徒然雑記

終日のたりのたりかな  
  オロチのまどろむ庭TOP  読書メーター  月刊書籍発売カレンダー  書籍感想・殿堂作品
  書籍感想・著者索引(表紙絵附) 書籍感想・著者索引(シンプル版)  書籍感想・作品タイトル索引(シンプル版)
  11月の漫画新刊カレンダー  11月のライトノベル新刊カレンダー
  12月の漫画新刊カレンダー  12月のライトノベル新刊カレンダー
 

Landreaall

Landreaall 37 ★★★★☆   



【Landreaall 37】  おがき ちか ZERO-SUMコミックス

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

騎士団の大哨戒中、地下ダンジョンで遭難したDXたち。
危険種モンスターの夜嵐蟻を利用して上層を目指すが…
兄を救出すべくダンジョンへ入ったイオンが女王蟻に襲われているところに遭遇――!?

大人気王道ファンタジー『Landreaall』、奮戦の37巻!

これ、37巻の表紙のDXって特装版の表紙のイオンと対になってるんですよね。



36巻の巻末でイオンが女王蟻に襲われるところに遭遇したDX。だけど、イオンを知る者としてはあのイオンが易易と女王蟻に捕まっているというのは違和感ありありではありました。まず六甲もついているだろうし、DXたちみたいに消耗もしていないはずのあの走っこいイオンが、てねえ。
案の定、この巻のはじまりは時間を少し巻き戻してイオンたちが水中階層を突破して蟻たちがいるフィールドに到達するシーンからはじまるわけですが……。
ほんと、おがきさんって人ではない存在が持つその種独特の、それでいて生きとし生けるものに共通する「情」の描き方が図抜けているよなあ。
特に今回の夜嵐蟻は昆虫種のモンスター。昆虫ってのはどうしても異質感がつきまとって生物の持つ感情とか心とかを感じない種なんですよね。
実際、ここまで夜嵐蟻のコロニーと遭遇したDXたちのシーンでは、蟻たちからは無機質さを多分に感じるばかりで意思の疎通とか端から考えもしなかったのに。
イオンと遭遇した女王蟻が示したものは、異質かもしれないけれど確かに心でした。生きるものなら共感せずにはいられない、生命を繋ぐという行為であり、それを見ず知らずの異種であるイオンに託送という必死さ、懸命さ。
あのシーン、イオンを捕まえていたんじゃなかったんですね。昆虫種にあんな切なる心を感じたのは風の谷のナウシカの王蟲以来かもしれない。

そんなイオンを見て、襲われていると誤解したDXの……暴走。
うわー、いつも客観的な視点を忘れずに感情的になっても冷静な部分を喪わないDXが唯一、プッツンしちゃうのは妹のイオンが絡んだ時だけど、いやはやここまで致命的な場面で致命的なやらかしをしてしまったのは初めてじゃなかろうか。ぶっちゃけ、今までプッツン来てもリカバリーできる範囲でトドメてたしなあ。流石に、イオンの生命が掛かってるような場面に遭遇したのは初めてだったわけだし、長きにわたるダンジョン遭難で疲弊していた、というのもあるんだろうけれど。
DXが自分で「やっちまった」というくらいだもんなあ。

やっと合流か、というところで再びダンジョンの奥に飛ばされてしまったDX。一方、六甲の尽力で脱出できたイオンだけど……この二人がここまでボロボロになってるのは初めて見た。ほんとギリギリだったのが良く分かる。イオンも流石にここまでの修羅場くぐったのはなかったもんなあ。スピンドル事件の時はイオン個人はまだ余裕あったし。
しかし、イオンと六甲が崩落から逃げ込んだジェム鉱……下半身の装備が遺されてるって、これ!! なんか朧気に覚えがあるなあ、と思って他の方の感想見て回ったら……10巻の巻末漫画プチリオールでライナスがえらいことになった所だったのかー!!ww
ちょっ、イオンたち持ち帰ったのかめっちゃ気になるんですけど、下半身装備とライナスのベイビーたちw
今ならまだ無料期間中なんで、件のプチリオール読めるので、よろしければライナスくんの恥ずかしい過去をご覧いただければ、と。10巻ですよー。


そして、DXたちはここまで登ってきたにも関わらず、一転ダンジョンの底へ。って、絶望的じゃないかー。そこで待っていたのは、転移に巻き込まれた将軍蟻と……ダンジョンの最初の種(オリジンモンスター)。
最初、意識を取り戻したところでお互いボロボロながら激突していたDXと将軍蟻が、強烈な気配に咄嗟に交錯するお互いの攻撃を止めて、バッと一人と一匹で振り返るシーン、かっこよかったー。
命をつなぐためにまさに生命を賭けた女王蟻とはまた別に、戦士として戦う将軍蟻がまたこれカッコいいのよ。オリジンモンスターの出現に、DXと共闘するところも含めて意思疎通できないのに戦うモノとして相通じるものがあった所とか、いいんですよねえ。こういうの、ただの昆虫種では決して見られない反応だし。この世界観のモンスターってほんと好きだわ。
そしてオリジンモンスター。いわゆるダンジョンボス、に当るのだろうか。なんか、不定形とまでは言わないけれど、どこか輪郭が曖昧で定まっていない、それでいて竜のようにも見えて頭が三つある多頭にも見え、得体のしれなさが半端ない。
こんな強敵を前に、DXたちは長きにわたる遭難で本当に限界をもう超えそうになってるのが、戦闘シーンの端々から伺えて、ハラハラなんてもんじゃないのですが、スピード感あふれるアクションの連続にじっくり絶望感に浸っている暇もなく、怒涛の展開のまま次回へ……って、次回へぇぇ!! ここで次回へ持ち越しですかー!? いやーッ、なんて焦らしプレイッ。


Landreaall、15巻まで期間限定で無料で読めますって!  

マジかー! 7月7日まで!?




いや、15巻って凄いぞ。学園編はじまってのウルファネア編どころか、スピンドル事件まで読めるじゃないですか。

【Landreaall】とはおがきちか先生が手掛けるファンタジー作品。粗雑乱造のファンタジーじゃなく、細部に至るまで精密に、そして伸び伸びと豊潤に設定が詰められた世界観で、主人公のDXとその妹のイオンをはじめとしたキャラクターたちがイキイキと活躍する、現在37巻まで刊行されている漫画です。

個人的に、漫画の中で我がバイブルと位置づける無二の作品。傑作名作数あれど、もう死ぬほど好き!となるのはこのランドリことランドリオールなんですよ、私にとっては。

ほんと、べらぼうに面白いマンガなんで、是非この機会に沼にハマってほしいなあ。
DXとイオンが王都に出て学生になるアカデミー編がはじまる4巻からが盛り上がるって評判なんですが、自分はもう1巻の巻末漫画の両親の馴れ初めの話でズキューンと撃ち抜かれてしまったんですよね。若い時の傭兵のファレル母さんめちゃくちゃカッコいいのよ。
年取った今もまったく変わらずカッコいいんですけどねー。



Landreaall 36 ★★★★☆   



【Landreaall 36】  おがきちか ZERO-SUMコミックス

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

ダンジョン脱出を目指して進むDX達は、上層へと進む中モンスターの共喰い跡を見つける。遭遇したのは同じく外から来た野生種・夜嵐蟻だった…! 一方、DX救出のためやってきたイオン達は、ものすごいスピードでダンジョンを走破していて――!?


自分以外の五人、フィルとリドとティティとライナス、ルーティでもう一人DXになれれば生き残れるかー。相手がフィルだからかわからないのだけれど、DXがはっきりと自分がこの中では一番強くて、フィルたち五人でようやく自分一人分。と明言するのは普段のDXからするとやはり珍しいと思われる。普段なら、そういう事曖昧に濁して口にはしないものね。それをここで明言するということはそれが必要、意識付けが必要と考えたからか。それだけ、このダンジョン脱出行切羽詰まってきている、と言えるのかも知れない。最初からDXは別に楽観はしてなかったか。遭難して最初期からライナスをはじめとして、全員を研磨しようとしていましたし。
ほぼ万能に全方向に高い能力を有しているDXは一人でならこのダンジョンを生きて脱出できる。ならば、他の五人の得意分野をそれぞれ伸ばして、五人合わせて自分と同じにしてもう一人のDXを作り上げてしまえば、ほら生き残れる、という発想がまあすごいというかなんというか。

しかし、ダンジョン深層から上に登っていけばそれだけ難易度も下がってくるかと思うのだけれど、単純にそうは行かないのな。食料に関してはダンジョンで発生するモンスターは栄養素を内包していない事から、モンスター食で食いつなぐ、というわけには行かないだけに、途中で補給できたにしても時間が経つほどに切り詰めていかなくてはいかなくなる。そうなれば、身体能力やメンタルのパフォーマンスも下がっていくわけで。
幸い、実は死地だったらしい31層のゴリランドールは回避できましたけど。あれはほんと、DXの危機管理の賜物ですよね。サバイバル能力、生存するのために必要な発想力がほんと化け物じみている。……いや、どう考えても五人鍛えてもDXにはならないですよね! 能力的には近似になれても、あの頭の中身はどうやっても無理だわ。
ダンジョン外から紛れ込んできた蟻のモンスターの危険種が巣を作っている所に遭遇しても、飢えているモンスターの大群に襲われて食われる! と考えるんじゃなくて、外来の野生種だからダンジョン産の食っても腹が膨れないモンスターと違って、「食える!」と考えるその発想。
「食われるかどうかじゃない。食えるかどうかだ」

さすがに蟻に食べれるような身はなかったわけだけれど。フィル、蟻食べたらジュン!ってする、て知ってるというのはモンスターじゃないけど蟻食ったことあるのか!
というわけで、兵隊アリたちに襲われないように倒したアリの甲殻を被って移動するDXたち。ゴリランドールに引き続いて、アリのキグルミ着てるみたいなDXたちがコミカルなんだけど、これ絵柄違ったらアリを解体して中身掻き出して殻を被る、ってそうとうグロい絵面だったと思うんですけど!?
アンちゃんの「実に自由奔放に攻略してますね!?」という発言に思わず深く首肯w
でも、本当に切羽詰まってきてるんですよね。決して楽に攻略しているわけじゃなく、どんどん追い詰められてきている。
食料に関しても、もう危機的状況だし。携帯食料の分配、DXとティティこっそり自分削ってたのか。これは他の面々が一般人と留学生という立場だからか。DXたちは王位継承権者であってもそれ以前に騎士候補生だというのを踏まえて、か。それに気づいてたフィルが、二人きりになったときに咎めずに、自分の分を半分返して自分も従騎士だからそっち側、と言ってのける所とか、同じ仲間友人の信頼関係の中でもそれぞれちょっとずつ関係というか立ち位置が違うの面白いなあ。
トリクシーの側がさすがに限界で、ティティとの交信ももう持たない。つまり、地上との連絡が途切れてしまう、ということで。食料的にも限界、通信もできなくなる、近場にはアリの大群がコロニーを作ってる、とかなりヤバい状況。
これは救援を待つ、という指針を立てるのも仕方ないか。幸いにして、イオンを含むニンジャ隊が尋常でない速度で救援部隊先行隊として攻略を進めているわけで。これも、地上と連絡取れてなかったら得られていない情報だから、他にもトリクシー通じての情報が何度もこのパーティーを救い、守ってきたのを鑑みると、連絡が途切れるのは本当に怖い。
その急進しているイオンたちも、なんか様子がおかしいの? ハイになってる? 後から合流した傭兵騎士団所属のニンジャ君が、呪いと言ってたけど、どこでそんな呪い掛かったの!?

と、ラストでえらいことに。え、なんでそんな事になってるの!?
合流、と思いきやピンチ?に陥っているイオンを目撃したDX、即座にブチ切れ。このシスコンっわーー!!



Landreaall 35 ★★★★☆   



【Landreaall 35】 おがきちか   ZERO-SUMコミックス

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

騎士団の大哨戒中、転送門のトラブルが原因で遭難したDXたち。生還を目指してダンジョンを突き進む一行の前に、危険種(モンスター)が立ちはだかった! 何とか危機を脱するも、力を使い果たしたDXは倒れてしまい――!?


突然みんなゴリラになってゴリランドリオールがはじまった時には何が起こったんだー!? となりましたがなw
ライナスがニンジャの隠形術を使ったDXにおまえ何を目指してるんだ、と突っ込んでるけどホントDXって多芸すぎてどこに行こうとしているのか。ただこのタンジョン編で特に顕著になってきているのが、彼の生存能力なんですよね。咄嗟の判断力や行動力もさることながら、生存率を高めるためにこの脱出行を通じてパーティーメンバーがスキルアップするように上手いこと調整なんかもしてたりするんですよ。また、地道に各階層のスライムが溜め込んでいたスライム水を味見することで、フロアの安全を確認してたりもするし、万が一に備えて奥の手なんかも用意している周到さもある。
とかく、生き残るための能力のみならず、それを扱うための考え方がちょっと並の人間と違うんですよね。まあ彼の思考が一般的から外れているどころか、他に類を見ない独自のものなのはこの長いシリーズを通じてわかっていることでしたが。妹のイオンも結構似たような傾向だったりするので育ちによるものなんだろうか。二人の両親もそれぞれ独特の他に類を見ないタイプの傑物なんだけど、それでもDXとイオンとは種類が違うようにも見えるしなあ。でも親子らしく似た部分も多分にあるんですけどねえ。
さても、母親譲りの傭兵としての戦い方生存戦略考え方をベースに、幼い頃から学んでいたニンジャの術を駆使して生きてきたDXが、学園編になってから騎士としての在り方を学び同世代の様々なタイプの友人たちと行動することで、新しい価値観、新しいDX像を獲得してきたわけですけれど、このダンジョン編では久々にDXの本能というか根幹全開、でありつつ一番親しい友人たちとの冒険行という事もあって一人で全部解決するのではなく、仲間たちと協力して全力で、というパターンが見られてやっぱり楽しいですなあ、こういうのは。
にしても、DXが色んな意味でキレキレなのですが。
とはいえ、ティティが妹トリクシーとの共感を通じて外と連絡を取れて、メイアンティアたちが深層の情報をひっくり返してバックアップしてくれてるからこそ、生き残れているわけで、ティ・ティが居なかったらと思うとホントゾッとするよなあ。まあ、このメンバー誰が欠けてもやばかっただろうけど。で、おそらくDXは一人ならここでも生き残れる、と。
ティ・ティとフィルの一蓮托生は、良かったなあ。下町出身のガラの悪い従騎士候補と王位継承権もある貴族との、今更だけれどずっと続いている友情をもう一度おさらいするみたいな感じで。今更、命預け合うなんてどうってことないんですよね。ほんと、今更なんだ。

イオンちゃん、一旦救出した他のパーティーと脱出したと思ったら、今度はさらにちゃんと装備整えて六甲と五十四さんと一緒にもう一度潜るのかー! なんちゅうタフな娘さんだ。ニンジャ適正はもしかしたらDXよりもイオンの方が高そうではあるんだけど。
ってか、イオンの実力知らなくてただのお転婆な小娘だと思ってるの、もうライナスだけなのか。他はあらカタみんな知っちゃってるんですね。今回の一件を通じて、他の生徒たちにもだいぶ知れ渡っただろうし。そんな中でどうして未だにライナスだけ知らない人枠のままなんだろう。なにか理由があるんだろうか。いや、面白いからいいんだけど。


Landreaall 34 ★★★★☆   



【Landreaall 34】 おがき ちか ZERO-SUMコミックス

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

地下王城で行われた騎士団の大哨戒からの帰還日、移動用の抜け坑(ループピット)の座標に異変が起こった。
深層に落ちて遭難したDXは、リド、ライナス、ルーディー、フィル、ティ・ティと全員で無事に生還するためパーティーを組む。

迷宮庭園(オムニラングル)を拠点として上層を目指すが――?
ダンジョン編、佳境の第34巻!!

