴染。ちょっと間があいているとはいえ、その為人は十分わかっている相手なのですからドン引きして距離を置いてしまったり避けたり邪険にしたり、という警戒線を張るような行為に走ってしまわなかったのは、幼馴染ゆえの距離感なのかもしれません。
この姫ちゃん、美人で文武両道であるがゆえに高嶺の花となってしまって、どうも他の人達と距離感があるんですよね。彼女とお近づきになろうとしている人たちは男女問わず、みんな姫奈にレッテルをはってその恩恵に与ろうとしたり、利用しようとしたりと彼女本人をちゃんと見るような人はおらず、どうもちゃんとした友達らしい友達が見当たらないのである。その対外用の品行方正な外面を剥がして接することの出来る人がいない。彼女自身、周りからの認識や扱いを自分でコントロールできるほど器用でもないようで、クラスの中心にいるようでどこか孤立していた、と言えるのかも知れません。
そんな中で諒と再び仲良くなれたのは彼女にとっても福音であり、姫奈が必要以上にベタベタと彼に接するのは彼への好意だけではなかったのではないでしょうか。鳥越さんと趣味通じて仲良くなった時のあの気の許し方を見てるとねえ。
とまあそんな結構不器用な幼馴染のことを諒くんは結構よく見ていたみたいで、なんだかんだと影に日向にフォローするわけですよ。時には声を張り上げて傷つく彼女を守ろうとすらしてくれたわけで。
うんまあ、男を見る目は大いにあった、という事なのでしょう。実際、結構気配りも上手だしカッコいいじゃないですかー。
姫奈の不器用さはどうにも世渡りベタにも通じていて、おまけにファッションセンスも欠けてたり、ポンコツ要素も散見されるだけに放っておくと危なっかしいタイプなんですよね。その意味でも、この娘にとってこの幼馴染は必要不可欠な存在なのではないでしょうか。
ラストあたりではもう諒の警戒心というか、様子見も解けてきていて、好意をそのまま好意として受け取ってそれに対して素直に自分も好きだなあ、という感情を抱き出しているわけですし、妹ちゃんも再び姫奈と打ち解けて、もう障害らしい障害もなくなったじゃないの。
と、思ったらラストで爆弾の存在発覚である。まあ爆弾と言ってももう不発弾かもしれないですけど。果たして信管が抜いてあるのかまだあるのか。

ケンノジ作品感想
 
10月25日
【現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 1】
二日市とふろう
(オーバーラップノベルス)

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【黒の召喚士 13.竜王の加護】
迷井豆腐
(オーバーラップ文庫)

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【ひとりぼっちの異世界攻略 life.5】
五示正司
(オーバーラップ文庫)

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【月50万もらっても生き甲斐のない隣のお姉さんに30万で雇われて「おかえり」って言うお仕事が楽しい 2】
黄波戸井ショウリ
(オーバーラップ文庫)

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【最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える 2】
じゃき
(オーバーラップ文庫)

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【D級冒険者の俺、なぜか勇者パーティーに勧誘されたあげく、王女につきまとわれてる 1】
白青虎猫
(オーバーラップ文庫)

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【婚約破棄されてから聖女の力が覚醒したようです 1】
少年ユウシャ
(オーバーラップ文庫)

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【Doggy House Hound 1.猟犬継承】
ポチ吉
(オーバーラップノベルス)

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【猫だってアイテムを収集すれば最強になれます!2】
川崎AG
(オーバーラップノベルス)

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【不死者の弟子 2 〜邪神の不興を買って奈落に落とされた俺の英雄譚〜】
猫子
(オーバーラップノベルス)

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10月24日
【探偵くんと鋭い山田さん 2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる】
玩具堂(MF文庫J)

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【今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。3.3年分の「ありがとう」だよ、先輩】
涼暮 皐
(MF文庫J)

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【七人の魔剣姫とゼロの騎士団】
川田 両悟
(MF文庫J)