しれっとイオンちゃん、強さに関しては自分とお兄……つまりDXはそんなに変わんない、と言ってるんだけどそうなの!? そこまで強かったの、イオンってば。いやあ強い強いとは思ってたし知ってたけれど、DXと同等とまでは思わんかった。
一方で騎士だの継承権だので自分の立場を考えることの多いDXと違ってイオンはまだ自分が高位貴族の子女という立場についてDXほど直面する機会がなかったとも言えるんですよね。なので、騎士候補生たちの絶対に守らなければならない、という言葉と自分に課せられた優先順位というものにプレッシャーを感じかねない場面だったのだけれど、マグナル王子この人あれ被せて「全員帰れるねー」と言ったの意図的だよねえ。この人も王族らしく機微に富んだ人なんだなあ。

さて、深層の方に放り出されてしまったDXたちのパーティー。メンツ的にも戦力としても能力のバランスとしても非常に高いレベルで取れているパーティーなので、これならよっぽどの事が無い限り安心して見ていられる、と思っていたのだけれど。
そうかー、いくら全員が出来物で才能も豊かで実戦経験も豊富だったとしても、ダンジョン探索……しかも案内役なしに自分たちだけでパーティーを組んで何日も掛けて地図もない場所を脱出するとなると、ダンジョン潜ったことがないという経験不足がこういう形で露呈してしまうのかー。
ライナスはダンジョン潜った経験あるとしても、それのプロってわけでは全然ないのだし、全員の経験が均一化されているわけではないので、誰かにとっての常識が他の未経験者にとっては全然未知のことだったり、報連相に関してもお互いの認識が一致していないとそれが必要とされる場面、行使しなければいけないケースってのはわからんよなあ。そして、お互いわかっていないというのは問題が発生してみないと気づかない、というのはなるほどなあ、と深く頷かされた。
リドが自分の体調を報告しなかったのも、ルーディのマッピング方法をティティが確認しなかったのもその類なんだけれど、ここまで行くと事前にすり合わせは難しい錯誤なんですよねえ。
本来なら事前に準備しミーティングを重ねて計画を立てて、その過程で認識の共通化は果たしておく事柄なんだろうけれど、今回はまさに突発的な事故であると同時に、このメンバーも各々逸れたところから集まったパーティーだから仕方ないとしか言いようがないんだよなあ。
普段から一緒にいる友人同士であるから気心は知れているから問題ない、と思ったんだけれど仲が良い、気心が知れている、の範疇ではどうにもならないこともあるわけだ。

でも、そんな失敗やミスを起こしてしまっても空気が悪くなったりしない、ミスした人を責めたりせず、ちゃんと何が悪かったかを話し合って修正できる、前向きにやり直せる、というのがDXをはじめとしたこの面々の素晴らしいところで、なんだかんだと不安感に苛まれない最大の理由なんだろうなあ。能天気というか呑気なくらいの雰囲気ですし、丸一日無駄に費やしてしまったことに関しても、やらかしたー、とみんな顔を覆って天を仰ぐわけですけれど、そこからグジグジと後に引かないしてるわけですしねえ。いい連中だわ、ほんと。
そんな彼らの評価は、大人の人たちからも実際高いようで、深層の方に落ちてしまったことで救出本部でもかなり絶望視する向きもあるのだけれど、彼らを知っている人たちは敢然とやつらなら大丈夫だ、と太鼓判を押すんですね。
ゼクスレン教官やアンニューラスがDXたち一人一人能力と特徴を語ってくれるのだけれど、まあ実際こいつら大した奴らなんですよね。こうして具体的に評してくれるとテンションあがるなあ。燃えますやん。
しかしDXの評価はある意味ハチャメチャだなあw 一人で遭難してたら逆張りで深層からさらに下に潜ってしまってたかもしれないから、ティ・ティやルーディみたいな直接は戦えない連れて帰らなきゃいけない一般生徒が一緒で良かった、ってそりゃそうかもしれないけど。うん、DXなら一人で放っておいたらフラフラ下に潜っちゃったかもしれないけどさあww 色々前科がありすぎるw
しかし、今回のアンちゃん、服装のせいかわからんけどいつもより見た目男寄りだなー。

ミストレスはガチでビビった。いやだって、しれっと居るんだもん。ちょうど前巻からの続きで、前読んでからしばらく経ってたから、あれ? カイル居たっけ。でもみんな普通にしてるよ? でも確かこのパーティーには居なかったぞ。あれ? んんん? おや? と、かなりクエスチョンマークが頭の上飛び交いましたからね。

巻末の地図にさらっとB4,B5は山手線の内側よりも広いです、と書いてあって草。そんな広いんかい! そりゃ救出班の捜索手間取るわ! 他の遭難パーティーは概ねB6までにいるなかで、DXのパーティーだけB33だもんなあ。縦移動できるワープゲートである「杭」が使用不能になってしまってる現状、自力で階段上がっていかないといけないというのは、これはきっついなあ。古文書ひっくり返してダンジョンの構造解析してくれてるトリクシーとティ・ティが双子通信できるのがホントに不幸中の幸いだ。
とか言ってる間に、ラストでまたトラブル。ひゃー、ここで区切るのかー、早く続きーー!

シリーズ感想

Landreaall 33 ★★★★★   



【Landreaall 33】 おがき ちか ZERO-SUMコミックス

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

アトルニア王国の地下ダンジョンを巡回する騎士団の大哨戒に参加したDXたち。
無事討伐と巡回を終えた迎えた帰還の日--地脈に変動が起こり、坑(ピット)の座標が狂ってしまった!
閉じかける門に飛び込み、DXたちの部隊に合流したイオンだったがそこにはDXはおらず--!?

緊迫と興奮のダンジョン編を収録した第33巻!!

いかん、面白すぎて久々に感想手がけてしまった。
ダンジョン遭難編、大事件大事件大事件! スピンドル事件以来の学園での大トラブルである。今回は学園そのものじゃなくて、騎士見習いたちが巻き込まれてしまった事件ということになるけれど、いつものメンツだけじゃない総メンバーでの大事件となるとやっぱり盛り上がるんですよね。
浅層での探索のはずが、階をワープするための坑(ピット)の行く先がランダム設定となってしまい、未倒の深層に落ちてしまう、という展開は定番ながらやっぱり盛り上がるんですよね。
ただ、完全に音信不通になってしまうのではなく、ランダムに通路が繋がる坑や王城の転送門から聞こえてくる声や、コンタクトを取ることで設置された救出本部が着実に状況を把握して、各小隊の現在位置を特定して、可能な限り誘導を開始する展開は凄く好き。相変わらず、この作品の大人たちなみんな優秀なんですよねえ。
それでも、転送ゲートが時間とともに狭くなっていって、閉じてしまうというタイムリミットが設定されてしまったので、上で救出の指揮を取る人たちも地下に救出に向かった人も遭難している面々もそれぞれがいちいち迷っている暇なく、キビキビとスピーディーに即断していく、その決断や行動の速さが物語自体をグイグイと推し進めて、目まぐるしさに必死についていきながらついついワクワクしてしまうんだ、これが。
一応、地下王城ダンジョンは徒歩でも上がり降り出来るようにもなっているらしく、ピットや転送ゲートが使えなくなっても行き止まりになってしまう、というわけではないのだけれど、それでも入念に準備をして潜ったわけじゃなく突然放り出されてしまったわけですから、食料やキャンプするための準備もこれまで消費した分もあるわけで、そう簡単にはいかないものなあ。

ともかく、みんな判断が暴走していないんですよね。止める間もなく飛び込んでしまったイオンにしても、飛び込んだ先で現状を確認したらそこのメンツを取りまとめて、上層へのルートを確保して脱出するためにDXたちを探しに下に行くわけでもなく、ちゃんと的確に動いてますしねえ。
ルーディーと五十四さんとのやり取りも、忍者な五十四さんが主人である竜胆のもとに戻ることに拘らずに、ルーディーの意見を汲み取って彼に竜胆の刀を託してけが人込みの隊を上層に誘導する役を負ったりするの、意見と指摘と説得の肯定がほんとにしっかりしていて、何もかもが速いにも関わらず各人の発言行動にはちゃんとした中身が詰まっているので性急さが全然ないんですよね。最適に速い、というべきか。
おかげで、本当に危ない場面に陥りそうだったところにしっかりと手が届いていて、最悪の展開は避け続けられることに。これ、ほんとに現場と後方が速攻でガッチリ噛み合って最善を尽くせる体制を作れたからですよね。イオンやライナスの突入など、ほぼほぼなし崩しに突貫で応急を繰り返して綱渡し出来たからでもあるんだろうけど。
ゼクスレン教官の腕を犠牲にする覚悟の転送門の確保や、神官騎士長の活躍など後方支援体制の確立が肝だったんですよねえ。特に神官騎士長、いや転送門が異常をきたしたときの反応みて、この人大丈夫かと思ってたんだけど、蓋を開けてみるとなにこの折衝の神様w 後方支援体制の確立、ほとんどこの人が立役者でしょう。こういうトラブルになると真価を発揮する人、組織間の折衝、仲介、こういうおじさんの仕事しっかり書いてくれるの、ほんと好きです。アンちゃんの「名もなき国宝級の能力があるものだなあ」というセリフには、思わずニヤニヤしてしまいました。

しかしまー、こういうトラブルになると真価を発揮するのはイオンとDXの兄妹もおんなじで。イオンちゃんの大暴れっぷりが清々しくて笑えてきます。オズモおじさんの「あれは小型のDXと思え」というコメントには思わず爆笑。いやそうだけどさ、そのとおりだけどさ。そろそろ、イオンも淑女淑女で押し込めているの限界になってきてるんじゃないだろうか。スピンドル事件でもイオンだいぶ動き回ったから彼女についてはだいぶ知れ渡ってきていますし、マジで女子の騎士枠誕生しちゃうんじゃ……。
いやでも、イオンの場合は騎士じゃないしなーw 完全ニンジャ互換である。敢えていうなら傭兵枠。
これに関しては相変わらずDXの方もおんなじで、騎士装備で全力戦闘するのってもしかして初めてでしたっけ? あの飛んでハネての戦闘法、鎧着て剣持ってだとやりにくそうとは前々から思ってたんだけど、実際動きにくかったのか!
ルーディーにそれでふてくされてるのか、とか指摘されてて目を丸くしてるDXにちと笑ってしまった。そんな風に屈託なく指摘してくる人ってそういえば居なかったなー、と。思い返してみると、DXってあんな表情してテンション下がってる時度々あったような覚えあるんだけれど、もしかしてその時もふてくされてたりしたのかw

なんやかんやで合流したり別れてしまったりの末に、いつものメンバー、DX、竜胆、ライナス、ルーディー、ティ・ティ、フィルの六人が揃うと、ああいつものメンツだ、とばかりに一気にテンションあがってしまいますわ。安心安定のメインメンバーズ。合流した途端、混乱している状況をDXがあれこれ指示して指揮することでストンと状況が整理されて混乱が収まるシーンは、爽快ですらありました。
DXをパーティーリーダーにして、地下34階から全員で踏破脱出、と目標も定まり、いざ地下王城ダンジョン編、クライマックスへー。

……やっぱり面白いなあ、ランドリオール!! 楽しい、ひたすら楽しい!!


巻末のプチリオールでは、あのクエンティンとユージェニのその後の詳報が。クエンティン、生き残ったとはいえ、あんな有様になっていたとは。かなりギリギリの状態だったんですね。この掌編での出会いによって、最悪は逃れられたみたいですけど。
にしても、この作品世界の「馬」はほんと素敵な存在だなあ。この馬、ユルドゥの姉のフルムって、砂漠編でDXと出会ってたあのレディのことなのか。これもまた縁だなあ。


おがきちか作品感想

Landreaall 24 限定版4   

Landreaall 24巻 限定版 (IDコミックススペシャル)

【Landreaall 24 限定版】 おがきちか ZERO-SUMコミックス

Amazon

これ、限定版特典の小冊子が素晴らしかった。この間までやっていた馬上槍試合のもう一方の主役である馬たちのお話なのですけれど……。Landreaallの世界では、馬って単なる動物ではなくて(馬にかぎらず少なからぬ動物も)ちゃんと知性と意思を持つ人間と対等の存在で、騎士団などに所属している馬たちは家畜として飼われているんじゃなくて、正式に契約して騎士団に在籍しています。今回は、そんなお馬さんたちが先日の馬上槍試合で乗せた若き騎士たちについて語り合う、井戸端会議ならぬガールズトーク。そして尻の話。お尻好きすぎるだろう、ご婦人方(笑
それにしても、DXを乗せていたアプローゼの圧倒的なマダムっぽさは物凄いですな。どう見ても馬でしかないのに、ひと目で伝わってくるあの熟した美女の色香。まつげ長いのよ! その流し目ときたら、色っぽいのなんの。
いやあ、面白いわ楽しいわ笑えるわで、最高の小話でした。
最近、本編がけっこうハードなんで、こういうところで癒やされないと。

さて、その本編ですが、ついにリルアーナ王女の真相とクェンティンの真意が明らかになり、その覆い隠されていた仮面の下から、復讐という名の虚ろの顔が現れることに。
ユージェニは、これどうなんだろうね。クェンティンの建前の裏側にある熱された虚ろに気づいていないとは思えない。利用し利用される関係なんて嘯いているけれど、そもそもクェンティンの語る王国の未来について、どこまで信じているのか。これっぽっちも信じていないんじゃないかとすら思える。彼女はクェンティンみたいなのに騙されるような頭の悪い女性には見えないから。じゃあなんで、そのクェンティンの言うとおりに傀儡のように動いているのか。
さてさて、その理由についてはメイアンディアをわざわざ砂漠の端まで引っ張り出してきて、DXと共にここでクェンティンとユージェニという組み合わせと対峙させる事が何故必要だったのかに絡めて、想像が羽撃く。
ユージェニに何かを突きつけられるのは、今この時をおいてはメイアンディアなんですよね。彼女の立場と、その選択をした高貴なる者としての意思、その胸に抱いた恋こそが、今のユージェニに対峙するための武器となる。もっとも、今のままでは諸刃の剣。無理をしている、我慢している、耐えているという意味においては、まだ今のメイアンディアではユージェニに何かを意見できるかというと……さて。
ということは、ディアにももう一山必要なんですよね。だからこそ、彼女と対等であり同じ女性であるイオンがついてきている事に意味があり、またクェンティンからつきつけられた虚言に対して、DXがどう反応するかも、このさきのディアの決断を大きく左右しそうな気配がある。
ってか、いい加減このクェンティンの言葉は聞いててイライラしてくる。自分でも信じていないような台詞を、確信しているかのようにDXに押し付けてくる彼の虚言の数々は、なまじっかヌルリと心のスキマに入り込んでくるようなまさに悪魔のささやきで、だからこそ鬱屈が溜まっていくんですよね。
そろそろ、DXにはスッパリと切って捨ててほしいなあ。誰も思いもよらぬ角度から、核心を突くDXのいつものあっと驚かせ、思わず感嘆のため息を付いてしまうような一撃を、今こそこの淀みにぶちかましてほしい。さすがにそろそろ、クエンティンの狼藉に我慢できなくなってきた。

巻末のテイルピースが、またいい味出してまして……。
カイル、DXの親友だったのか……。いや、否定はされないと思うけれど、思うけれど……ものすごく嫌な顔されそうw
一方でイオンの話の方は、六甲の結婚話に対してあれだけイオンが焦って必死になるということは、やっぱりそういうことでいいんだろうか。いいよね?