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【ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編 3】
衣笠彰梧
(MF文庫J)

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【僕のカノジョ先生 8】
鏡 遊
(MF文庫J)

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【自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ? 10】
三河 ごーすと
(MF文庫J)

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【春菜ちゃん、がんばる? 3 フェアリーテイル・クロニクル】
埴輪星人
(MFブックス)

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【バフ持ち転生貴族の辺境領地開発記 2】
すずの木くろ
(MFブックス)

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【洞窟王からはじめる楽園ライフ 〜万能の採掘スキルで最強に!?〜 2】
苗原一
(MFブックス)

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【異世界もふもふカフェ 2 〜テイマー、もふもふ猫を求めて隣国へ〜】
ぷにちゃん
(MFブックス)

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【異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 怪物のささやき】
久住四季
(メディアワークス文庫)

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【王立士官学校の秘密の少女 イスカンダル王国物語】
森山光太郎
(メディアワークス文庫)

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【宮廷医の娘 2】
冬馬倫
(メディアワークス文庫)

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【座敷童子の代理人 8】
仁科裕貴
(メディアワークス文庫)

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【大凶ちゃんと太陽くん #誰かじゃなくて君がいい】
星奏なつめ
(メディアワークス文庫)

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【レッドスワンの混沌 赤羽高校サッカー部】
綾崎隼
(メディアワークス文庫)

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【愛に殺された僕たちは】
野宮有
(メディアワークス文庫)

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【異世界ゆるっとサバイバル生活 2 〜学校の皆と異世界の無人島に転移したけど俺だけ楽勝です】
絢乃
(ブレイブ文庫)

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【仲が悪すぎる幼馴染が、俺が5年以上ハマっているFPSゲームのフレンドだった件について。2】
田中ドリル
(ブレイブ文庫)

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【ロード・エルメロイII世の事件簿 6】
東 冬/TENGEN/三田誠
(角川コミックス・エース)

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【Fate/Apocrypha 9】
石田あきら/東出祐一郎
(角川コミックス・エース)

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【HGに恋するふたり2】
工藤 マコト
(角川コミックス・エース)

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【機動戦士ガンダム GROUND ZERO コロニーの落ちた地で 4】
才谷 ウメタロウ
(角川コミックス・エース)

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【Fate/Grand Order コミックアラカルト PLUS! SP 対決編!】
アンソロジー
(角川コミックス・エース)

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【新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙2】
日鳥/支倉凍砂
(電撃コミックスNEXT)

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【リアリスト魔王による聖域なき異世界改革 3】
鈴木 マナツ/羽田 遼亮
(電撃コミックスNEXT)

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【リビルドワールド 3】
綾村 切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)

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【ダストボックス2.5 5】
高津カリノ
(ヤングガンガンコミックス)

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【不器用な先輩。2】
工藤マコト
(ヤングガンガンコミックス)

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【月刊ビッグガンガン 2020 Vol.11】

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【月刊アクション2020年12月号】

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【アフタヌーン 2020年12月号】

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10月23日
【クロウ・レコード Infinite Dendrogram Aot 3】
La−na/海道左近
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【異世界おじさん 5】
殆ど死んでいる
(MFC)

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【うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。6】
ほた。/CHIROLU
(MFC)

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【ガールズ&パンツァー 劇場版Variante 6】
伊能 高史
(MFコミックス フラッパーシリーズ)

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【なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? 6】
ありかん/細音 啓
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【私の傷は死んでも消さない 2】
緋鍵 龍彦
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【風太郎不戦日記 2】
山田 風太郎/勝田 文
(モーニング KC)

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【コウノドリ 32】
鈴ノ木ユウ
(モーニング KC)

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【マリアージュ〜神の雫 最終章〜 24】
オキモト・シュウ/亜樹直
(モーニング KC)

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【望郷太郎 3】
山田芳裕
(モーニング KC)

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【ヴィンランド・サガ 24】
幸村誠
(アフタヌーンKC)