シリーズ感想

Landreaall 23 限定版4   

Landreaall 23巻 限定版 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 23 限定版】 おがきちか ZERO-SUMコミックス

Amazon


まさか、あの夫婦が。特に戦鬼がごとき無双の、作中最強なんじゃというファレル母さんがどうやったらやられるんだ、というかどうやったらやっつけられるんだ、とありえないシチュエーションに、これ本気でヤバいんじゃないのか、と危惧していたんですが、そうか、そういうことだったのか。これは相手が上だった、としか言い様がない。そうか、ファレル母さんってそんな弱点あったっけ。そんな弱点ついても余計に酷いことになりそうで、全然予想していなかった。そもそも、彼女の弱点ってこういうシーンで利用されるようなものじゃなかったはずだもんなあ。これは偶然なのか、それともファレル母さんの弱点を把握した上での事だったのか、と疑問するなら、仕掛け人が明らかになった時点で後者とかんがえるべきなんだろうなあ。
案の定黒幕は誰もが予想した通りの人物だったわけですけれど、ここまであからさまなのに底知れないあのクェンティンの怪しさはやっぱり並外れている。一体何を考えているのか、未だにさっぱりわからないし。こいつが面倒くさいというか難しいというか怖いのは、安易に「敵」認定出来ないところなんですよね。まず敵味方がはっきりしないと対処のしようがないものなんだけれど、そもそも彼に関しては何に対して敵味方の判断を下していいのか、から分からない。白黒はっきりするのって簡単なように見えて、これだけ判断の土台となる部分が混迷しているとひどく難しいんだよなあ。果たして、クェンティンがここまでやらかした今の段階に至っても、判断してしまっていいものか恐ろしくある。DXは白黒ハッキリさえしたら、電撃的に事態を解決できるだけの様々なものを備えているけれど、同時に思慮深く慎重で判断基準も独特なので、クェンティンについてはかなり困ってそうなんだよなあ、扱いを。前はアンちゃんことアニューラスについても随分困ってた節がありますけれど、彼女(彼)についてはDXに対してほぼ全幅で自由を尊重してくれたので、まるっと大方のものを預けて解決してしまったのですが、クェンティンは目的が定かではないのはいいとしても、その目的を達成するために他者の自由意志を尊重しない、というか誘導する節があるので、DXが打ち解ける余地は殆どないんだけれど、それでもまだ敵認定するようなものでもなかったんですよね。それが、今回これだけハッキリと強引な手に打って出てきたとなると、それだけ大きく事を動かす段階に至ったのは間違いないんだろうけれど……うーん。
それでも今回は六甲が本当に危なかったんで、身内を危機にさらされたDXがどう判断するのか。彼については後になってみるとその行動原理は明快にしてわかりやすいものの、その時その時には動きが瞬発過ぎて理解が追っつかない事が多々あるので、今回もどこまで動くのか見通しが立たないのがワクワクを通り越したドキドキ感がある。とんでもないことをやらかしてくれそうで、それがある一定のラインをちょうどまたぎ越していそうで。ティティの気持ちはよくわかるよ、これw
とはいえ、六甲が無事だったことでほんとに危ない展開は免れているのは多分、間違いないと思うんだけれど。
一方で、イオンもまたこれ、何気に道を一つ選んじゃったんだよなあ。イオンちゃんはどうやったってイオンちゃんであることを選んだか。あの寮監さん、ケリー夫人ならイオンがどう言おうと最後まで止めると思ったんだけれど、イオンの決意の謝罪に対して何も言わなかった、言えなかったのか、のが結構意外だったし、それだけこのシーンは重要だったのかもしれない。
しかし、DXがイオンに気付かなかったのはなんでなんだろう。他の親しい人はみんなほぼひと目で気づいてたのに。六甲も驚いてたもんなあ、気づいてないことに。
六甲ーイオンのラインは正直もうないのかな、と思ってたんだけれど、あのシーンを見せられるとまたぞろムクムクっと盛り上がってきましたよ。家族は家族でもやっぱりDX相手とは違うもんなあ。DXとしても、カイルよりも六甲の方がオススメみたいだし、個人的にもこの一件で六甲がニンジャでありながら人間として生きることに対してより真剣に向き合うことになったことで、よりイオンとラインが繋がる芽が芽生えてきた気がするので、ぜひ推してあげたい。
巻末の短編も毎度ながら面白かった。一つの些細な事件と認識されていたものが、解体しその影響を辿って行くと様々な面に波及して繋がっていっているという面白さ。歴史にしても現代の政治にしても、単発の出来事を抜き出して表層だけをさらって、これ、と見せてもその本質は全く伝わらないんですよね。繋がっていっているものを見出して、その多くを俯瞰して理解しないと物事というのは見えてこない。新聞記事やイオンの話、自分が見聞きした出来事から、グランドデザインを描き出して見えたチルダは、ほんと賢いなあ。そして、それを安易に口に出さないことも含めて。
そして、フィルのナイフ投げの凄さ、伝わりましたよ。DXが語りたくてウズウズしているのが、可愛いというかなんというか。しかし、本気でスゴイんだ、フィルのナイフ投げ。

シリーズ感想

Landreaall 22 限定版5   

Landreaall 22巻 限定版 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 22 限定版】 おがきちか ZERO-SUMコミックス

Amazon

うっひゃーーーー!! 読み終わったあと、止めていた息を吐いて吸って、万感こめてバンザーイ、やっはーー。いやあ、もう色んな意味で呼吸を潜めつつもハラハラドキドキな内容でした。今の新王即位に関連する宮廷内の微妙なパワーバランスの中に否応なくつま先突っ込んじゃってるDXなんですが、意図してないところから変なところに首突っ込んじゃったが為に、なんかこうつま先立ちで綱を渡ってるような感覚で。ただ、DXの身体能力からすると、綱程度ならひょいひょいと簡単に渡っていけるんだけれども、でもやっぱり傍から見ていてアイヤーってな感じなんですよね。DX当人もなんか全然思ってない方向からボールが飛んでくるんで、受け身に回っているというか、現状攻めるべき目標がないからこそ立ち回りが慎重になっている気もする。敢えて危ないことする理由もないですからね。だから、父親のリゲイン卿の周辺がリリアーナ姫の件できな臭くなっている事もまあ我関せずで居るはずなんだけれど、周りはそういう目で見てくれてないというか。今のところ、ロビンの親父さん探しという王都の権力の駆け引きとは関係無い私事でのみ動いていたはずなのに、その肝心の探していた渦中の人物が、新王となる大老ファラオンの三男だったことから、段々と話が怪しくなった挙句に、その件でこっちもイオンからの流れで独自に動いていたライナスたちが危険に巻き込まれることになって、とまあ周辺静かじゃイられないことに。
ライナスも、ドジ踏んだというか危険の見極めについては仲間内でも一番捌けてると思ってたんだが、今回一度目は兎も角として、その後も調査を実行していたのはちょっと意外。そういう危ない真似はしない奴だと思ってたんだが。
「君たちのトラブルって僕がわくわくするレベルを超えてるんだよねいつも!?」
TTって、騒動やトラブルは鼻歌交じりに楽しみながら好奇心を満たしつつ利用して自分の利益を確保しつつ解決する、みたいな気質の持ち主だと思うんですよね、元来。ところが、DXたちが持ち込んでくるトラブルと来たら、笑ってアハハと楽しむにはどれもこれも大事過ぎて、それらを裏方で軟着陸させるのに毎回相当な尽力や助言をひねり出してるTTからすると、この言や然りであり、今回もまあとびっきりだよね!! さすがに直接襲われる、みたいな自体は初めてだし、いや真名の件でルーディーがさらわれたりとかあったか。でも、今回は何しろ新王即位にまつわるものだからなあ、危なっかしさもとびっきり。
この件で釘刺しにきたタリオとのやり取りは、もうウッヒャー、ですようっひゃーー!! 
「……あれ、もしかして」
「知ってるよ」
この目線だけのやり取りにはひっくり返って大笑い。あかん、大人怖いw 宮廷内で暗躍してる最前線の連中はホント、なめちゃいかん。
とはいえ、そんな妖怪みたいな大人たちにとっても、DXって子は意外で読めない眩しい存在なんだろうなあ。頭が良くて純心で世間知らずな子供は幾らでもいるだろうけれど、DXのように真っ直ぐで透明なほど純粋な性質でありながら、矛盾するように狡猾で強かで食わせ者、という相反する2つの要素を併せ持った子供は見たことがないだろうし。まさしく、騎士と傭兵を兼ね備えてる変な子なんですよね。今回も、タリオ氏とライナスの親父さんがどうやらDXが自分たちの常識と想像の範疇からかなり逸脱したとらえどころのない、しかし目が離せない魅力を兼ね備えた子だということに気がついていく様子は、見ててホント楽しかった。特に、大商人であるライナスの親父さんが、DXの真意と本質を捉えた瞬間は、この人何思ってニヤニヤしてるのかなあ、といろいろ想像してワクワクしてしまいました。DXの言動に一喜一憂し、驚き目を丸くしわくわくするのも楽しいのですけれど、DXに驚きワクワクする周りの人達を見るのもまた、この作品の楽しみ方だなあ、と改めて思った次第。

とまあ、ロビンの父親の捜索の件が、一度慎重に立ち回り方を考えなければならなくなったところで、まさかの一報。てっきり、リゲインとファレルたちがちょっとヤンチャしたのかと思ったのだけれど、ラストの六甲のあの様子を見るとやはりタダ事じゃなかったみたいだし。うわぁ、どうなったんだ。とか、思ってたら、まさかのディア同行!? それを言い出したのがファラオン卿って、この人マジで何考えてるんだろう? いやしかし、これはニヤニヤしてる場合じゃないけれど、DXとディアが二人で旅行って、ニヤニヤせざるを得ないよ。さすがにあの告白のアトだと気まずいってなもんじゃなく、二人ともある意味割り切っている分読んでるこっちの方が気を揉む展開なんだが、こんな形でクレッサール編かぁ。うへえへえへ……あかん、変な笑いが。

シリーズ感想

Landreaall 21巻 限定版5   

Landreaall 21巻 限定版 (ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 21巻 限定版】 おがきちか ZERO-SUMコミックス

Amazon


限定版についてくるドラマCDは、あの伝説の前史【Crescendo MARION】。リゲインとファレルの馴れ初めのお話でもあります。小冊子に描かれている通り、リゲインとファレルがイチャイチャしているのを火竜が見つけて、おのれリア充!! と襲いかかってきたみたいに聞こえるww
男の子と勘違いしていたファレルが女の子だと知ったシーンの、リゲインの「きゃあ」があんまりにも想像通りで、ツボに入ってしまった。いやあ、言われてみるともう十年も前なんですよねえ、クレッシェンド・マリオン。そんな前になるのかあ。未だに、このお話がバイブルである身としては、ドラマCDとして耳に出来るのが何とも感慨深い。そう、未だに自分の中ではファレル母さんが一番だもんなあ、うん。
というわけで、大満足のドラマCDでした。特典の小冊子も、新婚の頃の二人のイチャイチャ(と言っていいのか?)で、拗ねてるリゲインとか見れて大満足。可愛い男だなあ。
二人の領地となったエカリープがどうやって整備されていったのか、というお話なんかも説明されてるんですが、これも興味深い。というか、ランドリの不思議な世界観が端々に垣間見えて面白いんですよね。この世界って、馬とか猫とか犬とか、飼うもんじゃないんですよね。向こうから来るんですよ。完全に人間と対等な生き物として扱われている、というのは本編でも先頃までの馬上槍試合でも散々語られてましたけれど、エカリープみたいな開拓地だと馬も入植者扱い。人が連れてくるんじゃなくて、向こうから勝手に来てくれて手伝ってくれるようになってる、というのはホント面白い。
ランドリの世界観設定集みたいなのが出たら、いつまででも読んでられそう。絶対飽きなさそう。

さて、本編ですがいきなり過去編からはじまったので面食らう。そう、ライナスとルーディーの子供の頃のお話。こいつら、子供の頃からこんな修羅場潜ってたのか。そりゃ、度胸も座るというか、あの歳で甘さのないひと味違う出来物に育つわけだ。ノアルド先生との付き合いもここからなわけね。
泥砂に巻き込まれたライナスが助かった時の話が、また胸をかきむしられるような話なんですよね。あの一瞬で、幼いライナスを救うために、どれだけの人の手が伸ばされたのか。たった一人の子供を生き延びさせるために、砂に呑まれながら無数の手が、馬までが、命を繋いでいく光景は、想像するだけでなんかもうあかん。
イプカとの関係も、なるほどこういうことだったのか。壮絶というか凄絶というか。ライナスは多分、一人でも傑物になれたんだろうけれど、ルーディーという存在が傍らに居たのは本当に大きかったんだなあ。

さて、馬上槍試合からの後日談。DX失恋からの後日談、とも言うべきか。DX、なんか腑抜けてる。全然吹っ切れてないじゃないか。うはは、こんな情けないDXを見れるとは、ある意味眼福眼福w
でも、やっぱりディアもあれ、ダメージ受けてるよなあ。DXにああいう宣言されちゃって、どう思ってるのかと思ってたけれど、イオンとのやり取りや、DXに対する反応とか、他所様の恋愛事情とか、恋に纏わる顛末とかの話題への食いつき方なんか見てると……ローハルト卿の幽霊にディアは何を聞いて欲しかったんだろう。どんな想いを、言ってはならない、誰にも聞かれてはならない想いを、吐露したかったんだろう。
切ないなあ。
とまあ、そんなこんなしているうちに、話はちょいと後回しになっていたロビンの父親探しの方に流れていくんだけれど……なんか、本格的にきな臭くなってきたぞ。
リルアーナ姫の忘み形見だというユージェニ姫の登場も相まって、王家の血筋、遺児絡みの話がえらい込み入ったことになってきた。リルアーナ姫が行方不明になる前に身ごもっていて、その子がユージェニだというのはまず間違いないとして、その父親が誰なのか、ルッカフォート将軍ことリゲインは自分だという噂を全然否定しないし、DXにわりとツッコんだ話を聞かれた時も、まだ語る時ではないし真相も探り当ててない、と何も語らないんだけれど、自分が父親じゃないと否定もしないんですよね……普通は、心当たりがある、と捉えられても仕方ない反応なんだけれど……これ、まず違うだろうなあ。現状、自分が父親かもしれないと匂わせておくのも仕方ないくらい、本当の父親が噂に登るのもまずい人物と考えるとしっくりくるんだが。多分、リルアーナ姫とは一切リゲインはそういう関係になかったんじゃないか、と思いたいのは身贔屓か。
ローハルト卿、という線が急に浮かび上がってきたんだけれど、うーん、そうなるとローハルト卿の不審死やらロビンとユージェニの年齢やら関係やら、うんうん……わからん!
ただ、そこを探られると非常に困る勢力がまず間違いなく存在しているようで、うむむ、ヤバい。これはかなりヤバイ事に首突っ込んだ!? こりゃ、DX、顔を知られてしまった以上、自分がロビンの父親探しが何を意味しているかわからないまま、相手には全部わかって踏み込んできたと思われながら、暗闘の渦中に引っ張り込まれることになりそうだぞ!? 肝心の時にリゲインとファレル母さんらはクレッサールへ、しかも六甲を連れて行っちゃったし。オズモオジさん、たすけてーww

巻末のTailpeaceは限定版と通常版違うのかな。限定版は、イオンがティ・ティの部屋に訪問した時の幕間。窓からおじゃました時、ハルもイました、というお話。なんで男子寮に女子が立ち入り禁止なのか、の理由のオチに笑った。はい、ごもっともでw

シリーズ感想

Landreaall 20 限定版5   

Landreaall 20巻 限定版 (ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 20 限定版】 おがきちか ZERO-SUMコミックス

Amazon

女神杯も決勝戦でディアを花冠の乙女に選び、カイルと互角の勝負を見せるDXだったが、ゼクスレンとフィルから衝撃の事実を知らされる。
混乱のまま試合に臨んだDXの結末は――?
なんか、怒涛の展開だーーー!!
DXがついに本気を出した、というか本気になってしまった。ついに、である。ある意味、彼はこれまでずっとふわふわしたままで来てたんですよね。勿論、友人や妹のことなど諸々で本気になって立ちまわることは珍しい事ではないのだけれど、なんというかDXが自分のためにひたむきになり、地に足をつけて何かを勝ち取ろうとする姿勢は、マリオンとの一件以来ずっと遠ざかっていたように思う。抜け殻というんじゃないけれど、マリオンへの失恋はDXにはそれほど大きいものだったのだ。幼少の頃から人生の目標として想い定めて鍛えあげてきたものだったし、その一念はついに火竜を打ち倒すほどのものだった。それだけに、マリオンとの別れは彼に透徹としたものを残していったように思える。
故にこそ、そのDXの透明に明瞭に火が灯った瞬間には、胸が熱くなった……と、同時にマリオンとの顛末を思い起こせば確信のように、彼が本気になるというのはそれ自体が巨大なフラグのようなものなんだよなあ、と悪い予感が這い出してくる。
案の定であった。
いや、前からディアには結婚相手が居て、それを彼女は受け入れている、という話はDXの関知しない所で話題になってたのだから、この展開は予想して然るべきだったんですけどね。
それでも、彼女の結婚は単なる政略結婚どころの話じゃない、ここまで国家の礎となり得る重大な案件だったというのに衝撃を受ける。
そも、ここまで秘されてた王国上層部で起こりつつ会った新体制への発起と、ここまで密接に関わっていたとは。ディアの結婚の真実が明かされるということは、アルトニア王国でこれから何が起こるかという新展開の開陳と直結していたわけだ。二重の大衝撃ですよ!!
って、これだけでも十分唖然呆然の展開だったのに、そこにさらにクエンティンの企てまで重なって、クエンティンが連れてきていた女性がまさかの登場。彼女の素性については、クエンティンがリゲインの元を訪れて話した内容や、フィルたちが遭遇した彼女の様子などから容易に推察できてはいたものの……それでもタイミングがタイミングだっただけに、ビックリだ。普通に登場しただけでもビックリだったはずなのに、出てきた途端アレだもんな!! びっくりどころじゃなく、驚愕ですよ。もうココらへん、新事実の連続で頭をぐわんぐわん振り回されたみたいな気分である。んでもって、トドメにイオンの無邪気な一言だもんなあ。
ガチで、あれはトドメだ(笑 いーーおーーん^ーー!!

しかし、ここまでの展開、明らかに詰みは詰み……ああ、DXとディアの恋のお話ね……なんだけれど、これまで明らかになった経緯と状況を照らしあわせ、さらにこれから起こる事について各人の動きと思惑を追っていき、それらを細かくつなぎあわせていくと……微妙に抜け道らしきものが用意されている節が透けて見えてくる。
これは、あまりにも細く拙い道だけれど、なんて言うんだろう……DXがディアの為にそれまで流されて参加していた女神杯の決勝で、本気で勝ちに行った事実というのは、大きな前例となり得るのかもしれない。
その道をたぐり寄せるために、クエンティンの登場はまさに絶妙のタイミングだった。勿論、クエンティンの思惑はまったく別のところにあるのだけれど、DXの事についても彼の本意についても、当人の意図していないところで、或いは違うルートの命脈をつないだ、という感が窺い知れる。
それにね、マリオンの時と違うのは、彼女は手の届く範囲にいて、また彼女の想いもまた違う方を向いてはいないということ。あー、でもそれは口にしなければDXは受け取らないんだよなあ。口にしないという意志を尊重する男だから。それは彼の長所でもあるんだけれど、時として短所となるところだとこういう場合は思ってしまう。
それは精一杯の告白なんだ。それでいて、突き放せない踏ん切りを無理矢理につけようという足掻きである。だからこそ、ディアの決意へのDXの献身的な肯定は、自分を殺す優しさは、きっと彼女が求め望んだ言葉なのだろう。でもだからこそ、その言葉は、
手に入らないものを欲しがるのは、辛いって知ってる。
だから、君のことは好きにならない。
きっと、ずっと好きにならないよ。

彼女をも殺すに違いない。

断ち切られてこそ、殺されてこそ、それが消せない傷であったのだと思い知らされる時もある。
或いは、此処こそがメイアンディア・クラウスターの運命の瞬間だったのかもしれない。

おがきちか作品感想

Landreaall 19巻 限定版5   

Landreaall 19巻 限定版 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 19巻 限定版】 おがきちか IDコミックス ZERO-SUMコミックス

Amazon

ついに女神杯が始まった。
順調に(?)勝っていくDXだったが、試合が進みレベルが上がっていく中で弱気になるDX。
今回の試合のためにお世話になった人たちに失礼じゃない負け方ができればいいとフィルに告げる。
はたしてDXの考えどおりに馬上槍試合は進むのか――?
ウマーー!! 馬すげえ、ランドリの世界だと馬は馬でもぜんぜん違うのか!!
てっきり、レディ・アプリだけが特別賢いのかと思ってましたが、表紙裏のランドリの世界での馬の解説を見て納得。この世界の馬は家畜じゃなく、人間と対等の社会性を持った知的生命体だったのです。人間以外では珍しい「信仰」を持つ生き物、というだけでも驚き、というか何か価値観からひっくり返ってしまう設定なんだが(他に犬やらクジラやらがそうなんだそうな)、人間のもとで働いている馬たちは飼われているのではなく、長期契約で雇われている、つまり就職しているというという事実には唖然としたものだけれど、そうと理解してから作中で描かれている馬と人間たちとの接し方を見るとなるほど、色々と腑に落ちる。
おっもしろいなあ!!
馬ひとつとっても、こんな設定があるなんて。このランドリの世界観って一般的なファンタジーと似ているようで、ところどころ根底から価値観違うところがあるんで、面白くって仕方がない。見たことない世界ですよ。

さて、その特性から馬と相対すると何故か馬のほうがカチンコチンに固まってしまうDX。お陰で今までろくに馬に乗ったことがなかった彼が、レディ・アプリのお陰で何とか馬上槍試合の予選は突破できたものの、本戦は最初から諦め気味。というところから19巻再開。ちょっと前回までの細かいところを忘れていたので、冒頭の「お兄が薄くなってる!?」というイオンの台詞の意味がわかんなくて戸惑ったのですが、読み進めて理解した。薄くなるってそういう意味かw 兎に角レディ・アプリにすべて任せて、DX自身は槍を構えた添え物として徹しているため、自己が薄くなってる、という意味だったんですな。このレディ・アプリがまた達人なんですよね。いや、達馬とでも言うべきか。見る人が見ればわかっているみたいだけれど、足さばきとか間合いの図り方とか、馬上のDXの動かし方とか、凄いのなんの。とは言え、本戦に入り上位に入るメンバーは練達揃い。幾らレディアプリが凄脚だとは言え、馬上のDXが素人な以上そうそう勝ち残れるわけがないのだが……悲喜交交ありまして、何故かDXが勝ち進むことにw
わりとこのへん、勝つ側のDXよりも、負ける側のレヴィとかワイアットの方がそれぞれの話の主役になってるんですけどね。DX、ある意味引き立て役(笑
それでも、結果として決勝に残ってしまったわけで……当人、勝ち進む気なかったから何も考えておらず直前まで忘れていた花冠の乙女の選出をいきなり迫られることになってしまうのでした。
と、ここで私も完璧に忘れていた、ディアに関する相談をしたためたリドへの手紙が、回りまわって今更のようにリドの手元に届き、しかもなぜかその手紙、竜葵を経由していて、DXへの返信がしたためられているという始末。
まさか、まさかあの相談の応えを竜葵が返してくるなんて。うおおおい、それってアリなのか!? しかも、内容がまたとんでもなくって、大爆笑ですよ、大爆笑。いやこれ、笑ってイイところなのか分からない場面なんだが、あれは笑うだろう。だって竜葵兄さんですよ!?
しかし……DXってばディアのこと、あんなふうに捉えてたのか。なるほどなあ。
それが、このタイミングで。わざわざこのタイミングで、ってのがまさに運命だ。言い切るのは難しいけれど、DXのこんな顔、久しぶりに見た気がする。真面目な、真剣な表情はこれまでもあったかもしれないけれど、あんな風にじっと誰かの面差しを見つめる表情は。
DX,本気だ。


それとは別に、王様の話も進行中。スレイファン卿とDXの対話はこれも興味深かったなあ。言うなれば、この国の大人たちの多くは、次の世代の子供達に王国の将来の選択を託したのだ。あくまで託したのであって、丸投げじゃないのが味噌。子供たちが選んだ道を、この大人たちはこぞって支え手助けしようとてぐすねひいて待っている。待ち望んでいる。待ち侘びている。
期待と希望に胸を膨らませて。そう、膨らませて心躍らせるくらい、次の世代を担う若者たちの姿が輝いてるんだろうなあ。きっと、継承権を放棄した時はまだ不安がいっぱいで、諦めも半分で、だからこそ荒んでいたんだろうけれど。王政反対派だというスレイファン卿から、あんな言葉を投げかけられた日にはね。一つ間違えれば背負わされる重荷になりそうなものだけれど、この大人たちはちゃんと一緒に背負ってくれる覚悟だもんな。頼もしいよ。
頑張れよー、フィル。

さあ、盛り上がりに盛り上がった所で次回への引き。毎度毎度、次の巻が楽しみすぎますってば、このイケズ。

おがきちか作品感想

Landreaall 18  限定版5   

Landreaall 18巻 限定版 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 18  限定版】 おがきちか IDコミックス ZERO-SUMコミックス

Amazon

今度の限定版はファレル母さん主役の描きおろし漫画が掲載された小冊子。ファレル信者は必読である。
それにしてもDXって騎士の全身鎧が壊滅的に似合わないよなあ。


ACT92 <騎士、祝福する>

友を信じよ 善なる人を導け …そして自由であれ

このDXが自分の言葉で語った祝祷を聞いて、ディアは自分が祝福されたみたいだ、と涙を流す。このDXの祝祷を聞いている時のディアの瞳が印象的なんですよね。あのフワッとしてこの世の真理を垣間見たような瞳が描かれる時って、その人に取って重要な内面の転機が訪れた時が多いのです。その時は、当人ですらも気づいていなくても、あとになってみるとあの瞳が描かれた瞬間こそがその時だったと思い起こすことが度々ある。
自由であれ。新生児にこんな祝祷を残す人は随分と珍しいらしい。だからこそ、DXという人間の源泉から湧き出た言葉なのだということがわかる。
自由であれ、自由であれ、自由であれ。
この時はとても心に響く良い祝祷だった、それこそディアが涙を思わず流してしまうくらいの、と思っただけだったが、あとになって明らかになったディアの現状と彼女が自分に定めている在り方を鑑みると、何故ここでディアが涙を流したのか、という点は多少は気にしてもいい気がする。
彼女は自分の在り方を信じているし、迷いもしていない。理不尽だと考えていないし、それを十全受け入れている。実際、事があるがまま進んだとしても、彼女は自分の選択を後悔しないだろう。彼女は諦めている訳でも我慢しているわけでもない。それを在るべき責務として自然なことだと考えているだけなのだから。それは彼女の本心だ。
でも、彼女は泣いたのだ。
それをきっと、DXは忘れないと思う。彼は絶対に、相手の気持ちを無視したり踏みにじったりしない人だけれど、ウルファネア王国での彼の行動を思い起こすなら、気持ちは無視しなくても意志や思惑はわりとぞんざいに扱う狡猾な所がある、容赦のない少年であることを忘れない方がいい。
ただ、素直なリドと違って、ディアはDXをして口で勝てない、理路整然とした理性的で聡明な女性だからなあ、手強いぜー。
教官の膝枕はデッドトラップでござった。そりゃないぜー。