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【とりぱん 27】
とりのなん子
(ワイドKC)

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【「不屈の冒険魂」雑用積み上げ最強へ。超エリート神官道】
漂鳥
(ダッシュエックス文庫)

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【スキルトレーダー【技能交換】 〜辺境でわらしべ長者やってます〜】
伏(龍)
(ダッシュエックス文庫)

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【『ショップ』スキルさえあれば、ダンジョン化した世界でも楽勝だ 〜迫害された少年の最強ざまぁライフ〜】
十本スイ
(ダッシュエックス文庫)

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【ロード・エルメロイII世の事件簿 8.「case. 冠位決議(上)」】
三田 誠
(角川文庫)

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【わが家は祇園の拝み屋さん 13 秋の祭りと白狐の依頼】
望月 麻衣
(角川文庫)

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【水神様がお呼びです あやかし異類婚姻譚】
佐々木匙
(角川文庫)

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【ファンタジーをほとんど知らない女子高生による異世界転移生活 4】
コウ
(モーニングスターブックス)

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10月22日
【すのはら荘の管理人さん 6】
ねこうめ
(4コマKINGSぱれっとコミックス)

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【月刊ガンガンJOKER 2020年11月号】

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【まんが4コマぱれっと 2020年12月号】

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【少年マールの転生冒険記 1~優しいお姉さん冒険者が、僕を守ってくれます! ~】
月ノ宮マクラ
(HJ NOVELS)

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【槍使いと、黒猫。12】
健康
(HJ NOVELS)

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【異世界はスマートフォンとともに。22】
冬原パトラ
(HJ NOVELS)

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【新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。6】
岸馬きらく
(HJ NOVELS)

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10月21日
【理系が恋に落ちたので証明してみた。9】
山本アリフレッド
(メテオCOMICS)

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【魔女と猟犬】
カミツキレイニー
(ガガガ文庫)

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【世界最強の魔王ですが誰も討伐しにきてくれないので、勇者育成機関に潜入することにしました。4】
両道 渡
(ガガガブックス)

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【元将軍のアンデッドナイト 5】
猫子
(ガガガブックス)

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10月20日
【不遇職の弓使いだけど何とか無難にやってます 2】
洗濯紐
(TOブックス)

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【特級ギルドへようこそ!5〜看板娘の愛されエルフはみんなの心を和ませる〜】
阿井りいあ
(TOブックス)

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【フェンリル母さんとあったかご飯〜異世界もふもふ生活〜5】
はらくろ
(TOブックス)

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【ギルド追放された雑用係の下剋上2〜超万能な生活スキルで世界最強〜】
夜桜ユノ
(TOブックス)

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【アナザー・フロンティア・オンライン2〜生産系スキルを極めたらチートなNPCを雇えるようになりました〜】
ぺんぎん
(TOブックス)

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【銀河連合日本 Age after Project Enterprise】
松本保羽
(星海社FICTIONS)

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【髭と猫耳】
周藤蓮
(星海社FICTIONS)

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 【ゴミ箱診療科のミステリー・カルテ】
津田 彷徨
(星海社FICTIONS)

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【エスカレーション】
倉田 悠子
(星海社FICTIONS)

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【少年マガジンR 2020年11号】

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10月19日
【まんがタイムきららMAX 2020年11月号】

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 【月刊ヤングキングアワーズGH 2020年12月号】

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10月17日
【月刊サンデーGX 2020年11月号】

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【少年マガジンエッジ 2020年11月号】

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【ウルトラジャンプ 2020年11月号】

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【ロクでなし魔術講師と追想日誌 7】
羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

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【キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 10】
細音啓(富士見ファンタジア文庫)

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【人生∞周目の精霊使い 無限の歴史で修行した元・凡人は世界を覆す】
師走トオル(富士見ファンタジア文庫)

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【人工痴能と始める人生デバッグ入門 ドスケベAIが俺に童貞捨てさせようとしてくる】
霧山よん(富士見ファンタジア文庫)