ACT93 <OPERABUFFA>
何の因果か、DXの両親であるルッカフォート将軍と傭兵ファレルの馴れ初めとなるマリオンとの火竜退治のおはなしを題材にした芝居をディアと観に行くことになるDX。
ちなみにタイトルの<OPERABUFFA>とは<喜劇>のことである。さて、喜劇とは芝居のことか、真実のリゲインとファレルの馴れ初めのことか、はたまた悶々とするDXの御姿のことか。
普段から喜劇みたいなDXだけれど、このDXは珍しい、非常に珍しいと言っていいと思う。ディアとの事は友達、ともうDXは言い切れないよなあ、これは。もう一度彼の方から女性を芝居に誘うDXというところから珍しいのに、ディアにきっぱりと線引きされてしまったあとのあのしゃっきりしない態度。
DXは、誰に対しても飄々としているのに、ディアにだけは自分をコントロールしきれずに振り回されている。ディアが振り回しているのではなく、DXが勝手にバランスを崩して振り回されている、と言っていい。面白いなあ、あのDXが対人関係の距離感を完全に見失ってるよ。


ACT94 <ディッキーバード>

好きな人がいてもそう言うわ
穏やかにそう語ったとき、ディアの脳裏には誰の顔が浮かんでいたんだろう。ちなみに、DXはその時悶々と自分の言動にダメだしして凹んでました。
デートに誘ったつもりはなかった。にも関わらず、きっぱりと線引きされた後に何の反応も言葉も発せられなかったということは、デートのつもりじゃなかったと言えないのだと、DXはいつまでも自分に言い訳してられるような子じゃないからなあ。ある程度自分の気持について方向性を得たのだろうか。マリオンの件からも分かるとおり、DXは一途で献身的だからなあ。
でも、うん、イオンにディアが語った話は、かなりショックだった。まだ話があがっている段階なら兎も角、アカデミーを退学してまで準備を進めていた以上、もう既に殆ど整っちゃってるはずだし、ここから話を覆すのは至難のはず。
ただ、うん、家格としては釣り合い取れてるんだよなあ。DXのお見合いに、ディアの姉があてがわれたのは何よりの証拠。とは言え、略奪は家の面子もあるだろうから、大問題になりかねない。ただでさえ、微妙な時期だってのに、注目の種であるDXが家同士の問題を起こす訳にはいかないだろうしな、という建前じみた問題を蹴っ飛ばしていくのがこの作品なんだが、無思慮に蹴っ飛ばすんじゃなく蹴っ飛ばしても何とか収集のつく方向に条件を整えてから蹴っ飛ばすのが醍醐味な作品である以上、何らかの打開策はあるはずなのだが。
それにしても、丁度ここに王位に一番近かった男と一介の傭兵女の身分違いのラブロマンスを、話の味噌として芝居として、或いは小冊子の描きおろし読み切りとして出してくるあたりに強大な作為を感じる。
身分違いのロマンスとはまた違うけれど、これも結ばれるために困難の壁が立ちふさがるロマンスとも考えられるわけだし。両親程度には息子も苦労しろって事ですか?


ACT95 <Lines>
好きでもないのに結婚しようとする人あらば、好き同士なのに拗れて結婚が遠のく人あり。世は斯クも複雑なりけり。イオンみたいなシンプルな人間にはワケわからんのだろうなあ。とは言え、彼女だって何時までも単純では居られないはず。今のところは、無邪気にカイルを応援していられるのかもしれないけれど。
一方で、一度は拗れに拗れていたリドと竜葵は何だかんだとうまくいっている様子。ただこれ、通訳が居ないとまた拗れそうだなあw 今回はDXが上手いこと竜葵の言いたいことをリドに伝えてくれたから良かったものの。
そんでもって、DXはついにグレイにひっついて素性を隠して従騎士の訓練に参加していたのを告白。案の定お怒られるんだけれど……何だかんだとこの国の大人はみんな出来た大人だなあ。ちゃんと正しく適切な場面で子供を叱れる大人が揃ってる。DXみたいな子を叱れるって、それだけでも大したもんよ?


ACT96 <女神杯(エスナリア) 機
越後のちりめん問屋や遊び人の金さん、貧乏旗本の小倅、というだけでも怖いのに、DXってば殆ど風車の弥七レベルだもんな。市井に紛れる王族は珍しくもないかも知れないが、忍者や御庭番のレベルで何処にでもいる王族ってめちゃくちゃ怖いよ!w
女神杯観戦の為に、リゲインとファレルの両親も王都に。ああそうか、そう言えばロビンの父親の問題もあったっけ。今のところまだ手がかりなしだが……ティ・ティとディアの情報網があったらそりゃ心強いなあ。……ちょっと待って? 先にディアが例の件をイオンに話したときに餌を突っついてたのって……「こまどり(ロビン)」だったよな。これ、どういう暗喩なんだ!? ……え? あっ、あれ? あれれ!? まさかそういう繋がりだったりする可能性もあるの!? まだ完全に予想どころか妄想の段階なんだが、もし正解だったりしたらこれってえらい拗れた話にならないか?

誰かを――王にして国(アトルニア)を変えるのが夢でした。
しかし私の夢は少し変化したんです。
もうすぐ円卓がはじまる。アンは正式にDXを選ぶのだという。しかし、DXは王にはならない、今は。アンちゃんが夢見たものは何なのだろう。きっと、自分の思い描いた以上の景色を、見たいと思ってしまたんだろうな。


ACT97 <女神杯(エスナリア) 供
一話前とフィルのレディ・アプリへの接し方が全く違うのだが。フィルがレディに屈服してるww
今度の竜葵の手紙は内容が素直だ。少なくとも、リドが変な解釈をせずに真っ直ぐに受け止められる程度には。今更ながら、この兄弟の仲が戻った、というよりも以前よりもよくなった事にはホッとさせられる。お互い堅物同士で、面倒くさくも救われない拗れ方してたからなあ。あの竜葵がこんな手紙を送ってきたと思うとちょっとジーンとしてしまった。



掌編 Tail piese
だって六甲は家族だけどお兄ちゃんじゃないもん お兄ちゃんはDXだもん
六甲は兄弟だけどお兄ちゃんはDXだから……えっと、えっと〜〜〜
妹は弄るよりも愛でろ!!
なにこれかわいい

もうひとつは、王都に来たリゲインとファレル夫妻が、DXたちも見た自分たちが元ネタのお芝居を見た上で、楽屋裏を訪問のお話。ファレル母さん、カラッとして竹を割ったような性格で、宮廷にも未だに女性のファンが多いというのも納得の人なのだけれど……剣についてだけは容赦ないを通り越して酷いw


描きおろし読み切り小冊子 <淑女の剣帯>
傭兵たるもの、いかなる戦場でも手段を問わず勝利して生き残るべし。なるほど、先日ウルファネア王国でDXが体得した傭兵の極意を、既にファレル母さんはこの時代には開眼していたのか。
アカデミーを退学したあとも、宮廷のサロンで孤軍奮闘することになったファレル。DXみたいにふにゃふにゃじゃないファレルとしちゃあ、これほんとに苦労したんだなあ。それでも、ちゃんと打ち勝つあたりエラい。エラい以上に健気じゃないか。ってかね、ファレルの泣き顔に、私が壊れた。既にこの時点で凛としてどこか風格のある女性だったのが、泣いた途端に歳相応の可愛らしい女の子になっちゃって。そうなんだよなあ、リゲインが迎えに来たとき、普通の村娘に戻っていたファレルは、普通のカワイイ女の子だったもんなあ。
もうね、この可愛いファレルを見るためだけに限定版買って後悔なしですよ。むしろ、見れなかったら一生後悔だねっ♪


おがきちか作品感想

Landreaall 175   

Landreaall 17巻 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 17】 おがきちか IDコミックス ZERO-SUMコミックス

Amazon


長い夏休みが開けた、新学期。学内外問わず、スピンドルの事件は様々な方向へと影響を及ぼしていた。
リドは、自分の血筋の天恵が研究されているとみられる、天恵研究所に、ルーディー&DXとともに向かうことに。
一方、ライナスはフィルを連れ、DXが捜している人物を見つけるため、ロイヤルマイルを目指す。そこで二人が出会ったのは…?


全体を一気にまとめようとすると感想を書くときあまりに書くことが多すぎた上に結論をまとめることが出来ずに、感情的に逃げ出してしまうことは、以前から度々経験していたことなので、色々と考慮した結果、つまるところ章ごとに細かく感想を書いていけばあれこれ詳しく書けるんじゃないか、という結論に至ったので以下のように。


ACT86 <壁の穴>

人が集まり賑やかなのはよい
リドの親父さんも、わざわざ掛け軸にしてそんな言葉を息子に贈る辺り、息子を留学として異国に送り出すにあたり、何を望んだのかがうかがい知れる話だなあ。そして、孤独だった弟は異国の地で掛け替えの無い友人たちを手に入れる事ができたわけだ。
というわけで、夏休みも終わり、ようやくアカデミーに戻ってきたDXたち。何事も無く夏休みに入っていたならともかく、リドが帰国しそれを追ってDXと六甲が不在だった中であのスピンドル事件があった事で、なるほど学園の空気はどこか違っている。一般生徒たちの心持ちが、自覚と自立と自制を備えて、一つ階をあげたとでも言うべきか。
皆、スピンドル事件を自分たちでなんとか克服したことで調子に乗るのではなく、むしろ自分の至らなさを悔み、向上心を募らせて、自分が何を為すべきなのかを見直そうという姿勢に赴いているのは実に素晴らしい。なんという健全な成長なのだろう。
こんな子たちが、王国の次代を担うというのだから、この国の未来は明るいよなあ。これも、現状国を支えている良き騎士団と、政治家たちの在り方の延長線上、というところか。
ある意味、現状が最上ならば現状維持を望んでしまう勢力もありそうなものだけれど、それでも「王」は必要とされているのだろうか。いや、だからこそ「王」を必要としている人たちもいるわけか。あの玉階のように。それとはまた考え方の違う形でオズモおじさんも「王」を望んでいるわけで……複雑だなあ。
無力さは努力をしない言い訳にならない!
権力のある人間が馬鹿なのは、敵が強いより始末が悪い!
次代を担う若者たちを教える人たちが高らかにこんな言葉を生徒たちに語りかけてくれるのだから、アカデミーってほんとに……。

ところで、あのファレル母さんのフライパンに変わって、イオンが振り回したモップの柄が今や女子寮のお守りになってるのか。変なところで母から娘へと受け継がれてしまってるな(笑


ACT87 <cropper>
ちょっ、アリス・ケリーの戦略と指揮の講義、レベルたっけえ。いきなり学生にそんな知識と判断力を問うのか。勿論、人によって当たりは変えるのだろうし、DXは地元である程度モンスター討伐については経験あるから実体験から判断できるんだろうが、これよっぽど知識の蓄えが無いと反応も出来ない講義だよなあ。それくらいの予習はしておけってことか。こりゃ、確かにちゃんとした向上心のある人でないとついていけないわ。これが、本物の学校なんだろうなあ。
というわけで、軍略研究家だというアリス・ケリー講師。つやっぽいというよりも、熟女? R・ケリーの娘さんって、あの人ちゃんと結婚してたんだ。って、当たり前か。でも、あの人の娘ということはもう三十は超えてるよなあ。旦那や子供もいるんだろうなあ。
ティティとDXを招いての論壇。これは面白かった。現場に居なかったDXに、スピンドル事件において彼なら指揮官としてどういう対応をとったのかを問うのだけれど、最初の答え方からDXという人物を色々と穿って見れて面白い。それ以上に興味深かったのは、実際の方法論。なるほど、それはDXらしい!! ティティの指揮はほぼベスト、とケリー講師にも褒められているけれど、彼の資質としてDXみたいな考え方は出来ないよなあ。いや、発想自体は出来るか。しかし、そこでたぬきになりきれるかというと、一癖も二癖もあるティティだけれどそういう腹芸はタイプが違うんだよなあ。
これは、まさに傭兵の発想というべきか。面白いっ。
この、交渉はティティに任せられるし、とにこやかに言ってのけてしまうあたりが、王様が案外似合うと言われる要因だと思うぞ、DX。

六甲が正式に生徒になり、五十四さんもR・ケリーと女子生徒たちの要請から、応急処置の仕方を教える講師に。二人のニンジャも、夏休みを経て立場が少しずつ変わっている。女生徒たちが後期から応急処置の講義を受ける人が急に増えてしまった、というのも先のスピンドル事件の影響。それこそ、ゼクスレン教官が語った
無力さは努力をしない言い訳にならない!
を踏まえた流れなんですよね。良い生徒たちだ。それにR・ケリー、ホントに五十四さんのこと気に掛けてたんだなあ。


ACT88 <ロビン>
っとに、ライナスは面倒くさいな(笑
可哀想なことに、周りの人間達もライナスが面倒くさい人間でないと、もう信用できないくらいに彼の人柄というのはそういう方向で認識が固定されてしまってるんですよね。実際、そういう方向性の認識でいいと思うし、ライナスもそれを望んでいるんだろうけれど、どうにも微笑ましい苦笑いを浮かべてしまうのであるw
でも、DXの性質を考えると建前だけでも打算的なライナスくらいの方が、付き合い易いのかもしれないなあ。考えてみるとDXの身近な友人たちというのはその顔ぶれを見ると人間関係の距離感というモノに対してとても思慮深い面々が揃っているんですよね。フィルにしても、リドにしても、ティティにしても。ルーディーにしたって、ライナスの相棒を長らく務めているだけあって無神経とは程遠い。
この話って、DXという男と本気で友達づきあいすることの難しさを表してる気がするんですよね。
わかったんです。DXさまに言ったら、本当のことになっちゃうんだって
ロビンの述懐は幼少の頃の事だけれど、ライナスが今も変わってないぜ、とつぶやくように今のDXもその傾向は何も変わっていない。彼は、望まれた事に対して自分の力で出来る限り事を成し遂げようとする。それこそ、望んでしまった相手が呆然として恐怖を抱くほどに。それはDXという人物の誠実さなんだろうけれど、果たしてその膨大な誠実さに対してこちらも同じだけの誠実さを以て報いる事が出来るのか。それは、ちょっとした絶望に近いものなんじゃないだろうか。
だいたい、報いるなんて発想が生まれてしまう時点で、DXと友達付き合いできるのかどうか。面白いことに、DXがアカデミーに来てようやく手に入れた同世代の友人たちは、そうしたDXの性質を彼我の関係においてごく自然なものとして受け入れてるんですよね。DXがどれだけの事でも実現してしまう事実、そのポテンシャルの大きさ、特異性にビビるのではなく、ごくシンプルに彼が親しい人の為に尽力できる人物である事だけを注視し、ごく自然に彼らもまたそんな友人のために出来ることをしようとしている。それだけの、本当に当たり前のことに落とし込んでいる。
得難い友人ですよ。ありえないほどありがたい。お互いに対して何も望まない関係って、普通に見るならとても冷めた関係にも思えるけれど、ことこのDXと友人たちの関係については全く逆だよなあ。