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【たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。2】
藍藤唯(富士見ファンタジア文庫)

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【魔王が如く 絶対強者の極道魔王、正体を隠して学園を極める】
なめこ印(富士見ファンタジア文庫)

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【異世界で最強の装備は、全裸でした どうか私に全裸を教えてくださいっ! 全裸ではなく《世界》だ!】
初美陽一(富士見ファンタジア文庫)

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【神々に育てられしもの、最強となる 4】
羽田遼亮(富士見ファンタジア文庫)

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【一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた 5 〜落第剣士の学院無双〜】
月島秀一(富士見ファンタジア文庫)

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【ステラエアサービス 曙光行路】
有馬桓次郎(電撃の新文芸)

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【四畳半開拓日記 04】
七菜なな(電撃の新文芸)

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【異世界最強の大魔王、転生し冒険者になる 2】
月夜涙(電撃の新文芸)

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10月16日
【ジョジョリオン 24】
荒木飛呂彦(ジャンプコミックス)

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【【推しの子】2】
赤坂アカ/横槍メンゴ(ヤングジャンプコミックス)

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【片喰と黄金 4】
北野詠一(ヤングジャンプコミックス)

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【セーブ&ロードのできる宿屋さん ~カンスト転生者が宿屋で新人育成を始めたようです~ 4】
稲荷竜/竹内じゅんや(ヤングジャンプコミックス)

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【メイド・イン・ひっこみゅ~ず 5】
サンカクヘッド(ヤングジャンプコミックス)

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【薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 9】
倉田三ノ路/日向夏(サンデーGXコミックス)

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【葬送のフリーレン 2】
山田鐘人/アベツカサ(少年サンデーコミックス)

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【双亡亭壊すべし 19】
藤田和日郎(少年サンデーコミックス)

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【MAO 6】
高橋留美子(少年サンデーコミックス)

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【トニカクカワイイ 13】
畑健二郎(少年サンデーコミックス)

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【よふかしのうた 5】
コトヤマ(少年サンデーコミックス)

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【魔王城でおやすみ 16】
熊之股鍵次(少年サンデーコミックス)

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【switch 10】
波切敦(少年サンデーコミックス)

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【シャングリラ・フロンティア 1】
硬梨菜/不二涼介(KCデラックス)

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【それでも歩は寄せてくる 5】
山本崇一朗(KCデラックス)

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【DAYS 40】
安田剛士(講談社コミックス)

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【ネクロマンス 4】
堂本裕貴(講談社コミックス)

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【ブルーロック 11】
金城宗幸/ノ村優介(講談社コミックス)

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【はぐるまどらいぶ。(2) レアスキルで世界を駆け抜ける】
紺藤けい/かばやきだれ (ジャルダンコミックス)

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【信長の庶子 五】
壬生一郎(ヒストリアノベルズ)

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【劇場版・鬼滅の刃 無限列車編ノベライズ】
矢島綾/吾峠呼世晴(JUMP j BOOKS)

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10月15日
【冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 9】
門司柿家(アース・スターノベル)

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【高遠動物病院へようこそ!3】
谷崎泉(富士見L文庫)

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【平安後宮の薄紅姫 二 宮廷去りし皇后宮と伊勢物語】
遠藤遼(富士見L文庫)

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【花は桜よりも華のごとく】
河合ゆうみ(富士見L文庫)

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【彩柏寺の神様見習いたち 元保育士・小森新、あやかし保育に再就職しました!】
時田とおる(富士見L文庫)

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【白澤さんの妖しいお料理処 四千年の想いを秘めた肉じゃが】
夕鷺かのう(富士見L文庫)

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【魔物の国と裁縫使い 〜凍える国の裁縫師、伝説の狼に懐かれる〜 2】
今際之キワミ(サーガフォレスト)

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【四度目は嫌な死属性魔術師 7】
デンスケ(サーガフォレスト)

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【王太子殿下は後宮に占い師をご所望です】
夢見るライオン(ビーズログ文庫)

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【魔王の右腕になったので原作改悪します 2】
木村(ビーズログ文庫)

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【なんちゃってシンデレラ 王国騒乱編 お伽話のつづき、はじめました。6】
汐邑雛(ビーズログ文庫)

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【身代わり聖女は、皇帝陛下の求婚にうなづかない】
汐邑雛(ビーズログ文庫)

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【九重家献立暦】
白川紺子(講談社タイガ)

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【死者と言葉を交わすなかれ】
森川智喜(講談社タイガ)

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10月14日
【ゴブリンスレイヤー 13】
蝸牛くも(GA文庫)

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【ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 16】
大森藤ノ(GA文庫)

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【家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね? 2】
高木幸一(GA文庫)

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【踊る星降るレネシクル 7】
裕時悠示(GA文庫)

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【厳しい女上司が高校生に戻ったら俺にデレデレする理由 〜両片思いのやり直し高校生生活】
徳山銀次郎(GA文庫)

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【僕の軍師は、スカートが短すぎる 〜サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下】
七条剛(GA文庫)

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【きみって私のこと好きなんでしょ? 2 とりあえずデートでもしてみる?】
望公太(GA文庫)

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【きれいなお姉さんに養われたくない男の子なんているの? 3】
柚本悠斗(GA文庫)

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【エリスの聖杯 3】
常磐くじら(GAノベル)

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【魔女の旅々 14】
白石定規(GAノベル)

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【魔女の旅々 14 ドラマCD付き特装版】
白石定規(GAノベル)

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【スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 14】
森田季節(GAノベル)

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【スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 14 ドラマCD付き特装版】
森田季節(GAノベル)

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【ラスボス、やめてみた 2 〜主人公に倒されたふりして自由に生きてみた】
坂木持丸(GAノベル)

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【パリピ孔明 3】
四葉夕卜/小川亮(ヤンマガKCスペシャル)

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10月13日
【昔勇者で今は骨 2】
内々けやき/佐伯庸介(リュウコミックス)

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【ちはやふる 45】
末次由紀(BE LOVE KC)

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【カードキャプターさくら クリアカード編 9】
CLAMP(KCデラックス)

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10月12日
【新九郎、奔る! 5】
ゆうきまさみ(ビッグコミックス)

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【ゴブリンスレイヤー 10】
蝸牛くも/黒瀬浩介(ビッグガンガンコミックス)

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【ゴブリンスレイヤー外伝 イヤーワン 6】
蝸牛くも/栄田健人(ヤングガンガンコミックス)

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【ゴブリンスレイヤー外伝2 鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》2】
蝸牛くも/青木翔吾(ガンガンコミックスUP!)

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【戦×恋(ヴァルラヴ)11】
朝倉亮介(ガンガンコミックス)

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【無能なナナ 7】
るーすぼーい/古屋庵(ガンガンコミックス)

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【英雄教室 10】
新木伸/岸田こあら(ガンガンコミックス)

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【死神坊ちゃんと黒メイド 10】
イノウエ(サンデーうぇぶりSSC)

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【つぐももフルカラーコミック つぐもも蜜】
浜田よしかづ(アクションコミックス)

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【オヤジが美少女になってた話 2】
赤信号わたる(アクションコミックス)

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【人狼への転生、魔王の副官 はじまりの章 6】
瑚澄遊智/漂月(アース・スター コミックス)

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【カルデアこぼればなし 染宮すずめFate/Grand Order作品集】
染宮すずめ(星海社COMICS)

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【月刊少年ガンガン 2020年11月号】

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【まんがタイムきららフォワード 2020年11月号】

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【ゲッサン 2020年11月号】

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10月10日
【狼は眠らない 3】
支援BIS/新川権兵衛(角川コミックス・エース)

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【蜘蛛ですが、なにか? 9】
かかし朝浩/馬場翁(角川コミックス・エース)