ACT89 <エタンセル>
DXが探していた相手を勝手に探す事にした友人たち。その内、ライナスとフィルのコンビが、なんかとんでもないものを見つけてしまう。いや、え? んんん!?
おい、おいおいおい。ちょ、なにこれ!? ええっ!? とんでもない爆弾じゃないのか、これ。しかも、クエンティンが囲ってるというのはどういう事なの。よりにもよってクエンティン。どう考えても王女関係じゃないか。どういうつもりなんだ、クエンティン。

そして、DX激怒編。うははは、こりゃ、もうね。DXのやつ、ウルファネアでの一件で吹っ切れたというか、自分が公子であることを武器として使うことに、必要と有らば躊躇わなくなったんだなあ。まさか、いくら怒っているとは言え、あそこまで権威を盾にした言い回しで攻撃するとは。勿論、相手が地位と身分と血筋という権威を私的に振り回し、かつて過去にルーディーをひどい目にあわせ、今またリドに対して失礼を働こうとした、つまりDXの逆鱗に触れてしまったからなんだけど、うん。でも、痛快だ。痛快だった!! ルーディーもまさにこういう気分だったんだろうな。当事者だから、一入か。でも、イヤなんだなDXは今でも。ううん、そうじゃなくて、昔の嫌だった理由と今の嫌だった理由は少し違うんだな。その悩みは、果たして解消出来る領域のことなんだろうか。


ACT90 <paraDox>
矛盾だらけだなDXは。見返りを無視して目的だけ見てる。
ライナスはそれを「騎士道」と言ってたけど、演技(パフォーマンス)ででも目的を果すのは傭兵のやり方。
僕はそれだってDXらしいと思うよ。
動機と目的は騎士 手段は傭兵
ううん、パフォーマンス、パフォーマンス、パフォーマンス。要は相手がそうだと認識し理解してくれる事なんだよなあ、ううん。でも、頭で理解するだけじゃあやっぱりだめなのか。難しいなあ。


オズモおじさん 「王」って何?
以前、オズモに言ってしまった言葉が、革命の真実を知ったことで事実と違った暴言だった事に気づいたDXは、わざわざ足を踏み入れる事を嫌がっていた王城を訪れてまで、謝りに行くあたり、ほんとにねえ、もうなんというかこの子は……。オズモも、諸々を度外視して可愛がるよなあ。
そのオズモおじさん、DXが言うようにこのヒト、大した人物だわ。危急の王国を立て直した政治家としては勿論だけれど、人として、大人としての見識が素晴らしい。この物語に出てくる大人というのは、総じて大した人物なんだけれど、間違いなくDXに影響を与えた、そして今後も与えることになる人物になるんだろうなあ。
そしてここで、冒頭で疑問に思った今のこの国に「王」は必要なのかという自問に対しても、オズモは一つの答えをくれる。だからこそ「あの」DXから、「王」とは何か、などという問いが生まれたのだろう。それにしてもDXがよりにもよってこの質問をするなんて……。


ACT91 <裏に道あり>
ある意味、待ち望み、そして恐れたアンニューラスとクエンティンの顔合わせ。読んでるこっちまで緊張だよっ。
予想に反して、アンちゃんが余裕だったのには驚いたけれど。いや、予想通り、だったかもしれない。これはアンちゃんをどう評価するか、かもねえ。アンちゃんほどの人物が、自分以外の玉階がDXに接触する可能性に付いて考えないはずがない、と。それなのに、何の対策もしていなかったというのは、それこそ対策をする必要もナカッタノダロウ。アンちゃんが、クエンティンに対してどうして余裕だったのかの理由が思ったとおりで、思わずニヤニヤしてしまった。つまるところ、それはアンちゃんへの評価の高さと同時に、DXをどう捉えているか、だもんねえ。
予想以上だったのは、アンちゃんのDXへの信頼の高さかもしれない。信頼というか、もうベタぼれじゃん。前から惚れてたけど、正直前はもうちょっと推し量ろうという意志が垣間見えたし、もし可能ならばその方向性を幾許か自分が導く、という意志もあったんじゃないだろうか。そういうのが綺麗サッパリ取り払われて、もうDXの自由にしなさい、という考えが今のアンちゃんからは垣間見える。いや、誰にも揺るがされず自由に進むDXの行く末をアンちゃんこそが楽しみにしている、というべきか。そして、自分を含めて誰にも彼の意志を操り都合のいいように導く事は出来ないのだ、と誇らしげにすらしながら考えている。これをベタぼれと言わずして、なんと言いましょう。クエンティンほどの相手に、あんたが何をしようと彼に対しては無駄だよー、と言ってるようなもんだし。それどころか、自分は付いていくだけで精一杯。余裕が無いのはクエンティンに対してではなく、DXに対してなのだと、まあそんな楽しそうに嬉しそうに言われちゃあねえ。
挙句、DXは玉階としてあなたを選ぶ、と告げられたときのアンちゃんの顔。あの瞳。思わずこっちが見惚れてしまった。


……なんか、六甲が面白いことになってる? 生徒になって、気配消しをやめたことで、妙に女生徒たちの噂に上ることに。もしかしてイオン、これまで六甲をお付き合いの相手として他人に思われ指摘されるのって初めてだったんじゃ。いつも、姿と気配隠してたもんなあ。六甲との事が、そういう関係として見られる事もあるのだ、というのを初めて認識したということは、無からついに有が生まれたということで……ふーん、なんだろう、ちょっとこれは、ふふーん♪

そして、一方でDXの方も久々にメイアンディアと街角で再会して〜〜って、うわーー、なんて場面にーーーっ!!(笑
これはこれはこれは、ここで切るの!? なんていじわるなwww
気になる気になる気になるよ^^


掌編 Tail piese
おっ、あのちびっ子(13巻参照)、継承候補者(ウェザークラウン)だったのか。しかも、長じてはティ・ティよりも上だったとは。フィルに対するティ・ティの想いが垣間見える、絶妙な話だったなあ。DXと付き合うようになって、ティ・ティも少なくとも自分に対してまで腹芸を貫き通すようなことが少なくなったような気がする。


さて、限定版の方はこのTail pieseが違うそうなんですよね。信者としては、両方揃えるのが筋ですよね、うんうん。

Landreaall 165   

Landreaall 16 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 16】 おがきちか IDコミックス ZERO-SUMコミックス

Amazon
 bk1

リゲインが【折れ剣】と呼ばれるに至った理由。アルトニア王不在のわけ。明かされる「革命の真実」。
それを知ることで、DXが立たされる岐路。
DXは、まあアカデミーに通うようになり、自分の立場を否応なく自覚するようになってからずっとなのだけれど、DXは自分がどうするべきかを深く真剣に考える。考え込む。
なんと言っていいか、一連の流れを個々に細かく抜き出して語るのは、どうも本質からズレてしまう気がして気が進まない。もっともこれはLandreaall全体に言えることなんだけど。
細かい部分を語るとマクロな部分が食い違い、マクロな部分に焦点を当てると、ミクロな部分が疎かになってしまい、結局言いたいことがズレてしまう。正直、この物語から得たものを出力するためには、すべてのセリフを抜き出し、すべての作画を描いて見せるより他ないのかもしれない。それはすなわち、この漫画そのものを読む以外に、この読んだ感想を伝えきる方法が思いつかないということだ。
この作品を語ることに、私はいつもいつも自分の力不足を痛感させられてしまう。感想という形で再構成し、要約してこの感動を伝える力が、どうしても足りないのだ。
DXの思索、リドとの会話、ライナスの理想、リドがたどり着きDXと共有することになる想い。この静かな流れから育まれていくDXの意志、理想の美しさに思わず流してしまった涙の内包する感動を、どうしても表現できない。語る言葉が思い浮かばない。
私はこの作品を咀嚼できず、ただ在るが儘、そのままに飲み込むほかないのだろうか。そして、この心があふれんばかりに満たされる感覚は、至福、そして悦楽以外の何ものでも無い。
彼らが語る言葉には何一つ難しいものはない。彼らは常に率直に胸の内からこみ上げてくる言葉を、わかりやすく語りかけてくる。それらは常に本質を突き、明快に彼らが感じている想いを伝えてくる。
だが、それは明瞭でありすぎるがゆえに、率直で本質に近すぎるがゆえに、総括のしようがないのだ。あまりに多くの深い意味を含み、わかりやすいがゆえに、何かを添えるだけで別のものに変質しかねない。テンプレートなど考慮にも入れない生の声は、本人が消化しきれていないものすべてを内包している。
わかりやすいがゆえに、するりと滑り込んでくるすべての理解を、その大きさゆえに感覚を持って受け止めるしかないのだ。

とにかく、内容について詳しく書こうとすると、途端に自分がひどく陳腐なことしか書けず、この作品が描いているものの何も伝えられないことに愕然としてしまう。違う違う、そうじゃない。それだとまるで違う。何かがズレている。そういうことじゃないのだ、と言うふうに頭を抱えてしまう。
今回みたいな話の時は特に、だ。
分かっている、伝わっているつもりなのに、それをまったく消化しきれず出力できないこのもどかしさ。今回については、まさにこれが感想としか言い様がない。正直、なんにもまとまらないし、まとまらないものをそのまま曝け出すには、この巻の話は素晴らしすぎて、もう絶対嫌だ。抵抗があるどころの話じゃない。嫌だ嫌だ。でも、ほんとうに素晴らしい話だったと言うのは伝えたい。知って欲しい。
とにかく、それぐらい、なんかこう、ぶわああああっ、と来る話だったんだ。ええいっ、もう、全部擬音で表現した方がどんなのか正確に伝わるんじゃないか?(苦笑
場末とは言え文筆を嗜むものとして、悔しいなあ。それ以上に、こんな至高の傑作を読めることそれ自体が、幸せすぎると言えるのかもしれない。こんな恍惚とした気分を味わえるのは、一念の中でも数えるほどなんだし。
呆れるほど内容について一切触れなかったけれど、今回ばかりは許して欲しい。ちょっともう、無理でしたw


シリーズ感想

Landreaall 155   

Landreaall 15 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 15】 おがきちか IDコミックス/ZERO-SUMコミックス

Amazon
 bk1

ああほら、やっぱり第一印象は当てにならないんだ。
とはいえ、第一印象はやっぱり胡散くさかったんだよなあ。イオンの語るクエンティンのイメージは、此方が受けた印象を論理的ではないが感覚的に見事に言い表していて、やはりその辺は意図的に表現していたんだなあ、と。
とはいえ、ただそれだけにつまらない人間とは、やはりかけ離れてるんですよね。アンちゃんとはまた違う人種だけれど、変人なのは間違いない。その理想からして異端だし、それを当事者であるDXにはっきりと明言してキングメーカーとしてあなたを推薦したい、とのたまうその神経と言うか在り方はやっぱり常人とはかけ離れてるし。
父であるリゲインの知り合いであり、少なくとも親しくしている様子を見るならば、宮廷政治を楽しみ利権を食い物にするタイプとは程遠いんだろう。ただ、リゲインもただ親しいという感じじゃないですよね。少なからず緊張しているというのは、クエンティンの立場のみならずどうも人物そのものにある種の危険性を感じているようには見える。リゲインとの会談の中で語られたクエンティンの壮絶な過去。彼の抱いている将来の目的、理想、野望と言ってもいいその道筋から見ても、アニューラスとは変人同士と言ってもちょっと方向性が違うようにも見える。DXはレイ・サークと似てると言ってたけど(その理由が最高で、まさしくと思わされる)、その性向は似てるけど、レイがどちらかというと享楽を旨として動いているのに比べて、クエンティンには強固な意志の方向性が垣間見える。
でも、当初想像したような他者の思惑など無視して自分の信念を押し通すようなタイプの危険人物とは、ちょっと違う気がするなあ。したたかで実に政治的な曲芸を乗りこなすことに練達している人物ではあるものの、柔軟である種の素直な優しさを秘めている人にも見える。誠実ですらありそうだ。うーん、アンちゃんの方がタチが悪いんじゃないか(笑
とはいえ、まだまだ底の見えない人ではあるんだけれど。
そういえば初めてじゃないかな。DXが王様に向いてないと言ったのは。でもDXの人物認識は非常に的確なんですよね。おそらく、DXが王様に向いていると言ってきた人たちと何も変わらない。さらに面白いのは、その双方がDXを王に推したいと思っている所か。
とりあえず、アンちゃんを押しのけDXの意思を無視して一方的に何かをしようという気はさらさら無いようなので、その辺はひとまず安心した。てっきりDXも反発するかと思ってたけど、お互いよく話すことでDX自身、クエンティンという存在を飲み込んだみたいだし。

そんなクエンティンのエカリープ来訪の本当の目的は、リゲインに行方不明だった王女の消息を伝えること。それを機会に、これまで情報が伏せられていた革命の真実の一端がようやく見えてくる。
現体制の王不在の理由や、リゲインが田舎に引っ込んでいる理由。なるほど、今は平和なアルトリア王国だけれど、一昔前は血なまぐさい時代そのもので、それは現在もまだ拭い去れてはいないわけだ。
アンちゃんやクエンティンがDXに望む王様像の所以もこれで徐々に見えてくる。なるほどねえ。

そして、ライナスとルーディーのターン。こいつらの贈り物攻勢はホント大したもんだよなあ。いつもイオンちゃんを伊達に餌付けしてないということか。まさか、ファレル母さんを光モノで落とすとは(笑
所謂宝石にはとんと興味を示さないだろうファレルに普通の貴族の奥方に対する贈り物とは趣向の違うものを贈るのは想像できたものの、敢えてなおも光モノを贈るとは、やっぱり一味違うよなこいつらわ。
あんなにウキウキときめいてるファレル母さんはじめてみた(笑
ここできっちり、リゲインがルーディーにあの誘拐事件の件で謝るのには感心させられる。そうだよなあ、ルーディーはあれ、DXの巻き添えくらった被害者なんだよね。そういう事を忘れずきっちりしてる作者さまには、重ねて感心させられる。こういう積み重ねが、世界観とストーリーラインの強固な親和性を構築していくわけだ。なるほど、世界観がべらぼうに広大になるわけだよ。

しかし、この飲んだくれながらの、忌憚の無いというか堅苦しさの欠片もない言いたい放題のダラダラとした時間を過ごせるのは、素敵だなあ。これ以上ない友達同士のだべりあいって感じで。目の当たりにしたファレル母さんが大笑いするのも道理だわ。親としても、自分の息子がこんな友達作ってたら、嬉しいだろうなあ。