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【蜘蛛ですが、なにか? 蜘蛛子四姉妹の日常 2】
グラタン鳥/馬場翁(角川コミックス・エース)

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【Fate/Grand Order 平安HEROES ぴよ作品集】
ぴよ(角川コミックス・エース)

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【モルフェウス・ロード 1】
よかぜ(BLADEコミックス)

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【続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー】
佐島勤(電撃文庫)

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【魔王学院の不適合者 8 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜】
秋(電撃文庫)

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【幼なじみが絶対に負けないラブコメ 5】
二丸修一(電撃文庫)

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【安達としまむら 9】
入間人間(電撃文庫)

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【アポカリプス・ウィッチ 3 飽食時代の【最強】たちへ】
鎌池和馬(電撃文庫)

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【オーバーライト――クリスマス・ウォーズの炎】
池田明季哉(電撃文庫)

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【女子高生同士がまた恋に落ちるかもしれない話。2】
杜奏みなや(電撃文庫)

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【魔力を統べる、破壊の王と全能少女 2 〜魔術を扱えないハズレ特性の俺は無刀流で無双する〜】
手水鉢直樹(電撃文庫)

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【バケモノたちが嘯く頃に バケモノ姫の家庭教師】
竜騎士07(電撃文庫)

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【君が、仲間を殺した数 〜魔塔に挑む者たちの咎〜】
有象利路(電撃文庫)

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【午後九時、ベランダ越しの女神先輩は僕だけのもの】
岩田洋季(電撃文庫)

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【ねえ、もっかい寝よ?】
田中環状線(電撃文庫)

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【異世界の底辺料理人は絶頂調味料で成り上がる! 〜魔王攻略の鍵は人造精霊少女たちとの秘密の交わり!?〜】
アサクラネル(電撃文庫)

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【女子高生声優・橋本ゆすらの攻略法】
浅月そら(電撃文庫)

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【追放された転生公爵は、辺境でのんびりと畑を耕したかった 〜来るなというのに領民が沢山来るから内政無双をすることに〜】
うみ(カドカワBOOKS)

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【勇者の孫の旅先チート 〜最強の船に乗って商売したら千の伝説ができました〜】
長野文三郎(カドカワBOOKS)

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【加護なし令嬢の小さな村 3 〜さあ、領地運営を始めましょう!〜】
ぷにちゃん(カドカワBOOKS)

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【鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ 3】
たままる(カドカワBOOKS)

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【【修復】スキルが万能チート化したので、武器屋でも開こうかと思います 5】
星川銀河(カドカワBOOKS)

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【外れスキル「影が薄い」を持つギルド職員が、実は伝説の暗殺者 5】
ケンノジ(カドカワBOOKS)

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【父は英雄、母は精霊、娘の私は転生者。6】
松浦(カドカワBOOKS)

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【魔石グルメ 7 魔物の力を食べたオレは最強!】
結城涼(カドカワBOOKS)

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【ティアムーン帝国物語5〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜】
餅月望(TOブックス)

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【地球さんはレベルアップしました!】
生咲日月(TOブックス)

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【継続は魔力なり 6〜無能魔法が便利魔法に進化を遂げました〜】
リッキー(TOブックス)

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【最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。3】
ほのぼのる500(TOブックス)

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10月9日
【可愛いだけじゃない式守さん 6】
真木蛍五(KCデラックス)

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【放課後の拷問少女 11】
BOKU(講談社コミックス)

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【世界か彼女か選べない 9】
内山敦司(講談社コミックス)

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【我間乱-修羅 13】
中丸洋介(講談社コミックス)

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【売国機関 4】
カルロ・ゼン/品佳直(バンチコミックス)

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【最後のレストラン 16】
藤栄道彦(バンチコミックス)

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【トリニティセブン 7人の魔書使い 24】
サイトウケンジ/奈央晃徳(ドラゴンコミックスエイジ)

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【トリニティセブン アナスタシア聖伝 2】
サイトウケンジ/Bcoca(ドラゴンコミックスエイジ)