ライナスたちと話す、スピンドル事件のことも、相変わらず意味深、というか何重もの意が織り込まれてて、非常に面白い。やっぱり、DXの本質はみんなとはどっか違うんだよなあ。視点、立脚点がまるで人と違っている。それは身分や生い立ちから来るものであると同時に、それらとは隔絶したDXという人間そのものの資質によるものなのか。
フィルについての話もそうで、あのしてやったりの顔は反則だよなあ。叶わない。

君は報われない幸せを知らない
か。ふむふむ。

槍熊の話も含めて、こいつらホントにイイ友達同士だよなあ。お互いみんながいい意味で感化しあってる。

そして、ついにリゲインの口から語られる誰も知らない革命の真実。彼が犯した罪と得た自由。
DXの本質とは自由であるこそそのものなんだろうけれど、その<自由>というものも、決して一概に一括りに出来る概念じゃないんだろうね。アカデミーに入り人の集団の中に入ることでDXはそこで自由というものの意味を色んな角度から捉え始め、今また父を縛る<自由>を目の当たりにするわけだ。


で、毎度おなじみ今回のおまけーー。

(w

いやもうね、これは何も言えんわーー(笑
よくぞまあ、なんというか、アホばっかりというか男は世知辛いというか、騎士というのもなんだかなー、というか。
面白いなあ、もう(苦笑


感想一覧

Landreaall 145   

Landreaall (14) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 14】 おがきちか IDコミックス ZERO-SUMコミックス

Amazon



かー、どうしてAmazonは表紙絵こないかなあ。二ヶ月くらいかかるそうだけど。ちなみに今回の表紙絵は原点に返ってか知らないけれど、DXとイオンの姉妹二人。加えて裏はお久しぶりのリゲイン&ファレルのお父ちゃんお母ちゃん若いころバージョン。いやー、何度見ても若い頃の傭兵時代のファレル母さんはデラカッコいいわー。この裏表紙、さり気なく二人が腕組んでるのがにやけるねえ。


はてさて、本編の方はというと、アカデミーも夏休み。DXとイオンはそれぞれウルファネア王国の一件とアカデミーでのモンスター襲撃事件を経て、故郷に帰郷中。そのへんの後日談と言うか、事後処理というか。DXもイオンも、それぞれに事件を通じて自分の立場というものを否応なく顧みなくちゃいけないことになったからなあ。その辺の心境の整理と、周りの事後処理なんかをバラバラと、って感じかしら。

と、初っ端からメイアンディアとレイ・サークの密談――というかこれはディアの脅しだよなあ(苦笑 からはじまるあたり、怖いねえ、色々な意味で。ディアって大老と関係あるって話は前してたみたいだけど、なんかこう、先生と生徒みたいな感じなのね。とはいえ、単純な師弟ではなさそうだけど。天恵が絡んでるみたいだし。しかし、ここでレイ・サークが言ってるディアの天恵って、かなり物騒なような……。
という能力的なもの以上に、レイ・サークが、あのレイ・サークがここまで彼女にビビるっていうのは、ディアがある意味アンちゃんよりも喰えない人ってことだよなあ。怖い怖い。
そのディア、個人的興味、好奇心の類いをDXに抱いてて、レイ・サークに彼「で」遊ぶなと釘さしているわけだけど、今のところ恋愛感情とかは皆無っぽいなあ。とはいえ、私的に関心を抱いているというところは非常に注目だけど。どうもまだ断片的にしかそのキャラが垣間見えてこないけど、こんな風にレイ・サークを掣肘しつつけし掛けるような真似をするタイプの子じゃないんだよね、ディアって。単なる好奇心だけでは、ここまで攻撃的アプローチをするとは思えない。まだ今のところ自分が直接彼の懐に飛び込んでDXという人を確かめたいと思うまでには至っていないみたいだけど、それも時間の問題じゃないのかな、これは。
いや、どうだろう。本心はすでに彼の傍に行ってみたい、というところまでは思っているのかも。レイ・サークに対して、貴方は傍にいられるんだから、みたいなことを言っていることからすると……。
やっぱり、公の裏側っぽい立ち位置に身を置いて動いている立場だからだろうか。大老の密偵というほどアウトサイダーな立場じゃないみたいだけど、その意を受けて非公式に立ち回ることくらいはしてそうだなあ。以前のDX暗殺未遂事件の処理の仕方なんかを見ても。


竜胆と五十四さんは、DXとともにエカリープに滞在しているのだけど、海老庵師父とリドとの挨拶がこれまた秀逸。ここのやりとり、最高だわ。イオンの面くらいっぷりもさることながら、リドの気づくまでの過程がねえ(笑
ここでウルファネアの常識にとらわれず、自分の常識がエカリープでの海老庵先生の扱いとかけ離れていることに気づいた途端に、赤面できる、というのはリドの偉い所だよなあ。郷に入れば郷に従えで表面上合わせているのではなく、ちゃんと恥じ入ってるもんなあ。

リドと先生の話は、ちょっと衝撃だった。海老庵先生、まさかそんなことになっていたとは。だとすれば、五十四さんもそうなんだよなあ。
彼女、さらっと自分の将来について語ってるけど、イオンたちが聞いたらそれショック受けるぞ、絶対。リドがそんな五十四さんの宣言に顔色一つ変えていないのも、ちょっと吃驚と言うか、いや吃驚じゃないな。もう飲み込んでいるんだろうね、そういうものだと。でも当たり前のことだとも思っていないのは、DXやイオンたちのことを慮っているのを見ても明らかで……。この辺、やっぱり単純で純朴なだけの青年じゃないんですよね、リドは。ニンジャを使う為政者としての心構えみたいなものがしっかりと出来上がっている。あれほどニンジャと主としての枠を超えて姉弟のように親密にしている五十四さんのことにもそれが普通としちゃってるんだもんなあ。いや、これ傍から聞いてたらけっこうショックですよ、うん。

リドとDXのここでの会話はよく覚えておいた方がいいのかもしれない。ウルファネアで自分の立場を利用したことを踏まえての、DXの今後の指針のようなものだし。ある種の感性に基づいて奔放に生きてきたDXだけど、今後はこんな風に自分についてよくよく考えながら歩いていかないといけないようになってきたんだなあ。
とはいえ、思いついたことは忘れちゃうから自分の言ったこと覚えておいて、とリドに丸投げしちゃうあたりが、DXの素敵なところだ(笑
ある意味、こうして熟考して道を確認しても、とりあえずポンと頭の中を白紙にしてしまえるDXだからこそ、瑞々しいまでの自由さを失わないのかな。常に新鮮ってね。もちろん、忘れたからと言ってなかったことにしているわけじゃないから、大事なことは積み重なっていくわけだし。


おおっ、増刊号に載っていたというアカデミーでのビックハンドとティティとの会談もちゃんと載ってるじゃないか。ここで、ティティの視点から事件が要約され、彼がどんな風に一連の事件を捉えていたかをこうして詳らかにしてくれたのは、大いにありがたい限り。
イオン…イオンか。本物のお姫様? 彼女が信じたからこそ、本物の騎士団になれた……か。この辺の解釈と言うか、騎士がどう騎士らしくあるか。偽物と本物の違い。本物の淑女、本物の騎士。この相関の考え方は、作者のブログでもハルとジアの話と絡めて少し語られていたけど、興味深いよ。
式典の話を読んでても、本来ならモブ的な立ち位置にいるキャラまで非常にこと細かく設定が定まっているのがよくわかる。ブログでもちょこちょこっと触れられてますけどね。あの人が王子さまだったなんて、びっくりだよ(笑
読者の目の届かないところまで事細かく決めごとをしていて何の意味があるのか、って考える人もいるかもしれないけど、これは作風にもよるのだろうけど、むしろ表に出てこない膨大な設定こそが、巨大な基礎となって物語の自由さ、どこにどう進んでも世界が広がっているという広大さ、奥深さを支えているんですよね。特にこの作者先生はでっかいタンスの引き出しをちょこちょこ引っ張り出して、それを漫画にしてるような感じだからねえ。以前、伏線なんてあんまり考えて描いてないよー、みたいなこと書いてらっしゃったんだけどね。あれは感銘受けたなあ。意を得た、とも言えるかも。自分もちょっと経験あるんだけど、伏線って事前に仕込むもんじゃなくて、その場でぐるっとまわりを見渡して、そこにあるのを見つけてつまみあげてホイっと叩きつけるもんなんですよね。実のところ、その方が効果的かつ映えた形で機能していた、という経験が自分にもあるわけで。事前に準備しておくと、ルートが硬直化しちゃう上に、道幅が狭まっちゃう場合、あるもんねえ。まあ、あるがままをあるがままに描き広げていける、というのはそれこそ、才能とセンスと根気と暢気さと小まめさといい加減さがないとなかなか難しいしなあ。

ここでフィリップが女の子たちから勲章を受け取り、感謝の言葉を賜るってのは、大きいよなあ。イオンのために、本物の騎士になることを誓ったフィルだけど、これでもう、イオン個人のためじゃなく、淑女の理想のために騎士たるを目指すだけの理由が出来たわけだし。


んで、エカリープの休日、というかこれは日常編だわなあ。日常編でモンスター退治、というのはらしいといえばらしいんだけど。いや、さらっとエカリープ、ひいてはアルトリア王国の他国と違う特色がここで紹介されてるんですよね。竜を持たない国、か。なるほどねえ、そういう意味合いをこの国や、騎士団は持っていたわけか。
しかし、あのシャツは酷いにもほどがあるぞ(爆笑

最初「?」だったんだけど、リドが所有している刀と海老庵先生が渡した刀だと、あとから渡した「泥み香梅」の方が格落ちなんだ。役不足の言葉を正確に使ってるのって、そういえば初めて見たかも。これって、本来の理由だと意外と使う場面ないんだよね。
いや、しかしDXのシャツの「不能中」が目に入るたびに笑うw

このモンスター討伐で、DXが地元の子供たちを指揮してるのって、何を暗示してるんだろうねえ。DX不在だったアカデミーでのモンスター襲来でのDXの資質を示してるんだろうか。いや、ウルファネアでの一件を経てDXもだいぶあり方変えてる部分なるからなあ。
それにしても、この安定感。この視野の広さはやっぱり凄いよなあ。わざわざ子供たち引っ張り出して、ってのは自覚してやってるんだろうか。それとも、純粋に子供たちのため? 相変わらずDXって何考えてるのか分かりやすいようでわかんない。もっと見えてる部分を素直に受け止めればいいのかもしれないけど。
一方で、故郷でのイオンちゃん、微妙に大人しいんですよね。いつもならDXなんか問題にならないくらいはしゃいではっちゃけてるのに。彼女は彼女で、アカデミー騎士団の件でよっぽど堪えたんだろうなあ。堪えた、というのは変か。へこみはしてるけど、落ち込んでるって感じじゃないし。エカリープでの彼女は、よくよく考えこんでる感じ。だから、普段と様子が違うのをきづいてても、今回はDX、あのシスコンがあんまりちょっかい掛けずに放っているんだろう。くそぅ、シスコンのくせにしっかりお兄ちゃんしてるんだよなあ。
そして、イオンの問いかけに対してのDXの答え。これ、他の連中だったらどう答えるんだろうね。

今回は大ファンであるファエル母さんが一杯出番あって嬉しいなあっと。なんとー、ファレルて幽霊苦手だったんかー! やべっ、激烈に可愛いw
DXが霊感ないってのは無いよね、無い無い(笑
前に思いっきり幽霊とダンスしていたのに。なんなんだろうね、この子は。素で幽霊相手に霊感ないよー、と言い切れるこの感性は。幽霊が見えたり話せたりすることが霊感があるってことだというのを分かってないんじゃないのか、DXは。だったら、霊感があるとはつまりどういうことだと思ってるんだろう。興味深い。
って、ああそうか。お母さんの影響かよw 刷り込みだな、これ。こりゃあ、DX、子供の頃に相当幽霊のたぐいに絡まれた口じゃないのかしら。んで、そのたびにファレル母さん逆切れして大暴れしてたもんだから、自分には霊感なんぞありませんってことにしちゃったわけか。自己防衛?
それでも幽霊を無視するんじゃなくて、幽霊と平然とおしゃべりしながら霊感ないよー、と言い切るのは面白いよなあ。それはそれ、これはこれってか? 面白い子だなあ、ほんとに。

シメオン、この漫画の場面だとライナスもルーディも座ったまんまだから対比がなくってよくわかんないけど、ブログの集合絵みたら確かにちっこいなあ(笑
チビッ子騎士上等。将来的には伸びるらしいし、気にしない気にしない。
ライナスとシメオン、二人の意見の噛み合わなさは、笑えると同時にこの国の身分における立ち場の違いを如実に示してるっぽいんだよなあ。いや、違うか。立場の違いによって出て来てしまったものに、色々と納得できてないわけだ。これって、アカデミー騎士団というあの事件で生まれた、この国の新しい息吹の一つになるのかなあ。ライナスの立場からはそれがよくわからんからああいう食い違いになるのか、それとも分かっていてわざとなのか。意地悪さんだねえ(苦笑
でも、二人ともその意見にはそれぞれ、好感が持てるのが素敵♪
シメオンって、あの現場ではもっとしっかりとした印象あったんだけど、こっちだとすげえ子供っぽいよね(苦笑
というか、可愛いよなあ、シメオン。彼の騎士の誇りというものへの方向性は素晴らしく好感が持てる。変に頑なな部分はあるけど、悪い気はしないんだよね。ライナスもあれで、けっこう気に入ってるんじゃないのか。


と、とろとろと進んでいたところで、ラストにまた急展開。
これは……おいおいおい、ってな感じですよね。うはぁーー。
この手のタイプの人って、DXが一番反発するタイプじゃないのか? とはいえ、この作品のキャラクターって第一印象当てにならないからなあ。それぞれ一筋縄ではいかない、一見しただけではどういうキャラクターなのか見抜けないんですよね。だから、この人も第一印象の地雷踏みまくってるようなそれも、そう単純なことかどうか。
くくくっ、こりゃあ面白くなってきましたよ。ついに、というべきか。今まで匂わされるだけで真相が未だ明らかではなかった、この国が王不在となった一件。リゲインとファレルが出会う遠因となった革命。おそらくは、DXの将来にも重きをなすであろう事件に、ついに話の穂が向けられたわけだ。
さてさて、アンちゃんだって黙っていなかろうて。って、あの人まだウルファネアか!?