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【この素晴らしい世界に祝福を! 12】
渡真仁/暁なつめ(ドラゴンコミックスエイジ)

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【残念女幹部ブラックジェネラルさん 7】
jin(ドラゴンコミックスエイジ)

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【KILLING ME/KILLING YOU 3】
成田芋虫(ドラゴンコミックスエイジ)
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【魔王学園の反逆者 1 ~人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる~】
溝口ぜらちん/久慈マサムネ(ドラゴンコミックスエイジ)

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【異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 12】
福田直叶/鶴崎貴大(シリウスKC)

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【無号のシュネルギア 3】
高田裕三(シリウスKC)

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10月7日
【ウィッチクラフトワークス 15】
水薙竜(アフタヌーンKC)

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【ウチの使い魔がすみません 8】
櫓刃鉄火(アフタヌーンKC)

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【うちの師匠はしっぽがない 4】
TNSK(アフタヌーンKC)

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【good!アフタヌーン 2020年11号】

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【逆転オセロニア 蒼竜騎士と赤竜騎士の軌跡】
高嶺バシク(レジェンドノベルス)

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【ネカフェ住まいの底辺冒険者 2 美少女ガンマンと行く最強への道】
御手々ぽんた(レジェンドノベルス)

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【絶対回避のフラグブレイカー 2 ハッピーエンドをつかむための25の法則】
友理潤(レジェンドノベルス)

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【俺たち青春浪費中、魔法少女と世界を救う。】
佐藤悪糖(レジェンドノベルス)

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10月6日
【ソウナンですか? 7】
さがら梨々/岡本健太郎(ヤンマガKCスペシャル)

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【ヤングマガジン サード 2020年 Vol.11】

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【殺人事件が起きたので謎解き配信してみました】
越尾圭(宝島社文庫)

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【大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 妖刀は怪盗を招く】
山本巧次(宝島社文庫)

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【谷中レトロカメラ店の謎日和 思いをつなぐレンズ】
柊サナカ(宝島社文庫)

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10月5日
【刹那の風景 1 68番目の元勇者と獣人の弟子】
緑青・薄浅黄(ドラゴンノベルス)

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【悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます 2】
緋色の雨(ドラゴンノベルス)

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【ヤングキングアワーズ 2020年11月号】

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10月2日
【鬼滅の刃 22】
吾峠呼世晴(ジャンプコミックス)

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【ぼくたちは勉強ができない 19】
筒井大志(ジャンプコミックス)

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【呪術廻戦 13】
芥見下々(ジャンプコミックス)

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【冒険王ビィト 15】
稲田浩司/三条陸(ジャンプコミックス)

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【終わりのセラフ 22】
山本ヤマト(ジャンプコミックス)

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【あやかしトライアングル 1】
矢吹健太朗(ジャンプコミックス)

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【早乙女姉妹は漫画のためなら!? 8】
山本亮平(ジャンプコミックス)

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【異世界居酒屋「のぶ」11】
蝉川夏哉/ヴァージニア二等兵(角川コミックス・エース)

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【帰ってください! 阿久津さん 2】
長岡太一(角川コミックス・エース)

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【ヤングエース 2020年11月号】

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【ジャンプSQ. 2020年11月号】

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【それでも、好きだと言えない】
赤月カケヤ(講談社ラノベ文庫)

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【勇者になりたい魔人の冒険】
箕崎准(講談社ラノベ文庫)

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【失恋後、険悪だった幼なじみが砂糖菓子みたいに甘い 〜ビターのちシュガー〜】
七烏未奏(講談社ラノベ文庫)

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【一般人遠方より帰る。また働かねば!】
勇寛(Kラノベブックス)

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【ウイルス転生から始まる異世界感染物語】
結城絡繰(Kラノベブックス)

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【奴隷転生 〜その奴隷、最強の元王子につき〜】
カラユミ(Kラノベブックス)

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【不遇職【鑑定士】が実は最強だった 〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜】
茨木野(Kラノベブックス)

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【転生貴族の万能開拓 〜【拡大&縮小】スキルを使っていたら最強領地になりました〜】
錬金王(Kラノベブックス)

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【約束のネバーランド ~戦友たちのレコード~】
七緒/白井カイウ(JUMP j BOOKS)

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【憂国のモリアーティ 虹を視る少女】
埼田要介/竹内良輔(JUMP j BOOKS)

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10月1日
【サイレントウィッチーズ 4 スオムスいらん子中隊ReBOOT!】
築地俊彦/ヤマグチノボル(角川スニーカー文庫)

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【サイレントウィッチーズ 4 スオムスいらん子中隊ReBOOT! プレミアム特装版】
築地俊彦/ヤマグチノボル(角川スニーカー文庫)

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【天才美少女な幼馴染のくせに、なんで俺の前でだけそんなにスキだらけなんだよ】
五木友人(角川スニーカー文庫)

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【戦翼のシグルドリーヴァ Sakura(上)】
長月達平/戦翼倶楽部(角川スニーカー文庫)

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【魔王学園の反逆者 4 〜人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる〜】
久慈マサムネ(角川スニーカー文庫)

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【あなたを諦めきれない元許嫁じゃダメですか?2】
桜目禅斗(角川スニーカー文庫)

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【会社員とJK、お隣さん歴1年目。】
ナナシまる(角川スニーカー文庫)

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【フリーライフ 〜異世界何でも屋奮闘記〜 9】
気がつけば毛玉(角川スニーカー文庫)

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【<Infinite Dendrogram>―インフィニット・デンドログラム― 14.<物理最強>】
海道左近(HJ文庫)

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【常勝魔王のやりなおし 1 〜俺はまだ一割も本気出していないんだが〜】
アカバコウヨウ(HJ文庫)

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【悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~ その1】
のこみ/七夕さとり(B's-LOG COMICS)

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【本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部 「本のためなら巫女になる! 4」】
鈴華/香月美夜(コロナ・コミックス)

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9月30日
【転生したらスライムだった件 17】
伏瀬(GCノベルズ)

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【転生したら剣でした 10】
棚架ユウ(GCノベルズ)

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【エロいスキルで異世界無双 2】
まさなん(GCノベルズ)

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【ナイツ&マジック 10】
天酒之瓢(ヒーロー文庫)

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【察知されない最強職 7】
三上康明(ヒーロー文庫)

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【異世界チート魔術師 13】
内田健(ヒーロー文庫)

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【異世界道楽に飽きたら 4】
三文烏札矢(ヒーロー文庫)

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【再現使いは帰りたい 5】
赤雪トナ(ヒーロー文庫)

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【いずれ最強へと至る道 3】
藍澤建(ヒーロー文庫)

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【マジカミ イビルオブテイルコート】
しめさば/Studio MGCM(ファミ通文庫)

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【放課後の図書室でお淑やかな彼女の譲れないラブコメ】
九曜(ファミ通文庫)

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【賢者の孫 13.雷轟電撃の魔竜討伐】
吉岡剛(ファミ通文庫)

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【古き魔王の物語をっ!】
壱兄さん(エンターブレイン)

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【機動戦士ガンダムサンダーボルト 16】
太田垣康男(ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

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【機動戦士ガンダム バンディエラ 2】
加納梨衣(ビッグコミックス)

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【機動戦士ガンダム アグレッサー 13】
万乗大智(少年サンデーコミックス)

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【機動戦士ガンダム アグレッサー 14】
万乗大智(少年サンデーコミックス)

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【プラネット・ウィズ 5】
水上悟志(YKコミックス)

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【MUJIN -無尽- 8】
岡田屋鉄蔵(YKコミックス)

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【魔法少女にあこがれて 3】
小野中彰大(バンブーコミックス)

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【アスモデウスはあきらめない 8】
勇人 (バンブーコミックス)

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【コミックライド2020年10月号】

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