ラストのオマケが相変わらず激烈に面白くて困るんだが。
そして、ウールン様ご一行の世直し旅、マジで読んでみたいんですけど(笑
そして、カバー裏のエカリープ図解。圧巻だよな、これ。あの子供たち一人一人にこれほどまでにお話があるとは。そりゃあモブの一人一人までが瑞々しく生きている感覚がほとばしっているわけだ。それぞれに生活があり、日常があり、目的があり、人生があり。町の子供、街の人、という一言で終わってしまう説明だけで終わらない遠大なバックグラウンドがあるんだから。
そんな連中が生き生きと飛び回ってるんだから、そりゃあ面白いわけだよ。

と、書きまくってたらえらい長文になってしまった。しかも脈絡もなし。
んー、まあいっか。こんな感じです、感想だし♪

乱取り  

Landreaallの作者おがきちかさんのブログにて、ランドリの設定メモみたいなのが載せられてまして。
これが、また興味深い。
主にミュージアム・パルの話と言うのがらしいんですけどw
これ読んでると、あの作品世界って実に厳格な階級社会なんですよね。フィル関係の話ではたびたびこの身分の差というのはテーマとして触れられてますし、実際他の話でも様々な部分でこのことは顔を覗かせているんですけど、主役のDXとイオンが奔放なあれだから、窮屈な世界には見えない。
単なる読者視点の問題ではなく、実際としてDXの周囲の人間も彼と妹の影響で、そうした窮屈さから、主にメンタル面からではあるけれども、解放されつつあるんじゃないかなあ、とDXに出会う以前と以後のフィルやティ・ティたち、アカデミーの生徒たちの様子を見ていると、そう思ったりもするわけで。
R・ケリーがイオンの天敵なのは、そうしたシステムの象徴的な存在だからだろうか。かと言って、彼女、別に保守的な階級システムの権化というわけでもなく、ちゃんといざとなればシステムよりも生徒の事を第一に考えてくれる人なので、天敵ではあっても敵ではなく、イオンも苦手意識を持ちながらもちゃんと彼女には敬意を払ってその教授を受けている。
そのケリーに、イオンが敢然と反発したフィルの一件は、イオンという少女が確固として持っている彼女なりの規範と、現在の社会システムとの相克する部分が垣間見えて、やはり興味深い。
あの時、ケリーが怒るイオンに咄嗟に何も言えなかったというのは、彼女の在り様について、色々と想像が出来てまた、これも面白いなあ。

繰り返し繰り返し  

読書メーターに、再読という項目があるんですが、これを真っ正直に押していたら、昨日からこっち何回クリックせにゃなるめえか、というくらいに、
Landreaall
読み返しまくってます。
そのうち、また一巻から読み返してしまうな、こりゃ。この作品だけは、魔窟の中でもいつでも読めるように手の届く範囲に準備してあるので、読み返すのも容易です。

今回はやはり巷でも大傑作だったというのは共通認識らしく、あちらこちらで大絶賛の記事を見受けるわけですが、やっぱり他の方々は考察というかこの作品が持っているポンテンシャル、深い魅力の価値がどこにあるのか、非常に丹念に読み説いていらっしゃって、理解度が深まるなあ。
さらにこうした記事を読みあさった後に、もう一度本編を読みなおすとさらに発見や再認識させられる部分がザクザクと湧いて出てきて、
もう至福でございますよ。
二度三度四度五度、何度でも美味しい。美味しい。ああ、素敵。

<Landreaall 13 / おがき ちか>  Babylon C@fe.
『Landreaall』のすばらしさを全力で語ってみる。
『Landreaall』に見る対等な関係性。 Something Orange
『Landreaall』 13巻 おがきちか著 より深い世界を、エンターテイメントのテンプレートで 物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために


Landreaall 1 (1) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
Landreaall 1 (1) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)おがき ちか

スタジオディーエヌエー 2003-03
売り上げランキング :

おすすめ平均 star
star「本物」のファンタジー
starお勧めです。
star冒険のススメ★

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

Landreaall 135   

Landreaall 13 (13) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 13】 おがきちか IDコミックス/ZERO-SUMコミックス

Amazon



読んだ。 読んだ読んだ読んだ読んだ読んだよーーーーー!
Landreaallだ。ランドリオール、Landreaall!!!♪♪

いやっっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

Marvelous!!
Marvelous!!
Marvelous!!
Marvelous!!
Marvelous!!

狂乱である。狂喜乱舞である。面白い、面白いったら面白い。面白すぎて死んでしまいそうになるほど面白いったら面白い!
主人公のDXがほとんど登場しないって言うのに、この常軌を逸した面白さはいったいなんなの? 素晴らしいったらありゃしない。
もう決定ですよ、決まってしまいましたよ。本年度における漫画作品のナンバーワンはこのLandreaallで決定! 決まりったら決まり。

DXと六甲が竜胆の一件で不在の中、突如アカデミーをはじめとする王都に襲いかかってきたスピンドルと呼称される危険種モンスターの大群。
アカデミー内に取り残された生徒たちは急遽、アカデミー騎士団を編成。戦力として、なにより指導者として誰もが最適と認めるDXが不在という状況で、彼らはティ・ティを司令官に、カイルを現場指揮官に配し、襲い来るモンスターから、学園女子寮に立てこもった自らたちを守る戦いを開始する。

最初にスピンドルが襲ってきた段階で、女子生徒と初等部の子供4人が重傷を負ってしまっている。当面、女子寮に立てこもってさえいれば安全は確保されるものの、彼らを放置すれば死んでしまいかねない状態。
それで、とにかくその重傷者たちと初等部のこどもたち、女子生徒たちを優先して脱出されることになった、というのが前12巻までの展開。

と、いきなり冒頭の63話で、相談役と寮監がえらい不穏な会話を交わしているんですよね。
バイオテロってなんですか!?
そこで五十四さんの名前が出てくるということは、あのおたふく風邪の流行は意図的なものだったとでもいうのだろうか。それも五十四さんに感染すること、彼女が自国に戻ることを狙って?
実害は出ていないのは、巻末のオマケで明らかになってるけど、どういう意図によるものなんだ?
うわぁ、これもしかしてめちゃめちゃ重要な伏線? この大変な状況下でまたえらいことを。
いや、意図的ではなく結果的に、と考えれば、意図せぬ形でアトルニア王国がウルファネアにバイオテロを仕掛けたことになり、国家間の軋轢につながりかねないとかそういうアレかい?
いや、その問題をつっついて、アカデミーとして竜胆と五十四さんの身の安全をアトルニアに保障させようという、学長と彼女の彼らなりのDXへの回答が、これなのかしら。
うむむ、これかなり危ない橋渡ってるぞ。強引すぎる。アカデミーに対して国の上の方の人たちが面白からぬ感情を抱く可能性も。だから、レイ・サークが関わりたくないとか言ってるのか? 無理っぽいけど。


何とか負傷者、初等部と女子の半分を脱出させることに成功。その一方で、ティ・ティの指揮のもとに脱出組の支援のために陽動に回っていた部隊のうちの一つが孤立してしまう。
刻々と変転し、悪化していく状況の中、ティ・ティはその一隊を見捨てる決断をする。
今回、DXが不在の中一番重たい役目を背負わされたのはティ・ティで間違いないだろう。皆は彼の王家の人間と言う血筋、リーダーとしての資質、司令塔としての頭脳を信頼し、彼の決断に諾々と従い、彼はその期待に応えて、未成年の一学生としてではなく、時として非情な決断を迷わない組織の長として振る舞う責任を果たし続ける。
ティ・ティ。良く見ると、時間が経つにつれて痩せてってるんですよね。トリクシーとの共感を、限界以上に使ってたってことなんだよね。その上で、疲労も磨滅も周囲には気づかせず、常に冷静さを保っていた。鷹揚で頼もしいその姿を。
彼もまた、指導者が、特に危急時の指導者がどういう態度を取るべきか魂から理解している人間であり、その恐ろしさをわきまえている人間だったということなんだろう。
無邪気にDXの周囲を跳ねまわっていたイオンも、ようやく立場の責任というものをこの事件を通じて実感したみたいだし。
最初は、一個人の武芸では何もできないことを思い知り、組織の一員として動こうとして、自分が王家の人間としてその言葉が、行動が、存在が他人を動かし、時に命を掛けさせる重きをなすという事例を、実体験として経験してしまうことで、常々兄貴のDXが逃げ回っていた人を導く立場に立つという事の意味を、理解する。
それが、どんなに恐ろしく、人の心を容易に押しつぶしかねない重たいものなのかを。自分の言葉が他人を死地に追いやり、自身の間違いが自分以外の人々を傷つけ、命運を決定づけてしまう、その恐ろしさを。
彼女も、いつまでも無邪気な武芸達者な女の子のままじゃいられないということなんだろうね。自覚し、自ら望むことで、彼女は本物のお姫様になろうとしている。
今までだって、無自覚にその言葉で、態度で、周りの人たちに多大な影響を及ぼしてきたのだけれど。フィルが自分の生き方を、彼女の言葉で決めたように。これからは、いずれ彼女は人の運命を決定づける己の言葉を、自らの意志で口にする機会が訪れるのかもしれない。
彼女の聡さ、賢さは、実に健気で無垢で、自身の至らなさ、間違い、未熟さをすんなりと認めることができるんだよね。そこが、イオン・ルッカフォートの掛け替えのない魅力であるんだろう。

この一連の危急で、ティ・ティやカイルをはじめとする貴族階級、騎士候補生たちはその高貴なるものの義務を徹底して果たすことになるんだけど。
うん、この物語の舞台となる世界では、身分はけっこうきっかり固まってるんですよね。アカデミー内でも、それらは厳然として存在する。アカデミー騎士団結成の段階でも、その辺でゴタゴタあったしね。
もちろん、騎士候補生たちはその身分に驕って偉そうにするのとは違い、徹底して自分たち以外の身分の者たち、女性らを自らを犠牲にしても守ろうとする。それは誇り高い尊い行為なんだろうけど……ライナスが愚痴る気持ちも分かるんですよね。対等に扱いやがらねえって。
体裁と友情の両立か。身分の違い、立ち場の違いは厳然としてあるとしても、友情に分け隔てはないはず。
ティ・ティとフィルの罵り合いには、なんか泣きそうになった。
んで、立ち場の違い、身分の違いは厳然としてあるとして、このアカデミーでともに剣を持ち、命を賭けて戦ったという共通の経験が、アカデミー攻防戦で刻まれたのは、とても大きなことなのかもしれない。
ただ守られる立場に甘んじることなく、自らも剣を取った商人や下層階級、高位貴族の面々。
対して、貴族や騎士候補生の連中にも。これは、戦いが終わったあとのフィルとハルたちの会話が象徴的だったかな。
市街地にもモンスターによる被害が出ていたことで、フィルが家の様子を見に戻ろうとするんだけど、ハルや貴族連中たちは市街地は騎士団が守ったから大丈夫だと、胸を張るんですよね。それは、自分たちがアカデミーを守ったことと重ねるように。
でも、フィルはあっさりと自分たち貧民が暮らす外周を、騎士団が守るはずないだろう、と告げて行ってしまう。憎しみも皮肉も怒りもなく、ただ淡々と事実を告げるように。
そのことに、ハルは思わず涙を流し、貴族連中も項垂れてしまう。自分たちが騎士団は外周も守った、と言い返せなかったこと。フィルがその事実を当然として受け止め、落胆もせず、そもそも期待もしていないということが、情けなくて、悔しくて。
自分たちは自分たちが目指す騎士団と同じように誇るべき戦いを果たしたつもりだったのに、自分たちと同じように戦ったフィルに、そんなわけない、本物の騎士団は君の家族も守ったに違いない、と言えなかった。これは、自分たちが誇ろうとしていた自分たちの勝利すらも、その程度だったと思い知らされる想いだったんだろうなあ。
でも、そんな彼らに横で聞いていたハルの婚約者のジアが言ってくれるんだ。
「ハルが議会に入る頃にはみんな騎士団にいる そうでしょ? 今日ここで戦った仲間が大勢騎士になってる 議会にもいるわ そうしたらフィルに堂々と言い返せるわよ 「外周だって騎士団が守るに決まってる」「君の家は安全だ」って! 信じるわ 私たちの騎士団はそうなるって ね! 約束して ハル」


身分の違いや、立場の違いは、この先も無くなることはないだろう。だとしても、それを越えたつながりが、共感が、この戦いを通じて繋がった気がする。
このアルトニア王国の未来は、この一日を境に決定的に変化したのかもしれない。次代を担う若者たちが、この日、手にしたものはとてつもなく大きいものだったに違いない。

そして、いなくてもその存在感が消えるどころかとてつもなく大きかったDX。
常々彼が抱き、感じ続けていた境界の人間としての想い。ルーディーが言うところの貴族だけど頭の中は傭兵という、上に立つ人間と個として振る舞う人種の両方の立場の狭間で泳いでいる彼が常から抱いている相克を、イオンやハルたち、DXを知りながら彼を理解しきれていなった人々が、この戦いの中で経験したことを通じて彼の想いの一端を共感していく姿が印象的だった。

そして、ティ・ティが戦い終わってこぼした一言。DXとリドが帰ってくる場所を守れた、という一言と本当にうれしそうな笑顔が……ああもう泣きそう。
さっきのハルの涙の場面もそうだけど、あらゆる場面で泣きそうに。
泣いちゃいそう。

素晴らしい、あまりにも素晴らしい大傑作回でした。
最ッ高!!


そして、ラスト。まんを持してメイアンディア登場(やんややんや

巻末漫画が、また気になる書き方を。耳、耳。巧妙に隠しやがって、耳(読んだ人はわかるでしょ?
んで、アンちゃん。やっぱり性別は不明なのか
 
12月3日

(PASH!ブックス)
Amazon Kindle B☆W


(ドラゴンノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W


Amazon B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W
12月2日

(一迅社ノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(一迅社ノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(一迅社ノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社ラノベ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(講談社ラノベ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(Kラノベブックス)
Amazon Kindle B☆W


(早川書房)
Amazon Kindle B☆W

12月1日

(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(HJコミックス)
Amazon Kindle B☆W

11月30日

(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


Kindle B☆W

11月29日

(ヒーロー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ヒーロー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ファミ通文庫)
Amazon Kindle B☆W


(エンターブレイン)
Amazon Kindle B☆W

11月28日

(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月27日

(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(アクションコミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月26日

(エンターブレイン)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月25日

Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップノベルスf)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(KADOKAWA)
Amazon Kindle B☆W

11月22日

(MFC)
Amazon Kindle B☆W


(MFC)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス フラッパーシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスpixiv)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月20日

Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(GCN文庫)
Amazon Kindle B☆W

11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーGXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーGXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月18日

(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガブックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングチャンピオン烈コミックス)
Amazon Kindle B☆W

11月17日

(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W


(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W


(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(アフタヌーンKC)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W

11月16日

(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W

11月15日

(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(Gファンタジーコミックス)
Amazon Kindle B☆W

11月12日

(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(宝島社)
Amazon Kindle B☆W


(星海社COMICS)
Amazon Kindle B☆W


(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーうぇぶりSSC)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スター コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(メテオCOMICS)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(アクションコミックス(月刊アクション))
Amazon Kindle B☆W

11月10日

(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W

11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
Amazon Kindle B☆W


(ドラゴンコミックスエイジ)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

Categories
最新コメント

Archives
記事検索
タグ絞り込み検索